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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023110896
(43)【公開日】2023-08-09
(54)【発明の名称】方法及び座標測定機
(51)【国際特許分類】
   G01B 21/20 20060101AFI20230802BHJP
   G01B 5/20 20060101ALI20230802BHJP
【FI】
G01B21/20 102Z
G01B5/20 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023010186
(22)【出願日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】22153944
(32)【優先日】2022-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】504269327
【氏名又は名称】クリンゲルンベルク・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Klingelnberg GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】フィンケルダイ,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】メルケルト,ヤン
【テーマコード(参考)】
2F062
2F069
【Fターム(参考)】
2F062AA51
2F062BC71
2F062CC27
2F062EE01
2F062EE09
2F062FF02
2F062FF17
2F062GG17
2F062GG71
2F062HH01
2F062MM02
2F069AA66
2F069BB40
2F069DD19
2F069GG01
2F069GG04
2F069GG07
2F069HH01
2F069HH30
2F069JJ04
2F069JJ17
2F069TT03
2F069TT05
2F069TT13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】歯付部品のより効率的な測定を可能にする方法および座標測定機を提供する。
【解決手段】方法は、座標測定機2は歯付部品10の幾何学的特徴を測定する第1センサ4と歯付部品10の幾何学的特徴を測定する第2センサ6と歯付部品10上で測定値を取得する測定動作を実行する動作軸を有し;歯ピッチ、歯面のフランクライン、歯面の輪郭線等の歯付部品10の幾何学的特徴を第1及び/又は第2センサ4,6により第1測定し、第1相対測定動作が第1測定パスに沿って移動するように実行され、1つ又は複数の測定値が幾何学的特徴を決定するために取得され;歯ピッチ、歯面のフランクライン、歯面の輪郭線等の歯付部品10の幾何学的特徴を第1及び/又は第2センサ4,6により第2測定し、第2相対測定動作が第2測定パスに沿って移動するように実行され;を有し、第2測定の評価が第1測定から知られる軸位置を考慮して行われる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯付部品(10)を座標測定機(2)上に提供すること、ここで、前記座標測定機(2)は、前記歯付部品(10)の幾何学的特徴を測定するための第1センサ(4)を有し、前記歯付部品(10)の幾何学的特徴を測定するための第2センサ(6)を有し、且つ前記歯付部品(10)に関する測定値を取得するための測定動作を実行するための動作軸を有しており、
前記第1センサ(4)及び/又は前記第2センサ(6)によって、歯ピッチ、歯面のフランクライン、歯面の輪郭線等の前記歯付部品(10)の幾何学的特徴を第1測定すること、ここで第1相対測定動作が第1測定パス(12,14)に沿って移動するように実行され、1つ又は複数の第1測定値が前記幾何学的特徴を決定するために取得され、
前記第1センサ(4)及び/又は前記第2センサ(6)によって、歯ピッチ、歯面のフランクライン、歯面の輪郭線等の前記歯付部品(10)の幾何学的特徴を第2測定すること、ここで第2相対測定動作が第2測定パス(16)に沿って移動するように実行され、第2測定値が前記幾何学的特徴を決定するように取得され、
を有しており、
前記第2測定の評価が前記第1測定から知られる軸位置を考慮して行われる、方法。
【請求項2】
前記第2測定の前に、前記第1測定から知られる測定値に基づく前記歯付部品(10)に対する前記第2センサの事前配置が行われない、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2測定の前記評価のための前記第2測定値のシーケンスが前記軸位置に基づいて決定され、
及び/又は
前記第測定値のうちある測定値が前記軸位置に基づいて前記第2測定の前記評価の開始点として定義され、
及び/又は
前記第2測定値のうちのいくつかの測定値は、前記第2測定に応じて幾何学的特徴を決定するのに要求されないことを、前記評価において前記軸位置に基づいて確認され、
及び/又は
前記第2測定の前記測定値の前記歯付部品(10)に対する関係への仮想設定が、前記評価において行われる、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2測定パス(16)は、前記第2測定によって決定されるべき幾何学的特徴を決定するのに最低限要求される長さよりも大きな長さを有しており、
前記第2測定パス(16)は、第1パス部分と第2パス部分とを有しており、さらなる測定値が前記第1パス部分に沿って取得され、これは前記第2測定によって決定されるべき前記歯付部品(10)の前記幾何学的特徴を決定するのに要求されず、前記第2パス部分に沿って、前記歯付部品(10)の前記幾何学的特徴を決定するために要求されるこれらの第2測定値が取得される、
請求項1~3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
角度増分及び/又はパス増分は、前記軸位置から決定され、評価開始として適切な前記歯付部品(10)の幾何学的基準に関連して前記第2測定に使用される前記センサ(4,6)の距離を定義する、
請求項1~4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
前記角度増分及び/又はパス増分は、前記第2測定パス(16)を定義するため、前記第2測定によって決定される前記歯付部品(10)の前記幾何学的特徴を取得するのに最低限要求される測定パスに追加される、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記角度増分及び/又はパス増分は、前記第2測定によって決定される前記歯付部品の前記幾何学的特徴を決定するのに最低限要求される測定パス(16)に予め固定されている、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記角度増分及び/又は前記パス増分に沿って取得された第2測定値は、前記評価の開始点として定義されず、及び/又は前記第2測定の前記幾何学的特徴を決定するために評価されない、
請求項5~7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
前記軸位置は、前記第2測定を実行する前記第1又は第2センサ(4,6)に関連した前記歯車の相対的な位置及び/又は向きに関する情報の項目を有する、
請求項1~8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
前記第2センサ(6)は光センサ(6)である、
請求項1~9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
前記軸位置は、歯頭、歯元、刃先、フランクライン、輪郭線、歯頭の中央、歯元の中央、歯面の中央等の、前記歯付部品の基準点、基準線又は基準面に関連した、前記第2センサ(6)の光軸(22)の相対的な角度位置に関する情報の項目を含む、
請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1センサ(4)はボール先端等を有する測定プローブ等の触覚センサ(4)である、
請求項1~11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
前記第1測定は前記触覚センサ(4)によって触覚的に実行され、前記第2測定は前記光センサ(6)によって光学的に実行される、
請求項12に記載される、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項14】
前記第2測定パス(16)に沿った前記移動は、前記第2測定を実行する前記センサ(4,6)に対する前記歯付部品(10)の自軸を中心とした360度を超える回転を含む、
請求項1~13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1つに記載の方法を実行するように構成された、座標測定機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、部品を測定する方法とそのような方法を実行する座標測定機である。
【背景技術】
【0002】
歯車は、多くの場合、座標測定機上で触覚的つまり機械的な走査によって測定される。触覚測定法は非常に正確であるが、測定時間が長いという欠点がある。歯車を走査する測定プローブは、そのため、歯車の歯の各隙間にねじ込まれて走査される歯面と接触し、歯面の走査後に再び隙間から後退しなければならない。測定プローブは続いて次に測定される歯の隙間にねじ込まれて、この手順が繰り返される。
【0003】
歯車の歯のジオメトリを測定するために、光学的にのみすなわち非接触で測定するセンサの性能は、近年大幅に改善してきた。歯車の歯を測定するための座標測定機は、したがって、触覚測定プローブの代わりに又は追加で使用される光センサを有することが増えている。計測学的方法に関して光センサの例としては、カメラ、レーザ三角測量システム、干渉システム、共焦点システム又は共焦点クロマティックシステム、線状光投影システム、又は焦点変動がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
歯付部品の幾何学的特徴がセンサによって既に決定されている場合、さらなるセンサが測定を開始する前に、既知の測定データに基づいてさらなるセンサをさらなる測定のために事前配置することができる。この場合に、実際の測定が機械軸の更新される開始とそのため更新される加速とによって実行される前に、事前配置がさらなるセンサ及び/又は歯付部品の加速及び減速を必要とすることが、不利益となる。
【0005】
この背景に対して、本発明は、歯付部品のより効率的な測定を可能にする方法および座標測定機を特定するという技術課題に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の技術課題は、いずれの場合も独立請求項によって達成される。本発明のさらなる実施形態は、従属請求項および以下の説明から生じる。
【0007】
第1の態様によれば、本発明は:座標測定機上に歯付部品を提供する方法ステップと、ここで座標測定機は歯付部品の幾何学的特徴を測定する第1センサと歯付部品の幾何学的特徴を測定する第2センサと歯付部品の測定値を取得する測定動作を実行する動作軸とを有しており;第1センサ及び/又は第2センサによって、歯ピッチ、歯面のフランクライン、歯面の輪郭線等の歯付部品の幾何学的特徴を第1測定する方法ステップと、ここで第1相対測定動作が第1測定パスに沿って移動するように実行されて1つ又は複数の第1測定値が幾何学的特徴を決定するように取得され;第1センサ及び/又は第2センサによって、歯ピッチ、歯面のフランクライン、歯面の輪郭線等の歯付部品の幾何学的特徴を第2測定する方法ステップと、ここで第2相対測定動作が第2測定パスに沿って移動するように実行されて第2測定値が幾何学的特徴を決定するように取得されること、を有する方法に関する。本方法は、第2測定の評価が第1測定から知られた軸位置を考慮して実行される点で区別される。
【0008】
本評価の文脈における軸位置の考慮により、測定値を比較可能な測定の開始を使用して常に評価でき、例えばそれにより例えば測定値の評価が測定される歯付部品の歯頭において常に開始することを確かにできるので、結果の数値的に安定且つ反復可能な評価が行われることが可能となる。
【0009】
本願で軸位置を参照するとき、これはこの場合に歯付部品で取得された測定値ではなく、むしろ座標測定機の機械軸の位置である。
【0010】
本願で測定値を参照するとき、この場合に、これは歯付部品で測定された測定値であり、これは第1又は第2センサのセンサ値から及び座標測定機の機械軸の軸位置から計算される。このようなセンサ値は、例えば、測定プローブが歯付部品の表面に接触した結果として経験する、触覚測定プローブの測定された撓みであってもよい。このようなセンサ値は、例えば、光センサが歯付部品の表面上の焦点に対して有する、光センサの測定距離であってもよい。
【0011】
第2測定の前に、歯付部品に対する第2センサの事前配置が第1測定から知られている測定値に基づいて行われないようにしてもよい。このようにして、事前配置および更新された開始が測定のために行われず、むしろ測定開始時の加速手順と測定終了時の減速手順とを有する測定動作のみが行われるので、第2測定に要求される加速手順の数を減らすことができる。事前配置の加減及び減速をしたがって省略できる。測定手順ごとに要求される軸の加速が少なくなるため、この方法で測定手順を短縮でき、座標測定機の損耗を軽減できる。
【0012】
本方法の一実施形態によれば、第2測定の評価のために、第2測定値のシーケンスが軸位置に基づいて決定されるようにしてもよい。例えば、座標測定機の回転軸の回転角度及び/又は直線軸の軸位置を各測定値に割り当ててもよく、評価のシーケンスを例えば割り当てられた回転角度の上昇値又は下降値に応じて及び/又は割り当てられた軸位置の上昇値又は下降値に応じて行うことができる。
【0013】
代替的または追加的に、第2測定値のうちのある測定値が、軸位置に基づいて第2測定の評価の開始点として定義されるようにしてもよい。特に、例えば、第2測定値のうちのある測定値を、この測定値が歯付部品の歯頭上にある第1測定から軸位置に基づいて知られるものから開始点として選択してもよい。
【0014】
代替的または追加的に、軸位置に基づく評価において、第2測定値のうちのいくつかの測定値が第2測定に応じて幾何学的特徴を決定するために要求されないと確認されてもよい。このように、例えば、第2測定の測定開始の測定値は、評価の開始点として、評価されないか、破棄されるか、使用されなくてもよい。特に、例えば、第2測定のうちの測定開始のいくつかの測定値は、歯付部品の歯頭にない評価の開始点として、評価しないか、破棄するか、使用しなくてもよいので、評価が、歯付部品の歯頭の測定値から開始することを確かにできる。
【0015】
評価において、歯付部品に対する第2測定の測定値の関係への仮想設定が、評価のための適切な開始点を決定するように行われるようにしてもよい。関係への仮想設定が、評価の開始点における測定の座標系のシフト及び/又は回転と第2測定値のフィルタリングとに対応するようにしてもよい。
【0016】
特に、評価において実行される歯付部品に対する第2測定の測定値の関係への仮想設定が、評価において例えば第2測定値のうちの1つが歯付部品の歯頭にある第2測定の評価の開始点として定義され、該評価が例えば割り当てられた回転角度の上昇値に応じてつまり所定の回転方向で行われるようにしてもよい。関係への仮想設定は、したがって、第2測定の測定値の評価が正確に反復可能かつ再現可能な方法で実施されることを可能にし、特に、評価の数値的安定性を確かにすることを可能にする。
【0017】
第2測定パスは、第2測定によって決定される幾何学的特徴を決定するために最低限要求される長さよりも大きな長さを有するようにしてもよい。例えば、360度の部品回転が要求される場合、又は測定値が決定されるべき幾何学的特徴を測定するために360度の角度にわたって取得される必要がある場合、第2測定パスが360度を超える部品回転を有してもよく、又は測定値が360度を超える角度範囲にわたって取得されてもよい。特に、このようにして、評価に適した開始点までに取得される測定値は、取得されるが評価の開始点としては使用されないという点で、関係への仮想設定が本評価の文脈において可能とされてもよい。
【0018】
代替的または付加的に、第2測定パスが第1パス部分及び第2パス部分を有し、第2測定によって決定されるべき歯付部品の幾何学的特徴を決定するために要求されない追加の測定値が第1パス部分に沿って取得され、第2パス部分に沿って歯付部品の幾何学的特徴を決定するために要求される第2測定値が取得されるようにしてもよい。
【0019】
この方法の一実施形態によれば、角度増分及び/又はパス増分が軸位置から決定され、これらが上述した歯頭等の評価開始として適した部品の幾何学的基準変数に対する第2測定に使用されるセンサの距離を定義するようにしてもよい。
【0020】
第2測定パスを定義するために、角度増分および/またはパス増分が、第2測定によって決定されるべき歯付部品の幾何学的特徴を取得するために最低限要求される測定パスに追加さてもよい。第2測定によって決定されるべき歯付部品の幾何学的特徴を取得するために最低限要求される測定パスは、したがって、第2測定の測定値の歯付部品に対する関係への仮想設定を本評価の文脈において可能とするように特に角度増分及び/又はパス増分によって補足され又は拡張される。
【0021】
本方法の一実施形態によれば、第2測定の測定値の歯付部品に対する関係への仮想設定を本評価の文脈において可能とするように、角度増分及び/又はパス増分が、第2測定によって決定されるべき歯付部品の幾何学的特徴を決定するために最低限要求される測定パスに予め固定されるようにしてもよい。
【0022】
角度増分及び/又はパス増分に沿って取得された第2測定値が、評価の開始点として定義されず及び/又は第2測定の幾何学的特徴を決定するために評価されないようにしてもよい。
【0023】
本方法の一実施形態によれば、軸位置が、第2測定に使用されるセンサに関連する歯車の相対的な位置及び/又は向きに関する情報の項目を有するようにしてもよい。
【0024】
第2センサが光センサであるようにしてもよい。
【0025】
本方法の一実施形態によれば、軸位置が、歯頭、歯元、歯先、フランクライン、輪郭線、歯頭の中間部、歯元の中間部、歯面の中間部等、歯付部品の、基準点、基準線、又は基準面に対する第2センサの光軸の相対的角度位置に関する情報の項目を有するようにしてもよい。
【0026】
第1センサがボール先端等を有する測定プローブ等の触覚センサであってもよい。触覚センサはスイッチングまたは走査測定プローブであってもよい。
【0027】
本方法の一実施形態によれば、第1測定は触覚センサによって触覚的に実行され、第2測定は光センサによって光学的に実行されるようにしてもよい。
【0028】
第2測定パスに沿った移動は、第2測定に使用されるセンサに対する歯付部品の自軸周りの360度を超える回転を含むようにしてもよい。
【0029】
座標測定機の機械軸による第2測定パスに沿った移動は、光センサの前の部品の部品回転のみから構成されており、光センサは測定中に静止しており、測定中に移動しないようにしてもよい。
【0030】
座標測定機の機械軸による第2測定パスに沿った移動は、光センサの前の部品の部品回転を含んでおり、光センサが測定中に並進的に移動するようにしてもよい。
【0031】
第2の態様によれば、本発明は、本発明による方法を実行するように構成された座標測定機に関する。座標測定機は、測定タスクのみに提供され且つ適している、測定装置のみであってもよい。座標測定機は、歯付部品の切削加工用に構成された工作機械の一体となっている部分であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本発明は、例示的な実施形態を示す図面に基づいて、以下により詳細に説明される。
図1図1は本発明に係る座標測定機を示す。
図2図2は歯車を触覚測定システムと共に示す。
図3図3図2の歯車を光学測定システムと共に示す。
図4図4は本発明に係る方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、本発明に係る方法を実行するように構成された、本発明に係る座標測定機2を示している。座標測定機2は、第1センサ4を有しており、これはギヤの歯を測定するための触覚センサ4であり、本件ではボール先端5を有する測定プローブである。座標測定機2は、歯車の歯を測定するための光センサである第2センサ6を有している。本件では、光センサ6は共焦点クロマティック距離センサである。
【0034】
座標測定機2は、センサ4,6と測定対象の歯付部品10との間の相対的な測定動作を制御するように構成された制御及び評価ユニット8を有している。歯付部品10は本件では歯車である。さらに、制御及び評価ユニット8は、センサ4,6によって取得された測定値を評価するのに使用される。
【0035】
座標測定機2は、ターンテーブル11を有しており、歯車10をターンテーブル11によって軸Cを中心に回転させることができる。座標測定機2は、センサ4,6をデカルト座標x,y,zの軸に沿って並進移動させると共に、歯車10に対する相対的な測定動作を実行する、線形駆動装置をさらに有している。
【0036】
本発明に係る方法の方法ステップ(A)では、歯車10の座標測定機2への提供が行われる。
【0037】
方法ステップ(B)では、図2に例として示されるように、第1センサ4による歯車10の幾何学的特徴の第1測定が続いて行われる。ここでは、例えば歯車10の幾何学的特徴として、測定パス12に沿った輪郭線が測定され、及び/又は測定パス14に沿ったフランクラインが測定される。歯車10のジオメトリの測定値は、空間における3次元の測定値であるが、第1センサ4のセンサ値及び座標測定機2の軸位置から計算されるので、光センサ6に対する歯車10の位置及び向きは第1測定によって知られる。
【0038】
方法ステップ(C)では、第2センサ6による歯付部品10の幾何学的特徴の第2測定がその後に行われ、第2相対測定動作が第2測定パス16に沿って移動するように実行され、第2測定値は幾何学的特徴を決定するのに要求される。
【0039】
第2測定パス16は歯車10の360度の回転と追加で角度増分18とを含んでおり、角度増分18は、360度の回転に対する、360度の回転の補足として予め固定されている。
【0040】
方法ステップ(D)では、第1測定から知られる軸位置を考慮した第2測定の評価が行われる。
【0041】
本件では、第2測定中に角度増分18に沿って取得された測定値は、第2測定によって取得される歯車2の幾何学的特徴を評価するのに使用されない。
【0042】
第2測定の前に、第1測定からの測定値に基づく歯付部品10に対する第2センサ6の事前配置は行われず、第2測定の測定値の歯付部品10に対する関係への仮想設定が評価において実行され、該評価では、角度増分18に沿って測定された測定値が第2測定の評価の開始点として定義されず、むしろ角度増分18におけるこれらの測定値に続く第2測定値のうちの第1測定値が第2測定の評価の開始点として定義される。
【0043】
角度増分18に沿って測定された測定値が第2測定の評価の開始点として定義されず、むしろ角度増分18のこれらの測定値に続く第2測定値のうちの第1の測定値が第2測定の評価の開始点として定義される点で、第2測定の測定値の歯付部品10に対する関係への仮想設定が評価において実行される。
【0044】
特に、評価が、測定値に割り当てられたC軸の軸位置の角度に応じて上昇するこの開始値から開始して行われてもよい。
【0045】
このようにして、各歯付部品10に対する第2測定の評価が例えば常に歯頭20で開始することを確かにすることができる。軸位置は、このために、関係への仮想設定を可能とし又は角度増分18を計算するために、例えば、歯頭20の中心24に対する第2センサ6の光軸22の相対角度位置に関する情報の項目を有している。
【0046】
第2測定パス16は、したがって、第2センサ6の事前配置が省略されているので、第2測定によって決定される幾何学的特徴を決定するのに最低限要求される長さよりも大きな長さを有している。
【符号の説明】
【0047】
2 座標測定機
4 触覚センサ
5 ボール先端
6 光センサ
8 制御及び評価ユニット
10 歯車
11 ターンテーブル
12 測定パス
14 測定パス
16 測定パス
18 角度増分
20 歯頭
22 光軸
24 歯頭の中央
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】