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特開2023-111276ゲーム機、それに用いるコンピュータプログラム、及び制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111276
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】ゲーム機、それに用いるコンピュータプログラム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/30 20060101AFI20230803BHJP
【FI】
A63F9/30 502C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022013055
(22)【出願日】2022-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100161090
【弁理士】
【氏名又は名称】小田原 敬一
(72)【発明者】
【氏名】中山 翔太
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼森 文子
(57)【要約】
【課題】パラメータの変化をゲームの利用促進に活用することができるゲーム機を提供する。
【解決手段】ゲーム機1は、捕獲対象PSの位置を変化させるクレーン13を、入力装置IPを介して入力される操作に応じて動作させるとともに、捕獲対象PSが排出口12まで移動した場合にユーザに景品を付与するクレーンゲームを提供する。また、ゲーム機1は、クレーン13に設定されるパラメータの一つとして捕獲対象PSを掴む力を所定の規則に従って自動で変更するとともに、表示装置としての情報通知装置33を介してその変化後の掴む力をユーザに通知する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理的な遊技体を収容する収容部において当該遊技体の位置を変化させる動作手段を、入力装置を介して入力されるプレイ行為に応じて動作させるとともに、前記動作手段の動作を通じて前記遊技体が所定位置まで移動した場合にユーザに景品を付与する景品獲得ゲームを提供するゲーム機であって、
前記遊技体の位置の変化に影響を与える要素として前記動作手段に設定されるパラメータの内容を所定の規則に従って自動で変更するパラメータ変更手段と、
所定の情報を通知するために接続される通知用装置を介して前記所定の情報として前記パラメータの変化内容を前記ユーザに通知するパラメータ通知手段と、
を備える、ゲーム機。
【請求項2】
前記パラメータ通知手段は、前記景品獲得ゲームのプレイ開始後であって前記動作手段による特定の動作の開始前に前記通知用装置を介して前記パラメータの変化内容を前記ユーザに通知する、請求項1に記載のゲーム機。
【請求項3】
前記パラメータ通知手段は、前記景品獲得ゲームの前回のプレイの開始後であって次回のプレイ開始前に前記通知用装置を介して前記パラメータの変化内容を前記ユーザに通知する、請求項1に記載のゲーム機。
【請求項4】
前記所定の規則は、前記景品獲得ゲームのプレイ状況を利用するように構成され、
前記パラメータ変更手段は、前記所定の規則に従って前記パラメータの内容を前記プレイ状況に応じた内容に変更する、請求項1~3のいずれか一項に記載のゲーム機。
【請求項5】
前記プレイ状況は、前記景品獲得ゲームが所定の対価と引き換えに提供される場合の当該所定の対価として所定期間において徴収された徴収額の状況、前記景品獲得ゲームのプレイ回数の所定期間における累計数の状況、前記ユーザのプレイ時間の所定期間における累計時間の状況、前記ユーザが前記景品獲得ゲームを連続的にプレイした場合の連続プレイの状況、及び前記収容部における前記遊技体の状況の少なくともいずれか一つの状況を含み、
前記パラメータ変更手段は、前記一つの状況に応じて前記パラメータの内容を変更する、請求項4に記載のゲーム機。
【請求項6】
前記動作手段は、前記収容部において前記動作手段が動作すべき位置としての動作位置が前記プレイ行為に応じて指定されるように構成され、
前記プレイ状況は、前記収容部における前記動作位置の状況を含み、
前記パラメータ変更手段は、前記動作位置の状況に基づいて前記パラメータの内容を変更する、請求項4又は5に記載のゲーム機。
【請求項7】
前記景品獲得ゲームを演出するための演出機器に接続され、前記パラメータの変化内容に応じた演出を実行するように前記演出機器を制御する演出制御手段を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のゲーム機。
【請求項8】
前記動作手段、及び前記入力装置に接続されるコンピュータを、請求項1~7のいずれか一項に記載のゲーム機の各手段として機能させるように構成されたコンピュータプログラム。
【請求項9】
物理的な遊技体を収容する収容部において当該遊技体の位置を変化させる動作手段を、入力装置を介して入力されるプレイ行為に応じて動作させるとともに、前記動作手段の動作を通じて前記遊技体が所定位置まで移動した場合にユーザに景品を付与する景品獲得ゲームを提供するゲーム機に組み込まれるコンピュータに、
前記遊技体の位置の変化に影響を与える要素として前記動作手段に設定されるパラメータの内容を所定の規則に従って自動で変更するパラメータ変更手順と、
所定の情報を通知するために接続される通知用装置を介して前記所定の情報として前記パラメータの変化内容を前記ユーザに通知するパラメータ通知手順と、
を実行させる、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理的な遊技体を収容する収容部においてその遊技体の位置を変化させる動作手段を、入力装置を介して入力されるプレイ行為に応じて動作させるとともに、動作手段の動作を通じて遊技体が所定位置まで移動した場合にユーザに景品を付与する景品獲得ゲームを提供するゲーム機等に関する。
【背景技術】
【0002】
物理的な遊技体を収容する収容部においてその遊技体の位置を変化させる動作手段を、入力装置を介して入力されるプレイ行為に応じて動作させるとともに、動作手段の動作を通じて遊技体が所定位置まで移動した場合にユーザに景品を付与する景品獲得ゲームを提供するゲーム機が存在する。例えば、このような動作手段としてクレーンを模したキャッチャを利用したクレーンゲームを提供するゲーム機が知られている(例えば特許文献1)。また、本発明に関連する先行技術文献として特許文献2も存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4749407号公報
【特許文献2】特許第5258433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のゲーム機では、遊技体、及び入力装置として、景品自体、及び操作レバーをそれぞれ利用する景品取得ゲーム(景品獲得ゲーム、或いはプライズゲームと呼ばれる場合もある)が提供されている。このようなキャッチャには、景品の獲得に関連するパラメータとしてキャッチャの移動速度や景品を掴むときの掴む力といった各種のパラメータが設定され得る。また、特許文献1のようなゲーム機において、そのようなパラメータの値が変化する場合もある。しかし、このようなパラメータの値はゲーム機1の内部で設定されているに過ぎず、たとえ変化したとしてもユーザには通知されないのが一般的である。このため、多くの場合、ユーザは景品の獲得に関連する動作手段のパラメータの値を知らずにプレイすることになる。結果として、十分な結果が得られず、満足感の低下につながってしまう可能性がある。また、変化の仕方によっては景品獲得に有利な設定がパラメータに生じる場合もあるが、その有利な設定をゲームの利用促進につなげられていない。このため、パラメータの変化をゲームの利用促進に活用する余地がある。
【0005】
一方、特許文献2のゲーム機では、キャッチャの移動速度が自己の感覚に合うようにユーザによって変更される。また、その変更結果はレベルメータの点灯等を通じてユーザに通知される。しかし、このゲーム機では、ユーザによって設定された内容が確認用に、或いは更なる変更用にユーザに通知されているに過ぎない。つまり、設定対象がキャッチャの移動速度ではあるものの、ユーザの設定結果が確認等のためにそのユーザに通知されるという一般的な構成に過ぎず、本来通知対象ではなく、ゲーム機1の内部にのみ存在するパラメータの値を敢えて他のユーザ等(例えば設定変更したユーザとは別のユーザ等)に通知する構成ではない。結果として、満足感低下の抑制等、パラメータの変化をゲームの利用促進に十分に活用できていない。
【0006】
そこで、本発明は、パラメータの変化をゲームの利用促進に活用することができるゲーム機等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のゲーム機は、物理的な遊技体を収容する収容部において当該遊技体の位置を変化させる動作手段を、入力装置を介して入力されるプレイ行為に応じて動作させるとともに、前記動作手段の動作を通じて前記遊技体が所定位置まで移動した場合にユーザに景品を付与する景品獲得ゲームを提供するゲーム機であって、所定の情報を前記ユーザに通知する出力装置と、前記遊技体の位置の変化に影響を与える要素として前記動作手段に設定されるパラメータの内容を所定の規則に従って自動で変更するパラメータ変更手段と、前記パラメータの変化内容が前記所定の情報として前記出力装置を介して前記ユーザに通知されるように前記出力装置を制御する通知制御手段と、を備えるものである。
【0008】
一方、本発明のコンピュータプログラムは、前記動作手段、及び前記入力装置に接続されるコンピュータを、上述のゲーム機の各手段として機能させるように構成されたものである。
【0009】
また、本発明の制御方法は、物理的な遊技体を収容する収容部において当該遊技体の位置を変化させる動作手段を、入力装置を介して入力されるプレイ行為に応じて動作させるとともに、前記動作手段の動作を通じて前記遊技体が所定位置まで移動した場合にユーザに景品を付与する景品獲得ゲームを提供するゲーム機に組み込まれるコンピュータに、前記遊技体の位置の変化に影響を与える要素として前記動作手段に設定されるパラメータの内容を所定の規則に従って自動で変更するパラメータ変更手順と、所定の情報を通知するために接続される通知用装置を介して前記所定の情報として前記パラメータの変化内容を前記ユーザに通知するパラメータ通知手順と、を実行させるものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一形態に係るゲーム機の構成を示す図。
図2】ゲーム機の制御系の要部を示す機能ブロック図。
図3】パラメータの情報が数値的な表示により通知される場合の通知の仕方、及び表示装置の一例を説明するための説明図。
図4】パラメータの情報が数値的以外の表示により通知される場合の通知の仕方、及び表示装置の一例を説明するための説明図。
図5】演出データEDの構成の一例を示す図。
図6】パラメータ変更処理の手順の一例を示すフローチャート。
図7】パラメータ演出処理の手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一形態に係るゲーム機の一例を説明する。まず、図1を参照して、本発明の一形態に係るゲーム機の構成を説明する。ゲーム機1は、景品獲得ゲーム(プライズゲーム)を提供するゲーム装置として構成される。景品獲得ゲームは、物理的な遊技体を収容する収容部においてその遊技体の位置を変化させる動作手段を、入力装置を介して入力されるプレイ行為に応じて動作させるとともに、動作手段の動作を通じてその遊技体が所定位置まで移動した場合にユーザに景品を付与するタイプのゲームである。ゲーム機1は、遊技体、及び動作手段を遠隔的に操作する単なるコンピュータ装置(据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ、スマートフォン等の携帯電話、据置型の家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機、或いは携帯型タブレット端末装置といったユーザ端末装置を含む)であってもよいが、図1の例では商業用(業務用)のゲーム機として構成されている。
【0012】
ゲーム機1は、アーケードゲーム機と呼ばれることがある。アーケードゲーム機は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として所定の施設に設置されるタイプのコンピュータ装置である。例えばユーザ端末装置として構成される場合、或いは所定の施設への入場料等により別途対価が徴収される場合等、ゲーム機1は適宜に無料で景品獲得ゲームを提供してもよいが、一例として有料で景品獲得ゲームを提供する。つまり、ゲーム機1は、所定のプレイ料金の支払いと引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザに景品獲得ゲームをプレイさせるタイプの商業用(業務用)のゲーム機として構成されている。
【0013】
ゲーム機1は遊技体を搬送するベルトコンベア等の各種の動作手段を使用する適宜の景品獲得ゲームを提供してよいが、図1の例では景品獲得ゲームの一例としてクレーンゲームを提供している。つまり、ゲーム機1は、クレーンゲームを提供するクレーンゲーム機として構成されている。クレーンゲーム機では、動作手段の一例としてクレーンが利用される。クレーンは、物理的な捕獲対象(例えば遊技体)を捕獲(取得)するための装置の一種であり、捕獲対象を挟むための複数の爪(多くの場合2つ)を有し、この爪で挟むことによって捕獲対象を掴む(捕獲する)ように構成される。また、このようなクレーンは捕獲対象を収容する収容部の上方に配置され、捕獲対象を掴むための捕獲動作をする位置が左右方向及び奥行方向の二軸方向に関するユーザの操作を通じて決定される。クレーンは、そのユーザの操作に基づく位置において下降し、捕獲動作を実行する。捕獲対象は、景品自体である場合が多いが、景品に関連付けられる代替物である場合もある。そして、このような捕獲対象がクレーンによって捕獲され、所定位置まで運搬された場合に景品がユーザに付与される。
【0014】
具体的には、ゲーム機1は、筐体10を有している。筐体10には、収容部11と、排出口12と、入力装置IPと、が設けられている。排出口12は、遊技体としての捕獲対象PSを排出するための開口である。収容部11は、捕獲対象PSを収容するための空間である。収容部11は、アクリル或いはガラス等の内部を視認可能な透明な素材によって外部と内部とが仕切られ、外部から内部が視認可能なように構成される。また、収容部11は、多くの捕獲対象PSを収容可能に構成される。
【0015】
収容部11の内部には、動作手段としてのクレーン13、カメラCA、及び解放口14が設けられる。クレーン13は、収容部11の内部に収容される捕獲対象PSを捕獲するための装置である。クレーン13は、左右方向XD及び奥行方向YDをそれぞれX軸及びY軸とした場合のXY平面において各座標位置に配置されるように左右方向XD及び奥行方向YDの二軸方向に移動可能に構成される。そして、クレーン13は、このような各座標位置において所定の高さ(所定の下降位置)まで下降する下降動作を実行するとともに、その所定の高さにおいて捕獲対象PSを掴む捕獲動作、及び掴んだ捕獲対象PS(実際には掴んでいなくてもよい)を所定位置まで運搬する運搬動作を順に実行可能に構成される。また、運搬動作は、所定位置において掴んだ捕獲対象PSを解放する解放動作を含んでいる。つまり、クレーン13は、下降動作の位置まで移動する移動動作、下降動作、捕獲動作、運搬動作、及び解放動作の一連の動作を順に実行する。
【0016】
クレーン13の各動作は、各種のパラメータに基づいて実行される。そして、クレーン13は、これらのパラメータの少なくとも一部を変更可能に構成される。具体的には、クレーン13の動作を定義するパラメータには、動作の種類や内容に応じた各種のパラメータが含まれ得る。例えば、移動動作、下降動作、捕獲動作、運搬動作、及び解放動作には、移動速度を示すパラメータ、下降速度を示すパラメータ、捕獲する際の挟む(掴む)力を示すパラメータ、運搬速度を示すパラメータ、及び解放する(爪を広げる)速度を示すパラメータといったパラメータが含まれる。クレーン13は、これらのパラメータの適宜の少なくとも一部が変更可能に構成されるが、以下では一例として捕獲する際の挟む力(以下、把持力と呼ぶ場合がある)が変更可能に構成される場合について説明する。
【0017】
入力装置IPは、ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置である。入力装置IPには各種のプレイ行為が適宜に実行されてよいが、図1の例ではそのようなプレイ行為として操作が実行される場合を示している。また、入力装置IPには、各種の操作が適宜に実行されてよく、そのような操作に応じた各種の操作部が設けられ得るが、図1の例では方向操作部IP1、及び決定操作部IP2が設けられている。方向操作部IP1は、クレーン13の移動動作における方向を指示するための操作が実行される操作部である。つまり、方向操作部IP1への操作を通じて、XY平面におけるクレーン13の移動方向が指定される。一方、決定操作部IP2は、XY平面においてクレーン13が下降動作を実行すべき位置を決定するための操作が実行される操作部である。具体的には、方向操作部IP1への操作を通じて配置されたXY平面上の位置において決定操作部IP2が操作された場合に、その位置においてクレーン13は下降動作を実行する。
【0018】
解放口14は、解放口14と排出口12とを接続する接続通路15に開口している。つまり、収容部11の内部は、解放口14を介して排出口12と接続されている。そして、解放口14は、クレーン13によって解放動作が実行されるべき所定位置として機能する。このため、実際にクレーン13によって捕獲対象PSが掴まれていた場合には、解放動作に伴いその捕獲対象PSは解放口14の上方で解放されて落下し、解放口14を介して排出口12から排出される。捕獲対象PSは上述のとおり景品の代替物であってもよいが、一例として景品自体が利用される。具体的には、捕獲対象PSは、景品を内包するカプセルとして構成される。このため、捕獲対象PSが排出口12から排出された場合、その捕獲対象PS、換言すればそこに内包する景品がクレーンゲームをプレイするユーザに付与される。つまり、捕獲対象PSが解放口14の上方で解放された場合、その捕獲対象PSの排出を通じて直接的に景品がユーザに付与される。
【0019】
カメラCAは、周知の光学機器である。カメラCAの撮影範囲は適宜に設定されてよいが、一例として収容部11の内部の状況を含むように設定される。また、カメラCAは収容部11の内部の状況としてクレーン13の状況、或いは一部の捕獲対象PSの状況といった各種の状況を適宜に撮影してよいが、一例として捕獲対象PSの全部の状況(例えば位置や体勢等の状態といった各種の状況)を撮影するように設置される。
【0020】
次に、図2を参照してゲーム機1の制御系の要部を説明する。ゲーム機1には、コンピュータとしての制御ユニット31と、記憶手段としての記憶部32と、通知用装置としての情報通知装置33と、演出機器34と、上述のクレーン13、入力装置IP、及びカメラCAが設けられる。記憶部32、情報通知装置33、演出機器34、クレーン13、入力装置IP、及びカメラCAはいずれも制御ユニット31に接続される。
【0021】
入力装置IP、及びカメラCAは、ゲーム機1に設けられる入力装置の一例である。ゲーム機1にはプレイ行為を入力するための各種の入力装置が適宜に設けられ得るが、図2の例では入力装置IPが示されている。入力装置IPは、方向操作部IP1、或いは決定操作部IP2への操作に応じた信号を制御ユニット31に出力する。カメラCAは、上述のとおり周知の光学機器である。カメラCAは撮影結果に従った信号を制御ユニット31に入力する。また、カメラCAは、制御ユニット31からの出力信号に従って動作する。このため、カメラCAは出力装置に分類されてもよい。
【0022】
一方、情報通知装置33、演出機器34、及びクレーン13は、ゲーム機1に設けられる出力装置の一例である。ゲーム機1には各種の出力装置が適宜に設けられ得るが、図2の例ではこれらが示されている。これらは制御ユニット31によってその動作が制御される。具体的には、演出機器は、景品獲得ゲームを演出するための周知の機器である。演出機器には、景品獲得ゲームにおいて要求される演出に応じて表示装置、スピーカ、或いは照明といった各種の機器が適宜に含まれ得る。
【0023】
クレーン13は上述のとおり動作手段の一例である。クレーン13には、モータDSが設けられる。モータDSは、クレーン13に移動動作、捕獲動作、運搬動作、及び解放動作といった各種の動作を実行させるための駆動源である。モータDSは、制御ユニット31からの出力信号に従って動作する。つまり、クレーン13は、制御ユニット31によるモータDSの制御を介して各種の動作を実行する。
【0024】
情報通知装置33は所定の情報をユーザに通知するための装置である。所定の情報には、各種の情報が適宜に含まれてよいが、遊技体の位置の変化に影響を与える要素として動作手段に設定されるパラメータの情報が含まれる。このようなパラメータとして動作手段の種類(構成)等に応じた各種のパラメータが適宜に利用されてよく、例えば動作手段としてクレーン13が使用される場合、運搬動作の速度といった捕獲対象PSの運搬に関連する各種の要素にパラメータが設定されてよいが、一例として把持力を示すパラメータ(以下、把持力、或いは把持力値と呼ぶ場合がある)が利用される。つまり、情報通知装置33は、所定の情報としてクレーン13の把持力値の情報をユーザに通知する装置として構成される。また、把持力の通知方法(通知の仕方)は適宜でよく、例えば把持力の内容に応じて通知の仕方を変える等、各種の演出を含んでいてもよく、その場合、情報通知装置33は演出機器34として機能する。情報通知装置33が演出機器34として機能する場合、演出機器34は省略されてもよい。把持力の通知方法については一例を後述する。
【0025】
制御ユニット31は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の処理を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。制御ユニット31には、制御ユニット31のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのゲームプログラムPGとの組合せによって実現される論理的装置が設けられる。制御ユニット31には、このような論理的装置が適宜に設けられ得るが、図2の例ではクレーン制御部35、カメラ制御部36、パラメータ管理部37、及び演出制御部38が示されている。
【0026】
クレーン制御部35はクレーン13の動作を、カメラ制御部36はカメラCAの動作を、それぞれ制御するための各種の処理を実行する論理的装置である。クレーン制御部35が実行する処理には、例えば入力装置IPへの各種操作に応じて移動動作、下降動作、捕獲動作、運搬動作、或いは解放動作といった各種の動作をクレーン13に実行させるための処理が含まれる。同様に、カメラ制御部36が実行する処理には、例えばカメラCAに撮影を実行させる処理、その撮影結果を取得する処理といった処理が含まれる。
【0027】
パラメータ管理部37は、遊技体の位置の変化に影響を与える要素として動作手段に設定される把持力値(パラメータ)を管理するための各種の処理を実行する論理的装置である。具体的には、クレーン13の把持力値はゲーム機1の管理者等の設定を通じて変化してもよいが、一例として所定の規則に従って自動的に変化する。このため、パラメータ管理部37が実行する処理には、このような把持力値(パラメータ)を変化させるための各種の処理が含まれる。また、把持力値の情報は情報通知装置33を通じてユーザに通知される。このため、パラメータ管理部37が実行する処理には、情報通知装置33を介して把持力値を通知する処理、換言すれば把持力値を通知するように情報通知装置33を制御する処理が含まれる。パラメータ管理部37は、このような処理の一例としてパラメータ変更処理を実行する。パラメータ変更処理の詳細は後述する。
【0028】
演出制御部38は、演出機器34による演出を実行するための各種処理を実行する論理的装置である。このため、演出制御部38は、各種の演出を実行するように演出機器34を制御する処理を実行する。このような処理には、パラメータ演出処理が含まれる。パラメータ演出処理の詳細は後述する。
【0029】
記憶部32は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部32には、上述したゲームプログラムPGとともに、各種のデータが記録され得るが、図2の例ではゲームデータGDが示されている。ゲームデータGDは、ゲームプログラムPGに従ってユーザにクレーンゲームをプレイさせるためデータである。ゲームデータGDは、クレーンゲームの提供に必要な各種のデータを適宜に含み得るが、図2の例では設定データSD、及び演出データEDを含んでいる。
【0030】
設定データSDは、クレーン13に設定されるべきパラメータ(把持力値)の内容を管理するためのデータである。設定データSDには、少なくとも所定の規則に従って変化した後の把持力値(パラメータ)の情報、つまり現在の把持力値の情報が記録される。演出データEDは、パラメータ(把持力値)の内容に応じた演出を管理するためのデータである。このような演出は省略されてもよいし、変化後のパラメータの内容にかかわらず一律であってもよいが、一例として変化後のパラメータの内容(変化前を基準にした相対的な変化の内容であっても、例えば変化後の把持力の値が100の場合、変化前の把持力の値が100であっても同様の演出がされる等、絶対値としての内容であってもよい)に応じて変化する。そして、その変化後のパラメータの内容に応じた演出が、演出データEDによって管理される。演出データEDの詳細は後述する。
【0031】
次に、図3及び図4を参照して、パラメータの通知の仕方の一例について説明する。パラメータの内容は適宜の方法で通知されてよく、例えば音声等を通じて聴覚的に通知されてもよいが、一例として視覚的に通知される。同様に、パラメータの通知方法に応じた適宜の装置が情報通知装置33として利用されてよく、例えばパラメータの内容を通知する音声を再生するスピーカが情報通知装置33として利用されてもよいが、一例として表示装置が利用される。また、パラメータの情報は各種の視覚的な手法により通知されてよく、それらの各種の視覚的手法に応じて適宜の表示装置が情報通知装置33として利用され得る。以下では、視覚的な手法の一例として、数値的な表示により通知される場合、及び数値以外の表示により通知される場合を説明するとともに、それらの通知に適用される情報通知装置33(表示装置)の一例について説明する。
【0032】
図3は、パラメータの情報が数値的な表示により通知される場合の通知の仕方、及び表示装置の一例を説明するための説明図である。パラメータの情報に対応する数値的な表示は適宜に実現されてよいが、図3の例は(a)においてパラメータの情報として把持力の絶対値が通知される場合を、(b)において把持力の相対値が通知される場合を、それぞれ示している。また、図3の例では、ゲーム機1の主要部分のみが模式的に表示されている。図3の(a)に示すように、把持力の絶対値が通知される場合、パラメータ情報として把持力値の絶対値を示す数値の情報が、表示装置としての情報通知装置33に表示される。そして、その数値の増減により把持力値の大小が把握される。
【0033】
具体的には、クレーン13には、爪部13A、及びボディ部13Bが設けられる。爪部13Aは捕獲対象PSを挟むための爪に対応する部分である。ボディ部13Bは、爪部13Aが設けられる、クレーン13のボディとして機能する部分である。情報通知装置33(表示装置)はゲーム機1に適宜に設けられてよく、例えば筐体10の側壁部に設けられていてもよい(後述の所定の配色等で発光するように情報通知装置33が構成される場合を含む)が、図3の例ではボディ部13Bに設けられている。そして、そのボディ部13Bに“99”或いは“23”といった把持力値を示す数値が表示される。数値の大小と把持力の強弱とは適宜に対応づけられてよく、数値が低いほど把持力が強くなるように対応づけられていてもよいが、一例として数値が大きくなるほど把持力が強くなるように対応づけられる。また、最大値、及び最小値は適宜に設定されてよいが、一例として10(ゼロであってもよいが、一例として捕獲対象PSを挟める最小値)~100(最大値)に設定される。このため、例えば把持力値“99”(図3の(a)における左側)から“23”(図3の(a)における右側)に数値が減少した場合には爪部13Aの把持力の低下が認識され、その反対に数値が増加した場合には把持力の増加が認識される。
【0034】
一方、把持力の相対値が通知される場合、図3の(b)に示すように、パラメータ情報として把持力値の基準値からの相対的な変化(相違)を示す数値の情報が、表示装置としての情報通知装置33に表示される。この場合も情報通知装置33は適宜に設けられてよいが、図3の例では(a)の場合と同様にボディ部13Bに設けられる。そして、情報通知装置33に表示される相対値の変化により把持力値の大小が把握される。具体的には、基準値、及びそこからの変化は適宜に設定されてよいが、一例として基準値がゼロに、そこから把持力の増加がプラスに、減少がマイナスに、それぞれ設定される。また、相対値の最大値、及び最小値は適宜に設定され得るが、一例として最大値が“+3”に、最小値が“-3”に、それぞれ設定される。このため、例えば把持力値“0”(図3の(b)における左側)の場合、爪部13Aの把持力が中間値(基準値)に該当することが認識される。一方、そこから“-3”(図3の(b)における右側)に数値が変化した場合には爪部13Aの把持力の増加(最大値)が認識され、その反対に数値が変化した場合には把持力の低下(最小値)が認識される。
【0035】
図4は、パラメータの情報が数値的以外の表示により通知される場合の通知の仕方、及び表示装置の一例を説明するための説明図である。数値的以外の表示は適宜に実現されてよいが、図4の例はパラメータの情報として把持力の大小が(a)において色の変化により通知される場合を、(b)において光の濃淡(明度)により通知される場合を、(c)においてゲージの表示により通知される場合を、それぞれ示している。また、図4の例では、図3の例と同様に、ゲーム機1の主要部分のみが模式的に表示されている。図4の(a)に示すように、把持力の大小が色の変化により通知される場合、情報通知装置33が把持力値に対応する色で発光する。そして、その色の変化により把持力値の大小が把握される。
【0036】
具体的には、情報通知装置33はゲーム機1に適宜に設けられてよいが、図4の例では爪部13Aに設けられる。また、情報通知装置33は各種の発色が可能な表示装置として構成され、その情報通知装置33が表現可能な各配色は把持力値の大小に関連付けられる。把持力値の大小には適宜の段階が設けられてよく、例えば把持力値の大小に五段階が設定される場合、情報通知装置33は五色に発色可能に構成される。そして、情報通知装置33の発色に応じて把持力の大小が把握される。例えば、情報通知装置33の黒の発色(図4の(a)において黒塗りで表現される左側)が把持力の最小値に、白の発色(図4の(a)において無色で表現される右側)が把持力の最大値に、それぞれ関連付けられる場合、黒から白への情報通知装置33の表示の変化は、把持力値の増加として把握される。
【0037】
また、図4の(b)に示すように、把持力の大小が光の濃淡により通知される場合、情報通知装置33が把持力値に対応する明るさ(明度)で発光する。この場合も情報通知装置33は適宜に設けられてよいが、図4の例では(a)の場合と同様に爪部13Aに設けられる。そして、情報通知装置33が発光する明るさの変化により把持力値の大小が把握される。具体的には、情報通知装置33は複数段階の明度で発光が可能な表示装置として構成され、その情報通知装置33が発光する明度は把持力値の大小に関連付けられる。把持力値の大小には適宜の段階が設けられてよく、例えば把持力値の大小に五段階が設定される場合、情報通知装置33は五段階の明度に発色可能に構成される。そして、情報通知装置33の明度に応じて把持力の大小が把握される。例えば、情報通知装置33の高明度(図4の(a)において黒塗りで表現される左側)が把持力の最大値に、低明度(図4の(a)においてドット柄で表現される右側)が把持力の最小値に、それぞれ関連付けられる場合、高明度(濃い光)から低明度(淡い光)への情報通知装置33の表示の変化は、把持力値の低下として把握される。
【0038】
一方、把持力の大小がゲージの表示により通知される場合、図4の(c)に示すように、情報通知装置33は把持力値の大小を示すゲージを表示する。この場合も情報通知装置33は適宜に設けられてよいが、図4の例ではボディ部13Bに設けられる。そして、情報通知装置33が表示するゲージの増減により把持力値の大小が把握される。具体的には、情報通知装置33はゲージの増減を表示可能な表示装置として構成され、その情報通知装置33が表示するゲージの量は把持力値の大小に関連付けられる。把持力値の大小には適宜の段階(無段階を含む)が設けられてよく、例えば把持力値の大小に五段階が設定される場合、情報通知装置33はゲージの量を五段階に表示可能に構成される。そして、情報通知装置33に表示されるゲージの量に応じて把持力の大小が把握される。
【0039】
情報通知装置33は把持力に対応するゲージの表示を適宜に実現してよいが、一例として無表示から一本ずつ徐々に四本まで増える棒状の表示によりゲージの表示を実現する。ゲージの量は適宜に把持力と関連付けられてよく、例えば無表示が把持力の最大値と関連付けられてもよいが、一例として無表示が把持力の最小値に、四本の棒状の表示が把持力の最大値に、それぞれ関連付けられる。このため、情報通知装置33がゲージの量を示す四本の棒状の表示(図4の(c)における左側)から二本の棒状の表示(図4の(c)における右側)に変化した場合、把持力の低下(最大値からその半分の程度の値への低下)として把握される。
【0040】
次に、演出データEDの詳細について説明する。図5は、演出データEDの構成の一例を示す図である。演出データEDは演出の実現に必要な各種の情報を適宜に含み得るが、図5の例はパラメータの内容とそれに対応する演出とを関連付ける部分を示している。図5に示すように、演出データEDは、演出の内容(種類)毎にその演出に関連付けられるパラメータの内容を管理するための演出レコードEDRを含んでいる。また、演出レコードEDRは、このような管理を実現するために、“演出ID”、“演出内容”、及び“パラメータ条件”の情報を含んでいる。
【0041】
“演出ID”は、ゲーム機1に用意される演出毎にユニークな演出IDを示す情報である。“演出内容”は、ゲーム機1に用意される各演出の内容を示す情報である。例えば、把持力が最大値の場合には派手な演出を示す内容が、最小値の場合には抑え目な演出を示す内容が、それぞれ演出の内容として記述される。また、スピーカ、或いはモニタといったその演出を実現するための演出機器の種類の情報も演出内容の情報として“演出内容”に記述される。“パラメータ条件”は、各演出が実行されるべきパラメータの条件を示す情報である。パラメータの条件として、相対的な条件(例えば、変化後の把持力が同じ100であっても、50から変化した場合と10から変化した場合とで演出が相違するように、変化前後の差が40以上等の条件)が利用されてもよいが、一例として絶対的な条件が利用される。具体的には、“パラメータ条件”には、例えば、把持力の最大値、或いは最小値といった情報がパラメータの条件として“パラメータ条件”に記述される。また、五段階等、把持力が最大値等以外の段階を含み、それらに応じた演出も用意される場合には、それらの各段階に対応する情報がパラメータの条件として“パラメータ条件”に記述される。演出レコードEDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。なお、演出レコードEDRには、これらに限定されず、各演出、或いはパラメータの条件等に応じて適宜の情報が含まれていてよい。あるいは、上述の各情報が適宜に省略されてもよい。
【0042】
次に、図6及び図7を参照して、パラメータ変更処理、及びパラメータ演出処理について説明する。パラメータ変更処理は、所定の規則に従って自動でクレーン13のパラメータを変更するための処理である。パラメータの変更は適宜の時期に実行されてよく、例えばプレイ中、所定の周期、或いはプレイ毎に実行されてもよいが、一例として所定の時期に実行される。また、パラメータの変更は、プレイ終了毎等の所定の時期において無条件に毎回実行されてもよいが、一例として所定の調整条件が満たされた場合に実行される。つまり、パラメータの変更は、所定の時期において調整条件が満たされた場合に実行される。このような調整条件は適宜に満たされたよく、例えばランダムに満たされてもよいが、一例としてプレイ状況を要件に含み、そのプレイ状況に基づいて満たされる。同様に、所定の時期は適宜の時期であってよいが、調整条件がプレイ状況を利用する場合、そのようなプレイ状況に応じて設定される。図6の例は、このような場合のパラメータ変更処理を示している。
【0043】
パラメータ管理部37は、所定の時期が到来する毎に図6のパラメータ変更処理を開始し、まず直前のプレイのプレイ状況を取得する(ステップS101)。このようなプレイ状況はプレイに関連する各種の状況を適宜に含み得るが、例えば所定の対価として所定期間において徴収された徴収額(所定の対価の所定期間における累計的徴収額)の状況、ゲームのプレイ回数の所定期間における累計数の状況、ユーザのプレイ時間の所定期間における累計時間の状況、ユーザが景品獲得ゲームを連続的にプレイした場合の連続プレイの状況、XY平面におけるクレーン13が下降動作を実行すべき動作位置(ユーザによって下降動作の位置として指定されたXY平面の位置)の状況、或いは収容部11における捕獲対象PSの状況といった状況が含まれる。
【0044】
また、所定の時期はプレイ状況に応じた適宜の時期であってよく、例えば調整条件が満たされる時期と相違していてもよい(例えばプレイ終了時のプレイ状況に基づいて調整条件はプレイ終了時に満たされるが、所定の時期は次のプレイ開始時であってもよい)が、一例としてプレイ状況に応じた次の時期に設定される。具体的には、プレイ状況として徴収額の状況、累計数の状況、及び捕獲対象PSの状況が利用される場合、所定の時期としてプレイ(所定の対価と引き換えにクレーン13を複数回動作させる機会が付与される場合、つまり一回のプレイ範囲に複数の獲得機会が含まれる場合の各獲得機会、或いはその一回のプレイ範囲のプレイを含む)の終了時が利用される。つまり、これらの場合、プレイの終了毎に図6のパラメータ変更処理が実行される。また、プレイ状況として、累計時間の状況、及び連続プレイの状況が利用される場合、所定の時期としてプレイの開始時が利用される。つまり、これらの場合、プレイの開始毎に図6のパラメータ変更処理が実行される。一方、プレイ状況として動作位置の状況が利用される場合、所定の時期として動作位置が指定された時期(あるいは、下降動作の実行時でもよい)が利用される。つまり、この場合、動作位置が指定される毎に図6のパラメータ変更処理が実行される。そして、パラメータ管理部37は、ステップS101において、これらに関する状況をプレイの終了時等にプレイ状況として取得する。
【0045】
続いてパラメータ管理部37は、ステップS101で取得したプレイ状況に基づいてそのプレイ状況が調整条件を満たすか否か判別する(ステップS102)。調整条件は、プレイ状況の種類に応じて適宜に満たされ得るが、一例として次のように満たされる。例えば、プレイ状況として徴収額の状況が利用される場合、調整条件はその徴収額が所定額(例えば景品の価値に基づいて固定的に設定されてよいし、同様の所定期間において獲得された景品の価値に基づいて可変的に設定されてもよい)以上のとき、或いは所定額未満のときに満たされる。
【0046】
同様に、プレイ状況として累計時間の状況、累計数の状況、及び連続プレイの状況が利用される場合、調整条件はそれらの累計時間、累計数、或いは連続プレイが所定時間、或いは所定回数(いずれも所定額と同様に固定的であっても可変的であってもよい)以上のときに満たされる。累計数はユーザ毎にカウントされてもよいが、一例としてゲーム機1毎にカウントされる。一方、累計時間はゲーム機1毎にカウントされてもよいが、一例としてユーザ毎にカウントされる。また、連続プレイの状況は、例えばプレイのコンティニュが可能な場合にそのコンティニュに基づいて判別され、電子通貨による支払い等により個人とプレイとの関連付けが可能な場合にはその支払い等に基づいて判別される。具体的には、一回、或いは複数回等の所定数のコンティニュに相当するプレイ回数が所定回数として設定され、その所定数のコンティニュが実行された場合に調整条件が満たされる。なお、累計時間の状況、或いは連続プレイの状況といったユーザに固有の状況として、その他にも各種の状況が適宜に利用されてよく、調整条件もそれらの状況に応じて適宜に満たされてよい。
【0047】
一方、プレイ状況として動作位置の状況が利用される場合、調整条件はその動作位置が特定の位置に該当するときに満たされる。特定の位置は適宜に設定されてよく、例えば一つ、或いは複数の個別の位置に設定されてもよいが、一例として解放口14からの距離(収容部11の底面、つまりXY平面と平行するように解放口14を含む平面における動作位置に対応する位置までの距離)が所定距離(移動速度が考慮され、移動時間に対応するように設定されてもよい)以上の範囲に設定される。つまり、調整条件は、動作位置が解放口14から所定距離以上の範囲に該当する場合に満たされる。動作位置は適宜に判別されてよく、例えばカメラCAの撮影結果に基づいて判別されてもよいが、一例としてクレーン制御部35の制御によって動作したクレーン13の実際の動作結果に基づいて判別される。
【0048】
また、プレイ状況として捕獲対象PSの状況が利用される場合、調整条件は捕獲対象PSの状況が獲得難易度の高い状況のとき、或いはその反対に低い状況のときに満たされる。獲得難易度の状況は適宜に判別されてよいが、例えば捕獲対象PSの密度(収容部11に残される捕獲対象PSの数)、解放口14から捕獲対象PSまでの距離、或いは捕獲対象PSの姿勢(例えば獲得が容易な所定の姿勢に該当するか否か等)に基づいて判別される。また、捕獲対象PSの状況(獲得難易度の状況)は適宜に判別されてよいが、一例としてカメラCAの撮影結果に基づいて判別される。パラメータ管理部37は、一例としてこのように徴収額の状況、累計数の状況、累計時間の状況、連続プレイの状況、動作位置の状況、或いは捕獲対象PSの状況といったプレイ状況に基づいて調整条件を満たすか否か判別する。そして、調整条件が満たされない場合(ステップS102:No)、パラメータ管理部37は以降の処理をスキップして今回のパラメータ変更処理を終了する。
【0049】
一方、調整条件が満たされる場合(ステップS102:Yes)、パラメータ管理部37は所定の規則に従ってパラメータを変更する(ステップS103)。所定の規則は適宜の規則であってよく、例えばランダム、ユーザの選択結果を利用する規則であってもよいが、一例としてクレーンゲームのプレイ状況を利用するように構成される。また、このようなプレイ状況として各種の状況が適宜に利用されてよく、調整条件の要件とは別のプレイ状況が利用されてもよいが、一例として調整条件と同様のプレイ状況が利用される。つまり、所定の規則は徴収額の状況、累計数の状況、累計時間の状況、連続プレイの状況、動作位置の状況、或いは捕獲対象PSの状況といったプレイ状況を利用し、パラメータを変更するように構成される。
【0050】
例えば、プレイ状況として徴収額が利用される場合、所定の規則として所定の基準値を基準に徴収額に応じてクレーン13の把持力(パラメータ)を増減させる規則が利用される。具体的には、パラメータ管理部37は徴収額が所定額以上の場合に、基準値よりも増加するようにクレーン13の把持力を変化させる。所定の基準値は適宜に設定されてよいが、一例として把持力の変化範囲における中間値が利用される。同様に、パラメータ管理部37は徴収額が所定額未満の場合に、基準値よりも減少するようにクレーン13の把持力を変化させる。また、把持力には適宜の数の変化が用意されてよいが、例えば五段階の変化が用意される場合、所定額以上、及び所定額未満のそれぞれに更に一つずつ段階が設けられる。そして、それらの段階を超えた場合、或いはその段階を下回った場合において一段階ずつ更に把持力が増減される。徴収額の増減と把持力の増減との関係は適宜に設定されてよく、例えば各徴収額とそれに対応する把持力とを関連付けるマップ(例えば線形、或いは指数関数的マップ等、適宜のマップであってよい)、或いはそのマップと同様の関係を演算する関数(マップと同様の結果が得られるように都度演算されるもの)に従って多段階的に設定されてもよいが、一例としてこのように徴収額と把持力との関連を設定する規則(例えばマップ)に基づいて三段階、或いは五段階に設定される。
【0051】
プレイ状況として累計時間の状況、累計数の状況、及び連続プレイの状況が利用される場合、所定の規則として所定の基準値(適宜に設定されてよいが、例えば徴収額の場合と同様に設定される)を基準に累計時間、或いはプレイ回数に応じてクレーン13の把持力を徐々に上昇させる規則が利用される。具体的には、パラメータ管理部37は、累計時間が所定時間以上の場合にその所定時間を超えた部分において複数段階に累計時間と把持力とを関連付けるマップ(適宜であってよいが、例えば線形のマップ)、或いはそのマップと同様の関係を演算する関数に従って徐々に把持力を上昇させる。プレイ状況として累計数の状況、及び連続プレイの状況が利用される場合も同様である。例えば、パラメータ管理部37は、連続回数が所定回数以上の場合にその所定回数を超えた部分において複数段階に連続回数と把持力とを関連付けるマップ、或いはそのマップと同様の関係を演算する関数に従って徐々に把持力を上昇させる。累計時間が所定時間未満の場合、或いはプレイ回数が所定回数未満の場合にも把持力を減少させるマップ等が適用され、徐々に把持力が減少されてもよいが、一例としてこのように所定時間等を基準に上昇の変化のみが設定される。
【0052】
プレイ状況として動作位置の状況が利用される場合、所定の規則として所定距離を基準に動作位置の解放口14からの距離が長くなるに従ってクレーン13の把持力を徐々に上昇させる規則が利用される。具体的には、パラメータ管理部37は、動作位置が所定距離以上の範囲に該当する場合に動作位置と解放口14との間の距離に応じて距離が長くなるほど把持力が複数段回に増加するマップ(適宜であってよいが、例えば線形のマップ)、或いはそのマップと同様の関係を演算する関数に従って徐々に把持力を上昇させる。動作位置と解放口14との間の距離が一定の近い距離に該当する場合にも把持力を減少させるマップ等が適用され、距離が近くなるに従って徐々に把持力は減少されてもよいが、一例としてこのように所定距離を基準に上昇の変化のみが設定される。
【0053】
プレイ状況として捕獲対象PSの状況が利用される場合、所定の規則として所定の獲得難易度に対応する所定の基準状況を基準にクレーン13の把持力がその状況に近づくほど減少し、離れるほど上昇する規則が利用される。このような基準状況は適宜に設定されてよいが、例えば中間的な難易度に相当する所定の密度、解放口14から捕獲対象PSまでの所定の距離、或いは所定の姿勢が基準状況として設定される。具体的には、パラメータ管理部37は、所定の密度よりも密度が高くなるほど把持力が減少する一方で、所定の密度よりも密度が低くなるほど把持力が上昇するマップ(適宜であってよいが、例えば線形のマップ)、或いはそのマップと同様の関係を演算する関数に従ってクレーン13の把持力を変更する。同様に、パラメータ管理部37は、所定の距離が離れるほど把持力が上昇し、近づくほど把持力が減少するマップ等に従ってクレーン13の把持力を変更する。所定の姿勢が利用される場合も同様である。つまり、パラメータ管理部37は、所定の姿勢から離れるほど把持力が増減するマップ等に従ってクレーン13の把持力を変更する。獲得難易度としての密度等と把持力との関係は適宜でよく、例えば上述と反対の関係に設定されてもよいが、一例としてこのように設定される。
【0054】
続いてパラメータ管理部37は、ステップS103で変更した後のパラメータの内容(例えば把持力が100から100に変化した場合等、実質的に変化が生じていない内容を含む)をユーザに通知する(ステップS104)。この通知は情報通知装置33を通じて実行される。つまり、パラメータ管理部37は変更後のパラメータをユーザに通知するように情報通知装置33を制御する。この制御は、情報通知装置33の種類、及びその通知の仕方に応じて実行される。具体的には、例えば情報通知装置33としてボディ部13Bに設けられる表示装置が利用される場合、パラメータ管理部37は、変更後の把持力値、或いは把持力値に対応するゲージの量が表示されるように情報通知装置33(ボディ部13Bの表示装置)を制御する。同様に、情報通知装置33として爪部13Aに設けられる表示装置が利用される場合、パラメータ管理部37は、変更後の把持力に対応する配色、或いは明度(光の濃淡)で発光するように情報通知装置33(爪部13Aの表示装置)を制御する。そして、この通知(情報通知装置33の制御)の後にパラメータ管理部37は今回のパラメータ変更処理を終了する。
【0055】
図6の手順により、調整条件が満たされる場合に所定の規則に従って自動でクレーン13の把持力(パラメータ)が変更される。具体的には、プレイ状況に応じて調整条件が満たされた場合に、そのプレイ状況に応じて把持力が変更される。そして、所定の時期としてプレイ終了時が利用される場合には、プレイ終了時に把持力が変更され、今回のプレイの終了後であって次回のプレイの開始前(対価徴収前の待機中を含む)にその把持力がユーザに通知される。また、所定の時期としてプレイ開始時が利用される場合には、プレイ開始時に把持力が変更され、今回のプレイの開始後であってクレーン13の動作開始前にその把持力がユーザに通知される。一方、所定の時期として動作位置の指定時が利用される場合、クレーンゲームの開始後(より具体的には移動動作の開始後)であってクレーン13の掴む動作等の開始前に変更後の把持力がユーザに通知される。この例において、掴む動作が本発明の動作手段の特定の動作として機能する。
【0056】
パラメータ演出処理は、パラメータの変化内容に応じた演出を実現するための処理である。パラメータの変化内容に応じた演出は適宜の時期に実行されてよいが、図7の例は変化後のパラメータ(実質的に変化していない場合を含む)の通知に合わせて実行される場合のパラメータ演出処理を示している。この場合、演出制御部38は、例えば図6のパラメータ変更処理を通じてパラメータの変化内容(実質的に変化していない場合を含む)が通知される毎に図7のパラメータ演出処理を開始し、まずパラメータの変化内容を判別する(ステップS201)。
【0057】
続いてパラメータ演出処理は、演出データEDを参照し、ステップS201で判別したパラメータの変化内容に応じて実行されるべき演出の種類を判別する(ステップS202)。具体的には、パラメータ演出処理は、まず演出データEDの“パラメータ条件”の情報を参照し、今回のパラメータの内容に対応するパラメータの条件を特定する。そして、パラメータ演出処理は、その特定したパラメータの条件に対応する“演出内容”を今回実行されるべき演出の種類として判別する。
【0058】
次にパラメータ演出処理は、ステップS202で判別した演出の種類に対応する演出が実行されるように演出機器34を制御する(ステップS203)。つまり、パラメータ演出処理は、演出機器34を介してステップS202で判別した演出が実際に実現する。このような演出は適宜であってよく、例えばパラメータの内容に応じた音声を演出機器34としてのスピーカに再生させる等の音声的な演出、或いはパラメータの内容に応じて演出機器34としての照明(筐体10の側面等、適宜の場所に設けられてよい)を点灯させる照明演出といった情報通知装置33とは別に設けられる演出機器34を通じた演出であってもよいが、情報通知装置33を演出機器34として利用する演出が実行される。つまり、パラメータ演出処理は、パラメータの内容に応じた演出が実現されるように、情報通知装置33を制御する。また、このような演出は適宜に実行され得るが、例えばパラメータが最大値に該当する場合には数値等の表示が徐々に増加を示すように変化する一方で、中間値に該当する場合には数値等が中間値以上を示す表示まで変化した後に中間値の表示に戻るように変化する演出等、パラメータの内容に応じて通知の仕方を変える演出が実行される。この場合、情報通知装置33が演出機器として機能し、通知の仕方に演出が反映される。そして、このような制御(演出)の後にパラメータ演出処理は今回のパラメータ演出処理を終了する。
【0059】
図7の手順により、パラメータの変化に応じた演出が実現される。なお、情報通知装置33を演出機器34としても機能する場合、ステップS201~S203の処理は、図6の例のステップS104において通知とともに実行されてもよい。この場合、図7のパラメータ演出処理は省略されてもよい。
【0060】
以上に説明したように、この形態によれば、捕獲対象PSの位置の変化に影響を与える要素としてクレーン13に設定される把持力値が所定の規則に従って自動で変更され、その変化後の把持力値が情報通知装置33を介してユーザに通知される。これにより、プレイ結果と把持力値(パラメータの内容)との関係をユーザに把握させることができるので、そのような通知がされない場合に比べてプレイ結果に対する納得感を向上させるこができる。結果として、プレイ結果に対する満足感の低下を抑制することができ、ひいてはクレーンゲームの利用促進につなげることができる。また、例えば景品獲得に有利な把持力が生じている場合には、そのような通知を通じてユーザをクレーンゲームのプレイに誘導することができる。つまり、これらにより把持力の変化をクレーンゲームの利用促進に活用することができる。
【0061】
以上の形態において、ゲーム機1のパラメータ管理部37が、図6の手順を実行することにより本発明のパラメータ変更手段、及びパラメータ通知手段として機能する。より具体的には、パラメータ管理部37が図6のステップS103を実行することによりパラメータ変更手段として、図7のステップS104を実行することによりパラメータ通知手段として、それぞれ機能する。また、ゲーム機1の演出制御部38が、図7のステップS203を実行することにより本発明の演出制御手段として機能する。
【0062】
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。また、本発明は、上述の形態、及び以下の変形等が施された形態に含まれる各種の技術的手段が適宜に組み合わされて得られる形態にて実施されてもよい。例えば、クレーン13のパラメータとして上述の把持力等の他にも各種のパラメータが適宜に用意されてよい。例えば、クレーン13には、時間経過に伴い減少し、減少とともに把持力を減少させるスタミナ(両方の爪部13Aに設定されても、いずれか一方に設定されても、或いは左右の爪部13A毎に設定されてもよい)がパラメータとして用意されていてもよい。また、スタミナの変化には、時間経過だけでなく、捕獲対象PSに対応する景品の価値、或いは重さ等が影響を与えてもよい。これらの場合、時間経過等が所定の規則として機能し、パラメータとしてのスタミナはゲームのプレイ中に変化する。また、このようなスタミナは適宜に通知されてよく、例えば図4の(c)の例のゲージを通じて通知されてよい。さらに、このようなスタミナは、変化後の把持力に適用されてもよい。つまり、それぞれ別々の規則に従う複数の変化が重複的に適用されてもよい。このようなスタミナが用意される場合、景品獲得ゲームに新しいゲーム性を付加することができる。
【0063】
上述の形態では、パラメータの内容の通知は特に限定されていない。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、パラメータの内容の通知は適宜に限定されてもよい。具体的には、パラメータの内容の通知は、例えば所定の期間に限定されてもよい。所定の期間は適宜であってよく、例えばプレイ開始直後のクレーン13が動作開始するまでの期間であってもよい。あるいは、パラメータの内容の通知は、特定のユーザに限定されてもよい。この場合、特定のユーザは各種の条件に基づいて適宜に特定されてよい。例えば、そのような条件としてコンティニュでのプレイ、所定の対価の徴収、或いは特定のサービスへの加入といった条件が利用されてよく、特定のユーザとして連続的にゲームをプレイしたユーザ、追加的に対価を支払ったユーザ、或いは特定のサービスに加入しているユーザが機能してもよい。つまり、パラメータの内容は、これらの特定のユーザのみに限定されるように通知されてもよい。
【0064】
上述の形態では、パラメータの変化に伴い、その変化内容が通知されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。パラメータの変化内容は、そのパラメータの変化時期とは別の時期に通知されてもよい。例えば、パラメータの内容の通知対象が特定のユーザに限定される場合、パラメータの変化はプレイ終了時に実行される一方で、変化後のパラメータ(実質的に変化していない場合を含む)の通知はその特定のユーザのプレイ開始時に実行されてもよい。
【0065】
また、上述の形態では、情報通知装置33はゲーム機1に設けられている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、情報通知装置33は、ゲーム機1とは別の装置として構成されてもよい。つまり、ゲーム機1は、そのような別の情報通知装置33を介して間接的にパラメータの内容を通知してもよい。具体的には、例えば、情報通知装置33として、ユーザ端末装置が利用されてもよい。この場合、パラメータの変化内容は適宜にユーザ端末装置に提供されてもよい。例えば、ユーザ端末装置とゲーム機1とが、ネットワークを介して有線、或いは無線(赤外線通知、及びICチップの読み取り等を含む)で接続される場合、そのようなネットワークを介してパラメータの変化内容がユーザ端末装置に提供されてもよい。あるいは、パラメータの変化内容は、その内容を含むように所定の規格に準拠して作成されたコード(例えば二次元コード等)を介してユーザ端末装置に提供されてもよい。つまり、ゲーム機1はそのようなコードを介してユーザ端末装置に接続されてもよい。そして、ゲーム機1は、そのようなコードを表示装置に表示することにより、そのコードをリーダ(例えばカメラ)によって読み取ったユーザ端末装置を介してパラメータの変化内容をユーザに通知してもよい。
【0066】
上述の形態では、動作手段としてクレーンが利用されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、動作手段として、ベルトコンベア、或いは遊技体の落下を支える状態から落下させる(位置が変化する)状態に動作する支持体が利用されてもよい。これらの場合、例えばベルトコンベアに動作幅、動作する際のモータの強さ等がパラメータとして機能する。同様に、支持体の動作範囲、支持強度等がパラメータとして機能する。
【0067】
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0068】
本発明のゲーム機は、物理的な遊技体(PS)を収容する収容部(11)において当該遊技体の位置を変化させる動作手段(13)を、入力装置(IP)を介して入力されるプレイ行為に応じて動作させるとともに、前記動作手段の動作を通じて前記遊技体が所定位置(14)まで移動した場合にユーザに景品を付与する景品獲得ゲームを提供するゲーム機(1)であって、前記遊技体の位置の変化に影響を与える要素として前記動作手段に設定されるパラメータの内容を所定の規則に従って自動で変更するパラメータ変更手段(37)と、所定の情報を通知するために接続される通知用装置(33)を介して前記所定の情報として前記パラメータの変化内容を前記ユーザに通知するパラメータ通知手段(37)と、を備えるものである。
【0069】
本発明によれば、遊技体の位置の変化に影響を与える要素として動作手段に設定されるパラメータの内容が所定の規則に従って自動で変更され、その変化内容が通知用装置を介してユーザに通知される。これにより、プレイ結果とパラメータの内容との関係をユーザに把握させることができるので、そのような通知がされない場合に比べてプレイ結果に対する納得感を向上させるこができる。結果として、プレイ結果に対する満足感の低下を抑制することができ、ひいてはゲームの利用促進につなげることができる。また、例えば景品獲得に有利なパラメータが生じている場合には、そのような通知を通じてユーザをゲームのプレイに誘導することができる。つまり、これらによりパラメータの変化をゲームの利用促進に活用することができる。
【0070】
なお、パラメータの変化内容は、例えばパラメータとしての数値が100から同じ100に変化する場合等、実質的に変化していない(変化の前後で差がない)内容を含む。また、パラメータの変化内容は適宜に通知されてよく、例えば音声、視覚的表示、匂い、形状の変化、或いは振動等によって通知されてよい。このため、通知用装置としてそれらの音声による通知を実現するスピーカ、表示により視覚的に情報を通知する表示装置、匂いを生じさせる装置、形状の変化する装置、振動装置といった各種の装置が適宜に使用されてよい。また、通知用装置はゲーム機に設けられていても、ゲーム機に設けられていなくてもよい。同様に、通知用装置との接続は適宜に実現されてよく、例えばネットワークを介して実現されてもよい。このようなネットワークには、有線、及び無線(ICチップの読み取り、或いは赤外線通信等が含まれる)の両方が含まれる。同様に、通知用装置との接続は、例えば所定の情報を含むように所定の規格に準拠して作成されたコードを介してそのコードの読み取りを通じて実現されてもよい。このため、通知用装置として、ユーザ端末装置等のゲーム機とは別の装置が適宜に利用されてよい。
【0071】
また、パラメータの変化内容は適宜の時期に通知されてよい。例えば、プレイ開始前(待機中を含む前回のプレイ終了後から次回のプレイ開始までの適宜の時期)であっても、プレイ開始後であってもよい。また、プレイ中に通知される場合にもプレイ中の適宜の時期に通知されてよく、例えば動作手段が複数の動作を実行する場合において各動作の前、或いは直後等に通知が実行されてもよい。さらに、パラメータの通知は、全ユーザに対して実行されても、特定のユーザに対して実行されてもよい。パラメータの通知が特定のユーザに限定される場合、その特定のユーザは各種の条件に基づいて適宜に特定されてよい。例えば、そのような条件としてコンティニュでのプレイ、所定の対価の徴収、或いは特定のサービスへの加入といった条件が利用されてよく、特定のユーザとして連続的にゲームをプレイしたユーザ、追加的に対価を支払ったユーザ、或いは特定のサービスに加入しているユーザが機能してもよい。このようにパラメータの変化内容は、各種の時期に適宜のユーザに通知されてよい。
【0072】
具体的には、例えば、本発明のゲーム機の一態様において、前記パラメータ通知手段は、前記景品獲得ゲームのプレイ開始後であって前記動作手段による特定の動作の開始前に前記通知用装置を介して前記パラメータの変化内容を前記ユーザに通知してもよい。あるいは、前記パラメータ通知手段は、前記景品獲得ゲームの前回のプレイの開始後であって次回のプレイ開始前に前記通知用装置を介して前記パラメータの変化内容を前記ユーザに通知してもよい。
【0073】
同様に、パラメータの変更は適宜に実行されてよく、例えば所定の時期に無条件に実行されても、特定の条件が満たされた場合に実行されてもよい。例えば、所定の時期としてプレイ終了時、プレイ開始時、或いはプレイ中において実行される動作手段の特定の動作といった各種の時期が採用されてよい。つまり、パラメータの変更は、例えばプレイ終了時等において無条件に毎回実行されてもよいし、特定の条件が満たされた場合にのみ実行されてもよい。特定の条件は適宜の条件でよく、例えばランダム、設定結果、或いはプレイ状況といった各種の要件を利用する条件であってよい。同様に、所定の規則として各種の規則が適宜に採用されてよい。所定の規則として、例えば時間、天気、或いは設定等のゲームのプレイと無関係の要素が利用されてもよいし、ゲームのプレイと関連するプレイ状況が利用されてもよい。例えば、本発明のゲーム機の一態様において、前記所定の規則は、前記景品獲得ゲームのプレイ状況を利用するように構成され、前記パラメータ変更手段は、前記所定の規則に従って前記パラメータの内容を前記プレイ状況に応じた内容に変更してもよい。
【0074】
特定の条件、或いは所定の規則に利用されるプレイ状況はプレイに関連する適宜の状況であってよい。また、特定の条件に利用されるプレイ状況と所定の規則に利用されるプレイ状況とは一致していても、相違していてもよい。例えば、所定の規則としてプレイ状況を利用する規則を利用する本発明の態様において、前記プレイ状況は、前記景品獲得ゲームが所定の対価と引き換えに提供される場合の当該所定の対価として所定期間において徴収された徴収額の状況、前記ユーザのプレイ回数の所定期間における累計数の状況、前記ユーザのプレイ時間の所定期間における累計時間の状況、前記ユーザが前記景品獲得ゲームを連続的にプレイした場合の連続プレイの状況、及び前記収容部における前記遊技体の状況の少なくともいずれか一つの状況を含み、前記パラメータ変更手段は、前記一つの状況に応じて前記パラメータの内容を変更してもよい。あるいは、前記動作手段は、前記収容部において前記動作手段が動作すべき位置としての動作位置が前記プレイ行為に応じて指定されるように構成され、前記プレイ状況は、前記収容部における前記動作位置の状況を含み、前記パラメータ変更手段は、前記動作位置の状況に基づいて前記パラメータの内容を変更してもよい。
【0075】
パラメータの変化、或いは通知は演出付きで実行されても、演出なしで実行されてもよい。また、演出付きで実行される場合、その演出は適宜に実現されてよい。例えば、パラメータの変化内容にかかわらず、一律の演出が実行されてもよい。あるいは、所定数のパターンの演出が用意され、ランダム等の規則に従ってそれらの演出のいずれかが、パラメータの変更等に伴い実行されてもよい。また、パラメータの変化等に伴う演出は、パラメータの変化内容に応じて変化してもよい。具体的には、例えば、本発明のゲーム機の一態様として、前記景品獲得ゲームを演出するための演出機器(34)に接続され、前記パラメータの変化内容に応じた演出を実行するように前記演出機器を制御する演出制御手段(38)を備える態様が採用されてもよい。
【0076】
一方、本発明のコンピュータプログラム(PG)は、前記動作手段、及び前記入力装置に接続されるコンピュータ(31)を、上述のゲーム機の各手段として機能させるように構成されたものである。
【0077】
また、本発明の制御方法は、物理的な遊技体(PS)を収容する収容部(11)において当該遊技体の位置を変化させる動作手段(13)を、入力装置(IP)を介して入力されるプレイ行為に応じて動作させるとともに、前記動作手段の動作を通じて前記遊技体が所定位置(14)まで移動した場合にユーザに景品を付与する景品獲得ゲームを提供するゲーム機(1)に組み込まれるコンピュータ(31)に、前記遊技体の位置の変化に影響を与える要素として前記動作手段に設定されるパラメータの内容を所定の規則に従って自動で変更するパラメータ変更手順と、所定の情報を通知するために接続される通知用装置を介して前記所定の情報として前記パラメータの変化内容を前記ユーザに通知するパラメータ通知手順と、を実行させるものである。本発明のコンピュータプログラム、或いは制御方法が実行されることにより、本発明のゲーム機を実現することができる。
【符号の説明】
【0078】
1 ゲーム機
11 収容部
13 クレーン(動作手段)
14 解放口(所定位置)
31 制御ユニット(コンピュータ)
33 情報通知装置(通知用装置)
34 演出機器
38 パラメータ管理部(パラメータ変更手段、パラメータ通知手段)
37 演出制御部(演出制御手段)
IP 入力装置
PG ゲームプログラム(コンピュータプログラム)
PS 捕獲対象(遊技体)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7