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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111049
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】カーテンレール装置
(51)【国際特許分類】
   A47H 2/00 20060101AFI20230803BHJP
   A47H 1/04 20060101ALI20230803BHJP
【FI】
A47H2/00
A47H1/04 F
A47H1/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022012678
(22)【出願日】2022-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】江上 達也
【テーマコード(参考)】
2E182
【Fターム(参考)】
2E182AA01
2E182AB01
2E182AC01
2E182AC05
2E182DD03
2E182DD15
2E182DE07
2E182DG01
2E182EE01
(57)【要約】
【課題】カーテンレールと意匠の統一感をもたらすサイドカバーの歩留まりを向上する。
【解決手段】カーテンレール2と、カーテンレール2の長手方向におけるレール端部に取り付けられるサイドカバー11とを備え、サイドカバー11は、カバー本体21と、カバー本体21をレール端部に取り付けるためのレール支持部材22と、を備え、カバー本体21は、木材で構成し、カバー意匠がカーテンレール2の前面の木目調のレール意匠と同一または類似しており、レール支持部材22は、樹脂材料で構成されており、カバー本体21は、レール支持部材22の取付面である内側面21eにおいて、レール支持部材22が嵌合される嵌合凹部23を備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーテンレールと、
前記カーテンレールの長手方向におけるレール端部に取り付けられるサイドカバーと、を備え、
前記サイドカバーは、カバー本体と、前記カバー本体を前記レール端部に取り付けるためのレール支持部材と、を備え、
前記カバー本体は、天然素材で構成され、カバー意匠が前記カーテンレールの前面のレール意匠と同一または類似しており、
前記レール支持部材は、前記カバー本体と異なる人工材料で構成されており、
前記カバー本体は、前記レール支持部材の取付面である内側面において、前記レール支持部材が嵌合される嵌合凹部を備えている
カーテンレール装置。
【請求項2】
前記カバー本体の前面および前記内側面と反対側の外側面において露出されていない
請求項1に記載のカーテンレール装置。
【請求項3】
前記カバー本体は、前記嵌合凹部と連続する切欠部を上面および下面に備えている
請求項2に記載のカーテンレール装置。
【請求項4】
前記レール端部は、第1レール端部および第2レール端部であり、
前記第1レール端部に配置される前記カバー本体が第1カバー本体であり、
前記第2レール端部に配置される前記カバー本体が第2カバー本体であり、
前記第1カバー本体と前記第2カバー本体とは共通部品である
請求項1ないし3のうち何れか1項に記載のカーテンレール装置。
【請求項5】
前記第1カバー本体に配置される前記レール支持部材が第1レール支持部材であり、
前記第2カバー本体に配置される前記レール支持部材が第2レール支持部材であり、
前記第1レール支持部材は、前記第1カバー本体に取り付けるための専用部品であり、
前記第2レール支持部材も、前記第2カバー本体に取り付けるための専用部品である
請求項4に記載のカーテンレール装置。
【請求項6】
前記レール意匠は、木目調の意匠であり、
前記カバー本体の天然素材は、木材である
請求項1ないし5のうち何れか1項に記載のカーテンレール装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レール端部にサイドカバーが配置されるカーテンレール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カーテンレール装置の中には、特許文献1に示すように、カーテンレールの端部にサイドカバーが配置されたものがある。このカーテンレールは、室内側の面である前面が化粧面として構成される。このため、カーテンレールの前面には、木目調のシートが貼り付けられている。木目調のシートは、さらにサイドカバーにも貼り付けられており、全体として意匠の統一感をもたらすようにしている。サイドカバーには、シートが前面、底面、側面などに貼り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-249710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シートをサイドカバーに貼り付ける際に、シートに皺が寄ったり、正しい位置に対してずれて貼られてしまうおそれもある。このように、シートを貼り損なったサイドカバーは、良品とはならず、歩留まりの悪化につながる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためのカーテンレール装置は、カーテンレールと、前記カーテンレールの長手方向におけるレール端部に取り付けられるサイドカバーと、を備え、前記サイドカバーは、カバー本体と、前記カバー本体を前記レール端部に取り付けるためのレール支持部材と、を備え、前記カバー本体は、天然素材で構成され、カバー意匠が前記カーテンレールの前面のレール意匠と同一または類似しており、前記レール支持部材は、前記カバー本体と異なる人工材料で構成されており、前記カバー本体は、前記レール支持部材の取付面である内側面において、前記レール支持部材が嵌合される嵌合凹部を備えている。
【0006】
上記カーテンレール装置において、前記カバー本体の前面および前記内側面と反対側の外側面において露出されない構成としてもよい。
上記カーテンレール装置において、前記カバー本体は、前記嵌合凹部と連続する切欠部を上面および下面に備える構成としてもよい。
【0007】
上記カーテンレール装置において、前記レール端部は、第1レール端部および第2レール端部であり、前記第1レール端部に配置される前記カバー本体が第1カバー本体であり、前記第2レール端部に配置される前記カバー本体が第2カバー本体であり、前記第1カバー本体と前記第2カバー本体とは共通部品となる構成としてもよい。
【0008】
上記カーテンレール装置において、前記第1カバー本体に配置される前記レール支持部材が第1レール支持部材であり、前記第2カバー本体に配置される前記レール支持部材が第2レール支持部材であり、前記第1レール支持部材は、前記第1カバー本体に取り付けるための専用部品であり、前記第2レール支持部材も、前記第2カバー本体に取り付けるための専用部品となる構成としてもよい。
【0009】
上記カーテンレール装置において、前記レール意匠は、木目調の意匠であり、前記カバー本体の天然素材は、木材としてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、カーテンレールと意匠の統一感をもたらすサイドカバーの歩留まりを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態における、カーテンレール装置の斜視図である。
図2】第1実施形態における、カーテンレール装置の分解斜視図である。
図3】サイドカバーの分解斜視図である。
図4】(a)は、右側用のレール支持部材の平面図であり、(b)は、左側用のレール支持部材の平面図である。
図5】レール端部にサイドカバーが取り付けられた状態を示す断面図である。
図6】第1実施形態における、カーテンレール装置のランナの状態を示す断面図である。
図7】第2実施形態における、カーテンレール装置の斜視図である。
図8】第3実施形態における、カーテンレール装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明が適用されたカーテンレール装置について図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
〔全体構成〕
図1に示すように、カーテンレール装置1は、第1カーテンレール2と、第2カーテンレール3とを備えている。カーテンレール装置1は、第1カーテンレール2および第2カーテンレール3を壁部に支持するための取付ブラケット4を備えている。取付ブラケット4は、基端部が壁部に固定される。取付ブラケット4は、先端部において、第1カーテンレール2が着脱可能な状態で固定されるとともに、基端部と先端部との間において、第2カーテンレール3が着脱可能な状態で固定される。第1カーテンレール2は、室内側に配置され、第2カーテンレール3は壁側に配置される。
【0013】
なお、本実施形態において、室内側が前側であって、室外(壁)側が後方であって、前側から見て左右方向が右側および左側である。さらに、天井側が上側であって、床側が下側である。
【0014】
第1カーテンレール2は、複数の第1ランナ5を備えている。第1ランナ5には、第1カーテン生地6が吊下げられている。第1カーテン生地6は、一例としてドレープ生地である。第2カーテンレール3は、複数の第2ランナ7を備えている。第1ランナ5には、第2カーテン生地8が吊下げられている。第2カーテン生地8は、一例としてレース生地である。第1ランナ5および第2ランナ7は、同じものであり、部品の共通化が図られている。第1ランナ5および第2ランナ7は、ランナ本体と、カーテン生地を吊下げる吊下部を備えている。ランナ本体は、一対のレール片17の内面を転動する一対の車輪を備えている。
【0015】
第1カーテンレール2は、第2カーテンレール3よりも長く構成されている。第1カーテンレール2の長手方向における両側のレール端部は、第2カーテンレール3の両レール端部より外側に突出している。そして、両側のレール端部には、サイドカバー11が配置されている。第2カーテンレール3の長手方向における両側のレール端部は、キャップ12が配置されている。キャップ12は、第2カーテンレール3のレール端部を覆うだけである。サイドカバー11は、キャップ12を覆うとともに、取付ブラケット4が取り付けられている壁部に対して近接する位置まで延びている。すなわち、カーテンレール装置1の外観は、大部分が第1カーテンレール2の前面とサイドカバー11によって構成される。そして、第2カーテンレール3およびキャップ12は、第1カーテンレール2およびサイドカバー11によって隠れることで、前面側からは見えにくくなっている。
【0016】
〔カーテンレール〕
図2に示すように、第1カーテンレール2と第2カーテンレール3とは、長手方向の長さは異なるが、その構成はほぼ同じである。第1カーテンレール2は、レール本体13を備える。レール本体13は、アルミニウムなどの金属材料の押出成形部品である。レール本体13は、樹脂成形品であってもよい。レール本体13は、長尺な部材であり、長手方向に移動可能に、複数のランナ5,7を収容する。レール本体13は、長手方向に対して直交する断面視において、ほぼ矩形空間を有する。レール本体13は、前壁14、後壁15、天壁16、および、前後で一対のレール片17を備えている。一対のレール片17の間には、レール開口が構成されている。レール開口からは、内部に収容されたランナ5,7の吊下部が露出されている。天壁16は、前後方向の中央において、長手方向に延びる凹条部16aを備えている。また、天壁16は、取付ブラケット4が取り付けられる面である。
【0017】
前壁14は、後壁15よりも背高である。そして、高さ方向において、前壁14の中ほどから天壁16が後方に向って延びている。また、前壁14の上縁は、後方に向って天壁16と平行となるように折曲されているとともに、下縁も後方に向って折曲されることで、前側のレール片17を構成している。前壁14の表面は、装飾シート18が貼り付けられている。装飾シート18は、裏面に接着層が構成されており、表面が印刷面である。表面は、一例として、木目調の印刷が施されている。なお、装飾シート18は、他方のレール片17、後壁15および天壁16の表面にも貼り付けられていてもよい。レール本体13において、装飾シート18が貼り付けられた領域は、一例として木目調のレール意匠を構成する。
【0018】
なお、第2カーテンレール3は、前壁14の天壁16より上側の部分が後方に湾曲して構成されている点で相違している。第2カーテンレール3にも、装飾シート18が貼り付けられている。第2カーテンレール3の装飾シート18は、本実施形態において、前壁14、後壁15、天壁16、および、前後で一対のレール片17に貼り付けられている。
【0019】
〔サイドカバー〕
図3に示すように、サイドカバー11は、カバー本体21と、レール支持部材22とを備えている。カバー本体21は、天然素材を加工して構成されており、本実施形態では、木材を使用している。そして、カバー本体21は、矩形板形状に加工されている。カバー本体21の表面模様は、木材の木目模様が表れており、カバー意匠を構成している。カバー本体21は、その表面がニスなどのコーティング材が塗工されることで、表面を保護するようにしてもよい。カバー本体21は、コーティング材が塗工されていても、木材の木目模様が表面に透けている。このようなカバー本体21では、装飾シート18などを貼り付けることはない。すなわち、レール意匠とカバー意匠とは、同一または類似している。カバー本体21は、その長手方向がカーテンレール装置1の前後方向となるように、レール本体13のレール端部にレール支持部材22を介して取り付けられる。
【0020】
カバー本体21は、一部品で構成されており、前面21aと、後面21bと、上面21cと、下面21dと、内側面21eと、外側面21fと、を備えている。内側面21eは、外側面21fに対して反対側の面であって、レール支持部材22を介してレール端部が取り付けられる取付面である。
【0021】
内側面21eには、レール支持部材22を取り付けるための第1嵌合凹部23を備えている。第1嵌合凹部23は、上面21cから下面21dに亘って直線的に延びる有底の凹溝である。そして、上面21cおよび下面21dには、第1嵌合凹部23の凹溝と連続する切欠部23aが設けられている。また、このような第1嵌合凹部23は、上下方向中央を前後方向に延びる中央線CL1を通る内側面21eに対して垂直な平面を対称面としたとき、面対称の形状を有している。第1嵌合凹部23は、前後方向中央を上下に延びる中央線CL2よりも前面21a寄りに設けられている。したがって、第1嵌合凹部23に嵌合されたレール支持部材22は、前面21aと第1嵌合凹部23を構成する側面との間に構成された壁部に覆われることで、前面21aから露出されない。また、レール支持部材22は、外側面21fからも露出されない。また、第1嵌合凹部23の底面には、レール支持部材22の基板27を固定する固定部材23cが締め付けられる固定孔23bが設けられている。固定孔23bの位置は、第1嵌合凹部23の底面の中央である。
【0022】
また、内側面21eには、リターン部材33を取り付けるための支持部材25を取り付けるための第2嵌合凹部26を備えている。第2嵌合凹部26は、後面21bから前後方向における中央に延びる有底の凹溝である。また、第2嵌合凹部26は、中央線CL1を通る内側面21eに対して垂直な平面を対称面としたとき、面対称の形状を有している。第2嵌合凹部26は、中央線CL2に近い側が円弧形状を有している。すなわち、第1嵌合凹部23と第2嵌合凹部26とは、延在方向が直交する位置関係となっている。また、第2嵌合凹部26の底面には、中央線CL1上に支持部材25の基板32を固定する固定部材32aが締め付けられる固定孔26aが設けられている。
【0023】
カバー本体21は、第1カーテンレール2の右側の第1レール端部に取り付けられるものと左側のレール端部に取り付けられるものとは、同じ構成を有しており、共通部品である。例えば、右側に取り付けられるカバー本体21は、第1嵌合凹部23が前側に位置し、第2嵌合凹部26が後方に位置するように配置される。カバー本体21を左側に取り付けるときには、上下を反転させることで、第1嵌合凹部23を前側に位置させるとともに第2嵌合凹部26を後方に位置させることができる。
【0024】
〔レール支持部材〕
第1嵌合凹部23に取り付けられるレール支持部材22は、基板27と、基板27の一面に立設される挿入片28および支持片29と、を備えている。レール支持部材22は、カバー本体21が天然素材を用いた木材加工品であるのに対して、人工材料を使用した1つの樹脂成形部品である。
【0025】
基板27は、矩形板形状を有しており、第1嵌合凹部23に嵌合される。基板27は、上端に上壁24aを備えているとともに、下端に下壁24bを備えている。上壁24aの上面は、カバー本体21の上面21cと面一となり、上壁24aの先端面は、内側面21eと面一となる。また、下壁24bの下面は、カバー本体21の下面21dと面一となり、下壁24bの先端面は、内側面21eと面一となる。
【0026】
基板27の一主面には、挿入片28が立設されている。挿入片28は、基板27の短辺と平行な片である。挿入片28は、案内片28aと、案内片28aの両側に立設される案内壁28bと、案内壁28bの先端を案内片28aと平行となるように折曲された係止片28cとを備えている。そして、案内片28a、案内壁28bおよび係止片28cに囲まれた空間には、空間が構成されている。案内片28aには、ねじなどの固定部材23cが挿通される挿通孔28eが設けられている。このように構成された挿入片28は、レール本体13の形状に起因して、前後方向中央を上下に延びる中央線CL3よりも前方に偏って設けられている。
【0027】
案内片28aには、基板27の一面に立設され、かつ、下側に向って一対の支持片29が設けられている。一対の支持片29は、レール端部に挿入されたとき、一対のレール片17の内面に当接される。
【0028】
基板27の中央部には、第1嵌合凹部23に基板27を固定するねじなどの固定部材27aが挿入される挿入孔27bが形成されている。挿入孔27bは、固定孔23bに対応する孔であり、基板27の中央に設けられている。挿入片28は、挿入孔27bの下側に位置している。挿入孔27bの上側には、指標部27cを備えている。レール支持部材22は、第1カーテンレール2の右側と左側に取り付けるもので若干挿入片28の位置が前後方向に異なる。このため、レール支持部材22は、それぞれの側において、専用部品となっている。図3の例において、レール支持部材22は、右側用であるため、指標部27cは、凹凸によって、「R」の文字が表されている。図4(a)は、右側用のレール支持部材22を示している。図4(a)中、右側の長辺がレール本体13に取り付けられた状態において、前方に位置する。
【0029】
図4(b)は、左側用のレール支持部材22を示している。左側用のレール支持部材22は、基板27において、指標部27cとして、「L」の文字が凹凸によって表されている。図4(b)中、左側の長辺がレール本体13に取り付けられた状態において、前方に位置する。
【0030】
挿入片28に構成された空間には、固定板31が挿入される。固定板31は、挿入片28の補強板として機能する。固定板31は、中央に、挿通孔28eに対応した固定孔31aを備えている。固定孔31aは、固定部材23cが締め付けられる。
【0031】
〔支持部材〕
第2嵌合凹部26に取り付けられる支持部材25は、基板32を備えている。基板32は、カバー本体21が木材加工品であるのに対して、1つの樹脂成形部品である。基板32は、第2嵌合凹部26に対応した形状を有しており、矩形板形状を基本形状としながらも一端が円弧形状を有している。円弧形状の近くには、第2嵌合凹部26に基板32を固定するねじなどの固定部材32aが挿入される挿入孔32bが形成されている。また、基板32の裏側は、リターン部材33の係止片33cが係合し得るように空間が構成されている。
【0032】
基板32には、挿入孔32bに隣接して係止孔32cが設けられている。係止孔32cは、前後方向に並んで複数設けられている。複数の係止孔32cの何れかには、リターン部材33が係止される。リターン部材33は、基板32に取り付けるための取付基部33aと、第1カーテン生地6の上縁一端部を吊り下げ支持する吊下部33bとを備えている。取付基部33aは、係止孔32cに係止される鉤形状を有した係止片33cを備えている。吊下部33bは、第1カーテン生地6の上縁一端部に取り付けられたフックが係止される吊下孔33dを備えている。
【0033】
支持部材25は、右側に配置されるカバー本体21の第2嵌合凹部26に嵌合されるものと、左側に配置されるカバー本体21の第2嵌合凹部26に嵌合されるものと同じ構成を有した共通部品である。
【0034】
〔組立方法〕
ここでは、カーテンレール装置1において、右側に位置する第1カーテンレール2のレール端部を第1レール端部といい、左側に位置するレール端部を第2レール端部という。そして、第1レール端部に取り付けられるサイドカバー11を第1サイドカバー11rといい、第2レール端部に取り付けられるサイドカバー11を第2サイドカバー11lという。また、第1サイドカバー11rを構成するカバー本体21を第1カバー本体21rといい、第2サイドカバー11lを構成するカバー本体21を第2カバー本体21lという。さらに、第1サイドカバー11rに取り付けられるレール支持部材22を第1レール支持部材22rといい、第2サイドカバー11lに取り付けられるレール支持部材22を第2レール支持部材22lという。
【0035】
図2に示すように、壁部に取り付けられた取付ブラケット4には、室内側に第1カーテンレール2が取り付けられ、壁側に第2カーテンレール3が取り付けられる。第2カーテンレール3の両端部には、キャップ12が取り付けられる。第2カーテンレール3は、キャップ12を取り付けられてから取付ブラケット4に取り付けるようにしてもよい。
【0036】
第1サイドカバー11rにおいて、第1カバー本体21rには、第1嵌合凹部23に右側用の第1レール支持部材22rが取り付けられる。第1レール支持部材22rは、基板27が第1嵌合凹部23に嵌合され、固定部材27aが締め付けられることによって固定される。また、第2嵌合凹部26には、支持部材25が取り付けられる。支持部材25は、基板32が第2嵌合凹部26に嵌合され、固定部材32aが締め付けられることによって固定される。そして、支持部材25には、リターン部材33が取り付けられる。具体的に、係止孔32cに対して係止片33cが係止される。
【0037】
同様に、第2サイドカバー11lも、第2カバー本体21lには、第1嵌合凹部23に左側用の第2レール支持部材22lが取り付けられる。さらに、第2嵌合凹部26には、支持部材25が取り付けられる。そして、支持部材25には、リターン部材33が取り付けられる。
【0038】
第1カーテンレール2において、第1レール端部には、第1サイドカバー11rが取り付けられるとともに、第2レール端部には、第2サイドカバー11lが取り付けられる。具体的に、図5に示すように、先ず、挿入片28の空間には、固定板31が挿入される。その後、第1レール端部には、第1レール支持部材22rの挿入片28および一対の支持片29が挿入される。これにより、一対の支持片29は、その先端が一対のレール片17の内面に当接される。その後、固定部材27aが挿入孔27bおよび固定孔31aに挿入され締め付けられる。すると、固定部材27aの先端は、固定孔31aを通過する。そして、係止片28cの間から突出した固定部材27aの先端は、天壁16の凹条部16aの内面に圧接される。これに伴い、一対の支持片29の先端も、一対のレール片17の内面に圧接される。これにより、第1レール支持部材22rは、第1レール端部の内部において、固定部材27aの先端と一対の支持片29の先端とで、凹条部16aの内面と一対のレール片17との間において突っ張るように固定される。
【0039】
第2レール端部にも、第2サイドカバー11lが第2レール支持部材22lを介して取り付けられる。第2サイドカバー11lの第2レール端部への取付方法は、第1サイドカバー11rの第1レール端部への取付方法と同じため、説明は省略する。
【0040】
その後、第2カーテンレール3の第2ランナ7には、左右の第2カーテン生地8が吊下げられる。次いで、第1カーテンレール2の第1ランナ5には、第1カーテン生地6が吊下げられる。左右の第1カーテン生地6のそれぞれにおいて、第1カーテン生地6の上縁一端部は、第1サイドカバー11rおよび第2サイドカバー11lの下側において、折曲され、上縁一端部のフックが吊下孔33dに係止される。それぞれの第1カーテン生地6の上縁他端部は、先頭のランナ5,7に係止される。
【0041】
図6に示すように、共通の取付ブラケット4に取り付けられる第1カーテンレール2と第2カーテンレール3とは、同じ高さに位置することで、各カーテンレール2,3の一対のレール片17も同じ高さに位置することになる。また、第1カーテンレール2に使用される第1ランナ5および第2カーテンレール3に使用される第2ランナ7は、同じものである。したがって、第1カーテンレール2における第1ランナ5による吊下げ位置と第2カーテンレール3における第2ランナ7による吊下げ位置とは、高さHが揃うことになる。
【0042】
〔第1実施形態の効果〕
以上のような第1実施形態は、以下のように列挙する効果を得ることができる。
(1-1)レール本体13には木目調の装飾シート18が貼り付けられ、かつ、カバー本体21は、木材を素材として構成されている。すなわち、カバー本体21も、木材の木目模様がカバー意匠を構成している。したがって、カーテンレール装置1は、第1カーテンレール2とサイドカバー11とで、全体として意匠の統一感をもたらすことができる。
【0043】
(1-2)カバー本体21は、装飾シート18を貼ることなく構成されている。したがって、カバー本体21を製造するにあたって、装飾シート18を貼り損ねることで歩留まりが悪化することを抑制できる。
【0044】
(1-3)レール支持部材22は、カバー本体21と異なる材料である樹脂成型部品であるが、カバー本体21の前面21aおよび外側面21fにおいて露出されていない。前面21aおよび外側面21fは、利用者から見て目立つ場所である。このような面において、レール支持部材22は、カバー本体21によって隠される。したがって、カーテンレール装置1は、意匠を向上することができる。
【0045】
(1-4)レール支持部材22は、第1嵌合凹部23に嵌合するだけでカバー本体21の内側面21eに取り付けることができる。レール支持部材22は、右側用と左側用で外観が類似した専用部品であるが、指標部27cが設けられていることで、容易に識別することができる。
【0046】
(1-5)第1嵌合凹部23は、上面21cおよび下面21dに切欠部23aを備えていることで、レール支持部材22を取り付け易くなる。
(1-6)カバー本体21は、左右のレール端部にも配置可能であり、共通部品となっている。この点で、部品点数を削減することができる。
【0047】
(1-7)専用部品となるレール支持部材22は、樹脂成型部品であるが、カバー本体21に比べれば小型の部品である。このように、サイドカバー11では、樹脂の使用量を少なくできる。
【0048】
(1-8)第1ランナ5とランナ7とは、同じものであるため、第1ランナ5による吊下げ位置と第2ランナ7による吊下げ位置の他kさも揃う。この点でも、カーテンレール装置1の意匠性を向上することができる。
【0049】
〔第2実施形態〕
図7に示すように、第2実施形態では、第1実施形態と比べて、サイドカバー11にリターン部材33を省略する構成となっている。したがって、第2実施形態では、カバー本体21において、第2嵌合凹部26は設けられてない。その分、第2実施形態のカバー本体21は、第2嵌合凹部26の分だけ、第1実施形態のカバー本体21と比べて前後方向が短くなっている。これにより、第2実施形態のサイドカバー11では、第1実施形態のサイドカバー11よりも小型化を実現することができる。
【0050】
一例として、カーテンレール装置1の一方の端部において、リターン部材33を取り付け可能な第1実施形態のサイドカバー11とし、他端をリターン部材33が取り付け不能な第2実施形態のサイドカバー11としてもよい。
【0051】
〔第3実施形態〕
図8に示すように、第3実施形態では、第2カーテンレール3を省略し、第1カーテンレール2だけとしている。したがって、第3実施形態のサイドカバー11は、第2実施形態のサイドカバー11よりも前後方向が短く構成されている。なお、第1カーテンレール2だけで構成する場合であっても、カバー本体21には、リターン部材33を取り付け可能なように、第2嵌合凹部26を設けることもできる。この場合、カバー本体21における前後方向は、第2嵌合凹部26の分だけ長くなる。
【0052】
〔その他の変形例〕
第1実施形態~第3実施形態は、さらに、以下のように適宜変更して実施することもできる。
【0053】
・第1実施形態~第3実施形態では、カバー本体21を木材加工品で構成するとともにレール本体13の前壁14に木目調の装飾シート18を貼り付けるようにすることで、全体としての意匠のまとまりを形成している。本発明における意匠は、木目調に限定されるものではない。例えば、カバー本体21を天然素材である大理石などの石材で構成し、石材の意匠に合わせたマーブル模様などの装飾シート18をレール本体13の前壁14や第2カーテンレール3に貼り付けて、全体としての意匠のまとまりを形成するようにしてもよい。
【0054】
・レール支持部材22も、レール本体13の形状を設計変更して、左右で共通部品としてもよい。また、カバー本体21を左右で異なる専用部品としてもよい。
・第1嵌合凹部23は、上下に設けられた切欠部23aを省略してもよい。この場合、第1嵌合凹部23は、四方が側壁で包囲された凹部となる。これにより、カバー本体21の上面21cおよび下面21dからレール支持部材22の基板32が露出しないようにできる。
【0055】
さらに、上面21cだけ切欠部23aを設けるようにし、下面21dは切欠部23aを省略してもよい。下面21dは、上面21cよりも利用者から見え易い面である。これにより、利用者から基板32を一層見えにくくできる。さらに、上面21cの切欠部23aを省略し、下面21dにだけ切欠部23aを設けるようにしてもよい。これにより、上面21cにおいて、基板32とカバー本体21との隙間が無くなり、塵埃等の微小な異物が浸入しにくくなる。
【0056】
・第1嵌合凹部23は、前面21aに切欠部23aが設けられていてもよい。この場合、切欠部23aは、前面21aと、上面21c及び下面21dの何れかの面に設けるようにしてもよい。さらに、前面21aだけに設けるようにしてもよい。また、外側面21fの一部に切欠部23aに設けるようにしてもよい。このように、前面21aや外側面21fに切欠部23aを設ける場合、基板32も、カバー意匠の一部を構成することになる。したがって、基板32は、露出する部分に模様などを印刷したり装飾シート18を貼り付けるようにしてもよい。さらに、切欠部23aは、前面21a、上面21cおよび下面21dの何れか1つの面だけに設けてもよい。
【0057】
・第1カーテンレール2の内部を走行する第1ランナ5と第2カーテンレール3の内部を走行する第2ランナ7とは、異なる構成であってもよい。例えば、第1カーテンレール2は、レース生地より重いドレープ生地を吊下げる。そこで、第1ランナ5には静音性に優れるランナを使用し、第2ランナ7は、通常のランナを使用する。この場合、例えば、第1ランナには、吊下部を備える軸部を一対のレール片17間のレール開口に挿通し、かつ、軸部先端に、一対のレール片17の内面に係合する円形の係合フランジ設けたランナを使用するようにしてもよい。第2ランナ7には、一対の車輪が一対のレール片17の内面を転動するランナを使用するようにしてもよい。
【0058】
・カーテンレールとしては、内部をランナが走行するものに限定されるものではない。一例として、ポール形状のカーテンレールであってもよい。この場合、環状またはC字形状を有したランナが、カーテンレールに対してレール外周を移動するように構成されることになる。
【0059】
・第1カーテンレール2および第2カーテンレール3に吊下げられるカーテン生地は、ドレープ生地やレース生地に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0060】
1…カーテンレール装置
2…第1カーテンレール
3…第2カーテンレール
5…第1ランナ
6…第1カーテン生地
8…第2カーテン生地
11…サイドカバー
13…レール本体
14…前壁
16a…凹条部
17…レール片
18…装飾シート
21…カバー本体
21a…前面
21c…上面
21d…下面
21e…内側面
21f…外側面
22…レール支持部材
23…第1嵌合凹部
23a…切欠部
25…支持部材
26…第2嵌合凹部
27c…指標部
28…挿入片
29…支持片
31…固定板
33…リターン部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8