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特開2023-111090判定装置、判定システム、判定方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111090
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】判定装置、判定システム、判定方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20230803BHJP
   G06Q 50/30 20120101ALI20230803BHJP
【FI】
G06Q10/06
G06Q50/30
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022012741
(22)【出願日】2022-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 勇気
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA10
5L049CC42
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザの勤務状態を適切に判定する判定装置、判定システム、判定方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】車両に搭載された判定装置が所定の処理を行うことで、車両に搭乗するユーザの勤務状態を適切に判定することができる情報処理システムにおいて、判定装置10は、車両の走行情報を取得する走行情報取得部11、車両に搭乗するユーザの位置情報を取得する位置情報取得部12、ユーザの動作を示す動作情報を取得する動作情報取得部13及びユーザの勤務状態を判定する判定部14を備える。判定部14は、車両が停止している場合、位置情報及び動作情報に基づいてユーザの勤務状態を判定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行情報を取得する走行情報取得部と、
前記車両に搭乗するユーザの位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記ユーザの動作を示す動作情報を取得する動作情報取得部と、
前記ユーザの勤務状態を判定する判定部と、を備え、
前記判定部は、前記車両が停止している場合、前記位置情報及び前記動作情報に基づいて前記ユーザの勤務状態を判定する
判定装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記車両の停止中における前記位置情報が予め登録された勤務予定地以外を示す場合、前記ユーザが休憩中であると判定する
請求項1に記載の判定装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記車両の停止中における前記位置情報が予め登録された勤務予定地を示す場合、前記動作情報が、前記ユーザの勤務に関する勤務動作を示すか否かを判別し、判別結果に基づいて前記勤務状態を判定する
請求項1又は2に記載の判定装置。
【請求項4】
前記動作情報は、前記ユーザの動作を示す加速度を含み、
前記判定部は、前記加速度の変化に基づいて、前記動作情報が前記勤務動作を示すか否かを判別する
請求項3に記載の判定装置。
【請求項5】
前記位置情報取得部及び前記動作情報取得部は、前記位置情報及び前記動作情報を、前記ユーザに装着された装着装置からそれぞれ取得する
請求項1~4のいずれか1項に記載の判定装置。
【請求項6】
前記判定部における判定結果に応じて、前記勤務状態に関する報知を行うように報知部を制御する報知制御部を更に備える
請求項1~5のいずれか1項に記載の判定装置。
【請求項7】
車両に搭乗するユーザに装着された、前記ユーザの位置情報及び動作情報を検出する装着装置と、
前記装着装置と通信する判定装置と、を備え、
前記判定装置は、
前記車両の走行情報を取得する走行情報取得部と、
前記位置情報を前記装着装置から取得する位置情報取得部と、
前記動作情報を前記装着装置から取得する動作情報取得部と、
前記ユーザの勤務状態を判定する判定部と、を備え、
前記判定部は、前記車両が停止している場合、前記位置情報及び前記動作情報に基づいて前記ユーザの勤務状態を判定する
判定システム。
【請求項8】
前記判定部は、前記車両の停止中における前記位置情報が予め登録された勤務予定地以外を示す場合、前記ユーザが休憩中であると判定する
請求項7に記載の判定システム。
【請求項9】
車両の走行情報を取得する走行情報取得ステップと、
前記車両に搭乗するユーザの位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記ユーザの動作を示す動作情報を取得する動作情報取得ステップと、
前記ユーザの勤務状態を判定する判定ステップと、を備え、
前記判定ステップでは、前記車両が停止している場合、前記位置情報及び前記動作情報に基づいて前記ユーザの勤務状態が判定される
判定方法。
【請求項10】
車両の走行情報を取得する走行情報取得ステップと、
前記車両に搭乗するユーザの位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記ユーザの動作を示す動作情報を取得する動作情報取得ステップと、
前記ユーザの勤務状態を判定する判定ステップと、をコンピュータに実行させ、
前記判定ステップでは、前記車両が停止している場合、前記位置情報及び前記動作情報に基づいて前記ユーザの勤務状態が判定される
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、判定装置、判定システム、判定方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、運送業界などにおいて、トラックの運転者の人手不足により1人当たりの負担が多くなり長時間勤務が余儀なくされている。一方で、働き方改革関連法案や長時間運行による事故の多発を背景に、長時間勤務の厳罰化が実施され、運行会社はその板挟みで厳しい状況にある。このような問題に対し、運転者の業務負荷を削減して効率的に業務を実施するために、運転者の勤務状況を正確に管理することが求められている。
【0003】
関連する技術として、特許文献1は、車両に搭載される移動体情報収集装置と、事務所などに設置される情報処理装置と、を備える情報処理システムを開示する。情報処理装置は、運転者の状態を判定するための状態情報などを移動体情報収集装置から受信して、運転者の労働、休憩、及び運転のうち少なくとも一つについて、積算時間を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-021262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1が開示する情報処理システムでは、車両の位置情報が所定位置であることを条件の一つとして、運転者の勤務状態を判定する。所定位置とは、例えば、車庫や目的地である。当該情報処理システムでは、車両がこれらの所定位置に停車している場合、その時間は運転者の休憩時間から除かれる。しかしながら、車両が車庫や目的地に停車している間に、運転者が休憩をとることも想定される。このような場合に、特許文献1が開示する情報処理システムでは、休憩時間が正しく算出されない場合がある。
【0006】
本開示の目的は、上述した課題を鑑み、ユーザの勤務状態を適切に判定することが可能な判定装置、判定システム、判定方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示にかかる判定装置は、
車両の走行情報を取得する走行情報取得部と、
前記車両に搭乗するユーザの位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記ユーザの動作を示す動作情報を取得する動作情報取得部と、
前記ユーザの勤務状態を判定する判定部と、を備え、
前記判定部は、前記車両が停止している場合、前記位置情報及び前記動作情報に基づいて前記ユーザの勤務状態を判定する。
【0008】
本開示にかかる判定システムは、
車両に搭乗するユーザに装着された、前記ユーザの位置情報及び動作情報を検出する装着装置と、
前記装着装置と通信する判定装置と、を備え、
前記判定装置は、
前記車両の走行情報を取得する走行情報取得部と、
前記位置情報を前記装着装置から取得する位置情報取得部と、
前記動作情報を前記装着装置から取得する動作情報取得部と、
前記ユーザの勤務状態を判定する判定部と、を備え、
前記判定部は、前記車両が停止している場合、前記位置情報及び前記動作情報に基づいて前記ユーザの勤務状態を判定する。
【0009】
本開示にかかる判定方法は、
車両の走行情報を取得する走行情報取得ステップと、
前記車両に搭乗するユーザの位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記ユーザの動作を示す動作情報を取得する動作情報取得ステップと、
前記ユーザの勤務状態を判定する判定ステップと、を備え、
前記判定ステップでは、前記車両が停止している場合、前記位置情報及び前記動作情報に基づいて前記ユーザの勤務状態が判定される。
【0010】
本開示にかかるプログラムは、
車両の走行情報を取得する走行情報取得ステップと、
前記車両に搭乗するユーザの位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記ユーザの動作を示す動作情報を取得する動作情報取得ステップと、
前記ユーザの勤務状態を判定する判定ステップと、をコンピュータに実行させ、
前記判定ステップでは、前記車両が停止している場合、前記位置情報及び前記動作情報に基づいて前記ユーザの勤務状態が判定される。
【発明の効果】
【0011】
本開示にかかる判定装置、判定システム、判定方法及びプログラムは、ユーザの勤務状態を適切に判定することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態1にかかる判定装置の構成を示すブロック図である。
図2】実施形態2にかかる判定システムの概要図である。
図3】実施形態2にかかるユーザの業務の一例を示す図である。
図4】実施形態2にかかる判定システムの構成を示すブロック図である。
図5】実施形態2にかかる判定システムの詳細な構成を示すブロック図である。
図6】実施形態2にかかる勤務予定地情報の一例を示す図である。
図7】実施形態2にかかる位置情報の一例を示す図である。
図8】実施形態2にかかる動作情報の一例を示す図である。
図9】実施形態2にかかる勤務時間情報の一例を示す図である。
図10】実施形態2にかかる判定装置が実行する処理を示すフローチャートである。
図11】実施形態3にかかる判定システムの詳細な構成を示すブロック図である。
図12】ハードウエア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されている。説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0014】
<実施形態1>
図1は、本実施形態にかかる判定装置10の構成を示すブロック図である。判定装置10は、走行情報取得部11、位置情報取得部12、動作情報取得部13、及び判定部14を備えている。
【0015】
走行情報取得部11は、車両の走行情報を取得する。位置情報取得部12は、車両に搭乗するユーザの位置情報を取得する。動作情報取得部13は、ユーザの動作を示す動作情報を取得する。判定部14は、ユーザの勤務状態を判定する。判定部14は、車両が停止している場合、位置情報及び動作情報に基づいてユーザの勤務状態を判定する。
【0016】
本実施形態にかかる判定装置10によれば、判定部14は、車両が停止している場合に、ユーザの位置情報及び動作情報に基づいてユーザの勤務状態を判定する。これにより、ユーザの勤務状態を適切に判定することができる。
【0017】
<実施形態2>
実施形態2は、上述した実施形態1の具体例である。
まず、図2を参照して、本実施形態にかかる判定システム1000の概要を説明する。図2は、判定システム1000の概要図である。判定システム1000は、車両50に搭載された判定装置100において所定の処理を行うことで、車両50に搭乗するユーザの勤務状態を適切に判定することができる情報処理システムである。
【0018】
判定システム1000は、例えば、車両を用いて荷物を運送する運送分野などにおいて適用することができる。車両50は、例えば、トラック、バス、又はタクシーなどであるが、これらに限られない。
【0019】
ユーザは、車両50に搭乗する搭乗者である。ユーザは、車両50の運転者に限らず、運転者と共に車両50に搭乗する同乗者であってもよい。また、同乗者は複数いてもよい。図2では、運転者であるユーザU1が車両50に搭乗する場合を示している。ユーザU1は、例えば、配送業者、バス会社、又はタクシー会社の従業者などである。これらに限らず、ユーザU1は、勤務状態の管理対象となる者であればどのような者でもよい。本実施形態では、ユーザU1は配送業者の従業者である場合を例として説明を行う。
【0020】
ユーザU1は、業務として、車両50を用いて荷物の配送業務を行う。図3は、ユーザU1の業務の一例を示す図である。図3に示されるように、ユーザU1は、事務所、自社倉庫、配送先、荷主などを訪れて、荷積みや荷下ろしなどの作業を行う。ユーザU1が作業を行う場所や運行ルートは予め決定されており、ユーザU1は運行予定に従って勤務を行う。
【0021】
また、図3に示されるように、ユーザU1は、例えば午前と午後の間に所定の休憩時間を設ける。図3では1回の休憩時間を設けているが、ユーザU1は、長距離運転を行った場合などに適宜休憩をとることが想定される。したがって、一日の間で勤務時間と休憩時間とが混在しており、適切な休憩時間の把握が求められる。例えば、ユーザU1が手書きの書類などにより休憩時間を申告する場合、ユーザU1の作業負担が生じる。また、例えば車両50に搭載されたタコメータなどから車両50の走行状態を把握し、走行時間を勤務時間、それ以外を休憩時間としたとする。車両50の走行状態とユーザU1の勤務時間及び休憩時間とは必ずしも対応しないため、この場合は適切な勤務管理を行うことができない。本開示では、このような問題を解決する。
【0022】
図2に戻り説明を続ける。
車両50には、ユーザU1の勤務状態を判定する判定装置100と、車両50の走行情報を検出する走行情報検出部115とが搭載されている。走行情報は、車両50の走行状態を示す情報を含み得る。例えば、走行情報は、車両50が走行しているか停止しているかを示す情報を含み得る。例えば、走行情報検出部115はタコメータであり、走行情報はエンジン回転数である。
【0023】
判定装置100は、走行情報検出部115から走行情報を取得することで車両50が走行しているか否かを判定する。車両50が走行していると判定された場合、ユーザU1は運転中であると想定される。この場合、判定装置100はユーザU1が勤務中であると判定する。
【0024】
一方、車両50が停止している場合には、ユーザU1が勤務中である場合と休憩中である場合とがある。例えば、ユーザU1が荷積みや荷下ろしなどの業務に関する作業を行っている場合と、コンビニエンスストアや飲食店等で休憩をとっている場合との両方が想定される。したがって、走行情報検出部115から得られる走行情報のみではユーザU1の勤務状態を適切に判定することができない。
【0025】
図2に示されるように、ユーザU1は、装着装置(ウェアラブルデバイス)300を装着している。装着装置300は、ユーザU1の位置情報及び動作情報を検出することが可能なセンシングデバイスである。図2では一例として、ユーザU1が履く靴のインソール(中敷き)として装着可能に構成された装着装置300を示している。
【0026】
装着装置300は、例えば、図示しないGNSS(Global Navigation Satellite System)センサを有している。これにより、装着装置300はユーザU1の現在位置を示す位置情報を検出することができる。また、装着装置300は、例えば、図示しない3軸加速度センサを有している。これにより、装着装置300はユーザU1の動作を示す動作情報を検出することができる。装着装置300は、判定装置100との通信を行う通信機能を備えており、検出された位置情報及び動作情報を判定装置100に送信する。
【0027】
判定装置100では、装着装置300から送信された情報に基づいて所定の判定処理を行い、ユーザU1の勤務状態を判定する。勤務状態は、ユーザU1が勤務中であるか又は休憩中であるかを示す情報を含み得る。判定装置100は、走行情報検出部115や装着装置300から、走行情報、位置情報、及び動作情報を所定の時間間隔で受信する。判定装置100は、これらの情報をリアルタイムで受信してもよい。
【0028】
判定装置100は、これらの情報に基づいて、ユーザU1の勤務状態を所定の時間間隔で判定する。判定処理の詳細については後述する。判定装置100は、ユーザU1の勤務状態を判定装置100が備える記憶部に記憶していく。判定装置100はユーザU1の勤務時間を算出し、勤務時間情報として記憶部に記憶する。
【0029】
図2に示される管理者U2は、ユーザU1の勤務状態を管理する者である。管理者U2は、例えば、管理用の端末500を用いてユーザU1の勤務状態を管理する。判定装置100と端末500とは、通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。通信ネットワークは、例えばクラウドやインターネットなどであってよい。または、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)などが用いられてもよい。
【0030】
判定装置100は、ネットワークを介してユーザU1の勤務時間情報を端末500に送信する。なお、SDカード等に勤務時間情報を記憶して端末500で読み出すようにしてもよい。このようにすることで、管理者U2は、ユーザU1の勤務状態を把握することができる。端末500は、例えばユーザU1に関する作業日報500aを表示装置や印刷装置に出力するようにしてもよい。
【0031】
続いて、図4を参照して、本実施形態にかかる判定システム1000の構成を説明する。図4は、判定システム1000の構成を示すブロック図である。判定システム1000は、判定装置100と装着装置300とを備えている。判定装置100は、上述した判定装置10の一例である。判定装置100及び装着装置300はネットワークNを介して通信する。ネットワークNは、有線であっても無線であってもよい。
【0032】
続いて、図5を参照して本実施形態にかかる判定システム1000の構成について詳細に説明する。図5は、判定システム1000の詳細な構成を示すブロック図である。
判定システム1000は、車両50に搭載された判定装置100と、ユーザが装着する装着装置300とを備えている。判定装置100と装着装置300とはネットワークNを介して通信可能である。ネットワークNは、有線であっても無線であってもよい。
以下では、車両50に搭乗する運転者を単に「ユーザ」と称して説明する。
【0033】
まず、装着装置300について説明する。
装着装置300は、ユーザの勤務状態に関する情報を検出するためのセンサを有するセンシングデバイスである。勤務状態に関する情報は、例えばユーザの位置情報又は動作情報である。装着装置300は、ユーザの位置情報及び動作情報を検出し、検出結果を判定装置100に送信する。
【0034】
装着装置300は、ユーザが着用可能に構成されている。装着装置300は、例えば、図2に一例を示したように、ユーザが着用する靴の中に敷くことが可能なインソールの形状で構成される。後述するように、装着装置300は、インソール型に限らず、種々の形状の装着装置が用いられてよい。ユーザは、装着装置300を身体又は装着品などに装着しながら移動及び業務を行うことができる。したがって、装着装置300は、ユーザが車内にいる場合だけでなく、ユーザが車外にいる場合においてもユーザの勤務状態に関する情報を検出することができる。
【0035】
図5に示されるように、装着装置300は、位置情報検出部310、動作情報検出部320、及び通信部370を備えている。
位置情報検出部310は、ユーザの位置情報を検出するセンサである。装着装置300は、ユーザに装着されているためユーザと共に移動する。そのため、装着装置300の現在位置とユーザの現在位置とは対応している。したがって、位置情報は、ユーザの現在位置を示す情報である。位置情報は、現在位置の経度及び緯度を含む情報であってよい。また位置情報は、当該経度及び緯度が示す住所などであってもよい。
【0036】
位置情報検出部310は、例えば、GNSS等の複数の人工衛星から送信される測位信号を受信し、これらの測位信号に基づいて測位を行う。位置情報検出部310は、ユーザが車内にいるか車外にいるかにかかわらずユーザの位置情報を検出してよい。または、位置情報検出部310は、ユーザが車外にいる場合に位置情報を検出するようにしてもよい。位置情報検出部310は、所定の時間間隔でユーザの位置情報を検出し、通信部370を介して判定装置100に位置情報を送信する。位置情報検出部310は、位置情報を検出日時と共に送信してもよい。
【0037】
動作情報検出部320は、ユーザの動作を示す動作情報を検出するセンサである。動作情報は、ユーザが勤務中であるか否かを判定するために用いられる情報を含み得る。動作情報は、ユーザの動作を検出可能なセンサで検出される値であってよい。動作情報は、例えば、装着装置300において検出される加速度、角速度、地磁気、圧力、又は温度などの情報である。また、動作情報検出部320は、それぞれの動作情報を検出することが可能な加速度センサ、角速度センサ、地磁気センサ、圧力センサ、又は温度センサなどである。これらは一例であり、動作情報検出部320は他のセンサであってもよい。また、動作情報検出部320は、ユーザの動作に関連する音声情報などを検出するマイクなどを含んでもよい。
【0038】
動作情報検出部320は、上述したセンサのうち2つ以上の機能を有するセンサであってもよい。例えば、動作情報検出部320は、加速度センサ、ジャイロセンサ、及び地磁気センサを備えるモーションセンサなどであってもよい。これにより、動作情報検出部320は、複数の種別の動作情報を検出することができる。
【0039】
また、動作情報検出部320は、複数の装着装置300のそれぞれに設けられてもよい。例えば、ユーザがインソール型及びリストバンド型の装着装置300を装着することで、それぞれの装着装置300において動作情報を検出することができる。この場合、それぞれの装着装置300で検出される動作情報は同じ種別であってもよいし、異なる種別であってもよい。例えば、インソール型及びリストバンド型の両方で加速度を検出してもよいし、いずれかが加速度以外の動作情報を検出してもよい。また、動作情報検出部320は、ユーザに装着されないモーションデバイス等であってもよい。
【0040】
本実施形態では、動作情報検出部320が、直交するxyz軸のそれぞれの加速度を検出する3軸加速度センサであるものとして説明を行う。装着装置300は、例えば、インソールの基材と、基材に設けられた3軸加速度センサと、を有している。3軸加速度センサは、基材に複数設けられてもよい。
【0041】
動作情報検出部320は、ユーザが歩行、運転、荷積み作業、又は荷下ろし作業などの動作を行った場合に、これらの動作に対応する加速度を検出する。動作情報検出部320は、ユーザが車内にいるか車外にいるかにかかわらずユーザの動作情報を検出してよい。または、動作情報検出部320は、ユーザが車外にいる場合に動作情報を検出するようにしてもよい。また、動作情報検出部320は、例えば、車両50の走行時において、ユーザがアクセルペダル又はブレーキペダルを踏み込んだときの動作情報を検出してもよい。
【0042】
動作情報検出部320は、xyz軸の各方向における加速度を所定の時間間隔で検出し、検出結果を動作情報として判定装置100に送信する。動作情報検出部320は、検出日時と共に動作情報を送信してもよい。また、位置情報検出部310で検出された位置情報と共に動作情報を送信してもよい。
【0043】
動作情報検出部320は、所定の時間間隔でユーザの動作情報を検出し、通信部370を介して判定装置100に送信する。動作情報検出部320は、所定の閾値以上の加速度を検出した場合に動作情報を送信するようにしてもよい。
【0044】
通信部370は、判定装置100との通信を行うための通信インタフェースである。通信部370は、装着装置300と判定装置100とを無線通信で接続する。通信部370は、例えばBluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)などの無線規格を用いて装着装置300及び判定装置100が通信を行うように構成されてよい。
【0045】
なお、図2の例では、装着装置300の一例としてインソール型のウェアラブルデバイスを示したが、これに限られない。装着装置300は、ユーザに装着可能に構成されていればどのような形状であってもよい。装着装置300は、例えば、スマートウォッチやスマートグラスなどであってもよい。また、装着装置300は、ユーザの手首、腕、足首、足、頭部などに巻き付けるバンドなどを用いて構成されてもよい。これら以外の種々のウェアラブルデバイスが装着装置300として用いられてよい。また、装着装置300はユーザの身体に直接装着するものに限られず、ユーザの衣服等に装着されるものであってもよい。
【0046】
また、図2の例では、左足及び右足のそれぞれに対応する装着装置300を例として示したが、左右いずれかのみでもよい。例えば、アクセルペダルを踏む方の足に対応するインソールのみで装着装置300が構成されてもよい。
【0047】
なお、装着装置300は、位置情報及び動作情報の検出を常時行ってもよいし、所定の時間間隔で行ってもよい。また装着装置300は、検出された位置情報及び動作情報を、判定装置100に都度送信してもよいし、所定の時間間隔で送信してもよい。
【0048】
なお、本実施形態では、装着装置300が位置情報検出部310及び動作情報検出部320の両方を備える構成として説明するが、これに限られない。例えば、位置情報検出部310と動作情報検出部320とが異なる装着装置に設けられてもよい。例えば、スマートウォッチ型の第1の装着装置に位置情報検出部310を設け、インソール型の第2の装着装置に動作情報検出部320を設けるようにしてもよい。
【0049】
引き続き図5を参照し、判定装置100の構成について説明する。
判定装置100は、登録部105、走行情報取得部110、位置情報取得部120、動作情報取得部130、判定部140、報知制御部150、通信部170、及び記憶部190を備えている。判定装置100は、ユーザの勤務状態を判定するための判定処理を行う情報処理装置である。また判定装置100は、判定処理の結果を記憶する。
【0050】
登録部105は、ユーザの勤務予定地を予め登録する。ユーザの勤務予定地は、ユーザが勤務する予定の場所を示すものである。勤務予定地は、例えば、ユーザが所属する法人等の事務所、自社倉庫、配送先、及び荷主などである。これらに限らず、勤務予定地は、ユーザが当該場所で勤務を行うことが予定されている場所であればどこであってもよい。
【0051】
登録部105は、図示しない情報端末から勤務予定地の入力を受け付けて、勤務予定地を予め登録する。情報端末は、例えば、携帯電話端末、スマートフォン、タブレット端末、又はPC(Personal Computer)などであってよい。情報端末は、図2の例に示すような、管理者が使用する端末500であってもよいし、ユーザが使用する端末であってもよい。ここでは一例として、ユーザの管理者が端末500を用いて勤務予定地の登録を行うものとして説明を行う。
【0052】
端末500は、有線又は無線の通信回線を介して判定装置100と通信する。端末500は、例えば所定のアプリケーションなどを介して勤務予定地の情報を判定装置100に送信する。登録部105は、端末500から送信された勤務予定地の情報を受信し、勤務予定地を勤務予定地情報191として記憶部190に記憶する。
【0053】
図6は、勤務予定地情報191の一例を示す図である。図6に示されるように、勤務予定地情報191は、例えば、勤務予定地ID、勤務予定地名、及び勤務予定地の位置情報を対応付けたものである。勤務予定地IDは勤務予定地を識別する情報である。勤務予定地名は、勤務予定地の名称である。勤務予定地の位置情報は、勤務予定地の経度及び緯度を示す情報でもよいし、勤務予定地の住所などであってもよい。なお、勤務予定地情報191は、ユーザの勤務予定日時などの情報をさらに含んでもよい。
【0054】
図5に戻り説明を続ける。
走行情報取得部110は、上述した走行情報取得部11の一例である。走行情報取得部110は、車両50の走行情報を走行情報検出部115から取得する。走行情報は、車両50が走行しているか否かを示す情報を含み得る。走行情報検出部115は、走行情報を検出するセンサである。走行情報取得部110は、走行情報検出部115から取得した走行情報を判定部140に出力する。
【0055】
走行情報は、例えば、エンジン回転数、車速、加速度、角速度、ステアリングの舵角、アクセルペダルの操作量、又はブレーキペダルの操作量などであってよい。走行情報検出部115は、これらの走行情報を検出することが可能な、タコメータ、車速センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、ハンドル角センサ、アクセルペダルセンサ、又はブレーキペダルセンサなどである。また、例えば、車両50の周囲を撮影するカメラで取得された撮影画像から走行情報を検出するようにしてもよい。カメラは、ドライブレコーダなどのカメラが用いられ得る。
【0056】
なお、走行情報及び走行情報検出部115は、上述したものに限られない。走行情報は、車両50が走行中であるか否かの判定に用いることが可能な情報であればどのようなものでもよく、走行情報検出部115は、その情報を検出可能なセンサであればよい。本実施形態では、走行情報の一例として車両50のエンジン回転数を用いて説明を行う。走行情報検出部115は、エンジン回転数を検出可能なタコメータである。
【0057】
なお、図5では、判定装置100の外部に走行情報検出部115を備える構成を示しているが、走行情報検出部115は判定装置100の内部に備えられてもよい。例えば、車両50に搭載されているタコメータが本開示にかかる判定装置100の機能を備えるように構成することで、判定装置100を実現することができる。
【0058】
位置情報取得部120は、上述した位置情報取得部12の一例である。位置情報取得部120は、ユーザの位置情報を装着装置300から取得し、日時情報などと対応付けて、位置情報192として記憶部190に記憶する。位置情報取得部120は、所定の時間間隔で装着装置300から位置情報を常時取得してもよい。また位置情報取得部120は、車両50が停止したことや、ユーザが車外に出たことを検出して位置情報を取得するなどしてもよい。
【0059】
図7は、位置情報192の一例を示す図である。図7に示されるように、位置情報192は、例えば、位置ID、日時、位置情報、及び場所を対応付けたものである。位置IDは位置情報を識別する情報である。日時は、例えば位置情報が検出された日時を示す情報である。位置情報は、装着装置300から取得された位置情報であり、例えば経度及び緯度の情報や住所などで表される。場所は、位置情報に対応する場所の名称などを示す情報である。場所は、位置情報に基づいて、図示しないテーブル等を参照することで特定されてよい。
【0060】
図5に戻り説明を続ける。
動作情報取得部130は、上述した動作情報取得部13の一例である。動作情報取得部130は、ユーザの動作を示す動作情報を装着装置300から取得し、日時情報などと対応付けて、動作情報193として記憶部190に記憶する。位置情報取得部120と同様に、動作情報取得部130は、所定の時間間隔で装着装置300から動作情報を常時取得してもよい。また動作情報取得部130は、車両50が停止したことや、ユーザが車外に出たことを検出して動作情報を取得するなどしてもよい。動作情報取得部130は、位置情報と同じタイミングで動作情報を取得してもよいし、位置情報と異なるタイミングで動作情報を取得してもよい。
【0061】
図8は、動作情報193の一例を示す図である。図8に示されるように、動作情報193は、例えば、動作ID、日時、動作情報、及び動作内容を対応付けたものである。動作IDは動作情報を識別する情報である。日時は、例えば動作情報が検出された日時を示す情報である。動作情報は、装着装置300から取得された動作情報である。ここでは、動作情報の一例として加速度を用いている。動作内容は、動作情報に対応する動作の内容を示す情報である。詳細については後述する。動作情報193は、動作が検出された位置の位置情報192と対応付けられて記憶部190に記憶されてもよい。
【0062】
図5に戻り説明を続ける。
判定部140は、上述した判定部14の一例である。判定部140は、取得された走行情報、位置情報、及び動作情報のうちの1つ以上を用いてユーザの勤務状態を判定する。
【0063】
判定部140は、走行情報に基づいて、車両50が走行しているか否かを判定する。例えば、判定部140は、走行情報が示すエンジン回転数が所定の閾値以上である場合、車両50が走行していると判定し、閾値未満の場合は車両50が停止していると判定する。車両50が走行していると判定した場合、判定部140は、ユーザが勤務中であると判定する。したがって、ユーザが車両50を運転している間は、判定部140はユーザが勤務中であると判定する。なお、車両50に複数の搭乗者がいる場合、判定部140は、運転者以外の者について上述の判定とは異なる判定を行ってもよい。
【0064】
判定部140は、車両50が停止していると判定した場合、位置情報及び動作情報に基づいて、ユーザの勤務状態を判定する。まず、判定部140は、勤務予定地情報191を参照し、位置情報が、予め登録された勤務予定地を示すか否かを判定する。判定部140は、例えば、位置情報と勤務予定地との間の距離を算出し、所定の閾値以下である場合に位置情報が勤務予定地を示すと判定する。位置情報が予め登録された勤務予定地以外を示す場合、判定部140は、ユーザが休憩中であると判定する。
【0065】
例えば、ユーザが車両50を停止させ、車両50を出てコンビニエンスストアに移動したとする。まず、判定部140は、走行情報に基づいて車両50が停止していると判定する。次に、判定部140は、位置情報に基づいて、ユーザの現在位置が予め登録された勤務予定地を示すか否かを判定する。コンビニエンスストアが勤務予定地情報191に登録されていない場合、判定部140は、ユーザが休憩中であると判定する。このようにすることで、ユーザが勤務予定でないコンビニエンスストアやサービスエリアなどにいる場合、判定部140はユーザが休憩中であることを判定することができる。
【0066】
また、位置情報が予め登録された勤務予定地を示す場合、判定部140は、動作情報がユーザの勤務に関する勤務動作を示すか否かを判別し、判別結果に基づいて勤務状態を判定する。勤務動作は、例えば、従業者であるユーザが、所属する法人等の業務に関連する作業を行っているときの動作である。本実施形態では、勤務動作は例えば、運転、荷積み作業、及び荷下ろし作業などである。勤務動作は、会議や打ち合わせなどにおける動作を含んでもよい。これらに限らず、勤務動作はユーザの業務内容などに応じて定義されてよい。また、ここでは、食事、仮眠、及び荷物待ちなどに対応する動作は勤務動作には含まれないものとする。
【0067】
例えば、コンビニエンスストアが勤務予定地情報191に登録されているとする。この場合、判定部140は、動作情報に基づいて、ユーザの勤務状態を判定する。判定部140は、取得された動作情報を解析し、動作情報が勤務動作を示すものであるか否かを判別する。本実施形態では、動作情報は加速度を含んでいる。判定部140は、加速度の変化に基づいて動作情報を解析し、当該動作情報が勤務動作を示すか否かを判別する。
【0068】
例えば、判定装置100は、装着装置300を用いて、予めユーザの勤務動作に関する動作パターンを検出し、ユーザの歩行時、荷積み時、及び荷下ろし時などの各動作における動作パターンをアルゴリズム化する。動作内容は、勤務状態を判定できるものであれば内容は限定されない。記憶部190は、動作情報に基づいて、ユーザの動作パターンを解析するための解析プログラム(不図示)を記憶する。動作パターンを解析するためのアルゴリズムには周知の技術が用いられてよい。また、動作パターンは、同様の業務を行う複数の者の平均的なパターンを求めてもよいし、ユーザごとに最適化されてもよい。
【0069】
判定部140は、上述の解析プログラムを用いて、動作情報を解析し、ユーザの動作内容を特定する。判定部140は、例えば、荷積み、荷下ろし、又は打ち合わせなどの動作内容を特定する。また判定部140は、動作内容に基づいて、当該動作が勤務動作を示すか否かを判別する。例えば、動作内容が荷積みであると特定された場合、判定部140は当該動作が勤務動作を示すと判別する。また、判定部140は、動作内容が歩行、買い物、又は食事などであると特定された場合、当該動作が勤務動作を示さないと判別する。
【0070】
このように、所定の動作パターンを用いて、動作情報が勤務動作を示すか否かを判別することで、判定部140は、勤務予定地においてユーザが勤務中であるか休憩中であるかを適切に判定することができる。例えば、勤務予定地が自社倉庫である場合に、ユーザが荷積みや荷下ろしなどの業務に関する作業を行っているのか、仮眠等で休憩しているのか、を判定部140において正しく判別することができる。
【0071】
また、例えば、休憩中にコンビニエンスストアで商品を棚から取る動作と、荷積みや荷下ろしなどの動作と、が動作情報において類似していたとする。上述したように、判定部140は、動作情報だけでなく位置情報を用いて判定を行うので、ユーザが勤務予定地にいるか否かを加味して勤務状態を適切に判定することができる。
【0072】
なお、判定部140は、動作パターンによらず、上記の判別を行ってもよい。例えば、判定部140は、所定の閾値以上の加速度を検出した場合に、当該動作情報が勤務動作を示すと判別してもよい。なお、記憶部190において、勤務動作を示す動作パターンと共に休憩動作を示す休憩パターンを記憶し、判定部140において判別に用いるようにしてもよい。
【0073】
判定部140は、判別結果に基づいて、ユーザの勤務状態を判定する。判定部140は、動作情報が勤務動作を示すと判別した場合、ユーザが勤務中であると判定し、そうでない場合、ユーザが休憩中であると判定する。
【0074】
なお、判定部140は、勤務状態に対応する日時情報に基づいて、勤務状態の継続時間を計算し、計算結果にさらに基づいて勤務時間を判定してもよい。判定部140は、勤務動作の継続時間が所定の閾値以上である場合に、その時間を勤務時間と判定し、勤務動作の継続時間が所定の閾値未満である場合は、その時間を休憩中であると判定する。
【0075】
例えば、判定部140が、時刻T1におけるユーザの勤務状態が勤務中であると判定し、その後の時刻T2におけるユーザの勤務状態が休憩中であると判定したとする。判定部140は、T2-T1の計算式により、ユーザが勤務中である状態が継続された時間tを算出する。判定部140は、tが所定の閾値(例えば、5分)未満である場合、T1においてはユーザが休憩中であったと判定する。
【0076】
このようにすることで、判定部140は、ユーザが、勤務動作と判別される動作をごく短い時間で行った場合、その時間を休憩時間として判定することができる。また上述したように、判定部140は、所定の閾値以上の加速度の検出を勤務動作の判別の条件とすることができる。したがって、判定装置100では、ユーザの僅かな動作により、休憩時間が勤務時間であると誤判定されることを防ぐことができる。これにより、判定装置100は休憩時間が実際より少なく記録されることを防ぐことができる。
【0077】
なお、判定部140は、勤務中及び休憩中のいずれかが判定できない場合があってもよい。このような場合、その時間が勤務又は休憩のいずれであったかの入力を表示装置等を介してユーザに促すようにしてもよい。また、複数の種別の動作情報が取得されている場合、判定部140は、取得された動作情報の一部又は全部を用いて、動作情報を判別してもよい。
【0078】
判定部140は、ユーザが勤務中又は休憩中であるとの勤務状態を判定した場合、判定結果と日時情報とを対応付けて、勤務時間情報194として記憶部190に記憶する。日時情報は、動作情報の検出日時などであってよい。判定部140は、所定の時間間隔で、繰り返し勤務状態を判定し、勤務時間情報194を記憶する。これにより、判定装置100はユーザの勤務時間に関する情報を自動的に記憶部190に蓄積することができる。
【0079】
図9は、勤務時間情報194の一例を示す図である。図9に示されるように、勤務時間情報194は、例えば、勤務時間ID、開始時刻、終了時刻、位置情報、内容、及び勤務状態を対応付けたものである。
【0080】
勤務時間IDは、勤務時間を識別する情報である。開始時刻及び終了時刻は、勤務状態に対応する時間の開始日時及び終了日時にそれぞれ対応する情報である。開始時刻及び終了時刻の詳細については後述する。なお、図9では年月日を省略し時刻のみを示している。位置情報は、位置情報取得部120において取得された位置情報である。内容は、勤務内容を示す情報である。内容は、判定部140において、走行情報、位置情報、及び動作情報のうち1つ以上を用いて判定されたものであってよい。勤務状態は、判定部140において判定された勤務状態に基づいて特定された情報である。
【0081】
ここで、開始時刻及び終了時刻について説明する。判定部140は、勤務状態の判定結果に基づいて、ユーザの休憩又は勤務の開始時刻及び終了時刻を算出する。判定部140は、勤務状態が変化した時刻に基づいて、これらの時刻を算出してよい。
【0082】
例えば、判定部140が時刻T10、T11、・・・、T20におけるユーザの勤務状態を判定したとする。判定部140は、T10~T15を勤務中と判定し、T16及びT17を休憩中と判定し、T18~T20を勤務中であると判定したとする。判定部140は、勤務状態が勤務中から休憩中へと変化したT16を、休憩時間の開始時刻として特定する。また、判定部140は、勤務状態が休憩中から勤務中へと変化する直前のT17、又は勤務状態が休憩中から勤務中へと変化した直後のT18を休憩時間の終了時刻として特定する。これに限らず、判定部140は、位置情報又は動作情報の取得頻度等に応じて、勤務又は休憩の開始時刻及び終了時刻を特定してよい。
【0083】
図5に戻り説明を続ける。
報知制御部150は、判定部140における判定結果に応じて、勤務状態に関する報知を行うように、報知部155を制御する。報知部155は、例えば、車両50に搭載された表示装置やスピーカなどである。または、報知部155は、ユーザや管理者が所有する情報端末などであってもよい。
【0084】
例えば、報知制御部150は、休憩時間が終了した場合、アルコールチェックを促すように報知部155を制御する。具体的には、例えば、判定部140において、走行情報、位置情報、及び動作情報のうち1つ以上の情報を用いて、休憩時間が終了したことを検出する。例えば、判定部140は、ユーザが車両50に戻ってきたことや車両50のエンジン始動などを検出して、休憩時間の終了を検出する。判定部140は、上述した休憩時間の終了時刻を用いて休憩時間の終了を検出してもよい。休憩時間が終了したと判定された場合、報知制御部150は、「走行開始前に、アルコールチェックを実施してください。」などの音声メッセージを出力するよう報知部155を制御する。
【0085】
通常、アルコールチェックは勤務開始前に実施されることが想定されるが、本実施形態では、判定部140がユーザの休憩時間を特定することができるので、休憩時間後、勤務を再開するタイミングにおいても実施を促すことができる。これにより、休憩時間中のユーザのアルコール摂取を防止し、事故を未然に防ぐことができる。
【0086】
また、報知制御部150は、ユーザの勤務時間が所定時間以上継続した場合、休憩を促すように報知部155を制御してもよい。具体的には、例えば、判定部140において、走行情報、位置情報、及び動作情報のうち1つ以上の情報を用いて、勤務時間の継続時間を算出する。報知制御部150は、勤務時間が所定の閾値以上、継続しているか否かを判定する。勤務時間が閾値以上継続している場合、報知制御部150は、勤務時間に関する報知を行うよう報知部155を制御する。報知制御部150は、例えば「勤務時間が○○時間以上連続となっています。休憩をとってください。」などの音声メッセージを出力するよう報知部155を制御する。
【0087】
走行情報のみに基づいてユーザの勤務時間を求めた場合、車両50の停止中の時間は勤務時間に含めることができない場合がある。そのため、走行情報のみに基づいて勤務時間を求めると、実際の勤務時間よりも少ない勤務時間が見積もられることとなり、ユーザに対して適切なタイミングで休憩を促すことができない。本実施形態では、判定部140は、車両50の停止中においても、ユーザが荷積みや荷下ろしなどの作業を行っていることを検出できるので、ユーザの勤務時間を適切に特定することができる。これにより、連続勤務が生じている場合に、ユーザに対して休憩をとることを促すことができる。したがって、長時間連続勤務による事故を未然に防止することができる。
【0088】
通信部170は、装着装置300との通信を行うための通信インタフェースである。170は、装着装置300と判定装置100とを無線通信で接続する。通信部170は、例えばBluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)などの無線規格を用いて装着装置300及び判定装置100が通信を行うように構成されてよい。また、通信部170は、図2に示すような管理者の端末500との通信を行うための通信インタフェースとしても機能する。
【0089】
記憶部190は、判定装置100における各種情報を記憶する記憶装置である。記憶部190は、勤務予定地情報191、位置情報192、動作情報193、及び勤務時間情報194を記憶する。記憶部190は、例えばSDカード等の不揮発性の記憶装置を備えていてもよい。SDカードに動作情報193や勤務時間情報194を記憶することで、無線通信を行うことなく端末500でこれらの情報を確認することができる。また、記憶部190は、判定装置100の各機能を実現するためのプログラムを記憶する。
【0090】
なお、図5に示される判定システム1000の構成は一例に過ぎない。判定システム1000は、複数の構成が集約された装置などを用いて構成されてもよい。例えば、判定装置100、走行情報検出部115、報知部155の機能が同一の装置に集約されていてもよい。また、例えば、判定装置100及び装着装置300における各機能部は、複数の装置などを用いて分散処理されてもよい。
【0091】
続いて、図10を参照して、本実施形態にかかる判定装置100が実行する処理を説明する。図10は、判定装置100が実行する処理を示すフローチャートである。なお、勤務予定地は、勤務予定地情報191として予め判定装置100に登録されているものとする。また、判定装置100は、位置情報及び動作情報を装着装置300からリアルタイムで取得し、それぞれ位置情報192及び動作情報193として記憶部190に記憶しているものとして説明を行う。
【0092】
走行情報取得部110は、走行情報検出部115からユーザの走行情報を取得し、車両50が走行中であるか否かを判定する(S101)。車両50が走行中であると判定された場合(S101のYES)、判定部140は、ユーザが勤務中であると判定し(S106)、次の処理に進む。
【0093】
ステップS101において車両50が走行中でないと判定された場合(S101のNO)、位置情報取得部120は、位置情報192を参照してユーザの位置情報を取得する(S102)。判定部140は、勤務予定地情報191を参照して、取得された位置情報と比較することで、位置情報が予め登録された勤務予定地を示すか否かを判定する(S103)。予め登録された勤務予定地を示さないと判定された場合(S103のNO)、判定部140はユーザが休憩中であると判定し(S110)、次の処理に進む。
【0094】
ステップS103において、取得された位置情報が予め登録された勤務予定地を示すと判定された場合(S103のYES)、動作情報取得部130は、動作情報193を参照してユーザの動作情報を取得する(S104)。判定部140は、動作情報がユーザの勤務に関する勤務動作を示すか否かを判別する(S105)。勤務動作は、例えば、荷積みや荷下ろしなどの業務に関する動作である。判定部140は、例えば、予め所定の動作パターンを用いて当該判別を行う。
【0095】
ユーザの動作情報が勤務動作を示さないと判別した場合(S105のNO)、判定部140はユーザが休憩中であると判定し(S110)、次の処理に進む。ユーザの動作情報が勤務動作を示すと判別した場合(S105のYES)、判定部140は、ユーザが勤務中であると判定し(S106)、次の処理に進む。
【0096】
記憶部190は、判定部140において判定された勤務状態を、勤務時間情報194として記憶する(S107)。判定部140は、勤務状態が継続した時間を算出し、休憩又は勤務の開始時刻及び終了時刻を特定してもよい。例えば、判定部140は、勤務動作が所定時間以上継続した場合に、当該時間を勤務時間として記憶するようにしてもよい。
【0097】
なお、上述したように、報知制御部150は、判定部140の判定結果に応じて、勤務状態に関する報知を行うように報知部155を制御してもよい。報知制御部150は、例えば、休憩時間終了後のアルコールチェックや長時間勤務に対する報知を行うよう報知部155を制御する。また、判定装置100は、勤務時間情報194を管理者の端末500などに任意のタイミングで送信してもよい。例えば、判定装置100は、ユーザの終業時刻後に、勤務日報として勤務時間情報194を送信する。
【0098】
以上説明したように、本実施形態にかかる判定システム1000では、車両50に搭載された判定装置100において、走行情報取得部110は車両の走行情報を取得する。また、位置情報取得部120及び動作情報取得部130は、車両に搭乗するユーザの位置情報及び動作情報を装着装置300からそれぞれ取得する。判定部140は、走行情報に基づいて車両が停止していることを判定すると、位置情報及び動作情報に基づいてユーザの勤務状態を判定する。
【0099】
判定部140は、位置情報が予め登録された勤務予定地以外を示す場合、ユーザが休憩中であると判定する。また、判定部140は、位置情報が予め登録された勤務予定地を示す場合、動作情報が、ユーザの勤務に関する動作を示すか否かを判別し、判別結果に基づいて勤務状態を判定する。
【0100】
装着装置300は、例えばユーザが着用する靴のインソールに設けられている。この場合、動作情報は、例えば、ユーザの歩行、荷積み、又は荷下ろしなどの動作に伴う加速度を含む。判定部140は、加速度の変化に基づいて、動作情報がユーザの勤務に関する勤務動作を示すか否かを判別し、判別結果に応じて勤務状態を判定する。判定部140は、判定した勤務状態が所定時間以上継続したか否かに応じて、さらに勤務状態を判定する。報知制御部150は、勤務状態に応じて、アルコールチェックの実施や休憩取得などのユーザの勤務状態に関する情報を報知するよう報知部155を制御する。
【0101】
このように、判定システム1000では、ユーザが車内にいる間の情報(走行情報)だけでなく、ユーザが車外にいる間の情報(位置情報及び動作情報)を取得し、勤務状態の判定に用いることができる。
【0102】
そのため、ユーザが勤怠管理のために手書きで休憩時間の申告を行うことなく、判定システム1000において自動的に休憩時間を算出することができる。ユーザの管理者等は、車両の運転者や同乗者の勤務時間を自動的に、かつ正確に把握することができる。これにより、作業効率化によるコストダウンや正確な勤務管理により、長時間勤務による事故を防止する効果が見込まれる。
【0103】
<実施形態3>
続いて、実施形態3にかかる判定システム1000aについて説明する。実施形態2にかかる判定システム1000では、判定装置100が車両50に搭載される例を用いて説明を行った。本実施形態にかかる判定システム1000aは、判定装置100が車両50の外部に設けられる例を示すものである。
【0104】
判定システム1000aの構成を簡易的に示すブロック図は、図4と同様であるので図示を省略する。本実施形態では、図4に示される判定システム1000を判定システム1000aに、判定装置100を判定装置100aに、ネットワークNをネットワークN1に読み替えて説明を行う。また、実施形態2の判定システム1000と重複する部分については適宜説明を省略する。
【0105】
判定システム1000aは、判定装置100aと装着装置300とを備えている。判定装置100aは、実施形態1で述べた判定装置10の一例である。判定装置100a及び装着装置300はネットワークN1を介して通信する。ネットワークN1は、有線であっても無線であってもよい。
【0106】
続いて、図11を参照して本実施形態にかかる判定システム1000aの構成について詳細に説明する。図11は、判定システム1000aの詳細な構成を示すブロック図である。判定システム1000aは、車両50に搭載された車載装置51と、ユーザが装着する装着装置300と、判定装置100aと、を備えている。
【0107】
判定装置100aと装着装置300とは、ネットワークN1を介して通信可能である。また、車載装置51と判定装置100aとは、ネットワークN2を介して通信可能である。ネットワークN1及びN2は、有線であっても無線であってもよい。
【0108】
実施形態2の判定装置100と異なり、本実施形態の判定装置100aは、車両50に搭載されていない。判定装置100aは、例えば、任意のサーバであってよい。また、判定装置100aは、例えば図2に示す管理者の端末500であってもよい。
【0109】
実施形態2では、車両50内に設けられた判定装置100が装着装置300から位置情報及び動作情報を受信し、車両50内の走行情報検出部115から取得される走行情報と共にこれらの情報を用いてユーザの勤務状態を判定した。
【0110】
本実施形態では、装着装置300と、車両50に搭載された車載装置51とが、それぞれ所定の情報を判定装置100aに送信する。具体的には、装着装置300は、位置情報検出部310及び動作情報検出部320で位置情報及び動作情報をそれぞれ取得し、ネットワークN1を介して位置情報及び動作情報を判定装置100aに送信する。装着装置300において、通信部370は判定装置100aとの通信インタフェースとして機能する。
【0111】
車載装置51は、車両50に搭載された情報処理装置である。車載装置51は、報知部155及び通信部170を備えている。報知部155は、例えば表示装置やスピーカなどである。または、報知部155は、ユーザや管理者が所有する情報端末などであってもよい。
【0112】
通信部170は、判定装置100aとの通信を行うための通信インタフェースである。車載装置51は、走行情報検出部115で検出された走行情報を取得し、ネットワークN2を介して判定装置100aに送信する。なお、走行情報検出部115は、車載装置51の内部に備えられてもよい。
【0113】
判定装置100aにおいて、走行情報取得部110は、車載装置51から送信された走行情報を取得する。位置情報取得部120は、装着装置300から送信された位置情報を取得する。動作情報取得部130は、装着装置300から送信された動作情報を取得する。
【0114】
判定部140において、走行情報、位置情報、及び動作情報のうち1つ以上の情報に基づいて、ユーザの勤務状態を判定する。判定部140における勤務状態の判定については、実施形態2と同様であるので詳細な説明を省略する。また、図11に示す判定装置100aのその他の各機能部は、図5に示す判定装置100の各機能部と対応するものであるので、詳細な説明を省略する。
【0115】
なお、報知制御部150は、休憩時間後のアルコールチェックの実施や、勤務が長時間継続している場合に休憩をとるように促す報知を報知部155で行うように、車載装置51に対して制御信号を送信してもよい。例えば、報知制御部150は、報知部155で報知に関する音声メッセージを出力するように、車載装置51に対して制御信号を送信する。
【0116】
報知制御部150は、各種情報を装着装置300及び車載装置51から取得する頻度等に応じて、報知のタイミングを適宜変更してもよい。例えば、各種情報を取得する時間間隔が所定時間以上である場合、判定部140はリアルタイムで休憩時間を特定できない場合がある。よって、報知制御部150は休憩時間の途中に当該報知を行うように報知を制御してもよい。
【0117】
以上説明したように、本実施形態にかかる判定システム1000aによれば、実施形態2と同様の効果を奏することができる。
【0118】
<ハードウエアの構成例>
判定システム1000又は判定システム1000aが備える判定装置100、判定装置100a、装着装置300、及び車載装置51などの各機能構成部は、各機能構成部を実現するハードウエア(例:ハードワイヤードされた電子回路など)で実現されてもよいし、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせ(例:電子回路とそれを制御するプログラムの組み合わせなど)で実現されてもよい。以下、判定装置100等の各機能構成部がハードウエアとソフトウエアとの組み合わせで実現される場合について説明する。
【0119】
図12は、判定装置100等を実現するコンピュータ900のハードウエア構成を例示するブロック図である。コンピュータ900は、判定装置100等を実現するために設計された専用のコンピュータであってもよいし、汎用のコンピュータであってもよい。コンピュータ900は、スマートフォンやタブレット端末などといった可搬型のコンピュータであってもよい。
【0120】
例えば、コンピュータ900に対して所定のアプリケーションをインストールすることにより、コンピュータ900で、判定装置100等の各機能が実現される。上記アプリケーションは、判定装置100等の機能構成部を実現するためのプログラムで構成される。
【0121】
コンピュータ900は、バス902、プロセッサ904、メモリ906、ストレージデバイス908、入出力インタフェース910、及びネットワークインタフェース912を有する。バス902は、プロセッサ904、メモリ906、ストレージデバイス908、入出力インタフェース910、及びネットワークインタフェース912が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ904などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0122】
プロセッサ904は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又は FPGA(Field-Programmable Gate Array)などの種々のプロセッサである。メモリ906は、RAM(Random Access Memory)などを用いて実現される主記憶装置である。ストレージデバイス908は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又は ROM(Read Only Memory)などを用いて実現される補助記憶装置である。
【0123】
入出力インタフェース910は、コンピュータ900と入出力デバイスとを接続するためのインタフェースである。例えば入出力インタフェース910には、キーボードなどの入力装置や、ディスプレイ装置などの出力装置が接続される。
【0124】
ネットワークインタフェース912は、コンピュータ900をネットワークに接続するためのインタフェースである。このネットワークは、LAN(Local Area Network)であってもよいし、WAN(Wide Area Network)であってもよい。
【0125】
ストレージデバイス908は、判定装置100等の各機能構成部を実現するプログラム(前述したアプリケーションを実現するプログラム)を記憶している。プロセッサ904は、このプログラムをメモリ906に読み出して実行することで、判定装置100等の各機能構成部を実現する。
【0126】
プロセッサの各々は、アルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1又はそれ以上のプログラムを実行する。このプログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)又は実体のある記憶媒体(tangible storage medium)に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0127】
なお、本開示は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上述の説明では、判定部140は、車両50が停止中の場合であり、かつ位置情報が勤務予定地を示す場合に、ユーザの動作情報を用いて判定を行ったが、これに限られない。例えば、車両50が搭乗者の状況を監視するドライバモニタカメラを備えており、ドライバモニタカメラが車内におけるユーザの動作情報を取得してもよい。判定部140は、車内におけるユーザの動作情報を用いてユーザの勤務状態を判定する。例えば、判定部140は撮影画像から認識された動作情報を解析し、動作情報が勤務動作を示すか否かを判別する。これにより、判定部140はユーザの勤務状態を判定する。このようにすることで、例えばユーザが車内で仮眠をとっている場合などを休憩時間として判定することができる。
【0128】
また、上述の説明では、走行情報取得部110は走行情報検出部115から走行情報を取得したが、これに限られない。例えば、装着装置300で検出される位置情報に基づいてユーザの移動速度を検出し、車両が走行しているか否かを判定し、判定結果に基づいて走行情報を取得するようにしてもよい。または、走行情報取得部110は、アクセルペダルなどへの踏み込み時における動作情報に基づいて、ユーザが運転中であるか否かを判定し、判定結果に基づいて走行情報を取得するようにしてもよい。
【0129】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
車両の走行情報を取得する走行情報取得部と、
前記車両に搭乗するユーザの位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記ユーザの動作を示す動作情報を取得する動作情報取得部と、
前記ユーザの勤務状態を判定する判定部と、を備え、
前記判定部は、前記車両が停止している場合、前記位置情報及び前記動作情報に基づいて前記ユーザの勤務状態を判定する
判定装置。
(付記2)
前記判定部は、前記車両の停止中における前記位置情報が予め登録された勤務予定地以外を示す場合、前記ユーザが休憩中であると判定する
付記1に記載の判定装置。
(付記3)
前記判定部は、前記車両の停止中における前記位置情報が予め登録された勤務予定地を示す場合、前記動作情報が、前記ユーザの勤務に関する勤務動作を示すか否かを判別し、判別結果に基づいて前記勤務状態を判定する
付記1又は2に記載の判定装置。
(付記4)
前記動作情報は、前記ユーザの動作を示す加速度を含み、
前記判定部は、前記加速度の変化に基づいて、前記動作情報が前記勤務動作を示すか否かを判別する
付記3に記載の判定装置。
(付記5)
前記位置情報取得部及び前記動作情報取得部は、前記位置情報及び前記動作情報を、前記ユーザに装着された装着装置からそれぞれ取得する
付記1~4のいずれか1項に記載の判定装置。
(付記6)
前記装着装置は、前記ユーザが着用する靴のインソールとして設けられている
付記5に記載の判定装置。
(付記7)
前記判定部における判定結果に応じて、前記勤務状態に関する報知を行うように報知部を制御する報知制御部を更に備える
付記1~6のいずれか1項に記載の判定装置。
(付記8)
前記報知制御部は、休憩時間が終了した場合、アルコールチェックを促すように前記報知部を制御する
付記7に記載の判定装置。
(付記9)
前記報知制御部は、勤務時間が所定時間以上継続した場合、休憩を促すように前記報知部を制御する
付記7又は8に記載の判定装置。
(付記10)
前記判定部は、前記車両が走行している場合、前記ユーザが勤務中であると判定する
付記1~9のいずれか1項に記載の判定装置。
(付記11)
車両に搭乗するユーザに装着された、前記ユーザの位置情報及び動作情報を検出する装着装置と、
前記装着装置と通信する判定装置と、を備え、
前記判定装置は、
前記車両の走行情報を取得する走行情報取得部と、
前記位置情報を前記装着装置から取得する位置情報取得部と、
前記動作情報を前記装着装置から取得する動作情報取得部と、
前記ユーザの勤務状態を判定する判定部と、を備え、
前記判定部は、前記車両が停止している場合、前記位置情報及び前記動作情報に基づいて前記ユーザの勤務状態を判定する
判定システム。
(付記12)
前記判定部は、前記車両の停止中における前記位置情報が予め登録された勤務予定地以外を示す場合、前記ユーザが休憩中であると判定する
付記11に記載の判定システム。
(付記13)
車両の走行情報を取得する走行情報取得ステップと、
前記車両に搭乗するユーザの位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記ユーザの動作を示す動作情報を取得する動作情報取得ステップと、
前記ユーザの勤務状態を判定する判定ステップと、を備え、
前記判定ステップでは、前記車両が停止している場合、前記位置情報及び前記動作情報に基づいて前記ユーザの勤務状態が判定される
判定方法。
(付記14)
前記判定ステップでは、前記車両の停止中における前記位置情報が予め登録された勤務予定地以外を示す場合、前記ユーザが休憩中であると判定される
付記13に記載の判定方法。
(付記15)
車両の走行情報を取得する走行情報取得ステップと、
前記車両に搭乗するユーザの位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記ユーザの動作を示す動作情報を取得する動作情報取得ステップと、
前記ユーザの勤務状態を判定する判定ステップと、をコンピュータに実行させ、
前記判定ステップでは、前記車両が停止している場合、前記位置情報及び前記動作情報に基づいて前記ユーザの勤務状態が判定される
プログラム。
(付記16)
前記判定ステップでは、前記車両の停止中における前記位置情報が予め登録された勤務予定地以外を示す場合、前記ユーザが休憩中であると判定される
付記15に記載のプログラム。
【符号の説明】
【0130】
10、100、100a 判定装置
11 走行情報取得部
12 位置情報取得部
13 動作情報取得部
14 判定部
105 登録部
110 走行情報取得部
115 走行情報検出部
120 位置情報取得部
130 動作情報取得部
140 判定部
150 報知制御部
155 報知部
170 通信部
190 記憶部
191 勤務予定地情報
192 位置情報
193 動作情報
194 勤務時間情報
1000、1000a 判定システム
50 車両
51 車載装置
300 装着装置(ウェアラブルデバイス)
310 位置情報検出部
320 動作情報検出部
370 通信部
500 端末
500a 作業日報
900 コンピュータ
902 バス
904 プロセッサ
906 メモリ
908 ストレージデバイス
910 入出力インタフェース
912 ネットワークインタフェース
N、N1、N2 ネットワーク
U1 ユーザ
U2 管理者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12