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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111143
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】パレット
(51)【国際特許分類】
   B65D 19/38 20060101AFI20230803BHJP
   B65D 19/24 20060101ALI20230803BHJP
【FI】
B65D19/38 Z
B65D19/24 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022012830
(22)【出願日】2022-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【弁理士】
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】高橋 侑也
【テーマコード(参考)】
3E063
【Fターム(参考)】
3E063AA03
3E063BA05
3E063CA01
3E063CA04
3E063CA05
3E063EE03
3E063EE13
(57)【要約】
【課題】フォークの先端の突き当てによるパレットが変形及び破損を防ぐことが可能なパレットを提供する。
【解決手段】本開示のパレット10Aにおける1対のフォーク挿入孔11の上側開口縁には、複数のガイドリブ20が備えられているので、フォークが当接してもスムーズにフォーク挿入孔11に案内される。また、フォーク挿入孔11の上側開口縁の端部には、筐体部40Aが備えられ、フォークがガイドリブ20と桁部30との間に突入することが防がれると共に上側開口縁の端部が筐体部40Aによって補強され、従来問題になっていてパレット10Aの変形及び破損が防がれる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
桟構造のデッキボードから複数の桁部が垂下し、隣合う前記桁部の間がフォーク挿入孔になっている樹脂製のパレットであって、
前記フォーク挿入孔の上側開口縁には、
前記隣合う前記桁部の間に差し渡され、前記フォーク挿入孔の内側から外側に臨む垂直壁と、
前記隣合う前記桁部の間に差し渡されると共に前記垂直壁のうち前記外側に臨む面の上端部に接続され、上面が前記デッキボードの荷物載置面の一部をなしている水平壁と、
前記上側開口縁の長手方向に沿った複数位置に設けられ、前記垂直壁と前記水平壁とに接続される板状をなし、前記垂直壁と反対側を向く面が下方に向かうに従って前記フォーク挿入孔の奥側に向かうように傾斜する第1ガイド斜面になっている複数のガイドリブと、
前記上側開口縁の長手方向の端部に設けられ、前記垂直壁と前記水平壁とに接続される第1補強壁を含んだ筐体構造の筐体部と、が備えられているパレット。
【請求項2】
前記筐体部には、前記桁部と前記垂直壁と前記第1補強壁に接続される第2補強壁が含まれている請求項1に記載のパレット。
【請求項3】
前記筐体部には、前記第1補強壁が複数含まれ、それら複数の第1補強壁の下端部に前記第2補強壁が接続されている請求項2に記載のパレット。
【請求項4】
前記筐体部には、前記桁部と前記水平壁と前記第1補強壁とに接続される第3補強壁が含まれている請求項1から3の何れか1の請求項に記載のパレット。
【請求項5】
前記筐体部のうち前記垂直壁と反対側を向く面は、下方に向かうに従って前記フォーク挿入孔の奥側に向かうように傾斜する第2ガイド斜面をなし、
上下方向に対する前記第2ガイド斜面の傾斜角は、上下方向に対する前記第1ガイド斜面の傾斜角より小さい請求項1から3の何れか1の請求項に記載のパレット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、桟構造のデッキボードから複数の桁部が垂下し、隣合う桁部の間がフォーク挿入孔になっている樹脂製のパレットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のパレットとして、フォーク挿入孔の上側開口縁にフォークを案内するガイド斜面を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-120840号(図7,8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来のパレットでは、フォークがフォーク挿入孔の上側開口縁における横方向の端部に突き当たってパレットが変形又は破損することがあり、その対策が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた請求項1の発明は、桟構造のデッキボードから複数の桁部が垂下し、隣合う前記桁部の間がフォーク挿入孔になっている樹脂製のパレットであって、前記フォーク挿入孔の上側開口縁には、前記隣合う前記桁部の間に差し渡され、前記フォーク挿入孔の内側から外側に臨む垂直壁と、前記隣合う前記桁部の間に差し渡されると共に前記垂直壁のうち前記外側に臨む面の上端部に接続され、上面が前記デッキボードの荷物載置面の一部をなしている水平壁と、前記上側開口縁の長手方向に沿った複数位置に設けられ、前記垂直壁と前記水平壁とに接続される板状をなし、前記垂直壁と反対側を向く面が下方に向かうに従って前記フォーク挿入孔の奥側に向かうように傾斜する第1ガイド斜面になっている複数のガイドリブと、前記上側開口縁の長手方向の端部に設けられ、前記垂直壁と前記水平壁とに接続される第1補強壁を含んだ筐体構造の筐体部と、が備えられているパレットである。
【0006】
請求項2の発明は、前記筐体部には、前記桁部と前記垂直壁と前記第1補強壁に接続される第2補強壁が含まれている請求項1に記載のパレットである。
【0007】
請求項3の発明は、前記筐体部には、前記第1補強壁が複数含まれ、それら複数の第1補強壁の下端部に前記第2補強壁が接続されている請求項2に記載のパレットである。
【0008】
請求項4の発明は、前記筐体部には、前記桁部と前記水平壁と前記第1補強壁とに接続される第3補強壁が含まれている請求項1から3の何れか1の請求項に記載のパレットである。
【0009】
請求項5の発明は、前記筐体部のうち前記垂直壁と反対側を向く面は、下方に向かうに従って前記フォーク挿入孔の奥側に向かうように傾斜する第2ガイド斜面をなし、上下方向に対する前記第2ガイド斜面の傾斜角は、上下方向に対する前記第1ガイド斜面の傾斜角より小さい請求項1から3の何れか1の請求項に記載のパレットである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1のパレットでは、フォーク挿入孔の上側開口縁に複数のガイドリブが備えられているので、フォークが当接してもスムーズにフォーク挿入孔に案内される。ここで、従来のパレットでは、フォーク挿入孔の上側開口縁の端部では、フォークがガイドリブと桁部との間に突入してパレットが変形又は破損することが起こり得るが、請求項1の構成では、上側開口縁の端部に筐体部を備えているので、フォークがガイドリブと桁部との間に突入することが防がれると共に補強され、従来問題になっていてパレットの変形及び破損が防がれる。
【0011】
ここで、筐体部は、上下方向の一方又は両方に開放した構造であってもよいし、上下方向の両端又は一端を閉塞されかつ水平方向に向かって開放した構造であってもよい。また、筐体部は、桁部に接続されいてもいなくてもよいが、強度の観点から桁部に接続されているのが好ましい。具体的には、桁部に接続されている筐体部としては、請求項2のように、上記第1補強壁と、その第1補強壁と桁部と垂直壁とに接続される第2補強壁とが含まれている構成や、その構成において第1補強壁が複数含まれ、それら複数の第1補強壁の下端部に第2補強壁が接続されている構成(請求項3の構成)や、請求項4のように、第1補強壁と、その第1補強壁と桁部と水平壁とに接続される第3補強壁とが含まれている構成等が挙げられる。
【0012】
請求項5のパレットでは、筐体部のうち垂直壁と反対側を向く面は、下方に向かうに従ってフォーク挿入孔の奥側に向かうように傾斜する第2ガイド斜面になっているので、フォークが筐体部に突き当たったときの衝撃が逃がされ、筐体部の変形及び破損が抑えられる。
【0013】
なお、上記した請求項1から5の何れか1の請求項に記載のパレットにおいて、「前記垂直壁の下端部から前記フォーク挿入孔の奥側の斜め下方に屈曲する傾斜ガイド壁を備えた構成」にしてもよい。また、「前記傾斜ガイド壁のうち前記フォーク挿入孔の外側に臨む面と前記第1ガイド斜面とが面一になっている」構成すれば、フォークがフォーク挿入孔の奥までスムーズに挿入される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示の第1実施形態に係るパレットの斜視図
図2】パレットのフォーク挿入孔の入口の斜視図
図3】パレットの側断面を含む斜視図
図4】パレットの側断面を含む斜視図
図5】パレットの平断面を含む斜視図
図6】(A)第2実施形態のパレットの筐体部の斜視図,(B)第3実施形態のパレットの筐体部の斜視図
図7】(A)第4実施形態のパレットの筐体部の斜視図,(B)第5実施形態のパレットの筐体部の斜視図
図8】(A)第6実施形態のパレットの筐体部の斜視図,(B)第7実施形態のパレットの筐体部の斜視図
図9】(A)第8実施形態のパレットの筐体部の斜視図,(B)第8実施形態のパレットの筐体部の一部破断の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1実施形態]
以下、図1図5に示された第1実施形態のパレット10Aについて説明する。本実施形態のパレット10Aは、樹脂の射出成形品であって、図1に示すように、デッキボード12から垂下する複数の桁部30の下端部間を複数の下端連絡部50で連絡した構造をなしている。また、デッキボード12は、例えば縦横の大きさが異なる長方形をなしている。以下、デッキボード12の長手方向を縦方向H1、短手方向を横方向H2ということとする。なお、本実施形態のデッキボード12は、正方形であってもよい。
【0016】
複数の桁部30は、デッキボード12の中央と四隅と4辺の外縁部の各中央とに配置されて3行3列に並んでいる。また、桁部30は、角筒壁30Sの内側に補強リブ30Nを備えた構造をなし、デッキボード12の各外縁部に沿って並ぶ3つの桁部30の側面は、同一面内に配置され(つまり、面一に配置され)、パレット10A全体の側面30Aにもなっている。
【0017】
隣合う桁部30の間は、フォーク挿入孔11になっていて、縦方向H1と横方向H2の任意の方向からフォークリフトの1対のフォークが挿入される。また、各桁部30を上方から見た場合の4つの角部は面取りされている。フォーク挿入孔11の内側面30B同士の交差部分に位置する桁部30の面取面は、各フォーク挿入孔11の内側面30Bに対して45°の傾斜角で傾斜した、所謂、C面取り面になっている。また、パレット10Aの側面30A同士の交差部分に位置する桁部30の面取面は、円弧状の、所謂、R面取り面になっている。さらには、図2に示すように、パレット10Aの側面30Aとフォーク挿入孔11の内側面30Bとが交差する部分に位置する面取り面は、フォーク挿入孔11の内側面30Bに対して緩やかに傾斜しかつ丸みを帯びてフォーク挿入孔11の内側面30Bに連続するサイドガイド面30Cになっている。
【0018】
図1に示すように、複数の下端連絡部50は、縦方向H1又は横方向H2に延びて、前述の通り隣合う桁部30の下端部の間を連絡している。また、図2に示すように、下端連絡部50は、カバー壁51の下面に格子状のリブ52を有する構造をなしている。さらに、図3に示すように、下端連絡部50は、フォーク挿入孔11の貫通方向の両端部(図3の縦方向H1の両端部)に、徐々に下るように傾斜した下縁ガイド面50Cを備える。また、下端連絡部50の上面と桁部30の内側面30B及びサイドガイド面30Cとが交差する角部は、R面取りされている。
【0019】
図1に示すように、デッキボード12は、複数のリブを有する桟構造をなしている。また、デッキボード12のうち外縁部において桁部30の間を連絡する第1桟部60と、中央の桁部30から縦方向H1及と横方向H2に延びて桁部30の間を連絡する第2桟部61と、それら第1桟部60と第2桟部61とに四方を包囲された第3桟部62とでは構造が異なっている。
【0020】
各第2桟部61は、下面開放の角溝構造の複数の梁61Aを1対の桁部30の間に差し渡してなる。
【0021】
各第3桟部62は、縦方向H1及又は横方向H2に延びて互いに直交する複数のリブ13を有し、複数の正方形の升目を有する格子構造をなしている。また、縦方向H1に延びる複数のリブ13も横方向H2に延びる複数のリブ13も共にデッキボード12の外縁部まで延長されて各第1桟部60の一部になっている。
【0022】
各第1桟部60は、前述の複数のリブ13と、1対の桁部30の間に差し渡されて複数のリブ13と直交し、それらリブ13同士の間隔より狭い間隔で平行に並ぶ複数のリブ14を備える。また、図3に示すように、複数のリブ14のうち最も外側のリブ14、つまり、フォーク挿入孔11の内側から外側に臨むリブ14は、上端から上下方向の途中位置までがパレット10Aの側面30Aと平行な垂直壁15をなし、上下方向の途中位置から下端までが垂直壁15からフォーク挿入孔11の奥側に向かって斜め下方に屈曲する傾斜ガイド壁16になっている。そして、傾斜ガイド壁16のうちフォーク挿入孔11の外側に臨む上縁ガイド面16Gによってフォークがフォーク挿入孔11内に案内される。また、フォーク挿入孔11の貫通方向において、傾斜ガイド壁16は、桁部30のサイドガイド面30Cの中間に位置し、傾斜ガイド壁16の上縁ガイド面16Gとサイドガイド面30Cとの交差部分には、R面取り面16Rが形成されている。
【0023】
垂直壁15は、パレット10Aの側面30Aよりフォーク挿入孔11の内側に位置にしている。そして、垂直壁15の上端から外側水平に水平壁17が張り出している。水平壁17は、図1に示すように、デッキボード12の外縁部全体に亘って連続して形成され、その水平壁17の上面は、デッキボード12の荷物載置面の一部をなしている。また、水平壁17は、パレット10Aの側面30Aから僅かに突出している。なお、パレット10Aの下端の外縁部全体にも、パレット10Aの側面30Aから僅かに突出する下端突条50Tが備えられている。
【0024】
縦方向H1に貫通するフォーク挿入孔11の上側開口縁には、その長手方向に沿って複数のガイドリブ20が設けられている。図2に示すように、それら複数のガイドリブ20は、垂直壁15と水平壁17とに接続される板状をなし、垂直壁15と反対側を向く面が下方に向かうに従ってフォーク挿入孔11の奥側に向かうように傾斜する第1ガイド斜面20Gになっている。また、第1ガイド斜面20Gは、傾斜ガイド壁16の上縁ガイド面16Gと面一になっている。
【0025】
フォーク挿入孔11の上側開口縁における横方向の両端部には、1対の筐体部40Aが備えられている。筐体部40Aは、ガイドリブ20と同様に垂直壁15と水平壁17とに接続された1対の第1補強壁41と、桁部30のサイドガイド面30Cと垂直壁15と1対の第1補強壁41の下端部とに接続された第2補強壁42とが含まれている。詳細には、第2補強壁42は、上縁ガイド面16Gより僅かに上方に位置し、図4及び図5に示すように、第2補強壁42の先端面はパレット10Aの側面30Aと面一になっている。また、図3及び図4に示すように、フォーク挿入孔11の開口幅方向において、一方の第1補強壁41は、面取り面16Rの上端部の近傍に位置し、他方の第1補強壁41は、面取り面16Rよりフォーク挿入孔11の開口幅方向の中央寄りに位置している。さらに、1対の第1補強壁41のうち先端面は、下方に向かうに従ってフォーク挿入孔11の奥側に向かうように傾斜する第2ガイド斜面41Gになって、その上端は水平壁17の先端に位置する一方、下端は第2補強壁42の先端に位置している。また、第2ガイド斜面41Gの上下方向に対する傾斜角は、第1ガイド斜面20Gの上下方向に対する傾斜角より小さくなっている。
【0026】
なお、図1に示すように、本実施形態のパレット10Aでは、横方向H2に貫通するフォーク挿入孔11の上側開口縁は、縦方向H1に貫通するフォーク挿入孔11の上側開口縁と異なる構造になっているが同じであってもよい。
【0027】
本実施形態のパレット10Aの構造に関する説明は以上である。次に、このパレット10Aの作用効果について説明する。このパレット10Aでは、縦方向H1から1対のフォーク挿入孔11にフォークを挿入する場合、それら1対のフォーク挿入孔11の上側開口縁には、複数のガイドリブ20が備えられているので、フォークが当接してもスムーズにフォーク挿入孔11に案内される。しかも、垂直壁15の下端部から屈曲する傾斜ガイド壁16が有する上縁ガイド面16Gとガイドリブ20の第1ガイド斜面20Gとが面一になっているので、フォークがフォーク挿入孔11の奥までスムーズに挿入される。
【0028】
ところで、従来のパレットでは、フォーク挿入孔の上側開口縁の横方向の端部で、フォークの先端がガイドリブ20と桁部30との間に突入して、パレットが変形又は破損することが起こり得た。これに対し、本実施形態のパレット10Aでは、フォーク挿入孔11の上側開口縁の端部に筐体部40Aが備えられ、フォークがガイドリブ20と桁部30との間に突入することが防がれると共に補強され、従来問題になっていてパレット10Aの変形及び破損が防がれる。また、筐体部40Aのうち垂直壁15と反対側を向く面は、下方に向かうに従ってフォーク挿入孔11の奥側に向かうように傾斜する第2ガイド斜面41Gになっているので、フォークが筐体部40Aに突き当たったときの衝撃が逃がされ、筐体部40Aの変形及び破損が抑えられる。
【0029】
なお、筐体部40Aを構成する壁部が垂直壁15から突出している分量は、上下方向に対する第2ガイド斜面41Gの傾斜角が大きいほど少なくなるが、上下方向に対する第2ガイド斜面41Gの傾斜角が、上下方向に対する第1ガイド斜面20Gの傾斜角より小さいので、垂直壁15の突出している分量が多く確保され、高い補強効果を得られる。
【0030】
[第2実施形態]
図6(A)に示された本実施形態のパレット10Bは、第1実施形態で説明した筐体部40Aに補強壁43が追加された構造の筐体部40Bを備えている点のみが第1実施形態と異なる。補強壁43は、筐体部40Bの上下方向の中間部に位置し、第2補強壁42と平行に配置されて、1対の第1補強壁41と直交すると共に桁部30と垂直壁15とに接続されている。また、補強壁43の先端面は第2補強壁42の先端面より垂直壁15側に位置している。
【0031】
[第3実施形態]
図6(B)に示された本実施形態のパレット10Cは、第1実施形態で説明した筐体部40A内の2部屋に、1対の補強壁43Cが筋交い状に配置された構造の筐体部40Cを備えている点が第1実施形態と異なる。
【0032】
[第4実施形態]
図7(A)に示された本実施形態のパレット10Dは、第1実施形態で説明した筐体部40Aにおける桁部30から離れた側の第1補強壁41を湾曲させて、第2補強壁42と連続しかつ水平壁17に対して直交する補強壁41Dに変えた構造の筐体部40Dを備えている。
【0033】
[第5実施形態]
図7(B)に示された本実施形態のパレット10Eの筐体部40Eは、第2実施形態の筐体部40Bのうち桁部30から離れた第1補強壁41と第2補強壁42との角部をR面取りして湾曲部41Dを備えた構造をなしている。
【0034】
[第6実施形態]
図8(A)に示された本実施形態のパレット10Fの筐体部40Fは、第1実施形態の筐体部40Aのうち垂直壁15と反対側を向く面が、フォーク挿入孔11の開口幅方向で桁部30から離れるに従ってフォーク挿入孔11の奥側に向かうように傾斜している。
【0035】
[第7実施形態]
図8(B)に示された本実施形態のパレット10Gの筐体部40Gは、上下方向に対して傾斜し、桁部30のサイドガイド面30Cと水平壁17の下面との間を連絡すると共に垂直壁15に接続された補強壁45を有し、その補強壁45と水平壁17及び桁部30の一部によって三角形の筐体部40Gを備えている。
【0036】
[第8実施形態]
図9(A)及び図9(B)に示された本実施形態のパレット10Hの筐体部40Hは、第1実施形態で説明した筐体部40Aの前面全体を第3補強壁46で閉塞し、上面を開放させた構造をなしている。また、第2補強壁42には、上下に貫通する1対の貫通孔42Aが備えられている。
【0037】
[他の実施形態]
(1)前記第1実施形態のパレット10Aは、フォーク挿入孔11の上側開口縁の両端部に筐体部40Aを備えていたが、例えば、1対のフォーク挿入孔11の上側開口縁のうち互いに近い側の端部のみ、又は、互い離れた側の端部のみに筐体部40Aを備えた構成としてもよい。
【0038】
(2)前記第1実施形態のパレット10Aは、1対のフォーク挿入孔11が、縦方向H1と横方向H2との両方向に貫通していたが、一方向のみに貫通していてもよい。
【0039】
(3)前記第1実施形態のパレット10Aは、下面に複数の下端連絡部50を有するが、下面全体が一枚の板状部材になっていてもよいし、下端連絡部50も板状部材も有さず、桁部30の下端が自由端になっていてもよい。
【0040】
なお、本明細書及び図面には、特許請求の範囲に含まれる技術の具体例が開示されているが、特許請求の範囲に記載の技術は、これら具体例に限定されるものではなく、具体例を様々に変形、変更したものも含み、また、具体例から一部を単独で取り出したものも含む。
【符号の説明】
【0041】
10A~10H パレット
11 フォーク挿入孔
12 デッキボード
15 垂直壁
16 傾斜ガイド壁
16G 上縁ガイド面
17 水平壁
20 ガイドリブ
20G 第1ガイド斜面
30 桁部
40A~40H 筐体部
41 第1補強壁
41G 第2ガイド斜面
42 第2補強壁
43,43C,45 補強壁
46 第3補強壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9