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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111122
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】吸音機能付加器具及び吸音シート
(51)【国際特許分類】
   G10K 11/172 20060101AFI20230803BHJP
   G10K 11/16 20060101ALI20230803BHJP
   E04B 1/82 20060101ALI20230803BHJP
   E04B 1/86 20060101ALI20230803BHJP
【FI】
G10K11/172
G10K11/16 130
E04B1/82 M
E04B1/86 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022012789
(22)【出願日】2022-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】302060926
【氏名又は名称】株式会社フジタ
(74)【代理人】
【識別番号】100120592
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 崇裕
(74)【代理人】
【識別番号】100184712
【弁理士】
【氏名又は名称】扇原 梢伸
(74)【代理人】
【識別番号】100192223
【弁理士】
【氏名又は名称】加久田 典子
(72)【発明者】
【氏名】原澤 悠
【テーマコード(参考)】
2E001
5D061
【Fターム(参考)】
2E001DF04
2E001DF05
2E001GA24
2E001HD13
5D061AA06
5D061AA25
5D061BB02
5D061BB37
5D061DD01
(57)【要約】
【課題】吸音性能を有しつつ、より利便性を高める技術を提供する。
【解決手段】吸音機能付加器具100は、微細な開口102aが面内に分布して形成された微細穿孔板102と、吸音機能を付加する対象の平面状に展開されたシート材120に対し、微細穿孔板102を対向させた状態に保持することでシート材120との間に吸音空間を形成可能な端部補強材106及び中間補強材108と、これら端部補強材106及び中間補強材108により吸音空間を形成した状態で、微細穿孔板102をシート材120に連結させる紐110とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
微細な開口が面内に分布して形成された微細穿孔板と、
吸音機能を付加する対象の平面状に展開されたシート材に対し、前記微細穿孔板を対向させた状態に保持することで前記シート材との対向面間に吸音空間を形成可能な保持部材と、
前記保持部材により前記吸音空間を形成した状態で前記微細穿孔板を前記シート材に連結させる連結部材と
を備えた吸音機能付加器具。
【請求項2】
請求項1に記載の吸音機能付加器具において、
前記微細穿孔板は、
前記連結部材による連結を解除した状態で、前記シート材から脱離して前記保持部材とともに使用時の展開状態よりも縮小された回収状態に変形させることが可能であることを特徴とする吸音機能付加器具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の吸音機能付加器具において、
前記連結部材は、
建設現場に設置される足場に対し、前記シート材とともに前記微細穿孔板をさらに連結可能であることを特徴とする吸音機能付加器具。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の吸音機能付加器具において、
前記微細穿孔板は、
展開状態で前記シート材の外形寸法に合わせた矩形状をなす定尺品の単位で構成されており、
前記保持部材は、
前記微細穿孔板の長手方向の両端縁を幅方向の全域に渡って補強する一対の端部補強材と、
前記一対の端部補強材の間に所定間隔を置いて配置され、前記微細穿孔板を幅方向の全域に渡って補強する複数の中間補強材と
を含むことを特徴とする吸音機能付加器具。
【請求項5】
請求項4に記載の吸音機能付加器具において、
前記微細穿孔板の長手方向の両側縁に沿って配置され、前記端部補強材及び前記中間補強材により区画された前記吸音空間を幅方向の両端で閉塞する側面シート
をさらに備えた吸音機能付加器具。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の吸音機能付加器具において、
前記開口の直径が前記微細穿孔板の厚さと略一致することを特徴とする吸音機能付加器具。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の吸音機能付加器具において、
前記微細穿孔板は、
個々の開口の直径が1mm以下で、かつ前記微細穿孔板の厚さと同一であり、面内での開口率が0.5%~2.0%の範囲内に設定されていることを特徴とする吸音機能付加器具。
【請求項8】
平面状に展開して使用されるシート材と、
前記シート材と対向する面内に微細な開口が分布して形成された微細穿孔板と、
前記微細穿孔板と前記シート材とを対向状態に保持することで、互いの対向面間に吸音空間を形成する保持部材と
を備えた吸音シート。
【請求項9】
請求項8に記載の吸音シートにおいて、
建設現場に設置される足場に対し、前記シート材及び前記微細穿孔板を連結可能な連結部材
をさらに備えた吸音シート。
【請求項10】
請求項9に記載の吸音シートにおいて、
前記連結部材は、
前記保持部材により前記吸音空間を形成した状態で前記シート材と前記微細穿孔板とを連結可能であり、
前記シート材及び前記微細穿孔板は、
前記連結部材による連結を解除することで、互いに分離した状態でそれぞれを使用時の展開状態よりも縮小された回収状態に変形させることが可能であることを特徴とする吸音シート。
【請求項11】
請求項8から10のいずれかに記載の吸音シートにおいて、
前記シート材及び前記微細穿孔板は、
それぞれ展開状態で矩形状をなす定尺品の単位で構成されており、
前記保持部材は、
前記シート材及び前記微細穿孔板の少なくとも一方の長手方向の両端縁を幅方向の全域に渡って補強する一対の端部補強材と、
前記一対の端部補強材の間に所定間隔を置いて配置され、前記シート材及び前記微細穿孔板の少なくとも一方を幅方向の全域に渡って補強する複数の中間補強材と
を含むことを特徴とする吸音シート。
【請求項12】
請求項11に記載の吸音シートにおいて、
前記シート材及び前記微細穿孔板の長手方向の両側縁に沿って配置され、前記端部補強材及び前記中間補強材により区画された前記吸音空間を幅方向の両端で閉塞する側面シート
をさらに備えた吸音シート。
【請求項13】
請求項8から12のいずれかに記載の吸音シートにおいて、
前記開口の直径が前記微細穿孔板の厚さと略一致することを特徴とする吸音シート。
【請求項14】
請求項8から13のいずれかに記載の吸音シートにおいて、
前記微細穿孔板は、
個々の開口の直径が1mm以下で、かつ前記微細穿孔板の厚さと同一であり、面内での開口率が0.5%~2.0%の範囲内に設定されていることを特徴とする吸音機能付加器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、建設工事現場や工場等の騒音対策に適した吸音機能付加器具及び吸音シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建設工事現場等で一般的に用いられてきた1枚物の防音シートは、塩化ビニル等の質量によって遮音性能は有するものの、吸音能力が皆無であり、シートで囲った内部に騒音を閉じ込めているだけであるため、現場内では大きく音が反響して作業が行いづらく、特段に作業環境が向上するというわけではなかった。
【0003】
一方、防音シートに吸音能力を付与したものの先行技術として、複数の貫通孔が形成された容器状体を軟質の遮音シートに固定した構造のものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。この先行技術によれば、遮音シートに固定した容器状体が吸音効果を発揮するため、1枚物の防音シートだけで囲った場合と比較して、現場内での騒音レベルを低く抑えることができると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-197060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、先行技術の防音シートでは、容器状体の内部に吸音材(グラスウール等の多孔質材)が用いられているため、これらが水濡れや水没すると再使用できなくなることから、水気がある場所での使用が制限されるという問題がある。また、遮音シートに硬質の容器状体が固定されることで全体がパネル化された構造となるため、ある程度サイズが大きい状態での現場への搬入・設置・解体・搬出といった工程が煩雑となり、その都度大きな作業スペースと手間を要するという問題もある。さらに、仮設足場の骨組みを利用して設置する場合、防音シートの設置場所ではパネル構造物が内側に張り出して作業足場として使用できなくなるし、逆に設置場所以外では吸音性能が発揮できないという不具合が生じる。
【0006】
そこで本発明は、吸音性能を有しつつ、より利便性を高める技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の第1発明及び第2発明を採用する。なお、以下の括弧書きは参考例示等であり、本発明を何ら限定するものではない。
【0008】
〔第1発明〕
本発明は、第1発明として吸音機能付加器具を提供する。吸音機能付加器具は、微細穿孔板、保持部材及び連結部材を備える。微細穿孔板は、微細な開口が面内に分布して形成された板状体(例えば樹脂板、シート部材)であり、好ましくは開口の大きさ(直径)が厚みと略一致する。保持部材は、吸音機能を付加する対象の平面状のシート材に対し、微細穿孔板を対向させた状態に保持することで、シート材との対向面間に吸音空間を形成することが可能である。そして連結部材は、保持部材により吸音空間を形成した状態で、微細穿孔板をシート材に連結させるものである。
【0009】
第1発明の吸音機能付加器具によれば、例えば既存の防音シート等を対象のシート材として、これに吸音機能を容易に付加することができ、全体として吸音構造体を構成することができる。これにより、建設工事現場等を囲ったシート材の内部において音の反響が抑えられ、作業環境を改善することができる。また、グラスウール等の多孔質材を用いていないので、水回りの場所や屋外であっても気にせず使用することができる。また、平面状(1枚物)のシート材に微細穿孔板(軟質薄板)を連結した形態であり、全体としてシート状であるため、パネル化された構造物と違って簡単に搬入・設置・解体・搬出といった作業を行うことができる。
【0010】
第1発明において微細穿孔板は、それ単体でも吸音能力を有するものを用いることができる。このため、対象となるシート材との間に十分な吸音空間が形成されていなくても、微細穿孔板それ自体の吸音効果によって性能を発揮することができる。
【0011】
また、第1発明において微細穿孔板は、連結部材による連結を解除した状態で、シート材から離脱して保持部材とともに回収状態に変形させることが可能であり、回収状態では、使用時の展開状態よりも縮小(コンパクト化)されることになる。このため、パネル化された構造物とは違って省スペースであり、簡単に搬入・設置・解体・搬出等の作業を行うことができる。
【0012】
さらに第1発明において、連結部材は、建設現場(工事現場)に設置される足場に対し、シート材とともに微細穿孔板を連結可能である。したがって、既存の防音シート等を対象のシート材とする場合、シート材とともに足場の筋交いの外側に吸音機能付加器具を設置することができるため、特に足場の内側に張り出すことがなく、足場の移動スペースを確実に有効活用することができる。
【0013】
〔第2発明〕
本発明は、第2発明として吸音シートを提供する。吸音シートは、シート材、微細穿孔板及び保持部材を備える。シート材は、平面状に展開して使用されるものである。微細穿孔板は、シート材と対向する面内に微細な開口が分布して形成された板状体(例えば樹脂板、シート部材)であり、好ましくは開口の大きさ(直径)が厚みと略一致する。そして、保持部材は、微細穿孔板とシート材とを対向状態に保持することで、互いの対向面間に吸音空間を形成する。
【0014】
第2発明の吸音シートによれば、例えば、建設工事現場等を囲った吸音シートの内部において音の反響が抑えられ、作業環境を改善することができる。また、グラスウール等の多孔質材を用いていないので、水回りの場所であっても気にせず使用することができる。また、平面状(1枚物)のシート材と微細穿孔板(軟質薄板)とを対向させた形態であり、全体としてもシート状であるため、パネル化された構造物と違って簡単に搬入・設置・解体・搬出といった作業を行うことができる。
【0015】
第2発明において微細穿孔板は、それ単体でも吸音能力を有するものを用いることができる。このため、微細穿孔板とシート材との間の吸音空間の形成に不備があったとしても、微細穿孔板それ自体の吸音効果によって性能を発揮することができる。
【0016】
また、第2発明の吸音シートは、建設現場に設置される足場に対し、シート材及び微細穿孔板(保持部材を含めてもよい)を連結可能な連結部材をさらに備えることができる。これにより、建設現場において、仮設足場を支えとして吸音シートを容易に設置することができる。また、足場の筋交いの外側に設置することができるため、特に足場の内側に吸音シートが張り出すことがなく、足場の移動スペースを確実に有効活用することができる。
【0017】
また、第2発明の吸音シートが連結部材を備える場合、シート材及び微細穿孔板は、連結部材による連結を解除した状態で、互いに分離した状態でそれぞれを回収状態に変形させることが可能であり、回収状態では、使用時の展開状態よりも縮小(コンパクト化)されることになる。このため、パネル化された構造物とは違って省スペースであり、簡単に搬入・設置・解体・搬出等の作業を行うことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、吸音性能を有しつつ、より利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】一実施形態の吸音機能付加器具100の構成例を概略的に示す斜視図である。
図2】一実施形態の吸音機能付加器具100を用いた吸音シート200の構成例を概略的に示す図である。
図3】吸音機能付加器具100及び吸音シート200の使用形態例を示す図である。
図4】本実施形態の吸音シート200の吸音性能を垂直入射吸音率により評価した図である。
図5】吸音機能付加器具100の詳細な構造例を示す斜視図である。
図6】端部補強材106の寸法例を示した部分斜視図である。
図7】中間補強材108の配置例とともに寸法例を示した部分断面斜視図である。
図8】吸音機能付加器具100の連結構造例を示す部分斜視図である。
図9】吸音機能付加器具100の紐110による連結状態を示した斜視図である。
図10】吸音シート200の吊り下げ構造例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。以下の実施形態では、吸音機能付加器具及び吸音シートの好適な一例を挙げているが、本発明の形態は例示のものに限らない。
【0021】
図1は、一実施形態の吸音機能付加器具100の構成例を概略的に示す斜視図である。吸音機能付加器具100は、吸音機能を付加する対象となるシート材120に連結して用いることが可能であり、本実施形態では、吸音機能付加器具100がシート材120に連結された状態で、シート材120とともに吸音シート200を構成することができる。
【0022】
〔微細穿孔板〕
吸音機能付加器具100は、微細穿孔板102を備えており、微細穿孔板102は、例えば厚さ1mm以下の板又はシートに、板厚と同程度の直径を有する円形の微細な開口102aが1%程度の開口率で面内に分布して形成されたものである。また、微細穿孔板102は、一般にMPP(Microperforated Panel Absorber:微細穿孔板吸音体)と英語表記されるものであり、それ単体で吸音性能を有したものである。微細穿孔板102は、例えば軟質MPPシートであり、使用時には平面状に展開されているが、使用時以外には折り畳んだり、丸めたりしてコンパクト(展開状態よりも置き場所をとらない回収状態)に変形させることができるものとする。
【0023】
吸音機能付加器具100は、その微細穿孔板102をシート材120のような対象物との間に空気層を形成した状態に対向して配置すると、空気層が吸音空間112(図2(B)参照。)となり、全体が吸音構造体、つまり吸音シート200となる。本実施形態では、シート材120を吸音構造体の一部として用いるため、微細穿孔板102はシート材120の外形(矩形状)及び寸法に対応させた大きさの矩形状となっているが、本発明はこれに限られない。
【0024】
〔シート材〕
シート材120は、例えば建設工事現場等で用いられる既存の防音シート(塩化ビニル製シート)を用いることができるが、これに限られず、専用のシート材120を用意してもよい。いずれにしても、シート材120は平面状に展開した状態で用いられるものであるが、折り畳んだり、丸めたりしてコンパクトに変形させることができる材質であることが好ましい。
【0025】
〔保持部材〕
吸音機能付加器具100は、複数の保持部材として、例えば端部補強材106及び中間補強材108を備える。これら端部補強材106及び中間補強材108により、軟質で平板なシート状の微細穿孔板102をシート材120に対向させた状態で保持することができる。端部補強材106及び中間補強材108には、例えば硬質シートを用いることができ、微細穿孔板102をシート材120に対向させた状態に保持した状態で、端部補強材106及び中間補強材108は変形(座屈や降伏)しない程度の剛性を有している。なお、端部補強材106や中間補強材108には硬質MPPシートを用いてもよい。
【0026】
〔端部補強材〕
端部補強材106は、微細穿孔板102の長手方向で一対をなし、それぞれが微細穿孔板102の長手方向の両端縁を幅方向の全域に渡って補強している。端部補強材106は、微細穿孔板102の幅方向寸法と同程度の長さを有した帯状をなしており、使用状態では微細穿孔板102に対して垂直な姿勢で配置される。
【0027】
〔中間補強材〕
中間補強材108は、一対の端部補強材106の間に所定間隔を置いて複数配置されており、これら中間補強材108は、微細穿孔板102を幅方向の全域に渡って補強している。中間補強材108もまた、微細穿孔板102の幅方向寸法と同程度の長さを有した帯状をなしており、使用状態では微細穿孔板102に対して垂直な姿勢で配置される。
【0028】
〔側面シート〕
また、吸音機能付加器具100は、微細穿孔板102の幅方向で一対をなす側面シート104を備える。これら側面シート104は、微細穿孔板102の両側縁に沿って配置されることで、使用時に形成される空気層、つまり微細穿孔板102とシート材120との間の吸音空間112を幅方向の両端で閉塞する。このとき吸音空間112は、微細穿孔板102に対して全体として1つの空間ではなく、端部補強材106及び中間補強材108によって複数に区画(分割)されている。なお、側面シート104は、微細穿孔板102の長手方向寸法と同程度の長さを有した帯状をなしており、使用状態では微細穿孔板102に対して垂直な姿勢で配置される。
【0029】
なお、微細穿孔板102と端部補強材106とは容易に分離しない状態で相互に連結(接着)されているが、粘着テープにより接着してもよい。この結果、使用時以外には、端部補強材106を微細穿孔板102と平行に折り畳んだり、長手方向に広げて展開したりすることができる連結構造とすることができる。また、微細穿孔板102と中間補強材108についても容易に分離しない状態で相互に連結(接着)されているが、使用時以外には、中間補強材108を微細穿孔板102と平行に折り畳むことができる連結構造(同上)とすることができる。側面シート104についても、微細穿孔板102とは容易に分離しない状態で相互に連結(接着)されているが、使用時以外には、側面シート104を微細穿孔板102と平行に折り畳んだり、あるいは幅方向に広げて展開したりできる連結構造(同上)とすることができる。
【0030】
〔連結部材〕
吸音機能付加器具100は、連結部材として例えば複数本の紐110を備えている。紐110は、基端(一端)が微細穿孔板102の周縁又は微細穿孔板102と端部補強材106との連結部分に固定されており、微細穿孔板102の幅方向及び長手方向に間隔を置いて複数箇所に配置されている。本実施形態では、例えば微細穿孔板102の各頂点の位置と、幅方向の中間1箇所、長手方向の中間2箇所に紐110が配置されているが、これ以外の配置であってもよいし、箇所数は多くてもよい。なお、図では煩雑さを避けるため、1箇所あたり1本の紐110だけが示されているが、紐110は1箇所あたり2本(又はそれ以上)配置されている。
【0031】
〔吸音シート〕
図2は、一実施形態の吸音機能付加器具100を用いた吸音シート200の構成例を概略的に示す図である。このうち、図2中(A)が斜視図であり、図2中(B)が垂直断面図(B-B断面図)である。
【0032】
図2中(A):本実施形態では、吸音機能付加器具100が備える紐110の自由端部をシート材120に括り付けることで、微細穿孔板102とシート材120とを連結させることができ、この状態で吸音シート200が構成される。
【0033】
図2中(B):このとき、端部補強材106及び中間補強材108が微細穿孔板102及びシート材120に対して垂直な姿勢を保持することで、微細穿孔板102とシート材120との間には吸音空間112が形成された状態となる。なお、ここでは端部補強材106や中間補強材108の姿勢を微細穿孔板102及びシート材120に対して垂直としたが、実際の角度は厳密でなくてもよい。
【0034】
〔吸音空間〕
図2中(B)に示されているように、吸音空間112は、微細穿孔板102とシート材120との間の空気層で形成される。吸音シート200の使用形態において、微細穿孔板102側を音源側(現場内側)とすると、吸音空間112は、音源側が多数の開口102aを通じて開放されており、その反対側(現場外側)がシート材120によって閉塞されている。吸音空間112は、長手方向では端部補強材106と中間補強材108により、又は中間補強材108同士によって区画されている。また、上記のように吸音空間112は、幅方向の両端では側面シート104によって閉塞されている。
【0035】
〔使用形態例〕
図3は、吸音機能付加器具100及び吸音シート200の使用形態例を示す図である。このうち図3中(A)が斜視図であり、図3中(B)が使用形態における吸音構造の説明に用いる断面図である。
【0036】
図3中(A):吸音シート200は、例えば高さ方向及び水平方向に複数並べて配置することで、建設工事現場等を取り囲むようにして使用することができる。ここでは図示を省略しているが、本実施形態では、上記の紐110を用いて図示しない仮設足場に吸音シート200を吊り下げることができるので、吸音シート200そのものが自立可能な構造である必要はない。なお、吸音シート200の吊り下げ構造についてはさらに後述する。
【0037】
〔吸音構造〕
図3中(B):吸音シート200は、騒音等が微細穿孔板102の開口102aを通過する際に吸音を行い、さらにその先の吸音空間112(空気層)において共鳴させて吸音する構造を有している。このような吸音構造とした場合、吸音範囲は選択的であるが、本実施形態では、例として2オクターブ程度の広い音域を対象とすることができる。すなわち、微細穿孔板102自体の正規化音響インピーダンスzは、最もよく知られているMaaの理論によれば次式で表される。
【数1】
【0038】
これと背後の空気層(背後壁は剛壁とする)のインピーダンスから、吸音体の斜入射吸音率αθは次式となる。
【数2】
上式において、
である。
【0039】
〔吸音性能評価〕
図4は、本実施形態の吸音シート200の吸音性能を垂直入射吸音率により評価した図である。ここでは、微細穿孔板102に対して垂直方向から音が入射した場合の音源周波数に対する吸音率(上式のαθ)の測定結果を吸音特性R1で示す。また、比較検証のため4つの比較例1~4についても同様の測定結果を吸音特性R2~R5で示している。なお、吸音率測定では本実施形態を以下の構成とし、比較例1~4には以下の構成を用いた。なお、MPPには塩化ビニル板を用いることとする。
本実施形態:MPP 0.5mm+空気層厚50mm
比較例1 :MPPなし、グラスウール10mm+空気層厚40mm
比較例2 :MPP 0.5mm+グラスウール10mm+空気層厚40mm
比較例3 :MPPなし、孔あき吸音板
比較例4 :MPPなし、孔あき吸音板+グラスウール(特許文献1の構造)
【0040】
図4の測定結果から、以下のことが明らかとなっている。
(1)グラスウールのような多孔質材を用いなくても、本実施形態の吸音特性R1は、概ね250~1000Hzの周波数域で他の比較例1~4の吸音特性R2~R5よりも高い吸音率を発揮することができる(一部の周波数域では比較例2,5と拮抗する。)。
(2)人の発する声の周波数域(例えば400~600Hz)では、特に本実施形態の吸音特性R1も十分に高い吸音率を発揮している。これは、本実施形態の吸音シート200で工事現場を囲った場合、現場内で作業者が発する指示や会話の声が高い効率で吸音されて外部に声が漏れにくくなり、かつ、現場内の作業環境も向上することを意味している。
(3)MPPを用いない比較例1の吸音特性R2では、低周波数域から高周波数域に向けて吸音率が上昇していき、約1000Hz以上では他より高い吸音率となるものの、それ以下の低周波数域での吸音率が本実施形態より低い。このため、比較例1の吸音構造で現場を囲った場合、特に人の声が現場内で反響しやすく、作業環境の向上には繋がりにくい。
(4)MPP+グラスウールを用いた比較例2の吸音特性R3では、約400~500Hzの周波数域での吸音率が本実施形態の吸音特性R1に拮抗している。
(5)このことから本実施形態の吸音特性R1では、吸音材として幅広く利用されるグラスウールを用いた比較例2と遜色ない、もしくはより高い吸音率を発揮している。本実施形態の吸音特性R1ではグラスウールを用いていないため、水回りの場所や屋外の建設工事現場等での使用条件を十分に満足していると言える。
(6)MPPを用いない孔空き吸音板だけの比較例3の吸音特性R4では、一部500Hz近傍の周波数域で比較例1の吸音特性R2を上回るが、その他の周波数域で全体的に吸音率が低くなっている。
(7)孔空き吸音板に多孔質材を付加した比較例4(特許文献1)の吸音特性R5についても、一部500Hz近傍の周波数域で本実施形態の吸音特性R1に拮抗するものの、その他の周波数域では全体的に本実施形態よりも低い吸音率となっている。すなわち、比較列4(特許文献1)のように多孔質材を用いなくても、本実施形態では十分な吸音率を確保することができている。
【0041】
〔詳細構造例〕
以上が本実施形態の概略説明であるが、以下、吸音機能付加器具100及び吸音シート200の詳細な構造例について説明する。
【0042】
図5は、吸音機能付加器具100の詳細な構造例を示す斜視図である。この構造例では、微細穿孔板102の外形寸法が図1の概要例とは異なっており、また、中間補強材108や紐110の設置数が異なっている。また、図5中一点鎖線の枠内に示したように、この例では吸音機能を付与する対象のシート材120を既存の防音シートとし、このような防音シートの外形寸法に合わせて微細穿孔板102の外形寸法が設定されている。
【0043】
〔微細穿孔板等寸法例〕
以下に寸法例を挙げるが、この寸法に限られるものではない。
シート材120(防音シート):長手寸法3550mm×幅寸法1910mm
微細穿孔板102 :長手寸法3502mm×幅寸法1862mm
中間補強材108の配置間隔 :280~300mm程度
微細穿孔板102は、上記の外形寸法を有する矩形状の定尺品の単位で構成し、既存の防音シート1枚毎に1枚の微細穿孔板102が適用される。
【0044】
なお、既存の防音シートを用いたシート材120には、通常その周縁部に沿って複数箇所にハトメ120aが設けられているので、ここではハトメ120aを利用して吸音機能付加器具100を紐110でシート材120と連結する構造としている。このため紐110は、微細穿孔板102の周縁に沿ってシート材120側のハトメ120aの位置に合わせて設置することとし、また、紐110の設置箇所に中間補強材108の両端が位置する配置としているが、設置箇所や数はこれに限られない。
【0045】
〔微細穿孔板諸元及び端部補強材等寸法例〕
図6は、微細穿孔板102の開口102aの配置例とともに端部補強材106の寸法例を示した部分斜視図である。ここでは、(1)微細穿孔板102、(2)端部補強材106、(3)側面シート104及び(4)紐110について、それぞれ以下の寸法例が設定されているが、これに限られない。
(1)微細穿孔板102は、厚さ0.5mm程度、開口102aの直径0.5mm程度であり、開口率1%程度で開口102aが正方配列されている。開口102aは正方配列されているがこれに限られず、開口率が確保できていればランダムに配置されてもよい。また、材質は塩化ビニルとすることができるが、これに限られない。
(2)端部補強材106は、高さ寸法H:50mm程度×厚さT:10mm程度、材質は塩化ビニル、プラスチック、金属等の耐水性及び強度が確保できるものとすることができるが、これに限られない。
(3)側面シート104は、高さ寸法H:50mm程度×厚さ0.5mm程度、材質は微細穿孔板102と同じものでもよいが、開口102aは不要とする。
(4)紐110は、長さ600mm程度、本数は2本以上が好ましいが、これに限られない。上記のように、紐110の基端は端部補強材106又は中間補強材108に強固に接着されているものとする。
【0046】
〔開口率の設定〕
ここで、微細穿孔板102の開口率については、さらに以下の範囲を適用することができる。
(1)開口102aの直径が1mm以下、かつ、微細穿孔板102の厚さと同一とする。したがって、開口102aの直径を例えば0.8mmとする場合、板厚も0.8mmとなる。
(2)上記のような開口102aの直径において、微細穿孔板102の開口率を0.5%~2.0%の範囲内に設定する。これは、開口率が0.5%未満であったり、2.0%超過であったりすると、図4の吸音特性R1に挙げたような吸音率が得られなくなるためである。したがって、本実施形態では開口率の下限を0.5%とし、上限を2.0%とする。
【0047】
〔中間補強材等寸法例〕
図7は、中間補強材108の配置例とともに寸法例を示した部分断面斜視図である。ここでは、以下の寸法例が設定されているが、これに限られない。
中間補強材108は、高さ寸法D:50mm程度×厚さ10mm程度、材質は塩化ビニル、プラスチック、金属等の耐水性及び強度が確保できるものとすることができるが、これに限られない。また、上記のように中間補強材108の配置間隔Sは280~300mm程度とすることができる。吸音空間112は、中間補強材108の高さ寸法Dと同じ50mm程度の厚さとなる。
【0048】
〔連結構造例〕
図8は、吸音機能付加器具100の連結構造例を示す部分斜視図である。上記のように、端部補強材106及び中間補強材108から延びている紐110をシート材120のハトメ120aに通して結び付けることで、吸音機能付加器具100(微細穿孔板102、端部補強材106及び中間補強材108)を連結することができる。図示していないが、紐110は1箇所あたり2本あることとしているため、そのうち1本を用いて連結すればよい。また、紐110は全周に渡って多数の箇所に設けられているため、ハトメ120aに結び付けることで十分な連結強度を発揮することができる。
【0049】
図9は、吸音機能付加器具100の紐110による連結状態を示した斜視図である。上記のように、微細穿孔板102の全周で多数の箇所で紐110を結び付けると、シート材120が縦横斜めに引っ張られるので、間に端部補強材106及び中間補強材108を介して微細穿孔板102とシート材120とが平面状に拡がり、互いに対向した状態で安定する。これにより、本実施形態の吸音機能付加器具100を用いた吸音シート200が完成し、建設工事現場等で吸音シート200を使用可能となる。
【0050】
〔吸音シート吊り下げ構造例〕
図10は、吸音シート200の吊り下げ構造例を示す図である。このうち図10中(A)が俯瞰的な斜視図であり、図10中(B)が斜視方向を変えた部分拡大図である。
【0051】
〔作業要領〕
図10中(A):この例では、建設工事現場等に仮設される足場の骨組みSK(単管パイプ等)を支えとして吸音シート200を吊り下げている。作業者は、足場板に立った状態で、紐110を用いて吸音シート200を骨組みSKに吊り下げていくことができる。このとき、シート材120に用いた既存の防音シートの外形寸法(例えば、3.5m×1.9m程度)が足場の骨組みSKの配置間隔や高さ間隔に合わせて設定されているので、既存の防音シートを吊り下げる作業と同じ要領で、本実施形態の吸音シート200を容易に吊り下げることができる。
【0052】
〔設置イメージ〕
図10中(B):吸音シート200は、例えば骨組みSKのフランジ部等に紐110を用いて吊り下げられている。このとき、微細穿孔板102を現場内側に向けられることで、現場内の騒音を吸音し、反響を抑えて作業環境を向上する。また、吸音シート200は足場の筋交いの外側に設置されており、内側には張り出さないので、足場の移動スペースを圧迫せず、作業者に妨げとならない。なお、図示しないその他の適宜位置で紐110が骨組みSKに結び付けられていてもよいし、上下左右で隣り合う吸音シート200同士が紐110で連結されていてもよい。
【0053】
〔搬入・設置・解体・搬出〕
図示していないが、本実施形態の吸音機能付加器具100やこれを用いた吸音シート200の搬入・設置・解体・搬出といった作業は以下の要領で行うことができる。
(1)搬入時は、例えば、吸音機能付加器具100とシート材120とが分離された状態で、それぞれコンパクトに折り畳んだり、丸めたりした回収状態で現場に搬入される。また、吸音機能付加器具100については、端部補強材106及び側面シート104を広げて展開するとともに、中間補強材108を微細穿孔板102に沿わせた状態とすることで、微細穿孔板102の長手方向に丸めた状態にすることができるので、搬入時に過度な設置スペースを必要としない。
(2)設置時は、例えば単体で平面状に展開させたシート材120に対し、同じく単体で平面状に展開させた微細穿孔板102を紐110で連結する。このとき、端部補強材106、中間補強材108及び側面シート104がそれぞれ、シート材120に対して垂直となるようにシート材120に吸音機能付加器具100を連結する。これにより、間に吸音空間112が形成されて吸音シート200が完成する。そして、上記の要領で足場に吊り下げることで、吸音シート200を機能させることができる。
(3)解体時は、紐110を解いて足場から吸音シート200を下ろしていき、設置時と逆の要領で吸音機能付加器具100とシート材120とに分離し、それぞれをコンパクトに折り畳んだり、丸めたりして回収状態に変形させていく。
(4)搬出時は、コンパクトに変形させた吸音機能付加器具100及びシート材120を運搬車等に積載し、元の管理場所(レンタル業者等)に移送する。
【0054】
以上のように、本実施形態によれば以下の有用性が得られる。
(1)吸音シート200に良好な吸音性能が備わっていることで、吸音シート200内において音の反響が抑えられ、作業環境が改善される。
(2)グラスウール等の多孔質材を用いないので、水回りでも使用することができ、条件を気にすることなく使用することができる。
(3)紐110を用いた吊り下げ構造により、足場の筋交いの外側に設置できるため、足場の移動スペースを100%に有効利用することができる。
(4)吸音シート200は、微細穿孔板102自体にも吸音能力があるため、部分的に、又は一時的に微細穿孔板102とシート材120との間に隙間が空いていても(間に理想的な吸音空間112が形成されていなくても)、全体として吸音能力を喪失することがない。
(5)使用時の展開状態からコンパクトな回収状態に変形可能であるため、パネル化された構造等と違い、簡単に搬入・設置・解体・搬出といった作業が行える。
【0055】
本発明は、上述した実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施可能である。例えば、一実施形態では吸音機能付加器具100とシート材120をセットで搬入・設置・解体・搬出することとしているが、建設工事現場において既存の防音シート等が別途手配(用意)されている場合、一実施形態の吸音機能付加器具100だけを適用し、現場で吸音機能付加器具100を別途用意したシート材に連結することで、一実施形態と同様の吸音シート200を構成することとしてもよい。
【0056】
一実施形態では、端部補強材106により微細穿孔板102の両端縁を幅方向に補強しているが、側面シート104に代えて両側端部に補強材を配置し、高さ方向(長手方向)に渡って補強してもよい。また、幅方向の中間補強材108に代えて高さ方向(長手方向)に渡って中間補強材を配置し、微細穿孔板102を補強してもよい。また、補強材同士の交わる個所に切れ目などを入れて折りたたむ構造等が可能であれば、微細穿孔板102の幅方向と高さ方向とで縦横に直交するように補強材を配置してもよい。
【0057】
一実施形態では空気層としているが、吸音空間112の空気層内にグラスウールを用いてもよい。これにより、MPPではカバーしきれない高い周波数域まで吸音することができる。
【0058】
一実施形態では、紐110を用いた連結構造や吊り下げ構造例を挙げているが、紐110以外の連結部材として、例えば金属ワイヤ、針金、結束バンド、棒状部材等のその他のものを用いることができる。
【0059】
また、シート材120にハトメ120aが形成されていなくてもよく、この場合は紐110をシート材120にクリップ留めしたり、逆にシート材120側にフックや紐等が設けられている場合は、フックに紐110を引っ掛けたり、紐に結び付けたりして連結することができる。
【0060】
一実施形態では、開口102aの形状を円形としているが、その他の形状としてもよい。また、開口102aの配置は、面内に過度な偏りがない程度でランダムに分布していてもよく、全て等ピッチで配置されている必要はない。
【0061】
その他、実施形態で挙げた各種の寸法はあくまで例示であり、これに限られないことは既に述べたとおりである。
【符号の説明】
【0062】
100 吸音機能付加器具
102 微細穿孔板
102a 開口
104 側面シート
106 端部補強材
108 中間補強材
110 紐
112 吸音空間
200 吸音シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10