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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111468
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】配管用継手の操作装置
(51)【国際特許分類】
   F16L 37/20 20060101AFI20230803BHJP
【FI】
F16L37/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022013342
(22)【出願日】2022-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】沼崎 孝義
(72)【発明者】
【氏名】青山 裕作
【テーマコード(参考)】
3J106
【Fターム(参考)】
3J106AA01
3J106AB01
3J106BA01
3J106BB01
3J106BC04
3J106BD02
3J106BD04
3J106BD06
3J106BE22
3J106BE29
3J106EA03
3J106EB02
3J106EC02
3J106EC07
3J106ED38
(57)【要約】
【課題】配管同士の結合解除作業を遠隔で行うことができる。
【解決手段】継手20は、継手本体としての第1筒状部22と、操作部としての操作レバー25とを有するカプラ21を備えている。第1筒状部22は、第1配管11の端末に接続されるように構成されている。操作レバー25は、第1筒状部22の外周において結合位置と結合解除位置とにわたって移動可能に設けられ、結合位置にあるときには第2配管12に対する第1配管11の軸線方向Aへの移動を阻止し、結合解除位置にあるときには第2配管12に対する第1配管11の軸線方向Aへの移動を許容するように構成されている。第1操作装置40は、第1配管11に取り付けられ、結合位置から結合解除位置に操作レバー25を移動させるように構成されたアクチュエータ41を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
継手を介して互いに接続された状態で結合される第1配管及び第2配管に適用され、前記継手を操作することにより前記第1配管と前記第2配管との結合状態を解除する配管用継手の操作装置であって、
前記継手は、継手本体と、操作部と、を有しており、
前記継手本体は、筒状であり、前記第1配管の端末に接続されるように構成されており、
前記操作部は、前記継手本体の外周において結合位置と結合解除位置とにわたって移動可能に設けられ、前記結合位置にあるときには前記第2配管に対する前記第1配管の軸線方向への移動を阻止し、前記結合解除位置にあるときには前記第2配管に対する前記第1配管の軸線方向への移動を許容するように構成されており、
前記第1配管に取り付けられ、前記結合位置から前記結合解除位置に前記操作部を移動させるように構成されたアクチュエータを備えている、
配管用継手の操作装置。
【請求項2】
前記アクチュエータは、前記結合解除位置から前記結合位置に前記操作部を移動させるように構成されている、
請求項1に記載の配管用継手の操作装置。
【請求項3】
前記操作部は、前記結合位置において前記継手本体の軸線方向に延在する姿勢となり、前記結合解除位置において前記継手本体の軸線方向に交差して延在する姿勢となる操作レバーであり、前記結合位置において前記第2配管と係止され、前記結合解除位置において前記第2配管との係止状態が解除される係止部を有しており、
前記継手本体の外周部分には、前記操作レバーを前記結合位置と前記結合解除位置とにわたって回動可能に連結する連結部が設けられており、
前記アクチュエータは、前記結合位置と前記結合解除位置との間で前記操作レバーを回動させるように構成されている、
請求項1または請求項2に記載の配管用継手の操作装置。
【請求項4】
前記アクチュエータは、
前記第1配管の軸線方向に延在するねじ軸、前記第1配管の外周部分に設けられ、前記ねじ軸を前記軸線方向に往復動可能に支持するように構成された支持部、及び前記ねじ軸に螺合されるナットを有するボールねじと、
前記ねじ軸を回動させるように構成された駆動部と、
前記ナット及び前記操作レバーの先端部に対してそれぞれ回動可能に連結され、前記軸線方向における前記ナットの移動に伴って前記操作レバーを前記結合位置と前記結合解除位置との間で回動させるように構成された連結部材と、を備えている、
請求項3に記載の配管用継手の操作装置。
【請求項5】
前記アクチュエータは、
前記操作レバーの先端部に回動可能に連結され、前記第1配管の軸線方向において前記第2配管から離れる側に向かって延在するロッドと、
前記第1配管の軸線方向に交差する軸線を中心に前記第1配管に対して傾動可能に支持され、前記ロッドを収容する筒状のハウジングと、
前記ハウジングの内部に設けられ、前記ロッドを前記ロッドの軸線方向において往復動させるように構成された駆動部と、を備えており、
前記ハウジングは、前記ロッドの往復動に伴って、前記軸線を中心に傾動するように構成されている、
請求項3に記載の配管用継手の操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管用継手の操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、配管同士を接続した状態で結合するレバー式の管継手が開示されている。
レバー式の管継手は、カプラと、アダプタとを備えている。カプラは、第1筒状部を有している。アダプタは、第1筒状部に対して軸線方向へ着脱自在に挿入される。カムアームは、第1筒状部に対してロック解除位置及びロック位置にわたって回動自在に設けられている。カムアームは、ロック解除位置にあるときには第1筒状部に対して第2筒状部を軸線方向へ移動可能にし、ロック位置にあるときには第1筒状部に対して第2筒状部を軸線方向へ移動不能に結合する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-68467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、海中において上記管継手を介して互いに結合されている配管同士の結合を解除する作業を行う場合、潜水士が当該作業を行うことになる。このため、作業に時間を要するなどの問題が生じる。
【0005】
なお、こうした問題は、海中のみならず、配管同士の結合を解除する作業(以下、結合解除作業)を地上で行う場合においても同様にして生じる。
本発明の目的は、配管同士の結合解除作業を遠隔で行うことのできる配管用継手の操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための配管用継手の操作装置は、継手を介して互いに接続された状態で結合される第1配管及び第2配管に適用され、前記継手を操作することにより前記第1配管と前記第2配管との結合状態を解除する配管用継手の操作装置であって、前記継手は、継手本体と、操作部と、を有しており、前記継手本体は、筒状であり、前記第1配管の端末に接続されるように構成されており、前記操作部は、前記継手本体の外周において結合解除位置と結合位置とにわたって移動可能に設けられ、前記結合位置にあるときには前記第2配管に対する前記第1配管の軸線方向への移動を阻止し、前記結合解除位置にあるときには前記第2配管に対する前記第1配管の軸線方向への移動を許容するように構成されており、前記第1配管に取り付けられ、前記結合位置から前記結合解除位置に前記操作部を移動させるように構成されたアクチュエータを備えている。
【0007】
同構成によれば、第1配管と第2配管とが継手を介して互いに結合されている結合状態において、アクチュエータにより、操作部が結合位置から結合解除位置に移動されることで、第2配管に対する第1配管の軸線方向への移動が許容されるようになる。これにより、第1配管と第2配管との結合状態が解除される。したがって、第1配管と第2配管との結合解除作業を遠隔で行うことができる。
【0008】
上記配管用継手の操作装置において、前記アクチュエータは、前記結合解除位置から前記結合位置に前記操作部を移動させるように構成されていることが好ましい。
同構成によれば、第1配管と第2配管とが互いに接続されており、結合されていない結合解除状態において、アクチュエータにより、操作部が結合解除位置から結合位置に移動されることで、第2配管に対する第1配管の軸線方向への移動が阻止されるようになる。これにより、第1配管と第2配管とが結合される。したがって、第1配管と第2配管との結合作業を遠隔で行うことができる。
【0009】
上記配管用継手の操作装置において、前記操作部は、前記結合位置において前記継手本体の軸線方向に延在する姿勢となり、前記結合解除位置において前記継手本体の軸線方向に交差して延在する姿勢となる操作レバーであり、前記結合位置において前記第2配管と係止され、前記結合解除位置において前記第2配管との係止状態が解除される係止部を有しており、前記継手本体の外周部分には、前記操作レバーを前記結合位置と前記結合解除位置とにわたって回動可能に連結する連結部が設けられており、前記アクチュエータは、前記結合位置と前記結合解除位置との間で前記操作レバーを回動させるように構成されていることが好ましい。
【0010】
レバー式の継手にあっては、操作レバーが結合位置にあるときには、操作レバーが継手本体の軸線方向に延在することで操作レバーの係止部が第2配管に係止される。また、操作レバーが結合解除位置にあるときには、操作レバーが継手本体の軸線方向に交差して延在する姿勢となることで操作レバーの係止部と第2配管との係止状態が解除される。
【0011】
上記構成によれば、操作レバーが結合位置にある状態において、アクチュエータにより、操作レバーが結合解除位置まで回動されることで、第1配管と第2配管との結合状態が解除される。また、操作レバーが結合解除位置にある状態において、アクチュエータにより、操作レバーが結合位置まで回動されることで、第1配管と第2配管とが結合される。したがって、レバー式の継手を介して第1配管と第2配管との結合解除作業及び結合作業を遠隔で行うことができる。
【0012】
上記配管用継手の操作装置において、前記アクチュエータは、前記第1配管の軸線方向に延在するねじ軸、前記第1配管の外周部分に設けられ、前記ねじ軸を前記軸線方向に往復動可能に支持するように構成された支持部、及び前記ねじ軸に螺合されるナットを有するボールねじと、前記ねじ軸を回動させるように構成された駆動部と、前記ナット及び前記操作レバーの先端部に対してそれぞれ回動可能に連結され、前記軸線方向における前記ナットの移動に伴って前記操作レバーを前記結合位置と前記結合解除位置との間で回動させるように構成された連結部材と、を備えていることが好ましい。
【0013】
同構成によれば、駆動部によりねじ軸が回動されることによって、ナットが第1配管の軸線方向に移動する。そして、こうしたナットの移動に伴って連結部材により操作レバーが結合位置と結合解除位置との間で回動される。これにより、操作レバーを回動させるアクチュエータを簡単な構成で具現化することができる。
【0014】
上記配管用継手の操作装置において、前記アクチュエータは、前記操作レバーの先端部に回動可能に連結され、前記第1配管の軸線方向において前記第2配管から離れる側に向かって延在するロッドと、前記第1配管の軸線方向に交差する軸線を中心に前記第1配管に対して傾動可能に支持され、前記ロッドを収容する筒状のハウジングと、前記ハウジングの内部に設けられ、前記ロッドを前記ロッドの軸線方向において往復動させるように構成された駆動部と、を備えており、前記ハウジングは、前記ロッドの往復動に伴って、前記軸線を中心に傾動するように構成されていることが好ましい。
【0015】
同構成によれば、操作レバーが結合位置にある状態において、駆動部によりロッドが駆動されることによってロッドがハウジングの開口を通じて外側に進出する。そして、ロッドによって結合位置から結合解除位置に操作レバーが回動される。このとき、ロッドの往復動に伴って、第1配管の軸線方向に交差する軸線を中心にハウジングが傾動される。これにより、操作レバーを回動させるアクチュエータを簡単な構成で具現化することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、配管同士の結合解除作業を遠隔で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、第1実施形態における第1配管と第2配管とを互いに離して示す斜視図である。
図2図2は、第1実施形態における結合状態の第1配管及び第2配管を示す斜視図である。
図3図3は、第1実施形態における結合状態の第1配管及び第2配管を示す断面図である。
図4図4は、第2実施形態における結合状態の第1配管及び第2配管を示す断面図である。
図5図5は、第2実施形態における結合解除状態の第1配管及び第2配管を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1実施形態>
以下、図1図3を参照して、第1実施形態について説明する。
図1及び図2に示すように、配管用継手の操作装置(以下、第1操作装置40)は、継手20を介して互いに接続された状態で結合される第1配管11及び第2配管12に適用される。
【0019】
本実施形態の第1配管11及び第2配管12は、海中に配設されるものである。
詳しくは、第1配管11及び第2配管12は、洋上風力発電所の基礎工事において用いられる。基礎(図示略)は、海底に固定されるものであり、中空状である。
【0020】
第2配管12は、基礎の天井壁に接続され、鉛直方向上方に延在するものである。
第1配管11は、第2配管12の上側の端末に接続された状態で結合され、鉛直方向において海上まで延在するものである。
【0021】
基礎が海底に固定された後に、基礎の内部を真空状態にする作業が行われる。この際、予め基礎に接続されている第2配管12に対して、継手20を介して第1配管11を接続して結合する結合作業が行われる。この後、第2配管12に設けられた弁装置50によって第2配管12の上端部が開放される。そして、継手20を介して互いに接続された状態で結合されている第1配管11及び第2配管12を通じて、ポンプ(図示略)によって基礎の内部の空気が抜き出される。基礎の内部が真空状態となった後には、第2配管12から第1配管11を取り外す前に、弁装置50によって第2配管12の上端部が閉塞される。その後、第1配管11と第2配管12との結合解除作業が行われる。
【0022】
まず、第2配管12の構成について説明する。
<第2配管12及び弁装置50>
図1図3に示すように、第2配管12は、配管本体12Aとアダプタ31とを備えている。
【0023】
アダプタ31は、第2筒状部32を有している。第2筒状部32の外周面には、係止溝33が設けられている。係止溝33は、第2筒状部32の全周にわたって設けられている。
【0024】
第2筒状部32は、配管本体12Aの端末に接続されるように構成されている。配管本体12Aの端末の外周面には、雄ねじ(図示略)が形成されている。第2筒状部32の内周面には、配管本体12Aの雄ねじに螺合する雌ねじ(図示略)が形成されている。
【0025】
図1及び図2に示すように、第2配管12には、弁装置50が設けられている。弁装置50は、第2配管12を開閉する弁体(図示略)を備えている。弁体は、例えばバタフライバルブである。
【0026】
第2配管12の外側には、弁装置50の弁体を開閉操作する操作ハンドル51が設けられている。
次に、第1配管11及び継手20の構成について説明する。
<第1配管11及び継手20>
図1図3に示すように、継手20は、カプラ21を備えている。
カプラ21は、継手本体としての第1筒状部22と、操作部としての一対の操作レバー25とを有している。
【0027】
第1筒状部22は、第1配管11の端末に接続されるように構成されている。第1配管11の端末の外周面には、雄ねじ(図示略)が形成されている。第1筒状部22の内周面には、第1配管11の雄ねじに螺合する雌ねじ(図示略)が形成されている。
【0028】
図3に示すように、第1筒状部22の先端部の内部に対して、第2筒状部32の先端部が挿入される。第1配管11の軸線方向(以下、軸線方向A)において第1筒状部22と第2筒状部32との間には、環状のシール部材29が設けられている。シール部材29は、第1筒状部22と第2筒状部32とによって軸線方向Aにおいて圧縮されている。このことにより、第1筒状部22と第2筒状部32との間、すなわち第1配管11と第2配管12との間がシールされている。
【0029】
一対の操作レバー25は、第1筒状部22を挟んで設けられている。
操作レバー25は、第1筒状部22の外周において結合位置と結合解除位置とにわたって移動可能に設けられている。操作レバー25は、結合位置にあるときには、第2配管12に対する第1配管11の軸線方向Aへの移動を阻止するように構成されている。操作レバー25は、結合解除位置にあるときには、第2配管12に対する第1配管11の軸線方向Aへの移動を許容するように構成されている。
【0030】
図3に実線にて示すように、操作レバー25は、結合位置において第1筒状部22の軸線方向Aに延在する姿勢となる。
図3に二点鎖線にて示すように、操作レバー25は、結合解除位置において第1筒状部22の軸線方向Aに交差して延在する姿勢となる。
【0031】
第1筒状部22の外周部分には、操作レバー25を結合位置と結合解除位置とにわたって回動可能に連結する連結部23が設けられている。
操作レバー25の基端部には、係止部25aが設けられている。
図3に実線にて示すように、操作レバー25が結合位置にあるときには、係止部25aは、第2配管12を構成するアダプタ31の係止溝33と係止される。
【0032】
図3に二点鎖線にて示すように、操作レバー25が結合解除位置にあるときには、係止部25aは、アダプタ31の係止溝33との係止状態が解除される。
<第1操作装置40>
図1及び図2に示すように、第1操作装置40は、操作レバー25を操作することにより、第1配管11と第2配管12との結合状態を解除可能、且つ第1配管11と第2配管12とを結合可能に構成されている。
【0033】
第1操作装置40は、第1配管11に取り付けられるアクチュエータ41を備えている。
アクチュエータ41は、結合位置と結合解除位置との間で操作レバー25を回動させるように構成されている。
【0034】
本実施形態では、一対の操作レバー25に対応して一対のアクチュエータ41が第1配管11を挟んで設けられている。
アクチュエータ41は、ボールねじ42、駆動部46、連結部材47、及びガイド部材48を備えている。
【0035】
ボールねじ42は、第1配管11の軸線方向Aに延在するねじ軸43、第1配管11の外周部分に設けられ、ねじ軸43を軸線方向Aに往復動可能に支持するように構成された支持部44、及びねじ軸43に螺合されるナット45を有している。
【0036】
駆動部46は、ねじ軸43を回動させるように構成されている。駆動部46は、例えばモータである。駆動部46には、ケーブル(図示略)を介して駆動部46を制御する制御装置が接続されている。
【0037】
連結部材47は、ナット45及び操作レバー25の先端部に対してそれぞれ回動可能に連結され、軸線方向Aにおけるナット45の移動に伴って操作レバー25を結合位置と結合解除位置との間で回動させるように構成されている。
【0038】
本実施形態では、長尺板状の一対の連結部材47が、1つの操作レバー25及びナット45を挟むようにして設けられている。
ガイド部材48は、第1配管11の外周部分に連結され、第1配管11の端末側に向かって延在している。ガイド部材48は、操作レバー25の先端部の回動軌跡に沿って円弧状に延在している。ガイド部材48は、上記回動軌跡に沿って延在する円弧状のガイド孔48aを有している。ガイド部材48は、一対の連結部材47によって挟まれている。ガイド孔48aには、一対の連結部材47と操作レバー25の先端部とを相対回動可能に連結する連結ピン49が挿通されている。
【0039】
連結部23に対する操作レバー25の基端部の回動軸線L1、操作レバー25の先端部に対する連結部材47の回動軸線L2、及びナット45に対する連結部材47の回動軸線L0は、互いに平行である(図1参照)。
【0040】
<第2操作装置60>
図1及び図2に示すように、第1配管11には、連結機構70を介して第2操作装置60が連結されている。
【0041】
第2操作装置60は、弁装置50の操作ハンドル51を回動可能に構成されたモータ61を備えている。モータ61には、ケーブル(図示略)を介してモータ61を制御する制御装置が接続されている。
【0042】
第2操作装置60は、弁装置50及びカプラ21などを撮影するカメラ(図示略)を備えている。
なお、図3では、第1操作装置40、弁装置50、操作ハンドル51、及び第2操作装置60の図示が省略されている。
【0043】
次に、本実施形態の作用について説明する。
図2に示すように、第1配管11と第2配管12とが継手20を介して互いに結合されている結合状態において、駆動部46によりねじ軸43を第1方向に回転させることでナット45が軸線方向Aにおいて操作レバー25に向かって移動するようになる。そして、こうしたナット45の移動に伴って連結部材47により操作レバー25が結合位置(図3の実線)から結合解除位置(図3の二点鎖線)に向けて回動される。
【0044】
図3に二点鎖線にて示すように、操作レバー25が結合解除位置にあるときには、操作レバー25が第1筒状部22の軸線方向Aに交差して延在する姿勢となることで操作レバー25の係止部25aと第2配管12の係止溝33との係止状態が解除される。これにより、第2配管12に対する第1配管11の軸線方向Aへの移動が許容されるようになるため、第1配管11と第2配管12との結合状態が解除される。
【0045】
また、図3に二点鎖線にて示すように、第1配管11と第2配管12とが互いに接続されており、結合されていない結合解除状態において、駆動部46によりねじ軸43を第1方向とは反対方向に回転させる。このことで、ナット45が軸線方向Aにおいて支持部44に向かって移動するようになる。そして、こうしたナット45の移動に伴って連結部材47により操作レバー25が結合解除位置(図3の二点鎖線)から結合位置(図3の実線)に向けて回動される。
【0046】
図3に実線にて示すように、操作レバー25が結合位置にあるときには、操作レバー25が第1筒状部22の軸線方向Aに延在することで操作レバー25の係止部25aが第2配管12の係止溝33に係止される。これにより、第2配管12に対する第1配管11の軸線方向Aへの移動が阻止されるようになるため、第1配管11と第2配管12とが結合される。
【0047】
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)アクチュエータ41は、結合位置と結合解除位置との間で操作レバー25を回動させるように構成されている。
【0048】
こうした構成によれば、上記作用を奏することから、レバー式の継手20を介して接続されて結合されている第1配管11と第2配管12との結合解除作業及び結合作業を遠隔で行うことができる。
【0049】
(2)アクチュエータ41は、ボールねじ42、駆動部46、及び連結部材47を備えている。
こうした構成によれば、操作レバー25を回動させるアクチュエータ41を簡単な構成で具現化することができる。
【0050】
<第2実施形態>
以下、図4及び図5を参照して、第2実施形態について説明する。
本実施形態では、第1操作装置40を構成するアクチュエータ(以下、アクチュエータ81)の構成が第1実施形態と相違している。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0051】
図4及び図5に示すように、本実施形態では、一対の操作レバー25に対応して一対のアクチュエータ81が第1配管11を挟んで設けられている。
アクチュエータ81は、ロッド82、ハウジング83、及び駆動部88を備えている。
【0052】
ロッド82は、操作レバー25の先端部に回動可能に連結され、第1配管11の軸線方向Aにおいて第2配管12から離れる側に向かって延在している。
ハウジング83は、筒状であり、ロッド82を収容している。
詳しくは、ハウジング83は、第1ハウジング部84、プレート部85、及び第2ハウジング部86を備えている。
【0053】
第1ハウジング部84は、有底筒状であり、底部84aと、底部84aに対向する開口部84bと、開口部84bの周縁に設けられたフランジ84cとを有している。
プレート部85は、第1ハウジング部84の開口部84bを覆っている。プレート部85には、ロッド82が挿通される挿通孔85aが設けられている。プレート部85は、フランジ84cに重ねられた状態で、フランジ84cに対してボルト87により固定されている。フランジ84cに設けられたシール溝には、フランジ84cとプレート部85との間には、環状のシール部材91が設けられている。なお、シール部材91をフランジ84cの径方向において二重あるいは3重に設けることもできる。
【0054】
第2ハウジング部86は、筒状であり、プレート部85における第1ハウジング部84とは反対側の面に接合された基端部86aと、開口86cを有する先端部86bとを有している。基端部86aは、プレート部85に近づくほど拡径されている。
【0055】
第2ハウジング部86には、ロッド82が挿通されている。
第2ハウジング部86の先端部86bの内径は、ロッド82の外径よりも僅かに大きい。第2ハウジング部86の先端部86bの内周面に設けられたシール溝には、ロッド82との間には、環状のシール部材92が設けられている。
【0056】
ハウジング83は、第1配管11の外周面に設けられた支持部11aに対して連結された連結部89を有している。連結部89は、プレート部85及び第2ハウジング部86にわたって設けられている。
【0057】
ハウジング83は、支持部11aにより、第1配管11の軸線方向Aに交差する軸線L3を中心に第1配管11に対して傾動可能に支持されている。
第1ハウジング部84の内部には、ロッド82をロッド82の軸線方向において往復動させる駆動部88が設けられている。駆動部88は、プレート部85に取り付けられている。
【0058】
駆動部88は、モータと、モータの回転運動をロッド82の往復動に変換するラックアンドピニオン機構と(いずれも図示略)を備えている。なお、第1ハウジング部84の内部には、バッテリ(図示略)が設けられている。
【0059】
連結部23に対する操作レバー25の基端部の回動軸線L1、操作レバー25の先端部に対するロッド82の回動軸線L2、及び支持部11aに対する連結部89の回動軸線L3は、互いに平行である。
【0060】
ハウジング83は、ロッド82の往復動に伴って、軸線L3を中心に傾動するように構成されている。
なお、第1配管11の外周面には、第2ハウジング部86に当接することでハウジング83の傾動を規制する規制部11bが突設されている。規制部11bは、軸線方向Aにおいて支持部11aとカプラ21との間に位置している。
【0061】
次に、本実施形態の作用について説明する。
操作レバー25が結合位置(図4参照)にある状態において、駆動部88によりロッド82が駆動されることによって、図5に示すように、ロッド82がハウジング83の開口86cを通じて外側に進出する。そして、ロッド82によって結合位置から結合解除位置に操作レバー25が回動される。このとき、ロッド82の往復動に伴って、軸線L3を中心にハウジング83が傾動される。
【0062】
操作レバー25が結合解除位置にあるときには、操作レバー25が第1筒状部22の軸線方向Aに交差して延在する姿勢となることで操作レバー25の係止部25aと第2配管12の係止溝33との係止状態が解除される。これにより、第2配管12に対する第1配管11の軸線方向Aへの移動が許容されるようになるため、第1配管11と第2配管12との結合状態が解除される。
【0063】
操作レバー25が結合解除位置(図5参照)にある状態において、駆動部88によりロッド82が駆動されることによって、図4に示すように、ロッド82がハウジング83の開口86cを通じて内側に後退する。そして、ロッド82によって結合解除位置から結合位置に操作レバー25が回動される。このとき、ロッド82の往復動に伴って、軸線L3を中心にハウジング83が傾動される。
【0064】
操作レバー25が結合位置にあるときには、操作レバー25が第1筒状部22の軸線方向Aに延在することで操作レバー25の係止部25aが第2配管12の係止溝33に係止される。これにより、第2配管12に対する第1配管11の軸線方向Aへの移動が阻止されるようになるため、第1配管11と第2配管12とが結合される。
【0065】
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)に加えて、以下の効果(3)を奏することができる。
【0066】
(3)アクチュエータ81は、ロッド82と、ハウジング83と、駆動部88とを備えている。ハウジング83は、ロッド82の往復動に伴って、軸線L3を中心に傾動するように構成されている。
【0067】
こうした構成によれば、上記作用を奏することから、操作レバー25を回動させるアクチュエータ81を簡単な構成で具現化することができる。
<変更例>
上記実施形態は、例えば以下のように変更して実施することもできる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0068】
・第2配管12の配管本体12Aの外周面に係止溝33を設けるようにしてもよい。この場合、アダプタ31を省略することができる。
・第2実施形態において、エアシリンダあるいは油圧シリンダによって駆動部88を構成することもできる。
【0069】
・操作レバー25の先端部に連結されるワイヤ及び同ワイヤを巻き取る巻き取り装置によってアクチュエータを構成することもできる。この場合、ワイヤの巻き取り方向を変更する滑車を適宜設けるとともに、巻き取り装置としてワイヤを往復動させるモータなどの回転駆動装置を備えるようにすることもできる。回転駆動装置の正転によりワイヤが往動されるとともに、回転駆動装置の逆転によりワイヤが復動される。こうした構成であっても、結合位置と結合解除位置との間で操作レバー25を移動させることができる。
【0070】
・操作レバー25の数は2つに限定されない。操作レバー25は、3つ以上であってもよい。
・継手を構成する操作部は、操作レバー25に限定されず、結合解除位置と結合位置との間で移動可能に構成されるものであればよい。
【0071】
・アクチュエータは、結合位置から結合解除位置にのみ操作部を移動させるものであってもよい。
・配管継手用の操作装置は、海中に配設される第1配管11及び第2配管12に対して適用されるものに限定されない。地上に配設される第1配管及び第2配管に対して操作装置を適用することもできる。
【符号の説明】
【0072】
11…第1配管、11a…支持部、11b…規制部、12…第2配管、12A…配管本体、20…継手、21…カプラ、22…第1筒状部(継手本体)、23…連結部、25…操作レバー(操作部)、25a…係止部、29…シール部材、31…アダプタ、32…第2筒状部、33…係止溝、40…第1操作装置(操作装置)、41…アクチュエータ、42…ボールねじ、43…ねじ軸、44…支持部、45…ナット、46…駆動部、47…連結部材、48…ガイド部材、48a…ガイド孔、49…連結ピン、50…弁装置、51…操作ハンドル、60…第2操作装置、61…モータ、70…支持部材、81…アクチュエータ、82…ロッド、83…ハウジング、84…第1ハウジング部、84a…底部、84b…開口部、84c…フランジ、85…プレート部、86…第2ハウジング部、86a…基端部、86b…先端部、86c…開口、87…ボルト、88…駆動部、89…連結部、91…シール部材、92…シール部材。
図1
図2
図3
図4
図5