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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111025
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】テープディスペンサ
(51)【国際特許分類】
   B65H 35/07 20060101AFI20230803BHJP
【FI】
B65H35/07 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022012643
(22)【出願日】2022-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】野村 亮太
【テーマコード(参考)】
3F062
【Fターム(参考)】
3F062BA06
3F062BC02
3F062BC09
3F062BD01
3F062BF01
3F062BG02
(57)【要約】
【課題】複数のテープ体を、仕切の存在を気にすることなく収容部に対して収容し得るテープディスペンサを提供する。
【解決手段】テープ体Sを収容し得る収容部2が設けられたディスペンサ本体Aを備えたテープディスペンサであって、収容部2は、複数のテープ体Sを並べて収容し得るものであり、且つ、収容された複数のテープ体Sを隔絶する仕切を有さないものであり、複数のテープ体Sのそれぞれが、収容部Sに対して単独で収容及び取り出し可能に構成されている。
【選択図】図21
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープ体を収容し得る収容部が設けられたディスペンサ本体を備えたテープディスペンサであって、
前記収容部は、複数の前記テープ体を並べて収容し得るものであり、且つ、収容された複数の前記テープ体を隔絶する仕切を有さないものであり、
複数の前記テープ体のそれぞれが、前記収容部に対して単独で収容及び取り出し可能に構成されているテープディスペンサ。
【請求項2】
前記テープ体が、テープと、このテープを支持するテープ支持体とを備えたものであり、
前記テープ支持体が、ガイド部を備えたものであり、
前記収容部は、前記ガイド部を回転可能に収容し得るものである請求項1記載のテープディスペンサ。
【請求項3】
前記収容部を開閉可能に覆い得る蓋体を備えているものであり、
前記蓋体の内面に、少なくとも前記テープが引き出される際において、前記ガイド部が当接し得る当接部が設けられている請求項2記載のテープディスペンサ。
【請求項4】
前記ディスペンサ本体に、前記テープ体の左右位置を規制し得る左右位置規制部が設けられている請求項1、2又は3記載のディスペンサ。
【請求項5】
前記左右位置規制部が、前記テープが引き出される際に当該テープを外部に誘導し得るテープ誘導部を含んで構成されたものである請求項4記載のディスペンサ。
【請求項6】
前記左右位置規制部が、前記テープが引き出される際に当該テープを外部に誘導し得るテープ誘導部と、このテープ誘導部に隣接した隣接部分とを備えたものであり、これらテープ誘導部及び隣接部分とによって前記ガイド部が係合し得る段部を形成したものである請求項5記載のディスペンサ。
【請求項7】
前記テープ誘導部が、引き出される前記テープに連動して回転し得る回転ローラーであり、
前記隣接部分が、前記回転ローラーを回転可能に支持し得るローラー支持部である請求項6記載のディスペンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープディスペンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、二つの回転駒を回転可能に支持し得るように構成されたテープスタンドが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
従来のものは、軸部を有した回転駒を内装ケースに対して回転可能に支持させる必要があるため、一方の回転駒と他方の回転駒の間には、必然的に軸支持部が設けられた仕切体の存在が必須のものとなっていた。
【0004】
そのため、従来のものでは、複数の回転駒を、仕切体の存在に注意しながら所定の箇所に収容させなければならず、必ずしも複数の回転駒を気軽に収容できるものとは言えなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3146041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上のような事情に着目してなされたもので、少なくとも、複数のテープ体を、仕切の存在を気にすることなく収容部に対して収容し得るテープディスペンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は次の構成をなしている。
【0008】
請求項1に記載の発明は、テープ体を収容し得る収容部が設けられたディスペンサ本体を備えたテープディスペンサであって、前記収容部は、複数の前記テープ体を並べて収容し得るものであり、且つ、収容された複数の前記テープ体を隔絶する仕切を有さないものであり、複数の前記テープ体のそれぞれが、前記収容部に対して単独で収容及び取り出し可能に構成されているテープディスペンサである。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記テープ体が、テープと、このテープを支持するテープ支持体とを備えたものであり、前記テープ支持体が、ガイド部を備えたものであり、前記収容部は、前記ガイド部を回転可能に収容し得るものである請求項1記載のテープディスペンサである。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記収容部を開閉可能に覆い得る蓋体を備えているものであり、前記蓋体の内面に、少なくとも前記テープが引き出される際において、前記ガイド部が当接し得る当接部が設けられている請求項2記載のテープディスペンサである。
【0011】
請求項4に記載の発明は、前記ディスペンサ本体に、前記テープ体の左右位置を規制し得る左右位置規制部が設けられている請求項1、2又は3記載のディスペンサである。
【0012】
請求項5に記載の発明は、前記左右位置規制部が、前記テープが引き出される際に当該テープを外部に誘導し得るテープ誘導部を含んで構成されたものである請求項4記載のディスペンサである。
【0013】
請求項6に記載の発明は、前記左右位置規制部が、前記テープが引き出される際に当該テープを外部に誘導し得るテープ誘導部と、このテープ誘導部に隣接した隣接部分とを備えたものであり、これらテープ誘導部及び隣接部分とによって前記ガイド部が係合し得る段部を形成したものである請求項5記載のディスペンサである。
【0014】
請求項7に記載の発明は、前記テープ誘導部が、引き出される前記テープに連動して回転し得る回転ローラーであり、前記隣接部分が、前記回転ローラーを回転可能に支持し得るローラー支持部である請求項6記載のディスペンサである。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明によれば、少なくとも、複数のテープ体を、仕切の存在を気にすることなく収容部に対して収容し得るテープディスペンサを提供することができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態を示す斜視図。
図2】同実施形態における斜視図。
図3】同実施形態における正面図。
図4】同実施形態における背面図。
図5】同実施形態における右側面図。
図6】同実施形態における左側面図。
図7】同実施形態における平面図。
図8】同実施形態における底面図。
図9図3におけるX-X線断面図。
図10図3におけるY-Y線断面図。
図11】同実施形態における分解斜視図。
図12】同実施形態における分解斜視図。
図13】同実施形態における斜視図。
図14】同実施形態における背面図。
図15】同実施形態における平面図。
図16】同実施形態における底面図。
図17図15におけるZ-Z線断面図。
図18】同実施形態における図9対応の作動説明図。
図19】同実施形態における左右位置規制部の説明用の背面図。
図20】同実施形態における一使用例を示す斜視図。
図21】同実施形態における斜視図。
図22】同実施形態における斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を、図1~22を参照して説明する。
【0018】
この実施形態は、テープTであるマスキングテープを保持し得るテープディスペンサ(マスキングテープディスペンサ)に適用したものである。
【0019】
テープディスペンサは、テープTが巻回されてなるテープ体Sと、テープ体Sを収容し得る収容部2、テープ体Sから引き出されたテープTが添着される筆記台部1、及び、テープ体Sから引き出されたテープTを切断し得る切断部3が設けられたディスペンサ本体Aと、開姿勢(P)と閉姿勢(Q)とを採り得るものであり収容部2を開閉可能に覆い得る蓋体Bと、テープTの先端部tsをディスペンサ本体Aに設けられた切断部3から離間させる先端部離間手段たるテープ押出部Dとを備えたものである。
【0020】
ディスペンサ本体Aと蓋体Bとの間には、収容部2に収容されたテープTを外部に導出し得るテープ導出口Cが形成されている。テープ導出口Cを臨む部分には、収容部2に収容されたテープ体Sの左右位置を規制し得る左右位置規制部Gが設けられている。左右位置規制部Gは、ディスペンサ本体Aにおける筆記台部1と収容部2との間に設けられている。
【0021】
以下、本実施形態であるテープディスペンサについて詳述する。
【0022】
<<テープ体S>>
テープ体Sは、帯状をなすテープTと、テープTを支持するテープ支持体であるテープコアUとを備えたものである。テープ体Sは、合成樹脂により一体に形成されたテープコアUに対してテープTを保持させてなるものである。
【0023】
<テープT>
テープTは、一面側に種々の物品に接着可能な粘着面tnが設けられている。テープTの他面側には、使用者が任意で文字を書き込み可能な書き込み可能面tkが設けられている。
【0024】
<テープコアU>
テープコアUは、テープTを巻回保持し得るものである。テープコアUは、ディスペンサ本体Aに設けられた収容部2に収容され得る大きさに設定されている。
【0025】
テープコアUは、中心部に設けられ左右方向に延びてなるテープ巻き付け軸部である円筒部u1と、円筒部u1の左右両端部に設けられたガイド部である左右の側板u2とを備えたものである。
【0026】
[円筒部u1]
円筒部u1は、左右方向に貫通した円筒状をなしている。円筒部u1の外周面側には、テープTが巻回されるようになっている。
【0027】
[左右の側板u2]
左右の側板u2は、円筒部u1の左右両端縁から当該円筒部u1の長手方向に直交する方向に鍔状に延設されたものである。この実施形態では、左右の側板u2は、側面視において略ドーナツ形状をなしている。
【0028】
左右の側板u2における外縁部u21は、それぞれ側面視において連続した円環状をなしている。左右の側板u2は、略同じ大きさに設定されている。左右の側板u2は、円筒部u1に巻きつけられたテープTの幅方向外側に設けられている。
【0029】
図18に示すように、左右の側板u2は、テープ体SからテープTが引き出される際において、蓋体Bの内面(蓋体本体Kの内周面)に対して当接し得るように構成されている。すなわち、左右の側板u2における外縁部u21は、テープ体SからテープTを繰り出す際に行われる使用者の牽引操作によって、収容部2内を移動しつつ蓋体Bの当接部k1に一時的に当接し得るようになっている。
【0030】
左右の側板u2における何れか一方には外側方に突出した凸部u3が設けられている。また、左右の側板u2における他方には同一構造をなす他のテープコアUに設けられた凸部u3が嵌合し得る係合孔u4が設けられている。同一構造をなす複数のテープコアUは、左右の側板u2に設けられた凸部u3と係合孔u4とを係わり合わせることによって、連結することができるようになっている。
【0031】
<<ディスペンサ本体A>>
ディスペンサ本体Aは、左右の側壁Eと、左右の側壁E間に設けられた基体Fとを備えたものである。ディスペンサ本体Aには、基体Fに関連させて収容部2に収容されたテープ体Sの左右位置を規制し得る左右位置規制部Gが設けられている。
【0032】
<左右の側壁E>
左右の側壁Eは、対をなして設けられたものである。左右の側壁Eは、略対称形状をなしている。左右の側壁Eは、それぞれ前側に向かって漸次上下寸法が短くなる形状部分を主体に構成されている。
【0033】
左右の側壁Eは、使用者がテープディスペンサを持った状態で使用する場合において、使用者の手指により把持される部位をなしている。
【0034】
左右の側壁Eは、側面視において部分円弧状をなす後の部分円弧縁a1と、後の部分円弧縁a1に連続して前方に延び上側の縁部を構成する上の直線縁a2と、後の部分円弧縁a1に連続して前方に延び下側の縁部を構成する下の直線縁a3と、側面視において部分円弧状をなし上の直線縁a2の前端及び下の直線縁a3の前端とを繋ぐ前の部分円弧縁a4を備えている。
【0035】
左右の側壁Eは、上の直線縁a2と下の直線縁a3とが、後側から前側に向かって漸次近づく形状をなしている。上の直線縁a2は、後側から前側に向かって漸次下方に移動するものとなっている。下の直線縁a3は、前後方向に略水平方向に延びるものとなっている。テープディスペンサが、天板等の載置面に載置された場合には、左右の側壁Eにおける下の直線縁a3が載置面に接するようになっている。
【0036】
左右の側壁Eにおける後部の内面には、先端に係合爪e11が配された円筒状をなす後連結部e1が突設されている。後連結部e1は、収容部2における左右の収容部側板22に係合するものである。後連結部e1は、内方すなわち基体Fにおける収容部2側に向かって突設されている。
【0037】
左右の側壁Eにおける前部の内面には、先端に係合爪e21が配された板状をなす前連結部e2が突設されている。前連結部e2は、筆記台部1に設けられた連結枠部分12に係合するものである。前連結部e2は、内方すなわち基体Fにおける筆記台部1側に向かって突設されている。
【0038】
左右の側壁Eには、前連結部e2の下にブロック状をなす位置決め突起e3が突設されている。位置決め突起e3は、筆記台部1に設けられた連結枠部分12に係合するものである。位置決め突起e3は、内方すなわち基体Fにおける筆記台部1側に向かって突設されている。
【0039】
左右の側壁Eにおける上縁部近傍すなわち上の直線縁a2近傍の内面側には、筆記台部1におけるベース部分11の側端縁に外嵌し得る溝状の第一嵌合部e4が設けられている。第一嵌合部e4は、上の直線縁a2に沿って直線状に設けられている。
【0040】
左右の側壁Eにおける前端縁近傍の内面側には、上下方向に長手をなし切断部3の側端縁に外嵌し得る穴状の第二嵌合部e5が設けられている。
【0041】
<基体F>
基体Fは、左右の側壁E間を繋ぐものである。基体Fは、筆記台部1、収容部、及び、切断部3が設けられた合成樹脂による一体成形品である。
【0042】
基体Fは、前後方向中央部に位置し上面にテープ保持部である下敷き面mが形成された筆記台部1と、筆記台部1の後に配設されテープ体Sを収容し得る収容空間spが形成された収容部2と、筆記台部1の前に配設されテープTを切断し得る切断部3と、筆記台部1と切断部3との間に介設され当該筆記台部1と切断部3とを離間させた状態で繋ぐ前結合部4と、筆記台部1と収容部2との間を繋ぐ後結合部5とを備えている。
【0043】
基体Fを構成する筆記台部1と収容部2との間の部分、換言すれば、後結合部5の後方部分は、テープ導出口Cを臨む部位をなしており、この部分にテープ体Sと係合し得る左右位置規制部Gが配設されている。
【0044】
[筆記台部1]
筆記台部1は、収容部2と切断部3との間に設けられている。筆記台部1は、収容部2から引き出されたテープTが貼り付けられる土台部として機能し得るものである。
【0045】
筆記台部1は、テープTが貼着されるとともに当該貼着されたテープTに対して書き込みをする際に下敷きとなる面である下敷き面mを有したベース部分11と、ベース部分11における前端部の下面側に設けられ両端部に左右方向に開放された連結孔121が形成された連結枠部分12とを備えている。
【0046】
ベース部分11は、全体として略板状をなしたものである。ベース部分11は、上面にテープTに対して書き込みをする際の裏当て機能を発揮する下敷き面mが形成されている。ベース部分11は、左右の側壁Eにおける上部間に架設されている。なお、ベース部分11の後端部には、後結合部5を介して収容部2が一体に連結されている。
【0047】
下敷き面mは、収容部2と切断部3との間に位置するテープTが保持されるテープ保持面として機能するものである。下敷き面mは、上方を向き全体として平滑なものとなっている。
【0048】
下敷き面mは、収容部2側から切断部3側に向かって漸次下方に位置するように傾斜している。下敷き面mは、収容部2に並び配された二つのテープ体Sから引き出された各テープTを互いに干渉することなく略平行に貼着できる大きさに構成されている。
【0049】
この実施形態では、下敷き面mにおける収容部2側の端部mtの高さ位置が、テープ体Sにおける回転中心部たる軸心jsよりも上に設定されている。すなわち、下敷き面mにおける後端部mtの高さ位置が、テープコアUの円筒部u1における軸心jsの高さ位置よりも上になるように設定されている。
【0050】
下敷き面mは、平面視において長方形状、すなわち、前後方向に長手をなす矩形状をなしている。下敷き面mは、テープ体Sから引き出されたテープTにおけるテープコアUと切断部3との間に位置する部分が一時的に接着する箇所となっている。
【0051】
図20に示すように、下敷き面mに添着されたテープTに対しては、使用者が筆記具等を用いて書き込み(筆記)をすることができるものとなっている。換言すれば、下敷き面mは、テープTに対する土台面となり、使用者による書き込み可能面tkに対する快適な筆記作業を補助し得るものとなっている。
【0052】
なお、下敷き面mや左右の側壁Eは、収容部2から引き出されたテープTの貼り付け箇所やテープTに対してバランスよく文字等を書き込む際の指標となる目印が表示されたものであってもよい。下敷き面mや左右の側壁Eに表示される目印は、色を使ったものであってもよいし、凹凸によるものであってもよい。
【0053】
また、下敷き面mは、側面視において全体として上方又は下方に向かって凸をなすように湾曲した形状をなしているものであってもよい。
【0054】
[収容部2]
収容部2は、テープ体Sを収容し得る収容空間spを形成したものである。収容部2は、テープ体Sを回転可能に収容し得るものである。収容部2は、ガイド部である左右の側板u2の外縁部u21と係合し得る内周面を有した収容部本体21を備えている。収容部2は、左右の側板u2を回転可能に収容し得るように構成されている。
【0055】
収容部2は、複数すなわち二つのテープ体Sを左右に並べて収容し得るように構成されている。この実施形態における収容部2の収容空間spは、所定の大きさに設定されたテープコアUを二つ横並びさせて収容可能な横幅寸法に設定されている。
【0056】
収容部2は、収容された二つのテープ体Sを隔絶する仕切を有さないものとなっている。例えば、収容部2に一つのテープ体Sのみを収容したような場合には、当該一つのテープ体Sにおける左右の側板u2を収容部本体21の内面に対して摺接させつつテープ体Sを左右方向に自由に動かすことができるようになっている。
【0057】
また、収容部2は、複数すなわち二つのテープ体Sをそれぞれ単独で収容及び取り出し可能に構成されている。この実施形態の収容部2は、二つのテープ体Sを常に同じ位置に留めさせるための機構(例えば、テープ体の円筒部に挿入される軸部材を設ける機構や、テープ体の軸を支持する軸受や、テープ体の外周部を常時押し付ける機構など)が設けられていない。そのため、テープディスペンサは、蓋体Bを開くだけで、二つのテープ体Sを、収容部2から簡単に出し入れできるものとなっている。
【0058】
収容部2は、部分円筒状をなし内部にテープ体Sを収容し得る収容空間spが形成された収容部本体21と、収容部本体21の左右両端部に設けられた左右の収容部側板22とを備えたものである。収容部2は、後結合部5を介して筆記台部1に対して片持ち的に支持されている。
【0059】
収容部本体21は、略二分の一円筒状をなしている。収容部本体21は、収容空間spに配設されたテープ体Sの下方及び前方を囲う形状をなしている。収容部本体21は、後方に開放された形状をなしている。収容部本体21の内面には、収容されたテープ体Sにおける左右の側板u2の外縁部u21が当接し得るものとなっている。収容部本体21における上端部には、左右位置規制部Gを構成するローラー支持部7(上下の軸支持アーム71、72)が一体に設けられている。
【0060】
左右の収容部側板22は、収容部本体21における左右の両端縁から一体に延設されている。左右の収容部側板22は、左右の側壁Eの内側に配設されている。
【0061】
左右の収容部側板22は、円板状をなす側板基部221と、側板基部221の中心部から外側方に突設された軸部jkとを備えたものである。
【0062】
側板基部221には、蓋体Bの蓋体側壁部Nに設けられた第一、第二の係合孔n4、n5に節度係合し得る係合突起2tが設けられている。係合突起2tは、軸部jkの下に位置する側板基部221の下部に配設されている。係合突起2tの周囲にはU字状のスリットstが設けられている。係合突起2tは、U字状のスリットstに囲われており、蓋体Bの回転動作時において厚み方向に弾性変位可能な構成をなしている。
【0063】
また、収容部側板22の内面側における収容部本体21との境界部分には縁石状をなす縁段部2dが形成されている。縁段部2dは、収容部2に収容されたテープ体Sの外側面、すなわち、左右の側板u2における外縁部u21近傍の外側面が当接し得る部位をなし、当該テープ体Sの外方への移動を規制するものである。
【0064】
軸部jkはボス状をなしている。軸部jkは、円筒状をなしている。軸部jkは、蓋体Bの蓋体側壁部Nに設けられた軸係合部分である一対の片持ち部n1が係わり合うようになっている。軸部jkは、蓋体Bを閉姿勢(Q)と開姿勢(P)との間で回転可能に支持し得るものとなっている。
【0065】
軸部jkの中心部には、左右方向に貫通した貫通孔anが設けられている。貫通孔anには、左右の側壁Eに突設された後連結部e1が外側から内側に向かって挿入されるようになっている。そして、後連結部e1の先端に形成された係合爪e11が、左右の収容部側板22の内面に係合することにより、左右の側壁Eが収容部2に対して離脱し難い態様で取り付けられている。
【0066】
軸部jkの突出端は、左右の側壁Eにおける後連結部e1近傍の内面に当接するように設定されている。軸部jkは、蓋体Bを回転可能に支持するとともに側板基部221と左右の側壁Eとの間に、蓋体Bにおける蓋体側壁部Nを配設し得る空間を形成し得るスペーサとしても機能するものとなっている。
【0067】
[切断部3]
切断部3は、収容部2に収容されたテープ体Sから引き出されたテープTを切断し得るものである。切断部3は、筆記台部1よりも前に配設されている。切断部3は、前結合部4を介して筆記台部1に対して一体に連結されている。切断部3の左右両端部は、左右の側壁Eに連結されている。
【0068】
切断部3は、上端部にテープ体Sから引き出されたテープTを切断し得る刃hを有するものである。この実施形態では、下敷き面mの仮想延長線msよりも下に切断部3における刃hの先端が位置するように設定されている。
【0069】
切断部3は、全体として左右方向に延びた起立板状をなしている。切断部3の左右両端部は、左右の側壁Eに形成された第二嵌合部e5に内嵌するようになっている。
【0070】
切断部3の背面側には、上下の二箇所に山形に凹んだ上下の係止凹部3a、3bが形成されている。上下の係止凹部3a、3bには、テープ押出部Dに設けられた弾性係合部82が選択的に係合し得るものとなっている。
【0071】
<左右位置規制部G>
左右位置規制部Gは、収容部2の近傍に設けられている。左右位置規制部Gは、テープ体SからテープTが引き出される際における収容部2に収容されたテープ体Sの左右位置を規制し得るものである。
【0072】
左右位置規制部Gは、収容部2に収容されたテープ体Sが、左右方向に過度にずれ動くことが無いように規制する役割を担っている。左右位置規制部Gは、ディスペンサ本体Aにおけるテープ導出口Cを臨む位置に設けられている。
【0073】
左右位置規制部Gは、テープTが引き出される際に当該テープTを外部に誘導し得るテープ誘導部たる回転ローラー6を含んで構成されたものである。すなわち、左右位置規制部Gは、基体Fに対して回転可能に支持された複数の回転ローラー6と、複数の回転ローラー6に隣接した隣接部分であるローラー支持部7とを備えている。
【0074】
左右位置規制部Gは、回転ローラー6及びローラー支持部7によってガイド部である左右の側板u2における外縁部u21が係合し得るように上方に凹んだ形状を有した段部gdを形成したものである。
【0075】
[回転ローラー6]
回転ローラー6は、テープTの粘着面tnが接着しつつ引き出されるテープTの移動に連動して回転し得るものである。回転ローラー6は、左右方向に軸心を合致させて間隔を空けて複数すなわち四つ配設されている。
【0076】
各回転ローラー6は、円盤状部分が左右方向に間隔を空けて複数配設されてなるローラー本体部61と、ローラー本体部61の両側部に突設されたローラー軸部62とを備えたものである。
【0077】
[ローラー支持部7]
ローラー支持部7は、回転ローラー6を回転可能に支持し得るものである。ローラー支持部7は、回転ローラー6に設けられたローラー軸部62を回転可能に挟持し得る上下一対の軸支持アーム71、72を備えている。軸支持アーム71、72は、筆記台部1の後において後方に向かって突設されている。
【0078】
[段部gd]
段部gdは、回転ローラー6のローラー本体部61と、下の軸支持アーム72とによって形成されたものである。
【0079】
段部gdは、図19に示すように、ローラー本体部61の下端部を、下の軸支持アーム72の下端部よりも下に位置させることにより形成されている。
【0080】
段部gdには、テープ体SからテープTが引き出される際に、左右の側板u2の外縁部u21が係合し得るものとなっている。
【0081】
<<蓋体B>>
蓋体Bは、収容部2を開閉可能に覆い得るものである。蓋体Bは、収容部2に対してテープ体Sを収容及び取り出し可能な開姿勢(P)と収容部2からテープ体Sを取り出し不能な閉姿勢(Q)とを採り得るようにディスペンサ本体Aに対して回転可能に支持されている。
【0082】
また、蓋体Bは、開姿勢(P)及び閉姿勢(Q)において姿勢保持されるように、ディスペンサ本体Aに対して節度係合し得るように構成されている。
【0083】
蓋体Bは、部分円筒状をなす蓋体本体Kと、蓋体本体Kの両側部に一体に設けられた左右の蓋体側壁部Nとを備えたものである。蓋体Bは、蓋体本体Kと左右の蓋体側壁部Nとを合成樹脂により一体に形成してなるものである。
【0084】
[蓋体本体K]
蓋体本体Kは、略二分の一円筒状をなしている。蓋体本体Kは、収容部本体21よりも半径の大きな部分円筒状をなしている。蓋体本体Kの内面には、テープTが引き出される際において、テープコアUにおける左右の側板u2が当接し得る当接部k1が設けられている。
【0085】
この実施形態では、当接部k1は、蓋体本体Kの内面に設定されている。換言すれば、蓋体本体Kの内面には、テープTが引き出される際において、使用者の操作力によって移動したテープ体Sにおける左右の側板u2が当接し得るように構成されている。
【0086】
ディスペンサ本体Aにおける筆記台部1の後端部と閉姿勢(Q)をなす蓋体Bにおける蓋体本体Kの前端部との間には、テープTを外部に導出し得るテープ導出口Cが形成されている。
【0087】
[左右の蓋体側壁部N]
左右の蓋体側壁部Nは、蓋体本体Kに対して直交する方向に一体に連設された板状のものである。左右の蓋体側壁部Nは、対称形状をなしている。
【0088】
蓋体側壁部Nは、収容部側板22の軸部jkに対して係合し得る軸係合部分である一対の片持ち部n1と、一対の片持ち部n1間を繋ぐ補強部n3と、二箇所に離間して設けられ収容部2に突設された係合突起2tが選択的に係合し得る第一、第二の係合孔n4、n5とを備えている。
【0089】
一対の片持ち部n1は、それぞれ収容部2の軸部jkに当接する部分円弧状の軸当接端縁n11を有したものである。一対の片持ち部n1は、円筒状をなす軸部jkの外周面に対して軸当接端縁n11が摺動し得るように当該軸部jkを外側から挟むことができるようになっている。一対の片持ち部n1の基端部間には、当該一対の片持ち部n1の柔軟な弾性変形を促すためのスリットn2が設けられている。
【0090】
また、一対の片持ち部n1における蓋体本体Kに近い部分間は、補強部n3により繋がれている。補強部n3は、部分円環状をなしている。補強部n3の外縁は、蓋体Bが開姿勢(P)と閉姿勢(Q)との間で開閉動作する際に、筆記台部1を構成するベース部分11の裏面に摺接し得るものとなっている。
【0091】
蓋体側壁部Nは、一対の片持ち部n1と補強部n3の間に空洞部が形成されている。
【0092】
第一、第二の係合孔n4、n5は、蓋体Bをディスペンサ本体Aに対して節度係合させるために、ディスペンサ本体Aに設けられた係合突起2tに対して選択的に係合し得るものである。
【0093】
第一の係合孔n4は、閉姿勢(Q)における蓋体側壁部Nの下部に位置している。第一の係合孔n4は、蓋体Bが閉姿勢(Q)をなす場合に、収容部2に設けられた係合突起2tに係合し、蓋体Bの閉姿勢(Q)が保持されるようになっている。
【0094】
第二の係合孔n5は、開姿勢(P)における蓋体側壁部Nの下部に位置している。第二の係合孔n5は、蓋体Bが開姿勢(P)をなす場合に、収容部2に設けられた係合突起2tに係合し、蓋体Bの開姿勢(P)が保持されるようになっている。
【0095】
<<テープ押出部D>>
テープ押出部Dは、テープTの先端部tsを切断部3から離間させる先端部離間手段を構成するものである。テープ押出部Dは、収容部2に収容された複数すなわち二つのテープ体Sに対応させて左右二箇所に設けられている。左右のテープ押出部Dは同一の形状をなしている。
【0096】
テープ押出部Dは、ディスペンサ本体Aに対して進退動作可能に支持されたものである。テープ押出部Dは、使用者の操作によりディスペンサ本体Aに対して移動し、テープTを当該テープTの延伸方向と交差する方向に押し出し得るように構成されている。
【0097】
テープ押出部Dは、上端部にテープTの粘着面tn側に当接する押出ヘッドが形成された上下方向に延びてなる上部分8と、上部分8の下端部から前方及び後方に延設された下部分9とを備えている。
【0098】
<上部分8>
上部分8は、全体として左右方向及び上下方向に延びた板状をなしている。上部分8には、上端部に設けられテープTに接触し得る押出ヘッド部81と、上下方向及び左右方向中間部に設けられた弾性係合部82とを備えている。
【0099】
上部分8は、筆記台部1と切断部3との間に形成された隙間skに位置し、当該隙間skに案内されて上下方向に移動し得るものとなっている。
【0100】
弾性係合部82は、切断部3の背面側に設けられた上の係止凹部3a又は下の係止凹部3bの何れかに選択的に係合し、テープ押出部Dを上方に位置する押出位置(a)と下方に位置する退避位置(b)に節度係止し得るものである。
【0101】
<下部分9>
下部分9は、上部分8の下端部から前方及び後方に一体に延設されたものである。下部分9は、ディスペンサ本体Aにおける前部の下側に位置し使用者による上方向の押圧操作を受け得る被押圧部分91を有している。
【0102】
すなわち、退避位置(b)にあるテープ押出部Dの被押圧部分91を、使用者の手指によって上方に押圧することにより、テープ押出部Dが押出位置(a)に移動し得るものとなっている。
【0103】
この過程で、テープ押出部Dは、テープ体Sから引き出されたテープTを下方から上方に押し出すことになる。そして、テープ押出部Dが押出位置(a)に至ると、テープTの先端部tsは使用者の指先が入り込める程度に切断部3から離間することになり、使用者はテープTの先端部tsを手指で摘みやすくなっている。
【0104】
<<蓋体B・左右位置規制部Gの作用説明>>
ここで、テープ体SからテープTが引き出される際の蓋体B及び左右位置規制部Gの作用について説明する。
【0105】
テープ体SからテープTが引き出される際には、収容部2内に収容されたテープ体Sは、使用者によるテープTの牽引力によって収容部2内を当該収容部2の開放側に向かって移動する。テープTが使用者によって引き出される際においてテープ体Sが収容部2内を移動し得るのは、収容部2に投入されたテープ体Sが軸等の軸支持機構によって軸支持されていないためである。
【0106】
テープ体Sが、収容部2内を開放側に移動すると、テープ体Sにおける左右の側板u2の外縁部u21が閉姿勢(Q)をなす蓋体Bの内面(当接部k1)に当接する。
【0107】
つまり、テープ体Sは、閉姿勢(Q)をなす蓋体Bの当接部k1に対して外縁部u21が当たることよって、収容部2内における後方への移動が規制され収容部2内から完全に抜け出さないようになっている。
【0108】
このとき、収容部2内のテープ体Sは、使用者によるテープTの牽引力によって、テープ導出口Cが配設されている上方にも移動しようとする。そのため、テープ体Sにおける左右の側板u2の外縁部u21は、収容部2の上部に配設された左右位置規制部Gの段部gdにも係合し得るものとなっている。
【0109】
テープ体Sにおける左右の側板u2の外縁部u21は、左右位置規制部Gの段部gdに係わり合うことにより、左右方向のずれ動きが抑制されるものとなっている。
【0110】
なお、収容部2内に、単一のテープ体Sが収容されている場合や二以上の複数のテープ体Sが収容されている場合であっても、当該テープ体Sの外縁部u21は、所定の位置に設けられた段部gdに係合し得るものとなっている。そのため、左右位置規制部Gは、収容部2内に二つのテープ体Sが収容されている場合に限られることなく、所期の左右方向のずれ動き抑制機能を発揮し得るものとなっている。
【0111】
以上説明したように、本実施形態に係るテープディスペンサは、テープ体Sを収容し得る収容部2が設けられたディスペンサ本体Aを備えたものである。
【0112】
そして、収容部2は、複数すなわち二つのテープ体Sを並べて収容し得るものであり、且つ、収容された二つのテープ体Sを隔絶する仕切を有さないものである。二つのテープ体Sのそれぞれが、収容部2に対して単独で収容及び取り出し可能に構成されている。
【0113】
このため、本実施形態のテープディスペンサであれば、少なくとも、二つのテープ体Sを、仕切の存在を気にすることなく収容部2に対して収容し得るもものとなる。
【0114】
つまり、収容部2に、仕切が設けられていないため、収容部2に収容させるべきテープ体Sを仕切の存在を気にすることなく気軽に投入することができるものとなる。また、収容部2からテープ体Sを取り出す場合においても、テープ体Sを軸支持部等の存在を気にすることなく行うことができるものとなっている。
【0115】
テープ体Sが、テープTと、テープTを支持するテープ支持体たるテープコアUとを備えたものである。テープコアUが、ガイド部である左右の側板u2を備えたものであり、収容部2は、左右の側板u2を回転可能に収容し得るものである。
【0116】
このため、テープ体Sは収容部2内において好適に回転し得るものとなるため、使用者によるテープTの牽引操作に伴って、テープコアUが当該テープコアUに巻回保持されたテープTを好適に繰り出すことができるものとなっている。
【0117】
収容部2を開閉可能に覆い得る蓋体Bを備えているものであり、蓋体Bの内面に、少なくともテープTが引き出される際において、左右の側板u2が当接し得る当接部k1が設けられている。
【0118】
このため、蓋体Bは、収容部Sに外部からテープ体Sを収容させ得る構成を採り得るだけでなく、蓋体Bの当接部k2が、テープ体Sにおける左右の側板u2に当接することにより、テープ体Sが収容部2から抜け出さないように適切に覆い得るものとなっている。
【0119】
ディスペンサ本体Aに、テープ体Sの左右位置を規制し得る左右位置規制部Gが設けられている。
【0120】
このため、収容部2に収容されたテープ体Sが左右方向にずれ動くことによりテープTの引き出し操作等に不具合が生じることを好適に抑制し得るものとなっている。
【0121】
左右位置規制部Gが、テープTが引き出される際に当該テープTを外部に誘導し得るテープ誘導部たる回転ローラー6を含んで構成されたものである。
【0122】
このため、テープTを外部に円滑に引き出すための回転ローラー6に関連させて、テープ体Sのずれ動きを好適に規制し得るものとなっている。したがって、この実施形態のディスペンサは、テープ体Sにおける左右方向のずれ動きを規制し得る専用の構成を採ることなく、収容部2におけるテープ体Sの左右位置の安定性を向上させることができるものとなっている。
【0123】
左右位置規制部Gが、テープTが引き出される際に当該テープTを外部に誘導し得るテープ誘導部たる回転ローラー6と、回転ローラー6に隣接した隣接部分であるローラー支持部7とを備えたものである。そして、回転ローラー6及びローラー支持部7によって左右の側板u2が係合し得る段部gdを形成したものである。
【0124】
このため、回転ローラー6と、回転ローラー6に隣接配置されたローラー支持部7の相対位置関係を利用して、テープ体Sを位置規制し得る好適な位置に段部gdを形成したものとなっている。
【0125】
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
【0126】
テープディスペンサは、蓋体を備えていないものであってもよい。
【0127】
収容部は、上述した実施形態に示されたような二つのテープ体が収容される大きさに設定されたものに限られるものではなく、二以上の複数のテープ体が収容される大きさに設定されたものであってもよい。
【0128】
また、テープ体の幅寸法は、適宜のものに設定可能であることは言うまでもない。例えば、収容部に、幅寸法を異ならせた複数のテープ体を収容させるようにしてもよい。
【0129】
ガイド部は、少なくともテープが引き出される際において蓋体の内面に当接し得るものであればよく、上述した実施形態に示されたような左右の側板に限られるものではない。
【0130】
収容部は、テープ体を収容し得るものであればよく、その具体的な構成は上述した実施形態に示されたものに限られるものではない。例えば、収容部が部分角筒状をなした収容部本体を備えたものであってもよい。
【0131】
蓋体は、収容部を開閉可能に覆い得るものであればよく、その具体的な構成は上述した実施形態に示されたものに限られるものではない。蓋体は、ディスペンサ本体に対して着脱可能に構成されたものであってもよい。
【0132】
当接部は、少なくともテープが引き出される際において、ガイド部が当接し得るものであればよく、上述した実施形態に示されたような湾曲した内面に限られるものではない。例えば、蓋体の内面にリブ状に突出させた部位を形成し、当該リブ状の部位をガイド部が当接し得る当接部としたものであってもよい。
【0133】
左右位置規制部は、テープ導出口を臨む位置に設けられたものであればよく、上述した実施形態に示されたようにディスペンサ本体に設けられたものに限られるものではない。例えば、左右位置規制部が、蓋体におけるテープ導出口を臨む位置に設けられたものであってもよい。
【0134】
左右位置規制部は、テープ誘導部を含んで構成されていないものであってもよい。
【0135】
テープ誘導部は、回転ローラーに限られるものではなく、テープを収容部から外部に誘導し得るものであればどのような構成のものであってもよい。
【0136】
テープ誘導部の隣接部分は、テープ誘導部に隣接しているものであればよく、回転ローラーを支持し得るものに限られるものではない。
【0137】
蓋体がディスペンサ本体に対して節度係合するものの場合において、蓋体は、少なくとも閉姿勢において、ディスペンサ本体に対して節度係合し得るように構成されているものであればよい。
【0138】
テープの種類は、種々のものを適用することができるものであり、マスキングテープに限られるものではない。
【0139】
切断部は、テープ体から引き出されたテープを切断し得るものであればよく、例えば、刃の材質や形態は適宜の構成のものを適用し得るのは言うまでもない。
【0140】
先端部離間手段は、テープの先端部を切断部から離間させるものであればよく、その具体的な構成は上述した実施形態のものに限られるものではない。
【0141】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0142】
A…ディスペンサ本体
1…筆記台部
2…収容部
3…切断部
S…テープ体
B…蓋体
C…テープ導出口
D…テープ押出部
G…左右位置規制部
m…下敷き面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
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