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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111562
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】美容器具
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/36 20060101AFI20230803BHJP
【FI】
A61N1/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022013470
(22)【出願日】2022-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(74)【代理人】
【識別番号】100141449
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 隆芳
(74)【代理人】
【識別番号】100142446
【弁理士】
【氏名又は名称】細川 覚
(72)【発明者】
【氏名】北村 央
(72)【発明者】
【氏名】森本 夏海
(72)【発明者】
【氏名】大野木 洋子
(72)【発明者】
【氏名】川口 夏未
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053JJ13
4C053JJ24
(57)【要約】
【課題】横方向及び上方向を含む施術方向に対して略均一に電流を通電させることにより高い美容効果を発現する美容器具を提供する。
【解決手段】美容器具1は、使用者に把持される本体部10と、本体部10の一部に設けられ使用者の肌に特性の異なる電流を通電可能なヘッド部30とを備え、
ヘッド部30は、並列した3個以上の電極50の集合体である並列電極群40を有し、
並列電極群40を構成する電極50は、その電極延設方向Eが、並列電極群40の電極並列方向Pと交差するように配置される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者に把持される本体部と、前記本体部の一部に設けられ前記使用者の肌に特性の異なる電流を通電可能なヘッド部とを備え、
前記ヘッド部は、並列した3個以上の電極の集合体である並列電極群を有し、
前記並列電極群を構成する電極は、その電極延設方向が、前記並列電極群の電極並列方向と交差するように配置される美容器具。
【請求項2】
前記並列電極群は、
前記ヘッド部において前記本体部の底部から最も離間して配置された上部電極と、
前記ヘッド部において前記本体部の底部に最も近接して配置された下部電極と、
前記上部電極と前記下部電極との間に配置された中間電極の1個以上の集合体である中間電極群と、
を有し、
前記上部電極の平面視形状は、直線状端部と前記直線状端部の反対側の端部である弧状端部とを含む略D字状であり、
前記直線状端部は、前記ヘッド部において前記本体部の底部から最も離間する直線状端部である直線状上外縁に近接するように配置される請求項1に記載の美容器具。
【請求項3】
前記上部電極と前記下部電極とは、前記中間電極群を構成する中間電極よりも電極面積が大きい請求項2に記載の美容器具。
【請求項4】
前記中間電極及び前記下部電極の平面視形状は、それぞれ、略等幅部分が湾曲した形状を有する湾曲形状、又は非等幅部分が屈曲した形状を有する屈曲形状である請求項2又は3に記載の美容器具。
【請求項5】
前記中間電極の平面視形状は、前記湾曲形状である請求項4に記載の美容器具。
【請求項6】
前記並列電極群は、前記並列電極群を構成する隣接する電極間の離間距離である隣接電極間距離が、前記電極の電極延設方向に沿った少なくとも一部において一定になるように整列される請求項2~5のいずれか1項に記載の美容器具。
【請求項7】
前記上部電極と前記上部電極に隣接する中間電極との間の隣接電極間距離である上部隣接電極間距離と、
前記下部電極と前記下部電極に隣接する中間電極との間の隣接電極間距離である下部隣接電極間距離と、
隣接する前記中間電極間の隣接電極間距離である中間隣接電極間距離とは、
前記中間隣接電極間距離と、前記上部隣接電極間距離及び前記下部隣接電極間距離と、が異なる値を有する請求項2~6のいずれか1項に記載の美容器具。
【請求項8】
前記中間隣接電極間距離が、前記上部隣接電極間距離及び前記下部隣接電極間距離よりも大きい請求項7に記載の美容器具。
【請求項9】
前記並列電極群を構成する電極のうち、
前記上部電極と前記下部電極とからなる両端電極対よりも近接した一対の電極からなる近接電極対間に、第1の周波数を有する第1の出力の電圧が印加され、
前記第1の周波数が1MHz~5MHzである請求項2~8のいずれか1項に記載の美容器具。
【請求項10】
前記並列電極群を構成する電極のうち、
前記近接電極対よりも遠隔した一対の電極からなる遠隔電極対間に、第2の周波数を有する第2の出力の電圧が印加され、
前記遠隔電極対が前記上部電極を含み、
前記第2の周波数が1Hz~10kHzである請求項9に記載の美容器具。
【請求項11】
前記並列電極群は、前記並列電極群を構成する電極のうち少なくとも1個の電極が、異なる周波数を有する出力の電圧が印加される共通の電極である請求項1~10のいずれか1項に記載の美容器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、美容器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者に把持される本体部と、使用者の肌に特性の異なる電流を通電可能なヘッド部を備える美容器具が知られている。
【0003】
特許文献1には、使用者の肌面に当接される一対の並行電極と、一対の並行電極間に高周波電流を通電させる電源部とを具備する高周波美容器具が開示されている。特許文献1には、一対の並行電極の形状として、二重の円、二重の四角形、二重の三角形等の形状が開示されている。特許文献1によれば高周波電流を流された肌が局所的に熱を持ってしまうことを防止することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-187732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、美容器具の施術方向は、施術を行う部位、使用モード等により異なる。例えば、目元から下顎骨にかけての部分の施術を行う場合の施術方向としては、顔の中央部付近からこめかみ付近に向けての横方向、下顎骨から目元付近に向けての上方向、等がある。
【0006】
これに対し、特許文献1に記載の美容処理装置では、上記横方向及び上方向を含む施術方向に対して均一に電流を通電させることにより高い美容効果を発現することが困難になりやすい。また、特許文献1に記載の美容処理装置では、電極が一対で2個のため高い美容作用を得にくいおそれがある。
【0007】
本開示は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本開示の目的は、横方向及び上方向を含む施術方向に対して略均一に電流を通電させることにより高い美容効果を発現する美容器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の態様に係る美容器具は、使用者に把持される本体部と、前記本体部の一部に設けられ前記使用者の肌に特性の異なる電流を通電可能なヘッド部とを備え、前記ヘッド部は、並列した3個以上の電極の集合体である並列電極群を有し、前記並列電極群を構成する電極は、その電極延設方向が、前記並列電極群の電極並列方向と交差するように配置される。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、横方向及び上方向を含む施術方向に対して略均一に電流を通電させることにより高い美容効果を発現する美容器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態の美容器具の一例の斜視図である。
図2】第1の実施形態の美容器具の一部をヘッド部側から見た斜視図である。
図3】第1の実施形態の美容器具の一部を背面側から見た平面図である。
図4】第1の実施形態の美容器具のヘッド部の電極形状を示す平面図である。
図5】隣接電極間距離を説明する平面図である。
図6】第1の実施形態の美容器具のヘッド部の電気的接続の一例を示す図である。
図7】近接電極対の組み合わせを説明する平面図である。
図8】近接電極対の組み合わせと、両端電極対を含む遠隔電極対の組み合わせとを説明する平面図である。
図9】通電する電極対の組み合わせの第1の例を示す平面図である。
図10】通電する電極対の組み合わせの第2の例を示す平面図である。
図11】通電する電極対の組み合わせの第3の例を示す平面図である。
図12】通電する電極対の組み合わせの第4の例を示す平面図である。
図13】ウェイブリフトモードでの出力パターンの一例を示す図である。
図14図13の波形Aの詳細を示す図である。
図15図14の波形A中のRF出力を含む出力パターンを示す図である。
図16図13の波形Bの詳細を示す図である。
図17図16の波形B中のRF出力を含む出力パターンを示す図である。
図18】RFトリートメントモードでの出力パターンの一例を示す図である。
図19】モイスチャライジングモードでの出力パターンの一例を示す図である。
図20】アイケアモードでの出力パターンの一例を示す図である。
図21】中間電極群の第1の変形例を示す図である。
図22】中間電極群の第2の変形例を示す図である。
図23】中間電極群の第3の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
【0012】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0013】
[美容器具]
図1は、第1の実施形態の美容器具の一例の斜視図である。図2は、第1の実施形態の美容器具の一部をヘッド部側から見た斜視図である。図3は、第1の実施形態の美容器具の一部を背面側から見た平面図である。図4は、第1の実施形態の美容器具のヘッド部の電極形状を示す平面図である。図5は、隣接電極間距離を説明する平面図である。
【0014】
図1に示すように、美容器具1A(1)は、使用者に把持される本体部10と、使用者の肌に特性の異なる電流を通電可能なヘッド部30A(30)とを備える。美容器具1Aは、施術時に、使用者が本体部10を把持し、ヘッド部30Aを使用者の肌に当接させるようにして使用される。
【0015】
(本体部)
図1に示すように、本体部10は、底部11と、ヘッド部30Aが設けられる頂部16とを結ぶ方向が長手方向となり、底部11、頂部16、正面部12、側面部13、15、及び背面部14を有する柱状の筐体になっている。ヘッド部30が設けられる頂部16は、正面部12側の高さが背面部14側の高さよりも低くなることで、施術時に使用者が本体部10を把持したときにヘッド部30Aを使用者の肌に当接させやすくなっている。
【0016】
ここで、正面部12とは、施術時に使用者が本体部10を把持したときに、使用者側に相対する部分である。また、背面部14は、正面部12の背面側の部分である。施術時に使用者が本体部10を把持したとき、通常、使用者の掌及び親指以外の指が背面部14に接触し、使用者の親指が正面部12に接触しやすくなる。
【0017】
正面部12には、電源のオン/オフ、使用モードの切り替え等を行う電源/モードスイッチ18と、通電レベルを調整するレベルスイッチ17と、が設けられる。使用モードについては後に詳述するが、例えば、ウェイブリフトモード、RFトリートメントモード、モイスチャライジングモード、アイケアモード等がある。これらのモードは、使用者の肌に通電する電流の周波数、及び通電する電流の組み合わせ等に基づいて設定される。
【0018】
各使用モードは、例えば、後述の周波数の異なる第1の出力、第2の出力及び第3の出力の1種以上の出力の電圧の電極間への印加と、LEDライト照射とを組み合わせて設定される。具体的には、ウェイブリフトモードでは、例えば、単位時間内の前段に第2の出力、後段に第1の出力の電圧を電極間に印加し、単位時間内の全てにLEDライト照射を行うように設定する。このように、周波数の異なる出力の電圧の印加を単位時間内の異なる時間帯に行う場合は、同一の電極50に周波数の異なる出力の電圧の印加を行うことが可能になる。このため、周波数の異なる出力の電圧の印加を単位時間内の異なる時間帯に行う場合は、ヘッド部30Aに設けられる複数個の電極50の数を減らし、ヘッド部30Aを小型化することが可能になる。
【0019】
使用者の肌に通電する電流は、ヘッド部30Aの並列した3個以上の電極50の集合体である並列電極群40に特性の異なる電流を通電することで生じる。並列電極群40には、例えば、後述の、第1の周波数を有する第1の出力、第1の周波数よりも低い第2の周波数を有する第2の出力、第1の周波数よりも低い第3の周波数を有する第3の出力等の電圧が印加される。ここで、第1の出力、第2の出力、第3の出力について簡単に説明するが、詳しくは後述する。
【0020】
第1の出力は、高周波の電流の出力であり、例えばRFトリートメントモードにおいて、出力時間比率が高い主な出力である。後述のように、RFトリートメントモードは、主に、肌に高周波電流を流すことで肌内部でジュール熱を発生させモードである。RFトリートメントモードは、発生したジュール熱により、主に、肌内部でコラーゲンなどの産生を促進すると共に毛細血流を増加させることができ、使用者に肌のリフトアップや肌のくすみなどを改善させる作用を得ることを目的とするモードである。
【0021】
なお、出力時間比率とは、使用モードの出力の1サイクルが、第1の出力、第2の出力、第3の出力から選ばれる1種以上の出力を順次行う場合における各出力の時間内の出力の比率を意味する。例えば、RFトリートメントモードの出力の1サイクルが、第1の出力208ms、空白(非出力)5ms、第3の出力32ms、空白(非出力)5msである場合、第1の出力の出力時間比率は208/250となる。
【0022】
第2の出力は、比較的低周波の電流の出力であり、例えばウェイブリフトモードにおいて用いられる出力である。後述のように、ウェイブリフトモードは、主に、その電流を使用者の肌に通電して表情筋を電気刺激で振動させることにより、引き締まった肌を得る作用を得ることを目的とするモードである。
【0023】
第3の出力は、中周波の電流の出力であり、例えばモイスチャライジングモード及びアイケアモードにおいて出力時間比率が高い出力である。後述のように、モイスチャライジングモードは、主に、その電流を使用者の肌に通電して美容成分を奥深く角質層に浸透させることにより、美容成分による美容効果を高める作用を得ることを目的とするモードである。また、アイケアモードは、主に、その電流を使用者の目元の肌に通電して目元用の美容成分を奥深く角質層に浸透させることにより美容成分による美容効果を高めるとともに、目元に温感を与える作用を得ることを目的とするモードである。
【0024】
ウェイブリフトモードは、例えば、第2の出力と、第1の出力と、後述のLEDライト照射とを組み合わせて用いるように設定される。RFトリートメントモードは、例えば、第1の出力と、第3の出力と、LEDライト照射とを組み合わせて用いるように設定される。モイスチャライジングモードは、例えば、第3の出力と、第1の出力と、LEDライト照射とをRFトリートメントモードと異なる出力時間比率で組み合わせて用いるように設定される。アイケアモードは、例えば、第3の出力と、第1の出力と、LEDライト照射とをRFトリートメントモード及びモイスチャライジングモードと異なる出力時間比率で組み合わせて用いるように設定される。アイケアモードのLEDライト照射量は、例えば、モイスチャライジングモードのLEDライト照射量よりも少なくする。
【0025】
第1の出力及び第2の出力は、ヘッド部30に設けられた複数個の電極50間で電圧が印加されることで使用者の肌に通電されるようになっている。また、第3の出力は、ヘッド部30Aに設けられた1個以上の電極50と、使用者に把持される本体部10に設けられた1個以上の電極50(本体電極20)と、の間で電圧が印加されることで使用者の肌に通電されるようになっている。
【0026】
図3に示すように、本体部10の背面部14には、本体電極20が設けられる。このため、本体部10は、前記使用者の把持により使用者に接触する1個以上の電極50からなる本体電極20を有する。図3に示す本体電極20は1個の長円状の電極50からなる。なお、本体電極20は2個以上の電極50からなっていてもよい。すなわち、本体電極20は、1個以上の電極50からなる本体電極20とすることができる。
【0027】
本体電極20は、ヘッド部30Aに設けられる電極50との間で通電可能になっている。具体的には、ヘッド部30Aの並列電極群40を構成する少なくとも一部の電極と本体部10の本体電極20との間に第3の出力等の出力の電圧が印加されるようになっている。
【0028】
なお、並列電極群40と本体電極20との間に第3の出力の電圧が印加される場合、並列電極群40側の電極が全て同極であり、かつ並列電極群40側の電極と前記本体電極20とが異極になるように電圧が印加されることが好ましい。具体的には、並列電極群40を構成する電極のうち第3の出力の電圧が印加される電極が全て同極であり、かつ並列電極群40を構成する電極のうち第3の出力の電圧が印加される電極と本体電極20とが異極になるように電圧が印加されることが好ましい。このように並列電極群40と本体電極20との間に第3の出力の電圧が印加されると、美容成分のイオン導入の効率が高いため好ましい。
【0029】
(ヘッド部)
図1及び図2に示すように、ヘッド部30Aは、本体部10の一部に設けられる。ヘッド部30Aは、ヘッド部表面32上に複数個の電極50を備え、電極50を介して使用者の肌に特性の異なる電流を通電可能になっている。
【0030】
図1に示すように、ヘッド部30Aは、並列した3個以上の電極50の集合体である並列電極群40を有する。また、図2に示すように、並列電極群40を構成する4個の電極61(50)、75A(50)、75B(50)、69(50)のうちの隣接する電極50、50間のヘッド部表面32には、複数個のLEDライト35が設けられている。例えば、ヘッド部表面32として半透明のヘッド部表面32を用い、ヘッド部表面32の裏側にLEDライト35が埋設されるようにすると、LEDライト35の点灯時のみLEDライト35を視認可能にすることができる。
【0031】
ヘッド部30Aでは、LEDライト35は、5個一組で3列設けられている。具体的には、後述の上部電極61と中間電極75Aとの間、中間電極75Aと75Bとの間、中間電極75Bと下部電極69との間に、5個一組のLEDライト35の群が、1列ずつ設けられている。なお、LEDライト35の列数、1列当りの個数は、特に限定されず、適宜変更することができる。
【0032】
ヘッド部30Aの、3列のLEDライト35の群は、5個一組の一列ずつ、独立して点灯、消灯が可能になっている。ヘッド部30Aでは、例えば、LEDライト35の群を3列点灯させたり、1列のみ点灯させたりすることができるようになっている。
【0033】
LEDライト35としては、例えば、赤色LEDライトが用いられる。赤色LEDライトを肌に照射すると、例えば、肌の細胞の修復や血液循環を促したり、肌の炎症や赤味を鎮めたりすることができる。LEDライト35は、例えば、ウェイブリフトモード等の使用モードと連動して点灯させることができるようになっている。
【0034】
<並列電極群>
並列電極群40を構成する電極50は、上部電極61と、下部電極69と、中間電極75A、75B(75)の集合体である中間電極群70と、を有する。ここで、上部電極61とは、ヘッド部30Aにおいて本体部10の底部11から最も離間して配置された電極50である。また、下部電極69とは、ヘッド部30Aにおいて本体部10の底部11に最も近接して配置された電極50である。さらに、中間電極群70とは、上部電極61と下部電極69との間に配置された電極50である中間電極75の1個以上の集合体である。
【0035】
並列電極群40を構成する電極50は、その電極延設方向Eが、並列電極群40の電極並列方向Pと交差するように配置される。ここで、電極延設方向Eと電極並列方向Pとが交差するとは、電極延設方向E及び電極並列方向Pをヘッド部30Aのヘッド部表面32上に投影したときに、投影した電極延設方向E及び電極並列方向Pが交差することを意味する。
【0036】
電極並列方向Pとは、並列電極群40を構成する各電極50が並列する方向である。図4に示すヘッド部30Aでは、上部電極61と中間電極75Aと中間電極75Bと下部電極69とが図4中の上下方向に並列している。このため、並列電極群40の電極並列方向Pは、図4中の上下方向になっている。
【0037】
また、電極延設方向Eとは、並列電極群40を構成する各電極50が延設される方向である。ここで、電極50が延設される方向とは、隣接する電極50Y(50)に相対する電極50X(50)の隣接方向端部52がヘッド部30Aの平面視で形成する曲線又は直線の延長方向を意味する。なお、ヘッド部30Aの平面視とは、ヘッド部30Aのヘッド部表面32の垂直方向からヘッド部30Aを視ることを意味する。
【0038】
例えば、上部電極61の電極延設方向Eは、隣接する中間電極75Aに相対する上部電極61の弧状の隣接方向端部52A2(52、56)がヘッド部30Aの平面視で形成する曲線の延長方向である。以下、上部電極61の弧状の隣接方向端部52A2を、弧状端部56ともいう。
【0039】
中間電極75Aの電極延設方向Eは、隣接する下部電極69及び中間電極75Bにそれぞれ相対する中間電極75Aの弧状の隣接方向端部52B1(52)及び52B2(52)がヘッド部30Aの平面視で形成する曲線の延長方向である。なお、中間電極75Aのように、隣接する電極50が2個以上ある場合は、隣接する電極50に相対する隣接方向端部52毎に電極延設方向Eを決定し、それぞれを電極延設方向Eとする。
【0040】
例えば、中間電極75Aでは、弧状の隣接方向端部52B1及び52B2のそれぞれがヘッド部30Aの平面視で形成する曲線の延長方向に基づいてそれぞれの電極延設方向Eを決定し、それぞれを電極延設方向Eとする。なお、弧状の隣接方向端部52B1及び52B2の曲率が同じであるため、中間電極75Aの電極延設方向Eは同じである。
【0041】
中間電極75Bの電極延設方向Eは、隣接する中間電極75A及び下部電極69にそれぞれ相対する中間電極75Bの弧状の隣接方向端部52C1(52)及び52C2(52)がヘッド部30Aの平面視で形成する曲線の延長方向である。なお、弧状の隣接方向端部52C1及び52C2の曲率が同じであるため、中間電極75Bの電極延設方向Eは同じである。
【0042】
下部電極69の電極延設方向Eは、隣接する中間電極75Bに相対する下部電極69の弧状の隣接方向端部52D1(52)がヘッド部30Aの平面視で形成する曲線の延長方向である。
【0043】
上記のように、並列電極群40を構成する電極50、すなわち上部電極61、中間電極75A、中間電極75B及び下部電極69は、各電極50の電極延設方向Eが、並列電極群40の電極並列方向Pと交差するように配置されている。並列電極群40を構成する電極50の電極延設方向Eが電極並列方向Pと交差するように配置されていると、施術方向によらず、肌に略均一に電気刺激を作用させやすいため好ましい。
<上部電極の平面視形状>
次に、並列電極群40を構成する上部電極61、中間電極75A、中間電極75B及び下部電極69の平面視形状について説明する。
【0044】
上部電極61の平面視形状は、直線状端部55と直線状端部55の反対側の端部である弧状端部56(隣接方向端部52A2)とを含む略D字状になっている。直線状端部55は、ヘッド部30Aにおいて本体部10の底部11から最も離間する直線状端部である直線状上外縁33に近接するように配置される。
【0045】
このように上部電極61の平面視形状が略D字状直線状端部55を有すと、施術方向が上方向である場合に、肌のたるみを引き上げやすいため好ましい。さらに、上部電極61の平面視形状が略D字状であると、上部電極61の電極面積を大きくしやすいことから、施術時に熱や電流が一か所に集中しにくくなり、均一で高い美容効果を得やすいため好ましい。
【0046】
<中間電極の平面視形状>
中間電極75Aの平面視形状は、略等幅部分が湾曲した形状を有する湾曲形状になっている。具体的には、中間電極75Aの平面視形状は、弧状の隣接方向端部52B1(52)と隣接方向端部52B1の反対側の端部である弧状の隣接方向端部52B2(52)とを含む。弧状の隣接方向端部52B1及び52B2の曲率が略同一であるため、中間電極75Aの平面視形状は、略等幅部分が湾曲した形状を有する湾曲形状になっている。
【0047】
中間電極75Bの平面視形状は、中間電極75Aと同様に、略等幅部分が湾曲した形状を有する湾曲形状になっている。具体的には、中間電極75Bの平面視形状は、弧状の隣接方向端部52C1(52)と隣接方向端部52C1の反対側の端部である弧状の隣接方向端部52C2(52)とを含む。弧状の隣接方向端部52C1及び52C2の曲率が略同一であるため、中間電極75Bの平面視形状は、略等幅部分が湾曲した形状を有する湾曲形状になっている。
【0048】
このように中間電極75A及び中間電極75Bの平面視形状が湾曲形状であると、施術方向によらず、肌に略均一に電気刺激を作用させやすいため好ましい。
【0049】
なお、中間電極75Aの弧状の隣接方向端部52B1の曲率は、上部電極61の弧状端部56(隣接方向端部52A2)の曲率とも略同一になっている。また、中間電極75Aの弧状の隣接方向端部52B1と、上部電極61の弧状端部56(隣接方向端部52A2)とは、略等間隔になるように配置される。このため、美容器具1Aでは、上部電極61と中間電極75Aとの間に電流を通電させる場合に、肌に略均一に電気刺激を作用させやすいため好ましい。
【0050】
なお、中間電極75Bの弧状の隣接方向端部52C1の曲率は、中間電極75Aの弧状の隣接方向端部52B2の曲率とも略同一になっている。また、中間電極75Bの弧状の隣接方向端部52C1と、中間電極75Aの弧状の隣接方向端部52B2とは、略等間隔になるように配置される。このため、美容器具1Aでは、中間電極75Aと中間電極75Bとの間に電流を通電させる場合に、肌に略均一に電気刺激を作用させやすいため好ましい。
【0051】
さらに、中間電極75Bの弧状の隣接方向端部52C2の曲率は、下部電極69の弧状の隣接方向端部52D1の曲率とも略同一になっている。また、中間電極75Bの弧状の隣接方向端部52C2と、下部電極69の弧状の隣接方向端部52D1とは、略等間隔になるように配置される。このため、美容器具1Aでは、中間電極75Bと下部電極69との間に電流を通電させる場合に、肌に略均一に電気刺激を作用させやすいため好ましい。
【0052】
<下部電極の平面視形状>
下部電極69の平面視形状は、非等幅部分が屈曲した形状を有する屈曲形状になっている。具体的には、下部電極69の平面視形状は、弧状の隣接方向端部52D1(52)と隣接方向端部52D1の反対側の端部である弧状の最下端部59とを含む。弧状の隣接方向端部52D1の曲率が最下端部59の曲率よりも小さいため、下部電極69の平面視形状は、非等幅部分が屈曲した形状を有する屈曲形状、具体的には三日月状になっている。
【0053】
このように下部電極69の平面視形状が屈曲形状であると、下部電極69の電極面積を大きくしやすいことから、施術時に熱や電流が一か所に集中しにくくなり、均一で高い美容効果を得やすいため好ましい。
【0054】
なお、下部電極69の平面視形状は、必要により、中間電極75A及び中間電極75Bの平面視形状と同様に、略等幅部分が湾曲した形状を有する湾曲形状にすることができる。
【0055】
また、中間電極75A及び中間電極75Bの平面視形状は、必要により、下部電極69の平面視形状と同様に、非等幅部分が屈曲した形状を有する屈曲形状にすることができる。
【0056】
<電極面積>
上部電極61と下部電極69とは、中間電極群70を構成する中間電極75よりも電極面積が大きいと、施術時に熱や電流が一か所に集中しにくくなり、均一で高い美容効果を得やすいため好ましい。例えば、並列電極群40を構成する電極50のうち、上部電極61及び下部電極69からなる両端電極対89には、後述の第2の周波数を有する第2の出力の電圧が印加されてEMSの施術を行うことが多い。この場合、上部電極61と下部電極69とが、中間電極群70を構成する中間電極75よりも電極面積が大きいと、EMSの施術時に熱や電流が一か所に集中しにくくなり、均一で高い肌のたるみの引き上げ効果を得やすいため好ましい。
【0057】
図4及び図5に示すように、並列電極群40は、並列電極群40を構成する隣接する電極50間の離間距離である隣接電極間距離が、電極50の電極延設方向Eに沿った少なくとも一部において一定になるように整列されている。並列電極群40を構成する電極50が整列されていると、施術方向によらず、肌に略均一に電気刺激を作用させやすいため好ましい。
【0058】
上部電極61と上部電極61に隣接する中間電極75Aとの間の隣接電極間距離である上部隣接電極間距離Dは、図4に示す電極延設方向Eに沿った少なくとも一部において一定になっている。このため、上部電極61と中間電極75Aとは整列されている。
【0059】
隣接する中間電極75A、75B間の隣接電極間距離である中間隣接電極間距離Dは、図4に示す電極延設方向Eに沿った少なくとも一部において一定になっている。このため、中間電極75Aと中間電極75Bとは整列されている。
【0060】
下部電極69と下部電極69に隣接する中間電極75Bとの間の隣接電極間距離である下部隣接電極間距離Dは、図4に示す電極延設方向Eに沿った少なくとも一部において一定になっている。このため、中間電極75Bと下部電極69とは整列されている。
【0061】
<隣接電極間距離>
ヘッド部30Aの並列電極群40は、中間隣接電極間距離Dと、上部隣接電極間距離D及び下部隣接電極間距離Dと、が異なる値を有する。中間隣接電極間距離Dと、上部隣接電極間距離D及び下部隣接電極間距離Dと、が異なる値を有すると、隣接電極間距離に応じて美容効果が異なることを利用して、美容効果を高めやすいため好ましい。例えば、隣接電極間距離が小さいと通電された電流の作用が肌の浅い部分で生じやすく、隣接電極間距離が大きいと通電された電流の作用が肌の深い部分で生じやすくなる。
【0062】
具体的には、ヘッド部30Aの並列電極群40は、中間隣接電極間距離Dが、前記上部隣接電極間距離D及び前記下部隣接電極間距離Dよりも大きい。中間隣接電極間距離Dが、前記上部隣接電極間距離D及び前記下部隣接電極間距離Dよりも大きいと、肌の深い部分に作用する電流を中間電極75A、75B間に通電することで、美容効果を高めやすいため好ましい。
【0063】
図6は、第1の実施形態の美容器具のヘッド部の電気的接続の一例を示す図である。図6に示すように、ヘッド部30Aの並列電極群40には、EMS電極制御部151、RF電極制御部152及びIP電極制御部153が電気的に接続される。並列電極群40は、EMS電極制御部151、RF電極制御部152及びIP電極制御部153により、特定の電極50間に特定の出力の電圧を印加することができるようになっている。
【0064】
EMS電極制御部151は、上部電極61と下部電極69との間に電圧を印加する第2の出力等の出力を制御するユニットである。RF電極制御部152は、上部電極61と中間電極75Aとの間、中間電極75Bと下部電極69との間に電圧を印加する第1の出力等の出力を制御するユニットである。IP電極制御部153は、ヘッド部30Aの並列電極群40を構成する各電極50と本体部10の本体電極20との間に電圧を印加する第3の出力等の出力を制御するユニットである。
【0065】
並列電極群40及び本体電極20と、EMS電極制御部151、RF電極制御部152及びIP電極制御部153とは、導線111、121、131等で電気的に接続されている。
【0066】
<第1の出力、第2の出力、及び第3の出力>
並列電極群40を構成する電極50間で、又は並列電極群40を構成する電極50と本体電極20(50)との間で電圧が印加される、第1の出力、第2の出力、第3の出力について説明する。
【0067】
第1の出力は、第1の周波数を有する高周波の電流の出力であり、通常、RF(ラジオ波)と言われる周波数の電流の出力である。第1の出力は、通常、RFトリートメントに用いられる出力である。第1の周波数としては、例えば1MHz~5MHz、好ましくは2.5MHz~3.5MHzの範囲内の周波数が用いられる。第1の出力は、肌に高周波電流を流すことで肌内部でジュール熱を発生させることにより、肌内部でコラーゲンなどの産生を促進するとともに毛細血流の増加をさせることができ、使用者に肌のリフトアップや肌のくすみなどを改善させる作用を有する。第1の出力は、例えば、RFトリートメントモードにおいて、第3の出力と共に用いかつ第3の出力よりも出力時間比率が高い出力とするように用いる。
【0068】
第1の出力は、並列電極群40を構成する各電極50のうち、比較的近接した一対の電極50、50間に電圧が印加されると、保湿成分を奥角質層に浸透させることにより、潤ってキメの整った明るい肌を得やすいため好ましい。また、このように電圧が印加されると、使用者に温感を生じさせる作用が高くなりやすいため好ましい。
【0069】
第2の出力は、第2の周波数を有する比較的低周波の電流の出力であり、通常、EMS(Electrical Muscle Stimulation)に用いられる周波数の電流の出力である。第2の周波数としては、例えば1Hz~10kHz、好ましくは5Hz~2.5kHzの範囲内の周波数が用いられる。第2の出力は、例えば、その電流を使用者の肌に通電して表情筋を電気刺激で振動させることにより、引き締まった肌を得る作用を有する。第2の出力は、例えば、ウェイブリフトモードにおいて、第1の出力と共に用いかつ第1の出力よりも出力時間比率が低い出力とするように用いる。
【0070】
第2の出力は、並列電極群40を構成する各電極50のうち、比較的遠隔した一対の電極50、50間に電圧が印加されると、表情筋を電気刺激で振動させることにより、引き締まった肌を得る作用が高くなりやすいため好ましい。これは、第2の出力の電圧が印加される電極50、50間の距離が遠いほど、肌深くかつ広い範囲の表情筋を電気刺激で振動させることが可能になると推測されることによる。
【0071】
第3の出力は、第1の周波数よりも低い第3の周波数を有する中周波の電流の出力であり、通常、IP(Iontophoresis、イオン導入)に用いられる周波数の電流の出力である。第3の周波数としては、例えば1kHz~10kHz、好ましくは1kHz~2kHzの範囲内の周波数が用いられる。第3の出力は、例えば、その電流を使用者の肌に通電して美容成分を奥深く角質層に浸透させることにより、美容成分による美容効果を高める作用を有する。第3の出力は、例えばモイスチャライジングモード及びアイケアモードにおいて、第1の出力と共に用いかつ第1の出力と同じ位の出力時間比率の出力とするように用いる。
【0072】
第3の出力は、並列電極群40を構成する各電極50と、本体電極20との間に電圧が印加されると、美容成分のイオン導入の効率が高いため好ましい。
【0073】
上記第1の出力、第2の出力、及び第3の出力は、並列電極群40を構成する電極50及び本体電極20(50)のうち、特定の組み合わせの電極50間に電圧が印加されることが好ましい。なお、並列電極群40を構成する電極50間には、第1の出力及び第2の出力と異なる中間出力の電圧が印加されてもよい。
【0074】
中間出力は、第1の周波数よりも低くかつ第2の周波数よりも高い中間周波数を有する電流の出力である。中間周波数としては、特に限定されない。
【0075】
<第1の出力、第2の出力及び中間出力と、通電電極>
第1の出力、第2の出力、及び中間出力は、並列電極群40を構成する電極50間で電圧が印加される。
【0076】
並列電極群40では、上部電極61と下部電極69とからなる両端電極対89よりも近接した一対の電極50からなる近接電極対83間に、第1の出力の電圧が印加されることが好ましい。この場合、第1の周波数は、上記のように1MHz~5MHzであることが好ましい。
【0077】
両端電極対89及び近接電極対83について図面を用いて説明する。図7は、近接電極対の組み合わせを説明する平面図である。図7に示すヘッド部30において両端電極対89は、上部電極61と下部電極69とからなる。また、図7に示すヘッド部30における、両端電極対89よりも近接した一対の電極50からなる近接電極対83は、図7中の右側に示す近接電極対83A、83B、83C、83D、83E(83)の5個の組み合わせである。並列電極群40において近接電極対83間に第1の出力の電圧が印加されると、第1の出力による美容効果がより高くなりやすいため好ましい。
【0078】
並列電極群40では、近接電極対83よりも遠隔した一対の電極50からなる遠隔電極対87間に、第2の周波数を有する第2の出力の電圧が印加されることが好ましい。また、遠隔電極対87が上部電極61を含むことがより好ましい。これらの場合、第2の周波数は、上記のように第2の周波数が1Hz~10kHzであることが好ましい。
【0079】
両端電極対89、近接電極対83及び遠隔電極対87について図面を用いて説明する。図8は、近接電極対の組み合わせと、両端電極対を含む遠隔電極対の組み合わせとを説明する平面図である。図8に示す並列電極群40において両端電極対89は、図7に示す並列電極群40と同様に上部電極61と下部電極69とからなる。また、図8に示す並列電極群40は、近接電極対83に加え、近接電極対83よりも遠隔した一対の電極50からなる遠隔電極対87をさらに含む。
【0080】
図8に示す並列電極群40における、両端電極対89、近接電極対83及び遠隔電極対87の組み合わせは図8に示すとおりである。すなわち、近接電極対83は、図8中の右側に示す近接電極対83A、83B及び83C(83)の3個の組み合わせである。また、遠隔電極対87は、図8中の右側に示す87B、87C(87)及び両端電極対89の3個の組み合わせである。上部電極61と下部電極69とからなる電極対は、両端電極対89であるが近接電極対83との関係に鑑みると遠隔電極対87でもある。並列電極群40において遠隔電極対87間に第2の出力の電圧が印加されると、第2の出力による美容効果がより高くなりやすいため好ましい。
【0081】
[第1の例]
図9は、通電する電極対の組み合わせの第1の例を示す平面図である。図9に示す並列電極群40は、上部電極61と下部電極69とからなる電極対が両端電極対89(遠隔電極対87)で、中間電極75Aと中間電極75Bとからなる電極対が近接電極対83Bである例である。
【0082】
図9に示す第1の例では、例えば、両端電極対89(遠隔電極対87)に第2の出力の電圧を印加し、近接電極対83Bに第1の出力の電圧を印加するようにする。第2の出力及び第1の出力の電圧の印加は、通常、印加する時間帯を変えて行う。例えば、第1の出力と第2の出力とは、異なる時間帯に交互に出力されるようにする。異なる時間帯に交互に出力されると、同一の電極に電圧を印加することができることから、例えば電極50数を減らしてヘッド部30を小さくすることができるため好ましい。なお、第1の出力が第2の出力よりも印加時間が長いと、第1の出力による肌の加温効果が長くなり、肌のシワ・たるみが少なくなりやすいため好ましい。
【0083】
[第2の例]
図10は、通電する電極対の組み合わせの第2の例を示す平面図である。図10に示す並列電極群40は、上部電極61と下部電極69とからなる電極対が両端電極対89(遠隔電極対87)で、上部電極61と中間電極75Aとからなる電極対が近接電極対83Aである例である。
【0084】
図10に示す第2の例では、例えば、両端電極対89(遠隔電極対87)に第2の出力の電圧を印加し、近接電極対83Aに第1の出力の電圧を印加するようにする。ただし、第2の出力及び第1の出力の電圧の印加は、印加する時間帯を変えて行う。例えば、第1の出力と第2の出力とは、異なる時間帯に交互に出力されるようにする。異なる時間帯に交互に出力されると、同一の電極に電圧を印加することができることから、例えば電極50数を減らしてヘッド部30を小さくすることができるため好ましい。なお、第1の出力が第2の出力よりも印加時間が長いと、第1の出力による肌の加温効果が長くなり、肌のシワ・たるみが少なくなりやすいため好ましい。
【0085】
図10に示す第2の例において第2の出力及び第1の出力をこのように印加する場合、上部電極61は第2の出力及び第1の出力のいずれの電圧の印加においても共通して用いられる。このように並列電極群40を構成する電極50のうち少なくとも1個の電極50が、異なる周波数を有する出力の電圧が印加される共通の電極50であると、例えば電極50数を減らしてヘッド部30を小さくすることができるため好ましい。
【0086】
なお、電圧の印加が共通する電極50を有する図10に示す第2の例と、電圧の印加が共通する電極50を有さない図9に示す第1の例とは、並列電極群40の電極50数は同じである。しかし、図10に示す第2の例では、電極面積が大きくかつ特定形状の上部電極61に電圧を印加することができることから、施術時に熱や電流が一か所に集中しにくくなり、均一で高い美容効果を得やすい点で図9に示す第1の例よりも好ましい。
【0087】
[第3の例]
図11は、通電する電極対の組み合わせの第3の例を示す平面図である。図11に示す並列電極群40は、上部電極61と下部電極69とからなる電極対が両端電極対89(遠隔電極対87)で、上部電極61と中間電極75Bとからなる電極対が近接電極対83Dである例である。
【0088】
図11に示す第3の例では、例えば、両端電極対89(遠隔電極対87)に第2の出力の電圧を印加し、近接電極対83Dに第1の出力の電圧を印加するようにする。ただし、第2の出力及び第1の出力の電圧の印加は、印加する時間帯を変えて行う。例えば、第1の出力と第2の出力とは、異なる時間帯に交互に出力されるようにする。異なる時間帯に交互に出力されると、同一の電極に電圧を印加することができることから、例えば電極50数を減らしてヘッド部30を小さくすることができるため好ましい。なお、第1の出力が第2の出力よりも印加時間が長いと、第1の出力による肌の加温効果が長くなり、肌のシワ・たるみが少なくなりやすいため好ましい。
【0089】
図11に示す第3の例において第2の出力及び第1の出力をこのように印加する場合、上部電極61は第2の出力及び第1の出力のいずれの電圧の印加においても共通して用いられる。
【0090】
このように並列電極群40を構成する電極50のうち少なくとも1個の電極50が、異なる周波数を有する出力の電圧が印加される共通の電極50であると、例えば電極50数を減らしてヘッド部30を小さくすることができるため好ましい。
【0091】
なお、電圧の印加が共通する電極50を有する図11に示す第3の例と、電圧の印加が共通する電極50を有さない図9に示す第1の例とは、並列電極群40の電極50数は同じである。しかし、図11に示す第3の例では、電極面積が大きくかつ特定形状の上部電極61に電圧を印加することができることから、施術時に熱や電流が一か所に集中しにくくなり、均一で高い美容効果を得やすい点で図9に示す第1の例よりも好ましい。
【0092】
[第4の例]
図12は、通電する電極対の組み合わせの第4の例を示す平面図である。図12に示す並列電極群40は、上部電極61と下部電極69とからなる電極対が両端電極対89(遠隔電極対87)で、中間電極75Aと中間電極75Bとからなる電極対が近接電極対83Bで、さらに中距離電極対85を有する例である。
【0093】
ここで、中距離電極対85とは、近接電極対83よりも遠隔しかつ遠隔電極対87よりも近接した一対の電極50からなる電極対を意味する。図12に示す並列電極群40の例では、上部電極61と中間電極75Bとからなる電極対が中距離電極対85A(85)になっている。中距離電極対85間には、第1の周波数よりも低くかつ第2の周波数よりも高い中間周波数を有する中間出力の電圧が印加されることが好ましい。中距離電極対85間に中間出力の電圧が印加されると、第1の出力(RF出力)及び第2の出力(EMS出力)に加えさらに中間出力に特有の美容効果を期待することができるため好ましい。
【0094】
図12に示す第4の例では、例えば、両端電極対89(遠隔電極対87)に第2の出力の電圧を印加し、近接電極対83Bに第1の出力の電圧を印加し、中距離電極対85Aに中間出力の電圧を印加するようにする。ただし、第2の出力及び第1の出力の電圧の印加は、印加する時間帯を変えて行う。また、第1の出力及び中間出力の電圧の印加は、印加する時間帯を変えて行う。
【0095】
図12に示す第4の例において第2の出力、第1の出力及び中間出力をこのように印加する場合、上部電極61は第2の出力及び第1の出力のいずれの電圧の印加においても共通して用いられる。また、この場合、中間電極75Bは第1の出力及び中間出力のいずれの電圧の印加においても共通して用いられる。
【0096】
このように並列電極群40を構成する電極50のうち少なくとも1個の電極50が、異なる周波数を有する出力の電圧が印加される共通の電極50であると、例えば電極50数を減らしてヘッド部30を小さくすることができるため好ましい。
【0097】
なお、電圧の印加が共通する電極50を有する図12に示す第4の例と、電圧の印加が共通する電極50を有さない図9に示す第1の例とは、並列電極群40の電極50数は同じである。しかし、図12に示す第4の例では、電極面積が大きくかつ特定形状の上部電極61に電圧を印加することができることから、施術時に熱や電流が一か所に集中しにくくなり、均一で高い美容効果を得やすい点で図9に示す第1の例よりも好ましい。
【0098】
<第3の出力と通電電極>
第3の出力は、並列電極群40を構成する電極50と本体電極20(50)との間で電圧が印加される。並列電極群40を構成する電極50としては、並列電極群40を構成する電極50の1個以上が用いられる。図6に示す並列電極群40では、上部電極61、中間電極75A、中間電極75B及び下部電極69の全てに、IP電極制御部153のX端子が接続されている。なお、IP電極制御部153のY端子は本体電極20(50)に接続されている。
【0099】
(使用モード)
美容器具1Aは、上記の電極構成を有し、施術時の使用モードにより、並列電極群40を構成する電極50間、及び並列電極群40を構成する電極50と本体電極20(50)との間等で種々の出力の電圧が印加される。使用モードとしては、例えば、ウェイブリフトモード、RFトリートメントモード、モイスチャライジングモード、アイケアモード等がある。
【0100】
ウェイブリフトモード、RFトリートメントモード、モイスチャライジングモード、アイケアモードは、周波数の異なる第1の出力、第2の出力及び第3の出力の1種以上の出力の電圧の電極間への印加と、LEDライト照射とを組み合わせて設定される。具体的には、これらのモードは、第1の出力、第2の出力及び第3の出力の1種以上の出力の電圧の電極間への印加と、LEDライト照射とを組み合わせて設定されるモードである。各使用モードは、通常、第1の出力、第2の出力、第3の出力及びLEDライト照射の出力や出力時間比率が異なるように設定される。
【0101】
表1に、美容器具1Aで設定されるウェイブリフトモード、RFトリートメントモード、モイスチャライジングモード、アイケアモードの設定条件の一例を示す。なお、表1に示す各使用モードは、一例であり、本開示の使用モードは表1に示すものに限定されない。各使用モードは、電源/モードスイッチ18、レベルスイッチ17等の操作により切替、調整する。
【0102】
【表1】
【0103】
<ウェイブリフト(WAVE LIFT)モード>
ウェイブリフトモードは、例えば、EMS用の第2の出力と、RFトリートメント用の第1の出力と、LEDライト照射とを組み合わせるモードである。ウェイブリフトモードは、主に、その電流を使用者の肌に通電して表情筋を電気刺激で振動させることにより、引き締まった肌を得る作用を得ることを目的とするモードである。
【0104】
図13は、ウェイブリフトモードでの出力パターンの一例を示す図である。図14は、図13の波形Aの詳細を示す図である。図15は、図14の波形A中のRF出力を含む出力パターンを示す図である。図16は、図13の波形Bの詳細を示す図である。図17は、図16の波形B中のRF出力を含む出力パターンを示す図である。なお、図13図17に示すウェイブリフトモードでの出力パターンは、表1に示すウェイブリフトモードでの出力パターンとは別の例である。
【0105】
図13に示すウェイブリフトモードの出力パターンは、200msの波形Aの出力を4回繰り返し(波形A群)、40msの波形Bの出力を5回繰り返し(波形B群)、その後波形A群の出力と波形B群の出力とを交互に行う出力パターンになっている。
【0106】
図13の波形Aの詳細は、図14に示すようになっている。図14に示す波形Aは、前段がEMS用の0.2ms毎に反転するパルス波(EMS出力、第2の出力)からなり、後段が空白(非通電)部分とRF出力(第1の出力)部分と空白(非通電)部分とからなる。
【0107】
図14に示す後段のRF出力を含む出力パターンは、具体的には、図15に示すように、26msの空白(非通電)部分と、140msのRF出力(第1の出力)部分と、26msの空白(非通電)部分とからなる。
【0108】
図13の波形Bの詳細は、図16に示すようになっている。図16に示す波形Bは、前段がEMS用の0.2ms毎に反転するパルス波(EMS出力、第2の出力)からなり、後段が空白(非通電)部分とRF出力(第1の出力)部分と空白(非通電)部分とからなる。
【0109】
図16に示す後段のRF出力を含む出力パターンは、具体的には、図17に示すように、5msの空白(非通電)部分と、26msのRF出力(第1の出力)部分と、5msの空白(非通電)部分とからなる。
【0110】
ウェイブリフトモードでの出力パターンが図13に示すようであると、第2の出力により表情筋を電気刺激で収縮・弛緩させ、引き締まった肌を得、かつ第1の出力により肌の加温効果により肌のシワ・たるみが少なくなりやすいため好ましい。
【0111】
なお、表1に示すように、ウェイブリフトモードでは、例えば、図13に示す出力パターンの出力中、LEDライト照射が3列点灯する。ここで、LEDライト照射が3列点灯するとは、上部電極61-中間電極75A間の1列のLEDライト群、中間電極75A-中間電極75B間の1列のLEDライト群、及び中間電極75B-下部電極69間の1列のLEDライト群が全て点灯することを意味する。
【0112】
ウェイブリフトモードの出力時間比率について説明する。図13に示すウェイブリフトモードの出力パターンは、200msの波形Aの出力を4回繰り返す波形A群と、40msの波形Bの出力を5回繰り返す波形B群と、からなる全1000ms(1s)のユニットを1サイクルとする。
【0113】
図14及び図15に示す200msの波形Aでは、EMS出力(第2の出力)部分が8ms、RF出力(第1の出力)部分が140ms、空白部分が52msである。図16及び図17に示す40msの波形Bでは、EMS出力(第2の出力)部分が4ms、RF出力(第1の出力)部分が26ms、空白部分が10msである。
【0114】
このため、波形Aの出力を4回繰り返す800msの波形A群では、EMS出力(第2の出力)部分が32ms、RF出力(第1の出力)部分が560ms、空白部分が208msである。また、波形Bの出力を5回繰り返す200msの波形B群では、EMS出力(第2の出力)部分が20ms、RF出力(第1の出力)部分が130ms、空白部分が50msである。
【0115】
従って、図13に示すウェイブリフトモードの1000ms(1s)の1サイクルの出力パターンの出力時間比率は、以下のようにして算出される。EMS出力(第2の出力)部分の出力時間比率は、(32+20)/1000=5.2%である。RF出力(第1の出力)部分の出力時間比率は、(560+130)/1000=69.0%である。空白部分の出力時間比率は、(208+50)/1000=25.8%である。
【0116】
なお、ウェイブリフトモードにおける、EMS出力(第2の出力)部分、RF出力(第1の出力)部分、及び空白部分の出力時間比率は、上記数値に限定されるものではない。EMS出力(第2の出力)部分の出力時間比率は、例えば、2~10%にすることができる。RF出力(第1の出力)部分の出力時間比率は、例えば、65~75%にすることができる。
【0117】
ウェイブリフトモードは、例えば、図6に示す美容器具1Aを用いて実施される。図6に示す美容器具1Aでは、上部電極61と下部電極69との間に、EMS出力(第2の出力)の電圧の印加が可能になっている。また、図6に示す美容器具1Aでは、上部電極61と中間電極75Aとの間、及び中間電極75Bと下部電極69との間にRF出力(第1の出力)の電圧の印加が可能になっている。さらに、図6に示す美容器具1Aでは、ヘッド部30Aの並列電極群40を構成する各電極50と本体部10の本体電極20との間にIP出力(第3の出力)の電圧の印加が可能になっている。
【0118】
このように、図6に示す美容器具1Aでは、上部電極61及び下部電極69が、EMS出力(第2の出力)及びRF出力(第1の出力)において共通して用いられる電極になっており、並列電極群40を構成する電極50数の減少に寄与している。
【0119】
波形A及び波形Bに含まれるEMS用のパルス波は、例えば、EMS電極制御部151により上部電極61と下部電極69との間にEMS用の第2の出力の電圧を印加することにより発生する。上部電極61と下部電極69とからなる電極対は両端電極対89(遠隔電極対87)である。
【0120】
また、波形A及び波形Bに含まれるRF出力部分は、例えば、RF電極制御部152により上部電極61と中間電極75Aとの間、及び中間電極75Bと下部電極69との間の少なくとも一方にRF出力用の第1の出力の電圧を印加することにより発生させる。上部電極61と中間電極75Aとからなる電極対は近接電極対83Aであり、中間電極75Bと下部電極69とからなる電極対は近接電極対83Cである。
【0121】
LEDライト照射の3列点灯は、電源/モードスイッチ18、レベルスイッチ17等の操作によりウェイブリフトモードを選択することにより、切替、調整される。
【0122】
<RFトリートメント(RF TREATMENT)モード>
RFトリートメントモードは、例えば、RFトリートメント用の第1の出力と、IP(イオン導入)用の第3の出力と、LEDライト照射とを組み合わせるモードである。RFトリートメントモードは、主に、その電流を使用者の肌に通電して保湿成分を奥角質層に浸透させることにより、潤ってキメの整った明るい肌を得やすく、また使用者に温感を生じさせる作用を得ることを目的とするモードである。
【0123】
図18は、RFトリートメントモードでの出力パターンの一例を示す図である。なお、図18に示すRFトリートメントモードでの出力パターンは、表1に示すRFトリートメントモードでの出力パターンとは別の例である。図18に示すRFトリートメントモードの出力パターンは、208msのRF出力(第1の出力)部分と、5msの空白(非通電)部分と、32msのIP出力(第3の出力)部分と、5msの空白(非通電)部分とからなる。
【0124】
RFトリートメントモードでの出力パターンが図18に示すようであると、第1の出力により肌の加温効果で肌のシワ・たるみが少なくなりやすく、心地よい温感を得、かつ第3の出力によって保湿成分を角質層の奥深くに浸透させることができるため好ましい。
【0125】
なお、表1に示すように、RFトリートメントモードでは、例えば、図18に示す出力パターンの出力中、LEDライト照射が3列点灯する。ここで、LEDライト照射が3列点灯するとは、ウェイブリフトモードでのLEDライト照射の3列点灯の意味と同様である。
【0126】
RFトリートメントモードの出力時間比率について説明する。図18に示すRFトリートメントモードでの出力パターンの出力時間比率は、以下のようにして算出される。図18に示すRF出力(第1の出力)部分の出力時間比率は、208/(208+5+32+5)=83.2%である。図18に示すIP出力(第3の出力)部分の出力時間比率は、32/(208+5+32+5)=12.8%である。図18に示す空白部分の出力時間比率は、10/(208+5+32+5)=4.0%である。
【0127】
なお、RFトリートメントモードにおける、RF出力(第1の出力)部分、IP出力(第3の出力)部分、及び空白部分の出力時間比率は、上記数値に限定されるものではない。RF出力(第1の出力)部分の出力時間比率は、例えば、75~95%にすることができる。IP出力(第3の出力)部分の出力時間比率は、例えば、5~18%にすることができる。
【0128】
RFトリートメントモードは、例えば、図6に示す美容器具1Aを用いて実施される。上記のように、図6に示す美容器具1Aでは、上部電極61及び下部電極69が、EMS出力(第2の出力)及びRF出力(第1の出力)において共通して用いられる電極になっており、並列電極群40を構成する電極50数の減少に寄与している。また、並列電極群40を構成する電極50である上部電極61、中間電極75A、中間電極75B、及び下部電極69は、さらにIP出力(第3の出力)において共通して用いられる電極になっており、並列電極群40を構成する電極50数の減少に寄与している。
【0129】
図18に示されるRF出力部分は、例えば、RF電極制御部152により上部電極61と中間電極75Aとの間、及び中間電極75Bと下部電極69との間の少なくとも一方にRF出力用の第1の出力の電圧を印加することにより発生させる。上部電極61と中間電極75Aとからなる電極対は近接電極対83Aであり、中間電極75Bと下部電極69とからなる電極対は近接電極対83Cである。
【0130】
また、図18に示されるIP出力部分は、例えば、IP電極制御部153により、ヘッド部30の並列電極群40を構成する電極50と、本体電極20(50)との間にIP出力用の第3の出力の電圧を印加することにより発生させる。ヘッド部30の並列電極群40を構成する電極50への通電は、通常、並列電極群40を構成する全ての電極50に行うが、並列電極群40を構成する一部の電極50に行ってもよい。
【0131】
LEDライト照射の3列点灯は、電源/モードスイッチ18、レベルスイッチ17等の操作によりウェイブリフトモードを選択することにより、切替、調整される。
【0132】
<モイスチャライジング(MOISTURIZING)モード>
モイスチャライジングモードは、例えば、RFトリートメント用の第1の出力と、IP(イオン導入)用の第3の出力と、LEDライト照射とを組み合わせるモードである。モイスチャライジングモードは、主に、その電流を使用者の肌に通電して美容成分を奥深く角質層に浸透させることにより、美容成分による美容効果を高める作用を得ることを目的とするモードである。
【0133】
図19は、モイスチャライジングモードでの出力パターンの一例を示す図である。なお、図19に示すモイスチャライジングモードでの出力パターンは、表1に示すモイスチャライジングモードでの出力パターンとは別の例である。図19に示すRFトリートメントモードの出力パターンは、合計144msのIP出力(第3の出力)部分と、5msの空白(非通電)部分と、96msのRF出力(第1の出力)部分と、5msの空白(非通電)部分と、からなる。
【0134】
モイスチャライジングモードでの出力パターンが図19に示すようであると、第3の出力により手で塗布するよりも保湿成分を肌内部に浸透させて肌を保湿することができると共に第1の出力により温熱効果を得ることもできるため好ましい。ここで、第3の出力により手で塗布するよりも保湿成分を肌内部に浸透させて肌を保湿することができる効果は、肌表面から内部へと電気浸透流が発生する作用により発現する。
【0135】
なお、表1に示すように、モイスチャライジングモードでは、例えば、図19に示す出力パターンの出力中、LEDライト照射が3列点灯する。ここで、LEDライト照射が3列点灯するとは、ウェイブリフトモードでのLEDライト照射の3列点灯の意味と同様である。
【0136】
モイスチャライジングモードの出力時間比率について説明する。図19に示すモイスチャライジングモードでの出力パターンの出力時間比率は、以下のようにして算出される。図19に示すIP出力(第3の出力)部分の出力時間比率は、144/(144+5+96+5)=57.6%である。図19に示すRF出力(第1の出力)部分の出力時間比率は、96/(144+5+96+5)=38.4%である。図19に示す空白部分の出力時間比率は、10/(144+5+96+5)=4.0%である。
【0137】
なお、モイスチャライジングモードにおける、IP出力(第3の出力)部分、RF出力(第1の出力)部分、及び空白部分の出力時間比率は、上記数値に限定されるものではない。IP出力(第3の出力)部分の出力時間比率は、例えば、40~65%にすることができる。RF出力(第1の出力)部分の出力時間比率は、例えば、30~55%にすることができる。
【0138】
モイスチャライジングモードは、例えば、図6に示す美容器具1Aを用いて実施される。上記のように、図6に示す美容器具1Aでは、上部電極61及び下部電極69が、EMS出力(第2の出力)及びRF出力(第1の出力)において共通して用いられる電極になっており、並列電極群40を構成する電極50数の減少に寄与している。また、並列電極群40を構成する電極50である上部電極61、中間電極75A、中間電極75B、及び下部電極69は、さらにIP出力(第3の出力)において共通して用いられる電極になっており、並列電極群40を構成する電極50数の減少に寄与している。
【0139】
図19に示されるIP出力部分は、例えば、IP電極制御部153により、ヘッド部30の並列電極群40を構成する電極50と、本体電極20(50)との間にIP出力用の第3の出力の電圧を印加することにより発生させる。ヘッド部30の並列電極群40を構成する電極50への通電は、通常、並列電極群40を構成する全ての電極50に行うが、並列電極群40を構成する一部の電極50に行ってもよい。
【0140】
また、図19に示されるRF出力部分は、例えば、RF電極制御部152により上部電極61と中間電極75Aとの間、及び中間電極75Bと下部電極69との間の少なくとも一方にRF出力用の第1の出力の電圧を印加することにより発生させる。上部電極61と中間電極75Aとからなる電極対は近接電極対83Aであり、中間電極75Bと下部電極69とからなる電極対は近接電極対83Cである。
【0141】
LEDライト照射の3列点灯は、電源/モードスイッチ18、レベルスイッチ17等の操作によりウェイブリフトモードを選択することにより、切替、調整される。
【0142】
<アイケア(EYE CARE)モード>
アイケアモードは、例えば、RFトリートメント用の第1の出力と、IP(イオン導入)用の第3の出力と、LEDライト照射とを組み合わせるモードである。アイケアモードは、主に、その電流を使用者の目元の肌に通電して目元用の美容成分を奥深く角質層に浸透させることにより美容成分による美容効果を高めるとともに、目元に温感を与える作用を得ることを目的とするモードである。なお、アイケアモードでは、通常、LEDライト照射量をモイスチャライジングモード等の他のモードに比較して少なくする。
【0143】
図20は、アイケアモードでの出力パターンの一例を示す図である。なお、図20に示すアイケアモードでの出力パターンは、表1に示すアイケアモードでの出力パターンとは別の例である。図20に示すRFトリートメントモードの出力パターンは、合計160msのIP出力(第3の出力)部分と、5msの空白(非通電)部分と、80msのRF出力(第1の出力)部分と、5msの空白(非通電)部分と、からなる。
【0144】
アイケアモードでの出力パターンが図20に示すようであると、第1の出力により皮膚の薄い目元に最適な温感を与え、肌のシワやクマを減らし、かつ目元用の美容成分を肌に浸透させることができるため好ましい。
【0145】
なお、表1に示すように、アイケアモードでは、例えば、図20に示す出力パターンの出力中、LEDライト照射が1列点灯する。LEDライト照射が1列点灯する場合とは、上部電極61-中間電極75A間の1列のLEDライト群、中間電極75A-中間電極75B間の1列のLEDライト群、及び中間電極75B-下部電極69間の1列のLEDライト群のいずれかが点灯する場合である。このうち、上部電極61-中間電極75A間の1列のLEDライト群が点灯すると、使用者にとって目元に当てる部位が分かりやすいことから使い勝手がよく、また省電力化が可能であるため好ましい。
【0146】
アイケアモードの出力時間比率について説明する。図20に示すアイケアモードでの出力パターンの出力時間比率は、以下のようにして算出される。図20に示すIP出力(第3の出力)部分の出力時間比率は、160/(160+5+80+5)=64.0%である。図20に示すRF出力(第1の出力)部分の出力時間比率は、80/(160+5+80+5)=32.0%である。図20に示す空白部分の出力時間比率は、10/(160+5+80+5)=4.0%である。
【0147】
なお、アイケアモードにおける、IP出力(第3の出力)部分、RF出力(第1の出力)部分、及び空白部分の出力時間比率は、上記数値に限定されるものではない。IP出力(第3の出力)部分の出力時間比率は、例えば、40~70%にすることができる。RF出力(第1の出力)部分の出力時間比率は、例えば、25~55%にすることができる。
【0148】
アイケアモードは、例えば、図6に示す美容器具1Aを用いて実施される。上記のように、図6に示す美容器具1Aでは、上部電極61及び下部電極69が、EMS出力(第2の出力)及びRF出力(第1の出力)において共通して用いられる電極になっており、並列電極群40を構成する電極50数の減少に寄与している。また、並列電極群40を構成する電極50である上部電極61、中間電極75A、中間電極75B、及び下部電極69は、さらにIP出力(第3の出力)において共通して用いられる電極になっており、並列電極群40を構成する電極50数の減少に寄与している。
【0149】
図20に示されるIP出力部分は、例えば、IP電極制御部153により、ヘッド部30の並列電極群40を構成する電極50と、本体電極20(50)との間にIP出力用の第3の出力の電圧を印加することにより発生させる。ヘッド部30の並列電極群40を構成する電極50への通電は、通常、並列電極群40を構成する全ての電極50に行うが、並列電極群40を構成する一部の電極50に行ってもよい。
【0150】
また、図20に示されるRF出力部分は、例えば、RF電極制御部152により上部電極61と中間電極75Aとの間、及び中間電極75Bと下部電極69との間の少なくとも一方にRF出力用の第1の出力の電圧を印加することにより発生させる。上部電極61と中間電極75Aとからなる電極対は近接電極対83Aであり、中間電極75Bと下部電極69とからなる電極対は近接電極対83Cである。
【0151】
LEDライト照射の1列点灯は、電源/モードスイッチ18、レベルスイッチ17等の操作によりウェイブリフトモードを選択することにより、切替、調整される。
【0152】
(変形例)
図21は、中間電極群の第1の変形例を示す図である。図22は、中間電極群の第2の変形例を示す図である。図23は、中間電極群の第3の変形例を示す図である。図21図23は、図2等に示される中間電極群70の変形例を示す図である。
【0153】
図2等に示される第1の実施形態の美容器具1Aでは、中間電極群70を構成する中間電極75A、75Bが、湾曲形状になっている。しかし、全体を図示しない第1の実施形態の美容器具1Aの変形例では、中間電極群70の形状を図21図23に示すような形状としてもよい。
【0154】
図21に示す中間電極群70を構成する中間電極75の形状は、直線形状になっている。図22に示す中間電極群70を構成する中間電極75の形状は、V字形状になっている。図23に示す中間電極群70を構成する中間電極75の形状は、S字形状になっている。
【0155】
美容器具1Aの変形例では、図21図23に示す形状の中間電極群70が、それぞれの図中上下方向を図5の電極並列方向Pと一致させた状態で図5のヘッド部30Aの中間電極群70と置換されるように配置する。
【0156】
ここで、図21に示す形状の中間電極群70の電極延設方向Eは、図21中の左右方向である。図22に示す形状の中間電極群70の電極延設方向Eは、V字形状を構成する2直線のそれぞれの長手方向の2個とする。図23に示す形状の中間電極群70の電極延設方向Eは、S字形状の中間電極75の隣接方向端部52の接線方向とする。図23に示す中間電極75の隣接方向端部52の接線方向は図23中、上下方向、上下方向に対する傾斜の異なる斜め方向、左右方向のいずれかとなる。
【0157】
このため、図21図23に示す形状の中間電極群70を備える美容器具1Aの変形例は、その電極延設方向Eが、中間電極群70を含む並列電極群40の電極並列方向Pと交差するように配置されているといえる。
【0158】
なお、図21図23に示す形状の中間電極群70は、中間電極群70を構成する中間電極75の数を図21図23に示す数と異なる数としてもよい。
【0159】
美容器具1(1A1)は、並列電極群40のうち、一番上側の電極(上部電極)61と一番下側の電極(下部電極)69の形状のみが、弓なり型(屈曲形状、三日月状)もしくはD型(略D字状)であるようにしてもよい。または、美容器具1(1A1)は、並列電極群40のうち、一番上側の電極(上部電極)61と一番下側の電極(下部電極)69の形状のみが、どちらか一方が弓なり型(屈曲形状、三日月状)かつ他方がD型(略D字状)であるようにしてもよい。美容器具1A1によれば、D型(略D字状)の上部電極61、下部電極69により、施術方向が上方向である場合に、肌のたるみを引き上げやすいため好ましい。また、美容器具1A1によれば、D型(略D字状)の上部電極61により、上部電極61の電極面積を大きくしやすいことから、施術時に熱や電流が一か所に集中しにくくなり、均一で高い美容効果を得やすいため好ましい。美容器具1A2によれば、弓なり型(屈曲形状、三日月状)の下部電極69により、施術時に熱や電流が一か所に集中しにくくなり、均一で高い美容効果を得やすいため好ましい。
【0160】
美容器具1(1A2)は、並列電極群40のうち、一番上側の電極(上部電極)61と一番下側の電極(下部電極)69とはその間に設けられた電極よりも電極面積が大きくなるようにしてもよい。美容器具1A2によれば、施術時に熱や電流が一か所に集中しにくくなり、均一で高い美容効果を得やすいため好ましい。
【0161】
美容器具1(1A3)は、一番上側の電極(上部電極)61と一番下側の電極(下部電極)69以外の電極は、屈曲形状、線状、多角形又は球状であるようにしてもよい。美容器具1A3によれば、施術時に熱や電流が一か所に集中しにくくなり、均一で高い美容効果を得やすいため好ましい。
【0162】
美容器具1(1A4)は、並列電極群40のうち各電極は、一定の電極間距離であるようにしてもよい。美容器具1A4によれば、電極間距離が一定であることで、肌に略均一に電気刺激を作用させやすいため好ましい。
【0163】
美容器具1(1A5)は、並列電極群40のうち中央の電極間距離は上部電極61と近接した電極75A、下部電極69と近接した電極75Bとの電極間距離よりも広くなるようにしてもよい。美容器具1A5によれば、肌の深い部分に作用する電流を中間電極75A、75B間に通電することで、美容効果を高めやすいため好ましい。
【0164】
美容器具1(1A6)は、並列電極群40の各電極間距離に応じて異なる周波数の電圧を印加する電極間距離電圧印加部を設けるようにしてもよい。美容器具1A6によれば、各電極間距離に応じて作用の異なる周波数の電圧を印加することができるため好ましい。
【0165】
(作用)
美容器具1Aの作用について説明する。美容器具1Aの施術では、はじめに、使用者は本体部10の電源/モードスイッチ18と、レベルスイッチ17を操作して、ウェイブリフトモード、RFトリートメントモード等の使用モードとそのレベルを選択する。次に、使用者は本体部10を把持し、ヘッド部30Aを使用者の肌に当接させる。
【0166】
使用者は、肌に当接させたヘッド部30Aを使用モードに応じた施術方向に移動させる。施術方向は特に限定されるものでないが、例えば、RFトリートメントモードでは、次の第1の施術方向、第2の施術方向、及び第3の施術方向の順番にヘッド部30Aを移動させる。例えば、第1の施術方向を顔の中央部付近からこめかみ付近に向けての横方向とし、第2の施術方向を下顎骨から目元付近に向けての上方向とし、第3の施術方向を額において眉弓側を始点とする上方向とする。この場合、施術方向は、横方向及び上方向となる。
【0167】
ヘッド部30Aには、並列した3個以上の電極50の集合体である並列電極群40が設けられ、かつ並列電極群40を構成する各電極が図2に示すような形状、大きさになっている。このため、ヘッド部30Aを備える美容器具1Aによれば、施術方向が上記の横方向及び上方向の場合であっても、施術方向に対して略均一に電流を通電させることができる。
【0168】
また、図6に示すように、ヘッド部30Aの電気的接続を同一電極に異なる周波数の出力の電圧を印加することができるようにした場合、特性の異なる電流を通電可能でありながらヘッド部30Aを小さくすることが可能になる。この場合、小さいヘッド部30Aを用いた目元等への精妙な施術が可能になり、目元等を含め施術部分全体に高い美容効果が発現する。
【0169】
(効果)
美容器具1Aは、使用者に把持される本体部10と、本体部10の一部に設けられ使用者の肌に特性の異なる電流を通電可能なヘッド部30とを備え、ヘッド部30は、並列した3個以上の電極50の集合体である並列電極群40を有する。また、美容器具1Aでは、並列電極群40を構成する電極50は、その電極延設方向Eが、並列電極群40の電極並列方向Pと交差するように配置される。このため、美容器具1Aによれば、横方向及び上方向を含む施術方向に対して略均一に電流を通電させることにより高い美容効果を発現する美容器具を提供することができる。
【0170】
美容器具1Aの並列電極群40は、上部電極61と、下部電極69と、上部電極61と下部電極69との間に配置された中間電極75の1個以上の集合体である中間電極群70と、を有するようにすることができる。上部電極61の平面視形状は、直線状端部55と弧状端部56とを含む略D字状であり、直線状端部55は、ヘッド部30の直線状上外縁33に近接するように配置される。このような美容器具1Aによれば、施術方向が上方向である場合に肌のたるみを引き上げやすい美容器具を提供することができる。
【0171】
美容器具1Aでは、上部電極61と下部電極69とは、中間電極群70を構成する中間電極75よりも電極面積が大きいようにすることができる。このような美容器具1Aによれば、上部電極61の電極面積を大きくすることで施術時に熱や電流が一か所に集中しにくく均一で高い美容効果を得やすい美容器具を提供することができる。
【0172】
美容器具1Aでは、中間電極75及び下部電極69の平面視形状は、それぞれ、略等幅部分が湾曲した形状を有する湾曲形状、又は非等幅部分が屈曲した形状を有する屈曲形状とすることができる。中間電極75及び下部電極69の少なくとも一方の平面視形状が湾曲形状である美容器具1Aによれば、施術方向によらず、肌に略均一に電気刺激を作用させやすい美容器具を提供することができる。中間電極75及び下部電極69の少なくとも一方の平面視形状が屈曲形状である美容器具1Aによれば、電極面積を大きくしやすいことから、施術時に熱や電流が一か所に集中しにくくなり、均一で高い美容効果を得やすい美容器具を提供することができる。
【0173】
美容器具1Aでは、並列電極群40は、隣接電極間距離が、電極50の電極延設方向Eに沿った少なくとも一部において一定になるように整列されるようにすることができる。このような美容器具1Aによれば、施術方向によらず、肌に略均一に電気刺激を作用させやすい美容器具を提供することができる。
【0174】
美容器具1Aでは、中間隣接電極間距離Dと、上部隣接電極間距離D及び下部隣接電極間距離Dと、が異なる値を有するようにすることができる。このような美容器具1Aによれば、隣接電極間距離に応じて美容効果が異なることを利用して、美容効果を高めやすい美容器具を提供することができる。
【0175】
美容器具1Aでは、中間隣接電極間距離Dが、上部隣接電極間距離D及び下部隣接電極間距離Dよりも大きいようにすることができる。このような美容器具1Aによれば、肌の深い部分に作用する電流を中間電極75A、75B間に通電することで、美容効果を高めやすい美容器具を提供することができる。
【0176】
美容器具1Aでは、近接電極対83間に、第1の周波数を有する第1の出力(RF出力)の電圧が印加され、第1の周波数が1MHz~5MHzであるようにすることができる。このような美容器具1Aによれば、第1の出力により肌の加温効果で肌のシワ・たるみが少なくなりやすく、使用者に温感を生じさせる作用が高くなりやすい美容器具を提供することができる。
【0177】
美容器具1Aでは、遠隔電極対87間に、前記第1の周波数よりも低い第2の周波数を有する第2の出力(EMS出力)の電圧が印加され、遠隔電極対87が上部電極61を含み、第2の周波数が1Hz~10kHzであるようにすることができる。このような美容器具1Aによれば、表情筋を電気刺激で収縮・弛緩させることにより、引き締まった肌を得る作用が高くなりやすい美容器具を提供することができる。
【0178】
美容器具1Aでは、並列電極群40を構成する電極50のうち少なくとも1個の電極50が、異なる周波数を有する出力の電圧が印加される共通の電極50であるようにすることができる。このような美容器具1Aによれば、電極50数を減らしてヘッド部30を小さくすることが可能な美容器具を提供することができる。
【0179】
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0180】
本開示は、肌に対して美容効果を付与する美容器具に適用可能である。具体的には、美顔器などに、本開示は適用可能である。
【符号の説明】
【0181】
1、1A 美容器具
10 本体部
11 底部
12 正面部
13、15 側面部
14 背面部
16 頂部
17 レベルスイッチ
18 電源/モードスイッチ
20 本体電極
30、30A ヘッド部
32 ヘッド部表面
33 直線状上外縁
35 LEDライト
40 並列電極群
50 電極
52 隣接方向端部
55 直線状端部
56 弧状端部
59 最下端部
61 上部電極
69 下部電極
70 中間電極群
75 中間電極
83 近接電極対
85 中距離電極対
87 遠隔電極対
89 両端電極対
上部隣接電極間距離
下部隣接電極間距離
中間隣接電極間距離
111、112 導線
121、122、123、124、125、126、 導線
131、132、133、135、137、139、 導線
151 EMS電極制御部
152 RF電極制御部
153 IP電極制御部
P 電極並列方向
E 電極延設方向
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