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特開2023-110829位置決め装置付き走査システム、装置、方法、デバイス及び媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023110829
(43)【公開日】2023-08-09
(54)【発明の名称】位置決め装置付き走査システム、装置、方法、デバイス及び媒体
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20230802BHJP
   A61B 6/08 20060101ALI20230802BHJP
   A61B 6/00 20060101ALI20230802BHJP
【FI】
A61B6/03 330A
A61B6/08 331
A61B6/00 390C
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131813
(22)【出願日】2022-08-22
(31)【優先権主張番号】202210108151.3
(32)【優先日】2022-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】517276893
【氏名又は名称】首都医科大学附属北京友誼医院
【氏名又は名称原語表記】BEIJING FRIENDSHIP HOSPITAL,CAPITAL MEDICAL UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】No.95 Yongan Road,Xicheng District Beijing 100050 (CN)
(71)【出願人】
【識別番号】506259634
【氏名又は名称】清華大学
【氏名又は名称原語表記】TSINGHUA UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】Qinghuayuan,Haidian District,Beijing 100084,China
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【弁理士】
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】王 振常
(72)【発明者】
【氏名】尹 紅霞
(72)【発明者】
【氏名】張 麗
(72)【発明者】
【氏名】刑 宇翔
(72)【発明者】
【氏名】趙 鵬飛
(72)【発明者】
【氏名】呂 ▲含▼
(72)【発明者】
【氏名】張 征宇
(72)【発明者】
【氏名】李 静
(72)【発明者】
【氏名】湯 若薇
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA22
4C093CA35
4C093DA04
4C093EE16
4C093EE30
4C093FA18
4C093FA53
4C093FA54
4C093FA59
4C093FC27
4C093FD04
4C093GA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】狭い範囲内の領域に対する高精度位置決めを可能とし、デバイスのコストを低下させるだけでなく、臨床的に適用されるときの取り扱いを簡便なものとする。
【解決手段】被検者の頭部に小型位置決め装置を装着することによって、被検者の側頭骨領域内の重要な体表標識点に対応する位置情報を収集するとともに、各体表標識点の走査デバイスに使用される座標系下のCT走査座標を得て、体表標識点と側頭骨領域内の解剖学的構造との位置マッチング関係から、各体表標識点と解剖学的構造との対応関係及び走査デバイスに使用される座標系下で各解剖学的構造を走査するのに必要なCT走査制御パラメータを決定し、決定したCT走査制御パラメータに基づいて走査デバイスが被検者の側頭骨領域に対応する位置に移動して、対応する被検者の側頭骨領域を走査するように制御を行うことができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者の側頭骨領域に対してCT走査を行う走査デバイスと、前記走査デバイスと協力して使用される位置決め装置及び走査制御デバイスとを含み、
前記位置決め装置は、被検者の頭部に装着され、前記被検者の側頭骨領域内の体表標識点の、前記位置決め装置に使用される第1座標系下の座標情報を取得し、前記座標情報を前記走査制御デバイスに送信し、
前記走査制御デバイスは、第1座標系と、前記走査デバイスに使用される第2座標系との間の座標変換関係に従って、前記座標情報を前記体表標識点に対応するCT走査座標に変換し、前記体表標識点と側頭骨領域内の解剖学的構造との間の位置マッチング関係から、前記体表標識点に対応するCT走査座標と組み合わせて、前記被検者の側頭骨領域に対応するCT走査制御パラメータを決定し、前記CT走査制御パラメータに基づいて、前記走査デバイスが前記被検者の側頭骨領域に移動して前記被検者の側頭骨領域に対してCT走査を行うように制御を行う、ことを特徴とする位置決め装置付き走査システム。
【請求項2】
前記体表標識点は外耳孔、眉のアーチ及び眼窩下縁を含み、前記位置決め装置は、伸縮可能な支持部材と、前記支持部材に固設されたルーラー及び主制御チップと、独立して設けられた耳栓とを含み、
前記支持部材は、前記被検者の頭部に装着され、かつ、前記被検者の頭部の横軸方向において前記被検者の頭部の幅に適合するように調整され、
前記ルーラーに第1位置決めセンサが設けられ、前記耳栓内に第2位置決めセンサが設けられ、前記支持部材が前記被検者の頭部の幅に適合するように調整される場合、前記第1位置決めセンサは、前記被検者の眉のアーチ及び眼窩下縁の位置情報を決定し、前記第2位置決めセンサは、前記被検者の外耳孔の位置情報を決定し、
前記主制御チップは、前記被検者の眉のアーチ、眼窩下縁、及び、外耳孔の位置情報を前記第1座標系下の座標情報に変換して、前記走査制御デバイスに送信する、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記支持部材は、フレーム構造、ヘッドレスト構造、又は、マスク構造として構成され、前記支持部材がフレーム構造である場合、前記ルーラーは、メガネフレームに設けられ、前記支持部材が、ヘッドレスト構造又はマスク構造である場合、前記ルーラーは側壁に設けられる、ことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記主制御チップは、プロセッサと、通信ユニットとを含み、前記第1位置決めセンサは、前記被検者の側頭骨領域内の2つの眉のアーチ及び2つの眼窩下縁の第1位置情報を取得して前記プロセッサに報告し、前記第2位置決めセンサは、2つの外耳孔の第2位置情報を取得して前記プロセッサに報告し、
前記プロセッサは、前記第1センサによって取得された2つの眉のアーチ及び2つの眼窩下縁の第1位置情報から、2つの眉のアーチ及び2つの眼窩下縁の前記第1座標系下の対応する座標情報を決定するとともに、前記第2センサによって取得された2つの外耳孔の第2位置情報から、2つの外耳孔の前記第1座標系下の座標情報を決定し、
前記通信ユニットは、前記処理デバイスに通信可能に接続され、前記2つの眉のアーチ、2つの眼窩下縁及び2つの外耳孔の前記第1座標系下の座標情報を前記走査制御デバイスに送信する、ことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記走査デバイスは、走査ベッドを含み、前記CT走査制御パラメータに基づいて前記走査ベッドの移動を制御する、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記走査デバイスは、CT光源と検出器とをさらに含み、前記走査制御デバイスはさらに、前記CT走査制御パラメータに基づいて前記CT光源から放射されたX線の強さを制御するとともに、前記検出器を制御して走査データを収集させる、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
伸縮可能な支持部材と、前記支持部材に固設されたルーラー及び主制御チップと、独立して設けられた耳栓とを含み、
前記支持部材は、被検者の頭部に装着され、かつ、前記被検者の頭部の横軸方向において前記被検者の頭部の幅に適合するように調整され、
前記ルーラーにスライド可能な第1位置決めセンサが設けられ、前記耳栓内に第2位置決めセンサが設けられ、前記支持部材が前記被検者の頭部の幅に適合するように調整される場合、前記第1位置決めセンサは、前記被検者の眉のアーチ及び眼窩下縁の位置情報を決定し、前記第2センサは、前記被検者の外耳孔の位置情報を決定し、
前記主制御チップは、前記被検者の眉のアーチ、眼窩下縁及び外耳孔の位置情報を前記第1座標系下の座標情報に変換して前記位置決め装置と協力して使用される走査制御デバイスに送信する、ことを特徴とする位置決め装置。
【請求項8】
前記支持部材は、フレーム構造、ヘッドレスト構造又はマスク構造として構成され、前記支持部材が、フレーム構造である場合、前記ルーラーは、メガネフレームに設けられ、前記支持部材が、ヘッドレスト構造又はマスク構造である場合、前記ルーラーは、側壁に設けられる、ことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記主制御チップは、プロセッサと通信ユニットとを含み、前記ルーラーにおける第1センサは、前記被検者の側頭骨領域内の2つの眉のアーチ及び2つの眼窩下縁の位置情報を取得して前記プロセッサに報告し、前記耳栓内の第2センサは、2つの外耳孔の位置情報を取得して前記プロセッサに報告し、
前記プロセッサは、前記第1センサによって取得された2つの眉のアーチ及び2つの眼窩下縁の第1位置情報から、2つの眉のアーチ及び2つの眼窩下縁の前記第1座標系下の対応する座標情報を決定するとともに、前記第2センサによって取得された2つの外耳孔の第2位置情報から、2つの外耳孔の前記第1座標系下の座標情報を決定し、
前記通信ユニットは、前記処理デバイスに通信可能に接続され、前記2つの眉のアーチ、2つの眼窩下縁、及び、2つの外耳孔の前記第1座標系下の座標情報を前記位置決め装置と協力して使用される走査制御デバイスに送信する、ことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項10】
被検者の頭部に装着された位置決め装置によって前記被検者の側頭骨領域内の体表標識点の、前記位置決め装置に使用される第1座標系下の位置情報を収集するステップと、
第1座標系と走査デバイスに使用される第2座標系との間の座標変換関係に従って、前記位置情報を前記体表標識点に対応するCT走査座標に変換するステップと、
体表標識点と側頭骨領域内の解剖学的構造との間の位置マッチング関係から、前記体表標識点に対応するCT走査座標と組み合わせて、前記被検者の側頭骨領域に対応するCT走査制御パラメータを決定するステップと、
前記CT走査制御パラメータに基づいて、前記走査デバイスが前記被検者の側頭骨領域に移動して前記被検者の側頭骨領域に対してCT走査を行うように制御を行うステップとを含む、ことを特徴とする走査制御方法。
【請求項11】
被検者の側頭骨領域に対応するCT走査制御パラメータを決定する前記ステップの前に、
複数名のサンプル被検者について、側頭骨領域のCT走査を行い、前記複数名のサンプル被検者の側頭骨領域内の体表標識点の、前記走査デバイスに使用される第2座標系下のCT走査座標を決定するステップと、
前記複数名のサンプル被検者の側頭骨領域内の各解剖学的構造の中心点の前記第2座標系下のCT走査座標及び各体表標識点と各解剖学的構造との対応関係から、前記複数名のサンプル被検者の側頭骨領域内の体表標識点と側頭骨領域内の解剖学的構造との間の位置マッチング関係を決定するステップとをさらに含む、ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
プロセッサと、コンピュータプログラムが記憶されているメモリとを含み、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行することによって、被検者の頭部に装着された位置決め装置によって前記被検者の側頭骨領域内の体表標識点の、前記位置決め装置に使用される第1座標系下の位置情報を収集し、
第1座標系と、走査デバイスに使用される第2座標系との間の座標変換関係に従って、前記位置情報を前記体表標識点に対応するCT走査座標に変換し、
体表標識点と、側頭骨領域内の解剖学的構造との間の位置マッチング関係から、前記体表標識点に対応するCT走査座標と組み合わせて、前記被検者の側頭骨領域に対応するCT走査制御パラメータを決定し、
前記CT走査制御パラメータに基づいて、前記走査デバイスが前記被検者の側頭骨領域に移動して前記被検者の側頭骨領域に対してCT走査を行うように制御を行う、ことを特徴とするコンピュータデバイス。
【請求項13】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、前記プロセッサは請求項10~11のいずれか1項に記載の方法のステップを実現する、ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願はコンピュータの技術分野に関し、特に位置決め装置付き走査システム、装置、方法、デバイス及び媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
側頭骨領域は人間の頭部の重要な領域であり、片側の側頭骨の上下範囲は約3cm、左右、前後範囲は約5cmである。このような狭い範囲の領域内に、聴小骨、蝸牛、前庭、半規管などの重要な聴覚、平衡覚などの機能器官が含まれ、その中に重要な神経と血管構造も含まれる。臨床でよく見られる難聴、耳鳴り、めまいなどの病症を引き起こす主要な病変位置は側頭骨領域である。側頭骨CT走査は、病変の原因を直観的に表示する重要な手段である。しかし、側頭骨領域の重要な解剖学的構造、例えば、槌骨、キヌタ骨、アブミ骨、顔面神経管、前庭水管、蝸牛水管など、サイズは微小で、病変は隠れており、CT走査の空間認識力に対する要求は極めて高い。
【0003】
従来の側頭骨CT走査手段では、通常は大視野+小視野の走査方式を採用して側頭骨領域内の重要な体表標識点に対して位置決めを行うが、この方式は操作者の個人経験に依存するだけでなく、走査デバイスのコストも高い。そのため、小視野走査の方式だけで側頭骨領域内の重要な解剖学的構造に対して全面的な走査を行うことができ、側頭骨領域内の重要な体表標識点を正確に位置決めすることができる、正確な制御や位置決めが可能な小視野走査システムを提供する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
本願の複数の態様は、小視野走査の方式によって、側頭骨領域内の重要な解剖学的構造に対応する体表標識点を精度よく位置決めする、位置決め装置付き走査システム、装置、方法、デバイス、及び媒体を提供する。
本願の実施例は、位置決め装置付き走査システムを提供する。位置決め装置付き走査システムは、被検者の側頭骨領域に対してCT走査を行う走査デバイスと、前記走査デバイスと協力して使用される位置決め装置及び走査制御デバイスとを含む。
【0005】
前記位置決め装置は、被検者の頭部に装着され、前記被検者の側頭骨領域内の体表標識点の、前記位置決め装置に使用される第1座標系下の座標情報を取得し、前記座標情報を前記走査制御デバイスに送信する。
【0006】
前記走査制御デバイスは、第1座標系と、前記走査デバイスに使用される第2座標系との間の座標変換関係に従って、前記座標情報を前記体表標識点に対応するCT走査座標に変換し、体表標識点と側頭骨領域内の解剖学的構造との間の位置マッチング関係から、前記体表標識点に対応するCT走査座標と組み合わせて、前記被検者の側頭骨領域に対応するCT走査制御パラメータを決定し、前記CT走査制御パラメータに基づいて前記走査デバイスが前記被検者の側頭骨領域に移動して前記被検者の側頭骨領域に対してCT走査を行うように制御を行う。
【0007】
1つの好適な実施例では、前記体表標識点は、外耳孔、眉のアーチ、及び、眼窩下縁を含む。前記位置決め装置は、伸縮可能な支持部材と、前記支持部材に固設されたルーラー及び主制御チップと、独立して設けられた耳栓とを含み、
【0008】
前記支持部材は、前記被検者の頭部に装着され、かつ、前記被検者の頭部の横軸方向において前記被検者の頭部の幅に適合するように調整される。前記ルーラーに第1位置決めセンサが設けられ、前記耳栓内に第2位置決めセンサが設けられる。前記支持部材が、前記被検者の頭部の幅に適合するように調整される場合、前記第1位置決めセンサは、前記被検者の眉のアーチ及び眼窩下縁の位置情報を決定し、前記第2位置決めセンサは、前記被検者の外耳孔の位置情報を決定する。
前記主制御チップは、前記被検者の眉のアーチ、眼窩下縁、及び、外耳孔の位置情報を前記第1座標系下の座標情報に変換して、前記走査制御デバイスに送信する。
【0009】
1つの好適な実施例では、前記支持部材は、フレーム構造、ヘッドレスト構造又はマスク構造として構成される。前記支持部材が、フレーム構造である場合、前記ルーラーはメガネフレームに設けられる。前記支持部材が、ヘッドレスト構造又はマスク構造である場合、前記ルーラーは側壁に設けられる。
【0010】
1つの好適な実施例では、前記主制御チップは、プロセッサと通信ユニットとを含む。前記第1位置決めセンサは、前記被検者の側頭骨領域内の2つの眉のアーチ及び2つの眼窩下縁の第1位置情報を取得して前記プロセッサに報告し、前記第2位置決めセンサは、2つの外耳孔の第2位置情報を取得して前記プロセッサに報告する。前記プロセッサは、前記第1センサによって取得された2つの眉のアーチ及び2つの眼窩下縁の第1位置情報から、2つの眉のアーチ及び2つの眼窩下縁の前記第1座標系下の対応する座標情報を決定するとともに、前記第2センサによって取得された2つの外耳孔の第2位置情報から、2つの外耳孔の前記第1座標系下の座標情報を決定する。
【0011】
前記通信ユニットは、前記処理デバイスに通信可能に接続され、前記2つの眉のアーチ、2つの眼窩下縁、及び、2つの外耳孔の前記第1座標系下の座標情報を前記走査制御デバイスに送信する。
1つの好適な実施例では、前記走査デバイスは走査ベッドを含み、前記CT走査制御パラメータに基づいて前記走査ベッドの移動を制御する。
【0012】
1つの好適な実施例では、前記走査デバイスは、CT光源と検出器とをさらに含む。前記走査制御デバイスはさらに、前記CT走査制御パラメータに基づいて前記CT光源から放射されたX線の強さを制御するとともに、前記検出器を制御して走査データを収集させる。
本願の実施例はまた、位置決め装置を提供する。位置決め装置は、伸縮可能な支持部材と、前記支持部材に固設されたルーラー及び主制御チップと、独立して設けられた耳栓とを含む。
前記支持部材は、前記被検者の頭部に装着され、かつ前記被検者の頭部の横軸方向において前記被検者の頭部の幅に適合するように調整される。
【0013】
前記ルーラーに、スライド可能な第1位置決めセンサが設けられ、前記耳栓内に第2位置決めセンサが設けられる。前記支持部材が、前記被検者の頭部の幅に適合するように調整される場合、前記第1位置決めセンサは、前記被検者の眉のアーチ及び眼窩下縁の位置情報を決定し、前記第2センサは、前記被検者の外耳孔の位置情報を決定する。
【0014】
前記主制御チップは、前記被検者の眉のアーチ、眼窩下縁、及び、外耳孔の位置情報を前記第1座標系下の座標情報に変換して、前記位置決め装置と協力して使用される走査制御デバイスに送信する。
【0015】
1つの好適な実施例では、前記支持部材はフレーム構造、ヘッドレスト構造又はマスク構造として構成され、前記支持部材がフレーム構造である場合、前記ルーラーはメガネフレームに設けられ、前記支持部材がヘッドレスト構造又はマスク構造である場合、前記ルーラーは側壁に設けられる。
【0016】
1つの好適な実施例では、前記主制御チップは、プロセッサと通信ユニットとを含み、前記ルーラーにおける第1センサは前記被検者の側頭骨領域内の2つの眉のアーチ及び2つの眼窩下縁の位置情報を取得して前記プロセッサに報告し、前記耳栓内の第2センサは、2つの外耳孔の位置情報を取得して前記プロセッサに報告し、前記プロセッサは前記第1センサによって取得された2つの眉のアーチ及び2つの眼窩下縁の第1位置情報から、2つの眉のアーチ及び2つの眼窩下縁の前記第1座標系下の対応する座標情報を決定するとともに、前記第2センサによって取得された2つの外耳孔の第2位置情報から、2つの外耳孔の前記第1座標系下の座標情報を決定し、
【0017】
前記通信ユニットは前記処理デバイスに通信可能に接続され、前記2つの眉のアーチ、2つの眼窩下縁及び2つの外耳孔の前記第1座標系下の座標情報を前記位置決め装置と協力して使用される走査制御デバイスに送信する。
本願の実施例はまた、走査制御方法を提供する。走査制御方法は、
【0018】
被検者の頭部に装着された位置決め装置によって、前記被検者の側頭骨領域内の体表標識点の、前記位置決め装置に使用される第1座標系下の位置情報を収集するステップと、
【0019】
第1座標系と、走査デバイスに使用される第2座標系との間の座標変換関係に従って、前記位置情報を前記体表標識点に対応するCT走査座標に変換するステップと、
【0020】
体表標識点と側頭骨領域内の解剖学的構造との間の位置マッチング関係から、前記体表標識点に対応するCT走査座標と組み合わせて、前記被検者の側頭骨領域に対応するCT走査制御パラメータを決定するステップと、
【0021】
前記CT走査制御パラメータに基づいて、前記走査デバイスが前記被検者の側頭骨領域に移動して前記被検者の側頭骨領域に対してCT走査を行うように制御を行うステップとを含む。
1つの好適な実施例では、被検者の側頭骨領域に対応するCT走査制御パラメータを決定する前記ステップの前に、
【0022】
複数名のサンプル被検者について側頭骨領域のCT走査を行い、前記複数名のサンプル被検者の側頭骨領域内の体表標識点の、前記走査デバイスに使用される第2座標系下のCT走査座標を決定するステップと、
【0023】
前記複数名のサンプル被検者の側頭骨領域内の各解剖学的構造の中心点の前記第2座標系下のCT走査座標及び各体表標識点と各解剖学的構造との対応関係から、前記複数名のサンプル被検者の側頭骨領域内の体表標識点と側頭骨領域内の解剖学的構造との間の位置マッチング関係を決定するステップとをさらに含む。
【0024】
本願の実施例はまた、プロセッサと、コンピュータプログラムが記憶されているメモリとを含む、コンピュータデバイスを提供する。前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行することによって、被検者の頭部に装着された位置決め装置によって前記被検者の側頭骨領域内の体表標識点の、前記位置決め装置に使用される第1座標系下の位置情報を収集し、第1座標系と走査デバイスに使用される第2座標系との間の座標変換関係に従って、前記位置情報を前記体表標識点に対応するCT走査座標に変換し、体表標識点と側頭骨領域内の解剖学的構造との間の位置マッチング関係から、前記体表標識点に対応するCT走査座標と組み合わせて、前記被検者の側頭骨領域に対応するCT走査制御パラメータを決定し、前記CT走査制御パラメータに基づいて、前記走査デバイスが前記被検者の側頭骨領域に移動して前記被検者の側頭骨領域に対してCT走査を行うように制御を行う。
【0025】
本願の実施例はまた、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに前記方法のステップを実行させる、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0026】
本願の実施例では、被検者の頭部に小型位置決め装置を装着することによって、被検者の側頭骨領域内の重要な体表標識点に対応する位置情報を収集する。それとともに、各体表標識点の走査デバイスに使用される座標系下のCT走査座標を得て、体表標識点と、側頭骨領域内の解剖学的構造との位置マッチング関係から、各体表標識点と解剖学的構造との対応関係、及び、走査デバイスに使用される座標系下で各解剖学的構造を走査するのに必要なCT走査制御パラメータを決定する。決定したCT走査制御パラメータに基づいて走査デバイスが被検者の側頭骨領域に対応する位置に移動して、対応する被検者の側頭骨領域を走査するように制御を行うことができる。このような小視野走査方式によって、狭い範囲内の領域に対する高精度位置決めを可能とし、デバイスのコストを低下させるだけでなく、臨床的に適用されるときの取り扱いを簡便なものとする。
【図面の簡単な説明】
【0027】
ここで説明する図面は本願をさらに理解するために提供するものであり、本願の一部となり、本願の例示的な実施例及びその説明は本願を解釈するためのものであり、本願を不適切に限定するものではない。
図1a】本願の実施例による走査システムの構造概略図である。
図1b】本願の実施例による側頭骨領域内の体表標識点の概略図である。
図1c】本願の実施例によるメガネ構造の位置決め装置の構造概略図である。
図1d】本願の実施例によるヘッドレスト構造の位置決め装置の構造概略図である。
図1e】本願の実施例によるマスク構造の位置決め装置の構造概略図である。
図1f】本願の実施例による走査プロセスの概略図である。
図2】本願の実施例による走査制御方法のフローチャートである。
図3】本願の実施例によるコンピュータデバイスの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本願の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下、本願の具体的な実施例及び対応する図面を参照して本願の技術的解決手段を明確かつ完全に説明する。明らかに、説明する実施例は本願の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。当業者が本願の実施例に基づいて創造的な努力を必要とせずに得る全ての他の実施例は本願の特許範囲に属する。
【0029】
小視野走査によって被検者の側頭骨領域内の重要な体表標識点を精度よく位置決めし、走査デバイスを制御して位置決めされた体表標識点を正確に走査させるために、本願の実施例は位置決め装置付き走査システムを提供する。図1aは該走査システムの構造概略図である。図1aに示すように、走査システムは、被検者の側頭骨領域に対してCT走査を行う走査デバイス30と、走査デバイス30と協力して使用される位置決め装置10及び走査制御デバイス20とを含む。このうち、位置決め装置10は、被検者の頭部位置に装着され、被検者の側頭骨領域内の体表標識点の、位置決め装置に使用される第1座標系下の座標情報を取得し、座標情報を走査制御デバイス20に送信する。走査制御デバイス20は、第1座標系と、走査デバイス30に使用される第2座標系との間の座標変換関係に従って、各体表標識点の第1座標系下の座標情報を体表標識点の第2座標系下の対応するCT走査座標に変換する。体表標識点と側頭骨領域内の解剖学的構造との間の位置マッチング関係から、体表標識点に対応するCT走査座標と組み合わせて、被検者の側頭骨領域に対応するCT走査制御パラメータを決定する。CT走査制御パラメータに基づいて、走査デバイス30が被検者の側頭骨領域に移動して被検者の側頭骨領域に対してCT走査を行うように制御を行う。
【0030】
本願の実施例では、被検者の側頭骨領域内の重要な体表標識点の具体的な位置は、限定されるものではない。任意選択で、体表標識点は、外耳孔、眉のアーチ、眼窩下縁などの標識点であってもよい。図1bに示すように、D点は、眉のアーチに対応する体表標識点であり、B点は、眼窩下縁に対応する体表標識点であり、C点は、外耳孔に対応する体表標識点である。さらに、側頭骨領域内の解剖学的構造の具体的な構造も限定されるものではない。任意選択で、解剖学的構造は、耳鼓室、蝸牛、S状静脈洞などの構造であってもよい。これらに制限されるものではなく、病変検査のニーズに応じて、他の体表標識点や解剖学的構造が含まれてもよい。本願の実施例では、第1座標系を決定する方式は限定されない。任意選択で、世界座標系としてもよく、位置決め装置10自体の中心点を原点として作成されてもよく、いずれかの体表標識点、例えば外耳孔を原点として作成されてもよく、具体的な決定方式は、必要に応じて柔軟に決定され得る。本願の実施例では、第2座標系とは、走査デバイス30の中心点を原点として作成された座標系である。該第2座標系は、走査デバイス30を取り付ける初期に設定されるものである。任意選択で、第2座標系のZ軸方向が、走査デバイス30に対応する眼窩外耳道基準線と一致してもよいが、これに限定されるものではない。
【0031】
本願の実施例では、体表標識点と側頭骨領域内の解剖学的構造との間の位置マッチング関係を得るために、複数名の被検者をサンプル被検者として、事前にサンプル被検者について側頭骨領域を走査し、各サンプル被検者の側頭骨領域内の重要な体表標識点及び各解剖学的構造のそれぞれに対応する第2座標系下のCT走査座標を得るようにしてもよい。任意選択で、図1bに示すように、走査に際しては、点Cを1つの走査中心点、B点を別の走査中心として、異なる位置から走査して、蝸牛、中耳鼓室、S状静脈洞、耳小骨連鎖、内耳道などの解剖学的構造の中心点のそれぞれに対応する第2座標系下のCT走査座標、及び各解剖学的構造の中心点と各体表標識点との間の第2座標系下の位置マッチング関係を決定してもよい。さらに、重要な体表標識点及び各解剖学的構造の中心点のCT走査座標に基づいて、体表標識点と側頭骨領域内の解剖学的構造との間の位置マッチング関係を確立する。ここで、位置マッチング関係には、各体表標識点から解剖学的構造の中心点までの距離や角度が含まれるが、これらに限定されない。さらに、被検者の側頭骨領域内の体表標識点に対応するCT走査座標を得た場合、対応するCT走査制御パラメータを決定できるように、本願の実施例では、サンプル被検者の側頭骨領域内の各解剖学的構造を走査するときに使用されるCT走査制御パラメータに基づいて、さまざまな解剖学的構造を走査するときに対応するCT走査制御パラメータを決定してもよい。ここで、CT走査制御パラメータには、各解剖学的構造の中心点である中心から所望の走査フィールドの上、下、前、後、左、右の境界までの距離、及びX線源の線量を制御する管電圧値や管電流値が含まれるが、これらに限定されない。
【0032】
任意選択で、さまざまな解剖学的構造を走査するときに対応するCT走査制御パラメータは以下のように決定されてもよい。例えば、中耳鼓室を中心としてCT走査を行う場合、矢状断面の位置決め線を眉のアーチの最高点に配置し、冠状断面の位置決め線を外耳孔に対して水平に配置し、及び体軸断面の位置決め線を顎関節陥凹に配置して、中耳鼓室を中心とする場合のX線源の線量を制御する管電圧値や管電流値を記録してもよい。蝸牛を中心としてCT走査を行う場合、矢状断面の位置決め線を眉のアーチの最高点よりも内側の約1cmに配置し、冠状断面の位置決め線を外耳孔に対して水平に配置し、体軸断面の位置決め線を顎関節陥凹に配置し、蝸牛を中心とする場合のX線源を制御する線量の管電圧値や管電流値を記録してもよい。S状静脈洞を中心としてCT走査を行う場合、矢状断面の位置決め線置を眉のアーチの最高点よりも外側の約1cmに配置し、冠状断面の位置決め線を外耳孔よりも下方の約1cmに配置し、体軸断面位置決め線を顎関節陥凹より足側約1cmに配置し、S状静脈洞を中心とする場合のX線源を制御する線量の管電圧値や管電流値を記録する。
【0033】
以上より、被検者の側頭骨領域内の体表標識点に対応するCT走査座標を得た場合、各体表標識点に対応するCT走査座標から、各体表標識点に対応する解剖学的構造を決定し、各解剖学的構造を走査するのに必要なCT走査制御パラメータを決定してもよい。さらに任意選択で、サンプルデータの正確性を確保し、CT走査制御パラメータを決定することを効率化するために、各サンプル被検者の頭部のサイズに応じて、サンプルデータの走査結果を群分けして、さまざまなタイプの走査結果を得るようにしてもよい。例えば、サンプル被検者の頭部の前後径及び左右径のサイズにより、極小サイズ、小サイズ、中サイズ、大サイズ、極大サイズなどの様々なタイプに分けることができる。これに基づいて、被検者の側頭骨領域内の体表標識点に対応するCT走査座標を得た場合、被検者の頭部のサイズの絞り込みに応じて、体表標識点と側頭骨領域内の解剖学的構造との間の位置マッチング関係の決定範囲を絞り込んでもよい。さらに、各体表標識点に対応するCT走査座標から、各体表標識点に対応する解剖学的構造及び各解剖学的構造を走査するのに必要なCT走査制御パラメータを決定する。
【0034】
本願の実施例では、位置決め装置10の具体的な形態は限定されるものではない。任意選択で、位置決め装置10は、伸縮可能な支持部材と、支持部材に固設されたルーラー及び主制御チップと、独立して設けられた耳栓とを含んでもよい。このうち、支持部材は、被検者の頭部に装着され、かつ被検者の頭部の横軸方向において被検者の頭部領域の幅に適合するように調整される。本願の実施例では、ルーラーにスライド可能な第1位置決めセンサが設けられ、耳栓内に第2位置決めセンサが設けられる。支持部材が被検者の頭部の幅に適合するように調整される場合、第1センサは、被検者の2つの眉のアーチ及び2つの眼窩下縁の位置情報を決定する。耳栓は、外耳孔内に装着され、被検者の2つの外耳孔の位置情報を取得し、主制御チップは被検者の2つの眉のアーチ、2つの眼窩下縁及び2つの外耳孔の位置情報をそれぞれ第1座標系下の座標情報に変換して走査制御デバイス20に送信する。本願の実施例では、ルーラーに設けられる第1センサの数は限定されるものではない。任意選択で、1つ又は複数であってもよく、第1センサが、複数である場合、それぞれ2つの眉のアーチ及び2つの眼窩下縁の位置情報を決定する。
【0035】
本願の実施例では、主制御チップが、2つの眉のアーチ、2つの眼窩下縁及び2つの外耳孔の位置情報を、それぞれ第1座標系下の座標情報に変換する具体的な方式は限定されるものではない。任意選択で、第1座標系が世界座標系である場合、第1位置決めセンサ及び第2位置決めセンサによって収集された位置情報に対応する世界座標は、そのまま、2つの眉のアーチ、2つの眼窩下縁、及び、2つの外耳孔のそれぞれに対応する第1座標系下の座標情報として決定されてもよい。さらに任意選択で、いずれかの体表標識点を原点として第1座標系を作成した場合、第1位置決めセンサ及び第2位置決めセンサによって収集された2つの眉のアーチ、2つの眼窩下縁、及び、2つの外耳孔の相対位置情報から、2つの眉のアーチ、2つの眼窩下縁、及び、2つの外耳孔のそれぞれに対応する第1座標系下の座標情報を決定してもよい。例えば、外耳孔を原点として、外耳孔に対する眉のアーチ、眼窩下縁のそれぞれの相対角度及び相対距離から、2つの眉のアーチ、2つの眼窩下縁、及び、2つの外耳孔のそれぞれに対応する第1座標系下の座標情報を決定してもよく、具体的な決定は、第1座標系の決定方式によるものである。
【0036】
本願の実施例では、支持部材の具体的な構造は限定されるものではなく、1つの好適な実施例では、被検者の側頭骨領域内の体表標識点を精度よく位置決めしやすくするために、支持部材は、図1cに示すようなフレーム構造として構成されてもよい。ここで、図1cは、フレーム構造の支持部材が、被検者の頭部に装着されたときの正面及び側面の概略図である。図1cに示すように、フレームにはルーラーが設けられてもよい。本実施例では、ルーラーの数については限定がない。任意選択で、図1cに示すように、眉のアーチ、眼窩下縁などの体表標識点と、被検者の頭部の外輪郭との間の距離を測定するために、メガネのアッパーフレームに第1ルーラーが水平に設けられてもよい。さらに任意選択で、図1cに示すように、外耳孔と被検者の頭部の外輪郭との間の距離を測定するために、フレームのうちメガネ脚の位置に第2ルーラーが設けられてもよい。さらに任意選択で、メガネのフレーム内にレンズが含まれていてもよい。本実施例では、フレームの具体的な構造及びレンズの数について限定はない。例えば、フレームのうち被検者の顔部の正面に対応する部分はそれぞれ被検者の2つの目を覆う略円状フレームであってもよい。このような場合、図1cに示すように、2つの略円状フレーム内にはそれぞれレンズが含まれている。また、例えば、フレームのうち被検者の顔部の正面に対応する部分は、被検者の2つの目を同時に覆う1つの略円状又は略方形のフレームであってもよい。このような場合、フレーム内にはレンズが含まれている。具体的な形態は、必要に応じて決定されてもよいが、これらに限定されるものではない。
【0037】
別の好適な実施例では、支持部材は、図1dに示すようなヘッドレスト構造として構成されてもよい。被検者の頭部が、ヘッドレスト構造の支持部材に置かれた場合、被検者の頭部の側面及び正面は図1dに示されたとおりである。さらに任意選択で、ヘッドレストは透明ヘッドレストとしてもよい。ルーラーは、ヘッドレストの側壁に設けられてもよい。任意選択で、図1dに示すように、被検者の頭部がヘッドレストに置かれたときに、ルーラーによって被検者の側頭骨領域での体表標識点と被検者の頭部の外輪郭との間の距離を測定できるように、ルーラーの位置は、被検者の頭部の左右両側及び頭部の上部としてもよい。別の好適な実施例では、支持部材は、図1eに示すマスク構造として構成されてもよい。マスク構造の支持部材が、被検者の頭部に装着されたときに、ルーラーによって被検者の側頭骨領域での体表標識点と、被検者の頭部の外輪郭との間の距離を測定できるように、ルーラーの位置は、被検者の頭部の左右両側及び被検者の正面の上部としてもよい。なお、図1c~図1eに示す構造は例示的な説明に過ぎず、支持部材構造の具体的な構成はこれらに限定されるものではなく、実際の適用では、実際の必要に応じて他の構成も可能である。このような場合、支持部材に固定されたルーラーの具体的な位置及びその実施形態も、これらに限定されるものではなく、ルーラーの具体的な配置方式は、測定対象となる体表標識点によっても異なる。さらに、本願の実施例では、支持部材に使用される材料について、限定はないが、被検者の側頭骨領域に対してCT走査を行うときの走査用放射線による眼の水晶体への放射を減少させるために、支持部材は低密度材料、例えばビスマス材料で製造されてもよい。
【0038】
本願の実施例では、主制御チップの具体的な実施形態及び各体表標識点の第1座標系下の位置情報を決定する方式も限定されない。1つの好適な実施例では、主制御チップは、プロセッサと通信ユニットとを含んでもよい。ルーラーにおける第1位置決めセンサは、被検者の側頭骨領域内2つの眉のアーチ及び2つの眼窩下縁の第1位置情報を取得してプロセッサに報告する。耳栓内の第2位置決めセンサは、2つの外耳孔の位置情報を取得してプロセッサに報告する。プロセッサは、第1座標系の決定方式に従って眉のアーチ、眼窩下縁、及び、外耳孔の位置情報を、それぞれ第1座標系下の座標情報に変換する。通信ユニットは、処理デバイスに通信可能に接続され、走査制御デバイスが、眉のアーチ、眼窩下縁、及び、外耳孔などの各体表標識点の第1座標系下の座標情報から各体表標識点の第2座標系下のCT走査座標を決定するように、眉のアーチ、眼窩下縁、及び、外耳孔の第1座標系下の座標情報を、走査制御デバイスに送信する。
【0039】
以上に基づいて、被検者の側頭骨領域内の標識点の第1座標系下の座標情報を決定する場合、走査制御デバイス20は、第1座標系と走査デバイス30に使用される第2座標系との間の座標変換関係に従って、眉のアーチ、眼窩下縁、及び、外耳孔などの各体表標識点の第1座標系下の座標位置情報を、体表標識点に対応する第2座標系下のCT走査座標に変換する。サンプル被検者から得られる体表標識点と側頭骨領域内の解剖学的構造との間の位置マッチング関係から、体表標識点に対応するCT走査座標と見合わせて、CT走査制御パラメータに基づいて走査デバイス30を制御して走査動作を実行させるために、被検者の側頭骨領域に対応するCT走査制御パラメータを決定する。任意選択で、走査デバイス30は、走査ベッド、CT光源及び検出器を含んでもよい。いずれかの解剖学的構造を走査する際に、走査制御デバイス20は、走査対象となる現在の解剖学的構造に対応する管電圧値や管電流値に基づいて、CT光源のX線源の線量を制御するとともに、各体表標識点と解剖学的構造の中心点との位置マッチング関係に従って、上、下、前、後、左、右への移動及び折り畳みを行うように走査ベッドを制御し、被検部位をX線の被曝フィールドの中心領域に位置させ、現在の解剖学的構造を走査して走査データを収集してもよい。図1fは走査デバイス30が被検者の側頭骨領域を走査するときの概略図である。図1fに示すように、走査制御デバイス20がCT光線を制御してX線を放射させるときに、指定の領域に対して走査が行われる。検出器によって検出された走査データは、被走査領域に対応する走査データである。
【0040】
以上に基づいて、本願の実施例はまた、位置決め装置を提供する。位置決め装置は、伸縮可能な支持部材と、支持部材に固設されたルーラー及び主制御チップと、独立して設けられた耳栓とを含む。支持部材は、被検者の頭部に装着され、かつ被検者の頭部の横軸方向において被検者の頭部の幅に適合するように調整される。ルーラーにスライド可能な第1位置決めセンサが設けられる。耳栓の全てに第2位置決めセンサが設けられる。第1位置決めセンサ及び第2位置決めセンサは、それぞれ主制御チップに通信可能に接続され、支持部材が、被検者の頭部の幅に適合するように調整されると、被検者の眉のアーチ、眼窩下縁及び外耳孔の間の相対位置情報を決定する。主制御チップは、受信した被検者の眉のアーチ、眼窩下縁、及び、外耳孔の間の相対位置情報を座標系下の位置情報に変換して、位置決め装置と協力して使用される走査制御デバイスに送信する。該位置決め装置の具体的な構造、被検者の側頭骨領域内の各体表標識点位置情報及びCT走査座標を決定する方式、及び体表標識点のCT走査座標に基づいて走査デバイスを制御して被検者の側頭骨領域を走査させるプロセスに関しては前述実施例を参照すればよく、ここでは詳しく説明しない。
【0041】
以上に基づいて、本願の実施例はまた、上記の位置決め装置付き走査システムに適用できる位置決め方法を提供する。図2は本願の実施例による位置決め方法のフローチャートであり、図2に示すように、この方法は、
【0042】
被検者の頭部に装着された位置決め装置によって被検者の側頭骨領域内の体表標識点の、位置決め装置に使用される第1座標系下の位置情報を収集するステップS1と、
第1座標系と走査デバイスに使用される第2座標系との間の座標変換関係に従って、位置情報を体表標識点に対応するCT走査座標に変換するステップS2と、
【0043】
体表標識点と、側頭骨領域内の解剖学的構造との間の位置マッチング関係から、体表標識点に対応するCT走査座標と組み合わせて、被検者の側頭骨領域に対応するCT走査制御パラメータを決定するステップS3と、
【0044】
CT走査制御パラメータに基づいて、走査デバイスが被検者の側頭骨領域に移動して被検者の側頭骨領域に対してCT走査を行うように制御を行うステップS4とを含む。
【0045】
本願の実施例では、複数名のサンプル被検者について側頭骨領域のCT走査を行い、複数名のサンプル被検者の側頭骨領域内の体表標識点の、走査デバイスに使用される第2座標系下のCT走査座標を決定しておき、次に、体表標識点と各解剖学的構造との間の対応関係、及び、各解剖学的構造の中心点の第2座標系下のCT座標から、サンプル被検者の側頭骨領域内の各体表標識点と解剖学的構造との間の位置マッチング関係を決定してもよい。
【0046】
本願の実施例では、被検者の頭部に装着された位置決め装置によって、被検者の側頭骨領域内の体表標識点の、位置決め装置に使用される第1座標系下の位置情報を収集し、第1座標系と走査デバイスに使用される第2座標系との間の座標変換関係に従って、各体表標識点の位置情報を体表標識点に対応する第2座標系下のCT走査座標に変換し、さらに、予め得られた体表標識点と解剖学的構造との間の位置マッチング関係から、被検者の側頭骨領域内の体表標識点に対応するCT走査座標と組み合わせて、被検者の側頭骨領域内の各解剖結果について走査するのに必要なCT走査制御パラメータを決定し、さらに、CT走査制御パラメータに基づいて、走査デバイスが被検者の側頭骨領域に移動して被検者の側頭骨領域に対してCT走査を行うように制御を行ってもよい。
【0047】
本願の実施例では、被検者の頭部に小型位置決め装置を装着することによって、被検者の側頭骨領域内の重要な体表標識点に対応する位置情報を収集し、位置決め装置と走査デバイスとの間の座標系の座標変換関係に従って、被検者の側頭骨領域内の各体表標識点の、走査デバイスに使用される座標系下のCT走査座標を得る。さらに、体表標識点と側頭骨領域内の解剖学的構造との位置マッチング関係から、被検者の側頭骨領域内の各体表標識点と解剖学的構造との対応関係、及び、走査デバイスに使用される座標系下で各解剖学的構造を走査するのに必要な走査フィールド、管電圧値及び管電流値などのCT走査制御パラメータを決定する。さらに、決定したCT走査制御パラメータに基づいて、走査デバイスが被検者の側頭骨領域内の対応する位置に移動して、対応する被検者の側頭骨領域を走査するように制御を行ってもよい。このような小視野走査方式によって、狭い範囲内の領域に対する高精度位置決めを可能とし、デバイスのコストを低下させるだけでなく、臨床的に適用されるときの取り扱いを簡便なものとする。
【0048】
なお、上記の実施例による方法の各ステップの実行対象は、全て同一デバイスであってもよく、又は、異なるデバイスをにより実行されてもよい。例えば、ステップS1~ステップS4の実行対象はデバイスAであってもよく、または、ステップS1の実行対象はデバイスAであり、ステップS2~ステップS4の実行対象はデバイスBであるようにしてもよい。
【0049】
また、上記実施例及び図面に記載のいくつかの流れには、特定の順番で起こる複数の操作が含まれているが、これらの操作は本明細に記載のモノと異なる順番で実行されてもよく、並列して実行されてもよいことが明らかである。操作の番号、例えばS1、S2などは、各操作を区別するために過ぎず、番号自体はいかなる実行順序も示さない。また、これらの流れはより多い又は少ない操作を含んでもよく、しかも、これらの操作は所定の順序で実行されるか、又は並列して実行される。なお、本明細書に記載の「第1」、「第2」等の用語は、異なるメッセージ、デバイス、モジュールなどを区別するものであり、優先順位を表すものではない。また、「第1」及び「第2」が異なるタイプのものであることも限定されない。
【0050】
本願の実施例はまた、コンピュータデバイスを提供しており、図3はコンピュータデバイスの構造概略図であり、図3に示すように、コンピュータデバイスは、プロセッサ31と、コンピュータプログラムが記憶されているメモリ32とを含み、これらのうち、プロセッサ31及びメモリ32は1つ又は複数であってもよい。
【0051】
メモリ32は、主としてコンピュータプログラムを記憶するものである。これらのコンピュータプログラムは、プロセッサ31によって実行されて、コンピュータデバイスを制御して対応する機能を発揮させたり、対応する動作やタスクを完了させたりすることをプロセッサ31に実現する。コンピュータプログラムを記憶するのに加えて、メモリ32は、コンピュータデバイスでの操作をサポートするように他の各種のデータを記憶するように構成されてもよい。これらのデータの例には、コンピュータデバイスで実行される任意のアプリケーションプログラムや方法の命令が含まれる。
【0052】
メモリ32は、任意のタイプの揮発性又は不揮発性の記憶デバイス又はこれらの組み合わせによって実装されてもよく、例えば、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、電気的に消去可能でプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM)、消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、プログラム可能な読み取り専用メモリ(PROM)、読み取り専用メモリ(ROM)、磁気メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク又はコンパクトディスクである。
【0053】
本願の実施例では、プロセッサ31の実施形態に限定はなく、例えばCPU、GPU又はMCUなどであってもよいが、これらに限定されるものではない。プロセッサ31は、コンピュータデバイスの制御システムとして取り扱われてもよく、メモリ32に記憶されたコンピュータプログラムを実行して、コンピュータデバイスを制御して、対応する機能を発揮させたり、対応する動作又はタスクを完了させたりすることができる。なお、コンピュータデバイスの実施形態及び適用される場面によって、発揮させるべき機能、実行すべき動作又はタスクは異なり、このような場合、メモリ32に記憶されたコンピュータプログラムも異なり、一方、プロセッサ31は、異なるコンピュータプログラムを実行することで、コンピュータデバイスを制御して、異なる機能を発揮させたり、異なる動作又はタスクを完了させたりすることができる。
【0054】
いくつかの好適な実施例では、図3に示すように、コンピュータデバイスは、ディスプレイ33、電源ユニット34及び通信ユニット35等の他のユニットを含んでもよい。図3には、一部のユニットだけが示されているが、コンピュータデバイスは図3に示すユニットだけを含むわけではない。適用のニーズに応じて、コンピュータデバイスは他のユニットを含んでもよく、例えば、音声対話が必要である場合、図3に示すように、コンピュータデバイスはまたオーディオユニット36を含んでもよい。コンピュータデバイスに含まれ得るユニットに関しては、具体的には、コンピュータデバイスの製品の形態に応じて決定してもよく、ここでは限定しない。
【0055】
本願の実施例では、プロセッサは、メモリにおけるコンピュータプログラムを実行することで、被検者の頭部に装着された位置決め装置によって被検者の側頭骨領域内の体表標識点の、位置決め装置に使用される第1座標系下の位置情報を収集する。第1座標系と走査デバイスに使用される第2座標系との間の座標変換関係に従って、位置情報を体表標識点に対応するCT走査座標に変換する。体表標識点と側頭骨領域内の解剖学的構造との間の位置マッチング関係から、体表標識点に対応するCT走査座標と組み合わせて、被検者の側頭骨領域に対応するCT走査制御パラメータを決定する。CT走査制御パラメータに基づいて、走査デバイスが被検者の側頭骨領域に移動して被検者の側頭骨領域に対してCT走査を行うように制御を行う。
なお、上記コンピュータデバイスのプロセッサの具体的な機能に関しては、上記方法実施例を参照すればよく、ここでは詳しく説明しない。
【0056】
このような場合、本願の実施例はまた、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、コンピュータプログラムが実行されると、上記方法実施例においてコンピュータデバイスによって実行され得る各ステップが実現される。
【0057】
上記実施例における通信ユニットは、通信ユニットを含むデバイスと他のデバイスとの間の有線又は無線通信を容易にするように構成される。通信ユニットを含むデバイスは通信基準に基づく無線ネットワーク、例えばWiFi、2G、3G、4G/LTE、5Gなどの移動通信ネットワーク、又はこれらの組み合わせに接続されてもよい。1つの例示的な実施例では、通信ユニットは放送チャンネルを介して外部放送管理システムからの放送信号又は放送関連情報を受信する。1つの例示的な実施例では、前記通信ユニットは短距離通信を促進するために近距離無線通信(NFC)モジュールをさらに含む。例えば、NFCモジュールは無線周波数識別(RFID)技術、赤外線データアソシエーション(IrDA)技術、超広帯域(UWB)技術、ブルートゥース(BT)技術やほかの技術によって実現されてもよい。
【0058】
上記図の実施例では、ディスプレイはスクリーンを含み、このスクリーンは液晶ディスプレイ(LCD)及びタッチパネル(TP)を含んでもよい。スクリーンはタッチパネルを含む場合、スクリーンはタッチスクリーンとして実装されて、被検者からの入力信号を受信することができる。タッチパネルは1つ又は複数のタッチセンサを含んで、タッチ、スライドやタッチパネル上のジェスチャーを検知する。前記タッチセンサはタッチ又はスライド動作の境界を検知するだけでなく、前記タッチ又はスライド操作に関連する持続時間や押圧力も検知する。
【0059】
上記図の実施例における電源ユニットは、電源ユニットを含むデバイスの各種のユニットに電力を供給する。電源ユニットは電源管理システム、1つ又は複数の電源、及び電源ユニットを含むデバイスによる電力の生成、管理や分配に関連するユニットを含んでもよい。
【0060】
上記図の実施例におけるオーディオユニットは、オーディオ信号を出力及び/又は入力するように構成されてもよい。例えば、オーディオユニットはマイクロフォン(MIC)を含み、オーディオユニットを含むデバイスが、操作モード、例えば発呼モード、記録モードや音声認識モードである場合、マイクロフォンは外部オーディオ信号を受信するように構成される。受信したオーディオ信号はさらにメモリに記憶されるか又は通信ユニットを介して送信されてもよい。いくつかの実施例では、オーディオユニットは、オーディオ信号を出力するためのスピーカーをさらに含む。
【0061】
当業者が理解できるように、本願の実施例は方法、システム、又はコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。したがって、本願は完全なハードウェア実施例、完全なソフトウェア実施例、又はソフトウェアとハードウェアとを組み合わせた実施例の形態をとってもよい。さらに、本願はコンピュータ利用可能なプログラムコードを含む1つ又は複数のコンピュータ利用可能な記憶媒体(磁気ディスクメモリ、CD-ROM、光学メモリなどを含むが、これらに限定されるものではない)上で実施されるコンピュータプログラム製品の形態を取ってもよい。
【0062】
本願は、本願の実施例に係る方法、デバイス(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照しながら説明される。なお、コンピュータプログラム命令によって、フローチャート及び/又はブロック図のそれぞれの流れ及び/又はブロック、及び、フローチャート及び/又はブロック図の流れ及び/又はブロックの組み合わせが、実現され得る。これらのコンピュータプログラム命令は汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサ、又は、他のプログラマブルデータ処理デバイスのプロセッサに提供されて1つのマシンを生成する。これにより、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理デバイスのプロセッサによって実行される命令は、フローチャートの1つの流れ又は複数の流れ、及び/又は、ブロック図の1つのブロック図又は複数のブロック図で指定される機能を実現する装置を構成する。
【0063】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理デバイスが特定の方式で作動するように案内し得るコンピュータ読み取り可能なメモリに記憶されてもよい。これにより、このコンピュータ読み取り可能なメモリに記憶された命令は、命令装置を含む製品を発生させ、この命令装置はフローチャートの1つの流れ又は複数の流れ、及び/又は、ブロック図の1つのブロック図又は複数のブロック図で指定される機能を実現する。
【0064】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理デバイスにロードされて、コンピュータ又は他のプログラマブルデバイス上で一連の操作のステップを実行させてコンピュータ実装の処理を発生させてもよく、これにより、コンピュータ又は他のプログラマブルデバイス上で実行される命令は、フローチャートの1つの流れ又は複数の流れ、及び/又は、ブロック図の1つのブロック図又は複数のブロック図で指定される機能を実現するステップを提供する。
代表的な構成では、計算デバイスは、1つ又は複数のプロセッサ(CPU)、入力/出力インターフェース、ネットワークインターフェース及びメモリを含む。
【0065】
メモリは、コンピュータ読み取り可能な媒体に含まれる非永続メモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び/又は非揮発性メモリなどの形態、例えば読み取り専用メモリ(ROM)又はフラッシュ(flash RAM)を含んでもよい。メモリはコンピュータ読み取り可能な媒体の一例である。
【0066】
コンピュータ読み取り可能な媒体は、恒久的及び非恒久的、取り外し可能及び非取り外し可能な媒体を含んでもよく、任意の方法又は技術によって情報を記憶することができる。情報はコンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムのモジュールや他のデータであってもよい。コンピュータの記憶媒体の例には、相変化メモリ(PRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、他のタイプのランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、読み取り専用コンパクトディスク-読み取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多機能光ディスク(DVD)又は他の光学ストレージ、磁気カセット、テープ磁気ディスクストレージ又は他の磁気記憶デバイス、若しくは任意の非伝送媒体が含まれるが、これらに限定されるものではなく、計算デバイスによってアクセス可能な情報を記憶するものである。本明細書に記載の定義によれば、コンピュータ読み取り可能な媒体は一時的なコンピュータ読み取り可能読み取り可能な媒体(transitory media)、例えば変調されたデータ信号やキャリアを含んでもよい。
【0067】
また、なお、「含む」、「包含」という用語又は他の任意の変体は非排他的な包含をカバーすることを意図しており、これにより、一連の要素を含むプロセス、方法、商品又はデバイスはこれらの要素だけでなく、明示的にリストされていない他の要素、又はこのようなプロセス、方法、商品又はデバイスに固有の要素を含む。さらなる制限がない限り、「1つ……を含む」により要素が限定される場合、前記要素を含むプロセス、方法、商品又はデバイスには別の同一の要素が存在する場合が排除されない。
【0068】
以上は本願の実施例に過ぎず、本願を限定するものではない。当業者にとっては、本願に対してさまざまな変更や変化を加えることができる。本願の精神及び原理を逸脱することなく行われる任意の修正、同等置換や改良などは、全て本願の特許請求の範囲に含まれるものとする。
図1a
図1b
図1c
図1d
図1e
図1f
図2
図3