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特開2023-110850燃焼器用ノズル、燃焼器およびこれを含むガスタービン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023110850
(43)【公開日】2023-08-09
(54)【発明の名称】燃焼器用ノズル、燃焼器およびこれを含むガスタービン
(51)【国際特許分類】
   F23R 3/28 20060101AFI20230802BHJP
   F23R 3/30 20060101ALI20230802BHJP
   F23R 3/14 20060101ALI20230802BHJP
   F02C 7/232 20060101ALI20230802BHJP
【FI】
F23R3/28 D
F23R3/30
F23R3/14
F02C7/232 B
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179949
(22)【出願日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】10-2022-0013237
(32)【優先日】2022-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】507002918
【氏名又は名称】ドゥサン エナービリティー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ム フワン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、燃料と空気との混合特性を向上させて窒素酸化物の発生を最小化し、火炎安定性を高められる燃焼器用ノズル、燃焼器およびこれを含むガスタービンを提供する。
【解決手段】このような本発明によれば、それぞれのノズルモジュールが混合器本体および空気流入ポートを含む燃料混合器を複数個含むことで、燃料と空気との混合特性を向上させて窒素酸化物の発生を最小化し、火炎安定性を高められるというメリットがある。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノズルモジュールを含む燃焼器用ノズルにおいて、
前記ノズルモジュールは、
前方から後方に燃料が移動するように内部に燃料流路が形成された燃料供給管と、
前記燃料供給管と連通し、間毎に空気流入流路が形成されるように複数個が半径方向に列をなすように配置されるマニホールドと、
前記マニホールドにおいて円周方向に沿って配置され、前記マニホールドから燃料が供給されて噴射する複数の燃料混合器とを含み、
前記燃料混合器は、
一端が前記マニホールドと連通し、他端が開口しており、内部に空気および燃料の移動する混合流路が形成された混合器本体と、
前記混合器本体の側部に形成されて空気が前記混合流路の上流に流入する空気流入ポートと、
前記混合器本体の内側に形成され、前記マニホールドから供給された燃料を前記混合流路に吐出する燃料ポートと、
前記混合器本体の前記他端に位置し、前記混合流路の下流へいくほど流動断面積が大きくなる拡張部とを含む燃焼器用ノズル。
【請求項2】
前記空気流入ポートは、
前記混合器本体の内外部を貫通し、前記混合器本体の長手方向に延びた複数の空気流入スリットを含む、請求項1に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項3】
前記空気流入ポートには、
流入する空気を案内する複数のガイドが配置され、
前記複数のガイドの間に前記空気流入スリットが形成される、請求項2に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項4】
前記ガイドには、
流入する空気を旋回させるように中心方向を基準として傾斜したベーン部が形成される、請求項3に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項5】
前記ガイドには、
前記マニホールドと連通し、前記混合流路の上流に燃料を噴射する第1燃料ポートが配置される、請求項4に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項6】
前記混合器本体の側壁部の内部に前記マニホールドと連通する第1燃料プレナムが形成され、
前記混合器本体の内側には、
前記第1燃料プレナムと連通し、前記混合流路の上流に燃料を噴射する第1燃料ポートが配置される、請求項1に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項7】
前記第1燃料ポートは、複数個が備えられ、
複数の前記第1燃料ポートは、前記混合器本体の内側において、円周方向および/または軸方向に沿って配置される、請求項6に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項8】
前記混合器本体の側壁部の内部に前記マニホールドと連通する第2燃料プレナムが形成され、
前記混合器本体の内側には、
前記第2燃料プレナムと連通し、前記空気流入ポートおよび前記拡張部の間に配置され、前記混合流路に燃料を噴射する第2燃料ポートが配置される、請求項1に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項9】
前記第2燃料プレナムは、
前記混合器本体の前記側壁部で環状に形成される、請求項8に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項10】
前記第2燃料ポートは、複数個が備えられ、
複数の前記第2燃料ポートは、前記混合器本体の内側において、円周方向および/または軸方向に沿って配置される、請求項8に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項11】
前記混合器本体の前端部の中央を貫通し、前記マニホールドおよび前記混合流路を連通させるように形成された第3燃料ポートを含む、請求項1に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項12】
前記ノズルモジュールは、
前記燃料供給管および前記マニホールドとそれぞれ連通する枝管をさらに含み、
前記枝管には、空気が流入し、前記空気流入流路と連通する開口部が形成された、請求項1に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項13】
前記ノズルモジュールは、
複数個が互いに円周方向に沿って配置されて全体として円形をなすように配置され、
前記空気流入流路は、複数個が集まって全体として同心円の環状に形成される、請求項1に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項14】
前記ノズルモジュールは、
複数個が互いに円周方向に沿って配置されて全体として環状をなすように配置されるアウターノズルモジュールと、
前記アウターノズルモジュールの内側中央に配置されるセンターノズルモジュールで構成される、請求項1から13のいずれか一項に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項15】
前記アウターノズルモジュールにおける前記複数の燃料混合器は、全体として扇形形状に配置され、
前記センターノズルモジュールにおける前記複数の燃料混合器は、全体として円形の形状に配置される、請求項14に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項16】
複数のノズルモジュールを含む燃焼器用ノズルと、前記燃焼器用ノズルの一側に結合され、燃料と空気とが内部で燃焼され、燃焼されたガスをタービンに伝達するダクト組立体とを含む燃焼器において、
前記ノズルモジュールは、
前方から後方に燃料が移動するように内部に燃料流路が形成された燃料供給管と、
前記燃料供給管と連通し、間毎に空気流入流路が形成されるように複数個が半径方向に列をなすように配置されるマニホールドと、
前記マニホールドにおいて円周方向に沿って配置され、前記マニホールドから燃料が供給されて噴射する複数の燃料混合器とを含み、
前記燃料混合器は、
一端が前記マニホールドと連通し、他端が開口しており、内部に空気および燃料の移動する混合流路が形成された混合器本体と、
前記混合器本体の側部に形成されて空気が前記混合流路の上流に流入する空気流入ポートと、
前記混合器本体の内側に形成され、前記マニホールドから供給された燃料を前記混合流路に吐出する燃料ポートと、
前記混合器本体の前記他端に位置し、前記混合流路の下流へいくほど流動断面積が大きくなる拡張部とを含む燃焼器。
【請求項17】
前記ダクト組立体は、
内部に燃焼室が形成されたライナーと、
前記ライナーを取り囲むように配置されてその間に環状の流動空間を形成し、前方にエンドカバーが配置された流動スリーブとを含み、
前記燃焼器用ノズルは、
前記ライナーの前端部に結合され、前記複数の燃料混合器に対応する位置にそれぞれ配置された複数の案内管をさらに含む、請求項16に記載の燃焼器。
【請求項18】
前記複数の燃料混合器はそれぞれ、
前記複数の案内管と結合される、請求項17に記載の燃焼器。
【請求項19】
前記複数の燃料混合器はそれぞれ、
前記複数の案内管と離隔して配置される、請求項17に記載の燃焼器。
【請求項20】
外部から流入した空気を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機で圧縮された圧縮空気と燃料とを混合して燃焼する燃焼器と、前記燃焼器で燃焼された燃焼ガスによって回転する複数のタービンブレードを含むタービンとを含むガスタービンにおいて、
前記燃焼器は、複数のノズルモジュールを含む燃焼器用ノズルと、前記燃焼器用ノズルの一側に結合され、前記圧縮空気と燃料とが内部で燃焼され、燃焼された前記燃焼ガスを前記タービンに伝達するダクト組立体とを含み、
前記ノズルモジュールは、
前方から後方に燃料が移動するように内部に燃料流路が形成された燃料供給管と、
前記燃料供給管と連通し、間毎に空気流入流路が形成されるように複数個が半径方向に列をなすように配置されるマニホールドと、
前記マニホールドにおいて円周方向に沿って配置され、前記マニホールドから燃料が供給されて噴射する複数の燃料混合器とを含み、
前記燃料混合器は、
一端が前記マニホールドと連通し、他端が開口しており、内部に空気および燃料の移動する混合流路が形成された混合器本体と、
前記混合器本体の側部に形成されて空気が前記混合流路の上流に流入する空気流入ポートと、
前記混合器本体の内側に形成され、前記マニホールドから供給された燃料を前記混合流路に吐出する燃料ポートと、
前記混合器本体の前記他端に位置し、前記混合流路の下流へいくほど流動断面積が大きくなる拡張部とを含むガスタービン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼器用ノズル、燃焼器およびこれを含むガスタービンに関し、より詳しくは、複数のノズルモジュールを含む燃焼器用ノズル、燃焼器およびこれを含むガスタービンに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンは、圧縮機で圧縮された圧縮空気と燃料とを混合して燃焼させ、燃焼で発生した高温のガスでタービンを回転させる動力機関である。ガスタービンは、発電機、航空機、船舶、列車などを駆動するのに用いられる。
【0003】
一般的に、ガスタービンは、圧縮機と、燃焼器と、タービンとを含む。圧縮機は、外部空気を吸入して圧縮した後、燃焼器に伝達する。圧縮機で圧縮された空気は高圧および高温の状態になる。燃焼器は、圧縮機から流入した圧縮空気と燃料とを混合して燃焼させる。燃焼によって発生した燃焼ガスはタービンに排出される。燃焼ガスによってタービン内部のタービンブレードが回転し、これにより動力が発生する。発生した動力は発電、機械装置の駆動などの多様な分野に使用される。
【0004】
燃料は各燃焼器内に設けられたノズルを介して噴射され、ノズルは気体燃料および液体燃料を噴射することができる。近年は、二酸化炭素の排出を抑制するために、水素燃料または水素を含む燃料の使用が推奨されている。
【0005】
しかし、水素は燃焼速度が速いため、ガスタービン燃焼器でこれらの燃料を燃焼させた場合に、ガスタービン燃焼器内で形成される火炎がガスタービン燃焼器の構造物に近づいて加熱し、ガスタービン燃焼器の信頼性から問題を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の技術的背景に基づき、本発明は、燃料と空気との混合特性を向上させて窒素酸化物の発生を最小化し、火炎安定性を高められる燃焼器用ノズル、燃焼器およびこれを含むガスタービンを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態に係る燃焼器用ノズルは、複数のノズルモジュールを含む。ノズルモジュールは、燃料供給管と、マニホールドと、複数の燃料混合器とを含む。燃料供給管は、前方から後方に燃料が移動するように内部に燃料流路が形成される。マニホールドは、燃料供給管と連通し、間毎に空気流入流路が形成されるように複数個が半径方向に列をなすように配置される。燃料混合器は、マニホールドにおいて円周方向に沿って配置され、マニホールドから燃料が供給されて噴射する。燃料混合器は、混合器本体と、空気流入ポートと、燃料ポートと、拡張部とを含む。混合器本体は、一端がマニホールドと連通し、他端が開口しており、内部に空気および燃料の移動する混合流路が形成される。空気流入ポートは、混合器本体の側部に形成されて空気が混合流路の上流に流入する。燃料ポートは、混合器本体の内側に形成され、マニホールドから供給された燃料を混合流路に吐出する。拡張部は、混合器本体の他端に位置し、混合流路の下流へいくほど流動断面積が大きくなる拡張部を含む。
【0008】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、空気流入ポートは、混合器本体の内外部を貫通し、混合器本体の長手方向に延びた複数の空気流入スリットを含むことができる。
【0009】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、空気流入ポートには、流入する空気を案内する複数のガイドが配置され、複数のガイドの間に空気流入スリットが形成される。
【0010】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、ガイドには、流入する空気を旋回させるように中心方向を基準として傾斜したベーン部が形成される。
【0011】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、ガイドには、マニホールドと連通し、混合流路の上流に燃料を噴射する第1燃料ポートが配置される。
【0012】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、混合器本体の側壁部の内部にマニホールドと連通する第1燃料プレナムが形成され、混合器本体の内側には、第1燃料プレナムと連通し、混合流路の上流に燃料を噴射する第1燃料ポートが配置される。
【0013】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、第1燃料ポートは、複数個が備えられ、複数の第1燃料ポートは、混合器本体の内側において、円周方向および/または軸方向に沿って配置される。
【0014】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、混合器本体の側壁部の内部にマニホールドと連通する第2燃料プレナムが形成され、混合器本体の内側には、第2燃料プレナムと連通し、空気流入ポートおよび拡張部の間に配置され、混合流路に燃料を噴射する第2燃料ポートが配置される。
【0015】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、第2燃料プレナムは、混合器本体の側壁部で環状に形成される。
【0016】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、第2燃料ポートは、複数個が備えられ、複数の第2燃料ポートは、混合器本体の内側において、円周方向および/または軸方向に沿って配置される。
【0017】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルは、混合器本体の前端部の中央を貫通し、マニホールドおよび混合流路を連通させるように形成された第3燃料ポートを含むことができる。
【0018】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、ノズルモジュールは、燃料供給管およびマニホールドとそれぞれ連通する枝管をさらに含み、枝管には、空気が流入し、空気流入流路と連通する開口部が形成される。
【0019】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、ノズルモジュールは、複数個が互いに円周方向に沿って配置されて全体として円形をなすように配置され、空気流入流路は、複数個が集まって全体として同心円の環状に形成される。
【0020】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、ノズルモジュールは、複数個が互いに円周方向に沿って配置されて全体として環状をなすように配置されるアウターノズルモジュールと、アウターノズルモジュールの内側中央に配置されるセンターノズルモジュールとで構成される。
【0021】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、アウターノズルモジュールにおける複数の燃料混合器は、全体として扇形形状に配置され、センターノズルモジュールにおける複数の燃料混合器は、全体として円形の形状に配置される。
【0022】
本発明の実施形態に係る燃焼器は、燃焼器用ノズルと、ダクト組立体とを含む。燃焼器用ノズルは、複数のノズルモジュールを含む。ダクト組立体は、ノズルの一側に結合され、燃料と空気とが内部で燃焼され、燃焼されたガスをタービンに伝達する。ノズルモジュールは、燃料供給管と、マニホールドと、複数の燃料混合器とを含む。燃料供給管は、前方から後方に燃料が移動するように内部に燃料流路が形成される。マニホールドは、燃料供給管と連通し、間毎に空気流入流路が形成されるように複数個が半径方向に列をなすように配置される。燃料混合器は、マニホールドにおいて円周方向に沿って配置され、マニホールドから燃料が供給されて噴射する。燃料混合器は、混合器本体と、空気流入ポートと、燃料ポートと、拡張部とを含む。混合器本体は、一端がマニホールドと連通し、他端が開口しており、内部に空気および燃料の移動する混合流路が形成される。空気流入ポートは、混合器本体の側部に形成されて空気が混合流路の上流に流入する。燃料ポートは、混合器本体の内側に形成され、マニホールドから供給された燃料を混合流路に吐出する。拡張部は、混合器本体の他端に位置し、混合流路の下流へいくほど流動断面積が大きくなる。
【0023】
本発明の一実施形態に係る燃焼器において、ダクト組立体は、内部に燃焼室が形成されたライナーと、ライナーを取り囲むように配置されてその間に環状の流動空間を形成し、前方にエンドカバーが配置された流動スリーブとを含み、ノズルは、ライナーの前端部に結合され、複数の燃料混合器に対応する位置にそれぞれ配置された複数の案内管をさらに含むことができる。
【0024】
本発明の一実施形態に係る燃焼器において、複数の燃料混合器はそれぞれ、複数の案内管と結合される。
【0025】
本発明の一実施形態に係る燃焼器において、複数の燃料混合器はそれぞれ、複数の案内管と離隔して配置される。
【0026】
本発明の実施形態に係るガスタービンは、圧縮機と、燃焼器と、タービンとを含む。圧縮機は、外部から流入した空気を圧縮する。燃焼器は、圧縮機で圧縮された圧縮空気と燃料とを混合して燃焼する。タービンは、燃焼器で燃焼された燃焼ガスによって回転する複数のタービンブレードを含む。燃焼器は、燃焼器用ノズルと、ダクト組立体とを含む。燃焼器用ノズルは、複数のノズルモジュールを含む。ダクト組立体は、ノズルの一側に結合され、燃料と空気とが内部で燃焼され、燃焼されたガスをタービンに伝達する。ノズルモジュールは、燃料供給管と、マニホールドと、複数の燃料混合器とを含む。燃料供給管は、前方から後方に燃料が移動するように内部に燃料流路が形成される。マニホールドは、燃料供給管と連通し、間毎に空気流入流路が形成されるように複数個が半径方向に列をなすように配置される。燃料混合器は、マニホールドにおいて円周方向に沿って配置され、マニホールドから燃料が供給されて噴射する。燃料混合器は、混合器本体と、空気流入ポートと、燃料ポートと、拡張部とを含む。混合器本体は、一端がマニホールドと連通し、他端が開口しており、内部に空気および燃料の移動する混合流路が形成される。空気流入ポートは、混合器本体の側部に形成されて空気が混合流路の上流に流入する。燃料ポートは、混合器本体の内側に形成され、マニホールドから供給された燃料を混合流路に吐出する。拡張部は、混合器本体の他端に位置し、混合流路の下流へいくほど流動断面積が大きくなる。
【発明の効果】
【0027】
本発明による燃焼器用ノズル、燃焼器およびこれを含むガスタービンは、複数のノズルモジュールを含み、それぞれのノズルモジュールは、混合器本体および空気流入ポートを含む燃料混合器を複数個含む。このような本発明によれば、燃料と空気との混合特性を向上させて窒素酸化物の発生を最小化し、火炎安定性を高められるというメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施形態に係るガスタービンの内部が示される斜視図である。
図2図1の燃焼器を示す断面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係るノズルを示す正面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係るノズルモジュールを示す斜視図である。
図5】本発明の第1実施形態に係るノズルモジュールの燃料混合器を示す斜視図である。
図6図5の燃料混合器の空気流入ポート側断面を示す横断面図である。
図7図5の燃料混合器の断面を示す縦断面図である。
図8】本発明の第2実施形態に係るノズルモジュールの燃料混合器の断面を示す縦断面図である。
図9】本発明の第3実施形態に係るノズルモジュールの燃料混合器の断面を示す縦断面図である。
図10】本発明の第4実施形態に係るノズルを示す正面図である。
図11】本発明の第4実施形態に係るセンターノズルモジュールを示す斜視図である。
図12】本発明の第4実施形態に係るノズルを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は多様な変換が加えられて様々な実施例を有することができるが、特定の実施例を例示して詳細な説明に詳しく説明する。しかし、これは本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするのではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるあらゆる変換、均等物または代替物を含むことが理解されなければならない。
【0030】
本発明で使った用語は単に特定の実施例を説明するために使われたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明らかに異なって意味しない限り、複数の表現を含む。本発明において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないことが理解されなければならない。
【0031】
以下、添付した図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を詳しく説明する。この時、添付した図面において、同一の構成要素はできるだけ同一の符号で表していることに留意する。また、本発明の要旨をあいまいにしうる公知の機能および構成に関する詳細な説明は省略する。同様の理由から、添付図面において一部の構成要素は誇張または省略されるか、概略的に示された。
【0032】
以下、本発明による燃焼器用ノズル、燃焼器およびこれを含むガスタービンについて説明する。
【0033】
図1は、本発明の一実施形態に係るガスタービンの内部が示される図であり、図2は、図1の燃焼器を示す図である。
【0034】
以下、図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態に係るガスタービンについて説明する。本実施形態に係るガスタービン1000の熱力学的サイクルは、理想的にはブレイトンサイクル(Brayton cycle)によることができる。ブレイトンサイクルは、等エントロピー圧縮(断熱圧縮)、定圧給熱、等エントロピー膨張(断熱膨張)、定圧放熱につながる4つの過程からなる。すなわち、大気の空気を吸入して高圧に圧縮した後、定圧環境で燃料を燃焼して熱エネルギーを放出し、この高温の燃焼ガスを膨張させて運動エネルギーに変換させた後に、残留エネルギーを含む排気ガスを大気中に放出することができる。すなわち、圧縮、加熱、膨張、放熱の4過程でサイクルが行われる。
【0035】
このようなブレイトンサイクルを実現するガスタービン1000は、図1に示されるように、圧縮機1100と、燃焼器1200と、タービン1300とを含むことができる。以下の説明は図1を参照するが、本発明の説明は、図1に例として示されたガスタービン1000と同等の構成を有するタービン機関に対しても幅広く適用可能である。
【0036】
図1を参照すれば、ガスタービン1000の圧縮機1100は、外部から空気を吸入して圧縮することができる。圧縮機1100は、圧縮機ブレード1130によって圧縮された圧縮空気を燃焼器1200に供給し、また、ガスタービン1000で冷却が必要な高温領域に冷却用空気を供給することができる。この時、吸入された空気は圧縮機1100で断熱圧縮過程を経るので、圧縮機1100を通過した空気の圧力と温度は上昇する。
【0037】
圧縮機1100は、遠心圧縮機(centrifugal compressors)や軸流圧縮機(axial compressor)で設計されるが、小型ガスタービンでは遠心圧縮機が適用されるのに対し、図1に示されるような大型ガスタービン1000は、大量の空気を圧縮しなければならないため、多段軸流圧縮機が適用されることが一般的である。この時、多段軸流圧縮機において、圧縮機1100の圧縮機ブレード1130は、ロータディスクの回転に伴って回転して、流入した空気を圧縮しながら圧縮された空気を後段の圧縮機ベーン1140に移動させる。空気は、多段に形成された圧縮機ブレード1130を通過しながら次第により高圧に圧縮される。
【0038】
圧縮機ベーン1140は、ハウジング1150の内部に装着され、複数の圧縮機ベーン1140が段を形成して装着される。圧縮機ベーン1140は、前段の圧縮機ブレード1130から移動した圧縮空気を後段の圧縮機ブレード1130側に案内する。一実施形態において、複数の圧縮機ベーン1140の少なくとも一部は、空気の流入量の調節などのために、定められた範囲内で回転可能に装着される。
【0039】
圧縮機1100は、タービン1300から出力される動力の一部を用いて駆動できる。このために、図1に示されるように、圧縮機1100の回転軸と、タービン1300の回転軸とは直結可能である。大型ガスタービン1000の場合、タービン1300で生産される出力のほぼ半分程度が圧縮機1100を駆動するのに消耗しうる。したがって、圧縮機1100の効率を向上させることは、ガスタービン1000の全体効率を向上させるのに直接的な影響を及ぼす。
【0040】
タービン1300は、ロータディスク1310と、ロータディスク1310に放射状に配置される複数のタービンブレードおよびタービンベーンとを含む。ロータディスク1310は、略円板形状を有しており、その外周部には複数の溝が形成されている。溝は屈曲面を有するように形成され、溝にタービンブレードとタービンベーンが挿入される。タービンベーンは、回転しないように固定され、タービンブレードを通過した燃焼ガスの流れ方向を案内する。タービンブレードは、燃焼ガスによって回転しながら回転力を生成する。
【0041】
一方、燃焼器1200は、圧縮機1100の出口から供給される圧縮空気を燃料と混合して、等圧燃焼させて、高いエネルギーの燃焼ガスを作ることができる。図2は、ガスタービン1000に適用される燃焼器1200の一例を示す。燃焼器1200は、燃焼器ケーシング1210と、ノズル1220と、ダクト組立体1240とを含むことができる。
【0042】
燃焼器ケーシング1210は、ノズル1220を取り囲み、略円形シリンダ形状からなってもよい。ノズル1220は、圧縮機1100の下流に配置され、環状をなす燃焼器ケーシング1210に沿って配置される。各ノズル1220には複数のノズルモジュール1400が備えられ、このノズルモジュール1400では、燃料と空気とが適切な比率で混合された後、噴射されて、燃焼に適した状態をなす。
【0043】
ガスタービン1000にはガス燃料が使用可能であり、特に、水素を含む燃料が使用可能である。燃料は、水素燃料単独、または水素と天然ガスとを含む燃料からなってもよい。
【0044】
ダクト組立体1240は、ノズル1220とタービン1300との間を連結して高温の燃焼ガスが流動し、ダクト組立体1240の外面からは圧縮空気が流れてノズル1220側に供給され、この過程で高温の燃焼ガスによって加熱されたダクト組立体1240が適切に冷却される。
【0045】
ダクト組立体1240は、ライナー1241と、トランジションピース1242と、流動スリーブ1243とを含むことができる。ダクト組立体1240は、ライナー1241とトランジションピース1242の外を流動スリーブ1243が取り囲む二重構造からなっており、圧縮空気は、流動スリーブ1243の内側の環状空間内に侵入してライナー1241とトランジションピース1242を冷却させる。
【0046】
ライナー1241は、燃焼器1200のノズル1220に連結される管部材であって、ライナー1241の内部の空間が燃焼室1230を形成する。ライナー1241の長手方向の一側端部はノズル1220に結合され、ライナー1241の長手方向の他側端部はトランジションピース1242に結合される。
【0047】
そして、トランジションピース1242は、タービン1300の入口と連結されて、高温の燃焼ガスをタービン1300に誘導する役割を果たす。トランジションピース1242の長手方向の一側端部はライナー1241と結合され、トランジションピース1242の長手方向の他側端部はタービン1300と結合される。流動スリーブ1243は、ライナー1241とトランジションピース1242を保護する一方、高温の熱気が外部に直接放出されることを防ぐ役割を果たす。
【0048】
図3は、本発明の第1実施形態に係るノズルを示す正面図であり、図4は、本発明の第1実施形態に係るノズルモジュールを示す斜視図であり、図5は、本発明の第1実施形態に係るノズルモジュールの燃料混合器を示す斜視図であり、図6は、図5の燃料混合器の空気流入ポート側断面を示す横断面図であり、図7は、図5の燃料混合器の断面を示す縦断面図である。
【0049】
以下、図3図7を参照して、本発明の第1実施形態に係る燃焼器用ノズル1220について詳しく説明する。本発明の第1実施形態に係る燃焼器用ノズル1220は、複数のノズルモジュール1400を含む。ノズルモジュール1400は、燃料供給管1410と、マニホールド1430と、燃料混合器1450とを含む。
【0050】
燃料供給管1410は、燃料を供給する管状部材である。燃料供給管1410の内部には、前方から後方に燃料の移動する燃料流路が形成される。燃料供給管1410の前端部にはフランジ(図示せず)が配置され、フランジ(図示せず)を介して燃料が燃料供給管1410の前端部に流入できる。燃料供給管1410の後端部には拡管部(図示せず)が配置される。拡管部は、後端へいくほど流動断面積が増加する区間である。拡管部(図示せず)が配置される場合、燃料が後述するマニホールド1430に移動する際の流動抵抗が減少するというメリットがある。
【0051】
燃料供給管1410の後端部には、マニホールド1430が連通して配置される。マニホールド1430は、複数個が備えられ、複数のマニホールド1430は、1つの燃料供給管1410に連通するように配置される。マニホールド1430は、複数個が半径方向に列をなすように配置される。そして、それぞれのマニホールド1430の間毎には空気流入流路1440が形成される。マニホールド1430は、扇形または環状に形成され、これによって、マニホールド1430の間毎に形成される空気流入流路1440も環状に形成される。
【0052】
燃料供給管1410と複数のマニホールド1430との間には枝管1420がさらに配置される。枝管1420は、1つの燃料供給管1410と複数のマニホールド1430とを互いに連通させる構成である。枝管1420は、前端部が燃料供給管1410と連通し、後端部は前端部から枝分かれして複数のマニホールド1430と連通する。
【0053】
枝管1420には開口部1421が形成される。開口部1421は、枝管1420の側部で開口して形成される。図4には、開口部1421が枝管1420の上側に形成されたものとして示されているが、これは開口部1421の例示に過ぎず、開口部1421の位置はこれに限定されない。枝管1420の開口部1421は、複数のマニホールド1430の間毎に形成された空気流入流路1440と連通することができる。ダクト組立体1240において流動スリーブ1243の内側環状空間で流動する圧縮空気は枝管1420の開口部1421に流入し、開口部1421に流入した圧縮空気は空気流入流路1440を通過することができる。
【0054】
マニホールド1430には複数の燃料混合器1450が配置される。燃料混合器1450は、1つのマニホールド1430において円周方向に沿って複数個が配置される。結果的に、1つのノズル1220において、複数の燃料混合器1450が半径方向および円周方向に沿って配置される。このように、1つの燃料供給管1410に複数の燃料混合器1450を配置させる場合、構造が単純になり、燃料混合器1450の設置、分解、検査も容易であるというメリットがある。
【0055】
燃料混合器1450は、混合器本体1451と、空気流入ポート1470と、燃料ポート1453、1454と、拡張部1460とを含む。混合器本体1451は、一端がマニホールド1430と連通し、他端が開口するように形成される。混合器本体1451は、一端から他端まで縦方向に延びて形成され、内部には空気および燃料の移動する混合流路が形成される。混合器本体1451の混合流路からは空気が流入し、燃料供給管1410、マニホールド1430などを順次に経た燃料が噴射され、空気は燃料と混合されて混合器本体1451の他端の開口した部分から外部に吐出される。ここで、空気は後述する空気流入ポート1470によって混合流路に流入し、燃料は後述する燃料ポート1453、1454によって混合流路に噴射される。
【0056】
混合器本体1451の側部には空気流入ポート1470が形成される。空気流入ポート1470では、開口部1421および空気流入流路1440を通過した空気が混合器本体1451の混合流路の上流に流入する。この時、空気流入ポート1470は、混合器本体1451の一端側に配置される。空気流入ポート1470は、混合器本体1451の内外部を貫通する穴で形成されてもよく、空気流入スリット1471を含む形状に形成されてもよい。
【0057】
空気流入ポート1470は、空気流入スリット1471を含むことができる。空気流入スリット1471は、長い穴の形状に形成される。具体的には、空気流入スリット1471は、混合器本体1451の内外部を貫通しつつ、混合器本体1451の長手方向または縦方向に延びて形成される。また、空気流入スリット1471は、複数個が形成されてもよいし、複数の空気流入スリット1471は、混合器本体1451で円周方向に沿って一定の間隔でそれぞれ配置される。
【0058】
空気流入ポート1470には複数のガイド1472が配置される。ガイド1472は、空気流入ポート1470に流入する空気の流動を案内する構成である。複数のガイド1472は、混合器本体1451で混合器本体1451の円周方向に沿って一定の間隔で配置される。ガイド1472は、混合器本体1451の長手方向または縦方向に長く延びて形成される。そして、各ガイド1472の間毎には空気流入スリット1471が形成される。これによって、空気流入ポート1470では、混合器本体1451の円周方向に沿って、ガイド1472と空気流入スリット1471がそれぞれ交互に配置可能である。
【0059】
ガイド1472にはベーン部1473が形成される。ベーン部1473は、ガイド1472に流入する空気を旋回させるための構成である。空気を旋回させるために、ベーン部1473は、表面は混合器本体1451および混合流路の中心に向かう方向を基準として傾斜して形成される。すなわち、ベーン部1473の表面は、延長線が混合器本体1451および混合流路の中心と離心するように傾斜して形成される。これによって、ベーン部1473によって案内された空気は、混合器本体1451および混合流路の中心と離隔した箇所に案内されて、空気が混合流路で旋回する。空気が旋回して流入することにより、混合流路で空気と燃料との混合度が改善できる。
【0060】
燃料ポート1453、1454は、混合器本体1451の混合流路に燃料を噴射する構成である。燃料ポート1453、1454は、混合器本体1451の内側に形成され、燃料供給管1410およびマニホールド1430から供給された燃料を混合流路に吐出する。燃料ポート1453、1454は、第1燃料ポート1453を含むことができる。
【0061】
第1燃料ポート1453は、マニホールド1430と連通し、混合流路の上流部分に燃料を噴射する燃料ポート1453、1454である。すなわち、第1燃料ポート1453は、混合器本体1451の他端よりは一端と近い部分に形成される。
【0062】
混合器本体1451は、側壁部1452を含むことができる。混合器本体1451の側壁部1452は、所定の厚さを有して混合器本体1451の外形を形成し、内部では混合流路が形成される。側壁部1452の内部には第1燃料プレナム1455が形成される。第1燃料プレナム1455は、側壁部1452の内部に形成された空間でマニホールド1430と連通するように形成され、側壁部1452は、二重壁の構造に形成される。これによって、マニホールド1430から供給される燃料が第1燃料プレナム1455に流入して第1燃料プレナム1455に燃料が満たされる。第1燃料プレナム1455は、混合器本体1451において混合流路の上流側に形成される。すなわち、第1燃料プレナム1455は、混合器本体1451の他端よりは一端側に近い位置に形成される。
【0063】
空気流入ポート1470がガイド1472を含む場合、第1燃料プレナム1455は、ガイド1472の内部に形成される。第1燃料プレナム1455は、ガイド1472の少なくとも一部に形成され、ガイド1472の全体を貫通して混合器本体1451の他端側にさらに延びて形成されてもよい。
【0064】
第1燃料ポート1453は、第1燃料プレナム1455と連通するように配置される。この場合、マニホールド1430に流入した燃料は、第1燃料プレナム1455を経て第1燃料ポート1453を介して混合流路の上流に噴射される。第1燃料プレナム1455がガイド1472に形成される場合、第1燃料ポート1453は、ガイド1472に形成される。この場合、ガイド1472から燃料が噴射されるので、混合流路の空気流入ポート1470部分で空気と燃料とが同時に出会って混合できる。また、ガイド1472の間毎には空気流入スリット1471が形成されるので、空気が流入する箇所と燃料が噴射される箇所が互いに共通するので、空気および燃料の混合がさらに円滑になるというメリットもある。
【0065】
第1燃料ポート1453は、円周方向または軸方向に向かって傾斜して形成されてもよい。第1燃料ポート1453が円周方向に傾斜して配置される場合、第1燃料ポート1453は、空気流入ポート1470の空気流入方向と並ぶ方向または空気流入方向と交差する方向に傾斜して形成される。これによって、空気および燃料の混合度を改善することができる。それだけでなく、第1燃料ポート1453は、混合器本体1451の軸方向または縦方向に沿って傾斜して形成されてもよいが、この場合、混合流路での流動抵抗が減少し、流速が増加することができる。
【0066】
第1燃料ポート1453は、複数個が備えられ、混合器本体1451の内側において円周方向および/または軸方向に沿ってそれぞれ配置される。第1燃料ポート1453が混合器本体1451で円周方向にそれぞれ配置される場合、それぞれの第1燃料ポート1453は、それぞれのガイド1472で配置される。そして、第1燃料ポート1453が混合器本体1451で軸方向に沿ってそれぞれ配置される場合、1つのガイド1472で第1燃料ポート1453が軸方向に列をなすように配置される。
【0067】
混合器本体1451の他端の開口した部分には拡張部1460が配置される。拡張部1460は、混合流路において下流へいくほど流動断面積が大きくなるように形成される。拡張部1460は、混合器本体1451の中央部から混合器本体1451の他端まで形成できる。そして、混合器本体1451の一端から他端までいくほど、混合器本体1451の外径は同一に維持されながら、側壁部1452の厚さが次第に薄くなり拡張部1460が形成される。混合器本体1451の他端に拡張部1460が配置される場合、空気および燃料の混合流体が拡張部1460を経て拡散して空気および燃料の混合度が改善できる。一方、拡張部1460において混合器本体1451の他端端部分には、流動断面積が維持される直線区間(図示せず)が一部形成される。拡張部1460が直線区間を含む場合、空気および燃料の混合流体の直進性を向上させることができる。
【0068】
本発明の第1実施形態に係る燃焼器用ノズル1220は、複数のノズルモジュール1400が互いに円周方向に沿って配置され、複数のノズルモジュール1400は、全体として円形をなすように配置される。すなわち、複数のノズルモジュール1400が集まって、燃焼器用ノズル1220の正面が円形に形成される。そして、各ノズルモジュール1400の空気流入流路1440は、複数個が集まって、ノズル1220で環状の流路に形成される。この時、ノズルモジュール1400は、正面が扇形または中心部が切開された扇形の形状に形成される。
【0069】
また、ノズル1220が複数のノズルモジュール1400で構成されることにより、ノズル1220を多様な大きさと形状に製作することができ、ノズル1220の設置、分解、検査も容易であるというメリットがある。さらに、複数のノズルモジュール1400を個別的に制御したりグループ化して制御可能で、多様な燃焼モードで運転することができるというメリットがある。
【0070】
一方、ノズル1220には案内管1500がさらに配置される。案内管1500は、複数個が束になってもよい。案内管1500は、ダクト組立体1240のライナー1241の前端部に結合される。案内管1500は、燃焼室1230と連通する。複数の案内管1500は、複数の燃料混合器1450に対応する個数で備えられ、それぞれの案内管1500は、それぞれの燃料混合器1450に対応する位置に配置される。燃料混合器1450で混合された空気および燃料の混合流体は、案内管1500に沿って燃焼室1230に案内され、案内管1500の内部を流動しながらさらに混合できる。案内管1500の長さは、燃焼室1230で発生する火炎の逆火の可能性、空気燃料の混合度を考慮して定められる。
【0071】
ノズル1220に案内管1500がさらに配置される場合、それぞれの燃料混合器1450は、それぞれの案内管1500に結合される。この時、案内管1500が燃料混合器1450の拡張部1460に挿入されてもよく、混合器本体1451の他端が案内管1500に挿入されてもよい。もし、混合器本体1451の他端が案内管1500に挿入される場合、空気流入ポートを除いた部分までのみ案内管1500に挿入される。このように燃料混合器1450が案内管1500に挿入される場合、燃料混合器1450から噴射される空気および燃料の混合流体が案内管1500に安定的に噴射できる。
【0072】
一方、ノズル1220に案内管1500がさらに配置されない場合には、燃料混合器1450の混合器本体1451の他端部分がライナー1241の燃焼室1230に配置される。この場合、燃料混合器1450の空気および燃料の混合流体が燃焼室1230に直接噴射される。
【0073】
図8は、本発明の第2実施形態に係るノズルモジュールの燃料混合器の断面を示す縦断面図である。
【0074】
以下、図8を参照して、本発明の第2実施形態に係る燃焼器用ノズル1220について詳しく説明する。本発明の第2実施形態に係る燃焼器用ノズル1220は、第2燃料ポート1454を除けば、本発明の第1実施形態に係る燃焼器用ノズル1220と同一であるので、これと重複する説明は省略する。
【0075】
本発明の第2実施形態に係る燃焼器用ノズル1220は、燃料混合器1450の燃料ポート1453、1454が第2燃料ポート1454を含む。第2燃料ポート1454は、混合器本体1451の内側において空気流入ポート1470と拡張部1460との間に配置されて、混合流路に燃料を噴射する。混合器本体1451の側壁部1452の内部には、マニホールドと連通する第2燃料プレナム1456が形成され、側壁部1452は、二重壁の構造に形成される。混合器本体1451の側壁部1452に第1燃料プレナム1455が形成される場合、第2燃料プレナム1456は、第1燃料プレナム1455と連通しつつ、第1燃料プレナム1455と拡張部1460との間に配置される。第2燃料ポート1454は、第2燃料プレナム1456と連通して、第2燃料プレナム1456に供給されて満たされた燃料が混合流路に噴射される。
【0076】
第2燃料プレナム1456は、環状に形成される。具体的には、第2燃料プレナム1456は、混合器本体1451の側壁部1452で混合流路を取り囲むように環状に形成される。この時、第2燃料プレナム1456は、側壁部1452の全周で環状に形成されてもよいし、または、円周方向で一部区間のみに環状に形成されてもよい。第2燃料プレナム1456が側壁部の一部区間のみに形成される場合、円周方向に側壁部と第2燃料プレナム1456が交互に配置される。環状の第2燃料プレナム1456は、混合器本体1451の軸方向に沿って長く延びて形成されてもよい。この時、第2燃料ポート1454は、環状の第2燃料プレナム1456と連通して配置される。
【0077】
第2燃料ポート1454は、複数個が備えられて、混合器本体1451の内側において混合器本体1451の円周方向および/または軸方向に沿ってそれぞれ配置される。それだけでなく、第2燃料ポート1454は、場合によって、混合器本体1451の中心と離心するように傾斜して配置されるか、軸方向に沿って傾斜して配置されてもよい。このように、第2燃料ポート1454を多様に配置する場合、空気および燃料の混合度を改善させることができる。
【0078】
また、第2燃料プレナム1456が環状に形成され、第2燃料ポート1454が環状の第2燃料プレナム1456と連通して円周方向または軸方向に複数個が配置される場合、それぞれの第2燃料ポート1454でより均一に燃料が噴射できる。
【0079】
図9は、本発明の第3実施形態に係るノズルモジュールの燃料混合器の断面を示す縦断面図である。
【0080】
以下、図9を参照して、本発明の第3実施形態に係る燃焼器用ノズル1220について詳しく説明する。本発明の第3実施形態に係る燃焼器用ノズル1220は、第3燃料ポート1457を除けば、本発明の第1実施形態または第2実施形態に係る燃焼器用ノズル1220と同一であるので、これと重複する説明は省略する。
【0081】
本発明の第3実施形態に係る燃焼器用ノズル1220は、第3燃料ポート1457を含むことができる。第3燃料ポート1457は、混合器本体1451の前端部に形成される。第3燃料ポート1457は、混合器本体1451の前端部の中央に貫通形成可能である。第3燃料ポート1457は、1つまたは複数個で備えられ、傾斜して形成されてもよい。
【0082】
マニホールド1430の後端には燃料プレナム(図示せず)が形成され、第3燃料ポート1457は、マニホールド1430の燃料プレナム(図示せず)と混合器本体1451の内部の混合流路とを互いに連通させるように貫通形成可能である。これによって、マニホールド1430の燃料が第3燃料ポート1457を介して混合流路に噴射できる。
【0083】
第1燃料ポート1453または第2燃料ポート1454のいずれか1つ以上をさらに含む場合、第3燃料ポート1457に第1燃料ポート1453および/または第2燃料ポート1454を組み合わせて構成することができる。この場合、混合流路において半径方向への空気対燃料の当量比を精密に調整することができる。例えば、混合流路の中心部および中心の外側部でいずれか一領域の当量比が過濃に分布するように調整することができ、または混合流路の中心部および中心の外側部における当量比が均一に分布するように調整することができる。
【0084】
図10は、本発明の第4実施形態に係るノズルを示す正面図であり、図11は、本発明の第4実施形態に係るセンターノズルモジュールを示す斜視図であり、図12は、本発明の第4実施形態に係るノズルを示す断面図である。
【0085】
以下、図10図12を参照して、本発明の第4実施形態に係る燃焼器用ノズル1220について詳しく説明する。本発明の第4実施形態に係る燃焼器用ノズル1220は、センターノズルモジュールCを除けば、本発明の第1実施形態に係る燃焼器用ノズル1220と同一であるので、これと重複する説明は省略する。
【0086】
本発明の第4実施形態に係る燃焼器用ノズル1220は、複数のノズルモジュール1400がアウターノズルモジュールOと、センターノズルモジュールCとに区分されて構成される。ノズル1220を正面から眺めると、アウターノズルモジュールOは、ノズル1220の外側に配置され、センターノズルモジュールCは、ノズル1220の中央およびアウターノズルモジュールOの内側中央に配置されるノズルモジュール1400である。
【0087】
アウターノズルモジュールOは、正面から眺めると、複数の燃料混合器1450が全体として扇形の形状に配置される。具体的には、アウターノズルモジュールOは、複数の燃料混合器1450が中心部が切開された扇形の形状に配置される。このようなアウターノズルモジュールOは、複数個が互いに円周方向に沿って配置される場合、全体として環状をなす。また、図10には、アウターノズルモジュールOが半径方向に1つの列で構成されたものとして示されているが、場合によって、2つ以上の列で構成されてもよい。このようにアウターノズルモジュールOの半径方向の列の個数を調節する場合、ノズル1220の大きさを多様に設計できるというメリットがある。
【0088】
アウターノズルモジュールOの内側中央に配置されるセンターノズルモジュールCは、正面から眺めると、複数の燃料混合器1450が全体として円形に配置される。これによって、センターノズルモジュールCのマニホールド1430は、複数個がそれぞれ環状に形成され、枝管1420の開口部1421も、円周方向に沿って複数個が均一に形成される。
【0089】
アウターノズルモジュールOおよびセンターノズルモジュールCの少なくとも1つ以上にはパイロットバーナモジュールPが配置される。パイロットバーナモジュールPは、ノズル1220の始動のための構成で、始動性を改善し燃焼振動を統制するために、アウターノズルモジュールOの中央またはセンターノズルモジュールCの中央に配置される。パイロットバーナモジュールPは、場合によって、ノズルモジュール1400と同一に構成可能であり、または予混合旋回火炎方式、拡散火炎方式、トーチの方式で構成されてもよい。
【0090】
センターノズルモジュールCに配置された燃料混合器1450は、アウターノズルモジュールOに配置された燃料混合器1450よりも前方に配置される。ノズル1220は、エンドカバー1250をさらに含むことができる。センターノズルモジュールCとアウターノズルモジュールOの燃料供給管1410の前端部にはそれぞれフランジ(図示せず)が配置され、それぞれのフランジ(図示せず)は、エンドカバー1250に結合される。これによって、それぞれのフランジ(図示せず)は、エンドカバー1250において同一平面上に配置される。この時、センターノズルモジュールCの燃料供給管1410の長さは、アウターノズルモジュールOの燃料供給管1410の長さより短く形成される。アウターノズルモジュールOが複数の列で構成された場合、外側へいくほど、各燃料供給管1410の長さは次第に短くなるように構成される。
【0091】
流動スリーブ1243を通過した空気流動は、エンドカバー1250近傍で流動方向が切り替えられてノズル1220に供給される。空気流動は、外側に配置されたアウターノズルモジュールOから内側に配置されたセンターノズルモジュールC側に移動する。この時、センターノズルモジュールCの燃料供給管1410の長さがアウターノズルモジュールOの長さより短い場合、センターノズルモジュールCに供給される空気流動がアウターノズルモジュールOによって妨げられずに円滑に形成されて、それぞれのノズルモジュール1400に空気流動が均一に供給できる、結果的に、それぞれの燃料混合器1450における燃料および空気の濃度偏差が最小化できる。
【0092】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の思想を逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除または追加などによって本発明を多様に修正および変更可能であり、これも本発明の権利範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0093】
1000:ガスタービン
1100:圧縮機
1200:燃焼器
1210:燃焼器ケーシング
1220:ノズル
1230:燃焼室
1240:ダクト組立体
1250:エンドカバー
1300:タービン
1310:ロータディスク
1400:ノズルモジュール
1410:燃料供給管
1420:枝管
1421:開口部
1430:マニホールド
1440:空気流入流路
1450:燃料混合器
1451:混合器本体
1452:側壁部
1453:第1燃料ポート
1454:第2燃料ポート
1455:第1燃料プレナム
1456:第2燃料プレナム
1457:第3燃料ポート
1460:拡張部
1470:空気流入ポート
1471:空気流入スリット
1472:ガイド
1473:ベーン部
1500:案内管
O:アウターノズルモジュール
C:センターノズルモジュール
P:パイロットバーナモジュール
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