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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111528
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】エネルギー回収機構
(51)【国際特許分類】
   F23G 5/027 20060101AFI20230803BHJP
   B09B 3/40 20220101ALI20230803BHJP
   B09B 3/00 20220101ALI20230803BHJP
【FI】
F23G5/027 B
B09B3/00 303H
B09B3/00 ZAB
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022013413
(22)【出願日】2022-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】399049981
【氏名又は名称】株式会社オメガ
(72)【発明者】
【氏名】中村 信一
【テーマコード(参考)】
3K161
4D004
【Fターム(参考)】
3K161CA03
3K161DB33
3K161EA22
3K161EA31
3K161EA32
3K161EA33
3K161EA41
3K161EA42
3K161EA44
3K161GA02
3K161GA27
3K161HA82
4D004AA03
4D004AA07
4D004AA46
4D004AA48
4D004AC04
4D004BA03
(57)【要約】
【課題】被処理物を効率的に処理することができるエネルギー回収機構を提供しようとするもの。
【解決手段】被処理物を流動性加熱媒体1で熱分解して可燃物に変化させる熱分解工程を有し、前記可燃物を用いて流動性加熱媒体1を昇温するようにした。前記可燃物として得た炭化水素ガスにより発電して流動性加熱媒体1の昇温に供するようにしてもよい。前記流動性加熱媒体1の貯留槽の内周側に被処理物の供給ラインを配置するようにしてもよい。前記流動性加熱媒体1の貯留槽の外周側に排気ガスのスクラバー槽3を配置するようにしてもよい。前記スクラバー槽3を活性炭流動床31又は/及び活性炭固定床32としてもよい。前記流動性加熱媒体1の貯留槽と被処理物の供給ラインと排気ガスのスクラバー槽3とを同心円状に配置するようにしてもよい。前記流動性加熱媒体1の貯留槽で活性炭の再生をするようにしたするようにしてもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理物を流動性加熱媒体(1)で熱分解して可燃物に変化させる熱分解工程を有し、前記可燃物を用いて流動性加熱媒体(1)を昇温するようにしたことを特徴とするエネルギー回収方法。
【請求項2】
前記可燃物として得た炭化水素ガスにより発電して流動性加熱媒体(1)の昇温に供するようにした請求項1記載のエネルギー回収方法。
【請求項3】
前記流動性加熱媒体(1)の貯留槽の内周側に被処理物の供給ラインを配置するようにした請求項1又は2記載のエネルギー回収機構。
【請求項4】
前記流動性加熱媒体(1)の貯留槽の外周側に排気ガスのスクラバー槽(3)を配置するようにした請求項1乃至3のいずれかに記載のエネルギー回収機構。
【請求項5】
前記スクラバー槽(3)を活性炭流動床(31)又は/及び活性炭固定床(32)とした請求項4記載のエネルギー回収機構。
【請求項6】
前記流動性加熱媒体(1)の貯留槽と被処理物の供給ラインと排気ガスのスクラバー槽(3)とを同心円状に配置するようにした請求項1乃至5のいずれかに記載のエネルギー回収機構。
【請求項7】
前記流動性加熱媒体(1)の貯留槽で活性炭の再生をするようにした請求項5又は6記載のエネルギー回収機構。
【請求項8】
前記流動性加熱媒体(1)の貯留槽を昇温するための上方に向かう熱風通路(5)を設けるようにした請求項1乃至7のいずれかに記載のエネルギー回収機構。
【請求項9】
前記熱風通路(5)の熱風を循環させるようにした請求項8記載のエネルギー回収機構。
【請求項10】
前記熱風通路(5)を略L字状(8)とするようにした請求項8又は9記載のエネルギー回収機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被処理物を効率的に処理することができるエネルギー回収機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、会社、工場、ホテル、旅館、飲食店、一般家庭等から排出された生ごみその他の廃棄物を、公害が生ずることなく、無害、無臭で炭化処理するための装置に関する提案があった(特許文献1)。
すなわち、会社、工場、ホテル、旅館、飲食店、一般家庭等から排出された生ごみその他の廃棄物の量は極めて多量であり、これらの廃棄物を公害が生ずることなく、無害、無臭で処理することが大きな社会問題になっている。
廃棄物の処理は、一般に、焼却処理、発酵処理、埋立て投棄処理等によって行われている。このような従来の廃棄物処理手段特に焼却処理の場合に、次のような問題が生ずる。即ち、廃棄物の焼却処理時に、排ガス中に存在するダストおよび有害物質が飛散するため、公害を引き起こさずに無煙、無臭で処理することができず、また、処理に際し廃棄物を分別しなければならず、これらの処理のために多額の設備費を要し、処理コストが高騰する上、処理作業が複雑になること等である、というものである。
このような状況に対し、被処理物を効率的に処理することができるエネルギー回収機構を得たいという要望があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-51339
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこでこの発明は、被処理物を効率的に処理することができるエネルギー回収機構を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するためこの発明では次のような技術的手段を講じている。
(1)この発明のエネルギー回収方法は、被処理物を流動性加熱媒体で熱分解して可燃物に変化させる熱分解工程を有し、前記可燃物を用いて流動性加熱媒体を昇温するようにしたことを特徴とする。
このエネルギー回収方法では、被処理物を流動性加熱媒体で熱分解して可燃物に変化させる熱分解工程を有するので、高濃度廃液や粉砕有機固体(廃プラスチックの粉砕片など)の被処理物をSi-C粒体などの流動性加熱媒体により熱分解して炭化物や炭化水素などの可燃物に変化させることが出来る。
【0006】
そして、前記可燃物(炭化物や炭化水素など)を用いて流動性加熱媒体(Si-C粒体など)を昇温するようにしたので、自身から発生するエネルギーを用いて自身を昇温し熱分解して減容化処理することが出来る。
また、被処理物を産廃処分する不要物ではなく自身をエネルギーを産み出す有用物すなわち熱量発生原料に変換して地球環境の保全に資することが出来る。
【0007】
前記被処理物として、有機成分を含有する排水や固体有機物を例示することが出来る。このうち、被処理物(液体系)として、各種排水や廃液(例えばCOD 60,000ppm以上の高濃度廃液)などの液体を例示することが出来る。また、被処理物(固体系)として、廃プラスチック類の粉砕片、生物処理後の有機汚泥(湿潤体)、廃食品類、生ごみ(魚の頭、骨など)、使用済みの紙おしめ・脱脂綿などの医療廃棄物などを例示することが出来る。
【0008】
前記流動性加熱媒体として、金属製やSi-C(熱伝導率 200W/mK)製などの粒体(略球状体、ビーズ状体等)、低融点合金・金属(溶融した金属液体)、溶融食塩(ソルトバス)などを例示することが出来る。低融点金属として、錫(熱伝導率 64W/mK、融点232℃、沸点2,063℃、密度7g/cm3)、鉛(熱伝導率 31W/mK、融点327.5℃、沸点1,750℃、密度11g/cm3)、インジウム(熱伝導率 82W/mK、融点156℃、沸点2,072℃、密度22 g/cm3)、ガリウム(熱伝導率 88W/mK、融点29.78℃、沸点2,208℃、密度6g/cm3)などを例示することが出来る。
【0009】
前記流動性加熱媒体の熱源として、都市ガス(LNG)、プロパンガス、炭化水素ガス(メタンガス)、電熱加熱、誘導加熱(IH)などを例示することが出来る。
熱分解の態様として、炭化物にすることや炭化水素ガス(メタンガス、エタンガスなどの有機物の熱分解ガス)などの可燃物にすることを例示することが出来る。
【0010】
(2)前記可燃物として得た炭化水素ガス(メタンガス)により発電して流動性加熱媒体の昇温に供するようにしてもよい。
このように、可燃物として得た炭化水素ガス(例えば廃ウレタンボードを約650℃で熱分解して得たメタンガス)により発電して流動性加熱媒体の昇温に供するようにすると、被処理物の内在エネルギーを有効利用することが出来る。
【0011】
(3)前記流動性加熱媒体の貯留槽の内周側に被処理物の供給ラインを配置するようにしてもよい。
このように、流動性加熱媒体の貯留槽の内周側に被処理物の供給ラインを配置するようにすると、被処理物を貯留槽の下方側に供給し上昇していく過程で加熱作用を及ぼして熱分解していくことが出来る。
前記被処理物の供給ラインとして、高濃度廃液の注入管(ポンプで先端のノズルから貯留槽に圧入する)や粉砕有機固体の供給ライン(スパイラルコンベア等で貯留槽に圧入する)を例示することが出来る。
【0012】
(4)前記流動性加熱媒体の貯留槽の外周側に排気ガスのスクラバー槽を配置するようにしてもよい。
このように、流動性加熱媒体の貯留槽の外周側に排気ガスのスクラバー槽を配置して流入させるようにすると、昇温された(高温の)流動性加熱媒体の貯留槽の外周側のスクラバー槽(冷却槽)により周囲の作業者の安全性を担保することが出来る。また、火災のガードになる。
前記排気ガスのスクラバー槽は、仮に排気ガス中に有機成分が残留していた場合、電解機構から電解水を循環させて、液中に移行した有機成分を酸化分解していくことが出来る。
【0013】
(5)前記スクラバー槽を活性炭流動床又は/及び活性炭固定床としてもよい。
このように、スクラバー槽を活性炭流動床又は/及び活性炭固定床とすると、活性炭流動床や活性炭固定(定置)床により排気ガス中の汚れ成分を吸着乃至濾過して清浄化していくことが出来る。
前記排気ガスは、高圧空気と混合サイクロンによりスクラバー槽に流入させることが出来る。
【0014】
(6)前記流動性加熱媒体の貯留槽と被処理物の供給ラインと排気ガスのスクラバー槽とを同心円状に配置するようにしてもよい。
このように、流動性加熱媒体の貯留槽と被処理物の供給ラインと排気ガスのスクラバー槽とを同心円状(同軸状)に配置するようにすると、相互間が一体型となり配管の取り回しやバルブ数やポンプ数の削減をすることができビルトインタイプとして工事を簡略化することが出来る。
【0015】
(7)前記流動性加熱媒体の貯留槽で活性炭の再生をするようにしてもよい。
このように、流動性加熱媒体の貯留槽で活性炭の再生をするようにすると、スクラバー槽を活性炭流動床や活性炭固定床とした場合の活性炭を再生して再利用することが出来る。
【0016】
(8)前記流動性加熱媒体の貯留槽を昇温するための上方に向かう熱風通路を設けるようにしてもよい。
このように、流動性加熱媒体の貯留槽を昇温するための上方に向かう熱風通路を設けるようにすると、熱風発生器などの炎の先端が貯留槽の下方に当たりにくく熱的衝撃を緩和することが出来る。また、前記熱風通路の外周をタンクにして水(クーラントになる)を満たすことにより熱風の流路を外部空間から熱的に遮断(水中埋込みインナータイプ)して不測の事態(装置外部への温度の流出)からの安全性を担保することが出来る。
【0017】
(9)前記熱風通路の熱風を循環させるようにしてもよい。
このように、熱風通路の熱風を循環するようにすると、耐熱性(Si-C製の羽根など)の送風機(シロッコファン、送風ファン、スクリュー状ファン)等を用いて熱風を循環・再利用することにより省エネを図ることが出来る。
【0018】
(10)前記熱風通路を略L字状とするようにしてもよい。
このように、熱風通路を略L字状とするようにすると、(熱風発生器の)熱風を略L字状の部分(例えば耐熱・耐火レンガを配する)に当てて風速を一旦減衰させて上向流とすることができ貯留槽の下方への熱的衝撃を緩和することが出来る。
【0019】
(11)流動性加熱媒体の貯留槽の外周の熱風通路に、熱風発生装置から900℃熱風をサイクロンで圧入することが出来る。
また、流動性加熱媒体の貯留槽での熱分解後の炭化物は、高圧空気(コンプレッサーエア)により排出口から取り出すことが出来る。
【発明の効果】
【0020】
この発明は上述のような構成であり、次の効果を有する。
自身から発生するエネルギーを用いて自身を昇温し熱分解して減容化処理することができるので、被処理物を効率的に処理することができるエネルギー回収機構を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】この発明のエネルギー回収方法の実施形態1を説明する断面図。
図2】この発明のエネルギー回収方法の実施形態2を説明する断面図。
図3】この発明のエネルギー回収方法の実施形態3を説明する断面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(実施形態1)
図1に示すように、このエネルギー回収方法は、被処理物を流動性加熱媒体1で熱分解して可燃物に変化させる熱分解工程を有し、前記可燃物を用いて流動性加熱媒体1を昇温するようにした。
【0023】
前記流動性加熱媒体1の貯留槽の内周側に被処理物の供給ラインを配置するようにした。このように、流動性加熱媒体1の貯留槽の内周側に被処理物の供給ラインを配置するようにしたので、被処理物を貯留槽の下方側に供給し上昇していく過程で加熱作用を及ぼして熱分解していくことが出来た。
前記被処理物の供給ラインとして、高濃度廃液の注入管(ポンプで先端のノズル2から貯留槽に圧入した)や粉砕有機固体の供給ライン(スパイラルコンベアS1→S2で貯留槽に圧入した)を設置した。
【0024】
流動性加熱媒体1の貯留槽の外周側に排気ガスのスクラバー槽3を配置するようにした。このように、流動性加熱媒体1の貯留槽の外周側に排気ガスのスクラバー槽3を配置して流入4させるようにしたので、昇温された(高温の)流動性加熱媒体1の貯留槽の外周側のスクラバー槽3(冷却槽)により周囲の作業者の安全性を担保することが出来た。前記排気ガスは、高圧空気と混合サイクロンによりスクラバー槽3に流入させるようにした。
前記排気ガスのスクラバー槽3は、仮に排気ガス中に有機成分が残留していた場合、電解機構Eから電解水を循環させて、液中に移行した有機成分を酸化分解していくことが出来る。
【0025】
前記スクラバー槽3を活性炭流動床31と活性炭固定(定置)床32とした。このように、スクラバー槽3を活性炭流動床31と活性炭固定床32としたので、活性炭流動床31や活性炭固定床32により排気ガス中の汚れ成分を吸着乃至濾過して清浄化していくことが出来た。
【0026】
前記流動性加熱媒体1の貯留槽と被処理物の供給ラインと排気ガスのスクラバー槽3とを同心円状に配置するようにした。このように、流動性加熱媒体1の貯留槽と被処理物の供給ラインと排気ガスのスクラバー槽3とを同心円状(同軸状)に配置するようにしたので、相互間が一体型となり配管の取り回しやバルブ数やポンプ数の削減をすることができビルトインタイプとして工事を簡略化することが出来た。
【0027】
前記流動性加熱媒体1の貯留槽で活性炭の再生をするようにした。このように、流動性加熱媒体1の貯留槽で活性炭の再生をするようにしたので、スクラバー槽3を活性炭流動床31や活性炭固定床32とした場合の活性炭を再生して再利用することが出来た。
【0028】
前記流動性加熱媒体1の熱源として、都市ガスと電熱加熱を用いた。熱分解をして、炭化物と炭化水素ガス(メタンガス)との可燃物を得た。
前記可燃物として得た炭化水素ガス(メタンガス)により発電して流動性加熱媒体1の昇温に供するようにした。このように、可燃物として得た炭化水素ガス(廃ウレタンボードを約650℃で熱分解して得たメタンガス)により発電して流動性加熱媒体1の昇温に供するようにしたので、被処理物の内在エネルギーを有効利用することが出来た。
【0029】
また、流動性加熱媒体1の貯留槽の外周の熱風通路5に、熱風発生装置から900℃熱風をサイクロンで圧入6するようにした。
さらに、流動性加熱媒体1の貯留槽での熱分解後の炭化物は、高圧空気(コンプレッサーエア)により排出口7から取り出すようにした。
【0030】
被処理物(液体系)として、COD 約60,000ppmの高濃度廃液を処理した。また、被処理物(固体系)として、廃プラスチック類の粉砕片を処理した。
前記流動性加熱媒体1として、Si-C(熱伝導率 200W/mK)製の粒体(略のビーズ状体)、また低融点金属として錫(熱伝導率 64W/mK、融点232℃、沸点2,063℃、密度7g/cm3)を用いて処理した。
【0031】
次に、この実施形態のエネルギー回収方法の使用状態を説明する。
このエネルギー回収方法では、被処理物を流動性加熱媒体1で熱分解して可燃物(炭化物、炭化水素)に変化させる熱分解工程を有するので、高濃度廃液、粉砕有機固体(廃プラスチックの粉砕片)の被処理物を流動性加熱媒体1(Si-C粒体、低融点金属)により熱分解して炭化物や炭化水素などの可燃物に変化させることが出来た。
【0032】
そして、前記可燃物(炭化物、炭化水素)を用いて流動性加熱媒体1(Si-C粒体など)を昇温するようにしたので、自身から発生するエネルギーを用いて自身を昇温し熱分解して減容化処理することができ、被処理物を効率的に処理することが出来た。
また、被処理物を産廃処分する不要物ではなく自身をエネルギーを産み出す有用物すなわち熱量発生原料に変換して地球環境の保全に資することが出来た。
【0033】
(実施形態2)
次に実施形態2を上記実施形態との相違点を中心に説明する。
図2に示すように、流動性加熱媒体1の貯留槽を昇温するため、熱風発生器(熱風通路5の下端の入口のLNGバーナー)を出て下方から上方へと向かう熱風通路5を設けた。
このように、流動性加熱媒体1の貯留槽を昇温するための上方に向かう熱風通路5を設けたので、熱風発生器の炎の先端が流動性加熱媒体1の貯留槽の下方に当たりにくく熱的衝撃を緩和することが出来た。
【0034】
また、前記熱風通路5の外周を一体型のタンクTにして処理水(クーラント水になる)を満たすことにより熱風の流路を外部空間から熱的に遮断(水中埋込みインナータイプ)して不測の事態(装置外部への温度の流出)からの安全性を担保することが出来た。
このタンクTは、活性炭流動床31と活性炭固定床32の濾過処理水を送り、下端口から外部に排出するようにしている。排水タンクは普通は別体構造であり現場での配管工事などが大変であるが、装置と一体型の構造としたので設置現場では単に組み立てれば済み現地での作業を簡素化できる。
【0035】
さらに、熱風通路5の熱風を、この装置を出てから耐熱性Si-C製の羽根を有する送風機(装置外部の熱風流路中のシロッコファン)を用いてもとに戻して循環させるようにした。このように、熱風通路5の熱風を外部を通して循環するようにしたので、使用済みの熱風を再利用することにより排ガスの廃熱利用をして省エネを図ることが出来た。また、熱風を循環して利用することにより、流動性加熱媒体1の加熱温度の均等化・均一化を図ることが出来た。
【0036】
(実施形態3)
次に実施形態3を上記実施形態との相違点を中心に説明する。
図3に示すように、前記熱風通路5を水平方向(図示左方向)から垂直方向へと方向転換する略L字状8とした。
このように、熱風通路5を略L字状8としたので、熱風発生器(熱風通路5の下端の入口のLNGバーナー)の熱風を略L字状8の部分(耐熱・耐火レンガを配する)に当てて風速を一旦減衰させて上向流とすることにより、貯留槽の下方への熱的衝撃を緩和することが出来た。
【産業上の利用可能性】
【0037】
被処理物を効率的に処理することができることによって、種々のエネルギー回収方法の用途に適用することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 流動性加熱媒体
3 スクラバー槽
5 熱風通路
8 略L字状
31 活性炭流動床
32 活性炭固定床
図1
図2
図3