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特開2023-111346情報処理装置、情報処理方法及び情報処理装置のプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111346
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理装置のプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/436 20110101AFI20230803BHJP
   H04N 21/6587 20110101ALI20230803BHJP
   H04L 67/141 20220101ALI20230803BHJP
   H04L 67/565 20220101ALI20230803BHJP
【FI】
H04N21/436
H04N21/6587
H04L67/141
H04L67/565
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022013160
(22)【出願日】2022-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】591275481
【氏名又は名称】株式会社アイ・オー・データ機器
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上村 淳一
(72)【発明者】
【氏名】大釜 リアム
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA10
5C164TA02S
5C164TC13P
5C164UB71P
(57)【要約】
【課題】 本発明の一実施形態は、映像又は音声の設定が繰り返し変更される可能性を低減できる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理装置のプログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】情報処理装置は、音声又は映像に関する処理可能な第1限界値に係る第1設定情報を記憶するメモリと、前記第1限界値とは異なる第2限界値に係る第2設定情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記第2設定情報に基づいて、前記メモリに記憶している前記第1設定情報を第3設定情報に変更し、前記第3設定情報を他装置へ送信して前記他装置との映像又は音声に係る通信を確立する通信確立部と、を備えている。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声又は映像に関する処理可能な第1限界値に係る第1設定情報を記憶するメモリと、
前記第1限界値とは異なる第2限界値に係る第2設定情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記第2設定情報に基づいて、前記メモリに記憶している前記第1設定情報を第3設定情報に変更し、前記第3設定情報を他装置へ送信して前記他装置との映像又は音声に係る通信を確立する通信確立部と、
を備えている、
情報処理装置。
【請求項2】
前記メモリに記憶されている前記第1設定情報を前記第3設定情報に基づいて書き換える書き換え処理部を更に備えている、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記他装置は、クライアント装置であり、
前記情報処理装置は、前記クライアント装置と通信を行うクライアント通信部を更に備えており、
前記通信確立部は、前記クライアント通信部を介して前記クライアント装置に前記第3設定情報を送信する、
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1設定情報、前記第2設定情報及び前記第3設定情報のそれぞれは、解像度を含んでいる、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記クライアント装置は、ビデオカメラであり、
前記第3設定情報に含まれている解像度の値は、前記ビデオカメラに設定されている解像度の値よりも低い、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報処理装置は、ホスト装置と通信を行うホスト通信部を更に備えており、
前記ホスト通信部を介して前記ホスト装置から前記第2設定情報を受信する、
請求項1から請求項5のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記他装置は、前記ホスト装置であり、
前記通信確立部は、前記ホスト通信部を介して前記ホスト装置に前記第3設定情報を送信する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記ホスト装置は、ネットワークに接続されており、
前記ホスト装置は、前記ネットワークの帯域に係る情報に基づいて前記第2設定情報を生成し、
前記ホスト通信部は、前記ホスト装置において生成された前記第2設定情報を受信する、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第1設定情報、前記第2設定情報及び前記第3設定情報のそれぞれは、映像に係るフレームレート又は音声に係るビットレートの少なくとも1つを含んでいる、
請求項1から請求項8のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項10】
音声又は映像に関する処理可能な第1限界値に係る第1設定情報を記憶し、
前記第1限界値とは異なる第2限界値に係る第2設定情報を取得し、
取得した前記第2設定情報に基づいて、記憶している前記第1設定情報を第3設定情報に変更し、
前記第3設定情報を他装置へ送信して前記他装置との映像又は音声に係る通信を確立する、
情報処理方法。
【請求項11】
音声又は映像に関する処理可能な第1限界値に係る第1設定情報を記憶し、
前記第1限界値とは異なる第2限界値に係る第2設定情報を取得し、
取得した前記第2設定情報に基づいて、記憶している前記第1設定情報を第3設定情報に変更し、
前記第3設定情報を他装置へ送信して前記他装置との映像又は音声に係る通信を確立する、
情報処理装置のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明に係る一実施形態は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理装置のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、カメラとPC等の装置とを備えるビデオ会議システムを開示している。PC等の装置は、カメラからビデオデータを受信する。PC等の装置は、データの送信制限帯域を保持している。PC等の装置は、保持する送信制限帯域以内となるようにデータ送信量を制限する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-350227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のビデオ会議システムは、外部機器から取り込んだ後の映像の解像度を変更している。従って、外部機器は、不必要に高解像度の映像をPC等の装置へ送信し続ける場合がある。
【0005】
また、従来のビデオ会議システムは、ネットワーク回線の状態に応じて、解像度の設定を繰り返し変更する場合がある。例えば、従来のビデオ会議システムは、高解像度と低解像度との切り換えを繰り返し行う場合がある。また、ネットワーク回線の状態によっては、ビデオ会議システムで送信可能なデータ量よりも高い解像度の映像又は高音質の音声を送信しようとした場合に、映像又は音声が途切れる可能性もある。
【0006】
本発明の一実施形態は、映像又は音声の設定が繰り返し変更される可能性を低減できる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理装置のプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、
音声又は映像に関する処理可能な第1限界値に係る第1設定情報を記憶するメモリと、
前記第1限界値とは異なる第2限界値に係る第2設定情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記第2設定情報に基づいて、前記メモリに記憶している前記第1設定情報を第3設定情報に変更し、前記第3設定情報を他装置へ送信して前記他装置との映像又は音声に係る通信を確立する通信確立部と、
を備えている。
【0008】
上記構成によれば、情報処理装置は、映像又は音声の設定が繰り返し変更される可能性を低減できる。より詳細には、情報処理装置は、自装置で元々処理可能な解像度とは異なる解像度に基づいて第1設定情報を第3設定情報に変更し、変更後の第3設定情報に基づいてPC(他装置の一例)と通信を確立する。例えば、情報処理装置は、元々処理可能な解像度よりも低い解像度又は元々処理可能な音質よりも低い音質を示す第3設定情報を、PCへ送信し、通信を確立する。言い換えると、情報処理装置は、低解像度の映像又は低音質の音声しか送信出来ない装置であると、PCに対して見せかける。この場合、情報処理装置は、低解像度の映像又は低音質の音声をPCへ送信する。情報処理装置は、不必要に高解像度の映像又は高音質の音声をPCへ送信しない。結果、例えば、PCで利用するビデオ会議システムが、ネットワーク回線の状態に応じて(ネットワークの負荷に応じて)、解像度又は音質の設定を繰り返し変更する可能性が低減する。また、ビデオ会議システムにおいて映像又は音声が途切れる可能性も低減する。
【0009】
また、本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、前記メモリに記憶されている前記第1設定情報を前記第3設定情報に基づいて書き換える書き換え処理部を更に備えている。
【0010】
上記構成に係る情報処理装置では、メモリは、第3設定情報に基づいて書き換えられた後の第1設定情報を記憶する。従って、情報処理装置は、次にPCに接続した時、常に書き換え後の第1設定情報に基づいて直ちに通信を確立できる。また、情報処理装置は、異なるPCを使用されたとしても、常に書き換え後の第1設定情報に基づいて直ちに通信を確立できる。
【0011】
また、前記他装置は、クライアント装置であり、本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、前記クライアント装置と通信を行うクライアント通信部を更に備えており、前記通信確立部は、前記クライアント通信部を介して前記クライアント装置に前記第3設定情報を送信する。
【0012】
上記構成によれば、情報処理装置は、クライアント装置に対して、低解像度の映像又は低音質の音声しか受信出来ない装置であると見せかける。従って、情報処理装置は、不必要に高解像度の映像又は高音質の音声を受信することがないため、不必要に高解像度の映像又は高音質の音声を低解像度の映像又は低音質の音声にエンコードする必要がない。結果、情報処理装置は、無駄なエンコード処理を低減する。
【0013】
また、前記第1設定情報、前記第2設定情報及び前記第3設定情報のそれぞれは、解像度を含んでいる。
【0014】
上記構成によれば、情報処理装置は、低解像度の映像しか送信出来ない装置であると、PCに対して見せかける。解像度の変更は、音質の変更などに比べるとデータ量の変化量が大きい。つまり、解像度を変更すると、ネットワークの負荷への影響が大きくなる。しかし、上記構成の情報処理装置は、解像度が固定される。このため、ネットワークの負荷が大きく変化しない。結果、例えば、PCで利用するビデオ会議システムが、ネットワーク回線の状態に応じて、解像度又は音質の設定を繰り返し変更する可能性が更に低減する。
【0015】
また、前記クライアント装置は、ビデオカメラであり、前記第3設定情報に含まれている解像度の値は、前記ビデオカメラに設定されている解像度の値よりも低い。
【0016】
上記構成によれば、情報処理装置は、低解像度の映像しか受信出来ない装置であると、ビデオカメラに対して見せかける。情報処理装置は、低解像度の映像を常にビデオカメラから受信し、PCへ送信する。情報処理装置は、ビデオカメラから不必要に高解像度の映像を受信することがないため、不必要に高解像度の映像を低解像度の映像にエンコードする必要がない。結果、情報処理装置は、無駄なエンコード処理を低減する。
【0017】
前記情報処理装置は、ホスト装置(PC)と通信を行うホスト通信部を更に備えており、前記ホスト通信部を介して前記ホスト装置から前記第2設定情報を受信する。
【0018】
上記構成によれば、ユーザは、ユーザ自身の望む解像度又は音質をPCで設定することが出来る。
【0019】
また、前記他装置は前記ホスト装置であり、前記通信確立部は、前記ホスト通信部を介して前記ホスト装置に前記第3設定情報を送信する。
【0020】
上記構成によれば、情報処理装置は、ホスト装置に対して、低解像度の映像又は低音質の音声しか送信出来ない装置であると見せかける。従って、情報処理装置は、不必要に高解像度の映像又は高音質の音声を送信することがない。結果、例えば、PCで利用するビデオ会議システムが、ネットワーク回線の状態に応じて(ネットワークの負荷に応じて)、解像度又は音質の設定を繰り返し変更する可能性が低減する。
【0021】
また、前記ホスト装置は、ネットワークに接続されており、前記ホスト装置は、前記ネットワークの帯域に係る情報に基づいて前記第2設定情報を生成し、前記ホスト通信部は、前記ホスト装置において生成された前記第2設定情報を受信する。
【0022】
上記構成の場合、情報処理装置はネットワークの帯域に係る情報(ネットワークの負荷を示す情報等)に基づいて生成された第2設定情報に基づいて第1設定情報を第3設定情報へ変更する。情報処理装置は、ネットワークの帯域に係る情報に基づいて変更された第3設定情報に基づいてPCと通信を確立する。この場合、情報処理装置は、ネットワークの負荷に応じて、適切に解像度を調整した映像又は音質を調整した音声をPCへ送信する。従って、情報処理装置は、不必要に高解像度の映像又は高音質の音声をPCへ送信しない。この場合、PCは、受信した映像又は音声をネットワークの帯域に係る情報に基づいて無駄にエンコードする必要がなくなる。結果、PCの処理に係る負荷を軽減することが出来る。
【0023】
また、前記第1設定情報、前記第2設定情報及び前記第3設定情報のそれぞれは、映像に係るフレームレート又は音声に係るビットレートの少なくとも1つを含んでいる。
【0024】
上記構成によれば、情報処理装置は、低フレームレートの映像又は低ビットレートの音声しか送信出来ない装置であると、PCに対して見せかける。この場合、PCへ送信される映像のフレームレート又は音声のビットレートが固定される。従って、ネットワークの負荷が大きく変化しない。結果、例えば、PCで利用するビデオ会議システムが、ネットワーク回線の状態に応じて、解像度又は音質の設定を繰り返し変更する可能性が更に低減する。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理装置のプログラムよれば、映像又は音声の設定が繰り返し変更される可能性を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、ビデオキャプチャ1と、ビデオカメラ2と、PC3と、PC5とを示す図である。
図2図2は、ビデオキャプチャ1とPC3との間における通信の確立及びビデオキャプチャ1とビデオカメラ2との間における通信の確立を示すイメージ図である。
図3図3は、プロセッサ12の機能的構成を示すブロック図である。
図4図4は、PC3におけるアプリケーションプログラムの一例を示す図である。
図5図5は、ビデオキャプチャ1の処理の一例を示すフローチャートである。
図6図6(A)から図6(C)は、第1実施形態におけるUd1に示されている解像度の変更を示す図である。
図7図7(A)から図7(C)は、変形例1におけるUd1に示されている解像度の変更を示す図である。
図8図8は、変形例2に係るビデオキャプチャ1aの機能的構成を示す図である。
図9図9(A)から図9(C)は、変形例2におけるED1に示されている解像度の変更及びUd1に示されている解像度の変更を示す図である。
図10図10は、変形例3におけるUI30bを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態に係るビデオキャプチャ1について図を参照しながら説明する。図1は、ビデオキャプチャ1と、ビデオカメラ2と、PC3と、ネットワーク回線4と、PC5とを示す図である。図2は、ビデオキャプチャ1とPC3との間における通信の確立及びビデオキャプチャ1とビデオカメラ2との間における通信の確立を示すイメージ図である。
【0028】
ビデオキャプチャ1は、HDMI(登録商標)入力した映像を、USB(Universal Serial Bus)出力に変換する機器である。図1に示す様に、ビデオキャプチャ1は、メモリ10と、RAM(Random Access Memory)11と、プロセッサ12と、HDMI(登録商標)インタフェース13と、USBインタフェース14とを備えている。メモリ10は、例えば、RОM(Read Only Memory)又はフラッシュメモリ等である。プロセッサ12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、又は、GPU(Graphics Processing Unit)等である。以下、HDMI(登録商標)における(登録商標)の記載は省略し、単に、HDMIと記載する。また、HDMI(登録商標)インタフェース13における(登録商標)の記載を省略し、単に、HDMIインタフェース13と記載する。
【0029】
メモリ10は、種々のプログラムを記憶する。種々のプログラムとは、ビデオキャプチャ1を動作させるプログラム等である。
【0030】
RAM11は、メモリ10に記憶された所定のプログラムを一時的に記憶する。
【0031】
プロセッサ12は、メモリ10に記憶されたプログラムをRAM11に読み出すことによって各種の動作を実行する。
【0032】
USBインタフェース14は、ホスト通信部の一例である。USBインタフェース14は、PC3との通信を確立し、通信を行う。PC3は、本実施形態におけるホスト装置の一例である。PC3は、ビデオキャプチャ1との通信の確立後、ビデオキャプチャ1からUSBインタフェース14を介して映像データを受信する。PC3は、受信した映像データに基づいた映像を出力する。本実施形態において、PC3は、インターネット又はLAN(Local Area Network)等のネットワーク回線4を介して遠隔地のPC5と通信を行う。具体的には、PC3は、PC5と接続をして遠隔ビデオ会話を行うアプリケーションプログラム(以下、遠隔ビデオ会話用アプリケーションと称す)をインストールしている。PC3は、遠隔ビデオ会話用アプリケーションを用いて、遠隔地のPC5と遠隔ビデオ会話に係る通信を行う。
【0033】
USBインタフェース14は、USB規格に基づいてPC3と通信を行う。USBインタフェース14は、PC3と接続した時、自装置がUVC(USB Video Class)のデバイスであることを示すUSBdescriptorをPC3に送信し、PC3との通信を確立する。USBdescriptorは、第1設定情報の一例である。
【0034】
USBdescriptorは、USB機器固有の識別データである。USBdescriptorは、USB機器の識別子、USB機器のベンダID、又は、USB機器が有している能力等を含んでいる。USB機器が有している能力とは、例えば、USB機器で処理可能な解像度、又は、処理可能なフレームレート等である。本実施形態では、メモリ10が、ビデオキャプチャ1で処理可能な解像度及び処理可能なフレームレート(処理可能な限界値)を示すUSBdescriptorを記憶している。USBインタフェース14は、PC3へUSBdescriptorを送信し、PC3との通信を確立する。例えば、PC3は、図2に示す様に、ビデオキャプチャ1から受信したUSBdescriptorにおいて「解像度:1920×1080」、且つ、「フレームレート:60p」と示されている場合、ビデオキャプチャ1を「解像度:1920×1080」、且つ、「フレームレート:60p」の映像データを送信するUVCデバイスであると認識する。ビデオキャプチャ1から受信したUSBdescriptorに示されている解像度又はフレームレートは、本発明の第1限界値の一例である。以下、メモリ10が記憶しているUSBdescriptorをUd1と称す。
【0035】
HDMIインタフェース13は、クライアント通信部の一例である。HDMIインタフェース13は、ビデオカメラ2と通信を確立し、通信を行う(図1参照)。ビデオカメラ2は、本実施形態におけるクライアント装置の一例である。ビデオカメラ2は、映像データを取得する。ビデオカメラ2は、映像データをHDMIインタフェース13へ送信する。
【0036】
HDMIインタフェース13は、HDMIの規格に基づいて、ビデオカメラ2と通信を確立する。具体的には、HDMIインタフェース13は、EDID(Extended Display Indentification Data)に基づいてビデオカメラ2との通信を確立する。EDIDは、第1設定情報の一例である。
【0037】
EDIDは、HDMI機器固有の識別データである。EDIDは、HDMI機器の識別子、HDMI機器のベンダID、又は、HDMI機器が有している能力等を含んでいる。機器が有している能力とは、例えば、HDMI機器で処理可能な解像度、又は、フレームレート等である。本実施形態では、メモリ10が、ビデオキャプチャ1で処理可能な解像度とフレームレートとを示すEDIDを記憶している。HDMIインタフェース13は、ビデオカメラ2へEDIDを送信し、通信を確立する。例えば、図2に示す様に、ビデオカメラ2は、ビデオキャプチャ1から受信したEDIDにおいて「解像度:1920×1080」、且つ、「フレームレート:60p」と示されている場合、ビデオキャプチャ1を「解像度:1920×1080」、且つ、「フレームレート:60p」の映像データを受信するHDMIデバイスであると認識する。ビデオキャプチャ1から受信したEDIDに示されている解像度又はフレームレートは、本発明の第1限界値の一例である。以下、メモリ10が記憶しているEDIDをED1と称す。
【0038】
HDMIインタフェース13は、ビデオカメラ2との通信の確立後、ビデオカメラ2からエンコードされた映像データを受信する。具体的には、HDMIインタフェース13は、ビデオカメラ2からHDMIの規格に準じたエンコードデータ(TMDS(Transition Minimized Defferential Signaling)データ)を受信する。ビデオカメラ2は、ビデオキャプチャ1から受信したED1に示されている解像度及びフレームレートに対応する映像データをHDMIインタフェース13に送信する。具体的には、ビデオカメラ2は、ビデオキャプチャ1から受信したED1に示されている解像度及びフレームレートに基づいて、撮影した映像に係る映像データに対してHDMIの規格に準じたエンコードを行う。例えば、ビデオカメラ2は、「解像度:1920×1080」に対応する映像データとなるように、撮影した映像に係る映像データに対してHDMIの規格に準じたエンコードを行う。また、ビデオカメラ2は、「フレームレート:60p」に対応する映像データとなるように、撮影した映像に係る映像データに対してHDMIの規格に準じたエンコードを行う。
【0039】
プロセッサ12は、ビデオカメラ2から受信したHDMIの規格に準じたエンコードデータを、UVC(USB Video Class)のストリームデータにエンコードする。例えば、プロセッサ12は、「解像度:1920×1080」に対応する映像データとなるように、ビデオカメラ2から受信した映像データに対してエンコードを行う。また、プロセッサ12は、「フレームレート:60p」に対応する映像データとなるように、ビデオカメラ2から受信した映像データに対してエンコードを行う。USBインタフェース14は、UVCストリームデータにエンコードされた映像データをPC3に送信する。
【0040】
本実施形態においてビデオキャプチャ1は、上述したUd1を異なるUSBdescriptorに変更する。例えば、ビデオキャプチャ1は、Ud1に示されている解像度を、異なる解像度に変更する。以下、ビデオキャプチャ1におけるUd1の変更に係る処理(以下、処理Pと称す)について図を参照しながら説明する。図3は、プロセッサ12の機能的構成を示すブロック図である。図4は、PC3におけるアプリケーションプログラムの一例を示す図である。図5は、ビデオキャプチャ1の処理の一例を示すフローチャートである。図6(A)から図6(C)は、第1実施形態におけるUd1に示されている解像度の変更を示す図である。
【0041】
プロセッサ12は、図3に示す様に、取得部120と通信確立部121とを機能的に備えている。取得部120及び通信確立部121が、処理Pを実行する。
【0042】
プロセッサ12は、例えば、PC3においてユーザによる解像度を変更する操作を受けつけたときに、処理Pを開始する。具体的には、本実施形態において、PC3には、USBdescriptorに示されている解像度を変更するアプリケーションプログラム(以下、変更用アプリケーションと称す)がインストールされている。ユーザは、PC3の変更用アプリケーションを介して解像度を変更する。
【0043】
PC3は、映像を表示する装置(以下、表示装置と称する)を備えている。変更用アプリケーションは、UI(User Interface)30を表示装置に表示する(図4参照)。変更用アプリケーションは、UI30に1以上のボタンとプルダウンメニューとを配置する。図4に示す例において、変更用アプリケーションは、ボタンBT1~BT4と、適用ボタンBTAと、リセットボタンBTRと、プルダウンメニューPUと、を配置している。ユーザは、ボタンBT1~BT4,BTA,BTRとプルダウンメニューPUとを操作(クリック操作等)することによって解像度を指定する。
【0044】
ボタンBT1~BT3のそれぞれには、対応する解像度が割り当てられている。例えば、ボタンBT1には「解像度:854×480」、ボタンBT2には「解像度:1280×720」、ボタンBT3には「解像度:1920×1080」が、割り当てられている。ユーザは、ボタンBT1~BT3をクリック操作することによって解像度を指定する。変更用アプリケーションは、ユーザによるボタンBT1~BT3へのクリック操作を認識したとき、ボタンBT1~BT3に対応している解像度を選択状態にする。例えば、ユーザは、ボタンBT2をクリック操作する。このとき、変更用アプリケーションは、「解像度:1280×720」を選択状態にする。ユーザによって選択された解像度は、本発明の第2限界値の一例である。
【0045】
または、ユーザは、ボタンBT4をクリック操作することによって、解像度をプルダウンメニューPUから選択することも出来る。ユーザは、ボタンBT4をクリック操作する。変更用アプリケーションは、ユーザによるボタンBT4へのクリック操作を検知したとき、プルダウンメニューPUに、1以上の選択可能な解像度を表示する。ユーザは、例えば、プルダウンメニューPUで表示されている「解像度:1280×720」を選択(クリック操作)する。このとき、変更用アプリケーションは、「解像度:1280×720」を選択状態にする。図4に示す例では、プルダウンメニューPUにおいて「解像度:1280×720」が、選択されている。
【0046】
ユーザは、解像度を指定した後、適用ボタンBTAをクリック操作する。変更用アプリケーションは、ユーザによる適用ボタンBTAのクリック操作を検知したとき、処理Pを開始する(図5:START)。
【0047】
開始後、変更用アプリケーションは、ユーザによって指定された解像度(変更用アプリケーションによって選択状態とされた解像度)を示しているUSBdescriptorを生成する(図5:ステップS10)。例えば、ユーザによって「解像度:1280×720」と指定された場合、変更用アプリケーションは、「解像度:1280×720」を示しているUSBdescriptorを生成する。なお、このとき、変更用アプリケーションは、Ud1に元々設定されているフレームレート(例えば「フレームレート:60p」等)を含むUSBdescriptorを生成してもよい。変更用アプリケーションによって生成されたUSBdescriptorは、本発明の第2設定情報の一例である。以下、変更用アプリケーションによって生成されたUSBdescriptorを、Ud2と称す。
【0048】
ステップS10の後、取得部120は、Ud2を取得する(図5:ステップS11)。具体的には、図3及び図6(A)に示す様に、取得部120(ビデオキャプチャ1)は、USBインタフェース14を介してPC3からUd2を受信する。
【0049】
ステップS11の後、通信確立部121は、Ud2に基づいてUd1を変更する(図5:ステップS12)。具体的には、通信確立部121は、メモリ10に記憶しているUd1に示されている解像度をUd2に示されている解像度に書き換える。例えば、Ud1に「解像度:1920×1080」と示されている場合、且つ、Ud2に「解像度:1280×720」と示されている場合、通信確立部121は、Ud1の解像度を「1920×1080」から「解像度:1280×720」に書き換える。一方、通信確立部121は、Ud1に示されているフレームレートを書き換えない。以下、解像度の情報を書き換えた後のUd1をUd3(本発明の第3設定情報)と称する。
【0050】
ステップS12の後、通信確立部121は、PC3との接続を解除する(図5:ステップS13)。この場合、USBインタフェース14とPC3との間の通信が解除される。
【0051】
ステップS13の後、通信確立部121は、再びPC3との通信を確立する(図5:ステップS14)。具体的には、図3及び図6(B)に示す様に、通信確立部121は、USBインタフェース14を介してPC3へUd3を送信し、通信を確立する。具体的には、通信確立部121は、「解像度:1280×720」と「フレームレート:60p」とを示すUd3をPC3へ送信し、通信を確立する。通信の確立後、USBインタフェース14とPC3とは通信を行う。
【0052】
以上のステップS10からステップS14の処理が実行されることによって、当該処理が完了する(図4:END)。これにより、プロセッサ12は、Ud3に示されている解像度に対応する様に、HDMIの規格に準じたエンコードデータをUVCストリームデータにエンコードする。例えば、Ud3において「解像度:1280×720」、「フレームレート:60p」と示されている場合、プロセッサ12は、「解像度:1280×720」、「フレームレート:60p」に対応する映像データとなるように、ビデオカメラ2から受信した映像データに対してエンコードを行う(図6(C)参照)。
【0053】
なお、変更用アプリケーションは、Ud1に示されているフレームレートを書き換えてもよい。そして、通信確立部121は、Ud1に示されているフレームレートをUd2に示されているフレームレートに書き換えてもよい。例えば、ユーザによって「フレームレート:30p」と指定された場合、変更用アプリケーションは、「フレームレート:30p」を示しているUd2を生成する。そして、通信確立部121は、Ud1に示されているフレームレートをUd2に示されているフレームレートに書き換える。例えば、Ud1に「フレームレート:60p」と示されている場合、且つ、Ud2に「フレームレート:30p」と示されている場合、通信確立部121は、Ud1のフレームレートを「60p」から「30p」に書き換える。
【0054】
なお、Ud1の変更は、必ずしも、PC3から受信する情報に基づいて行う必要はない。ビデオキャプチャ1は、例えば、解像度の切換スイッチ(例えば、「解像度:1920×1280」、又は、「解像度:1280×720」等の切換スイッチ)を備えてもよい。ユーザは、切換スイッチを切り換える操作を行う。ビデオキャプチャ1は、ユーザによる切換スイッチの操作を受け付ける。ビデオキャプチャ1は、Ud1に示されている解像度を切換スイッチにおいて選択されている解像度へ変更する。
【0055】
なお、図5に示す解像度の値は一例である。Ud2によって示される解像度の値は、例えば、「800×600」等の値であってもよい。
【0056】
なお、本実施形態において、クライアント装置は、必ずしも、ビデオカメラ2でなくてもよい。クライアント装置は、映像データを出力する装置であればどの様なものであってもよい。クライアント装置は、例えば、ゲーム機等であってもよい。
【0057】
なお、ビデオキャプチャ1は、必ずしも、メモリ10に記憶されているUd1をUd3に書き換える必要はない。通信確立部121は、PC3から受信したUd2に基づいて書き換えたUd1をUd3としてRAM11に一時的に記憶し、一時的に記憶したUd3に基づいてPC3と通信を確立してもよい。ただし、ビデオキャプチャ1は、メモリ10に記憶されているUd1をUd3に書き換えることで、次にPC3と接続する時には最初から変更後の解像度のUSBデバイスとしてPC3に認識させることができ、改めてS11~S14の様な動作を行う必要はない。一方で、Ud3をRAM11に一時記憶する場合、PC3の変更用アプリケーションが、Ud3を記憶してもよい。PC3の変更用アプリケーションは、次にビデオキャプチャ1を接続した時、Ud3をビデオキャプチャ1に送信する。ビデオキャプチャ1は、接続時に変更用アプリケーションからUd3を受信し、当該Ud3を用いてPC3との接続を確立すればよい。
【0058】
なお、ユーザは、図4のUI30においてリセットボタンBTRをクリック操作することによって、解像度の設定を解除し、メモリ10に記憶されているUd3をUd1に初期化することもできる。具体的には、メモリ10は、Ud1の初期値をUd3とは別に記憶している。ユーザがリセットボタンBTRをクリックすると、変更用アプリケーションは、ビデオキャプチャ1に対して、Ud3をUd1の初期値に変更する命令を送信する。ビデオキャプチャ1は、当該命令を受信したときに、Ud3をUd1の初期値に戻す。この場合、ビデオキャプチャ1とPC3とは、初期値のUd1に基づいて通信を確立する。
【0059】
(第1実施形態の効果)
ビデオキャプチャ1によれば、PC3における映像の設定が繰り返し変更される可能性を低減できる。より詳細には、ビデオキャプチャ1は、自身で元々処理可能な解像度とは異なる解像度を示すUd2に基づいてUd1をUd3に変更し、Ud3に基づいてPC3と通信を確立する。例えば、ビデオキャプチャ1は、元々処理可能な解像度よりも低い解像度を示すUd3を、PC3へ送信し、通信を確立する。言い換えると、ビデオキャプチャ1は、低解像度の映像しか送信出来ない装置であると、PC3に対して見せかける。この場合、ビデオキャプチャ1は、低解像度の映像をPC3へ送信する。言い換えると、ビデオキャプチャ1は、不必要に高解像度の映像をPCへ送信しない。結果、PC3の遠隔ビデオ会話用アプリケーションが、ネットワーク回線4の状態に応じて(ネットワーク回線4の負荷に応じて)、解像度を繰り返し変更する可能性が低減する。また、PC3とPC5とのビデオ会議において映像又は音声が途切れる可能性も低減する。
【0060】
また、ビデオキャプチャ1は、敢えて低解像度の映像データを送信するため、ユーザは、高解像度の映像データに対応していないアプリケーションプログラムを利用することもできる。ユーザは、高解像度の新しい規格に準じた外部機器が認識できないアプリケーションプログラムを利用している場合がある。例えば、あるアプリケーションプログラムが、フルHD(1920×1080)の解像度のUSBビデオデバイス(例えばUSB2.0規格のビデオデバイス)にしか対応していない場合がある。ビデオキャプチャ1は、仮に4k(3840×2160)の解像度のUSBビデオデバイス(例えばUSB3.1規格のビデオデバイス)であっても、この様なアプリケーションプログラムに認識させることができる。例えば、変更用アプリケーションは、「フルHD:USB2.0規格」を示しているUd2を生成する。例えば、ユーザによって「フルHD:USB2.0規格」と指定された場合、変更用アプリケーションは、「フルHD:USB2.0規格」を示しているUd2を生成する。この場合、PC3は、ビデオキャプチャ1を「フルHD:USB2.0規格」のデバイスと認識し、通信を確立する。これにより、ユーザは、「フルHD:USB2.0規格」のデバイスしか認識できないアプリケーションプログラムであっても、ビデオキャプチャ1を当該アプリケーションプログラムに認識して利用することができる。
【0061】
なお、ビデオキャプチャ1は、Ud1に示されている音声に係る情報を書き換えて、PC3と通信を確立してもよい。音声に係る情報とは、例えば、音声に係るビットレート(サンプリング周波数又は量子化ビット数)である。この場合、ビデオキャプチャ1は、例えば、Ud1に示されている音声に係るビットレートを、Ud2に示されている音声に係るビットレートに書き換える。この場合、ビデオキャプチャ1は、不必要に高ビットレートの音声をPCへ送信しない。この場合、PC3の遠隔ビデオ会話用アプリケーションが、ネットワーク回線4の状態に応じて音声の設定を繰り返し変更する可能性が低減する。
【0062】
(変形例1)
以下、変形例1について図を参照しながら説明する。図7(A)から図7(C)は、変形例1におけるUd1に示されている解像度の変更を示す図である。変形例1のUSBカメラ6は、本発明の情報処理装置の一例である。USBカメラ6は、UVCのデバイスである。USBカメラ6は、USB規格に基づいてPC3と通信を行う。USBカメラ6は、ビデオキャプチャ1と同様にUd3に基づいてPC3との通信を確立する。例えば、変更用アプリケーションは、「解像度:1280×720」を示しているUd2を生成し、USBカメラ6に送信する(図7(A)参照)。USBカメラ6は、PC3から受信したUd2に基づいて自装置に記憶しているUd1をUd3に書き換える。USBカメラ6は、Ud3をPC3に送信し(図7(B)参照)、Ud3に基づいてPC3と通信を確立する(図7(C)参照)。この場合、PC3は、ビデオキャプチャ1を「解像度:1280×720」、且つ、「フレームレート:60p」のデバイスと認識し、通信を確立する。
【0063】
(変形例1の効果)
変形例1に係るUSBカメラ6は、第1実施形態に係るビデオキャプチャ1と同じ効果を奏する。
【0064】
(変形例2)
以下、変形例2について図を参照しながら説明する。図8は、変形例2に係るビデオキャプチャ1aの機能的構成を示す図である。図8は、ビデオキャプチャ1aのプロセッサ12aの機能的構成を示すブロック図である。図9(A)から図9(C)は、変形例2におけるED1に示されている解像度の変更及びUd1に示されている解像度の変更を示す図である。
【0065】
ビデオキャプチャ1aは、Ud1の初期値に基づいてとPC3と通信を確立し、且つ、ED1に基づいてビデオカメラ2と通信を確立する。ビデオキャプチャ1aは、PC3でユーザによって指定された解像度でPC3との通信を再び確立し、且つ、PC3でユーザによって指定された解像度でビデオカメラ2との通信を再び確立する。
【0066】
具体的には、ビデオキャプチャ1aは、図8に示す様に、プロセッサ12の代わりにプロセッサ12aを備えている。プロセッサ12aは、取得部120の代わりに取得部120aを、通信確立部121の代わりに通信確立部121aを機能的に備えている。取得部120aは、PC3からUd2に加えて、ED1の解像度を変更するためのEDID(以下、ED2と称する)を受信する(図9(A)参照)。通信確立部121aは、ED1に示されている解像度をED2に示されている解像度に書き換える。例えば、通信確立部121aは、メモリ10に記憶しているED1に「解像度:1920×1080」と示されている場合、且つ、ED2に「解像度:1280×720」と示されている場合、ED1の解像度を「1920×1080」から「解像度:1280×720」に書き換える。以下、解像度の情報を書き換えた後のED1をED3(本発明の第3設定情報)と称する。
【0067】
通信確立部121aは、ビデオカメラ2との接続を解除する。接続の解除後、通信確立部121aは、ED3をビデオカメラ2に送信し(図9(B))、ED3に基づいてビデオカメラ2と通信を確立する(図9(C)参照)。この場合、ビデオカメラ2は、ED3において「解像度:1280×720」及び「フレームレート:60p」と示されている場合、ビデオキャプチャ1aを、「解像度:1280×720」、且つ、「フレームレート:60p」の映像データを受信するHDMIデバイスであると認識する。ビデオカメラ2は、ED3に示されている解像度及びフレームレートとなるように、映像データに対してHDMIの規格に準じたエンコードを行い、エンコード後の映像データをビデオキャプチャ1aへ送信する(図9(C)参照)。
【0068】
なお、ビデオキャプチャ1aにおける、Ud3に基づいたPC3との通信の確立は、ビデオキャプチャ1におけるUd3に基づいたPC3との通信の確立と同じであるため、説明を省略する。
【0069】
(変形例2の効果)
ビデオキャプチャ1aは、低解像度の映像しか受信出来ない装置であると、ビデオカメラ2に対して見せかける。この場合、ビデオキャプチャ1aは、ビデオカメラ2から不必要に高解像度の映像データを受信することがないため、不必要に高解像度の映像データを低解像度の映像データにエンコードする必要がない。結果、ビデオキャプチャ1aは、無駄なエンコード処理を低減する。
【0070】
なお、ビデオキャプチャ1aは、ED2のみをPC3から受信してもよい。この場合、ビデオキャプチャ1aは、ビデオカメラ2との通信を解除し、ED3に基づいてビデオカメラ2と通信を再び確立する。一方、ビデオキャプチャ1aは、PC3との通信を解除せず、元々メモリ10に記憶しているUd1に基づいてPC3との通信を継続する。
【0071】
なお、Ud3に示されている解像度、フレームレート、又は、音声のビットレート等の値と、ED3に示されている解像度、フレームレート、又は、音声のビットレート等の値とは、必ずしも一致していなくてもよい。
【0072】
(変形例3)
以下、変形例3について図を参照しながら説明する。図10は、変形例3におけるUI30bを示す図である。変形例3に係るビデオキャプチャ1bは、ネットワーク回線4の負荷に応じて生成されたUd2に基づいてPC3との通信を確立する。具体的には、変更用アプリケーションは、UI30bを表示装置に表示する(図10参照)。本変形例において、変更用アプリケーションは、ボタンBT1~BT4、適用ボタンBTA、リセットボタンBTR及びプルダウンメニューPUに加えて、オートボタンBT5をUI30bに配置している。変更用アプリケーションは、オートボタンBT5へのクリック操作を検知したとき、ネットワーク回線4の負荷を測定する(例えば、ネットワーク回線4におけるビットレートを測定する等)。変更用アプリケーションは、ネットワーク回線4のビットレートに基づいてUd2を生成する。具体的には、変更用アプリケーションは、測定によって得られたビットレートの値よりも低いビットレートに対応する解像度及びフレームレートのUd2を生成する。例えば、測定したネットワーク回線4のビットレートが「10Mbps」である場合、変更用アプリケーションは、「10Mbps」よりも低いビットレートの「解像度:1280×720」、「フレームレート:30p」を示すUd2を生成し、ビデオキャプチャ1bに送信する。「解像度:1280×720」、「フレームレート:30p」の映像データは、最大でも5Mbps程度のビットレートであり、ネットワーク回線4の「ビットレート:10Mbps」よりも十分に低い。ビデオキャプチャ1bは、「解像度:1280×720」、「フレームレート:30p」を示すUd2に基づいて自装置に記憶しているUd1をUd3に書き換える。
【0073】
ビデオキャプチャ1bは、PC3との接続を解除する。接続の解除後、ビデオキャプチャ1bは、Ud3に基づいてPC3との通信を確立する。この場合、PC3は、ビデオキャプチャ1bを「解像度:1280×720」、「フレームレート:30p」の映像データを送信するデバイスであると認識し、通信を確立する。
【0074】
なお、変更用アプリケーションによるネットワーク回線4の負荷の測定は、1回に限られない。変更用アプリケーションは、複数回、ネットワーク回線4の負荷の測定を行ってもよい。例えば、変更用アプリケーションは、1分おきにネットワーク回線4の負荷の測定を行ってもよい。
【0075】
(変形例3の効果)
ビデオキャプチャ1bはネットワーク回線4の帯域に係る情報(ネットワーク回線4の負荷を示す情報等)に基づいて生成されたUd2に基づいてUd1を書き換える。この場合、ビデオキャプチャ1bは、ネットワーク回線4の負荷に応じて、適切に解像度を調整した映像データをPC3へ送信する。従って、ビデオキャプチャ1bは、不必要に高解像度の映像データをPC3へ送信しない。この場合、PC3は、受信した映像データをネットワーク回線4の帯域に係る情報に基づいて無駄にエンコードする必要がなくなる。結果、PC3の処理に係る負荷を軽減することが出来る。
【0076】
なお、第1実施形態に係るビデオキャプチャ1、変形例1に係るUSBカメラ6、変形例2に係るビデオキャプチャ1a及び変形例3に係るビデオキャプチャ1bの構成を任意に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0077】
1,1a,1b:ビデオキャプチャ
2:ビデオカメラ
3,5:PC
4:ネットワーク回線
6:USBカメラ
10:メモリ
11:RAM
12,12a:プロセッサ
13:HDMIインタフェース
14:USBインタフェース
120,120a:取得部
121,121a:通信確立部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10