(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111336
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】タングステンの貫通加工品を作製するためのタングステンブランクス、及びタングステンブランクスを用いたタングステン貫通加工品の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20230803BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022013145
(22)【出願日】2022-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】522212882
【氏名又は名称】株式会社トッパンフォトマスク
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 幸司
【テーマコード(参考)】
5F004
【Fターム(参考)】
5F004AA04
5F004AA09
5F004BB25
5F004CB15
5F004DA00
5F004DA01
5F004DA02
5F004DA18
5F004DA24
5F004DA26
5F004DB08
5F004DB10
5F004EA05
5F004EA13
5F004EA37
5F004FA08
(57)【要約】
【課題】数十μm径レベルの貫通孔を高アスペクト比で形成し、サブミクロンレベルの高い加工精度も有するタングステン加工品を作製することができるタングステンブランクス、及びそのようなタングステン加工品の製造方法を提供する。
【解決手段】タングステンからなるブランクス基板のタングステンとハードマスク膜の間にその中間の熱膨張率を有する材料からなるバッファ層を挟むことによりドライエッチング加工時に熱膨張率の差から発生するハードマスク膜の膜浮きを抑制しようとするタングステンブランクスタングステンブランクス、及びそれを用いたタングステン加工品の製造方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タングステンからなるブランクス基板であって、前記ブランクス基板の第一の面上にエッチングストッパー膜、第一の面とは反対側の第二の面上に中間膜がそれぞれ積層され、前記中間膜上にハードマスク膜が積層されていることを特徴とするタングステンブランクス。
【請求項2】
ハードマスク膜上にレジスト膜を備えたことを特徴とする請求項1に記載のタングステンブランクス。
【請求項3】
タングステンからなるブランクス基板であって、前記ブランクス基板の第一の面上にエッチングストッパー膜、第一の面とは反対側の第二の面上に中間膜がそれぞれ積層され。前記中間膜上にレジストパターンが形成され、前記中間膜と前記レジストパターンの上にハードマスク膜が積層されていることを特徴とするタングステンブランクス。
【請求項4】
ハードマスク膜がニッケル、銅、アルミニウムのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至3に記載のタングステンブランクス。
【請求項5】
中間膜がチタンであることを特徴とする請求項1乃至4に記載のタングステンブランクス。
【請求項6】
以下の工程を順次含む、ことを特徴とするタングステン加工品の製造方法。
1)タングステンからなるブランクス基板の第1の面にエッチングストッパー膜を形成する工程。
2)前記タングステンからなるブランクス基板の前記第1の面とは反対側の第2の面に中間膜を形成する工程。
3)前記中間膜上にハードマスク膜を形成する工程。
4)前記ハードマスク膜上にレジストパターンを形成する工程。
5)前記レジストパターンをエッチングマスクとしてハードマスク膜パターンを形成する工程
6)前記ハードマスク膜パターンをマスクとしてフッ素系ガスを主としたドライエッチングにより前記中間膜およびタングステンを貫通加工する工程。
7)前記ハードマスク膜パターンおよび前記ドライエッチングストッパー膜を剥離する工程
【請求項7】
以下の工程を順次含む、ことを特徴とするタングステン加工品の製造方法。
1)タングステンからなるブランクス基板の第1の面にドライエッチングストッパー膜を形成する工程。
2)前記タングステンからなるブランクス基板の前記第1の面とは反対側の第2の面に中間膜を形成する工程
3)前記中間膜上にレジストパターンを形成する工程
4)前記中間膜上にハードマスク膜を形成する工程。
5)前記レジストパターン上に形成されたハードマスク膜を、前記レジストパターンともに除去し、ハードマスク膜パターンを形成する工程。
6)前記ハードマスク膜パターンをマスクとして、フッ素系ガスを主ガスとしたドライエッチングにより、前記中間膜及びタングステンを貫通加工する工程。
7)前記ハードマスク膜
8)パターン及び前記ドライエッチングストッパー膜を剥離する工程。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タングステンの貫通加工品を作製するためタングステンブランクス、及び該タングステンブランクスを用いたタングステン貫通加工品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タングステンは、耐熱性や放射線遮蔽特性に優れるため、その特性を活かして、貫通加工品(以下、単に加工品と呼ぶ)として、電子線やX線やイオンビームのアパーチャ、コリメータ、各種オリフィス、各種電極、各種フィラメント等の理化学機器、医療機器、計測・検査機器、真空部品等の用途に応用されている。
【0003】
アパーチャやコリメータ用であれば、高い放射線遮蔽率を達成するには開口径以上のタングステン厚が必要となるため、高アスペクト加工が要求される。また、マスフローメーターやスプレーノズル等の高圧環境下で用いるオリフィス用の場合は、機械的強度が必要となるため、厚膜での高アスペクト加工が要求される。
【0004】
しかしながら、タングステンは高い硬度、高い融点、引っ張り強さ、弾性等の機械的性質が優れている一方で、一般に高アスペクト加工が難しい材料としても知られている。加工方法次第で加工可能な基板サイズや厚さも異なり、それに付随して加工精度も異なるため、要求される仕様に応じて加工方法を選択する必要がある。
【0005】
加工方法の候補としては、レーザー加工、放電加工、切削加工、収束イオンビーム加工、精密プレス加工、ドライエッチング加工等が挙げられる。
【0006】
例えば、極短パルスレーザー加工はピコ秒レーザーやフェムト秒レーザーの光源を利用する。一般的なレーザー加工の場合、レーザーを当て続けると熱の影響で変形等の不具合が生じるが、極短パルスレーザー加工の場合は、パルスレーザーでオンオフさせることで熱影響を緩和させている。
【0007】
レーザー加工の場合、数10μm径の貫通孔を高いアスペクト比にて加工可能であるが、加工位置精度は2~20μm前後であり、サブミクロンレベルで加工位置を制御することは出来ない。
【0008】
このような高アスペクト比のエッチングを行うにあたっては、ドライエッチングによる加工が検討されている。ドライエッチング加工の場合は、まず、描画装置で形成された高精度なパターニングマスクを用いた露光転写や、直接的な電子線描画という手法によって、サブミクロンレベルで位置精度及び寸法精度(以下、併せて加工精度と呼ぶ)を制御したレジストマスクパターンを形成し、続くドライエッチングによってレジストマスクパターンを下層に転写させるため、加工精度が損なわれることはない。
【0009】
ドライエッチング法を用いた加工の例として、特許文献1では、電子線描画機でのレジストパターニングとドライエッチングとハードマスク酸化処理を組み合わせて実施し、膜厚0.5μm、寸法0.2~0.5μm、アスペクト比1前後のパターンを形成している。
【0010】
また、高アスペクト比のパターニングにおいては特許文献2のような方法が検討されており、本文献によれば、数十μmレベルの径の貫通孔がアスペクト比10以上で形成可能
、かつサブミクロンレベルの高い加工精度も有することが報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平2-27713号公報
【特許文献2】特願2020-001575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、これまでの発明におけるタングステンのエッチング加工においては、ドライエッチング時の基板温度によるハードマスクパターンの膜浮きが懸念され、これにより正しくエッチング遮蔽がなされずエッチング形状や均一性が著しく損なわれるという問題がある。
【0013】
ドライエッチング装置には基板温度の上昇を防ぐため、ステージに基板の冷却機構が備わっているが、タングステンのエッチング加工においては下記の事情により基板の冷却が不十分になり、膜浮きが発生してしまう。
【0014】
タングステンからなるブランクス基板は、厚さが1mm以下、仕様によって異なるが、概ね0.1mm乃至0.5mm程度厚さのものであり、通常は正方形あるいは長方形のいわゆる角型基板として市場に流通している。一般的な半導体エッチング装置の搬送系は丸形のウエハを搬送するよう設計されており、角型基板を搬送することはできない。
【0015】
したがって上記のような板厚のタングステン基板をドライエッチング加工する際には、角型基板に対応する搬送系のドライエッチング装置を準備するか、流通している一般的なシリコンウエハに、当該角型のタングステン基板を貼り付けて、装置内に搬送し、加工することとなる。
【0016】
前者の角型基板に対応したドライエッチング装置は非常に高価となるため一般的ではなく、後者の一般的なシリコンウエハに、角型のタングステン基板すなわち上記タングステンからなるブランクス基板を貼り合わせるものが一般的に利用される加工法である。
【0017】
ドライエッチング装置において前記当該基板を加工する際には、基板の上方からプラズマを照射することで加工がなされるが、このプラズマ照射の際に基板表面に熱が発生する。
【0018】
当該基板は、ドライエッチング装置のステージ上に装置外から搬送されて置かれるが、下方のステージからみて順にシリコンウエハ、ワックスなどの接着剤、タングステンからなるブランクス基板の順に積層されたものである。上方からプラズマを照射することで表面側に熱が発生した状態において、下方側のドライエッチング装置ステージに冷却装置が具備されても、タングステンブランクス基板と冷却装置が具備されたステージの間には、シリコンウエハ、ワックスなどの接着剤、が介在するため、ステージからの冷却が下面側からなされていても、タングステンブランクス基板の冷却効率は極端に低下し、結果として当該基板の温度上昇及び熱膨張による膜浮きが発生してしまう。
【0019】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、厚膜であっても高アスペクト比をもってタングステン加工をすることができるタングステン加工品、および当該製造方法において、ドライエッチングを行う際の温度上昇が原因の、ハードマスク膜と基材であるタングステンの熱膨張率の違いにより、パターン部の金属間で膜浮きが発生してしまうという問題、を解決するためのタングステンブランクスおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記の課題を解決する手段として、本発明においては、タングステンとハードマスク膜の間にその中間の熱膨張率を有する材料からなるバッファ層となる中間膜を挟むことにより上記ハードマスク膜の膜浮きを抑制しようとするものである。
【0021】
本発明の一様態は、タングステンからなるブランクス基板であって、前記ブランクス基板の第一の面上にエッチングストッパー膜、第一の面とは反対側の第二の面上に中間膜がそれぞれ積層され、前記中間膜上にハードマスク膜が積層され、前記中間膜の熱膨張係数はハードマスクとタングステンの中間であることを特徴とするブランクス基板であることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の一様態は、前記ハードマスク膜上にレジスト膜を備えたことを特徴とする。
【0023】
本発明の一様態は、タングステンからなるブランクス基板であって、前記ブランクス基板の第一の面上にエッチングストッパー膜、第一の面とは反対側の第二の面上に中間膜がそれぞれ積層され。前記中間膜上にレジストパターンが形成され、前記中間膜と前記レジストパターンの上にハードマスク膜が積層されていることを特徴とするブランクス基板であることを特徴とする。
【0024】
また、本発明の一態様は、前記ハードマスク膜がニッケル、銅、アルミニウムのいずれかであることを特徴とする。
【0025】
また、本発明の一態様は、前記中間膜がチタンであることを特徴とする。
【0026】
また、本発明の一態様は、以下の工程を順次含む、ことを特徴とするタングステン加工品の製造方法としたものである。
1)タングステンからなるブランクス基板の第1の面にエッチングストッパー膜を形成する工程。
2)前記タングステンからなるブランクス基板の前記第1の面とは反対側の第2の面に中間膜を形成する工程。
3)前記中間膜上にハードマスク膜を形成する工程。
4)前記ハードマスク膜上にレジストパターンを形成する工程。
5)前記レジストパターンをエッチングマスクとしてハードマスク膜パターンを形成する工程
6)前記ハードマスク膜パターンをマスクとしてフッ素系ガスを主としたドライエッチングにより前記中間膜およびタングステンを貫通加工する工程。
7)前記ハードマスク膜パターンおよび前記ドライエッチングストッパー膜を剥離する工程
また、本発明の一態様は、以下の工程を順次含む、ことを特徴とするタングステン加工品の製造方法としたものである。
1)タングステンからなるブランクス基板の第1の面にドライエッチングストッパー膜を形成する工程。
2)前記タングステンからなるブランクス基板の前記第1の面とは反対側の第2の面に中間膜を形成する工程
3)前記中間膜上にレジストパターンを形成する工程。
4)前記中間膜上にハードマスク膜を形成する工程。
5)前記レジストパターン上に形成されたハードマスク膜を、前記レジストパターンともに除去し、ハードマスク膜パターンを形成する工程。
6)前記ハードマスク膜パターンをマスクとして、フッ素系ガスを主ガスとしたドライエッチングにより、前記中間膜及びタングステンを貫通加工する工程。
7)前記ハードマスク膜
8)パターン及び前記ドライエッチングストッパー膜を剥離する工程。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、数十μmレベルの径の貫通孔がアスペクト比10以上で形成され、サブミクロンレベルの高い加工精度も有するタングステン加工品を作製することができるタングステンブランクス、及びそのようなタングステン加工品の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の(a)第1実施形態のタングステンブランクス、(b)第1実施形態のタングステンブランクスの変形例を示す模式断面図である。
【
図2】本発明の(a)第2実施形態のタングステンブランクス、(b)第2実施形態のタングステンブランクスの変形例を示す模式断面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態のタングステンブランクスを用いて、タングステン加工品を製造するプロセスの一部を工程順に示す模式断面図である。
【
図4】
図3に続く製造プロセスを工程順に示す模式断面図である。
【
図5】本発明の第2実施形態のタングステンブランクスを用いて、タングステン加工品を製造するプロセスの一部を工程順に示す模式断面図である。
【
図6】
図5に続く製造プロセスを工程順に示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態に係るタングステンブランクス及びタングステン加工品の製造方法について図面を用いて説明する。同一の構成要素については便宜上の理由がない限り同一の符号を付ける。各図面において、見易さのため構成要素の厚さや比率は誇張されていることがあり、構成要素の数も減らして図示していることがある。また、本発明は以下の実施形態そのままに限定されるものではなく、主旨を逸脱しない限りにおいて、適宜の組み合わせ、変形によって具体化できる。
【0030】
[タングステンブランクス]
図1(a)は、本発明の第1実施形態のタングステンブランクス100を示す模式断面図である。本発明の第1実施形態のタングステンブランクス100は、タングステンからなるブランクス基板1の第1の面にドライエッチングストッパー膜2、第1の面とは反対側の第2の面に中間膜3を備えている。
【0031】
尚、タングステンは純タングステンのみならず、タングステン系材料であればよいが、以下、単に「タングステン」と記載する。
【0032】
ここで、エッチングストッパー膜2は、高いエッチング選択比とエッチング後の高いアスペクト比を実現するために、そのエッチングストッパー膜2の塩化物または酸塩化物の沸点がフッ化物の沸点よりも低く、かつエッチングストッパー膜2のフッ化物の沸点は、ブランクス基板1であるタングステンのフッ化物の沸点よりも高いことを特徴とする。その理由については後述する。
図1(b)は、本発明の第1実施形態のタングステンブランクスの変形例100aを示す模式断面図である。第1実施形態のタングステンブランクスの変形例100aは、第1実施形態のタングステンブランクス100の、エッチングストッパー膜2を備える第1の面とは反対側の第2の面に中間膜3とレジスト層4を備えている。尚、ここでレジスト層4を備えない形態、備える形態をいずれもブランクスと呼称するのは、一般にフォトマスク
ブランクスにおいても、レジスト層を備えない形態、備える形態をいずれもブランクスとして呼称することに倣ったものである。
【0033】
図2(a)は、本発明の第2実施形態のタングステンブランクス200を示す模式断面図である。本発明の第2実施形態のタングステンブランクス200は、第1実施形態のタングステンブランクス100と同様にブランクス基板1の第1の面にドライエッチングストッパー膜2を備え、第1の面とは反対側の第2の面に中間膜3とハードマスク膜5を備えている。
【0034】
ここで、ハードマスク膜5は、そのフッ化物の沸点がブランクス基板1であるタングステンのフッ化物の沸点よりも高く、且つハードマスク膜5の塩化物または酸塩化物の沸点はフッ化物の沸点よりも低いことを特徴とする。その理由については後述する。
【0035】
また、中間膜は、その熱膨張率が、タングステンよりも大きく、ハードマスク膜より小さい材料特性であることを特徴とする。その理由として、ドライエッチングを行う際の温度上昇が原因の、ハードマスク膜と基材であるタングステンの熱膨張率の違いにより、パターン部の金属間で膜浮きが発生してしまうという問題を解決するため、タングステンとハードマスク膜の間にその中間の熱膨張率を有する材料からなるバッファ層を挟むことにより上記ハードマスク膜の膜浮きを抑制しようとするものであり、中間膜がこれに相当する。
【0036】
図2(b)は、本発明の第2実施形態のタングステンブランクスの変形例200aを示す模式断面図である。第2実施形態のタングステンブランクスの変形例200aは、第2実施形態のタングステンブランクス200の、第2の面に形成されたハードマスク膜5上にレジスト層4を備えている。
【0037】
本発明では、タングステン加工品を作製するために、ドライエッチング法を採用する。
【0038】
そこで、課題である、数十μmレベルの径の貫通孔をアスペクト比10以上で形成し、サブミクロンレベルの高い加工精度も有するタングステン加工品を作製するために、第1施形態のタングステンブランクスではドライエッチングストッパー膜(以下、エッチングストッパー膜)2を備え、第2実施形態のタングステンブランクスではさらにハードマスク膜5を備える。
【0039】
後述のタングステン加工品の製造方法で示すように、
図1の本発明の第1実施形態であるタングステンブランクス100、及びその変形例100aではハードマスク膜を有していない。しかしながら、これはブランクス基板1の第2の面にレジストパターンを形成した後にリフトオフ法によりハードマスク膜パターンを形成するためである。第一、第二実施形態、及びそれらの変形例のいずれにおいてもハードマスク膜パターンをエッチングマスクとして、タングステンをドライエッチングすることは共通している。ハードマスク膜パターンをエッチングマスクとすることは、レジストパターンをエッチングマスクとするだけでは得られない、数十μmレベルの径でアスペクト比10以上の貫通孔を有するタングステン加工品を作製するための条件となる。
【0040】
本発明のタングステンブランクスを用いてタングステンをドライエッチングする加工において、高アスペクト比及び高加工精度を実現するために、必要な条件は、エッチングマスクであるハードマスク膜に対するタングステンのドライエッチング選択比(=タングステンのエッチングレート/ハードマスク膜のエッチングレート)が高いこととなる。
【0041】
エッチング選択比が十分でないとエッチングマスクであるハードマスク膜の膜厚をその
分厚くせざるを得なくなり、それに伴ってハードマスク膜をドライエッチングでパターニングする際のレジストパターンの膜厚も厚くなり、従ってレジストパターンの解像性が悪化する。その結果、最終的なタングステン加工品の加工精度が損なわれる。
【0042】
一般に、ドライエッチングは、プラズマ中で導入ガスが電子と衝突し、活性ラジカルや種々の形に解離した反応性イオンが発生してエッチングを引き起こす。ここで、エッチング表面に低沸点の揮発性生成物を形成するほどエッチングがされやすいことが知られている。その指標となるのは、被エッチング材料と導入ガスによる反応生成物の沸点や蒸気圧である。すなわち、沸点が低い反応生成物ほど気化して蒸気圧は高くなり排気されやすくなる。
【0043】
ドライエッチングは、通常ハロゲンガス、特には価格的にも使いやすいフッ素系ガスや塩素系ガスを主ガスとして実施され、エッチングレートやエッチング形状の特性向上の観点から酸素(O2)ガスや、逆に水素(H2)などの還元性ガスが添加されることもある。
【0044】
以上を考慮した上で、タングステン(W)のドライエッチングにおいて、ハードマスク膜の材料として候補となりうる金属元素の代表的なフッ化物、塩化物、酸塩化物の沸点を、Wと比較した結果を表1に示す。表1の数値は、[非特許文献;CRC Handbook of Chemistry and Physics, 78th. Edition]や、各種ウェブサイトから採取した値をまとめたものである。
【0045】
【0046】
なお、沸点はドライエッチングされ易さの指標となるが、エッチングレートに比例するものではない。実際のエッチングレートやエッチング選択比はガス流量、圧力、パワー密度、添加ガスのドライエッチング条件や、被エッチング物の温度等により変化する。従って、要求される加工品仕様に応じて、エッチング条件を最適化する必要がある。
【0047】
表1によれば、Wはフッ素系ガスに対して、W+6F→WF6の反応が起こり、WF6の沸点が低いことから、フッ素系ガスに対してエッチングされ易いことが分かる。一方、塩素系ガスに対しては、W+6Cl→WCl6の反応が起こるが、WCl6の沸点が高いことから、塩素系ガスに対してはエッチングされ難い。
【0048】
タングステンのドライエッチングはフッ素系ガスを主ガスとすることが判明したので、ドライエッチング選択比(=タングステンのエッチングレート/ハードマスク膜のエッチングレート)を高くするためには、ハードマスク膜は、フッ化物の沸点がタングステンのフッ化物の沸点よりも高く、フッ素系ガスに対してはエッチングされ難い材料である必要があることが分かる。
【0049】
そこで、高アスペクト比及び高加工精度を実現するために、本発明のタングステンブランクスの第2実施形態が備えるハードマスク膜、及び第1実施形態を用いてタングステン工品を作製する際に使用するハードマスク膜が備えるべき条件は、フッ化物の沸点がタングステンのフッ化物の沸点よりも高く、且つ塩化物または酸塩化物の沸点がフッ化物の沸点よりも低いこととなる。ここで、塩化物または酸塩化物の沸点がフッ化物の沸点よりも低いのは、タングステンの貫通加工後にハードマスク膜を、塩素系ガスにより、タングステンにダメージを与えずに剥離するためである。
【0050】
本発明のタングステンブランクスは、第一、第二の実施形態のタングステンブランクス、及びそれらの変形例では、いずれも、タングステンブランクス基板のステージ側となる面(第1の面、下面)に、エッチングストッパー膜を備えることを特徴とする。
【0051】
エッチングストッパー膜は、文字通りタングステンのエッチングを停止させる、またはブランクスの加工速度を低下させる機能を有する必要がある。そのため、エッチングストッパー膜は、タングステンに対するエッチングストッパー膜のドライエッチング選択比(=エッチングストッパー膜のエッチングレート/タングステンのエッチングレート)が低い、逆に言えば、エッチングストッパー膜に対するタングステンのドライエッチング選択比(=タングステンのエッチングレート/エッチングストッパー膜のエッチングレート)が高い材料が好ましい。
【0052】
従って、本発明のタングステンブランクスのエッチングストッパー膜に必要なドライエッチング選択比は、ハードマスク膜と同様であり、フッ化物の沸点がタングステンのフッ化物の沸点よりも高く、且つ塩化物または酸塩化物の沸点がフッ化物の沸点よりも低いことを特徴とする。ここで、塩化物または酸塩化物の沸点がフッ化物の沸点よりも低いのは、タングステンの貫通加工後にエッチングストッパー膜を、塩素系ガスにより、タングステンにダメージを与えずに剥離するためである。
【0053】
以上のように、表1に挙げたハードマスク膜の候補は、そのままエッチングストッパー膜の候補となりうる。違いを挙げるとすれば、ハードマスク膜はタングステンの貫通加工後も消失せず残存するとともに、平面方向にもエッチングされず貫通孔径を大きくすることがないように、タングステンに対するエッチングストッパー膜のドライエッチング選択比(=エッチングストッパー膜のエッチングレート/タングステンのエッチングレート)が低い材料ほど好ましい。
【0054】
一方で、一般にドライエッチングではエッチング残りをなくすためや、エッチング形状を整える目的でオーバーエッチングを行うが、エッチングストッパー膜のタングステンに対するエッチング選択比が低すぎると、オーバーエッチング時にタングステンに横方向へのサイドエッチングを生じる可能性があるため、選択比は低すぎず、エッチングストッパー膜2の途中でドライエッチングが停止する程度であることが好ましい。
【0055】
上記のことから、フッ化物の沸点がタングステンのフッ化物の沸点よりも高く、かつ塩化物または酸塩化物の沸点がフッ化物の沸点よりも低い材料として、ニッケル、銅、アルミニウムのいずれかであることが好ましい。
【0056】
加えて、ニッケル、銅、アルミニウムのいずれかであることが好ましい理由として、レアメタルを用いず材料として安価であり、酸などの薬液を用いて除去できる、熱伝導率に優れ放熱が速いという理由も挙げられる。
【0057】
また、本発明のタングステンブランクスは、タングステンの膜厚も数十μmレベルと厚膜となるので、エッチング時間が長くなり、温度上昇することが懸念される。そこで、温度上昇とともにハードマスク膜やエッチングストッパー膜との熱膨張率の違いにより、割れや欠けや歪みが発生することが懸念される。従って、ハードマスク膜やエッチングストッパー膜との熱膨張率はタングステンの熱膨張率に近いことが望ましい。
【0058】
同じ理由から、タングステンのドライエッチング実施中のタングステンブランクスは、冷却することが好ましい。通常、ドライエッチング装置での被エッチング物の冷却は、被エッチング物を載置するステージの裏面側に冷却水や冷却用のガスを流す方法などで行われる。また、クールグリス等を被エッチング物の裏面に塗布する方法もある。
【0059】
また、エッチングストッパー膜は、ステージ側からの冷却効果をドライエッチング実施中のタングステンブランクスにスムーズに伝達するために、熱伝導率の大きい材料である方が好ましい。既述のように、ドライエッチングによる割れや欠けや歪みに影響を与える
熱膨張率とともに、表1に挙げる材料の熱伝導率を表2に示す
【0060】
【0061】
ここで、前述したように、上記のような板厚のタングステン基板をドライエッチング加工する際には、角型基板に対応する搬送系のドライエッチング装置を準備するか、流通している一般的なシリコンウエハに当該角型のタングステン基板を貼り付けて加工することとなる。
【0062】
前者の角型基板に対応したドライエッチング装置は非常に高価となるため一般的ではなく、後者の一般的なシリコンウエハに、角型のタングステン基板すなわち上記タングステンからなるブランクス基板を貼り合わせるものが一般的に利用される加工法である。
【0063】
当該基板は、ドライエッチング装置のステージ上に装置外から搬送されて置かれるが、下方のステージからみて順にシリコンウエハ、ワックスなどの接着剤、タングステンからなるブランクス基板の順に積層されたものである。上方からプラズマを照射することで表面側に熱が発生した状態において、下方側のドライエッチング装置ステージに冷却装置が具備されても、タングステンブランクス基板と冷却装置が具備されたステージの間には、シリコンウエハ、ワックスなどの接着剤、が介在するため、ステージからの冷却が下面側からなされていても、タングステンブランクス基板の冷却効率は極端に低下する。
【0064】
ワックスなどの接着剤、がクールグリスなどの熱伝導率が大きいものであっても、冷却効率は極端に低下することには変わらない。
【0065】
したがって、この熱膨張によって従来ハードマスク膜パターンとタングステンとの界面が剥離して膜浮きが発生してしまうという問題が発生していた。
【0066】
ここで、我々は、ハードマスク膜とタングステンの間にその熱膨張率が前記両者の材料の熱膨張率の中間の材料を挟むことでこの問題を解消できることを発見した。
【0067】
前記ハードマスク膜がニッケル、銅、アルミニウムのいずれかであることを考えると、タングステンにあまり近すぎず、かつ、上記材料すなわちニッケル、銅、アルミニウムのいずれかより小さい、ちょうど中間程度の材料特性を示すものとしてチタンが最適であることを発見した。
【0068】
加えて、ハードマスク膜の材料特性は、フッ化物の沸点がタングステンのフッ化物の沸点よりも高く、且つ塩化物または酸塩化物の沸点がフッ化物の沸点よりも低いこととなる。ここで、チタンもタングステンと同様の特性であることから、タングステンと同じエッチング条件を適用し同時にエッチングが可能となり好適である。
【0069】
[タングステン加工品の製造方法]
図3は、本発明のタングステンブランクスの第1実施形態を用いて、タングステン加工品を製造するプロセスの一部を工程順に示す模式断面図であり、
図4は、
図3に続く製造プロセスを工程順に示す模式断面図である。
【0070】
まず、タングステンからなるブランクス基板1(厚さ50~400μm、
図3(a))の第1の面に、厚さ1~5μmのエッチングストッパー膜2を成膜する。エッチングストッパー膜2は、表1中のW、Ti(タングステン、チタン)以外の材料から、加工製品の仕様(タングステン厚、貫通孔径、加工精度等)に応じて、エッチング条件や、エッチング時の温度を考慮して適宜選択する。
【0071】
エッチングストッパー膜2の成膜方法としては、化学蒸着(CVD)や物理蒸着(PVD)や原子層蒸着(ALD)等が候補として挙げられ、その中でもプラズマCVD、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等を好適に使用することができる。
【0072】
次に、ブランクス基板1の前記の第1の面とは反対側の第2の面に、厚さ0.2~1μmの中間膜3を製膜しタングステンブランクス100の形態とする(
図3(c))。
【0073】
中間膜3の成膜方法としては、化学蒸着(CVD)や物理蒸着(PVD)や原子層蒸着(ALD)等が候補として挙げられ、その中でもプラズマCVD、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等を好適に使用することができる。
【0074】
中間膜3上に、厚さ1~10μmのレジスト層4を塗工し、タングステンブランクス100aの形態とする(
図3(d))。レジストコート方法に関しては、例えば、一般的なスピンコーティングが挙げられる。
【0075】
作製されたブランクス100aを、露光機や描画機といったレジストパターニング装置とベーク機や現像機といったプロセス装置で処理し、ブランクス基板1上にレジストパターン4aを形成する(
図3(e))。
【0076】
次に、形成したレジスト4a上、及びレジスト4aが存在しないブランクス基板1上に、厚さ1~5μmのハードマスク膜5を成膜する(
図4(a))。成膜方法は、レジストパターン4aの形状に影響を与えなければ、
図3(b)のエッチングストッパー膜2の成膜方法と同様でよい。
【0077】
次に、薬液処理によるリフトオフ法によってレジストパターン4aと同時に、レジストパターン4a上のハードマスク膜5を選択的に除去し、レジストパターン4aとはパターンが反転したハードマスク膜パターン5aを形成する(
図4(b))。
【0078】
次に、ハードマスク膜パターン5aをエッチングマスクとして、中間膜3およびブランクス基板1を成すタングステンを、フッ素系ガスを主ガスとしたドライエッチングにより、中間膜とタングステンを貫通加工し、符号3a,1aの形状とする(
図4(c))。この工程によりハードマスク膜パターン5aは、膜減りしたハードマスク膜パターン5a’となり、中間膜もハードマスク膜パターンに倣った中間膜パターン3aになる。
【0079】
エッチングガスはフッ素系ガスを主ガスとするが、加工製品の仕様(タングステン厚、貫通孔径、加工精度等)に応じ、貫通孔をより垂直に仕上げ、径の寸法精度を上げるために、CF4,C2F6、SF6などのフッ素系ガスに、酸素含有ガス、または少なくとも水素を含む、H2、炭化水素系ガス、アルコール系ガス、ハロゲン化水素、アンモニア(NH3)などの還元性のガスを添加し、側壁保護膜が形成されるようにエッチングすることが好ましい。
【0080】
エッチングストッパー膜2は、フッ化物の沸点がタングステンおよびチタンのフッ化物の沸点よりも高く、フッ素系ガスではエッチングされ難い材料としているので、貫通孔にエッチング残りやサイドエッチングが生じない程度にオーバーエッチングし、ドライエッチングがエッチングストッパー膜2の途中で停止するように、ドライエッチング時間を設定すればよい。
【0081】
最後に、膜減りしたハードマスク膜パターン5a’、中間膜パターン3aと、エッチングストッパー膜2を、順に若しくは同時に除去することで、タングステンの加工が完了し、タングステン加工品10が完成する(
図4(d))。ここで、ハードマスク膜パターン3a’、及びエッチングストッパー膜2は、塩化物または酸塩化物の沸点がフッ化物の沸点よりも低い材料としているので、Cl
2、BCl
3などの塩素系ガスを用いたドライエッチンングにより剥離することができる。この際、タングステンにダメージを与えないために低パワー、低レートでソフトなエッチングを行い、発光分析法により剥離の終点検出を行うことが好ましい。
【0082】
または、膜減りしたハードマスク膜パターン5a’、エッチングストッパー膜2、を上記ドライエッチングで除去したのち、中間膜パターン3aを、タングステンを冒さない薬液処理により剥離することもできる。
【0083】
図5は、本発明の第2実施形態のタングステンブランクスを用いて、タングステン加工品を製造するプロセスの一部を工程順に示す模式断面図であり、
図6は、
図5に続く製造プロセスを工程順に示す模式断面図である。
【0084】
本発明の第2実施形態のタングステンブランクスを用いる場合は、第1実施形態のタングステンブランクスを用いてタングステン加工品を製造する場合と工程順が一部異なるのみであり、使用する材料、方法・装置、膜厚は同じであるので、それらの同じ部分の記載は省略する。
【0085】
第2実施形態のタングステンブランクスを用いてタングステン加工品を製造する方法では、まずタングステンからなるブランクス基板1(
図5(a))の第1の面に、エッチングストッパー膜2、及び第1の面とは反対側の第2の面に、タングステン膜3、ハードマスク膜5を成膜し、タングステンブランクス200の形態とする(
図5(d))。
【0086】
次に、第2の面のハードマスク膜5上に、レジスト層4を塗工し、タングステンブランクス200aの形態とする(
図5(e))。
【0087】
次に、作製されたブランクス200aを、露光機や描画機といったレジストパターニング装置とベーク機や現像機といったプロセス装置で処理し、ハードマスク膜3上にレジストパターン4bを形成する(
図5(f))。
【0088】
次に、レジストパターン4bをマスクとして、ハードマスク膜3をドライエッチングし、ハードマスク膜パターン5bを形成する(
図6(a))。
【0089】
次に、レジストパターン4b及びハードマスク膜パターン5b、またはレジストパターン4bを剥離したハードマスク膜パターン3bをエッチングマスクとして、
図4(c)の工程と同様に、タングステン膜3、および、ブランクス基板1を成すタングステンを、フッ素系ガスを主ガスとしたドライエッチングにより、タングステンを貫通加工し、符号1aの形状とする(
図6(b))。これによりハードマスク膜パターン5bは、膜減りしたハードマスク膜パターン5b’となる。この際、レジストパターン4b及びハードマスク膜パターン5bをエッチングマスクとした場合も、レジストパターン4bは、通常、タングステンをドライエッチングする途中で消失する。
【0090】
最後に、第1実施形態を用いる場合と同様にして、膜減りしたハードマスク膜パターン5b’、中間膜パターン3bと、エッチングストッパー膜2を、順に若しくは同時に除去することで、タングステンの加工が完了し、タングステン加工品10が完成する(
図6(c))。この際、エッチングガスとしては、膜減りしたハードマスクパターン5b’、中間膜パターン3bとドライエッチングストッパー膜2の除去は、ハードマスク膜パターン3a’の剥離に利用したエッチングガスを用いることができる。この場合も発光分析法によりエッチングの終点検出を行うことが好ましい。
【0091】
または、膜減りしたハードマスク膜パターン5b’、エッチングストッパー膜2、を上記ドライエッチングで除去したのち、中間膜パターン3bを、タングステンを冒さない薬液処理により剥離することもできる。
【0092】
実施形態1,2いずれの場合も、ハードマスク膜と基材であるタングステンの間に各々の材料の熱膨張率の中間の熱膨張率である中間膜を挟んだことで従来ハードマスク膜パターンとタングステンとの界面が剥離して膜浮きが発生してしまうという問題が解消され、パターンの寸法精度、位置精度とも非常に高いタングステン加工品を得ることができた。
【0093】
以上、説明したように、本発明のタングステンブランクス及びタングステン加工品の製造方法では、厚膜の高アスペクト加工や高精度加工という要求を、レーザー加工等では不可能であった、サブミクロンレベルの高い加工精度を有し、数十μmレベルの径でアスペクト比10以上の貫通孔を有するタングステン加工品、及びそのためのタングステンブランクスを提供することができる。
【符号の説明】
【0094】
1・・・・・・・・タングステン(ブランクス基板)
1a・・・・・・・エッチングされたタングステン
2・・・・・・・・ドライエッチングストッパー膜
3・・・・・・・・中間膜
3a、3b・・・・中間膜パターン
4・・・・・・・・レジスト層
4a、4b・・・・レジストパターン
5・・・・・・・・ハードマスク膜
5a、5b・・・・ハードマスク膜パターン
5a’、5b’・・・膜減りしたハードマスク膜パターン
10・・・・・・・タングステン加工品
100・・・・・・本発明の第1実施形態のタングステンブランクス
100a・・・・・本発明の第1実施形態のタングステンブランクスの変形例
200・・・・・・本発明の第2実施形態のタングステンブランクス
200a・・・・・本発明の第2実施形態のタングステンブランクスの変形例