(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111801
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】収納体
(51)【国際特許分類】
A47G 29/00 20060101AFI20230803BHJP
【FI】
A47G29/00 N
A47G29/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022059167
(22)【出願日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】P 2022012479
(32)【優先日】2022-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】514295389
【氏名又は名称】安仁屋 恵麻
(72)【発明者】
【氏名】安仁屋 恵麻
【テーマコード(参考)】
3K100
【Fターム(参考)】
3K100AA15
3K100AC02
3K100AD01
3K100AD03
3K100AE20
3K100AF07
3K100AG03
3K100AH09
3K100AJ03
(57)【要約】
【課題】収納物を収納体から出し入れする際に手間を要さず、収納物が周囲の物と直接触れないようにできる、収納体を提供する。
【解決手段】 収納体は、収納体を構成するシートが、任意の形状の二枚のシートを重ね合わせる、あるいは、任意の形状の一枚のシートを垂直または水平方向に曲げる、ことによって第一の部分と第二の部分を備えた状態に形成され、この収納体を構成するシートの任意の箇所に、一又は複数個の開孔が設けられ、設けられた一又は複数個の開孔に、挿通部材が、シートの第一の部分と第二の部分の間に収納物を保持できる状態に挿通されて構成される。
なお、開孔に挿通された挿通部材の、シートの第一の部分と第二の部分の間に位置する部分に、一又は複数個の収納物保持用部材が取り付けられていると、収納物の保持が収納物保持用部材によってできるようになる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納体を構成するシートが、任意の形状の二枚のシートを重ね合わせる、あるいは、任意の形状の一枚のシートを垂直または水平方向に略二分する位置などで曲げる、ことによって第一の部分と第二の部分を備えた状態に形成され、前記収納体を構成する前記シートの任意の箇所に、一又は複数個の開孔が設けられ、
前記一又は複数個の開孔に、挿通部材が、前記収納体を構成する前記シートの前記第一の部分と前記第二の部分の間に収納物を保持できる状態に挿通されて構成される、
ことを特徴とする収納体。
【請求項2】
前記収納体を構成する前記シートが略方形状である、
ことを特徴とする、請求項1に記載の収納体。
【請求項3】
前記収納体を構成する前記シートの前記第一の部分と前記第二の部分が重なった領域の周囲の辺の一部または大部分が、閉じられた状態に構成されている、
ことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の収納体。
【請求項4】
前記収納体を構成する前記シートの前記第一の部分と前記第二の部分が重なった領域の前記周囲の辺の一部または大部分または全部に、開閉手段が備わっていて、
前記周囲の辺の一部または大部分または全部が、容易に開閉可能な状態に構成されている、
ことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の収納体。
【請求項5】
前記収納体を構成する前記シートが、広げられた状態から手を離された時に、垂直あるいは水平方向に自然と筒状または筒状に近い形状に丸まる復元性を備えている、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の収納体。
【請求項6】
前記挿通部材が、自在に曲げられる性質を持っている、
ことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の収納体。
【請求項7】
前記挿通部材が、前記収納体を、鞄、衣服、腰ベルト、または首など身体の一部、などに取り付けるための取付部材、あるいは前記収納体の持ち手、としての役割も兼ねるように構成される、
ことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の収納体。
【請求項8】
さらに、前記収納体を構成する前記シートの外側の面に、鞄、衣服、腰ベルト、または、首など身体の一部、などに取り付けるための着脱手段が備えられて構成される、
ことを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の収納体。
【請求項9】
さらに、前記挿通部材の、
前記収納体を構成する前記シートの前記第一の部分と前記第二の部分の間に位置する部分に、
一又は複数個の収納物保持用部材が取り付けられて構成される、
ことを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の収納体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、収納体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ハンカチを掛ける吊り具に滑り止めのチューブが通され、吊り具を一まとめにした部分にハンカチを固定するビーズが設けられ、ハンカチを上部より覆うキャップに吊り具を通すための穴が設けられ、キャップの外側には衣服に固定するための留め具が設けられる、ことを特徴とするハンカチを携帯するためのホルダーが提案されている。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
これにより、ハンカチを携帯することができるホルダーを吊り具によって首から吊るすことができ、また、キャップの外側に設けられた留め具で衣服に固定することができるため、かばんやポケットの有無に関係なく手ぶらでハンカチを携帯することができる、という利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上述の従来例のハンカチを携帯するためのホルダーは、首から吊るして携帯することができるように、吊り具は、首から吊るすことができるだけの余裕を持たせた長さに構成されるが、キャップの外側に設けられた留め具で、このホルダーを衣服に固定して携帯しようとする場合には、首から吊るす場合と異なり吊り具が上方向に引っ張られないため、ハンカチがキャップの中にとどまらずにキャップの底部側から落ちてしまうという問題がある他、長過ぎる吊り具が絡まったり何処かに引っ掛かりやすい、などの問題もある。
これを解決するためには、ハンカチがキャップの中にとどまるように吊り具の長さを短くすればよいが、吊り具の長さを短くすると、キャップに設けられている穴から下方向に吊り具が長く引き出されなくなることによって、キャップに覆われているハンカチを取り出す際に、ハンカチを都度、吊り具から外さなければならない事態が生じる。
このように、吊り具からハンカチを外すあるいは掛ける、等の作業をキャップの中に手を差し入れて行わなければならない事態になると、キャップのサイズやこのホルダーの使用者の手のサイズによっては、こうした作業が困難になることが懸念される。
【0006】
本発明の収納体は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、収納物を収納体から出し入れする際に手間を要さず、中に収めた収納物が周囲の物と直接触れないようにできる、収納体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するために、本発明の収納体は、収納体を構成するシートが、任意の形状の二枚のシートを重ね合わせる、あるいは、任意の形状の一枚のシートを垂直または水平方向に略二分する位置などで曲げる、ことによって第一の部分と第二の部分を備えた状態に形成され、この収納体を構成するシートの任意の箇所に、一又は複数個の開孔が設けられ、設けられた一又は複数個の開孔に、挿通部材が、シートの第一の部分と第二の部分の間に収納物を保持できる状態に挿通されて構成される。
なお、開孔に挿通された挿通部材の、シートの第一の部分と第二の部分の間に位置する部分に、一又は複数個の収納物保持用部材が取り付けられていると、収納物の保持が収納物保持用部材によってできるようになる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の収納体では、中に収まっている収納物を外に出す際は、収納体を構成するシートの第一の部分と第二の部分の間から手を入れて収納物を取り出すことにより、収納物を収納体から出すことができる。
【0009】
また、本発明の収納体では、外に出されている収納物を中に収める際は、収納体を構成するシートの第一の部分と第二の部分の間から収納物を入れることで、収納物を収納体に収めることができる。
【0010】
これにより、収納物を収納体から出し入れする際に手間を要さず、収納物の迅速な使用が可能になるとともに、中に収めた収納物が周囲の物と直接触れないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】(A)は、第1の収納体の斜視図であり、(B)と(C)は、側面図である。
【
図2】第1の収納体から拭き布を出す方法を示した説明図である。(A)は、第1の収納体の中に拭き布を収めた状態を示す側面図であり、(B)は、第1の収納体の外に拭き布を出した状態を示す側面図である。
【
図3】第1の収納体の正面図であり、第1の収納体に備えられた開閉手段の例を示す。
【
図4】(A)は、拭き布が備えている取付手段についての説明図であり、(B)は、拭き布が備えている略輪状部分の、挿通部材への取付例を示す。
【
図5】(A)は、第2の収納体の斜視図であり、(B)と(C)は、側面図である。
【
図6】第2の収納体から拭き布を出す方法の例を示した説明図である。(A)は、第2の収納体の中に拭き布を収めた状態を示す側面図であり、(B)は、第2の収納体の外に拭き布を出した状態を示す側面図である。
【
図7】第2の収納体の斜視図であり、第2の収納体に設けられた開孔への挿通部材の通し方の他の例を示す。
【
図8】(A)は、第3の収納体の斜視図であり、(B)と(C)は、側面図である。
【
図9】(A)は、第4の収納体の斜視図であり、(B)と(C)は、側面図である。
【
図10】第4の収納体から拭き布を出す方法の例を示した説明図である。(A)は、第4の収納体の中に拭き布を収めた状態を示す側面図であり、(B)は、第4の収納体の外に拭き布を出した状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図を参照して、本発明の実施の形態について説明するが、各構成要素の形状、大きさ及び配置関係については、この発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、本発明の好適な構成例について説明するが、各構成要素の材質及び数値的条件などは、単なる好適例にすぎない。従って、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の構成の範囲を逸脱せずに本発明の効果を達成できる多くの変更又は変形を行うことができる。
【0013】
(第1の収納体)
図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る収納体(以下、第1の収納体と称する)について説明する。
図1(A)は、第1の収納体の斜視図であり、
図1(B)は、第1の収納体の側面図であり、
図1(C)は、第1の収納体に拭き布50を収めた状態の側面図である。
【0014】
第1の収納体は、収納体を構成するシートが、略等しい大きさで略方形状の二枚のシートを重ね合わせることによって第一の部分と第二の部分を備えた状態に形成され、この収納体を構成するシートの第一の部分10と第二の部分20が重なった領域の周囲四辺のうち一辺に沿った領域部分の、第一の部分10の方のみに、開孔10aが設けられ、開孔10aに挿通部材30aが挿通され、挿通部材30aの、収納体を構成するシートの第一の部分10と第二の部分20の間に位置する部分に、収納物保持用クリップ40が取り付けられて構成され、シートの第一の部分10と第二の部分20が重なった領域の周囲四辺のうち、近傍に開孔10aが設けられた一組の辺は、収納物の取出口を形成する辺10cとされ、収納物の主な取出口として用いられる。
【0015】
拭き布50を使用する際には、
図2(A)から
図2(B)の状態に遷移するように、拭き布50を、収納物の取出口を形成する辺10cより第1の収納体の外に出すものとする。
【0016】
第1の収納体は、収納体を構成するシートの第一の部分10と第二の部分20とが挿通部材30aによって繋がらない。収納体を構成するシートが、このように二枚のシートを重ね合わせることによって形成される場合には、そのままでは第一の部分10と第二の部分20とが一体化されない。
この場合、第一の部分10と第二の部分20とを一体化させるには、収納体を構成するシートの第一の部分10と第二の部分20が重なった領域の周囲四辺のうち、いずれかの辺または全ての辺を、閉じた状態に構成する。この時、当該する辺の端から端までを閉じてもよいし、当該する辺を部分的に閉じてもよいし、当該する辺を容易に開けられる状態に閉じてもよい。
収納体を構成するシートの第一の部分10と第二の部分20が重なった領域の周囲四辺のうち全ての辺を閉じる場合には、少なくとも一辺は、収納物の取出口とするために、容易に開けられる状態に閉じる。ここで、容易に開けられる状態に閉じるには、例えば、ホック、スナップ、フック、ボタン、マグネット、バネ口金、ファスナー、面ファスナー、嵌め込み部材、紐、などの開閉手段を当該する辺に備えるものとする。
図3は、収納体を構成するシートの第一の部分10と第二の部分20が重なった領域の周囲四辺全てに、開閉手段として面ファスナーが備えられた構成例を示している。
【0017】
上述した開閉手段のうち、紐を用いる方法について、詳しく述べる。
例えば、収納物の取出口を形成する辺10cの近傍に、開閉手段として、収納体を構成するシートの第一の部分10と第二の部分20を挿通する状態に紐が備えられ、この挿通された紐の、収納体より外側に出ている紐の両端部分を、二本ともコードストッパーなどの名称で市販されている部材に通すことで実現させる方法などが、この開閉手段に該当する。この場合、紐上のコードストッパーを指でずらすように動かすことで、収納物の取出口に開閉する動きをさせるものとする。
ここで、コードストッパーには、ボタンが付いている類の他、ボタンが付いていない類も含む。ボタンが付いていない類は、一般的にシリコンやゴムなど滑りにくい材質で出来ていて、このコードストッパーが紐を押さえる為には、コードストッパーと紐との摩擦が利用される。
この開閉手段として備えられた紐が、挿通部材30aの役割を兼ねたり、収納体の持ち手としての役割を兼ねるように、構成することもある。
【0018】
ここでは、収納体を構成するシートが、略等しい大きさで略方形状の二枚のシートを重ね合わせることによって形成される例を挙げたが、この二枚のシートは、必ずしも略等しい大きさでなくともよく、さらに、略方形状でなくともよい。例えば、円形、楕円形、ハート形、など任意好適な形状のシートを用いることができる。
【0019】
収納体を構成するシートの第一の部分10と第二の部分20を重ね合わせるには、
図1で示すように、分かれた二枚のシートを重ね合わせる方法の他、一枚のシートを垂直または水平方向に略二分する位置などで曲げて重ね合わせる方法がある。
後者の方法では、収納体を構成するシートの第一の部分10と第二の部分20が重なった領域の周囲四辺のうち一辺はシートの曲げられた箇所にあたる為、当該する辺は閉じた状態になるが、この閉じた辺が、収納体の上下左右、どの位置にくるように収納体を構成してもよい。
また、上述の一枚のシートが、広げられた状態から手を離された時に、垂直または水平方向に自然と、筒状または筒状に近い形状に丸まる、復元性を備えていてもよい。この場合、シートが広げられた状態にするためには、この収納体の使用者が、手で、シートが備えている復元性に逆らう向きにシートに対して力を加えることによって、丸まった状態のシートを広げられた状態にすることができる。
なお、収納体を構成するシートが、一枚のシートから形成される場合であっても、収納体を構成するシートの第一の部分10と第二の部分20は、必ずしも略等しい大きさでなくともよく、さらに、略方形状でなくともよい。例えば、円形、楕円形、ハート形、など任意好適な形状のシートを用いることができる。
【0020】
収納体を構成するシートには、シリコン、ポリエチレン、ポリプロピレン、プラスチック、ビニール、など樹脂、スチール、アルミニウム、など金属、綿、麻、竹、極細化学繊維、ナイロン、ポリエステル、などで作られた布、皮革、など任意好適な素材のものを用いることができる。
【0021】
収納体を構成するシートが抗菌性や抗ウィルス性を有するものであると、収納体を、より衛生的な状態に保つことができる。例えば、収納体のシートには、素材中に抗菌性物質や抗ウィルス性物質が練り込まれる、シートの面に抗菌性物質や抗ウィルス性物質が塗布される、シートの面に抗菌性物質や抗ウィルス性物質がコーティングされる、などの方法によって抗菌処理や抗ウィルス処理を施された、あるいは、素材そのものが抗菌性や抗ウィルス性を持っている、樹脂、金属、皮革、布、など任意好適なものを用いることができる。
【0022】
収納体を構成するシートが難透液性を持っていると、拭き布50に液体が付着している場合に、付着した液体が収納体の外にまで滲み出しにくくなり、この収納体を物や衣服などと接する状態で携帯する状況において、周囲の物や衣服などが拭き布50に付着した液体によって汚されるリスクが低くなる。
【0023】
収納体を構成するシートに、一又は複数個の空気孔が設けてあると、空気孔が無い場合と比較して、収納体の内部通気性が高まり、液体が付着した状態の拭き布50が、より乾きやすくなる効果を期待できる。
収納体を構成するシートを網目状シートにしても、液体が付着した状態の拭き布50が、より乾きやすくなる効果を期待できる。網目状シートは、シートに複数個の空気孔が設けてある状態と同等と言えるからである。
【0024】
挿通部材30aには、金属、樹脂、ナイロン、ポリエステル、綿、革、ゴム、など任意好適な素材でできた、紐、糸、チェーン、ワイヤー、線、スプリング、などを用いることができる。
【0025】
挿通部材30aは、自在に曲げられる性質を持っていてもいなくとも、どちらでも良い。
【0026】
開孔に挿通された状態に備えられた挿通部材30aの両端は、繋げられた状態になっていてもいなくとも、どちらでも良い。
繋げられた状態に構成する場合は、挿通部材30aは、環状に形成された部材を用いる他、例えば、繋げられていない状態で開孔に通された後、結着、接着、部材を介した連結、嵌め込み、などにより環状に繋げることができる。
繋げられていない状態に構成する場合は、開孔より収納体の外側に出ている挿通部材30aの部分に、開孔よりサイズの大きい玉留めや、コードストッパーなどの名称で市販されている部材を設けるなど、開孔から挿通部材30aが抜け落ちない工夫を施す。
【0027】
この収納体において、挿通部材30aが、鞄や腰ベルトなどに対して取り付けるための取付部材としての役割も兼ねるように、構成することがある。
この場合、挿通部材30aの一又は複数箇所が容易に開閉可能な形状になっていると、取り付けに際して便利である。
【0028】
この収納体において、挿通部材30aが、収納体の持ち手としての役割も兼ねるように、構成することがある。
この場合、挿通部材30aを、手に持つ他、肩に掛ける、肩から体に対して斜め掛けする、首に掛ける、など様々な持ち方に適した長さに構成できるものとする。
【0029】
拭き布50を収納体より出し入れする際に、開孔に通されている挿通部材30aは、必ずしも収納体の中や外に向けて滑らかに動かされない。これは、動かされる向きなどによっては、挿通部材30aが開孔に引っ掛かるなどして滑らかに動かされない、といったことが起こりうるからである。
ここで、収納体を構成するシートの第一の部分10と第二の部分20の間に位置する挿通部材30aの部分に、収納物保持用クリップ40が、固定された状態ではなく摺動可能な状態に取り付けられていると、開孔に挿通されている挿通部材30aが滑らかに動かされない場合であっても、収納物保持用クリップ40が挿通部材30a上を、収納物の取出口付近まで動かされることによって、拭き布50を収納体から出し入れする作業が滑らかに行えることが期待できる。
さらに、挿通部材30a上に、玉留めや、コードストッパーという名称で市販されている部材が設けてあると、摺動可能な状態に取り付けられている収納物保持用クリップ40が挿通部材30a上で止まる位置を、自由に制御することができる。
具体的に、玉留めやコードストッパーが、挿通部材30a上で、収納物保持用クリップ40よりも収納物の取出口を形成する辺10c寄りの位置に設けてあると、玉留めやコードストッパーによって、拭き布50が収納体から不意に飛び出してしまわないように制御することができ、逆に、収納物保持用クリップ40が、挿通部材30a上で、玉留めやコードストッパーよりも収納物の取出口を形成する辺10c寄りの位置に設けてあると、玉留めやコードストッパーによって、拭き布50が収納体の奥深くまでいかずに収納物の取出口を形成する辺10cの付近にとどまるように制御することができる。
【0030】
開孔は、必ずしも、収納体を構成するシートの第一の部分10と第二の部分20が重なった領域の周囲四辺のうち一辺に沿った領域に設けられていなくともよく、他の領域に設けられていてもよい。
例えば、開孔が、第一の部分10と第二の部分20が重なった領域の中央付近に設けられていたとして、収納体を構成するシートの第一の部分10と第二の部分20が重なった領域の周囲四辺のうち任意の一辺が、収納物の取出口を形成する辺10cと定められたとすると、収納物の取出口を形成する辺10cから開孔までの距離は何処も同じであるため、この収納体の使用者が、自身の用途に合うように収納体の上下左右の向きを自分で変えるなどして、この収納体を使うこともできる。
【0031】
挿通部材30aを挿通するために必要な開孔は、必ずしも一個でなくともよく複数個設けられていてもよい。
例えば、第一の部分10と第二の部分20が重なった領域の周囲四辺のうち一辺に沿った領域の、第一の部分10に開孔10aが設けられるだけでなく、第二の部分20にも開孔20aが設けられ、開孔20aに30aとは別の挿通部材が挿通された状態に構成されてもよい。
また、開孔が複数個設けられている場合、この収納体の使用者が、好みによって自分で挿通する開孔を決めて挿通部材を通し替え、例えば、この収納体を、第2~第4の収納体など、他の構成の収納体に変化させて使用できるようにしてもよい。
さらに、この収納体の使用者が、その時々によって収納物の収め方を選べるように、予め、一又は複数個の開孔に挿通部材が縦横に挿通されて張りめぐらされた状態、に収納体が構成されていてもよい。
【0032】
拭き布50が、
図4(A)にあるような、挿通部材30aに取り付け可能な略環状部分50a、略紐状部分50b、略鉤状部分50c、などの取付手段を備えていれば、この収納体の挿通部材30aに収納物保持用クリップ40が取り付けられていない場合であっても、
図4(B)で説明するように、収納体を構成するシートの第一の部分10と第二の部分20の間に位置する挿通部材30aの部分に、直接、拭き布50を取り付けて、拭き布50を収納体に収めることができる。
【0033】
拭き布50が、
図4(A)にあるような、挿通部材30aに取り付け可能な取付手段を何も備えておらず、かつ、この収納体の挿通部材30aに収納物保持用クリップ40が一個も取り付けられていない場合であっても、拭き布50が、収納体を構成するシートの第一の部分と第二の部分によって強く挟まれている、あるいは、拭き布50が収納体を構成するシートの面との摩擦によって収納体内において滑りにくい、などの状態であれば、収納体を構成するシートの第一の部分と第二の部分の間に拭き布50を挟むだけで、収納体内に拭き布50を保持できる場合もある。
また、他に考えられる方法としては、収納体を構成するシートの第一の部分10と第二の部分20の間に位置する挿通部材30aの部分に、拭き布50を掛けた状態にすることで、収納体に拭き布50を収めることができる。
掛けた状態で収納することが可能か否かは、挿通部材30aの材質や形状、拭き布50の材質や形状、挿通部材30aの開孔10aへの通し方、などにもよるが、例えば、挿通部材30aの形状の一例として、第一の部分10と第二の部分20の間に位置する挿通部材30aの部分に、拭き布50を通すことができる、輪が形成されている場合などが挙げられる。
また、挿通部材30aの開孔10aへの通し方の一例として、挿通部材が複数本、開孔10aに挿通されている場合などが挙げられる。挿通部材が、複数本、開孔に挿通されていれば、拭き布50を各々の挿通部材に対して交互に渡し掛けるなどすることで、拭き布50が挿通部材から滑り落ちにくくなる。
【0034】
ここでは、拭き布50には、手などを拭く為に用いる、ハンカチ、ミニタオル、マイクロファイバー布、不織布、などの他、顔や体などを拭く為に用いる大きめのタオルや、器具、器械、機械、ボール、床、棚、などを拭く為に用いる雑巾や、テーブルや食器などを拭く為に用いる布巾や、多用途に使える布切れ、なども含むものとする。
【0035】
拭き布50は、収納物の一例であって、この収納体には、拭き布以外の収納物も収めることができる。この収納体は、収納物に合わせて大きさを変えて構成することができ、幅広いサイズに対応可能である。
ここで収納物とは、例えば、おしゃぶり、歯固め、などを含むベビー用品全般、掃除用ブラシ、モップ、傘、コート、折り畳み式バッグ、などを含む生活用品全般、野菜、果物、などを含む生鮮食品全般、鍵、携帯電話、スマートフォン、防犯ブザー、笛、などを含むセキュリティー商品全般、カード、ハサミ、カッター、ペン、などを含む文房具全般、ぬいぐるみ、チャーム、メガネ、サングラス、などを含む雑貨品全般、歯ブラシ、マスク、マスクケース、ウイルス除去用品、除菌用品、などを含む衛生用品全般、ポリ袋、ビニール袋、紙製タオル、ティッシュペーパー、などを含む消耗品全般、などである。
これらを収納体に収めた場合であっても、拭き布50を収めた場合と同様の効果、すなわち、周囲の物と直接触れないようにできる効果、などを期待できる。
また、中に拭き布50を収める場合と同様に、挿通部材30aに収納物保持用クリップ40が取り付けられていない場合であっても、挿通部材30aに直接、収納物を取り付ける、あるいは、挿通部材30aに収納物を掛けるなどすれば、収納体に収納物を収めることができる。
【0036】
この収納体に、ポリエチレン製袋、ポリプロピレン製袋、塩化ビニール製袋、など一般的に使い捨て用とされる袋を収めても良い。
こうした使い捨て用袋の中には、複数枚が重ねられた状態で、袋の上部に袋を掛けた状態で収める際に必要な開孔が設けられていて、袋が引っ張られると、開孔部分から袋が千切れて、引っ張られた袋が取れるようになっているものがある。
また、袋の上部に開孔だけでなく切り取り線も設けてあり、掛けられた状態で袋が下方向に引っ張られると、袋が切り取り線から上下に分断されて、引っ張られた袋が取れるようになっているものもある。
こうした使い捨て用袋が収納体に収められた状態において、収納体を構成するシートの第一の部分10と第二の部分20が重なった部分より中に手を入れて、袋を引っ張ると、複数枚が重ねられた状態になっている使い捨て用袋のうち必要な枚数だけを、収納体の外に出すことができる。
なお、この場合の収納物が、必ずしも使い捨て用袋ではなく、例えば紙製タオルなど、一般的に使い捨て用とされる他の物であっても、同じことが言える。
【0037】
収納物保持用クリップ40は、収納物保持用部材の一例であって、この収納体では、ナスカン、フック、カラビナ、リング、マグネット、ピン、など、収納物保持用クリップ以外の、収納物を保持することができる部材を用いることができる。
【0038】
(第2の収納体)
図5を参照して、本発明の第2の実施形態に係る収納体(以下、第2の収納体と称する)について説明する。
図5(A)は、第2の収納体の斜視図であり、
図5(B)は、第2の収納体の側面図であり、
図5(C)は、第2の収納体に拭き布50を保持させた状態の側面図である。
拭き布50を使用する際には、例えば、
図6(A)から
図6(B)の状態に遷移するように、拭き布50を、収納物の取出口10cより第2の収納体の外に出すことができる。
なお、第1の収納体と同様に構成される部分については、重複する説明を省略することがある。
【0039】
第2の収納体は、収納体を構成するシートが、略等しい大きさで略方形状の二枚のシートを重ね合わせることによって第一の部分と第二の部分を備えた状態に形成され、この収納体を構成するシートの第一の部分10と第二の部分20が重なった領域の周囲四辺のうち、一辺に沿った領域部分に、開孔10aと開孔20aが設けられ、この開孔10aと開孔20aに、収納体を構成するシートの第一の部分10と第二の部分20を挿通する状態に挿通部材30aが備えられ、挿通部材30aの、第一の部分10と第二の部分20の間に位置する部分に収納物保持用クリップ40が取り付けられて構成され、シートの第一の部分10と第二の部分20が重なった領域の周囲四辺のうち、近傍に開孔が設けられた一組の辺は、収納物の取出口を形成する辺10cとされ、収納物の主な取出口として用いられる。
【0040】
収納体を構成するシートの第一の部分10と第二の部分20が重なった領域の周囲四辺は、いずれも閉じられずに構成されてよいが、収納物の落下を防ぐ、あるいは美観に配慮する、などの目的でいずれかの辺を閉じる場合には、当該する辺の端から端までを閉じてもよいし、当該する辺を部分的に閉じてもよいし、当該する辺を容易に開けられる状態に閉じてもよい。ただし、少なくとも一辺は、収納物の取出口として用いられるように構成しなければならない。
【0041】
挿通部材30aに、収納物保持用クリップ40が複数個取り付けられていると、各々の収納物保持用クリップ40に、別々の拭き布50を保持させて、収納体の中に複数枚の拭き布50を収めることができる。あるいは、複数個の収納物保持用クリップ40に一枚の拭き布の複数箇所を保持させて収納体に収めることもできる。
ここで、収納物が拭き布ではなく、例えば、ビニールや布などで形成された袋状の物であって、この袋を開口部が広げられた状態にして、複数箇所を複数個の収納物保持用クリップ40に保持させて収納体に収めることによって、収納物の取出口を形成する辺10cを開ける際に同時に袋の開口部も開くようにでき、袋の開口部を、袋を使う度に、この収納体の使用者が開かなければならない手間を減らすことができる。さらに、もし、この袋が屑や汚物などを捨てる使い捨て用ビニール袋等であれば、使い終わった後に、この袋を収納物保持用クリップ40から取り外し、袋ごと屑や汚物などを捨てる、といった使い方も可能となる。
【0042】
挿通部材30aは、自在に曲げられる性質を持っていると良い。挿通部材30aが自在に曲げられる性質を持っていないと、拭き布50を使用する際に、収納物保持用クリップ40が収納物の取出口10cから外に出されないがために、この収納体の使用者が収納体の中に手を差し入れて収納物保持用クリップ40に保持された拭き布50を収納物保持用クリップ40から取り外してからでないと拭き布50を収納体をり外に出せない事態、が生じることがある。
ただし、挿通部材30aが自在に曲げられる性質を持っていない場合であっても、挿通部材30aまたは拭き布50の側に、収納物の取出口10cより収納体の外に収納物保持用クリップ40を出すことができるだけの長さを有した、紐、糸、チェーン、ワイヤー、線、スプリング、などの部材が備わっていれば、その部材を介することによって、収納物保持用クリップ40を収納物の取出口10cから収納体の外に出すことは可能となる。
【0043】
挿通部材30aが自在に曲げられる性質を持っていると、拭き布50を収納体より外に出す際に、
図6(A)から
図6(B)の状態に遷移するように、拭き布50を、収納物の取出口10cより収納体の外に出すことができる。拭き布50を収納体より外に出す際には、この収納体の使用者が拭き布50を外に引き出す力によって、収納体を構成するシートの第一の部分10と第二の部分20の間に位置する挿通部材30aの部分が、開孔10aや開孔20aから収納体の中に向けて長く引き出され、収納物保持用クリップ40に保持された状態の拭き布50は、滑らかに収納体より外に出される。これを実現させるためには、挿通部材30aの長さに、拭き布50が収納体より外に出されるのに不足しないぶん余裕が必要である。
ここで、収納体を構成するシートの第一の部分10と第二の部分20の間に位置する挿通部材30aの部分が短過ぎて拭き布50を取り出しにくいと感じる場合は、開孔10aや開孔20aより収納体の中にある挿通部材30aの部分を、直接つかんで収納体の中に向けて引っ張ることで開孔から長く引き出すと、拭き布50を収納体から出しやすくなる。
また、拭き布50を収納体内に収めた状態において、収納体を構成するシートの第一の部分10と第二の部分20の間に位置する挿通部材30aの部分が長過ぎて拭き布50の収まり具合が悪いと感じる場合は、開孔10aや開孔20aより収納体の外に出ている挿通部材30aの部分を、直接つかんで収納体の外に向けて引っ張ることで開孔から長く引き出すと、第一の部分10と第二の部分20の間に位置する挿通部材30aの部分が短くなり、拭き布50が収納体の中でバランスの良い位置に収まる。
【0044】
挿通部材30aが伸縮性を備えていると、たとえ挿通部材30aの長さに、拭き布50が収納体より外に出されるぶん余裕がなくとも、問題なく収納体の外に拭き布50を出すことが可能となる。
ここで、挿通部材30aの伸縮性は、例えばゴムなど伸縮性のあるものを用いることによって実現させてもよいし、リールキーホルダーなどの名称で市販されている自動巻取り式紐保持部を挿通部材30a部分に設けることによって実現させてもよいし、とめ結びなどと呼ばれるような、紐の結び方による長さ調節の仕組みによって実現させてもよい。
【0045】
挿通部材30aに、収納物保持用クリップ40が複数個取り付けられている場合に、収納物保持用クリップ40と収納物保持用クリップ40の間に位置する挿通部材30aの部分に、開孔が設けられたシートが、その開孔を挿通部材30aに挿通された状態に備わっていると、収納物保持用クリップ40と別の収納物保持用クリップ40の間に仕切りが設けられた状態となり、複数個の収納物保持用クリップ40に保持された複数枚の拭き布50どうしが、直接接しないように仕切られた状態で収納できるようになる。ここで、開孔が設けられたシートとは、収納体を構成するシートとは別に、仕切り用として用意されたものである。
【0046】
図7を参照して、この収納体に設けられた開孔への挿通部材30aの通し方の他の例について説明する。
図7で示す、開孔10aおよび開孔20aへの挿通部材30aの通し方は、
図5、
図6で示した挿通部材30aの通し方とは異なり、挿通部材30aの両端が、収納体を構成するシートに設けられた開孔より収納体の外ではなく中にある状態になっている。開孔への挿通部材30aの通し方がこのようであっても、シートの第一の部分10と第二の部分20の間に拭き布50を保持できるようであれば、問題はない。
ここで、拭き布50を保持できるようにする為に、
図7にあるように、挿通部材30a上の、シートの第一の部分10と第二の部分20の間に位置する部分にハンカチを保持することができる収納物保持用部材が備えられている、あるいは、挿通部材30aの一方の端または両端にハンカチを保持することができる輪やフックが形成されている、などの状態に収納体が構成されているとよい。
また、開孔より収納体の中にある挿通部材30aの両端は、繋げられた状態になっていてもいなくともどちらでも良い。
【0047】
(第3の収納体)
図8を参照して、本発明の第3の実施形態に係る収納体(以下、第3の収納体と称する)について説明する。
図8(A)は、第3の収納体の斜視図であり、
図8(B)は、第3の収納体の側面図であり、
図8(C)は、第3の収納体に拭き布50を保持させた状態の側面図である。
なお、第1の収納体や第2の収納体と同様に構成される部分については、重複する説明を省略することがあり、挿通部材30bに関わる事項についても、挿通部材30aと同様である部分については、重複する説明を省略することがある。
【0048】
第3の収納体は、収納体を構成するシートが、略等しい大きさで略方形状の二枚のシートを重ね合わせることによって第一の部分と第二の部分を備えた状態に形成され、この収納体を構成するシートの第一の部分10と第二の部分20が重なった領域の周囲四辺のうち、一辺に沿った領域部分に、開孔10a、開孔20a、開孔10b、開孔20bが設けられ、開孔10aと開孔20aに挿通部材30aが、シートの第一の部分10と第二の部分20を挿通する状態に備えられ、第一の部分10と第二の部分20の間に位置する挿通部材30aの部分に収納物保持用クリップ40が取り付けられ、さらに、開孔10bと開孔20bに挿通部材30bが、シートの第一の部分10と第二の部分20を挿通する状態に備えられ、第一の部分10と第二の部分20の間に位置する挿通部材30bの部分に、先程とは別の収納物保持用クリップ40が取り付けられて構成され、シートの第一の部分10と第二の部分20が重なった領域の周囲四辺のうち、近傍に開孔が設けられた一組の辺は、収納物の取出口を形成する辺10cとされ、収納物の主な取出口として用いられる。
【0049】
収納体を構成するシートの第一の部分10と第二の部分20が重なった領域の周囲四辺は、いずれも閉じられずに構成されてよいが、収納物の落下を防ぐ、あるいは美観に配慮する、などの目的でいずれかの辺を閉じる場合には、当該する辺の端から端までを閉じてもよいし、当該する辺を部分的に閉じてもよいし、当該する辺を容易に開けられる状態に閉じてもよい。ただし、少なくとも一辺は、収納物の取出口として用いられるように構成しなければならない。
【0050】
挿通部材30aや挿通部材30bは、自在に曲げられる性質を持っていると良い。
【0051】
挿通部材の端については、挿通部材30aの一方の端と他方の端とが繋げられた状態、および、挿通部材30bの一方の端と他方の端とが繋げられた状態、になっているように構成してもよいし、または、挿通部材30aの一方の端と挿通部材30bの一方の端とが繋げられた状態、になっているように構成してもよい。
なお、挿通部材の端は、繋げられた状態になっていなくとも良い。
【0052】
(第4の収納体)
図9(A)は、第4の収納体の斜視図であり、
図9(B)は、第4の収納体の側面図であり、
図9(C)は、第4の収納体に拭き布を保持させた状態の側面図である。
拭き布50を使用する際には、例えば、
図10(A)から
図10(B)の状態に遷移するように、拭き布50を、収納物の取出口10cより第4の収納体の外に出すことができる。
なお、第1~第3の収納体と同様に構成される部分については、重複する説明を省略することがあり、挿通部材30bに関わる事項についても、挿通部材30aと同様である部分については、重複する説明を省略することがある。
【0053】
第4の収納体は、収納体を構成するシートが、略等しい大きさで略方形状の二枚のシートを重ね合わせることによって第一の部分と第二の部分を備えた状態に形成され、この収納体を構成するシートの第一の部分10と第二の部分20が重なった領域の周囲四辺のうち、一辺に沿った領域部分に、開孔10a、開孔20a、開孔10b、開孔20bが設けられ、シートの第一の部分10に設けられた二個の開孔を挿通する状態に、すなわち開孔10aと開孔10bを挿通する状態に挿通部材30aが備えられ、第一の部分10と第二の部分20の間に位置する挿通部材30aの部分に収納物保持用クリップ40が取り付けられ、さらに、シートの第二の部分20に設けられた二個の開孔を挿通する状態に、すなわち開孔20aと開孔20bを挿通する状態に挿通部材30bが備えられ、第一の部分10と第二の部分20の間に位置する挿通部材30bの部分に、先程とは別の収納物保持用クリップ40が取り付けられて構成され、シートの第一の部分10と第二の部分20が重なった領域の周囲四辺のうち、近傍に開孔が設けられた一組の辺は、収納物の取出口を形成する辺10cとされ、収納物の主な取出口として用いられる。
【0054】
第4の収納体は、収納体を構成するシートの第一の部分10と第二の部分20とが、挿通部材30aや挿通部材30bによって繋がらない。収納体を構成するシートが、このように二枚のシートを重ね合わせることによって形成される場合には、そのままでは第一の部分10と第二の部分20とが一体化されない。
この場合、第一の部分10と第二の部分20とを一体化させるには、収納体を構成するシートの第一の部分10と第二の部分20が重なった領域の周囲四辺のうちいずれかの辺または全ての辺を、閉じた状態に構成する。この時、当該する辺の端から端までを閉じてもよいし、当該する辺を部分的に閉じてもよいし、当該する辺を容易に開けられる状態に閉じてもよい。第一の部分10と第二の部分20が重なった領域の周囲四辺のうち全ての辺を閉じる場合には、少なくとも一辺は、収納物の取出口とするために、容易に開けられる状態に閉じる。
【0055】
挿通部材30aや挿通部材30bは、自在に曲げられる性質を持っていると良い。
【0056】
挿通部材30aや挿通部材30bが自在に曲げられる性質を持っていると、拭き布50を収納体より外に出す際に、
図10(A)から
図10(B)の状態に遷移するように、拭き布50を、収納物の取出口10cより収納体の外に出すことができる。
【0057】
挿通部材の端については、挿通部材30aの一方の端と他方の端とが繋げられた状態、および、挿通部材30bの一方の端と他方の端とが繋げられた状態、になっているように構成してもよいし、または、挿通部材30aの一方の端と挿通部材30bの一方の端とが繋げられた状態、になっているように構成してもよい。
なお、挿通部材の端は、繋げられた状態になっていなくとも良い。
【0058】
(収納体の他の構成例)
収納体を、鞄、衣服、エプロン、よだれ掛け、腰ベルト、首など身体の一部、などに取り付けられた状態で使うことができるようにする為に、収納体に、例えば、安全ピン、面ファスナー、ホック、ボタン、カラビナ、チェーン、ワイヤー、バンド付きクリップ、ストラップ、ナスカン、ベルト、紐、などの着脱手段を備え、鞄、衣服、エプロン、よだれ掛け、腰ベルト、首など身体の一部、などに対して容易に着脱ができるように構成することもある。
【0059】
なお、収納体は、鞄、衣服、エプロン、よだれ掛け、腰ベルト、などと一体化させて構成しても良い。最初から一体化させて構成しても良いし、後から、鞄、衣服、エプロン、よだれ掛け、腰ベルト、などに、接着、圧着、縫着、などされても良い。
このように一体化した構成になっていると、収納体の携帯し忘れを防ぐことができ、また、鞄、衣服、エプロン、よだれ掛け、腰ベルト、などを洗う際に同時に収納体も洗われ、便利である。
【符号の説明】
【0060】
10 収納体を構成するシートの第一の部分
10a 開孔
10b 開孔
10c 収納物の取出口を形成する辺
20 収納体を構成するシートの第二の部分
20a 開孔
20b 開孔
30a 挿通部材
30b 挿通部材
40 収納物保持用クリップ(収納物保持用部材の一例として)
50 拭き布(収納物の一例として)
50a 略輪状部分
50b 略紐状部分
50c 略鉤状部分
60 面ファスナー