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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023110952
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/78 20060101AFI20230803BHJP
   H01L 29/12 20060101ALI20230803BHJP
   H01L 29/872 20060101ALI20230803BHJP
   H01L 29/47 20060101ALI20230803BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20230803BHJP
   H01L 29/739 20060101ALI20230803BHJP
【FI】
H01L29/78 652N
H01L29/78 652T
H01L29/78 653A
H01L29/78 652J
H01L29/78 657D
H01L29/78 652Q
H01L29/86 301F
H01L29/86 301D
H01L29/48 F
H01L29/48 D
H01L29/78 658E
H01L29/78 655F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022012509
(22)【出願日】2022-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104190
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 昭徳
(72)【発明者】
【氏名】馬場 正和
(72)【発明者】
【氏名】原田 信介
【テーマコード(参考)】
4M104
【Fターム(参考)】
4M104AA03
4M104BB14
4M104CC03
4M104DD35
4M104DD84
4M104FF07
4M104FF27
4M104GG03
4M104GG18
(57)【要約】
【課題】順方向電圧の劣化やターンオン時の損失を減少できる半導体装置を提供することを目的とする。
【解決手段】縦型MOSFETは、第1導電型の半導体基板2と、第1導電型の第1半導体層1と、第2導電型の第2半導体層と、第1導電型の第1半導体領域と、第1トレンチ31および第2トレンチ32と、第1トレンチ31の内部にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、第2トレンチ32の内部に設けられたショットキー電極と、をオン状態のときに電流が流れる活性領域40に備える。第2トレンチ32は、活性領域40と活性領域40の周囲を囲んで耐圧を保持するエッジ領域42との間のツナギ領域41にも設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電型の半導体基板と、
前記半導体基板のおもて面に設けられた、前記半導体基板よりも不純物濃度の低い第1導電型の第1半導体層と、
前記第1半導体層の、前記半導体基板側に対して反対側に設けられた第2導電型の第2半導体層と、
前記第2半導体層の内部に選択的に設けられた、前記半導体基板よりも不純物濃度の高い第1導電型の第1半導体領域と、
前記第1半導体領域および前記第2半導体層を貫通して前記第1半導体層に達する第1トレンチおよび第2トレンチと、
前記第1トレンチの内部にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、
前記第2トレンチの内部に設けられたショットキー電極と、
をオン状態のときに電流が流れる活性領域に備え、
前記第2トレンチは、前記活性領域と前記活性領域の周囲を囲んで耐圧を保持するエッジ領域との間のツナギ領域にも設けられていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記ツナギ領域に設けられている前記第2トレンチの長手方向は、前記活性領域に設けられている前記第2トレンチの長手方向と平行であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記ツナギ領域に設けられている前記第2トレンチの長手方向は、前記活性領域に設けられている前記第2トレンチの長手方向と垂直であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記ツナギ領域に設けられている前記第2トレンチ間の間隔は、前記活性領域に設けられている前記第2トレンチ間の間隔以上であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の半導体装置。
【請求項5】
前記ツナギ領域に設けられている前記第2トレンチは、前記活性領域に設けられている前記第2トレンチの長手方向に複数設けられていることを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パワー半導体素子においては、素子のオン抵抗の低減を図るため、トレンチ構造を有する縦型MOSFET(Metal Oxied Semiconductor Field Effect Transistor:絶縁ゲート型電解効果トランジスタ)が作製(製造)されている。縦型MOSFETでは、チャネルが基板表面に対して平行に形成されるプレーナー構造よりも基板表面に対して垂直に形成されるトレンチ構造の方が単位面積当たりのセル密度を増やすことができるため、単位面積当たりの電流密度を増やすことができ、コスト面において有利である。
【0003】
縦型MOSFETは、ソース・ドレイン間にボディダイオードとしてp型ベース層とn型ドリフト層とで形成される寄生pnダイオードを内蔵する。このため、インバータに用いる還流ダイオード(FWD:Free Wheeling Diode)を省略することができ、低コスト化および小型化に貢献する。しかしながら、半導体基板として炭化珪素基板を用いる場合、シリコン(Si)基板を用いた場合に比べて寄生pnダイオードが高いビルトインポテンシャルを持つため、寄生pnダイオードのオン抵抗が高くなり損失増大を招く。また、寄生pnダイオードがオンして通電した場合、寄生pnダイオードのバイポーラ動作により経時的に特性が変化(経年劣化)し、順方向劣化やターンオン損失の増加が生じる。
【0004】
この問題について、回路上にショットキーバリアダイオード (SBD:Schottky Barrier Diode)をMOSFETと並列に接続し、還流時にはSBDに電流が流れ、寄生pnダイオードに電流が流れないようにすることができる。しかしながら、SBDのチップがMOSFETと同数程度必要になるためコスト増になる。
【0005】
このため、基板表面にp型のチャネル部を貫通するコンタクトトレンチを形成し、トレンチ内壁にSBDを内包させ、還流時の電流をPiNダイオードではなく内蔵SBDに流す技術が提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
【0006】
図16は、従来のSBD内蔵の炭化珪素半導体装置の構造を示す上面図である。図17は、従来のSBD内蔵の炭化珪素半導体装置の構造を示す図16のC-C’部分の断面図である。図18は、従来のSDB内蔵の炭化珪素半導体装置の構造を示す図16のB-B’部分の断面図である。図16に示すように、SBD内蔵の炭化珪素半導体装置150は、素子構造が形成されオン状態のときに電流が流れる活性領域140と、活性領域140の周囲を囲んで耐圧を保持するエッジ領域142と、活性領域140とエッジ領域142との間のツナギ領域141と、を備える。活性領域140は図16で黒線で囲まれた領域である。
【0007】
図16に示すように、活性領域140に、ストライプ形状のトレンチゲート131と、ストライプ形状のトレンチSBD132とが交互に設けられている。ツナギ領域141には、トレンチゲート131とゲート電極パッド145とを電気的に接続するゲートコンタクト143が活性領域140を囲むように設けられている。また、トレンチゲート131とゲートコンタクト143は、ツナギ領域141に設けられたポリシリコン144により、電気的に接続されている。
【0008】
また、図17に示すように、SBD内蔵の炭化珪素半導体装置150は、炭化珪素からなる半導体基体(以下、炭化珪素基体とする)のおもて面(後述するp型ベース層116側の面)側に一般的なトレンチゲート構造のMOSゲートを備える。炭化珪素基体(半導体チップ)は、炭化珪素からなるn+型支持基板(以下、n+型炭化珪素基板とする)102上にn-型ドリフト層101、電流拡散領域であるn型領域115およびp型ベース層116となる各炭化珪素層を順にエピタキシャル成長させてなる。
【0009】
+型炭化珪素基板102上にn-型ドリフト層101となるn-型層をエピタキシャル成長させて、n+型炭化珪素基板102のおもて面(n-型ドリフト層101側の面)側に、p型ベース層116、n+型ソース領域117、トレンチゲート131、ゲート絶縁膜119およびゲート電極120からなるMOSゲート構造が設けられている。また、符号118、121および122は、それぞれp++型コンタクト領域、層間絶縁膜およびソース電極である。
【0010】
n型領域115には、トレンチゲート131の底面全体を覆うように第1p+型領域103が選択的に設けられている。また、n型領域115には、トレンチSBD132の底面全体を覆うように第1p+型領域103が選択的に設けられている。第1p+型領域103は、n-型ドリフト層101に達しない深さで設けられている。また、図18に示すように、エッジ領域142では、第1p+型領域103の全面上に第2p+型領域104が設けられている。
【0011】
また、トレンチSBD132は、内壁がソース電極122と接続するショットキーメタル126で覆われ、内壁に露出する半導体領域と当該ショットキーメタル126とのショットキーを形成したトレンチである。このように、図17では、ソース・ドレイン間に寄生pnダイオードと並列に寄生ショットキーダイオード(内蔵SBD)を設けている。
【0012】
同一の半導体基板にSBDを内蔵したMOSFETでは、MOSFETのスイッチング動作時に、MOSFETのベース領域とドリフト領域とのpn接合で形成される寄生ダイオード(ボディーダイオード)よりも順方向電圧の低い内蔵SBDが優先的に動作する。このため、寄生ダイオードの逆回復損失が低減される。
【0013】
ソース電極122に正電圧が印加され、n+型炭化珪素基板102の裏面に設けられたドレイン電極(不図示)に負電圧が印加されたとき(MOSFETのオフ時)、p型ベース層116とn-型ドリフト層101との間のpn接合が順バイアスされる。図17において、MOSFETのオフ時に寄生pnダイオードがオンする前に寄生ショットキーダイオードがオンするように設計することで、寄生pnダイオードのバイポーラ動作を抑止し、バイポーラ動作による経年劣化を防止することができる。
【0014】
また、外周耐圧部に、トレンチと、トレンチ内に備えられドリフト層に電気的に接続されたショットキー電極とを有するショットキーダイオードが備えられている半導体装置が公知である(例えば、下記特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開平8-204179号公報
【特許文献2】特開2012-79795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
ここで、図18に示すように、ツナギ領域141では、第1p+型領域103上に第2p+型領域104が設けられている。また、p型ベース層116の表面層に、トレンチSBD132と接するp++型コンタクト領域118が設けられている。このため、ツナギ領域141において、トレンチSBD132は、周囲がp型領域(p型ベース層116、p++型コンタクト領域118、第1p+型領域103および第2p+型領域104)で囲まれている構造となっている。
【0017】
ツナギ領域141では、寄生pnダイオードによる逆回復損失が発生する。これにより、ツナギ領域141では、トレンチSBD132は寄生ショットキーダイオードとして機能せず、寄生pnダイオードのバイポーラ動作を抑止することができない。寄生pnダイオードがオンして通電した場合、寄生pnダイオードのバイポーラ動作により、ホール電流が図18の経路Dのように流れ、ホール電流と電子電流による再結合によって発生したエネルギーにより、積層欠陥が発生・拡張する。
【0018】
このため、ツナギ領域141は、活性領域140の内部よりも、寄生pnダイオードのバイポーラ動作により経時的に特性が変化(経年劣化)し、順方向劣化やターンオン損失の増加が生じるという課題がある。
【0019】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、逆回復損失、順方向電圧の劣化やターンオン時の損失を減少できる半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体装置は、次の特徴を有する。第1導電型の半導体基板のおもて面に、前記半導体基板よりも不純物濃度の低い第1導電型の第1半導体層が設けられる。前記第1半導体層の、前記半導体基板側に対して反対側に第2導電型の第2半導体層が設けられる。前記第2半導体層の内部に選択的に、前記半導体基板よりも不純物濃度の高い第1導電型の第1半導体領域が設けられる。前記第1半導体領域および前記第2半導体層を貫通して前記第1半導体層に達する第1トレンチおよび第2トレンチが設けられる。前記第1トレンチの内部にゲート絶縁膜を介してゲート電極が設けられる。前記第2トレンチの内部にショットキー電極が設けられる。これらをオン状態のときに電流が流れる活性領域に備える。前記第2トレンチは、前記活性領域と前記活性領域の周囲を囲んで耐圧を保持するエッジ領域との間のツナギ領域にも設けられている。
【0021】
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記ツナギ領域に設けられている前記第2トレンチの長手方向は、前記活性領域に設けられている前記第2トレンチの長手方向と平行であることを特徴とする。
【0022】
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記ツナギ領域に設けられている前記第2トレンチの長手方向は、前記活性領域に設けられている前記第2トレンチの長手方向と垂直であることを特徴とする。
【0023】
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記ツナギ領域に設けられている前記第2トレンチ間の間隔は、前記活性領域に設けられている前記第2トレンチ間の間隔以上であることを特徴とする。
【0024】
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記ツナギ領域に設けられている前記第2トレンチは、前記活性領域に設けられている前記第2トレンチの長手方向に複数設けられていることを特徴とする。
【0025】
上述した発明によれば、ツナギ領域に、トレンチSBDが配置されている。これにより、ツナギ領域でも、トレンチSBDを寄生ショットキーダイオードとして機能させることができる。このため、SBD内蔵の炭化珪素半導体装置のドレイン側に負バイアスがかかった際、ツナギ領域でも寄生ショットキーダイオードを動作させることによって寄生pnダイオードのバイポーラ動作を抑止することができ、順方向劣化やターンオン損失の増加を抑制できる。SBDをトレンチで形成することでショットキー接合と寄生pnダイオードの距離を縮めることができ、より効果的に寄生pnダイオードの動作を抑制できる。また、MOSFETスイッチング動作時の逆回復損失を低減することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明にかかる半導体装置によれば、逆回復損失、順方向電圧の劣化やターンオン時の損失を減少できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す上面図である。
図2】実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す図1の1.部分の断面図である。
図3】実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す図1の2.部分の断面図である。
図4】実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す図1の3.部分の断面図である。
図5】実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す図1の4.部分の断面図である。
図6】実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す図1の5.部分の断面図である。
図7】実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置のソース電極パッドを示す上面図である。
図8】実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の他の構造を示す上面図である。
図9】実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である(その1)。
図10】実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である(その2)。
図11】実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である(その3)。
図12】実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である(その4)。
図13】実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である(その5)。
図14】実施の形態2にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す上面図である。
図15】実施の形態2にかかる炭化珪素半導体装置のソース電極パッドを示す上面図である。
図16】従来のSDB内蔵の炭化珪素半導体装置の構造を示す上面図である。
図17】従来のSDB内蔵の炭化珪素半導体装置の構造を示す図16のC-C’部分の断面図である。
図18】従来のSDB内蔵の炭化珪素半導体装置の構造を示す図16のB-B’部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる半導体装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。本明細書および添付図面においては、nまたはpを冠記した層や領域では、それぞれ電子または正孔が多数キャリアであることを意味する。また、nやpに付す+および-は、それぞれそれが付されていない層や領域よりも高不純物濃度および低不純物濃度であることを意味する。なお、以下の実施の形態の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本明細書では、ミラー指数の表記において、“-”はその直後の指数につくバーを意味しており、指数の前に“-”を付けることで負の指数をあらわしている。そして、同じまたは同等との記載は製造におけるばらつきを考慮して5%以内まで含むとするのがよい。
【0029】
(実施の形態1)
本発明にかかる半導体装置は、シリコンよりもバンドギャップが広い半導体(以下、ワイドバンドギャップ半導体とする)を用いて構成される。ここでは、ワイドバンドギャップ半導体として例えば炭化珪素(SiC)を用いた半導体装置(炭化珪素半導体装置)の構造を例に説明する。図1は、実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す上面図である。図2は、実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す図1の1.部分の断面図である。図3は、実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す図1の2.部分の断面図である。図4は、実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す図1の3.部分の断面図である。図5は、実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す図1の4.部分の断面図である。図6は、実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す図1の5.部分の断面図である。実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の活性領域の断面図は、従来のSDB内蔵の炭化珪素半導体装置と同じであるため、記載は省略している。
【0030】
図1に示すように、SBD内蔵の炭化珪素半導体装置50は、素子構造が形成されオン状態のときに基板の厚さ方向に主電流が流れる活性領域40と、活性領域40の周囲を囲んで耐圧を保持するエッジ領域42と、活性領域40とエッジ領域42との間のツナギ領域41と、から構成される。活性領域40は図1で黒線で囲まれた領域である。ツナギ領域41とは、図2に示すように、後述するトレンチゲート31の側面がp型領域で覆われMOSとして機能していない領域である。図4および図5には、1つの単位セル(素子の機能単位)のみを示し、これらに隣接する他の単位セルを図示省略する。図1~6に示す実施の形態にかかる炭化珪素半導体装置は、炭化珪素からなる半導体基体(炭化珪素基体:半導体チップ)のおもて面(後述するp型ベース層16側の面)側にMOSゲートを備えたMOSFETである。
【0031】
炭化珪素基体は、炭化珪素からなるn+型支持基板(第1導電型の半導体基板)2上にn-型ドリフト層(第1導電型の第1半導体層)1およびp型ベース層(第2導電型の第2半導体層)16となる各炭化珪素層を順にエピタキシャル成長させてなる。活性領域40において、MOSゲートは、p型ベース層16と、n+型ソース領域(第1導電型の第1半導体領域)17、ゲート絶縁膜19およびゲート電極20で構成される。具体的には、n-型ドリフト層1のソース側(後述するソース電極22側)の表面層には、p型ベース層16に接するようにn型領域15が設けられていてもよい。n型領域15は、キャリアの広がり抵抗を低減させる、いわゆる電流拡散層(Current Spreading Layer:CSL)である。このn型領域15は、例えば、基体おもて面(炭化珪素基体のおもて面)に平行な方向に一様に設けられている。
【0032】
n型領域15(n型領域15が設けられていない場合は、n-型ドリフト層1、以下(1)と称する)の内部には、第1p+型領域3が選択的に設けられている。活性領域40では、第1p+型領域3は、後述するトレンチゲート(第1トレンチ)31の底面および後述するトレンチSBD(第2トレンチ)32の底面に接するように設けられている。また、n型領域15(1)の表面層には、第2p+型領域4が選択的に設けられている。第2p+型領域4は、底面が第1p+型領域3と接するように設けられている。
【0033】
n型領域15が設けられている場合、第1p+型領域3は、p型ベース層16とn型領域15との界面よりもドレイン側に深い位置から、n型領域15とn-型ドリフト層1との界面に達しない深さで設けられている。第1p+型領域3を設けることで、トレンチゲート31、トレンチSBD32の底面付近に、第1p+型領域3とn型領域15(1)との間のpn接合を形成することができる。第1p+型領域3および第2p+型領域4は、p型ベース層16よりも不純物濃度が高い。
【0034】
また、p型ベース層16の内部には、n+型ソース領域(第1導電型の第1半導体領域)17が選択的に設けられている。互いに接するようにn+型ソース領域17およびp++型コンタクト領域18がそれぞれ選択的に設けられていてもよい。この場合、p++型コンタクト領域18の深さは例えばn+型ソース領域17と同じ深さでもよいし、n+型ソース領域17よりも深くてもよい。
【0035】
図1に示すように、トレンチSBD32およびトレンチゲート31は、n+型炭化珪素基板1の結晶方向が<11-20>である方向にストライプ状に設けられている。トレンチゲート31は、基体おもて面からn+型ソース領域17およびp型ベース層16を貫通してn型領域15(1)に達する。トレンチゲート31の内部には、トレンチゲート31の側壁に沿ってゲート絶縁膜19が設けられ、ゲート絶縁膜19の内側にゲート電極20が設けられている。ゲート電極20のソース側端部は、基体おもて面から外側に突出していてもいなくてもよい。ゲート電極20は、ゲート電極パッド45に電気的に接続されている。層間絶縁膜21は、トレンチゲート31に埋め込まれたゲート電極20を覆うように基体おもて面全面に設けられている。また、トレンチゲート31は、ツナギ領域41でMOSとして機能させないため、トレンチゲート31の側壁および底面は第1、第2p+型領域3、4と接している。
【0036】
トレンチSBD32は、基体おもて面からn+型ソース領域17およびp型ベース層16を貫通してn型領域15(1)に達する。トレンチSBD32の内部には、トレンチSBD32の側壁に沿って、ソース電極22と接続するショットキーメタル26で覆われ、内壁に露出する半導体領域と当該ショットキーメタル26とのショットキー接合を形成する。また、ショットキーメタル26の内側には酸化膜、例えば、二酸化珪素(SiO2)が設けられてもよい。
【0037】
ツナギ領域41には、トレンチゲート31とゲート電極パッド45とを電気的に接続するゲートコンタクト43が活性領域40を囲むように設けられている。また、トレンチゲート31とゲートコンタクト43は、ツナギ領域41に設けられたポリシリコン44により、電気的に接続されている。
【0038】
ここで、図1に示すように、トレンチSBD32は、活性領域40と同じセルピッチでツナギ領域41にも配置されている。このようにすることで、トレンチSBD32により、ツナギ領域41でも活性領域40と同様に寄生pnダイオード動作を抑制する効果が得られる。このため、実施の形態1では、チップ全体で順方向通電による特性劣化を抑制することができる。また、ツナギ領域41に配置されたトレンチSBD32間の間隔は、活性領域40に配置されたトレンチSBD32間の間隔と同じでもよいが、より広くてもよい。
【0039】
また、ツナギ領域41に配置されているトレンチSBD32間にポリシリコン34が配線され、トレンチゲート31をエッジ領域42のゲートコンタクト43と電気的に接続している。ポリシリコン34の配線は、SBD内蔵の炭化珪素半導体装置50の端部からゲートコンタクト43まで直線状に伸びるように配置されている。このように、SBD内蔵の炭化珪素半導体装置50のトレンチSBD32端部からゲートコンタクト43までの経路を複雑にしないことで、ゲート抵抗の増加を防ぐことができる。
【0040】
また、図4および図5に示すように、ツナギ領域41でも、耐圧低下を抑制するためにJFET幅(隣り合う第1p+型領域間3の間の幅)、トレンチSBD32底の第1p+型領域3、第2p+型領域4のレイアウトは活性領域40と同じとしている。
【0041】
ソース電極22は、層間絶縁膜21に開口されたコンタクトホールを介してn+型ソース領域17に接するとともに、層間絶縁膜21によってゲート電極20と電気的に絶縁されている。p++型コンタクト領域18が設けられている場合、ソース電極22は、p++型コンタクト領域18とも接する。ソース電極22と層間絶縁膜21との間に、例えばソース電極22からゲート電極20側への金属原子の拡散を防止するバリアメタルを設けてもよい。ソース電極22上には、ソース電極パッド46が設けられている。図7は、実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置のソース電極パッドを示す上面図である。図7に示すように、ソース電極パッド46は、活性領域40と、トレンチSBD32が配置されたツナギ領域41上に設けられている。炭化珪素半導体装置50の裏面(n+型ドレイン領域となるn+型炭化珪素基板1の裏面)には、ドレイン電極(不図示)が設けられている。
【0042】
図8は、実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の他の構造を示す上面図である。図8では、活性領域40とツナギ領域41の一部分のみを示している。図8に示すように、ツナギ領域41のトレンチSBD32は、長さを短くして、複数に分けていてもよい。この場合、複数のトレンチSBD32の間には、ポリシリコン44が配置されている。
【0043】
(実施の形態1にかかる半導体装置の製造方法)
次に、実施の形態1にかかる半導体装置の製造方法について説明する。図9図13は、実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である。まず、n+型ドレイン領域となるn+型炭化珪素基板2を用意する。次に、n+型炭化珪素基板2のおもて面に、上述したn-型ドリフト層1をエピタキシャル成長させる。例えば、n-型ドリフト層1を形成するためのエピタキシャル成長の条件を、n-型ドリフト層1の不純物濃度が3×1015/cm3程度となるように設定してもよい。ここまでの状態が図9に記載される。
【0044】
次に、n-型ドリフト層1の上に、下側n型領域15a(n型領域15を形成しない場合、n-型ドリフト層1と同程度の不純物のn型層、以下n型層と略する)をエピタキシャル成長させる。例えば、下側n型領域15aを形成するためのエピタキシャル成長の条件を、下側n型領域15aの不純物濃度が1×1017/cm3程度となるように設定してもよい。この下側n型領域15aは、n型領域15の一部である。次に、フォトリソグラフィおよびp型不純物のイオン注入により、下側n型領域15a(n型層)の表面層に、第1p+型領域3を選択的に形成する。例えば、第1p+型領域3を形成するためのイオン注入時のドーズ量を、不純物濃度が5×1018/cm3程度となるように設定してもよい。ツナギ領域41およびエッジ領域42でも、同様に第1p+型領域3を選択的に形成する。ここまでの状態が図10に記載される。
【0045】
次に、下側n型領域15a(n型層)、第1p+型領域3の上に、上側n型領域15b(n型層)をエピタキシャル成長させる。例えば、上側n型領域15bを形成するためのエピタキシャル成長の条件を、下側n型領域15aの不純物濃度と同程度となるように設定してもよい。この上側n型領域15bは、n型領域15の一部であり、下側n型領域15aと上側n型領域15bを合わせて、n型領域15となる。次に、フォトリソグラフィおよびp型不純物のイオン注入により、上側n型領域15b(n型層)の表面層に、第2p+型領域4を選択的に形成する。例えば、第2p+型領域4を形成するためのイオン注入時のドーズ量を、不純物濃度が第1p+型領域3と同程度となるように設定してもよい。第1p+型領域3と第2p+型領域4とをあわせた領域を第1、第2p+型領域3、4と称する。ツナギ領域41およびエッジ領域42でも、同様に第2p+型領域4を選択的に形成する。第2p+型領域4を形成する際に、ツナギ領域41でトレンチSBD32の側壁が第2p+型領域4と接しないように形成する。ここまでの状態が図11に記載される。
【0046】
次に、上側n型領域15bおよび第2p+型領域4の上に、p型ベース層16をエピタキシャル成長させる。例えば、p型ベース層16を形成するためのエピタキシャル成長の条件を、p型ベース層16の不純物濃度が4×1017/cm3程度となるように設定してもよい。
【0047】
次に、フォトリソグラフィおよびn型不純物のイオン注入により、p型ベース層16の表面層にn+型ソース領域17を選択的に形成する。例えば、n+型ソース領域17を形成するためのイオン注入時のドーズ量を、不純物濃度が3×1020/cm3程度となるように設定してもよい。
【0048】
次に、フォトリソグラフィおよびp型不純物のイオン注入により、p型ベース層16の表面層に、n+型ソース領域17に接するようにp++型コンタクト領域18を選択的に形成してもよい。例えば、p++型コンタクト領域18を形成するためのイオン注入時のドーズ量を、不純物濃度が3×1020/cm3程度となるように設定してもよい。n+型ソース領域17とp++型コンタクト領域18との形成順序を入れ替えてもよい。次に、フォトリソグラフィおよびp型不純物のイオン注入により、エッジ領域42にJTE領域43を形成する。イオン注入が全て終わった後に、活性化アニールを施す。ここまでの状態が図12に記載される。
【0049】
次に、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、n+型ソース領域17およびp型ベース層16を貫通して、n型領域15(1)に達するトレンチゲート31を形成する。トレンチゲート31の底部は、第1p+型領域3に達してもよいし、p型ベース層16と第1p+型領域3に挟まれたn型領域15(1)内に位置していてもよい。続いて、トレンチゲート31を形成するために用いたマスクを除去する。また、トレンチ形成時のマスクには酸化膜を用いる。また、トレンチエッチング後に、トレンチゲート31のダメージを除去するための等方性エッチングや、トレンチゲート31の底部およびトレンチゲート31の開口部の角を丸めるための水素アニールを施してもよい。等方性エッチングと水素アニールはどちらか一方のみを行ってもよい。また、等方性エッチングを行った後に水素アニールを行ってもよい。
【0050】
次に、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、n+型ソース領域17およびp型ベース層16を貫通して、n型領域15(1)に達するトレンチSBD32を形成する。トレンチSBD32の底部は、第1p+型領域3に達してもよいし、p型ベース層16と第1p+型領域3に挟まれたn型領域15(1)内に位置していてもよい。続いて、トレンチSBD32を形成するために用いたマスクを除去する。この際、トレンチSBD32は、ツナギ領域41にも形成する。ここまでの状態が図13に記載される。
【0051】
次に、炭化珪素基体のおもて面およびトレンチゲート31の内壁に沿ってゲート絶縁膜19を形成する。次に、トレンチゲート31に埋め込むように例えばポリシリコンを堆積しエッチングすることで、トレンチゲート31の内部にゲート電極20となるポリシリコンを残す。その際、エッチバックしてポリシリコンを基体表部より内側に残すようにエッチングしてもよく、パターニングとエッチングを施すことでポリシリコンが基体表部より外側に突出していてもよい。
【0052】
次に、ゲート電極20を覆うように、炭化珪素基体のおもて面全面に層間絶縁膜21を形成する。層間絶縁膜21は、例えば、NSG(None-doped Silicate Glass:ノンドープシリケートガラス)、PSG(Phospho Silicate Glass)、BPSG(Boro Phospho Silicate Glass)、HTO(High Temperature Oxide)、あるいはそれらの組み合わせで形成される。次に、層間絶縁膜21およびゲート絶縁膜19をパターニングしてコンタクトホールを形成し、n+型ソース領域17を露出させる。p++型コンタクト領域18を形成した場合、n+型ソース領域17およびp++型コンタクト領域18を露出させる。
【0053】
次に、層間絶縁膜21を覆うようにバリアメタルを形成してパターニングし、n+型ソース領域17およびp++型コンタクト領域18を再度露出させる。次に、n+型ソース領域17に接するように、ソース電極22を形成する。ソース電極22は、バリアメタルを覆うように形成されてもよいし、コンタクトホール内にのみ残してもよい。
【0054】
次に、トレンチSBD32内壁に沿って金属膜を、例えばチタン(Ti)で形成する。次に、例えば500℃以下程度の温度の窒素(N2)雰囲気で熱処理(アニール)することで、トレンチSBD32の内壁に金属膜と半導体領域とのショットキー接合を形成する。
【0055】
次に、コンタクトホールを埋め込むようにソース電極パッドを形成する。ソース電極パッドを形成するために堆積した金属層の一部をゲート電極パッドとしてもよい。n+型炭化珪素基板2の裏面には、ドレイン電極のコンタクト部にスパッタ蒸着などを用いてニッケル(Ni)膜、チタン(Ti)膜などの金属膜を形成する。この金属膜は、Ni膜、Ti膜を複数組み合わせて積層してもよい。その後、金属膜がシリサイド化してオーミックコンタクトを形成するように、高速熱処理(RTA:Rapid Thermal Annealing)などのアニールを施す。その後、例えばTi膜、Ni膜、金(Au)を順に積層した積層膜などの厚い膜を電子ビーム(EB:Electron Beam)蒸着などで形成し、ドレイン電極を形成する。
【0056】
上述したエピタキシャル成長およびイオン注入においては、n型不純物(n型ドーパント)として、例えば、炭化珪素に対してn型となる窒素(N)やリン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)などを用いればよい。p型不純物(p型ドーパント)として、例えば、炭化珪素に対してp型となるホウ素(B)やアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)などを用いればよい。このようにして、図1図6に示すMOSFETが完成する。
【0057】
以上、説明したように、実施の形態1によれば、ツナギ領域に、トレンチSBDが配置されている。これにより、ツナギ領域でも、トレンチSBDを寄生ショットキーダイオードとして機能させることができる。このため、SBD内蔵の炭化珪素半導体装置のドレイン側に負バイアスがかかった際、ツナギ領域でも寄生ショットキーダイオードを動作させることによって寄生pnダイオードのバイポーラ動作を抑止することができ、順方向劣化やターンオン損失の増加を抑制できる。
【0058】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。図14は、実施の形態2にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す上面図である。実施の形態2にかかる炭化珪素半導体装置が、実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置と異なる点は、ツナギ領域41に設けられたトレンチSBD32の長手方向が、活性領域40に配置されたトレンチSBD32の長手方向と垂直方向に設けられていることである。
【0059】
また、ツナギ領域41に配置されたトレンチSBD32間の間隔は、活性領域40に配置されたトレンチSBD32間の間隔と同じでもよいが、より広くてもよい。実施の形態2でも、トレンチSBD32により、ツナギ領域41でも活性領域40と同様に寄生pnダイオード動作を抑制する効果が得られる。このため、実施の形態2では、チップ全体で順方向通電による特性劣化を抑制することができる。
【0060】
また、トレンチゲート31の長手方向に設けられたトレンチSBD32は、長くするとポリシリコン44とトレンチゲート31が接続できなくなるため、このトレンチSBD32の長さは、トレンチゲート31間の間隔よりも短くすることが好ましい。
【0061】
一方、トレンチゲート31の長手方向と垂直な方向に設けられたトレンチSBD32は、図14のように長くてもよいが、長さを短くして、複数に分けていてもよい。この場合、複数のトレンチSBD32の間には、ポリシリコン44が配置されている。
【0062】
図15は、実施の形態2にかかる炭化珪素半導体装置のソース電極パッドを示す上面図である。実施の形態2でも実施の形態1と同様に、ソース電極パッド46は、活性領域40と、トレンチSBD32が配置されたツナギ領域41上に設けられている。
【0063】
実施の形態2にかかる半導体装置の製造方法は、実施の形態1にかかる半導体装置の製造方法において、ツナギ領域41に配置されたトレンチSBD32の長手方向を変えることにより、製造できる。このため、実施の形態2にかかる半導体装置の製造方法の詳細な説明は省略する。
【0064】
以上、説明したように、実施の形態2によれば、ツナギ領域41において、トレンチSBD32が配置されている。これにより、実施の形態1と同様の効果を有する。
【0065】
以上において本発明は本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であり、上述した各実施の形態において、例えば各部の寸法や不純物濃度等は要求される仕様等に応じて種々設定される。また、上述した各実施の形態では、MOSFETを例に説明しているが、これに限らず、所定のゲート閾値電圧に基づいてゲート駆動制御されることで電流を導通および遮断する種々な炭化珪素半導体装置にも広く適用可能である。ゲート駆動制御される炭化珪素半導体装置として、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)などが挙げられる。また、上述した各実施の形態では、ワイドバンドギャップ半導体として炭化珪素を用いた場合を例に説明しているが、炭化珪素以外の例えば窒化ガリウム(GaN)などのワイドバンドギャップ半導体にも適用可能である。また、各実施の形態では第1導電型をn型とし、第2導電型をp型としたが、本発明は第1導電型をp型とし、第2導電型をn型としても同様に成り立つ。
【産業上の利用可能性】
【0066】
以上のように、本発明にかかる半導体装置は、電力変換装置や種々の産業用機械などの電源装置などに使用されるパワー半導体装置に有用であり、特にトレンチゲート構造の炭化珪素半導体装置に適している。
【符号の説明】
【0067】
1、101 n-型ドリフト層
2、102 n+型炭化珪素基板
3、103 第1p+型領域
4、104 第2p+型領域
5 p+型領域
15、115 n型領域
15a 下側n型領域
15b 上側n型領域
16、116 p型ベース層
17、117 n+型ソース領域
18、118 p++型コンタクト領域
19、119 ゲート絶縁膜
20、120 ゲート電極
21、121 層間絶縁膜
22、122 ソース電極
26、126 ショットキーメタル
31、131 トレンチゲート
32、132 トレンチSBD
40、140 活性領域
41、141 ツナギ領域
42、142 エッジ領域
43、143 ゲートコンタクト
44、144 ポリシリコン
45、145 ゲート電極パッド
50、150 SBD内蔵の炭化珪素半導体装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18