(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111398
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】ベースフレーム構造
(51)【国際特許分類】
B65D 88/12 20060101AFI20230803BHJP
【FI】
B65D88/12 E
B65D88/12 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022013238
(22)【出願日】2022-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000229900
【氏名又は名称】日本フルハーフ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075177
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 尚純
(74)【代理人】
【識別番号】100102417
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100113217
【弁理士】
【氏名又は名称】奥貫 佐知子
(74)【代理人】
【識別番号】100202496
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿角 剛二
(74)【代理人】
【識別番号】100194629
【弁理士】
【氏名又は名称】小嶋 俊之
(72)【発明者】
【氏名】塩見 隆児
【テーマコード(参考)】
3E170
【Fターム(参考)】
3E170AA21
3E170QA03
3E170WE03
3E170WE05
3E170WF04
3E170WF07
(57)【要約】
【課題】荷箱を大型化する際にも十分な剛性を確保すると共に、内法高を最大限確保できる荷箱の床板を支持するベースフレーム構造を提供する。
【解決手段】ベースフレーム構造9は、一方の側端部で長手方向に延びる第一のアウトサイドフレーム91と、他方の側端部で長手方向に延びる第二のアウトサイドフレーム92と、コンテナ1の長手方向における前端側で第一のアウトサイドフレーム91と第二のアウトサイドフレーム92とを連結するフロントメンバ93と、荷箱の長手方向における後端側で第一のアウトサイドフレーム91と第二のアウトサイドフレーム92とを連結するリアメンバ94と、第一のアウトサイドフレーム91及び第二のアウトサイドフレーム92の間において長手方向に延びるセンターフレーム10と、を備え、センターフレーム10は、床板2の下面から上方に突出すると共に長手方向に延びる板状の垂直壁部11を備えている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷箱の床板を支持するベースフレーム構造であって、
該ベースフレーム構造は、
一方の側端部で長手方向に延びる第一のアウトサイドフレームと、
他方の側端部で長手方向に延びる第二のアウトサイドフレームと、
荷箱の長手方向における前端側で該第一のアウトサイドフレームと該第二のアウトサイドフレームとを連結するフロントメンバと、
荷箱の長手方向における後端側で該第一のアウトサイドフレームと該第二のアウトサイドフレームとを連結するリアメンバと、
該第一のアウトサイドフレーム及び該第二のアウトサイドフレームの間において長手方向に延びるセンターフレームと、を備え、
該センターフレームは、床板の下面から上方に突出すると共に長手方向に延びる板状の垂直壁部を備えているベースフレーム構造。
【請求項2】
該第一のアウトサイドフレームと該第二のアウトサイドフレームとの間に、該センターフレームに直交し且つ貫通する複数のクロスメンバが配設されている請求項1に記載されたベースフレーム構造。
【請求項3】
該荷箱の床板は、該フロントメンバ、該リアメンバ、該第一のアウトサイドフレーム、該第二のアウトサイドフレーム、該センターフレーム、該クロスメンバのうち、いずれかの構成により支持される請求項2に記載のベースフレーム構造。
【請求項4】
該荷箱は、該床板と対向する天壁を備え、
該センターフレームによって区分される荷箱内の一方側と他方側の空間が、該センターフレームの上端と該荷箱の天壁とによって形成される開放領域で連通されるように構成された請求項1から3のいずれかに記載のベースフレーム構造。
【請求項5】
該垂直壁部の上端又は下端の少なくともいずれかに長手方向に延びる水平部が形成された請求項1から4のいずれかに記載のベースフレーム構造。
【請求項6】
該荷箱は、側壁が開放されるコンテナであり、該コンテナの上部の4角に隅金具が配設された請求項1から5のいずれかに記載のベースフレーム構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷箱の床板を支持するベースフレーム構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にコンテナと称される規格化された荷箱が知られている。該コンテナを使用したコンテナ輸送においては、該コンテナの内部に荷物を積み込んだまま、海上輸送、陸上輸送に使用されることから、貨物用の船舶、鉄道車両、トラック車両に対して着脱自在となるように構成される。
【0003】
昨今の物流の活発化、ドライバー不足に伴い、貨物輸送の効率化を図るべく、コンテナに対して荷物を大量に積み込むべく、コンテナを大型化することが望まれている。従来から使用されているコンテナの床板を支持するベースフレーム構造は、基本的に、コンテナの左右の側端部において、長手方向に延びるように形成される一対のアウトサイドフレームを備えた構成とされている。このようなコンテナを船舶、鉄道車両、トラック車両の間で載せ替える場合、例えば、コンテナの上部4角に隅金具を配設し、該隅金具にスプレッダーを適用して吊り上げて着脱を行う。ここで、鉄道のトンネルサイズに適合すべくコンテナの全高を低い寸法で設定すると、該コンテナは吊り上げ時の剛性に対して不利な形態となることから、コンテナの全高を拡大することなく床板が撓まない剛性を確保するために、ベースフレーム構造を構成するアウトサイドフレームの断面の高さを高くすることが考えられる。しかし、該コンテナの側壁が全面的に開放されるウイング仕様である場合(例えば特許文献1を参照)は、側方からフォークリフト等を使用して荷物の出し入れをすることになり、アウトサイドフレームを高くすることは、荷物の出し入れにおいても不利益となり好ましくない。
【0004】
また、アウトサイドフレームの高さを高くすると、該アウトサイドフレームによって支持された床板の高さも高くなってしまうことから、コンテナ内の内法高が十分に確保できず、輸送能力が減少してしまうという問題がある。これは、コンテナの大容量化が望まれている場合には、特に問題となる。このような問題は、ウイング仕様のコンテナに限らず、側壁が前方及び後方に開いて側壁が全面的に開放される他の構成のコンテナでも同様に発生し得る。
【0005】
さらに、コンテナの剛性を高めるべく、ベースフレーム構造の左右のアウトサイドフレームの中間部分に、コンテナの長手方向に延びる床板の下面を支持するセンターフレームを配設することも考えられる。しかし、鉄道車両、トラック車両に対して着脱自在に構成されるコンテナは、平坦な地面に載置されることもあり、コンテナの床板と地面との間のスペースが限られることからみて、該センターフレームを床板の下面側に配設するとしても、コンテナの撓みを回避する程の十分な剛性を確保することが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事実に鑑みなされたものであり、その主たる技術課題は、荷箱を大型化する際にも十分な剛性を確保すると共に、内法高を最大限確保できる荷箱の床板を支持するベースフレーム構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、荷箱の床板を支持するベースフレーム構造であって、該ベースフレーム構造は、一方の側端部で長手方向に延びる第一のアウトサイドフレームと、他方の側端部で長手方向に延びる第二のアウトサイドフレームと、荷箱の長手方向における前端側で該第一のアウトサイドフレームと該第二のアウトサイドフレームとを連結するフロントメンバと、荷箱の長手方向における後端側で該第一のアウトサイドフレームと該第二のアウトサイドフレームとを連結するリアメンバと、該第一のアウトサイドフレーム及び該第二のアウトサイドフレームの間において長手方向に延びるセンターフレームと、を備え、該センターフレームは、床板の下面から上方に突出すると共に長手方向に延びる板状の垂直壁部を備えているベースフレーム構造が提供される。
【0009】
該第一のアウトサイドフレームと該第二のアウトサイドフレームとの間に、該センターフレームに直交し且つ貫通する複数のクロスメンバが配設されていることが好ましい。また、該荷箱の床板は、該フロントメンバ、該リアメンバ、該第一のアウトサイドフレーム、該第二のアウトサイドフレーム、該センターフレーム、該クロスメンバのうち、いずれかの構成により支持されることが好ましい。さらに、該荷箱は、該床板と対向する天壁を備え、該センターフレームによって区分される荷箱内の一方側と他方側の空間が、該センターフレームの上端と該荷箱の天壁とによって形成される開放領域で連通されるように構成されていることが好ましい。
【0010】
該垂直壁部の上端又は下端の少なくともいずれかに長手方向に延びる水平部が形成されていてもよい、また、該荷箱は、側壁が開放されるコンテナであり、該コンテナの上部の4角に隅金具が配設されていてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明のベースフレーム構造は、一方の側端部で長手方向に延びる第一のアウトサイドフレームと、他方の側端部で長手方向に延びる第二のアウトサイドフレームと、荷箱の長手方向における前端側で該第一のアウトサイドフレームと該第二のアウトサイドフレームとを連結するフロントメンバと、荷箱の長手方向における後端側で該第一のアウトサイドフレームと該第二のアウトサイドフレームとを連結するリアメンバと、該第一のアウトサイドフレーム及び該第二のアウトサイドフレームの間において長手方向に延びるセンターフレームと、を備え、該センターフレームは、床板の下面から上方に突出すると共に長手方向に延びる板状の垂直壁部と、を備えていることから、荷箱を大型化する際にも十分な剛性を確保できると共に、内法高を最大限確保できる荷箱の床板を支持するベースフレーム構造が提供でき、例えば、荷箱を構成するコンテナの上部4角に隅金具を配設し、該隅金具にスプレッダーを適用して吊り上げ、鉄道車両やトラック車両に対して着脱を行っても、床板が撓む等の問題が解消される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】(a)床板を支持するベースフレーム構造の斜視図、(b)(a)に示すベースフレーム構造から床板を省略した斜視図である。
【
図3】(a)ベースフレーム構造の一部を拡大し、センターフレームにクロスメンバを固定する態様を示す斜視図、(b)(a)に示すベースフレーム構造の一部を更に拡大して示す斜視図である。
【
図4】(a)センターフレームの前端部をフロントメンバに固定する態様を示す斜視図、(b)フロントメンバにセンターフレームの前端部が固定された状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に基づいて構成される荷箱のベースフレーム構造に係る実施形態について、添付図面を参照しながら、詳細に説明する。
【0014】
図1には、追って詳述する本実施形態の荷箱のベースフレーム構造を備えたコンテナ1の後方斜視図が示されている。説明の便宜上、
図1において矢印Fで示す方向を前方、矢印Bで示す方向を後方、矢印Rで示す方向を右方、矢印Lで示す方向を左方とするが、当該方向は、必ずしもコンテナ1を輸送する際の方向を規定するものではない。
図1に示すように、本実施形態のコンテナ1は、左右の側面が開放されるウイング仕様の荷箱である。該コンテナ1は、例えば、鉄道車両、トラック車両(いずれに図示は省略している)に対して、図示を省略する緊締装置により着脱自在に構成されている。
【0015】
コンテナ1は、コンテナ1内の床面を構成する床板2と、床板2の前端に立設される前壁3と、床板2の後端に立設される後壁4と、該前壁3と該後壁4の上端の中央を前後方向で連結し天壁の一部を構成するセンタービーム5と、センタービーム5に回動自在に支持され該センタービーム5と共に天壁の一部を構成する上面部61及び該上面部61と直角をなしコンテナ1の側壁の上方を構成する側面部62によりなる左右一対のウイング6、6と、該側壁の下方側の一部を構成し開閉自在に支持された左右一対のアオリ7、7と、コンテナ1の上部の4つの角部に配設されたコンテナ1を着脱する際に使用される隅金具8(前方の隅金具8は見えていない)と、床板2の幅方向の中央に配設された垂直壁部11を備えたセンターフレーム10と、を備えている。なお、アオリ7、7は、前後方向で複数の板材に分割されたものであってもよい。
【0016】
後壁4は、例えば、2枚の扉に分割されて構成され後柱41、41に回動自在に支持された観音開き式の開閉扉であり、コンテナ1の後方を全面的に開放することができる。本実施形態のコンテナ1は、上記したウイング6、6、アオリ7、7、及び後壁4を開放することにより、左右の側壁側及び後壁4側から、荷物を搬出入することが可能である。
【0017】
図2(a)には、上記したコンテナ1から、前壁3、後壁4、センタービーム5、ウイング6、6、アオリ7、7、隅金具8等を省略したベースフレーム構造9の概略斜視図が示されており、
図2(b)には、
図2(a)から床板2を省略したベースフレーム構造9の概略斜視図が示されている。
【0018】
該ベースフレーム構造9は、一方(本実施形態では右方)の側端部で長手方向に延びる第一のアウトサイドフレーム91と、他方(本実施形態では左方)の側端部で長手方向に延びる第二のアウトサイドフレーム92と、該コンテナ1の長手方向における前端側で第一のアウトサイドフレーム91と第二のアウトサイドフレーム92とを連結するフロントメンバ93と、コンテナ1の長手方向における後端側で第一のアウトサイドフレーム91と第二のアウトサイドフレーム92とを連結するリアメンバ94と、第一のアウトサイドフレーム91及び第二のアウトサイドフレーム92の間において長手方向に延びるセンターフレーム10と、を備えている。
【0019】
図2(a)から理解されるように、センターフレーム10の垂直壁部11は、床板2の下面から上方に突出すると共に長手方向に延びる板状で形成される。また、
図2(b)から理解されるように、垂直壁部11の上端及び下端には、長手方向に延びる水平部11a、水平部11bが形成されている。また、第一のアウトサイドフレーム91と第二のアウトサイドフレーム92との間には、センターフレーム10の垂直壁部11と直交して貫通する複数のクロスメンバ95が配設されている。クロスメンバ95は、例えば断面がコ字状で形成されており、該垂直壁部11に対してクロスメンバ95を貫通させて該垂直壁部11に固定すると共に、その両端部を、第一のアウトサイドフレーム91、及び第二のアウトサイドフレーム92に固定する。
【0020】
センターフレーム10に対してクロスメンバ95を固定する態様を
図3に示す。
図3(a)は、ベースフレーム構造9の一部を拡大して示すものである。
図3(a)に示すように、センターフレーム10の垂直壁部11には、クロスメンバ95の断面形状に対応するコ字状の貫通孔11cと、クロスメンバ95を垂直壁部11に固定する際に使用する4つのボルト挿通孔11dとが形成されている。クロスメンバ95には、クロスメンバ95を垂直壁部11に固定する際に使用されるボルト挿通孔95aが、長手方向の中心位置Cを挟む位置に形成されている。センターフレーム10に対してクロスメンバ95を固定する際には、
図3(a)に示すように、垂直壁部11の貫通孔11cにクロスメンバ95を挿通し、クロスメンバ95の中央位置Cを垂直壁部11に位置付け、
図3(b)に示す固定具、例えばL型アングル12を左右両側からクロスメンバ95と垂直壁部11とを固定する部位に位置付け、垂直壁部11及びクロスメンバ95を、ボルトB、ナットNにより締結して固定する。
【0021】
クロスメンバ95の両端部は、上記の
図2(b)に示したように、第一のアウトサイドフレーム91及び第二のアウトサイドフレーム92の内側に位置付けられて、例えば溶接によって固定される。なお、上記したセンターフレーム10にクロスメンバ95を固定する態様、第一のアウトサイドフレーム91、第二のアウトサイドフレーム92に対してクロスメンバ95を固定する態様は、上記した態様に限定されず、適宜他の周知の方法を採用してもよい。
【0022】
センターフレーム10の前端10a、後端10bは、それぞれ、フロントメンバ93、リアメンバ94に固定される。センターフレーム10の前端10a、後端10bをフロントメンバ93、リアメンバ94に固定する場合、例えば、
図4(a)、(b)に示す態様により固定することができる。
図4(a)を参照しながら、センターフレーム10の前端部10aをフロントメンバ93に固定する態様について説明する。フロントメンバ93の上面93aにおける幅方向の中心位置には、センターフレーム10の先端部10aが挿入される切込み93bが形成されている。また、フロントメンバ93の下面93cには、センターフレーム10の垂直壁部11の下端に形成された水平部11bが係合される凹部93dが形成されている。さらに、上記の切込み93b及び凹部93dが形成された部位には、補強壁13a、13bからなる補強部材13が溶接により装着されて、フロントメンバ93の上面93aと下面93cと前面93eとにより箱型形状をなし、上記の切込み93b、凹部93dによる強度の低下を補強している。
【0023】
図4(a)に示すように、センターフレーム10の前端部10aを、フロントメンバ93の切込み93bに挿入すると共に、凹部93dに垂直壁部11の水平部11bを係合し、垂直壁部11と補強部材13とにより形成される直角部に、L側アングルプレート14を位置付けて、溶接により両者を固定する。センターフレーム10の後端部10bとリアメンバ94との固定についても上記と同様の形態により実施することができる(詳細な説明は省略する)。なお、センターフレーム10の前端部10a、後端部10bをフロントメンバ93、リアメンバ94に固定する形態は、上記した形態に限定されず、例えば、垂直壁部11に対してクロスメンバ95を固定する際に使用した上記のL型アングル12とボルトB、ナットNとを使用して固定するようにしてもよい。
【0024】
床板2は、上記したベースフレーム構造9のフロントメンバ93、リアメンバ94、第一のアウトサイドフレーム91、第二のアウトサイドフレーム92、センターフレーム10、クロスメンバ95のうち、いずれかの構成により支持されるが、本実施形態においては、クロスメンバ95によって、直接、又は間接的に支持される。ベースフレーム構造9によって支持される床板2の上面と、第一のアウトサイドフレーム91、第二のアウトサイドフレーム92の上面とは面一で形成され、必要に応じて、クロスメンバ95の上面にスペーサ(図示は省略する)を配設して床板2が支持される。
【0025】
図1に示すように、本実施形態のコンテナ1は、床板2と対向する位置に、上記したセンタービーム5とウイング6の上面部61とにより天壁が構成されている。そして、垂直壁部11を備えているセンターフレーム10によって区分される荷箱内の一方(右方)側の空間P1と他方(左方)側の空間P2とは、センターフレーム10の上端(本実施形態では水平部11a)と上記の天壁のセンタービーム5とによって形成される開放領域Sで連通されるように構成されている。なお、該開放領域Sには、該空間P1と空間P2とを遮るものが配設されていない。
【0026】
上記したように、床板2を支持するベースフレーム構造9は、第一のアウトサイドフレーム91及び第二のアウトサイドフレーム92の間において長手方向に延びるセンターフレーム10を備え、センターフレーム10は、床板2の下面から上方に突出すると共に長手方向に延びる板状の垂直壁部11を備えている。これにより、コンテナ1の全高を低い寸法で設定した場合であっても、コンテナ1のベースフレーム構造9の剛性が大幅に強化されて、例えば、コンテナ1の上部の4角に配設した隅金具8に図示を省略するスプレッダーを適用して吊り上げた場合であっても、床板2が撓まない程度に十分な剛性を確保することが可能になる。
【0027】
なお、コンテナ1内に荷物を搬入する際には、例えば、一般的に規格化された図示を省略するパレット(1100mm×900mm又は1100mm×1100mm)が使用されることが多いため、センターフレーム10からコンテナ1のアオリ7までの内寸法を例えば1150mm以上に設定することで、該垂直壁部11が床板2の中央に配設されていたとしても大きな支障とはならない。その際には、垂直壁部11の上端に形成される水平部11aの左右方向の寸法はできるだけ小さくすることが好ましく、例えば、水平部11aの幅寸法を、床板2の下面側に位置付けられる下端の水平部11bの幅合寸法よりも小さく設定することが好ましい。上記したように、垂直壁部11が床板2上に突出していることで、上記の規格化されたパレットをコンテナ1に積載する際の位置の基準とすることができ、コンテナ1内に効率よく荷物を積み込むことが可能になる。
【0028】
また、本実施形態では、センターフレーム10によって区分されるコンテナ1内の右方側の空間P1と左方側の空間P2とが、センターフレーム10の上端(水平部11a)とコンテナ1の天壁を構成するセンタービーム5とによって形成される開放領域Sで連通されるように構成されており、該開放領域Sには、該空間P1と空間P2とを遮るものがない。このように形成された開放領域Sを活用することで、上記の規格化されたパレットよりも大きい寸法の荷物を積載することも可能である。その際には、左右の空間P1、P2を形成する床面2上に空パレット等を積み上げる等して、垂直壁部11の上端の水平部11aよりも高い位置に水平な積載面を形成するようにすればよい。
【符号の説明】
【0029】
1:コンテナ
2:床板
3:前壁
31:前柱
4:後壁
41:後柱
5:センタービーム
6:ウイング
7:アオリ
8:隅金具
9:ベースフレーム構造
91:第一のアウトサイドフレーム
92:第二のアウトサイドフレーム
93:フロントメンバ
94:リアメンバ
95:クロスメンバ
10:センターフレーム
10a:前端部
10b:後端部
11:垂直壁部
11a:水平部
11b:水平部
11c:貫通孔
11d:ボルト挿通孔
12:L型アングル
14:L型プレート