(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111405
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】カバー機構
(51)【国際特許分類】
E06B 9/52 20060101AFI20230803BHJP
E06B 7/34 20060101ALI20230803BHJP
A47G 25/00 20060101ALI20230803BHJP
【FI】
E06B9/52 Z
E06B7/34
A47G25/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022013245
(22)【出願日】2022-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋山 寿美江
(72)【発明者】
【氏名】梶田 秀之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 深雪
(72)【発明者】
【氏名】近藤 雅之
(72)【発明者】
【氏名】板津呂 真夕
【テーマコード(参考)】
3K099
【Fターム(参考)】
3K099AA17
3K099BA12
3K099CA27
3K099EA01
(57)【要約】
【課題】屋内側から被保護物を露出させることを可能とするカバー機構を提供する。
【解決手段】被保護物Qを保護するカバー機構Aであって、上カバー部10と、側カバー部12a,12bと、側カバー部12a,12bを収縮させるカバー収縮機構Cと、ユーザから屋内側で操作を受ける操作部8と、を備え、側カバー部12a,12bは、側フレーム(第2フレーム31a,31b)と、側カバー部材42a,42bと、を含む構成とされ、カバー収縮機構Cは、側カバー部材42a,42bの下端部を第2フレーム31a,31b側へ引き寄せることで側カバー部材42a,42bを折り畳むカバー部材折畳手段5を有し、カバー部材折畳手段5は、引張ばね50と、側カバー側紐状部材52a,52bと、クランプ部材53と、を含む構成とされ、操作部8は、ユーザから操作を受けると、クランプ部材53に側カバー側紐状部材52a,52bを解放させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体内で横方向に摺動可能な網戸に取り付けられ、前記網戸の屋外側に置かれた被保護物を保護するカバー機構であって、
前記被保護物の上方を覆う上カバー部と、展開及び収縮可能に構成され、展開した状態で前記被保護物の両側方を覆う一対の側カバー部と、前記一対の側カバー部を収縮させるカバー収縮機構と、ユーザから屋内側で操作を受ける操作部と、をさらに備え、
前記上カバー部は、
所定の高さ位置で前記網戸から離間可能に設けられた上フレームと、
基端部が前記網戸に取り付けられ先端部が前記上フレームに取り付けられた上カバー部材と、を含む構成とされ、
前記一対の側カバー部は、
前記網戸に対して起伏揺動可能に設けられた一対の側フレームと、
前記一対の側フレームから懸垂され折り畳み可能な一対の側カバー部材と、を含む構成とされ、前記一対の側カバー部材がともに折り畳まれることで、収縮した状態となり、
前記カバー収縮機構は、
前記一対の側カバー部材のそれぞれにおける下端部を前記一対の側フレーム側へ引き寄せることで前記一対の側カバー部材を折り畳むカバー部材折畳手段を有し、
前記カバー部材折畳手段は、
前記網戸側に配された引張ばねと、
前記引張ばねの一端部を、前記一対の側フレーム内を経由して前記一対の側カバー部材のそれぞれにおける下端部に接続する一対の側カバー側紐状部材と、
前記一対の側カバー側紐状部材を解放可能に一括でクランプするクランプ部材と、を含む構成とされ、
前記操作部は、ユーザから操作を受けると、前記クランプ部材に前記一対の側カバー側紐状部材をともに解放させることで、前記引張ばねによる前記一対の側カバー部材のそれぞれにおける下端部の引き寄せを許容するように構成されたことを特徴とするカバー機構。
【請求項2】
請求項1に記載のカバー機構であって、
所定の高さ位置で前記網戸に対して離接可能に設けられた第1フレームと、前記網戸に対して起伏揺動可能に設けられ、前記第1フレームを支持する一対の第2フレームと、を有するフレーム体を備え、
前記カバー収縮機構は、
前記フレーム体を畳むフレーム畳み手段をさらに有し、
前記第1フレームは、前記上フレームとして機能し、
前記一対の第2フレームは、前記一対の側フレームとして機能し、
前記一対の第2フレームの先端側部は、前記第1フレームに対してスライド移動可能に連結され、
前記フレーム体は、前記第1フレームが前記フレーム畳み手段によって前記網戸側に引き寄せられるに伴い前記一対の第2フレームが前記網戸に対して倒伏することで、畳まれた状態となるように構成され、
前記フレーム畳み手段は、
前記横方向において前記枠体の一方側部から前記網戸内へ入る始端部と、前記網戸内を通る中間部と、前記網戸から前記屋外側へ突出して前記第1フレームに接続された終端部と、を有する紐状部材を含む構成とされ、前記網戸の摺動によって前記紐状部材の前記終端部の長さが減少することで、前記紐状部材で前記第1フレームを前記網戸側へ引き寄せることを特徴とするカバー機構。
【請求項3】
枠体内で横方向に摺動可能な網戸に取り付けられ、前記網戸の屋外側に置かれた被保護物を保護するカバー機構であって、
前記被保護物の上方を覆う上カバー部と、展開及び収縮可能に構成され、展開した状態で前記被保護物の前方を覆う前カバー部と、展開及び収縮可能に構成され、展開した状態で前記被保護物の両側方を覆う一対の側カバー部と、前記前カバー部及び一対の側カバー部を収縮させるカバー収縮機構と、ユーザから屋内側で操作を受ける操作部と、を備え、
前記上カバー部は、
所定の高さ位置で前記網戸から離間可能に設けられた上フレームと、
基端部が前記網戸に取り付けられ先端部が前記上フレームに取り付けられた上カバー部材と、を含む構成とされ、
前記前カバー部は、
所定の高さ位置で前記網戸から離間可能に設けられた前フレームと、
前記前フレームから懸垂され折り畳み可能な前カバー部材と、を含む構成とされ、前記前カバー部材が折り畳まれることで、収縮した状態となり、
前記一対の側カバー部は、
前記網戸に対して起伏揺動可能に設けられた一対の側フレームと、
前記一対の側フレームから懸垂され折り畳み可能な一対の側カバー部材と、を含む構成とされ、前記一対の側カバー部材がともに折り畳まれることで、収縮した状態となり、
前記カバー収縮機構は、
前記前カバー部材の下端部を前記前フレーム側へ引き寄せることで前記前カバー部材を折り畳むとともに前記一対の側カバー部材のそれぞれにおける下端部を前記一対の側フレーム側へ引き寄せることで前記一対の側カバー部材を折り畳むカバー部材折畳手段を有し、
前記カバー部材折畳手段は、
前記網戸側に配された引張ばねと、
前記引張ばねの一端部を、前記前フレーム内を経由して前記前カバー部材の下端部に接続する前カバー側紐状部材と、
前記引張ばねの一端部を、前記一対の側フレーム内を経由して前記一対の側カバー部材のそれぞれにおける下端部に接続する一対の側カバー側紐状部材と、
前記前カバー側紐状部材及び前記一対の側カバー側紐状部材を解放可能に一括でクランプするクランプ部材と、を含む構成とされ、
前記操作部は、ユーザから操作を受けると、前記クランプ部材に前記前カバー側紐状部材及び前記一対の側カバー側紐状部材をすべて解放させることで、前記引張ばねによる前記前カバー部材の下端部の引き寄せ及び前記一対の側カバー部材のそれぞれにおける下端部の引き寄せを許容するように構成されたことを特徴とするカバー機構。
【請求項4】
請求項3に記載のカバー機構であって、
所定の高さ位置で前記網戸に対して離接可能に設けられた第1フレームと、前記網戸に対して起伏揺動可能に設けられ、前記第1フレームを支持する一対の第2フレームと、を有するフレーム体を備え、
前記カバー収縮機構は、
前記フレーム体を畳むフレーム畳み手段をさらに有し、
前記第1フレームは、前記上フレーム及び前記前フレームとして機能し、
前記一対の第2フレームは、前記一対の側フレームとして機能し、
前記一対の第2フレームの先端側部は、前記第1フレームに対してスライド移動可能に連結され、
前記フレーム体は、前記第1フレームが前記フレーム畳み手段によって前記網戸側に引き寄せられるに伴い前記一対の第2フレームが前記網戸に対して倒伏することで、畳まれた状態となるように構成され、
前記フレーム畳み手段は、
前記横方向において前記枠体の一方側部から前記網戸内へ入る始端部と、前記網戸内を通る中間部と、前記網戸から前記屋外側へ突出して前記第1フレームに接続された終端部と、を有する紐状部材を含む構成とされ、前記網戸の摺動によって前記紐状部材の前記終端部の長さが減少することで、前記紐状部材で前記第1フレームを前記網戸側へ引き寄せることを特徴とするカバー機構。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1つに記載のカバー機構であって、
前記網戸の摺動に連動して前記被保護物を回転させるターンテーブル機構をさらに備えたことを特徴とするカバー機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カバー機構に関する。
【背景技術】
【0002】
屋外床に置かれた被保護物を保護するカバー機構として、例えば、手動で開閉可能なカバーが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の技術においては、被保護物を露出させるにあたり、ユーザが屋外に一旦出てからカバーを手で開けるという作業が発生するため、煩わしさに堪えない。
【0005】
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、屋内側から被保護物を露出させることを可能とするカバー機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本願記載のカバー機構は、枠体内で横方向に摺動可能な網戸に取り付けられ、前記網戸の屋外側に置かれた被保護物を保護するカバー機構であって、前記被保護物の上方を覆う上カバー部と、展開及び収縮可能に構成され、展開した状態で前記被保護物の両側方を覆う一対の側カバー部と、前記一対の側カバー部を収縮させるカバー収縮機構と、ユーザから屋内側で操作を受ける操作部と、をさらに備え、前記上カバー部は、所定の高さ位置で前記網戸から離間可能に設けられた上フレームと、基端部が前記網戸に取り付けられ先端部が前記上フレームに取り付けられた上カバー部材と、を含む構成とされ、前記一対の側カバー部は、前記網戸に対して起伏揺動可能に設けられた一対の側フレームと、前記一対の側フレームから懸垂され折り畳み可能な一対の側カバー部材と、を含む構成とされ、前記一対の側カバー部材がともに折り畳まれることで、収縮した状態となり、前記カバー収縮機構は、前記一対の側カバー部材のそれぞれにおける下端部を前記一対の側フレーム側へ引き寄せることで前記一対の側カバー部材を折り畳むカバー部材折畳手段を有し、前記カバー部材折畳手段は、前記網戸側に配された引張ばねと、前記引張ばねの一端部を、前記一対の側フレーム内を経由して前記一対の側カバー部材のそれぞれにおける下端部に接続する一対の側カバー側紐状部材と、前記一対の側カバー側紐状部材を解放可能に一括でクランプするクランプ部材と、を含む構成とされ、前記操作部は、ユーザから操作を受けると、前記クランプ部材に前記一対の側カバー側紐状部材をともに解放させることで、前記引張ばねによる前記一対の側カバー部材のそれぞれにおける下端部の引き寄せを許容するように構成されたことを特徴とするものである。
【0007】
前記カバー機構において、所定の高さ位置で前記網戸に対して離接可能に設けられた第1フレームと、前記網戸に対して起伏揺動可能に設けられ、前記第1フレームを支持する一対の第2フレームと、を有するフレーム体を備え、前記カバー収縮機構は、前記フレーム体を畳むフレーム畳み手段をさらに有し、前記第1フレームは、前記上フレームとして機能し、前記一対の第2フレームは、前記一対の側フレームとして機能し、前記一対の第2フレームの先端側部は、前記第1フレームに対してスライド移動可能に連結され、前記フレーム体は、前記第1フレームが前記フレーム畳み手段によって前記網戸側に引き寄せられるに伴い前記一対の第2フレームが前記網戸に対して倒伏することで、畳まれた状態となるように構成され、前記フレーム畳み手段は、前記横方向において前記枠体の一方側部から前記網戸内へ入る始端部と、前記網戸内を通る中間部と、前記網戸から前記屋外側へ突出して前記第1フレームに接続された終端部と、を有する紐状部材を含む構成とされ、前記網戸の摺動によって前記紐状部材の前記終端部の長さが減少することで、前記紐状部材で前記第1フレームを前記網戸側へ引き寄せてもよい。
【0008】
本願記載の他のカバー機構は、枠体内で横方向に摺動可能な網戸に取り付けられ、前記網戸の屋外側に置かれた被保護物を保護するカバー機構であって、前記被保護物の上方を覆う上カバー部と、展開及び収縮可能に構成され、展開した状態で前記被保護物の前方を覆う前カバー部と、展開及び収縮可能に構成され、展開した状態で前記被保護物の両側方を覆う一対の側カバー部と、前記前カバー部及び一対の側カバー部を収縮させるカバー収縮機構と、ユーザから屋内側で操作を受ける操作部と、を備え、前記上カバー部は、所定の高さ位置で前記網戸から離間可能に設けられた上フレームと、基端部が前記網戸に取り付けられ先端部が前記上フレームに取り付けられた上カバー部材と、を含む構成とされ、前記前カバー部は、所定の高さ位置で前記網戸から離間可能に設けられた前フレームと、前記前フレームから懸垂され折り畳み可能な前カバー部材と、を含む構成とされ、前記前カバー部材が折り畳まれることで、収縮した状態となり、前記一対の側カバー部は、前記網戸に対して起伏揺動可能に設けられた一対の側フレームと、前記一対の側フレームから懸垂され折り畳み可能な一対の側カバー部材と、を含む構成とされ、前記一対の側カバー部材がともに折り畳まれることで、収縮した状態となり、前記カバー収縮機構は、前記前カバー部材の下端部を前記前フレーム側へ引き寄せることで前記前カバー部材を折り畳むとともに前記一対の側カバー部材のそれぞれにおける下端部を前記一対の側フレーム側へ引き寄せることで前記一対の側カバー部材を折り畳むカバー部材折畳手段を有し、前記カバー部材折畳手段は、前記網戸側に配された引張ばねと、前記引張ばねの一端部を、前記前フレーム内を経由して前記前カバー部材の下端部に接続する前カバー側紐状部材と、前記引張ばねの一端部を、前記一対の側フレーム内を経由して前記一対の側カバー部材のそれぞれにおける下端部に接続する一対の側カバー側紐状部材と、前記前カバー側紐状部材及び前記一対の側カバー側紐状部材を解放可能に一括でクランプするクランプ部材と、を含む構成とされ、前記操作部は、ユーザから操作を受けると、前記クランプ部材に前記前カバー側紐状部材及び前記一対の側カバー側紐状部材をすべて解放させることで、前記引張ばねによる前記前カバー部材の下端部の引き寄せ及び前記一対の側カバー部材のそれぞれにおける下端部の引き寄せを許容するように構成されたことを特徴とするものである。
【0009】
前記カバー機構において、所定の高さ位置で前記網戸に対して離接可能に設けられた第1フレームと、前記網戸に対して起伏揺動可能に設けられ、前記第1フレームを支持する一対の第2フレームと、を有するフレーム体を備え、前記カバー収縮機構は、前記フレーム体を畳むフレーム畳み手段をさらに有し、前記第1フレームは、前記上フレーム及び前記前フレームとして機能し、前記一対の第2フレームは、前記一対の側フレームとして機能し、前記一対の第2フレームの先端側部は、前記第1フレームに対してスライド移動可能に連結され、前記フレーム体は、前記第1フレームが前記フレーム畳み手段によって前記網戸側に引き寄せられるに伴い前記一対の第2フレームが前記網戸に対して倒伏することで、畳まれた状態となるように構成され、前記フレーム畳み手段は、前記横方向において前記枠体の一方側部から前記網戸内へ入る始端部と、前記網戸内を通る中間部と、前記網戸から前記屋外側へ突出して前記第1フレームに接続された終端部と、を有する紐状部材を含む構成とされ、前記網戸の摺動によって前記紐状部材の前記終端部の長さが減少することで、前記紐状部材で前記第1フレームを前記網戸側へ引き寄せてもよい。
【0010】
前記カバー機構において、前記網戸の摺動に連動して前記被保護物を回転させるターンテーブル機構をさらに備えてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、屋内側から操作部を操作することにより、側カバー部材を折り畳み、さらには、側カバー部を収縮させることができる。側カバー部の収縮によって、網戸が摺動する際に側カバー部が被保護物に干渉する事態が回避されることから、屋内側から網戸を摺動させることでカバー機構を被保護物から退避させることが可能となる。このようにして、屋内側から被保護物を露出させることが可能になるという効果が生じる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】カバー機構の配置の一例を示す概略図である。
【
図2】本実施形態におけるカバー機構の全体を示す概略図である。
【
図3】フレーム体が畳まれた状態を示す概略斜視図である。
【
図4】フレーム体の各部構成を示す概略分解斜視図である。
【
図5A】フレーム体が畳まれた状態を示す概略図である。
【
図5B】フレーム体が広げられる過程を示す概略図である。
【
図5C】フレーム体が広げられた状態を示す概略図である。
【
図5D】フレーム体が畳まれる過程を示す概略図である。
【
図6A】フレーム畳み手段の全体の構成を示す概略図である。
【
図6B】フレーム畳み手段によって第1フレームが網戸側へ引き寄せられる過程を示す概略図である。
【
図6C】フレーム畳み手段によって第1フレームが網戸側へ引き寄せられた状態を示す概略図である。
【
図7A】カバー部材折畳手段の全体の構成を示す概略図である。
【
図7B】カバー部材折畳手段によって前カバー部材及び側カバー部材が折り畳まれた状態を示す概略図である。
【
図7C】網戸が右方向に摺動するときのカバー部材折畳手段の様子を示す概略図である。
【
図7D】網戸が枠体の右縦枠に当接したときのカバー部材折畳手段の様子を示す概略図である。
【
図7E】網戸が枠体内で左方向側端に摺動したときのカバー部材折畳手段の様子を示す概略図である。
【
図8A】前カバー部材懸垂機構が前カバー側紐状部材を挟持した状態を示す概略図である。
【
図8B】前カバー部材懸垂機構が前カバー側紐状部材を解放した状態を示す概略図である。
【
図9A】側カバー部材懸垂機構が側カバー側紐状部材を挟持した状態を示す概略図である。
【
図9B】側カバー部材懸垂機構が側カバー側紐状部材を解放した状態を示す概略図である。
【
図10】ターンテーブル機構の全体の構成を示す平面概略図である。
【
図11】伝動部材がベルト部材に差し込まれた状態を示す概略図である。
【
図14】フレームロック部に取り付けられた接続部材を示す概略図である。
【
図15】取手部が引き下げ操作を受けた状態を示す概略図である。
【
図17】ユーザが屋内から屋外に出ようとするときのカバー機構の状態を示す概略図である。
【
図18】ユーザが取手部を引き下げたときの取手部の挙動を示す概略図である。
【
図19】前カバー側紐状部材が解放されたときの前底板の挙動を示す概略図である。
【
図20】前底板が第1フレーム側へ引き寄せられたときの前カバー部材懸垂機構の挙動を示す概略図である。
【
図21】側カバー側紐状部材がクランプ部材から解放されたときの側底板の挙動を示す概略図である。
【
図22】前カバー部材及び側カバー部材が折り畳まれた後の前カバー部材懸垂機構及び側カバー部材懸垂機構の位置関係を示す概略図である。
【
図23】前カバー部材及び側カバー部材が折り畳まれた後のカバー機構の状態を示す概略図である。
【
図24】ユーザが網戸を右方向に摺動させるときのカバー機構の状態を示す概略図である。
【
図25】
図24に示す状態からユーザがさらに網戸を右方向に摺動させたときのカバー機構の状態を示す概略図である。
【
図26】第2フレームが倒伏するときの側カバー部材懸垂機構の挙動を示す概略図である。
【
図27】第2フレームが倒伏したときのピンセット状部材の挙動を示す概略図である。
【
図28】ユーザが網戸を枠体内で右方向側端まで摺動させたときのカバー機構の状態を示す概略図である。
【
図29】ユーザが網戸を枠体内で右方向側端まで摺動させたときの取手部及び取手ロック部の挙動を示す概略図である。
【
図30】ユーザが網戸を右方向に摺動させるときのターンテーブル機構の挙動を示す概略図である。
【
図31】ユーザが網戸を枠体内で左方向側端まで摺動させたときの取手部及び取手ロック部の挙動を示す概略図である。
【
図32】ユーザが押釦部を押したときの押釦部の挙動を示す概略図である。
【
図33】ユーザが押釦部を押したときのフレームロック部の挙動を示す概略図である。
【
図34】第2フレームが起立するときの前カバー部材懸垂機構及び側カバー部材懸垂機構の位置関係を示す概略図である。
【
図35】第2フレームが起立するときの前カバー部材懸垂機構の挙動を示す概略図である。
【
図36】第2フレームが起立するときの側カバー部材懸垂機構の挙動を示す概略図である。
【
図37】
図36に示す状態からさらに第2フレームが起立したときの側カバー部材懸垂機構の挙動を示す概略図である。
【
図38】側カバー側紐状部材が側カバー部材懸垂機構におけるピンセット状部材から解放されたときの側底板の挙動を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する各実施形態の間で同一の構成要素には同一の符号を付し、それら構成要素について重複する説明は省略する。
【0014】
図1は、カバー機構Aの配置の一例を示す概略図である。
図2は、本実施形態におけるカバー機構Aの全体を示す概略図である。以下、横方向をX方向と称し、屋外から視て左方向を-X方向とし、屋外から視て右方向を+X方向とする。また、縦方向をZ方向と称し、上方向を+Z方向とし、下方向を-Z方向とする。
【0015】
カバー機構Aは、例えば、戸建て住宅、集合住宅等の建物で用いられるものであり、網戸93に取り付けられている(
図1参照)。カバー機構Aは、網戸93の屋外側(前側)に置かれた被保護物Qを保護するものである。被保護物Qとして、例えば、履物、ガーデニング用品等の日用品が挙げられる。
【0016】
網戸93は、枠体9内で横方向Xに摺動可能に設けられており、所定の幅(例えば、950mm程度)を有している。網戸93は、引戸90の屋外側に配されている。引戸90として、例えば、引き違い式、引き分け式、片引き式、等の戸や窓が挙げられる。本実施形態において、引戸90は、2枚建ての引き違い式掃き出し窓であり、左方向(-X方向)を閉方向とする外障子91と、右方向(+X方向)を閉方向とする内障子92と、を含む構成とされている。
【0017】
本実施形態において、カバー機構Aは、網戸93が枠体9内で左方向(-X方向)側に位置している状態で、被保護物Qを保護するように構成されている。
【0018】
カバー機構Aは、カバー部Bと、カバー収縮機構Cと、カバー部材懸垂機構6と、ターンテーブル機構7と、操作部8と、を備えている(
図2参照)。ただし、
図2においては、図示の都合上、カバー部材懸垂機構6の図示を省略している。以下、カバー機構Aの各部の構成について順に説明する。
【0019】
-カバー部-
カバー部Bは、フレーム体3と、カバー部材4と、を含む構成とされている(
図2参照)。
【0020】
<フレーム>
図3は、フレーム体3が畳まれた状態を示す概略斜視図である。
図4は、フレーム体3の各部構成を示す概略分解斜視図である。なお、
図3において、カバー部材4の図示を省略している。また、
図4において、図示の都合上、前カバー部材41の輪郭を二点鎖線で示している。また、第2フレーム31bにおける各部の構成は、第2フレーム31aにおける各部の構成と対称に表れるため、その図示を省略している。
【0021】
フレーム体3は、所定の高さ位置(例えば、屋外床Fから200mm程度の高さ)で網戸93に対して離接可能に設けられた第1フレーム30と、第1フレーム30を支持する一対の第2フレーム31a,31b(一対の側フレーム)と、を有している(
図3参照)。
【0022】
第1フレーム30は、横方向Xに長手方向を有しており、ともに略角柱状に形成された上段フレーム300(上フレーム)及び下段フレーム301(前フレーム)によって構成されている。上段フレーム300及び下段フレーム301は、互いの縦断面の対角線方向に沿って階段状に結合されている。以下、説明の便宜上、第1フレーム30の長手方向において内側へ向かう方向を内方向Diと称し、第1フレーム30の長手方向において外側へ向かう方向を外方向Deと称す。
【0023】
第1フレーム30は、一対のフレーム付勢部材Sa,Sb〔左方向(-X方向)側のフレーム付勢部材Sa及び右方向(+X方向)側のフレーム付勢部材Sb〕によって網戸93から離れる方向に付勢されている(
図4参照)。フレーム付勢部材Sa,Sbは、第1端部が網戸93に係止され、第2端部が上段フレーム300において網戸93に面する内側面302に係止されている。フレーム付勢部材Sa,Sbは、圧縮ばねから形成されている。
【0024】
第1フレーム30は、後に詳述するカバー収縮機構Cによって網戸93側に引き寄せられるに伴い、網戸93に近接する。
【0025】
第1フレーム30は、一対のフレームロック部94a,94bによってフレーム付勢部材Sa,Sbの付勢力に逆らって網戸93に近接した状態に維持され得る(
図3参照)。フレームロック部94a,94bは、互いに向き合う平面視略フック状に形成されており、網戸93側を揺動基端として揺動可能に設けられている。フレームロック部94aは、左方向(-X方向)側方から第1フレーム30に解除可能に係合し、フレームロック部94bは、右方向(+X方向)側方から第1フレーム30に解除可能に係合する。本明細書において、「係合」とは、互いに機械的に係り合うことを指す。
【0026】
第1フレーム30における上段フレーム300の側端面304,305には、フレームロック部94a,94bが係合可能であり、網戸93に近づくにつれて漸次深くなる溝部34a,34bが設けられている。
【0027】
上段フレーム300の底面303の両側端部には、第2フレーム31a,31bを第1フレーム30の長手方向にスライド移動可能に連結するための長丸穴状の被連結部32a,32bが設けられている。
【0028】
下段フレーム301において網戸93に面する内側面306の両側端部には、矩形穴状に形成された内側開口部35a,35bが設けられている。下段フレーム301の底面307の両側端部には、それぞれ、矩形穴状に形成された底開口部36a,36bが設けられている。
【0029】
本実施形態において、上段フレーム300及び下段フレーム301は、一体的に形成されている。これにより、上段フレーム300及び下段フレーム301が互いに独立した構造となっている場合と比較して、部品点数を削減することができる。
【0030】
第2フレーム31a,31b〔左方向(-X方向)側の第2フレーム31a及び右方向(+X方向)側の第2フレーム31b〕は、ともに、平面視角丸矩形状に形成されており、第1フレーム30の両側端側で網戸93に対して起伏揺動可能に設けられている。第2フレーム31a,31bは、倒伏した状態において、長手方向が横方向Xに沿うように、上段フレーム300下方において網戸93及び下段フレーム301の間に格納されている(
図3参照)。
【0031】
第2フレーム31aは、倒伏した状態において左方向(-X方向)側端側に位置する揺動基端部37a周りの揺動方向Raに揺動することにより、網戸93側から起立する。同様に、第2フレーム31bは、倒伏した状態において右方向(+X方向)側端側に位置する揺動基端部37b周りの揺動方向Rbに揺動することにより、網戸93側から起立する。第2フレーム31a,31bは、網戸93から突出した支持片95a,95bによって網戸93に対して揺動可能に支持されている(
図4参照)。以下、説明の便宜上、第2フレーム31a,31bの揺動方向Ra,Rbにおいて、網戸93側から起立する方向を起立方向Ruと称し、網戸93側から倒伏する方向を倒伏方向Rdと称す。また、第2フレーム31a,31bの基端側とは、揺動基端部37a,37b側のことを指し、第2フレーム31a,31bの先端側とは、基端側の反対側のことを指す。
【0032】
第2フレーム31aにおける基端側の基端側曲面310には、支持片95aが差し込まれる差込溝部314と、支持片95aの図示しない揺動支軸が挿通される挿通穴315と、が設けられている(
図4参照)。同様に、第2フレーム31bにおける基端側の基端側曲面310には、支持片95bが差し込まれる差込溝部314と、支持片95bの図示しない揺動支軸が挿通される挿通穴315と、が設けられている。
【0033】
第2フレーム31a,31bのそれぞれにおける先端側の先端側曲面311には、後述するカバー部材懸垂機構6を突出させるための先端開口部316が設けられている。
【0034】
第2フレーム31aにおける天面312の先端側部には、第1フレーム30における被連結部32aに連結される連結部38と、連結部38を揺動方向Raに沿ってガイドする長穴状のガイド穴317と、が設けられている(
図4参照)。同様に、第2フレーム31bにおける天面312の先端側部には、第1フレーム30における被連結部32bに連結される連結部38と、連結部38を揺動方向Rbに沿ってガイドする長穴状のガイド穴317と、が設けられている。
【0035】
第2フレーム31a,31bの連結部38は、第1フレーム30に対してスライド移動可能に連結されている。連結部38は、縦方向Zに沿う軸部380と、第1フレーム30における被連結部32a,32bからの脱落を阻止する頭部381と、を含む構成とされている。
【0036】
図5Aは、フレーム体3が畳まれた状態を示す概略図である。
図5Bは、フレーム体3が広げられる過程を示す概略図である。
図5Cは、フレーム体3が広げられた状態を示す概略図である。
図5Dは、フレーム体3が畳まれる過程を示す概略図である。
【0037】
続いて、
図5A~
図5Cを用いて、フレーム体3の挙動を説明する。
【0038】
図5Aに示すように、第1フレーム30がフレームロック部94a,94bによって網戸93に近接した状態に維持された場合において、第2フレーム31a,31bは、網戸93側へ倒伏した状態となっている。
【0039】
図5Bに示すように、第1フレーム30に対するフレームロック部94a,94bの係合が解除されると、第1フレーム30がフレーム付勢部材Sa,Sbの付勢力によって網戸93から離れる。このとき、第1フレーム30が網戸93から離れるに伴い、第2フレーム31a,31bにおける連結部38が第1フレーム30における被連結部32a,32bの形状に沿って外方向Deにスライド移動することにより、第2フレーム31a,31bがそれぞれ起立方向Ruに揺動して網戸93側から起立する。このとき、フレーム体3は、広げられた状態となる。端的に言えば、フレーム体3は、第1フレーム30が網戸93から離れるに伴い、第2フレーム31a,31bが網戸93側から起立することで広げられる。
【0040】
図5Cに示すように、第2フレーム31a,31bが網戸93に対して約90度まで起立すると、第2フレーム31a,31bが最大限起立した状態となる。このとき、第1フレーム30が網戸93から最大限離れた状態となる。第2フレーム31a,31bにおける連結部38は、第1フレーム30における被連結部32a,32bにおいて外方向De側の内周壁面端部33a,33bに当接した状態となっている。
【0041】
反対に、
図5Dに示すように、第1フレーム30が網戸93に近接すると、第2フレーム31a,31bのそれぞれにおける連結部38が第1フレーム30における被連結部32a,32bの形状に沿って内方向Diにスライド移動することにより、第2フレーム31a,31bがそれぞれ倒伏方向Rdに揺動して網戸93側へ倒伏する。このとき、フレーム体3は、畳まれた状態となる。端的に言えば、フレーム体3は、第1フレーム30が網戸93に近接するに伴い、第2フレーム31a,31bが網戸93側へ倒伏することで畳まれる。このような第1フレーム30及び第2フレーム31a,31bの構造によって、第1フレーム30を網戸93に近接させることでフレーム体3を手軽に畳むことができる。
【0042】
<カバー部材>
カバー部材4は、上カバー部材40と、前カバー部材41と、一対の側カバー部材42a,42bと、を含む構成とされている(
図2参照)。
【0043】
上カバー部材40は、折り畳み可能な蛇腹シート状に形成されている。上カバー部材40の基端部は、網戸93に取り付けられており、上カバー部材40の先端部は、フレーム体3の第1フレーム30における上段フレーム300の内側面302に取り付けられている(
図4参照)。
【0044】
従って、第1フレーム30が網戸93から離れると、上カバー部材40の先端部が基端部から離れることから、上カバー部材40が広げられる。上カバー部材40は、広げられた状態で、被保護物Qの少なくとも上方を覆う(
図2参照)。本明細書において、「覆う」とは、完全に覆い隠すことは勿論のこと、これに限定されず、風雨等を概ね遮る程度に覆うことも含む概念である。
【0045】
第1フレーム30が網戸93に近接すると、上カバー部材40の先端部が基端部に近接することから、上カバー部材40が折り畳まれる。
【0046】
前カバー部材41は、折り畳み可能な蛇腹シート状に形成されており、第1フレーム30における下段フレーム301から懸垂される。
【0047】
前カバー部材41の下端部には、前底板43が取り付けられている(
図4参照)。前カバー部材41は、前底板43の自重によって懸垂される。前カバー部材41は、前底板43が第1フレーム30側へ寄せられることで、折り畳まれる。
【0048】
前底板43の天面44には、下段フレーム301における底開口部36a,36bに差し込み可能な突起部45a,45bが設けられている。
【0049】
前カバー部材41は、第1フレーム30が網戸93から離れた状態において下段フレーム301から懸垂されると、被保護物Qの前方を覆う(
図2参照)。
【0050】
側カバー部材42a,42bは、折り畳み可能な蛇腹シート状に形成されている。側カバー部材42aは、第2フレーム31aから懸垂され、側カバー部材42bは、第2フレーム31bから懸垂される。側カバー部材42a,42bの下端部には、側底板46a,46bが取り付けられている(
図4参照)。側カバー部材42a,42bは、側底板46a,46bの自重によって懸垂される。側カバー部材42a,42bは、側底板46a,46bが第2フレーム31a,31b側へ寄せられることで、折り畳まれる。
【0051】
側カバー部材42a,42bは、第2フレーム31a,31bが網戸93側から起立した状態において第2フレーム31a,31bから懸垂されると、被保護物Qの両側方を覆う(
図2参照)。
【0052】
<カバー部の小括>
上記説明したカバー部Bを小括すると、次の通りである。
【0053】
まず、第1フレーム30と、上カバー部材40とによって、上カバー部10が構成される(
図2参照)。
【0054】
本実施形態において、上カバー部10は、展開及び収縮可能に構成されている。具体的には、上カバー部10が展開した状態とは、上カバー部材40が広げられた状態を指す。上カバー部10は、展開した状態で、被保護物Qの上方を覆う。
【0055】
上カバー部10が収縮した状態とは、上カバー部材40が折り畳まれた状態を指す。
【0056】
また、第1フレーム30と、前カバー部材41とによって、前カバー部11が構成される(
図2参照)。
【0057】
前カバー部11は、展開及び収縮可能に構成されている。前カバー部11が展開した状態とは、第1フレーム30が網戸93から離れた状態において、前カバー部材41が第1フレーム30から懸垂された状態を指す。前カバー部11は、展開した状態で、被保護物Qの前方を覆う。
【0058】
前カバー部11が収縮した状態とは、前カバー部材41が折り畳まれた状態を指す。換言すると、前カバー部11は、前カバー部材41の下端部における前底板43が第1フレーム30側へ寄せられることで、収縮する。
【0059】
このような上カバー部10及び前カバー部11によって、被保護物Qに降りかかる風雨等が遮られることから、被保護物Qの劣化を良好に抑制することができる。
【0060】
さらに、第2フレーム31a,31bと、側カバー部材42a,42bとによって、一対の側カバー部12a,12bが構成される(
図2参照)。
【0061】
側カバー部12a,12bは、展開及び収縮可能に構成されている。側カバー部12a,12bが展開した状態とは、第2フレーム31a,31bが網戸93側から起立した状態において、側カバー部材42a,42bが第2フレーム31a,31bから懸垂された状態を指す。側カバー部12a,12bは、展開した状態で、被保護物Qの両側方を覆う。
【0062】
側カバー部12a,12bが収縮した状態は、側カバー部材42a,42bが折り畳まれた状態を指す。換言すると、側カバー部12a,12bは、側カバー部材42a,42bの下端部における側底板46a,46bが第2フレーム31a,31b側へ寄せられることで、収縮する。側カバー部12a,12bを収縮させることにより、網戸93が摺動する際に側カバー部12a,12bが被保護物Qに干渉する事態が回避される。
【0063】
このような側カバー部12a,12bによって、上カバー部10及び前カバー部11のみで被保護物Qを覆う場合と比較して、被保護物Qの劣化をさらに良好に抑制することができる。
【0064】
なお、カバー部Bの構成は、上記に限られず、上カバー部10及び側カバー部12a,12bといった組み合わせで構成されていてもよい。
【0065】
上カバー部10は、上記に限られず、例えば、テント状にフレーム体3から垂れ下がり、被保護物Qの両側方又は前方を覆うように構成されていてもよい。
【0066】
また、第2フレーム31a,31bは、第1フレーム30を所定の高さ位置で網戸93から単に離間可能に支持してもよい。
【0067】
また、上段フレーム300及び下段フレーム301は、互いに独立した構造となっていてもよい。
【0068】
また、上カバー部材40、前カバー部材41及び側カバー部材42a,42bは、蛇腹状に折り畳み可能な板材から形成されていてもよい。
【0069】
また、上カバー部材40、前カバー部材41及び側カバー部材42a,42bは、単に、2つ折りに折り畳み可能に構成されていてもよい。
【0070】
また、上カバー部材40、前カバー部材41及び側カバー部材42a,42bには、防水加工、防汚加工等がされていてもよい。
【0071】
また、上記説明した第2フレーム31a,31bは、観音開き式に起伏揺動可能に構成されているが、これに限られず、平行リンク式に起伏揺動可能に構成されていてもよい。
【0072】
-カバー収縮機構-
カバー収縮機構Cは、第1フレーム30を網戸93側へ引き寄せることでフレーム体3を畳むフレーム畳み手段2と、前カバー部材41を折り畳むとともに、側カバー部材42a,42bを折り畳むカバー部材折畳手段5と、を有している(
図2参照)。
【0073】
<フレーム畳み手段>
図6Aは、フレーム畳み手段2の全体を示す概略図である。
図6Bは、フレーム畳み手段2によって第1フレーム30が網戸93側へ引き寄せられる過程を示す概略図である。
図6Cは、フレーム畳み手段2によって第1フレーム30が網戸93側へ引き寄せられた状態を示す概略図である。なお、図示の都合上、第2フレーム31b及び上カバー部材40の図示を省略している。
【0074】
フレーム畳み手段2は、枠体9において左方向(-X方向)側の左縦枠9aの上端部から網戸93内へ入る始端部21と、網戸93内を通る中間部22と、網戸93から屋外側へ突出して第1フレーム30に接続された終端部23と、を有する紐状部材20を含む構成とされている(
図6A参照)。本明細書において、「接続」とは、機械的に繋がることを指す。紐状部材20は、例えば、伸び剛性に優れた金属製(ステンレス等)のワイヤ、ワイヤロープから形成されている。
【0075】
中間部22には、始端部21側から終端部23側まで順に、転向滑車24によって転向された転向部25と、網戸93の左縦框93a内で縦方向Zに配された縦配設部26と、網戸93において横方向Xの中央部に向かって転向し弛緩可能な弛緩部27と、が設けられている。紐状部材20の少なくとも弛緩部27以外の部分は、緊張状態(弛緩していない状態)となっている。
【0076】
紐状部材20の全長は、網戸93の摺動にかかわらず一定である。このため、網戸93の摺動によって、紐状部材20の始端部21、中間部22及び終端部23の長さがそれぞれ変化する。
【0077】
続いて、
図6A~
図6Cを用いて、カバー収縮機構Cの挙動を説明する。
【0078】
図6Aに示すように、網戸93が左方向(-X方向)側端に位置している場合において、第1フレーム30は、網戸93から離れた状態となっており、第2フレーム31a,31bは、網戸93側から起立した状態となっている。このとき、紐状部材20の弛緩部27は、最大限弛緩した状態となっている。
【0079】
図6Bに示すように、網戸93が左方向(-X方向)側端から右方向(+X方向)に摺動するに伴い、中間部22が始端部21側へ引き取られることにより、始端部21の長さが増加し、中間部22における弛緩部27の弛緩が次第に取れていく。
【0080】
網戸93が左方向(-X方向)側端から所定の距離(例えば、600mm程度)を摺動すると、弛緩部27の弛緩が完全に取れる。
【0081】
さらに、網戸93が右方向(+X方向)に摺動すると、
図6Cに示すように、中間部22が始端部21側へ引き取られるとともに終端部23が中間部22側へ引き取られることにより、始端部21の長さが増加し、終端部23の長さが減少する。終端部23の長さの減少に伴い、終端部23に接続された第1フレーム30が網戸93側へ引き寄せられる。フレーム畳み手段2は、網戸93の摺動によって紐状部材20の終端部23の長さが減少することで、第1フレーム30を網戸93側へ引き寄せる。第1フレーム30が網戸93側へ引き寄せられるに伴い、第2フレーム31a,31bが網戸93側へ倒伏することで、フレーム体3が畳まれる。このようにして、フレーム畳み手段2は、第1フレーム30を網戸93側へ引き寄せることでフレーム体3を畳む。
【0082】
このようなフレーム畳み手段2によって、網戸93を摺動させるという作業を以って、フレーム体3を手軽に畳むことができ、例えば、ユーザが屋外で作業する際にフレーム体3が邪魔にならないという効果が生じる。
【0083】
また、第1フレーム30が網戸93に近接することにより、上カバー部材40の先端部が基端部に近接することから、上カバー部材40を手軽に折り畳むことができるという効果も併せて生じる。
【0084】
なお、フレーム畳み手段2の構成は上記に限られず、要は、網戸93の摺動(直線運動)を利用して第1フレーム30を網戸93側へ引き寄せることができる構造であればよく、例えば、レバー、リンク、スライダ等を用いて、網戸93の摺動による運動方向を網戸93に対する第1フレーム30の接離方向に変換する構造であってもよい。
【0085】
<カバー部材折畳手段>
図7Aは、カバー部材折畳手段5の全体の構成を示す概略図である。
図7Bは、カバー部材折畳手段5によって前カバー部材41及び側カバー部材42a,42bが折り畳まれた状態を示す概略図である。
図7Cは、網戸93が右方向に摺動するときのカバー部材折畳手段5の様子を示す概略図である。
図7Dは、網戸93が枠体9の右縦枠9bに当接したときのカバー部材折畳手段5の様子を示す概略図である。
図7Eは、網戸93が枠体9内で左方向側端に摺動したときのカバー部材折畳手段5の様子を示す概略図である。なお、図示の都合上、第2フレーム31b、側カバー部材42b及び側底板46bの図示を省略している。
【0086】
カバー部材折畳手段5は、引張ばね50と、枠体側紐状部材51と、前カバー側紐状部材52cと、一対の側カバー側紐状部材52a,52bと、クランプ部材53と、を含む構成とされている(
図2、
図7A参照)。
【0087】
引張ばね50は、網戸93の左縦框93a内に配されており、縦方向Zに伸長して弾性エネルギーを蓄える。
【0088】
枠体側紐状部材51は、引張ばね50の上端部を、枠体9において右方向(+X方向)側の右縦枠9bの上端部に接続するものであり、引張ばね50側から転向滑車54によって転向されて枠体9の右縦枠9b側へ配されている(
図7A参照)。枠体側紐状部材51は、例えば、伸び剛性に優れた金属製(ステンレス等)のワイヤ、ワイヤロープから形成されている。枠体側紐状部材51は、緊張状態(弛緩していない状態)となっている。枠体側紐状部材51の全長は、網戸93の摺動にかかわらず一定である。
【0089】
前カバー側紐状部材52cは、引張ばね50の下端部を、第1フレーム30内を経由して前カバー部材41の下端部における前底板43に接続するものであり、引張ばね50側から網戸93内を通って第1フレーム30側へ配されている。
【0090】
側カバー側紐状部材52a,52bは、引張ばね50の下端部を、第2フレーム31a,31b内を経由して側カバー部材42a,42bにおける下端部の側底板46a,46bに接続するものであり、引張ばね50側から網戸93内を通って第2フレーム31a,31bへ配されている。
【0091】
前カバー側紐状部材52c及び側カバー側紐状部材52a,52bは、例えば、伸び剛性に優れた金属製(ステンレス等)のワイヤ、ワイヤロープから形成されている。
【0092】
前カバー側紐状部材52c及び側カバー側紐状部材52a,52bのうち、網戸93内を通る部分には、引張ばね50側から順に、クランプ部材53からクランプされる被挟持部55と、右方向(+X方向)に転向し弛緩可能な弛緩部56と、が設けられている。前カバー側紐状部材52c及び側カバー側紐状部材52a,52bにおける少なくとも弛緩部56以外の部分は、緊張状態(弛緩していない状態)となっている。前カバー側紐状部材52c及び側カバー側紐状部材52a,52bの全長は、網戸93の摺動にかかわらず一定である。
【0093】
クランプ部材53は、前カバー側紐状部材52c及び側カバー側紐状部材52a,52bを解放可能にクランプするものであり、網戸93の左縦框93a内に固定されている。クランプ部材53は、一対の受け部材530,531と、下方向(-Z方向)から受け部材530,531に嵌め込み可能な一対の嵌め部材532,533と、を含む構成とされている。受け部材530,531において、互いに向かい合う内面部は、下方向(-Z方向)に向かって広がるテーパ状に形成されている。嵌め部材532,533において、互いに背く外面部は、下方向(-Z方向)に向かって広がるテーパ状に形成されており、互いに向かい合う内面部は、互いに平行となるように形成されている。
【0094】
クランプ部材53における嵌め部材532,533が受け部材530,531に嵌め込まれると、くさび効果によって嵌め部材532,533が互いに引き寄せられることにより、クランプ部材53が嵌め部材532,533で前カバー側紐状部材52c及び側カバー側紐状部材52a,52bにおける被挟持部55を一括でクランプする。嵌め部材532,533が受け部材530,531から脱け出されると、上記のくさび効果が解除されることにより、クランプ部材53が前カバー側紐状部材52c及び側カバー側紐状部材52a,52bにおける被挟持部55を解放する。
【0095】
クランプ部材53は、網戸93が枠体9の右縦枠9bに当接すると前カバー側紐状部材52c及び側カバー側紐状部材52a,52bをクランプして、操作部8から力を受けると前カバー側紐状部材52c及び側カバー側紐状部材52a,52bを解放するように構成されている。クランプ部材53の挙動については、操作部8の構造と併せて後に詳述する。
【0096】
続いて、
図7A~
図7Eを用いて、カバー部材折畳手段5の挙動を説明する。
【0097】
図7Aに示すように、網戸93が枠体9内で左方向(-X方向)側端に位置している場合において、クランプ部材53は、前カバー側紐状部材52c及び側カバー側紐状部材52a,52bをクランプした状態となっており、引張ばね50は、引っ張られて弾性エネルギーを蓄えた状態となっている。前カバー側紐状部材52c及び側カバー側紐状部材52a,52bにおける弛緩部56は、弛緩が完全に取れた状態となっている。このとき、第1フレーム30は、網戸93から離れた状態となっており、第2フレーム31a,31bは、網戸93側から起立した状態となっている。また、前カバー部材41は、第1フレーム30における下段フレーム301から懸垂した状態となっており、側カバー部材42a,42bは、第2フレーム31a,31bから懸垂した状態となっている。
【0098】
図7Bに示すように、クランプ部材53が前カバー側紐状部材52c及び側カバー側紐状部材52a,52bを解放すると、引張ばね50の弾性エネルギーが解放される。
【0099】
引張ばね50の弾性エネルギーによって、前カバー側紐状部材52cを介して、前カバー部材41の下端部における前底板43が第1フレーム30側へ引き寄せられる。このようにして、前カバー部材41が折り畳まれる。
【0100】
同様に、引張ばね50の弾性エネルギーによって、側カバー側紐状部材52a,52bを介して、側カバー部材42a,42bにおける下端部の側底板46a,46bが第2フレーム31a,31b側へ引き寄せられる。このようにして、側カバー部材42a,42bが折り畳まれる。
【0101】
このようにして、カバー部材折畳手段5は、前カバー部材41を折り畳むとともに、側カバー部材42a,42bを折り畳む。
【0102】
また、このとき、前カバー部材41及び側カバー部材42a、42bは、後述するカバー部材懸垂機構6によって、折り畳まれた状態に維持される。
【0103】
さらに、
図7Cに示すように、網戸93が枠体9内で左方向(-X方向)側端から右方向(+X方向)に摺動すると、引張ばね50が、枠体側紐状部材51によって網戸93の摺動距離と同じ距離だけ下方向(-Z方向)に押し下げられて、クランプ部材53に近接する。引張ばね50の押し下げによって、前カバー側紐状部材52c及び側カバー側紐状部材52a,52bにおける弛緩部56に弛緩が発生する。
【0104】
このとき、上記説明したように、第1フレーム30が網戸93側へ引き寄せられることから、網戸93側への第1フレーム30の引き寄せによって、前カバー側紐状部材52cおける弛緩部56にさらに弛緩が発生する。
【0105】
図7Dに示すように、網戸93が枠体9の右縦枠9bに当接すると、クランプ部材53が前カバー側紐状部材52c及び側カバー側紐状部材52a,52bにおける被挟持部55をクランプする。このとき、前カバー側紐状部材52c及び側カバー側紐状部材52a,52bにおける弛緩部56は、最大限弛緩した状態となり、所定の弛緩長さ(例えば、200mm程度)を有している。
【0106】
図7Eに示すように、クランプ部材53が前カバー側紐状部材52c及び側カバー側紐状部材52a,52bをクランプしたままの状態で、網戸93が枠体9内で左方向(-X方向)側端に摺動するに伴い、枠体側紐状部材51が、網戸93の摺動距離と同じ距離だけ引張ばね50を上方向(+Z方向)に引き上げようとするが、引張ばね50の移動はクランプ部材53によって規制される。このため、枠体側紐状部材51によって、引張ばね50が引っ張られて弾性エネルギーを再び蓄える。
【0107】
図7Eにおいて、前カバー側紐状部材52c及び側カバー側紐状部材52a,52bにおける弛緩部56は、最大限弛緩した状態のままである。カバー機構Aの使用例と併せて後に詳述するが、前カバー側紐状部材52cにおける弛緩部56は、前カバー部材41を下段フレーム301から懸垂する際に用いられ、側カバー側紐状部材52a,52bにおける弛緩部56は、側カバー部材42a,42bを第2フレーム31a,31bから懸垂する際に用いられる。
【0108】
上記説明したカバー収縮機構Cを小括すると、カバー収縮機構Cは、フレーム畳み手段2で上カバー部材40を折り畳むことにより、上カバー部10を収縮させる。また、カバー収縮機構Cは、カバー部材折畳手段5で前カバー部材41を折り畳むことにより前カバー部11を収縮させ、カバー部材折畳手段5で側カバー部材42a,42bを折り畳むことにより側カバー部12a、12bを収縮させる。
【0109】
なお、カバー部材折畳手段5は、前カバー部材41及び側カバー部材42a,42bをそれぞれ折り畳む3つの独立した機構、例えば、3つの独立した引張ばね及び3つの独立したクランプ部材を用いた機構から構成されていてもよい。
【0110】
-カバー部材懸垂機構-
カバー部材懸垂機構6は、第2フレーム31a,31bが網戸93側から起立する際に前カバー部材41及び側カバー部材42a,42bを懸垂するものである。これにより、第2フレーム31a,31bの起立に連動させて被保護物Qの前方及び両側方を覆うことができる。以下、カバー部材懸垂機構6の具体的な構成について説明するが、カバー部材懸垂機構6の挙動については、カバー機構Aの使用例と併せて後に詳述する。
【0111】
カバー部材懸垂機構6は、前カバー部材41を懸垂する前カバー部材懸垂機構60と、側カバー部材42a,42bを懸垂する側カバー部材懸垂機構61a,61bと、を含む構成とされている。前カバー部材懸垂機構60は、第1フレーム30における下段フレーム301の内部に配されており(
図8A、
図8B参照)、側カバー部材懸垂機構61a,61bは、第2フレーム31a,31bの内部に配されている(
図9A、
図9B参照)。
【0112】
<前カバー部材懸垂機構>
図8Aは、前カバー部材懸垂機構60が前カバー側紐状部材52cを挟持した状態を示す概略図である。
図8Bは、前カバー部材懸垂機構60が前カバー側紐状部材52cを解放した状態を示す概略図である。なお、
図8A及び
図8Bにおいて、図示の都合上、前カバー部材41の図示を省略している。
【0113】
前カバー部材懸垂機構60は、前底板43に接続された前カバー側紐状部材52cを挟持することにより、前カバー部材41を折り畳まれた状態に維持する(
図8A参照)。前カバー部材懸垂機構60は、前カバー側紐状部材52cを解放することにより、前底板43の自重による前カバー部材41の懸垂を許容する(
図8B参照)。
【0114】
前カバー部材懸垂機構60は、第2フレーム31a,31bが網戸93側から起立する際に、側カバー部材懸垂機構61a,61bから受ける押圧力によって前カバー側紐状部材52cを解放するように構成されている。
【0115】
具体的には、前カバー部材懸垂機構60は、前カバー側紐状部材52cから外方向Deに向かって順に配された、前カバー側紐状部材52cを解放可能に挟持する一対のパッド部材62a,62bと、側カバー部材懸垂機構61a,61bから押圧力を受ける被押圧部材63a,63bと、パッド部材62a,62bを内方向Diに付勢する付勢部材64a,64bと、に加えて、下段フレーム301の底面307の内面側に配された、被押圧部材63a,63bと係合可能な凸状部材65a,65bと、を含む構成とされている(
図8A参照)。
【0116】
パッド部材62a,62bは、それぞれ、前カバー側紐状部材52cに対して高い摩擦力が得られ、グリップ力に優れたゴム材等から形成されている。パッド部材62aは、前カバー側紐状部材52cに対して左方向(-X方向)側に配されており、接続部材66aによって被押圧部材63aに接続されている。パッド部材62bは、前カバー側紐状部材52cに対して右方向(+X方向)側に配されており、接続部材66bによって被押圧部材63bに接続されている。パッド部材62a,62bは、付勢部材64a,64bの付勢力によって、前カバー側紐状部材52cを挟持する。
【0117】
被押圧部材63a,63bは、内方向Di及び外方向Deに沿ってスライド移動可能に設けられている。被押圧部材63a,63bは、下段フレーム301における内側開口部35a,35bから突出した被押圧片67a,67bと、底面側で凸状部材65a,65bと係合可能な凹状切欠68a,68bと、を含む構成とされている。
【0118】
被押圧部材63a,63bは、被押圧片67a,67bで側カバー部材懸垂機構61a,61bから外方向Deに押圧力を受けると、外方向Deに沿ってスライド移動して、接続部材66a,66bを介してパッド部材62a,62bをそれぞれ前カバー側紐状部材52cから引き離す(
図8B参照)。換言すると、パッド部材62a,62bは、外方向De側へスライド移動する被押圧部材63a,63bによって、前カバー側紐状部材52cを解放する。このとき、被押圧部材63a,63bは、凹状切欠68a,68bで凸状部材65a,65bと係合し、被押圧片67a,67bで後述する側カバー部材懸垂機構61a,61bと干渉することにより、外方向De側へスライド移動した状態に維持される。換言すると、被押圧部材63a,63bが凹状切欠68a,68bで凸状部材65a,65bと係合し、被押圧片67a,67bで側カバー部材懸垂機構61a,61bと干渉することにより、パッド部材62a,62bが前カバー側紐状部材52cを解放した状態に維持される。
【0119】
付勢部材64aは、第1端部が下段フレーム301において左方向(-X方向)側の側端面308の内面に係止され、第2端部が被押圧部材63aに係止されている(
図8A参照)。付勢部材64bは、第1端部が下段フレーム301において右方向(+X方向)側の側端面309の内面に係止され、第2端部が被押圧部材63bに係止されている。付勢部材64a,64bは、圧縮ばねから形成されている。
【0120】
凸状部材65a,65bは、正面視略三角形状に形成されており、被押圧部材63a,63bが外方向De側へスライド移動する際に乗り上げ可能な程度の高さを有している。凸状部材65a,65bは、被押圧部材63a,63bが外方向De側へスライド移動した状態において、被押圧部材63a,63bにおける凹状切欠68a,68bと係合する位置に配されている。
【0121】
凸状部材65a,65bと被押圧部材63a,63bとの係合によって、被押圧部材63a,63bが、外方向De側へスライド移動した状態、すなわち、パッド部材62a,62bをそれぞれ前カバー側紐状部材52cから引き離した状態に維持される(
図8B参照)。
【0122】
ところで、凸状部材65a,65bと被押圧部材63a,63bとの係合は、第1フレーム30側へ引き寄せられた前底板43によって解除される。具体的には、前底板43における突起部45a,45bが下段フレーム301における底開口部36a,36bに差し込まれると、被押圧部材63a,63bが突起部45a,45bから上方向(+Z方向)に押圧力を受けて凸状部材65a,65bから離れる。このようにして、凸状部材65a,65bと被押圧部材63a,63bとの係合が解除される。
【0123】
さらに、前底板43における突起部45a,45bが下段フレーム301における底開口部36a,36bに差し込まれることにより、被押圧部材63a,63bが、干渉していた側カバー部材懸垂機構61a,61bの部分を乗り超える。このようにして、被押圧部材63a,63bと側カバー部材懸垂機構61a,61bとの干渉が解除される。
【0124】
凸状部材65a,65bとの係合が解除されかつ側カバー部材懸垂機構61a,61bとの干渉が解除された被押圧部材63a,63bは、付勢部材64a,64bの付勢力によって、内方向Diに沿ってスライド移動するとともに、パッド部材62a,62bが前カバー側紐状部材52cを再び挟持するのを許容する。
【0125】
<側カバー部材懸垂機構>
図9Aは、側カバー部材懸垂機構61aが側カバー側紐状部材52aを挟持した状態を示す概略図である。
図9Bは、側カバー部材懸垂機構61aが側カバー側紐状部材52aを解放した状態を示す概略図である。なお、
図9A及び
図9Bにおいて、図示の都合上、側カバー部材42aの図示を省略している。以下、一方の側カバー部材懸垂機構61aを図示する
図9A及び
図9Bを用いて説明するが、他方の側カバー部材懸垂機構61bは、側カバー側紐状部材52bを挟持及び解放する点を除き、図示された側カバー部材懸垂機構61aと左右対称の構成となっている。
【0126】
側カバー部材懸垂機構61a,61bは、側底板46a,46bに接続された側カバー側紐状部材52a,52bを挟持することにより、側カバー部材42a,42bを折り畳まれた状態に維持する(
図9A参照)。側カバー部材懸垂機構61a,61bは、側カバー側紐状部材52a,52bを解放することにより、側底板46a,46bの自重による側カバー部材42a,42bの懸垂を許容する(
図9B参照)。側カバー部材懸垂機構61a,61bは、第2フレーム31a,31bが網戸93側から起立する際に、第2フレーム31a,31bにおける連結部38の軸部380から受ける押圧力によって側カバー側紐状部材52a,52bを解放するように構成されている。
【0127】
側カバー部材懸垂機構61a,61bは、側カバー側紐状部材52a,52bを解放可能に挟持するピンセット状部材610と、ピンセット状部材610を閉じるための付勢部材611と、第2フレーム31aにおける連結部38の軸部380から押圧力を受ける被押圧部材612と、被押圧部材612と係合可能な凸状部材613と、前カバー部材懸垂機構60を押圧する押圧部材69と、を含む構成とされている。
【0128】
ピンセット状部材610は、側カバー側紐状部材52aに対して倒伏方向Rd側で可動する可動挟込板614と、側カバー側紐状部材52aに対して起立方向Ru側で固定された固定挟込板615と、を含む構成とされている。可動挟込板614の先端部が起立方向Ru側へ移動すると、ピンセット状部材610が閉じて側カバー側紐状部材52aを挟持する。可動挟込板614の先端部が倒伏方向Rd側へ移動すると、ピンセット状部材610が開いて側カバー側紐状部材52aを解放する。可動挟込板614の先端部は、被押圧部材612に取り付けられている。
【0129】
付勢部材611は、第1端部が第2フレーム31aにおいて倒伏方向Rd側の側面313の内面に係止され、第2端部が被押圧部材612に係止されている。付勢部材611は、圧縮ばねから形成されている。付勢部材611は、被押圧部材612を介してピンセット状部材610における可動挟込板614の先端部を起立方向Ruに付勢することにより、ピンセット状部材610を閉じる。
【0130】
被押圧部材612は、連結部38の軸部380に対して倒伏方向Rd側において、第2フレーム31aの揺動方向Raに沿ってスライド移動可能に設けられている。被押圧部材612は、連結部38の軸部380側で軸部380の外形に沿って湾曲した被押圧面616と、第2フレーム31aの先端側方側で凸状部材613と係合可能な凹状切欠617と、を含む構成とされている。
【0131】
被押圧部材612は、被押圧面616で連結部38の軸部380から倒伏方向Rdに押圧力を受けると、倒伏方向Rd側へスライド移動して、ピンセット状部材610における可動挟込板614の先端部を固定挟込板615から引き離す(
図9B参照)。換言すると、被押圧部材612は、連結部38の軸部380から倒伏方向Rdに受ける押圧力によって、ピンセット状部材610を開く。
【0132】
凸状部材613は、板材に平面視略三角形状の凸形状を加えた形状に形成されており、被押圧部材612が倒伏方向Rd側へスライド移動した状態において、被押圧部材612における凹状切欠617と係合する位置に配されている(
図9A参照)。また、凸状部材613は、被押圧部材612に対して退避可能に設けられている。
【0133】
凸状部材613と被押圧部材612との係合によって、被押圧部材612が、倒伏方向Rd側へスライド移動した状態に維持される。換言すると、凸状部材613は、ピンセット状部材610を、開いた状態に維持する。
【0134】
押圧部材69は、縦方向Zに沿う揺動軸部690周りの揺動方向αに揺動可能に設けられており、揺動軸部690から延びて第2フレーム31aにおける先端開口部316から突出する押圧片691と、揺動軸部690から倒伏方向Rdに沿って突出し、接続部材618によって凸状部材613に接続された接続片692と、を含む構成とされている。押圧片691は、上記説明した被押圧部材63a,63bにおける被押圧片67a,67bと干渉する部分である。
【0135】
押圧部材69は、押圧片691で内方向Di側から力を受けると、揺動方向αに揺動する。
【0136】
ところで、凸状部材613と被押圧部材612との係合は、押圧部材69によって解除される。具体的には、押圧部材69が、押圧片691で前カバー部材懸垂機構60における被押圧部材63a,63bから内方向Di側から力を受けると、揺動軸部690周りに揺動方向αに揺動する。押圧部材69が、揺動方向αへの揺動に伴い、接続片692で接続部材618を介して凸状部材613を被押圧部材612から退避する方向に引っ張る。このようにして、凸状部材613と被押圧部材612との係合が解除される。
【0137】
凸状部材613との係合が解除された被押圧部材612は、付勢部材611の付勢力によって、起立方向Ruに沿ってスライド移動するとともに、ピンセット状部材610が再び閉じるのを許容する。
【0138】
-ターンテーブル機構-
図10は、ターンテーブル機構7の全体の構成を示す平面概略図である。
図11は、伝動部材72がベルト部材71に差し込まれた状態を示す概略図である。
【0139】
ターンテーブル機構7は、網戸93の摺動に連動して被保護物Qを回転させるものであり、被保護物Qが載置可能なターンテーブル本体70と、ターンテーブル本体70を回転させるベルト部材71と、網戸93の摺動をベルト部材71に伝達する伝動部材72と、を含む構成とされている(
図10参照)。
【0140】
ターンテーブル本体70は、天面が屋外床Fと略同じ高さになるように配されている。ターンテーブル本体70の外周部には、ベルト部材71と噛合する図示しないギア歯が形成されている。
【0141】
ベルト部材71は、図示しない滑車群に巻掛されており、周回移動可能に設けられている。ベルト部材71は、全体として網戸93よりも大きい幅を有している。ベルト部材71の外周部には、一定のピッチで形成された複数の歯形溝73が形成されている(
図11参照)。
【0142】
伝動部材72は、下方向(-Z方向)に開口する形状に形成されており、網戸93側から吊り下げられている。伝動部材72は、下降してベルト部材71の歯形溝73の間に差し込まれることによりベルト部材71と係合する。伝動部材72は、上昇してベルト部材71から離れることによりベルト部材71との係合を解除する。
【0143】
伝動部材72がベルト部材71と係合した状態で網戸93が右方向(+X方向)に摺動すると、網戸93の摺動が伝動部材72によってベルト部材71に伝達されることにより、ベルト部材71が平面視時計回りに移動する。ベルト部材71の移動に伴い、ターンテーブル本体70が平面視反時計回りに回転し、ひいては、ターンテーブル本体70上の被保護物Qが回転する。
【0144】
本実施形態において、網戸93が枠体9内で左方向(-X方向)側端から右方向(+X方向)側端まで摺動すると、ターンテーブル本体70が180度回転するように、ターンテーブル本体70及びベルト部材71間のギア比が設定されている。
【0145】
このようにして、ターンテーブル機構7は、網戸93の摺動に連動して被保護物Qを回転させる。
【0146】
このようなターンテーブル機構7によって、例えば、被保護物Qが履物である場合、ユーザが屋外から屋内に入る際にターンテーブル本体70上で履物をユーザの進行方向(網戸93を向く方向)のままに脱いだとしても、網戸93を右方向(+X方向)に摺動させるという作業を以って、被保護物Qである履物を、ユーザが次に屋内から屋外に出る際にユーザの進行方向(網戸93に背く方向)のままに履きやすい向きに回転することができる。
【0147】
-操作部-
図12は、操作部8の全体の構成を示す概略図である。
図13は、押釦部80の内部構造を示す概略図である。
図14は、フレームロック部94a,94bに取り付けられた接続部材800,801を示す概略図である。
図15は、取手部81が引き下げ操作を受けた状態を示す概略図である。
図16は、
図15のA-A断面図である。
【0148】
操作部8は、ユーザから屋内側で操作を受けるものであり、ユーザが押し操作可能に構成された押釦部80と、ユーザが手掛可能かつ引き下げ操作可能に構成された取手部81と、取手部81を引き下げた状態に解放可能に保持する取手ロック部82と、を含む構成とされている。押釦部80及び取手部81は、屋内側において網戸93の左縦框93aに設けられている(
図12参照)。
【0149】
押釦部80は、ユーザからの操作を受けるとフレームロック部94a,94bに第1フレーム30を解放させるように構成されている。
【0150】
押釦部80の裏面側には、上方に曲がるように突出した接続部材引掛部83が設けられている(
図13参照)。接続部材引掛部83には、接続部材800,801の第1端部が引っ掛けられている。接続部材引掛部83は、例えば、先端部にテレスコピック構造等を用いて、ユーザからの押釦部80での押し操作に応じて、接続部材800,801を引っ張るように構成されている。
【0151】
接続部材800の第2端部は、フレームロック部94aの左方向(-X方向)側部に取り付けられており、接続部材801の第2端部は、フレームロック部94bの右方向(+X方向)側部に取り付けられている(
図14参照)。押釦部80がユーザからの押し操作を受けると、接続部材800によってフレームロック部94aが左方向(-X方向)側方から引っ張られて第1フレーム30から離れる方向に揺動するとともに、接続部材801によってフレームロック部94bが右方向(+X方向)側方から引っ張られて第1フレーム30から離れる方向に揺動する。
【0152】
このようにして、押釦部80は、ユーザからの操作を受けるとフレームロック部94a,94bに第1フレーム30を解放させる。
【0153】
取手部81は、ユーザから引き下げ操作を受けると、カバー収縮機構Cのカバー部材折畳手段5におけるクランプ部材53に前カバー側紐状部材52c及び側カバー側紐状部材52a,52bを解放させるように構成されている(
図12、
図15参照)。これとともに、取手部81は、ターンテーブル機構7における伝動部材72をベルト部材71と係合させるように構成されている。
【0154】
取手部81は、矩形状の外形を有しており、屋内側に向けて開口する矩形箱状のホルダ84内で縦方向Zにスライド移動可能に設けられている(
図12、
図15参照)。取手部81は、付勢部材86によって上方向(+Z方向)に付勢されている。付勢部材86は、第1端部が取手部81の底面に係止され、第2端部がホルダ84の底面の内面に係止されている。取手部81の左方向(-X方向)側端縁には、取手ロック部82が係合可能な凹状切欠85が設けられている。付勢部材86は、圧縮ばねから形成されている。
【0155】
取手部81は、接続部材810,811によってクランプ部材53における嵌め部材532,533に接続されている(
図12参照)。取手部81は、ユーザから引き下げ操作を受けると、接続部材810,811を介して嵌め部材532,533を押し下げる。嵌め部材532,533が取手部81によって押し下げられて受け部材530,531から脱け出すことにより、クランプ部材53が前カバー側紐状部材52c及び側カバー側紐状部材52a,52bを解放する(
図15参照)。
【0156】
このようにして、取手部81は、クランプ部材53に前カバー側紐状部材52c及び側カバー側紐状部材52a,52bを解放させる。
【0157】
上記説明したように、クランプ部材53が前カバー側紐状部材52c及び側カバー側紐状部材52a,52bを解放すると、引張ばね50の弾性エネルギーによって、前カバー部材41が第1フレーム30側へ引き寄せられるともに、側カバー部材42a,42bにおける下端部の側底板46a,46bが第2フレーム31a,31b側へ引き寄せられる。換言すると、取手部81は、ユーザから引き下げ操作を受けると、引張ばね50による前底板43の引き寄せ及び側底板46a,46bの引き寄せを許容し、ひいては、前カバー部材41の折り畳み及び側カバー部材42a,42bの折り畳みを許容するように構成されている。
【0158】
このような取手部81によって、屋内側から、側カバー部材42a,42bを折り畳み、さらには、側カバー部12a,12bを収縮させることができる。側カバー部12a,12bの収縮によって、網戸93が摺動する際に側カバー部12a,12bが被保護物Qに干渉する事態が回避されることから、屋内側から網戸93を摺動させることでカバー機構Aを被保護物Qから退避させることが可能となる。このようにして、屋内側から被保護物Qを露出させることが可能になるという効果が生じる。
【0159】
また、取手部81は、ロッド部材812によってターンテーブル機構7における伝動部材72に接続されている(
図12、
図15参照)。ロッド部材812は、例えば、ステンレス等の金属材から形成されている。取手部81は、ユーザから引き下げ操作を受けると、ロッド部材812を介して伝動部材72をベルト部材71に下降させる。下降した伝動部材72がベルト部材71と係合する。
【0160】
このようにして、取手部81は、ターンテーブル機構7における伝動部材72をベルト部材71と係合させる。
【0161】
取手ロック部82は、枠体9の右縦枠9bに当接可能に網戸93の右方向(+X方向)側端から突出する被当接板87と、第1端部が被当接板87に取り付けられ、網戸93内を通って第2端部が取手部81側に回り込むパイプ状部材88と、を含む構成とされている(
図12、
図15、
図16参照)。取手ロック部82は、付勢部材89によって右方向(+X方向)に付勢されており、枠体9の右縦枠9bに当接することにより左方向(-X方向)に押し込まれる。
【0162】
パイプ状部材88の第2端部は、取手部81が引き下げられた状態において、取手部81における凹状切欠85と係合する位置に配されている。
【0163】
取手部81がユーザからの引き下げ操作を受けると、取手ロック部82におけるパイプ状部材88が、一時的に取手部81から押し退けられた後に、付勢部材89の付勢力によって取手部81における凹状切欠85と係合する(
図15参照)。取手ロック部82と取手部81との係合によって、取手部81が、引き下げられた状態に保持される。
【0164】
このようにして、取手ロック部82は、取手部81を引き下げた状態に保持する。
【0165】
また、取手ロック部82における被当接板87が枠体9の右縦枠9bに当接して左方向(-X方向)に押し込まれると、パイプ状部材88が取手部81から退避することにより、取手ロック部82と取手部81との係合が解除される。
【0166】
このようにして、取手ロック部82は、取手部81を解放する。
【0167】
取手部81は、取手ロック部82から解放されると、付勢部材86の付勢力によって接続部材810,811を介して嵌め部材532,533を引き上げる。嵌め部材532,533が取手部81から引き上げられて受け部材530,531に嵌め込まれることにより、クランプ部材53が前カバー側紐状部材52c及び側カバー側紐状部材52a,52bにおける被挟持部55を挟持する(
図12参照)。
【0168】
また、取手部81は、取手ロック部82から解放されると、ロッド部材812を介して伝動部材72を上昇させて伝動部材72とベルト部材71との係合を解除する。
【0169】
なお、カバー部Bの構成が、上カバー部10及び側カバー部12a,12bといった組み合わせで構成されていた場合であっても、上記説明した、屋内側から被保護物Qを露出させることが可能になるという効果に何ら変わりはない。
【0170】
また、取手部81の構成は、上記に限られず、例えば、クランプ部材53に前カバー側紐状部材52c及び側カバー側紐状部材52a,52bを解放させる構造と、ターンテーブル機構7における伝動部材72を下降してベルト部材71と係合させる構造と、を独立して設けてもよい。
【0171】
-カバー機構の使用例-
図17は、ユーザが屋内から屋外に出ようとするときのカバー機構Aの状態を示す概略図である。
図18は、ユーザが取手部81を引き下げたときの取手部81の挙動を示す概略図である。なお、
図18において、引張ばね50の図示を省略している。
図19は、前カバー側紐状部材52cが解放されたときの前底板43の挙動を示す概略図である。
図20は、前底板43が第1フレーム30側へ引き寄せられたときの前カバー部材懸垂機構60の挙動を示す概略図である。
図21は、側カバー側紐状部材52aがクランプ部材53から解放されたときの側底板46aの挙動を示す概略図である。
図22は、前カバー部材41及び側カバー部材42a,42bが折り畳まれた後の前カバー部材懸垂機構60及び側カバー部材懸垂機構61aの位置関係を示す概略図である。
【0172】
図23は、前カバー部材41及び側カバー部材42a,42bが折り畳まれた後のカバー機構Aの状態を示す概略図である。
図24は、ユーザが網戸93を右方向に摺動させるときのカバー機構Aの状態を示す概略図である。
図25は、
図24に示す状態からユーザがさらに網戸93を右方向に摺動させたときのカバー機構Aの状態を示す概略図である。なお、
図25において、上カバー部材40の図示を省略している。
図26は、第2フレーム31aが倒伏するときの側カバー部材懸垂機構61aの挙動を示す概略図である。
図27は、第2フレーム31aが倒伏したときのピンセット状部材610の挙動を示す概略図である。
図28は、ユーザが網戸93を枠体9内で右方向側端まで摺動させたときのカバー機構Aの状態を示す概略図である。
図29は、ユーザが網戸93を枠体9内で右方向側端まで摺動させたときの取手部81及び取手ロック部82の挙動を示す概略図である。
図30は、ユーザが網戸93を右方向に摺動させるときのターンテーブル機構7の挙動を示す概略図である。なお、
図30において、被保護物Qの図示を省略している。
【0173】
図31は、ユーザが網戸93を枠体9内で左方向側端まで摺動させたときの取手部81及び取手ロック部82の挙動を示す概略図である。
図32は、ユーザが押釦部80を押したときの押釦部80の挙動を示す概略図である。
図33は、ユーザが押釦部80を押したときのフレームロック部94a,94bの挙動を示す概略図である。なお、
図33において、フレーム付勢部材Sa,Sbの図示を省略している。
図34は、第2フレーム31aが起立するときの前カバー部材懸垂機構60及び側カバー部材懸垂機構61aの位置関係を示す概略図である。
図35は、第2フレーム31aが起立するときの前カバー部材懸垂機構60の挙動を示す概略図である。なお、
図35において、前カバー部材41の図示を省略している。
図36は、第2フレーム31aが起立するときの側カバー部材懸垂機構61aの挙動を示す概略図である。
図37は、
図36に示す状態からさらに第2フレーム31aが起立したときの側カバー部材懸垂機構61aの挙動を示す概略図である。
図36及び
図37において、第1フレーム30における上段フレーム300の被連結部32aの輪郭を太い二点鎖線で示している。
図38は、側カバー側紐状部材52aが側カバー部材懸垂機構61aにおけるピンセット状部材610から解放されたときの側底板46aの挙動を示す概略図である。なお、
図38において、側カバー部材42aの図示を省略している。
【0174】
続いて、
図17~
図38を用いて、上記説明したカバー機構Aの具体的な使用例とともに、カバー機構Aの各部による一連の動作について説明する。以下の使用例において、被保護物Qを、スリッパ等の履物とする。
【0175】
<初期状態>
図17に示すように、網戸93が枠体9内で左方向(-X方向)側端に位置している場合において、第1フレーム30は、網戸93から離れた状態となっており、第2フレーム31a,31bは、網戸93側から起立した状態となっている。また、前カバー部材41は、第1フレーム30における下段フレーム301から懸垂した状態となっており、側カバー部材42a,42bは、第2フレーム31a,31bから懸垂した状態となっている。カバー収縮機構Cのフレーム畳み手段2において、紐状部材20の弛緩部27は、最大限弛緩した状態となっている。カバー部材折畳手段5において、引張ばね50は、引っ張られて弾性エネルギーを蓄えた状態となっており、クランプ部材53は、前カバー側紐状部材52c及び側カバー側紐状部材52a,52bを挟持した状態となっている。
【0176】
また、図示しないが、ターンテーブル機構7のターンテーブル本体70上には、ユーザが前回屋外から屋内に入ったときにユーザの進行方向(網戸93を向く方向)のままに脱いだ履物が載置されている。
【0177】
<屋内から屋外に出る場合>
ユーザは、屋内から屋外に出ようとするとき、まず、
図18の矢印(1)に示すように、操作部8における取手部81を引き下げる。
【0178】
取手部81が引き下げられることにより、
図18の矢印(2)に示すように、カバー部材折畳手段5におけるクランプ部材53が前カバー側紐状部材52c及び側カバー側紐状部材52a,52bを解放し、
図18の矢印(3)に示すように、ターンテーブル機構7における伝動部材72がベルト部材71と係合する。
【0179】
図18の矢印(4)に示すように、前カバー側紐状部材52c及び側カバー側紐状部材52a,52bが引張ばね50の弾性エネルギーによって枠体9側へ引き寄せられる。
【0180】
続いて、
図19の矢印(5)に示す枠体9側への前カバー側紐状部材52cの引き寄せによって、
図19の矢印(6)に示すように、前底板43が第1フレーム30における下段フレーム301側へ引き寄せられる。このようにして、前カバー部材41が折り畳まれる。
【0181】
前底板43の引き寄せによって、
図19に示すように、前底板43における突起部45a,45bが下段フレーム301における底開口部36a,36bに差し込まれる。突起部45a,45bからの押圧力によって、
図19の矢印(7)に示すように、前カバー部材懸垂機構60において、被押圧部材63a,63bが凸状部材65a,65bから離れ、凸状部材65a,65bと被押圧部材63a,63bとの係合が解除される。
【0182】
さらに、被押圧部材63a,63bが、側カバー部材懸垂機構61a,61bにおける押圧片691を乗り超え、被押圧部材63a,63bと側カバー部材懸垂機構61a,61bとの干渉が解除される。
【0183】
図20の矢印(8)に示すように、被押圧部材63a,63bが付勢部材64a,64bの付勢力によって再び内方向Diに沿ってスライド移動し、パッド部材62a,62bが前カバー側紐状部材52cを再び挟持する。このようにして、前カバー部材41が折り畳まれた状態に維持される。
【0184】
また、
図21の矢印(9)に示す側カバー側紐状部材52aの引き寄せによって、
図21の矢印(10)に示すように、側底板46aが第2フレーム31a側へ引き寄せられる。このようにして、側カバー部材42aが折り畳まれる。図示しないが、側カバー側紐状部材52bの引き寄せによって、側カバー部材42bも同様に折り畳まれる。
【0185】
この時点で、
図22に示す前カバー部材懸垂機構60及び側カバー部材懸垂機構61aの位置関係のように、前カバー部材懸垂機構60における被押圧部材63aの被押圧片67aは、側カバー部材懸垂機構61aにおける押圧部材69の押圧片691に対して内方向Di側方に位置している。図示しないが、前カバー部材懸垂機構60及び側カバー部材懸垂機構61bの位置関係も同様である。
【0186】
ここまでの手順が完了したカバー機構Aの各部の状態を、
図23に示す。このとき、フレーム畳み手段2における紐状部材20の弛緩部27は、最大限弛緩したままである。
【0187】
次に、
図24の矢印(11)に示すように、ユーザが屋内側から網戸93を右方向(+X方向)に摺動させる。ユーザが網戸93を枠体9内で左方向(-X方向)側端から600mm程度摺動させると、
図24に示すように、フレーム畳み手段2における紐状部材20の弛緩部27の弛緩が完全に取れる。
【0188】
さらに、
図25の矢印(12)に示すように、ユーザが網戸93をさらに右方向(+X方向)に摺動させると、
図25の矢印(13)に示すように、紐状部材20の終端部23に接続された第1フレーム30が網戸93側へ引き寄せられる。第1フレーム30の引き寄せによって、上カバー部材40が折り畳まれ、ひいては、上カバー部10が収縮する。
【0189】
また、このとき、
図25に示すように、カバー部材折畳手段5における前カバー側紐状部材52c及び側カバー側紐状部材52a,52bの弛緩部56に弛緩が発生する。
【0190】
第1フレーム30の引き寄せによって、
図26の矢印(14)に示すように、第2フレーム31aが網戸93側へ倒伏する。図示しないが、第2フレーム31bも同様に網戸93側へ倒伏する。
【0191】
また、
図26に示すように、第2フレーム31aの倒伏によって、側カバー部材懸垂機構61aにおける押圧部材69の押圧片691が内方向Diに沿って前カバー部材懸垂機構60における被押圧部材63aの被押圧片67aに当接する。
図26の矢印(15)に示すように、側カバー部材懸垂機構61aにおける押圧部材69が、前カバー部材懸垂機構60における被押圧部材63aから内方向Di側から力を受けて揺動方向αに揺動する。
【0192】
押圧部材69の揺動によって、
図26の矢印(16)に示すように、凸状部材613が被押圧部材612から退避する方向に引っ張られて、凸状部材613と被押圧部材612との係合が解除される。
図26の矢印(17)に示すように、凸状部材613との係合が解除された被押圧部材612が起立方向Ruに沿ってスライド移動する。付勢部材611の付勢力によって、
図27の矢印(18)に示すように、ピンセット状部材610が再び閉じて、側カバー側紐状部材52aを再び挟持する。図示しないが、側カバー部材懸垂機構61bにおけるピンセット状部材610も同様に側カバー側紐状部材52bを再び挟持する。このようにして、側カバー部材42a,42bが折り畳まれた状態に維持される。
【0193】
やがて、
図28に示すようにユーザが網戸93を枠体9内で右方向(+X方向)側端まで摺動させると、
図29の矢印(19)に示すように、操作部8における取手ロック部82の被当接板87が枠体9の右縦枠9bに当接して、
図29の矢印(20)に示すように、パイプ状部材88が取手部81から退避する。付勢部材86の付勢力によって、
図29の矢印(21)に示すように、取手部81が上方向(+Z方向)に移動する。取手部81が、
図29の矢印(22)に示すように、接続部材810,811を介してカバー部材折畳手段5における嵌め部材532,533を引き上げるとともに、
図29の矢印(23)に示すように、ロッド部材812を介してターンテーブル機構7における伝動部材72を上昇させる。このようにして、クランプ部材53が前カバー側紐状部材52c及び側カバー側紐状部材52a,52bを再び挟持するとともに、伝動部材72とベルト部材71との係合が解除される。
【0194】
このとき、
図28に示すように、カバー部材折畳手段5における前カバー側紐状部材52c及び側カバー側紐状部材52a,52bの弛緩部56は、最大限弛緩した状態となっている。
【0195】
また、ユーザが網戸93を枠体9内で左方向(-X方向)側端から右方向(+X方向)側端まで摺動させるまでの間、
図30の矢印(24)に示す網戸93の摺動が、ターンテーブル機構7における伝動部材72によってベルト部材71に伝達されて、
図30の矢印(25)に示すように、ベルト部材71が平面視時計回りに移動する。ベルト部材71の移動に伴い、
図30の矢印(26)に示すように、ターンテーブル本体70が平面視反時計回りに回転する。このようにして、被保護物Qである履物が、ユーザの進行方向(網戸93に背く方向)のままに履きやすい向きとなる。
【0196】
このようにして、カバー機構Aを用いて屋内側から被保護物Qを露出させることができる。
【0197】
<屋外から屋内に入る場合>
ユーザは、屋外から屋内に入るとき、まず、ターンテーブル機構7におけるターンテーブル本体70上に被保護物Qである履物をユーザの進行方向(網戸93を向く方向)のままに脱ぐ。ユーザは、屋内に入り、屋内側から網戸93を枠体9内で右方向(+X方向)側端から左方向(-X方向)側端まで摺動させる。
【0198】
図31の矢印(1)に示すように、カバー部材折畳手段5における引張ばね50が弾性エネルギーを蓄えた状態となる。前カバー側紐状部材52c及び側カバー側紐状部材52a,52bにおける弛緩部56は、最大限弛緩した状態のままである。
【0199】
続いて、ユーザは、操作部8における押釦部80を押す。ユーザによる押釦部80の押し操作によって、
図32の矢印(2)に示すように、接続部材800,801が押釦部80によって引っ張られる。
【0200】
図33の矢印(3)に示すように、接続部材800によってフレームロック部94aが左方向(-X方向)側方から引っ張られて、
図33の矢印(4)に示すように、第1フレーム30から離れる方向に揺動する。同様に、
図33の矢印(5)に示すように、接続部材801によってフレームロック部94bが右方向(+X方向)側方から引っ張られて、
図33の矢印(6)に示すように、第1フレーム30から離れる方向に揺動する。フレームロック部94a,94bから解放された第1フレーム30が、フレーム付勢部材Sa,Sbの付勢力によって、
図33の矢印(7)に示すように、網戸93から離れる。
【0201】
第1フレーム30が網戸93から離れることにより、
図34の矢印(8)に示すように、第2フレーム31aが網戸93側から起立する。図示しないが、第2フレーム31bも同様に網戸93側から起立する。
【0202】
また、第2フレーム31aの起立によって、側カバー部材懸垂機構61aにおける押圧部材69の押圧片691が前カバー部材懸垂機構60における被押圧部材63aの被押圧片67aに内方向Diから当接する。図示しないが、側カバー部材懸垂機構61bにおける押圧部材69の押圧片691も同様に、被押圧部材63bの被押圧片67bに内方向Diから当接する。
【0203】
側カバー部材懸垂機構61aにおける押圧部材69から当接された被押圧部材63aが、
図34の矢印(9)に示すように、外方向Deにスライド移動する。図示しないが、前カバー部材懸垂機構60における被押圧部材63bも、同様に外方向Deにスライド移動する。
【0204】
図35の矢印(10)に示すように、前カバー部材懸垂機構60における被押圧部材63a,63bが接続部材66a,66bを介してパッド部材62a,62bをそれぞれ前カバー側紐状部材52cから引き離す。
【0205】
このようにして、前カバー部材懸垂機構60は、第2フレーム31a,31bが網戸93側から起立する際に、側カバー部材懸垂機構61a,61bから受ける押圧力によって前カバー側紐状部材52cを解放する。
【0206】
前カバー側紐状部材52cが解放されることにより、
図35の矢印(11)に示すように、前底板43の自重によって前カバー部材41が懸垂される。このとき、
図28に示した、前カバー側紐状部材52cにおける弛緩部56が、前カバー部材41を懸垂するために用いられる。前カバー部材41が懸垂されることにより、前カバー側紐状部材52cにおける弛緩部56の弛緩が完全に取れる。
【0207】
図36に示すように、第2フレーム31aの起立によって、第2フレーム31aにおける連結部38の軸部380が、第1フレーム30における上段フレーム300の被連結部32aにおいて外方向De側の内周壁面端部33aに当接する。ここから、さらに第2フレーム31aが起立すると、
図37の矢印(12)に示すように、連結部38の軸部380が上段フレーム300における被連結部32aの内周壁面端部33aから押圧力を受けて、ガイド穴317に沿って倒伏方向Rd側へ移動する。
図37の矢印(13)に示すように、側カバー部材懸垂機構61aにおける被押圧部材612が連結部38の軸部380から倒伏方向Rdに押圧力を受けて、
図37の矢印(14)に示すように、ピンセット状部材610を開く。側カバー部材懸垂機構61aにおけるピンセット状部材610が開くことにより、側カバー側紐状部材52aが解放される。図示しないが、側カバー部材懸垂機構61bにおいても、同様に側カバー側紐状部材52bが解放される。
【0208】
このようにして、側カバー部材懸垂機構61a,61bは、第2フレーム31a,31bが網戸93側から起立する際に、第2フレーム31a,31bにおける連結部38の軸部380から受ける押圧力によって側カバー側紐状部材52a,52bを解放する。
【0209】
側カバー側紐状部材52aが解放されることにより、
図38の矢印(15)に示すように、側底板46aの自重によって側カバー部材42aが懸垂される。図示しないが、側カバー部材42bも同様に懸垂される。このとき、
図28に示した、側カバー側紐状部材52a,52bにおける弛緩部56が、側カバー部材42a,42bを懸垂するために用いられる。側カバー部材42a,42bが懸垂されることにより、側カバー側紐状部材52a,52bにおける弛緩部56の弛緩が完全に取れる。
【0210】
このようにして、カバー部材懸垂機構6は、第2フレーム31a,31bが網戸93側から起立する際に前カバー部材41及び側カバー部材42a,42bを懸垂する。
【0211】
上記説明したように、電気的な回路を用いずに、機械的構成のみでカバー機構Aを実現することができる。
【0212】
上記の実施形態及び実施例はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。従って、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態及び実施例のみにより解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0213】
A カバー機構
B カバー部
10 上カバー部
11 前カバー部
12a,12b 側カバー部
3 フレーム体
30 第1フレーム
300 上段フレーム
301 下段フレーム
31a,31b 第2フレーム
4 カバー部材
40 上カバー部材
41 前カバー部材
42a,42b 側カバー部材
C カバー収縮機構
2 フレーム畳み手段
20 紐状部材
21 始端部
22 中間部
23 終端部
5 カバー部材折畳手段
50 引張ばね
51 枠体側紐状部材
52a,52b 側カバー側紐状部材
52c 前カバー側紐状部材
53 クランプ部材
6 カバー部材懸垂機構
7 ターンテーブル機構
8 操作部
9 枠体
93 網戸
302 内側面
303 底面
304 側端面
305 側端面
Q 被保護物
X 横方向
Z 縦方向