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特開2023-110852燃焼器用ノズル、燃焼器およびこれを含むガスタービン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023110852
(43)【公開日】2023-08-09
(54)【発明の名称】燃焼器用ノズル、燃焼器およびこれを含むガスタービン
(51)【国際特許分類】
   F23R 3/28 20060101AFI20230802BHJP
   F02C 7/232 20060101ALI20230802BHJP
   F23R 3/30 20060101ALI20230802BHJP
【FI】
F23R3/28 B
F02C7/232 B
F23R3/30
F23R3/28 C
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022180797
(22)【出願日】2022-11-11
(31)【優先権主張番号】10-2022-0013236
(32)【優先日】2022-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】507002918
【氏名又は名称】ドゥサン エナービリティー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ム フワン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】燃料と空気との混合特性を向上させて窒素酸化物の発生を最小化し、火炎安定性を高められる燃焼器用ノズル、燃焼器およびこれを含むガスタービンを提供する。
【解決手段】燃焼器用ノズルのノズルモジュールは、燃料供給管とマニホールド1430と複数の燃料混合器1450とを含む。燃料混合器1450は、マニホールド1430において円周方向に沿って配置され、マニホールド1430から燃料が供給されて噴射する。燃料混合器1450は、混合器本体1451と、シュラウド1460と、燃料ポート1454、1455とを含む。混合器本体1450は、一端がマニホールド1430と連通し、他端にチップ1452が形成される。シュラウド1460は、混合器本体1451の外周面を取り囲むように配置されて空気流動を案内する。燃料ポート1454、1455は、燃料を噴射するように混合器本体1451で貫通形成される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノズルモジュールを含む燃焼器用ノズルにおいて、
前記ノズルモジュールは、
前方から後方に燃料が移動するように内部に燃料流路が形成された燃料供給管と、
前記燃料供給管と連通し、間毎に空気流入流路が形成されるように複数個が半径方向に列をなすように配置されるマニホールドと、
前記マニホールドにおいて円周方向に沿って配置され、前記マニホールドから燃料が供給されて噴射する複数の燃料混合器とを含み、
前記燃料混合器は、
一端が前記マニホールドと連通し、他端にチップが形成される混合器本体と、
前記混合器本体の外周面を取り囲むように配置されて空気流動を案内するシュラウドと、
燃料を噴射するように前記混合器本体で貫通形成される少なくとも1つの燃料ポートとを含む燃焼器用ノズル。
【請求項2】
前記燃料ポートは、
前記混合器本体の前記チップに貫通形成される第1燃料ポートを含む、請求項1に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項3】
前記チップは、
周縁に前記混合器本体の前記一端に向かって傾斜して形成された傾斜部が形成される、請求項2に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項4】
前記燃料ポートは、
前記混合器本体の側部に貫通形成される少なくとも1つの第2燃料ポートを含む、請求項1に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項5】
前記第2燃料ポートは、
前記混合器本体の軸方向を基準として、前記シュラウドと前記チップとの間に形成される、請求項4に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項6】
前記第2燃料ポートは、
前記混合器本体の軸方向に傾斜して形成された、請求項4に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項7】
前記第2燃料ポートは、
前記混合器本体の外周面の円周方向に傾斜して形成された、請求項4に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項8】
前記第2燃料ポートは、
前記チップに向かって傾斜して形成された、請求項4に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項9】
前記燃料ポートは、
前記混合器本体の側部に形成される第2燃料ポートをさらに含む、請求項2に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項10】
前記シュラウドと前記混合器本体の外周面との間には、
空気流動を旋回させる旋回羽根がさらに配置された、請求項1に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項11】
前記シュラウドと前記混合器本体の外周面との間には、
前記シュラウドおよび前記混合器本体を支持し、空気流動を案内するストラットがさらに配置された、請求項1に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項12】
前記燃料ポートは、
前記混合器本体の内部と連通し、前記シュラウドに貫通形成される第3燃料ポートを含む、請求項1に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項13】
前記ノズルモジュールは、
前記燃料供給管および前記マニホールドとそれぞれ連通する枝管をさらに含み、
前記枝管には、空気が流入し、前記空気流入流路と連通する空気流入口が形成された、請求項1に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項14】
前記ノズルモジュールは、
複数個が互いに円周方向に沿って配置されて全体として円形をなすように配置され、
前記空気流入流路は、複数個が集まって全体として同心円の環状に形成される、請求項1に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項15】
前記ノズルモジュールは、
複数個が互いに円周方向に沿って配置されて全体として環状をなすように配置されるアウターノズルモジュールと、
前記アウターノズルモジュールの内側中央に配置されるセンターノズルモジュールとで構成される、請求項1から14のいずれか一項に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項16】
前記アウターノズルモジュールにおける前記複数の燃料混合器は、全体として扇形形状に配置され、
前記センターノズルモジュールにおける前記複数の燃料混合器は、全体として円形の形状に配置される、請求項15に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項17】
複数のノズルモジュールを含む燃焼器用ノズルと、前記燃焼器用ノズルの一側に結合され、燃料と空気とが内部で燃焼され、燃焼されたガスをタービンに伝達するダクト組立体とを含む燃焼器において、
前記ノズルモジュールは、
前方から後方に燃料が移動するように内部に燃料流路が形成された燃料供給管と、
前記燃料供給管と連通し、間毎に空気流入流路が形成されるように複数個が半径方向に列をなすように配置されるマニホールドと、
前記マニホールドにおいて円周方向に沿って配置され、前記マニホールドから燃料が供給されて噴射する複数の燃料混合器とを含み、
前記燃料混合器は、
一端が前記マニホールドと連通し、他端にチップが形成される混合器本体と、
前記混合器本体の外周面を取り囲むように配置されて空気流動を案内するシュラウドと、
燃料を噴射するように前記混合器本体で貫通形成される少なくとも1つの燃料ポートとを含む燃焼器。
【請求項18】
前記ダクト組立体は、
内部に燃焼室が形成されたライナーを含み、
前記燃焼器用ノズルは、
前記ライナーの前端部に結合され、前記燃料混合器が挿入される複数の案内管をさらに含む、請求項17に記載の燃焼器。
【請求項19】
前記シュラウドは、前記案内管の内部に付着する、請求項18に記載の燃焼器。
【請求項20】
外部から流入した空気を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機で圧縮された圧縮空気と燃料とを混合して燃焼する燃焼器と、前記燃焼器で燃焼された燃焼ガスによって回転する複数のタービンブレードを含むタービンとを含むガスタービンにおいて、
前記燃焼器は、複数のノズルモジュールを含む燃焼器用ノズルと、前記燃焼器用ノズルの一側に結合され、前記圧縮空気と燃料とが内部で燃焼され、燃焼された前記燃焼ガスを前記タービンに伝達するダクト組立体とを含み、
前記ノズルモジュールは、
前方から後方に燃料が移動するように内部に燃料流路が形成された燃料供給管と、
前記燃料供給管と連通し、間毎に空気流入流路が形成されるように複数個が半径方向に列をなすように配置されるマニホールドと、
前記マニホールドにおいて円周方向に沿って配置され、前記マニホールドから燃料が供給されて噴射する複数の燃料混合器とを含み、
前記燃料混合器は、
一端が前記マニホールドと連通し、他端にチップが形成される混合器本体と、
前記混合器本体の外周面を取り囲むように配置されて空気流動を案内するシュラウドと、
燃料を噴射するように前記混合器本体で貫通形成される少なくとも1つの燃料ポートとを含むガスタービン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼器用ノズル、燃焼器およびこれを含むガスタービンに関し、より詳しくは、複数のノズルモジュールを含む燃焼器用ノズル、燃焼器およびこれを含むガスタービンに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンは、圧縮機で圧縮された圧縮空気と燃料とを混合して燃焼させ、燃焼で発生した高温のガスでタービンを回転させる動力機関である。ガスタービンは、発電機、航空機、船舶、列車などを駆動するのに用いられる。
【0003】
一般的に、ガスタービンは、圧縮機と、燃焼器と、タービンとを含む。圧縮機は、外部空気を吸入して圧縮した後、燃焼器に伝達する。圧縮機で圧縮された空気は高圧および高温の状態になる。燃焼器は、圧縮機から流入した圧縮空気と燃料とを混合して燃焼させる。燃焼によって発生した燃焼ガスはタービンに排出される。燃焼ガスによってタービン内部のタービンブレードが回転し、これにより動力が発生する。発生した動力は発電、機械装置の駆動などの多様な分野に使用される。
【0004】
燃料は各燃焼器内に設けられたノズルを介して噴射され、ノズルは気体燃料および液体燃料を噴射することができる。近年は、二酸化炭素の排出を抑制するために、水素燃料または水素を含む燃料の使用が推奨されている。
【0005】
しかし、水素は燃焼速度が速いため、ガスタービン燃焼器でこれらの燃料を燃焼させた場合に、ガスタービン燃焼器内で形成される火炎がガスタービン燃焼器の構造物に近づいて加熱し、ガスタービン燃焼器の信頼性から問題を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の技術的背景に基づき、本発明は、燃料と空気との混合特性を向上させて窒素酸化物の発生を最小化し、火炎安定性を高められる燃焼器用ノズル、燃焼器およびこれを含むガスタービンを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態に係る燃焼器用ノズルは、複数のノズルモジュールを含む。ノズルモジュールは、燃料供給管と、マニホールドと、複数の燃料混合器とを含む。燃料供給管は、前方から後方に燃料が移動するように内部に燃料流路が形成される。マニホールドは、燃料供給管と連通し、間毎に空気流入流路が形成されるように複数個が半径方向に列をなすように配置される。燃料混合器は、マニホールドにおいて円周方向に沿って配置され、マニホールドから燃料が供給されて噴射する。燃料混合器は、混合器本体と、シュラウドと、燃料ポートとを含む。混合器本体は、一端がマニホールドと連通し、他端にチップが形成される。シュラウドは、混合器本体の外周面を取り囲むように配置されて空気流動を案内する。燃料ポートは、燃料を噴射するように混合器本体で貫通形成される。
【0008】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、燃料ポートは、混合器本体のチップに貫通形成される第1燃料ポートを含むことができる。
【0009】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、チップは、周縁に混合器本体の一端に向かって傾斜して形成された傾斜部が形成される。
【0010】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、燃料ポートは、混合器本体の側部に貫通形成される少なくとも1つの第2燃料ポートを含むことができる。
【0011】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、第2燃料ポートは、混合器本体の軸方向を基準として、シュラウドとチップとの間に形成される。
【0012】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、第2燃料ポートは、混合器本体の軸方向に傾斜して形成される。
【0013】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、第2燃料ポートは、混合器本体の外周面の円周方向に傾斜して形成される。
【0014】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、第2燃料ポートは、チップに向かって傾斜して形成される。
【0015】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、燃料ポートは、混合器本体の側部に形成される第2燃料ポートをさらに含むことができる。
【0016】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、シュラウドと混合器本体の外周面との間には、空気流動を旋回させる旋回羽根がさらに配置される。
【0017】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、シュラウドと混合器本体の外周面との間には、シュラウドおよび混合器本体を支持し、空気流動を案内するストラットがさらに配置される。
【0018】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、燃料ポートは、混合器本体の内部と連通し、シュラウドに貫通形成される第3燃料ポートを含むことができる。
【0019】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、ノズルモジュールは、燃料供給管およびマニホールドとそれぞれ連通する枝管をさらに含み、枝管には、空気が流入し、空気流入流路と連通する空気流入口が形成される。
【0020】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、ノズルモジュールは、複数個が互いに円周方向に沿って配置されて全体として円形をなすように配置され、空気流入流路は、複数個が集まって全体として同心円の環状に形成される。
【0021】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、ノズルモジュールは、複数個が互いに円周方向に沿って配置されて全体として環状をなすように配置されるアウターノズルモジュールと、アウターノズルモジュールの内側中央に配置されるセンターノズルモジュールとで構成される。
【0022】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、アウターノズルモジュールにおける複数の燃料混合器は、全体として扇形形状に配置され、センターノズルモジュールにおける複数の燃料混合器は、全体として円形の形状に配置される。
【0023】
本発明の実施形態に係る燃焼器は、燃焼器用ノズルと、ダクト組立体とを含む。燃焼器用ノズルは、複数のノズルモジュールを含む。ダクト組立体は、ノズルの一側に結合され、燃料と空気とが内部で燃焼され、燃焼されたガスをタービンに伝達する。ノズルモジュールは、燃料供給管と、マニホールドと、複数の燃料混合器とを含む。燃料供給管は、前方から後方に燃料が移動するように内部に燃料流路が形成される。マニホールドは、燃料供給管と連通し、間毎に空気流入流路が形成されるように複数個が半径方向に列をなすように配置される。燃料混合器は、マニホールドにおいて円周方向に沿って配置され、マニホールドから燃料が供給されて噴射する。燃料混合器は、混合器本体と、シュラウドと、燃料ポートとを含む。混合器本体は、一端がマニホールドと連通し、他端にチップが形成される。シュラウドは、混合器本体の外周面を取り囲むように配置されて空気流動を案内する。燃料ポートは、燃料を噴射するように混合器本体で貫通形成される。
【0024】
本発明の一実施形態に係る燃焼器において、ダクト組立体は、内部に燃焼室が形成されたライナーを含み、ノズルは、ライナーの前端部に結合され、燃料混合器が挿入される複数の案内管をさらに含むことができる。
【0025】
本発明の一実施形態に係る燃焼器において、シュラウドは、案内管の内部に付着できる。
【0026】
本発明の実施形態に係るガスタービンは、圧縮機と、燃焼器と、タービンとを含む。圧縮機は、外部から流入した空気を圧縮する。燃焼器は、圧縮機で圧縮された圧縮空気と燃料とを混合して燃焼する。タービンは、燃焼器で燃焼された燃焼ガスによって回転する複数のタービンブレードを含む。燃焼器は、燃焼器用ノズルと、ダクト組立体とを含む。燃焼器用ノズルは、複数のノズルモジュールを含む。ダクト組立体は、ノズルの一側に結合され、燃料と空気とが内部で燃焼され、燃焼されたガスをタービンに伝達する。ノズルモジュールは、燃料供給管と、マニホールドと、複数の燃料混合器とを含む。燃料供給管は、前方から後方に燃料が移動するように内部に燃料流路が形成される。マニホールドは、燃料供給管と連通し、間毎に空気流入流路が形成されるように複数個が半径方向に列をなすように配置される。燃料混合器は、マニホールドにおいて円周方向に沿って配置され、マニホールドから燃料が供給されて噴射する。燃料混合器は、混合器本体と、シュラウドと、燃料ポートとを含む。混合器本体は、一端がマニホールドと連通し、他端にチップが形成される。シュラウドは、混合器本体の外周面を取り囲むように配置されて空気流動を案内する。燃料ポートは、燃料を噴射するように混合器本体で貫通形成される。
【発明の効果】
【0027】
本発明による燃焼器用ノズル、燃焼器およびこれを含むガスタービンは、複数のノズルモジュールを含み、それぞれのノズルモジュールは、混合器本体およびシュラウドを含む燃料混合器を複数個含む。このような本発明によれば、燃料と空気との混合特性を向上させて窒素酸化物の発生を最小化し、火炎安定性を高められるというメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施形態に係るガスタービンの内部が示される斜視図である。
図2図1の燃焼器を示す断面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係るノズルを示す正面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係るノズルモジュールを示す斜視図である。
図5】本発明の第1実施形態に係るノズルモジュールの燃料混合器を示す断面図である。
図6】本発明の第2実施形態に係るノズルモジュールの燃料混合器を示す断面図である。
図7】本発明の第3実施形態に係るノズルモジュールの燃料混合器を示す断面図である。
図8】本発明の第4実施形態に係るノズルを示す正面図である。
図9】本発明の第4実施形態に係るセンターノズルモジュールを示す斜視図である。
図10】本発明の第4実施形態に係るノズルを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は多様な変換が加えられて様々な実施例を有することができるが、特定の実施例を例示して詳細な説明に詳しく説明する。しかし、これは本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするのではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるあらゆる変換、均等物または代替物を含むことが理解されなければならない。
【0030】
本発明で使った用語は単に特定の実施例を説明するために使われたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明らかに異なって意味しない限り、複数の表現を含む。本発明において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないことが理解されなければならない。
【0031】
以下、添付した図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を詳しく説明する。この時、添付した図面において、同一の構成要素はできるだけ同一の符号で表していることに留意する。また、本発明の要旨をあいまいにしうる公知の機能および構成に関する詳細な説明は省略する。同様の理由から、添付図面において一部の構成要素は誇張または省略されるか、概略的に示された。
【0032】
以下、本発明による燃焼器用ノズル、燃焼器およびこれを含むガスタービンについて説明する。
【0033】
図1は、本発明の一実施形態に係るガスタービンの内部が示される図であり、図2は、図1の燃焼器を示す図である。
【0034】
以下、図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態に係るガスタービンについて説明する。本実施形態に係るガスタービン1000の熱力学的サイクルは、理想的にはブレイトンサイクル(Brayton cycle)によることができる。ブレイトンサイクルは、等エントロピー圧縮(断熱圧縮)、定圧給熱、等エントロピー膨張(断熱膨張)、定圧放熱につながる4つの過程からなる。すなわち、大気の空気を吸入して高圧に圧縮した後、定圧環境で燃料を燃焼して熱エネルギーを放出し、この高温の燃焼ガスを膨張させて運動エネルギーに変換させた後に、残留エネルギーを含む排気ガスを大気中に放出することができる。すなわち、圧縮、加熱、膨張、放熱の4過程でサイクルが行われる。
【0035】
このようなブレイトンサイクルを実現するガスタービン1000は、図1に示されるように、圧縮機1100と、燃焼器1200と、タービン1300とを含むことができる。以下の説明は図1を参照するが、本発明の説明は、図1に例として示されたガスタービン1000と同等の構成を有するタービン機関に対しても幅広く適用可能である。
【0036】
図1を参照すれば、ガスタービン1000の圧縮機1100は、外部から空気を吸入して圧縮することができる。圧縮機1100は、圧縮機ブレード1130によって圧縮された圧縮空気を燃焼器1200に供給し、また、ガスタービン1000で冷却が必要な高温領域に冷却用空気を供給することができる。この時、吸入された空気は圧縮機1100で断熱圧縮過程を経るので、圧縮機1100を通過した空気の圧力と温度は上昇する。
【0037】
圧縮機1100は、遠心圧縮機(centrifugal compressors)や軸流圧縮機(axial compressor)で設計されるが、小型ガスタービンでは遠心圧縮機が適用されるのに対し、図1に示されるような大型ガスタービン1000は、大量の空気を圧縮しなければならないため、多段軸流圧縮機が適用されることが一般的である。この時、多段軸流圧縮機において、圧縮機1100の圧縮機ブレード1130は、ロータディスクの回転に伴って回転して、流入した空気を圧縮しながら圧縮された空気を後段の圧縮機ベーン1140に移動させる。空気は、多段に形成された圧縮機ブレード1130を通過しながら次第により高圧に圧縮される。
【0038】
圧縮機ベーン1140は、ハウジング1150の内部に装着され、複数の圧縮機ベーン1140が段を形成して装着される。圧縮機ベーン1140は、前段の圧縮機ブレード1130から移動した圧縮空気を後段の圧縮機ブレード1130側に案内する。一実施形態において、複数の圧縮機ベーン1140の少なくとも一部は、空気の流入量の調節などのために、定められた範囲内で回転可能に装着される。
【0039】
圧縮機1100は、タービン1300から出力される動力の一部を用いて駆動できる。このために、図1に示されるように、圧縮機1100の回転軸と、タービン1300の回転軸とは直結可能である。大型ガスタービン1000の場合、タービン1300で生産される出力のほぼ半分程度が圧縮機1100を駆動するのに消耗しうる。したがって、圧縮機1100の効率を向上させることは、ガスタービン1000の全体効率を向上させるのに直接的な影響を及ぼす。
【0040】
タービン1300は、ロータディスク1310と、ロータディスク1310に放射状に配置される複数のタービンブレードおよびタービンベーンとを含む。ロータディスク1310は、略円板形状を有しており、その外周部には複数の溝が形成されている。溝は屈曲面を有するように形成され、溝にタービンブレードとタービンベーンが挿入される。タービンベーンは、回転しないように固定され、タービンブレードを通過した燃焼ガスの流れ方向を案内する。タービンブレードは、燃焼ガスによって回転しながら回転力を生成する。
【0041】
一方、燃焼器1200は、圧縮機1100の出口から供給される圧縮空気を燃料と混合して、等圧燃焼させて、高いエネルギーの燃焼ガスを作ることができる。図2は、ガスタービン1000に適用される燃焼器1200の一例を示す。燃焼器1200は、燃焼器ケーシング1210と、ノズル1220と、ダクト組立体1240とを含むことができる。
【0042】
燃焼器ケーシング1210は、ノズル1220を取り囲み、略円形シリンダ形状からなってもよい。ノズル1220は、圧縮機1100の下流に配置され、環状をなす燃焼器ケーシング1210に沿って配置される。各ノズル1220には複数のノズルモジュール1400が備えられ、このノズルモジュール1400では、燃料と空気とが適切な比率で混合された後、噴射されて、燃焼に適した状態をなす。
【0043】
ガスタービン1000にはガス燃料が使用可能であり、特に、水素を含む燃料が使用可能である。燃料は、水素燃料単独、または水素と天然ガスとを含む燃料からなってもよい。
【0044】
ダクト組立体1240は、ノズル1220とタービン1300との間を連結して高温の燃焼ガスが流動し、ダクト組立体1240の外面からは圧縮空気が流れてノズル1220側に供給され、この過程で高温の燃焼ガスによって加熱されたダクト組立体1240が適切に冷却される。
【0045】
ダクト組立体1240は、ライナー1241と、トランジションピース1242と、流動スリーブ1243とを含むことができる。ダクト組立体1240は、ライナー1241とトランジションピース1242の外を流動スリーブ1243が取り囲む二重構造からなっており、圧縮空気は、流動スリーブ1243の内側の環状空間内に侵入してライナー1241とトランジションピース1242を冷却させる。
【0046】
ライナー1241は、燃焼器1200のノズル1220に連結される管部材であって、ライナー1241の内部の空間が燃焼室1230を形成する。ライナー1241の長手方向の一側端部はノズル1220に結合され、ライナー1241の長手方向の他側端部はトランジションピース1242に結合される。
【0047】
そして、トランジションピース1242は、タービン1300の入口と連結されて、高温の燃焼ガスをタービン1300に誘導する役割を果たす。トランジションピース1242の長手方向の一側端部はライナー1241と結合され、トランジションピース1242の長手方向の他側端部はタービン1300と結合される。流動スリーブ1243は、ライナー1241とトランジションピース1242を保護する一方、高温の熱気が外部に直接放出されることを防ぐ役割を果たす。
【0048】
図3は、本発明の第1実施形態に係るノズルを示す正面図であり、図4は、本発明の第1実施形態に係るノズルモジュールを示す斜視図であり、図5は、本発明の第1実施形態に係るノズルモジュールの燃料混合器を示す断面図である。
【0049】
以下、図3図5を参照して、本発明の第1実施形態に係る燃焼器用ノズル1220について詳しく説明する。本発明の第1実施形態に係る燃焼器用ノズル1220は、複数のノズルモジュール1400を含む。ノズルモジュール1400は、燃料供給管1410と、マニホールド1430と、燃料混合器1450とを含む。
【0050】
燃料供給管1410は、燃料を供給する管状部材である。燃料供給管1410の内部には、前方から後方に燃料の移動する燃料流路が形成される。燃料供給管1410の前端部にはフランジ(図示せず)が配置され、フランジ(図示せず)を介して燃料が燃料供給管1410の前端部に流入できる。燃料供給管1410の後端部には拡管部(図示せず)が配置される。拡管部は、後端へいくほど流動断面積が増加する区間である。拡管部(図示せず)が配置される場合、燃料が後述するマニホールド1430に移動する際の流動抵抗が減少するというメリットがある。
【0051】
燃料供給管1410の後端部にはマニホールド1430が連通して配置される。マニホールド1430は、複数個が備えられ、複数のマニホールド1430は、1つの燃料供給管1410に連通するように配置される。マニホールド1430は、複数個が半径方向に列をなすように配置される。そして、それぞれのマニホールド1430の間毎には空気流入流路1440が形成される。マニホールド1430は、扇形または環状に形成され、これによって、マニホールド1430の間毎に形成される空気流入流路1440も環状に形成される。
【0052】
燃料供給管1410と複数のマニホールド1430との間には枝管1420がさらに配置される。枝管1420は、1つの燃料供給管1410と複数のマニホールド1430とを互いに連通させる構成である。枝管1420は、前端部が燃料供給管1410と連通し、後端部は、前端部から枝分かれして複数のマニホールド1430と連通する。
【0053】
枝管1420には空気流入口1421が形成される。空気流入口1421は、枝管1420の側部で開口して形成される。図4には、空気流入口1421が枝管1420の上側に形成されたものとして示されているが、これは空気流入口1421の例示に過ぎず、空気流入口1421の位置はこれに限定されない。枝管1420の空気流入口1421は、複数のマニホールド1430の間毎に形成された空気流入流路1440と連通することができる。ダクト組立体1240において流動スリーブ1243の内側環状空間で流動する圧縮空気は枝管1420の空気流入口1421に流入し、空気流入口1421に流入した圧縮空気は空気流入流路1440を通過することができる。
【0054】
マニホールド1430には複数の燃料混合器1450が配置される。燃料混合器1450は、1つのマニホールド1430において円周方向に沿って複数個が配置される。結果的に、1つのノズル1220において、複数の燃料混合器1450が半径方向および円周方向に沿って配置される。このように、1つの燃料供給管1410に複数の燃料混合器1450を配置させる場合、構造が単純になり、燃料混合器1450の設置、分解、検査も容易であるというメリットがある。
【0055】
燃料混合器1450は、混合器本体1451と、シュラウド1460と、燃料ポート1454、1455とを含む。混合器本体1451は、一端がマニホールド1430と連通し、他端にはチップ1452が形成される。混合器本体1451は、一端から他端まで縦方向に延びて形成され、内部で燃料の移動する流路が形成される。混合器本体1451の一端からは燃料供給管1410、マニホールド1430などを順次に経た燃料が流入し、燃料は後述する燃料ポート1454、1455を介して外部に噴射される。
【0056】
混合器本体1451の外側にはシュラウド1460が配置される。混合器本体1451の外側には、空気流入流路1440を通して流入した空気の流動する空気流路が形成されるが、シュラウド1460は、前記空気流路上に配置されて空気が混合器本体1451の他端側に円滑に流動できるように案内する。シュラウド1460の前端部には、空気の円滑な流入のために、ベルマウス(図示せず)が形成される。
【0057】
シュラウド1460は、混合器本体1451の外周面を取り囲むように配置される。シュラウド1460は、混合器本体1451の縦方向に沿って延びて形成され、混合器本体1451と離隔して配置される。シュラウド1460と混合器本体1451の外周面との間には旋回羽根1461がさらに配置される。旋回羽根1461は、シュラウド1460と混合器本体1451との間を流動する空気を旋回させることができる。旋回羽根1461は、複数個が備えられ、空気を旋回させるように傾斜して配置される。旋回羽根1461は、混合器本体1451からシュラウド1460まで延びて、空気を旋回させるだけでなく、シュラウド1460と混合器本体1451との間を支持することもできる。
【0058】
混合器本体1451には、燃料ポート1454、1455が少なくとも1つ以上形成される。燃料ポート1454、1455は、混合器本体1451の内部の燃料を外部に噴射する。外部に噴射された燃料は空気と混合される。燃料ポート1454、1455は、第1燃料ポート1454および第2燃料ポート1455の少なくとも1つ以上を含むことができる。
【0059】
第1燃料ポート1454は、混合器本体1451のチップ1452に形成される。第1燃料ポート1454は、チップ1452で貫通形成され、混合器本体1451の内部と外部とを連通させる。第1燃料ポート1454は、チップ1452で混合器本体1451の縦方向に貫通形成可能である。これによって、第1燃料ポート1454からは混合器本体1451の内部の燃料が混合器本体1451の外部に縦方向に噴射できる。
【0060】
チップ1452の周縁には傾斜部1453が形成される。傾斜部1453は、チップ1452の周縁から混合器本体1451の一端に向かって傾斜して形成される。傾斜部1453は、チップ1452から混合器本体1451の外周面までつながるように形成され、断面が直線状または曲線状に形成される。
【0061】
チップ1452の後側には低速領域または再循環領域が形成される。チップ1452の断面形状が絶壁(bluff)形状に形成された場合、シュラウド1460によって案内された空気が前記絶壁形状部分で低速で流動または再循環することができる。火炎が逆火する場合、前記低速領域または再循環領域で火炎が付着して、ノズルモジュール1400が破損しうる。チップ1452に傾斜部1453が形成される場合、前記低速領域または再循環領域の形成を最小化可能で、前記のような火炎の付着が防止できる。一方、第1燃料ポート1454は、燃料を噴射する時、前記低速領域または再循環領域を後方に押し出すので、前記のような火炎の付着が防止できる。
【0062】
第2燃料ポート1455は、混合器本体1451の側部に形成される。第2燃料ポート1455は、混合器本体1451の側部から混合器本体1451を貫通して形成され、少なくとも1つ以上備えられる。第2燃料ポート1455は、混合器本体1451の縦方向に沿って複数個が配置される。混合器本体1451の円周方向に沿って複数個が配置されてもよい。これによって、第2燃料ポート1455からは混合器本体1451の内部の燃料が混合器本体の外部に噴射され、噴射される方向は混合器本体1451の縦方向と交差することができる。
【0063】
第2燃料ポート1455は、混合器本体1451の軸方向を基準として、シュラウド1460とチップ1452との間に配置される。空気流入流路1440を通過した空気は、シュラウド1460を経て混合器本体1451の他端側に円滑に案内される。したがって、第2燃料ポート1455がシュラウド1460とチップ1452との間に配置される場合、すでに円滑に案内された空気流動に燃料を噴射して、空気と燃料との混合度が増加する。
【0064】
これに加えて、第2燃料ポート1455は、混合器本体1451の軸方向を基準としてシュラウド1460と離隔して配置される。この場合、空気がシュラウド1460によって十分に案内された後に燃料を空気中に噴射可能で、空気と燃料との間の混合度がさらに増加できる。
【0065】
第2燃料ポート1455は、混合器本体1451の外周面から円周方向に傾斜して形成される。この場合、第2燃料ポート1455から噴射される燃料の流動は、混合器本体1451の外部で旋回可能であり、これによって、空気と燃料との間の混合度が増加できる。
【0066】
第2燃料ポート1455は、混合器本体1451の外周面からチップ1452に向かって傾斜して形成される。この場合、第2燃料ポート1455から噴射される燃料の流動は、チップ1452に向かってさらに速い速度で噴射可能であり、これによって、火炎が逆火することを最小化できる。
【0067】
一方、ノズル1220には案内管1500がさらに配置される。案内管1500は、複数個が束になってもよい。案内管1500は、ダクト組立体1240のライナー1241の前端部に結合される。案内管1500は、燃焼室1230と連通する。複数の案内管1500は、複数の燃料混合器1450に対応する個数で備えられ、それぞれの案内管1500には燃料混合器1450が一対一に結合される。燃料混合器1450で混合された空気および燃料の混合流体は、案内管1500に沿って燃焼室1230に案内され、案内管1500の内部を流動しながらさらに混合できる。案内管1500の長さは、燃焼室1230で発生する火炎の逆火の可能性、空気燃料の混合度を考慮して定められる。
【0068】
燃料混合器1450は、案内管1500にそれぞれ挿入される。この場合、燃料混合器1450のシュラウド1460が案内管1500に挿入され、シュラウド1460の外径は、案内管1500の内径に対応できる。シュラウド1460が案内管1500に噛み合って挿入される場合、シュラウド1460を通過する空気がすべてシュラウド1460と混合器本体1451との間の空間で流動できる。シュラウド1460が案内管1500に挿入された場合、シュラウド1460の前端部またはベルマウス(図示せず)部分は、案内管1500の前端部と同一の位置に配置できる。
【0069】
また、燃料混合器1450は、案内管1500の内部に付着して結合されてもよい。この場合にも、シュラウド1460が案内管1500の内部に付着可能であり、シュラウド1460を通過する空気がすべてシュラウド1460と混合器本体1451との間の空間で流動できる。さらに、シュラウド1460と案内管1500は互いを安定的に支持することができる。
【0070】
一方、本発明の第1実施形態に係る燃焼器用ノズル1220は、複数のノズルモジュール1400が互いに円周方向に沿って配置され、複数のノズルモジュール1400は、全体として円形をなすように配置される。すなわち、複数のノズルモジュール1400が集まって、燃焼器用ノズル1220の正面が円形に形成される。そして、各ノズルモジュール1400の空気流入流路1440は、複数個が集まって、ノズル1220で環状の流路に形成される。この時、ノズルモジュール1400は、正面が扇形または中心部が切開された扇形の形状に形成される。
【0071】
また、ノズル1220が複数のノズルモジュール1400で構成されることにより、ノズル1220を多様な大きさと形状に製作することができ、ノズル1220の設置、分解、検査も容易であるというメリットがある。さらに、複数のノズルモジュール1400を個別的に制御したりグループ化して制御することが可能で、多様な燃焼モードで運転することができるというメリットがある。
【0072】
図6は、本発明の第2実施形態に係るノズルモジュール1400の燃料混合器1450を示す断面図である。
【0073】
以下、図6を参照して、本発明の第2実施形態に係る燃焼器用ノズル1220について詳しく説明する。本発明の第2実施形態に係る燃焼器用ノズル1220は、ストラット1462を除けば、本発明の第1実施形態に係る燃焼器用ノズル1220と同一であるので、これと重複する説明は省略する。
【0074】
本発明の第2実施形態に係る燃焼器用ノズル1220は、混合器本体1451にストラット1462がさらに配置される。ストラット1462は、シュラウド1460と混合器本体1451の外周面との間に配置される。ストラット1462は、棒形状に形成され、複数個が混合器本体1451の外周面から円周方向に互いに離隔して配置される。
【0075】
シュラウド1460と混合器本体1451との間にストラット1462が配置される場合、シュラウド1460が混合器本体1451にさらに安定的かつ強固に結合できる。ストラット1462は、シュラウド1460を支持できる程度だけ薄く形成される。この場合、シュラウド1460を通過する空気の流動抵抗を最小化できるというメリットがある。それだけでなく、シュラウド1460を通過する空気が直進できるようにして、混合器本体1451の外周面で空気がより速い速度で移動可能になる。
【0076】
図7は、本発明の第3実施形態に係るノズルモジュールの燃料混合器を示す断面図である。
【0077】
以下、図7を参照して、本発明の第3実施形態に係る燃焼器用ノズル1220について詳しく説明する。本発明の第3実施形態に係る燃焼器用ノズル1220は、第3燃料ポート1456を除けば、本発明の第1実施形態または第2実施形態に係る燃焼器用ノズル1220と同一であるので、これと重複する説明は省略する。
【0078】
本発明の第3実施形態に係る燃焼器用ノズル1220は、第3燃料ポート1456が少なくとも1つ以上形成される。第3燃料ポート1456は、シュラウド1460に貫通形成可能であり、混合器本体1451の内部と連通することができる。第3燃料ポート1456が形成されることにより、空気および燃料の混合度がさらに改善できる。
【0079】
第3燃料ポート1456は、シュラウド1460の内周面を貫通して形成される。シュラウド1460の内部には、燃料が満たされる燃料プレナム1457が形成される。燃料プレナム1457は、混合器本体1451の内部および第3燃料ポート1456まで延び、それぞれ連通するように形成される。
【0080】
シュラウド1460に旋回羽根1461が配置される場合、燃料プレナム1457は、旋回羽根1461を貫通して形成される。図7に示さないが、シュラウド1460にストラット1462が配置される場合には、燃料プレナム1457がストラット1462を貫通して形成可能である。
【0081】
第3燃料ポート1456は、シュラウド1460の後端部側に近く配置される。この場合、第3燃料ポート1456は、旋回羽根1461またはストラット1462の後側に配置される。
【0082】
第3燃料ポート1456は、複数個が備えられる。複数の第3燃料ポート1456は、シュラウド1460で縦方向および/または円周方向に沿って配置される。また、第3燃料ポート1456は、シュラウド1460の縦方向および/または円周方向を基準として傾斜して形成されてもよい。
【0083】
図8は、本発明の第4実施形態に係るノズル1220を示す正面図であり、図9は、本発明の第4実施形態に係るセンターノズルモジュールCを示す斜視図であり、図10は、本発明の第4実施形態に係るノズル1220を示す断面図である。
【0084】
以下、図8図10を参照して、本発明の第4実施形態に係る燃焼器用ノズル1220について詳しく説明する。本発明の第4実施形態に係る燃焼器用ノズル1220は、センターノズルモジュールCを除けば、本発明の第1実施形態に係る燃焼器用ノズル1220と同一であるので、これと重複する説明は省略する。
【0085】
本発明の第4実施形態に係る燃焼器用ノズル1220は、複数のノズルモジュール1400がアウターノズルモジュールOとセンターノズルモジュールCとに区分されて構成される。ノズル1220を正面から眺めると、アウターノズルモジュールOは、ノズル1220の外側に配置され、センターノズルモジュールCは、ノズル1220の中央およびアウターノズルモジュールOの内側中央に配置されるノズルモジュール1400である。
【0086】
アウターノズルモジュールOは、正面から眺めると、複数の燃料混合器1450が全体として扇形の形状に配置される。具体的には、アウターノズルモジュールOは、複数の燃料混合器1450が中心部が切開された扇形の形状に配置される。このようなアウターノズルモジュールOは、複数個が互いに円周方向に沿って配置される場合、全体として環状をなす。また、図8には、アウターノズルモジュールOが半径方向に1つの列で構成されたものとして示されているが、場合によって、2つ以上の列で構成されてもよい。このようにアウターノズルモジュールOの半径方向の列の個数を調節する場合、ノズル1220の大きさを多様に設計できるというメリットがある。
【0087】
アウターノズルモジュールOの内側中央に配置されるセンターノズルモジュールCは、正面から眺めると、複数の燃料混合器1450が全体として円形に配置される。これによって、センターノズルモジュールCのマニホールド1430は、複数個がそれぞれ環状に形成され、枝管1420の空気流入口1421も、円周方向に沿って複数個が均一に形成される。
【0088】
アウターノズルモジュールOおよびセンターノズルモジュールCの少なくとも1つ以上にはパイロットバーナモジュールPが配置される。パイロットバーナモジュールPは、ノズル1220の始動のための構成で、始動性を改善し燃焼振動を統制するために、アウターノズルモジュールOの中央またはセンターノズルモジュールCの中央に配置される。パイロットバーナモジュールPは、場合によって、ノズルモジュール1400と同一に構成可能であり、または予混合旋回火炎方式、拡散火炎方式、トーチの方式で構成されてもよい。
【0089】
センターノズルモジュールCに配置された燃料混合器1450は、アウターノズルモジュールOに配置された燃料混合器1450よりも前方に配置される。ノズル1220は、エンドカバー1250をさらに含むことができる。センターノズルモジュールCとアウターノズルモジュールOの燃料供給管1410の前端部にはそれぞれフランジ(図示せず)が配置され、それぞれのフランジ(図示せず)は、エンドカバーに結合される。これによって、それぞれのフランジ(図示せず)は、エンドカバー1250において同一平面上に配置される。この時、センターノズルモジュールCの燃料供給管1410の長さは、アウターノズルモジュールOの燃料供給管1410の長さより短く形成される。アウターノズルモジュールOが複数の列で構成された場合、外側へいくほど、各燃料供給管1410の長さは次第に短くなるように構成される。
【0090】
流動スリーブ1243を通過した空気流動は、エンドカバー1250近傍で流動方向が切り替えられてノズル1220に供給される。空気流動は、外側に配置されたアウターノズルモジュールOから内側に配置されたセンターノズルモジュールC側に移動する。この時、センターノズルモジュールCの燃料供給管1410の長さがアウターノズルモジュールOの長さより短い場合、センターノズルモジュールCに供給される空気流動がアウターノズルモジュールOによって妨げられずに円滑に形成されて、それぞれのノズルモジュール1400に空気流動が均一に供給できる。結果的に、それぞれの燃料混合器1450における燃料および空気の濃度偏差が最小化できる。
【0091】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の思想を逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除または追加などによって本発明を多様に修正および変更可能であり、これも本発明の権利範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0092】
1000:ガスタービン
1100:圧縮機
1200:燃焼器
1210:燃焼器ケーシング
1220:ノズル
1230:燃焼室
1240:ダクト組立体
1250:エンドカバー
1300:タービン
1310:ロータディスク
1400:ノズルモジュール
1410:燃料供給管
1420:枝管
1421:空気流入口
1430:マニホールド
1440:空気流入流路
1450:燃料混合器
1451:混合器本体
1452:チップ
1453:傾斜部
1454:第1燃料ポート
1455:第2燃料ポート
1456:第3燃料ポート
1457:燃料プレナム
1460:シュラウド
1461:旋回羽根
1462:ストラット
1500:案内管
O:アウターノズルモジュール
C:センターノズルモジュール
P:パイロットバーナモジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10