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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023110908
(43)【公開日】2023-08-09
(54)【発明の名称】撥水防虫用エアゾール
(51)【国際特許分類】
   A01N 25/06 20060101AFI20230802BHJP
   A01P 7/04 20060101ALI20230802BHJP
   A01N 53/10 20060101ALI20230802BHJP
【FI】
A01N25/06
A01P7/04
A01N53/10 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011425
(22)【出願日】2023-01-27
(31)【優先権主張番号】P 2022012329
(32)【優先日】2022-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】390000527
【氏名又は名称】住化エンバイロメンタルサイエンス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】杉目 康広
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AC01
4H011BB15
4H011BC18
4H011BC19
4H011DA21
4H011DH02
(57)【要約】
【課題】撥水性能および防虫性能が優れる撥水防虫用エアゾールを提供すること。
【解決手段】
(A)防虫成分
(B)含フッ素(メタ)アクリル酸アルキル誘導体およびフッ素原子を含まない(メタ)アクリル酸エステルの共重合体
(C)飽和炭化水素系溶剤と
(D)炭酸ガスおよび窒素ガスからなる群より選ばれる1種以上の噴射剤
とを含む撥水防虫用エアゾール。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)防虫成分、
(B)含フッ素(メタ)アクリル酸アルキル誘導体およびフッ素原子を含まない(メタ)アクリル酸エステルの共重合体、
(C)飽和炭化水素系溶剤と、
(D)炭酸ガスおよび窒素ガスからなる群より選ばれる1種以上の噴射剤
とを含む撥水防虫用エアゾール。
【請求項2】
請求項1に記載の撥水防虫用エアゾールにおいて、(A)防虫成分、(B)含フッ素(メタ)アクリル酸アルキル誘導体およびフッ素原子を含まない(メタ)アクリル酸エステルの共重合体および(C)飽和炭化水素系溶剤を含むエアゾール原液に対し、前記防虫成分は0.1~6.0重量パーセント含有し、かつ前記防虫成分と前記含フッ素(メタ)アクリル酸アルキル誘導体およびフッ素原子を含まない(メタ)アクリル酸エステルの共重合体が前記原液中に1:0.1~1:35の比で含まれることを特徴とする撥水防虫用エアゾール。
【請求項3】
前記防虫成分が常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分および害虫忌避成分からなる群より選ばれる1種以上を含む請求項1または2に記載の撥水防虫用エアゾール。
【請求項4】
前記害虫忌避成分がアミノプロピオン酸エチルエステルまたは1-メチルプロピル 2-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペリジンカルボキシラートからなる群より選ばれる1種以上を含む請求項3に記載の撥水防虫用エアゾール。
【請求項5】
前記飛翔害虫が双翅目昆虫、半翅目昆虫、膜翅目昆虫、鱗翅目昆虫およびダニ類からなる群より選ばれる1種である請求項1~4のいずれか1項に記載の撥水防虫用エアゾール。
【請求項6】
布帛製品に使用されてなる請求項1~5のいずれか1項に記載の撥水防虫用エアゾール。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の撥水防虫用エアゾールを用いて布帛を処理する撥水防虫性付与方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撥水防虫用エアゾールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、山や森でのキャンプやハイキングといったアウトドアレジャーの流行により、アウトドアウェア、テント、寝袋といったアウトドア製品の需要が高まっている。アウトドアレジャーでは、天気急変による雨や昼夜寒暖差が激しい場所で生じる朝露などに備え、撥水性能を有するアウトドア製品が要求される。
【0003】
このような要求に対し、撥水性能を有するポリエステル繊維やナイロン繊維を素材とするアウトドア製品が主として使用されているが(例えば特許文献1 )、使用場面によっては、さらなる撥水性能が必要となる場合があった。そこで、当該製品に撥水スプレーを処理することにより、さらなる撥水性能を得ている。
【0004】
また山や森でのアウトドアレジャーでは、虫に出くわすことが多い上、例えば、夜のテント内においてランプを使用すると、当ランプの光源が虫の誘引源となり、テントに虫が誘引されることもあった。アウトドア製品に防虫性能を付与するため、当該製品に防虫スプレーを処理している(例えば特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3067725号
【特許文献2】特開2014-205648
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このようにアウトドアにおいては、撥水性能付与と防虫性能付与という相異なる性能を要求される場合があるが、現状、撥水スプレーと防虫スプレーの2種類のスプレーを用いて処理されているのが現状である。しかしながら、現状の処理方法では作業が煩雑であることから、より簡易な方法が求められていた。
【0007】
また、アウトドア製品をはじめとする繊維製品に対する撥水性用と防虫性能の併せて付与する現状の処理方法に関し、これまで十分に検討されていない。現状の処理方法は、撥水スプレーまたは防虫スプレーのいずれか一方しか処理しない場合よりもその性能が低下するおそれもあった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、かかる課題を解決すべく鋭意検討した結果、特にアウトドアが活発に行われる夏場において、高温の車中に置き忘れても問題とならない炭酸ガスおよび/または窒素ガスを噴射剤とするエアゾールを開発した。
すなわち本発明は、
〔1〕(A)防虫成分、
(B)含フッ素(メタ)アクリル酸アルキル誘導体およびフッ素原子を含まない(メタ)アクリル酸エステルの共重合体、
(C)飽和炭化水素系溶剤と、
(D)炭酸ガスおよび窒素ガスからなる群より選ばれる1種以上の噴射剤
とを含む撥水防虫用エアゾール。
〔2〕上記の撥水防虫用エアゾールにおいて、(A)防虫成分、(B)含フッ素(メタ)アクリル酸アルキル誘導体およびフッ素原子を含まない(メタ)アクリル酸エステルの共重合体および(C)飽和炭化水素系溶剤を含むエアゾール原液に対し、前記防虫成分は0.1~6.0重量パーセント含有し、かつ前記防虫成分と前記含フッ素(メタ)アクリル酸アルキル誘導体およびフッ素原子を含まない(メタ)アクリル酸エステルの共重合体が前記原液中に1:0.1~1:35の比で含まれることを特徴とする撥水防虫用エアゾール。

〔3〕前記防虫成分が常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分および害虫忌避成分からなる群より選ばれる1種以上を含む上記の撥水防虫用エアゾール。
〔4〕前記害虫忌避成分がアミノプロピオン酸エチルエステルまたは1-メチルプロピル 2-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペリジンカルボキシラートからなる群より選ばれる1種以上を含む上記の撥水防虫用エアゾール。
〔5〕前記飛翔害虫が双翅目昆虫、半翅目昆虫、膜翅目昆虫、鱗翅目昆虫およびダニ類からなる群より選ばれる1種である上記の撥水防虫用エアゾール。
〔6〕布帛製品に使用されてなる上記の撥水防虫用エアゾール。
〔7〕上記の撥水防虫用エアゾールを用いて布帛を処理する撥水防虫性付与方法。
を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、撥水性能および防虫性能が優れる撥水防虫用エアゾールを提供することができる。また、本発明の撥水防虫用エアゾールを布帛を用いた製品に噴霧処理することにより撥水性能および防虫性能を付与することができる。加えて、当該エアゾールは、アウトドアが活発に行われる夏場において、高温の車中に置き忘れても問題とならないという安全性も有する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明で用いられる防虫成分としては、虫に対し殺虫効力または忌避効力の少なくともいずれかの効力を示す成分を用いる。殺虫効力を示す成分(以下、殺虫成分と記すこともある)としては、有機リン系殺虫成分、カーバメート系殺虫成分、ピレスロイド系殺虫成分、ネオニコチノイド系殺虫成分などが挙げられる。
【0011】
ピレスロイド系殺虫成分としては、エンペントリン、プロフルトリン、メトフルトリン、トランスフルトリン等の常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分または天然ピレトリン、フラメトリン、モンフルオロトリン、フェノトリン、シフェノトリン、ペルメトリン、シペルメトリン、シフルトリン、ビフェントリン、フェンプロパトリン、トラロメトリン、エトフェンプロックス、イミプロトリン、アレスリン、フタルスリン、プラレトリン、レスメトリン等の難揮散性ピレスロイド系殺虫成分が挙げられる。ここで常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分とは、25℃における蒸気圧が1.33×10-3Pa以上のピレスロイド系殺虫成分であり、難揮散性ピレスロイド系殺虫成分とは該蒸気圧未満のピレスロイド系殺虫成分である。本発明で用いるピレスロイド系殺虫成分は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよいが、殺虫効力のほか忌避効力またはノックダウン効力をも有する常温揮散性ピレスロイド系殺虫成分を含むことが好ましい。
【0012】
忌避効力を示す成分(以下、忌避成分と記すこともある)としては、N,N-ジエチル-m-トルアミド、3-(N-n-ブチル-N-アセチル)アミノプロピオン酸エチルエステル、1-メチルプロピル 2-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペリジンカルボキシラート、p-メンタン-3,8-ジオール、シトロネラ油、コパイバ油、ラベンダー油、ハッカ油、レモンユーカリ油、ペパーミント油等が挙げられる。このうち3-(N-n-ブチル-N-アセチル)アミノプロピオン酸エチルエステルまたは1-メチルプロピル 2-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペリジンカルボキシラートが好ましい。
【0013】
防虫成分の配合量は、通常、防虫成分、含フッ素(メタ)アクリル酸アルキル誘導体およびフッ素原子を含まない(メタ)アクリル酸エステルの共重合体および飽和炭化水素系溶剤を含むエアゾール原液総重量に対して0.1~6.0重量%の範囲とする。
【0014】
本発明の撥水防虫用エアゾールに用いられる含フッ素(メタ)アクリル酸アルキル誘導体およびフッ素原子を含まない(メタ)アクリル酸エステルの共重合体について、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸またはメタクリル酸をそれぞれ意味する。同様に「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートまたはメタクリレートをそれぞれ意味する。
【0015】
含フッ素(メタ)アクリル酸アルキル誘導体とは、(メタ)アクリル酸アルキルの水素原子の少なくとも一部がフッ素原子となっている化合物をいい、例えば、フルオロアルキル(メタ)アクリレート、ペルフルオロアルキル(メタ)アクリレート、N-アルキルペルフルオロアルキルスルホンアミドアルキル(メタ)アクリレート、N-メチルペルフルオロオクチルスルホンアミドエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0016】
フッ素原子を含まない(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、アルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0017】
本発明の撥水防虫用エアゾールにおける防虫成分と、含フッ素(メタ)アクリル酸アルキル誘導体およびフッ素原子を含まない(メタ)アクリル酸エステルの共重合体との配合比は、重量で1:0.1~1:35の範囲に調整することが好ましく、1:0.2~1:10の範囲に調整することがより好ましい。
【0018】
本発明の撥水防虫用エアゾールに用いられる飽和炭化水素系溶剤としては、炭素数6~7の飽和炭化水素系溶剤であることが好ましく、例えば、n-ヘキサン、シクロヘキサン、2,3-ジメチルブタン、2,2-ジメチルブタン、2-メチルペンタン、3-メチルペンタン、n-ヘプタン、2-メチルヘキサン、3-メチルヘキサン、2,2-ジメチルペンタン、2,3-ジメチルペンタン、2,4-ジメチルペンタン、3,3-ジメチルペンタン、3-エチルペンタン、2,2,3-トリメチルブタンが挙げられる。これら飽和炭化水素系溶剤は、単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。
【0019】
本発明の撥水防虫用エアゾールは、防虫成分、含フッ素(メタ)アクリル酸アルキル誘導体およびフッ素原子を含まない(メタ)アクリル酸エステルの共重合体および飽和炭化水素系溶剤を含むエアゾール原液をエアゾール缶に充填し、さらに炭酸ガスおよび窒素ガスからなる群より選ばれる1種以上の噴射剤を充填することで製造できる。
噴射剤には、さらに液化天然ガスまたはジメチルエーテルなどの他の噴射剤を配合してもよいが、安全面から炭酸ガスまたは窒素ガスのいずれかの噴射剤のみを用いることがより好ましい。
【0020】
噴射剤の配合量は特に限定されないが、エアゾール容器の内圧が0.3~0.8MPa、好ましくは0.45~0.55MPaとなるよう噴射剤を充填すればよい。
【0021】
本発明の撥水防虫用エアゾールは、本発明の効果を阻害しない範囲で、さらに添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、可溶化剤、香料、風合い調整剤、防黴剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、帯電防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。
【0022】
上記抗菌剤としては、例えば、金属イオン系、光触媒等の無機系、フェノール系、ピリジン系、第四級アンモニウム塩等の有機系、テルペン、トロポロン等の天然有機系の抗菌剤が挙げられる。
【0023】
上記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系、ベンゾエート系の紫外線吸収剤が挙げられる。
【0024】
本発明の撥水防虫用エアゾールは、例えば、綿、レーヨン、ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル製の布帛を用いた製品に噴射処理することで、当該製品に撥水性能および虫の定着を防止する等の防虫性能を付与することができる。布帛を用いた製品としては、例えば、衣服、帽子、靴、鞄、傘、テント、レジャーシートが挙げられる。
【0025】
本発明の撥水防虫用エアゾールが防除対象としては、例えば、ウンカ類、ヨコバイ類、アブラムシ類、カメムシ類等の半翅目昆虫、メイガ類、ヨトウ類、ドクガ類、コナガ類、ヒトリガ類、イガ類、コイガ類等の鱗翅目昆虫、イエカ類、シマカ類、ユスリカ類、イエバエ類、クロバエ類、ニクバエ類、ハナバエ類、ミバエ類、ショウジョウバエ類、ノミバエ類、チョウバエ類、ブユ類、アブ類、サシバエ類等の双翅目昆虫、ハムシ類等の鞘翅目昆虫、オオゴキブリ類、キゴキブリ類、シロアリ類等のゴキブリ目昆虫、アリ類、アリガタバチ類、ハバチ類等の膜翅目昆虫、ノミ目昆虫、シラミ目昆虫、マダニ、ワクモ、ツツガムシ、タカラダニ等のダニ類、ヒメグモ、ユウレイグモ等のクモ類、ゲジ類、ムカデ類、ヤスデ類、オカダンゴムシ、ヒメワラジムシ等のワラジムシ類の生物が挙げられる。
【実施例0026】
以下、具体的実施例ならびに試験例に基づいて、本発明の撥水防虫用エアゾールを詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【参考例】
【0027】
ポリエステル製の布帛(30cm×30cm)を2枚準備し、それぞれ20cm離れた位置 から市販の撥水エアゾール(撥水成分:フッ素樹脂)3gを噴射した後、25℃の室温で乾燥した。当該布帛のうち1枚については、20cm離れた位置からさらに市販の防虫エアゾールを 3g噴射し、25℃の室温で乾燥した。これら2枚の布帛の撥水性能につ
いて、JIS-L1092のスプレー試験に従い評価した。
市販の撥水エアゾールだけを噴射した布帛の撥水性能は4級であったが、さらに市販の防虫エアゾールを噴射した布帛の撥水性能は2級であった。
【実施例0028】
モディパーF3636(日油株式会社製、メタクリル酸エステルとアクリル酸フッ化アルキルのブロックコポリマー 濃度30%)5.78gとエンペントリン8.75gとを混合し、さらにn-ヘプタンを総重量175gになるまで加えて混合しエアゾール原液を調製した。該エアゾール原液をエアゾール容器に充填し、該容器にバルブ(ステム孔径0.4mm、ハウジング孔径1.0mm)を装填した後、該バルブ部分を通じてエアゾール容器の内圧が0.5MPaとなるように炭酸ガスを充填した。該バルブ部分にボタン(噴射孔経0.4mm、メカニカル・ブレーク噴口搭載)を装着し、本発明の撥水防虫用エアゾール(以下、本発明エアゾール1と記す)を得た。
【実施例0029】
実施例1においてエンペントリンの配合量を0.44gに変更し、本発明の撥水防虫用エアゾール(以下、本発明エアゾール2と記す)を得た。
【実施例0030】
実施例1においてエンペントリンの配合量を0.875gに変更し、本発明の撥水防虫用エアゾール(以下、本発明エアゾール3と記す)を得た。
【実施例0031】
実施例2においてモディパーF3636の配合量を14.5gに変更し、本発明の撥水防虫用エアゾール(以下、本発明エアゾール4と記す)を得た。
【実施例0032】
実施例1においてモディパーF3636の配合量を4.33gに変更し、本発明の撥水防虫用エアゾール(以下、本発明エアゾール5と記す)を得た。
【0033】
[防虫性能評価試験]
ポリエステル製の布帛(20cm×20cm)に対し20cm離れた位置から各種エアゾールのエアゾール原液2gをそれぞれ正立噴射した。噴射後25℃の室温で30分間乾燥した。乾燥後の布帛に対しJIS-L1092のスプレー試験の方法に従い水を散布した後、布帛表面の水滴をキムタオルで拭きとった。次いでエアゾール原液が噴射された面が上になるように当該布帛を設置し、上からポリスチレン製の滅菌済みシャーレ皿(直径9cm、深さ2cm)を被せた。シャーレ内にヒトスジシマカ10頭を放ち、10頭全てがノックダウンするまでの時間を測定した。試験は300秒まで行った。
【0034】
[撥水性能評価試験]
ポリエステル製布帛(20cm×20cm)に対し20cm離れた位置から各種エアゾールのエアゾール原液2gをそれぞれ正立噴射した。噴射後25℃の室温で3時間乾燥した。当該布帛の撥水性能および無処理の布帛(以下、無処理と記す)の撥水性能について、JIS-L1092のスプレー試験に従い評価した。
【0035】
表1に結果を示す
【0036】
〔表1〕
〇 撥水性能の評価基準
5級:湿潤、水滴が無い
4級:湿潤が無く、小さな水滴が付着
3級:小さな水滴上の湿潤
2級:半分程度湿潤
1級:全体的に湿潤
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明の撥水防虫用エアゾールを用いることで、布帛製品に対し、優れた撥水性能および防虫性能を付与することができるようになる。