(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023110870
(43)【公開日】2023-08-09
(54)【発明の名称】移動通信端末試験用シールドボックス
(51)【国際特許分類】
H05K 7/20 20060101AFI20230802BHJP
H05K 9/00 20060101ALI20230802BHJP
H05K 5/04 20060101ALI20230802BHJP
【FI】
H05K7/20 H
H05K9/00 Z
H05K7/20 G
H05K7/20 B
H05K5/04
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004159
(22)【出願日】2023-01-13
(31)【優先権主張番号】10-2022-0013670
(32)【優先日】2022-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】516157382
【氏名又は名称】イノワイアレス カンパニー、リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】シン,クィ ナム
(72)【発明者】
【氏名】キム,ホ ジン
(72)【発明者】
【氏名】クワァク,ヨン ス
【テーマコード(参考)】
4E360
5E321
5E322
【Fターム(参考)】
4E360AB02
4E360AB42
4E360BA02
4E360BB22
4E360BD02
4E360CA02
4E360EA12
4E360FA13
4E360GA24
4E360GB99
4E360GC02
5E321AA01
5E321GG05
5E321GH03
5E322AA01
5E322AA03
5E322BA01
5E322BB03
(57)【要約】
【課題】本発明は、多重アンテナを有する移動通信端末に対する各種試験をOTA(Over The Air)方式で実行する場合に、シールドボックス内部の温度上昇を防止して安定した試験を実行できるようにした移動通信端末試験用シールドボックスに関する。
【解決手段】本発明の通信端末試験用シールドボックスは、金属からなり、前面に治具出入口が形成され、上側および後側にそれぞれ1~10mmの大きさの通気孔が複数個形成されている通気口が備えられたシールドボックス本体と、移動通信端末と非接触式で無線接続されて信号を送受信する複数の非接触無線接続部が配列された非接触無線接続用PCBを搭載したまま前記治具出入口を通じて出入り可能なように設置されたテスト治具組立体と、前記上側の通気口または前記後側の通気口に装着された換気ファンを含んでなる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属からなり、前面に治具出入口が形成され、上側および後側にそれぞれ1~10mmの大きさの通気孔が複数個形成されている通気口が備えられたシールドボックス本体と、
移動通信端末と非接触式で無線接続されて信号を送受信する複数の非接触無線接続部が配列された非接触無線接続用PCBを搭載したまま前記治具出入口を通じて出入り可能なように設置されたテスト治具組立体と、
前記上側の通気口または前記後側の通気口に装着された換気ファンと、
を含む、移動通信端末試験用シールドボックス。
【請求項2】
前記上側の通気口は吸気口であり、前記後側の通気口は排気口であり、前記吸気口には吸気ファンが装着され、前記排気口には排気ファンが装着されることを特徴とする、請求項1に記載の移動通信端末試験用シールドボックス。
【請求項3】
前記吸気口には吸気孔が形成され前記吸気ファンが固定される吸気ファンブラケットが装着され、
前記排気口には排気孔が形成され前記排気ファンが固定される排気ファンブラケットが装着されることを特徴とする、請求項2に記載の移動通信端末試験用シールドボックス。
【請求項4】
前記シールドボックス本体の上半部は金属からなり、両側面の少なくとも一側に複数の放熱孔が形成されている上部カバーで覆われており、
前記シールドボックス本体の下半部は金属からなり、両側面の少なくとも一側や下面に複数の放熱孔が形成されている下部カバーで覆われており、
前記下部カバーの下面の各角には、シールドボックスを底面から離隔させるための受け台が設置されることを特徴とする、請求項3に記載の移動通信端末試験用シールドボックス。
【請求項5】
前記テスト治具組立体は、
前記非接触無線接続用PCBが搭載される治具フレームと、
前記治具フレームの前面に装着されRFケーブルコネクタが設置される前面パネルと、
前記治具フレームに設置され前記非接触無線接続用PCBが置かれるPCBシートと、
移動通信端末との各種インターフェースが備えられている端末インターフェースボックスおよび治具フレームの後方に設置され圧縮スプリングの伸縮力によって多様なサイズの移動通信端末を前記治具フレームの定められた位置に堅固に固定するクランピング手段と、
を含むことを特徴とする、請求項4に記載の移動通信端末試験用シールドボックス。
【請求項6】
前記PCBシートの下部の前記シールドボックス本体には前記PCBシートの熱を放出するためのヒートシンクが設置されることを特徴とする、請求項5に記載の移動通信端末試験用シールドボックス。
【請求項7】
前記ヒートシンクにはその上面と段差を形成することなく磁石が装着され、
前記PCBシートの下面には、磁性を有する磁性体鉄片が前記下面と段差なしに挿入される磁性体固定溝が形成されることを特徴とする、請求項6に記載の移動通信端末試験用シールドボックス。
【請求項8】
前記非接触無線接続部は、パッチアンテナであることを特徴とする、請求項7に記載の移動通信端末試験用シールドボックス。
【請求項9】
前記非接触無線接続部は、RFカプラーであることを特徴とする、請求項7に記載の移動通信端末試験用シールドボックス。
【請求項10】
前記非接触無線接続用PCBは、誘電体の上部および下部にグラウンドを配置したCPWG(Coplanar Waveguide with Ground)構造のPCBからなることを特徴とする、請求項9に記載の移動通信端末試験用シールドボックス。
【請求項11】
前記非接触無線接続用PCBの上面には、横に2行以上および縦に2列以上の行列形態からなり、伝送線路の間の誘導成分を最小化するために、線路間の間隔が最大化されるように設計されたRFカプラーが配置され、
前記非接触無線接続用PCBの下面には、前記RFカプラーに給電するための給電部が配置され、
それぞれの前記RFカプラーとそれぞれの前記給電部は、その表面が導電体からなるビアホール接続部を通じて電気的に接続されることを特徴とする、請求項10に記載の移動通信端末試験用シールドボックス。
【請求項12】
前記非接触無線接続用PCBの上面グラウンドと下面グラウンドは、その表面が導電体からなるビアホールを通じて互いに接続されることを特徴とする、請求項11に記載の移動通信端末試験用シールドボックス。
【請求項13】
前記治具フレームは、前記RFカプラーが露出している開口からなって移動通信端末が収納される端末収納口が備えられた非金属材質で成形されることを特徴とする、請求項9に記載の移動通信端末試験用シールドボックス。
【請求項14】
前記端末収納口の前面中央の前記治具フレームには、移動通信端末のUSB接続ジャックに接続されるUSBケーブルが固定されるUSBケーブル固定溝が形成されることを特徴とする、請求項13に記載の移動通信端末試験用シールドボックス。
【請求項15】
前記PCBシートは金属からなり、中央部位には給電部と前記RFケーブルコネクタを接続する内部RFケーブルが通るケーブル通過溝が形成されることを特徴とする、請求項14に記載の移動通信端末試験用シールドボックス。
【請求項16】
前記前面パネルには、前記テスト治具組立体を把持して前記シールドボックス本体から出入りさせるための開閉用取手および内部にスプリングが備えられて前記シールドボックス本体に収納された前記テスト治具組立体を前記シールドボックス本体に堅固に固定するためのクランピング機能が備えられたロックレバーが備えられたことを特徴とする、請求項15に記載の移動通信端末試験用シールドボックス。
【請求項17】
前記前面パネルには、それぞれの前記RFカプラーの配列位置を表示するRFカプラー配列表を付着したことを特徴とする、請求項16に記載の移動通信端末試験用シールドボックス。
【請求項18】
前記シールドボックス本体の両側に設置されて前記テスト治具組立体の出入りをガイドする治具出入りガイド部材と、
前記シールドボックス本体内部に前記テスト治具組立体が収納された状態で、前記治具出入りガイド部材に圧力を加えて定位置を取らせるスプリングプランジャーと、
をさらに具備したことを特徴とする、請求項17に記載の移動通信端末試験用シールドボックス。
【請求項19】
前記端末インターフェースボックスは、移動通信端末のオーディオジャックおよびUSBジャックと電気的に接続され、オーディオコーデックおよび移動通信端末とブルートゥース通信するブルートゥース通信モジュールを具備することを特徴とする、請求項18に記載の移動通信端末試験用シールドボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信端末試験用シールドボックスに関し、特に多重アンテナを有する移動通信端末に対する各種試験をOTA(Over The Air)方式で実行する場合に、シールドボックス内部の温度上昇を防止して安定した試験を実行できるようにした移動通信端末試験用シールドボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
最近移動通信端末は、多様な通信環境に歩調を合わせて多重バンドを支援するアンテナだけでなく、チャネル容量増大のための複数のアンテナ(以下、「多重アンテナ」という)を使うため、OTA(Over The Air)方式の試験が好まれている傾向である。
【0003】
移動通信端末がプロトコルおよび各種機能の試験のためにOTAチャネルを使う場合、大きくアンテナを使って信号を送受信する方式および近接場カプラー(coupler)を使って信号を送受信する方式などの2つの方式が使われている。このような2つの方式は、いずれも移動通信端末に対する外部の干渉を遮断するためにシールドルーム(shield room)あるいはシールドボックス(shield box)を使うが、相対的に規模が大きいシールドルームの場合は空間費用が大きいため、シールドボックスが一般的に使われる。
【0004】
一方、シールドボックス内部にアンテナ、例えばパッチアンテナを設置して使う場合、アンテナの位置と移動通信端末が置かれる位置により移動通信端末が送受信する信号のレベルに偏差が大きく発生するため、データ伝送速度に大きな影響を及ぼす。
【0005】
下記の特許文献1は、本出願人の先行特許発明であって、大きく金属製ボックス、金属製ボックスに内蔵され、金属製ボックスに収納された移動通信端末のアンテナ部位の直上方または直下方に位置して、移動通信端末アンテナからの信号が非接触式で伝達されるプローブアンテナ、移動通信端末と同一のサイズからなる端末収納空間を除いた金属製ボックスの内面全体に付着されて、移動通信端末アンテナから放射された電波が金属製ボックス内部で反射することを防止する第1電波吸収材、および、プローブアンテナと移動通信端末アンテナの間に介在されるようにプローブアンテナに付着された第2電波吸収材を含んでなる無線端末試験用シールドボックスを開示している。
【0006】
下記の特許文献2も同様に本出願人の先行特許発明であって、特許文献1の問題点、すなわち移動通信端末の種類別にプローブアンテナの位置および電波吸収材の位置とサイズを変更しなければならないので、多様な移動通信端末に汎用的に使用できないという問題点を解決するために提案されたものである。
【0007】
このような特許文献2は、多重アンテナを有する移動通信端末をシールドボックスと無線(非接触式)で接続してテストする過程で発生する干渉成分を、信号処理技術を使って相殺することによって、多重アンテナを有する移動通信端末に対する各種試験を簡便かつ高信頼性の下で実行できるように支援する、多重アンテナ無線機器の試験のための干渉成分相殺装置および方法を開示している。
【0008】
下記の特許文献3も同様に本出願人の先行特許出願発明であって、移動通信端末を収納するシールドボックス、シールドボックス内部に配置される複数のプローブアンテナ、および、シールドボックスの適所に配置されるものの、プローブアンテナと一対一または多対一で対応するように備えられたRFコネクタを含み、移動通信端末の端末アンテナの個数以上のプローブアンテナを使って端末アンテナと無線通信を実行する多重アンテナを有する端末のための無線接続装置を開示している。
【0009】
しかし、前述した特許文献1~3は、いずれも移動通信端末と非接触式(無線)で接続されて移動通信端末に対する各種試験を実行するシールドボックスに対する概念的な発明であり、多種多様な移動通信端末を試験できる汎用性に乏しく、シールドボックス外部の電波の干渉を遮断するために密閉した構造を有するため、試験が進行されるほど移動通信端末の温度が持続的に上昇する問題が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1689530号公報(発明の名称:無線端末テスト用シールドボックス)
【特許文献2】韓国登録特許第10-2129268号公報(発明の名称:多重アンテナ無線機器のテストのための干渉成分相殺装置および方法)
【特許文献3】韓国公開特許第10-2020-0144010号公報(発明の名称:多重アンテナを有する端末のための無線接続装置)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、前述した問題点を解決するために案出されたもので、多重アンテナを有する移動通信端末に対する各種試験をOTA(Over The Air)方式で実行する場合に、シールドボックス内部の温度上昇を防止して安定した試験を実行できるようにした移動通信端末試験用シールドボックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述した目的を達成する移動通信端末試験用シールドボックスは、金属からなり、前面に治具出入口が形成され、上側および後側にそれぞれ1~10mmの大きさの通気孔が複数個形成されている通気口が備えられたシールドボックス本体と、移動通信端末と非接触式で無線接続されて信号を送受信する複数の非接触無線接続部が配列された非接触無線接続用PCBを搭載したまま前記治具出入口を通じて出入り可能なように設置されたテスト治具組立体と、前記上側の通気口または前記後側の通気口に装着された換気ファンと、を含む。
【0013】
前述した構成において、前記上側の通気口は吸気口であり、前記後側の通気口は排気口であり、前記吸気口には吸気ファンが装着され、前記排気口には排気ファンが装着される。
【0014】
前記吸気口には吸気孔が形成され前記吸気ファンが固定される吸気ファンブラケットが装着され、前記排気口には排気孔が形成され前記排気ファンが固定される排気ファンブラケットが装着される。
【0015】
前記シールドボックス本体の上半部は金属からなり、両側面の少なくとも一側に複数の放熱孔が形成されている上部カバーで覆われており、前記シールドボックス本体の下半部は金属からなり、両側面の少なくとも一側や下面に複数の放熱孔が形成されている下部カバーで覆われており、前記下部カバーの下面の各角には、シールドボックスを底面から離隔させるための受け台が設置される。
【0016】
前記テスト治具組立体は、前記非接触無線接続用PCBが搭載される治具フレームと、前記治具フレームの前面に装着されRFケーブルコネクタが設置される前面パネルと、前記治具フレームに設置され前記非接触無線接続用PCBが置かれるPCBシートと、移動通信端末との各種インターフェースが備えられている端末インターフェースボックスおよび治具フレームの後方に設置され圧縮スプリングの伸縮力によって多様なサイズの移動通信端末を前記治具フレームの定められた位置に堅固に固定するクランピング手段と、を含む。
【0017】
前記PCBシートの下部の前記シールドボックス本体には、前記PCBシートの熱を放出するためのヒートシンクが設置される。
【0018】
前記ヒートシンクにはその上面と段差を形成することなく磁石が装着され、前記PCBシートの下面には磁性を有する磁性体鉄片が前記下面と段差なしに挿入される磁性体固定溝が形成される。
【0019】
前記非接触無線接続部は、パッチアンテナである。
【0020】
前記非接触無線接続部は、RFカプラーである。
【0021】
前記非接触無線接続用PCBは、誘電体の上部および下部にグラウンドを配置したCPWG(Coplanar Waveguide with Ground)構造のPCBからなる。
【0022】
前記非接触無線接続用PCBの上面には、横に2行以上および縦に2列以上の行列形態からなり、伝送線路の間の誘導成分を最小化するために、線路間の間隔が最大化されるように設計されたRFカプラーが配置され、前記非接触無線接続用PCBの下面には、前記RFカプラーに給電するための給電部が配置され、それぞれの前記RFカプラーとそれぞれの前記給電部は、その表面が導電体からなるビアホール接続部を通じて電気的に接続される。
【0023】
前記非接触無線接続用PCBの上面グラウンドと下面グラウンドは、その表面が導電体からなるビアホールを通じて互いに接続される。
【0024】
前記治具フレームは、前記RFカプラーが露出している開口からなって移動通信端末が収納される端末収納口が備えられた非金属材質で成形される。
【0025】
前記端末収納口の前面中央の前記治具フレームには、移動通信端末のUSB接続ジャックに接続されるUSBケーブルが固定されるUSBケーブル固定溝が形成される。
【0026】
前記PCBシートは金属からなり、中央部位には給電部と前記RFケーブルコネクタを接続する内部RFケーブルが通るケーブル通過溝が形成される。
【0027】
前記前面パネルには、前記テスト治具組立体を把持して前記シールドボックス本体から出入りさせるための開閉用取手および内部にスプリングが備えられて前記シールドボックス本体に収納された前記テスト治具組立体を前記シールドボックス本体に堅固に固定するためのクランピング機能が備えられたロックレバーが備えられる。
【0028】
前記前面パネルには、それぞれの前記RFカプラーの配列位置を表示するRFカプラー配列表を付着する。
【0029】
前記シールドボックス本体の両側に設置されて前記テスト治具組立体の出入りをガイドする治具出入りガイド部材と、前記シールドボックス本体内部に前記テスト治具組立体が収納された状態で、前記治具出入りガイド部材に圧力を加えて定位置を取らせるスプリングプランジャーと、をさらに具備する。
【0030】
前記端末インターフェースボックスは移動通信端末のオーディオジャックおよびUSBジャックと電気的に接続され、オーディオコーデックおよび移動通信端末とブルートゥース(登録商標)通信するブルートゥース(登録商標)通信モジュールを具備する。
【発明の効果】
【0031】
本発明の移動通信端末試験用シールドボックスによると、多重アンテナを有する移動通信端末をテストする場合に、高い結合性能を有しながらMIMOチャネルに適用することができ、変動性が最小化された無線(OTA)チャネル環境を提供しながらも外部の温度環境にかかわらず一定の温度を維持することによって、長時間の間網を転換せずに5G連動試験を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の一実施例に係る移動通信端末試験用シールドボックスの斜視図である。
【
図2a】
図1に図示した移動通信端末試験用シールドボックスの正面図および背面図である。
【
図2b】
図1に図示した移動通信端末試験用シールドボックスの正面図および背面図である。
【
図3】
図1に図示した移動通信端末試験用シールドボックスの分解斜視図である。
【
図4】
図1に図示した移動通信端末試験用シールドボックスにおけるテスト治具組立体の分解斜視図である。
【
図7a】本発明の一実施例に係る移動通信端末試験用シールドボックスにおけるRFカップリングPCBの上面図および下面図である。
【
図7b】本発明の一実施例に係る移動通信端末試験用シールドボックスにおけるRFカップリングPCBの上面図および下面図である。
【
図8】
図7aにおける1個のRFカプラーの上面構造の拡大図である。
【
図9】
図7bにおける1個のRFカプラーの下面構造の拡大図である。
【
図10】本発明の移動通信端末試験用シールドボックスにおける1個のRFカプラーの配線構造を立体的に示した図面である。
【
図11】
図7に図示した移動通信端末試験用シールドボックスのクーリング構造を説明するための図面である。
【
図12a】本発明の移動通信端末試験用シールドボックスの使用説明図である。
【
図12b】本発明の移動通信端末試験用シールドボックスの使用説明図である。
【
図12c】本発明の移動通信端末試験用シールドボックスの使用説明図である。
【
図12d】本発明の移動通信端末試験用シールドボックスの使用説明図である。
【
図12e】本発明の移動通信端末試験用シールドボックスの使用説明図である。
【
図12f】本発明の移動通信端末試験用シールドボックスの使用説明図である。
【
図13a】本発明の他の実施例に係る移動通信端末試験用シールドボックスにおけるパッチアンテナPCBの上面図および下面図である。
【
図13b】本発明の他の実施例に係る移動通信端末試験用シールドボックスにおけるパッチアンテナPCBの上面図および下面図である。
【
図14】
図13に図示した移動通信端末試験用シールドボックスのクーリング構造を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付した図面を参照して、本発明の移動通信端末試験用シールドボックスの好ましい実施例について詳細に説明する。
【0034】
OTAチャネルを活用した移動通信端末のプロトコルおよび機能試験で重要な要素は、外部環境によって移動通信端末の性能が変動しない一貫性を維持することであるが、一貫した性能の範囲は次の通りである。
【0035】
1.無線チャネルによる経路損失(path loss)を一定に維持して移動通信端末が送受信する信号レベルを一定に維持:移動通信端末が送信し受信する信号の大きさは、外部の試験環境によって大きく左右され、すなわち、外部送受信アンテナの角度と方向、端末アンテナの角度と方向および反射波などによって信号の大きさが敏感に変動して試験結果に多くの影響を及ぼすので、一貫した信号を送受信できる環境が重要である。
【0036】
2.移動通信端末の温度上昇を防止して温度上昇によるネットワークの転換や性能変化を防止:最近、5G通信に対応する移動通信端末は、データ処理量と高い出力によって4G通信に比べて相対的に発熱が増加するが、発熱が激しい場合、5G網から4G網に自動で転換されるように設計されている。これに伴い、密閉されたシールドボックスに端末を置いて5G網連動試験を実行する際に発熱が激しい場合、自動で4G網にネットワークの転換がなされるため、長時間の間5G網の連動試験を実行するのに困難がある。また、移動通信端末の温度上昇がRF信号の劣化につながり、一貫した試験結果を得るのにも多くの影響を及ぼす。
【0037】
3.MIMO(Multiple-Input and Multiple-Output)チャネルに信号を選択的に送受信しながらも低いクロストーク(crosstalk)性能を維持:一般的に、容量性カップリング(Capacitive Coupling)方式を利用する場合にはSISO(Single-Input and Single-Output)方式のカプラーを使うが、この場合、MIMOアンテナを採択した移動通信端末のMIMO信号をチャネル別に区分できる方法がない。これに伴い、移動通信端末の周辺に複数のアンテナを設置する場合には、アンテナ間の高いクロストークによってチャネル環境分析に多くの困難が発生する。
【0038】
図1は、本発明の一実施例に係る移動通信端末試験用シールドボックスの斜視図であり、
図2aおよび
図2bは、それぞれ、
図1に図示した移動通信端末試験用シールドボックスの正面図および背面図である。
【0039】
図3は、
図1に図示した移動通信端末試験用シールドボックスの分解斜視図であり、
図4は、
図1に図示した移動通信端末試験用シールドボックスにおけるテスト治具組立体の分解斜視図である。
図5は、
図1でA-A線における縦断面図であり、
図6は、
図1でB-B線における縦断面図である。
【0040】
図1~
図6に図示した通り、本発明の移動通信端末試験用シールドボックスは、大きく金属からなり、前面に治具出入口180aが形成されている直六面体状のシールドボックス本体180、移動通信端末無線(OTA)試験用の複数のRFカプラー241が配列されたRFカップリングPCB240を搭載したまま、シールドボックス本体180の治具出入口180aを通じて出入り可能なように設置されたテスト治具組立体200を含む。
【0041】
前述した構成において、シールドボックス本体180の上半部は金属からなり、適所、例えば両側面に複数の放熱孔120aが形成されている上部カバー120で覆われている。シールドボックス本体180の下半部も金属製からなり、適所、例えば両側面および下面に複数の放熱孔110aが形成されている下部カバー110で覆われている。
【0042】
上部カバー120の適所、例えば上面には、シールドボックス本体180の内部の放熱のために外部空気を吸入する吸気ファン150が設置される吸気口120bが形成されている。参照番号121は、上部カバー120の上面に設置されてシールドボックスを持って運ぶための運搬用取手を示す。
【0043】
下部カバー110の下面の各角には、シールドボックスを底面から離隔させるための受け台、好ましくはゴム受け台111が設置されている。
【0044】
シールドボックス本体の治具出入口には、テスト治具組立体と物理的に接触する前面フレーム130が設置されており、前面フレーム130の両側には後述するロックレバー212がクランピングされるクランピングプレート131が備えられている。参照番号132は、シールドボックス本体180の治具出入口180aと前面フレーム130の間に介在されてEMI(Electro Magnetic Interference)基準を満たすためのEMIガスケットを示す。
【0045】
次に、テスト治具組立体200は、大きく前述したRFカップリングPCB240が搭載される治具フレーム220、治具フレーム220の前面に装着されRFケーブルコネクタ213とUSBケーブルコネクタ215等が設置される前面パネル210、治具フレーム220に設置されRFカップリングPCB240が置かれるPCBシート230、端末との各種インターフェースが備えられている端末インターフェースボックス260、外部装置、例えば端末試験プログラムが設置されている試験用PC(図示されず)および端末とUSBインターフェースを通じて接続される複数のUSBコネクタが備えられているUSBハブ組立体270、および、多様なサイズの端末を治具フレーム220の定められた位置に堅固に固定するクランピングスライド250を含み得る。
【0046】
前面パネル210には、テスト治具組立体200を把持してシールドボックス本体180から出入りさせるための開閉用取手211、前述した複数のRFケーブルコネクタ213とUSBケーブルコネクタ215および内部にスプリング(図示されず)が備えられてシールドボックス本体180に収納されたテスト治具組立体200をシールドボックス本体180に堅固に固定するためのクランピング機能が備えられたロックレバー212が備えられている。
【0047】
参照番号214は、前面パネル210に付着されて各RFカプラー241の配列位置を表示するRFカプラー配列表を示す。参照番号216は、前面パネル210と前面フレーム130の間に介在されてEMI基準を満たすためのEMIガスケットを示す。
【0048】
治具フレーム220は、非金属材質、例えばプラスチック射出物で成形され得るが、このような治具フレーム220には、RFカプラー241が露出している開口からなって端末が収納される端末収納口221が形成されている。
【0049】
一方、メーカーおよび製品の種類によって移動通信端末が異なるサイズ、特に縦の長さを有するが、このように多様な種類の端末を治具フレーム220の内部に堅固に固定できるように治具フレーム220の後側にはクランピングスライド250を常時前進状態に維持させる圧縮スプリング251、好ましくはコイルスプリングが収納されるスプリングポケット224が形成されている。
【0050】
参照番号252は、圧縮スプリング251に内挿されるスプリングピンを示し、253は、クランピングスライド250を覆うスライドカバーを示し、254は、端末と直接接触して端末を圧迫する端末クランパーを示す。
【0051】
一方、治具フレーム220の端末収納口221の前面中央には、通常端末横部の中央に形成されているUSB接続ジャックに接続されるUSBケーブルが固定されるUSBケーブル固定溝223が形成されている。このように、本発明のシールドボックスは多様なサイズの移動通信端末を治具フレーム220の内部の定められた位置に堅固に固定したまま試験を遂行できる。治具フレーム220の両側には端末のオーディオ接続ジャックに接続されるオーディオケーブルが収納されて固定されるオーディオケーブル固定壁222が形成されているが、このようなオーディオケーブル固定壁222の内側には、収納されたオーディオケーブルが離脱しないように圧迫する圧迫突起222aが形成されている。
【0052】
RFカップリングPCB240は、上面に複数、例えば2*4行列で配列されたRFカプラー241を具備するが、広いグラウンド(ground)を通じて熱伝導効率が増加するように誘電体の上部および下部にグラウンド(ground)を配置したCPWG(Coplanar Waveguide with Ground)構造のPCBを採択している。
【0053】
図7aおよび
図7bは、それぞれ、本発明の一実施例に係る移動通信端末試験用シールドボックスにおけるRFカップリングPCBの上面図および下面図である。
図8は、
図7aにおける1個のRFカプラーの上面構造の拡大図であり、
図9は、
図7bにおける1個のRFカプラーの下面構造の拡大図である。
図10は、本発明の移動通信端末試験用シールドボックスにおける1個のRFカプラーの配線構造を立体的に示した図面である。
【0054】
図7~
図10に図示した通り、本発明の移動通信端末試験用シールドボックスによると、MIMO信号を区分できるように、RFカップリングPCB240の上面240aに端末の大きさの容量性カップリング方式のRFカプラー241をMIMO形態、例えば2*4行列形態で配列することによって、複数の端末アンテナのそれぞれのアンテナに最も近いRFカプラー241が端末との間で信号を送受信する。
【0055】
本発明で提案されたRFカプラー241は、アンテナのような電波放射体とは異なり、近接場でのみ信号が伝送される伝送線路(transmission line)の構造を有するが、電波放射体ではないので多重経路(multi-path)および反射効果などを減少させるためのシールドボックス本体180の内部の電波吸収材の使用を最小化することができる。
【0056】
具体的には、本発明のRFカップリングPCBの上面240aに配列される各RFカプラー241は、伝送線路間の誘導(inductive)成分を最小化するために線路間の間隔が最大化されるように設計されている。
【0057】
また、端末が置かれて端末と密着するRFカップリングPCBの上面240aには、給電(Feeding)のためのポート(以下、「給電部」という)248や回路チップ、例えばインピーダンスマッチング用チップ抵抗249等を実装できないので、給電部248とチップ抵抗249をRFカップリングPCBの下面240bに配置している。RFカップリングPCBの上面240aの各RFカプラー241は、RFカップリングPCBの下面240bで給電部248と電気的に接続された信号配線246に形成され、その表面が金属メッキされたビアホール接続部242を通じて電気的に接続されている。
【0058】
ここで、給電部248とRFケーブルコネクタ213は、治具フレーム220に備えられた内部RFケーブル(図示されず)を通じて電気的に接続される。チップ抵抗249も、RFカップリングPCBの下面240bに形成された信号配線246に実装されたまま信号配線246に形成され、その表面が金属メッキされたビアホール接続部242を通じてRFカップリングPCBの上面240aの各RFカプラー241に電気的に接続されている。
【0059】
さらに、放熱のためにRFカップリングPCB240の上面グラウンド243aと下面グラウンド243bもその表面が金属メッキされたビアホールを通じて互いに接続されているので、端末で発生した熱が前記上下グラウンド接続用ビアホールを通じてRFカップリングPCB240の下部に迅速に放出されるようになっている。
【0060】
参照番号244は、各RFカプラー241と上面グラウンド243aを絶縁するために各RFカプラー241の周囲に形成されている絶縁部を示し、245は、その上部にある各RFカプラー241に対応してRFカップリングPCBの下面240bに形成されている絶縁部を示す。
RFカップリングPCB240が置かれるPCBシート230は、金属、例えば軽量でありながらも降伏強度が相対的に高く加工性が優秀なアルミニウム合金からなり得るが、その中央部位にはRFカップリングPCBの下面240bの給電部248とRFケーブルコネクタ213を接続する内部RFケーブルが通るケーブル通過溝231aが形成されている。PCBシート230の下面には、磁性を有する磁性体鉄片231が段差なしに挿入される磁性体固定溝230bが形成されている。
【0061】
端末インターフェースボックス260は、移動通信端末のオーディオジャックおよびUSBジャックと電気的に接続されるが、例えば、MOS試験のためのオーディオコーデックおよびシールドボックス本体180の内部で移動通信端末とブルートゥース(登録商標)通信して各種データ、例えばDM(Diagnostic Monitoring)データなどをやりとりするブルートゥース(登録商標)モジュールなどを具備することができる。
【0062】
参照番号271は、端末インターフェースボックス270を固定するためのボックス固定ブラケットを示し、272は、各種ケーブルを覆うためのケーブルカバーを示す。
【0063】
一方、本発明によると、試験中に移動通信端末で発生した熱を速かに放出するために、シールドボックス本体180の上部に吸気ファン150が固定される吸気ファンブラケット153が装着される吸気ファンブラケット装着口180bが形成されている。吸気ファンブラケット153は外部の妨害電波の流入を最小化しながらも、ベルヌーイの定理によって流速を増加させて外部の空気が速かにシールドボックス本体180の内部に流入できるように、例えば1~10mmの大きさの吸気孔153aが多数形成されている。参照番号151は吸気ファン150の外部に設置される吸気ファン安全網を示す。
【0064】
本発明によると、シールドボックス本体180の開放された背面に背面フレーム140が装着されるが、このような背面フレーム140には排気口が形成されている。背面フレーム140の外側には排気ファン162が固定される排気ファンブラケット163が装着されている。排気ファンブラケット163は、外部の妨害電波の流入を最小化しながらも、ベルヌーイの定理によって流速を増加させてシールドボックス本体180の内部の空気が外部に速かに排出され得るように、例えば1~10mmの大きさの排気孔163aが多数形成されている。参照番号161は、排気ファン162の外部に設置される排気ファン安全網を示し、160は、排気ファンを覆う排気ファンカバーを示し、160aは、排気ファンカバー160に形成された排気口を示す。
【0065】
シールドボックス本体180の内部の適所、例えば両側面および下面にはそれぞれ、シールドボックス本体180の内部のRFカプラーと端末アンテナの間のクロストークを防止するための電波吸収材が設置され得るが、参照番号170および171はこのような右側および左側電波吸収材を示し、172は下部電波吸収材を示す。参照番号173は、右側電波吸収材170および左側電波吸収材171を固定するための電波吸収材固定ピンを示す。
【0066】
一方、PCBシート230の下面を通じての迅速な放熱のために、PCBシート230の下面は、金属からなるヒートシンク174と物理的に接触するが、このために下部電波吸収材172にはヒートシンク174が挿入されて露出されるヒートシンク装着口170aが形成されている。
【0067】
さらに、テスト治具組立体200がシールドボックス本体180に収納された状態でPCBシート230をヒートシンク174に緊密に接触するために、ヒートシンク174には、PCBシート密着用磁石176がヒートシンク174の上面と段差なしに装着されるが、このような密着用磁石176の磁力によって磁性体鉄片231が引っ張られてPCBシート230がヒートシンク174に密着する。
【0068】
図11は、
図7に図示した移動通信端末試験用シールドボックスのクーリング構造を説明するための図面である。
図11に図示した通り、本発明の移動通信端末試験用シールドボックスによると、テスト治具組立体200に収納された移動通信端末で発生した熱が、RFカップリングPCB240に無数に形成された前記グラウンド接続用ビアホールを通じてPCBシート230に伝達された後、PCBシート230と物理的に接触したヒートシンク174に再度伝達されて下部カバー110の放熱孔110a、110bを通じて排出される。これと共に、シールドボックス本体180の上部に形成された吸気ファン150を通じて、シールドボックス本体180の内部に強制吸入された外部の空気がシールドボックス本体180およびヒートシンク174の熱をシールドボックス本体180の後側に設置された排気ファン161により強制的に排出することによって、長時間の端末試験中にもシールドボックス本体180の内部の温度を外部の温度と同一の水準に維持することになる。
【0069】
参照番号190は、シールドボックス本体180の両側に備えられてテスト治具組立体200の出入りをガイドする治具出入りガイド部材を示し、175は、シールドボックス本体180の内部にテスト治具組立体200が収納された状態で治具出入りガイド部材190に圧力を加えて定位置を取らせるスプリングプランジャーを示す。
【0070】
図12a~
図12fは、それぞれ、本発明の移動通信端末試験用シールドボックスの使用説明図である。
図12aに図示した通り、前面パネル210の両側に設置されたロックレバー212をオフ(OFF)状態となるように90度回転させた状態で、
図12bに図示した通り、開閉用取手211を手前に引っ張って治具フレーム220を開く。
【0071】
次に、
図12cに図示した通り、移動通信端末にUSBケーブルを接続した後に端末を押し込むと、クランピングスライド250により圧縮スプリング251が圧縮された後に端末に前進力を作用して端末が堅固に固定される。この状態で、
図12dに図示した通り、移動通信端末の上面をそっと押して端末を治具フレーム220に密着させた後、
図12eに図示した通り、前面パネル210を押して治具フレーム220をシールドボックス本体180に押し込む。
【0072】
最後に、
図12fに図示した通り、ロックレバー212をオン(ON)状態となるように押して90度回転させた状態で、RFコネクタをRFケーブルを通じて信号分析器、チャネルシミュレーターまたは基地局装備などに接続し、USBケーブルを通じてUSBコネクタを試験用PCに接続して移動通信端末に対するプロトコル試験や各種機能試験を実行する。
【0073】
一方、本発明の移動通信端末試験用シールドボックスに備えられた8個のRFカプラー241は、それぞれ、前面パネル210に備えられたRFケーブルコネクタ213と電気的に接続されているので、使用者が試験状況に適切なRFポートを選択して使用、すなわち試験対象端末のアンテナの個数と同じ数またはより多くの数のRFポートを選択して使うことができる。例えば、4x4MIMO試験時に使用者は4個以上のRFポートを接続して使うことができる。
【0074】
また、移動通信端末のアンテナ位置は、端末のモデルや使用周波数帯域により変わり得るが、試験対象端末のアンテナの位置が分かる場合、端末アンテナに最も近いカプラーを選択することが好ましいが、多くの場合は試験対象端末のアンテナ位置が分からないので、デフォルト(default)として1、4、5および8番RFカプラー(
図2aのRFカプラー配列表参照)を使うことが好ましい。
【0075】
反面、最適位置のRFカプラー241を選択する必要がある場合には、端末の信号電力測定値に基づいて選択することができる。
【0076】
電源としては、商用交流電源を整流および平滑して得られた直流電源が使われ得る。
【0077】
図13aおよび
図13bは、それぞれ、本発明の他の実施例に係る移動通信端末試験用シールドボックスにおけるパッチアンテナPCB240’の上面図および下面図であり、
図14は、
図13に図示した移動通信端末試験用シールドボックスのクーリング構造を説明するための図面である。
【0078】
図13に図示した通り、本発明の他の実施例に係る移動通信端末試験用シールドボックスは、RFカプラーの代わりにパッチアンテナ241’を使うことができる。このようなパッチアンテナは、誘電体基板(dielectric plate)上面に四角形、円形、楕円形または三角形などの金属破片(パッチ)を接地面(広い金属板)の上に一定の間隔(パッチの大きさよりはるかに小さい)で設置してなるが、本実施例では四角形のパッチアンテナ241’を2*4行列で配置している。
【0079】
参照番号242’は、誘電体基板の下面に形成された接地面を示し、参照番号244’は、各パッチアンテナ241’への給電のための給電部(feeding point)を示し、参照番号243’は、誘電体基板に形成されて給電部244’に同軸線を接続するためのケーブル挿入孔を示す。
【0080】
一方、電波放射体であるパッチアンテナを採択した場合、シールドボックス本体180の内部で移動通信端末と各パッチアンテナ241’の間にクロストークが増加し得るが、このようなクロストークは、前述した特許文献2の信号処理技術を使って相殺したり、シールドボックス本体180の内部に電波吸収材を追加設置したりすることによって解決できるであろう。
【0081】
以下、特許請求の範囲では、RFカプラーおよびパッチアンテナを「非接触無線接続部」といい、RFカップリングPCBおよびパッチアンテナPCBを「非接触無線接続用PCB」という。
【0082】
図14は、
図13に図示した移動通信端末試験用シールドボックスのクーリング構造を説明するための図面である。
【0083】
図14に図示した通り、
図13に図示した移動通信端末試験用シールドボックスによると、テスト治具組立体200に収納された移動通信端末で発生した熱がPCBシート230に伝達された後、PCBシート230と物理的に接触したヒートシンク174に再度伝達されて下部カバー110の放熱孔110a、110bを通じて排出される。これと共に、シールドボックス本体180の上部に形成された吸気ファン150を通じて、シールドボックス本体180の内部に強制吸入された外部の空気が、シールドボックス本体180およびヒートシンク174の熱をシールドボックス本体180の後側に設置された排気ファン161により強制的に排出することによって、長時間の端末試験中にもシールドボックス本体180の内部の温度を外部の温度と同一の水準に維持することになる。
【0084】
以上、本発明の移動通信端末試験用シールドボックスの好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明は前述した実施例に限定されず、本発明の技術思想が許容する範囲内で多様に変形され得るであろう。
【0085】
例えば、吸気孔や排気孔が備えられたまま吸気ファンや排気ファンのうちいずれか一つのみが備えられてもよい。
【0086】
本明細書で使われた用語は、実施例を説明するためのものであり本発明を制限しようとするものではない。以上の説明で使われる構成要素に対する接尾辞「モジュール」および「部」等は、明細書作成の容易さのみを考慮して付与したものであり、それ自体として互いに区別される意味または役割を有するものではない。
【0087】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるとか「接続されて」いると言及された時には、その他の構成要素に直接的に接続されているか、または接続されていてもよいが、中間に他の構成要素が存在してもよいと理解されるべきである。
【0088】
単数の表現は、文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。
【0089】
本出願において、「含む」、「具備する」または「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性をあらかじめ排除しないものと理解されるべきである。
【0090】
また、「または」という用語は、排他的論理和(exclusive or)よりは包含的な論理和(inclusive or)を意味する。
【0091】
特に定義しない限り、本明細書で使われるすべての用語(技術および科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に共通じて理解され得る意味で使われ得る。また、一般的に使われる辞書に定義されている用語は明白に特に定義されていない限り、理想的にまたは過度に解釈されない。
【符号の説明】
【0092】
110:下部カバー
110a、110b:放熱孔
111:ゴム受け台
120:上部カバー
120a:放熱孔
120b:吸気口
121:運搬用取手
130:前面フレーム
131:クランピングプレート
132:EMIガスケット
140:背面フレーム
140a:排気口
150:吸気ファン
151:吸気ファン安全網
153:吸気ファンブラケット
153a:吸気孔
160:排気ファンカバー
160a:排気口
161:排気ファン安全網
162:排気ファン
163:排気ファンブラケット
163a:排気孔
170:右側電波吸収材
170a:ヒートシンク装着口
171:左側電波吸収材
172:下部電波吸収材
173:電波吸収材固定ピン
174:ヒートシンク
175:ボールプランジャー
176:密着用磁石
180:シールドボックス本体
180a:治具出入口
180b:吸気ファンブラケット装着口
190:治具出入りガイド部材
200:テスト治具組立体
210:前面パネル
211:開閉用取手
212:ロックレバー
213:RFケーブルコネクタ
214:RFカプラー配列表
215:USBケーブルコネクタ
216:EMIガスケット
220:治具フレーム
221:端末収納口
222:オーディオケーブル固定壁
222a:圧迫突起
223:USBケーブル固定溝
224:スプリングポケット
230:PCBシート
230a:ケーブル通過溝
230b:磁性体固定溝
231:磁性体鉄片
240:RFカップリングPCB
240a:PCB上面
240b:PCB下面
241:RFカプラー
242:ビアホール接続部
243a:上面グラウンド
243b:下面グラウンド
244:絶縁部
245:絶縁部
246:信号配線
248:給電部
249:チップ抵抗
240:パッチアンテナPCB
241’:パッチアンテナ
242’:接地面
243’:ケーブル挿入孔
244’:給電部
250:クランピングスライド
251:圧縮スプリング
252:スプリングピン
253:スライドカバー
254:端末クランパー
260:端末インターフェースボックス
270:USBハブ組立体
271:ボックス固定ブラケット
272:ケーブルカバー