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特開2023-111294フローティングコネクタ、基板対基板コネクタおよび端子
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111294
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】フローティングコネクタ、基板対基板コネクタおよび端子
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/91 20110101AFI20230803BHJP
   H01R 13/631 20060101ALI20230803BHJP
【FI】
H01R12/91
H01R13/631
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022013083
(22)【出願日】2022-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】390033318
【氏名又は名称】日本圧着端子製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉井 隆大
【テーマコード(参考)】
5E021
5E223
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA09
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB02
5E021FB21
5E021FC31
5E021FC32
5E223AB26
5E223AB62
5E223AB64
5E223AC23
5E223BA01
5E223BA07
5E223BB01
5E223BB12
5E223CB22
5E223CB25
5E223CB27
5E223CB31
5E223CD01
5E223DA05
5E223DB08
5E223DB11
5E223DB25
5E223DB36
5E223EA33
5E223EC82
(57)【要約】
【課題】フローティング性能を確保しつつ生産性の低下を抑制できるフローティングコネクタを提供する。
【解決手段】フローティングコネクタが、固定ハウジングに対して可動する可動ハウジングと、電源端子4Pとを含む。電源端子4Pは、固定ハウジングに固定される固定部4aと、可動ハウジングに固定される接触部4bと、弾性部4cとを含む。弾性部4cは、長手方向Lに延びる複数のスリット4eによって、複数の分割弾性部4fに分割される。連結部4gが、スリット4eを隔てて幅方向Wに隣接する2つの分割弾性部4f同士を連結する。分割弾性部4fを挟んで幅方向Wに隣接する2つのスリット4eをそれぞれ横断する連結部4gは、長手方向Lに互いに位置をずらして配列される。
【選択図】図7A-7B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手コネクタに対して嵌合方向に嵌合されるフローティングコネクタであって、
固定ハウジングと、
前記固定ハウジングに対して可動する可動ハウジングと、
前記固定ハウジングに固定される固定部と、前記可動ハウジングに固定される接触部であって前記相手コネクタの相手電源端子と接触する接触部と、前記固定部から前記接触部に長手方向に延び、前記可動ハウジングの可動に伴って弾性変形する弾性部と、を含む電源端子と、を備え、
前記弾性部は、前記長手方向と直交する幅方向に並んで形成され前記長手方向に延びる複数のスリットと、前記スリットによって互いに分割され、前記幅方向に並び前記長手方向に延びる複数の分割弾性部と、前記スリットを隔てて前記幅方向に隣接する2つの前記分割弾性部同士を前記長手方向の中間位置で前記スリットを横断して連結する連結部と、を含み、
前記電源端子は、前記分割弾性部以外の部位が前記幅方向に繋がって1つの部材を形成し、
前記連結部のうち、前記分割弾性部を挟んで前記幅方向に隣接する2つの前記スリットをそれぞれ横断する連結部は、前記長手方向に互いに位置をずらして配列されている、フローティングコネクタ。
【請求項2】
前記分割弾性部を挟んで前記幅方向に隣接する2つの前記スリットをそれぞれ横断する前記連結部は、前記長手方向に関して千鳥状に配列されている、請求項1に記載のフローティングコネクタ。
【請求項3】
前記分割弾性部は、前記長手方向の一部に屈曲部を含み、
前記連結部は、前記屈曲部を避けた位置で前記分割弾性部同士を連結する、請求項1または2に記載のフローティングコネクタ。
【請求項4】
前記複数の分割弾性部は、前記固定部から前記接触部まで延びている、請求項1~3の何れか一項に記載のフローティングコネクタ。
【請求項5】
前記分割弾性部は、前記固定部から前記嵌合方向に延びる第1片部と、鋭角状の第1屈曲部と、前記第1片部の延設端と前記第1屈曲部を介して連結され前記第1屈曲部から前記嵌合方向の反対方向に延びる第2片部と、前記接触部から前記反対方向に延びる第3片部と、第2屈曲部と、第3屈曲部と、前記第2屈曲部を介して前記第2片部の延設端と連結される一端と前記第3屈曲部を介して前記第3片部の延設端と連結される他端とを含む第4片部と、を含む、請求項4に記載のフローティングコネクタ。
【請求項6】
前記分割弾性部を挟んで前記幅方向に隣接する2つの前記スリットのうちの一方を横断する前記連結部は、前記第1片部同士を連結する第1連結部と、前記第4片部同士を連結する第4連結部とを含み、
前記分割弾性部を挟んで前記幅方向に隣接する2つの前記スリットのうちの他方を横断する前記連結部は、前記第2片部同士を連結する第2連結部と、前記第3片部同士を連結する第3連結部と、を含む、請求項5に記載のフローティングコネクタ。
【請求項7】
前記相手コネクタと、前記相手コネクタに連結される請求項1~6の何れか一項に記載のフローティングコネクタと、を含む、基板対基板コネクタ。
【請求項8】
固定部と、接触部と、前記固定部から前記接触部に長手方向に延びる弾性部と、を含む端子であって、
前記弾性部は、前記長手方向と直交する幅方向に並んで形成され前記長手方向に延びる複数のスリットと、前記スリットによって互いに分割され、前記幅方向に並び前記長手方向に延びる複数の分割弾性部と、前記スリットを隔てて前記幅方向に隣接する2つの前記分割弾性部同士を前記長手方向の中間位置で前記スリットを横断して連結する連結部と、を含み、
前記端子は、前記分割弾性部以外の部位が前記幅方向に繋がって1つの部材を形成し、
前記連結部のうち、前記分割弾性部を挟んで前記幅方向に隣接する2つの前記スリットをそれぞれ横断する連結部は、前記長手方向に互いに位置をずらして配列されている、端子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フローティングコネクタ、基板対基板コネクタおよび端子に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、電気コネクタ組立体を開示している。この電気コネクタ組立体は、固定ハウジングと可動ハウジングとに架け渡された端子が、弾性部を有している。弾性部が弾性撓み変形することで、可動ハウジングが固定ハウジングに対して可動する、いわゆるフローティングが可能とされている。また、弾性部がフローティングに必要な弾性撓み変形を可能なように、弾性部が、複数の細長い細弾性部に分割されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6849555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成では、弾性撓み変形し易くしてフローティング性能を確保するために、端子において細弾性部を細長くする場合、細弾性部の強度が低下する。このため、製造段階で細弾性部をプレス成形するときに、細弾性部に変形が生じることにより、生産性が低下する場合が予想される。そこで、隣接する細弾性部同士を長手方向の一部で連結することが考えられる。しかし、その連結部分の配置によっては、フローティング性能が低下する場合が予想される。
【0005】
本発明の一実施形態は、フローティング性能を確保しつつ、生産性の低下を抑制できるフローティングコネクタ、基板対基板コネクタおよび端子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態は、相手コネクタ(10)に対して嵌合方向(X1)に嵌合されるフローティングコネクタ(1)であって、固定ハウジング(2)と、可動ハウジング(3)と、電源端子(4P;4P1,4P2;4R)と、を備えるフローティングコネクタを提供する。前記可動ハウジングは、前記固定ハウジングに対して可動する。前記電源端子は、固定部(4a)と、接触部(4b)と、弾性部(4c)と、を含む。前記固定部は、前記固定ハウジングに固定される。前記接触部は、前記可動ハウジングに固定され、前記相手コネクタの相手電源端子と接触する。前記弾性部は、前記固定部から前記接触部に長手方向(L)に延び、前記可動ハウジングの可動に伴って弾性変形する。前記弾性部は、複数のスリット(4e;4e1~4e4)と、複数の分割弾性部(4f)と、連結部(4g;4g1~4g4)と、を含む。前記複数のスリットは、前記長手方向と直交する幅方向(W)に並んで形成され前記長手方向に延びる。前記複数の分割弾性部は、前記スリットによって互いに分割され、前記幅方向に並び前記長手方向に延びる。前記連結部は、前記スリットを隔てて前記幅方向に隣接する2つの前記分割弾性部同士を前記長手方向の中間位置で前記スリットを横断して連結する。前記電源端子は、前記分割弾性部以外の部位が前記幅方向に繋がって1つの部材を形成する。前記連結部のうち、前記分割弾性部を挟んで前記幅方向に隣接する2つの前記スリットをそれぞれ横断する連結部は、前記長手方向に互いに位置をずらして配列されている。
【0007】
この構成によれば、下記の効果を奏する。すなわち、より大きなフローティング量を実現するために、電源端子の分割弾性部が細く長くされる場合がある。これに対して、この構成によれば、電源端子において、スリットを隔てて幅方向に隣接する分割弾性部同士が、長手方向の中間位置で、スリットを横断する連結部によって連結される。このため、分割弾性部の強度低下を抑制することができ、これにより、生産性の低下を抑制することができる。また、分割弾性部を挟んで隣接する2つのスリットをそれぞれ横断する連結部は、前記幅方向に並ばない。このため、フローティング性能の低下を抑制することができる。したがって、フローティング性能を確保しつつ、生産性の低下を抑制することができる。
【0008】
なお、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素等を表すが、このことは、むろん、本発明がそれらの実施形態に限定されるべきことを意味するものではない。以下、この項において同じ。
【0009】
1つの実施形態では、前記分割弾性部を挟んで前記幅方向に隣接する2つの前記スリットをそれぞれ横断する前記連結部は、前記長手方向に関して千鳥状に配列されている。この構成によれば、連結部によって分割弾性部の強度低下を抑制することができ、且つ連結部周辺に応力が集中することを抑制することにより、局部的な応力の増加を抑制することができる。
【0010】
1つの実施形態では、前記分割弾性部は、前記長手方向の一部に屈曲部(4h;45,46,47)を含み、前記連結部は、前記屈曲部を避けた位置で前記分割弾性部同士を連結する。この構成によれば、連結部が、もともと応力が集中する傾向にある屈曲部を避けた位置で、分割弾性部同士を連結する。このため、応力集中を抑制して、局部的な応力の増加を抑制することができる。
【0011】
1つの実施形態では、前記複数の分割弾性部は、前記固定部から前記接触部まで延びている。この構成によれば、分割弾性部の長さを確保することができる。このため、固定部に対して接触部を可動し易くして、フローティング性能を確保することができる。
【0012】
1つの実施形態では、前記分割弾性部は、第1片部(41)と、鋭角状の第1屈曲部(45)と、第2片部(42)と、第3片部(43)と、第2屈曲部(46)と、第3屈曲部(47)と、第4片部(44)と、を含む。前記第1片部は、前記固定部から前記嵌合方向に延びる。前記第2片部は、前記第1片部の延設端と前記第1屈曲部を介して連結され前記第1屈曲部から前記嵌合方向の反対方向(X2)に延びる。前記第3片部は、前記接触部から前記反対方向に延びる。前記第4片部は、前記第2屈曲部を介して前記第2片部の延設端(42a)と連結される一端(44a)と、前記第3屈曲部を介して前記第3片部の延設端(43a)と連結される他端(44b)と、を含む。
【0013】
この構成によれば、固定部から接触部まで至る分割弾性部に、第1片部、第2片部、第4片部および第3片部が、それぞれの間に対応する屈曲部を介在させて設けられることで、分割弾性部が長手方向に長くされる。これにより、固定部に対して接触部を可動し易くして、フローティング性能を確保することができる。
【0014】
1つの実施形態では、前記分割弾性部を挟んで前記幅方向に隣接する2つの前記スリットのうちの一方(4e1;4e3)を横断する前記連結部は、前記第1片部同士を連結する第1連結部(4g1)と、前記第4片部同士を連結する第4連結部(4g4)とを含む。前記分割弾性部を挟んで前記幅方向に隣接する2つの前記スリットのうちの他方(4e2;4e4)を横断する前記連結部は、前記第2片部同士を連結する第2連結部(4g2)と、前記第3片部同士を連結する第3連結部(4g3)と、を含む。
【0015】
この構成によれば、第1連結部と第4連結部とは、分割弾性部の長手方向に距離を隔てており、また、第2連結部と第3連結部とは、分割弾性部の長手方向に距離を隔てている。第1~第4連結部によって、電源端子の強度を確保して、生産性の低下を抑制することができる。また、連結部同士は、幅方向に並ぶことがないので、フローティング性能の低下を抑制することができる。
【0016】
本発明の一実施形態は、前記相手コネクタと、前記相手コネクタに連結される前記フローティングコネクタと、を含む、基板対基板コネクタを提供する。この構成によれば、基板対基板コネクタにおいて、前記フローティングコネクタの奏する効果を得ることができる。
【0017】
本発明の一実施形態は、固定部と、接触部と、前記固定部から前記接触部に長手方向に延びる弾性部と、を含む端子を提供する。前記弾性部は、複数のスリットと、複数の分割弾性部と、連結部と、を含む。前記複数のスリットは、前記長手方向と直交する幅方向に並んで形成され前記長手方向に延びる。前記複数の分割願性部は、前記スリットによって互いに分割され、前記幅方向に並び前記長手方向に延びる。前記連結部は、前記スリットを隔てて前記幅方向に隣接する2つの前記分割弾性部同士を前記長手方向の中間位置で前記スリットを横断して連結する。前記端子は、前記分割弾性部以外の部位が前記幅方向に繋がって1つの部材を形成する。前記連結部のうち、前記分割弾性部を挟んで前記幅方向に隣接する2つの前記スリットをそれぞれ横断する連結部は、前記長手方向に互いに位置をずらして配列されている。
【0018】
この構成によれば、スリットを隔てて幅方向に隣接する分割弾性部同士が、長手方向の中間位置で、スリットを横断する連結部によって連結される。このため、分割弾性部の強度低下を抑制することができ、これにより、生産性の低下を抑制することができる。また、分割弾性部を挟んで隣接する2つのスリットをそれぞれ横断する連結部は、前記幅方向に並ばない。このため、フローティング性能の低下を抑制することができる。このため、より大きなフローティング量を実現するために、分割弾性部が細くされたり長くされたりする電源端子に好適に用いることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、フローティング性能を確保しつつ、生産性の低下を抑制できるフローティングコネクタ、基板対基板コネクタおよび端子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るフローティングコネクタを含む基板対基板コネクタの分解斜視図である。
図2図2は、嵌合状態の基板対基板コネクタの斜視図である。
図3図3は、基板対基板コネクタの内部を示すように断面された分解斜視図である。
図4図4は、嵌合状態の基板対基板コネクタの内部を示すように断面された斜視図である。
図5図5は、図1を上下反転させた基板対基板コネクタの分解斜視図である。
図6図6は、両コネクタの端子のみの斜視図である。
図7A-7B】図7Aおよび図7Bは、電源端子の互いに別角度からの斜視図である。
図8図8は、電源端子の展開図である。
図9図9は、基板対基板コネクタの平面図である。
図10A-10B】図10Aおよび図10Bは、フローティングコネクタの嵌合前の状態と嵌合後の状態をそれぞれ示す断面図である。図10Bは、図9の10B-10B断面図に相当する。
図11A-11B】図11Aおよび図11Bは、フローティングコネクタの嵌合前の状態と嵌合後の状態をそれぞれ示す断面図である。図11Bは、図9の11B-11B断面図に相当する。
図12図12Bは、変更例における電源端子の互いに別角度からの斜視図である。
図13図13は、変更例における電源端子の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に従って説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係るフローティングコネクタを含む基板対基板コネクタの分解斜視図である。図2は、嵌合状態の基板対基板コネクタの斜視図である。
【0023】
図1および図2に示すように、フローティングコネクタ1は、相手コネクタ10に対して嵌合方向X1に嵌合される。フローティングコネクタ1は、プラグコネクタを含み、相手コネクタ10は、リセプタクルコネクタを含む。フローティングコネクタ1は、一方の回路基板(図示せず)の実装面に配置される。相手コネクタ10は、前記一方の回路基板に対して平行な他の回路基板(図示せず)の実装面に配置される。
【0024】
フローティングコネクタ1は、両回路基板同士が互いに平行な状態で、実装面に対して直交する方向を嵌合方向X1として相手コネクタ10に対して嵌合される。フローティングコネクタ1と相手コネクタ10とが組み合わされて、基板対基板コネクタ100が構成される。
【0025】
フローティングコネクタ1は、固定ハウジング2と、可動ハウジング3と、1または複数の導電性の電源端子4Pと、1または複数の導電性の信号端子4Qと、2つの補強タブ5と、を含む。電源端子4Pは、例えば二対の第1電源端子4P1および第2電源端子4P2を含む。信号端子4Qは、例えば一対の第1信号端子4Q1および第2信号端子4Q2を含む。
【0026】
相手コネクタ10は、相手ハウジング11と、例えば2つの相手電源端子12Pと、例えば2つの相手信号端子12Qと、2つの補強タブ13と、を含む。相手電源端子12Pおよび相手信号端子12Qは、相手ハウジング11により保持されている。フローティングコネクタ1は、相手コネクタ10を受け入れて、相手電源端子12Pとこれに対応する電源端子4Pとを接触させて電気的に接続し、また、相手信号端子12Qとこれに対応する信号端子4Qとを接触させて電気的に接続する。
【0027】
図3は、基板対基板コネクタ100の内部を示すように断面された分解斜視図である。図4は、嵌合状態の基板対基板コネクタ100の内部を示すように断面された斜視図である。図5は、図1を上下反転させた基板対基板コネクタ100の分解斜視図である。
【0028】
図3および図4に示すように、2つの相手電源端子12Pのそれぞれは、互いに向き合う2つの接触部12aを含む。2つの接触部12aが、第1電源端子4P1の接触部4bおよび第2電源端子4P2の接触部4bに対して、それぞれ接触されて接続される。
【0029】
また、2つの相手信号端子12Qは、互いに向き合う接触部12bを含む。2つの相手信号端子12Qの接触部12bが、第1信号端子4Q1の接触部4b’および第2信号端子4Q2の接触部4b’に対して、それぞれ接触されて接続される(図11Bを参照)。
【0030】
図6は、電源端子4Pおよび信号端子4Q、並びに、相手電源端子12Pおよび相手信号端子12Qの斜視図である。図6に示すように、第1電源端子4P1および第2電源端子4P2は、同じ構成のものが、向きを代えて用いられている。そこで、第1電源端子4P1の構成を説明し、第2電源端子4P2の説明を省略する。図において、第1電源端子4P1および第2電源端子4P2の構成で互いに共通する構成には、同じ参照符号を付してある。
【0031】
図7Aおよび図7Bは、第1電源端子4P1の互いに別角度からの斜視図である。図6図7Aおよび図7Bに示すように、第1電源端子4P1は、固定部4aと、接触部4bと、弾性部4cと、リード部4dと、を含む。固定部4aは、嵌合方向X1および前後方向Yに延びる矩形板状をなし、固定ハウジング2に固定される。リード部4dは、固定部4aの下端から外向き直交状に延び、回路基板の導電部に半田付けされる。
【0032】
接触部4bは、嵌合方向X1および前後方向Yに延びる矩形板状をなし、可動ハウジング3の固定溝3g(図3を参照)に圧入固定される。接触部4bは、相手コネクタ10の相手電源端子12Pと接触する(図4を参照)。弾性部4cは、固定部4aから接触部4bに長手方向Lに延びる。弾性部4cは、固定ハウジング2に対する可動ハウジング3の可動に伴って弾性変形する。弾性部4cの弾性変形分(弾性撓み変形量)だけ、可動ハウジング3が、固定ハウジング2に対して可動する。
【0033】
弾性部4cは、複数のスリット4eと、複数の分割弾性部4fと、複数の連結部4gと、を含む。複数のスリット4eは、長手方向Lと直交する幅方向Wに並んで形成され、長手方向Lに延びる。本実施形態では、複数のスリット4eは、第1スリット4e1と、第2スリット4e2と、を含む。以下では、第1スリット4e1および第2スリット4e2を総称して言うときは、単にスリット4eと言う。
【0034】
複数の分割弾性部4fは、スリット4eによって互いに分割され、幅方向Wに並び長手方向Lに延びる。連結部4gは、スリット4eを隔てて幅方向Wに隣接する分割弾性部4f同士を長手方向Lの中間位置でスリット4eを横断して連結する。第1電源端子4P1は、分割弾性部4f以外の部位が幅方向Wに繋がって1つの部材を形成している。
【0035】
分割弾性部4fを挟んで幅方向Wに隣接する2つのスリット4eをそれぞれ横断する連結部4g同士は、長手方向Lに互いに位置をずらして配列されている。分割弾性部4fを挟んで幅方向Wに隣接する2つのスリット4eをそれぞれ横断する連結部4g同士は、長手方向Lに関して千鳥状に配列されている。
【0036】
複数の分割弾性部4fは、長手方向Lの一部に、屈曲部4hを含む。連結部4gは、屈曲部4hを避けた位置で分割弾性部4f同士を連結している。複数の分割弾性部4fは、固定部4aから接触部4bまで延びている。
【0037】
分割弾性部4fは、第1片部41と、第2片部42と、第3片部43と、第4片部44と、鋭角状の第1屈曲部45と、鈍角状の第2屈曲部46と、直角状の第3屈曲部47と、を含む。
【0038】
第1片部41は、固定部4aから嵌合方向X1に延びる。第2片部42は、第1片部41の延設端41aと鋭角状の第1屈曲部45を介して連結され、第1屈曲部45から嵌合方向X1の反対方向X2に延びる。第3片部43は、接触部4bから反対方向X2に延びる。第4片部44は、一端44aと、他端44bと、を含む。第4片部44の一端44aは、鈍角状の第2屈曲部46を介して第2片部42の延設端42aと連結される。第4片部44の他端44bは、直角状の第3屈曲部47を介して第3片部43の延設端43aと連結される。屈曲部4hは、第1屈曲部45と、第2屈曲部46と、第3屈曲部47と、を含む。
【0039】
連結部4gが、第1連結部4g1と、第2連結部4g2と、第3連結部4g3と、第4連結部4g4と、を含む。第1連結部4g1および第4連結部4g4は、分割弾性部4fを挟んで幅方向Wに隣接する2つのスリット4eのうちの一方(第1スリット4e1)に配置される。第2連結部4g2および第3連結部4g3は、分割弾性部4fを挟んで幅方向Wに隣接する2つのスリット4eのうちの他方(第2スリット4e2)に配置される。
【0040】
図8は、電源端子4Pの展開図である。電源端子4Pは、板金材を用いて、図8の展開図に示す形状に打ち抜くようにプレス成形される。連結部4gが、長手方向Lに関して千鳥状に配置されている。第1スリット4e1を横断する第1連結部4g1および第4連結部4g4が、長手方向Lに所定の間隔を隔てて配置されている。また、第2スリット4e2を横断する第2連結部4g2および第3連結部4g3が、長手方向Lに所定の間隔を隔てて配置されている。
【0041】
図6に示すように、第1信号端子4Q1および第2信号端子4Q2は、同じ構成のものが、向きを代えて用いられている。第1信号端子4Q1は、固定部4a’と、接触部4b’と、弾性部4c’と、リード部4d’と、を含む。第1信号端子4Q1の固定部4a’、接触部4b’、弾性部4c’およびリード部4d’は、第1電源端子4P1の固定部4a、接触部4b、弾性部4cおよびリード部4dとそれぞれ同じ構成であるが、弾性部4c’が分割されておらず、1本で形成されている点のみが異なる。
【0042】
次いで、固定ハウジング2を説明する。図1に示すように、固定ハウジング2は、絶縁性材料で形成される。固定ハウジング2は、前壁2aと、後壁2bと、一対の側壁2cと、一対の上壁2dと、を含む。固定ハウジング2は、内部に可動ハウジング3を収容する可動ハウジング収容部2Sを形成している。可動ハウジング収容部2Sは、前壁2a、後壁2bおよび一対の側壁2cによって取り囲まれて形成されている。可動ハウジング収容部2Sは、一対の上壁2dよりも下方に配置されている。可動ハウジング3は、一部が、可動ハウジング収容部2Sから上方へ突出するように配置されてもよい。
【0043】
正面視において、前壁2aは、左右方向Zの全域に延びる下半部2eと、可動ハウジング収容部2Sの左右に配置される一対の上半部2fと、を含む。可動ハウジング収容部2Sの上半部は、前後方向Yに開放されている。前壁2aは、下半部2eの上縁2gに沿って形成された、上方に向く段部2hを含む。段部2hには、上下に貫通する固定孔2iが形成されている。
【0044】
固定孔2iには、補強タブ5(図5図6を参照)が圧入固定される。図6に示すように、補強タブ5は、本体部5aと、本体部5aの下縁から下方に延びる2つの脚部5bと、を含む。また、補強タブ5は、本体部5aの両側方に突出する圧入突起5dと、2つの脚部5bからそれぞれ外側方に突出する圧入突起5eと、を含む。
【0045】
図5に示すように、前壁2aの底面2jにおいて、左右方向Zの中央部には、凹溝2kが形成されている。凹溝2kは、前壁2aを前後方向Yに貫通している。凹溝2kは、底面2mと、左右一対の内側面2nと、を含む。凹溝2kは、可動ハウジング3の抜け止めのストッパとして機能する。前壁2aの底面2jは、凹溝2kを挟んで2つに分割されている。底面2jにおける2つに分割された部分から、補強タブ5の2つの脚部5bの下端5cが、それぞれ突出している。脚部5bの下端5cは、回路基板の導電部(図示せず)に半田付けされて固定される。
【0046】
後壁2bは、前壁2aと同じ構成である。後壁2bの構成において、前壁2aの構成と共通する構成には、前壁2aの構成と同じ参照符号を付してある。
【0047】
次いで、可動ハウジング3を説明する。
【0048】
図1および図3に示すように、可動ハウジング3は、ベース壁3aと、接触部固定構造部3bと、前後一対の端壁3cと、前後一対の被規制部3d(図5も参照)と、を含む。ベース壁3aは、固定ハウジング2の上壁2dに対して平行に配置される矩形板である。前後一対の端壁3cは、ベース壁3aの前後の端縁から上下に突出し、左右方向Zに延びる互いに平行な矩形板である。
【0049】
図5に示すように、一対の被規制部3dは、一対の端壁3cの外面からそれぞれ前後に突出する直方体形状のブロック体である。一対の被規制部3dと、固定ハウジング2の前壁2aおよび後壁2bの対応する部分との当接によって、可動ハウジング3の可動量が規制される。
【0050】
具体的には、固定ハウジングの凹溝2kの底面2mが可動ハウジング3の被規制部3dに当接することにより、可動ハウジング3の嵌合方向X1の可動量が規制される。また、固定ハウジングの凹溝2kの左右の内側面2nが可動ハウジング3の被規制部3dに当接することにより、可動ハウジング3の左右方向Zの可動量が規制される。
【0051】
また、固定ハウジング2の前壁2aおよび後壁2bが、可動ハウジング3の対応する端壁3cと当接することにより、可動ハウジング3の前後方向Yの可動量が規制される。
【0052】
図3に示すように、接触部固定構造部3bは、第1電源端子4P1および第2電源端子4P2の接触部4bを固定し、第1信号端子4Q1および第2信号端子4Q2の接触部4b’を固定する。接触部固定構造部3bは、ベース壁3aの上面から上方へ突出する、一対の端壁3cの部分と、複数のリブとで形成されている。
【0053】
図1に示すように、接触部固定構造部3bは、縦リブ3eと、複数対の横リブ3fと、を含む。縦リブ3eは、ベース壁3aの上面の左右方向Zの中央部に配置され、一対の端壁3c間を連結するように前後方向Yに延びている。複数対の横リブ3fは、一対の端壁3c間で、縦リブ3eからそれぞれ左右方向Zに延び、互いに前後方向Yに離隔する。
【0054】
図3に示すように、前後方向Yに隣接する端壁3cおよび横リブ3fと、これらを接続する縦リブ3eの部分とで形成される溝形の部分の底に沿って、電源端子4Pの接触部4bが固定される。また、前後方向Yに隣接する横リブ3f同士と、これらを接続する縦リブ3eの部分とで形成される溝形の部分の底に沿って、信号端子4Qの接触部4b’が固定される。具体的には、接触部4b,4b’は、端壁3cおよび横リブ3fにおいて、縦リブ3eに隣接して形成された固定溝3gに圧入固定される。
【0055】
図9は、相手コネクタ10が嵌合されたフローティングコネクタ1の平面図である。図10Bは、相手コネクタ10が嵌合されたフローティングコネクタ1の断面図であり、図9のXB-XB断面図に相当する。図10Aは、図10Bに対応する断面図であり、両コネクタ1,10の嵌合前の状態を示している。図10Aおよび図10Bに示すように、両コネクタ1,10の嵌合に伴って、電源端子4Pの接触部4bが、相手電源端子12Pの接触部12aと接続される。
【0056】
図11Bは、相手コネクタ10が嵌合されたフローティングコネクタ1の断面図であり、図9のXIB-XIB断面図に相当する。図11Aは、図11Bに対応する断面図であり、両コネクタ1,10の嵌合前の状態を示している。図11Aおよび図11Bに示すように、両コネクタ1,10の嵌合に伴って、信号端子4Qの接触部4b’が、相手信号端子12Qの接触部12bと接続される。
【0057】
本実施形態によれば、下記の効果を奏する。すなわち、より大きなフローティング量を実現するために、電源端子4Pの分割弾性部4fが細く長くされる場合がある。これに対して、本実施形態によれば、図7Aおよび図7Bに示すように、電源端子4Pにおいて、スリット4eを隔てて幅方向Wに隣接する分割弾性部4f同士が、長手方向Lの中間位置で、スリット4eを横断する連結部4gによって連結される。このため、分割弾性部4fの強度低下を抑制することができ、これにより、生産性の低下を抑制することができる。また、分割弾性部4fを挟んで隣接する2つのスリット4e1,4e2をそれぞれ横断する連結部4gは、幅方向Wに並ばない(展開図である図8も参照)。このため、フローティング性能の低下を抑制することができる。したがって、フローティング性能を確保しつつ、生産性の低下を抑制することができる。
【0058】
また、分割弾性部4fを挟んで幅方向Wに隣接する2つのスリット4e1および4e2をそれぞれ横断する連結部4gは、長手方向Lに関して千鳥状に配列されている。このため、連結部4gによって分割弾性部4fの強度低下を抑制することができ、且つ連結部4g周辺に応力が集中することを抑制することにより、局部的な応力の増加を抑制することができる。
【0059】
また、図7Aおよび図7Bに示すように、分割弾性部4fは、長手方向Lの一部に屈曲部4hを含み、連結部4gが、もともと応力が集中する傾向にある屈曲部4hを避けた位置で、分割弾性部4f同士を連結する。このため、応力集中を抑制して、局部的な応力の増加を抑制することができる。
【0060】
また、複数の分割弾性部4fは、固定部4aから接触部4bまで延びている。このため、分割弾性部4fの長さを確保することができる。このため、固定部4aに対して接触部4bを可動し易くして、フローティング性能を確保することができる。
【0061】
また、分割弾性部4fは、第1片部41と、第2片部42と、第3片部43と、第4片部44と、鋭角状の第1屈曲部45と、第2屈曲部46と、第3屈曲部47と、を含む。第1片部41は、固定部4aから嵌合方向X1に延びる。第2片部42は、第1片部41の延設端41aと鋭角状の第1屈曲部45を介して連結され、第1屈曲部45から嵌合方向X1の反対方向X2に延びる。第3片部43は、接触部4bから反対方向X2に延びる。第4片部44は、第2屈曲部46を介して第2片部42の延設端42aと連結される一端44aと、第3屈曲部47を介して第3片部43の延設端43aと連結される他端44bとを含む。
【0062】
この構成によれば、固定部4aから接触部4bまで至る分割弾性部4fに、第1片部41、第2片部42、第3片部43および第4片部44が、それぞれの間に対応する屈曲部4h(第1屈曲部45、第2屈曲部46、第3屈曲部47)を介在させて設けられる。ことれにより、分割弾性部4fが長手方向Lに長くされる。これにより、固定部4aに対して接触部4bを可動し易くして、フローティング性能を確保することができる。
【0063】
また、分割弾性部4fを挟んで幅方向Wに隣接する2つのスリット4eのうちの一方(第1スリット4e1)を横断する連結部4gは、第1片部41同士を連結する第1連結部4g1と、第4片部44同士を連結する第4連結部4g4とを含む。分割弾性部4fを挟んで幅方向Wに隣接する2つのスリット4eのうちの他方(第2スリット4e2)を横断する連結部4gは、第2片部42同士を連結する第2連結部4g2と、第3片部43同士を連結する第3連結部4g3とを含む。
【0064】
この構成によれば、第1連結部4g1と第4連結部4g4とは、分割弾性部4fの長手方向Lに距離を隔てており、また、第2連結部4g2と第3連結部4g3とは、分割弾性部4fの長手方向Lに距離を隔てている。第1連結部4g1~第4連結部4g4によって、端子4の強度を確保して、生産性の低下を抑制することができる。また、連結部4g1~4g4同士は、幅方向Wに並ぶことがないので、フローティング性能の低下を抑制することができる。
【0065】
また、電源端子4Pにおいて、より大きなフローティング量を要求される場合であっても、フローティング性能を確保しつつ、生産性の低下を抑制することができる。すなわち、電源端子4Pにおいて、より大きなフローティング量を要求される場合、分割弾性部4fがより細長くされる。これに対して、本実施形態のように強度を確保しつつフローティング性能の低下を抑制するように連結部4gを設けることにより、要求されるフローティング性能を確保しつつ、生産性の低下を抑制することができる。また、細くされた各分割弾性部4fの断面積が小さくなって、電流通過に寄与する断面積が減少することに対しては、分割弾性部4fの数(スリット4eの数)を増加することにより、複数の分割弾性部4fの合計断面積を確保する。これにより、所要の定格電流を確保したり、より大きな定格電流を確保したりすることが可能となる。
【0066】
また、本実施形態では、相手コネクタ10とフローティングコネクタ1とを含む基板対基板コネクタ100において、前述したフローティングコネクタ1の奏する効果を得ることができる。
【0067】
図12は、変更例における電源端子4Rの斜視図である。図13は、電源端子4Rの展開図である。電源端子4Rが、図7Aおよび図8の電源端子4Pと主に異なるのは、4つのスリット4e(第1スリット4e1、第2スリット4e2、第3スリット4e3および第4スリット4e4)が設けられ、弾性部4cが、4つのスリット4eによって、5つの分割弾性部4fに分割されていることである。また、4つのスリット4eをそれぞれ横断する連結部4gが、2つずつ設けられている。
【0068】
具体的には、第3スリット4e3を隔てて幅方向Wに隣接する2つの分割弾性部4f同士を連結する連結部4gとして、第1片部41同士を連結する第1連結部4g1と、第4片部44同士を連結する第4連結部4g4とが設けられている。また、第4スリット4e4を隔てて幅方向Wに隣接する2つの分割弾性部4f同士を連結する連結部4gとして、第2片部42同士を連結する第2連結部4g2と、第3片部43同士を連結する第3連結部4g3とが設けられている。すなわち、図13に示すように、第3スリット4e3および第4スリット4e4を横断する連結部4gは、長手方向Lに関して、千鳥状に配列されている。また、第2スリット4e2および第3スリット4e3を横断する連結部4gも、長手方向Lに関して千鳥状に配列されている。
【0069】
この変更例によれば、図7Aの実施形態と同じく、フローティング量の確保のために分割弾性部4fが細長くされる場合にも、生産性の低下を抑制しつつフローティング性能を確保することができる。さらに、分割弾性部4fの数を増加させて、電流通過に寄与する複数の分割弾性部4fの合計断面積を増加させることにより、より大きな定格電流を実現することも可能となる。なお、第1スリット4e1を横断する第1連結部4g1および第4連結部4g4と、第3スリット4e3を横断する第1連結部4g1および第4連結部4g4とは、それぞれ、図13に示すように長手方向Lに関して同じ位置に配置されてもよいし、位置をずらして配置されてもよい。
【0070】
第2スリット4e2を横断する第2連結部4g2および第3連結部4g3と、第4スリット4e4を横断する第2連結部4g2および第3連結部4g3とは、それぞれ、図13に示すように長手方向Lに関して同じ位置に配置されてもよいし、位置をずらして配置されてもよい。
【0071】
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、スリット4eの数は、3つであってもよいし、5つ以上であってもよい。また、任意の分割弾性部4fを挟んで幅方向Wに隣接する2つのスリットを横断する連結部4gが、長手方向Lに位置をずらされていれば、連結部は、どのように配置されてもよい。その他、本発明は、特許請求の範囲記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。
【符号の説明】
【0072】
1 フローティングコネクタ
2 固定ハウジング
3 可動ハウジング
4P 電源端子
4P1 第1電源端子
4P2 第2電源端子
4R 電源端子
4a 固定部
4b 接触部
4c 弾性部
4e スリット
4e1 第1スリット
4e2 第2スリット
4e3 第3スリット
4e4 第4スリット
4f 分割弾性部
4g 連結部
4g1 第1連結部
4g2 第2連結部
4g3 第3連結部
4g4 第4連結部
4h 屈曲部
10 相手コネクタ
41 第1片部
41a 延設端
42 第2片部
42a 延設端
43 第3片部
43a 延設端
44 第4片部
44a 一端
44b 他端
45 第1屈曲部
46 第2屈曲部
47 第3屈曲部
L 長手方向
W 幅方向
X1 嵌合方向
X2 反対方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A-7B】
図8
図9
図10A-10B】
図11A-11B】
図12
図13