(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111602
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】拠点候補算出装置及び拠点候補算出システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/083 20230101AFI20230803BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022013522
(22)【出願日】2022-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】波多野 千昭
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】定量的に物流拠点を提示可能な拠点候補算出装置及び拠点候補算出システムを提供する。
【解決手段】拠点候補算出装置の一例であるサーバ60は、複数の地点のそれぞれについての位置の一例であるGPSデータ、及び、複数の地点のそれぞれで計測された、車両41積載物の重量値の一例であるLIデータに基づいて、重量値によって重み付けされた複数の地点の重心位置を算出し、重心位置に基づく拠点候補を出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の地点のそれぞれについての位置、及び、前記複数の地点のそれぞれで計測された、車両の積載物の重量値に基づいて、前記重量値によって重み付けされた前記複数の地点の重心位置を算出する算出部と、
前記重心位置に基づく拠点候補を出力する出力部と、
を備える、拠点候補算出装置。
【請求項2】
前記出力部は、前記複数の地点のそれぞれについての前記位置と、前記重心位置との関係を示す画像データを出力する、
請求項1に記載の拠点候補算出装置。
【請求項3】
前記画像データは、前記複数の地点のそれぞれについての前記位置と、前記重心位置とを、地図データに重畳した画像データを含む、
請求項2に記載の拠点候補算出装置。
【請求項4】
前記画像データは、前記複数の地点のそれぞれにおいて、対応する前記重量値が棒グラフで表された画像データを含む、
請求項2又は3に記載の拠点候補算出装置。
【請求項5】
車両に搭載された車載装置と、請求項1から4のいずれか一項に記載の拠点候補算出装置と、少なくとも前記拠点候補算出装置と通信可能な通信装置と、を備えた拠点候補算出システムであって、
前記車載装置は、
前記複数の地点のそれぞれについての位置を取得する位置取得部と、
前記車両の各車輪に加わる荷重を計測する荷重センサからの出力に基づいて、前記重量値を取得する重量取得部と、
前記位置及び前記重量値を前記拠点候補算出装置に送信する送信部と、を有し、
前記拠点候補算出装置は、
前記位置及び前記重量値を受信する受信部を有し、
前記算出部は、受信した前記位置及び前記重量値に基づいて前記重心位置を算出し、
前記出力部は、前記重心位置に基づく前記拠点候補を、前記通信装置に送信し、
前記通信装置は、前記拠点候補を受信して、表示する、
拠点候補算出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、拠点候補算出装置及び拠点候補算出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
物流会社等の経営者が、物流センター等の物流拠点を決定する際には、例えば、都市部に近い、又は、交通アクセスが良く、固定費、家賃が安い、といった観点から判断されることが多く、物流拠点を決定するための定量的な指標が少ない。物流拠点の選定に関する技術として、特許文献1及び特許文献2に記載されたものがある。
【0003】
特許文献1は、いくつかの物流センターの統廃合を考慮した多数の計画案を比較するための物流センター計画方法を開示する。この物流センター計画方法は、現状の物流網の物流コストと、計画案の物流コストとをそれぞれ算出して比較することで、コストメリットを算出し、各計画案のコストメリットを相対比較することにより、最もコスト的に優位な計画案の選定を可能とする。
【0004】
特許文献2は、会社の拠点、物流拠点、商業施設などの施設を設置する地点の選択を容易にさせるための候補位置評価プログラムを開示する。このプログラムは、候補位置を受け付け、ある時間内で車両が移動可能な範囲における居住者等の数に基づき、候補位置の指標値を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-196359号公報
【特許文献2】特開2019-74836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、物流コスト算出に膨大なデータ量が必要であり、工数がかかる上に、時期や環境といった外乱要因によって物流コストが変わり得る。また、特許文献2に記載の技術は、指標値の算出にあたり、物流における重量等の、物流会社の利益に関わる項目が考慮されていない。このため、少ない荷物を長距離運ぶ場合には、利益が減少し、利益効率が悪くなってしまう。そこで、膨大なデータ量を必要とすることなく、物流における利益を考慮した定量的な指標を提供可能な技術が求められている。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、定量的に物流拠点を提示可能な拠点候補算出装置及び拠点候補算出システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために、本発明に係る拠点候補算出装置は、下記を特徴としている。
複数の地点のそれぞれについての位置、及び、前記複数の地点のそれぞれで計測された、車両の積載物の重量値に基づいて、前記重量値によって重み付けされた前記複数の地点の重心位置を算出する算出部と、
前記重心位置に基づく拠点候補を出力する出力部と、
を備える、拠点候補算出装置。
【0009】
また、前述した目的を達成するために、本発明に係る拠点候補算出システムは、下記を特徴としている。
車両に搭載された車載装置と、上記拠点候補算出装置と、少なくとも前記拠点候補算出装置と通信可能な通信装置と、を備えた拠点候補算出システムであって、
前記車載装置は、
前記複数の地点のそれぞれについての位置を取得する位置取得部と、
前記車両の各車輪に加わる荷重を計測する荷重センサからの出力に基づいて、前記重量値を取得する重量取得部と、
前記位置及び前記重量値を前記拠点候補算出装置に送信する送信部と、を有し、
前記拠点候補算出装置は、
前記位置及び前記重量値を受信する受信部を有し、
前記算出部は、受信した前記位置及び前記重量値に基づいて前記重心位置を算出し、
前記出力部は、前記重心位置に基づく前記拠点候補を、前記通信装置に送信し、
前記通信装置は、前記拠点候補を受信して、表示する、
拠点候補算出システム。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、定量的に物流拠点を提示可能となる。
【0011】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態の拠点候補算出システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す車載装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、
図1に示すサーバの構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、物流拠点候補の算出に関する説明図である。
【
図5】
図5は、物流拠点候補の算出に関する説明図である。
【
図6】
図6は、物流拠点候補の画面表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0014】
図1は、発明の実施形態の拠点候補算出システム1の構成例を示す図である。
図2は、
図1に示す車載装置の構成例を示すブロック図であり、
図3は、
図1に示すサーバ60の構成例を示すブロック図である。
【0015】
拠点候補算出システム1は、例えば、複数の車両41を管理する物流会社が、物流拠点候補を新たに決定するために利用される。拠点候補算出システム1は、車両41に搭載された車載装置と、拠点候補算出装置の一例としてのサーバ60と、通信装置80と、を備える。車載装置は、車載器10、荷重センサ20、及び無線通信モジュール30を含む。車載装置とサーバ60とは、広域通信網の基地局51及びインターネット網52を介して、通信可能に構成される。尚、広域通信網及びインターネット網52は、一例であり、車載装置とサーバ60が通信可能であれば方式は問わない。広域通信網及びインターネット網52は、例えば、LTE(Long Term Evolution)/5G(5th Generation)等のモバイル通信網(携帯回線網)であってもよいし、無線LAN(Local Area Network)であってもよい。また、サーバ60と通信装置80とは、無線又は有線により通信可能に接続される。
【0016】
拠点候補算出システム1は、車載器10から取得した、車両の経度緯度を示す、位置の一例としてのGPSデータと、荷重センサ20から取得した車両41の積載物の重量値(以下、積載量ともいう。)とに基づいて、サーバ60が物流拠点の候補を算出する。積載量は、GPSデータが示す位置で計測された値である。本開示において、物流拠点は、車両による荷物輸送の拠点であり、原則として、複数の車両は、物流拠点を出発し、複数の工場等の地点のそれぞれにおいて商品等の荷物を積載し、配送先へ運んだ後、物流拠点へ戻る。また、物流拠点において、各地点から集められた荷物は、仕分け等の処理がなされて車両に積載され、各配送先へと運ばれる。
【0017】
(車載装置の構成)
車載装置を構成する荷重センサ20は、一例として、
図1に示すように、前輪1軸、後輪2軸の車両を対象とした場合、各車輪に取り付けられるため、計6つ取り付けられる。各荷重センサ20は、それぞれ、前方左右側、後方一軸目左右側、および後方二軸目左右側の各位置の車輪を支持するサスペンションに加わる荷重の大きさを計測できるように設置されている。荷重センサ20は、例えば、設置箇所に加わる荷重により生じる歪み量を検出する歪み検出素子を含み、歪み検出素子が検出した歪み量に基づく電気信号の電圧変化を周波数の変化に変換して、歪み検出素子で検出された荷重の大きさを表すデータを生成する。生成された荷重の検出データ(以下、LI(Load Indiactor)データともいう。)は、後述する車載器10のセンサ入力部12に入力される。
【0018】
図2に示すように、車載装置を構成する車載器10は、制御部11、センサ入力部12、GPS受信部13、記憶部14、及び入出力I/F15を有する。
【0019】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等の、種々の制御や演算を行う処理装置であり、車載器10全体の動作を制御する。制御部11は、記憶部14などに記憶されたプログラムを実行することにより、種々の機能を実現する。
【0020】
センサ入力部12は、荷重センサ20、車速センサ、Gセンサ、ジャイロセンサ等から出力された各信号を制御部11に入力するための信号処理を実施する。
【0021】
GPS受信部13は、複数のGPS(Global Positioning System)衛星からの電波を、アンテナを介して受信する。GPS受信部13が受信した複数の受信信号に基づいて、制御部11は、車両の現在位置を表す位置情報の一例としての緯度・経度(以下、GPSデータともいう。)を計算して得ることができる。また、制御部11は、GPS受信部13が受信した信号に基づいて、時刻情報を取得することができる。
【0022】
記憶部14は、不揮発メモリと揮発メモリとを含む。不揮発メモリは、制御部11が実行可能な各種プログラムや、制御上必要になる各種定数データ、テーブルなどを予め保持している。揮発メモリは、制御部11が処理中に生成するデータなどを一時的に保持するために利用される。記憶部14は、複数の地点のそれぞれについての緯度・経度、及び各地点で計測された、車両41の積載物の重量値を記憶する。
【0023】
入出力I/F15は、制御部11で生成されたデータ等を、無線通信モジュール30に出力するための処理を行う。
【0024】
無線通信モジュール30は、車載器10と基地局51との間でデータ通信するための無線通信機能を提供する。
【0025】
車載器10は、無線通信モジュール30を介して、複数の地点のそれぞれについての緯度・経度、及び各地点で計測された、車両41の積載物の重量値を、サーバ60に送信する。
【0026】
(サーバ60の構成)
図3に示すように、サーバ60は、制御部61、通信部62、記憶部63、及びデータ蓄積部64を有する。
【0027】
制御部61は、サーバ60の各部を統括的に制御する。制御部61は、車載装置から受信した、複数の地点のそれぞれについての緯度・経度、及び各地点で計測された、車両41の積載物の重量値に基づいて、重量値によって重み付けされた複数の地点の重心位置を算出する。
【0028】
通信部62は、広域通信網の基地局51及びインターネット網52を介して、車載装置と通信を行う。また、通信部62は、通信装置80と通信を行うことができる。
【0029】
記憶部63は、各種データを記憶可能なメモリである。データ蓄積部64には、車載装置から受信したデータ、及び、制御部61で算出された、複数の地点の重心位置が蓄積される。データ蓄積部64において、複数の車載装置から受信したデータが蓄積されてもよく、各地点における積載物の重量値は、複数の車両が各地点で積載した荷物の積算値であってもよい。またデータ蓄積部64には地図データを含む画像データが蓄積される。
【0030】
サーバ60は、後述するように、複数の地点のそれぞれについてのGPSデータ、及び、複数の地点のそれぞれで計測された積載量に基づいて、重量値によって重み付けされた複数の地点の重心位置を算出する。サーバ60は、算出した重心位置に基づく拠点候補の一例である、物流拠点候補を、通信装置80に送信することにより出力する。
【0031】
(物流拠点の算出例)
物流拠点候補の算出について説明する。前提として、車両が、積載量が多い状態で短い距離を移動するほど、また、車両がものを積載しない状態である空荷での移動距離が少ないほど、利益が上がる。そこで、サーバ60は、このように利益が上がる地点を、物流拠点として決定するための定量的な目安を提供する。
【0032】
サーバ60が行う物流拠点候補の算出方法の説明に先立ち、
図4を参照して、積載量を考慮せず、A地点及びB地点に荷物を運ぶ場合の物流拠点の算出について説明する。
図4の例では、A地点とB地点の中間地点であるC地点に物流拠点を持つことにより利益を最大化可能である。
【0033】
図5は、物流拠点であるC1地点を出発した車両41によって、A地点で2000kgの荷物が積載されてB地点まで運ばれ、B地点で1000kgの荷物が積載されてA地点まで運ばれる例を示す。この場合、A地点とB地点との中間地点よりもA地点に近いC1地点に物流拠点を持つことにより、車両41はA地点からC1地点の間において空荷での移動をすることになり、空荷での移動距離が短くできる。具体的な例として、重量値によって重み付けされたA地点及びB地点の重心位置であるC1地点は、以下の(式1)を満たす位置として算出される。
【0034】
【0035】
図6は、複数の地点P1、P2、・・・Pnのそれぞれにおいて、積載量がそれぞれM1、M2、・・・Mnである場合の物流拠点候補の算出例を示す。
図6は、サーバ60で算出された複数の地点P1、P2、・・・Pn(以下、複数の地点P1等ともいう)の重心位置PGを示す表示画像例Sである。表示画像例Sは、サーバ60から出力され、通信装置80に表示されたものであり、画像I上に各地点P1等と重心位置PGとが重畳して表示されている。画像Iは地図データに基づく画像である。また、
図6の表示画像例Sにおいて、車両41の積載物の重量値を計測した結果である重量値が、棒グラフM1、M2、・・・Mnでそれぞれ表示されている。
図6において、車両41が通過した軌跡Tが表示されている。各棒グラフM1~Mnは、積載量に応じて、R方向の長さが長く表示されている。
【0036】
図6の例では、複数の地点P1~Pnのそれぞれについての位置である緯度経度を、互いに直交するX軸及びY軸の座標で表し、各地点P1~Pnにおける積載量を、X軸及びY軸に直行するZ軸の座標で表す。Z軸の方向は
図6に示すR方向に相当する。サーバ60は、具体的な例として、このXYZ直交座標系において、以下の(式2)により、重心位置PGのX座標を算出する。同様にして、Y座標を算出する。
【0037】
【0038】
サーバ60は、複数の地点P1~PnのそれぞれについてのGPSデータ、及び、各地点P1~Pnで計測されたLIデータを、車載装置40から受信し、これらに基づいて、積載量によって重み付けされた複数の地点P1~Pnの重心位置PGを算出する。尚、車載器10において、各地点のGPSデータ及びLIデータがメモリカード等の記録媒体に保存された場合、サーバ60は、記録媒体内のデータを読み取ることにより、GPSデータ及びLIデータを取得して、重心位置PGを算出してもよい。
【0039】
サーバ60は、複数の地点のそれぞれについてのGPSデータと、重心位置PGとの関係を示す画像データを、通信装置80に送信することにより出力する。サーバ60は、算出した重心位置PGが、例えば海上等、物流拠点を設けることが困難である場合や、事前に除外設定した特定位置に該当する場合等には、重心位置PG近辺の位置等を、拠点候補として出力可能である。通信装置80は、受信した画像データに基づいて
図6に示す画像を表示部に表示する。
図6に示す画像は、複数の地点P1~PnのそれぞれについてのGPSデータと、重心位置PGに基づく拠点候補を、画像Iすなわち地図データに重畳した画像である。
【0040】
図6に示す画像によれば、複数の地点P1等のそれぞれについての位置と重心位置PGに基づく拠点候補との関係が示され、さらに、各地点P1等における積載量が棒グラフで表示されるので、各地点での積載量と拠点候補との関係を一見して容易に把握できる。よって、物流会社の経営者等は、サーバ60から出力された拠点候補の妥当性を、拠点候補周囲における各地点での積載量を参照しながら確認できる。
【0041】
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、前述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。例えば、上記実施形態では、サーバ60が拠点候補の算出を行う拠点候補算出装置として機能する例を示したが、車載器10が拠点候補の算出を行ってもよい。また、通信装置80又は他の情報処理装置が、複数の地点のそれぞれについての位置、及び、各地点で計測された積載物の重量値を、車載器10から受信等により取得し、これらに基づいて、拠点候補の算出を行ってもよい。
【0042】
ここで、上述した本発明の実施形態に係る拠点候補算出装置及び拠点候補算出システムの特徴をそれぞれ以下[1]~[5]に簡潔に纏めて列記する。
【0043】
[1] 複数の地点のそれぞれについての位置(GPSデータ)、及び、前記複数の地点のそれぞれで計測された、車両(41)の積載物の重量値(LIデータ)に基づいて、前記重量値によって重み付けされた前記複数の地点の重心位置を算出する算出部(制御部61)と、
前記重心位置に基づく拠点候補を出力する出力部(通信部62)と、
を備える、拠点候補算出装置(サーバ60)。
【0044】
上記[1]の構成の拠点候補算出装置によれば、重量値によって重み付けされた複数の地点の重心位置が算出され、重心位置に基づく拠点候補が出力されるので、定量的に拠点を決定できる目安を提供できる。よって、物流会社の経営者等は、積載量が多い地点の近辺に拠点を設けることで、利益が上がりやすくなり、効率よい経営が可能となる。
【0045】
[2] 前記出力部は、前記複数の地点のそれぞれについての前記位置と、前記重心位置との関係を示す画像データを出力する、
上記[1]に記載の拠点候補算出装置。
【0046】
上記[2]の構成の拠点候補算出装置によれば、画像データによって、複数の地点の各位置と重心位置との関係を容易に把握できるため、拠点の決定に役立つ。
【0047】
[3] 前記画像データは、前記複数の地点のそれぞれについての前記位置と、前記重心位置とを、地図データに重畳した画像データを含む、
上記[2]に記載の拠点候補算出装置。
【0048】
上記[3]の構成の拠点候補算出装置によれば、地図上で、複数の地点の各位置と重心位置との関係を容易に把握できるため、実際の地形や道路状況等を考慮した拠点の決定が容易になる。
【0049】
[4] 前記画像データは、前記複数の地点のそれぞれにおいて、対応する前記重量値が棒グラフで表された画像データを含む、
上記[2]又は[3]に記載の拠点候補算出装置。
【0050】
上記[4]の構成の拠点候補算出装置によれば、重量値が棒グラフで表されるので、各地点における重量値を直感的に把握できる。
【0051】
[5] 車両(41)に搭載された車載装置(40)と、上記[1]から[4]のいずれか一に記載の拠点候補算出装置(サーバ60)と、少なくとも前記拠点候補算出装置と通信可能な通信装置(80)と、を備えた拠点候補算出システム(1)であって、
前記車載装置は、
前記複数の地点のそれぞれについての位置を取得する位置取得部(GPS受信部13、制御部11)と、
前記車両の各車輪に加わる荷重を計測する荷重センサ(20)からの出力に基づいて、前記重量値を取得する重量取得部(センサ入力部12、制御部11)と、
前記位置及び前記重量値を前記拠点候補算出装置に送信する送信部(入出力I/F15、無線通信モジュール30)と、を有し、
前記拠点候補算出装置は、
前記位置及び前記重量値を受信する受信部(通信部62)を有し、
前記算出部は、受信した前記位置及び前記重量値に基づいて前記重心位置を算出し、
前記出力部は、前記重心位置に基づく前記拠点候補を、前記通信装置に送信し、
前記通信装置(80)は、前記拠点候補を受信して、表示する、
拠点候補算出システム。
【0052】
上記[5]の構成の拠点候補算出システムによれば、重量値によって重み付けされた複数の地点の重心位置が算出され、重心位置に基づく拠点候補が出力されるので、定量的に拠点を決定できる目安を提供できる。よって、物流会社の経営者等は、積載量が多い地点の近辺に拠点を設けることで、利益が上がりやすくなり、効率よい経営が可能となる。
【符号の説明】
【0053】
1 拠点候補算出システム
10 車載器
11 制御部
12 センサ入力部
13 GPS受信部
14 記憶部
20 荷重センサ
30 無線通信モジュール
40 車載装置
41 車両
60 サーバ
61 制御部
62 通信部
63 記憶部
64 データ蓄積部
80 通信装置
PG 重心位置