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特開2023-111460行動評価システム、端末装置、管理装置、行動評価方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111460
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】行動評価システム、端末装置、管理装置、行動評価方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230803BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20230803BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20230803BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20230803BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20230803BHJP
【FI】
G06Q50/10
G08G1/00 D
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022013329
(22)【出願日】2022-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000232254
【氏名又は名称】日本電気通信システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】松本 晃
(72)【発明者】
【氏名】金田 真和
(72)【発明者】
【氏名】須藤 桃
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181CC27
5H181DD10
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
5H181MC06
5H181MC19
5H181MC27
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】場所に応じて、意図した行動を取ったユーザに適切なインセンティブを与える。
【解決手段】行動評価システムは、エリア毎に、ユーザが取るべき行動と、当該エリアにおける前記行動を取った者に対しインセンティブとして付与するポイントとを規定したエリア設定情報を記憶するエリア情報記憶部と、前記ユーザが前記行動を取ったことを検出するための特徴データを記憶する行動情報記憶部と、前記エリア情報記憶部及び前記行動情報記憶部とを参照して、前記エリアに位置するカメラ又はセンサで捉えたユーザの挙動が、前記エリア毎に規定された前記行動に該当するか否かを判定するユーザ動作判定部と、前記ユーザの挙動が、前記エリア毎に規定された前記行動に該当すると判定した場合、前記エリア情報記憶部から前記行動に対するポイントを読みだして、前記ユーザに付与するポイント付与部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エリア毎に、ユーザが取るべき行動と、当該エリアにおける前記行動を取った者に対しインセンティブとして付与するポイントとを規定したエリア設定情報を記憶するエリア情報記憶部と、
前記ユーザが前記行動を取ったことを検出するための特徴データを記憶する行動情報記憶部と、
前記エリア情報記憶部及び前記行動情報記憶部とを参照して、前記エリアに位置するカメラ又はセンサで捉えたユーザの挙動が、前記エリア毎に規定された前記行動に該当するか否かを判定するユーザ動作判定部と、
前記ユーザの挙動が、前記エリア毎に規定された前記行動に該当すると判定した場合、前記エリア情報記憶部から前記行動に対するポイントを読みだして、前記ユーザに付与するポイント付与部と、
を備えた行動評価システム。
【請求項2】
前記行動は、前記ユーザによる車両の運転マナーである請求項1の行動評価システム。
【請求項3】
前記エリア情報記憶部に、運転マナーの向上を図るエリアを設定し、
前記行動情報記憶部に、同一の運転マナーに対して、前記エリア毎に異なるポイントを設定可能である、請求項2の行動評価システム。
【請求項4】
さらに、前記ユーザに付与したポイントを地域毎に集計可能なポイント集計部と、
前記地域毎に付与したポイントのランキングを作成するランキング作成部とを備える請求項1から3いずれか一の行動評価システム。
【請求項5】
前記カメラ又はセンサが、道路に設置された路側機に内蔵されたカメラ又はセンサである請求項1から4いずれか一の行動評価システム。
【請求項6】
少なくとも前記エリア情報記憶部、前記行動情報記憶部及び前記ユーザ動作判定部が前記路側機に配置されている請求項5の行動評価システム。
【請求項7】
前記カメラ又はセンサが、車両に搭載されたカメラ又はセンサである請求項1から4いずれか一の行動評価システム。
【請求項8】
少なくとも前記エリア情報記憶部、前記行動情報記憶部及び前記ユーザ動作判定部が前記車両の車載端末に配置されている請求項7の行動評価システム。
【請求項9】
エリア毎に、ユーザが取るべき行動と、当該エリアにおける前記行動を取った者に対しインセンティブとして付与するポイントとを規定したエリア設定情報を記憶するエリア情報記憶部と、
前記ユーザが前記行動を取ったことを検出するための特徴データを記憶する行動情報記憶部と、
前記エリア情報記憶部及び前記行動情報記憶部とを参照して、前記エリアに位置するカメラ又はセンサで捉えたユーザの挙動が、前記エリア毎に規定された前記行動に該当するか否かを判定するユーザ動作判定部と、
前記ユーザの挙動が、前記エリア毎に規定された前記行動に該当すると判定した場合、前記エリア情報記憶部から前記行動に対するポイントを読みだして、前記ユーザに付与するポイント付与部と、
を備えた端末装置。
【請求項10】
管理者端末から、エリア毎に、ユーザが取るべき行動と、当該エリアにおける前記行動を取った者に対しインセンティブとして付与するポイントとを規定したエリア設定情報の入力を受け付ける手段と、
前記エリアに位置するカメラ又はセンサで捉えた前記ユーザの挙動が、前記エリア毎に規定された前記行動に該当するか否かを判定する端末装置に対して、前記エリア設定情報を送信する手段と、
を備える管理装置。
【請求項11】
エリア毎に、ユーザが取るべき行動と、当該エリアにおける前記行動を取った者に対しインセンティブとして付与するポイントとを規定したエリア設定情報を記憶するエリア情報記憶部と、
前記ユーザが前記行動を取ったことを検出するための特徴データを記憶する行動情報記憶部と、を備えたコンピュータが、
前記エリア情報記憶部及び前記行動情報記憶部とを参照して、前記エリアに位置するカメラ又はセンサで捉えたユーザの挙動が、前記エリア毎に規定された前記行動に該当するか否かを判定し、
前記ユーザの挙動が、前記エリア毎に規定された前記行動に該当すると判定した場合、前記エリア情報記憶部から前記行動に対するポイントを読みだして、前記ユーザに付与する、行動評価方法。
【請求項12】
エリア毎に、ユーザが取るべき行動と、当該エリアにおける前記行動を取った者に対しインセンティブとして付与するポイントとを規定したエリア設定情報を記憶するエリア情報記憶部と、
前記ユーザが前記行動を取ったことを検出するための特徴データを記憶する行動情報記憶部と、を備えたコンピュータに、
前記エリア情報記憶部及び前記行動情報記憶部とを参照して、前記エリアに位置するカメラ又はセンサで捉えたユーザの挙動が、前記エリア毎に規定された前記行動に該当するか否かを判定する処理と、
前記ユーザの挙動が、前記エリア毎に規定された前記行動に該当すると判定した場合、前記エリア情報記憶部から前記行動に対するポイントを読みだして、前記ユーザに付与する処理と、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、行動評価システム、端末装置、管理装置、行動評価方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、運転マナー向上への動機付けを高めることができるという運転マナー啓発装置が開示されている。同文献によると、この運転マナー啓発装置は、車両に搭載された運転状況検出センサ及びカメラで撮像された撮像画像に基づいて、自車両の運転状況を認識し記録する。そして、この運転マナー啓発装置は、他車のハザードランプの点滅操作や挙手を契機に、運転マナー啓発管理サーバに、自車に向けられた運転評価情報を送信する。そして、運転マナー啓発管理サーバは、運転評価情報の正当性を検証した上で、該当するユーザにポイントを付与する。
【0003】
特許文献2には、精度良くユーザのマナーを判定して、ユーザのマナーに応じたサービスを提供することにより、サービス利用時のユーザのマナーを改善させることができるという情報処理装置が開示されている。具体的には、この情報処理装置は、ユーザがサービスを利用している際のマナーに関連するユーザの行動を検知する行動検知手段と、ユーザの周囲の状況を検知する状況検知手段と、ユーザの行動および周囲の状況に応じたマナーポイントを算出する構成を採用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-150557号公報
【特許文献2】特開2015-108854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以下の分析は、本発明者によって与えられたものである。特許文献1の方式では、良い評価を得るにあたり、第三者の挙動を必要とするため、ユーザが目に見えないところで取った行動の評価が難しいという問題点がある。また、特許文献2の方法では、周囲の状況に応じてマナーポイントが変わりうるため、特定の行動を取ったユーザに適切な評価を与えることができない場合が生じうる。
【0006】
本発明は、場所に応じて、意図した行動を取ったユーザに適切なインセンティブを与えることのできる行動評価システム、端末装置、管理装置、行動評価方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の視点によれば、エリア毎に、ユーザが取るべき行動と、当該エリアにおける前記行動を取った者に対しインセンティブとして付与するポイントとを規定したエリア設定情報を記憶するエリア情報記憶部と、前記ユーザが前記行動を取ったことを検出するための特徴データを記憶する行動情報記憶部と、前記エリア情報記憶部及び前記行動情報記憶部とを参照して、前記エリアに位置するカメラ又はセンサで捉えたユーザの挙動が、前記エリア毎に規定された前記行動に該当するか否かを判定するユーザ動作判定部と、前記ユーザの挙動が、前記エリア毎に規定された前記行動に該当すると判定した場合、前記エリア情報記憶部から前記行動に対するポイントを読みだして、前記ユーザに付与するポイント付与部と、を備えた行動評価システムが提供される。
【0008】
第2の視点によれば、エリア毎に、ユーザが取るべき行動と、当該エリアにおける前記行動を取った者に対しインセンティブとして付与するポイントとを規定したエリア設定情報を記憶するエリア情報記憶部と、前記ユーザが前記行動を取ったことを検出するための特徴データを記憶する行動情報記憶部と、前記エリア情報記憶部及び前記行動情報記憶部とを参照して、前記エリアに位置するカメラ又はセンサで捉えたユーザの挙動が、前記エリア毎に規定された前記行動に該当するか否かを判定するユーザ動作判定部と、前記ユーザの挙動が、前記エリア毎に規定された前記行動に該当すると判定した場合、前記エリア情報記憶部から前記行動に対するポイントを読みだして、前記ユーザに付与するポイント付与部と、を備えた端末装置が提供される。
【0009】
第3の視点によれば、エリア毎に、管理者端末から、ユーザが取るべき行動と、当該エリアにおける前記行動を取った者に対しインセンティブとして付与するポイントとを規定したエリア設定情報の入力を受け付ける手段と、前記エリアに位置するカメラ又はセンサで捉えた前記ユーザの挙動が、前記エリア毎に規定された前記行動に該当するか否かを判定する端末装置に対して、前記エリア設定情報を送信する手段と、を備える管理装置が提供される。
【0010】
第4の視点によれば、エリア毎に、ユーザが取るべき行動と、当該エリアにおける前記行動を取った者に対しインセンティブとして付与するポイントとを規定したエリア設定情報を記憶するエリア情報記憶部と、前記ユーザが前記行動を取ったことを検出するための特徴データを記憶する行動情報記憶部と、を備えたコンピュータが、前記エリア情報記憶部及び前記行動情報記憶部とを参照して、前記エリアに位置するカメラ又はセンサで捉えたユーザの挙動が、前記エリア毎に規定された前記行動に該当するか否かを判定し、前記ユーザの挙動が、前記エリア毎に規定された前記行動に該当すると判定した場合、前記エリア情報記憶部から前記行動に対するポイントを読みだして、前記ユーザに付与する、行動評価方法が提供される。本方法は、上記したエリア情報記憶部と行動情報記憶部とを備えたコンピュータという、特定の機械に結びつけられている。
【0011】
第5の視点によれば、上記した行動評価システム又は端末装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム(以下、「プログラム」)が提供される。このプログラムは、コンピュータ装置に入力装置又は外部から通信インターフェースを介して入力され、記憶装置に記憶されて、プロセッサを所定のステップないし処理に従って駆動させる。また、このプログラムは、必要に応じ中間状態を含めその処理結果を段階毎に表示装置を介して表示することができ、あるいは通信インターフェースを介して、外部と通信することができる。そのためのコンピュータ装置は、一例として、典型的には互いにバスによって接続可能なプロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インターフェース、及び必要に応じ表示装置を備える。また、このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な(非トランジトリーな)記憶媒体に記録することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、場所に応じて、意図した行動を取ったユーザに適切なインセンティブを与えることのできる行動評価システム、端末装置、管理装置、行動評価方法及びプログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態の構成を示す図である。
図2】本発明の第1の実施形態の行動評価システムの構成を示す図である。
図3】本発明の第1の実施形態の端末装置の構成を示す図である。
図4】本発明の第1の実施形態の管理装置の構成を示す図である。
図5】本発明の第1の実施形態の管理装置が端末装置のエリア情報記憶部に設定する情報を説明するため図である。
図6】本発明の第1の実施形態の管理装置が端末装置のマナー情報記憶部に設定する情報を説明するための図である。
図7】本発明の第1の実施形態の行動評価システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
図8図5のエリアA,エリアBを説明するための図である。
図9】本発明の第1の実施形態の端末装置の動作を説明するための流れ図である。
図10】本発明の第2の実施形態の行動評価システムの構成を示す図である。
図11】本発明の第2の実施形態の端末装置の構成を示す図である。
図12】本発明の第2の実施形態の管理装置の構成を示す図である。
図13】本発明の第2の実施形態の端末装置の動作を説明するための流れ図である。
図14】本発明の第2の実施形態の行動評価システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
図15】本発明の第2の実施形態の管理装置が作成する地域別ランキングの一例を示す図である。
図16】本発明の第3の実施形態の行動評価システムの構成を示す図である。
図17】本発明の行動評価システムを構成するコンピュータの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
はじめに本発明の一実施形態の概要について図面を参照して説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。また、以降の説明で参照する図面等のブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。プログラムはコンピュータ装置を介して実行され、コンピュータ装置は、例えば、プロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インターフェース、及び必要に応じ表示装置を備える。また、このコンピュータ装置は、通信インターフェースを介して装置内又は外部の機器(コンピュータを含む)と、有線、無線を問わず、通信可能に構成される。また、図中の各ブロックの入出力の接続点には、ポート乃至インターフェースがあるが図示を省略する。また、以下の説明において、「A及び/又はB」は、A又はB、若しくは、A及びBという意味で用いる。
【0015】
本発明は、その一実施形態において、図1に示すように、エリア情報記憶部11と、行動情報記憶部12と、ユーザ動作判定部13と、ポイント付与部14と、を備えた行動評価システム10にて実現できる。
【0016】
より具体的には、エリア情報記憶部11は、エリア毎に、ユーザが取るべき行動と、当該エリアにおける前記行動を取った者に対しインセンティブとして付与するポイントとを規定したエリア設定情報を記憶する。
【0017】
行動情報記憶部12は、前記ユーザが前記行動を取ったことを検出するための特徴データを記憶する。
【0018】
ユーザ動作判定部13は、前記エリア情報記憶部及び前記行動情報記憶部とを参照して、前記エリアに位置するカメラ又はセンサで捉えたユーザの挙動が、前記エリア毎に規定された前記行動に該当するか否かを判定する。
【0019】
ポイント付与部14は、前記ユーザの挙動が、前記エリア毎に規定された前記行動に該当すると判定した場合、前記エリア情報記憶部から前記行動に対するポイントを読みだして、前記ユーザに付与する。
【0020】
上記構成を採る行動評価システム10は、カメラ又はセンサで捉えたユーザ(車両V)の挙動が、前記エリア毎に規定された前記ユーザ(車両V)が取るべきものとして規定された行動に該当するか否かを判定する。例えば、前記ユーザ(車両V)が取るべき行動として、横断歩道で歩行者が横断待ちをしている場合に、横断歩道の手前で停車し、歩行者に道を譲ることが規定されているものとする。この場合、行動評価システム10は、前記ユーザ(車両V)が、横断歩道の手前で停車し、横断待ちをしている歩行者に道を譲ったことを検出すると、エリア情報記憶部11から、前記行動に対するポイントを読みだして、前記ユーザに付与する。これにより、当該エリアにおいて、横断待ちをしている歩行者に道を譲ることを推奨することが可能となる。なお、ユーザに付与するポイントは、金銭的な価値のあるポイントであってもよいし、特定のサービスの提供を受ける際に利用できるポイントであってもよい。
【0021】
前述のとおり、インセンティブとして付与するポイントは、エリア毎、行動ごとに設定できるため、様々な場所(エリア)の地域特性を考慮して、その推奨の度合いを自由に設定することが可能となる。また、上記の説明のとおり、本発明では、ユーザがポイントを獲得するにあたり、他者の評価は必要としないため、他人の目に触れない場所においても特定の規範的な行動を取ることにインセンティブを与えることができる。
【0022】
[第1の実施形態]
続いて、本発明を車両の運転マナー(Driving etiquette)の向上を図る用途に適用した第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図2は、本発明の第1の実施形態の行動評価システムの構成を示す図である。図2を参照すると、各所に位置するカメラ180及びセンサ190からデータを取得可能な複数の端末装置100と、これらの複数の端末装置100を管理する管理装置200とが接続された構成が示されている。
【0023】
端末装置100は、カメラ180又はセンサ190から取得したデータに基づいて、自装置が設置されたエリア毎に規定された行動を取ったユーザを検出し、評価する。なお、図2の例では、端末装置100にカメラ180及びセンサ190の双方が接続されているが、評価対象とするユーザの行動に応じて、カメラ180及びセンサ190のいずれかを省略してもよい。このような端末装置100は、例えば、「スマートポール」と呼ばれる通信基地局、公衆Wi-Fi(登録商標)、人流解析カメラ、街路灯、デジタルサイネージなどの機能を搭載した柱型の多機能端末であってもよい。また、端末装置100は、道路に配置され車両と交通インフラ間の通信を担う路側機(ロードサイドユニット(RSU)とも呼ばれる。)であってもよい。端末装置100は、カメラ180又はセンサ190からデータを取得可能な専用のコンピュータであってもよい。また、端末装置100は、クラウド側のサーバ装置に代わりエッジでの処理を行うMEC(Multi-access Edge Computing)と呼ばれるコンピュータであってもよい。
【0024】
管理装置200は、管理者からエリア設定情報の入力を受け付け、上記した端末装置100に対し、エリア設定情報を設定することにより端末装置100を制御する。
【0025】
続いて、上記した端末装置100の構成について図面を参照して詳細に説明する。図3は、本発明の第1の実施形態の端末装置100の構成を示す図である。図3を参照すると、エリア情報記憶部110と、マナー情報記憶部120と、ユーザ動作判定部130と、ポイント付与部140と、通信部150とを備えた端末装置100の構成が示されている。
【0026】
エリア情報記憶部110は、エリア毎に、ユーザが取るべき行動(運転マナー、以下単に「マナー」ともいう。)と、当該エリアにおける前記行動を取った者に対しインセンティブとして付与するポイントとを規定したエリア設定情報を記憶する。
【0027】
マナー情報記憶部120は、上記した「行動情報記憶部」に相当し、前記ユーザが前記行動(マナー)を取ったことを検出するための特徴データを記憶する。例えば、マナー情報記憶部120は、停止線の前で停止する車両の挙動を検出するための特徴データを記憶する。このような特徴データは、例えば、センサ190から得られる車両の動き(加速度の変化等)を表したデータであってもよい。また、この特徴データは、機械学習等によって作成された車両の動きを認識するための推論器や分類器のパラメータであってもよい。
【0028】
ユーザ動作判定部130は、前記エリア設定情報と、マナー情報記憶部120に記憶された特徴データとを参照してカメラ180又はセンサ190から得られたユーザの挙動が、前記エリア毎に規定された前記行動に該当するか否かを判定する。ユーザ動作判定部130は、ユーザの挙動が、前記エリア毎に規定された前記行動に該当すると判定した場合、ポイント付与部140に該当ユーザへのポイントの付与を指示する。例えば、エリアAにおいて、停止線の前で停止するユーザに対し所定のポイントを付与する内容のエリア設定情報が設定されている場合、ユーザ動作判定部130は、エリアAを通行するユーザが停止線の前で停止したか否かを判定する。前記判定の結果、エリアAを通行するユーザが停止線の前で停止したと判定した場合、ユーザ動作判定部130は、ポイント付与部140に該当ユーザへのポイントの付与を指示する。
【0029】
ポイント付与部140は、ユーザ動作判定部130からの指示に応じて、外部のポイント管理システム300に対し、該当ユーザへのポイントの付与を依頼する。なお、本実施形態では、ユーザのポイントは、外部のポイント管理システム300で管理されているものとして説明するが、ポイント付与部140でユーザのポイントを管理していてもよい。
【0030】
通信部150は、管理装置200からエリア設定情報や特徴データを受け取り、エリア情報記憶部110やマナー情報記憶部120に送る。また、通信部150は、管理装置200に対し、ユーザ動作判定部130やポイント付与部140の動作状況を送信する機能を備えていてもよい。
【0031】
カメラ180は、例えば、スマートポールや路側機としての機能を果たすための端末装置100に内蔵されたカメラであってもよいし、外部のカメラであってもよい。センサ190は、例えば、スマートポールや路側機としての機能を果たすための端末装置100に内蔵された各種のセンサであってもよいし、外部のセンサであってもよい。カメラ180及びセンサ190は、端末装置100に対し、端末装置100に画像やデータを送信する機能を備えた車両に搭載されたカメラやセンサであってもよい、
【0032】
ポイント管理システム300は、ユーザのポイントを管理する。このポイントは、換価できるポイントでもよいし、特定のサービスを利用する際に行使できるポイントであってもよい。また、このポイントは、既存のポイントサービスで利用されているポイントであってもよい。
【0033】
続いて、上記した管理装置200の構成について図面を参照して詳細に説明する。図4は、本発明の第1の実施形態の管理装置200の構成を示す図である。図4を参照すると、入力部210と、通信部220とを備えた管理装置200の構成が示されている。
【0034】
入力部210は、管理者端末から、ユーザが取るべき行動と、当該エリアにおける前記行動を取った者に対しインセンティブとして付与するポイントとを規定したエリア設定情報の入力を受け付け、通信部220に送る。また、入力部210は、管理者端末から、特徴データの入力を受け付け、通信部220に送る。
【0035】
通信部220は、端末装置100に対して、前記エリア設定情報を送信する。また、通信部220は、端末装置100に対して、特徴データを送信する。なお、図4では省略しているが、管理装置200に、エリア設定情報や特徴データの記憶手段を設け、それぞれの端末装置100に設定した内容を把握できるようにしてもよい。
【0036】
ここで、端末装置100のエリア情報記憶部110に設定されたエリア設定情報について具体的な例を示して説明する。図5は、本発明の第1の実施形態の管理装置が端末装置のエリア設定情報の一例を示す図である。図5は、エリアAに設置された端末装置100と、エリアBに設置された端末装置100と、設定されるエリア設定情報を示している。図5の例では、エリアA、Bにそれぞれ設置された端末装置100に、検出を要請する行動(マナー)を示すマナーIDと、当該行動(マナー)を検出した際にユーザに付与されるポイント数が示されている。図5の例では、エリアAでは、マナーID0001、0002及び0003が評価の対象の行動(マナー)となっている。一方、エリアBでは、マナーID0001及び0011が評価の対象の行動(マナー)となっている。このように、本実施形態の端末装置100及び管理装置200によれば、エリア毎に、異なる行動(マナー)を評価の対象に設定することができる。さらに、図5に示したように、マナーID0001を持つ同一の行動(マナー)に対し、異なるポイントを設定することが可能となっている。これにより、エリア毎に、推奨したい行動(マナー)や、普及を図りたい行動(マナー)を設定することが可能となっている。
【0037】
図6は、図5においてマナーIDで示されていた行動(マナー)の具体例である。マナー情報記憶部120には、これらのマナーIDで特定される行動(マナー)を検出するための特徴データが保持されることになる。なお、管理装置200が、エリア設定情報と同様に、管理者端末等から、マナー情報記憶部120に設定する特徴データの入力を受け付け、端末装置100に設定する動作を行っても良い。このようにすることで、交通ルールの変更や社会環境の変化により、新たに評価の対象とする行動(マナー)を加除変更することが可能となる。
【0038】
続いて、本実施形態の行動評価システムの動作について図面を参照して詳細に説明する。図7は、本発明の第1の実施形態の行動評価システムの動作を説明するためのシーケンス図である。図7を参照すると、まず、管理装置200は、管理者端末からエリア設定情報の登録操作を受け付ける(ステップS001)。管理装置200は、エリア設定情報を設定可能なエリアの地図を示して、管理者端末から設定する内容を受け付けてもよい。
【0039】
次に管理装置200は、エリア設定情報の設定対象となるエリアの端末装置100に、エリア設定情報を設定する(ステップS002)。
【0040】
図8は、図5のエリア設定情報に規定されたエリアA、エリアBを含む周辺地図を示している。図8の吹き出し内に示したように、エリアAでは、歩行者が多いため、一時停止、横断歩道での歩行者優先のマナーを普及、浸透させたい、というニーズがある。このため、図5では、エリアAの評価対象の行動(マナー)としてマナーID0001(一時停止)、0002(横断歩道での停止)が設定されている。また、図8のエリアAでは、合流地点での事故が多いため、譲り合いマナーを向上させたい、というニーズがある。このため、図5では、エリアAの評価対象の行動(マナー)としてマナーID0003(合流地点での譲り合い)が設定されている。同様に、また、図8のエリアBでは、信号のない交差点で出会い頭事故が多いので、一時停止を徹底させたい、というニーズがある。このため、図5では、エリアBの評価対象の行動(マナー)としてマナーID0001(一時停止)が設定されている。このように、本実施形態によれば、各エリアのニーズに合わせて、普及を図りたい行動(マナー)の組み合わせを設定することができる。また、各行動(マナー)を取ったユーザに付与されるポイント数に変えることで、それぞれの行動(マナー)を取ることに対するインセンティブを変えることが可能となる。より望ましい形態において、管理装置200等が、各エリアにおいてポイント付与の対象となる行動(マナー)と、付与されるポイント数との組み合わせを公表してもよい。
【0041】
上記のようにエリア設定情報が設定された端末装置100は次のように動作する。図9は、本発明の第1の実施形態の端末装置の動作を説明するための流れ図である。図9を参照すると、まず、端末装置100は、所定の時間間隔で、カメラ180又はセンサ190からデータを取得する(ステップS101)。
【0042】
次に、端末装置100は、カメラ180又はセンサ190から取得したデータからユーザを特定する(ステップS102)。このユーザの特定方法は、種々の方法があり、特に限定されない。例えば、端末装置100は、カメラ180で撮影した画像中のナンバープレート情報からユーザを特定することができる。また、センサ190から得られるデータに車両情報や車載端末の情報が含まれる場合、これらの情報からユーザを特定する方法を採ることもできる。また、センサ190から得られるデータにユーザが所持している携帯端末のID(Identifier)やMACアドレスが含まれる場合、これらの情報からユーザを特定する方法を採ることもできる。特に、携帯端末のIDなどを用いてユーザを特定した場合、特定の行動(推奨マナー)を行った者を正確に識別することができるという利点がある。
【0043】
次に、端末装置100は、カメラ180又はセンサ190から取得したデータにて特定されたユーザの挙動が、前記エリア設定情報と、マナー情報記憶部120とに規定された行動(推奨マナー)に該当するか否かを判定する(ステップS103)。前記判定の結果、ユーザの挙動が、推奨された行動(推奨マナー)に該当しないと判定した場合(ステップS103のNo)、端末装置100は、ステップS101に戻って監視を継続する。
【0044】
一方、前記判定の結果、ユーザの挙動が、推奨された行動(マナー)に該当すると判定した場合(ステップS103のYes)、端末装置100は、エリア設定情報を参照して、該当ユーザに付与するポイント数を読み出す(ステップS104)。
【0045】
そして、端末装置100は、外部のポイント管理システム300に対し、該当ユーザへのポイントの付与(ステップS105)を依頼する。
【0046】
以上説明したように、本実施形態によれば、エリア毎に、推奨したい行動(マナー)を設定し、当該行動(マナー)を取ったユーザに、適切なインセンティブを与えることが可能となる。特に、本実施形態では、特許文献1のように第三者の挙動を必要としないという利点がある。また特許文献2との対比においては、本実施形態は、周囲の状況ではなく、管理者がそのニーズの度合いに応じて設定した適切なインセンティブを与えることができるという利点がある。
【0047】
[第2の実施形態]
続いて、エリア毎に、特定の行動(マナー)の普及度合いを可視化できるようにした第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図10は、本発明の第2の実施形態の行動評価システムの構成を示す図である。図2に示した第1の実施形態との相違点は、管理装置200aと、端末装置100aに、地域毎のポイントの集計機能を追加した点である。管理装置200a及び端末装置100aの基本的な機能は第1の実施形態と同様であるため、以下その相違点を中心に説明する。
【0048】
図11は、本発明の第2の実施形態の端末装置100aの構成を示す図である。図3に示した第1の実施形態の端末装置100との相違点は、ポイント付与部140aがポイントの付与依頼をした際に、通信部150を介して、管理装置200aに対しポイントを付与した内容を通知する機能が追加されている点である。具体的には、ポイント付与部140aは、管理装置200aに対し、ポイントの付与対象となった行動(マナー)と、その検出エリアと、付与したポイント数とを通知する。ここでの端末装置100aから管理装置200aへの通知には、ポイントが付与されたユーザの情報を省略することもできる。これにより、個人情報の漏洩等のリスクを低減させることができる。
【0049】
図12は、本発明の第2の実施形態の管理装置200aの構成を示す図である。図4に示した第1の実施形態の管理装置200との相違点は、ポイント集計部230と、地域別ポイント管理部240と、ランキング作成部250とが追加されている点である。
【0050】
ポイント集計部230は、端末装置100aから受信した内容に基づき、地域別に、ポイントの付与対象となった行動(マナー)と、付与したポイント数を集計し、地域別ポイント管理部240に保存する。ここでいう「地域」とは、「検出エリア」又は「検出エリア」をカバーする広域のエリアが考えられる。例えば、「地域」として、市町村、都道府県、州等のより広域の単位が設定されていてもよい。なお、市町村、都道府県、州等のより広域の単位を使用する場合、これらは、「検出エリア」から割り出せばよい。もちろん、一旦、検出エリア毎に、ポイントの付与対象となった行動(マナー)と、付与したポイント数を集計し、その後に、地域別のポイントを集計してもよい。
【0051】
ランキング作成部250は、管理者端末からの要求に応じて、地域別ポイント管理部240からデータを読み出して、地域別のランキングを作成する。
【0052】
図13は、本発明の第2の実施形態の端末装置100aの動作を説明するための流れ図である。図9に示した第1の実施形態の端末装置100の動作との相違点は、ステップS105の後に、管理装置200aに対し、ポイントの付与内容を通知する処理(ステップS106)が追加されている点である。その他の処理は第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0053】
図14は、本実施形態において追加される動作を説明するためのシーケンス図である。管理者端末からランキング作成指示(ステップS201)を受けると、管理装置200aは、地域別、行動(マナー)別にポイントを集計する(ステップS202)。
【0054】
次に、管理装置200aは、地域別ランキングを作成し、管理者端末に表示する(ステップS203)。図15は、本実施形態の管理装置200aが作成する地域別ランキングの一例を示す図である。図15の例では、地域として、市町村が設定されており、市町村毎に、個別の運転マナーの普及具合や地域住民の運転マナーの浸透度を比較することが可能となっている。このようなデータと、実際の交通事故発生状況のデータとを照合することで、エリア設定情報中のインセンティブの値を変える等、交通事故をさらに減らすための方策を立案することが可能となる。
【0055】
なお、上記した実施形態では、管理装置200aは、地域別ランキングを作成するものとして説明したが、管理装置200aによるデータの出力形態はこれに限られない。例えば、地図上に、ポイントの付与状況を表したグラフを重畳して地図形式でポイント付与状況を提示してもよい。例えば、地図の縮尺に応じて、ポイント付与状況の集計単位を変えてもよい。このように、地図の縮尺を変えることで、エリア、市町村、都道府県といった粒度のポイント付与状況を提示することが可能となる。
【0056】
また、上記した実施形態では、本発明を運転マナーの向上用途に適用した例を挙げて説明したが、本発明の適用可能な分野は、運転マナーの向上用途に限られない。例えば、街中や各種の施設内におけるマナーやエチケットの普及用途にも適用可能である。この場合、エリア情報記憶部には、街中や施設のエリア毎に、ユーザが取るべき行動と、当該エリアにおける前記行動を取った者に対しインセンティブとして付与するポイントとを規定したエリア設定情報を設定する。そして、行動情報記憶部には、ユーザが前記設定した行動を取ったことを検出するための特徴データを記憶させればよい。
【0057】
また上記した実施形態では、端末装置100、100aとして、「スマートポール」等多機能端末、路側機、その他コンピュータであるものとして説明したが、端末装置は、これらの装置に限定されない。例えば、端末装置は、図16に示すように、各種の車両に搭載された車載端末100bであってもよい(第3の実施形態)。この場合、カメラ180及びセンサ190として、車両に搭載されたカメラやセンサを用いることができる。また、この場合、図1のエリア情報記憶部11、行動情報記憶部12、ユーザ動作判定部13及びポイント付与部14は車両の車載端末に配置されていてもよい。そして、管理装置200aが、エリア毎に、推奨したい行動(マナー)を設定することで、当該行動(マナー)を取ったユーザに、適切なインセンティブを与えることが可能となる。また、この第3の実施形態においては、車載端末100bを搭載した車両が複数のエリアを移動する。このため、より望ましい形態において、管理装置200bは、車両の位置するエリアに応じて、車載端末100bに適切なエリア設定情報を設定する機能を備えることが望ましい。
【0058】
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術的思想を逸脱しない範囲で、更なる変形・置換・調整を加えることができる。例えば、各図面に示した装置間構成、各要素の構成、データの形態等は、本発明の理解を助けるための一例であり、これらの図面に示した構成に限定されるものではない。例えば、上記した実施形態では、行動評価システム10、管理装置200及び端末装置100にそれぞれ必要な機能が集約されているものとして説明したが、これらの機能は、複数の装置に分散配置されていてもよい。また、上記した実施形態では、端末装置100は外部のカメラ180やセンサ190からユーザの挙動を示すデータを受け取るものとして説明したが、カメラ180やセンサ190として、端末装置100に内蔵されたカメラやセンサを用いても良い。
【0059】
また、上記した第1、第2の実施形態に示した手順は、行動評価システム10、管理装置200及び端末装置100として機能するコンピュータ(図17の9000)に、上記した機能を実現させるプログラムにより実現可能である。このようなコンピュータは、図17のCPU(Central Processing Unit)9010、通信インターフェース9020、メモリ9030、補助記憶装置9040を備える構成に例示される。すなわち、図17のCPU9010にて、挙動判定プログラムやポイント付与プログラムを実行し、その補助記憶装置9040等に保持された各計算パラメータの更新処理を実施させればよい。
【0060】
即ち、上記した第1、第2の実施形態に示したシステムないし装置の各部(処理手段、機能)は、これらの装置に搭載されたプロセッサに、そのハードウェアを用いて、上記した各処理を実行させるコンピュータプログラムにより実現することができる。
【0061】
最後に、本発明の好ましい形態を要約する。
[付記1]
(上記第1の視点による行動評価システム参照)
[付記2]
上記した行動評価システムは、行動として、前記ユーザによる車両の運転マナーを評価する構成を採ることができる。
[付記3]
上記した行動評価システムにおいて、
エリア情報記憶部に、運転マナーの向上を図るエリアを設定し、
行動情報記憶部に、同一の運転マナーに対して、前記エリア毎に異なるポイントを設定可能とする構成を採ることができる。
[付記4]
上記した行動評価システムは、さらに、
前記ユーザに付与したポイントを地域毎に集計可能なポイント集計部と、
前記地域毎に付与したポイントのランキングを作成するランキング作成部とを備える構成を採ることができる。
[付記5]
上記した行動評価システムにおいて、
前記カメラ又はセンサとして、道路に設置された路側機に内蔵されたカメラ又はセンサを用いる構成を採ることができる。
[付記6]
上記した行動評価システムにおいて、
少なくとも前記エリア情報記憶部、前記行動情報記憶部及び前記ユーザ動作判定部が前記路側機に配置されている構成を採ることができる。
[付記7]
上記した行動評価システムにおいて、
前記カメラ又はセンサが、車両に搭載されたカメラ又はセンサであってもよい。
[付記8]
上記した行動評価システムにおいて、
少なくとも前記エリア情報記憶部、前記行動情報記憶部及び前記ユーザ動作判定部が前記車両の車載端末に配置されている構成を採ることができる。
[付記9]
(上記第2の視点による端末装置参照)
[付記10]
(上記第3の視点による管理装置参照)
[付記11]
(上記第4の視点による行動評価方法参照)
[付記12]
(上記第5の視点によるプログラム参照)
なお、上記付記9~12の形態は、付記1の形態と同様に、付記2~付記8の形態に展開することが可能である。
【0062】
なお、上記の特許文献の各開示は、本書に引用をもって繰り込み記載されているものとし、必要に応じて本発明の基礎ないし一部として用いることが出来るものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし選択(部分的削除を含む)が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。さらに、上記引用した文献の各開示事項は、必要に応じ、本発明の趣旨に則り、本発明の開示の一部として、その一部又は全部を、本書の記載事項と組み合わせて用いることも、本願の開示事項に含まれるものと、みなされる。
【符号の説明】
【0063】
10 行動評価システム
11 エリア情報記憶部
12 行動情報記憶部
13 ユーザ動作判定部
14 ポイント付与部
100、100a 端末装置
100b 車載端末
110 エリア情報記憶部
120 マナー情報記憶部
130 ユーザ動作判定部
140、140a ポイント付与部
150 通信部
180 カメラ
190 センサ
200、200a、200b 管理装置
210 入力部
220 通信部
230 ポイント集計部
240 地域別ポイント管理部
250 ランキング作成部
300 ポイント管理システム
9000 コンピュータ
9010 CPU
9020 通信インターフェース
9030 メモリ
9040 補助記憶装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17