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  • 特開-照明装置 図1
  • 特開-照明装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111547
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 17/00 20060101AFI20230803BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230803BHJP
【FI】
F21V17/00 150
F21V17/00 200
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022013439
(22)【出願日】2022-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】390031521
【氏名又は名称】トキコーポレーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】滑川 聖
(72)【発明者】
【氏名】石引 力
(72)【発明者】
【氏名】藤城 健司
【テーマコード(参考)】
3K011
【Fターム(参考)】
3K011HA01
3K011JA01
(57)【要約】
【課題】コスト面での課題を解決できる照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置10は、光源ユニット12と、光源ユニット12から出射された光の配光を制御するレンズ18と、レンズ18を覆うグローブ16と、レンズ18とグローブ16とを一体化する結合部21とを備える。レンズ18とグローブ16を一体とした状態で光源ユニット12から取り外し可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源から出射された光の配光を制御するレンズと、
前記レンズを覆うグローブと、
前記レンズと前記グローブとを一体化する結合部と、
を備え、
前記レンズと前記グローブを一体とした状態で前記光源から取り外し可能であることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記結合部は、前記グローブ内を密閉するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記結合部は、
前記レンズを支持するとともに、前記グローブの開口部を塞ぐグローブ蓋と、
前記グローブ蓋を前記グローブに固定するホルダと、
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記光源は、発光ダイオードであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明や装飾に用いられる照明装置に関し、特に発光ダイオード(LED)を用いた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発光ダイオードの性能が著しく向上したことにより、小型のインジケータやバックライトなどの従来の用途はもちろん、店舗照明や装飾照明、さらには家庭用照明にも発光ダイオードが使われるようになってきている。
【0003】
例えば、特許文献1には、光源としての発光ダイオードと、発光ダイオードから出射された光の配光を制御するレンズと、レンズを覆うグローブとを備える照明装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-115529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のような照明装置では、例えばレンズやグローブに不具合が生じた場合や配光を変化させたい場合に、光源を含めた照明装置全体を交換する必要があり、コスト面での課題がある。
【0006】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、上記のようなコスト面での課題を解決できる照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の照明装置は、光源と、光源から出射された光の配光を制御するレンズと、レンズを覆うグローブと、レンズとグローブとを一体化する結合部と、を備える。レンズとグローブを一体とした状態で光源から取り外し可能である。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を装置、方法、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、上記のようなコスト面での課題を解決した照明装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る照明装置の要部縦断面図である。
図2】本発明の実施形態に係る照明装置の要部分解斜視図である。
図3】グローブユニットの分解断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係る照明装置10の要部縦断面図である。図2は、本発明の実施形態に係る照明装置10の要部分解斜視図である。
【0012】
本実施形態に係る照明装置10は、光を出射する光源ユニット12と、光源ユニット12から出射された光を受けて外部に照射するグローブユニット14とを備える。本実施形態に係る照明装置10においては、光源ユニット12からグローブユニット14を取り外し可能である。図1は、光源ユニット12からグローブユニット14を取り外した状態を示す。
【0013】
光源ユニット12は、筐体26と、筐体26の内部に配置された発光ダイオード(図示せず)と、筐体26の上部に設けられた発光面28と、電源ケーブル30とを備える。発光ダイオードは、電源ケーブル30からの電力の供給により発光する。発光ダイオードから出射された光は発光面28から外部に放出される。発光面28からは様々な放射角で光が出射されるが、発光面28の中心を通る発光面28に対して垂直な方向(すなわち、光源ユニットの光軸方向)の光強度が最も高くなる。照明装置10を屋外で使用する場合には、光源ユニット12単体で防水性を有していることが望ましい。
【0014】
図3は、グローブユニット14の分解断面図である。グローブユニット14は、光源ユニット12の発光面28から出射された光の配光を制御するレンズ18と、レンズ18を覆うグローブ16と、レンズ18とグローブ16とを一体化する結合部21とを備える。
【0015】
レンズ18は、アクリル樹脂などの光透過性材料により形成されている。本実施形態に係る照明装置10において、レンズ18は、略回転楕円体の長軸(中心軸Ax)方向の一端部を先細り状にした形状に形成されている。このような形状は、涙滴状と呼ぶこともできる。
【0016】
涙滴状のレンズ18は、先細り状の先端部18aと、略回転楕円体の長軸方向の他端部に形成された底面部18bと、先端部18aと底面部18bの間に形成された側面部18cとを有する。底面部18bは、レンズ18の中心軸Axに垂直な円形の平面とされている。側面部18cは、底面部18bからレンズ18内に入射した光を全反射し、先端部18a近傍に結像させるよう形成されている。
【0017】
レンズ18は、グローブユニット14が光源ユニット12に取り付けられたときに、底面部18bが光源ユニット12の発光面28上に位置するように配置される。レンズ18は、中心軸Axが光源ユニット12の発光面28の中心と垂直に交差するように、すなわち、中心軸Axが光源ユニット12の光軸と一致するように配置されることが好ましい。光源ユニット12の発光面28とレンズ18の底面部18bは、光の利用効率を考慮すると、光源ユニット12の発光面28とレンズ18の底面部18bは当接していることが好ましいが、部品の公差を考慮して、光源ユニット12の発光面28とレンズ18の底面部18bは若干離間していてもよい。
【0018】
光源ユニット12の発光面28から放射された光は、底面部18bからレンズ18内に入射する。レンズ18内に入射した光は、側面部18cで全反射した後、先端部18aの近傍に線状の像を結ぶ。線状の像を形成した光は、先端部18a近傍の側面部からレンズ18の外に出射する。従って、レンズ18を外部から見ると、先端部18aの近傍が線状に発光しているように見えるので、あたかも白熱電球のフィラメントのように輝いているような照明効果を与えることができる。また、底面部18bから側面部18cに入射した光は、側面部18cにて少なくとも1回全反射する。従って、レンズ18の外部から側面部18cを見た場合、光源ユニット12の発光面28は見えない。このような涙滴状のレンズについては、本出願人により出願された特許第5547697号に詳細が説明されている。
【0019】
グローブ16は、開口部を有する中空部材である。グローブ16は、レンズ18の略全体を覆っている。言い換えると、グローブ16は、レンズ18を収納している。つまり、グローブ16の内部にレンズ18の略全体が存在している。
【0020】
グローブ16は、透光性を有する透光カバーである。したがって、グローブ16の内面に入射した光は、グローブ16を透過してグローブ16の外部へと取り出される。本実施形態では、グローブ16はレンズ18を覆っているので、レンズ18から放出された光がグローブ16を透過し、照明装置10の周囲に照射される。
【0021】
グローブ16の材料としては、可視光に対して透明なアクリル(PMMA)やポリカーボネート(PC)等の透光性樹脂材料を用いることができる。あるいは、シリカガラス等のガラス材料を用いることもできる。
【0022】
本実施形態において、グローブ16は、透明に構成されている。グローブ16を透明にすることにより、グローブ内に配置されたレンズ18を外部から視認することができる。これにより、白熱電球のフィラメントのように輝いているような照明効果を効果的に与えることができる。
【0023】
別の実施形態では、グローブ16は透明でなくてもよく、光透過性のある白色を有してもよい。あるいは、グローブ16は、発光ダイオードから放出される光の色を変換して他の色に変化させるフィルター要素のある色を有してもよい。あるいは、グローブ16は、複数色を有してもよい。あるいは、グローブ16は、一部がミラーコートされたものであってもよい。
【0024】
グローブ16は、略円形の開口面を構成する開口部16aを有している。本実施形態に係る照明装置10において、グローブ16の全体形状は略球形状であるが、グローブ16の全体形状は略球形状に限定されるものではない。
【0025】
結合部21は、レンズ18とグローブ16とを一体化している。すなわち、結合部21は、レンズ18とグローブ16を一つの部品として扱うことを可能としている。本実施形態において、結合部21は、グローブ16内を密閉するように構成される。密閉の度合いは、照明装置10に要求される防水性に応じて設定される。
【0026】
本実施形態において、結合部21は、レンズ18を支持するとともにグローブ16の開口部16aを塞ぐグローブ蓋20と、グローブ16内を密閉するためのパッキン24と、グローブ蓋20をグローブ16に固定するホルダ22とを備える。
【0027】
グローブ蓋20は、グローブ16の開口部16aを塞ぐことが可能な大きさおよび形状を有する蓋体である。グローブ蓋20は、中心部に円形状の孔20aが設けられている。この孔20aは、レンズ18の底面部18bを挿入および固定可能な大きさに形成されている。レンズ18は、その底面部18bが孔20aに挿入されることにより、グローブ蓋20に支持される。孔20aはレンズ18の底面部18bにより完全に塞がれる。
【0028】
パッキン24は、グローブ16内を密閉するためのシール部材である。パッキン24の形状および材質は、密閉の度合いによって適宜選択することができる。パッキン24の材質は、例えばゴムや樹脂であってよい。本実施形態では、パッキン24の形状は、グローブ蓋20の上面の周縁部を覆うように形成された円環状である。
【0029】
ホルダ22は、略円筒形状を有する部材である。ホルダ22は、グローブ蓋20を保持した状態でグローブ蓋20をグローブ16の開口縁部16bに係止される。このとき、パッキン24は、グローブ蓋20の周縁部とグローブ16の開口縁部16bとによって挟み込まれる。これにより、レンズ18がグローブ内に収納されるとともに、グローブ16内が密閉状態とされる。レンズ18は、グローブ16の開口部16aからグローブ16の中央部付近まで延在している。
【0030】
グローブユニット14を光源ユニット12に取り付ける構造は以下の通りである。ホルダ22の下部には、2つの係止突起22aが形成されている。また、光源ユニット12の筐体26には、2つの係止溝部26aが形成されている。ホルダ22の係止突起22aを筐体26の係止溝部26aに位置合わせした状態でホルダ22を中心軸Ax回りの所定方向に微小角度回転させることで、係止突起22aが係止溝部26aに係止され、ホルダ22が筐体26に固定される。すなわち、グローブユニット14が光源ユニット12に取り付けられる。グローブユニット14を光源ユニット12から取り外す場合は、逆方向に回転させればよい。なお、グローブユニット14を光源ユニット12に取り付ける構造はここで説明したものに限定されず、例えば、嵌合構造による取付構造や、締結部材による取付構造が採用されてもよい。
【0031】
以上説明したように、本実施形態に係る照明装置10においては、レンズ18とグローブ16とをグローブユニット14として一体化し、このグローブユニット14を光源ユニット12から取り外しできるようにした。これにより、レンズ18やグローブ16が破損した場合または配光や色を変化させたい場合には、光源ユニット12を含めた照明装置全体ではなく、グローブユニット14のみを交換すればよいので、コスト面で有利である。
【0032】
また、本実施形態に係る照明装置10においては、レンズ18が収納されたグローブ16の内部空間を密閉したことにより、グローブユニット14単体で防水性を確保することができる。これにより、グローブ16内での結露の発生、グローブ16内への虫の侵入、グローブ16内での藻の発生などを好適に防ぐことができるので、きれいな発光状態を長く保つことが可能となる。また、グローブ16内の清掃などのメンテナンス作業も減るので、維持コストの面でも有利である。
【0033】
また、本実施形態に係る照明装置10によれば、グローブユニット14の防水性が確保されているので、グローブ16内に水が浸入し満たされ重量が増加することによる照明装置10の落下事故を防ぐことができる。
【0034】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。本実施の形態は例示であり、それらの各構成要素の組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0035】
10 照明装置、 12 光源ユニット、 14 グローブユニット、 16 グローブ、 18 レンズ、 20 グローブ蓋、 21 結合部、 22 ホルダ、 24 パッキン、 26 筐体、 28 発光面、 30 電源ケーブル。
図1
図2
図3