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特開2023-111684人力駆動車用のコンポーネントおよび人力駆動車用の外付けユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111684
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】人力駆動車用のコンポーネントおよび人力駆動車用の外付けユニット
(51)【国際特許分類】
   B62M 6/55 20100101AFI20230803BHJP
   B62M 6/45 20100101ALI20230803BHJP
   B62J 45/00 20200101ALI20230803BHJP
   B62J 50/22 20200101ALI20230803BHJP
【FI】
B62M6/55
B62M6/45
B62J45/00
B62J50/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022013660
(22)【出願日】2022-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】西川 裕輔
(72)【発明者】
【氏名】出口 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】野田 慎一朗
(72)【発明者】
【氏名】ウン ジュン ウェン
(57)【要約】
【課題】ユーザビリティに貢献できる人力駆動車用のコンポーネントおよび人力駆動車用の外付けユニットを提供する。
【解決手段】人力駆動車用のコンポーネントは、位置情報検出部を含む通信ユニットが着脱可能に取り付けられる取付部を有するハウジングと、前記ハウジングに設けられる制御部と、前記通信ユニットに着脱可能な電気コネクタを有し、前記制御部に電気的に接続される電気接続部と、前記制御部によって制御される電気部品と、を備え、前記位置情報検出部は、外部からの電波を受信することによって、位置に関する情報を取得可能に構成され、前記制御部は、前記電気コネクタが前記通信ユニットに接続される状態において、前記電気接続部を介して前記通信ユニットと通信するように構成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用のコンポーネントであって、
位置情報検出部を含む通信ユニットが着脱可能に取り付けられる取付部を有するハウジングと、
前記ハウジングに設けられる制御部と、
前記通信ユニットに着脱可能な電気コネクタを有し、前記制御部に電気的に接続される電気接続部と、
前記制御部によって制御される電気部品と、を備え、
前記位置情報検出部は、外部からの電波を受信することによって、位置に関する情報を取得可能に構成され、
前記制御部は、前記電気コネクタが前記通信ユニットに接続される状態において、前記電気接続部を介して前記通信ユニットと通信するように構成される、コンポーネント。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記通信ユニットの少なくとも一部を収容する凹部を有する外周部を含み、
前記電気コネクタは、前記凹部に配置される、請求項1に記載のコンポーネント。
【請求項3】
前記凹部は、前記通信ユニットの全体を収容するように構成される、請求項2に記載のコンポーネント。
【請求項4】
前記凹部を覆うように、前記ハウジングに着脱可能なカバー部材をさらに備える、請求項2または3に記載のコンポーネント。
【請求項5】
前記カバー部材は、樹脂材料によって形成される、請求項4に記載のコンポーネント。
【請求項6】
前記取付部に前記通信ユニットが取り付けられていない場合、前記制御部は、前記電気部品の機能を制限するように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項7】
第1識別情報を記憶する第1記憶部をさらに備え、
前記通信ユニットは、第2識別情報を記憶する第2記憶部を含み、
前記第2識別情報が前記第1識別情報に対応しない場合、前記制御部は、前記電気部品の機能を制限するように構成される、請求項1から6のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項8】
前記取付部に前記通信ユニットが取り付けられる状態において、前記通信ユニットに電力を供給可能に構成される、請求項1から7のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項9】
前記通信ユニットは、外部装置からの制御信号の受信、および、前記外部装置への制御信号の送信、の少なくとも1つを実行するように構成される無線通信部をさらに含み、
前記制御部は、前記無線通信部を制御するように構成される、請求項1から8のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項10】
人力駆動車用のコンポーネントであって、
通信ユニットが着脱可能に取り付けられる取付部を有するハウジングと、
前記ハウジングに設けられる制御部と、
前記通信ユニットに着脱可能な電気コネクタを有する電気接続部と、
第1識別情報を記憶する第1記憶部と、
前記制御部によって制御される電気部品と、を備え、
前記通信ユニットは、外部装置から制御信号の受信、および、前記外部装置への制御信号の送信、の少なくとも1つを実行するように構成される無線通信部と、第2識別情報を記憶する第2記憶部と、を含み、
前記電気接続部は、前記無線通信部に電気的に接続され、
前記制御部は、前記電気コネクタが前記通信ユニットに接続される状態において、前記電気接続部を介して前記通信ユニットと通信するように構成され、
前記第2識別情報が前記第1識別情報に対応しない場合、前記制御部は、前記電気部品の機能を制限するように構成される、コンポーネント。
【請求項11】
前記電気部品は、前記人力駆動車に推進力を付与するように構成されるドライブユニットの電気モータ、変速機の第1電動アクチュエータ、操作装置のスイッチ、電動ブレーキの第2電動アクチュエータ、電動サスペンションの第3電動アクチュエータ、および、電動アジャスタブルシートポストの第4電動アクチュエータの少なくとも1つを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項12】
前記電気部品は、電動ブレーキの第2電動アクチュエータを含み、
前記電気部品の機能が制限される場合、前記制御部は、前記電動ブレーキの作動状態が、前記電動ブレーキが作動するブレーキ作動状態に維持されるように、前記第2電動アクチュエータを制御するように構成される、請求項6、7、および、10のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項13】
人力駆動車用の外付けユニットであって、
請求項1から12のいずれか一項に記載の前記通信ユニットを含み、
前記通信ユニットは、表示部を含み、
前記表示部は、前記コンポーネントに関する情報を表示可能に構成される、外付けユニット。
【請求項14】
前記コンポーネントを操作するための操作部を含む、請求項13に記載の外付けユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人力駆動車用のコンポーネントおよび人力駆動車用の外付けユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示される人力駆動車用のコンポーネントは、無線通信部を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6408579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的の1つは、ユーザビリティに貢献できる人力駆動車用のコンポーネントおよび人力駆動車用の外付けユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1側面に従うコンポーネントは、人力駆動車用のコンポーネントであって、位置情報検出部を含む通信ユニットが着脱可能に取り付けられる取付部を有するハウジングと、前記ハウジングに設けられる制御部と、前記通信ユニットに着脱可能な電気コネクタを有し、前記制御部に電気的に接続される電気接続部と、前記制御部によって制御される電気部品と、を備え、前記位置情報検出部は、外部からの電波を受信することによって、位置に関する情報を取得可能に構成され、前記制御部は、前記電気コネクタが前記通信ユニットに接続される状態において、前記電気接続部を介して前記通信ユニットと通信するように構成される。
第1側面のコンポーネントによれば、通信ユニットが、電気コネクタを介してコンポーネントに取り付けられることによって、制御部が電気接続部を介して通信ユニットと通信できるようになる。したがって、簡便な手順によって制御部が通信ユニットと通信できるため、ユーザビリティに貢献できる。第1側面のコンポーネントによれば、通信ユニットが位置情報検出部を含むため、通信ユニットが取り付けられたコンポーネントの位置情報が検出できる。したがって、ユーザビリティに貢献できる。
【0006】
本開示の第1側面に従う第2側面のコンポーネントにおいて、前記ハウジングは、前記通信ユニットの少なくとも一部を収容する凹部を有する外周部を含み、前記電気コネクタは、前記凹部に配置される。
第2側面のコンポーネントによれば、電気コネクタが凹部に配置されることによって電気コネクタが凹部から突出しにくいため、電気コネクタが保護される。
【0007】
本開示の第2側面に従う第3側面のコンポーネントにおいて、前記凹部は、前記通信ユニットの全体を収容するように構成される。
第3側面のコンポーネントによれば、通信ユニットの全体が凹部に収容されるため、通信ユニットが保護される。
【0008】
本開示の第2または第3側面に従う第4側面のコンポーネントにおいて、前記凹部を覆うように、前記ハウジングに着脱可能なカバー部材をさらに備える。
第4側面のコンポーネントによれば、凹部に水および土埃等の異物が入ることを抑制できる。
【0009】
本開示の第4側面に従う第5側面のコンポーネントにおいて、前記カバー部材は、樹脂材料によって形成される。
第5側面のコンポーネントによれば、樹脂材料によってカバー部材を好適に形成できる。第5側面のコンポーネントによれば、カバー部材が樹脂材料によって形成されるため、位置情報検出部を覆う場合であっても、位置情報検出部が外部からの電波を好適に受信できる。
【0010】
本開示の第1から第5側面のいずれか一項に従う第6側面のコンポーネントにおいて、前記取付部に前記通信ユニットが取り付けられていない場合、前記制御部は、前記電気部品の機能を制限するように構成される。
第6側面のコンポーネントによれば、取付部から通信ユニットが取り外されることによって、制御部が電気部品の機能を制限できる。
【0011】
本開示の第1から第6側面のいずれか1つに従う第7側面のコンポーネントにおいて、第1識別情報を記憶する第1記憶部をさらに備え、前記通信ユニットは、第2識別情報を記憶する第2記憶部を含み、前記第2識別情報が前記第1識別情報に対応しない場合、前記制御部は、前記電気部品の機能を制限するように構成される。
第7側面のコンポーネントによれば、第2識別情報が第1識別情報に対応しない場合、電気部品の機能を制限できる。
【0012】
本開示の第1から第7側面のいずれか1つに従う第8側面のコンポーネントにおいて、前記取付部に前記通信ユニットが取り付けられる状態において、前記通信ユニットに電力を供給可能に構成される。
第8側面のコンポーネントによれば、取付部に通信ユニットが取り付けられる状態において、通信ユニットに電力を供給できるため、通信ユニットはコンポーネントからの電力によって動作できる。
【0013】
本開示の第1から第8側面のいずれか1つに従う第9側面のコンポーネントにおいて、前記通信ユニットは、外部装置からの制御信号の受信、および、前記外部装置への制御信号の送信、の少なくとも1つを実行するように構成される無線通信部をさらに含み、前記制御部は、前記無線通信部を制御するように構成される。
第9側面のコンポーネントによれば、無線通信部によって外部装置との間における制御信号の受信および送信の少なくとも1つを実行できる。
【0014】
本開示の第10側面に従うコンポーネントは、人力駆動車用のコンポーネントであって、通信ユニットが着脱可能に取り付けられる取付部を有するハウジングと、前記ハウジングに設けられる制御部と、前記通信ユニットに着脱可能な電気コネクタを有する電気接続部と、第1識別情報を記憶する第1記憶部と、前記制御部によって制御される電気部品と、を備え、前記通信ユニットは、外部装置から制御信号の受信、および、前記外部装置への制御信号の送信、の少なくとも1つを実行するように構成される無線通信部と、第2識別情報を記憶する第2記憶部と、を含み、前記電気接続部は、前記無線通信部に電気的に接続され、前記制御部は、前記電気コネクタが前記通信ユニットに接続される状態において、前記電気接続部を介して前記通信ユニットと通信するように構成され、前記第2識別情報が前記第1識別情報に対応しない場合、前記制御部は、前記電気部品の機能を制限するように構成される。
第10側面のコンポーネントによれば、第2識別情報が第1識別情報と対応しない場合、電気部品の機能を制限できる。したがって、ユーザが第1識別情報と対応する通信ユニットを持ち運ぶことによって、人力駆動車の盗難防止に貢献できるため、ユーザビリティに貢献できる。
【0015】
本開示の第1から第10側面のいずれか1つに従う第11側面のコンポーネントにおいて、前記電気部品は、前記人力駆動車に推進力を付与するように構成されるドライブユニットの電気モータ、変速機の第1電動アクチュエータ、操作装置のスイッチ、電動ブレーキの第2電動アクチュエータ、電動サスペンションの第3電動アクチュエータ、および、電動アジャスタブルシートポストの第4電動アクチュエータの少なくとも1つを含む。
第11側面のコンポーネントによれば、人力駆動車に推進力を付与するように構成されるドライブユニットの電気モータ、変速機の第1電動アクチュエータ、操作装置のスイッチ、電動ブレーキの第2電動アクチュエータ、電動サスペンションの第3電動アクチュエータ、および、電動アジャスタブルシートポストの第4電動アクチュエータの少なくとも1つを含む電気部品を備えるコンポーネントにおいて、ユーザビリティに貢献できる。
【0016】
本開示の第6、第7、および、第10側面のいずれか1つに従う第12側面のコンポーネントにおいて、前記電気部品は、電動ブレーキの第2電動アクチュエータを含み、前記電気部品の機能が制限される場合、前記制御部は、前記電動ブレーキの作動状態が、前記電動ブレーキが作動するブレーキ作動状態に維持されるように、前記第2電動アクチュエータを制御するように構成される。
第12側面のコンポーネントによれば、電気部品の機能が制限される場合、制御部は、電動ブレーキの作動状態が、電動ブレーキが作動するブレーキ作動状態に維持されるように、第2電動アクチュエータを制御する。したがって、人力駆動車の移動が規制されるため、人力駆動車の盗難防止に貢献できる。
【0017】
本開示の第13側面に従う外付けユニットは、人力駆動車用の外付けユニットであって、第1から第12側面のいずれか1つに記載の前記通信ユニットを含み、前記通信ユニットは、表示部を含み、前記表示部は、前記コンポーネントに関する情報を表示可能に構成される。
第13側面の外付けユニットによれば、表示部がコンポーネントに関する情報を表示できるため、ユーザがコンポーネントに関する情報を把握しやすい。
【0018】
本開示の第13側面に従う第14側面の外付けユニットにおいて、前記コンポーネントを操作するための操作部を含む。
第14側面の外付けユニットによれば、ユーザが操作部を介してコンポーネントを操作できる。
【発明の効果】
【0019】
本開示の人力駆動車用のコンポーネントおよび人力駆動車用の外付けユニットは、ユーザビリティに貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1実施形態の人力駆動車用のコンポーネントおよび人力駆動車用の外付けユニットを含む人力駆動車の側面図である。
図2図1の人力駆動車用のコンポーネントおよび人力駆動車用の外付けユニットを含む人力駆動車の電気的な構成を示すブロック図である。
図3図1のドライブユニットの第1側面図である。
図4図1のドライブユニットの第2側面図である。
図5図3のD5-D5線に沿う断面図である。
図6図4の人力駆動車用の外付けユニット、および、人力駆動車用の外付けユニットが取り付けられる人力駆動車用のコンポーネントのハウジング、凹部、カバー部材、電気コネクタ、および、通信ユニットを示す断面図である。
図7図2の制御部が行う電気部品の機能を制限する制御のフローチャートである。
図8】第1変更例の人力駆動車用のコンポーネント、および、人力駆動車用の外付けユニットを含む人力駆動車の電気的な構成を示すブロック図である。
図9図8の制御部が行う電気部品の機能を制限する制御のフローチャートである。
図10】第2変更例の通信ユニットの電気的な構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<実施形態>
図1から図7を参照して、人力駆動車用のコンポーネント50および人力駆動車用の外付けユニット90が説明される。人力駆動車は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。人力駆動車は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、ハンドバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車は、例えば1輪車および2輪以上の車輪を有する乗り物も含む。人力駆動車は、人力駆動力のみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車は、人力駆動力だけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するE-bikeを含む。E-bikeは、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、それぞれの実施形態において、人力駆動車は、電動アシスト自転車として説明される。
【0022】
人力駆動車10は、少なくとも1つの車輪12と、車体14と、を含む。少なくとも1つの車輪12は、前輪12F、および、後輪12Rを含む。車体14は、フレーム16を含む。人力駆動車10は、人力駆動力が入力されるクランク18をさらに含む。クランク18は、フレーム16に対して回転可能なクランク軸20と、クランクアーム22A,22Bとを含む。クランクアーム22A,22Bのそれぞれは、クランク軸20の軸方向Xの端部にそれぞれ設けられる。クランクアーム22A,22Bには、ペダル24A,24Bが連結される。
【0023】
フレーム16には、フロントフォーク26が接続される。フロントフォーク26には、前輪12Fが取り付けられる。フロントフォーク26には、ハンドルバー28がステム30を介して連結される。後輪12Rは、フレーム16に支持される。本実施形態では、クランク18は、駆動機構32によって後輪12Rと連結される。後輪12Rは、クランク軸20が回転することによって駆動される。前輪12Fおよび後輪12Rの少なくとも1つが、駆動機構32によってクランク18に連結されてもよい。
【0024】
駆動機構32は、クランク軸20に連結される第1回転体34を含む。第1回転体34は、フロントスプロケットを含む。第1回転体34は、プーリ、または、ベベルギアを含んでいてもよい。クランク軸20は、フロントスプロケットと、ワンウェイクラッチを介して連結されてもよい。
【0025】
駆動機構32は、第2回転体36および伝達部材38をさらに含む。伝達部材38は、第1回転体34の回転力を第2回転体36に伝達するように構成される。伝達部材38は、チェーンを含む。伝達部材38は、ベルト、または、シャフトを含んでいてもよい。第2回転体36は、リアスプロケットを含む。第2回転体36は、プーリ、または、ベベルギアを含んでもよい。例えば、チェーンは、フロントスプロケットおよびリアスプロケットに巻き掛けられる。例えば、第2回転体36は、後輪12Rに連結される。後輪12Rは、第2回転体36の回転にともなって回転するように構成される。
【0026】
人力駆動車10は、コンポーネント50を含む。人力駆動車用のコンポーネント50は、ハウジング52と、ハウジング52に設けられる制御部54と、電気接続部56と、制御部54によって制御される電気部品58と、を備える。例えば、コンポーネント50は、ドライブユニット50A、変速機50B、操作装置50J、電動ブレーキ50C、電動サスペンション50D、および、電動アジャスタブルシートポスト50Eの少なくとも1つを含む。
【0027】
電気部品58は、人力駆動車10に推進力を付与するように構成されるドライブユニット50Aの電気モータ60、変速機50Bの第1電動アクチュエータ58A、操作装置50Jのスイッチ58B、電動ブレーキ50Cの第2電動アクチュエータ58C、電動サスペンション50Dの第3電動アクチュエータ58D、および、電動アジャスタブルシートポスト50Eの第4電動アクチュエータ58Eの少なくとも1つを含む。本実施形態では、人力駆動車用のコンポーネント50は、ドライブユニット50Aを含む。本実施形態では、電気部品58は、電気モータ60を含む。
【0028】
変速機50Bは、人力駆動車10において人力駆動力の伝達経路に設けられ、かつ、変速比Rを変更するように構成される。変速機50Bは、複数の変速ステージを有する。各変速ステージに対応する変速比Rは、相互に異なる。変速ステージの数は、例えば3から30の範囲である。
【0029】
変速比Rは、クランク軸20の回転速度Cに対する駆動輪の回転速度Wの比率である。本実施形態では、駆動輪は後輪12Rである。駆動輪の回転速度Wと、クランク軸20の回転速度Cとは、それぞれ単位時間あたりの回転数であってもよい。駆動輪の回転速度Wを、第1回転体34の歯数に置き換え、クランク軸20の回転速度Cを、第2回転体36の歯数に置き換えてもよい。変速比Rと、駆動輪の回転速度Wと、クランク軸20の回転速度Cとの関係は、式(1)によって表される。
式(1):R=W/C
【0030】
例えば、変速機50Bは、内装変速機、フロントディレイラ、および、リアディレイラの少なくとも1つを含む。変速機50Bが内装変速機を含む場合、内装変速機は、例えば、後輪12Rのハブに設けられる。内装変速機は、CVT(Continuously Variable Transmission)を含んでいてもよい。
【0031】
変速機50Bがフロントディレイラを含む場合、変速機50Bは、第1回転体34に設けられる。変速機50Bがフロントディレイラを含む場合、例えば、第1回転体34は、複数のフロントスプロケットを含む。変速機50Bがリアディレイラを含む場合、変速機50Bは、第2回転体36に設けられる。変速機50Bがリアディレイラを含む場合、第2回転体36は、複数のリアスプロケットを含む。変速機50Bは、第1電動アクチュエータ58Aによって動作するように構成される電動変速機を含む。第1電動アクチュエータ58Aは、例えば、電気モータを含む。
【0032】
例えば、電動ブレーキ50Cは、フレーム16およびフロントフォーク26に設けられ、車輪12に制動力を付与するように構成される。電動ブレーキ50Cは、ディスクブレーキであってもよく、リムブレーキであってもよく、ローラブレーキであってもよい。例えば、電動ブレーキ50Cは、第2電動アクチュエータ58Cを含む。第2電動アクチュエータ58Cは、例えば、電気モータを含む。
【0033】
例えば、電動サスペンション50Dは、リアサスペンションおよびフロントサスペンションの少なくとも1つを含む。例えば、電動サスペンション50Dは、車輪12に加えられる衝撃を吸収する。電動サスペンション50Dは、油圧サスペンションであってもよく、エアサスペンションであってもよい。
【0034】
電動サスペンション50Dは、第1サスペンション部分50Gと、第1サスペンション部分50Gに嵌め込まれて第1サスペンション部分50Gと相対移動可能な第2サスペンション部分50Hとを含む。例えば、電動サスペンション50Dの動作状態は、ロック状態と、ロック解除状態とを含む。
【0035】
例えば、電動サスペンション50Dの動作状態がロック状態の場合、第1サスペンション部分50Gと第2サスペンション部分50Hとの相対移動が規制される。例えば、電動サスペンション50Dのロック状態は、車輪12に強い力が加えられた場合に、第1サスペンション部分50Gと第2サスペンション部分50Hとがわずかに相対移動する状態を含む。例えば、電動サスペンション50Dの動作状態がロック解除状態の場合、第1サスペンション部分50Gと第2サスペンション部分50Hとの相対移動が許容される。電動サスペンション50Dの動作状態は、ロック状態およびロック解除状態に代えて、または、加えて、減衰力が異なる複数の動作状態、および、ストローク量が異なる複数の動作状態の少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0036】
電動サスペンション50Dは、電動サスペンション50Dを動作させるための第3電動アクチュエータ58Dを含む。第3電動アクチュエータ58Dは、電気モータを含む。第3電動アクチュエータ58Dは、電気モータに代えて、ソレノイドを含んでいてもよい。例えば、第3電動アクチュエータ58Dは、電動サスペンション50Dの動作状態を切り替える。
【0037】
電動サスペンション50Dがリアサスペンションを含む場合、例えば、リアサスペンションは、人力駆動車10のフレーム16に設けられる。電動サスペンション50Dがリアサスペンションを含む場合、例えば、リアサスペンションは、フレーム16のうち、フレーム本体と後輪12Rを支持するスイングアームとの間に設けられる。リアサスペンションは、後輪12Rに加えられる衝撃を吸収する。
【0038】
電動サスペンション50Dがフロントサスペンションを含む場合、例えば、フロントサスペンションは、フレーム16と前輪12Fとの間に設けられるように構成される。電動サスペンション50Dがフロントサスペンションを含む場合、例えば、フロントサスペンションは、フロントフォーク26に設けられる。フロントサスペンションは、前輪12Fに加えられる衝撃を吸収する。
【0039】
例えば、電動アジャスタブルシートポスト50Eは、第4電動アクチュエータ58Eを含む。第4電動アクチュエータ58Eは、電気モータを含む。第4電動アクチュエータ58Eは、電気モータに代えて、ソレノイドを含んでいてもよい。例えば、電動アジャスタブルシートポスト50Eは、シートチューブに設けられる。例えば、電動アジャスタブルシートポスト50Eは、サドルの高さを変更するように構成される。
【0040】
例えば、電動アジャスタブルシートポスト50Eは、電気式シートポスト、または、機械式シートポストを含む。例えば、電気式シートポストは、電動アクチュエータの力でシートポストが伸縮するような構成を有する。例えば、機械式シートポストは、電動アクチュエータの力でバルブを制御することによって、シートポストがばねおよび空気の少なくとも一方の力によって伸び、人力を加えることによって縮むような構成を有する。機械式シートポストは、油圧式シートポスト、または、油圧および空気圧式シートポストを含む。
【0041】
例えば、操作装置50Jは、ドライブユニット50A、変速機50B、電動ブレーキ50C、電動サスペンション50D、および、電動アジャスタブルシートポスト50Eの少なくとも1つを操作するように構成される。例えば、操作装置50Jは、アシストモードを切り替えるための操作信号を出力するように構成される。例えば、操作装置50Jは、ハンドルバー28に設けられる。例えば、操作装置50Jは、スイッチ58Bを含む。スイッチ58Bは、電気スイッチを含み、操作装置50Jに設けられる操作部材の動きに応じてオンとオフとが切り替えられる。
【0042】
例えば、人力駆動車10は、バッテリ40をさらに含む。バッテリ40は、1または複数のバッテリ素子を含む。バッテリ素子は、充電池を含む。例えば、バッテリ40は、コンポーネント50に電力を供給するように構成される。バッテリ40はコンポーネント50と、電気ケーブルまたは無線通信装置を介して通信可能に接続される。バッテリ40は、例えば電力線通信(PLC;Power Line Communication)、CAN(Controller Area Network)、または、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)によってコンポーネント50と通信可能である。
【0043】
ドライブユニット50Aは、人力駆動車10に推進力を付与するように構成される電気モータ60、減速機62、および、出力部64を含む。電気モータ60は、例えば、ブラシレスモータである。電気モータ60が第1モータ回転方向に回転する場合、電気モータ60は人力駆動車10に推進力を付与するようにモータ駆動力を出力する。電気モータ60は、供給される電力が増加するほど、出力されるモータ駆動力が増加する。
【0044】
ドライブユニット50Aは、フレーム16に取り付けるためのフレーム取付部52Aを有する。例えば、フレーム取付部52Aはハウジング52の外周部52Jに設けられる。フレーム取付部52Aは、例えば、孔および雌ねじ部の少なくとも1つを含む。例えば、フレーム取付部52Aの孔および雌ねじ部の少なくとも1つと、フレーム16と、にボルトが係合することによって、ハウジング52がフレーム16に取り付けられる。
【0045】
例えば、ハウジング52は、クランク軸20を回転可能に支持する。例えば、ハウジング52は、第1ハウジング52B、第2ハウジング52C、および、モータカバー部材52Dを含む。第1ハウジング52Bは、第1側面部52Eを含む。第2ハウジング52Cは、第2側面部52Fを含む。ハウジング52は、内部空間SAを形成する。例えば、第1ハウジング52Bおよび第2ハウジング52Cは、内部空間SAを形成する。例えば、第1ハウジング52Bおよび第2ハウジング52Cは、ボルトによって相互に取り付けられる。
【0046】
例えば、ハウジング52の内部空間SAには、クランク軸20の少なくとも一部、電気モータ60、減速機62、出力部64の少なくとも一部などが配置される。例えば、第1ハウジング52Bは、電気モータ60のケースとして機能する。例えば、モータカバー部材52Dは、第1ハウジング52Bに設けられ、第1ハウジング52Bと共に、モータ配置空間を形成する。例えば、モータカバー部材52Dは、ボルトによって第1ハウジング52Bに取り付けられる。
【0047】
例えば、ハウジング52は、クランク軸20が挿入される第1孔52Gおよび第2孔52Hを含む。第1孔52Gおよび第2孔52Hは、それぞれハウジング52の内部空間SAと、ハウジング52の外部空間SBとを連通する。第1孔52Gは、クランク軸20の軸方向Xにおいて、ハウジング52の第1側面部52Eに形成される。第2孔52Hは、クランク軸20の軸方向Xにおいて、ハウジング52の第2側面部52Fに形成される。
【0048】
例えば、出力部64は、第1回転中心軸心C1を有する。出力部64と、クランク軸20とは、同軸に配置される。出力部64は、クランク軸20の回転力が伝達されるように構成される。例えば、出力部64は、実質的に円筒形状を有する。例えば、出力部64は、第1回転中心軸心C1まわりにおいて、クランク軸20の外周部に設けられる。
【0049】
例えば、出力部64は、人力駆動車10の駆動輪に伝達部材38を介して接続されるように構成される。例えば、出力部64は、第2回転体36を介して、伝達部材38に接続されるように構成される。例えば、出力部64は、第2回転体36を構成するスプロケット、プーリ、または、ベベルギアを介して、伝達部材38に接続されるように構成される。
【0050】
例えば、クランク軸20には動力伝達部材66が設けられる。例えば、動力伝達部材66は、クランク軸20に入力される回転力を、出力部64に伝達するように構成される。例えば、動力伝達部材66は、実質的に円筒形状を有する。例えば、動力伝達部材66は、第1回転中心軸心C1のまわりにおいて、クランク軸20の外周部を囲むようにクランク軸20に配置される。
【0051】
例えば、ドライブユニット50Aは、第1ワンウェイクラッチ68をさらに含む。例えば、第1ワンウェイクラッチ68は、クランク軸20が正転する場合に、クランク軸20と出力部64とが一体に回転するように構成される。第1ワンウェイクラッチ68は、クランク軸20が後転する場合に、クランク軸20と出力部64との相対回転を許容するように構成される。例えば、第1ワンウェイクラッチ68は、ローラクラッチ、スプラグ式クラッチ、または、ラチェット式クラッチを含む。例えば、出力部64は、第1ワンウェイクラッチ68を介して動力伝達部材66に接続され、動力伝達部材66は、クランク軸20に接続される。例えば、第1ワンウェイクラッチ68の少なくとも一部は、出力部64の内周部と、動力伝達部材66の外周部との間に配置される。
【0052】
例えば、クランク軸20の第1端部20Aは、第1孔52Gからハウジング52の外部空間SBに突出する。例えば、クランク軸20の第2端部20Bは、第2孔52Hからハウジング52の外部空間SBに突出する。例えば、第2孔52Hには、第1軸受70Aが配置される。例えば、クランク軸20は、第1軸受70Aによって、ハウジング52に対して回転可能にハウジング52に支持される。例えば、第1軸受70Aは、玉軸受であってもよく、ころ軸受であってもよく、すべり軸受であってもよい。
【0053】
例えば、第1孔52Gには、第2軸受70Bが配置される。例えば、出力部64は、第2軸受70Bによってハウジング52に対して回転可能にハウジング52に設けられる。例えば、第2軸受70Bは、出力部64の外周部に設けられる。第2軸受70Bは、玉軸受であってもよく、ころ軸受であってもよく、すべり軸受であってもよい。
【0054】
例えば、動力伝達部材66の内周部と、クランク軸20の外周部との間には、第3軸受70Cが設けられる。例えば、動力伝達部材66は、第3軸受70Cを介してクランク軸20を回転可能に支持する。例えば、出力部64の内周部と、クランク軸20の外周部との間には、第4軸受70Dが設けられる。例えば、出力部64は、第4軸受70Dを介してクランク軸20を回転可能に支持する。例えば、第3軸受70Cおよび第4軸受70Dは、ニードルベアリング、または、スリーブを含む。
【0055】
例えば、第1回転中心軸心C1に垂直な方向において、第1ワンウェイクラッチ68の少なくとも一部は、第3軸受70Cに重なるように配置される。例えば、第1回転中心軸心C1に垂直な方向において、第2軸受70Bの少なくとも一部は、第4軸受70Dに重なるように配置される。例えば、第1回転中心軸心C1に平行な方向において、出力部64は第3端部64Aを有する。例えば、第3端部64Aの外周部には、第1回転体34を連結する連結部が設けられる。例えば、連結部は、クランク軸20の軸方向Xに沿って延びる1または複数のスプラインを有する。
【0056】
例えば、電気モータ60は、モータ出力軸60Aを含む。例えば、クランク軸20とモータ出力軸60Aとは、実質的に平行に配置される。例えば、ハウジング52は、電気モータ60のケースとして機能する。電気モータ60は、ハウジング52とは別体に形成されるケースを有していてもよい。電気モータ60がケースを有する場合、電気モータ60のケースをハウジング52に取り付けてもよい。電気モータ60のケースは、ハウジング52の外周部52Jに取り付けられてもよい。
【0057】
例えば、減速機62は、少なくとも1つの減速部分を含む。例えば、少なくとも1つの減速部分は、第1減速部分72と、第2減速部分74と、第3減速部分76とを含む。減速機62は、1つ、2つ、または、4つ以上の減速部分を含んでいてもよい。第1減速部分72は、第1歯車72A、第1回転軸72B、および、第2歯車72C、を含む。第1歯車72Aの直径は、第2歯車72Cの直径よりも大きい。例えば、第1歯車72Aは、出力部64と一体に形成される。例えば、第1歯車72Aは、出力部64の外周部に設けられる。第1歯車72Aと出力部64とは、別体に形成され、相対回転不能に取り付けられてもよい。例えば、第1回転軸72Bは、第1回転中心軸心C1とは異なる第2回転中心軸心C2を有する。例えば、第2回転中心軸心C2は、第1回転中心軸心C1と実質的に平行である。
【0058】
例えば、第2歯車72Cは、第1回転軸72Bに設けられる。例えば、第2歯車72Cは、環状に形成され、第1回転軸72Bの径方向の外側に配置される。例えば、第2歯車72Cは、第1歯車72Aに接続される。第1減速部分72は、第1歯車72Aおよび第2歯車72Cに代えて、ベルトおよびプーリによって、間接的に接続されてもよい。第1減速部分72は、第1歯車72Aおよび第2歯車72Cに代えて、スプロケットおよびチェーンの少なくとも1つによって、間接的に接続されてもよい。例えば、第2歯車72Cは、第1回転軸72Bに支持される。例えば、第2歯車72Cは、第1回転軸72Bと同軸に配置される。
【0059】
例えば、第1回転軸72Bは、第5軸受70Eおよび第6軸受70Fを介してハウジング52に対して回転可能にハウジング52に支持される。例えば、第5軸受70Eは、第1ハウジング52Bに設けられる。例えば、第6軸受70Fは、第2ハウジング52Cに設けられる。例えば、第5軸受70Eおよび第6軸受70Fは、第1回転軸72Bの軸方向の両端部をそれぞれ支持する。例えば、第5軸受70Eは、第1回転軸72Bの軸方向の第4端部72Dを支持する。例えば、第6軸受70Fは、第1回転軸72Bの軸方向の第5端部72Eを支持する。例えば、第5軸受70Eおよび第6軸受70Fは、玉軸受であってもよく、ころ軸受であってもよく、すべり軸受であってもよい。
【0060】
例えば、第2減速部分74は、電気モータ60と、第1減速部分72との間に設けられる。例えば、第2減速部分74は、第3歯車74Aと、第2回転軸74Bと、第4歯車74Cと、を含む。例えば、第3歯車74Aの直径は、第4歯車74Cの直径よりも大きい。例えば、第3歯車74Aは、第1回転軸72Bに設けられる。例えば、第3歯車74Aは、第1回転軸72Bの第5端部72Eに設けられる。例えば、第3歯車74Aは、第1回転軸72Bと一体に回転するように構成される。例えば、第3歯車74Aの直径は、第2歯車72Cの直径よりも小さい。例えば、第3歯車74Aと、第1回転軸72Bとは、別体に形成され、相対回転不能に取り付けられる。第3歯車74Aと、第1回転軸72Bとは、一体に形成されてもよい。
【0061】
例えば、第2歯車72Cおよび第3歯車74Aは、第1回転軸72Bの軸方向において第5軸受70Eと、第6軸受70Fとの間に配置される。例えば、第2歯車72Cは、第5軸受70Eに隣接して配置される。例えば、第3歯車74Aは、第6軸受70Fに隣接して配置される。
【0062】
例えば、第4歯車74Cは、第2回転軸74Bと一体に回転するように構成される。例えば、第4歯車74Cは、第3歯車74Aに接続される。例えば、第4歯車74Cは、第2回転軸74Bと一体に形成される。第4歯車74Cと第2回転軸74Bとは、別体に形成され、相対回転不能に取り付けられてもよい。
【0063】
例えば、第2回転軸74Bは、第1回転中心軸心C1および第2回転中心軸心C2とは異なる第3回転中心軸心C3を有する。例えば、第3回転中心軸心C3は、第1回転中心軸心C1および第2回転中心軸心C2と実質的に平行である。第2減速部分74は、第3歯車74Aおよび第4歯車74Cに代えて、ベルトおよびプーリによって、間接的に接続されてもよい。第2減速部分74は、第3歯車74Aおよび第4歯車74Cに代えてスプロケットおよびチェーンによって、間接的に接続されてもよい。
【0064】
例えば、第2回転軸74Bは、第7軸受70Gおよび第8軸受70Hを介してハウジング52に対して回転可能にハウジング52に支持される。例えば、第7軸受70Gは、第2ハウジング52Cに設けられる。例えば、第8軸受70Hは、モータカバー部材52Dに設けられる。例えば、第7軸受70Gおよび第8軸受70Hは、第2回転軸74Bの軸方向の両端部をそれぞれ支持する。例えば、第7軸受70Gは、第2回転軸74Bの軸方向の第6端部74Dを支持する。例えば、第8軸受70Hは、第2回転軸74Bの軸方向の第7端部74Eを支持する。第7軸受70Gおよび第8軸受70Hは、玉軸受であってもよく、ころ軸受であってもよく、すべり軸受であってもよい。
【0065】
例えば、第3減速部分76は、第5歯車76Aおよび第6歯車76Bを含む。例えば、第5歯車76Aの直径は、第6歯車76Bの直径よりも大きい。例えば、第5歯車76Aは、第2回転軸74Bの軸方向において、第4歯車74Cよりもモータカバー部材52D側に配置される。例えば、第5歯車76Aは、第2回転軸74Bと一体に回転するように第2回転軸74Bに設けられる。例えば、第5歯車76Aは、第2回転軸74Bと別体に形成され、第2回転軸74Bに取り付けられる。第5歯車76Aは、第2回転軸74Bと一体に形成されていてもよい。
【0066】
例えば、第4歯車74Cおよび第5歯車76Aは、第2回転軸74Bの軸方向において第7軸受70Gと、第8軸受70Hとの間に配置される。例えば、第4歯車74Cは、第7軸受70Gに隣接して配置される。例えば、第5歯車76Aは、第8軸受70Hに隣接して配置される。
【0067】
例えば、第6歯車76Bは、モータ出力軸60Aと一体に回転するようにモータ出力軸60Aに設けられる。例えば、第6歯車76Bは、モータ出力軸60Aと一体に形成される。例えば、第6歯車76Bは、モータ出力軸60Aと別体に形成され、モータ出力軸60Aに取り付けられてもよい。第3減速部分76は、第5歯車76Aおよび第6歯車76Bに代えて、ベルトおよびプーリによって、間接的に接続されてもよい。第3減速部分76は、第5歯車76Aおよび第6歯車76Bに代えて、スプロケットおよびチェーンによって、間接的に接続されてもよい。
【0068】
例えば、モータ出力軸60Aは、第4回転中心軸心C4を有する。例えば、第4回転中心軸心C4は、第1回転中心軸心C1、第2回転中心軸心C2、および、第3回転中心軸心C3とは異なる。例えば、第4回転中心軸心C4は、第1回転中心軸心C1、第2回転中心軸心C2、および、第3回転中心軸心C3と実質的に平行である。例えば、モータ出力軸60Aは、第9軸受70Jおよび第10軸受70Kを介してハウジング52に対して回転可能にハウジング52に支持される。第9軸受70Jおよび第10軸受70Kは、玉軸受であってもよく、ころ軸受であってもよく、すべり軸受であってもよい。
【0069】
例えば、第9軸受70Jは、モータカバー部材52Dに設けられる。例えば、第10軸受70Kは、第1ハウジング52Bに設けられる。例えば、第9軸受70Jは、モータ出力軸60Aの軸方向における第8端部60Bと、第9端部60Cとの間の中間部を支持する。例えば、第10軸受70Kは、第9端部60Cを支持する。
【0070】
例えば、ドライブユニット50Aは、第2ワンウェイクラッチ62Aを含む。例えば、第2ワンウェイクラッチ62Aは、減速機62に設けられる。例えば、第2ワンウェイクラッチ62Aは、第1減速部分72に設けられる。例えば、第2ワンウェイクラッチ62Aは、第1回転軸72Bの外周部と、第2歯車72Cの内周部との間に設けられる。第2ワンウェイクラッチ62Aは、第2減速部分74に設けられてもよく、第3減速部分76に設けられてもよい。
【0071】
例えば、第2ワンウェイクラッチ62Aは、出力部64が第1出力部回転方向に回転する場合に、モータ出力軸60Aの回転を出力部64に伝達するように構成される。例えば、第1出力部回転方向は、人力駆動車10が前進する場合の出力部64の回転方向と対応する。例えば、第2ワンウェイクラッチ62Aは、出力部64が第1出力部回転方向とは反対の第2出力部回転方向に回転する場合に、出力部64とモータ出力軸60Aとの相対回転を許容するように構成される。例えば、第2ワンウェイクラッチ62Aは、ローラクラッチ、スプラグ式クラッチ、または、ラチェット式クラッチを含む。
【0072】
制御部54は、予め定める制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。制御部54に含まれる演算処理装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。制御部54に含まれる演算処理装置は、相互に離れた複数の場所に設けられてもよい。制御部54は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。制御部54は、バッテリ40と有線または無線によって通信可能に接続される。制御部54は、バッテリ40から電力を供給されるように構成される。
【0073】
人力駆動車用のコンポーネント50は、第1記憶部54Aをさらに備える。例えば、ドライブユニット50Aは、第1記憶部54Aをさらに含む。第1記憶部54Aは、制御プログラムおよび制御処理に用いられる情報を記憶する。第1記憶部54Aは、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)を含む。
【0074】
例えば、第1記憶部54Aは、第1識別情報を記憶する。第1識別情報は、コンポーネント50に割り振られる情報を含む。例えば、第1識別情報は、外部装置等を介して更新可能に第1記憶部54Aに記憶される。
【0075】
例えば、制御部54は、バッテリ40、第1記憶部54A、および、電気部品58と有線または無線によって接続される。例えば、制御部54が、バッテリ40、第1記憶部54A、および、電気部品58と有線によって接続される場合、制御部54は、電力線通信(PLC;Power Line Communication)、CAN(Controller Area Network)、または、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)によって通信する。例えば、制御部54が、バッテリ40、第1記憶部54A、および、電気部品58と無線によって接続される場合、制御部54は、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、ZigBee(登録商標)、ANT(登録商標)、ANT+(登録商標)、および、RFID(Radio Frequency IDentification)の少なくとも1つの通信方式を用いて通信するように構成される。制御部54は、Bluetooth、Wi-Fi、ZigBee、ANT、ANT+、および、RFIDの少なくとも1つ以外の通信方式によって通信するように構成されてもよい。
【0076】
例えば、ドライブユニット50Aは、人力駆動力検出部78Aをさらに含む。人力駆動力検出部78Aは、制御部54と有線または無線によって通信可能に接続される。人力駆動力検出部78Aは、人力駆動力によってクランク軸20に与えられるトルクに応じた信号を出力するように構成される。人力駆動力によってクランク軸20に与えられるトルクに応じた信号は、人力駆動車10に入力される人力駆動力に関する情報を含む。
【0077】
例えば、人力駆動力検出部78Aは、人力駆動力の伝達経路、または、人力駆動力の伝達経路に含まれる部材の近傍に含まれる部材に設けられる。人力駆動力の伝達経路に含まれる部材は、例えば、クランク軸20、クランク軸20と第1回転体34との間において人力駆動力を伝達する部材を含む。例えば、人力駆動力検出部78Aは、動力伝達部材66の外周部に設けられる。
【0078】
人力駆動力検出部78Aは、歪センサ、磁歪センサ、または、圧力センサなどを含む。歪センサは、歪ゲージを含む。人力駆動力検出部78Aは、人力駆動力に関する情報を取得できればどのような構成であってもよい。
【0079】
人力駆動力検出部78Aは、ドライブユニット50A以外に設けられてもよい。人力駆動力検出部78Aがドライブユニット50A以外に設けられる場合、人力駆動力検出部78Aは、クランクアーム22A,22B、または、ペダル24A,24Bに設けられてもよい。人力駆動力検出部78Aがペダル24A,24Bに設けられる場合、例えば、人力駆動力検出部78Aは、ペダル24A,24Bに与えられる圧力を検出するセンサを含んでいてもよい。例えば、人力駆動力検出部78Aがチェーンに設けられる場合、人力駆動力検出部78Aは、チェーンの張力を検出するセンサを含んでいてもよい。
【0080】
例えば、ドライブユニット50Aは、クランク回転状態検出部78Bをさらに含む。クランク回転状態検出部78Bは、クランク軸20の回転速度Cに応じた情報を検出するように構成される。クランク軸20の回転速度Cに応じた情報は、クランク軸20の角加速度を含む。人力駆動車10の加速度は、例えば、クランク軸20の角加速度である。
【0081】
例えば、クランク回転状態検出部78Bは、磁界の強度に応じた信号を出力する磁気センサを含む。磁気センサは、周方向に磁界の強度が変化する環状の磁石を含む。周方向に磁界の強度が変化する環状の磁石は、クランク軸20、クランク軸20に連動して回転する部材、または、クランク軸20から第1回転体34までの伝達経路の間に設けられる。
【0082】
例えば、クランク回転状態検出部78Bは、クランク軸20の回転速度Cに応じた信号を出力する。磁石は、クランク軸20から第1回転体34までの人力駆動力の伝達経路において、クランク軸20と一体に回転する部材に設けられてもよい。クランク回転センサは、磁気センサに代えて光学センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、または、トルクセンサなどを含んでいてもよい。
【0083】
例えば、クランク回転状態検出部78Bは、クランク軸20が1回転する間において、予め定める回数の検出信号を出力するように構成される。予め定める回数は、例えば、2以上である。好ましくは、予め定める回数は、4以上である。予め定める回数は、好ましくは4の倍数である。好ましくは、予め定める回数は、8、12、または、16である。
【0084】
クランク回転状態検出部78Bは、ドライブユニット50A以外に設けられてもよい。クランク回転状態検出部78Bがドライブユニット50A以外に設けられる場合、クランク回転状態検出部78Bは、例えば、人力駆動車10のフレーム16に設けられる。クランク回転状態検出部78Bがドライブユニット50A以外に設けられる場合、例えば、クランク回転状態検出部78Bは、車速センサを含んで構成されていてもよい。クランク回転状態検出部78Bが車速センサを含む場合、例えば、制御部54は、車速センサによって検出される車速と、変速比Rとに応じてクランク軸20の回転速度Cを算出するように構成される。
【0085】
例えば、コンポーネント50がドライブユニット50Aを含む場合、制御部54は、電気モータ60を制御するように構成される。例えば、制御部54は、駆動回路を含む。駆動回路は、電気モータ60に電気的に接続される。駆動回路は、バッテリ40から電気モータ60への電力の供給を制御する。駆動回路は、インバータ回路を含む。インバータ回路は、複数のトランジスタを含む。一例では、インバータ回路は、直列に接続される一対のトランジスタからなる複数のインバータ部が並列に接続される構成を含む。インバータ回路は、インバータ回路に流れる電流を検出する電流センサを有してもよい。例えば、電流センサは、制御部54と有線または無線によって通信可能に接続される。
【0086】
例えば、人力駆動車10は、車速検出部78Cをさらに含む。例えば、車速検出部78Cは、人力駆動車10の車速に関する情報を検出するように構成される。例えば、車速検出部78Cは、人力駆動車10の少なくとも1つの車輪12の回転速度に関する情報を検出するように構成される。例えば、車速検出部78Cは、前輪12Fおよび後輪12Rの少なくとも1つに設けられる磁石を検出するように構成される。
【0087】
例えば、車速検出部78Cは、車輪12が1回転する間に、予め定める回数の検出信号を出力するように構成される。予め定める回数は、例えば、1である。車速検出部78Cは、車輪12の回転速度に応じた信号を出力する。制御部54は、車輪12の回転速度に応じた信号と、車輪12の周長に関する情報とに基づいて人力駆動車10の車速を算出できる。例えば、第1記憶部54Aには車輪12の周長に関する情報が記憶される。
【0088】
例えば、制御部54は、人力駆動車10の状態に応じて電気モータ60を制御するように構成される。例えば、制御部54は、人力駆動車10に入力される人力駆動力に応じて推進力を変更するように、電気モータ60を制御するように構成される。例えば、制御部54は、人力駆動力検出部78Aによって検出される人力駆動力に応じて電気モータ60を制御するように構成される。
【0089】
例えば、制御部54は、クランク回転状態検出部78Bによって検出されるクランク軸20の回転速度Cに応じて電気モータ60を制御するように構成される。例えば、制御部54は、車速検出部78Cによって検出されるクランク軸20の回転速度Cに応じて電気モータ60を制御するように構成される。制御部54は、ドライブユニット50Aの外部から送信される情報に応じて電気モータ60を駆動するように構成されてもよい。ドライブユニット50Aの外部から送信される情報は、操作装置50Jの操作信号を含んでいてもよい。
【0090】
人力駆動車10には、人力駆動車用の外付けユニット90が取り付け可能に構成される。例えば、人力駆動車用の外付けユニット90は、通信ユニット92を含む。例えば、通信ユニット92は、表示部94を含む。表示部94は、コンポーネント50に関する情報を表示可能に構成される。例えば、コンポーネント50に関する情報は、コンポーネント50と通信ユニット92との通信状態、および、コンポーネント50の制御状態の少なくとも1つを含む。
【0091】
例えば、表示部94に表示されるコンポーネント50に関する情報は、電気部品58の動作状態を含む。コンポーネント50がドライブユニット50Aを含む場合、例えば、電気部品58の動作状態は、電気モータ60の動作状態を含む。コンポーネント50がドライブユニット50Aを含む場合、例えば、表示部94に表示されるコンポーネント50に関する情報は、バッテリ40の残量を含む。例えば、表示部94は、LED(Light Emitting Diode)、および、LCD(Liquid Crystal Display)の少なくとも1つを含む。
【0092】
通信ユニット92は、位置情報検出部92Aを含む。位置情報検出部92Aは、外部からの電波を受信することによって、位置に関する情報を取得可能に構成される。例えば、位置情報検出部92Aは、位置情報トラッカを含む。位置情報トラッカは、例えば、GPS(Global Positioning System)トラッカを含む。例えば、GPSトラッカは、GPS受信機と、公共無線通信装置とをさらに含む。位置情報検出部92AがGPS受信機を含む場合、外部からの電波は、GPS衛星からの電波を含む。GPSトラッカは、人力駆動車10の現在位置を取得する。例えば、公共無線通信装置は、公共無線通信3G、公共無線通信4G、公共無線通信5Gの少なくとも1つによってサーバと通信可能に構成される。公共無線通信装置は、アンテナを含んで構成されてもよい。
【0093】
位置情報検出部92Aが位置情報トラッカを含む場合、例えば、通信ユニット92は、通信ユニット92の位置情報を外部装置42に送信可能に構成される。位置情報検出部92Aが位置情報トラッカを含む場合、例えば、第1制御部92Bは、外部装置42から受信した無線信号に応じて、通信ユニット92の位置情報を外部装置42に送信するように構成されてもよい。例えば、通信ユニット92がコンポーネント50に取り付けられる場合において、人力駆動車10が盗難に遭った場合、位置情報トラッカおよび外部装置42によって人力駆動車10の位置を特定できる。
【0094】
例えば、通信ユニット92は、第1制御部92Bをさらに含む。第1制御部92Bは、予め定める制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。第1制御部92Bに含まれる演算処理装置は、例えばCPUまたはMPUを含む。第1制御部92Bに含まれる演算処理装置は、相互に離れた複数の場所に設けられてもよい。第1制御部92Bは、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。例えば、第1制御部92Bは、バッテリ40と有線または無線によって通信可能に接続され、バッテリ40から電力を供給されるように構成される。
【0095】
例えば、通信ユニット92は、第2記憶部92Cをさらに含む。第2記憶部92Cは、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAMを含む。例えば、第2記憶部92Cは、第2識別情報を記憶する。例えば、第2識別情報は、外部装置等を介して更新可能に第2記憶部92Cに記憶される。
【0096】
例えば、通信ユニット92は、無線通信部92Dをさらに含む。無線通信部92Dは、外部装置42からの制御信号の受信、および、外部装置42への制御信号の送信、の少なくとも1つを実行するように構成される。例えば、無線通信部92Dは、ハウジング52の外部への無線信号の送信、および、ハウジング52の外部からの無線信号の受信の両方を実行するように構成される。
【0097】
例えば、無線通信部92Dは、Bluetooth、Wi-Fi、ZigBee、ANT、ANT+、RFID、公共無線通信3G、公共無線通信4G、および、公共無線通信5Gの少なくとも1つの通信方式を用いて通信するように構成される。無線通信部92Dは、Bluetooth、Wi-Fi、ZigBee、ANT、ANT+、RFID、公共無線通信3G、公共無線通信4G、および、公共無線通信5Gの少なくとも1つ以外の通信方式によって通信するように構成されてもよい。無線通信部92Dは、独自の通信方式を用いて通信するように構成されてもよい。
【0098】
例えば、無線通信部92Dは、第1アンテナを含む。例えば、第1アンテナは、外部装置42からの無線信号を受信するように構成される。例えば、第1アンテナは、外部装置42への無線信号を送信するように構成される。例えば、外部装置42は、サーバ、サイクルコンピュータ、スマートフォン、および、タブレット型コンピュータの少なくとも1つを含む。コンポーネント50がドライブユニット50Aを含む場合、外部装置42は、変速機50B、操作装置50J、電動ブレーキ50C、電動サスペンション50D、および、電動アジャスタブルシートポスト50Eの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0099】
例えば、外部装置42は、第2制御部44を含む。第2制御部44は、予め定める制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。第2制御部44に含まれる演算処理装置は、例えばCPUまたはMPUを含む。第2制御部44に含まれる演算処理装置は、相互に離れた複数の場所に設けられてもよい。第2制御部44は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。
【0100】
例えば、外部装置42は、第3記憶部46をさらに含む。第3記憶部46には、制御プログラムおよび制御処理に用いられる情報が記憶される。第3記憶部46は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAMを含む。
【0101】
外部装置42は、外部無線通信部48をさらに含む。外部無線通信部48は、外部装置42の外部への無線信号の送信、および、外部装置42の外部からの無線信号の受信の少なくとも1つを実行するように構成される。例えば、外部無線通信部48は、外部装置42の外部への無線信号の送信、および、外部装置42の外部からの無線信号の受信の両方を実行するように構成される。例えば、外部無線通信部48は、第2アンテナを含む。第2アンテナは、通信ユニット92からの無線信号を受信するように構成される。例えば、第2アンテナは、通信ユニット92へ無線信号を送信するように構成される。
【0102】
例えば、ハウジング52は、外周部52Jを含む。例えば、外周部52Jは、ハウジング52のうちの外部空間SBに面する部分を含む。例えば、外周部52Jは、ハウジング52の外表面を含む。本実施形態では、外周部52Jは、第2側面部52Fを含む。外周部52Jは、第1側面部52Eを含んでいてもよい。
【0103】
例えば、通信ユニット92は、ハウジング52の外周部52Jに、少なくとも部分的に配置される。通信ユニット92は、内部空間SAおよびハウジング52内の少なくとも1つに、少なくとも部分的に配置されてもよい。例えば、ハウジング52内は、ハウジング52のうちの外周部52Jと、内周部52Kと、の間の部分である。内周部52Kは、ハウジング52のうち、内部空間SAを定義する内表面を含む。
【0104】
ハウジング52は、通信ユニット92が着脱可能に取り付けられる取付部52Mを有する。例えば、ハウジング52は、通信ユニット92の少なくとも一部を収容する凹部80を有する。例えば、凹部80は、外周部52Jに設けられる。例えば、取付部52Mは凹部80に設けられる。例えば、通信ユニット92は、電気接続部56を介して取付部52Mに取り付けられる。
【0105】
電気接続部56は、通信ユニット92に着脱可能な電気コネクタ56Aを有する。例えば、電気コネクタ56Aは、凹部80に配置される。例えば、電気コネクタ56Aは、凹部80の底部に配置される。例えば、取付部52Mは、凹部80の底部に設けられる第1凹部および第1凸部の少なくとも1つを含む。例えば、通信ユニット92は、取付部52Mの第1凹部および第1凸部の少なくとも1つと対応する、第2凸部および第2凹部の少なくとも1つを含む。本実施形態では、取付部52Mは、凹部80の底部に設けられる第1凹部を含み、通信ユニット92は、第1凹部と対応する第2凸部を含む。
【0106】
例えば、凹部80は、通信ユニット92の全体を収容するように構成される。例えば、凹部80は、通信ユニット92の大きさよりも大きい寸法を有する。凹部80は、通信ユニット92の大きさと対応する寸法を有していてもよい。例えば、コンポーネント50は、凹部80を覆うように、ハウジング52に着脱可能なカバー部材82をさらに備える。例えば、カバー部材82は、通信ユニット92と別体に形成され、通信ユニット92は、カバー部材82に取り付けられる。例えば、カバー部材82は、通信ユニット92と一体に形成されてもよい。カバー部材82は、通信ユニット92とから離れてハウジング52に取り付けられてもよい。
【0107】
例えば、通信ユニット92がハウジング52に取り付けられた状態において、カバー部材82は、凹部80の開口を覆うように構成される。例えば、通信ユニット92は、凹部80とカバー部材82との間に形成される空間に全体が配置される。
【0108】
例えば、カバー部材82は、樹脂材料によって形成される。例えば、カバー部材82は、弾性を有する樹脂材料によって形成され、凹部80に圧入されることによってハウジング52に取り付けられる。例えば、カバー部材82は、ポリエステル樹脂、および、エポキシ樹脂等の熱硬化樹脂を含む。例えば、無線信号の透過率が高い材料であれば、カバー部材82は、樹脂材料以外によって構成されてもよい。無線信号の透過率が高い材料を無線信号に用いられる電波が通過する場合、電波が減衰しにくい。
【0109】
例えば、カバー部材82は、凹部80によって形成される空間を密閉するように構成される。例えば、カバー部材82は、凹部80によって形成される空間への水の侵入を抑制するように構成される。例えば、カバー部材82は、通信ユニット92がハウジング52から取り外された状態においても、凹部80に取り付けられるように構成される。
【0110】
例えば、通信ユニット92は、通信ユニットコネクタ92Eを含む。例えば、通信ユニットコネクタ92Eは、柱形状を有する。通信ユニットコネクタ92Eは、電気コネクタ56Aに着脱可能に取り付けられる。通信ユニットコネクタ92Eは、電気コネクタ56Aに電気的に接続される。電気接続部56は、制御部54に電気的に接続される。例えば、電気接続部56は、電気ケーブル56Bを介して、制御部54と電気的に接続される。
【0111】
例えば、電気コネクタ56Aは、少なくとも1つの第1電気端子を含み、通信ユニットコネクタ92Eは、少なくとも1つの第1電気端子と対応する少なくとも1つの第2電気端子を含む。例えば、少なくとも1つの第2電気端子は、通信ユニットコネクタ92Eの端部に設けられる。少なくとも1つの第1電気端子が少なくとも1つの第2電気端子と接続されることによって、通信ユニット92と制御部54とが電気的に接続される。例えば、コンポーネント50は、取付部52Mに通信ユニット92が取り付けられる状態において、通信ユニット92に電力を供給可能に構成される。例えば、コンポーネント50は、少なくとも1つの第1電気端子および少なくとも1つの第2電気端子を介して、通信ユニット92に電力を供給可能に構成される。
【0112】
制御部54は、電気コネクタ56Aが通信ユニット92に接続される状態において、電気接続部56を介して通信ユニット92と通信するように構成される。例えば、制御部54は、少なくとも1つの第1電気端子および少なくとも1つの第2電気端子を介して、通信ユニット92と通信するように構成される。例えば、制御部54は、電気コネクタ56Aが通信ユニット92に接続される状態において、電気接続部56および通信ユニットコネクタ92Eを介して第1制御部92Bと通信するように構成される。例えば、制御部54は、無線通信部92Dを制御するように構成される。例えば、制御部54は、第1制御部92Bが無線通信部92Dを制御するような通信信号を第1制御部92Bに送信するように構成される。
【0113】
例えば、電気コネクタ56Aが通信ユニット92に接続される状態において、第2識別情報が第1識別情報に対応しない場合、制御部54は、電気部品58を制御するように構成される。例えば、第2識別情報が第1識別情報に対応しない場合、制御部54は、電気部品58の機能を制限するように構成される。
【0114】
図7を参照して、第2識別情報が第1識別情報に対応しない場合、制御部54が電気部品58を制御する処理が説明される。例えば、制御部54に電力が供給されると、制御部54は、処理を開始して図7に示されるフローチャートのステップS11に移行する。制御部54は、図7のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS11からの処理を繰り返す。
【0115】
制御部54は、ステップS11において、コンポーネント50に通信ユニット92が接続されているか否かを判定する。例えば、コンポーネント50に通信ユニット92が接続されている場合は、通信ユニットコネクタ92Eと、電気コネクタ56Aとが接続されている場合である。コンポーネント50に通信ユニット92が接続されている場合、制御部54は、ステップS12に移行する。コンポーネント50に通信ユニット92が接続されていない場合、制御部54は、処理を終了する。
【0116】
制御部54は、ステップS12において、第1識別情報が第2識別情報に対応しているか否かを判定する。第1識別情報が第2識別情報に対応していない場合、制御部54はステップS13に移行する。第1識別情報が第2識別情報に対応している場合、制御部54は処理を終了する。制御部54は、ステップS13において、電気部品58の機能を制限して処理を終了する。
【0117】
例えば、電気部品58は、ドライブユニット50Aの電気モータ60を含む。例えば、電気部品58が電気モータ60を含み、電気部品58の機能が制限される場合、制御部54は、電気モータ60の出力が抑制されるように電気モータ60を制御する。例えば、電気部品58が電気モータ60を含み、電気部品58の機能が制限される場合、制御部54は、電気モータ60を動作させない。
【0118】
<変更例>
実施形態に関する説明は、本開示に従う人力駆動車用のコンポーネントおよび人力駆動車用の外付けユニットが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う人力駆動車用のコンポーネントおよび人力駆動車用の外付けユニットは、例えば以下に示される実施形態の変更例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変更例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変更例において、実施形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明が省略される。
【0119】
図8に示されるように、電気部品58は、電動ブレーキ50Cの第2電動アクチュエータ58Cを含む場合において、電気部品58の機能が制限される場合、制御部54は、電動ブレーキ50Cの作動状態が、電動ブレーキ50Cが作動するブレーキ作動状態に維持されるように、第2電動アクチュエータ58Cを制御するように構成されてもよい。
図9を参照して、電気部品58が電動ブレーキ50Cの第2電動アクチュエータ58Cを含み、第2識別情報が第1識別情報に対応しない場合、制御部54が第2電動アクチュエータ58Cを制御する処理が説明される。例えば、制御部54に電力が供給されると、制御部54は、処理を開始して図9に示されるフローチャートのステップS21に移行する。制御部54は、図9のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS21からの処理を繰り返す。
制御部54は、ステップS21において、コンポーネント50に通信ユニット92が接続されているか否かを判定する。コンポーネント50に通信ユニット92が接続されている場合、制御部54は、ステップS22に移行する。コンポーネント50に通信ユニット92が接続されていない場合、制御部54は、処理を終了する。
制御部54は、ステップS22において、電動ブレーキ50Cの作動状態が、電動ブレーキ50Cが作動するブレーキ作動状態に維持されるように、第2電動アクチュエータ58Cを制御して、処理を終了する。
【0120】
図10に示されるように、外付けユニット90は、コンポーネント50を操作するための操作部96を含んでいてもよい。操作部96は、通信ユニット92に設けられる。操作部96は、例えば、スイッチである。例えば、第1制御部92Bは、操作部96の操作に応じて、位置情報検出部92A、無線通信部92D、および、表示部94の少なくとも1つを制御するように構成されてもよい。
【0121】
・取付部52Mに通信ユニット92が取り付けられていない場合、制御部54は、電気部品58の機能を制限するように構成されてもよい。例えば、取付部52Mに通信ユニット92が取り付けられていない場合は、取付部52Mに、電気コネクタ56Aを介して通信ユニット92が取り付けられていない場合を含む。例えば、制御部54は、図7のフローチャートのステップS11において、通信ユニット92が接続されていない場合、ステップS13に移行するように構成されてもよい。
【0122】
・カバー部材82は、無線信号の透過率が高くなるように構成されていれば、無線信号の透過率が高い材料を含んでいなくてもよい。例えば、カバー部材82は、ハウジング52よりも薄肉に形成されてもよい。
【0123】
・コンポーネント50は、位置情報検出部92Aを含む通信ユニット92が着脱可能に取り付けられる取付部52Mを有するハウジング52と、ハウジング52に設けられる制御部54と、通信ユニット92に着脱可能な電気コネクタ56Aを有し、制御部54に電気的に接続される電気接続部56と、制御部54によって制御される電気部品58と、を備え、位置情報検出部92Aは、外部からの電波を受信することによって、位置に関する情報を取得可能に構成され、制御部54は、電気コネクタ56Aが通信ユニット92に接続される状態において、電気接続部56を介して通信ユニット92と通信するように構成されていれば、他の構成は省略してもよい。
【0124】
・コンポーネント50は、通信ユニット92が着脱可能に取り付けられる取付部52Mを有するハウジング52と、ハウジング52に設けられる制御部54と、通信ユニット92に着脱可能な電気コネクタ56Aを有する電気接続部56と、第1識別情報を記憶する第1記憶部54Aと、制御部54によって制御される電気部品58と、を備え、通信ユニット92は、外部装置42から制御信号の受信、および、外部装置42への制御信号の送信、の少なくとも1つを実行するように構成される無線通信部92Dと、第2識別情報を記憶する第2記憶部92Cと、を含み、電気接続部56は、無線通信部92Dに電気的に接続され、制御部54は、電気コネクタ56Aが通信ユニット92に接続される状態において、電気接続部56を介して通信ユニット92と通信するように構成され、第2識別情報が第1識別情報に対応しない場合、制御部54は、電気部品58の機能を制限するように構成されていれば、他の構成は省略してもよい。
【0125】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0126】
10…人力駆動車、42…外部装置、50…コンポーネント、50A…ドライブユニット、50B…変速機、50C…電動ブレーキ、50D…電動サスペンション、50E…電動アジャスタブルシートポスト、50J…操作装置、52…ハウジング、52J…外周部、52M…取付部、54…制御部、54A…第1記憶部、56…電気接続部、56A…電気コネクタ、58…電気部品、58A…第1電動アクチュエータ、58B…スイッチ、58C…第2電動アクチュエータ、58D…第3電動アクチュエータ、58E…第4電動アクチュエータ、60…電気モータ、80…凹部、82…カバー部材、90…外付けユニット、92…通信ユニット、92A…位置情報検出部、92C…第2記憶部、92D…無線通信部、94…表示部、96…操作部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10