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特開2023-111375マット装置、マット装置の梱包方法及び取り付け方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111375
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】マット装置、マット装置の梱包方法及び取り付け方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20230803BHJP
【FI】
A61B5/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022013207
(22)【出願日】2022-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】513302477
【氏名又は名称】エコナビスタ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】513026399
【氏名又は名称】三菱ケミカルインフラテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】安田 輝訓
(72)【発明者】
【氏名】川又 大祐
(72)【発明者】
【氏名】清 文乃
(72)【発明者】
【氏名】梅田 一徳
(72)【発明者】
【氏名】久家 毅
【テーマコード(参考)】
4C117
【Fターム(参考)】
4C117XB01
4C117XC02
4C117XE13
4C117XE24
4C117XJ13
4C117XJ42
(57)【要約】
【課題】簡単な構成にて正確に生体情報を検出できるマット装置、マット装置の梱包方法、及びマット装置のベッドへの取り付け方法を提供する。
【解決手段】人が臥床するマット部1を備え、マット部1を介して人のバイタル値を計測するマット装置100において、マット部1は、一方向に延びる第1空気パッド11が前記一方向と交差する他方向に並設された空気パッドセット10と、前記他方向に延び、前記一方向に前記パッドセットから隔てて設けられた第2空気パッド30とを備え、空気パッドセット10及び第2空気パッド30に係る空気圧変化に基づき、空気パッドセット10及び第2空気パッド30に跨る臥床者のバイタル値を計測するセンサ部3と、各第1空気パッド11とセンサ部3とを並列につなぐ第1空気チューブ20と、第2空気パッド30をセンサ部3につなぐ第2空気チューブ40とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人が臥床するマット部を備え、該マット部を介して人のバイタル値を計測するマット装置において、
前記マット部は、
一方向に延びる第1空気パッドが前記一方向と交差する他方向に並設されたパッドセットと、
前記他方向に延び、前記一方向に前記パッドセットから隔てて設けられた第2空気パッドとを備え、
前記パッドセット及び前記第2空気パッドに係る空気圧変化に基づき、前記パッドセット及び前記第2空気パッドに跨る臥床者のバイタル値を計測するセンサ部と、
各第1空気パッドと前記センサ部とを並列につなぐ第1空気路と、
前記第2空気パッドを前記センサ部につなぐ第2空気路と
を備えるマット装置。
【請求項2】
前記センサ部は、
前記パッドセットの空気圧変化に基づいて、心拍数及び呼吸数を計測し、
前記第2空気パッドの空気圧変化に基づいて、前記マット部上の前記臥床者の有無を判定する請求項1に記載のマット装置。
【請求項3】
前記一方向における前記パッドセット及び前記第2空気パッドの間の間隙部の位置が、前記臥床者の腰部に対応する請求項1又は2に記載のマット装置。
【請求項4】
前記第1空気路は、
前記第1空気パッド毎に設けられたサブ空気路と、
複数の前記サブ空気路に連通する連通部を有するメイン空気路とを有しており、
前記連通部は、前記間隙部における前記パッドセット寄りの位置に、前記他方向に沿って配置されている請求項3に記載のマット装置。
【請求項5】
各第1空気パッドは、前記第2空気パッド側の端に、前記サブ空気路と連通する連通口が形成されている請求項4に記載のマット装置。
【請求項6】
前記マット部は矩形であって、前記パッドセット及び前記第2空気パッドが内設されており、
前記第2空気パッドは、前記マット部の一辺部に配置され、
前記一辺部の一端側には、前記第1空気路及び前記第2空気路を前記マット部から抜き出す抜き出し口が設けられている請求項1から5のいずれか一項に記載のマット装置。
【請求項7】
前記他方向において、前記パッドセットの寸法は前記第2空気パッドよりも短い請求項1から3のいずれか一項に記載のマット装置。
【請求項8】
複数の前記第1空気パッド毎に、空気圧を測定する測定部が設けられている請求項1から7のいずれか一項に記載のマット装置。
【請求項9】
前記センサ部は、複数の測定部の測定結果に基づいて、前記臥床者が寝返りしたか否かを判定する請求項8に記載のマット装置。
【請求項10】
前記センサ部は、複数の測定部の測定結果に基づいて、前記マット部上の前記臥床者の位置を判定する請求項2に記載のマット装置。
【請求項11】
一方向に延びる第1空気パッドが前記一方向と交差する他方向に並設されたパッドセット及び前記他方向に延び、前記一方向に前記パッドセットから隔てて設けられた第2空気パッドが内設されたマット部と、該マット部に臥床する人のバイタル値を計測するセンサ部とを備えるマット装置を準備し、
前記マット部の中央部であって前記パッドセットの上に、前記センサ部を載置し、
前記マット部にて前記センサ部に対し前記他方向の両側のうち、一側の部分を前記センサ部上に折り曲げ、他側の部分を折り曲げられた前記一側の部分の上に折り曲げる
マット装置の梱包方法。
【請求項12】
前記マット部にて前記センサ部に対し前記一方向の両側のうち、前記第2空気パッドが配置された一側の部分を、前記センサ部の上に折り曲げる請求項11に記載のマット装置の梱包方法。
【請求項13】
第1空気パッドが並設されたパッドセット及び前記第1空気パッドの並設方向と交差する交差方向に前記パッドセットから隔てて設けられた第2空気パッドが内設されたマット部と、該マット部に臥床する人のバイタル値を計測するセンサ部とを備えるマット装置を準備し、
前記パッドセット及び前記第2空気パッドの間の部分を、中央部が折り曲がる床板を有するベッドの前記床板の前記中央部に配置し、
前記マット部を前記床板に固定し、
前記センサ部を前記ベッドのフレームに固定する取り付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マット装置、マット装置の梱包方法、及びマット装置のベッドへの取り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ベッドのマットレスの下に設置され、マットレスの幅方向に延びる1つのエアパッドを備え、斯かるベッド上に横たわる人による前記エアパッドの空気の振動に基づいて、ベッド上の人の生体情報を検出する生体情報検出装置が開示されている。
【0003】
特許文献2には、ベッドのマットレスの下に設置され、マットレスの幅方向に延びる空気袋体を有する1つの生体情報収集シートを備え、斯かるベッド上に横たわる人による前記空気袋体における空気の流れに基づいて、ベッド上の人の心拍、呼吸等を監視する監視装置が開示されている。
【0004】
特許文献3には、ベッドのマットレスの幅方向に延びるセンサーパッドを、マットレスの下に、該マットレスの長さ方向に複数設け、斯かる複数のセンサーパッドにおける空気圧の変化に基づいて、ベッド上の人の心拍、呼吸を検出する生体信号検出装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第WO2015/137433号
【特許文献2】特開2017-60710号公報
【特許文献3】国際公開第WO2006/120754号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の生体情報検出装置、特許文献2の監視装置及び特許文献3の生体信号検出装置は、空気パッドにおける空気圧変化又は空気の流れに基づいて生体情報を検出しているが、いずれも前記空気パッドがマットレスの幅方向に延びており、生体情報の検出における正確性が劣るという問題がある。
【0007】
即ち、前記空気パッドがマットレスの幅方向に延びているので、人がベッドに横たわる場合、前記空気パッドの一部のみが局所的に押圧される。よって、前記空気パッドの全体としては空気圧(変化)の減衰が発生することから、空気パッドにおける空気圧変化又は空気の流れに基づいて正確に生体情報を検出することが難しくなる。
【0008】
更に、特許文献3の生体信号検出装置においては、センサーパッドを前記マットレスの長さ方向に複数設けることによって、生体情報の検出における正確性を上げてはいるものの、センサーパッド毎に圧電センサが接続されているうえに、感度を高めるために各センサーパッドが板材を有しており、複雑な構成である。
【0009】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡単な構成にて正確に生体情報を検出できるマット装置、マット装置の梱包方法、及びマット装置のベッドへの取り付け方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るマット装置は、人が臥床するマット部を備え、該マット部を介して人のバイタル値を計測するマット装置において、前記マット部は、一方向に延びる第1空気パッドが前記一方向と交差する他方向に並設されたパッドセットと、前記他方向に延び、前記一方向に前記パッドセットから隔てて設けられた第2空気パッドとを備え、前記パッドセット及び前記第2空気パッドに係る空気圧変化に基づき、前記パッドセット及び前記第2空気パッドに跨る臥床者のバイタル値を計測するセンサ部と、各第1空気パッドと前記センサ部とを並列につなぐ第1空気路と、前記第2空気パッドを前記センサ部につなぐ第2空気路とを備える。
【0011】
本発明にあっては、前記第1空気路が各第1空気パッドと前記センサ部とを並列につなぎ、前記第2空気路が前記第2空気パッドを前記センサ部につないでおり、前記第1空気路及び前記第2空気路を介して前記センサ部に伝わる、前記パッドセット及び前記第2空気パッドに係る空気圧変化に基づき、前記センサ部は、前記パッドセット及び前記第2空気パッドに跨る臥床者のバイタル値を計測する。前記パッドセットと、前記第2空気パッドとにおける空気圧変化に基づいて、前記臥床者のバイタル値が計測されるので、高い精度の計測値が得られる。
【0012】
本発明に係る梱包方法は、一方向に延びる第1空気パッドが前記一方向と交差する他方向に並設されたパッドセット及び前記他方向に延び、前記一方向に前記パッドセットから隔てて設けられた第2空気パッドが内設されたマット部と、該マット部に臥床する人のバイタル値を計測するセンサ部とを備えるマット装置を準備し、前記マット部の中央部であって前記パッドセットの上に、前記センサ部を載置し、前記マット部にて前記センサ部に対し前記他方向の両側のうち、一側の部分を前記センサ部上に折り曲げ、他側の部分を折り曲げられた前記一側の部分の上に折り曲げる。
【0013】
本発明にあっては、まず、マット装置を準備し、前記マット部の中央部であって前記パッドセットの上に、前記センサ部が載置され、次いで、前記マット部にて前記センサ部に対し前記他方向の両側のうち、一側の部分が前記センサ部上に折り曲げられ、続いて他側の部分が折り曲げられた前記一側の部分の上に重畳するよう折り曲げられる。よって、梱包完了後は、前記センサ部が前記パッドセットによって取り囲まれ、外部衝撃から保護される。
【0014】
本発明に係る取り付け方法は、第1空気パッドが並設されたパッドセット及び前記第1空気パッドの並設方向と交差する交差方向に前記パッドセットから隔てて設けられた第2空気パッドが内設されたマット部と、該マット部に臥床する人のバイタル値を計測するセンサ部とを備えるマット装置を準備し、前記パッドセット及び前記第2空気パッドの間の部分を、中央部が折り曲がる床板を有するベッドの前記床板の前記中央部に配置し、前記マット部を前記床板に固定し、前記センサ部を前記ベッドのフレームに固定する。
【0015】
本発明にあっては、まず、マット装置を準備し、中央部が折り曲がる床板を有するベッドの前記床板の前記中央部に、前記パッドセット及び前記第2空気パッドの間の部分が位置するよう、前記マット部を配置し、例えば紐材を用いて前記マット部を前記床板に固定し、前記センサ部を前記ベッドのフレームに固定する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、簡単な構成にて正確に生体情報を検出できるマット装置、マット装置の梱包方法、及びマット装置のベッドへの取り付け方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態1に係るマット装置の外見を示す正面図である。
図2】実施の形態1に係るマット装置において表シートを取り外した状態を示す図である。
図3図2のIII-III線による断面図である。
図4】実施の形態1に係るマット装置のセンサ部の要部構成を示すブロック図である。
図5】実施の形態1に係るマット装置における呼吸回数の計測処理を示すフローチャートである。
図6】実施の形態1に係るマット装置における心拍回数の計測処理を示すフローチャートである。
図7】実施の形態1に係るマット装置をベッドに取り付けた状態を示す図である。
図8】マット装置が取り付けられたベッドのマットレスの上に、人が臥床している状態を示す図である。
図9】実施の形態1に係るマット装置の梱包方法を説明する説明図である。
図10】本発明の実施の形態2に係るマット装置の外見を示す正面図である。
図11】実施の形態2に係るマット装置のセンサ部の要部構成を示すブロック図である。
図12】実施の形態2に係るマット装置における位置判定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施の形態に係るマット装置、マット装置の梱包方法及び取り付け方法について図面に基づいて詳述する。
【0019】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係るマット装置100の外見を示す正面図である。
マット装置100は、人が臥床するマット部1と、該マット部1上の臥床者の呼吸回数、心拍回数等バイタル値を計測するセンサ部3と、マット部1及びセンサ部3を繋ぐ連結部2とを備えている。
【0020】
マット部1は、ポリ塩化ビニル等からなり、例えば、矩形である。マット部1は、シート部12と、シート部12に内設された空気パッドセット10及び第2空気パッド30とを有する。
【0021】
シート部12は、矩形の表シート12Aと、表シート12Aと同寸同形の裏シート12Bとを有している。表シート12A及び裏シート12Bは重ねられ、辺縁部同士が例えば融着されている。また、シート部12の4隅には、シート部12を厚み方向に貫通する貫通孔13が夫々形成されている。
【0022】
図2は、マット装置100において表シート12Aを取り外した状態を示す図である。図2では、説明の便宜上、連結部2の一部及びセンサ部3の図示を省略している。
上述の如く、表シート12A及び裏シート12Bの間には空気パッドセット10及び第2空気パッド30が設けられている(図1参照)。空気パッドセット10及び第2空気パッド30は所定間隔を隔てて設けられている。以下では、空気パッドセット10及び第2空気パッド30の離隔方向を縦方向(一方向)と称し、前記離隔方向と交差する方向を横方向(他方向)と称する。
【0023】
空気パッドセット10は、複数の第1空気パッド11を有している。本実施の形態では、第1空気パッド11が6つである場合を例に挙げて説明する。
【0024】
図3は、図2のIII-III線による断面図である。
各第1空気パッド11は例えば縦方向に延びる短冊形状を成しており、6つの第1空気パッド11が等間隔にて横方向に並設されている。例えば、6つの第1空気パッド11は一体形成されている。
【0025】
詳しくは、空気パッドセット10は、ポリ塩化ビニル等からなり、横方向に延びる長方形の表側片101Aと、表側片101Aと同寸同形の裏側片101Bとを有している。表側片101A及び裏側片101Bが重ねられ、横方向に沿って等間隔に施された融着によって、縦方向に延びる短冊形状のポケット110が6つ形成されている。各ポケット110にはウレタンスポンジ等からなるパッド112が夫々挿入されている。即ち、各第1空気パッド11は、ポケット110及びパッド112からなる。パッド112によって、各ポケット110は原型を維持できる。
これに限定されるものではなく、6つの第1空気パッド11が夫々個別に形成されても良い。
【0026】
また、各第1空気パッド11(ポケット110)において、第2空気パッド30側の縁、即ち下方の辺縁には、後述する第1空気チューブ20との連結のための連通口111が形成されている。
【0027】
第2空気パッド30は、横方向に延びる帯形状を成しており、空気パッドセット10から下方に隔てて、シート部12の下側辺部に設けられている。即ち、シート部12では、縦方向において、空気パッドセット10と、第2空気パッド30との間に、間隙部121が介在している。
【0028】
第2空気パッド30も、第1空気パッド11と同様、重ねられた帯形状の2枚の、ポリ塩化ビニル等からなるシートの辺縁部が融着されることによって形成されたポケット301にウレタンスポンジ等からなるパッド(図示せず)が挿入されている。また、第2空気パッド30(ポケット301)において、下方の辺縁には、後述する第2空気チューブ40との連結のための連通口302が形成されている。横方向における第2空気パッド30の寸法(L2)は、空気パッドセット10の寸法(L1)よりも大きい。第2空気パッド30は、空気パッドセット10の横方向の両端よりも横方向にはみでている。
【0029】
空気パッドセット10は、第1空気チューブ20(第1空気路)によって、センサ部3と連結されており、第2空気パッド30は、第2空気チューブ40(第2空気路)によって、センサ部3と連結されている。第1空気チューブ20及び第2空気チューブ40は、例えば、内径が2.5mmである。
【0030】
第1空気チューブ20は、各第1空気パッド11に連結されたサブチューブ21と、すべてのサブチューブ21と連結しており、各サブチューブ21をセンサ部3に連結させるメインチューブ22とを有する。即ち、第1空気チューブ20は、各第1空気パッド11とセンサ部3とを並列につなぐ。
【0031】
また、メインチューブ22は、横方向に沿って直線状に延びており、すべてのサブチューブ21と連通する連通部22Aと、連通部22Aの一端に連設されて、連通部22Aをセンサ部3と繋ぐ繋ぎ部22Bとを有する。連通部22Aは、間隙部121内であって、縦方向における空気パッドセット10寄りの位置に配置されている。
【0032】
第1空気パッド11毎にサブチューブ21が連結されている。即ち、各第1空気パッド11(ポケット110)の連通口111を介して対応するサブチューブ21がポケット110内に挿入されている。即ち、各サブチューブ21の一端はポケット110と連通しており、他端は連通部22Aと連通している。
【0033】
第2空気チューブ40は、一端が第2空気パッド30(ポケット301)の連通口302に挿入されており、他端はセンサ部3まで延びてセンサ部3に連結されている。
【0034】
シート部12の4つの辺縁のうち第2空気パッド30寄りの辺縁、即ち、下側辺縁には、第1空気チューブ20及び第2空気チューブ40をシート部12の外側に抜き出す抜き出し口14が形成されている。抜き出し口14は前記下側辺縁の両端部のうち一方の端部に形成されている。即ち、シート部12の前記下側辺縁において、前記一方の端部には、融着が施されていない。
【0035】
シート部12の抜き出し口14には、連結部2が連設されている。連結部2は、帯形状を成しており、一端が抜き出し口14を介してシート部12の内部と連通しており、他端が、後述するセンサ部3のハウジング31と連通している(図1参照)。
【0036】
連結部2は、ポリ塩化ビニル等からなり、内側が空洞である帯形状の通路部210を有している。通路部210は、帯形状の一片210Aと、一片210Aと同寸同形の他片210Bとを含む。一片210A及び他片210Bが重ねられ、一片210A及び他片210Bの長辺同士が融着されている。
【0037】
上述の如く、抜き出し口14を介してシート部12の外側に出た第1空気チューブ20及び第2空気チューブ40は、連結部2(通路部210)の内に収容される。即ち、第1空気チューブ20及び第2空気チューブ40は、抜き出し口14及び連結部2内を通してセンサ部3まで延びる。
【0038】
マット部1上に臥床する人(臥床者)は、空気パッドセット10及び第2空気パッド30に跨るようになる。即ち、臥床者の上半身の一部が空気パッドセット10上に位置し、下半身の一部が第2空気パッド30上に位置する。
この際、センサ部3は、第1空気チューブ20及び第2空気チューブ40を介して、空気パッドセット10及び第2空気パッド30に係る空気圧の測定を行い、空気圧の変化に基づいてマット部1上の臥床者のバイタル値を計測し、マット部1上における臥床者の有無を判定する。
【0039】
図4は、実施の形態1に係るマット装置100のセンサ部3の要部構成を示すブロック図である。センサ部3は、制御部39と、第1空気圧測定部32と、第2空気圧測定部33と、バイタル値計測部34と、有無判定部35と、出力部36、記憶部Mとを備えている。
【0040】
制御部39、第1空気圧測定部32、第2空気圧測定部33、バイタル値計測部34、有無判定部35、出力部36及び記憶部Mはハウジング31内に収納されている。ハウジング31は、樹脂等からなり、扁平な直方体形状を成している。
【0041】
第1空気圧測定部32は、第1空気チューブ20と連結されており、第1空気チューブ20を介して空気パッドセット10における空気圧の変化を測定する。
臥床者の呼吸及び心拍によって上半身が微妙に振動する。斯かる振動は空気パッドセット10に伝わり、第1空気パッド11内の空気を振動させる。このような空気の運動エネルギーは空気圧(変化)として表すことができる。即ち、第1空気圧測定部32は、第1空気チューブ20を通じて伝わる空気パッドセット10(第1空気パッド11)のいわゆる動圧(振動)を検知し、振動に応じて電気信号を出力する。
【0042】
第2空気圧測定部33は、第2空気チューブ40と連結されており、第2空気チューブ40を介して第2空気パッド30における空気圧の変化を測定する。臥床者の下半身が第2空気パッド30上に置かれることによって圧迫されるので、第2空気パッド30内の空気圧が高まる。第2空気圧測定部33は、第2空気チューブ40を通じて第2空気パッド30内の空気圧を測定する。即ち、第2空気圧測定部33は第2空気パッド30のいわゆる静圧(空気圧)を検知し、空気圧に応じて電気信号を出力する。
【0043】
バイタル値計測部34は、第1空気圧測定部32による測定結果に基づいて、マット部1上の臥床者の呼吸回数、心拍回数等のバイタル値を計測する。バイタル値計測部34は、第1空気圧測定部32から出力された電気信号にフィルタ処理を施して得られた信号に基づいて呼吸回数及び心拍回数を計測する。
【0044】
有無判定部35は、第2空気圧測定部33から出力された電気信号に基づいて、マット部1上に臥床者がいるか否かの有無判定を行う。有無判定部35は、第2空気圧測定部33からの電気信号が所定の閾値を超えた場合、マット部1上に臥床者がいると判定する。例えば、有無判定部35によってマット部1上に臥床者がいると判定された場合のみ、バイタル値計測部34が前記バイタル値の計測を行う。
【0045】
出力部36は、バイタル値計測部34によって計測された臥床者のバイタル値、又は、有無判定部35による判定結果を外部に出力する。
例えば、出力部36はディスプレイであり、臥床者のバイタル値又は有無判定部35による判定結果を表示する。また、出力部36は例えば通信デバイスであり、臥床者のバイタル値又は有無判定部35による判定結果を送信先に送信する。更に、出力部36は入出力インターフェースであっても良い。
【0046】
記憶部Mは、例えば、フラッシュメモリ、EEPROM(登録商標)、HDD、MRAM(磁気抵抗メモリ)、FeRAM(強誘電体メモリ)等の不揮発性の記憶媒体により構成されている。記憶部Mにはマット装置100のバイタル値の計測に係る各種の制御プログラムが記憶されている。また、記憶部Mには、バイタル値計測部34による心拍回数の計測に用いられる閾値、また、有無判定部35による後述の有無判定に用いられる閾値が記憶されている。
【0047】
制御部39は、例えば、CPU、マイクロコントローラ等であり、記憶部Mに予め格納されている制御プログラムを実行することによって、心拍回数及び呼吸回数の計測、前記有無判定等の制御を行う。
【0048】
図5は、実施の形態1に係るマット装置100における呼吸回数の計測処理を示すフローチャートである。
【0049】
まず、制御部39は、第1空気圧測定部32及び第2空気圧測定部33を監視し、第1空気圧測定部32から電気信号の出力があったか否かを判断する(ステップS101)。制御部39は、第1空気圧測定部32から電気信号の出力がないと判断した場合(ステップS101:NO)、斯かる判断を繰り返して行う。また、制御部39は、第1空気圧測定部32から電気信号の出力があったと判断した場合(ステップS101:YES)、第2空気圧測定部32から電気信号の出力があったか否かを判断する(ステップS102)。
【0050】
制御部39は、第2空気圧測定部33から電気信号の出力がないと判断した場合(ステップS102:NO)、処理をステップS101に戻す。即ち、第1空気圧測定部32からの電気信号の出力はあるものの、第2空気圧測定部33からの電気信号の出力がない場合は、マット部1上に臥床者はいなく、空気パッドセット10に荷物が置かれた場合等であるので、第1空気圧測定部32からの電気信号の出力を無視する。
【0051】
また、制御部39が、第2空気圧測定部33から電気信号の出力があったと判断した場合(ステップS102:YES)、有無判定部35は、第2空気圧測定部33からの電気信号が所定閾値以上であるか否かを判断する(ステップS103)。有無判定部35が第2空気圧測定部33からの電気信号が所定閾値以上でないと判断した場合(ステップS103:NO)。制御部39は処理をステップS101に戻す。これによって、マット部1上に臥床者はいなく、空気パッドセット10及び第2空気パッド30に荷物が置かれた場合等に対応できる。
【0052】
有無判定部35は、第2空気圧測定部33からの電気信号が所定閾値以上であると判断した場合(ステップS103:YES)、マット部1上に臥床者がいると判定する。この場合、バイタル値計測部34は、第1空気圧測定部32からの電気信号に対してローパスフィルタ(LPF)処理を行う(ステップS104)。また、バイタル値計測部34は、LPF処理によって得られた信号を監視し、例えば斯かる信号がゼロレベルを超えた数をカウントする(ステップS105)。
以上の処理を所定時間(例えば、1分)繰り返すことによって、所定時間当たりの臥床者の呼吸回数を計測する。
【0053】
次いで、制御部39は計時部(図示せず)の計時結果に基づいて、呼吸回数の計測処理の開始から所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS106)。制御部39は呼吸回数の計測処理の開始から所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS106:NO)、処理をステップS101に戻す。また、制御部39は呼吸回数の計測処理の開始から所定時間が経過したと判断した場合(ステップS106:YES)、所定時間の間のカウント結果、所定時間当たりの臥床者の呼吸回数を出力部36を介して出力する(ステップS107)。即ち、所定時間当たりの臥床者の呼吸回数は、ディスプレイに表示され、又は、外部の送信先に送信される。
【0054】
図6は、実施の形態1に係るマット装置100における心拍回数の計測処理を示すフローチャートである。
【0055】
図6におけるステップS201からステップS203までの処理は、図5におけるステップS101からステップS103までの処理と同じであり、詳しい説明を省略する。
【0056】
有無判定部35は、第2空気圧測定部33からの電気信号が所定閾値以上であると判断した場合(ステップS203:YES)、マット部1上に臥床者がいると判定する。この場合、バイタル値計測部34は、第1空気圧測定部32からの電気信号に対してハイパスフィルタ(HPF)処理を行う(ステップS204)。また、バイタル値計測部34は、HPF処理によって得られた信号を監視し、例えば斯かる信号が他の所定閾値以上であるか否かを判断する(ステップS205)。バイタル値計測部34は、HPF処理によって得られた信号が他の所定閾値以上であると判断した場合(ステップS205:YES)、他の所定閾値を超えた数をカウントする(ステップS206)。
以上の処理を所定時間(例えば、1分)繰り返すことによって、所定時間当たりの臥床者の心拍回数を計測する。
【0057】
一方、バイタル値計測部34がHPF処理によって得られた信号が他の所定閾値以上でないと判断した場合(ステップS205:NO)、斯かる電気信号はノイズであるとみなされ、制御部39は処理をステップS201に戻す。
【0058】
次いで、制御部39は前記計時部の計時結果に基づいて、心拍回数の計測処理の開始から所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS207)。制御部39は心拍回数の計測処理の開始から所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS207:NO)、処理をステップS201に戻す。また、制御部39は心拍回数の計測処理の開始から所定時間が経過したと判断した場合(ステップS207:YES)、所定時間の間のカウント結果、所定時間当たりの臥床者の心拍回数を出力部36を介して出力する(ステップS208)。即ち、所定時間当たりの臥床者の心拍回数は、ディスプレイに表示され、又は、外部の送信先に送信される。
【0059】
図7は、実施の形態1に係るマット装置100をベッド200に取り付けた状態を示す図である。ベッド200は、フレーム203を有しており、フレーム203の下側には脚部が設けられており、フレーム203の上にマットレス201が配置され、フレーム203とマットレス201の間に、床板202が介在している。また、ベッド200は、床板202の中央部が折り曲げられる。図7では、ベッド200の背上げ状態を示している。
図7においては、マット装置100のマット部1は、ベッド200の床板202とマットレス201との間に取り付けられており、便宜上、マット部1を破線にて示している。
【0060】
以下、マット装置100をベッド200に取り付ける方法について説明する。
まず、マット装置100の作業者は、マット装置100を準備し、マットレス201に臥床する人の胸部及び鼠径部に、夫々空気パッドセット10及び第2空気パッド30が位置するように、マット部1を床板202の上に固定する。
【0061】
詳しくは、図7に示すように、マット部1の間隙部121が床板202の中央部の折り曲げ部に位置するように、マット部1を床板202に載置し、シート部12の貫通孔13を用いてマット部1を床板202に固定する。即ち、シート部12の各貫通孔13に紐を通して床板202に結びつけることによって、マット部1を床板202に固定する。
【0062】
そして、図7の如く、横方向における床板202の縁の近傍に、マット部1の抜き出し口14が位置するので、床板202及びマットレス201の間からセンサ部3及び連結部2を外に出して、センサ部3をフレーム203の下に回し、下側からフレーム203に取り付ける。例えば、センサ部3は、紐材(例えば、タグファスナー)を用いてフレーム203に巻き付けられる。
【0063】
図8は、マット装置100が取り付けられたベッド200のマットレス201の上に、人が臥床している状態を示す図である。また、図8では、第1空気チューブ20の連通部22Aの位置を一点鎖線にて示す。
【0064】
図8の如く、臥床者300は、空気パッドセット10及び第2空気パッド30に跨って、縦方向に臥床しており、臥床者300の臥床方向は、空気パッドセット10の第1空気パッド11の延び方向と同じ方向である。
【0065】
この際、臥床者300の腰部の位置がマット部1の間隙部121の位置に対応しており、腰部よりも上部分(例えば胸部)の位置が空気パッドセット10の位置に対応しており、お尻付近(例えば臀部から鼠径部)の位置が第2空気パッド30の位置に対応している。この際、連通部22Aの位置は、臥床者300の腰部の位置と対応している。
【0066】
以上のように、実施の形態1のマット装置100においては、縦方向に延びる第1空気パッド11が横方向に複数並設され、臥床者300の臥床方向が第1空気パッド11の延び方向と同じ方向であるので、臥床者300の体が第1空気パッド11の略全部分を押圧する。よって、横方向に延びる第1空気パッド11が縦方向に複数並設された場合に比べて、いわゆる圧力の減衰が発生し難く、より圧力測定の精度を高めることができる。また、局所的に伝わる押圧力を第1空気パッド11の全体に伝えるための板材等を用いずに、圧力測定の精度を高めることができる。
【0067】
また、実施の形態1のマット装置100においては、複数の第1空気パッド11が横方向に並設されており、すべての第1空気パッド11が並列に第1空気チューブ20を介して1つのセンサ部3に連結されているので、空気圧測定部の低減によるコスト抑制を図ることができる。
【0068】
また、実施の形態1のマット装置100においては、マット部1の間隙部121の位置が臥床者300の腰部の位置に対応している。即ち、マットレス201から浮きやすい腰部には第1空気パッド11又は第2空気パッド30を配置しておらず、圧力測定の精度を高めることができる。
【0069】
また、実施の形態1のマット装置100においては、連通部22Aの位置が、マット部1の間隙部121であって、臥床者300の腰部と対応する位置であるので、連通部22Aが臥床者300の背中によって押しつぶされ、圧力測定に影響を及ぼすことを未然に防止できる。
【0070】
また、実施の形態1のマット装置100においては、有無判定部35によってマット部1上に臥床者がいると判定された場合のみ、バイタル値計測部34が前記バイタル値の計測を行うので、荷物がベッド200上に置かれた場合の誤判断などを防ぎ、圧力測定の精度を高めることができる。
【0071】
また、実施の形態1のマット装置100においては、横方向における第2空気パッド30の寸法を空気パッドセット10の寸法よりも大きくすることによって、上半身に比べて下半身の方が動く範囲が広いことに対応している。従って、圧力測定の精度を高めることができる。
【0072】
更に、実施の形態1のマット装置100においては、各第1空気パッド11が、第2空気パッド30側の縁に、サブチューブ21と連結される連通口111を有しているのでメインチューブ22までの距離が短くなり、サブチューブ21の長さを短くすることができ、マット装置100の構成をコンパクト化することができる。
【0073】
そして、実施の形態1のマット装置100においては、シート部12が、第2空気パッド30寄りの辺縁の両端部のうち一方の端部に、第1空気チューブ20及び第2空気チューブ40の抜き出し口14を有するので、マット装置100の取り付けの際、床板202及びマットレス201の間からセンサ部3及び連結部2を外に出して、センサ部3をフレーム203に取り付ける作業(図7参照)を容易にすることができる。
【0074】
図9は、実施の形態1に係るマット装置100の梱包方法を説明する説明図である。図9においては、便宜上、センサ部3を破線の矩形にて簡略に表示しており、連結部2の一部の図示を省略している。また、図9は、図9A図9B図9C図9Dの順に拡大率を大きくして表示している。
以下、図9を用いて、実施の形態1のマット装置100の梱包方法について詳しく説明する。
【0075】
まず、作業者は、マット装置100を準備し、マット部1(シート部12)を広げておき、センサ部3をマット部1の中央部に載置する。詳しくは、作業者は、マット部1の中央部であって、図視左から3番目及び4番目の第1空気パッド11の上に、センサ部3(ハウジング31)を載置する(図9A参照)。この際、連結部2は必要最短部分を残して
余分な部分はハウジング31に巻いておけば良い。
【0076】
次いで、作業者は、マット部1にて、センサ部3に対する縦方向の両側のうち、第2空気パッド30が配置された一側の部分を、間隙部121における空気パッドセット10寄りの部分を通る一点鎖線(図9A参照)を基準に、センサ部3の上に折り曲げる(図9B参照)。マット部1は二つ折りされる。
【0077】
そして、作業者は、二つ折りされたマット部1にて、センサ部3に対する横方向の両側のうち、一側(図9Bの右側)の部分を、図9Bの一点鎖線(図視右から2番目及び3番目の第1空気パッド11の間)を基準に、センサ部3の上に折り曲げる(図9C参照)。また、作業者は、センサ部3に対する横方向の両側のうち、他側(図9Bの左側)の部分を、図9Cの一点鎖線(図視左から2番目及び3番目の第1空気パッド11の間)を基準に、センサ部3の上に折り曲げる(図9D参照)。以降、折り畳まれたマット装置100は、包装箱などに収納される。
【0078】
以上の梱包方法によって、梱包完了後のマット装置100は、両主面側が空気パッドセット10によって覆われる。よって、空気パッドセット10(第1空気パッド11)が衝撃吸収材としての役割をなし、センサ部3が保護されると共に、別途衝撃吸収材を必要としない。
【0079】
以上においては、図9A図9B図9C図9Dの順に梱包が行われる場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図9A図9C図9D図9Bの順に梱包が行われても良い。
【0080】
(実施の形態2)
図10は本発明の実施の形態2に係るマット装置100の外見を示す正面図である。図10において、便宜上、第1空気チューブ20を一点鎖線にて概略的に示しており、第2空気チューブ40の表示は省略している。
【0081】
実施の形態2のマット装置100は、実施の形態1と同様、マット部1と、センサ部3と、連結部2とを備えており、マット部1には、空気パッドセット10及び第2空気パッド30が内設されている。
【0082】
しかし、実施の形態2のマット装置100は、空気パッドセット10及びセンサ部3の構成において実施の形態1と相違する。以下、説明する。
【0083】
実施の形態2のマット装置100においては、2つの第1空気パッド11に対して1つの空気圧測定部が設けられている。
即ち、横方向において、2つの第1空気パッド11毎に、異なる第1空気チューブ20が連結されている。図10においては、左側から2つの第1空気パッド11Aに第1空気チューブ20Aが連結され、第1空気パッド11Aよりも右側の2つの第1空気パッド11Bに第1空気チューブ20Bが連結され、第1空気パッド11Bよりも右側の2つの第1空気パッド11Cに第1空気チューブ20Cが連結されている場合を示している。第1空気チューブ20A,20B,20Cは、抜き出し口14及び連結部2内を通してセンサ部3まで延びており、夫々異なる空気圧測定部に連結されている。
【0084】
図11は、実施の形態2に係るマット装置100のセンサ部3の要部構成を示すブロック図である。センサ部3は、制御部39と、第1A空気圧測定部32Aと、第1B空気圧測定部32Bと、第1C空気圧測定部32Cと、第2空気圧測定部33と、バイタル値計測部34と、有無判定部35と、出力部36と、寝返り判定部37と、位置判定部38と、記憶部Mとを備えている。制御部39、第1A空気圧測定部32A、第1B空気圧測定部32B、第1C空気圧測定部32C、第2空気圧測定部33、バイタル値計測部34、有無判定部35、出力部36、寝返り判定部37、位置判定部38及び記憶部Mはハウジング31内に収納されている。
以下では、便宜上、第1A空気圧測定部32A、第1B空気圧測定部32B、第1C空気圧測定部32Cをまとめて第1空気圧測定部とも称する。
【0085】
第1A空気圧測定部32Aは、第1空気チューブ20Aと連結されており、第1空気チューブ20Aを介して2つの第1空気パッド11Aにおける空気圧の変化を測定する。実施の形態1と同様、第1A空気圧測定部32Aは、第1空気チューブ20Aを通じて伝わる2つの第1空気パッド11Aの動圧(振動)を検知し、振動に応じて電気信号を出力する。
【0086】
第1B空気圧測定部32Bは、第1空気チューブ20Bと連結されており、第1空気チューブ20Bを介して2つの第1空気パッド11Bにおける空気圧の変化を測定する。第1B空気圧測定部32Bは、第1空気チューブ20Bを通じて伝わる2つの第1空気パッド11Bの動圧(振動)を検知し、振動に応じて電気信号を出力する。
【0087】
第1C空気圧測定部32Cは、第1空気チューブ20Cと連結されており、第1空気チューブ20Cを介して2つの第1空気パッド11Cにおける空気圧の変化を測定する。第1C空気圧測定部32Cは、第1空気チューブ20Cを通じて伝わる2つの第1空気パッド11Cの動圧(振動)を検知し、振動に応じて電気信号を出力する。
【0088】
第2空気圧測定部33は、第2空気チューブ40と連結されており、第2空気チューブ40を介して第2空気パッド30における空気圧の変化を測定する。第2空気圧測定部33は、第2空気チューブ40を通じて第2空気パッド30内の静圧(空気圧)を検知し、空気圧に応じて電気信号を出力する。
【0089】
バイタル値計測部34は、第1A空気圧測定部32A、第1B空気圧測定部32B、第1C空気圧測定部32Cによる測定結果に基づいて、マット部1上の臥床者の呼吸回数、心拍回数等のバイタル値を計測する。バイタル値計測部34は、第1A空気圧測定部32A、第1B空気圧測定部32B、第1C空気圧測定部32Cから出力された電気信号にフィルタ処理を施して得られた信号に基づいて呼吸回数及び心拍回数を計測する。バイタル値計測部34による呼吸回数及び心拍回数の計測方法については既に説明しており、詳しい説明を省略する。
【0090】
例えば、バイタル値計測部34は、第1A空気圧測定部32A、第1B空気圧測定部32B、第1C空気圧測定部32Cによる測定結果のうち、最も強い電気信号を選択し、選択された電気信号に基づいて、バイタル値の計測を行う。
【0091】
有無判定部35は、第2空気圧測定部33から出力される電気信号に基づいて、マット部1上に臥床者がいるか否かの有無判定を行う。有無判定部35による有無判定方法については既に説明しており、詳しい説明を省略する。例えば、バイタル値計測部34は、有無判定部35によってマット部1上に臥床者がいると判定された場合のみ、前記バイタル値の計測を行う。
【0092】
寝返り判定部37は、第1A空気圧測定部32A、第1B空気圧測定部32B、第1C空気圧測定部32Cから出力される電気信号に基づいて、マット部1上の臥床者が寝返りをしたか否かを判定する。
【0093】
例えば、第1B空気圧測定部32B及び第1C空気圧測定部32Cから電気信号が出力される状態から、第1B空気圧測定部32B又は第1C空気圧測定部32Cの何れか一方からのみ電気信号が出力される状態に変更された場合、寝返り判定部37は、臥床者が寝返りしたと判定する。
なお、以上に限定されるものではなく、寝返りの数をカウントするように構成しても良い。
【0094】
位置判定部38は、第1A空気圧測定部32A、第1B空気圧測定部32B、第1C空気圧測定部32Cから出力される電気信号に基づいて、マット部1上の臥床者の位置を判定する。
【0095】
図12は、実施の形態2に係るマット装置100における位置判定処理を示すフローチャートである。
【0096】
まず、制御部39は、第1A空気圧測定部32A、第1B空気圧測定部32B、第1C空気圧測定部32Cを監視することによって、何れかの第1空気圧測定部から電気信号の出力があったか否かを判断する(ステップS301)。制御部39は、何れの第1空気圧測定部からも電気信号の出力がないと判断した場合(ステップS301:NO)、繰り返して斯かる判断を行う。制御部39は何れかの第1空気圧測定部から電気信号の出力があったと判断した場合(ステップS301:YES)、制御部39は、何れかの第1空気圧測定部からの電気信号(以下、出力電気信号と称する)が所定閾値以上であるか否かを判断する(ステップS302)。制御部39が前記出力電気信号が所定閾値以上でないと判断した場合(ステップS302:NO)、斯かる出力電気信号はノイズであるとみなされ、制御部39は処理をステップS301に戻す。
【0097】
一方、制御部39が前記出力電気信号が所定閾値以上であると判断した場合(ステップS302:YES)、位置判定部38は、前記出力電気信号が第1A空気圧測定部32Aから出力された電気信号であるか否かを判断する(ステップS303)。位置判定部38は、前記出力電気信号が第1A空気圧測定部32Aから出力された電気信号であると判断した場合(ステップS303:YES)、臥床者がマットレス201の幅方向の中央部から左寄りに臥床していると判定する(ステップS304)。また、位置判定部38は、前記出力電気信号が第1A空気圧測定部32Aから出力された電気信号でないと判断した場合(ステップS303:NO)、前記出力電気信号が第1B空気圧測定部32Bから出力された電気信号であるか否かを判断する(ステップS305)。
【0098】
位置判定部38は、前記出力電気信号が第1B空気圧測定部32Bから出力された電気信号であると判断した場合(ステップS305:YES)、臥床者がマットレス201の幅方向の中央部に臥床していると判定する(ステップS306)。また、位置判定部38は、前記出力電気信号が第1B空気圧測定部32Bから出力された電気信号でないと判断した場合(ステップS305:NO)、前記出力電気信号は第1C空気圧測定部32Cから出力された電気信号であるとみなされ、位置判定部38は、臥床者がマットレス201の幅方向の中央部から右寄りに臥床していると判定する(ステップS307)。
【0099】
出力部36は、バイタル値計測部34によって計測された臥床者のバイタル値、有無判定部35による判定結果、寝返り判定部37による判定結果、又は位置判定部38による判定結果を外部に出力する。例えば、出力部36はディスプレイであっても良く、通信デバイスであっても良く、入出力インターフェースであっても良い。
【0100】
他、制御部39及び記憶部Mについては、実施の形態1と同様であり、詳しい説明を省略する。
【0101】
以上のように、実施の形態2のマット装置100においては、2つの第1空気パッド11毎に夫々第1A空気圧測定部32A、第1B空気圧測定部32B、第1C空気圧測定部32Cが設けられており、第1A空気圧測定部32A、第1B空気圧測定部32B、第1C空気圧測定部32Cの測定結果に基づいて、マット部1上の臥床者が寝返りをしたか否かの判定、及び、マット部1上の臥床者の位置判定が可能である。
【0102】
以上においては、2つの第1空気パッド11毎に空気圧測定部が設けられている場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、3つの第1空気パッド11毎に空気圧測定部が設けられるように構成しても良い。
【0103】
上述したバイタル値計測部34、有無判定部35、寝返り判定部37及び位置判定部38は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、CPUが所定のプログラムを実行することにより、ソフトウェア的に構築されてもよい。
【0104】
実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【符号の説明】
【0105】
1 マット部
3 センサ部
10 空気パッドセット
11 第1空気パッド
14 抜き出し口
20 第1空気チューブ(第1空気路)
21 サブチューブ(サブ空気路)
22 メインチューブ(メイン空気路)
22A 連通部
30 第2空気パッド
32 第1空気圧測定部
32A 第1A空気圧測定部
32B 第1B空気圧測定部
32C 第1C空気圧測定部
40 第2空気チューブ(第2空気路)
100 マット装置
111 連通口
121 間隙部
300 臥床者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12