(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111126
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】情報出力制御装置、情報出力制御方法及び情報出力制御用プログラム並びにデータ構造
(51)【国際特許分類】
G06F 16/332 20190101AFI20230803BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20230803BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20230803BHJP
B60K 35/00 20060101ALI20230803BHJP
【FI】
G06F16/332
G01C21/26 A
B60R16/02 640Z
B60K35/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022012795
(22)【出願日】2022-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(72)【発明者】
【氏名】倉持 敬太
(72)【発明者】
【氏名】飯澤 高志
(72)【発明者】
【氏名】山中 敦博
【テーマコード(参考)】
2F129
3D344
5B175
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129EE43
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF20
2F129HH12
3D344AA27
3D344AB01
3D344AD02
5B175DA01
5B175HA02
(57)【要約】
【課題】車両の搭乗者に上記既視感を抱かせることがないような、バリエーションに富んだ情報を当該搭乗者に提供することが可能な情報出力制御装置等を提供する。
【解決手段】車両の使用に応じて積算されることで変化する走行距離等の積算量を示す数値の現在値を取得する検出部1と、取得された現在値に関連する話題を示す話題データを取得するインターフェース2と、取得された話題データを車両において出力させる出力制御部3と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の使用に応じて積算されることで変化する積算量を示す数値の現在値を取得する現在値取得手段と、
前記取得された現在値に関連する話題を示す話題情報を取得する話題情報取得手段と、
前記取得された話題情報を前記移動体において出力させる出力制御手段と、
を備えることを特徴とする情報出力制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報出力制御装置において、
前記現在値取得手段は、一の前記移動体について、それぞれが異なる基準で積算される複数の前記積算量をそれぞれ示す複数の数値の現在値を取得し、
前記話題情報取得手段は、前記取得された各現在値のいずれかに関連する前記話題を示す前記話題情報を取得することを特徴とする情報出力制御装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の情報出力制御装置において、
出力済みの前記話題情報を識別する話題識別情報と、当該話題識別情報により識別される前記話題情報の最後の出力時を示す出力時情報と、を関連付けて記憶する記憶手段を更に備え、
前記出力制御手段は、前記記憶されている話題識別情報により識別される第1の話題情報の再出力を、前記第1の話題情報に関連付けて記憶されている前記出力時情報により示される最後の出力時から予め設定された期間禁止することを特徴とする情報出力制御装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報出力制御装置において、
前記現在値の桁数が予めされた閾値桁数を超えたとき、前記話題情報取得手段は、桁数が当該閾値桁数を超えた前記現在値における予め設定された下位の桁数分の値に関連する前記話題を示す前記話題情報を取得することを特徴とする情報出力制御装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報出力制御装置において、
前記出力制御手段は、前記話題情報以外の情報が前記移動体において予め設定された時間出力されなかった場合に、前記話題情報を前記移動体において出力させるように制御することを特徴とする情報出力制御装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の情報出力制御装置において、
前記移動体の搭乗者の会話を検出する会話検出手段を更に備え、
前記出力制御手段は、前記会話が検出されている間の前記話題情報の出力を禁止することを特徴とする情報出力制御装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の情報出力制御装置において、
前記話題情報取得手段は、前記取得された現在値に関連する前記話題を示す前記話題情報が取得できないとき、予め設定された定型内容を示す定型情報を取得し、
前記話題情報が取得できないとき、前記出力制御手段は、前記取得された定型情報を前記移動体において出力させることを特徴とする情報出力制御装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の情報出力制御装置において、
一の前記現在値に対応する話題として関連付けられた複数の前記話題情報それぞれの出力時を記憶する第2記憶手段を更に備え、
前記話題情報取得手段は、一の前記現在値に対応する前記話題として未出力の前記話題情報を最初に取得し、当該未出力の前記話題情報が出力された後は、一の当該話題について前記出力時が古い前記話題情報を優先して取得することを特徴とする情報出力制御装置。
【請求項9】
話題情報取得手段及び出力制御手段を備える情報出力制御装置に用いられるデータのデータ構造であって、
移動体を識別するための移動体識別情報と、
前記移動体の使用に応じて積算されることで変化する積算量を示す数値の現在値と、
を含み、
前記話題情報取得手段に、前記データに含まれる前記現在値に関連する話題を示す話題情報を取得させ、
前記話題情報取得手段による前記話題情報の取得後に、前記出力制御手段に、前記データに含まれる前記移動体識別情報に対応する前記移動体を送信先として、当該取得された話題情報を当該移動体において出力させるための制御情報を送信させる処理に用いられることを特徴とするデータ構造。
【請求項10】
現在値取得手段と、話題情報取得手段と、出力制御手段と、を備える情報出力制御装置において実行される情報出力制御方法であって、
移動体の使用に応じて積算されることで変化する積算量を示す数値の現在値を前記現在値取得手段により取得する現在値取得工程と、
前記取得された現在値に関連する話題を示す話題情報を前記話題情報取得手段により取得する話題情報取得工程と、
前記取得された話題情報を前記出力制御装置により前記移動体において出力させる出力制御工程と、
を含むことを特徴とする情報出力制御方法。
【請求項11】
コンピュータを、
移動体の使用に応じて積算されることで変化する積算量を示す数値の現在値を取得する現在値取得手段、
前記取得された現在値に関連する話題を示す話題情報を取得する話題情報取得手段、及び、
前記取得された話題情報を前記移動体において出力させる出力制御手段、
として機能させることを特徴とする情報出力制御用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、情報出力制御装置、情報出力制御方法及び情報出力制御用プログラム並びにデータ構造の技術分野に属する。より詳細には、例えば車両等の移動体における情報の出力を制御する情報出力制御装置及び情報出力制御方法、当該情報出力制御装置用のプログラム、並びに当該情報出力制御装置に用いられるデータのデータ構造の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両等の上記移動体の搭乗者に対して種々の情報を提供すべく、当該情報を当該移動体おいて音又は画像により出力する(すなわち、放音又は画像表示する)技術に関する研究開発が活発に行われている。このような先行技術を示す文献としては、例えば下記特許文献1が挙げられる。
【0003】
この特許文献1に開示されている従来技術では、上記搭乗者が移動体に搭乗した日(一年間における日付)と共に、その搭乗日の個性(特性)に合った個性情報を移動体上のディスプレイ等に表示する構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されている従来技術における「搭乗日」は、上述したとおり一年間における日付であるため、その種類は、多くても366日分(閏年分を含む)に相当する366種類しかない。従って、当該搭乗日に対応する個性情報としてもバリエーションに乏しいこととなり、移動体の搭乗者は、結果として年に一度は同じ個性情報を提供されることになり、例えば当該搭乗者が既視感を感じてしまうという問題点があった。
【0006】
そこで本願は、上記の問題点に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、移動体の搭乗者に上記既視感を抱かせることがないような、バリエーションに富んだ情報を当該搭乗者に提供することが可能な情報出力制御装置及び情報出力制御方法、当該情報出力制御装置用のプログラム、並びに当該情報出力制御装置に用いられるデータのデータ構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、移動体の使用に応じて積算されることで変化する積算量を示す数値の現在値を取得する現在値取得手段と、前記取得された現在値に関連する話題を示す話題情報を取得する話題情報取得手段と、前記取得された話題情報を前記移動体において出力させる出力制御手段と、を備える。
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項9に記載の発明は、話題情報取得手段及び出力制御手段を備える情報出力制御装置に用いられるデータのデータ構造であって、移動体を識別するための移動体識別情報と、前記移動体の使用に応じて積算されることで変化する積算量を示す数値の現在値と、を含み、前記話題情報取得手段に、前記データに含まれる前記現在値に関連する話題を示す話題情報を取得させ、前記話題情報取得手段による前記話題情報の取得後に、前記出力制御手段に、前記データに含まれる前記移動体識別情報に対応する前記移動体を送信先として、当該取得された話題情報を当該移動体において出力させるための制御情報を送信させる処理に用いられるように構成される。
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項10に記載の発明は、現在値取得手段と、話題情報取得手段と、出力制御手段と、を備える情報出力制御装置において実行される情報出力制御方法であって、移動体の使用に応じて積算されることで変化する積算量を示す数値の現在値を前記現在値取得手段により取得する現在値取得工程と、前記取得された現在値に関連する話題を示す話題情報を前記話題情報取得手段により取得する話題情報取得工程と、前記取得された話題情報を前記出力制御装置により前記移動体において出力させる出力制御工程と、を含む。
【0010】
上記の課題を解決するために、請求項11に記載の発明は、コンピュータを、移動体の使用に応じて積算されることで変化する積算量を示す数値の現在値を取得する現在値取得手段、前記取得された現在値に関連する話題を示す話題情報を取得する話題情報取得手段、及び、前記取得された話題情報を前記移動体において出力させる出力制御手段、として機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態の情報出力制御装置の概要構成を示すブロック図である。
【
図2】実施例の情報提供システムの概要構成を示すブロック図である。
【
図3】実施例の情報提供システムを構成する端末装置の概要構成を示すブロック図等であり、(a)は当該ブロック図であり、(b)は実施例の送信データのデータ構造を示す図である。
【
図4】実施例の情報提供システムを構成するサーバ装置の概要構成を示すブロック図等であり、(a)は当該ブロック図であり、(b)は実施例の話題データベースの一例を示す図である。
【
図5】実施例の情報提供処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本願を実施するための形態について、
図1を用いて説明する。なお
図1は、実施形態の情報出力制御装置の概要構成を示すブロック図である。
【0013】
図1に示すように、実施形態の情報出力制御装置Sは、現在値取得手段1と、話題情報取得手段2と、出力制御手段3と、を備えて構成されている。
【0014】
この構成において現在値取得手段1は、移動体の使用に応じて積算されることで変化する積算量を示す数値の現在値を取得する。
【0015】
そして、話題情報取得手段2は、現在地情報取得手段1により取得された現在値に関連する話題を示す話題情報を取得する。
【0016】
これにより出力制御手段3は、話題情報取得手段2により取得された話題情報を上記移動体において出力させる。
【0017】
以上説明したように、実施形態の情報出力制御装置Sの動作によれば、移動体の使用に応じて積算されることで変化する積算量を示す数値の現在値に関連する話題を示す話題情報を当該移動体において出力させるので、同じ内容の話題情報が繰返し出力されることを抑制することができる。
【実施例0018】
次に、上述した実施形態に対応する具体的な実施例について、
図2乃至
図5を用いて説明する。なお以下に説明する実施例は、移動体の一例としての車両の搭乗者(運転者及び同乗者を含む。以下同じ。)に対して種々の情報を提供する情報提供システムに対して本願を適用した場合の実施例である。
【0019】
なお、
図2は実施例の情報提供システムの概要構成を示すブロック図であり、
図3は当該情報提供システムを構成する端末装置の概要構成を示すブロック図等であり、
図4は当該情報提供システムを構成するサーバ装置の概要構成を示すブロック図等であり、
図5は実施例の情報提供処理を示すフローチャートである。このとき
図2乃至
図4では、
図1に示した実施形態の情報出力制御装置Sにおける各構成部材に対応する実施例の構成部材それぞれについて、当該情報出力制御装置Sにおける各構成部材と同一の部材番号を用いている。
【0020】
(I)
情報提供システムの全体構成について
初めに、実施例の情報提供システムの全体構成について、
図2を用いて説明する。
【0021】
図2に示すように、実施例の情報提供システムSSは、それぞれが車両M1乃至車両Mn(nは自然数。以下、同様。)と共に移動する端末装置T1乃至端末装置Tnと、例えば固定設置されているサーバ装置SVと、端末装置T1乃至端末装置Tnとサーバ装置SVとをデータの授受が可能に接続するインターネット等のネットワークNWと、により構成されている。このとき、端末装置T1乃至端末装置Tnは、それぞれ、対応する車両M1乃至車両Mnに搭載された例えばナビゲーション装置、又は当該車両M1乃至車両Mnの搭乗者に携帯されている例えばスマートフォン等として実現されるものである。なお以下の説明において、端末装置T1乃至端末装置Tnについて共通の事項を説明する場合、これらを纏めて「端末装置T」と称する。
【0022】
(II)
端末装置の細部構成及び動作について
次に、実施例の情報提供システムSSを構成する上記各端末装置Tの細部構成及び動作について、
図3を用いて説明する。
【0023】
すなわち、
図3(a)に示すように、実施例の各端末装置Tは、それぞれ、インターフェース2と、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等からなる処理部10と、HDD(Hard Disc Drive)又はSSD(Solid State Drive)等からなる不揮発性の記録部11と、操作ボタン又はリモコン等からなる操作部12と、センサ部13と、液晶ディスプレイ等からなるディスプレイ14と、スピーカ15と、により構成されている。
【0024】
また処理部10は、検出部1と、出力制御部3と、により構成されている。このとき、検出部1及び出力制御部3は、処理部10を構成する上記CPU等のハードウエアロジック回路により実現されてもよいし、後述する実施例の情報提供処理のうち端末装置Tが担うべき処理を示すフローチャートに対応するプログラムを記録部11から読み出して実行することにより、ソフトウェア的に実現されてもよい。そして、検出部1が実施形態の現在値取得手段1の一例及び本願の「会話検出手段」の一例にそれぞれ相当し、インターフェース2が実施形態の話題情報取得手段2の一例に相当し、出力制御部3が実施形態の出力制御検出手段3の一例に相当する。また、
図3(a)に破線で示す通り、検出部1、インターフェース2及び出力制御部3により、実施形態の情報出力制御装置Sの一例を構成している。
【0025】
以上の構成において、インターフェース2は、処理部10の制御の下、当該処理部10とサーバ装置SVとの間のネットワークNWを介したデータの授受を制御する。次にセンサ部13には、図示しない走行距離センサ、図示しない使用時間センサ、図示しない使用日数センサ及び図示しないマイクが、少なくとも含まれている。このとき走行距離センサは、実施例の車両に端末装置Tが搭載された(又は当該車両と共に端末装置Tが移動を開始した(以下、同様))以降にその車両が走行した積算量としての走行距離の積算値(すなわち走行距離の現在値)を検出し、その検出結果としての走行距離データを生成して処理部10の検出部1に出力する。このとき、当該車両が新車の状態で上記搭乗者により購入され、その購入時において当該車両に端末装置Tが既に搭載されていた場合、上記走行距離は、当該車両におけるオドメータに表示されるべき走行距離と略一致することとなる。一方使用時間センサは、当該端末装置Tが当該車両に搭載された以降における当該車両の積算量としての使用時間の積算値(すなわち使用時間の現在値)を検出し、その検出結果としての使用時間データを生成して上記検出部1に出力する。この場合の使用時間とは、例えば当該車両におけるACC(Accessory)スイッチがオンとされた時刻からオフとされた時刻までの時間を、初期化することなく積算した使用時間である。また、使用日数センサは、当該端末装置Tが当該車両に搭載された以降における当該車両の積算量としての使用日数(すなわち使用日数の現在値)を検出し、その検出結果としての使用日数データを生成して上記検出部1に出力する。この場合の使用日数とは、例えば当該車両における上記ACCスイッチがオンとされていた時間を含む日を、初期化することなく積算した使用日数である。
【0026】
そして検出部1は、実施例の情報提供処理における端末装置Tが担うべき処理として、上記走行距離センサ、上記使用時間センサ及び上記使用日数センサからそれぞれ出力された走行距離データ(すなわち走行距離の現在値を示す走行距離データ)、使用時間データ(すなわち使用時間の現在値を示す使用時間データ)及び使用日数データ(すなわち使用日数の現在値を示す使用日数データ)を本体Bとして含み、且つ端末装置T(換言すれば、当該端末装置Tを搭載した車両)を他の端末装置T(換言すれば、他の車両)から識別するための識別データID1をヘッダとする、
図3(b)に示す実施例の現在値データTDを生成する。なお
図3(b)に例示する場合、端末装置Tの識別データID1の値は「aaa」である。その後検出部1及び処理部10は、生成された現在値データTDを、インターフェース2及びネットワークNWを介してサーバ装置SVに出力する。なお、現在値データTDに含まれる上記走行距離データには、それが上記走行距離を示すデータであることを示す走行距離識別データが付加されている。また、現在値データTDに含まれる上記使用時間データには、それが上記使用時間を示すデータであることを示す使用時間識別データが付加されている。更に、現在値データTDに含まれる上記使用日数データには、それが上記使用日数を示すデータであることを示す使用日数識別データが付加されている。
【0027】
他方処理部10の出力制御部3は、現在値データTDに対応する実施例の話題データTP(
図4(b)及びその関連説明参照)が、ネットワークNW及びインターフェース2を介してサーバ装置SVから送信されてくると、当該話題データTPに相当する話題を、ディスプレイ14又はスピーカ15に出力する。これらによりディスプレイ14及びスピーカ15は、それぞれ、処理部10の制御の下、当該話題を示す文字の表示又は当該話題に相当する音声の出力(すなわち放音)を行う。この他ディスプレイ14及びスピーカ15は、それぞれ、処理部10の制御の下、端末装置Tの機能として必要な文字又は画像の表示及び放音を行う。
【0028】
また、上述した一連の動作において、記録部11は、上記端末装置Tが担うべき処理に相当するプログラムを含む当該端末装置Tとしての処理に相当するプログラム等を予め記録すると共に当該処理に必要なデータを一時的に記録し、必要に応じて処理部10に出力する。そして処理部10は、当該プログラムに基づき、上記端末装置Tが担うべき処理を実行する。このとき操作部12は、当該操作部12を用いて上記搭乗者により行われた操作に相当する操作信号を生成して処理部10に出力する。これにより処理部10は、当該操作信号に基づいて上記端末装置Tが担うべき処理を実行する。
【0029】
(III)
サーバ装置の細部構成及び動作について
次に、実施例の情報提供システムSSを構成する上記サーバ装置の細部構成及び動作について、
図4を用いて説明する。
【0030】
すなわち、実施例のサーバ装置SVは、
図4(a)に示すように、CPU、ROM及びRAM等からなる処理部20と、HDD又はSSD等からなる不揮発性の記録部21と、インターフェース22と、キーボード及びマウス等からなる操作部23と、液晶ディスプレイ等からなるディスプレイ24と、により構成されている。
【0031】
また処理部20は、話題データ取得部25と、話題データ出力部26と、により構成されている。このとき、話題データ取得部25及び話題データ出力部26は、処理部20を構成する上記CPU等のハードウエアロジック回路により実現されてもよいし、後述する実施例の情報提供処理のうちサーバ装置SVが担うべき処理を示すフローチャートに対応するプログラムを記録部21から読み出して実行することにより、ソフトウェア的に実現されてもよい。
【0032】
以上の構成において記録部21には、
図4(b)に例示するように、いずれかの端末装置Tに送信されるべき上記話題データTPに対応した話題元データBTPが、当該話題元データBTPを識別するための識別データID2と、「1」から「9999」までのいずれか一の自然数である数値Nと、当該話題元データBTPを用いて生成された話題データTPが端末装置T宛てに送信された最新(最後)の日時を示す最新出力日時データOTと、に関連付けられて、話題データベース21Aとして予め記録されている。このとき、一の数値Nに関連付けられている話題元データBTPが複数ある場合、それらは識別データID2により相互に識別される。また、上記最新出力日時データOTとして記録されている日時は、ネットワークNWを介することに起因する送信の遅延時間等を鑑みても、送信先たる端末装置Tにおける実際の出力タイミングとみなすことができる。更に、最新出力日時データOTは、それが関連付けられている話題元データBTPが後述するように話題データTPの生成に用いられていずれかの端末装置Tに出力される度に、当該出力時たる日時に更新される。
【0033】
一方、話題データベース21Aを構成する上記各数値Nは、上記走行距離データ、上記使用時間データ及び上記使用日数データのいずれかにおける数値部分(当該各データにおける数値の絶対値。以下、同様。)に相当する数値である。そして、各数値Nに関連付けられる上記話題元データBTPの例としては、例えば以下の文章データが挙げられる。
【0034】
(i)「187」なる数値Nに関連付けられる話題元データBTP
「私と走行した(○○)が、187(△△)を越えました。187と言えば、兵庫県にある、日本で一番短い国道174号線の距離は187メートルです。」
(ii)「226」なる数値Nに関連付けられる話題元データBTP
「私と走行した(○○)が、226(△△)を越えました。226と言えば、二・二六事件は1936年2月26日に皇道派の影響を受けた陸軍青年将校らが引き起こしたクーデター未遂事件です。」
(iii)「333」なる数値Nに関連付けられる話題元データBTP
「私と走行した(○○)が、333(△△)を越えました。333と言えば、昭和33年に竣工した東京タワーの高さは333mです。東京タワーの正式名称は、『日本電波塔』です。」
なお上記「○○」は、「距離」(上記走行距離データに対応)、「時間」(上記使用時間データに対応)又は「日数」(上記使用日数データに対応)」のいずれかである。また上記「△△」は、「キロメータ」(上記走行距離データに対応)、「時間」(上記使用時間データに対応)又は「日(にち)」(上記使用日数データに対応)」のいずれかである。
【0035】
一方インターフェース22は、処理部20の制御の下、当該処理部20といずれかの端末装置Tとの間のネットワークNWを介したデータの授受を制御する。そして、ある端末装置Tから例えば「187キロメートル」なる走行距離データを本体Bに含む現在値データTDが送信されてきた場合、話題データ取得部25は、話題データベース21Aから「187」の数値Nに関連付けられた上記(i)の話題元データBTPを取得する。その後話題データ出力部26は、当該話題元データBTPを用いた話題データTPとして「私と走行した距離が、187キロメートルを越えました。187と言えば、兵庫県にある、日本で一番短い国道174号線の距離は187メートルです。」なる話題データTPを生成する。そして処理部20は、上記「187キロメータ」の走行距離データを本体Bに含む現在値データTDを送信してきた端末装置Tに宛てて、当該生成された話題データTPを送信する。これら話題データTPの生成処理等については、後ほど
図5を用いて詳述する。
【0036】
また、上述した一連の動作において、記録部21は、上記話題データベース21Aの他に、上記サーバ装置SVが担うべき処理を含む当該サーバ装置SVとしての処理に相当するプログラム等を予め記録し、必要に応じて処理部20に出力する。そして処理部20は、当該プログラムに基づき、上記サーバ装置SVが担うべき処理を実行する。このとき操作部23は、当該操作部23を用いて例えばサーバ装置SVの管理者等により行われた操作に相当する操作信号を生成して処理部20に出力する。これにより処理部20は、当該操作信号に基づいて上記サーバ装置SVが担うべき処理を実行する。
【0037】
(IV)
実施例の情報提供処理について
次に、上述してきたサーバ装置SV及び各端末装置Tを含む情報提供システムSSにおいて実行される、実施例の情報提供処理について、
図5を用いて纏めて説明する。
【0038】
すなわち、
図5左に示すように、各端末装置Tでは、例えば上記ACCスイッチがオンとされて端末装置Tが起動されると(ステップS1)、その検出部1は、上記走行距離の現在値、上記使用時間の現在値及び上記使用日数の現在値をそれぞれ示す上記走行距離データ、上記使用時間データ及び上記使用日数データをセンサ部13からそれぞれ取得し(ステップS2)、それらを本体Bとして含み且つ送信元たる端末装置Tを他の端末装置Tから識別するための上記識別データID1をヘッダとする現在値データTD(
図3(b)参照)を生成する(ステップS2)。なお以下の説明において、上記走行距離データ、上記使用時間データ及び上記使用日数データを単に「走行距離データ等」と称する。その後検出部1は、ステップS2で生成された現在値データTDを、ネットワークNW等を介してサーバ装置SVに送信する(ステップS3)。
【0039】
次に検出部1は、ステップS3で送信した現在値データTDに対応した上記話題データTPがサーバ装置SVから送信されてきたか否かを判定する(ステップS4)。ステップS4の判定において、当該話題データTPがサーバ装置SVから送信されてこない場合(ステップS4:NO)、検出部1は、ステップS3で現在値データTDを送信してから予め設定された待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS5)。ステップS5の判定において、当該待ち時間が経過していない場合(ステップS5:NO)、検出部1は上記ステップS4に戻る。
【0040】
一方ステップS5の判定において、当該待ち時間が経過しても話題データTPが送信されてこない場合(ステップS5:YES)、出力制御部3は、予め設定された定型情報(例えば、「今日も安全運転でいきましょう!」といった文言等の定型情報)に対応する音声を、スピーカ15を用いて出力する(すなわち、端末装置Tが搭載されている車両内に放音する。以下、同様。)(ステップS6)。また出力制御部3は、必要に応じて、上記定型情報に対応する音声の放音と共に、当該定型情報の内容に対応する表示を、ディスプレイ14を用いて行う(ステップS6)。その後制御部10は、後述するステップS8に移行する。なお、上記ステップS5の判定が「YES」となるような事態は、例えば、サーバ装置SVの話題データベース21Aにおいて、話題元データBTPが関連付けられていない数値Nが存在する場合に生じる。実施例の話題データベース21Aに含まれる数値Nとしては合計9,999個必要となるところ、関連付けられる話題(すなわち話題元データBTP)がない数値Nが存在することは想定され得るものである。
【0041】
一方、
図5右に示すように、サーバ装置SVでは、例えばその電源電力が投入されると、いずれかの端末装置Tからの現在値データTDのネットワークNW等を介した送信を監視する(ステップS10)。ステップS10の監視において、いずれの端末装置Tからも現在値データTDが送信されてこない場合(ステップS10:NO)、サーバ装置SVの処理部20は、後述するステップS16に移行する。他方、ステップS10の監視において、いずれかの端末装置Tから現在値データTDが送信されてきた場合(ステップS10:YES)、処理部20は次に、送信されてきた現在値データTDの本体Bに含まれている上記走行距離データ等のいずれかに、その数値が五桁以上(すなわち、話題データベース21Aの数値Nの最大桁数を超える桁数)のものがあるか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11の判定において、当該数値が五桁以上のものがない場合(ステップS11:NO)、処理部20は後述するステップS13に移行する。一方、ステップS11の判定において、当該数値が五桁以上のものがある場合(ステップS11:YES)、処理部20は、当該数値が五桁以上であるデータについて、その下四桁のみを特定する(ステップS12)。
【0042】
次に、ステップS11の判定において、走行距離データ等における上記数値に五桁以上のものがない場合(ステップS11:NO)、話題データ取得部25は、当該四桁以下の数値に関連付けられている話題元データBTPを、走行距離データ等ごとに話題データベース21Aからそれぞれ取得する(ステップS13)。一方、ステップS12により特定された下四桁の数値がある場合、話題データ取得部25は、当該特定された四桁の数値に関連付けられている話題元データBTPと、元々四桁以下であった走行距離データ等の数値に関連付けられている話題元データBTPと、を、それらに関連付けられている最新出力日時データOTと共に、上記走行距離データ等ごとに話題データベース21Aから取得する(ステップS13)。
【0043】
このとき、話題データ取得部25は、走行距離データ、使用時間データ及び使用日数データの少なくともいずれかの数値部分に相当する数値Nに関連付けられている話題元データBTPを、話題データベース21Aから取得することになる。このように、話題の基となる数値Nを話題データベース21Aに予め複数格納しておくことにより、話題元データBTPが関連付けられていない数値Nが当該話題データベース21Aに格納されている場合であっても、話題データベース21Aに格納されている複数の数値Nのうちの少なくともいずれか(つまり、話題元データBTPが関連付けられていない上記数値N以外の数値N)に関連付けられている話題元データBTPを話題データ取得部25が取得できる可能性を高めることができる。
【0044】
次に、話題データ出力部26は、ステップS13により話題データベース21Aから取得された各話題元データBTPを用いて、ステップS10で受信した現在値データTDを送信してきた端末装置Tに送信すべき話題データTPを生成する(ステップS14)。
【0045】
このステップS14としてより具体的に、話題データ出力部26は、最新出力日時として有意な上記最新出力日時データOTに関連付けられている話題元データBTPについては、当該最新出力日時から予め設定された禁止期間の間は話題データTPの生成に用いずに、ステップS10で受信した現在値データTDに対応する他の話題元データBTPを用いて話題データTPを生成する。この場合の禁止期間は、話題元データBTP自体の内容等に基づいて予め設定される。
【0046】
一方話題データ出力部26は、一の数値Nに対応する話題元データBTPが複数ある場合、それらに関連付けられている最新出力日時データOTに基づき、それまで話題データTPとして端末装置Tに送信されていない話題元データBTPを最初に用いて話題データTPを生成する。更に、当該最初の話題元データBTPを用いて話題データTPを生成した後、話題データ出力部26は、上記一の数値Nに対応する複数の話題元データBTPのうち最新出力日時データOTが古い話題元データBTPを優先して話題データTPを生成する。
【0047】
なお、話題データベース21Aには上述したように、話題元データBTPとして、例えば「私と走行した(○○)が、187(△△)を越えました。187と言えば、兵庫県にある、日本で一番短い国道174号線の距離は187メートルです。」のように、走行距離、使用時間及び使用日数のいずれに対応した話題データTPにも加工(補完)可能な態様のデータが記録されている。これにより話題データ出力部26は、話題元データBTPが、現在値データTDに含まれていた走行距離データ、使用時間データ及び使用日数データのいずれの数値部分に相当する数値Nに関連付けられているか?に応じて、話題元データBTPの「○○」の部分及び「△△」の部分を加工(補完)して、端末装置Tに送信される話題データTPを生成する。より具体的に話題データ出力部26は、例えば上記走行距離データの数値部分に相当する数値Nに関連付けられている話題元データBTPの場合には、当該話題元データBTPの「○○」の部分及び「△△」の部分を、それぞれ、「距離」及び「キロメータ」として話題データTPを生成する。このように、話題データ出力部26は、予め設定された所定のルールに従って、現在値データTDに含まれていた走行距離データ、使用時間データ及び使用日数データのいずれかに対応する話題データTPを生成する。
【0048】
以上のようにして話題データTPが生成されたら、次に話題データ出力部26は、当該生成された話題データTPを、ステップS10で受信した現在値データTDに含まれている識別データID1により識別される端末装置Tに宛てて、インターフェース22及びネットワークNWを介して送信する(ステップS15)。その後処理部20は、例えばサーバ装置SVの電源スイッチがオフとされた等の理由により実施例の情報提供処理のうちサーバ装置SVが担うべき処理を終了するか否かを判定する(ステップS16)。ステップS16の判定において、当該サーバ装置SVが担うべき処理を継続する場合(ステップS16:NO)、処理部20は、上記ステップS10に戻って上述してきた一連の処理を継続する。一方ステップS16の判定において、当該サーバ装置SVが担うべき処理を終了する場合(ステップS16:YES)、処理部20は、そのまま当該処理を終了する。
【0049】
次に、端末装置Tとしての上記ステップS4の待機において、送信した現在値データTDに対応した話題データTPがサーバ装置SVから送信されてきた場合(ステップS4:YES、上記ステップS15参照)、当該話題データTPを受信した端末装置Tの処理部10の出力制御部3は、受信した話題データTPの内容に対応する音声(上記(i)乃至上記(iii)のいずれか参照)を、スピーカ15を用いて出力する(ステップS7)。
【0050】
より具体的に、上記(i)に対応する具体例として、端末装置Tから送信されてきた現在値データTDに「187日」なる使用日数データが含まれていた場合、その使用日数データ(対応する数値Nは「187」である)を用いた話題データTPとして、出力制御部3は、「私と走行した日数が、187日を越えました。187と言えば、兵庫県にある、日本で一番短い国道174号線の距離は187メートルです。」なる音声を、スピーカ15を用いて出力する。
【0051】
また、上記(ii)に対応する具体例として、端末装置Tから送信されてきた現在値データTDに「226時間」なる使用時間データが含まれていた場合、その使用時間データ(対応する数値Nは「226」である)を用いた話題データTPとして、出力制御部3は、「私と走行した時間が、226時間を越えました。226と言えば、二・二六事件は1936年2月26日に皇道派の影響を受けた陸軍青年将校らが引き起こしたクーデター未遂事件です。」なる音声を、スピーカ15を用いて出力する。
【0052】
更に、上記(iii)に対応する例として、端末装置Tから送信されてきた現在値データTDに「333キロメートル」なる走行距離データが含まれていた場合、その走行距離データ(対応する数値Nは「333」である)を用いた話題データTPとして、出力制御部3は、「私と走行した距離が、333キロメートルを越えました。333と言えば、昭和33年に竣工した東京タワーの高さは333mです。東京タワーの正式名称は、『日本電波塔』です。」なる音声を、スピーカ15を用いて出力する。なお、出力制御部3は、必要に応じて、上記各音声の放音と共に、当該話題データTPの内容に対応する表示を、ディスプレイ14を用いて行ってもよい(ステップS7)。
【0053】
また、出力制御部3は、センサ部13に含まれている上記マイクからの出力信号に基づき、当該車両の搭乗者の会話が行われているか否かを検出し、当該会話中は、少なくとも上記音声の放音を行わない。
【0054】
次に出力制御部3は、上記マイクからの出力信号に基づき、ステップS7で話題データTPに対応する少なくとも音声を放音した後、上記搭乗者による会話が予め設定された時間為されていないか否か(すなわち、上記搭乗者が上記予め設定された時間沈黙しているか否か)を監視する(ステップS8)。ステップS8の監視において、上記予め設定された期間会話が為されていない(すなわち、当該予め設定された期間沈黙が継続されている)場合(ステップS8:YES)、検出部1及び出力制御部3は、上記ステップS2に戻って、上述した一連の処理を繰り返す。すなわち、検出部1及び出力制御部3は、車両の搭乗者が既定時間沈黙している場合(ステップS8:YES参照)、当該沈黙を終了させるべく、実施例の話題データTPに対応する話題を提供する。
【0055】
他方、上記ステップS8の監視において上記会話が行われている場合(ステップS8:NO)、処理部10は、例えば端末装置Tを搭載した車両が目的地に到着した等の理由により実施例の情報提供処理のうち端末装置Tが担うべき処理を終了するか否かを判定する(ステップS9)。ステップS9の判定において、当該端末装置Tが担うべき処理を継続する場合(ステップS9:NO)、処理部10は、上記ステップS2に戻って上述してきた一連の処理を継続する。一方ステップS9の判定において、当該端末装置Tが担うべき処理を終了する場合(ステップS9:YES)、処理部20は、そのまま当該処理を終了する。
【0056】
以上説明したように、実施例の情報提供処理によれば、車両の使用に応じて積算されることで変化する走行距離等の積算量を示す数値の現在値に関連する話題を車両において出力させるので(
図5ステップS7参照)、同じ内容の話題が繰返し出力されることを抑制することができる。
【0057】
また、一の車両について、それぞれが異なる基準で積算される走行距離、使用日数及び使用時間等の複数の積算量をそれぞれ示す複数の数値の現在値を取得し(
図5ステップS2参照)、取得された各現在値のいずれかに関連する話題を示す話題データTPを取得するので(
図5ステップS4:YES参照)、豊富な内容の話題を出力させることができる。
【0058】
更に、出力済みの話題の再出力が、その最後の出力時から既定の期間禁止されるので(
図5ステップS24参照)、同じ内容の話題の繰返し出力を効果的に抑制することができる。
【0059】
更にまた、積算量の現在値の桁数が既定の閾値桁数(例えば四桁。
図4(b)参照。)を超えたとき、桁数が当該閾値を超えた現在値における既定の下位の桁数分の値に関連する話題を示す話題データTPを取得するので(
図5ステップS12、ステップS4参照)、積算量の現在値の絶対値が大きくなり過ぎた場合でも、対応する話題を出力させることができる。
【0060】
また、車両の搭乗者が会話している間の話題の出力が禁止されるので(
図5ステップS7参照)、当該会話が話題の出力により遮られることを防止できる。
【0061】
更に、取得された現在値に関連する話題を示す話題データTPが取得できないとき(
図5ステップS4:NO参照)、既定の定型情報を出力させるので(
図5ステップS6参照)、車両の搭乗者が退屈してしまうことを抑制することができる。
【0062】
更にまた、一の現在値に対して複数の話題元データBTPが関連付けられている場合に、一の現在値に対応する話題として未出力の話題データTPを最初に取得し、未出力の話題が出力された後は、一の当該話題について出力時が古い話題データTPを優先して取得するので(
図5ステップS7、ステップS14参照)、同じ話題については時間的に間隔を空けて出力させることができる。
【0063】
また、現在値データTDのデータ構造として
図3(b)に示すデータ構造を用いるので、実施例の情報提供システムSSとして上述した各効果を奏することができる。
【0064】
なお、実施例の話題データTPに対応する話題を車両において出力する場合に、その移動中(運転中)において予め設定された時間以上スピーカ15から何の放音もない場合(すなわち、車両の移動を案内するための右左折案内、交通情報出力又は周辺の施設のレコメンド情報などの音声出力が全く為されず、端末装置Tとして「無言」の状態が上記既定時間以上継続された場合)に、実施例の話題データTPに対応する話題を車両内に出力してもよい。この場合には、話題データTPに対応する話題以外の音声情報等が車両において既定時間以上出力されなかった場合に当該話題を出力させるので、車両の搭乗者が退屈してしまうことを更に抑制することができる。
【0065】
また、上述した実施例では、サーバ装置SVの話題データ出力部26が、現在値データTDに含まれていた走行距離データ、使用時間データ及び使用日数データのいずれの数値部分に相当する数値Nに話題元データBTPが関連付けられているか?に応じて、当該話題元データBTPの「○○」の部分及び「△△」の部分を加工(補完)して話題データTPを生成することとした。しかしながらこれ以外に、サーバ装置SVの話題データ出力部26に代えて、現在値データTDに含まれていた走行距離データ、使用時間データ及び使用日数データのいずれかの数値部分に相当する数値Nに関連付けられている話題元データBTPをサーバ装置からネットワークNWを介して受信した端末装置の出力制御部が、当該受信した話題元データBTPの加工(補完)を行うこととしてもよい。すなわち、この場合のサーバ装置は、話題データ取得部25が取得した話題元データBTPをそのまま端末装置に対して送信し、当該端末装置の出力制御部は、例えば、当該サーバ装置から受信した話題元データBTPが走行距離データに関連する場合に、話題元データBTPの「○○」の部分及び「△△」の部分を、それぞれ、「距離」及び「キロメータ」とした後に、それに対応する音声を、スピーカ15を用いて放音するように構成してもよい。
【0066】
また、上述した実施例は、車両と共に移動する端末装置Tと、固定設置されているサーバ装置SVとが協働して成る情報提供システムSSについて説明したが、これに代えて、上述した実施例のサーバ装置SVの話題データベース21Aを記録した記録部21、上記話題データ取得部25及び上記話題データ出力部26それぞれの機能を、車両と共に移動する端末装置が自ら実行することで、実施形態に対応し且つサーバ装置が不要な情報提供システムを実現することもできる。この場合、上記記録部21に対応して機能する当該端末装置の記録部が、本願の「記憶手段」の一例及び「第2記憶手段」の一例にそれぞれ相当することとなる。
【0067】
また、上述した実施例は、搭乗者が車両(四輪車)に登場している場合について説明したが、これ以外に、二輪車又は自転車に搭載された端末装置による当該二輪車又は自転車の移動における情報提供処理に対して実施例の情報提供処理を適用することも可能である。
【0068】
更に、
図5に示したフローチャートに相当するプログラムを、光ディスク又はハードディスク等の記録媒体に記録しておき、或いはインターネット等のネットワークを介して取得しておき、これを汎用のマイクロコンピュータ等に読み出して実行することにより、当該マイクロコンピュータ等を実施例の処理部10又は処理部20として機能させることも可能である。