(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023110937
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】発光表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 13/18 20060101AFI20230803BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20230803BHJP
【FI】
G09F13/18 D
F21S2/00 430
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022012476
(22)【出願日】2022-01-29
(71)【出願人】
【識別番号】000127857
【氏名又は名称】株式会社エレックス
(74)【代理人】
【識別番号】100167690
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 直
(72)【発明者】
【氏名】坂本 光秀
(72)【発明者】
【氏名】石栗 宏一郎
【テーマコード(参考)】
3K244
5C096
【Fターム(参考)】
3K244AA06
3K244BA50
3K244CA03
3K244DA01
3K244EA02
3K244EA12
3K244GA02
5C096AA07
5C096BA01
5C096BB23
5C096CB01
5C096CC06
5C096CD02
5C096CF04
5C096DA01
5C096FA05
(57)【要約】
【課題】本発明は、表面に現れるフレームを極力少なくし、装飾面の殆どを表示させながらも設置する際の強度を維持する発光表示装置を提供することにある。
【解決手段】供給される電力により発光する光源部(40)を備えた発光表示装置(1)であって、発光表示装置の最前面に図形、模様、記号、文字またはこれらの組み合わせの装飾を施した意匠板(11)と、光源部の光を前面方向に導光する導光板(13)と、光源部を備え意匠板の前面に重ならないように形成した発光表示装置を支えるフレーム部(20)と、導光板の裏面に接合手段によって接合し、外部との接合を可能にするための固定部(23)と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給される電力により発光する光源部を備えた発光表示装置であって、
前記発光表示装置の最前面に図形、模様、記号、文字またはこれらの組み合わせの装飾を施した意匠板と、
前記光源部の光を前面方向に導光する導光板と、
前記光源部を備え前記意匠板の前面に重ならないように形成した前記発光表示装置を支えるフレーム部と、
前記導光板の裏面に接合手段によって接合し、外部との接合を可能にするための固定部と、
を備えたことを特徴とする発光表示装置。
【請求項2】
前面に反射する機能を備えた反射板に切り欠き部を備え、その切り欠き部に嵌合し、外部との固定手段と結合可能な固定穴を設け、前記導光板の裏面に接合する固定片を備えたことを特徴とする請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項3】
前記意匠板と前記導光板との間に拡散板を備え、前記意匠板は他の板よりより大きな幅であって、かつ前記フレームと接合可能な幅を設け、
少なくとも前記導光板と前記フレーム部との間に前記光源部と電力を供給する配線部を収納する収納部を備えたことを特徴とする請求項1及び請求項2の何れか一項に記載の発光表示装置。
【請求項4】
前記意匠板は前記フレーム部の端面を覆うように接合することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の発光表示装置。
【請求項5】
複数の前記固定片を発光表示装置の中心よりも上方に複数段及び複数列に配置することを特徴とする請求項2に記載の発光表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的な光源を使用し、印刷等により装飾を施した表面を光源からの光により発光させて表示する発光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、導光板によって導光したLED等の光を利用し、表面に印刷された内容を発光して表示する発光表示装置が提案されている。LED等の薄型の発光源では発光表示装置を薄くまた軽量に製造することが可能である。そのため、発光表示装置は、壁面に設置することが可能であったり、天井から吊り下げて設置することが可能であった。
【0003】
例えば、特許文献1には、本発明に係る情報表示用照明装置は、所定の情報を表示させる表示部と、表示部の裏面に隣接し表示部に向けて拡散光を導出する凹状のパターン、凸状のパターン、又はそれらを組み合わせたパターンが設けられた導光部と、導光部の側面に隣接し導光部に向けて光を照射する光源が配設された光源部とをそれぞれ収納する筐体部を有し、筐体部は、導光部及び光源部を固定して収納する第1の収納手段と、弾性手段を備えたフレームの一端が第1の収納手段に回動可能に係合し且つフレームの他端が表示部の外周を着脱可能に付勢して収納する第2の収納手段とから成ることを特徴とする発明が開示されている。
【0004】
例えば、特許文献2には、本発明に係る案内表示装置は、光を発する光源を設けた複数の光源部と、前記光源部に隣接し、前記光源部の前記光源の光を側面から入射させ、該光を主面から出射させる複数の表示部と、少なくとも隣り合う前記光源部の間及び隣り合う前記表示部の間に設けられ、光を遮光する遮光部材を設けた遮光部と、前記光源部、前記表示部及び前記遮光部を保持する筐体を設けた筐体部とを有し、複数の前記表示部は、一列に配設され、且つ文字、図形、記号又はこれらの組み合わせから成る情報を表していることを特徴とする発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-158672号公報
【特許文献2】特開2013-3194号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の広く壁材等に使われている本物の大理石などは基本的には光を透過しない。それ故に、石彫デザインの壁材を光らせるための発光表示装置は、表面の樹脂に大理石調の印刷を施して壁面等に設置する場合、金属等で形成した額縁状の筐体で装飾面の樹脂の周囲を覆い強度を上げた状態で壁面に設置する必要があった。
そのために、金属等で形成した額縁状のフレームが装飾の邪魔をしてしまい、従来の発光表示装置ではデザイン性が損なわれ壁面に設置しても興ざめとなることが多かった。
【0007】
本発明は、上記した課題を解決するために、表面に現れるフレームを極力少なくし、装飾面の殆どを表示させながらも設置する際の強度を維持する発光表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
供給される電力により発光する光源部を備えた発光表示装置であって、
前記発光表示装置の最前面に図形、模様、記号、文字またはこれらの組み合わせの装飾を施した意匠板と、
前記光源部の光を前面方向に導光する導光板と、
前記光源部を備え前記意匠板の前面に重ならないように形成した前記発光表示装置を支えるフレーム部と、
前記導光板の裏面に接合手段によって接合し、外部との接合を可能にするための固定部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
以上の特徴により、本発明の発光表示装置は、フレーム部が意匠の部分と重ならないため、意匠が前面に現れ煌びやかに意匠を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態の発光表示装置の全体の斜視図である。
【
図4】実施形態の発光表示装置の内部構造を示す断面を現した概要図である。
【
図5】実施形態の発光表示装置の
図2に示すA-B部分を切断した断面図である。
【
図6】実施形態の発光表示装置の取付部の設置間隔を示す概要図である。
【
図7】実施形態の発光表示装置の取付部分を切断した断面図である。
【
図8】実施形態の発光表示装置を壁面に設置する際の概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明にかかる発光表示装置について、図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
【0012】
<発光表示装置の構造>
発光表示装置1の構成を
図1から
図7を参照し説明する。
図1は、実施形態の発光表示装置1の全体の斜視図である。
図2は、実施形態の発光表示装置1の正面図である。
図3は、実施形態の発光表示装置1の背面図である。
図4は、実施形態の発光表示装置の内部構造を示す断面図を現した概要図である。
図5は、実施形態の発光表示装置1の
図2に示すA-B部分を切断した断面図である。
図6は、実施形態の発光表示装置1の取付部の設置間隔を示す概要図である。
図7は、実施形態の発光表示装置1の取付部分を切断した断面図である。
【0013】
図1又は
図2に示すように、発光表示装置1は、図形、模様、記号、文字またはこれらの組み合わせの装飾を施した意匠板11を最前面に備えた表示部10を設けている。例えば、意匠として大理石調の模様を施し、重量があって本物の大理石が置けないような箇所であっても、軽量であるために壁面等に立て掛けて設置が可能である。また、発光表示装置1は、発光するため夜間や暗いところであっても意匠を煌びやかに表示することも可能である。
【0014】
表示部10の周囲にはアルミニウムやステンレス等の金属または強化プラスチック等で形成し、発光表示装置1を支持するフレーム部20を備えている。フレーム部20は、側面に一対のL字状の側面フレーム21を備えている。
【0015】
図1又は
図3に示すようにフレーム部20は、上下に一対のL字状の上下フレーム24を備えている。また、フレーム部20は、裏面の四隅に、側面フレーム21及び上下フレーム24を組み立てビスやボルト等の締結固定手段27によって固定する三角形状のフレーム固定部22を備えている。
フレーム部20は、裏面上方に発光表示装置1を外部に固定する機能とともに、フレーム部20が、歪まないように支持する機能も有した固定フレーム23を備えている。また発光表示装置1は、最背面に、前面に導光する光を反射する機能や筐体の補強を兼ねたアルミニウム等で形成したアルミ複合板14を備えている。
【0016】
図4又は
図5は、発光表示装置1の断面構造を示している。表示部10の前面から意匠板11、乳半板12、導光板13及びアルミ複合板14の順に設けられている。
導光板13は、ポリメタアクリル酸メチル樹脂で形成されているが、ポリカーボネート又はABS等であっても良く、側面から入射した光源Lの光を全面で均一に発光する材料であれば良い。また、意匠板11及び乳半板12は、光を透過する材料であれば良い。意匠板11は、印刷によって大理石調の装飾等を施しても良い。乳半板12は、導光板13に設けられた反射ドットや反射ライン等が写りこまないように透過光を緩和している。
【0017】
フレーム部20のL字状の側面フレーム21の内側面26に、光源部40が接合手段により接合されている。接合手段は、接着剤、テープ、溶着等による接合を使用している。光源部40は、導光板13及びアルミ複合板14と側面フレーム21の内側面26との間に形成される空間に設けられている。光源部40は、基板41に発光ダイオード等の光源42が設けられている。そして、光源42は、導光板13の側面の中心附近に位置している。
【0018】
本発明の実施形態では光源42を複数の発光ダイオードを使用した例を示したが、発光ダイオードは単体であっても良い。また、発光ダイオードは、単色に限らずフルカラーであっても良い。更に、発光ダイオードに限らず有機EL、冷陰極管等の光を発する光源Lであれば良い。
【0019】
また、乳半板12は、側面フレーム21の内側面26に側面を接合している。また、意匠板11は、側面フレーム21の端面又は乳半板12の前面と接合している。
以上の構造により、意匠板11は側面フレーム21又は上下フレーム24(
図1)の端面を覆う形で形成されているために、フレーム部20は隠され意匠板11のみが前面に現れている。そのため、フレーム部20が現れないため意匠のみが現れて煌びやかに演出することが可能である。
【0020】
次に、
図6又は
図7は、発光表示装置1の最背面にあるアルミ複合板14を示し、意匠板11、乳半板12及び導光板13までは貫通していないが、アルミ複合板14に複数の貫通した孔16が設けられ、その孔16に四角状、円形、三角形状、多角形状等の固定片17が嵌合している。また、固定片17は、固定フレーム23とネジやビス等の螺合手段6によって締結するための固定穴18が設けられている。そして、固定片17は、導光板13に上述した接合手段によって固定する固着部19が設けられている。
【0021】
固定片17は、発光表示装置1の中心より上方に位置し、複数列且つ複数段設けている。この固定片17の配置は、発光表示装置1の上端から距離Aをとり、距離Aは、強度を考慮して上端から110mm間隔が最適である。また、距離Bは、発光表示装置1の高さに応じて変化する。例えば、発光表示装置1の高さが1400mmを基準に、1400mm未満の場合には、距離Bは、300mmを開け、1400mm以上2400mm以下の場合には、距離Bは、500mmを開ける。以上の構造のように固定する位置を重心よりも上方に備えることによって、前面を覆うフレームが無くとも起立させて強固に固定することが可能である。
【0022】
また、固定片17の配置は、発光表示装置1の幅の中心を基準に全幅Wに応じて変化する。距離Cは、強度を考慮しW/5の間隔が最適である。また、距離Dは、強度を考慮して全横幅Wに対してW/3の間隔が最適である。
【0023】
また、固定片17の個数は、重量と全幅によって変化する。例えば、重量を10kg未満の場合であって、全幅が449mm未満の場合には、固定片17を1個とし、重量を30kg以上50kg未満の場合であって、全幅が1000mm未満の場合には、
図6に示すように2段であって固定片17を10個とする。
以上のように、発光表示装置1は、固定片17の個数や配置によって強度を保ちながら設置することが可能である。
【0024】
次に、
図8は、発光表示装置1を壁面等に設けられる軽量鉄骨3に木7の下地を介して取り付ける施工例を示している。受け部品4は、木7の下地7に木ネジ等の螺合手段8によって固定される。そして、固定フレーム23の下方のL字状のスペーサー29(
図7)を受け部品4と木7の下地との間9に差し込み、発光表示装置1を固定している。
また、コンクリート下地の場合には、受け部品4を化粧板を設けたモルタルにタッピングねじ等の螺合手段8によって固定する。そして、L字状のスペーサー29(
図7)を受け部品4と木7の下地との間9に差し込み、発光表示装置1を固定している。
発光表示装置1は、上述のように固定フレーム23が側面フレーム21に固定されているので、本体側は壁面等に固定フレーム23を介して強固に固定することができる。
【0025】
(技術的特徴)
以下に本実施形態の技術的特徴点の一例を括弧内に示すが、特に限定するものでもなく例示しているものであり、これら特徴から考えられる効果についても記載する。
【0026】
<第1の特徴点>
供給される電力により発光する光源部(例えば、主にLED等の光源部40)を備えた発光表示装置(例えば、主に発光表示装置1)であって、
前記発光表示装置の最前面に図形、模様、記号、文字またはこれらの組み合わせの装飾を施した意匠板(例えば、主に意匠板11)と、
前記光源部の光を前面方向に導光する導光板(例えば、主に導光板13)と、
前記光源部を備え前記意匠板の前面に重ならないように形成した前記発光表示装置を支えるフレーム部(例えば、主にフレーム部20)と、
前記導光板の裏面に接合手段によって接合し、外部との接合を可能にするための固定部(例えば、主に固定フレーム23)と、を備えたことを特徴とする。
【0027】
以上の特徴により、本発明の発光表示装置は、フレーム部が意匠の部分と重ならないため、意匠が前面に現れ煌びやかに意匠を施すことが可能である。
【0028】
<第2の特徴点>
最背面に備えた固定板(例えば、主にアルミ複合板14)に切り欠き部(例えば、主に孔16)を備え、その切り欠き部に嵌合し、外部との固定手段と結合可能な固定穴(例えば、主に固定孔18)を設け、前記導光板の裏面に接合する固定片(例えば、主に固定片17)を備えたことを特徴とする。
【0029】
以上の特徴により、本発明の発光表示装置は、壁面等に固着するための構造が裏面で完結させることが可能であるため、前面を覆うフレームが無くとも起立させて固定することが可能である。
【0030】
<第3の特徴点>
前記意匠板と前記導光板との間に拡散板を備え、前記意匠板は他の板よりより大きな幅であって、かつ前記フレームと接合可能な幅を設け、
少なくとも前記導光板と前記フレーム部との間に前記光源部と電力を供給する配線部を収納する収納部(例えば、主に導光板13及びアルミ複合板14と側面フレーム21の内側面26との間に形成される空間)を備えたことを特徴とする。
以上の特徴により、本発明の発光表示装置は、フレーム部が意匠の部分と重ならないため、意匠が前面に現れ煌びやかに意匠を施すことが可能である。
【0031】
<第4の特徴点>
前記意匠板は前記フレーム部の端面を覆うように接合することを特徴とする。
以上の特徴により、本発明の発光表示装置は、フレーム部が意匠の部分と重ならないため、意匠が前面に現れ煌びやかに意匠を施すことが可能である。
【0032】
<第5の特徴点>
複数の前記固定片を発光表示装置の中心よりも上方に複数段及び複数列に配置することを特徴とする。
以上の特徴により、本発明の発光表示装置は、固定する位置を重心よりも上方に備えることによって、前面を覆うフレームが無くとも起立させて強固に固定することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0033】
マンションやショールーム等の壁面に起立させる他に、列車やバス等の壁面の装飾や照明装置として使用も可能である。
【符号の説明】
【0034】
1…発光表示装置、10…発光部、11…意匠板、13…導光板、12…乳半板、
14…アルミ複合板、16…孔、17…固定片、18…固定穴、20…フレーム部、
21…側面フレーム、23…固定フレーム、26…内側面。