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特開2023-111374残価設定債権管理装置、残価設定債権管理方法、および、残価設定債権管理プログラム
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  • 特開-残価設定債権管理装置、残価設定債権管理方法、および、残価設定債権管理プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111374
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】残価設定債権管理装置、残価設定債権管理方法、および、残価設定債権管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20230101AFI20230803BHJP
【FI】
G06Q40/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022013206
(22)【出願日】2022-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長木 慎弥
(72)【発明者】
【氏名】水谷 憲
(72)【発明者】
【氏名】三牧 暖子
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB23
(57)【要約】
【課題】既存の残価設定方式の債権管理システムにて同一の業務フローのまま取り扱い可能な残価二括方式での債権管理を可能とする残価設定債権管理装置、残価設定債権管理方法、および、残価設定債権管理プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】残価二括方式での割賦販売申込時に、店舗、頭金、据置元金、および、初回返済年月を紐付けて設定した申込時口座貸付データを取得し、店舗別料率パターンマスタ、手数料率マスタ、および、申込時口座貸付データに基づいて、支払予定年月、および、手数料支払額を紐付けて設定した初回返済レコードを含む返済予定データを取得する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた残価設定債権管理装置であって、
前記記憶部は、
割賦販売を行う店舗、および、残価二括方式の支払方式における据置月数を紐付けて設定した店舗別料率パターンマスタと、
支払回数、および、手数料率を紐付けて設定した手数料率マスタと、
を備え、
前記制御部は、
前記残価二括方式での割賦販売申込時に、前記店舗、頭金、据置元金、および、初回返済年月を紐付けて設定した申込時口座貸付データを取得する申込時口座貸付取得手段と、
前記店舗別料率パターンマスタ、前記手数料率マスタ、および、前記申込時口座貸付データに基づいて、支払予定年月、および、手数料支払額を紐付けて設定した初回返済レコードを含む返済予定データを取得する返済予定取得手段と、
を備えたことを特徴とする残価設定債権管理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記申込時口座貸付データ、および、前記返済予定データに基づいて、立替実行処理として、前記据置元金の据置元金額と前記手数料支払額とを加えた立替残高、および、取引中の完済区分を設定した口座取引データを取得する立替実行手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の残価設定債権管理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記初回返済年月に前記手数料支払額の初回入金データを取得した場合、入金処理として、前記口座取引データに設定された前記立替残高から前記手数料支払額を差し引いた金額を更新後の立替残高とする前記口座取引データの更新処理を実行する入金処理手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項2に記載の残価設定債権管理装置。
【請求項4】
前記入金処理手段は、
更に、前記初回入金データに基づいて、前記手数料支払額を設定した回収実績データを取得することを特徴とする請求項3に記載の残価設定債権管理装置。
【請求項5】
前記申込時口座貸付取得手段は、
前記残価二括方式での前記割賦販売申込時に、申込画面表示要求が入力された場合、申込画面を表示させ、前記申込画面にて前記店舗、本体価格、前記頭金、および、前記初回返済年月が設定された場合、前記申込時口座貸付データを取得することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の残価設定債権管理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
最終支払年月に、再分割回数を設定した残価再分割要求が入力された場合、前記申込時口座貸付データ、前記残価再分割要求、および、前記手数料率マスタに基づいて、再手数料支払額を算出し、再支払予定年月、再元金支払月額、および、再手数料支払月額を紐付けて設定した再返済予定データを取得する再分割手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の残価設定債権管理装置。
【請求項7】
前記返済予定データは、
更に、前記支払予定年月、および、前記据置元金の据置元金額を紐付けて設定した最終回返済レコードを含むことを特徴とする請求項1に記載の残価設定債権管理装置。
【請求項8】
前記入金処理手段は、
更に、最終返済年月に前記据置元金の最終入金データを取得した場合、前記最終入金データに基づいて、前記回収実績データに前記据置元金額を設定することを特徴とする請求項4に記載の残価設定債権管理装置。
【請求項9】
記憶部と制御部とを備えた残価設定債権管理装置に実行させるための残価設定債権管理方法であって、
前記記憶部は、
割賦販売を行う店舗、および、残価二括方式の支払方式における据置月数を紐付けて設定した店舗別料率パターンマスタと、
支払回数、および、手数料率を紐付けて設定した手数料率マスタと、
を備え、
前記制御部で実行させる、
前記残価二括方式での割賦販売申込時に、前記店舗、頭金、据置元金、および、初回返済年月を紐付けて設定した申込時口座貸付データを取得する申込時口座貸付取得ステップと、
前記店舗別料率パターンマスタ、前記手数料率マスタ、および、前記申込時口座貸付データに基づいて、支払予定年月、および、手数料支払額を紐付けて設定した初回返済レコードを含む返済予定データを取得する返済予定取得ステップと、
を含むことを特徴とする残価設定債権管理方法。
【請求項10】
記憶部と制御部とを備えた残価設定債権管理装置に実行させるための残価設定債権管理プログラムであって、
前記記憶部は、
割賦販売を行う店舗、および、残価二括方式の支払方式における据置月数を紐付けて設定した店舗別料率パターンマスタと、
支払回数、および、手数料率を紐付けて設定した手数料率マスタと、
を備え、
前記制御部において、
前記残価二括方式での割賦販売申込時に、前記店舗、頭金、据置元金、および、初回返済年月を紐付けて設定した申込時口座貸付データを取得する申込時口座貸付取得ステップと、
前記店舗別料率パターンマスタ、前記手数料率マスタ、および、前記申込時口座貸付データに基づいて、支払予定年月、および、手数料支払額を紐付けて設定した初回返済レコードを含む返済予定データを取得する返済予定取得ステップと、
を実行させるための残価設定債権管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、残価設定債権管理装置、残価設定債権管理方法、および、残価設定債権管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、支払回数を12回、24回または36回から選択する残価設定型クレジットを提供する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-224827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、初回と最終回との間に月々の支払がないパターンの残価設定方式である残価二括方式での債権管理を可能とすることができないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、既存の残価設定方式の債権管理システムにて同一の業務フローのまま取り扱い可能な残価二括方式での債権管理を可能とする残価設定債権管理装置、残価設定債権管理方法、および、残価設定債権管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る残価設定債権管理装置は、記憶部と制御部とを備えた残価設定債権管理装置であって、前記記憶部は、割賦販売を行う店舗、および、残価二括方式の支払方式における据置月数を紐付けて設定した店舗別料率パターンマスタと、支払回数、および、手数料率を紐付けて設定した手数料率マスタと、を備え、前記制御部は、前記残価二括方式での割賦販売申込時に、前記店舗、頭金、据置元金、および、初回返済年月を紐付けて設定した申込時口座貸付データを取得する申込時口座貸付取得手段と、前記店舗別料率パターンマスタ、前記手数料率マスタ、および、前記申込時口座貸付データに基づいて、支払予定年月、および、手数料支払額を紐付けて設定した初回返済レコードを含む返済予定データを取得する返済予定取得手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る残価設定債権管理装置において、前記制御部は、前記申込時口座貸付データ、および、前記返済予定データに基づいて、立替実行処理として、前記据置元金の据置元金額と前記手数料支払額とを加えた立替残高、および、取引中の完済区分を設定した口座取引データを取得する立替実行手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る残価設定債権管理装置において、前記制御部は、前記初回返済年月に前記手数料支払額の初回入金データを取得した場合、入金処理として、前記口座取引データに設定された前記立替残高から前記手数料支払額を差し引いた金額を更新後の立替残高とする前記口座取引データの更新処理を実行する入金処理手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る残価設定債権管理装置において、前記入金処理手段は、更に、前記初回入金データに基づいて、前記手数料支払額を設定した回収実績データを取得することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る残価設定債権管理装置において、前記申込時口座貸付取得手段は、前記残価二括方式での前記割賦販売申込時に、申込画面表示要求が入力された場合、申込画面を表示させ、前記申込画面にて前記店舗、本体価格、前記頭金、および、前記初回返済年月が設定された場合、前記申込時口座貸付データを取得することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る残価設定債権管理装置において、前記制御部は、最終支払年月に、再分割回数を設定した残価再分割要求が入力された場合、前記申込時口座貸付データ、前記残価再分割要求、および、前記手数料率マスタに基づいて、再手数料支払額を算出し、再支払予定年月、再元金支払月額、および、再手数料支払月額を紐付けて設定した再返済予定データを取得する再分割手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る残価設定債権管理装置において、前記返済予定データは、更に、前記支払予定年月、および、前記据置元金の据置元金額を紐付けて設定した最終回返済レコードを含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る残価設定債権管理装置において、前記入金処理手段は、更に、最終返済年月に前記据置元金の最終入金データを取得した場合、前記最終入金データに基づいて、前記回収実績データに前記据置元金額を設定することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る残価設定債権管理方法は、記憶部と制御部とを備えた残価設定債権管理装置に実行させるための残価設定債権管理方法であって、前記記憶部は、割賦販売を行う店舗、および、残価二括方式の支払方式における据置月数を紐付けて設定した店舗別料率パターンマスタと、支払回数、および、手数料率を紐付けて設定した手数料率マスタと、を備え、前記制御部で実行させる、前記残価二括方式での割賦販売申込時に、前記店舗、頭金、据置元金、および、初回返済年月を紐付けて設定した申込時口座貸付データを取得する申込時口座貸付取得ステップと、前記店舗別料率パターンマスタ、前記手数料率マスタ、および、前記申込時口座貸付データに基づいて、支払予定年月、および、手数料支払額を紐付けて設定した初回返済レコードを含む返済予定データを取得する返済予定取得ステップと、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る残価設定債権管理プログラムは、記憶部と制御部とを備えた残価設定債権管理装置に実行させるための残価設定債権管理プログラムであって、前記記憶部は、割賦販売を行う店舗、および、残価二括方式の支払方式における据置月数を紐付けて設定した店舗別料率パターンマスタと、支払回数、および、手数料率を紐付けて設定した手数料率マスタと、を備え、前記制御部において、前記残価二括方式での割賦販売申込時に、前記店舗、頭金、据置元金、および、初回返済年月を紐付けて設定した申込時口座貸付データを取得する申込時口座貸付取得ステップと、前記店舗別料率パターンマスタ、前記手数料率マスタ、および、前記申込時口座貸付データに基づいて、支払予定年月、および、手数料支払額を紐付けて設定した初回返済レコードを含む返済予定データを取得する返済予定取得ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、現金に余裕があり、初回に通常の残価設定方式のローンの月々返済分にあたる額を返済したいユーザのニーズを発掘することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、残価設定となるため、一括払いより初回支払額の負担が軽減されるという効果を奏する。また、本発明によれば、商品としてのニーズが存在するため、契約数・売上の向上を図ることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、契約データや各種マスタによって、返済予定データを初回支払と最終の残債分とで生成することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、自動車以外にも定期的な買い替え需要があり、中古価値がある程度保たれる、携帯電話等の商品についても展開できるという効果を奏する。また、本発明によれば、残価設定の支払パターンに幅広く対応することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、初回返済(内訳:元金(頭金)、および、据置手数料)、最終返済(内訳:据置元金)の計2回での支払方式の管理を可能とするという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本実施形態における残価設定債権管理処理の一例を示す図である。
図2図2は、本実施形態における残価設定債権管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、本実施形態における残価設定債権管理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、本実施形態における残価設定債権管理処理の一例を示す図である。
図5図5は、本実施形態における残価設定債権管理処理の一例を示す図である。
図6図6は、本実施形態における残価設定債権管理処理の一例を示す図である。
図7図7は、本実施形態における残価設定債権管理処理の一例を示す図である。
図8図8は、本実施形態における申込画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0019】
[1.概要]
まず、図1を参照して、本発明の概要を説明する。図1は、本実施形態における残価設定債権管理処理の一例を示す図である。
【0020】
従来、クレジット業務では、割賦販売にて手数料を受け取るビジネスがあり、割賦販売の支払方式に元金の一部を最終回に残価設定する方式があり、通常の残価設定では、初回支払から最終回支払(残価)までの間に、元金および手数料を返済期間に応じて按分し、月々の支払がある支払方式が用いられている。
【0021】
そのため、従来、残価二括方式の債権管理ができないため、二括払いでの残価設定ローンを取り扱うことができなかった。
【0022】
そこで、本実施形態においては、図1に示すように、初回と最終回との間(仮の支払回が1回以上存在する3ヶ月以上の期間)に月々の支払がないパターンの支払方式(残価二括方式)の債権管理を可能とする仕組みを提供している。
【0023】
[2.構成]
本実施形態に係る残価設定債権管理装置100の構成の一例について、図2を参照して説明する。図2は、本実施形態における残価設定債権管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0024】
図2に示すように、残価設定債権管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、残価設定債権管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0025】
残価設定債権管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。残価設定債権管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0026】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、残価設定債権管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、残価設定債権管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0027】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0028】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、店舗別料率パターンマスタ106aと手数料率マスタ106bと取引データベース106cとを備えている。
【0029】
店舗別料率パターンマスタ106aは、割賦販売を行う店舗、および、各支払方式における据置月数を紐付けて設定したマスタである。ここで、店舗別料率パターンマスタ106aは、割賦販売を行う店舗(加盟店)、料率パターン、返済フラグ、および、残価二括方式等の支払方式における据置月数が紐付けて設定されていてもよい。
【0030】
手数料率マスタ106bは、支払回数、および、手数料率を紐付けて設定したマスタである。ここで、手数料率マスタ106bは、手数料率、利用率パターン、支払回数、および、手数料率を紐付けて設定した手数料率マスタが設定されていてもよい。
【0031】
取引データベース106cは、割賦販売の取引データを記憶する。ここで、取引データは、申込時口座貸付データ、返済予定データ、口座取引データ、初回入金データ、回収実績データ、再返済予定データ、および、最終入金データを含んでいてもよい。
【0032】
制御部102は、残価設定債権管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、申込時口座貸付取得部102aと返済予定取得部102bと立替実行部102cと入金処理部102dと再分割部102eとを備えている。
【0033】
申込時口座貸付取得部102aは、店舗(割賦販売の加盟店)、料率パターン、支払回数、本体価格、頭金、据置元金、初回返済年月、および/または、据置手数料を紐付けて設定した申込時口座貸付データを取得する。ここで、申込時口座貸付取得部102aは、残価二括方式での割賦販売申込時に、店舗、頭金、据置元金、および、初回返済年月を紐付けて設定した申込時口座貸付データを取得してもよい。また、申込時口座貸付取得部102aは、残価二括方式での割賦販売申込時に、申込画面表示要求が入力された場合、申込画面を表示させ、申込画面にて店舗、本体価格、頭金、および、初回返済年月が設定された場合、申込時口座貸付データを取得してもよい。
【0034】
返済予定取得部102bは、支払予定年月、および、手数料支払額を紐付けて設定した初回返済レコードを含む返済予定データを取得する。ここで、返済予定取得部102bは、店舗別料率パターンマスタ106a、手数料率マスタ106b、および、申込時口座貸付データに基づいて、支払予定年月、および、手数料支払額を紐付けて設定した初回返済レコードを含む返済予定データを取得してもよい。また、返済予定データは、支払予定年月、および、据置元金の据置元金額を紐付けて設定した最終回返済レコードを含んでいてもよい。
【0035】
立替実行部102cは、立替実行処理を実行する。ここで、立替実行部102cは、申込時口座貸付データ、および、返済予定データに基づいて、立替実行処理として、据置元金の据置元金額と手数料支払額とを加えた立替残高、および、取引中の完済区分を設定した口座取引データを取得してもよい。
【0036】
入金処理部102dは、入金処理を実行する。ここで、入金処理部102dは、初回返済年月に手数料支払額の初回入金データを取得した場合、入金処理として、口座取引データに設定された立替残高から手数料支払額を差し引いた金額を更新後の立替残高とする口座取引データの更新処理を実行してもよい。また、入金処理部102dは、初回入金データに基づいて、手数料支払額を設定した回収実績データを取得してもよい。また、入金処理部102dは、最終返済年月に据置元金の最終入金データを取得した場合、最終入金データに基づいて、回収実績データに据置元金額を設定してもよい。
【0037】
再分割部102eは、残価再分割処理を実行する。ここで、再分割部102eは、最終支払年月に、再分割回数を設定した残価再分割要求が入力された場合、申込時口座貸付データ、残価再分割要求、および、手数料率マスタ106bに基づいて、再手数料支払額を算出し、再支払予定年月、再元金支払月額、および、再手数料支払月額を紐付けて設定した再返済予定データを取得してもよい。
【0038】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、図3から図8を参照して説明する。
【0039】
[残価設定債権管理処理]
ここで、図3を参照して、本実施形態における残価設定債権管理処理の一例について説明する。図3は、本実施形態における残価設定債権管理装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0040】
図3に示すように、申込時口座貸付取得部102aは、残価二括方式での割賦販売申込時に、ユーザにより入力装置112を介して申込画面表示要求が入力された場合、申込画面を出力装置114に表示させ、ユーザにより入力装置112を介して申込画面にて割賦販売の加盟店、料率パターン、支払回数、本体価格、頭金、および、初回返済年月が設定された場合、加盟店、料率パターン、支払回数、本体価格、頭金、据置元金、および、初回返済年月を設定した申込時口座貸付データを取得する(ステップSA-1)。
【0041】
そして、返済予定取得部102bは、店舗別料率パターンマスタ106a、手数料率マスタ106b、および、申込時口座貸付データに基づいて、支払予定年月、支払予定日、支払総額、手数料支払額、および、支払後総残高を紐付けて設定した初回返済レコード、ならびに、支払予定年月、支払予定日、支払総額、据置元金の据置元金額である元金支払額、および、支払後総残高を紐付けて設定した最終回返済レコードを含む返済予定データを取得する(ステップSA-2)。
【0042】
そして、立替実行部102cは、申込時口座貸付データ、および、返済予定データに基づいて、立替実行処理として、据置元金の据置元金額と手数料支払額とを加えた立替残高、および、取引中の完済区分を設定した口座取引データを取得する(ステップSA-3)。
【0043】
そして、入金処理部102dは、初回返済年月に手数料支払額の初回入金データを取得し、入金処理として、口座取引データに設定された立替残高から手数料支払額を差し引いた金額を更新後の立替残高とする口座取引データの更新処理を実行し、初回入金データに基づいて、手数料支払額を設定した回収実績データを取得する(ステップSA-4)。
【0044】
そして、再分割部102eは、最終支払年月に、ユーザにより入力装置112を介して再分割回数を設定した残価再分割要求が入力されたか否かを判定する(ステップSA-5)。
【0045】
そして、再分割部102eは、最終支払年月に、再分割回数を設定した残価再分割要求が入力されたと判定した場合(ステップSA-5:Yes)、処理をステップSA-6に移行させる。
【0046】
そして、再分割部102eは、申込時口座貸付データ、残価再分割要求、および、手数料率マスタ106bに基づいて、再手数料支払額を算出し、再支払予定年月、再支払予定日、再支払月総額、再元金支払月額、再手数料支払月額、および、支払後総残高を紐付けて設定した再返済予定データを取得し(ステップSA-6)、処理を終了する。
【0047】
一方、再分割部102eは、最終支払年月に、再分割回数を設定した残価再分割要求が入力されていないと判定した場合(ステップSA-5:No)、処理をステップSA-7に移行させる。
【0048】
そして、入金処理部102dは、最終返済年月に据置元金の最終入金データを取得したか否かを判定する(ステップSA-7)。
【0049】
そして、入金処理部102dは、最終返済年月に据置元金の最終入金データを取得していないと判定した場合(ステップSA-7:No)、処理をステップSA-8に移行させる。
【0050】
そして、加盟店は、顧客から割賦販売品の返却を受け(ステップSA-8)、処理を終了する。
【0051】
一方、入金処理部102dは、最終返済年月に据置元金の最終入金データを取得したと判定した場合(ステップSA-7:Yes)、処理をステップSA-9に移行させる。
【0052】
そして、入金処理部102dは、最終入金データに基づいて、回収実績データに据置元金額を元金支払額として設定することで、回収実績データを更新し(ステップSA-9)、処理を終了する。
【0053】
ここで、図4から図7を参照して、本実施形態における残価設定債権管理処理の一例について説明する。図4から図7は、本実施形態における残価設定債権管理処理の一例を示す図である。
【0054】
図4に示すように、本実施形態においては、ユーザにより申込データが入力された場合、返済予定が展開され、「据置元金×手数料率マスタ106bに設定された年率÷12×据置期間」にて「据置手数料」が算出される。
【0055】
そして、図5に示すように、本実施形態においては、申込データに基づいて、立替済み状態とされる。
【0056】
そして、図6に示すように、初回返済分(据置手数料)の入金があった場合、回収実績が作成される。
【0057】
そして、図7に示すように、本実施形態においては、(1)最終返済分(据置元金)の入金による、完済処理の実行、(2)割賦販売品本体の返却による、完済処理の実行、または、(3)残価額を元金とする再度の分割払いの組み直しである残価再分割処理が選択される。
【0058】
また、図8を参照して、本実施形態における申込画面の一例について説明する。図8は、本実施形態における申込画面の一例を示す図である。
【0059】
図8に示すように、本実施形態においては、残価二括方式の債権管理の申込だけでなく、通常の残価設定方式の債権管理の申込についても同項目への入力で管理可能となっている。
【0060】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0061】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0062】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0063】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0064】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0065】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0066】
また、残価設定債権管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0067】
例えば、残価設定債権管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて残価設定債権管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0068】
また、このコンピュータプログラムは、残価設定債権管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0069】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0070】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0071】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0072】
また、残価設定債権管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、残価設定債権管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0073】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、ノンバンク等の割賦管理を行う金融業界等の業界において有用である。
【符号の説明】
【0075】
100 残価設定債権管理装置
102 制御部
102a 申込時口座貸付取得部
102b 返済予定取得部
102c 立替実行部
102d 入金処理部
102e 再分割部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 店舗別料率パターンマスタ
106b 手数料率マスタ
106c 取引データベース
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8