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特開2023-111530加工指示装置、加工指示方法、及び加工指示プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111530
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】加工指示装置、加工指示方法、及び加工指示プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20230803BHJP
【FI】
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022013419
(22)【出願日】2022-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北井 勇
(72)【発明者】
【氏名】片山 敏人
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC03
(57)【要約】
【課題】商品を加工製造販売する場合に、得意先から注文を受けた受注担当者が受注入力の際に、画面を見ながら加工指示を簡単かつ正確に行うことが可能な加工指示装置を提供すること。
【解決手段】本実施の形態に係る加工指示装置は、受注明細入力画面上でのオペレータの操作に応じて、商品、加工指示が有るか否かを示す加工指示区分、加工指示コード、数量、売上金額を含む受注明細データを作成して、記憶部に登録する受注明細入力手段と、前記受注明細入力画面で加工指示がある場合に表示される受注詳細入力画面において、受注詳細エリアでのオペレータの操作に応じて、行番号、長さ、枚数を含む受注詳細データを作成して、前記記憶部に登録し、また、略図の表示を含む加工指示内容設定エリアでのオペレータの操作に応じて、加工指示内容を含む加工指示データを作成して、前記記憶部に登録する受注詳細入力手段と、を備えている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備えた加工指示装置であって、
表示部に表示する受注明細入力画面及び受注詳細入力画面の表示を制御する表示制御手段と、
前記受注明細入力画面上でのオペレータの操作に応じて、商品、加工指示が有るか否かを示す加工指示区分、加工指示コード、数量、売上金額を含む受注明細データを作成して、記憶部に登録する受注明細入力手段と、
前記受注明細入力画面で加工指示がある場合に表示される前記受注詳細入力画面において、受注詳細エリアでのオペレータの操作に応じて、行番号、長さ、枚数を含む受注詳細データを作成して、前記記憶部に登録し、また、略図の表示を含む加工指示内容設定エリアでのオペレータの操作に応じて、加工指示内容を含む加工指示データを作成して、前記記憶部に登録する受注詳細入力手段と、
を備えたことを特徴とする加工指示装置。
【請求項2】
前記加工指示内容設定エリアでは、切断指示のための略図が表示され、その略図に対して、切断方向と切断する寸法を入力し、また、曲げ指示の内容を入力し、前記加工指示データは、切断方法、切断する寸法、曲げ指示の内容を含むことを特徴とする請求項1に記載の加工指示装置。
【請求項3】
前記制御部は、さらに、
前記受注明細データ、前記受注詳細データ、及び前記加工指示データに基づいた加工指示書を加工現場のプリンタから出力させる出力指示手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の加工指示装置。
【請求項4】
前記制御部は、
加工指示コードと、加工指示名と、加工指示書出力先プリンタを関連づけて登録した加工指示マスタにアクセス可能に構成されており、
前記出力指示手段は、前記受注明細データの加工指示コードをキーとして、前記加工指示マスタから前記加工指示書出力先プリンタを取得し、取得した前記加工指示書出力先プリンタに前記加工指示書を出力させることを特徴とする請求項3に記載の加工指示装置。
【請求項5】
前記商品は、建築資材を含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の加工指示装置。
【請求項6】
制御部を備えた情報処理装置で実行される加工指示方法であって、
前記制御部において実行される、
表示部に表示する受注明細入力画面及び受注詳細入力画面の表示を制御する表示制御工程と、
前記受注明細入力画面上でのオペレータの操作に応じて、商品、加工指示が有るか否かを示す加工指示区分、加工指示コード、数量、売上金額を含む受注明細データを作成して、記憶部に登録する受注明細入力工程と、
前記受注明細入力画面で加工指示がある場合に表示される前記受注詳細入力画面において、受注詳細エリアでのオペレータの操作に応じて、行番号、長さ、枚数を含む受注詳細データを作成して、前記記憶部に登録し、また、略図の表示を含む加工指示内容設定エリアでのオペレータの操作に応じて、加工指示内容を含む加工指示データを作成して、前記記憶部に登録する受注詳細入力工程と、
を含むことを特徴とする加工指示方法。
【請求項7】
制御部を備えた情報処理装置に実行させるための加工指示プログラムであって、
前記制御部において、
表示部に表示する受注明細入力画面及び受注詳細入力画面の表示を制御する表示制御工程と、
前記受注明細入力画面上でのオペレータの操作に応じて、商品、加工指示が有るか否かを示す加工指示区分、加工指示コード、数量、売上金額を含む受注明細データを作成して、記憶部に登録する受注明細入力工程と、
前記受注明細入力画面で加工指示がある場合に表示される前記受注詳細入力画面において、受注詳細エリアでのオペレータの操作に応じて、行番号、長さ、枚数を含む受注詳細データを作成して、前記記憶部に登録し、また、略図の表示を含む加工指示内容設定エリアでのオペレータの操作に応じて、加工指示内容を含む加工指示データを作成して、前記記憶部に登録する受注詳細入力工程と、
を実行させるための加工指示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工指示装置、加工指示方法、及び加工指示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、得意先からの注文に合わせて材料(資材)を加工して販売を行う場合は、従来は、得意先からの注文を受けた受注担当者が受注伝票に手書きで加工指示内容を記入した後、加工部門に受注伝票を配達していた。従来、例えば、加工指示を行うシステムとして、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-140327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、商品を加工製造販売する場合に、得意先から注文を受けた受注担当者が受注入力の際に、画面を見ながら加工指示を簡単かつ正確に行うことに関して何ら記載されていない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、商品を加工製造販売する場合に、得意先から注文を受けた受注担当者が受注入力の際に、画面を見ながら加工指示を簡単かつ正確に行うことが可能な加工指示装置、加工指示方法、及び加工指示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた加工指示装置であって、表示部に表示する受注明細入力画面及び受注詳細入力画面の表示を制御する表示制御手段と、前記受注明細入力画面上でのオペレータの操作に応じて、商品、加工指示が有るか否かを示す加工指示区分、加工指示コード、数量、売上金額を含む受注明細データを作成して、記憶部に登録する受注明細入力手段と、前記受注明細入力画面で加工指示がある場合に表示される前記受注詳細入力画面において、受注詳細エリアでのオペレータの操作に応じて、行番号、長さ、枚数を含む受注詳細データを作成して、前記記憶部に登録し、また、略図の表示を含む加工指示内容設定エリアでのオペレータの操作に応じて、加工指示内容を含む加工指示データを作成して、前記記憶部に登録する受注詳細入力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、前記加工指示内容設定エリアでは、切断指示のための略図が表示され、その略図に対して、切断方向と切断する寸法を入力し、また、曲げ指示の内容を入力し、前記加工指示データは、切断方法、切断する寸法、曲げ指示の内容を含むことにしてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記制御部は、さらに、前記受注明細データ、前記受注詳細データ、及び前記加工指示データに基づいた加工指示書を加工現場のプリンタから出力させる出力指示手段を備えることにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、前記制御部は、加工指示コードと、加工指示名と、加工指示書出力先プリンタを関連づけて登録した加工指示マスタにアクセス可能に構成されており、前記出力指示手段は、前記受注明細データの加工指示コードをキーとして、前記加工指示マスタから前記加工指示書出力先プリンタを取得し、取得した前記加工指示書出力先プリンタに前記加工指示書を出力させることにしてもよい。
【0010】
前記商品は、建築資材を含むことにしてもよい。
【0011】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置で実行される加工指示方法であって、前記制御部において実行される、表示部に表示する受注明細入力画面及び受注詳細入力画面の表示を制御する表示制御工程と、前記受注明細入力画面上でのオペレータの操作に応じて、商品、加工指示が有るか否かを示す加工指示区分、加工指示コード、数量、売上金額を含む受注明細データを作成して、記憶部に登録する受注明細入力工程と、前記受注明細入力画面で加工指示がある場合に表示される前記受注詳細入力画面において、受注詳細エリアでのオペレータの操作に応じて、行番号、長さ、枚数を含む受注詳細データを作成して、前記記憶部に登録し、また、略図の表示を含む加工指示内容設定エリアでのオペレータの操作に応じて、加工指示内容を含む加工指示データを作成して、前記記憶部に登録する受注詳細入力工程と、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置に実行させるための加工指示プログラムであって、前記制御部において、表示部に表示する受注明細入力画面及び受注詳細入力画面の表示を制御する表示制御工程と、前記受注明細入力画面上でのオペレータの操作に応じて、商品、加工指示が有るか否かを示す加工指示区分、加工指示コード、数量、売上金額を含む受注明細データを作成して、記憶部に登録する受注明細入力工程と、前記受注明細入力画面で加工指示がある場合に表示される前記受注詳細入力画面において、受注詳細エリアでのオペレータの操作に応じて、行番号、長さ、枚数を含む受注詳細データを作成して、前記記憶部に登録し、また、略図の表示を含む加工指示内容設定エリアでのオペレータの操作に応じて、加工指示内容を含む加工指示データを作成して、前記記憶部に登録する受注詳細入力工程と、を実行させるための加工指示プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、商品を加工製造販売する場合に、得意先から注文を受けた受注担当者が受注入力の際に、画面を見ながら加工指示を簡単かつ正確に行うことが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、加工した商品例を説明するための図である。
図2図2は、加工工程例を説明するための図である。
図3図3は、業務運用を説明するための図である。
図4図4は、本実施の形態に係る加工指示装置の構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、本実施の形態に係る加工指示装置の制御部の全体の処理の概略を説明するためのフローを示す図である。
図6図6は、本実施の形態に係る加工指示装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図7図7は、本実施の形態に係る加工指示装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図8図8は、本実施の形態に係る加工指示装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図9図9は、本実施の形態に係る加工指示装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図10図10は、本実施の形態に係る加工指示装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図11図11は、本実施の形態に係る加工指示装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0016】
[1.概要]
例えば、建築資材(屋根材)を顧客の要望に合わせて加工(例えば、切断、曲げ加工、ぺフ貼加工等)して加工製造販売を行う業界がある。かかる加工製造販売では、基本的に下記の業務プロセス(1)~(3)が行われる。
【0017】
(1)受注業務では、事務所にて得意先からのFAX、メールによる注文内容を確認し、システムに受注登録する。
(2)加工指示作成業務では、事務所にて受注伝票に担当者が手書きで加工内容を記入する。
(3)加工指示業務では、事務所から加工部門の事務所に人力にて受注伝票を配達する。
【0018】
しかしながら、手書きで加工内容を書くため、担当者により表現の精度のばらつきがあり、加工部門に誤って伝わったり、記入した担当者への再確認が必要な場合がある。また、人力で事務所から加工現場へ配達することの時間的制約と負荷の発生が課題であった。
【0019】
本実施の形態では、担当者が手書きしていた加工指示の内容を整理することで、ある程度、パターン化出来ることに着目し、図面の形状は共通化、寸法等をパラメーターとすることで、受注入力時に受注入力画面から加工指示内容を登録できるようにした。また、加工指示内容により担当する加工現場のプリンタへ直接、加工指示書を出力できるようにした。これにより、商品を加工製造販売する場合に、得意先から注文を受けた受注担当者が受注入力の際に、加工指示を、画面を見ながら簡単かつ正確に行うこと可能となる。より具体的には、以下の(1)~(3)の効果を奏する。
【0020】
(1)母材のロスを減少させることが可能となる。具体的には、加工指示が定型化されたことで、加工ミスを減少でき、母材の加工ミスによるロスを削減することができる。
【0021】
(2)顧客満足度を向上させることが可能となる。具体的には、加工指示が定型化されたことで、加工ミスを減少でき、受注内容と違う製品の出荷を削減して、顧客満足度を向上させることが可能となる。
【0022】
(3)時間の創出が可能となる。具体的には、加工指示が定型化されたことで、現場から営業、業務への指示内容の問合せが減り、その分の時間を創出することが可能となる。また、以前の様に紙媒体の事務所から加工現場への配達がなくなったため、その分の時間を創出することが可能となる。
【0023】
図1図3は、本実施の形態の処理イメージを示す図である。図1は、加工した製品(商品)例を説明するための図である。製品の基本的な寸法は品番で決定し、長さ(=切断工程)や一部の箇所(たれ、フラット等)(=曲げ工程)について客先要望に合わせた加工を行う。
【0024】
図2は、加工工程例を説明するための図である。切断工程では、母材コイルを、切断機を使用して指示された長さの切板に切断する。曲げ工程では、切板を、フォーミング設備を通して指示された箇所・寸法で曲げ加工を行って、製品を製造する。
【0025】
図3は、業務運用を説明するための図である。例えば、事務所建屋では、受注入力処理S1を実行して、得意先からの注文書の内容を受注入力して、受注データと加工指示データを登録し、加工指示マスタにて指定された加工現場のプリンタへ加工指示書を印刷する。加工現場建屋では、加工指示書に従って、加工工程S2で母材の切断や曲げ工程を実行する。
【0026】
本発明の加工指示装置は、建材加工卸や鋼板加工卸等の加工製造販売を行う各種業界に適用可能である。
【0027】
[2.構成]
本実施の形態に係る加工指示装置の構成の一例について、図4を参照して説明する。図4は、本実施の形態に係る加工指示装置の構成の一例を示すブロック図である。加工指示装置は、例えば、事務所建屋で使用される。
【0028】
加工指示装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、加工指示装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0029】
加工指示装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。加工指示装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0030】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、加工指示装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、加工指示装置100と、サーバ200や加工現場建屋のプリンタ400・・・とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0031】
入出力インターフェース部108には、入力装置112及び出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0032】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。
【0033】
また、記憶部106は、加工指示マスタ106aと、データファイル106bと、を備えている。
【0034】
加工指示マスタ106aは、加工指示CD、加工指示名、加工指示書印刷先プリンタのデータを関連づけて登録したテーブル等で構成することができる(図10参照)。加工指示書印刷先プリンタは、加工指示書の印刷時に指定されるプリンタである。図10に示す例では、加工指示CD「21」、加工指示名「650型 軒先曲げ」、加工指示書印刷先プリンタ「1号機切断機プリンタ1」となっている。
【0035】
データファイル106bは、受注明細データ、受注詳細データ、加工指示データ等の各種データを格納するためのファイルである。受注明細データ及び受注詳細データを受注データと称する。
【0036】
受注明細データは、行、商品、商品名、色、加工、加工指示CD、加工指示名、数量、売上単価、売上金額のデータを含んでいてもよい(図10(A)参照)。図10(A)に示す例では、行「1」、商品「S00000001」、商品名「カラー GL 0.4X454X」、色「GLスチールブラック」、加工「あり」、加工指示CD「21」、加工指示名「650型 軒先曲げ」、数量「53」、売上単価「5000」、売上金額「265000」となっている。
【0037】
受注詳細データは、行、詳細番号、長さ、枚数のデータを含んでいてもよい(図10(B)参照)。図10(B)に示す例では、1行目は、行「1」、詳細番号「1」、長さ「3,300」、枚数「16」となっている。
【0038】
加工指示データは、行、備考、加工指示内容(切断位置、切断方向、切断寸法、曲げ指示内容等)のデータを含んでいてもよい。具体的には、加工指示データは、備考、カット上、カット下、カット左、カット右、カット向き、フラット、葦方向、曲げ回数、たれ、加工備考等を含んでいてもよい(図10(C)参照)。
【0039】
制御部102は、加工指示装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0040】
制御部102は、記憶部106に格納されている、加工指示マスタ106aと、データファイル106bにアクセス可能に構成されている。なお、これらのマスタ・ファイルは、他の場所(例えば、サーバ200)に設けられていてもよく、制御部102がアクセス可能な構成であればよい。
【0041】
制御部102は、機能概念的に、受注明細入力部102aと、受注詳細入力部102bと、出力指示部102cと、画面表示制御部102dと、マスタメンテ部102eと、を備えている。
【0042】
受注明細入力部102aは、モニタ114に表示される受注明細入力画面上でのオペレータの操作に応じて、商品、加工指示が有るか否かを示す加工指示区分、加工指示コード、数量、売上金額を含む受注明細データを作成して、データファイル106bに登録する。
【0043】
受注詳細入力部102bは、受注明細入力画面で加工指示がある場合にモニタ114に表示される受注詳細入力画面において、受注詳細エリアでのオペレータの操作に応じて、行番号、長さ、枚数を含む受注詳細データを作成して、データファイル106bに登録し、略図の表示を含む加工指示内容設定エリアでのオペレータの操作に応じて、加工指示内容を含む加工指示データを作成して、データファイル106bに登録する。
【0044】
加工指示内容設定エリアでは、切断指示のための略図が表示され、その略図に対して、切断方向と切断する寸法を入力し、また、曲げ指示の内容を入力し、加工指示データは、切断方向、切断する寸法、曲げ指示の内容を含むことにしてもよい。
【0045】
出力指示部102cは、受注明細データ、受注詳細データ、及び加工指示データに基づいた加工指示書を加工現場のプリンタ400から出力させる。出力指示部102cは、受注明細データの加工指示コードをキーとして、加工指示マスタ106aから加工指示書出力先プリンタを取得し、取得した加工指示書出力先プリンタに加工指示書を出力させることにしてもよい。
【0046】
画面表示制御部102dは、モニタ114に表示する受注明細入力画面及び受注詳細入力画面等の表示及びその入力を制御する。
【0047】
マスタメンテ部102eは、例えば、モニタ114に表示されるマスタメンテ画面上でのオペレータの操作に応じて、加工指示マスタ106aに対して、データの入力・追加・削除・編集等の設定を行う。
【0048】
[3.具体例]
図4図11を参照して、本実施の形態における加工指示装置100の処理の具体例を説明する。まず、図5を参照して、本実施の形態における加工指示装置100の制御部102の全体の処理の概略を説明する。図5は、本実施の形態における加工指示装置100の全体の処理の概略を説明するためのフローを示す図である。
【0049】
(3-1.全体の処理)
図5において、制御部102は、受注入力処理S1を実行する。具体的には、受注明細入力部102aは、受注明細入力処理を実行する(ステップS11)。具体的には、受注明細入力処理では、受注明細入力部102aは、モニタ114に表示される受注明細入力画面上でのオペレータの操作に応じて、商品、加工指示が有るか否かを示す加工指示区分、加工指示コード、数量、売上金額を含む受注明細データを作成して、データファイル106bに登録する。
【0050】
受注詳細入力部102bは、受注詳細入力処理を実行する(ステップS12)。具体的には、受注詳細入力処理では、受注詳細入力部102bは、受注明細入力画面で加工指示がある場合にモニタ114に表示される受注詳細入力画面において、受注詳細エリアでのオペレータの操作に応じて、行番号、長さ、枚数を含む受注詳細データを作成して、データファイル106bに登録し、略図の表示を含む加工指示内容設定エリアでのオペレータの操作に応じて、加工指示データを作成して、データファイル106bに登録する。加工指示設定エリアでは、切断指示のための略図が表示され、その略図に対して、切断方向と切断する寸法を入力し、また、曲げ指示の内容を入力し、加工指示データは、切断方向、切断する寸法、曲げ指示の内容を含むことにしてもよい。
【0051】
出力指示部102cは、加工指示書プリンタ出力指示処理を実行する(ステップS13)。具体的には、加工指示書プリンタ出力指示処理では、出力指示部102cは、受注明細データ、受注詳細データ、及び加工指示データに基づいた加工指示書を加工現場のプリンタ400から出力させる。出力指示部102cは、受注明細データの加工指示コードをキーとして、加工指示マスタ106aから加工指示書出力先プリンタを取得し、取得した加工指示書出力先プリンタに加工指示書を出力させることにしてもよい。
【0052】
(3-2.サンプルデータ)
図6図11は、本実施の形態に係る加工指示装置100の制御部102の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。図6図11を参照して、本実施の形態に係る加工指示装置100の制御部102の処理の具体例を説明する。図6は、受注明細入力画面の表示例を示す図である。図7は、受注明細入力画面での入力手順を説明するための図である。図8は、受注詳細入力画面の表示例を示す図である。図9は、受注詳細入力画面での入力手順を説明するための図である。図10は、受注明細データ、受注詳細データ、加工指示データ、加工指示マスタ106aのデータ構成例を示す図である。図11は、加工指示書の帳票の例を示す図である。
【0053】
図6に示す受注入力画面は、(1)明細行を入力するエリア、(2)商品を入力するエリア、(3)色を入力するエリア、(4)加工の有無を指定するボタン、(5)加工指示を入力するエリア、(6)数量を入力するエリア、(7)売上単価を入力するエリア、(8)売上金額を入力するエリアと、登録ボタンと、閉じるボタンと、を備えている。登録ボタンを押すと、受注明細入力画面の入力内容に応じた受注明細データがデータファイル106bに登録される。
【0054】
図7において、(1)明細行は、表示のみの項目であり、受注明細の行数を指定するための項目であり、自動的にカウントアップされる。(2)商品は、商品CDの指定を指定すると、商品CDをキーとして、不図示の商品マスタから商品名が取得されて表示される。(3)色では、色を指定する。
【0055】
(4)加工(加工指示区分)では、加工有無を選択し、「あり」の場合は、(5)加工指示へカーソルが遷移する。「なし」の場合、(5)加工指示はスキップし、(6)数量へカーソルが遷移する。
(5)加工指示では、加工指示CDを指定すると、加工指示CDをキーとして、加工指示マスタ106aから加工指示名と加工指示書出力先プリンタ情報を取得し、加工指示名が表示される。加工指示CDが指定されると、図8に示す受注詳細入力画面が表示される。受注詳細入力画面でデータを入力して、登録ボタンを押すと、図7の受注詳細入力画面の(7)売上単価にカーソルが遷移する。受注詳細画面の説明は後述する。
【0056】
(6)数量では、受注数量の入力を行う。(4)加工が「あり」で受注詳細入力画面へ遷移した場合、受注詳細入力画面で入力した数量が自動的にセットされる。(7)売上単価では、売上単価を入力する。数量×売上単価の結果が(8)売上金額へセットされる。(8)売上金額は、売上金額を表示する。(7)売上単価を未入力の場合は、売上金額を可能である。登録ボタンを押すと、図7に示す例では、図10(A)に示すような受注明細データがデータファイル106bに登録される。
【0057】
図8に示す受注詳細入力画面は、(1)商品、色、加工指示が表示されるエリアと、(2)総数が表示されるエリアと、(3)行番号が表示されるエリアと、(4)長さを入力するエリアと、(5)枚数を入力するエリアと、(6)詳細明細表示領域と、(7)合計を表示するエイラと、(8)(12)(13)切断を行う対象の切板の行番号(切断指示(行番号))を指定するエリアと、切断を指示するための略図で(9)幅方向の切断指示、(10)長さ方向の切断指示、(11)切断方向の指示を入力するエリアと、(14)曲げ指示を入力するエリアと、(15)加工備考を入力するエリアと、登録ボタンと、閉じるボタンと、が表示される。(1)~(6)は、受注詳細エリアを構成する。(8)~(15)は、加工指示内容設定エリアを構成する。
【0058】
登録ボタンを押すと、受注詳細入力画面の入力内容に応じた受注詳細データ及び加工指示データがデータファイル106bに登録される。
【0059】
図9において、(1)商品、色、加工指示は、表示のみの項目であり、受注明細入力画面で入力した内容が表示される。(2)総数は、表示のみの項目であり、(5)枚数で入力された合計値(7)がセットされる。受注詳細入力画面終了後、受注明細入力画面に戻った際に受注明細入力画面の(6)数量にセットされる。
【0060】
(3)行番号は、詳細明細の行数が表示され自動的にカウントアップされる。(4)長さは、切断後の切板の長さを入力する。(5)枚数は、指定した長さで切断する切板の枚数を入力する。入力後、行番号・長さ・枚数が(6)詳細明細表示領域の最終行にセットされる。(6)詳細明細表示領域は、入力した詳細明細の内訳が表示される。任意の行をダブルクリックすると(3)行番号、(4)長さ、(5)枚数にセットされて修正が可能な状態となる。(7)合計には、詳細明細の枚数の合計が表示され、(2)総数にセットされる。
【0061】
(8)では、切断指示((9)(10)(11)で指定する寸法)で切断を行う対象の切板の行番号(6)を入力する。図8に示す例では、「切断指示1」となっている。切断を指示するための略図で、(9)幅方向の切断指示、(10)長さ方向の切断指示、(11)切断方向の指示を入力する。(9)幅方向の切断指示では、幅方向に切断する寸法を入力する。(10)長さ方向の切断指示では、長さ方向に切断する寸法を入力する。(11)切断方向の指示では、切断機にセットする方向の指示を入力する。「1」入力で「→」、「2」入力で「←」が設定される。
【0062】
(12)(13)切断指示2、3は、切断指示1の(8)~(11)と同様である。切断指示2、3も使用することで最大3パターンまで切断指示の設定が可能となる。
【0063】
(14)曲げ指示では、曲げ工程の内容「フラット、葦方向、曲げ回数、たれ」の指示を入力する。(15)加工備考は、自由記入欄で加工指示書に表示される。
【0064】
登録ボタンを押すと、図8に示す例では、図10(B)に示すような受注詳細データと図10(C)に示すような加工指示データがデータファイル106bに登録される。また、カーソルが図6に示す受注明細入力画面に遷移する。
【0065】
図11は、図10の受注明細データ、受注詳細データ、加工指示データ、加工指示マスタ106aに基づいて作成された加工指示書の例を示している。
【0066】
以上説明したように、本実施の形態によれば、モニタ114に表示する受注明細入力画面及び受注詳細入力画面の表示を制御する画面表示制御部102dと、前記受注明細入力画面上でのオペレータの操作に応じて、商品、加工指示が有るか否かを示す加工指示区分、加工指示コード、数量、売上金額を含む受注明細データを作成して、記憶部に登録する受注明細入力部102aと、前記受注明細入力画面で加工指示がある場合に表示される前記受注詳細入力画面において、受注詳細エリアでのオペレータの操作に応じて、行番号、長さ、枚数を含む受注詳細データを作成して、前記記憶部に登録し、また、略図の表示を含む加工指示内容設定エリアでのオペレータの操作に応じて、加工指示内容を含む加工指示データを作成して、前記記憶部に登録する受注詳細入力部102bと、を備えているので、商品を加工製造販売する場合に、得意先から注文を受けた受注担当者が受注入力の際に、画面を見ながら加工指示を簡単かつ正確に行うことが可能となる。
【0067】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0068】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0069】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0070】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0071】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0072】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメーターを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0073】
また、加工指示装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0074】
例えば、加工指示装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて加工指示装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0075】
また、このコンピュータプログラムは、加工指示装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0076】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0077】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0078】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0079】
また、加工指示装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、加工指示装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0080】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0081】
100 加工指示装置
102 制御部
102a 受注明細入力部
102b 受注詳細入力部
102c 出力指示部
102d 画面表示制御部
102e マスタメンテ部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 加工指示マスタ
106b データファイル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11