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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111837
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】空気力学的な水筒
(51)【国際特許分類】
   B62J 9/20 20200101AFI20230803BHJP
   B62J 11/04 20200101ALI20230803BHJP
【FI】
B62J9/20
B62J11/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022189659
(22)【出願日】2022-11-28
(31)【優先権主張番号】17/588,750
(32)【優先日】2022-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521201849
【氏名又は名称】アラ オヘニアン
【氏名又は名称原語表記】Ara Ohanian
【住所又は居所原語表記】3515 Pleasantdale Road, Unit 249, Doraville, Georgia
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】アラ オヘニアン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】自転車用の空気力学的な水筒を提供する。
【解決手段】ある実施形態では、この空気力学的な水筒は、取り付け機構を含む湾曲した前面部を含む。取り付け機構は、第1の締結部材と、第1の締結部材に対向する第2の締結部材とを含む。第1締結部材又は第2締結部材の少なくとも一方は他方から離れて、取付機構を開くように構成される。閉まった位置にあるときには、取付機構は自転車のシートポストが貫通して延びる開口部を含む。開口部は、第1の締結部材の第1の曲面と第2の締結部材の第2の曲面によって形成される。背面部は、水などの液体を貯留するための中空の容器を備えており、さらに注ぎ口も備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気力学的な水筒で、以下から構成されるもの。
取付機構を含む湾曲した前面部を備えたもので、その取付機構が第1の締結部材とその第1
の締結部材に対向する第2の締結部材とを含むもの
第1の締結部材または第2の締結部材の少なくとも一方が、第1の締結部材または第2の締結
部材の他方から離れるように枢動することによって取付機構が開くように構成されるもの
取り付け機構が閉まっている場合、取り付け機構の開口部は自転車のシートポストが貫通
して延びているもの。またその開口部が第1の締結部材の第1の曲面および第2の締結部材
の第2の曲面によって形成されているもの
背面が中空の容器になっており液体を貯蔵できるもので、さらに注ぎ口を備えているもの
【請求項2】
請求項1の空気力学的な水筒で、前述の第1の締結部材または第2の締結部材の少なくとも
一方が、追加の液体を貯留するための第2の中空容器を構成するもの
【請求項3】
請求項1の空気力学的な水筒で、開く時には前述の第1の締結部材と第2の締結部材の両方
が互いに離れるように構成されるもの。
【請求項4】
請求項1の空気力学的な水筒で、前述の背面部が、前面部よりも少なくとも閾値の割合だ
け長い細長い先細りの尾部形状であることを特徴とするもの。
【請求項5】
請求項1の空気力学的な水筒で、前面部が半球または放物線状の湾曲であることを特徴と
するもの。
【請求項6】
請求項1の空気力学的な水筒で、取り付け機構がラッチを備えているもの。この時、閉じ
ている状態ではラッチが前記第1の締結部材または前記第2の締結部材の少なくとも一方が
互いに離れることを防止することを特徴とするもの。
【請求項7】
請求項1の空気力学的な水筒で、開口部の周囲に圧縮が可能なライナーを備えるもの。
【請求項8】
請求項7の空気力学的な水筒で、その圧縮が可能なライナーが第1の曲面上に配置された第
1のライナー部分と、前記第2の曲面上に配置された第2のライナー部分とから構成される
ことを特徴とするもの。
【請求項9】
請求項7の空気力学的な水筒で、圧縮性のライナーが、ゴム、コーティングされた発泡体
、シリコーンのうちの1つで作られていることを特徴とするもの。
【請求項10】
請求項1の空気力学的な水筒で、当該取付機構が、第1の締結部材から前記第2の締結部材
まで延びる閉じるための補助具を備えているもの。この時この閉じるための補助具は、第
1の締結部材と第2の締結部材との間に設置され、シートポストがその間を通過する際に、
この閉じるための補助具を背面部に向かって押すことを特徴とするもの。
【請求項11】
請求項1の空気力学的な水筒で、締結部材が以下から構成されるシームスナップを備えて
いるもの。
キャッチ部が水筒に設置され、これが第1の締結部材のフックを受け止めるもの。
フック部
水筒内に設置されたキックバー、及びアクチュエーター部。この時キックバーはキャッチ
部に対して押されるように構成されており、アクチュエーター部が押されると回転するよ
うに構成されている。
【請求項12】
請求項1の空気力学的な水筒で、第1の締結部材または第2の締結部材の少なくとも一方が
、物品を収納するための収納部と蓋部とを備えるもの。
【請求項13】
空気力学的な水筒で以下から構成されるもの。
湾曲した前面部の開口部に設置された取り付け機構を構成する湾曲した前面部
液体を入れておく中空の容器を構成する背面部で、注ぎ口を備えているもの。
【請求項14】
請求項13の空気力学的な水筒で、取付機構が、湾曲した前面部の開口部内の表面に取り付
けられたツイストロックからなることを特徴とするもの。
【請求項15】
請求項14の空気力学的な水筒で、ツイストロックが対向するピンの系合部を備えており、
それがボトルホルダーのロックピンを受け入れるもの。
【請求項16】
請求項15の空気力学的な水筒で、対向するピン係合部の間に配置されてピボットピンを受
け入れ凹部を備えるもので、ピボットピンを中心に回転するように構成されることを特徴
とするもの。
【請求項17】
請求項13の空気力学的な水筒で、開口部にアクセスするための、湾曲した前面部の外面に
沿った扉を備えるもの。
【請求項18】
請求項13の空気力学的な水筒で、取付機構が、シートポストに取り付けられたボトルホル
ダーの1つまたは複数のガイドピースを受け入れるための1つまたは複数のチャンネルを備
えるもの。
【請求項19】
請求項18の空気力学的な水筒で、1つ以上のチャネルがくさび形または正方形のいずれか
の形状からなるもの。
【請求項20】
請求項13の空気力学的な水筒で、取付機構が、自転車のシートポストに取り付けたボトル
ホルダーの突起部材を受け止める溝を備えていることを特徴とするもの。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
発明の背景
一般的に自転車のライダー(サイクリスト)は自転車と関連機器をできるだけ空気力学的
に優れたものにすることを望む。これにより自転車の空気抵抗を減少させより速く、より
効率的に移動できるようになり、労力が軽減されるからである。
【発明の概要】
【0002】
発明の概要
本発明は空気力学的な形状の水筒に関するものであり、また水筒を自転車のシートポスト
に容易に着脱できるメカニズムに関するものである。本明細書に記載する本発明の革新的
な点は、取り付け機構を含む湾曲したフロント部分を備えた空気力学的な形状の水筒の実
施形態に現れる。この取付機構は、第1の締結部材と、その第1の締結部材に対向する第2
の締結部材とを含む。第1の締結部材または第2の締結部材の少なくとも一つは、第1の締
結部材または第2の締結部材の他方から離れるように回動して、取付機構を開放位置に配
置するように構成されている。閉めている状態では、取り付け機構は開口部を有し、これ
により自転車のシートポストから貫通して延びるように構成される。開口部は、第1の締
結部材の第1の湾曲面と第2の締結部材の第2の湾曲面とによって形成されている。背面部
は、液体を入れておくための中空の内部容器を含み、さらに注ぎ口を含む。
こうした実施形態は以下の特徴のうちの1つ以上を任意に含む。いくつかの実施態様では
、第1の締結部材又は第2の締結部材の少なくとも1つは、さらに液体を追加で入れておく
ための第2の中空容器を含む。ある実施態様では、第1の締結部材と第2の締結部材の両方
は、取付機構を開放位置に配置するために、互いから離れるように枢動するように構成さ
れる。
ある実施態様では、背面部は、前面部よりも細長い先細りの尾部形状を構成しており、そ
の長さは少なくとも前面部よりも所定の割合で長くなっている。前面部は半球状又は放物
線状の湾曲形状を含む。ある実施形態では取り付け機構は、閉じたときに第1の締結部材
または第2の締結部材の少なくとも一方が、第1の締結部材または第2の締結部材の他方か
ら離れるように枢動することを防止するラッチを含む。
ある実施形態では、水筒はその開口部の(少なくとも一部の)周囲に圧縮可能なライナー
を含む。圧縮可能なライナーは、第1の曲面上に配置された第1のライナー部分と、第2の
曲面上に配置された第2のライナー部分とを含む。圧縮可能なライナーは、ゴム、コーテ
ィングされた発泡体、シリコーンのうちの1つで作成できる。
ある実施態様では、取り付け機構は閉じるための補助装置を含み、これは第1の締結部材
から第2の締結部材に延びている。閉じるための補助具は第1の締結部材と第2の締結部材
との間に配置することができ、これによりシートポストが第1の締結部材と第2の締結部材
との間を通過するとき、シートポストが閉めるための補助具を背面部に向かって押すよう
に構成される。
別の実施態様では、取り付け機構は、第1の締結部材に配置されたフック受けるためのキ
ャッチ部を水筒に備えているほか、フック、キックバーも水筒に備えており、アクチュエ
ータも備えている。キックバーは、アクチュエータ部が押されるとそれに呼応してキャッ
チ部に押し付けられ、それを回転させるように構成される。ある実施態様では、第1の締
結部材又は第2の締結部材の少なくとも一方は、物を収納するためのコンパートメントと
蓋を含む。
本明細書に記載された本発明の別の革新的な点は、空気力学的な水筒に現れており、それ
は湾曲した前面部にある。この前面部には開口部取り付け機構が備えられており、背面部
には液体を入れるための中空の容器が設置されている。この背面部には注ぎ口が設置され

ある実施形態では、湾曲した前面部の開口部の表面にはツイストロックが設置される。こ
のツイストロックはピンの係合部を含み、ボトルホルダーのロックピンを受け取るように
構成されている水筒は対向するピン係合部の間に配置される凹部を含み、これによりピボ
ットピンを受け取りってピボットピンを中心に回転されるように構成される
ある実施態様では、水筒は湾曲した前面部の外側にドアが設置されており、これにより開
口部にアクセスする。取り付け機構は1つ以上のチャネルを含み、シートポストに取り付
けられたボトルホルダーの1つ以上のガイドを受け入れるように構成される。このチャネ
ルは、くさび形や正方形形などの形状である。ある実施態様では、取り付け機構は溝を備
えており、自転車のシートポストに取り付けられたボトルホルダーの突出部材を受け入れ
るように構成される。
本明細書に記載された発明の実施形態は、以下の利点のうちの1つ以上を実現するもので
ある。水筒の空気力学的な形状により、自転車のシートポストによる抵抗や水筒自体によ
る抵抗が低減される。これにより自転車のライダーはより速く、より効率的に移動するこ
とができる(例えば、同じ速度で移動するためにライダーが使うエネルギーや労力が少な
くて済む)。
水筒の取り付け機構は、水筒をシートポストに素早く着脱できるように構成されており、
これによりライダーが片手で簡単に水筒をシートポストから取り外し、再びシートポスト
に装着することができ、水筒の装着や再装着時にシートポストを見る必要がないため、ラ
イダーにとって便利である。これにより、水筒の着脱にかかる手間や集中力を軽減し、ラ
イダーの安全性を向上させ、自転車の転倒を避けることができる。
水筒の取り付け機構は、水筒の開口部と自転車のシートポストとの間に適合するように、
内部が変形可能または圧縮可能(例えば、ゴム、シリコーン、コーティングされたフォー
ムライナーなど)である。この内部のライナーにより、ラッチなどの機械的な装置を使わ
ずに水筒をシートポストにしっかりと固定することができ、ライダーがサイクリング中に
水筒を取り外したり、付け直したりすることも容易になる。 水筒とシートポストが密着
することで、自転車の走行中に水筒がシートポストの上下を移動することを防止すること
ができる。これによりシートポストに沿って水筒が移動するため、ライダーは前方から目
をそらすことなく、水筒を探すことができる。
この取り付け機構は、シートポストに設置されるボトルホルダーに取り付けられるように
構成できる。ボトルホルダーはガイドを備えており、水筒が適切な方向を向いて空気力学
を増加または最大化するように、水筒を正しい位置に揃える。例えばボトルホルダーには
ガイドや磁石を用いて、水筒が自転車に対して前方を向くようにする。
本明細書に記載する発明の実施形態の詳細は、添付の図面及び以下の説明で記載する。他
の特徴、態様、利点は、この説明、図面、特許請求の範囲から明らかになると考える。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図の簡単な説明
図1図1Aは、自転車のシートポストに装着される空気力学的な水筒を示すものである。
図2図1Bは、図1の自転車のシートポストに空気力学的な水筒を取り付けた状態の側面図である。
図3図1Cは、図1Aの空気力学的な水筒を閉じた状態の上面図である。
図4図1Dは、図1Aの空気力学的な水筒を開いた状態の上面図である。
図5図2は、ラッチ付きの空気力学的な水筒の上面図である。
図6図3は、閉めるための補助装置を備えた空気力学的な水筒の上面図である。
図7図4は、シームスナップを採用した空気力学的な水筒の上面図である。
図8図5は、水筒のツイストロック取り付け機構を示したものである。
図9図6Aは、図5のツイストロック装着機構が装着されるように構成されたボトルホルダーの上面図である。
図10図6Bは、図6Aのボトルホルダーの透視図である。
図11図7は、空気力学的な水筒の上面図である。
図12図8は、自転車のシートポスト上に水筒を保持するためのボトルホルダーを示したものである
図13図9は、図8のボトルホルダーに取り付けるように構成された空気力学的な水筒の上面図である。
図14図10は、水筒を受けるためのボトルホルダーである。
図15図11は、図10のボトルホルダーに取り付けられるように構成された空気力学的な水筒である。
図16図12は、水筒を受けるための突出した部材を有するボトルホルダーである。
図17図13は、図12のボトルホルダーの突出部材を受け止めて、水筒をボトルホルダーに取り付けるように構成された溝を有する空気力学的な水筒である。
図18図14は、空気力学的な水筒を使用するためのプロセスのフローの例である。
図19図15は、空気力学的な水筒を使用するためのプロセスのフローの例である。同じ参照の番号は、図面を通じて同様の部分を示すものである
【発明を実施するための形態】
【0004】
発明の詳細
本明細書で紹介する水筒は、空気力学的な特性を考慮した形状と、水筒を自転車のシート
ポストなどに取り付けるための取り付け機構を備えている。この水筒ははシートポストに
簡単に着脱できる構造になっており、ライダーが目の前の道から目を離す必要がない。ま
た、水筒がシートポスト上で回転したり、上下に移動したりしないように、シートポスト
にぴったりと、またはきつく取り付けられるように構成することができる。これにより水
筒の空気力学的な利点を最大に活かせる適切な位置および向きに留まるように構成される
。ここでは主に水筒をシートポストに取り付けるという観点で説明しているが、例えば、
ハンドルバー、ハンドルポスト、トップチューブ、ダウンチューブ、シートチューブ、自
転車フレームの他のチューブなどの自転車の他の部分に取り付けるように構成することも
可能である。
この水筒は湾曲した全面部(またはリーディング部分)があり、自転車のシートポストに
正しく取り付けられたときに前方に向くように構成される。この水筒の前方部分は自転車
が前進する際に対向する風と最初に接触する部分であり、水筒の上下左右に風を分断する
。これ以外にも水筒の前面部は、たとえば半球状または放物線状の形状も可能である。ま
た水筒は後部(または後方部分)があり、これも曲線状または細長い先細りの尾部の形態
にすることができる。例えば、涙型または対称的な翼型にして水筒を空気力学的な形態に
することで、自転車走行時の抵抗を低減させることができる。
水筒の前面部および後部は、取り付け機構を含む。取り付け機構は水筒をシートポストに
固定するための締結部材を含む。締結部材は、シートポストの周りに適合する水筒の丸い
開口部を形成できる。一方、もしくは両方の締結部材は他方から開くことでシートポスト
が開口部を通過できるように構成できる。またその後は、締結部材がシートポストの周り
で閉じることができるように構成できる。さらに変形可能または圧縮可能なライナーを開
口部の外壁に取り付けることによって水筒をシートポストにしっかりと取り付けられるよ
うにすることができる。例えば、開口部内にシートポストがないとき、ライナーがあるこ
とによって開口部を標準的なシートポストの直径よりも小さい直径にすることができる。
これはおよそ1.1インチである。例えばボトルがシートポストに取り付けられている場合
のようにシートポストが開口部内にある場合には、シートポストはライナーを圧縮するこ
とによりライナーとシートポストの間にぴったりとした嵌合を提供することができる。
水筒及びその締結部材によって水筒をシートポストにスナップできるように構成すること
が可能であり、これによりライダーが走行中に目の前の道から目を離すことなく水筒を利
用できる。例えば、ライダーが水筒の前面部(又は他の取り付け部分)をシートポストに
押し付けると、シートポストは締結部材(複数可)を強制的に開かせることができる。シ
ートポストが締結部材の端部を通過して開口部に入ると、締結部材はシートポストの周囲
で閉じて水筒がシートポストに取り付けられる。例えば、締結部材はバネを使うことによ
り、締結部材に圧力が加えられていないときには、閉位置の状態で止まることができる。
【0005】
図1A~1Dは、空気力学的水筒100のいくつかの図を示している。図1Aは、自転車150のシー
ト151を保持するシートポスト152に空気力学的な水筒100が取り付けられた状態を示す斜
視図である。図1Bは、シートポスト152に装着された空気力学的な水筒100の側面図である
図1Cは、空気力学的な水筒100が閉じた状態の上面図である。図1Dは、開いた状態の空
気力学的な水筒100の上面図である。
水筒100は、前面部110、後部120、上部130、底部140を含む。図1A及び図1Bに示すように
、水筒100がシートポスト152に適切に取り付けられると、前面部110は自転車150の前部に
面し、後部分120は自転車150の後部に面する。背面部(後部)120は、水又は他の液体を
注ぐことができる注ぎ口(ノズル、もしくは他の適切な飲料のための装置)125と、注ぎ
口125のためのキャップ127とを含む。注ぎ口125は、この例では背面部120上に示されてい
るが、注ぎ口125は水筒100上のどこにでも配置することが可能である。例えば、締結部材
118A及び118B(後述)が背面部120に設置されているときの前面部110や、上部130、底部1
40のいずれかの側、もしくは背面部分120と頂部130から斜め上に延びた部分の交差する部
分でも構わない。
前面部110は湾曲した形状を有しており、その形状は、球状、放物線状、または他の適切
な湾曲した形状でも構わない。そのため前面部110の側面118Aと118Bは、湾曲した形状を
有している。背面部120も、曲線形状や点121で終点に来る細長い先細り形状である。その
ため背面部120の側面128a、128bは、湾曲した形状や細長いテール形状を有する。本明細
書の目的上、細長い尾部は前面部よりも少なくとも閾値の割合で長く設定してある。例え
ば、前部分よりも少なくとも20%、30%、40%、50%などの適切な割合の長さを有する背
面部を有する。背面部120の長さは空気力学、水の容量、さらに水筒100をしっかりと保持
して、シートポスト152に脱着するのに適しているかどうか基づいて決まる。
湾曲した前面部110はその形が、放物線状や半球状の湾曲した形状から細長い尾部の後部1
20に流れる。前面部110はその形が、前面部110の曲率が方向を変える点から後部120に流
れるように構成できる。例えば、水筒100の前方から水筒100を見た場合、湾曲した前面部
110は、最初は水筒100の前部分110上の最前部の点170(図1C及び1D参照)から広がり、後
部120に向かって流れている。図1B(訳者注:図1Cの誤字の可能性がある)の線119で示す
ように、前面部110は、水筒100のいずれかの側の点に到達した後、正面から見たときに、
幅が狭まっていく。この線119は、前面部110から後部120への形状の流れを決めることが
できる。細長い尾部の場合は、線119の中心から後部120上の最も後ろの点までの後部120
の長さは、線119の中心から点170までの前面部110の長さよりも少なくとも一定の割合だ
け長くなる。
ある実施態様では、背面部120は、前面部110と同じ、または類似の湾曲を有する。例えば
、背面部120の形状は、前面部110が閉まった位置にあるとき、前面部110と同じである。
別の実施形態では背面部120は、最背面において平ら、もしくは実質的に平ら(例えば、
閾値未満の曲率)とすることができる。例えば、背面最端部の曲率をある時点で中断させ
て、平坦な端部にするような形状も可能である。
別の実施形態では、水筒100の各側面は翼型形状である。例えば米国航空諮問委員会(NAC
A)の翼型形状である。具体的には側面118Aや128Aを含む水筒100の側面は翼型であり、側
面118Bと128Bを含む水筒の側面も翼型である。例えば水筒100の側面は、水筒100の前面部
110の各側面118Aと118Bに丸みを帯びた前縁を備え、水筒100の後部120の各側面128Aと128
Bに鋭い後縁を備えることもできる。ある実施態様では、水筒100の両側が翼形になる。例
えばNACA翼形である。任意の空気力学に基づいてさまざまな翼型を使用できる。
別の実施態様では、水筒100の側面に複数の溝177があり、それが水筒の前面部から後部ま
で(ただし、必ずしも側面の全長に沿ってではない)延びているものもある。
別の例では、水筒100の側面にフィンが備えられ、それが水筒100の前面部から後部まで(
ただし、必ずしも側面の全長に沿ってではない)延びているものもある。溝177又はフィ
ン間の形状、長さ、幅、深さ(又は高さ)、量、間隔は、水筒100がシートポスト152に取
り付けられたときの水筒100の周りに発生する任意の空気流に基づいて変えることができ
る。
【0006】
図1Aに示す例では上部130と底部140は実質的に平坦である(例えば、閾値未満の曲率を有
する)ように示しているが、上部130と底部140は、自転車150の前部から、または後方か
ら見ると垂直に湾曲している。例えば、放物線状にすることも可能である。水筒100のこ
の空気力学的な形状により、シートポスト152や、ここで説明する形状以外の水筒が引き
起こす抗力を低減する。
別の実施態様では、上部130と底部140は、翼型にすることもできる。上部130と底部140は
、自転車の他の部分に基づいた形状でもよい。例えば、上部130と底部140は、水筒100の
シートポスト152の設置場所に対して、自転車の一方又は両方のタイヤの形状に基づいて
任意の形態にすることができる。例えば、タイヤに触れずにシートポスト152にフィット
するようにしたり、タイヤの形状及び位置と組み合わせたときにより良い空気力学的な流
れを提供できるように形成することが可能である。また別の実施態様では水筒100の側面
は空気力学的な流れを得るために左右対称になっており、翼形または他の曲線形状になっ
ているが、上部130と底部140は左右対称になっていない。
別の実施態様では、底部140から上部130までの水筒100の垂直の高さを伸ばしたものもあ
る。これにより空気力学的な利点を増やすためである。例えば、シートポスト152の大き
な部分を覆うことによってシートポスト152によって引き起こされる抗力を低減する。水
筒100のこの高さは、水筒100の所望のサイズ、重量、容量とバランスをとることになる。
例えば、大きなサイズ(例えば、閾値以上の高さ)を有する水筒100は、自転車150に乗っ
ている時に掴むのが難しくなり、水を充填したときに重くなる可能性がある。
水筒100の少なくとも一部は、水などの液体を貯蔵するための容器を形成する中空の内部
を有する。ある実施態様では、水筒100の一部は他の物品を貯蔵するためのコンパートメ
ントのものある。例えば、水筒100の一部にコンパートメントがあり、水筒100の上面部分
130にコンパートメントにアクセスするための蓋が設置されているものもある。これによ
り、救急用具やスナックなどの追加アイテムを携帯することができる。コンパートメント
は、物品を分離するための仕切り壁を設置することもできる。水筒100は、プラスチック
、金属など適切な材料で作ることができる。
【0007】
図1C及び図1Dでは、水筒100は、第1の締結部材111Aと第1の締結部材111Aに対向する第2の
締結部材111Bが示されている。締結部材111Aと111Bは、水筒100をシートポスト152に取り
付けるための取り付け機構111を形成する。 締結部材111A、111Bの内部の形状としては
、締結部材111A、111Bの間に開口部160を形成している。この開口部160は、図1Aに示すよ
うに、シートポスト152の周囲に嵌合することができる。締結部材111Aは曲面112Aを備え
ており、締結部材111Bは曲面112Aに対向する曲面112Bを備えており、これにより開口部16
0を形成する。両締結部材111A、111Bの一方は、水などの液体などを入れるために中空の
内部がある。例えば、水筒100の背面部120は液体を収納することができ、一方、締結部材
111A及び111Bの一方又は両方は、他の物品を収納するためのコンパートメントにすること
もできる。締結部材111Aと111Bは上部又は底部に蓋をつけて、コンパートメントへのアク
セスを提供することもできる
締結部材111A、111Bの一方または両方は、開閉できるように構成することができる。ここ
では第1の締結部材111Aは、移動したり、開口するようには構成されていない。その代わ
り第1の締結部材111Aは、水筒100の背面部120と一体になっている。背面部120と締結部材
111Aは、水などの液体や、それ以外の物を保持することができる共通の中空容器を形成し
ている。
第2の締結部材111Bは、締結部材111Aから離れる方向に開くように構成される。例えば図1
Dに示すように、締結部材111Bや背面部120は締結部材111Bが可動ジョイント113を含む。
これにより締結部材111Aから離れて開くことを可能にする。このジョイントには、例えば
ヒンジや可撓性プラスチックジョイントを含む。別の実施態様では、締結部材111Aにも同
一又は類似の可動ジョイントを含み、これにより締結部材111Aが開閉することを可能にし
ている。
締結部材111Bは、締結部材111A及び111Bの端部が接触またはほぼ接触する(例えば、1ミ
リや2ミリメートルなどの距離のような小さな距離で離れている)点170で圧力をかけると
開くように構成することが可能である。例えば、ライダーが点170にある締結部材111Aと1
11Bの端部をシートポスト152に押し付けると、締結部材111Bが開き、シートポスト152が
開口160の中に移動できるようになる。点170の締結部材111Aと111Bの端部の間の隙間は、
標準サイズのシートポスト(又は標準サイズのシートポストの閾値以内の直径の丸い物)
が隙間に押し込むことで、締結部材111Bがシートポストの周りに開くようなサイズになる

ある実施態様において、締結部材111Aと111Bの端部は、シートポスト152が締結部材111B
を締結部材111Aから押し出すように構成するものもある。 例えば、点170における締結
部材111Aと111Bの端部を組み合わせると、U字やV字の形になり、ここに開口部内にシート
ポスト152を受け入れるように構成される。ところがそのような形状は、締結部材111Aと1
11Bの端部が閉位置で接触するようにして、締結部材111Aと111Bの表面114Aと114Bの間の
領域に空気が入らないようにする必要がある。そうでない場合に水筒100の空気力学的な
利点を低下させてしまう恐れがある。
締結部材111A、111Bの表面114A、114Bの間には、それぞれ小さな隙間が空いているが、締
結部材111Bを閉じたときに表面114A、114Bが互いに接触または押接するように構成するこ
とができる。これにより水筒100の前面部110が空隙のない連続的な湾曲した外面を有する
ことになり、より良い空気力学的な利点を提供できる。この時、シートポスト152に水筒1
00を取り付ける際に、締結部材111Bをわずかに開くことができる。シートポスト152が締
結部材111Aと111Bの端部を通過すると、締結部材111Bを外すことができる
締結部材111Bはバネを使用することができ、これにより締結部材111Bを開く圧力が加えら
れていないときには締結部材111Bが閉じるように構成することができる。例えば、締結部
材111Bと背面部120の間の点132でバネを接続することができる。別の実施形態では締結部
材111B(と水筒100の残りの部分)を弾力性のあるプラスチックで作成することもできる
。これにより締結部材111Aから離れて開かれることに対して抵抗が働き、締結部材111Bを
開く圧力が加えられていないときに閉じるように構成できる。
別の実施態様では、締結部材111Bの中空の内部に、水など液体を保持することもできる。
例えば、接合部113は、背面部120の中空の内部の間に小さなチャネルを持った可撓性プラ
スチック接合部にすることができる。ジョイント113は、ジョイント113の外面は柔軟な外
壁にして、ジョイント113の内側は柔軟な内壁を用いて形成することができる。これら2つ
の壁の間には隙間を設けることができ、締結部材111Bと背面部120との間に水を流すこと
ができる。こうすることで水筒100に多くの水を保持することができる。
別の実施態様では、締結部材111Bの中空の内部が背面部120の中空の内部とは別になって
いる。ここでは締結部材111Bは、食品、応急処置キットなどの収納に使用することができ
る。締結部材111Bの中空の部分は、物品を収納するための1つ又は複数のコンパートメン
トになっている。締結部材111Bの上部には蓋があり、コンパートメント内の物品にアクセ
スできる。蓋はスナップ式に閉じるように構成できる。別の例では、蓋には締結部材111B
のスロットに嵌合するタブを用いて蓋を閉じるように構成できる。
締結部材111Aと111Bは、前面部分110の一部であるように示しているが、後部120に締結部
材111Aと111Bを含むように構成されることもできる。例えば、背面部120は、細長い先細
りの尾の形などや、翼形状の締結部材を含むことができる。また前面部110は、液体を保
持し、注ぎ口125を有する一体型の丸い形状でも構わない。これにより、ライダーはシー
トポスト152の後方からではなく、シートポスト152の前方から、より簡単に水筒をシート
ポスト152に装着できる。例えば、締結部材111A、111Bが前方にある場合には、締結部材1
11A、111Bをシートポスト152に押し付けることによって、シートポストの後方から水筒10
0をシートポスト152に取り付けることが最も容易である。
別の実施形態では、締結部材111Aと111Bを前面部110や後部120ではなく、水筒100の側面
に設置し、これによりシートポスト152への側面の取り付けを容易にするものもある。ま
た、後述する水筒のデザインでは、締結部材を背面ではなく、前面や側面に形成すること
もできる。
【0008】
図2は、ラッチ280を有する空気力学的な水筒200の上面図である。水筒200は、前面部21と
、後部220、上部230、底部(ここでは示していない)とを含む。図1A~1Dの水筒100と同
様に、水筒200は、湾曲した前面部210と、背部分220によって形成された細長い先細りの
尾部を有する空気力学的な形状をしている。背面部220は、水などの液体を注ぐことがで
きる注ぎ口225と、注ぎ口225のためのキャップ227とを含む。上述したように、注ぎ口は
、水筒の他の部分に設置することができる。
水筒200は、2つの締結部材211Aと211Bを含む取付機構211を含む。締結部材211Aと211Bの
一方または両方は、図1の締結部材111Aと111Bと同様に、開くように構成される。線217A
は、締結部材211Aが接合部213Aを中心に枢動することによって背面部220から離れるであ
ろう場所を示している。同様に、線217Bは、締結部材211Bが関節213Bを中心に枢動するこ
とによって背面部220から離れるであろう場所を示している。関節213A及び213Bは、上述
した関節113と同様に構成することができる。
締結部材211A、211Bの内部は締結部材211A、211Bの間に開口部260を形成している。この
開口部260は自転車のシートポストの周囲に適合する。締結部材211Aは曲面212Aがあり、
締結部材211Bは曲面212Aに対向する曲面212Bがあり、これにより開口部260を形成する。
【0009】
この例では、開口部は、曲面212Aに沿った第1のライナー部分261Aと、曲面212Bに沿った
第2のライナー部分261Bとによって形成される圧縮が可能なライナーを含む。第1ライナー
部分261Aは、例えば接着剤、面ファスナーなどにより湾曲面212Aに取り付けることが可能
である。 同様に、第2のライナー部分261Bも接着剤、面ファスナーなどにより湾曲面212
Bに取り付けることができる。ライナー部分の261A及び261Bは圧縮や変形が可能な素材で
形成され、たとえばゴム、シリコン、コーティングされたフォーム(例えば、ゴム又はプ
ラスチックコーティングされたフォーム)など、他の物体に対して押されると圧縮される
が、他の物体に対して押されていないときは膨張するような素材で形成できる。
ライナー部分261A及び261Bには厚み(それぞれその表面212A又は212Bから外に測定した場
合)を持たせることができ、これによりライナー部分261A及び261Bが圧縮されていないと
きに、開口部260を自転車の標準的なシートポストや水筒200にあうシートポストの直径よ
りも小さい直径にすることが可能である。 締結部材211Aと211Bをシートポストの周りで
閉じると、シートポストがライナー部分261A及び261Bを圧縮する。このように圧縮される
ことによってライナー部分261及び261Bがシートポストに密着し、水筒200がシートポスト
上で動く(例えば、シートポストの上下に動いたり、シートポスト上で回転すること)こ
とを防止する。そのため前面部210は、でこぼこした道でも前を向いたままになり、シー
トポストに水筒200を取り付けた場所に留まることになる。これにより走行中に水筒200を
探す必要がなくなるため、ライダーが集中力を失ったり、制御不能になったり、転倒する
可能性を低減することができる。
ライナー部分261A及び261Bの表面(シートポストと接触する面)は、滑らかでも粗くても
構わない。ある実施態様では、ライナー部分261A及び261Bの表面は、水筒200がシートポ
ストに対して動くのを防止するためのグリップ的な特徴を有するものもある。例えばライ
ナー部分261A及び261Bの表面がグリットまたはディンプル状(例えば、ゴム又はプラスチ
ックディンプルなど)で形成され、摩擦によりライナー部分261A及び261Bがシートポスト
に対して動くのを防いでいる。
取付機構211はラッチ280を含む。このラッチ280は締結用の部材211Bに取り付けられたヒ
ンジ281を含む。このラッチ280はまたヒンジ281に接続されており、このヒンジ281を中心
に揺動するバー282を備えている。これは例えばプラスチックなどの可撓性材料で作られ
た可撓性バーである。バー282の他端は、締結部材211Aに取り付けられているキャッチ283
内に挿入したり、パチっと止めること(スナップ)ができる。例えば、このキャッチ283
にはスナップの一方の半分を含み、ヒンジ281と反対側のバー282の端部に他方の半分を含
むこともできる。他のタイプのファスナーも使用できる。
さらにラッチ280は締結部材211A及び211Bを閉じる機構の代わりに使用することもできる
。例えば、締結部材211A及び211Bにバネ荷重をかける(又は弾力性のあるプラスチック又
は他の適切な材料を使用する)代わりに、水筒200にラッチ280を含むことで、締結部材21
1A及び211Bを開閉することが可能である。別の例では、締結部材211A及び211Bをバネや弾
力性のあるプラスチックから形成するものもある。ここではラッチ280を備えることで、
悪路で締結部材211A及び211Bが開いてしまうことを防止している。
ライダーはラッチ280を開くことで水筒200を取り付けることができる。例えばバー282の
端部をキャッチ283から外して、1つ以上の締結部材211Aや211Bを開く方法である。さらに
締結部材211Aと211Bの端部をシートポストを通すことでき、これによりシートポストが開
口部260内にあるようにすることができる。これにより(ここでは締結部材211Aと211Bに
バネを使用している場合も含む)シートポストで締結部材211Aおよび211Bを閉じることが
できる。シートポストは開口部260内でライナー部分の261Aと261Bを圧縮しており、これ
によりシートポストとライナー部分261Aと261Bとの間にぴったりと接合させる。その後、
バー282の端部をキャッチ283にスナップさせることによって、ラッチ280を閉じることが
できる。
ライダーはラッチ280を開いてシートポストから水筒200を取り外すことができる。例えば
、キャッチ283からバーの端部を外す場合である。その後一方を他方から引っぱたり、両
方を互いに離れるように引っぱることによって、締結部材211aと211bを開くことができる
。そして水筒200をシートポストから取り外して、水筒200内の水などを飲むことができる
【0010】
図3は、閉じるための補助具である380を備えた水筒300の上面図である。この水筒300は、
前面部310と、背面部320と、上部330と、底部(ここでは示していない)を含む。図1A~1
Dの水筒100と同様に、水筒300は、湾曲した前面部310と、背面部320によって形成された
細長い先細りの尾部を有しており、空気力学的な形状を有している。背面部320は、水な
どの液体を注ぐための注ぎ口325と、注ぎ口325のためのキャップ327がある。
水筒300は、2つの締結用部材311Aと311Bを備える装着機構311を含む。この例では、締結
部材311Aと311Bの両方が開くように構成されている。締結部材311Aは、接合部313Aを中心
にして回して開くことができる。同様に、締結部材311Bは、接合部313Bを中心にして回し
て開くことができる。接合部313Aと313Bは、上述した接合部113と同様に構成することが
できる。例えばバネを使うことも、使わないことも可能である。
締結部材311Aと311Bが閉まった位置にあるときには、締結部材311Aと311Bの内部の形が締
結部材311Aと311Bの間に開口部360を形成する。この開口部360は、自転車のシートポスト
の周囲に適合するように構成できる。締結部材311Aは曲面312Aを、締結部材311Bは曲面31
2Aの反対側に曲面312Bを備えることで、開口部360を形成している。ここでは図示しない
が、締結部材311A及び311Bは、図2の水筒200のライナー部分261A及び261Bと同様に、開口
部360の内壁に取り付けられたライナーを備えることもできる。
閉じるための補助具380は、締結部材311Aと311Bをシートポストの周囲に閉じることを容
易にするものである。この閉じるための補助具380は、締結部材311A及び311Bの表面317A
と317Bのそれぞれにストリップやバンドなどの素材を取り付けるものである。例えばこの
閉じるための補助具380は、外側の表面317A及び317Bに取り付けた可撓性プラスチックの
薄いストリップや薄い弾性バンドである。この閉じるための鎖補助具380の取り付けは、
接着剤、ねじ切りなどの適切な技術を使用して外側表面317A及び317Bに取り付ける。
閉じるための補助具380は、2つの締結部材311Aと311Bの間に延びている。締結部材311A及
び311Bが開いているときは、ライダーは閉鎖補助具380と接触するように、自転車のシー
トポストに向かって水筒300の前面部310を押すことができる。これによりシートポストが
締結部材311A及び311Bの間に入り、閉じるための補助具に触れることになる。これにより
、閉じるための補助具380が締結部材311A及び311Bを閉鎖位置に引っ張る。
閉じるための補助具380はたとえば締結部材311Aと311Bがバネ式でない場合でも、その他
の方法で閉じるように構成されている実施形態においても使用できる。閉じるための補助
具380は単独、またはラッチと共に使用でき、例えば図2のようにラッチ280と組み合わせ
て使用することができる。閉じるための補助具380は、走行中にシートポストの周囲でラ
イダーが水筒300を閉じることを可能にする。しかも視点を前方の道から逸らすことなく
、シートポストの周囲で締結部材311Aと311Bを閉じるために両手を使わずに水筒300を閉
じることを可能にする。
【0011】
図4はシームスナップ490A及び490Bを備えた空気力学的な水筒400の上面図である。水筒40
0は、前面部410、背面部420、上部430、底部(ここでは図示しない)を含む。図1A~1Dの
水筒100と同様に、水筒400は、湾曲した前面部410と、背面部420によって形成された細長
い先細りの尾部を有しており、空気力学的な形状を有している。背面部420は、水などの
液体を注ぐための注ぎ口425と、注ぎ口425のためのキャップ427がある。
水筒400は、2つの締結用部材411Aと411Bを備える装着機構411を含む。この例では、締結
部材411Aと411Bの両方が開くように構成されている。締結部材411Aは、接合部413Aを中心
にして回して開くことができる。同様に、締結部材411Bは、接合部413Bを中心にして回し
て開くことができる。接合部413Aと413Bは、上述した接合部113と同様に構成することが
できる。
締結部材411Aと411Bが閉まった位置にあるときには、締結部材411Aと411Bの内部の形が締
結部材411Aと411Bの間に開口部460を形成する。この開口部460は、自転車のシートポスト
の周囲に適合するように構成できる。締結部材411Aは曲面412Aを、締結部材411Bは曲面41
2Aの反対側に曲面412Bを備えることで、開口部460を形成している。ここでは図示しない
が、締結部材411A及び411Bは、図2の水筒200のライナー部分261A及び261Bと同様に、開口
部460の内壁に取り付けられたライナーを備えることもできる。
シームスナップ490Aと490Bは、ライダーが締結用の部材411A、411Bを開閉して水筒400を
着脱することを可能にするためのものである。シームスナップ490Aは、キッカーバー491A
、キッカーバー491Aの端部に設けられたアクチュエータ部492A、キャッチ部493A、フック
部494Aを含む。アクチュエータ部492Aは、水筒400の外装に設けられたボタンを含む。キ
ャッチ部493Aは水筒400内に配置されており、フック部494Aを受け入れるための開口を備
えている。フック部494Aは、締結部材411Aに取り付けられるか、締結部材411A上に設置さ
れる。
キャッチ部493Aは、締結部材411Aが閉位置にあるときにフック部494Aを受け入れて保持す
るような形状の中空内部になっている。キャッチ部493Aとフック部494Aの形状は、キャッ
チ部493Aが特定の方向、例えば図4の上の方向に押されない限り、フック部がキャッチ部4
93Aから解放されないように保持する。キャッチ部493Aはプラスチックまたはゴムなどの
半柔軟だが弾力性のある材料で作ることができる。これによりキャッチ部493Aをキッカー
バー491Aで押すことができ、しかも押されていないときには所定の位置に引っ込むように
構成することが可能である。
キッカーバー491Aがキャッチ部493Aに圧力を加えていない位置にある場合、キャッチ部49
3Aがフック部494A受け止めており、締結部材411Aが開くのを防止する。締結部材411Aを開
くためには、ライダーがアクチュエータ部492Aを押してキッカーバー491Aを押す。これに
よりその他端がキャッチ部493Aに押し付けられる。キッカーバー491Aがキャッチ部493Aを
十分な量だけ回転させると、フック部493Aがキャッチ部493Aから解放される。これで締結
部材411Aが開く。
ある実施態様では、締結部材411Aを、閉じた状態で押されない限り開位置に留まるように
バネで負荷をかけることものもある。例えば圧縮バネを締結部材411Aと水筒400の背面部
分420との間の点499に取り付けておくことで、締結部材411Aを閉じるために圧力ない場合
には締結部材411Aを開く位置のままにすることができる。
キッカーバー491Aが解放されたら、たとえばアクチュエータ部492Aを解放することで、キ
ャッチ部493Aを元の位置に戻すことができる。その後ライダーが締結部材411Aを内側に押
してフック部494Aがキャッチ部493Aに完全に入れることにより、締結部材411Aを閉じるこ
とができる。
キッカーバー491Aとキャッチ部493Aは、プラスチックや金属などの水などの液体にさらさ
れるのに適した他の材料で作られる。このようにして、キッカーバー491A及びキャッチ部
493Aは、水が貯蔵される水筒400の主容器内にあることができる。いくつかの実装では、
主容器は、キッカーバー491A及びキャッチ部493Aが配置される領域まで延びないことがあ
る。この例では、キッカーバー491A及びキャッチ部493Aに他の材料を使用することができ
る。
シームスナップ490Bには、キッカーバー491B、キッカーバー491Bの端部に設けられたアク
チュエータ部492B、キャッチ部493B、フック部494Bを含む。シームスナップ490Bはシーム
スナップ490Aと同様に構成され、締結部材411Bを開閉することができる。ライダーがアク
チュエータ部492A及び492Bを押すことにより、締結部材491Aと491Bを開くことができる。
その後シートポストから水筒400を取り外したり、シートポストの周囲に締結部材411Aと4
11Bを配置して、水筒をシートポストに取り付けることもできる。さらに締結部材を閉じ
てフック部494A及び494Bをそれぞれのキャッチ部493A及び493Bにロックすることで、水筒
400をシートポストに取り付けることができる
【0012】
図5図13は、シートポストに水筒を取り付けるための追加の取り付け機構を示す。この
取り付け機構は、シートポストにボトルホルダーを取り付けるように構成される。この取
り付け機構は、水筒をシートポストに取り付けると同時に、水筒を適切な空気力学的方向
、例えば、水筒の前面部が自転車に対して前方を向くように配置するように構成される。
この取り付け機構は、金属、プラスチックなどの適切な材料で作ることができる。
図5は、水筒用のツイストロック取り付け機構500を示した図である。図6Aは、ツイストロ
ック取り付け機構500を取り付けるように構成されたボトルホルダー600の上面図である。
図6Bは、図6Aのボトルホルダー600の透視図である。図7は、ツイストロック取り付け機構
500を含む空気力学的な水筒700の上面図である。
省略してツイストロック500とも呼ぶ、このツイストロック取り付け機構500は、ボトルホ
ルダー600のピボットピン615を受け入れるための円形の凹部510を備えている。さらにツ
イストロック500は対向ピンの係合体520A及び520Bを備えており、ツイストロック500がボ
トルホルダー600のサポート部610に取り付けられる際に、ロックピン620A及び620Bを受け
るように構成される。
ボトルホルダー600は、ボトルホルダー600を自転車のシートポストに取り付けるためのス
トラップ630A及び630Bを含む。各ストラップ630A及び630Bは、シートポストの周囲を包む
ものである。ある実施態様では、ボトルホルダー600は、シートをシートポストから取り
外された状態で、シートポストの周囲にストラップ630A及び630Bを挿入することによって
シートポストに設置するものもある。別の実施態様では、各ストラップ630Aおよび630Bは
、ストラップ630Aおよび630Bを切断してシートポストに巻き付け、再び接続して、シート
ポストの所定の位置に締め付けることができるバックルなどの長さを調節可能なストラッ
プを用いたものもある。ストラップ630Aおよび630Bの調整を可能にするバックルの場合、
ライダーは、ボトルホルダー600がシートポストの上下に移動しないように締め付けるこ
とができる。
ツイストロック500とツイストロックが取り付けられた水筒をボトルホルダー600に取り付
けるには、円形の凹部515をピボットピン615と揃えるとともに、ピン係合部520Aおよび52
0Bをロックピン620Aから離れるように回す。その後ピボットピン615が凹部510に挿入され
るまで、水筒をボトルホルダー600の方に押す。ピボットピン615が凹部510内にある状態
で水筒とツイストロック500を回すことにより、ピン係合体520Aがロックピン620Aの周り
の所定の位置にロックされ、ピン係合体520Bがロックピン620Bの周りの所定の位置にロッ
クされる。
ロックピン620Aはヘッド621Aと本体622Aからなる。ピンの係合器520Aは広い入口点521Aを
有し、これが丸い領域522Aに伸びており、耳621Aとサポート部610との間本体622Aの周り
に巻き付けるように構成されている。ボトルホルダー600に対してツイストロック500を回
転させると、本体622Aがエントリポイント521Aを通って移動し、ピン係合器520Aの丸い領
域522Aの所定の位置にパチンとはまることになる。
同様に、ロックピン620Bは、ヘッド621Bと本体622Bとを含み、ピン係合器520Bは、広い入
口点521Bを有し、これが丸い領域522Bに伸びており、耳621Bとサポート部610との間本体6
22Bの周りに巻き付けるように構成されている。ボトルホルダー600に対してツイストロッ
ク500を回転させると、本体622Bがエントリポイント521Bを通って移動し、ピン係合器520
Bの丸い領域522Bの所定の位置にパチンとはまることになる。
【0013】
図7では、空気力学的な水筒700は、前面部710、背面部720、上部730、底部(ここでは図
示しない)を含む。図1A~1Dの水筒100と同様に、水筒700は、湾曲した前面部710と、背
面部720によって形成された細長い先細りの尾部を有しており、空気力学的な形状を有し
ている。背面部720(又は水筒700の他の部分)は、注ぎ口125と同様の注ぎ口と、そのキ
ャップ127と同様のキャップとを含む。
水筒700は、2つの締結用部材711Aと711Bを備える装着機構711を含む。この例では、締結
部材711Aと711Bの両方が開くように構成されている。締結部材711Aは、接合部713Aを中心
にして回して開くことができる。同様に、締結部材711Bは、接合部713Bを中心にして回し
て開くことができる。接合部713Aと713Bは、上述した接合部113と同様に構成することが
できる。
締結用部材711Aと711Bが閉まった位置にあるときには、締結部材711Aと711Bの内部の形が
締結部材711Aと711Bの間に開口部760を形成する。この開口部760は、自転車のシートポス
トの周囲に適合するように構成できる。締結部材711Aは曲面712Aを、締結部材711Bは曲面
712Aの反対側に曲面712Bを備えることで、開口部760を形成している。この開口部760は、
ボトルホルダ600が取り付けられる自転車のシートポスト761の周囲に嵌合することができ
る。
ツイストロック500は水筒700に取り付けられる。また図7で示すようにボトルホルダー600
に取り付けられている。ツイストロック500は接着剤や機械的ファスナーを使用して水筒7
00に取り付けることができる。別の例では、ツイストロック500は、水筒700の一体的な部
分として形成される。
この上面図ではサポート部610の上部を示すとともに、ツイストロック500の上部と頭部62
1Aの上部とを示している。ボトルホルダー600はシートポスト761に取り付けることができ
る。ツイストロック500は水筒700をツイストロックでボトルホルダー600に適切に取り付
ける場合、水筒700の前面部710が前方を向き、水筒の上部および底部が整列するため、例
えば自転車がそのタイヤでまっすぐに立っていれば地面と平行になるように水筒700に取
り付けることができる。
取付機構700はラッチ780を含む。このラッチ780は締結用の部材711Bに取り付けられたヒ
ンジ781を含む。このラッチ780はまたヒンジ781に接続されており、このヒンジ781を中心
に揺動するバー782を備えている。これは例えばプラスチックなどの可撓性材料で作られ
た可撓性バーである。バー782の他端は、締結部材711Aに取り付けられているキャッチ783
内に挿入したり、パチっと止めること(スナップ)ができる。
さらにラッチ780は締結部材711A及び711Bを閉じる機構の代わりに使用することもできる
。例えば、締結部材711A及び711Bにバネ荷重をかける(又は弾力性のあるプラスチック又
は他の適切な材料を使用する)代わりに、水筒700にラッチ780を含むことで、締結部材71
1A及び711Bを開閉することが可能である。別の例では、締結部材711A及び711Bをバネや弾
力性のあるプラスチックから形成するものもある。ここではラッチ780を備えることで、
悪路で締結部材711A及び711Bが開いてしまうことを防止している。
【0014】
図8は、水筒を受けるためのボトルホルダー800を示す図である。図9は空気力学的水筒900
の上面図であり、図8のボトルホルダー800に取り付けるように構成されている。ボトルホ
ルダー800は、自転車のシート851を保持するシートポスト852の周りに合うスリーブ811を
含む。スリーブ811はシートポストクランプを含み、これによりスリーブ811をシートポス
ト852に締め付けることを可能にする。別の例では、スリーブ811は締め付けるためのボル
トを備えている。これはスリーブ811の一部を貫通しており、回転させることでシートポ
スト852に対してスリーブ811を締め付ける。他のタイプの取り付け機構も、ボトルホルダ
ー800をシートポスト852上の所定の位置に維持するために使用することができる。
ボトルホルダー800は、互いに間隔を空けて配置された上部ガイドピース812Aと下部ガイ
ドピース812Bを含む。ガイドピース812Aと812Bは例えば水筒900のチャネルに挿入するこ
とで、水筒をシートポスト上の正しい位置に案内するように構成できる。この例では、ボ
トルホルダー800は、2つの正方形状のガイドピース812A及び812Bを含む。水筒900に2つの
チャネルを備えて、ライダーが水筒900をボトルホルダー800に取り付けるときにこのチャ
ネルがガイドピース812Aと812Bを受け入れることもできる。他の例ではボトルホルダー80
0は、図10のボトルホルダー1000と同様の1つのガイドピースでも良いし、2つ以上のガイ
ドピースでも構わない。また、他の形状、例えば、円形、三角形などを使用することもで
きる。ボトルホルダー800に取り付ける水筒の内部のチャンネルは、ガイドピースがチャ
ンネル内にぴったりと収まり、自転車の走行時に動かない(またはほとんど動かない)よ
うに、(チャンネル内に挿入されるガイドピースの部分について)同じ形状およびサイズ
であることが望ましい。ガイドピース812Aと812B、およびチャネルは、水筒900がボトル
ホルダー800に取り付けられたときに、水筒の前面部910が自転車に対して前方を向くよう
に構成され、これにより水筒が適切な空気力学的な向きになるように構成される。また、
ガイドピース812Aと812Bは、水筒がシートポストに取り付けられている間、常に空気力学
的な特性を維持するために、自転車が移動しているときだけでなく、段差のある地形を走
行しているときでさえ、水筒が移動することを防止する。
ガイドピース812Aと812Bは距離820だけスリーブ811の外面から延びる(例えば、オフセッ
トされる)ことが可能である。これによりガイドピース812Aと813Bの一部が水筒900のチ
ャネル内に延びることを可能にしている。ガイドピース812A及び812Bはチャネルの深さと
同じかそれよりわずかに小さい距離820をスリーブ811の外面から延出することができる。
これにより水筒900がガイドピース812Aと812B上に嵌り、水筒900のドア990がシートポス
ト852の反対側で閉じることができる。距離820は、例えば1~4mmであり、1mm、2mm、3mm
、4mm、又は1~4mmの間の任意の距離である。
この例では、ガイドピース812Aと812Bは、その4つの側面のそれぞれにおいてスリーブ811
から延在している。別の実施例では、水筒900がシートポスト852に取り付けられたときに
水筒900のチャネルに挿入される側からのみ延在するものもある。
【0015】
図9で示す水筒900は、図1A図1Dの水筒100と同様である。水筒900は、前面部910、背面
部920、上部930、底部(ここでは示していない)を含む。図1A~1Dの水筒100と同様に、
水筒900は、湾曲した前面部910と、背面部720によって形成された細長い先細りの尾部を
有しており、空気力学的な形状を有している。背面部920は、注ぎ口125と同様の注ぎ口と
、そのキャップ127と同様のキャップとを含む。
水筒900は、水筒900の開口部960への扉990も含む。開口部960は、壁974A~974Cによって
形成され、自転車のシートポスト965を受け入れるように構成される。 水筒900は、開口
部960を形成するために欠ける部分を除き、水などを貯蔵するために中空である。壁974A
~974Cは、水筒900がボトルホルダー800に取り付けられたときにボトルホルダー800のガ
イドピース812A及び812Bを受け入れるためのチャネルを設置できる。 図11ではガイドピ
ースを受け取るためのチャネルの例を示しており、以下説明する。図11の例は、ガイドピ
ース812A及び812Bを受け入れるための正方形又は長方形の形状を有する2つのチャネルを
設置できるように調整したものである。チャネルとドア990は水筒900をボトルホルダー80
0に取り付けるための取り付け機構を形成する。つまり、シートポストに設置するための
取り付け機構である。
さらに、水筒900には、水筒900をシートポスト965に保持するための磁石972も含みうる。
ボトル900内の水が磁石972に接触しないようにするため、磁石972は水筒900内のポケット
に設置する。この例では、単一の磁石972が示されているが、磁石はシートポストのいず
れかの側に配置することができるほか、ここで説明するいずれの水筒にも使用できる。
【0016】
図10は、水筒を受けるためのボトルホルダー1000を示したものである。 図11は、図10
ボトルホルダー1000に取り付けるように構成された空気力学的な水筒1100を示したもので
ある。ボトルホルダー1000は楔形のガイドピース1010を含み、これはスリーブ1015に取り
付けることも、スリーブ1015と一体に形成することも可能である。スリーブ1015は自転車
のシート1051を保持するシートポスト1052上の所定の位置にボトルホルダー1000を保持で
きるのであれば、図8のスリーブ811と同じ、または類似のもので構わない。
くさび形のガイドピース1010は、一方の側に高い面1011があり、反対側に短い面1012(高
い面1011より短い)を有することでくさび形を形成している。楔形ガイドピース1010は、
水筒1100の開口部1110内のチャネル1130に適合するように構成される。短い面の1012は、
スリーブ1015の最も近い外面から特定の距離(1030で示すように)だけ伸びて(例えばオ
フセット)おり、その長さは例えば1ミリメートル(mm)、2mm、3mm、1~4mmの間のいず
れか、もしくはそれ以外の適切な距離である。 この長さは、短い面1012を含んだくさび
形ガイドピース1010の端部が、水筒1100のチャネル1130に収容される距離である。ある実
施態様では、短い面1012の高さは、1~4mm(例えば、1mm、2mm、3mm、4mm)、もしくはそ
れ以外の適切な高さである。ある実施態様では、短い表面は丸みを帯びているものがあり
、または実質的に高さがなく、例えばエッジで終わっているものもある。水筒がシートポ
ストに取り付けられている間、適切な空気力学を維持するために、くさび形ガイドピース
は1010はガイドピース812A及び812Bと同様に、自転車の走行中や段差を走行しているとき
でさえ水筒が動くことを防止するものである。
図11では水筒1100は、チャネル1150を追加しており、図9の水筒900と同様になる。例えば
水筒1100は空気力学的な形状をしており、前面部1110、背面部1120、上部1130、底部(こ
こでは示していない)、シートポスト1052の周りに適合する開口部1160にアクセスするド
ア1190を有している。水筒1100は、水筒900や本書に記載された他の水筒と同じ空気力学
的形状を有する。ライダーはドア1190を開いて、水筒1100をシートポスト1052の方に移動
させて、シートポスト1052を開口部1160に入れることで、水筒1100をボトルホルダー1000
に取り付けることができる。
チャネル1150は、楔形ガイドピース1010を受け入れるための屋根部分1151と床部分1152を
含む。ライダーはドア1190を開いて、水筒1100をシートポスト1052の方に移動させて、シ
ートポスト1052を開口部1160に入れることで、水筒1100をボトルホルダー1000に取り付け
ることができる。ライダーは、水筒1100のチャネル1160の端部を、短い面1012を持った楔
形のガイドピース1010と揃えることができる。チャネル1160の開口部は短い面1012よりも
広くかつ高くすることができ、これによりライダーがこの位置合わせを正確に行う必要を
なくすことができる。チャネル1160は水筒1100の外側から中央部に向かって幅と高さが徐
々に減少している。これにより楔形のガイドピース1010がスリーブ1015まで完全に挿入さ
れたときにチャネル1150にぴったりと収まる。完全に挿入されると、ドア1190を閉じるこ
とができる。チャネル1150とドア1190は、水筒1100をボトルホルダー1000に取り付けるた
めの、そしてそれはさらにボトルホルダー1000をシートポストに取り付けるための取り付
け機構を形成している。
1155で示すように、チャンネルの後壁におけるチャンネル1150の高さは、短い面1012の高
さ1020と同じか、それよりわずかに高くすることができる。チャネルの残りの部分1150の
高さは、これと同じように、同じ高さか、それよりもわずかに高くすることができる。
ボトルホルダー1000はシートポスト1052に取り付けらており、水筒1300を楔形ガイドピー
ス1010に適切に取り付けると、水筒1100の前部1110が前方向に向くように構成されており
、水筒1100の空気力学的な特性を最大限に発揮させる。ボトルホルダー1000と水筒1100が
適切な位置にあるとき、これ以外の空気力学的な特性を失うような方法で水筒1100をボト
ルホルダー1000に取り付けることはできない。したがって、くさび形ガイドピース1010と
チャネル1160は、取り付け機構および空気力学的な位置合わせ機構の両方として機能する

図12は、水筒を受けるための突出部材1215を有するボトルホルダー1200を示している。図
13は、図12のボトルホルダー1200の突出部材1215を受け止めることで、ボトルホルダー12
00に水筒1300を取り付けるように構成された溝1350を有する空気力学的な水筒1300である
。ボトルホルダー1200は、突出部材1215と、スリーブ1210を含む。スリーブ1210は、自転
車のシート1251を保持するシートポスト1252にボトルホルダー1200を固定するものであれ
ば、図8のスリーブ811と同じもの、または類似のもので構わない。
この例では、突出部材1215は長方形であり、長方形の溝1350にしっかりと嵌る。ある実施
態様では突出部材1215の上部は楔形になっており、ライダーが水筒1300をボトルホルダー
1200に取り付ける際に、溝1350を突出部材1215の所定の位置に誘導する。
図13の水筒1300は、溝1350を追加して、図9の水筒900と同様にすることができる。例えば
水筒1300は空気力学的な形状をしており、前面部1310、背面部1320、上部1330、底部(こ
こでは示していない)、シートポスト1252の周りに適合する開口部1360にアクセスするド
ア1390を有している。
水筒1100は、水筒900や本書に記載された他の水筒と同じ空気力学的形状を有する。ライ
ダーはドア1190を開いて、水筒1300をシートポスト1252の方に移動させて、シートポスト
1252を開口部1360に入れることで、水筒1300をボトルホルダー1200に取り付けることがで
きる。水筒1300は、溝1350が突出部材1215の上方に位置するように配置されることが好ま
しい。これにより、ライダーは水筒1300を下げて、突出部材1215を溝1350にいれることが
できる。このとき、水筒1300をボトルホルダー1200上に保持しつつ、水筒1300の空気力学
的な特性を向上、または最大化することができる。その後水筒1300のドア1390を閉じるこ
とができる。
ボトルホルダー1200は、突出部材1215がシートポスト1252の背面に位置するようにシート
ポスト1252に取り付けられる。この位置では、水筒1300の前部分1310が前方向を向き、水
筒1300の空力特性を最大化する。突出部材1215と溝1350が適切な位置にあるとき、水筒13
00にとって適切な空気力学的方向である方法以外の方法で水筒1300をボトルホルダー1200
に取り付けることはできない。このように、ボトルホルダー1200および溝1350は、取り付
け機構および空気力学的な位置合わせ機構の両方として機能する。
図14は、空気力学的な水筒を使用するための例示的なプロセス1400のフロー図である。プ
ロセス1400は、自転車のライダーが実施できる。空気力学的な水筒は、本書で説明した水
筒のうちの1つで構わない。
自転車のライダーは、空気力学的な水筒(1402)に水を入れる。水筒のキャップを外して
、水筒に水や他の液体などを入れることができる。
ライダーは、水筒を自転車のシートポストに取り付ける(1404)。例えば、自転車に乗り
に行く前に水筒をシートポストに取り付けることができる。ある実施態様では、ライダー
が水筒の前部をシートポストに押し付けることによって、水筒をシートポストに取り付け
ることができるものもある。例えば、前述のように、水筒の締結部材の端部に圧力が加え
たときに、一方または両方の締結部材が他方の締結部材から離れるように開くように構成
することができる。
別の実施態様では、ライダーは、一方の締結部材を他方の締結部材から引き離すことがで
きる。この例では、シートポストが2つの締結部材によって形成される開口にあるとき、
その水筒の前部分をシートポストに向かって押して、締結部材を閉じることができる。
水筒がラッチを有する実施態様では、ライダーは、ラッチを開いてから、一方の締結部材
を他方の締結部材から引き離すことができる。シートポストが2つの締結部材によって形
成された開口部にある場合は、シートポストに向かって水筒の前部を押して締結部材を閉
じることができ、それからラッチを閉じることができる。
水筒が閉じるための補助具を有する場合の実施態様では、ライダーは、締結部材の一方を
他方の締結部材から引き離すことが可能である。その後水筒の前部をシートポストの方に
押すことで、シートポストが2つの締結部材の間に入れる。するとシートポストが開口部
に向かって閉じるための補助具を押すことになり、閉じる補助具がシートポストの周りで
締結部材を引っ張ることになる。
水筒がシームスナップを有する実施態様では、ライダーは、シームスナップのボタンを押
すことで締結部材を解除して、締結部材を開くことができる。その後水筒の前部をシート
ポストに向かって押すと、シートポストが2つの締結部材の間に入り、2つの締結部材の間
に形成される開口部に入る。
ライダーは、シートポストから水筒を着脱できる(1406)。水筒は、容易に着脱可能な取
付機構を有しているため、走行中に水筒をシートポストから着脱することができる。 水
筒がラッチやシームスナップを有しない場合でも、ライダーは、単に片手でその下の水筒
に手を伸ばし、水筒をつかみ、シートポストが2つの締結部材の間を通過するように、水
筒をシートポストから離れるように後方に引いて、水筒をシートポストから引き離すこと
ができる。水筒がラッチを備えている場合、ライダーは、まずラッチを開き、次に水筒を
シートポストから引き抜くことができる。水筒がシームスナップを備えている場合、ライ
ダーはボタンを押して締結部材を解除してから、水筒をシートポストから引き抜き抜く。
ライダーがボトルから水を飲む(1408)。ライダーは、注ぎ口からキャップを外して、水
筒の中にある水などの液体でも飲むことができる。
ライダーが水筒をシートポストに戻す(1410)。最初に水筒をシートポストに取り付ける
のと同様の方法で、水筒をシートポストに再装着することができる。例えば水筒の前部分
をシートポストに押し付ければ、片手で水筒を再装着できる。水筒にラッチがある場合は
、ライダーがシートポストから水筒を取り外したと気にすでにラッチが開いている場合が
ある。この場合はラッチのバーをキャッチにはめ込むなどして、ラッチを再度固定するだ
けでよい。
図15は、空気力学的な水筒を製造するための例示的なプロセス1500のフロー図である。プ
ロセス1500の操作は、製造装置又は手動で行う。
プラスチックを1つ以上の金型に注入する(1502)。鋳型は鋼などの適切な金属か、それ
以外の材料で形成することができ、上述した水筒や、そのいずれかのパーツの形状にする
。溶融したプラスチックを、適切な技術を使用して金型に注入する。例えば図11の水筒11
00のように1つ以上のチャネルを有する水筒の場合、金型にチャネルを備える。
金型内のプラスチックを固める(1504)。溶融したプラスチックが金型内で固まるまで、
空気、水、冷却チャネル、バフラーなどを用いてを冷やす。
成形されたプラスチックに対してポストキュア処理を行う(1506)。例えば、水筒が複数
のパーツから成り立っている場合、これを取り付ける。Inaparticularexample,ifafasten
ingmember(e.g.,fasteningmember111BofFIGS.1A~1D)isattachedtotherestofthewaterbot
tleusingahingeoranotherappropriatemechanism,thefasteningmembercanbeattachedtothe
waterbottleaftertheplasticiscured. Inanotherexample,groovescanbeformedintothesi
desofawaterbottleaftercuring,e.g.,bycuttingplasticawayfromthesidestoformthegroov
es.
ある実施形態では、水筒に締結用の部材(例えば、図1A図1Dの締結部材111B)がヒンジ
などで取り付けられる場合には、このプラスチックが硬化した後に水筒に取り付けられる
。別の実施形態では、硬化後に水筒の側面に溝を形成することができる。例えばプラスチ
ックを側面から切り離すことによって、溝を形成するなどである。
水筒には、1つ以上の取り付け機構が備えられている(1508)。例えば図2のラッチ280は
、水筒の前部分に取り付けることができる。また、例えば閉じるための補助具380など閉
じるための補助具、は、水筒の締結部材の間の開口部内に取り付ける。図4のシームスナ
ップ490A及び490Bなどのシームスナップも、水筒に取り付けることができる。また例えば
図5のツイストロック取り付け機構500などのツイストロック取り付け機構は、水筒の締結
部材間の開口部に取り付けられる。また、図11のドア1190などのドアは、ヒンジを用いて
水筒に取り付けることもできる。
すでに述べたように本書で説明した水筒は、自転車の他の部分、例えば、ハンドルバー、
ハンドルバーポスト、トップチューブ、ダウンチューブ、シートチューブ、自転車フレー
ムの他のチューブなどに取り付けられるように構成することも可能である。取り付け機構
をシートポストよりも大きい又は小さい直径を有する管に取り付けるように構成すること
で、水筒を取り付けることができる。例えば、2つの締結部材の間の開口部の直径を、水
筒を取り付けるチューブの直径に基づいて増減することもできる。
水筒の取り付け機構や注ぎ口などの部品の位置は、水筒を取り付ける管によって構成され
る。例えば、ハンドルバーに取り付ける場合、水筒の底面に水筒の開口部の扉を設ける。
この明細書ではさまざまな実施形態を紹介しているが、これを発明の範囲や請求の範囲を
制限するものではなく、特定の発明の特定の実施形態に特有の特徴の説明としてご理解を
いただきたい。別々の実施形態において説明を加えている特定の特徴を組み合わせて、一
つの実施形態実施することも可能である。逆に、一つの実施形態でさまざまな特徴を説明
しているが、これを複数の実施形態において別々に又は任意に組み合わせて実施すること
も可能である。またこうした特徴は、特定の組み合わせで使用するものと説明している部
分もあるが、そうした組み合わせの1つ以上の特徴は、場合によっては組み合わせから省
略することができ、副次的な組み合わせを作り上げることも可能であることをご理解いた
だきたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【外国語明細書】