(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111711
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】電話システム、発信代替方法、中継装置、発信代替システム、電話端末、及びデータ構造
(51)【国際特許分類】
H04M 3/42 20060101AFI20230803BHJP
【FI】
H04M3/42 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022013700
(22)【出願日】2022-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000102717
【氏名又は名称】NTTテクノクロス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】生駒 勝幸
【テーマコード(参考)】
5K201
【Fターム(参考)】
5K201AA08
5K201AA10
5K201BB06
5K201BC29
5K201CB05
5K201DA04
5K201DB02
5K201EC03
5K201ED05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】発信元電話番号を秘匿にした状態でも、発信先はできるだけ安心して電話に出られるようにすることを目的とする。
【解決手段】電話システムは、発信元からの呼を中継する中継装置6と、発信元に代わり発信先に発信する発信代替システムとを備える。中継装置6は、発信先電話番号又は発信先電話番号に対応する識別子を発信代替システムに通知し、発信代替システムは、中継装置6より通知された発信先電話番号又は識別子に基づいて、発信先電話番号へ発信元とは異なる発信元電話番号で発信する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発信元からの呼を中継する中継装置と、
発信元に代わり発信先に発信する発信代替システムと、
を備え、
前記中継装置は、発信先電話番号又は発信先電話番号に対応する識別子を前記発信代替システムに通知し、
前記発信代替システムは、前記中継装置より通知された前記発信先電話番号又は前記識別子に基づいて、前記発信先電話番号へ前記発信元とは異なる発信元電話番号で発信すること、
を特徴とする電話システム。
【請求項2】
前記中継装置は、前記発信元において指定された前記発信先電話番号又は前記識別子を前記発信代替システムに通知可能な形式で通知し、
前記発信代替システムは、前記中継装置より通知を受けた前記通知可能な形式から発信可能な前記発信元とは異なる発信元電話番号を取得又は変換すること、
を特徴とする請求項1に記載の電話システム。
【請求項3】
前記中継装置と前記発信代替システムの間は、盗聴困難な回線又は盗聴困難な通信方式であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電話システム。
【請求項4】
前記中継装置は、指定された前記発信先電話番号又は前記識別子を暗号化して通知可能な形式で通知し、
前記発信代替システムは、前記中継装置より通知を受けた通知可能な形式を復号化して発信可能な電話番号に変換すること
を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電話システム。
【請求項5】
前記発信代替システムは、前記中継装置からの呼を透過的に中継する第2の中継装置を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電話システム。
【請求項6】
前記中継装置に代わって、前記発信元において指定された前記発信先電話番号又は前記識別子を、前記中継装置に通知可能な形式で通知すること
を特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電話システム。
【請求項7】
前記中継装置は、暗号化された前記発信元において指定された前記発信先電話番号又は暗号化された前記識別子を前記中継装置に通知可能な形式で受信し、
前記中継装置と前記発信代替システムの少なくともいずれかは、前記通知可能な形式から復号化し発信可能な電話番号に変換すること
を特徴とする請求項6に記載の電話システム。
【請求項8】
前記中継装置と前記発信代替システムの少なくともいずれかにおける前記通知可能な形式から復号化し発信可能な電話番号に変換において、通知の都度又は定期的に復号化方式又は復号化鍵を変更することを特徴とする請求項7に記載の電話システム。
【請求項9】
前記中継装置は、前記発信元からの発信要求に応じて前記発信元へ発信し、前記発信元との呼を中継することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電話システム。
【請求項10】
前記発信元からの発呼先として予め前記中継装置が設定されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電話システム。
【請求項11】
前記中継装置と前記発信代替システムの少なくともいずれかは、当該中継装置と前記発信代替システムの少なくともいずれかへの適切な発信元からの呼であると確認することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電話システム。
【請求項12】
前記発信代替システムは、前記発信先電話番号に応じて発信元電話番号を変更することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電話システム。
【請求項13】
前記発信代替システムは、前記中継装置より通知を受けた前記中継装置の電話番号又は前記発信元の電話番号に応じて発信元電話番号を変更することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電話システム。
【請求項14】
中継装置は、発信元からの呼を中継する中継処理を実行し、
発信代替システムは、発信元に代わり発信先に発信する発信代替処理を実行し、
前記中継処理は、発信先電話番号又は発信先電話番号に対応する識別子を前記発信代替システムに通知する処理を含み、
前記発信代替処理は、前記中継処理により通知された前記発信先電話番号又は前記識別子に基づき、前記発信先電話番号へ前記発信元とは異なる発信元電話番号で発信する処理を含むこと、
を特徴とする発信代替方法。
【請求項15】
受呼要求において通知された発信先電話番号又は発信先を識別するための識別子を抽出する発信先抽出部と、
前記発信先抽出部において抽出された、前記発信先電話番号又は前記識別子に対応する発信先電話番号とは異なる発信代替システムに発呼する発信部と、
前記発信代替システムへの発呼において、前記発信先抽出部で抽出した前記発信先電話番号又は前記識別子を通知する通知部と、
有することを特徴とする中継装置。
【請求項16】
受呼要求において通知された発信先電話番号又は発信先を識別するための識別子を抽出する発信先抽出部と、
前記発信先抽出部において抽出された、前記発信先電話番号又は前記識別子に対応する発信先電話番号に、発呼要求元とは異なる発信元電話番号で発信する発信部と、
を有することを特徴とする発信代替システム。
【請求項17】
呼を中継する中継装置との呼において、
発信先電話番号又は発信先を識別するための識別子を通知して、前記発信先電話番号への中継を要求する発呼要求部と、
を有することを特徴とする電話端末。
【請求項18】
前記発信先電話番号又は前記識別子が指定される際に、入力又は入力結果が無音で行われること
を特徴とする請求項17に記載の電話端末。
【請求項19】
電話呼に関するプロトコルにおいて表現可能な形式のデータ構造であって、
前記データ構造は、最終発信先電話番号又は前記最終発信先電話番号に対応する識別子を所定の文字数で表現したものであって、
発信側では、前記最終発信先電話番号又は前記識別子を所定の文字数を持つ前記データ構造のデータに変換して電話呼の確立に必要なデータに付加して送信し、
受信側では、前記電話呼の確立に必要なデータとは別に通知を受け、前記受信側の電話番号とは異なる前記最終発信先電話番号又は前記識別子として抽出して処理すること
を特徴とするデータ構造。
【請求項20】
前記受信側では、
前記データ構造のデータが第1の文字数又は第1の文字列を含むという条件に該当する場合は電話番号として処理すること、又は前記データ構造のデータが第1の文字数とは異なる文字数又は第1の文字列と異なる第2の文字列を含む場合は前記最終発信先電話番号に対応する前記識別子として処理することを特徴とする請求項19に記載のデータ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示内容は、電話システム、発信代替方法、中継装置、発信代替システム、電話端末、及びデータ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、A社の顧客からB社の代表電話番号に電話がかかってきた場合、B社の適切な組織や従業員の個人の電話端末に自動で転送できるシステムが提供されている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】NTTテクノクロス RING×LINK(リングリンク)<https://www.ntt-tx.co.jp/products/ring-x-link/lp/gen/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、B社の従業員の電話端末から折り返しでA社の電話端末に電話をかける場合等では、B社の従業員の個人の電話端末の電話番号がA社の電話端末に着信番号として通知され、個人情報が漏洩してしまうため、好ましくないという課題が生じる。また、B社の従業員が、発信先電話番号の最初に「184」を付けることで、発信者番号非通知サービスを利用して電話をかけると、A社の顧客は、非通知の電話番号からの電話がかかってくるため、不審に思い安心して電話に出られないという課題が生じる。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、発信元電話番号を秘匿にした状態でも、発信先はできるだけ安心して電話に出られるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、発信元からの呼を中継する中継装置と、発信元に代わり発信先に発信する発信代替システムと、を備え、前記中継装置は、発信先電話番号又は発信先電話番号に対応する識別子を前記発信代替システムに通知し、前記発信代替システムは、前記中継装置より通知された前記発信先電話番号又は前記識別子に基づいて、前記発信先電話番号へ前記発信元とは異なる発信元電話番号で発信すること、を特徴とする電話システムである。
【発明の効果】
【0007】
以上説明したように本発明によれば、発信元電話番号を秘匿にした状態でも、発信先はできるだけ安心して電話に出られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る電話システムの全体構成を示した概略図である。
【
図2】本実施形態の電話端末のハードウェア構成図である。
【
図3】本実施形態のPBX、IP電話GW装置、及び中継装置のハードウェア構成図である。
【
図4】本実施形態の電話システムの各機能構成図である。
【
図5】第1の実施形態に係る電話システムの処理又は動作を示す図である。
【
図6】第2の実施形態に係る電話システムの処理又は動作を示す図である。
【
図7】第3の実施形態に係る電話システムの処理又は動作を示す図である。
【
図8】第3の実施形態に係る電話システムの処理又は動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて、本発明の各実施形態を説明する。
【0010】
●第1の実施形態
まず、
図1乃至
図5を用いて、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る電話システムの全体構成を示した概略図である。
【0011】
図1に示されているように、本実施形態の電話システム1は、電話端末2、発信代替システム3、中継装置6、及び電話端末7によって構築されている。更に、発信代替システム3は、PBX4及びIP電話GW装置5によって構築されている。なお、
図1に示されている電話端末等は、実際には多数存在するが、ここでは、
図1に示されている電話端末等で簡略化して説明する。
【0012】
電話端末2は、A社に設置されており、本実施形態では電話番号がαである。電話番号αは、電話端末7からすると、最終発信先電話番号である。
【0013】
PBX4及びIP電話GW装置5はB社に設置されている。PBX(Private Branch eXchange)4は、単数又は複数のコンピュータにより構成され、例えば構内交換機であり、本実施形態では電話番号がβである。IP電話GW(Gateway:ゲートウェイ)装置5は、単数又は複数のコンピュータにより構成され、IP(Internet Protocol)パケットと音声信号を相互に変換することで、アナログ電話網とIP電話網をつなぐ装置であり、本実施形態では電話番号がγである。電話番号γは、B社の代表の電話番号である。なお、PBX4は、既にB社に設置されている場合があり、このような場合には、IP電話GW装置5はPBX4の機能に合わせて稼働するように構築される。
【0014】
中継装置6は、例えば、クラウド上に設置されている。中継装置6は、単数又は複数のコンピュータにより構成され、発信元からの呼を中継する。中継装置6は、例えば、電話端末7とPBX4(又はIP電話GW装置)との中継を行い、本実施形態では電話暗号がδである。
【0015】
電話端末7は、B社からB社の従業員に配布された電話端末、又はB社の従業員の個人の電話端末であり、固定電話、携帯電話、スマートフォン、又はタブレット端末等である。本実施形態では、電話端末7の電話番号はεである。電話端末7には、電話用アプリケーション(以下、「電話アプリ」と示す)がインストールされている。電話アプリの処理については後述する。
【0016】
電話端末2、発信代替システム3(PBX4、IP電話GW装置5)、及び電話端末7は、公衆電話回線網100を通じて接続可能である。
【0017】
PBX4、及びIP電話GW装置5は、公衆電話回線網100、又は社内の構内電話回線網300通じて相互に接続可能である。なお、PBX4、及びIP電話GW装置5は、データ通信網200、又は、専用線等の電話回線網を通じて相互に接続可能であってもよい。なお、データ通信網200は、LAN(Local Area Network)等によって構築されていてもよい。
【0018】
中継装置6は、公衆電話回線網100又はデータ通信網200を通じて、発信代替システム3、及び電話端末7と相互に接続可能である。中継装置6は、専用線等の電話回線網を通じて、発信代替システム3、及び電話端末7と相互に接続可能であってもよい。
【0019】
なお、公衆電話回線網100、データ通信網200、構内電話回線網300の一部は、無線通信であってもよい。
【0020】
〔第1の実施形態のハードウェア構成〕
<電話端末2のハードウェア構成>
まずは、
図2を用いて、電話端末2のハードウェア構成について説明する。
図2は、本実施形態の電話端末のハードウェア構成図である。
【0021】
図2に示されているように、電話端末2は、プロセッサ201、メモリ202、補助記憶装置203、通話装置204、及び入力装置205を有する。また、電話端末2は、音声入力装置206、音声出力装置207、及び表示装置208を有する。なお、電話端末2を構成する各ハードウェアは、バス210を介して相互に接続される。
【0022】
プロセッサ201は、電話端末2全体の制御を行う制御部の役割を果たし、CPU(Central Processing Unit)等の各種演算デバイスを有する。プロセッサ201は、各種プログラムをメモリ202上に読み出して実行する。なお、プロセッサ201には、GPGPU(General-purpose computing on graphics processing units)が含まれていてもよい。
【0023】
メモリ202は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の主記憶デバイスを有する。プロセッサ201が、メモリ202上に読み出した各種プログラムを実行することで、各種機能を実現する。
【0024】
補助記憶装置203は、各種プログラムや、各種プログラムがプロセッサ201によって実行される際に用いられる各種情報を格納する。
【0025】
通話装置204は、他の装置との間で通話(電話)を行うための通信デバイスであり、公衆電話回線網100を介して、発信(発呼)及び着信(着呼)を行う。
【0026】
入力装置205は、ユーザからの操作入力を受け付ける装置である。電話端末2の入力装置205は、プッシュボタン、タッチパネル等である。
【0027】
音声入力装置206は、ユーザの音声や、周囲の音等の音声情報を検出する。音声出力装置207は、例えば、他の装置から受信した各種情報等を音声出力するデバイスである。
【0028】
表示装置208は、例えば、他の装置から受信した各種情報を画像表示するデバイスである。表示装置208には、発信先番号や着信番号として発信元電話番号が表示される。
【0029】
データ通信装置209は、他の装置との間でデータ通信を行うための通信デバイスであり、データ通信網200を介して、データ通信を行う。
【0030】
<電話端末7のハードウェア構成>
電話端末7のハードウェア構成は、
図2において、200番台の符号が700番台に変わり、更に、データ通信装置709が追加された以外は、電話端末74の構成と同様であるため、データ通信装置709についてのみ説明する。なお、電話端末7の入力装置705は、タッチパネル等である。
【0031】
データ通信装置709は、データ通信網200を介して、他の装置との間でデータ通信を行うための通信デバイスであり、データ通信網200を介して、データ通信を行う。
【0032】
<PBX4のハードウェア構成>
次に、
図3を用いて、PBX4のハードウェア構成について説明する。
図3は、本実施形態のPBX、IP電話GW装置、及び中継装置のハードウェア構成図である。
【0033】
図3に示されているように、PBX4は、プロセッサ401、メモリ402、補助記憶装置403、通話装置404、接続装置405、ドライブ装置406、及びデータ通信装置609を有する。なお、PBX4を構成する各ハードウェアは、バス410を介して相互に接続される。
【0034】
プロセッサ401は、PBX4全体の制御を行う制御部の役割を果たし、CPU(Central Processing Unit)等の各種演算デバイスを有する。プロセッサ401は、各種プログラムをメモリ402上に読み出して実行する。なお、プロセッサ401には、GPGPU(General-purpose computing on graphics processing units)が含まれていてもよい。
【0035】
メモリ402は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の主記憶デバイスを有する。プロセッサ401が、メモリ402上に読み出した各種プログラムを実行することで、各種機能を実現する。
【0036】
補助記憶装置403は、各種プログラムや、各種プログラムがプロセッサ401によって実行される際に用いられる各種情報を格納する。
【0037】
通話装置404は、他の装置との間で電話通信を行うための通信デバイスであり、公衆電話回線網100を介して、発信(発呼)及び着信(着呼)を行う。
【0038】
接続装置405は、外部装置(例えば、ディスプレイ等の表示装置、キーボード等の操作装置)とPBX4とを接続する接続デバイスである。
【0039】
ドライブ装置406は記録媒体430をセットするためのデバイスである。ここでいう記録媒体430には、CD-ROM(Compact Disc Read-Only Memory)、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等のように情報を光学的、電気的あるいは磁気的に記録する媒体が含まれる。また、記録媒体430には、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記録する半導体メモリ等が含まれていてもよい。
【0040】
なお、補助記憶装置403にインストールされる各種プログラムは、例えば、配布された記録媒体430がドライブ装置406にセットされ、該記録媒体430に記録された各種プログラムがドライブ装置406により読み出されることでインストールされる。あるいは、補助記憶装置403にインストールされる各種プログラムは、通信装置405を介してネットワークからダウンロードされることで、インストールされてもよい。
【0041】
<IP電話GW装置5のハードウェア構成>
IP電話GW装置5のハードウェア構成は、
図3において、400番台の符号が500番台に変わっただけでPBX4の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0042】
<中継装置6のハードウェア構成>
中継装置6のハードウェア構成は、
図3において、400番台の符号が600番台に変わり、更に、データ通信装置609が追加された以外は、PBX4の構成と同様であるため、データ通信装置609についてのみ説明する。
【0043】
データ通信装置609は、他の装置との間でデータ通信を行うための通信デバイスであり、データ通信網200を介して、データ通信を行う。
【0044】
〔第1の実施形態の機能構成〕
続いて、
図4を用いて、第1の実施形態の電話システムの各機能構成について説明する。
図4は、本実施形態の電話システムの各機能構成図である。
【0045】
<電話端末2の機能構成>
電話端末2は、通話部23を有する。通話部23は、プロセッサ201の命令及び通話装置204によって実現され、公衆電話回線網100を介して他の装置と通話を行う。
【0046】
<PBX4の機能構成>
PBX4は、接続部43を有する。接続部43は、プロセッサ401の命令及び通話装置404によって実現され、公衆電話回線網100に多数の通話可能な装置を接続する。
【0047】
<IP電話GW装置5の機能構成>
IP電話GW装置5は、通話部53、変換部56、及び復号化部57を有する。
【0048】
通話部53は、プロセッサ501の命令及び通話装置505によって実現され、公衆電話回線網100を介して他の装置に対して発信又は着信を行うことで通話を行う。
【0049】
変換部56は、通常の発信プロトコルに付加された、最終的な発信先の電話番号を抽出してDTMF(Dual-Tone Multi-Frequency:トーン信号)に変換したり、通常の発信プロトコルに付加されたDTMFを最終的な発信先の電話番号に変換したりする。
【0050】
復号化部57は、プロセッサ501の命令により実現され、中継装置6で暗号化された電話番号を復号化する。
【0051】
<中継装置6の機能構成>
中継装置6は、送受信部61、中継部63、暗号化部65、及び変換部66を有している。
【0052】
送受信部61は、プロセッサ601の命令及びデータ通信装置609によって実現され、データ通信網200を介して、他の装置とデータ通信を行う。
【0053】
中継部63は、プロセッサ601の命令及び通話装置604によって実現され、公衆電話回線網100を介して、2つの装置の通話の中継を行う。
【0054】
暗号化部65は、プロセッサ601の命令によって実現され、電話番号を暗号化する。
【0055】
<電話端末7の機能構成>
電話端末7は、送受信部71、受付部72、及び通話部73を有している。
【0056】
送受信部71は、プロセッサ701の命令及びデータ通信装置709によって実現され、データ通信網200を介して、他の装置とデータ通信を行う。
【0057】
受付部72は、プロセッサ701の命令及び入力装置705によって実現され、ユーザ(例えば、B社の従業員)からの電話番号の入力を受け付ける。
【0058】
通話部73は、プロセッサ701の命令及び通話装置704によって実現され、公衆電話回線網100を介して他の装置と通話を行う。
【0059】
〔第1の実施形態に係る電話システムの処理又は動作〕
続いて、
図5を用いて、第1の実施形態に係る電話システムの処理又は動作について説明する。
図5は、第1の実施形態に係る電話システムの処理又は動作を示す図である。
【0060】
まず、B社の従業員が電話端末7の電話アプリを利用し、送受信部71からデータ通信網200を介して、中継装置6に電話端末7への発信要求を送信する(S11)。この発信要求には、電話端末7の電話番号εが含まれている。これにより、中継装置6の送受信部61は、発信要求を受信する。
【0061】
次に、中継装置6の中継部63は、公衆電話回線網100を介して、処理(S11)によって受信された電話番号εに発信すると共に、中継装置6の電話番号δを通知する。(S12)。これにより、電話端末7の通話部73は、中継装置6からの発信を着信すると共に、中継装置6の電話番号δが通知される。そして、B社の従業員が電話端末7に対して発信先電話番号αを入力すると、受付部72が発信先電話番号αの入力を受け付け、電話端末7の電話アプリに発信先電話番号αを入力する(S13)。
【0062】
次に、電話端末7の送受信部71は、公衆電話回線網100又はデータ通信網200を介して、中継装置6に処理(13)で受け付けられた発信先電話番号αを送信する(S14)。これにより、中継装置6の中継部63又は送受信部61は、発信先電話番号αを受信する。
【0063】
次に、中継装置6では、暗号化部65が発信先電話番号αを暗号化する(S15)。更に、変換部66が、暗号化された発信先電話番号αをDTMFに変換する(S16)。そして、中継部63が、PBX4に対して発信すると共に、中継装置6の電話番号δを通知する(S17)。この場合、発信先電話番号αが暗号化されて変換されたDTMFが通常の発信プロトコルに付与されて発信される。これにより、PBX4の接続部43は、中継装置6からの発信を着信すると共に、中継装置6の電話番号δが通知される。
【0064】
次に、PBX4の接続部43は、発信元電話番号透過により、IP電話GW装置5に対して発信する(S18)。また、この場合、発信先電話番号αが暗号化されて変換されたDTMFが付与されたまま発信される。これにより、IP電話GW装置5の通話部53は、PBX4から発信元が中継装置6である発信を着信する。
【0065】
次に、IP電話GW装置5では、変換部56が、DTMFから暗号化されている発信先電話番号αに変換する(S19)。更に、復号化部57が、暗号化されている発信先電話番号αを復号化する(S20)。
【0066】
次に、通話部53が、A社の電話端末2の発信先電話番号αに対し、発信元電話番号を電話番号δ(元は電話番号ε)から自装置(IP電話GW装置5)の電話番号γに代替して発信すると共に、IP電話GW装置5の電話番号γを通知する(S21)。これにより、電話端末2の通話部23は、B社の従業員の電話端末7の電話番号εではなく、B社の代表の電話番号γからの発信を着信すると共に、B社の代表の電話番号γが通知される。
【0067】
以上により、A社の電話端末2とB社の従業員の電話端末7との間で通話を行うことができる(S22)。
【0068】
〔第1の実施形態の効果〕
以上説明したように、本実施形態によれば、発信元電話番号の代替により、即ち、発信元電話番号に代わる電話番号を発信先に通知することにより、電話端末2における着信電話番号はB社の代表の電話番号γになるため、B社の従業員は自分の電話端末7の電話番号を通話の相手に知られることなく通話を行うことができると共に、A社の顧客はできるだけ安心して電話に出られるという効果を奏する。
【0069】
また、中継装置6は発信先電話番号αを暗号化して、PBX4及びIP電話GW装置に渡すため、顧客情報(ここでは、A社の電話端末2の電話番号α)の漏洩を防止することができるという効果を奏する。
【0070】
●第2の実施形態
続いて、
図6を用いて、本発明に係る第2の実施形態について説明する。
図6は、第2の実施形態に係る電話システムの処理又は動作を示す図である。なお、第2の実施形態では、第1の実施形態に対して、PBX4は設置されてない。即ち、発信代替システム3は、IP電話GW装置5によって構築されている。また、電話端末7には電話アプリがインストールされていないが、これ以外のハードウェア構成及び機能構成は同様であるため、説明を省略し、処理又は動作について説明する。
【0071】
〔第2の実施形態に係る電話システムの処理又は動作〕
まず、B社の従業員が電話端末7を利用してA社の電話端末2の電話番号αをプレフィックスで指定し、電話端末7の通話部73は、中継装置6の電話番号δに発信すると共に、電話端末7の電話番号εを通知する(S31)。これにより、中継装置6の中継部63は、電話端末7からの発信を着信すると共に、電話端末7の電話番号εが通知される。
【0072】
次に、中継装置6では、暗号化部65が発信先電話番号αを暗号化する(S32)。更に、変換部66が、暗号化された発信先電話番号αをDTMFに変換する(S33)。そして、中継部63が、IP電話GW装置5に対して発信すると共に、中継装置6の電話番号δを通知する(S34)。この場合、発信先電話番号αが暗号化されて変換されたDTMFが付与されて発信される。これにより、IP電話GW装置5の通話部53は、中継装置6からの発信を着信すると共に、中継装置6の電話番号δが通知される。
【0073】
次に、IP電話GW装置5では、変換部56が、DTMFから暗号化されている発信先電話番号αに変換する(S35)。更に、復号化部57が、暗号化されている発信先電話番号αを復号化する(S36)。
【0074】
次に、通話部53が、A社の電話端末2の発信先電話番号αに対し、発信元電話番号を電話番号δ(元は電話番号ε)から自装置(IP電話GW装置5)の電話番号γに代替して発信すると共に、IP電話GW装置5の電話番号γを通知する(S37)。これにより、電話端末2の通話部23は、B社の従業員の電話端末7の電話番号εではなく、B社の代表の電話番号γからの発信を着信すると共に、B社の代表の電話番号γが通知される。
【0075】
以上により、A社の電話端末2とB社の従業員の電話端末7との間で通話を行うことができる(S38)。
【0076】
〔第2の実施形態の効果〕
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0077】
更に、本実施形態によれば、電話アプリを使わなくても、更にはPBX4が無くても、発信元電話番号の代替が可能である。
【0078】
●第3の実施形態
続いて、
図7及び
図8を用いて、本発明に係る第3の実施形態について説明する。
図7及び
図8は、第3の実施形態に係る電話システムの処理又は動作を示す図である。なお、第3の実施形態では、第1の実施形態に対して、PBX4は設置されていない。即ち、発信代替システム3は、IP電話GW装置5によって構築されている。また、電話端末7は、暗号化部75及び変換部76を有している。更に、中継装置6は、復号化部67を有している。これ以外のハードウェア構成及び機能構成は第1の実施形態と同様であるため、説明を省略し、以下では、第3の実施形態の機能構成に新たに追加された機能部のみを説明する。
【0079】
〔第3の実施形態の機能構成〕
<中継装置6の機能構成>
復号化部67は、プロセッサ601の命令により実現され、電話端末7の暗号化部75によって暗号化された電話番号を復号化する。
【0080】
<電話端末7の機能構成>
暗号化部75は、プロセッサ701の命令により実現され、電話アプリにより電話番号を暗号化する。この場合の復号化は中継措置6の復号化部67によって行われる。
【0081】
変換部76は、電話アプリにより電話番号をDTMFに変換する。
【0082】
〔第3の実施形態に係る電話システムの処理又は動作〕
図7に示されているように、まず、B社の従業員が電話端末7に発信先電話番号αを入力すると、受付部72が発信先電話番号αの入力を受け付け、電話端末7の電話アプリに発信先電話番号αを入力する(S51)。そして、電話アプリによる暗号化部75が、発信先電話番号αを暗号化(第1の暗号化)する(S52)。更に、電話アプリによる変換部76が、暗号化された発信先電話番号αをDTMFに変換する(S53)。
【0083】
次に、電話端末7の通話部73は、中継装置6の電話番号δに発信すると共に、電話端末7の電話番号εを通知する(S54)。この場合、発信先電話番号αが暗号化されて変換されたDTMFが付与されて発信される。これにより、中継装置6の中継部63は、電話端末7からの発信を着信すると共に、電話端末7の電話番号εが通知される。
【0084】
次に、中継装置6では、変換部66が、DTMFから暗号化されている発信先電話番号αに変換する(S55)。更に、復号化部67が、暗号化されている発信先電話番号αを復号化(第1の復号化)する(S56)。
【0085】
続いて、
図8に示されているように、中継装置6では、暗号化部65が発信先電話番号αを暗号化(第2の暗号化)する(S61)。更に、変換部66が、暗号化された発信先電話番号αをDTMFに変換する(S62)。そして、中継部63が、IP電話GW装置5に対して発信すると共に、中継装置6の電話番号δを通知する(S63)。この場合、発信先電話番号αが暗号化されて変換されたDTMFが付与されて発信される。これにより、IP電話GW装置5の通話部53は、中継装置6からの発信を着信すると共に、中継装置6の電話番号δが通知される。
【0086】
次に、IP電話GW装置5では、変換部56が、DTMFから暗号化されている発信先電話番号αに変換する(S64)。更に、復号化部57が、暗号化されている発信先電話番号αを復号化(第2の復号化)する(S65)。
【0087】
次に、通話部53が、A社の電話端末2の発信先電話番号αに対し、発信元電話番号を電話番号δ(元は電話番号ε)から自装置(IP電話GW装置5)の電話番号γに代替して発信すると共に、IP電話GW装置5の電話番号γを通知する(S66)。これにより、電話端末2の通話部23は、B社の従業員の電話端末7の電話番号εではなく、B社の代表の電話番号γからの発信を着信すると共に、B社の代表の電話番号γが通知される。
【0088】
以上により、A社の電話端末2とB社の従業員の電話端末7との間で通話を行うことができる(S67)。
【0089】
〔第3の実施形態の効果〕
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0090】
更に、本実施形態によれば、PBX4が無い場合でも、発信元電話番号の代替が可能である。
【0091】
●補足
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すような構成又は処理(動作)であってもよい。
【0092】
(1)プログラムの提供方法
上述の各機能は、コンピュータと各プログラムによっても実現できるが、各プログラムを(非一時的な)記録媒体に記録して提供することも、データ通信網200を介して提供することも可能である。つまり各装置におけるプログラムは、装置内の記録媒体以外に、例えばクラウド上の仮想計算機や記憶装置等に記録され、必要に応じて呼び出して実行又はダウンロードされて実行されることが可能である。
【0093】
(2)セキュリティ対策
以下の示す変形例により、セキュリティを向上させることができる。
(2-1)第1の実施形態において、PBX4と中継装置6との間は、光回線又はVPN(Virtual Private Network)回線によって発信及び着信することも可能である。また、第2及び第3の実施形態において、IP電話GW装置5と中継装置6との間は、光回線又はVPN回線によって発信及び着信することも可能である。これにより、セキュリティが向上し、発信先電話番号αの秘匿を更に向上させることができる。
(2-2)上述の処理(S19,S35,S64)において、IP電話GW装置5は、中継装置6を、電話番号を用いて正当な装置又は端末であると確認(識別)してもよい。また、IP電話GW装置5は、電話番号の代わりに(端末)識別子を用いたり、電話番号に加えて端末識別子を用いたりして、正当な装置又は端末であると確認(識別)してもよい。同様に、上述の処理(S55)において、中継装置6は、電話端末7を、電話番号だけでなく、端末識別子を用いて、正当な装置又は端末であると確認(識別)してもよい。同様に処理(S12,S31)などにおいて、中継装置6は、電話端末7を電話番号や端末識別子、及びその組み合わせを用いて確認(識別)してもよい。なお、端末識別子とは、IP(Internet Protocol)アドレスやMac(Media Access Control)アドレス、装置の製造番号や装置IDなど、装置を識別可能なものを用いればよく、電話番号以外の識別子を用いる場合は、一定のルールに基づいてDTMFに変換、発信プロトコルに追加又は発信プロトコルとは別の予め定められたプロトコルに従ってIP通信などを用いて通知すればよい。さらに第1の実施形態の電話端末7から中継装置6への発信要求(S11)において、電話端末7は電話番号εにかえて端末識別子を通知してもよい。中継装置6は、端末識別子と電話番号εの対応付けを予めテーブル等で保持しておくことで、電話端末7へ発信することができる。
(2-3)上記各実施形態の電話システム1は、発信先電話番号αを暗号化した後にDTMFに変換したが、DTMFに変換した後に暗号化しても良い。この場合、電話システム1は、発信先電話番号αを復号化した後にDTMFから発信先電話番号αに変換する。但し、暗号化した結果はDTMFで表現可能である必要がある。
(2-4)上記各実施形態における暗号化及び復号化の一連の処理は、対向装置毎に異なる暗号化アルゴリズム、暗号鍵、及び復号鍵を用いてもよく、使い捨ての(一時的な)暗号化鍵を用いてもよい。例えば、第3の実施形態において、電話端末7は、定期的に暗号化アルゴリズムの変更、又は暗号化鍵及び復号化鍵の生成若しくは変更を生成してもよく、都度、中継装置6など対向する装置において復号できるよう、予め通知しておけばよい。このように、暗号化及び復号化のアルゴリズム、並びに暗号鍵及び復号鍵について、変更や共有など必要な情報は、市中に存在する手法を用いて実現してよい。
(2-5)上記第3の実施形態において、電話端末7の電話アプリが、発信先電話番号αを第1の暗号化し(S52参照)、中継装置6が第1の復号化し(S56参照)、更に第2の暗号化(S61参照)をして、IP電話GW装置5が第2の復号化(S65参照)をしたが、これに限るものではない。例えば、電話端末7の電話アプリが、発信先電話番号αを第1の暗号化した後(S52参照)、中継装置6が第1の復号化(S56参照)及び第2の暗号化(S61参照)をせずに、IP電話GW装置5が処理(S65)として第1の復号化をしてもよい。
(2-6)上記各実施形態において、電話端末7は、発信先電話番号αとして、PBX4、IP電話GW装置5等や中継装置6など通話の中継又は顧客に発信する装置に予め登録された電話番号を(DTMFで)指定してもよい。この場合、電話端末7は、通話の中継若しくは顧客に発信する装置に記憶された発信先の電話番号を電話端末7に表示、又は同期若しくはダウンロードして保存し、指定できるようにしてもよい。
(2-7)上記各実施形態において、電話端末7等の各発信元電話端末は、各発信元電話端末に登録された電話番号を指定してもよい。
【0094】
(3)構成変更
(3-1)上記各実施形態に示されているように、発信代替システム3は、PBX4とIP電話GW装置5のうちA社顧客に発呼する装置を含むひとつ以上の装置によって構築されていると言うことができる。また中継装置6の機能を備えた発信代替システム3が構築されていてもよい。したがって、発信先電話番号αに発呼する装置は、発信代替システム3のPBX4、IP電話GW装置5、中継装置6のいずれかが行うなど、適宜変更してもよい。
(3-2)上記各実施形態において、PBX4、IP電話GW装置5と中継装置6の構成及び電話回線及びデータ通信網などの通信・接続方法については、適宜変更してよい。例えば、PBX4、IP電話GW装置5はクラウド上に配置してもよい。
(3-3)上記各実施形態において、PBX4、IP電話GW装置5、及び中継装置6の構成については、適宜変更してよい。各装置の機能が実現可能であれば、筺体をひとつにしたり、筺体ごとの機能配備を変更したりしてもよい。例えば上記第1の実施形態において、0AB-J発信(B社に設置されたPBX4)にこだわらない場合、PBX4、IP電話GW装置5、及び中継装置6等は、クラウド上の仮想PBXや中継装置等であってもよく、筐体が一体でもよい。なお、0AB-Jとは、日本の電話番号の標準形式の一つで、一般の加入電話(固定電話)に割り当てられる、0から始まる10桁の電話番号である。
(3-4)上記第1又は第2の実施形態において、中継装置6が発信先電話番号αをDTMFに変換するのではなく、電話端末(電話アプリ)が発信先電話番号αをDTMFに変換してもよい。発信先電話番号αの暗号化が必要な場合、中継装置6の暗号化部65が既にDTMFに変換された発信先電話番号αを暗号化してもよいし、電話端末7(又は電話アプリ)が暗号化を行ってもよい。また、電話端末7又は電話アプリを利用した発信先電話番号αの入力において、入力が中継装置6を指定するための中継装置6の電話番号δの桁数を超えた場合や、発信先電話番号αや発信先電話番号αに対応する管理上の番号等を入力する操作において、トーン信号音やキータッチ音などの入力や入力結果の通知を無音にして鳴らさないようにしてもよい。
(3-5)上記第1の実施形態の処理(S11,S14)において、電話端末7の電話アプリと中継装置6の間の通信は、IP電話を含む電話としての通信方式でも良いし、それ以外の通信方式でもよい。
(3-6)上記第1の実施形態の処理(S14)において、電話端末7が折り返して発信する場合には、処理(S12)が、呼が確立しなくても良いし(いわゆる、ワン切り)、呼が確立しても良い(いわゆる、コールバック)。なお、ワン切りは、電話端末に呼び出しを1乃至2回鳴らしてすぐに切り、相手の着信履歴に自分の電話番号を残すための手法である。
【0095】
(4)電話端末の変更
(4-1)上記第2の実施形態において、電話端末7の代わりに、DTMFによる発信先電話番号の通知が可能なIP電話ソフトウェア等を用いることが可能であれば、中継装置6の代替とすることができる(電話端末7から中継装置6までを包含)。
(4-2)また各実施形態において電話端末7の電話アプリとして実装されている機能が、電話端末の機能として具備されていてもよいし、クラウド上からダウンロードして実行したり、クラウド上の仮想計算機で実行されたりしてもよい。この際に電話端末7及び中継装置6の間は、通常の電話回線、IP電話網、又はデータ通信網などを通じて通話や通信を行ってもよい。
【0096】
(5)着信電話番号の設定
(5-1)上記各実施形態において、IP電話GW装置5は、予め発信先電話番号αと代替する電話番号を関連付けたテーブル等で管理しておいてもよい。これにより、例えば、電話番号γがB社の代表の電話番号でなくても、顧客(発信先電話番号α)ごとの電話番号に代替することが可能である。これによって、A社の顧客から折り返し電話した場合に、電話番号αからの通話が非通知や電話番号αと異なる電話から発信した場合でも、発信元電話番号γによって、A社の顧客を特定し、対応することが可能となる。
(5-2)第2の実施形態では、電話端末7から中継装置6への発信において、プレフィックスを用いたが、電話端末7において直接、発信先電話番号αを入力してもよく、入力のタイミングは、中継装置6への発呼と関係なく、任意のタイミングで実施してよい。
(5-3)さらに電話端末7から電話番号δ以外の電話番号Δをもつ中継装置6を都度指定したり、発信元電話番号εに応じて中継装置6が発信する電話番号Δに変更したり、発信先電話番号αと同様に電話番号εをDTMFに変換し中継装置6以降に追加して通知する構成とすることで、発信元の電話番号εや中継装置6の電話番号δ、Δなどに応じて、A社の顧客に通知する電話番号γを変更することが可能である。これにより、例えば電話番号γをB社内の複数の組織のうちの1つの組織の電話番号(例えば、部署の電話番号)や顧客への用件に応じて代替することが可能である。これによってB社の従業員は、自分の電話端末7の電話番号を通話の相手に知られることなく通話を行うことができると共に、A社の顧客が指定した電話番号からB社の所属部署などの連絡先や用件など、より具体的な情報を知ったうえで、安心して電話に出られる。更に、A社の顧客が折り返し電話する際に、B社の所属組織宛や用件などを指定して電話することができる。
(6)プロトコルの変更
各実施形態では、発信先電話番号αを通常の発信プロトコルで表現可能な形式に変換し付与することとしだが、適宜変更、拡張してよい。例えば各装置間の呼が成立した後に伝えるなど、適宜変更してもよい。また電話端末7と中継装置6において、発信プロトコルとは別に定められたプロトコル、例えばSIP(Session Initiation Protocol)やSIPを拡張したプロトコルや独自に定めたプロトコルに従って発信先電話番号αを通知してもよい。中継装置6や発信代替システム3への通知においても同様である。例えば、電話呼に関するプロトコルにおいて表現可能な形式のデータ構造として、SIPにおいては、通知をする側は、セッション確立のためのリクエストの拡張やセッション確立後に独自に定めたプロトコルに従って、発信先電話番号α又は発信先電話番号αに対応する識別子をDTMFや文字列に変換して通知すればよい。通知を受けた側は、通知内容から該当するDTMFや文字列を取得し、文字列の文字数と先頭からの一部の文字列に基づいて、国際電話を含む通常の電話番号の処理条件に合致していれば電話番号とし、通常の電話番号の処理条件に合致していなければ識別子として処理すればよい。また通知を受けた側は、文字列の文字数が、一般的な電話番号の文字数(桁数)と異なる場合などは識別子として処理してもよい。
(7)その他
電話端末2と発信代替システム3についても電話回線やIP電話網、データ通信網などを通じて通話や通信をおこなってもよい。
【符号の説明】
【0097】
1 電話システム
2 電話端末
3 発信代替システム
4 PBX(第2の中継装置)
5 IP電話GW装置
6 中継装置
7 電話端末
23 通話部
43 接続部
53 通話部(発信部)
56 変換部(発信先抽出部)
57 復号化部
61 送受信部
63 中継部(発信部、通知部)
65 暗号化部
66 変換部(発信先抽出部)
67 復号化部
71 送受信部(発呼要求部)
72 受付部
73 通話部
75 暗号化部
76 変換部
100 電話回線網
200 データ通信網