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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111445
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】ヒートシンク
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/36 20060101AFI20230803BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20230803BHJP
【FI】
H01L23/36 Z
H05K7/20 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022013309
(22)【出願日】2022-01-31
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成30年度、国立研究開発法人科学技術振興機構、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期「IoE社会のエネルギーシステム」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000004743
【氏名又は名称】日本軽金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 誠一朗
(72)【発明者】
【氏名】安在 英司
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AB01
5E322AB05
5E322AB06
5E322FA06
5F136BA04
5F136BA14
5F136BA38
5F136BC05
5F136DA27
5F136EA02
5F136EA23
5F136FA02
5F136FA03
5F136GA06
5F136GA11
(57)【要約】
【課題】放熱性の高いヒートシンクを提供する。
【解決手段】パワーモジュールを冷却するためのヒートシンク1において、被冷却体に設置される土台部10と、土台部10から起立する複数のフィン30とを備えている。フィン30は、当該フィン30の高さ方向に並ぶ複数の中空部31を有している。中空部31は、冷却媒体の流動方向に連通していることを特徴とする。各フィン30,30同士は、所定の間隔をあけて配置されている。フィン30と土台部10とは、それぞれ別部材で形成され互いに接合されており、フィン30は、押出形材にて構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワーモジュールを冷却するためのヒートシンクにおいて、
被冷却体に設置される土台部と、前記土台部から起立する複数のフィンとを備え、
前記フィンは、当該フィンの高さ方向に並ぶ複数の中空部を有し、
前記中空部は、冷却媒体の流動方向に連通している
ことを特徴とするヒートシンク。
【請求項2】
各フィン同士は、所定の間隔をあけて配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載のヒートシンク。
【請求項3】
前記フィンと前記土台部とは、それぞれ別部材で形成され互いに接合されており、
前記フィンは、押出形材にて構成されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のヒートシンク。
【請求項4】
前記フィンは、前記土台部にカシメにより接合されている
ことを特徴とする請求項3に記載のヒートシンク。
【請求項5】
前記フィンの前記土台部との接合側端部は、断面H字形状を呈しており、前記土台部に形成された突条に装着されている
ことを特徴とする請求項4に記載のヒートシンク。
【請求項6】
前記フィンはアルミニウム合金にて構成され、前記土台部は銅にて構成されている
ことを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか一項に記載のヒートシンク。
【請求項7】
前記中空部は、矩形断面である
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のヒートシンク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワーモジュール等の冷却に使用されるヒートシンクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パワーモジュール冷却用のヒートシンクには、熱伝導性の良い銅やアルミニウム(アルミニウム合金を含む)が使用されていた。アルミニウムは銅より熱伝導性は劣るものの加工性に優れ、軽量であることから多く用いられている。ヒートシンクの形状としては、土台に複数のフィンが立設されたものが知られている(例えば特許文献1,2参照)。特許文献1のヒートシンクは、フィンの端面に格子状の立上り部が形成されており、表面積を大きくすることで熱伝導性が高められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】意匠登録第823716号公報
【特許文献2】意匠登録第957514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、パワーモジュールの高性能化と小型化に対する要求が高まってきている。そのためヒートシンクにもより高い放熱性が要求されるようになっている。
このような観点から本発明では、放熱性の高いヒートシンクを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための本発明は、パワーモジュールを冷却するためのヒートシンクにおいて、被冷却体に設置される土台部と、前記土台部から起立する複数のフィンとを備え、前記フィンは、当該フィンの高さ方向に並ぶ複数の中空部を有し、前記中空部は、冷却媒体の流動方向に連通していることを特徴とする。
本発明のヒートシンクによれば、フィンに中空部を設けることにより、フィンの表面積が大きくなり、フィンの外側だけでなく内側からも放熱できるので、放熱性が高くなる。
【0006】
本発明のヒートシンクにおいては、各フィン同士は、所定の間隔をあけて配置されているものが好ましい。このような構成によれば、フィンの間における冷媒の流動がスムーズになり、放熱性がより一層高くなる。
【0007】
また、本発明のヒートシンクにおいて、前記フィンと前記土台部とは、それぞれ別部材で形成され互いに接合されており、前記フィンは、押出形材にて構成されているものが好ましい。このような構成によれば、フィンおよび土台部がそれぞれ平板状で簡単な形状となり、製造が容易になる。
【0008】
さらに、本発明のヒートシンクにおいて、前記フィンは、前記土台部にカシメにより接合されているものが好ましい。機械的接合(カシメ)を行うことでフィンおよび土台部を簡便に接合できる。
【0009】
本発明のヒートシンクにおいて、前記フィンの前記土台部との接合側端部は、断面H字形状を呈しており、前記土台部に形成された突条に装着されているものが好ましい。このような構成によれば、フィンの下端部が二股状になっているので、フィンを二か所で土台部にカシメ接合することができ、フィンと土台部との密着性を高めることができる。これによって、フィンと土台部との接合強度を高めることができるとともに、熱伝導性を高めることができる。
【0010】
また、本発明のヒートシンクにおいて、前記フィンはアルミニウム合金にて構成され、前記土台部は銅にて構成されているものが好ましい。このような構成によれば、フィンを成形性に優れたアルミニウム合金にて構成することで中空部を有する複雑な形状を成形し易く、土台部を銅にて構成することで熱の拡散性が高くなる。
【0011】
さらに、本発明のヒートシンクにおいて、前記中空部は、矩形断面であるものが好ましい。このような構成によれば、中空部を成形し易く、また中空部の表面積を大きくすることができるので放熱性を高めることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るヒートシンクによれば、放熱性を高めることができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係るヒートシンクを示した斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係るヒートシンクを示した図であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
図3】本発明の実施形態に係るヒートシンクの土台部を示した斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係るヒートシンクのフィンを示した斜視図である。
図5】本発明の実施形態に係るヒートシンクのフィンと土台部とを接合するためのカシメ治具を示した斜視図である。
図6】本発明の実施形態に係るヒートシンクのフィンと土台部とのカシメ接合を示した図であって、(a)は接合前の状態を示した正面図、(b)は接合時の状態を示した正面図である。
図7】本発明の実施形態に係るヒートシンクのフィンと土台部とのカシメ接合時の状態を示した拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の実施形態に係るヒートシンクを、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態に係るヒートシンクは、パワーモジュール用の空冷式ヒートシンクであって、複数の半導体を組み合わせ構成されるパワーモジュールを冷却する。図1および図2に示すように、本実施形態のヒートシンク1は、土台部10と複数のフィン30,30・・とを備えている。土台部10とフィン30とは、互いに別部材として形成されている。本実施形態においては、図2の(b)の正面図を基準として、左右上下方向とし、紙面表示方向を前後方向として、ヒートシンク1の構成を説明する。なお、これらの方向は、ヒートシンク1の構造を説明するためのものであって、ヒートシンク1の設置方向を限定するものではない。
【0015】
土台部10は、フィン30を支持する板状の部材であって、パワーモジュール(被冷却体)に設置される。土台部10は、銅にて構成されている。土台部10は、例えば鍛造成形や圧延加工成形したものを、切削加工により仕上げ加工して形成されている。図1乃至図3に示すように、土台部10は、平面視矩形形状を呈している。土台部10の下面は、平坦に形成され、被冷却体への接地面となっている。なお、土台部10の下面は、熱伝導性接着剤を介してパワーモジュールの表面に接着してもよいし、ネジ止め等の手段を用いてパワーモジュールの表面に押し付けてもよい。
【0016】
土台部10の上面は、フィン30を固定するために凹凸形状を呈している。土台部10の上面には、第一突条11と第二突条12とが形成されている。第一突条11は、フィン30の下端部の内側に嵌る部分であって、土台部10の上面の基部表面より立ち上がっている。土台部10の左右両端部には、基部表面よりも一段下がった段差部13がそれぞれ形成されている。土台部10は、段差部13を有することで、土台部10をパワーモジュールに固定する固定治具(図示せず)を係止しやすくなっている。
【0017】
第一突条11は、断面矩形形状を呈しており、土台部10の前後方向に沿って延在している。第一突条11は、土台部10の前後方向の全長に渡って形成されている。第一突条11は、断面矩形形状を呈している。
【0018】
第二突条12は、フィン30の下端部側面に押し付けられる部位であって、第一突条11の左右両側に、所定の間隔をあけてそれぞれ配置されている。一つのフィン30に対して、一つの第一突条11と、その左右一対の第二突条12,12とで一組となり、フィン30を固定する。第一突条11と一対の第二突条12,12とは、フィン30の数に応じて形成されている。第二突条12は、第一突条11と同様に、断面矩形形状を呈しており、土台部10の前後方向に沿って延在している。第二突条12も、土台部10の前後方向の全長に渡って形成されている。第二突条12の左右厚さ寸法は、第一突条11の左右厚さ寸法より小さい。第二突条12の高さ寸法は、第一突条11の高さ寸法と同等である。なお、第二突条12の高さ寸法は、第一突条11の高さ寸法より大きくてもよい。第二突条12は、後記するカシメ治具50によって、第一突条11側に押され、フィン30の下端部側面を押圧する。
【0019】
図1および図2に示すように、フィン30は、土台部10から伝導された熱を放熱する板状の部材であって、土台部10から起立した状態で土台部10に接合されている。フィン30は、側面視矩形形状を呈しており、土台部10の前後方向に沿って延在している。フィン30は、アルミニウム合金にて形成された押出形材にて構成されている。この押出形材は、前後方向が押出方向となっている。フィン30の前後方向長さは、土台部10の前後方向長さと同等である。図4にも示すように、フィン30は、高さ方向に並ぶ複数の中空部31を備えている。中空部31は、断面矩形形状を呈しており、前後方向に沿って延在している。前後方向は、冷却媒体(空気)の流動方向である。複数の中空部31は、フィン30の高さ方向(上下方向)に等間隔で配置されている。
【0020】
フィン30の下端部(土台部10との接合側端部)には、上方に凹む凹部32が形成されている。すなわち、フィン30の下端部には、二股状の脚部33,33が配置されている。凹部32は、フィン30の前後方向全長に渡って形成され、凹部32の左右両側の脚部33,33も、フィン30の前後方向全長に渡って延在している。凹部32は、断面矩形形状を呈し、凹部32の上方に隣り合う中空部31との間には、平板状の仕切板部が形成されている。この仕切板部と、凹部32の上方に隣り合う中空部31の左右両側の側壁と、脚部33,33とで、フィン30の土台部10との接合側端部における断面H字形状が形成されている。凹部32の断面形状は、第一突条11の断面形状と同等になっており、凹部32に第一突条11が嵌合される。凹部32に第一突条11が嵌合されると、脚部33は、第一突条11と第二突条12との間に入り込み、脚部33の下端面が、土台部10の上面の基部表面に当接する。つまり、フィン30の下端部における土台部10との接合側端部では、中央に第一突条11が位置し、その左右両側に脚部33,33がそれぞれ位置し、さらにその左右両側に第二突条12,12が位置する。第二突条12の側面と脚部33の側面とは、面接触するか、あるいは間に僅かな隙間が形成されている。第二突条12は、後記するカシメ治具50によって、第一突条11側に押され、脚部33の側面に押し付けられる。これによって、フィン30が土台部10にカシメにより接合されることとなる。
【0021】
次に、カシメ治具50について説明する。カシメ治具50は、図5に示すように、ベース部51と複数の爪部52,52・・とを備え、櫛歯状に形成されている。ベース部51は、複数の爪部52,52・・を支持する部分であって、左右方向に延在している。ベース部51の左右両端部には、爪部52の支持位置から外側に張り出す張出部53がそれぞれ形成されている。張出部53には、ボルト挿通孔54が形成されている。ボルト挿通孔54には、カシメ治具50をプレス装置(図示せず)に固定するためのボルトが挿通される。
【0022】
爪部52は、フィン30の上方から隣り合うフィン30,30の間に挿入され、第二突条12を押圧する。爪部52の下端部は、下側に向かうに連れて互いに近づく一対の傾斜面55,55を備えた、断面三角形状を呈している。爪部52の数は、隣り合うフィン30,30の隙間の数(すなわち、フィン30の枚数よりも一枚少ない数)と同じである。複数配列された爪部52,52・・の左右両端外側には、厚さ寸法が内側の爪部52の厚さ寸法より大きい外側爪部52aが形成されている。外側爪部52aは、土台部10の左右両端にそれぞれ位置する第二突条12を内側に向けて押すものであって、下端部に第二突条12を内側に押し付ける傾斜面55を備えている。
【0023】
このカシメ治具50でフィン30を土台部10にカシメ接合するに際しては、図6の(a)に示すように、カシメ治具50をフィン30の上方から下降させて、爪部52をフィン30,30の間に挿入していく。図6の(b)に示すように、カシメ治具50を下側の所定高さまで下降させると、爪部52の下端部が隣り合う第二突条12,12の隙間に押し込まれる。すると、図7に示すように、爪部52の各傾斜面55が左右両側の第二突条12をそれぞれ押し広げて、第二突条12をフィン30の下端部側面に押し付ける。一方、外側爪部52aには、左右両端の第二突条12を内側に向けて押し込む際に、外側爪部52aが外側に変形しようとする応力が作用するが、外側爪部52aの厚さ寸法が大きいことで、外側に向かう応力に対抗して、第二突条12を内側に押し付けることができる。
【0024】
本実施形態のヒートシンク1によれば、フィン30が中空部31を備えているので、フィン30の表面積が大きくなり、フィン30の外側面だけでなく中空部31の内側面からも放熱できるので、放熱性が高くなる。また、中空部31は、フィン30の上下方向に所定の間隔で複数形成されているので、フィン30の表面積がより一層大きくなる。さらに、各中空部31は、矩形断面であるので、フィン30の押出成形が容易となる。また、フィン30同士の間に加えてフィン30の内部を冷却媒体が通流するので、冷却媒体の流動抵抗が低くなり、その結果、冷却媒体を通流させるためのファンやポンプの小型化、省エネルギー化を図ることができる。
【0025】
複数のフィン30,30・・は、左右方向に所定の間隔をあけて配置されているので、フィン30,30の間における冷媒の流動がスムーズになり、放熱性がより一層高くなる。
【0026】
ここで、本実施形態のヒートシンク1と中空部を備えない従来型のフィンを備えたヒートシンクとの比較試験について説明する。ヒートシンクの高さ寸法(89.5mm)と幅寸法(98.2mm)、フィン高さ(80.0mm)は共通である。従来のフィンは、本実施形態のフィン30よりも薄く、設置枚数が多い(21枚)。ヒートシンクに発熱体を設置した状態で、風洞内に配置し、一定の風速と時間で冷却空気を送風し、発熱体の温度と風洞入口の空気の温度を計測した。この温度とヒートシンクの空気の上流側と下流側との圧力差から算出された熱抵抗値は、従来型のヒートシンクが0.284(K/W)で、本実施形態のヒートシンク1が0.242(K/W)であった。この結果より、本試験では、本実施形態のヒートシンク1は、従来型のヒートシンクに対し、熱抵抗が14.8%低減されたことが分かった。
【0027】
ところで、試験と、実際に実施される形態とでは、発熱体(パワーモジュール)の形状等の仕様が異なるため、実際の仕様を適用した場合に冷却性能がどうなるか、試験結果を基に予測する必要がある。そこで以下のステップで性能を予測した。まず、試験結果と試験再現モデルでの解析結果を比較し,整合性を確認する。次に、試験結果と解析結果の熱抵抗値を比較し、解析値に対する試験値の比率を導出する。そして、比率を基に,本来の仕様を再現したモデル(以下チップ再現モデル)の解析結果を補正し,予測値を導出する。このステップを行った結果、従来型のヒートシンクでは解析結果に対する試験結果の比率(熱抵抗値の試験値/熱抵抗値の解析値)が0.913、本実施形態のヒートシンク1では解析結果に対する試験結果の比率(熱抵抗値の試験値/熱抵抗値の解析値)が0.936となり、整合性は取れていると判断した。この比率を用いて,チップ再現モデルの解析結果を補正し,本来の仕様での冷却性能を予測したところ、実際に実施される仕様では、本実施形態のヒートシンク1の熱抵抗が、従来型のヒートシンクの熱抵抗に対して28.7%低減できると予測できた。
【0028】
また、本実施形態では、フィン30と土台部10とは、それぞれ別部材で形成され、互いに接合されているので、フィン30および土台部10がそれぞれ簡単な形状となり、製造が容易になる。フィン30と土台部10とはカシメにより接合されているので、機械的接合(カシメ)を行うことで簡便な接合を行うことができる。特に、本実施形態では、カシメ治具50を土台部10に押し込むだけで、フィン30を土台部10に固定することができる。さらに、フィン30の下端部の脚部33,33間の凹部32に第一突条11が挿入され、その左右の外側に第二突条12がそれぞれ形成されている。そして、フィン30は、各脚部33が第一突条11と第二突条12とで挟まれてカシメ接合されることで、フィン30と土台部10との密着性を高めることができる。これによって、フィン30と土台部10との接合強度を高めることができるとともに、熱伝導性を高めることができる。
【0029】
フィン30は成形性に優れたアルミニウム合金にて構成されているので、中空部31を有する複雑な形状を成形し易くなっている。また、中空部31は、矩形断面であるので、押出成形し易い。一方、土台部10は熱伝導性に優れた銅にて構成されているので、熱の拡散性が高くなる。
【0030】
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。たとえば、前記実施形態では、フィン30と土台部10とは、カシメにて接合されているが、接合方法はカシメに限定されるものではない。例えば、フィン30と土台部10とは、ろう付けやはんだ付け等、他の方法で接合してもよい。但し、カシメで接合するのが施工し易くて好ましい。
【0031】
また、前記実施形態では、フィン30と土台部10とは別体で形成されて、互いに接合されているが、一体成型することもできる。フィン30と土台部10とを一体とする場合は、成形性に優れたアルミニウム合金製の押出形材にて構成するのが好ましい。
【符号の説明】
【0032】
1 ヒートシンク
10 土台部
11 第一突条
12 第二突条
30 フィン
31 中空部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7