(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111838
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】電子機器、情報端末、システム、及びプログラム等
(51)【国際特許分類】
G07C 5/00 20060101AFI20230803BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20230803BHJP
G08B 15/00 20060101ALI20230803BHJP
B60R 25/31 20130101ALI20230803BHJP
【FI】
G07C5/00 Z
G08B25/00 510M
G08B15/00
B60R25/31
【審査請求】未請求
【請求項の数】36
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189797
(22)【出願日】2022-11-29
(31)【優先権主張番号】P 2022012788
(32)【優先日】2022-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2022072167
(32)【優先日】2022-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】391001848
【氏名又は名称】株式会社ユピテル
(72)【発明者】
【氏名】服部 哲也
(72)【発明者】
【氏名】依藤 勇規
(72)【発明者】
【氏名】清水 勇喜
(72)【発明者】
【氏名】林 広敬
【テーマコード(参考)】
3E138
5C084
5C087
【Fターム(参考)】
3E138AA07
3E138MB08
3E138MC13
3E138MC20
3E138MF05
3E138MF07
3E138MF08
5C084AA04
5C084AA08
5C084AA13
5C084BB21
5C084EE06
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5C084HH02
5C084HH10
5C087AA02
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5C087BB72
5C087DD05
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5C087EE16
5C087FF01
5C087FF04
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG09
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG83
(57)【要約】
【課題】従来と異なる技術を提供すること、例えば、簡便な構成で車両に対する不正行為を抑制することができるシステム、及びプログラム等を提供する。
【解決手段】システムは、車両の車室内又は周辺を撮影する撮影機器が、前記車両の駐車中に、前記車両の中又は外の人に向けた威嚇動作を行う機能を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車室内又は外を撮影する機能と、前記車両の車室内又前記車両の外の人に向けて威嚇する所定の動作を行う機能と、を有する電子機器。
【請求項2】
駐車監視機能を有し、前記車両の駐車中に、前記駐車監視機能を動作させるとともに前記所定の動作を行う
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記所定の動作として、所定の機能を実行したことを報知する請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記所定の動作として、所定の機能を実行したことを装うダミー動作を行う請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
車両の車室内のユーザに所定の部品装置を用いて報知を行う機能と、前記車両が前記ユーザによる使用中でない場合に、前記部品装置を用いて前記車両の外にいる人に向けた所定の動作を行う機能と、を有する電子機器。
【請求項6】
駐車監視機能を有し、前記車両の駐車中に、前記駐車監視機能を動作させるとともに前記所定の動作を行う
請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記所定の動作として、所定の機能を実行したことを報知する請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記所定の動作として、所定の機能を実行したことを装うダミー動作を行う請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
前記所定の機能は、前記車両の車室内又は外の撮影を伴う機能である
請求項3、4、7又は8に記載の電子機器。
【請求項10】
前記撮影を伴う機能は、前記車両の車室内又は外を撮影した画像の送信を伴う機能である
請求項9に記載の電子機器。
【請求項11】
異常の発生が疑われる所定の条件が成立すると前記所定の動作を行う請求項1から8のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項12】
前記所定の条件として前記車両の車室内又は外の物体の動きを検知する機能に基づいて、前記動きに関する所定の条件が成立すると前記所定の動作を行う請求項11に記載の電子機器。
【請求項13】
段階的又は連続的に前記所定の動作を変化させる請求項11に記載の電子機器。
【請求項14】
外部の情報端末と無線通信する通信機能を有し、
前記外部の情報端末から前記無線通信により前記所定の動作を実行する旨の指示を受信すると、前記所定の動作を実行する
請求項1から8のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項15】
表示部への表示により前記所定の動作を行う請求項1から8のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項16】
表示部を有し、
前記表示部への表示により前記所定の動作を行う請求項15に記載の電子機器。
【請求項17】
外部の機器が有する表示部への表示による前記動作を行う請求項15に記載の電子機器。
【請求項18】
前記所定の動作として、前記表示部の第1の点灯と、第2の点灯又は消灯と、を繰り返す動作を行う請求項15に記載の電子機器。
【請求項19】
前記所定の動作は、音を出力する動作を含む請求項1から8のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項20】
少なくとも前記所定の動作が行われている期間に、前記車両の車室内又は外を撮影した画像、又は前記車両の車室内又は外の音を記録する記録機能を有する請求項1から8のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項21】
外部の監視機器と連携して前記動作を行う機能を有する請求項1から8のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項22】
前記監視機器は、自電子機器において前記所定の動作を行うことと連動して、当該監視機器の周辺の人に向けた動作を行う機能を有する請求項21に記載の電子機器。
【請求項23】
外部の情報端末と無線通信する機能として、第1通信方式の無線通信を行う第1通信機能と、前記第1通信方式よりも通信可能距離が長い又は通信速度が遅い第2通信方式の無線通信を行う第2通信機能と、を有し、
前記第1通信機能を用いた通信により第1の機能を実行し、前記第2通信機能を用いた通信により第2の機能を実行する機能を有する
請求項1から8のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項24】
前記第1の機能は、自電子機器で撮影した画像を送信することを含み、
前記第2の機能は、前記所定の動作の実行を報知することを含む
請求項23に記載の電子機器。
【請求項25】
請求項23に記載の前記情報端末であって、
前記第1通信方式の無線通信と、前記第2通信方式の無線通信とのそれぞれについて、請求項1から8のいずれか1項に記載の電子機器との通信状態をユーザに報知する機能を有する
情報端末。
【請求項26】
請求項1から8のいずれか1項に記載の電子機器である第1の電子機器と、
前記第1の電子機器と通信可能な第2の電子機器と、
有し、
前記第2の電子機器は、前記第1の電子機器から伝達された前記第1の電子機器の状態に応じて動作する機能を有するシステム。
【請求項27】
前記状態として、前記第1の電子機器が駐車監視機能を動作させたことが伝達される請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記状態として、表示部への表示により前記所定の動作を行う前記第1の電子機器が前記所定の動作を行った状態を含み、
前記第2の電子機器は、表示部と、前記所定の動作を行った状態が伝達されたことに応じて、当該表示部を用いて前記所定の動作に応じた表示を行う機能と、を有する
請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
前記第1の電子機器は、前記第2の電子機器にて設定された設定情報に基づいて動作する機能を有する請求項26に記載のシステム。
【請求項30】
前記第1の電子機器は、前記第2の電子機器から通知された特定エリアに対する現在位置に基づいて前記所定の動作を変える機能を有する請求項26に記載のシステム。
【請求項31】
前記第1の電子機器は、前記第2の電子機器を介して外部の情報端末と通信する機能を有する請求項26に記載のシステム。
【請求項32】
前記第1の電子機器は、表示部を備えない又は前記第2の電子機器の表示部よりも小さいサイズの表示部を備え、
他の撮影機器が撮影した画像を、前記第2の電子機器の表示部に表示させる機能を有する、
請求項26に記載のシステム。
【請求項33】
請求項26に記載のシステムにおける第2の電子機器である電子機器。
【請求項34】
請求項1から8のいずれか1項に記載の電子機器の機能、又は請求項26に記載のシステムにおける第1の電子機器の機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【請求項35】
請求項33に記載の電子機器の機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【請求項36】
請求項25に記載の情報端末の機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、情報端末、システム、及びプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の所定の取付面に取り付けられるドライブレコーダ等の機器が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、車両の車室内又は外で窃盗や車上荒らし等の不正行為が行われるのを抑制することが求められている。本発明の目的の一つは、従来と異なる技術を提供すること、例えば、簡便な構成で車両に対する不正行為を抑制するための技術を提供することである。
【0005】
本発明の目的はこれに限定されず、本明細書及び図面等に開示される構成の部分から奏する効果を得ることを目的とする構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」「~可能である」などと記載した箇所を「~が課題である」と読み替えた課題が本明細書には開示されている。課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり、各々の課題を解決するための構成についても単独で分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。課題が明細書の記載から黙示的に把握されるものであっても、本出願人は本明細書に記載の構成の一部を補正又は分割出願にて特許請求の範囲とする意思を有する。またこれら独立の課題を組み合わせた課題を解決する構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)車両の車室内又は外を撮影する機能と、前記車両の車室内又前記車両の外の人に向けて威嚇する所定の動作を行う機能と、を有する電子機器が提供されるとよい。
【0007】
このようにすると、車両に搭載される当該車両の車室内又は外を撮影する電子機器に、車両の車室内又は外の人に向けて威嚇する所定の動作を行う機器としての機能を兼ねさせることにより、簡便な構成で、車両の車室内又は外で窃盗や車上荒らし等の不正行為を行おうとしている又は行っている者(以下「不正行為者」という。)により不正行為が行われるのを抑制することができる。威嚇する動作を認識した不正行為者が、不正行為を行うのを躊躇することが期待できるからである。ユーザにとっては、セキュリティ専用の装置を別途導入する場合に比べて、低コストでかつ簡単に、不正行為を抑制するための機能を発揮するシステムを導入しやすくすることができる。
【0008】
(2)駐車監視機能を有し、前記車両の駐車中に、前記駐車監視機能を動作させるとともに前記所定の動作を行うとよい。
【0009】
このようにすると、駐車監視機能と不正行為者による不正行為を抑制するための動作とを協働させて、駐車中の車両に対する被害の発生を抑制することができる。不正行為者による不正行為を抑制するための動作を行うとともに、駐車監視機能を動作させることで、
駐車中の様子を監視し、仮に不正行為が行われる又は行われようとしたような場合でもその後の対処に役立てることができる。
【0010】
(3)前記所定の動作として、所定の機能を実行したことを報知するとよい。
【0011】
このようにすると、電子機器において所定の機能が実行されたことを不正行為者が認識することにより、不正行為を行うのを躊躇させることができる。
【0012】
(4)前記所定の動作として、所定の機能を実行したことを装うダミー動作を行うとよい。
【0013】
このようにすると、電子器機器が所定の機能を実際に動作させないダミー動作により、不正行為者に対して、電子機器が所定の機能を動作させたことを認識させ、不正行為者に不正行為を行うのを躊躇させることができる。電子機器が所定の機能を有していない構成としてもよく、この場合、当該機能を有しない機器でありながら、当該機能を有する機器の場合と同様の不正行為を抑制する効果を得ることができる。
【0014】
(5)車両の車室内のユーザに所定の部品装置を用いて報知を行う機能と、前記車両が前記ユーザによる使用中でない場合に、前記部品装置を用いて前記車両の外にいる人に向けた所定の動作を行う機能と、を有するシステムが提供されるとよい。
【0015】
このようにすると、車両の車室内にいるユーザに所定の機能に関する報知を行うための部品装置に、そのユーザが車両を使用中でないとき車室内には、車両の外にいる人に向けて所定の動作を行う部品装置としての機能を兼ねさせることにより、簡便な構成で、不正行為者による不正行為が行われるのを抑制することができる。車両の外にいる人に向けた動作を認識した不正行為者が、不正行為を行うのを躊躇することが期待できるからである。ユーザにとっては、セキュリティ専用の装置を別途導入する場合に比べて、低コストでかつ簡単に、不正行為を抑制するための機能を発揮するシステムを導入しやすくすることができる。
【0016】
(6)駐車監視機能を有し、前記車両の駐車中に、前記駐車監視機能を動作させるとともに前記所定の動作を行うとよい。
【0017】
このようにすると、駐車監視機能と不正行為者による不正行為を抑制するための動作とを協働させて、駐車中の車両に対する被害の発生を抑制することができる。不正行為者による不正行為を抑制するための動作を行うとともに、駐車監視機能を動作させることで、
駐車中の様子を監視し、仮に不正行為が行われる又は行われようとしたような場合でもその後の対処に役立てることができる。
【0018】
(7)前記所定の動作として、所定の機能を実行したことを報知するとよい。
【0019】
このようにすると、電子機器において所定の機能が実行されたことを不正行為者が認識することにより、不正行為を行うのを躊躇させることができる。
【0020】
(8)前記所定の動作として、所定の機能を実行したことを装うダミー動作を行うとよい。
【0021】
このようにすると、電子器機器が所定の機能を実際に動作させないダミー動作により、不正行為者に対して、電子機器が所定の機能を動作させたことを認識させ、不正行為者に不正行為を行うのを躊躇させることができる。電子機器が所定の機能を有していない構成としてもよく、この場合、当該機能を有しない機器でありながら、当該機能を有する機器の場合と同様の不正行為を抑制する効果を得ることができる。
【0022】
(9)前記所定の機能は、前記車両の車室内又は外の撮影を伴う機能であるとよい。
【0023】
このようにすると、不正行為者に対して車室内又は周辺が撮影されたことを認識させて、不正行為を行うのを躊躇させることができる。撮影を伴う機能としては、少なくとも撮影を含む機能とするとよく、さらに、撮影した画像の記録、送信その他の方法による出力を含む機能とするとよい。
【0024】
(10)前記所定の機能は、前記車両の車室内又は外を撮影した画像の送信を伴う機能であるとよい。
【0025】
このようにすると、不正行為者に対して、撮影した画像を送信しようとしていること又は送信したことを認識させることで、その不正行為が行われるのを抑制する効果をより高めることができる。例えば、電子機器以外の外部装置に撮影した画像が存在すること、又は撮影機器を壊しても無駄であることを認識させることができるからである。
【0026】
(11)異常の発生が疑われる所定の条件が成立すると前記所定の動作を行うとよい。
【0027】
このようにすると、異常の発生が疑われる所定の条件が成立したという適切な状況下で、不正行為者による不正行為を抑制するための動作をすることができる。
【0028】
(12)前記所定の条件として前記車両の車室内又は前記車両の外の物体の動きを検知する機能に基づいて、前記動きに関する所定の条件が成立すると前記所定の動作を行うとよい。
【0029】
このようにすると、車両の車室内又は車両の外の物体の動きに関する条件に基づいて異常を検知して、不正行為者による不正行為を抑制するための動作をすることにより、適切な状況下で、その動作をすることができる。物体の動きとしては、それが人の動きである可能性があるからである。
【0030】
(13)段階的又は連続的に前記所定の動作を変化させるとよい。
【0031】
このようにすると、不正行為者による不正行為を抑制するための所定の動作を段階的又は連続的に変化させることで、その変化がない場合に比べて、不正行為者がセキュリティ機能が動作していると感じやすくなり、不正行為を行うのを躊躇させやすくすることができる。
【0032】
(14)外部の情報端末と無線通信する通信機能を有し、前記外部の情報端末から前記無線通信により前記所定の動作を実行する旨の指示を受信すると、前記所定の動作を実行するとよい。
【0033】
ユーザは、外部の情報端末を用いて、電子機器から離れた場所からであっても、電子機器に威嚇動作を行わせることができる。
【0034】
(15)表示部への表示により前記所定の動作を行うとよい。
【0035】
このようにすると、車室内又は車両の外から目視できる表示部への表示による視覚的な効果により、不正行為者に分かりやすい態様で、その不正行為を抑制するための動作をするこができる。
【0036】
(16)表示部を有し、前記表示部への表示により前記所定の動作を行うとよい。
【0037】
このようにすると、電子機器が有する表示部を用いて、不正行為者による不正行為を抑制するための動作をするので、その動作のための表示部を別途設けなくてもよくすることができる。
【0038】
(17)外部の機器が有する表示部への表示による前記所定の動作を行うとよい。
【0039】
このようにすると、外部の機器が有する表示部に不正行為者による不正行為を抑制するための動作をさせるので、その動作を不正行為者に認識させやすくすることができる。例えば、表示領域のサイズが大きい表示部を用いたり、表示部の位置や向く方向の設定の自由度が高められたりすることができるからである。
【0040】
(18)前記所定の動作として、前記表示部の第1の点灯と、第2の点灯又は消灯と、を繰り返す動作を行うとよい。
【0041】
このようにすると、表示部の第1の点灯と、第2の点灯又は消灯とを繰り返す動作を行うことにより、電子機器が動作していることを不正行為者に対して視覚的に認識させやすくするとともに、その不正行為者に対して心理的な威嚇効果を与えやすくすることができる。
【0042】
(19)前記所定の動作は、音を出力する動作を含むとよい。
【0043】
このようにすると、不正行為者の視線方向に関わらず、不正行為者による不正行為を抑制するための動作を、その不正行為者により認識させることができる。
【0044】
(20)少なくとも前記所定の動作が行われている期間に、前記車両の車室内又は外を撮影した画像、又は前記車両の車室内又は外の音を記録する記録機能を有するとよい。
【0045】
このようにすると、少なくとも不正行為者による不正行為を抑制するための動作が行われている期間に、車両の車室内又は外を撮影した画像、又は車両の車室内又は外の音を記録することで、不正行為の証拠を記録しておくことができる。
【0046】
(21)外部の監視機器と連携して前記動作を行う機能を有するとよい。
【0047】
このようにすると、外部の監視機器と連携して不正行為者による不正行為を抑制するための動作を行うことにより、外部の監視機器による監視の状況も踏まえた車両の車室内又は周辺の状況に応じた適切な状況下で、不正行為者による不正行為を抑制するための動作を行うことができる。
【0048】
(22)前記監視機器は、自電子機器において前記所定の動作を行うことと連動して、当該監視機器の周辺の人に向けた動作を行う機能を有する電子機器であるとよい。
【0049】
このようにすると、自電子機器において前記所定の動作を行うことに加え、監視機器からも周辺の人に向けた動作が行われるので、不正行為者に対して、不正行為を行うことを躊躇させる効果をより高めることができる。
【0050】
(23)前記外部の情報端末と無線通信する機能として、第1通信方式の無線通信を行う第1通信機能と、前記第1通信方式よりも通信可能距離が長い又は通信速度が遅い第2通信方式の無線通信を行う第2通信機能と、を有し、前記第1通信機能を用いた通信により第1の機能を実行し、前記第2通信機能を用いた通信により第2の機能を実行する機能を有するとよい。
【0051】
このようにすると、第1通信方式の無線通信と、第1通信方式よりも通信可能距離が長い又は通信速度が遅い第2通信方式の無線通信とを使い分けて、情報端末との通信を用いた機能を実行することができる。
【0052】
(24)前記第1の機能は、前記電子機器で撮影した画像情報を送信することを含み、前記第2の機能は、前記所定の動作の実行を報知することを含むとよい。
【0053】
このようにすると、通信状態に応じて、不正行為者による不正行為を抑制するための動作を行った旨の通知と、撮影した画像情報の送信とを行うことができる。第2通信方式の無線通信を行うことができず、画像を情報端末に送信することができなくても、第1通信方式の無線通信を行って、不正行為者による不正行為を抑制するための動作が行われたことを情報端末に通知し、情報端末のユーザに不正行為が行われているおそれがあることを知らせることができる。
【0054】
(25)上記いずれかの情報端末であって、前記第1通信方式の無線通信と、前記第2通信方式の無線通信とのそれぞれについて、前記電子機器との通信状態をユーザに報知する機能を有する情報端末が提供されるとよい。
【0055】
このようにすると、ユーザは、第1通信方式と第2通信方式とのそれぞれについて、情報端末と電子機器との通信状態を把握し、第1の機能及び第2の機能の使用環境を把握することができる。使用環境としては、例えば、機能の使用の可否、及び使用をした場合の機能の発揮の程度の少なくともいずれかに関する環境とするとよい。
【0056】
(26)上記いずれかの電子機器である第1の電子機器と、前記第1の電子機器と通信可能な第2の電子機器と、有し、前記第2の電子機器は、前記第1の電子機器から伝達された前記第1の電子機器の状態に応じて動作する機能を有するシステムが提供されるとよい。
【0057】
このようにすると、第1の機器の状態に応じて、第2の電子機器が第1の電子機器と連携して動作を行うことができる。
【0058】
(27)前記状態として、前記第1の電子機器が駐車監視機能を実行したことが伝達されるとよい。
【0059】
このようにすると、第1の電子機器の駐車監視機能が動作したことに応じて、第2の電子機器が第1の電子機器と連携して動作を行うことができる。連携した動作として、第2の電子機器が、不正行為者により不正行為が抑制われるの抑制するための動作を行う機能を動作させると、駐車監視機能の動作と連動させるができる。
【0060】
(28)前前記状態として、表示部への表示により前記所定の動作を行う前記第1の電子機器が前記所定の動作を行った状態を含み、
前記第2の電子機器は、表示部と、前記所定の動作を行った状態が伝達されたことに応じて、当該表示部を用いて前記所定の動作に応じた表示を行う機能と、を有するとよい。
【0061】
このようにすると、第2の電子機器において表示により、不正行為者により不正行為が行われるのを抑制するための動作を行うことができる。
【0062】
(29)前前記第1の電子機器は、前記第2の電子機器にて設定された設定情報に基づいて動作する機能を有するとよい。
【0063】
このようにすると、第2の電子機器側の機能に基づいて第1の電子機器の動作を設定することができる。例えば、第1の電子機器が有しない機能に基づいて設定された動作内容や動作条件を用いて、第1の電子機器を動作させることができるようにするとよい。
【0064】
(30)前記第1の電子機器は、前記第2の電子機器から通知された特定エリアに対する現在位置に基づいて前記動作を変える機能を有するとよい。
【0065】
このようにすると、第2の電子機器が有している特定エリアに関する情報を用いて、その特定エリアに対する現在位置に基づいて不正行為者により不正行為が行われるのを抑制するための動作を変えることができる。例えば、車両に対して不正行為が行われる可能性の程度に応じて、不正行為者による不正行為を抑制するための動作を変えて不正行為の抑止力を変化させるとよい。
【0066】
(31)前記第1の電子機器は、前記第2の電子機器を介して外部の情報端末と通信する機能を有するとよい。
【0067】
このようにすると、第1の電子機器、第2の電子機器、及び情報端末という方向の情報の伝達経路、又はその逆方向の情報の伝達経路を確保することができる。第1の電子機器と情報端末との間で行われる通信において、第2の電子機器の機能が介在する処理が行われるようにすると、システム全体の機能を拡張させることができる。第1の電子機器が情報端末と通信するための通信機能を有していない場合であっても、第2の電子機器の通信機能を介して情報端末との通信を行うことができる。
【0068】
(32)記第1の電子機器は、表示部を備えない又は前記第2の電子機器の表示部よりも小さいサイズの表示部を備え、他の撮影機器が撮影した画像を、前記第2の電子機器の表示部に表示させる機能を有するとよい。
【0069】
このようにすると、第2の電子機器に他の撮影機器で撮影された画像を表示するため、ユーザは、他の撮影機器の周辺の状況を確認することができる。また、第1の電子機器が表示部を備える場合であっても、ユーザにとって、第1の電子機器の表示部に画像を表示するよりも視認しやすくすることができる
【0070】
(33)上記いずれかのシステムにおける第2の電子機器である電子機器が提供されるとよい。
【0071】
(34)上記のいずれかに記載の電子機器の機能、又は第1の電子機器の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムが提供されるとよい。
【0072】
(35)上記のいずれかに記載のシステムにおける第2の電子機器の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムが提供されるとよい。
【0073】
(36)上記のいずれかに記載の情報端末の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムが提供されるとよい。
【0074】
(37)所定の通信方式で無線通信する通信機能と、前記通信方式により電波環境のテスト用の電波を送出する機能とを有する電子機器が提供されるとよい。
【0075】
このようにすると、ユーザは、テスト用の電波に基づくテストを行うことで、電子機器が行う無線通信における電波環境を確認することができる。通信機能としては、例えば(14)の通信機能とするとよく、特に、前記第1通信方式、及び前記第2通信方式で無線通信する機能とすると良い。
【0076】
(38)前記テスト用の電波を受信する機能と、受信した前記テスト用の電波に基づいて、当該テスト用の電波の受信状況を出力する機能とを有する、情報端末が提供されるとよい。
【0077】
このようにすると、ユーザは、情報端末により出力されたテスト用の電波の受信状況から、電子機器と情報端末との間で行われる無線通信の電波環境を把握することができる。情報端末としては、(14)の情報端末とするとよいが、これとは別の情報端末としてもよい。
【0078】
(39)前記受信状況には、前記電子機器との無線通信が可能かどうかを示す情報が含まれるとよい。
【0079】
このようにすると、ユーザは、テストを行った場所で、情報端末と電子機器との無線通信が可能であるかどうかを容易に把握することができる。
【0080】
(40)(25)の機能を実行する第1モードと、(38)又は(39)の機能を実行する第2モードとの一方を選択する機能を有する、情報端末が提供されるとよい。
【0081】
このようにすると、ユーザは、テスト専用機器たる情報端末を用いなくとも、電波環境のテストを行うことができる。
【0082】
(41)前記受信状況には、前記電子機器が撮影し、前記情報端末に送信した画像が含まれるとよい。
【0083】
このようにすると、ユーザは、テストを行った際に、電子機器が実際に撮影した画像がどのようなものであるかを、情報端末を用いて把握することができる。
【0084】
(42)(1)から(24)のいずれか1つの電子機器、又は(26)から(32)のいずれか1つのシステムにおける第1の電子機器の機能を実行する第3モードと、前記テスト用の電波を送出する機能を実行する第4モードとの一方を選択する機能を有する、電子機器が提供されるとよい。
【0085】
このようにすると、ユーザは、例えば貸出専用の電子機器を用いなくとも、電波環境のテストを行うことができる。
【0086】
(43)最初に電源を投入したときに、前記第4モードで動作するとよい。
【0087】
このようにすると、ユーザは、電子機器の初回の使用時に確実に第4モードの機能、言い換えると、テストを行うための機能を利用することができる。
【0088】
(44)前記第4モードから、そのまま購入できるようにする機能を有するとよい。
【0089】
このようにすると、ユーザは、第4モードの機能によりテストを行った後、すぐに電子機器を購入することができ、購入手続を容易にすることができる。
【0090】
(45)前記第4モードからそのまま返品ができるようにする機能を有するとよい。
【0091】
このようにすると、ユーザは、第4モードの機能によりテストを行った後、すぐに電子機器を返品することができ、返品手続を容易にすることができる。例えば、テストの結果、電波環境が良好でない等、電子機器の満足する利用が難しい場合に、この返品のための機能が利用されるとよい。
【0092】
(46)前記電子機器を取り付けが可能な業者に関する情報を表示する機能を有するとよい。
【0093】
このようにすると、ユーザは、電子機器の取り付けが可能な業者への取り付けの依頼を容易に行うことができる。特に、電子機器を買ったが、自分で取り付けできなかったユーザにとって便利である。
【0094】
(47)店舗で販売されている製品を登録する機能と、登録された製品のカメラの画角をカバーする広角のカメラと、モバイルバッテリと、表示画面と、広角のカメラを車に仮設置する仮設置部材とを備え、選択画面で機種を選択すると、その機種の画角で撮影した画像を表示画面に表示させる機能と、を有するシステムが提供されるとよい。
【0095】
このようにすると、ユーザは、店舗で販売されている製品について、各製品のカメラでどのような画像が撮影されるのかを、容易に確認することができる。
【0096】
(48)毎日の同じ時間に、記憶媒体に記録された映像の再生を試みる機能を有する電子機器が提供されるとよい。
【0097】
このようにすると、ユーザは。記憶媒体に正常に映像が記録されているかを、毎日きちんと確認することができる。
【0098】
(49)具体的な場面を提示し、その場面と対応づけて時刻を登録する機能を備えるとよい。
【0099】
このようにすると、ユーザは、任意に、記憶媒体に正常に映像が記録されているかどうかを確認するための映像の再生を試みる時刻を指定できる。
【0100】
(50)前記車両が特定の位置にあるときに記憶媒体に記録された映像の再生を試みる機能を有するとよい。
【0101】
このようにすると、ユーザは。記憶媒体に正常に映像が記録されているかを、車両が特定の位置にあるときに確認することができる。
【0102】
(51)駐車監視機能の動作を開始させるタイミング、自機の電源がオンするタイミング、又は自機の電源がオフするタイミングに、映像の再生を試みる機能を有するとよい。
【0103】
このようにすると、駐車監視機能の動作を開始させるタイミング、自機の電源がオンするタイミング、又は自機の電源がオフする、といった所定の動作タイミングに、記憶媒体に正常に映像が記録されているかを確認することができる。これらのタイミングは、これから記憶媒体への画像の記録が開始される、又はその可能性が高いタイミングであるから、記憶媒体に正常に映像が記録されているかを確認するタイミングとして、望ましい。
【0104】
(52)記憶媒体に記録された画像の再生の前に、歌を流す機能を有するとよい。
【0105】
このようにすると、ユーザは、歌と関連付けて再生された画像を認識することができる。歌としては、画像を再生する状況に応じた歌とするとよく、特に、再生する時期に応じた歌とするとよい。このようにすると、ユーザは、時期を感じながら、記録された画像を見ることができる。歌としては、再生する状況として、再生するときの車両の位置に応じた歌等としてもよい
【0106】
(53)記憶媒体に記録された画像の再生中にエラーが発生した場合、又は再生に成功した場合には、所定の音楽を流すとよい。
【0107】
このようにすると、ユーザは、記憶媒体に記録された画像の再生中にエラーが発生した場合に、音楽を介してそのことを聴覚的に認識でき、又は再生に成功した場合に、音楽を介してそのことを聴覚的に認識できる。
【0108】
(54)イベント記録を行うときに発する音を、イベント記録毎に違う音にして出力し、さらに、イベント記録した画像の再生開始前には、そのイベント記録時に鳴らした音を鳴らしてから再生する機能を有するとよい。
【0109】
このようにすると、ユーザは、いつ行われたイベント記録の画像が再生されているのかを、再生開始前に鳴った音を聞いて認することができる。
【0110】
(55)上記のいずれかに記載の電子機器、又は情報端末の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムが提供されるとよい。
【0111】
上述した(1)から(55)の発明は、任意に組み合わせることができる。例えば(1)に示した発明の全部または一部の構成に、(2)以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加える構成としてもよい。特に、(1)に示した発明に、(2)以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加えた発明とするとよい。本願出願人は、これらの構成を含むものについても、補正・分割出願・意匠登録出願への変更出願等により特許権・意匠権等を取得する意思を有する。
【発明の効果】
【0112】
本発明によれば、従来と異なる技術を提供すること、例えば、簡便な構成で車両に対する不正行為を抑制するための技術を提供することができる。
【0113】
本願の発明の効果はこれに限定されず、本明細書及び図面等に開示される構成の部分から奏する効果についても開示されており、当該効果を奏する構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」と記載した箇所などは奏する効果を明示する記載であり、また「~できる」と記載がなくとも効果を示す部分が存在する。またこのような記載がなくとも当該構成によって把握される効果が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【
図2】撮影機器が設置された車両の前方付近を示す図である。
【
図5】撮影機器の電気的構成を示すブロック図である。
【
図6】情報端末の電気的構成を示すブロック図である。
【
図7】撮影機器が威嚇動作に関して表示する画面を示す図である。
【
図8】情報端末がアプリケーションに基づいて表示する画面を示す図である。
【
図9】情報端末がアプリケーションに基づいて表示する画面を示す図である。
【
図10】情報端末がアプリケーションに基づいて表示する画面を示す図である。
【
図11】情報端末がアプリケーションに基づいて表示する画面を示す図である。
【
図12】変形例1のシステムの構成を示す図である。
【
図13】変形例2のシステムの構成を示す図である。
【
図14】変形例3のシステムの構成を示す図である。
【
図17】車載機器の電気的構成を示すブロック図である。
【
図19】撮影機器の外観構成の他の例を示す図である。
【
図20】撮影機器の表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0115】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている物品の構成等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0116】
[0.本願の着想の経緯]
まず、本願の着想の経緯を説明する。ドライブレコーダには、車両の駐車時に常時又はイベント若しくは事象の発生時に映像を記録する駐車監視機能を有しているものがある。しかし、駐車監視機能では、不正行為者による不正行為そのものを防ぐことが難しい場合がある。一方で、このような不正行為を防ぐためのセキュリティ用途の機器を追加することに障害がある場合もある。また、駐車中に限らず、例えば、ユーザにより車両が使用されておらず、その車両の車室内や外に当該ユーザが居ない場合も、同様も問題が生じ得る。本実施形態において、ユーザは、車両を正当に使用することができる者のことであり、例えば、車両が個人の所有である場合の当該車両の所有者であったり、車両がレンタカー又はカーシェアリング等の法人使用の車両である場合の当該車両の使用が許可された者であったりする。以上のような課題のもと、発明者は、簡便な構成で、不正行為者により不正行為が行われるのを抑制するための仕組みについての着想を得た。
【0117】
[1.システムの全体構成]
図1は、本実施形態のシステム1の構成を説明する図である。
図1には、車両400を側面側から見た場合の模式図が示されている。システム1は、車両400に搭載された、第1の撮影機器としての撮影機器100と、第2の撮影機器としての撮影機器200と、を有する。撮影機器100、及び撮影機器200は、それぞれ、車両400とは別にユーザによって購入される等して、車両400に対して後付けされた機器(アフターマーケット商品ともいう。)である。ただし、撮影機器100、及び撮影機器200の少なくとも一方が、車両400に予め搭載された(つまり、標準装備された)機器としてもよい。車両400は、例えば四輪の自動車であるが、四輪の自動車に限定されるものではなく、撮影機器100及び撮影機器200を設置することが可能な車両であればよい。車両は、例えば、自動車、バス、トラック等の四輪以上の大型輸送車や、自動二輪車、自転車等の二輪車、その他の車両等であってもよい。車両は、例えば、電車、モノレール、リニアモーターカー等の交通機関の車両でもよい。
【0118】
撮影機器100は、車両400の前方側に配置されたフロントカメラである。撮影機器100は、電子機器又は第1の電子機器の一例である。撮影機器100は、例えば、車両400の車室における前方側の所定の位置に取り付けられ、フロントガラス越しに、車両400の前方を撮影方向として撮影する。撮影機器100は、ドライブレコーダである。具体的には、撮影機器100は、撮影する機能と、撮影した画像を示す画像データを記録する機能と、撮影機器200から取得した画像データを記録する機能と、を有する。
【0119】
図2は、撮影機器100が設置された車両400の前方付近を示す図である。
図2に示される例では、撮影機器100は、車両400のフロントガラス401における上部で、かつ左右方向中央付近に設けられている。撮影機器100は、ルームミラー402に隣接する助手席側の位置に配置されているが、運転席側の位置に配置されてもよい。撮影機器100は、両面テープ等の取付部材によりフロントガラス401に貼りつけて固定されている。撮影機器100がケーブル150を介して車両400と接続される。ケーブル150を介して接続される車両400の電源は、例えば、常時電源、及びアクセサリ電源の少なくとも一方とするとよいが、本実施形態では、常時電源に接続されている。撮影機器100は、車両400の電源やエンジンがオフされているときでも電力の供給を受けられるように、蓄電機能を有するアダプタと接続されると尚良い。撮影機器100は、車室内の方向に向けて情報を表示するための表示部13を有する。表示部13は、車両400の車室内にいるユーザに向けて情報を表示する部品装置であるが、車両400の外側から、リアガラス越しやサイトガラス越しにその表示を見ることもできるようになっている。なお、車室内という用語は、適宜、車内と読み替えてもよい。
【0120】
図1に戻って説明する。撮影機器200は、車両400の後方側に配置されたリアカメラである。撮影機器200は、例えば、車両400の車室における後方側の所定の位置に取り付けられ、リアガラス越しに、車両400の後方を撮影方向として撮影する。撮影機器200は、撮影する機能と、撮影した画像を示す画像データを撮影機器100に出力する機能と、を有する。
【0121】
撮影機器100と撮影機器200とは、ケーブル300を介して接続される。ケーブル300は、撮影機器100と撮影機器200とを接続する有線の通信路である。ケーブル300は、例えば、撮影機器100から撮影機器200へ動作用の電力を供給する電源線と、撮影機器100と撮影機器200との間で各種の信号を伝送するための信号線と、を有する。撮影機器200は、ケーブル300を介して、撮影機器100からの電力の供給を受けて動作する。なお、撮影機器100と撮影機器200とが、有線の通信路ではなく、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)、その他の規格の無線の通信路によって接続されてもよい。また、撮影機器100は、撮影機器200と通信により接続することなく使用されてもよい。
【0122】
また、撮影機器100は、外部の機器(例えば、情報端末600)と無線通信する機能である通信機能として、第1通信方式の無線通信を行う第1通信機能と、第2通信方式の無線通信を行う第2通信機能と、を有する。本実施形態では、第2通信方式の無線通信は、第1通信方式の無線通信よりも、通信速度が遅い、又は通信距離が長い通信方式である。第2通信方式の無線通信は、第1通信方式の無線通信よりも、データ伝送量が小さい通信方式ともいえる。本実施形態では、特に断りのない限り、第1通信方式はWi-Fi(登録商標)である。第2通信方式はBluetooth(登録商標)である。ただし、第1通信方式及び第2通信方式の具体的な通信規格は一例である。例えば、第1通信方式は、Wi-Fi(登録商標)以外の規格の無線LAN(Local Area Network)通信の通信方式としてもよい。例えば、第2通信方式は、Bluetooth(登録商標)以外の規格の近距離無線通信としてもよい。
【0123】
情報端末600は、他の機器(例えば、撮影機器100)と通信する通信機能及び情報処理機能を有する機器である。情報端末600は、本実施形態ではスマートフォンであるが、タブレット型端末やフィーチャーフォン、ウェアラブル端末等の携帯型の通信端末であってもよい。情報端末600は、デスクトップ型のパーソナルコンピュータ等の据置型の通信端末であってもよい。情報端末600は、撮影機器100やその他の車載機器を遠隔操作するリモコンであってもよい。システム1は、撮影機器100と情報端末600との通信路として、第1通信方式による第1通信路P1と、第2通信方式による第2通信路P2とを有している。
【0124】
利用シーンの一例を説明すると、情報端末600は、ユーザにより自宅で使用される場合に、その自宅の付近に駐車された車両400内の撮影機器100と第1通信方式、及び第2通信方式の少なくとも一方を用いて、無線通信を行う。自宅以外にも勤務先等の車両400が駐車される場所、その他の場所が想定される。
【0125】
[2.撮影機器100の外観構成]
図3は、撮影機器100の外観構成の一例を示す図である。
図3(A)は、撮影機器100を前方側の右斜め上方向から見た図である。
図3(B)は、撮影機器100を後方側の右斜め上方向から見た図である。撮影機器100は、筐体101を有する。筐体101は、上下方向よりも左右方向に長く、かつ厚みは比較的小さい直方体状である。筐体101は、車両400に取り付けられたときに上方を向く上面1011と、第1の側面1012と、第2の側面1013と、第2の側面1013の反対側に位置する第3の側面1014と、第1の側面1012の反対側に位置する第4の側面1015と、を有する。
【0126】
上面1011には、ジョイントレール102と、カメラジャック191と、が設けられている。ジョイントレール102は、撮影機器100を車両400の所定の取付位置に取り付けるためのブラケット900を着脱可能である。取付位置は、例えば、車両400のフロントガラス401(例えば、フロントガラスにおける上端付近)、又は車両400のルームミラーや車室内の天井等としてもよい。撮影機器100が車両400に取りけられたとき、第1の側面1012が車両400の前方側を向く。このとき、第2の側面1013は、車両400の後方側から見て右側を向く。第3の側面1014は、車両400の後方側から見て左側を向く。第4の側面1015は、車両400の後方側を向く。
【0127】
カメラジャック191は、ケーブル300の一端が接続される端子である。カメラジャック191は、例えばUSB TypeCの規格に対応し、撮影機器100が撮影機器200とイーサネット規格の通信を行うための端子としてもよい。
【0128】
第1の側面1012には、撮像レンズ151と、放音孔103と、マイク孔104と、が設けられている。撮像レンズ151は、撮影機器100が備える撮影部(後述する撮影部15)が有する集光用のレンズである。放音孔103は、撮像レンズ151の上方に設けられ、撮影機器100が有する音声出力部(後述する音声出力部14)が出力した音声を、筐体101の内部から外部に透過させる孔である。マイク孔104は、撮像レンズ151の下方に設けられ、外部からの音を筐体101の外部から内部に透過させる孔である。筐体101の内部に透過した音は、撮影機器100が有するマイクロホン(後述するマイクロホン121)に入力される。
【0129】
第2の側面1013には、イベント記録ボタン122が設けられている。イベント記録ボタン122は、撮影部15が撮影した画像の記録(録画)の開始、又はその記録の終了を指示するための操作手段である。イベント記録が行われていないときに、ユーザによりイベント記録ボタン122が操作されると、撮影機器100はイベント記録を開始する。イベント記録について詳しくは後述する。イベント記録ボタン122は、右ハンドルの車両400の運転者が操作しやすいように、運転者席側を向く第2の側面1013に設けられている。
【0130】
第3の側面1014には、端子192と、記憶媒体挿入口181と、が設けられている。端子192は、外部の機器から電力の供給を受けるための端子である。端子192は、例えばDCジャックである。端子192には、電源用のコード(例えば、シガープラグコード)の一端側のコネクタが接続される。電源用コードの他端側のコネクタは、例えば車両400側に設けられた給電用の端子(例えば、シガーソケット)に接続される。
【0131】
端子192は、車両400のOBDII(「II」は「2」のローマ数字である。)コネクタに接続可能なOBDIIアダプタが接続されてもよい。OBDIIコネクタは、故障診断コネクタとも称され、車両のECU(Engine Control Unit)に接続され、所定の期間毎(例えば、0.5秒毎)に各種の車両情報が出力される端子である。端子192が、OBDIIアダプタを用いてOBDIIコネクタと接続されることで、撮影機器100は、動作用の電力の供給を受けるとともに、車両情報を取得することができる。
【0132】
車両情報は、車両400の状態に関する情報である。車両情報は、例えば、車両400の速度(車速)、エンジン回転数、エンジン負荷率、スロットル度、点火時期、残り燃料の割合、インテークマニホールドの圧力、吸入空気量(MAF)、インジェクション開時間、エンジン冷却水の温度(冷却水温度)、エンジンに吸気される空気の温度(吸気温度)、車外の気温(外気温度)、燃料タンクの残り燃料の量(残燃料量)、燃料流量、瞬間燃費、アクセル開度、ウインカー情報(左右のウインカーの動作(ON/OFF))、ブレーキ開度、ハンドルの回転操舵角、ギヤポジション、及びドア開閉状態の情報等の少なくとも1つ以上とするとよい。
【0133】
記憶媒体挿入口181は、外部の記憶手段としての記憶媒体500を、撮影機器100の内部に挿入するための挿入口である。記憶媒体500は、撮影機器100又は撮影機器200で撮影された画像が記録される記憶媒体で、例えばSDカードである。SDカードは、例えば、SDメモリカード、miniSDカード、及びmicroSDカード等のいずれの形状も含む。記憶媒体500は、さらに、記憶した画像をパーソナルコンピュータ等の情報表示端末で再生するためのビューア(例えば、専用ビューア)のプログラムを記憶してもよい。
【0134】
第4の側面1015には、操作部123と、表示面131と、発光部21と、が設けられている。操作部123は、第1のボタン1231と、第2のボタン1232と、第3のボタン1233と、第4のボタン1234と、を有する。第1のボタン1231、第2のボタン1232、第3のボタン1233、及び第4のボタン1234は、表示面131の右側の一辺に沿って上下に並べて配置される。これら各ボタンに割り当てられる機能としては、例えば以下の機能がある。
【0135】
第1のボタン1231は、長押しされた場合に画像を切り替るためのボタンとして機能し、短押しされた場合に記憶媒体500のフォーマットを指示するためのボタンとして機能する。表示面131に表示される画像は、例えば、撮影機器100で現在撮影されている画像、及び撮影機器200で現在撮影されている画像の一方又は両方である。記憶媒体500をフォーマットすることは、記憶媒体500を初期化することであり、例えば、記憶媒体500に記憶された画像等のデータを消去すること、撮影機器100が記憶媒体500を使用できる状態にする(例えば、画像の記録及び読み出しをすることができる状態にする)ために、動作設定の内容を示す設定情報を記憶媒体500に書き込むこと、及び記憶媒体500を特定のファイル状態にすること、の少なくともいずれかとして把握される。
【0136】
第2のボタン1232は、撮影機器100が再生する画像を選択する選択画面を表示するためのボタンである。第3のボタン1233は、撮影機器100、及び撮影機器200の設定に関するメニューを表示するためのボタンである。第4のボタン1234は、画像の記録の開始、及び停止を指示するためのボタンである。例えば、後述する常時記録機能による記録中に、第4のボタン1234が短押しされた場合、その記録が一時停止する。その一時停止中に、第4のボタン1234が短押しされた場合、常時記録機能による画像の記録が再開する。第4のボタン1234が長押しされた場合、画像を記録する際のフレームレートを変更することができる。
【0137】
表示面131は、撮影機器100が有する表示部(後述する表示部13)が表示する画像が表示される領域である。表示面131は、例えば、長方形又は正方形の領域である。表示面131に重ねてユーザのタッチ操作を検出するためのタッチセンサ124が設けられている。表示部13は、撮影機器100が車両400に対してブラケット900を用いて取り付けられた状態において、車両400の車室内側を向くように配置されるとよい。
【0138】
発光部21は、第1のボタン1231よりも上方に設けられ、所定の色で発光する。
【0139】
なお、撮影機器200も、ドライブレコーダとしての機能を有してもよく、例えば撮影機器100と同様の構成を有してもよい。また、撮影機器100と通信により接続される撮影装置として、撮影機器200に代えて又は加えて、他の方向を撮影する1又は複数の撮影機器が用いられてもよい。他の方向として、車両400の右斜め後ろ、左斜め後ろ、車幅方向(側方)等の方向がある。
【0140】
[3.ブラケットの構成]
図4は、ブラケット900の構成を示す図である。
図4(A)は、ブラケット900を前方側の右斜め上方向から見た図である。
図4(B)は、ブラケット900を側面側から見た図である。
図4(C)は、ブラケット900を前方側の右斜め下方向から見た図である。ブラケット900は、撮影機器100を車両400に取り付ける取付部材の一例である。
【0141】
ブラケット900は、ボールジョイント機構を用いた取付部材である。ブラケット900において、平板状のベース部910は、車両400のフロントガラスに貼り付ける取付面911を有する。ベース部910は、ボールスタッド920の支柱に対して所定角度だけ傾斜する。取付面911に両面テープ等の接着部材を貼り付け、その接着部材を介して、車両400のフロントガラス401等に貼り付けられる。
【0142】
ボールスタッド920は、ベース部910のうち取付面911とは反対側の面から起立した部位である。ソケット部930は、ボールスタッド920のボール部921が装着される。ナット940は、ソケット部930の周囲に着脱自在に取り付けられる。ソケット部930の外周には、ネジ溝が形成されている。ソケット部930の外周に当該ネジ溝に嵌め合うナット940が装着される。ボールスタッド920のボール部921がソケット部930内に装着された状態で、ナット940が締め付けられる前は、ソケット部930はボール部921の周面に沿って所望の方向に回転して、ベース部950の姿勢及び位置を変位可能である。ナット940が締め付けられると、ベース部950の姿勢及び位置が固定される。
【0143】
ベース部950は、ソケット部930と一対に形成され、撮影機器100に装着するための部位である。ベース部950は、一対のガイドレール951を下面に有する。一対のガイドレール951は、撮影機器100のジョイントレール102に沿ってスライド可能に構成される。ベース部950の先端部には爪状の先端部952が設けられている。先端部952が、ジョイントレール102の撮影機器100の前方側の端部付近に引っ掛けられることで、ブラケット900が撮影機器100に取り付けられる。
【0144】
[4.撮影機器100の電気的構成]
図5は、撮影機器100の電気的構成を示すブロック図である。制御部11は、撮影機器100の各部を制御する。制御部11は、例えば、プロセッサ111、及びメモリ112を含むコンピュータである。プロセッサ111は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、及びFPGA(Field Programmable Gate Array)等を有する。メモリ112は、例えば、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を有する主記憶装置である。プロセッサ111は、メモリ112のROMから読み出したプログラムをRAMに一時的に記憶させる。メモリ112のRAMは、プロセッサ111に作業領域を提供する。プロセッサ111は、プログラムの実行中に生成されるデータをRAMに一時的に記憶させながら演算処理を行うことにより、各種の制御を行う制御部11は、さらに、時刻を計る計時部113を備える。計時部113は、例えばリアルタイムクロックである。計時部113は、プロセッサ111のマザーボードに実装されていていてもよいし、プロセッサ111に外付けされてもよい。
【0145】
入力部12は、ユーザからの情報の入力を受け付ける。入力部12は、例えば、上述したマイクロホン121、イベント記録ボタン122、操作部123、及びタッチセンサ124を有する。マイクロホン121は、マイク孔104等を介して入射した音を電気信号に変換する。マイクロホン121は、例えばコンデンサマイクである。タッチセンサ124は、表示面131においてユーザによりタッチされた位置を検出する。タッチセンサ124は、例えば静電容量方式である。
【0146】
表示部13は、表示面131に画像を表示する。表示部13は、例えば液晶ディスプレイ(LCD;Liquid Crystal Display)である。表示部13は、車室内のユーザに向けて情報を表示する部品装置の一例である。
【0147】
音声出力部14は、音声を出力する。この音声としては、例えば、報知音や、BGM、音声メッセージ等がある。音声出力部14は、例えば音声処理回路及びスピーカを有する。音声出力部14は、車室内のユーザに向けて情報を表示する部品装置の一例である。
【0148】
撮影部15は、撮影し、撮影により得られた画像データを生成する、撮影部15は、例えば、撮像レンズ151、及び撮像レンズ151により集光された光を撮像する撮像素子を有する。撮像素子は、例えば、CMOS(Complementary MOS)又はCCD(Charge Coupled Device)とする。撮影部15は、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の色成分からなるカラー(多色)の画像を生成する。
【0149】
通信部16は、外部の装置と通信する。通信部16は、第1通信部161、及び第2通信部162を有する。第1通信部161は、例えば無線通信回路やアンテナを備え、第1通信方式の無線通信を行う。第2通信部162は、例えば無線通信回路やアンテナを備え、第2通信方式の通信を行う。通信部16は、例えば、LTE(Long Term Evolution)、4G、5G等の移動通信システムの規格等に準拠した通信を行うための通信回路を有してもよい。
【0150】
センサ部17は、各種のセンサを有する。センサ部17は、例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ、気圧センサ、及び照度センサの少なくともいずれかを有する。加速度センサは、例えば車両の前後、左右、上下の加速度を検出する3軸の加速度センサである。ジャイロセンサは、撮影機器100の傾きを検出するセンサである。加速度センサ及びジャイロセンサは、例えば、GNSS衛星からの信号が受信できない場合に、自律航法により車両400の位置を推測するのに使用されてもよい。気圧センサは、気圧を測定する。気圧センサは、例えば、高低差を検知して、高速道と一般道を判定するために用いられる。照度センサは、撮影機器100の周辺である車室内の明るさを示す照度を検知するセンサである。照度センサは、例えば表示部13の表示の輝度の調整に使用される。
【0151】
さらに、センサ部17は、物体を検知する機能を有するとよい。物体としては、車両400の車室内又は外の人、その他の移動体とするとよい。例えば、センサ部17は、人の存在を検知する人感センサを有するとよい。人感センサとしては、例えば、焦度センサ、超音波センサ等がある。人感センサとしては、例えば、マイクロ波センサとしてもよい。センサ部17は、撮影部15が撮影した画像を解析して物体を検知するセンサとして、モーションディテクトセンサを有するとよい。このような撮影機器100又は撮影機器200により撮像された画像の変化から動体を検知する機能を、以下では、「モーションディテクト機能」と称することがある。モーションディテクト機能は、その名のとおり動体を検知する機能であればよく、撮像された画像の変化から動体を検知することに代えて、又はこれに加えて、人感センサを用いて動体を検知する機能を有してもよい。
【0152】
リーダライタ18は、記憶媒体挿入口181から撮影機器100の内部に挿入された記憶媒体500を保持する媒体保持部として機能する。リーダライタ18は、記憶媒体500にデータを書き込んだり、記憶媒体500からデータを読み出したりする。リーダライタ18は、記憶媒体500を1つだけ保持するものでもよいが、2つ以上の記憶媒体500を同時に保持することが可能に構成されてもよい。
【0153】
端子部19は、外部の装置と電気的に接続するための端子を有する。端子部19は、上述した、カメラジャック191及び端子192を有する。端子部19に接続される装置として、車両400側からの給電がなくても、撮影機器100及び撮影機器200が動作できるように、外付けのバッテリが用いられてもよい。端子部19に接続される装置は、例えば、ユーザの安全運転を支援する機能を有する装置であってもよい。このような装置として、例えば、運転手(例えば顔)を撮影して、わき見及び居眠り運転に例示される運転手の状態を検出して報知する機能を有する装置や、車両400の周辺の障害物を検知して報知する機能を有する装置(例えば、前方車両追突警報システム(FCWS:Forward vehicle Collision Warning Systems)のための車両検知に使用される装置)がある。端子部19に接続される装置は、その他にも、レーダー探知機、レーザー探知機、カーナビゲーション装置、ディスプレイ装置等の車載装置としてもよい。
【0154】
位置情報取得部20は、撮影機器100の位置(より具体的には、現在位置)を示す位置情報を取得する。撮影機器100の位置は、撮影機器100が配置された車両400の位置、車両400に配置された撮影機器200の位置、及び車両400に乗車している運転手その他の人の位置と同視することができる。位置情報取得部20は、例えば、GNSS(Global Navigation SatelliteSystem:全球測位衛星システム)の一つであるGPS(Global Posisioning System)からの信号に基づき、撮影機器100の位置情報(緯度情報、及び経度情報)を取得する。位置情報取得部20は、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System:準天頂衛星システム)として、みちびきを併せて利用してもよい。
【0155】
発光部21は、所定の色で発光する。発光部21は、例えば、発光ダイオードを有する。発光部21は、車室内のユーザに向けて情報を表示する部品装置の一例である。
【0156】
電源制御部22は、撮影機器100の各部や、撮影機器200への電力の供給を制御する。電源制御部22は、例えば、電源スイッチや電源制御回路を有する。電源制御部22は、端子部19を介して車両400側から供給された電力を、撮影機器100の各部や、撮影機器200へ供給する。電源制御部22は、さらに、蓄電手段として、二次電池やボタン電池、電気二重層コンデンサ(スーパーキャパシタとも呼ばれる。)を有してもよい。
【0157】
撮影機器100は、さらに、フラッシュメモリ(例えばeMMC、SSD)に例示される補助記憶装置を内部の記憶手段として有してもよい。補助記憶装置としては、光学式記憶媒体、磁気記憶媒体、及び半導体記憶媒体に例示される各種の記憶媒体を用いることができる。
【0158】
[5.撮影機器100の画像記録機能]
撮影機器100は、画像記録機能として、以下の1つまたは2つ以上の機能を有する。画像記録機能は、撮影機器100が撮影した画像を、所定のファイル形式の画像データとして記録する機能である。画像データは、動画形式の画像データとするとよく、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)形式(例えば、MPEG2、MPEG4)であるが、AVI、MOV、WMV等である。
【0159】
<5-1.常時記録機能>
常時記録機能(常時録画機能ともいう。)は、撮影機器100の動作中は、撮影機器100及び撮影機器200の一方又は両方により撮影された画像を継続して(つまり、常時)記録する機能である。制御部11は、常時記録機能を実行しているときには、車両400のエンジンの始動から停止まで撮像した画像(画像データ、映像データといってもよい。)を記憶する、又は、車両400の電源(例えば、アクセサリ電源)がオンされたときからオフされるときまでに撮像した画像を記憶する。
【0160】
<5-2.イベント記録機能>
イベント記録機能は、特定のイベントが発生したことに応じて、撮影機器100及び撮影機器200の一方又は両方により撮影された画像を記録する機能である。イベントは、撮影機器100又は撮影機器200により撮影された画像を記録すべき事象であり、例えば、車両400の走行中におけるユーザの急ハンドル、急ブレーキ等の操作時、車両400の他の物体との衝突時等とする。制御部11は、イベントが発生したことを、例えば、センサ部17の加速度センサによる計測値に基づいて、判定する。具体的には、制御部11は、加速度センサの計測値が所定の閾値以上となった場合又は所定の時間的変化を示した場合に、イベントが発生したと判定する。イベントの発生の判定条件はこれに限られない。制御部11は、車両情報に基づいて、例えば車速や操舵状態等の車両400の状態が所定の条件を満たした場合に、イベントが発生したと判定してもよい。制御部11は、撮影部15又は撮影機器200により撮影された画像を解析し、車両400又は他車両の危険運転(例えば煽り運転、接近、又は異常接近)を検知した場合に、イベントが発生したと判定してもよい。制御部11は、イベント記録ボタン122が操作された場合にも、イベントが発生したと判定する。
【0161】
制御部11は、イベントが発生したと判定した場合、そのイベントの発生前後の所定期間(以下「イベント記録期間」という。)において撮像された画像を、記憶媒体500に記録する。制御部11は、例えば撮影部15及び撮影機器200により撮影された画像をメモリ112(例えば、RAM)に一時的に記録しておき、イベントが発生したと判定した場合は、メモリ112から読み出したイベント記録期間の画像を記憶媒体500に記録するとよい。制御部11は、例えば、イベントの発生前20秒、及びイベントの発生後20秒の合計40秒の画像を1つのファイルとする。イベント記録期間の長さは一例であり、イベントの種類に応じて異なっていてもよいし、ユーザが変更可能であってもよい。制御部11は、1つのイベントの発生につき、複数のファイルからなる画像を記憶媒体500に記録してもよい。制御部11は、さらに、イベント記録期間にセンサ部17で計測された値(例えば、3軸の各方向の加速度)や、位置情報取得部20で取得された位置情報を、画像と関連付けて、記憶媒体500に記録してもよい。
【0162】
<5-3.駐車監視機能>
駐車監視機能は、駐車中の車両400の内部又は車両400の周辺の外部を監視する機能である。駐車監視機能は、車両400の駐車中に、撮影機器100及び撮影機器200の一方又は両方により撮影された画像を記録する機能を有するとよい。駐車監視機能は、車両400の駐車中に動作する。制御部11は、車両400のエンジンオフ状態では、外付けバッテリ(例えば、後述するアダプタ)からの電力の供給を受けて、記憶媒体500に画像を記録する。車両400の駐車中であるか否かについて、制御部11は、例えば、アクセサリ電源がオフされたこと、エンジンがオフされたこと、外付けバッテリからの電源供給が開始されたこと、車速が0km/h又は所定速度以下であること、及び位置情報取得部20が取得した位置情報が所定の位置情報(例えば、自宅や勤務先、駐車場の位置情報)であること、の1つ又は複数に基づいて判定する。
【0163】
駐車監視機能は、タイムラプスモード、及び動体検知モードを有してもよい。具体的には、制御部11は、タイムラプスモードがユーザにより選択された場合、常時記録機能及びイベント記録機能等の他の画像記録機能よりも、フレームレートを間引いて画像を記録する。例えば、他の画像記録機能のフレームレートが20~30フレーム/秒であるのに対して、タイムラプスモードのフレームレートは1フレーム/秒とする。動体検知モードは、動体の検知に応じて画像を記録するモードである。具体的には、制御部11は、動体検知モードがユーザにより選択された場合に、撮影機器100及び撮影機器200により撮像された画像の変化から動体を検知したときは、その検知前後の所定期間に撮影された画像を、記憶媒体500に記録する。フレームレートは、常時記録機能及びイベント記録機能等と同じフレームレートとしてもよい。この動体の検知は、上述したモーションディテクト機能により検出されてもよい。
【0164】
制御部11は、駐車監視機能の動作中に(例えば、タイムラプスモード、動体検知モードのいずれの場合も)イベント記録機能によるイベント記録を行った場合、次回の撮影機器100の起動時には、履歴報知を行うとよい。履歴報知において、制御部11は、「録画を開始します」という具合に、常時記録機能による記録を開始する旨を報知し、その後に、「タイムラプスモード/動体検知モード中にイベント記録が発生しました」という具合に、駐車監視機能の動作中にイベント記録を行った旨をユーザに報知してもよい。このようにすると、ユーザは、駐車中にイベントが発生したこと、例えば何らかの不正行為があった可能性があることを、迅速かつ確実に知ることができる。報知は、例えば、表示部13へのメッセージ等の表示(つまり、履歴表示)とするよいが、音声の出力としてもよいし、表示と音声が組み合わされてもよい。
【0165】
また、制御部11は、記憶媒体500に記録した画像等のデータへの上書きを禁止する「上書き禁止モード」に設定されている場合において、駐車監視機能の動作中に、その動作中に記録された画像が記録されるフォルダが上限に達したとき(例えば、容量又は/及びファイル数が上限に達したとき)には、例えばメッセージと音声によりその旨を報知した後、駐車監視機能を一時的に停止させる一時停止状態にする。この場合、制御部11は、ユーザのより所定の入力が行われたとき(例えば、ボタンを押したとき)に、「タイムラプスモード/動体検知モード中にイベント記録が発生しました」という具合に、駐車監視機能の動作中にイベント記録を行った旨をユーザに報知してもよい。この報知は、駐車監視機能の動作中にイベント記録を行った旨を数秒表示するものとするとよい。また、フォルダが上限に達した状態で、撮影機器100の電源がOFFした場合は、電源ON後、制御部11は、「録画を開始します」という具合に、常時記録機能による記録を開始する旨を報知し、その後に、「タイムラプスモード/動体検知モード中にイベント記録が発生しました」という具合に、駐車監視機能の動作中にイベント記録を行った旨をユーザに報知してもよい。この報知は、駐車監視機能の動作中にイベント記録を行った旨を数秒表示するものとするとよい。なお、上書き禁止モードは、すべての録画ファイルに上書きしないモードとするとよい。また、撮影機器100は、モードとして、上書き禁止モード以外に、例えば、常時記録機能により記録された画像(例えば、常時記録ファイル)にのみ上書を許可する「常時記録上書きモード」と、すべての録画ファイルに上書きを許可する「すべて上書モード」とを有するとよい。モードは、上述した設定に関するメニューを介して設定されるとよい。
【0166】
なお、撮影機器100、200として、広角レンズを用いた撮影機器(
図19を用いて後述する。)、全天球、半天球といった天球画像を撮影する撮影機器等が用いられてもよい。また、撮影機器100として、表示部13を有しない撮影機器が用いられてもよい。また、撮影機器100の筐体は、直方体状のものでなくてもよく、例えば円筒状、角柱状等の撮影機器であってもよい。
【0167】
[6.情報端末600の電気的構成]
図6は、情報端末600の電気的構成を示すブロック図である。制御部61は、CPU、ROM及びRAMを有するコンピュータを備える。CPUは、ROMや記憶部65に記憶されたプログラムをRAMに読み出して実行することにより、情報端末600の各部を制御する。音声入出力部62は、マイクロホンやスピーカを有し、情報端末600において音声の入出力に関わる機能を実現する。
【0168】
通信部63は、外部の装置と通信する。通信部63は、第1通信部631、及び第2通信部632を有する。第1通信部631は、例えば無線通信回路やアンテナを備え、第1通信方式の無線通信を行う。第2通信部632は、例えば無線通信回路やアンテナを備え、第2通信方式の通信を行う。通信部63は、例えば、LTE、4G、5G等の移動通信システムの規格等に準拠した通信を行うための通信回路を有してもよい。UI部64は、例えばタッチパネル部を備え、ユーザからの操作を受け付けるとともに、画像の表示により情報を報知する。記憶部65は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)を備え、制御部61が実行するプログラムとして、OSやこのOS上で動作するアプリケーションプログラム(以下「アプリケーション」と省略する。)651を記憶する。アプリケーション651は、情報端末600と通信して各種機能を実現するためのアプリケーションプログラムである。アプリケーション651の機能の一部又は全部は、その他のプログラムで実現されてもよい。アプリケーション651の機能については、後述する。
【0169】
[7.撮影機器100の威嚇動作機能]
威嚇動作機能は、車両400の車室内又は外の人に向けた動作として、威嚇動作を行う機能を有する。威嚇動作は、主に、車両400の車室内又は外で窃盗や車上荒らし等の不正行為を行おうとしている又は行っている者である不正行為者に対して行う威嚇動作である。車両400の車室内に向けた威嚇動作は、主に、不正行為を行おうとして、又は不正行為を行っていて、車室内に侵入した不正行為者に対して行う威嚇動作である。威嚇動作は、車両400の車室内又は外にいる不正行為者に向けた動作の一例であり、不正行為者を威嚇する目的で行う動作とするとよい。威嚇動作は、当該威嚇動作を認識した不正行為者により不正行為が行われるのを躊躇させる効果が期待できる動作で、言い換えると、不正行為者に対して不正行為を躊躇させ得る動作ということができる。
【0170】
<7-1.威嚇動作の内容>
威嚇動作は、車両400の車室内又は外の人が認識できる態様で出力されるとよいが、特に、表示部による表示、及び音声出力部による音の出力の一つ又は複数により行われるとよい。表示を用いた威嚇動作は、本項では、制御部11が表示部13(例えば、本体液晶画面)をONにして、表示部13へ所定の画面や画像を表示させることにより行われる。音の出力を用いた威嚇動作は、本項では、制御部11が音声出力部14に所定の音を出力させることにより行われる。
【0171】
撮影機器100の表示部13は車両400の内側を向くように配置されているため、表示部13を用いて威嚇動作を行うことで、車外、特に車両400の後方や側方側から、威嚇動作を認識させやすくすることができる。また、撮影機器100が予め備えている表示部13や音声出力部14を用いて威嚇動作を行うので、車両400に専用の威嚇機器(例えば、「パトライト(登録商標)」)を別途付ける場合と比較して、コストを抑えることができる。また、撮影機器100が威嚇動作を行うので、例えば、車両400のフロントガラス周辺に車外方向へ発光する機器の設置に規制や障害があってもその影響を受けにくい。
【0172】
威嚇動作の内容として、以下のいずれかの一つ又は複数が採用されるとよい。
【0173】
(A)点灯動作
制御部11は、威嚇動作を、表示部13を用いた表示の一例である表示部13の点灯動作で行うとよい。点灯動作は、例えば、表示部13の画面(表示領域といってもよい。)全体の一部、又は全体を白画面で点灯させるとよいが、特に全体を点灯させると、不正行為者に対してその点灯を認識させやすくする点で良い。このように白画面で点灯させた場合、真夜中等の車両400の周辺が暗い環境であれば、白画面で光る事で車室内が少し明るくなる。そうすることで、車室内が明るくなったことを外から見た人、例えば不正行為者が「なにか動いている」等と容易に認識することができ、駐車監視の作動状態をアピールして不正行為者に対して盗難や車上荒らし等の不正行為を躊躇させることが期待できる。
【0174】
表示部13の点灯の色は、赤色で点灯する赤画面や青色で点灯する青画面等の白色以外の色の画面であってもよいが、視認性が良い比較的明るい画面とするとよく、特に白色で点灯する白画面とするとよい。
【0175】
制御部11は、表示部13の点灯動作として、第1の点灯と、第2の点灯又は消灯と、を繰り返す点灯動作を行うとよい。例えば、制御部11は、表示部13を白画面及び黒画面を交互に点灯させるとよい。白画面の表示は第1の点灯の一例である。黒画面の表示は黒色で点灯する第2の点灯の一例、又は表示部13の消灯の一例である。このように、例えば、制御部11は表示部13を白画面及び黒画面を交互に表示する点灯動作(例えば、点滅)をさせることで駐車監視機能の作動状態を不正行為者に対してアピールすることができる。このような点灯動作が行われると、撮影機器100が動作していることを不正行為者に対して認識させやすくなり、車両400の車室内又は外部の人への認知性を高めることができる。このように威嚇動作は、点灯動作により撮影機器100にカーセキュリティ専用の製品に近い動作(例えば、LEDが「ピカピカ」光るような動作)である。点灯動作は、「赤」、「白」、「赤」、「白」を交互に点灯させる等、互いに輝度差又は明度差の大きな複数の色を点灯させる動作であってもよい。赤色や黄色は安全色における要警戒側の色であることから、例えば、赤色を点灯させる色に含めると駐車監視機能の動作をより直感的に認識させやすくすることができる。
【0176】
制御部11は、威嚇動作において繰り返す点灯動作(例えば、点滅させる動作)を、設定した時間又は期間において同じような動きで行ってもよいが、変化させてもよい。例えば、制御部11は、表示させる色として、白黒パターンの間に赤色や黄色の光を発色させるパターンを入れてもよい。発光パターンが変化すると、不正行為者に対して駐車監視機能の動作が変化して自身の不正行為又はその準備行為等が検知されたものと明示又は暗示させて、不正行為の実行を躊躇させ易くすることができる。
【0177】
制御部11は、画面表示の色を、例えば、ランダムに変化させてもよい。このようにすると、規則的な表示色である場合に比べて、不正行為者にとって予想外の点灯となりやすいことによる心理的な威嚇効果を与えることができる。
【0178】
制御部11は、第1の点灯と第2の点灯とを交互にする、又は、第1の点灯と消灯とを交互にする点灯動作ではなく、さらに別の態様の点灯を含めた点灯動作を行ってもよい。例えば、制御部11は、は、第1の点灯と、第2の点灯と、・・・、第Nの点灯(ただし、Nは3以上の自然数)とを所定の規則に従って又はランダムに選択して点灯させる点灯動作を行ってもよい。点灯の態様が多様であることで、撮影機器100が動作していることを不正行為者に対して認識させやすくなり、威嚇効果を高められる効果が期待できるからである。
【0179】
(B)所定の機能を実行したことの表示
制御部11は、威嚇動作を、表示部13に所定の機能を実行したことを表示させることで行うとよい。所定の機能を実行したことの表示は、当該所定の機能に関する文字の表示、及びアイコンその他のオブジェクトの表示の一方又は両方とするとよい。所定の機能に関する表示は、撮影機器100が実際に実行した機能に関する表示とするとよいが、撮影機器100で実行されるであろうと想定できる機能に関する表示としてもよい。本実施形態では、制御部11は、所定の機能を実行するとともに、当該所定の機能を実行したことを表示する。撮影機器100で実行されるであろうと想定できる機能としては、実際に実行されていない機能があるが、これについては、「(C)ダミー動作」の項で説明する。
【0180】
所定の機能は、車両400の車室内又は外の撮影を伴う機能であるとよい。このようにすると、不正行為者に対して車室内又は周辺が撮影されたことを認識させて、不正行為を行うのを躊躇させることができる。撮影を伴う機能としては、少なくとも撮影を含む機能とするとよく、特に、撮影した画像の記録、送信その他の方法による出力を含む機能とするとよい。所定の機能は、特に、車両400の車室内又は外を撮影した画像の送信を伴う機能であるとよい。このようにすると、不正行為者に対して、撮影した画像を送信しようとしていること又は送信したことを認識させることで、その不正行為が行われるのを抑制する効果をより高めることができる。例えば、撮影機器100以外の外部装置に撮影した画像が存在すること、又は撮影機器100を壊しても無駄であることを認識させることができるからである。
【0181】
所定の機能は、車両400の車室内又は外の撮影を伴う機能以外の機能としてもよい。所定の機能は、通信部16を用いて所定の通報先に通報する通報機能としてもよい。この場合制御部11は、例えば、「通報します。」、「通報しました。」のような文字を表示したり、オブジェクトを表示させたりするとよい。
【0182】
所定の機能に関する文字で表示をする場合は、制御部11は、「映像記録中」、「映像送信中」、「通報中」等のように、撮影した画像に基づく所定の処理の実行中であることを文字で表示するもよいが、「映像を記録しました」、「映像を送信しました」、「通報しました」等のように、撮影した画像に基づく所定の処理の実行が完了したこととすると、不正行為者に対してより心理的な威嚇的効果を高められる効果が期待できる。オブジェクトを表示する場合は、所定の機能の内容を直感的に理解しやすい表示とするとよい。撮影に関する機能であれば、カメラを模した画像をオブジェクトとして表示し、映像送信中であることを表示する場合は、電波を模した画像をオブジェクトとして表示する、という具合である。
【0183】
(A)と(B)を組み合わせた威嚇動作の一例として、制御部11は、
図7に示すように、上述の(A)で説明した表示部13の点灯中に、セキュリティ機能を実行中であることを示す旨の表示、例えば「セキュリティ監視中」というメッセージを表示部13に表示させるとよい。このようにすると、より不正行為者を威嚇する効果を高めることができる。「セキュリティ監視中」という表示は、ドライブレコーダとしての撮影機器100おいて、駐車監視機能がセキュリティに関する機能と位置づけであると考えれば、実際に実行した機能に関する表示といえる。例えば、「セキュリティ監視中」という表示は、比較的明るい画面、例えば白画面においては、明度の低い色(例えば、黒)を用いて表示し、比較的黒い画面、例えば黒画面においては、明度の高い色(例えば、白)を用いて表示するとよい。このようにすると、不正行為者に対してセキュリティ機能が実行中である旨をより確実に認識させることができるので良い。
【0184】
(C)ダミー動作
制御部11は、威嚇動作を、ダミー動作により行うとよい。ダミー動作は、威嚇動作を、表示部13に所定の機能を実行したことを表示させることで行う点で、「(B)所定の機能を実行したことの表示」の項で説明した威嚇動作の内容と同じである。ただし、ダミー動作は、撮影機器100が所定の機能を動作させたことを車両400の車室内又は外の人に装う動作である。すなわち、制御部11は、所定の機能を実行したことを表示部13に表示させるが、当該所定の機能を実行しない。ダミー動作においては、所定の機能を実行しない代わりに、別の機能を実行することとしてもよい。所定の機能は、撮影機器100で実行されるであろうと想定できる機能とするとよい。具体的には、「(B)所定の機能を実行したことの表示」の項で説明したような機能とするとよい。ダミー動作は、車両400の内部又は外の人に対し、明示的又は暗示的に機能の実行を知覚させるように報知する動作とするとよい。
【0185】
ダミー動作を行う場合は、制御部11は、例えば撮影機器100がその機能を実行する機能を有しているがその機能を実行しないようにしてもよいし、その機能を有しなくてもよく、不正行為者に対して、「(B)所定の機能を実行したことの表示」の項で説明した威嚇動作をするとよい。このようにすると、ダミー動作であっても、同様の威嚇の効果を得ることができる。
【0186】
撮影機器100が所定の機能を実行する構成を有しないものとすると、当該機能を有しない機器でありながら、当該機能を有する機器の場合と同様の不正行為を抑制する効果を得ることができる。例えば、通信機能を搭載していない撮影機器100(例えば、通信機能を搭載しないドライブレコーダ)であっても、ダミー動作を行うことで、そのダミー動作による表示を見た人に対し、記録された映像が送信されているものと認識させることができる。撮影機器100がその機能を実行することができる構成である場合も、これを実行しない分だけ、電力消費を低減させたり、ハードウェア資源やソフトウェア資源の使用を抑制したりすることができる。
【0187】
このようなダミー動作は、(A)で説明したのと同様、所定の機能として、車両400の車室内又は外の撮影を伴う機能を実行したことを装うダミー動作とするとよい。ドライブレコーダとしての撮影機器100が撮影機能を有していることは、不正行為者は容易に認識することができるから、ダミー動作であっても実際に撮影していると思い込ませやすいからである。
【0188】
このようなダミー動作は、例えば、実際は映像を記録してない状態で、表示部13に「映像を記録中」、「送信中」等と表示させるダミー表示を行うとよい。「送信中」とだけ表示される場合は、「映像を記録中」と表示される場合に比べて、録画した画像等のデータがそこに無いという心理的なプレッシャーを与えることができる、という発明者の知見にも基づいている。
【0189】
ダミー動作による威嚇動作機能は、例えば、車両400車室内又は外部の不正行為者が認識できる表出動作を、該表出動作に関連する非表出動作の実行有無に関わらず実行する機能、として把握することもできる。非表出動作は、車両400の内部又は外部の不正行為者が、少なくとも、車両400の動作を検出するための機器等を使用することなく知覚することが困難な動作であるとよい。非表出動作は、例えば、車両400の内部又は外部の映像又は音声の記録処理、映像データ又は音声データの送信処理、情報端末600への通知処理、警備会社等への通報処理、等の一つ又は複数とすることができる。
【0190】
撮影機器100が表示部13を用いて所定の機能を実行したことを報知しているときに、その報知に接したユーザ(真のユーザである)が、その機能が実際に実行されているのか、又は威嚇動作に関するもので実際には実行されていないかを把握するために、以下の構成が採用されてもよい。撮影機器100は、実際に実行されている場合は「映像を記録中!」と表示し、威嚇動作に関するもので実際には実行されていない場合は「映像を記録中」と表示する等して、所定の機能を実行したことの報知(ここでは表示)の内容を異ならせてもよい。あるいは、制御部11は、表示部13の表示に用いる色(例えば、文字色や背景色)、その他の視覚的要素の表示の内容や、その視覚的要素の表示の有無を異ならせてもよい。
【0191】
撮影機器100は、所定の機能を実行している旨の報知の内容を複数パターン有し、実際に実行されている場合に使用するパターンと、威嚇動作に関するもので実際には実行されていない場合に使用するパターンと、をユーザが設定できる構成としてもよい。このようにすると、ユーザは、機能が実際に実行されているのか、又は威嚇動作に関するもので実際には実行されていないかを把握することができる。また、不正行為者にとってはどちらであるかが分からないという効果も奏する。この設定は、例えば、撮影機器100の設定に関するメニューを介して行える構成とするとよい。
【0192】
(D)音の出力
音の出力により威嚇動作をする場合、制御部11は、音声出力部14により、不正行為者に対して、所定の音を出力する。所定の音は、音声メッセージとするとよく、例えば、「(B)所定の機能を実行したことの表示」の項で説明した文字で表示していた内容の音声とするよい。このような音声として、「映像記録中」、「映像送信中」、「通報中」、「映像を記録しました」、「映像を送信しました」、「通報しました。」等の音声メッセージがある。所定の音は、このような音声メッセージに代えて、又は加えて、アラーム等の電子音その他の警告音、警報音を含むとよい。このようにすると、不正行為者に対してより心理的な威嚇的効果を高められる効果が期待できる。威嚇動作として、音の出力を用いることと、撮影機器100の設置位置や設置方向、不正行為者の視線方向等に関わらず、威嚇動作を不正行為者により認識させやすくすることができる。
【0193】
撮影機器100が、上述したいずれの威嚇動作を行うかについては、予め決められていてもよいし、ユーザにより設定されてもよいし、所定の規則に従って又はランダムに選択してもよい。また、撮影機器100は、上述したいずれの威嚇動作に加え、さらに、発光部21を光らせて(例えば、LEDフラッシュ)威嚇動作を行うと、より威嚇効果を高めることができる。
【0194】
(E)威嚇動作のその他の作用効果の説明
消費電力を抑える等の目的で表示部13(例えば、液晶画面)の表示を切ると、撮影機器100の電源が入っていても、車両400の外から見たときに撮影機器100が駐車監視をしているかどうか分からない場合がある。しかし、威嚇動作が行われると、撮影機器100が駐車監視機能のみを備える場合と比べ、不正行為を抑止し、そもそも車上荒らし等の不正行為を起こして欲しくないというユーザのニーズに応えることができる。また、セキュリティ専用機器等の他の機器に設けられた表示部や、発光体(例えば、LED)を光らせて威嚇動作をさせる場合と比較して、既存の機器であるドライブレコーダとしての撮影機器100等を利用して、撮影機器100が動作(例えば、撮影動作)していることを車両400の車室内又は外部の人に追加コストゼロで動作状態をアピールすることができる。
【0195】
威嚇動作が行われると、不正行為を働こうとする悪い人が車両400に来たときに、威嚇動作を行う機器を破壊や盗難しようとしても、表示部13に例えば「映像送信中」、「発報中」と表示されていたり、「ガービーガガガ―ピー」等の音が出力されると、不正行為を行おうとする人に対し「おっといけね、もうここに駐車監視で記録したデータがないんじゃないか」、「データ送信中なんじゃないか」等と思わせることができ、威嚇として強烈に機能させることができる。そして不正行為者に撮影機器100等の機器を「壊しても意味がない」と思わせることができる。また、「警備会社に通報中」や「警備会社の警備員が来る」旨を明示又は暗示する表示を行うことで不正行為の抑止するセキュリティ的な効果を得ることができる。
【0196】
<7-2.威嚇動作の発動条件>
(A)制御部11は、威嚇動作を、車両400の駐車中において、駐車監視機能を動作させている場合に動作させる(発動させる)とよい。このようにすると、駐車監視機能と威嚇動作とを協働させて、駐車中の車両に対する被害の発生を抑制することができる。例えば、撮影機器100は、威嚇動作を行って不正行為者により不正行為が行われるのを抑制するとともに、駐車監視機能により駐車中の様子を監視して、仮に不正行為が行われる又は行われようとしたような場合でも、その後の対処に役立てることができる。 威嚇動作は、車両400の駐車であるが、駐車監視機能が動作していないときに行われると、駐車監視機能が動作していなくても、駐車中の車両400に対する不正行為を抑制することができる。なお、威嚇動作機能は、駐車監視機能とともに動作させるのであれば、駐車監視機能の一部の機能としてもよいし、駐車監視機能の外部の機能としてもよい。
【0197】
(B)制御部11は、駐車監視機能の動作中において、威嚇動作を常時実行するようにしてもよいが、異常の発生が疑われる所定の条件が成立した場合に、威嚇動作を行うと、特によい。異常の発生が疑われる所定の条件は、車両400における異常、又は車両400における異常に関する条件とすると、実際に不正行為が行われて害を被る前に威嚇動作を行うことができる。例えば、制御部11は、モーションディテクト機能に基づいて動体を検知した場合に、威嚇動作を行うとよい。例えば、制御部11は、駐車監視中にモーションディテクト機能を動作させておき、動体が検出されると、例えば、表示部13の電源をONとして、威嚇動作を行う。制御部11は、駐車監視機能が動体検知モードで動作するときに威嚇動作を行ってもよいが、タイムラプスモードで動作するときに威嚇動作を行って、モードに関係なく、威嚇動作機能による効果を奏するようにすることが望ましい。
【0198】
制御部11は、動体として人の動きに関する所定の条件が成立すると威嚇動作を行うとよい。人の動きに関する所定の条件は、例えば、人による不正行為が行われる状況が発生した場合である。制御部11は、例えば、駐車監視機能の動作中に、車両400のドアセンサの検知結果を、端子部19を介して取得してドア開を検知した場合に、威嚇動作を行うとよい。これに代えて又は加えて、撮影機器100は、センサ部17を駆使して人の動きを検知してもよい。例えば、制御部11は、人感センサが人の存在を検知した場合、ドップラーセンサにより人の接近を検知した場合、の一つ又は複数の場合に、威嚇動作を行うとよい。このように、撮影機器100においては、人の動きに基づいて泥棒等の不正行為者がいるかもしれないという状況を認識して、威嚇動作を行うとよい。
【0199】
(C)制御部11は、情報端末600(例えば、上述したスマートフォンやリモコン)の遠隔操作に従って、威嚇動作を行う機能を有してもよい。ユーザは、不正行為が行われる可能性のある状況や不正行為か行われていないか心配になった状況等で、情報端末600に対して威嚇動作の実行を指示する操作を行う。この操作に応じて、情報端末600の制御部61は、通信部63を用いて、威嚇動作の実行を撮影機器100に指示する。制御部11は、第1通信方式及び第2通信方式のどちらを用いてもよく、少なくとも無線通信を行うことが可能なほうを用いればよい。特に、第2通信方式を用いると通信可能距離が長く、確実に威嚇動作の実行を指示しやすくなり点で、望ましい。撮影機器100において制御部11は、この威嚇動作の指示を受信すると、その指示に応じて威嚇動作を行う。このようにすると、手動により必要に応じて威嚇動作を行わせることができる。
【0200】
(D)撮影機器100は、威嚇動作を行う否か(例えば、威嚇動作の実行の条件となる人の動作を検出するかしないか)は、予め又は任意のタイミングで設定できるように構成されているとよい。このようにすると、威嚇動作が、設定した状況下において実行されるようにすることができる。
【0201】
<7-3.威嚇動作の段階的又は連続的な変化>
制御部11は、威嚇動作を、段階的又は連続的に威嚇動作を変化させてもよい。具体的には、制御部11は、不正行為が行われる危険度が増すことによって、威嚇の強度を増すように段階的又は連続的に威嚇動作を変化させるとよい。威嚇の強度については、その強度が高いほどに人間が心理的な圧迫感、緊張感を持つようになっていればよく、例えば、点灯色や点灯の頻度、音声の音量の大きさ等の調整によって強度が変更されるとよい。
【0202】
制御部11は、例えば、モーションディテクト機能又は人感センサによる検出結果に基づいて、人が遠くに存在するときは危険度が比較的低いものと判定して威嚇の強度を低くし、人が近くに存在するときは危険度が比較的高いものと判定して威嚇の強度を高くするとよい。
【0203】
制御部11は、例えば、単に駐車監視機能を動作させているときでは、表示部13の色を「白」、「黒」、「白」、「黒」と比較的遅い点滅で5秒に1回交互に表示させる動作を行う。一方、制御部11は、人が近づいているとき(例えば、モーションディテクト機能により車両400の近くで人の動きが検知されたとき)では、表示部13の色を比較的早い点滅で1秒に1回交互に表示させる動作(例えば、「高速でバタバタとする」、「ゆっくりではない」態様の動作)を行う。
【0204】
また、制御部11は、危険度がさらに増加した場合、「赤」、「白」、「赤」、「白」を交互に点灯させ、音声出力部14により音も鳴らす音出力を加える等して威嚇のレベルを最大限に増加させるとよい。
【0205】
また、威嚇の強度が低い場合の動作として、制御部11は、例えば、表示部13による表示により「録画している」ことをお知らせするだけでもよく、注意喚起的な動作をしても不正行為の抑止効果を得ることができる。
【0206】
例えば、不正行為者が、不正行為を行おうとする対象として車両400を遠くで見ているときに威嚇動作が行われると表示が常時表示されていると、「ずっと表示しているんじゃないか」と思われる可能性が想定されるため、威嚇強度を変化させるようにダミー表示をした方が、危険度の増加が検知されたものと認識させて不正行為の抑止効果を高めることができる。
【0207】
<7-4.駐車監視機能の動作中の撮影機能、及び記録機能>
(A)撮影機器100は、駐車監視機能の動作中において、照明として(例えば、夜中のライト代わりに)、表示部13(例えば、LCD)を発光させて、周囲(車室内)を明るくして、車両400の車室内又は外部を撮影部15で撮影する撮影機能を有するともよい。このような機能により、表示部13の発光を、車室内又は外部を点灯させる照明の代わりに使用することができ、鮮明な撮影画像を得ることができる。なお、制御部11は、威嚇動作を実行するときに表示部13を発光させて撮影・記録をしてもよいが、威嚇動作の実行とは無関係に表示部13を発光させて撮影・記録をしてもよい。また、このような発光、及び撮影・記録は、駐車監視機能の動作中の一部又は全部の期間に行われるとよい。制御部11は、例えば、事前設定、ユーザの操作により指示、人感センサによる人の検知、及びモーションディテクト機能による動体の検知の少なくともいずれかを契機に、表示部13を発光させて撮影・記録をしてもよい。
【0208】
(B)撮影機器100は、駐車監視機能の動作中、例えば駐車中の少なくとも威嚇動作が行われている期間に、車室内の画像又は音を記録する記録機能を有するとよい。制御部11は、少なくとも威嚇動作が行われている期間に、車両400の車室内又は外を撮影した画像、又は前記車両の車室内又は外の音を、記憶媒体500に記録するとよい。この記録機能による記録は、すでに説明した常時記録機能、イベント記録機能により記録される画像とは、格納場所を異ならせて行われるとよい。格納場所を異ならせることは、フォルダを異ならせること、記憶媒体を異ならせること等とするとよい。
【0209】
このようにすると、少なくとも不正行為者による不正行為を抑制するための動作が行われている期間に、車両の車室内又は外を撮影した画像、又は車両の車室内又は外の音を記録することで、不正行為の証拠を記録しておくことができる。
【0210】
威嚇動作は、以上説明したような態様の威嚇動作に限られず、動作の種類、強弱、タイミング等の特性については種々の変形が可能である。
【0211】
<7-5.撮影機器100と情報端末600とが連携する情報端末連携機能>
撮影機器100と情報端末600とが連携する情報端末連携機能を説明する。情報端末連携機能は、初期設定機能と、通信状態通知機能と、連携動作機能とを含むとよい。
【0212】
(A)初期設定機能
初期設定機能は、撮影機器100が無線通信により接続する情報端末600の初期設定をする機能である。撮影機器100は、初期設定機能により設定された情報端末600と連携する。ここで、撮影機器100と連携可能な情報端末600の設定方法を説明する。撮影機器100において、電源が供給されている状態で、ユーザにより入力部12を用いて所定の操作が入力されると、第1通信方式の無線通信接続の待機状態となる。一方、情報端末600において制御部61は、ユーザの操作に応じて、OS又はアプリケーション651の機能に搭載された所定の通信設定画面(Wi-Fi接続の設定画面)をUI部64に表示させる。ユーザは、所定の通信設定画面の中から、UI部64を用いて、撮影機器100(例えば、SSID)を選択する操作を受け付ける。制御部61は、パスワード入力画面を表示させる。ユーザは、UI部64を用いてパスワードを入力する。制御部61は、入力されたパスワードに基づいて撮影機器100との第1通信方式の無線通信の接続を試みる。撮影機器100において制御部11は、パスワードが正当なものである場合、撮影機器100と情報端末600との第1通信方式の無線通信により接続させる。パスワードは、撮影機器100固有のものが予め取扱説明書に記載される等してユーザに提供されてもよいし、初期接続のパスワードは共通として、その後ユーザが変更できるようにしてもよい。
【0213】
また、撮影機器100において制御部11は、第2通信方式の無線通信接続の初期設定を行う。この初期設定は、Bluetooth(登録商標)の規格の通信と同様の方法でよいが、例えば、以下のようにするとよい。撮影機器100において、電源が供給されている状態で、ユーザにより入力部12を用いて所定の操作が入力されると、第2通信方式の無線通信接続の待機状態となる。一方、情報端末600において制御部61は、OS又はアプリケーション651の機能に搭載された所定の通信設定画面(Bluetooth(登録商標)接続の設定画面)をUI部64に表示させる。制御部61は、第2通信部632により周辺の機器を探索する。制御部61は、探索した周辺の機器の中から、UI部64を用いて、撮影機器100(例えば、デバイス名、製品名)を選択する操作を受け付ける。これにより、撮影機器100と情報端末600との第2通信方式の無線通信接続が可能となる(本実施形態では、ペアリングが完了する)。さらにパスワードの認証が行われてもよい。この場合、制御部61は、撮影機器100(例えば、デバイス名、製品名)を選択する操作を受け付けた後、パスワード入力画面を表示させる。ユーザは、UI部64を用いてパスワードを入力する。制御部61は、入力されたパスワードに基づいて撮影機器100との第2通信方式の無線通信の接続を試みる。撮影機器100において制御部11は、パスワードが正当なものである場合、撮影機器100と情報端末600との第2通信方式の無線通信により接続させる。パスワードは、撮影機器100固有のものが予め取扱説明書に記載される等してユーザに提供されてもよいし、初期接続のパスワードは共通として、その後ユーザが変更できるようにしてもよい。
【0214】
以上により、撮影機器100が無線通信により接続する情報端末600の設定が完了する。以下の説明では、特に断りのない限り、第1通信方式、及び第2通信方式のそれぞれについて、撮影機器100と情報端末600とが通信可能になった場合(例えば、互いに通信可能距離で近接した場合)には、ユーザの明示の接続開始の操作なしに、無線通信接続(つまり、自動接続)が行われるようになっているとよい。これに限られず、撮影機器100又は情報端末600側から、ユーザの明示の接続開始の操作があった場合(例えば、アプリケーション651の起動時)に、無線通信接続(つまり、手動接続)が行われるようになっていてもよい。
【0215】
(B)通信状態通知機能
通信状態通知機能は、撮影機器100と情報端末600との間で行われる無線通信の通信状態を通知する(例えば、お知らせする)機能である。通信状態は、情報端末600の制御部61が、UI部64へ表示することにより、ユーザに通知される。情報端末600は、通信状態を、少なくとも撮影機器100と情報端末600とが無線通信で接続しているときに通知し、さらに、撮影機器100と情報端末600とが無線通信で接続していないときに通知すると尚良い。
【0216】
情報端末600は、通信状態の表示を、例えば、以下の第1通知方式から第3通知方式により行うとよい。第1通知方式は、撮影機器100からの電波の圏内に入った(圏内)又は圏内から出た(圏外)ことがわかる表示を情報端末600のUI部64にポップアップ等により通知する方式である。第2通知方式は、情報端末600のUI部64にアイコン等で繋がるか繋がらないかの2択で表示する方式である。第3通知方式は、複数(例えば3本とか4本)の段階的又は連続的に変化可能なアイコンやマーク(例えば、アンテナマーク)で通信品質(例えば、電界強度や通信する機器間の距離)の良否を、情報端末600のUI部64に表示する方式である。第2通知方式は第1通知方式よりも通信機能の使用可否の把握をユーザに容易に行わせることができる。また、第3通知方式は第2通知方式よりも通信品質の良否の把握をユーザに容易に行わせることができる。
【0217】
情報端末600は、第1通信方式の無線通信と、第2通信方式の無線通信とのそれぞれについて、その通信状態をユーザに報知するとよい。情報端末600は、第1通信方式の無線通信や第2通信方式の無線通信の電波の届く範囲か、届かない範囲か、遠隔で情報端末600(例えば、スマートフォンやリモコン)側でわかるようにする機能である。例えば、情報端末600において制御部61は、第1通信部631、及び第2通信部632のそれぞれを介した撮影機器100との無線通信の状態、例えば無線通信の接続の有無をUI部64に表示させるとよい。さらに制御部61は、無線通信の電波の強度に基づいて、無線通信の状態を表示させると尚良い。制御部61は、アイコン等による表示により、圏内になったら報知し、圏外になったら報知する等の機能(上述の第1通知方式から第3通知方式に例示する機能)を有してもよい。なお、制御部61は、アプリケーション651を動作させているときには常時通信状態を通知するとよいが、撮影機器100が駐車監視機能を動作させている間に通信状態を報知してもよい。
【0218】
このようにすると、ユーザは、第1通信方式と第2通信方式とのそれぞれについて、情報端末と電子機器との通信状態を把握でき、さらに、「(C)監視機能」の項で説明するような、第1の機能及び第2の機能の使用環境を把握することができる。使用環境としては、例えば、機能の使用の可否、及び使用をした場合の機能の発揮の程度の少なくともいずれかに関する環境とするとよい。
【0219】
このようにすると、ユーザは、情報端末600の表示部の表示(例えば、アイコン)を見て、電波の届く範囲が情報端末600側でわかるため、どこまでの機能又は通信路(本実施形態では、第1通信路P1又は第2通信路P2)を利用できるのか容易に把握することができる。
【0220】
(C)監視機能
監視機能は、情報端末600が撮影機器100を用いて、撮影機器100又は車両400の状態を監視する機能である。撮影機器100において制御部11は、情報端末600が第1通信機能及び第2通信機能の一方又は両方により通信可能となった場合に、その一方または両方について通信可能となったことを、情報端末600にプッシュで通知する。この通知は、制御部11が、第1通信機能を用いて行ってもよいが、通信可能距離の長い第2通信機能により行うと特によい。又は情報端末600において制御部61が、撮影機器100と通信可能になったか否かを判断してもよい。又は、ユーザが情報端末600を使って撮影機器100にアクセスしに行く構成としてもよく、この場合、制御部61は、第1通信方式及び第2通信方式の一方又は両方により撮影機器100と通信可能となった場合に、その一方または両方について通信可能となったことを、UI部64に表示させるとよい。
【0221】
情報端末600は、撮影機器100(例えば、ドライブレコーダ)において駐車監視中のモーションディテクト機能による動体の検知時に、車両400の内部の音声等の情報をモニター(監視といってもよい。)する機能を有するとよい。撮影機器100は、第1通信方式の無線通信を行う第1通信機能を用いた通信により第1の機能を実行し、第1通信方式よりも通信速度が遅く通信距離が長い第2通信方式の無線通信を行う第2通信機能を用いた通信により第2の機能を実行する機能を有する。
【0222】
第1の機能は、撮影部15で撮影した画像(映像)や音声を情報端末600に送信する機能である。これにより、情報端末600は、撮影部15で撮影した映像を表示したり、音声を出力したりする。ユーザは、情報端末600を用いて車両400の状況を監視する。このように、第1の機能は、撮影機器100で撮影した画像を情報端末600に送信することを少なくとも含み、さらに、音声信号を送信する等して、車両400の車室内又は外の状況を特定するためのデータを送信することとするとよい。
【0223】
第1の機能は、威嚇動作を行っているときに撮影機器100側から情報端末600側へプッシュで通知し(お知らせ)し、情報端末600が承諾してから実行するとよい。このようにすると車両400の状況をユーザの任意のタイミングで監視できる。また、監視機能は、車両400の内部又は外部の音声等をリアルタイムで監視でき、セキュリティ性をより高めることができる。
【0224】
第2の機能は、威嚇動作の実行を報知することであるが、モーションディテクト機能や人感センサによる検知結果の送信としてもよく、第1の機能よりもデータ量の小さいデータを送信する機能とするとよい。第2の機能に関し、撮影機器100において制御部11は、通信距離の長い第2通信機能により、「威嚇中」等の撮影機器100の威嚇動作機能や駐車監視機能の実行状態を情報端末600へ通知する。第2の機能は、通信距離の長い第2通信機能を用いて行うとよい。
【0225】
図8、
図9、
図10、及び
図11は、情報端末600がアプリケーション651に基づいてUI部64に表示する画面を示す図である。
【0226】
図8(A)は、第1通信機能、及び第2通信機能がともに動作中である場合、つまり、第1通信方式の無線通信、及び第2通信方式の無線通信がともに実行されているときの画面である。
図8(B)は、第1通信機能が動作中ではないが、第2通信機能が動作中である場合、つまり、第1通信方式の無線通信が実行されていないが、第2通信方式の無線通信が実行されているときの画面である。
図8(A)に示す場合、UI部64には、第1通信機能により取得した撮影機器100で撮影されている画像(つまり、ライブ映像)が領域Tに表示されている。また、この画面には、第1通信機能が動作中であることを示す情報としてのアイコンI1と、第2通信機能が動作中であることを示す情報としてのアイコンI2とが表示されている。
図8(B)に示す場合、UI部64には、第1通信機能が動作中でないから、撮影機器100で撮影されている画像は表示されない。これに代えて、UI部64には、「無線LAN接続されていないため、映像表示できません。」という、第1通信機能が動作しておらず、撮影機器100の撮影した映像を表示できないことを示すメッセージが、メッセージ領域M1に表示される。また、この画面には、第1通信機能が動作中であることを示す情報としてのアイコンI1は表示されず、第2通信機能が動作中であることを示す情報としてのアイコンI2が表示されている。なお、アイコンI1を非表示とするのではなく、アイコンI1をグレーアウトとさせてもよく、各通信方式の通信状態が分かるような表示であればよい。
【0227】
図9(A)は、第1通信機能、及び第2通信機能がともに動作中である場合、つまり、第1通信方式の無線通信、及び第2通信方式の無線通信がともに実行されている場合で、威嚇動作中の画面である。
図9(B)は、第1通信機能が動作中ではないが、第2通信機能が動作中である場合、つまり、第1通信方式の無線通信が実行されていないが、第2通信方式の無線通信が実行されている場合で、威嚇動作中の画面である。
図9(A)に示す場合、UI部64には、第1通信機能により取得した撮影機器100で撮影されている画像(つまり、ライブ映像)が領域Tに表示されるとともに、その領域Tとは別の位置に、「威嚇動作中です」という威嚇動作機能が動作していることを示すメッセージが、メッセージ領域M2に表示されている。また、この画面には、アイコンI1、I2が表示されている。
図9(B)に示す場合、UI部64には、第1通信機能が動作中でないから、撮影機器100で撮影されている画像は表示されないが、第2通信機能は動作中であるから、この通信により取得した動作状態に基づいて、「威嚇動作中です」という威嚇動作機能が動作していることを示すメッセージが、メッセージ領域M2に表示されている。アイコンI1、I2の表示に関しては、
図9(B)に示す場合と同様である。
【0228】
図10は、情報端末600がアプリケーション651に基づいてUI部64に表示する画面であって、
図8、9とは他の例を示す図である。
図10は、少なくとも第1通信機能が動作中である場合に表示される画面を示す。
図10に示す場合、UI部64には、第1通信機能により取得した撮影機器100で撮影されている画像(つまり、ライブ映像)が領域Tに表示されている。また、この画面には、オブジェクトI11~I19が表示されている。各オブジェクトは、アイコンであるが、文字列その他の表示方法が用いられてもよい。操作可能なオブジェクトは、その操作の結果(例えば、操作に応じた動作設定)に応じて表示が異なると、ユーザはオブジェクトからその操作結果を把握できるので良い。
【0229】
オブジェクトI11は、記憶媒体500の記憶容量のうちの残容量を示す。制御部61は、通信部63により残容量のデータを、撮影機器100から取得して、オブジェクトI11を表示させるとよい。オブジェクトI12は、領域Tにどの撮影機器の画像を切り替えるために操作される。本実施形態では、撮影機器100と撮影機器200とを相互に切り替え可能である。制御部61は、UI部64により受け付けたオブジェクトI12に対する入力(操作といってもよい。)に応じて、撮影機器100から取得した画像のうち、どの撮影機器の画像を表示させるかを切り替えるとよい。オブジェクトI13は、撮影機器100、及び撮影機器200の録画において、音声も記録するか否かを切り替えるために操作される。制御部61は、UI部64により受け付けたオブジェクトI13に対する入力に応じて、通信部63を用いて、撮影機器100に対して音声の記録の有無を設定するデータを送信するとよい。
【0230】
オブジェクトI14は、撮影機器100に対して威嚇動作の実行を指示するために操作される。制御部61は、UI部64により受け付けたオブジェクトI14に対する入力に応じて、通信部63(例えば、第2通信部632)を用いて、撮影機器100に対して威嚇動作の指示を送信するとよい。ユーザは、領域Tに画像が表示されている場合には、その画像を見ながら、必要に応じて、撮影機器100から離れた場所からも、撮影機器100に威嚇動作を行わせることができる。例えば、この指示に応じた威嚇動作は、10秒間行われるとよいが、これ以外の時間でもよいし、このタイミングで又は事前に威嚇動作を行う時間が決められてもよい。また、制御部11は、ユーザからの入力に応じて、威嚇動作の音量等の威嚇のレベル等の詳細設定を行う機能を有してもよい。
【0231】
オブジェクトI15は、領域Tにおける画像の表示方法を切り替えるために操作される。例えば、
図19に示す撮影機器や、その他のタイプの撮影機器の場合、「魚眼」、「360°VR」、「2分割」という3種類の中からいずれかの表示方法が選択可能である。「魚眼」は、
図10の領域Tに表示されているような画像で、魚眼画像を撮影可能なカメラを用いて撮影した魚眼画像をそのまま表示する表示方法である。「360°VR」は、魚眼画像を平面画像に補正した画像を表示する表示方法である。「2分割」は、車外に相当する撮影画像と車内に相当する撮影画像とを2分割(例えば、上下2分割)で表示する表示方法である。オブジェクトI16は、カメラリスト画面を表示させるために操作される。カメラリスト画面については、
図11を用いて後述する。
【0232】
オブジェクトI17は、撮影機器100、200で撮影・記録された画像を表示するアルバム画面を表示するために操作される。制御部61は、UI部64により受け付けたオブジェクトI17に対する入力に応じて、通信部63(例えば、第1通信部631)を用いて、撮影機器100から撮影・記録されたデータを取得して、アルバム画面や、撮影・記録された画像を表示させるとよい。オブジェクトI18は、領域Tに表示されている画像の記録を開始、又は停止させるために操作される。制御部61は、この操作に応じて、撮影機器100に表示されている画像を記憶させる機能を有する。この場合の画像の記憶は、記憶部65への記憶とするとよいが、記憶媒体500、又はこれらの両方としてもよい。制御部61は、威嚇動作中や、さらにその前後の少なくとも一方の期間の画像を、ユーザの明示の指示なしに記憶させてもよい。例えば、制御部61は、オブジェクトI14に対する威嚇動作を指示する入力があったことを契機に、撮影機器100に表示されている画像を記憶させてもよい。オブジェクトI19は、表示、各設定などメニューリストを表示させるために操作される。制御部11は、メニューリストを介して行われたユーザによる設定の内容に応じて、通信部63(例えば、第2通信部632)を用いて、撮影機器100の設定(動作設定)を行うとよい。
【0233】
図11は、情報端末600がアプリケーション651に基づいてUI部64に表示するカメラリスト画面を示す図である。
図11(A)は、第1通信方式用のカメラリスト画面を示す図である。
図11(B)は、第2通信方式用のカメラリスト画面を示す図である。例えば、第1通信方式の無線通信で接続されているときには
図11(A)に示す画面が、第1通信方式の無線通信で接続されておらず、第2通信方式の無線通信で接続されているときには
図11(B)に示す画面が表示されてもよい。
【0234】
図11(A)を参照して、第1通信方式用のカメラリスト画面を説明する。このカメラリスト画面には、領域T21と、領域T22と、オブジェクトI21~I26とが配置されている。領域T21には、どの撮影機器と第1通信方式の無線通信で接続されて画像(ライブ映像)が表示されるのかを示す情報が表示される。
図11(A)では、撮影機器100を一意に特定する文字列が表示される。オブジェクトI21は、無線通信(例えば、第1通信方式、第2通信方式、又はこれらの両方)の接続手順を表示させるために操作される。オブジェクトI21が選択されると、制御部61は、その接続手順をUI部64に表示させる。オブジェクトI22は、第1通信方式の無線通信の接続状態を表示する。オブジェクトI22は、接続の有無(接続中/未接続)を表示するが、さらに通信品質(ここでは、電界強度)を表示すると尚良い。
【0235】
領域T22には、どの撮影機器と無線通信で接続されて画像(ライブ映像)が表示されるのかを示す情報のほか、オブジェクトI23~I26が配置されている。「接続完了」との文字列は、該当の撮影機器との接続が完了した旨を意味する。オブジェクトI23は、領域Tに撮影機器100の画像を撮影するか否かを切り替えるために操作される。制御部61は、オブジェクトI23に対する入力に応じて領域Tにおける画像の表示の有無を切り替える。オブジェクトI24は、撮影機器100の設定を行うための画面を表示させるために操作される。オブジェクトI25は、アプリケーション651の機能により情報端末600に記録したファイル(例えば、記録した映像ファイル)を閲覧する場合に操作される。オブジェクトI26は、該当の撮影機器と第2通信方式の無線通信で接続するか、又は接続を切断するか(つまり、接続解除するか)を切り替えるために操作される。制御部61は、オブジェクトI26に対する入力に応じて、撮影機器100との第2通信方式の無線通信による接続を制御する。なお、情報端末600が接続可能な撮影機器が他にもある場合は、接続を切替可能な撮影機器の情報が、カメラリスト画面におけるさらに下方に表示される。情報端末600は、カメラリスト画面を介して、接続先の撮影機器を切り替え可能に構成されている。
【0236】
図11(B)を参照して、第2通信方式用のカメラリスト画面を説明する。このカメラリスト画面には、領域T31と、領域T32と、領域T33と、オブジェクトI31~I34とが配置されている。領域T31には、「表示なし」というメッセージが表示されている。これは、第2通信方式の無線通信のみで接続されているため、撮影機器100の画像の表示をしないことを意味する。
【0237】
オブジェクトI31は、無線通信(例えば、第1通信方式、第2通信方式、又はこれらの両方)の接続手順を表示させるために操作される。オブジェクトI31が選択されると、制御部61は、その接続手順をUI部64に表示させる。オブジェクトI32は、該当の撮影機器と第2通信方式の無線通信で接続するか、又は接続を切断するか(つまり、接続解除するか)を切り替えるために操作される。制御部61は、オブジェクトI32に対する入力に応じて、撮影機器100との第2通信方式の無線通信による接続を制御する。
【0238】
領域T32には、どの撮影機器と第1通信方式の無線通信で接続可能かを示す情報のほか、オブジェクトI33が配置されている。オブジェクトI33は、オブジェクトI22と同様、第1通信方式の無線通信の接続状態を表示する。オブジェクトI33は、接続の有無(接続中/未接続)を表示するが、さらに通信品質(ここでは、電界強度)を表示すると尚良い。
【0239】
領域T33には、どの撮影機器と第2通信方式の無線通信で接続されているのかを示す情報のほか、オブジェクトI34が配置されている。オブジェクトI34は、該当の撮影機器と第2通信方式の無線通信による接続を切断する(つまり、接続解除する)場合に操作される。制御部61は、オブジェクトI34に対する入力に応じて、撮影機器100との第2通信方式の無線通信による接続を切断する。
以上が、情報端末600で表示される画面の例の説明である。
【0240】
このように、情報端末600の機能によって、撮影機器100の撮影した画像、威嚇動作機能の動作状態、各通信方式の通信状態を、ユーザが知ることができるようになっている。また、情報端末600を撮影機器100と接続しておきたいものの、家に入ると情報端末600は第1通信方式により家にあるアクセスポイントに接続してインターネットと接続することがある。その場合でも、第2通信方式の無線通信により、情報端末600と撮影機器100との無線通信は可能であるから、情報端末600が撮影機器100との無線通信が可能である状況が維持されやすくなる。
【0241】
[8.変形例1]
<8-1.システム1Aの構成>
次に変形例1について説明する。
図12は、変形例1のシステム1Aの構成を示す図である。なお、システム1Aの説明において、
図1のシステム1の構成と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略化する。
【0242】
システム1Aは、威嚇機器700を備える。威嚇機器700は、撮影機器100とは別途に設置されており、車両400のダッシュボード上に設けられる。威嚇機器700は、発光部701及び音出力部702と、通信部703とを有する。発光部701は、発光する。発光部701は、威嚇のため撮影機器100(例えば、ドライブレコーダ)の本体に取りつけられた威嚇用のLEDを有し、例えば、高輝度LEDを備えた発光機器(例えば、パトライト(登録商標))である。威嚇機器700は、発光部701に代えて又はこれに加えて表示部を有し、表示部を用いて表示による威嚇動作を行ってもよい。音出力部702は、音を出力する。音出力部702は、例えば、威嚇のため撮影機器100(例えば、ドライブレコーダ)の本体につけられた威嚇用の大音量スピーカであり、例えば、大音量のブザーユニットである。通信部703は、撮影機器100と通信する。威嚇機器700に内蔵されており、例えばBluetooth(登録商標)その他の通信方式により撮影機器100と無線通信を行うことが可能な通信機能を有する。通信部703は、有線で接続された撮影機器100と通信してもよい。
【0243】
<8-2.威嚇機器連携機能>
システム1Aの撮影機器100は、威嚇動作機能として、威嚇機器連携機能を有する。
威嚇機器連携機能は、撮影機器100が威嚇機器700に威嚇動作を行わせる機能を備える。威嚇機器連携機能は、威嚇動作を撮影機器100単体で行った場合に比べて、高い威嚇強度(例えば、威嚇の変化を早くしたり、大音量で出力する、等)で車両400の外へ向けた威嚇動作が行われるように威嚇の種類を異ならせるとよい。威嚇機器連携機能は、例えば、撮影機器100のモーションディテクト時、又はドア開検出のときに、主に車両400の外へ向けた威嚇動作を行わせる機能を備える。この威嚇動作は、例えば、高輝度LEDを発光させる動作、音出力部702により大音量で音出力を行う動作、の一つ又は複数である。
【0244】
威嚇機器連携機能は、例えば、煽り運転をした人が降車して自身の車両400が襲われそうになった場合、不正行為者を検知して威嚇機器700が高い威嚇強度で威嚇動作(例えば、音出力部702が大音量でと音を出力し、発光部701が高輝度で発光する動作)をさせてもよい。このようにすると、不正行為者を驚かせて、不正行為を躊躇させることができる。
【0245】
また、威嚇機器連携機能は、音の出力については既に説明したとおりとするとよいが、例えば、不正行為者を検出した場合に「警察に連絡します」や「警察に通報しました」等の警察に通報する旨を意味する威嚇の音声を出力させてもよい。
【0246】
なお、
図12では威嚇機器700がダッシュボード上に設けられた例について示した。威嚇機器700と撮影機器100とが別体の場合であれば、威嚇機器700は、車両400の車室内におけるダッシュボード上以外の位置に設けられてもよく、例えば、車両400のフロントガラス等の所定の取付位置にも取り付けられてもよい。威嚇機器700は、車両400における車室内以外の位置に設けられてもよく、例えばエンジンルーム等の車両400における車室内でない位置に設置してもよい。車両400における車室内でない位置に威嚇機器700が設置される場合は、威嚇動作を不正行為者に認識させるために、威嚇動作として音を出力すると特に良い。音を発する威嚇機器700をエンジンルームに設置する場合は、撮影機器100とワイヤレス接続することで容易に設置することができ、音がよく外に届くように構成することができる。
【0247】
また、威嚇機器700は威嚇専用の機器としてもよいが、威嚇とは異なる他の機能を備えてもよい。威嚇機器700は例えばナビゲーション機能やレーダー探知機能を有する車載機器としてもよいし、車両400に予め搭載された音響機器によって実現されてもよい。
【0248】
また、撮影機器100と威嚇機器700とは有線(又はワイヤード)により通信接続されていてもよいが、威嚇機器700の配置場所の制約を抑制することができるため無線により通信接続すると特に良い。
【0249】
また、威嚇機器700は撮影機器100と一体に設けてもよい。威嚇機器700が撮影機器100と一体に設けられた場合、威嚇機器700は、撮影機器100に威嚇機器700の発光部701と音出力部702が設けられるように、撮影機器100の本体に設けられる。
【0250】
また、上記の説明では、威嚇機器700が発光部701及び音出力部702を備える例について説明したが、発光部701を備える威嚇機器と、音出力部702を備える威嚇機器とが別体に構成されていてもよい。このようにすると、発光部701を備える威嚇機器と、音出力部702を備える威嚇機器とをユーザの希望(例えば、威嚇効果の向上、視界の確保、等)に沿った位置に任意に配置することができる。
【0251】
[9.変形例2]
<9-1.システム1Bの構成>
次に変形例2について説明する。
図13は、変形例2のシステム1Bの構成を示す図である。システム1Bは、複数の車両400のそれぞれに搭載された複数の撮影機器100を有する。なお、システム1Bの説明において、
図1のシステム1の構成と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略化する。
【0252】
<9-2.威嚇動作機能>
システム1Bの撮影機器100は、威嚇動作機能として、威嚇連携機能、施設機器連携機能、及び記録連携機能の少なくともいずれかを備える。威嚇連携機能は、近くに他の撮影機器100が存在した場合に、車両400の撮影機器100が、他の撮影機器100が行う威嚇動作と連携して威嚇動作を実行可能とする機能を有する。以下では、自車両を車両400として撮影機器100が搭載されているものとし、他車両400Aに撮影機器100Aが搭載され、他車両400Bに撮影機器100Bが搭載される場合を説明する。
【0253】
(A)撮影機器連携機能
撮影機器100は、車両400の周辺の他車両400A、400Bに撮影機器100と同じ機能が搭載された撮影機器100A、100Bがあった場合に、これら撮影機器100A、100Bと連携する。撮影機器100において制御部11は、威嚇動作をしたときには、撮影機器100だけでなく、他車両400A、400Bに搭載された撮影機器100A、100Bにも発報動作を行わせる機能である。発報動作は、威嚇動作と同じ態様で行われるとよいが、異なる態様で行われてもよい。撮影機器100A、100Bは、監視機器の一例である。周辺の他車両400A、400Bは、例えば、車両400から所定距離範囲内とするとよく、例えば、撮影機器100から第1通信方式又は第2通信方式により通信可能な距離範囲とするとよい。
【0254】
撮影機器100において制御部11は、威嚇動作を行う場合に、通信部16を用いて発報指示を送信する。発報指示は、他の車両に搭載された撮影機器に発報動作を行わせるための指示である。発報指示は、第1通信機能、又は第2通信機能を用いて、直接撮影機器100A、100Bに送信されてもよいが、図示せぬサーバに送信されるようにすると、撮影機器100A、100Bと通信するための構成が簡便になるので良い。他車両400A、400Bに搭載された撮影機器100A、100Bは、発報指示を受信すると、その発報指示に基づいて発報動作を行うとよい。この発報動作は、すでに説明した威嚇動作のいずれかと同じとするとよい。例えば、一台の車両400において威嚇動作が行われると、周辺の他の車両の一部の一つ若しくは複数又は全てにおいて、発報動作が行われるようにするとよい。
【0255】
例えば、制御部11は、コンビニエンスストアの駐車場等で、第2通信機能を内蔵した撮影機器100が搭載された車両400が複数駐車されていた状態である場合、どれか1台の車両400のセキュリティが威嚇動作をして発報状態となったら、周囲の車両400にも第2通信方式の無線通信で発報状態を報知し、対応する一部の一つ若しくは複数、又は全ての車両400で撮影を開始して威嚇の発報動作を行ってもよい。このようにすると、犯人への威嚇効果を高め、不正行為の証拠映像の撮影を複数の車両400で行うことで、証拠性を高めることができる。
【0256】
車上荒らし等の不正行為があった場合に、結局は不正行為があった車両1台のドライブレコーダが撮影した映像しか残ってないことがあるが、このようにすると、複数の車両の複数のカメラが不正行為の様子を記録していると証拠能力も飛躍的に向上させることができる。
【0257】
(B)施設機器連携機能
制御部11は、車両以外の構造物(例えば、車両の周辺に存在する店舗等の施設や、電柱等)に設置された機器と連携する機能を有してもよい。制御部11は、自分の家の車庫、コンビニ、スーパー等の施設に設けられた監視機器と連動して、発報動作を行うとよく、例えば発報音(例えば「ぷーぷー」という音)を鳴らしてもよい。撮影機器100において制御部11は、威嚇動作を行う場合に、通信部16を用いて発報指示を送信するとよい。発報指示は、「(A)撮影機器連携機能」の項で説明したのと同様、直接又はサーバを介して監視機器に送信されるとよい。このようにすると、周辺の車両(自分所有以外の車両)を動作させた場合に、誤動作によって周辺の車両の周囲の機器から不用意な音(例えば、迷惑な音)が発せられることを抑制できる。監視機器は、監視カメラや、人感センサを備え、人を検知すると警報する機器などの、セキュリティ用途で用いられる機器とするとよい。このようにすると、不正行為者による不正行為を抑制するための動作を行うことにより、外部の監視機器による監視の状況も踏まえた車両の車室内又は周辺の状況に応じた適切な状況下で、不正行為者による不正行為を抑制するための動作を行うことができる。
【0258】
また、制御部11は、自分の家のセキュリティ機能と連動する機能として、例えば、自分の家の中の庭のライトを「パカパカ」等と点滅させてもよい。
【0259】
また、制御部11は、コンビニ等の施設に、撮影機器100と同様の機能を有する撮影機器(例えば、監視カメラとして)が付いていて、施設側の撮影機器と連携する「パトライト(登録商標)」を発光させる、又は警告音を放音させるとよい。
【0260】
(C)記録連携機能
撮影機器100の制御部11は、どれか1台の車両400の撮影機器100が威嚇動作をして発報状態になった場合に、周囲の他の撮影機器100A、100Bにイベント記録を開始させたり、録画(画像と音声の記録)を開始させるとよい。撮影機器100において制御部11は、記録連携機能により記録を行わせる場合に、通信部16を用いて、記録指示を送信するとよい。記録指示は、「(A)撮影機器連携機能」の項で説明したのと同様、直接又はサーバを介して撮影機器100A、100Bに送信されるとよい。そのようにすることで、誤動作によって周囲の機器から不用意な音等の警報が発せられることを防止しつつ、不正行為の証拠映像の撮影を複数の車両400で行うことで、証拠性を高めることができる。
【0261】
(D)その他の機能
撮影機器100の制御部11は、複数の撮影機器100による威嚇動作の開始を、ユーザの手動操作により開始させる機能を有してもよい。この場合も、「(A)撮影機器連携機能」の項で説明したのと同様、直接又はサーバを介して撮影機器100A、100Bに発報指示が送信されるとよい。
【0262】
撮影機器100の制御部11は、例えば、第1通信機能又は第2通信機能により情報端末600に通知してもよい(例えば、通知を飛ばすとよい)。例えば、制御部11は、イベントが発生した場合、モーションディテクト機能により動体を検知した場合等、異常が疑われる状況であると判定した場合に、情報端末600に通知してもよい。そして、車両400が襲われている疑いがあった場合等には、ユーザは、情報端末600のUI部64の所定の操作を行う。この操作に応じて、制御部61は、警報指示(発報指示といってもよい。)を周囲の一つ又は複数の撮影機器100に送信するとよい。この警報指示を受信した一つ又は複数の撮影機器100は、威嚇動作を行うとともに、さらに、周囲の撮影機器100に威嚇動作を開始させるように発報指示を送信するとよい。
【0263】
[10.変形例3]
<10-1.システム1Cの構成>
次に変形例3について説明する。
図14は変形例3のシステム1Cの構成を示す図である。システム1Cは、車両400に搭載される車載機器800を備える。なお、システム1Cの説明において、
図1のシステム1の構成と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略化する。
【0264】
<10-2.車載機器800の構成>
図14は、本発明の一実施形態に係る車載機器800の概要を説明する図である。車載機器800は、車両400に配置される電子機器であり、運転手その他のユーザに対して各種の情報を提供する。車載機器800は、レーダー/レーザー探知機の機能を有しており、運転手の安全運転に資する情報を提供する。車載機器800は、第2の電子機器の一例である。
【0265】
車載機器800は、車両400が所定の目標物と所定の接近関係を有する場合に、ユーザに報知する報知機能を有する。所定の接近関係とは、車両400が目標物に対して所定の距離以下まで接近している関係をいい、さらに、車両400の進行方向、又は進路上に目標物が存在し、かつその目標物に対して所定の距離以下まで接近している関係をいうようにしてもよい。目標物として、例えば、車両の速度取締が行われる地点である速度取締地点がある。速度取締地点には、速度測定装置30が設置されることがある。車載機器800は、速度測定装置30から発せられる取締波を受信する。取締波は、車両の速度を測定するための電磁波で、測定波、速度測定信号等と称呼されてもよい。速度取締地点は、車両の走行状況(例えば、車両が速度を出しやすいこと)、交通事故の発生状況(例えば、事故の発生数が多い地点)等の状況を勘案して、決定される。速度取締地点の一例は、例えば、車両が走行する路線(道路)のうち、一般道や、直線状の道路、カーブ又はカーブの先の地点等に存在する。速度測定装置30としては、固定式、移動式等と呼ばれるもの等、多数存在する。移動式は、例えば、可搬式および車両に搭載される方式がある
【0266】
車載機器800は、本体部801と、固定部802と、に大別される。本体部801は、固定部802を用いて所定の設置位置に固定される。本実施形態では、設置位置は、車両400のダッシュボード41の上面である。固定部802は、本体部801の下に設けられ、本体部801を所定の設置位置に固定させるための固定部材である。固定部802は、ブラケットとも呼ばれる。
【0267】
図15は、本体部801の外観構成を示す図である。
図15(A)は、本体部801を正面側の右斜め上方向から見た図である。
図15(B)は、本体部801を背面側の左斜め上方向から見た図である。
【0268】
本体部801は、筐体8011を有する。筐体8011は、上下よりも左右に長く、かつ厚みが比較的小さい直方体状である。筐体8011は、例えば樹脂又はその他の材料で形成されている。筐体8011の正面側には、上下よりも左右に長い長方形の開口部が設けられている。本体部801は、この開口部の位置で画像を表示するための表示部813、及び表示部813の表示領域に重ねられたタッチセンサ8191を有する。本体部801は、その正面側の表示部813の左側の位置に、照度センサ窓8201、及び発光部824を有する。発光部824は、上下方向を長手方向とした発光領域を有する。筐体8011の右側面には、記憶媒体挿入口が設けられている。この記憶媒体挿入口を介して、本体部801に対して、記憶媒体850が装着される。
【0269】
筐体8011の背面側には、レンズホルダが設けられている。レンズホルダは、筐体8011の内外を貫通する貫通孔で、レンズ8121を保持する。レンズ8121は、集光用のレンズである。レンズ8121は、本実施形態では、上下よりも左右が長い楕円形状で、光の入射面が非球面状であるアスフェリックレンズ(エスフェリックレンズ)と呼ばれるレンズであるが、他の集光用のレンズが用いられてもよい。筐体8011の背面側の下端付近であって、筐体8011の左右方向の中心付近には、取付部8013が設けられている。取付部8013は、固定部802が取り付けられる部位である。取付部8013は、それぞれが上下に延びている一対の溝部を有する。筐体8011の背面側には、さらに、車載機器800の電源のオン/オフを切り替えるための電源スイッチ8221、及び外部の装置を接続するための端子部823が設けられている。
【0270】
図16は、固定部802の外観構成を示す図である。
図16(A)は、固定部802を正面側の右斜め上方向から見た図である。
図16(B)は、固定部802を正面側の左斜め上方向から見た図である。
【0271】
固定部802は、固定部材8021を用いて設置位置に固定され、台座部8022と、ソケット部8023と、ボールスタッド8024と、装着部材8025とを有する部材である。台座部8022は、設置位置(設置面)に固定される部位である。台座部8022の底面が、例えば粘着シート又は両面テープ等の固定部材8021を用いて設置位置に貼り付けられる。台座部8022は、正面側に開口した空間を有するソケット部8023を有する。ソケット部8023は、ボールスタッド8024が有するボール部が装着される。ソケット部8023と、ソケット部8023に装着されたボールスタッド8024とにより、ボールジョイント機構が構成される。ボールスタッド8024は、外力を受けて、ソケット部8023に装着された状態で、上下、及び左右に姿勢を変化させる。ボールスタッド8024のうちの正面側の部位には、装着部材8025が設けられている。装着部材8025は、本体部801の取付部8013に装着される。装着部材8025は、正面から見て左右の両側に、正面側に突き出す一対の突出部を有する。この一対の突出部が、本体部801の取付部8013の一対の溝部に挿入されることで、本体部801の固定部802への取り付けが完了する。本体部801は外力を受けて、固定部802に装着された状態で、上下左右に姿勢を変化することができる。これにより、ユーザは本体部801を所望する姿勢に固定した状態で、車載機器800を利用することができる。
【0272】
図17は、車載機器800の電気的構成を示すブロック図である。制御部811は、フロントカメラの各部を制御する。制御部811は、車載機器800の各部を制御する。制御部811は、例えば、プロセッサ8111、及びメモリ8112を含むコンピュータである。プロセッサ8111は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、及びFPGA(Field Programmable Gate Array)の少なくともいずれかを有する。メモリ8112は、例えば、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を有する主記憶装置である。プロセッサ8111は、メモリ8112のROM又は記憶部825から読み出したプログラムをRAMに一時的に記憶させる。また、メモリ8112のRAMは、プロセッサ8111に作業領域を提供する。プロセッサ8111は、プログラムの実行中に生成されるデータをRAMに一時的に記憶させながら演算処理を行うことにより、各種の制御を行う制御部811は、さらに、時刻を計る計時部8113を備える。計時部8113は、例えばリアルタイムクロックである。計時部8113は、プロセッサ8111のマザーボードに実装されていてもよいし、プロセッサ8111に外付けされてもよい。
【0273】
受光部812は、レーザー方式に対応した速度測定装置30から、取締波としてのレーザー光を受光するための受光部である。受光部812は、レンズ8121を介して入射した光を受光して、その受光した光に応じた信号を、制御部811に出力する。受光部812は、レーザー光のうちの可視光をカットするフィルタ等の光学部材をさらに有してもよい。受光部812が出力する信号は、例えば受光部812の受光量に応じて変化する。受光部812は、例えば受光素子としてフォトダイオードを備えるが、フォトトランジスタ又はその他の受光素子であってもよい。受光部812は、受光素子を2つ以上備えてもよい。受光部812は、少なくとも赤外光領域に感度を有するとよい。受光部812は、さらに受光素子からのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路等を有してもよい。
【0274】
表示部813は、画像を表示する。表示部813は、例えば3.2インチのカラーTFT液晶ディスプレイである。液晶ディスプレイは、例えばIPS(In Plane Switching)式である。表示部813は、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ又はその他の方式の表示装置でもよい。また、撮影機器100の表示部13と車載機器800の表示部813とを比較すると、本実施形態の表示部813は、撮影機器100の表示部13よりも大きいサイズである。換言すると、撮影機器100は、車載機器800の表示部813よりも小さいサイズの表示部13を備える。
【0275】
音声出力部814は、音声を出力する。音声出力部814は、例えば音声処理回路及びスピーカを有する。
【0276】
レーダー受信部815は、レーダー方式に対応した速度測定装置30から、取締波としてのレーダー波を受信する。レーダー波は、例えば、所定のマイクロ波、所定のステルス取締器が計測する瞬間だけ電波を発射するステルス波、通常レーダー波、Kバンド及びXバンドに対応する新型レーダー波、及びキャンセル告知がある。レーダー受信部815は、例えばアンテナ及び受信回路を有する。
【0277】
無線受信部816は、所定の周波数の無線信号を受信する。この所定の周波数の無線信号は、速度取締地点の周辺を伝搬することがあるもので、速度取締地点の存在を示す取締波の一例である。この所定の周波数の無線信号は、例えば、取締無線、カーロケ無線、デジタル無線、特小無線、所轄系無線、警察電話、警察活動無線、レッカー無線、ヘリテレ無線、消防ヘリテレ無線、消防無線、救急無線、高速道路無線、警察無線等の周波数に属する無線信号がある。無線受信部816は、例えばアンテナ及び受信回路を有する。
【0278】
位置情報取得部817は、車載機器800の位置(より具体的には、現在位置)を示す位置情報を取得する。車載機器800の位置は、車載機器800が配置された車両400の位置、及び車両400に乗車している運転手その他の人(乗員)の位置と同視することができる。位置情報取得部817は、例えば、GNSS(Global Navigation SatelliteSystem:全球測位衛星システム)の一つであるGPS(Global Posisioning System)からの信号に基づき、車載機器800の位置情報(緯度情報、及び経度情報)を取得する。位置情報取得部817は、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System:準天頂衛星システム)として、みちびきを併せて利用してもよい。位置情報取得部817は、4G、5G通信その他の基地局装置からの信号に基づいて、位置情報を取得してもよい。
【0279】
通信部818は、外部装置と通信する。通信部818は、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)その他の無線LAN(Local Area Network)通信や近距離無線通信により、外部装置と無線通信により通信可能に接続する。外部装置は、例えば、撮影機器100や、スマートフォンやタブレット型コンピュータその他の車両400内の通信端末、例えば情報端末600である。通信部818は、例えば、LTE(Long Term Evolution)、4G、5G等の移動通信システムの規格等に準拠した通信を行うための通信回路を有してもよい。
【0280】
入力部819は、ユーザからの情報の入力を受け付ける。入力部819は、タッチセンサ8191と、マイクロホン8192と、を有する。タッチセンサ8191は、ユーザの操作の入力を受け付ける。タッチセンサ8191は、ユーザによりタッチされた位置を検出する。タッチセンサ8191は、例えば静電容量方式である。マイクロホン8192は、入射した音を電気信号に変換する。マイクロホン8192は、例えばコンデンサマイクである。入力部819は、これ以外にも、音量調整ボタン、及び作業用ボタン等の物理ボタンを備えてもよい。
【0281】
センサ部820は、各種のセンサを有する。センサ部820は、例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ、気圧センサ、温度センサ、湿度センサ、及び照度センサの少なくともいずれかを有する。加速度センサは、例えば車両の前後、左右、上下の加速度を検出する3軸の加速度センサである。ジャイロセンサは、車載機器800の傾きを検出するセンサである。加速度センサ及びジャイロセンサは、例えば、GNSS衛星からの信号が受信できない場合に、自律航法により車両400の位置を推測するのに使用されてもよい。気圧センサは、気圧を測定する。気圧センサは、例えば、高低差を検知して、高速道と一般道を判定するために用いられる。温度センサは、温度を検知する。湿度センサは、湿度を検知する。照度センサは、照度センサ窓8201を介して入射した光に基づいて、車載機器800の周辺である車室内の明るさを示す照度を検知するセンサである。照度センサは、例えば表示部813の表示の輝度の調整に使用される。
【0282】
装着部821は、記億媒体挿入口から挿入された記憶媒体850を保持する媒体保持部として機能する。装着部821は、記憶媒体850にデータを書き込んだり、記憶媒体850からデータを読み出したりする。装着部821は、記憶媒体850を1つだけ保持するものでもよいが、2つ以上の記憶媒体850を同時に保持することが可能に構成されてもよい。
【0283】
電源制御部822は、車載機器800の各部への電力の供給を制御する。電源制御部822は、例えば、電源スイッチ8221や電源制御回路を有する。電源制御部822は、端子部823を介して車両400側から供給された電力を、車載機器800の各部に供給する。電源制御部822は、さらに、蓄電手段として、二次電池やボタン電池、電気二重層コンデンサ(スーパーキャパシタとも呼ばれる。)を有してもよい。
【0284】
端子部823は、外部の装置と電気的に接続するための端子である。端子部823は、外部の装置から電力の供給を受けるための端子である。端子部823は、例えばminiUSBの規格に準拠した端子を有する。端子部823は、電源用のコード(例えば、シガープラグコード)の一端側のコネクタが接続される。電源用コードの他端側のコネクタは、例えば車両400側に設けられた給電用の端子(例えば、シガーソケット)に接続される。
【0285】
端子部823は、車両400のOBDII(「II」は「2」のローマ数字である。)コネクタに接続可能なOBDIIアダプタが接続されてもよい。OBDIIコネクタは、故障診断コネクタとも称され、車両のECU(Engine Control Unit)に接続され、所定の期間毎(例えば、0.5秒毎)に各種の車両情報が出力される端子である。端子部823が、OBDIIアダプタを用いてOBDIIコネクタと接続されることで、車載機器800は、動作用の電力の供給を受けるとともに、車両情報を取得することができる。
【0286】
車両情報は、車両400の状態に関する情報である。車両情報は、例えば、車両400の速度(車速)、エンジン回転数、エンジン負荷率、スロットル度、点火時期、残り燃料の割合、インテークマニホールドの圧力、吸入空気量(MAF)、インジェクション開時間、エンジン冷却水の温度(冷却水温度)、エンジンに吸気される空気の温度(吸気温度)、車外の気温(外気温度)、燃料タンクの残り燃料の量(残燃料量)、燃料流量、瞬間燃費、アクセル開度、ウインカー情報(左右のウインカーの動作(ON/OFF))、ブレーキ開度、ハンドルの回転操舵角、ギヤポジション、及びドア開閉状態の情報等の少なくとも1つ以上とするとよい。
【0287】
端子部823に接続される装置として、車両400側からの給電がなくても、車載機器800が動作できるように、外付けのバッテリが用いられてもよい。端子部823に接続される装置は、例えば、ユーザの安全運転を支援する機能を有する装置であってもよい。このような装置として、例えば、運転手(例えば顔)を撮影して、わき見及び居眠り運転に例示される運転手の状態を検出して報知する機能を有する装置や、車両400の周辺の障害物を検知して報知する機能を有する装置(例えば、前方車両追突警報システム(FCWS:Forward vehicle Collision Warning Systems)のための車両検知に使用される装置)がある。端子部823に接続される装置は、その他にも、撮影機器100、カーナビゲーション装置、ディスプレイ装置等の車載装置としてもよい。
【0288】
発光部824は、所定の色で発光する。発光部824は、例えば発光ダイオードを含む。
【0289】
記憶部825は、データを記憶する。記憶部825は、例えば、制御部811が各種の制御を行うためのプログラムを記憶する。制御部811は、記憶部825からプログラムを読み出して実行する。記憶部825は、さらに、地図を示す地図データ、目標物の種類やその位置情報、目標物の存在を報知するためのデータ(例えば、効果音やBGM、音声メッセージ等の音声データ、写真や模式図等の画像データ、等)、車載機器800がナビゲーション機能を有する場合のルート案内機能を実現するためのデータ、待受画面を表示するためのデータ等を記憶する。目標物は、例えば、速度測定装置30(レーザー方式、レーダー方式、ループコイル式、Hシステム、LHシステム、光電管式、移動式等)のほか、居眠り運転事故地点、制限速度切替りポイント、取締エリア、検問エリア、駐禁監視エリア、Nシステム、交通監視システム、交差点監視ポイント、信号無視抑止システム、警察署、事故多発エリア、車上狙い多発エリア、急/連続カーブ(高速道)、分岐/合流ポイント(高速道)、ETCレーン事前案内(高速道)、サービスエリア(高速道)、パーキングエリア(高速道)、ハイウェイオアシス(高速道)、スマートインターチェンジ(高速道)、PA/SA内 ガソリンスタンド(高速道)、トンネル(高速道)、ハイウェイラジオ受信エリア(高速道)、県境告知、道の駅、ビューポイントパーキング等がある。
【0290】
記憶部825には、車載機器800の製品出荷時に、目標物(例えば、経度・緯度を含む位置情報、目標物の種別情報等)に関する情報が登録されている。制御部811は、その後に追加される新規な目標物に関する情報を、装着された記憶媒体850から取得し、又は通信部818を用いて通信により取得し、取得した情報を、記憶部825に記憶させる。このように、制御部811は、新規な目標物に関する情報等についての更新情報を、記憶部825に記憶させる機能を有すると尚良い。
【0291】
車載機器800の記憶部825には、特定エリアに関するエリア情報が記憶される。エリア情報は、例えば、所定のPOI(Point Of Interest)で本実施形態では、特定エリアとして盗難多発エリア、駐車禁止エリア、自宅エリア等の情報とする。これらの特定エリアは、車両に対して不正行為が行われる可能性が相対的に高いエリアであったり、ユーザが、不正行為が行われる可能性についての懸念を感じやすいエリアであったりする。特定エリアを示すエリア情報は、予め又は任意のタイミングで更新されて記憶部825に記憶されるとよい。エリア情報は、例えば、位置座標(例えば緯度経度の座標情報)と、その位置座標を中心点とする設定された半径距離(例えば、半径100m等の所定長さ)とにより、面の情報として記憶されるとよい。
【0292】
車載機器800は、特定エリアに関するエリア情報に、新設された情報がある場合は、データを追加するように更新し、エリア情報に廃止された情報がある場合はデータを削除するように、通信部818を介してデータ更新を行う。特定エリアに関するエリア情報としては、例えば、速度測定装置30等の目標物がどこにあるのか、国道1号のこの地点にあるというような位置情報を示す緯度経度情報がある。
【0293】
なお、記憶部825は、例えば、フラッシュメモリ(例えばeMMC、SSD)に例示される各種の記憶媒体を用いて実現された補助記憶装置とするとよい。記憶部825は、光学式記憶媒体、磁気記憶媒体、及び半導体記憶媒体に例示される各種の記憶媒体を用いて実現されてもよい。
【0294】
<10-3.車載機器800の報知機能>
車載機器800の報知機能は、受光部812、レーダー受信部815、無線受信部816、及び位置情報取得部817等を用いて、ユーザに情報を報知する機能である。報知機能は、POI(Point of interest)と呼ばれる目標物に関する情報を報知する機能である。報知機能は、例えば、以下で説明する機能を有する。報知機能による報知は、表示部813への表示、音声出力部814による音声の出力、発光部824の所定の発光、及びその他の人が知覚可能な方法のいずれかを用いて行われる。
【0295】
制御部811は、レーザー警報機能を有する。具体的には、制御部811は、受光部812を用いて、レーザー方式に対応する速度測定装置30から、速度測定用のレーザー光を受光したと判定した場合に、警報を発する警報制御を行う。レーザー方式に対応するレーザー光は、特定波長の光で、所定のパルス幅を有するパルスレーザーである。特定波長は、例えば赤外光領域に属し、その波長は例えば850nm、905nm、950nm、又は1900nmである。パルス幅は、例えば略20ns又は略15nsである。パルス間隔は、例えば、略80msである。「略」は、基準となる値と同一又はその値と実質的に同一とみなせる所定範囲内とするとよい。制御部811は、例えば、レーザー方式に対応するレーザー光が受信されたと判定した場合には、記憶部825に記憶されたレーザー方式に対応する速度測定装置30の模式図又は写真を表示部813に表示させるとともに、記憶部825に記憶された音声データを読み出して「レーザー光を受信しました。スピード注意」という音声メッセージを、音声出力部814から出力する。
【0296】
制御部811は、レーダー警報機能を有する。具体的には、制御部811は、レーダー受信部815によって速度測定装置30からのレーダー波を受信したと判定した場合に、警報を発する警報制御を行う。制御部811は、例えば、速度測定用のレーダー波が受信されたと判定した場合には、記憶部825に記憶されたレーダー方式に対応する速度測定装置30の模式図又は写真を表示部813に表示させるとともに、記憶部825に記憶された音声データを読み出して「レーダーです。スピード注意」という音声メッセージを、音声出力部814から出力する。
【0297】
制御部811は、無線警報機能を有する。具体的には、制御部811は、無線受信部816によって所定の周波数の無線信号を受信したと判定した場合に、警報を発する警報制御を行う。制御部811は、上述した各種無線信号に対応する周波数をスキャンする。制御部11は、スキャンした周波数で、無線信号を受信したと判定した場合には、記憶部825に無線種別ごとに記憶されたその周波数に対応する無線を受信した旨の模式図又は写真を表示部813に表示させるとともに、記憶部825に無線種別ごとに記憶された音声データを読み出して、音声出力部814からその無線の種別を示す音声を出力する。制御部811は、例えば、取締無線を受信した場合には、「取締無線です。スピード注意」のような音声メッセージを出力する。
【0298】
制御部811は、位置警報機能(一般的には、GPS警報と呼ばれる。)を有する。具体的には、制御部811は、記憶部825に記憶された目標物の位置情報と、位置情報取得部817が取得した位置情報とに基づいて、警報を発する警報制御を行う。制御部11は、例えば、目標物の位置情報と車載機器800の位置情報との距離を算出し、算出した距離が所定の接近距離になった場合に、警報制御を行う。制御部811は、例えば、高速道路の走行中は、目標物まで2kmに接近した場合に警報制御を行い、そのほか、目標物まで1km、500m、直前、通過と判定した場合に、警報制御を行う。制御部11は、例えば、トンネル内の速度取締地点については、高速道路の走行中は目標物まで2kmに接近した場合に警報制御を行い、そのほか、目標物まで1km、500mと判定した場合に警報制御を行う。制御部811は、表示部813に警報画面を表示し、音声出力部814から効果音、BGM、音声メッセージ等の音声を出力する。
【0299】
位置警報機能で警報制御の対象とする目標物としては、速度取締地点のほか、例えば、ネズミ捕りエリア、移動オービスエリア、追尾式取締りエリア、一時停止取締エリア、交差点取締エリア、その他取締エリア、シートベルト検問エリア、飲酒検問エリア、携帯電話検問エリア、その他検問エリア、交差点監視ポイント、信号無視抑制システム、高速道交通警察隊、Nシステム、交通監視システム、警察署、事故多発エリア、サービスエリア、パーキングエリア、ハイウェイオアシス、高速道長/連続トンネル、ハイウェイラジオ受信エリア、道の駅、ビューポイントパーキング、駐車場、公衆トイレ等がある。
【0300】
なお、制御部811は、上述した複数の報知機能のうち、ユーザにより設定された報知機能のみを動作させてもよい。また、複数の報知機能のそれぞれに又は報知の対象物となる目標物のそれぞれに、車載機器800の設計段階又はユーザの設定により、優先度が設定されていてもよい。この場合、制御部811は、優先度の高い報知を優先的に発するようにし、例えば、優先度が低い報知よりも優先度が高い報知を目立たせたり、優先度が低い報知と優先度が高い報知とが競合した場合は、優先度が高い報知のみを行ったりしてもよい。
【0301】
なお、車載機器800は、取締波を受信する機能と、取締波を受信したことに応じて報知する報知機能とを有する電子機器であるが、これらの機能を互いに別の電子機器に搭載してもよい。この態様の一例である
図18(A)に示す構成では、第1の車載機器803は、取締波を受信する機能と、その受信結果に応じた信号を外部に出力する機能と、を有する。第1の車載機器803は、アンテナ部とも呼ばれる。第2の車載機器801Aは、第1の車載機器803から出力された信号を取得し、この信号に基づいて、第1の車載機器803で取締波が受信されたことに応じて報知する報知機能を有する。第1の車載機器803と第2の車載機器801Aとは、例えば有線の通信路(例えば、
図18(A)に示すケーブル804)により接続されるが、無線の通信路により接続されてもよい。報知は、例えば、表示、音、及び光の少なくともいずれかによる報知を含まなくてもよい。この態様の一例である
図18(B)に示す構成では、車載機器801Bは、表示部を有しない。車載機器801Bは、正面側に設けられた放音孔805から音声を出力したり、発光部806を発光させたりして、報知を行う。また、電子機器は、ダッシュボード上とは異なる設置位置として、例えば車両のフロントガラス(例えば、フロントガラスにおける上端付近)、又は車両のルームミラーや車室内の天井等を設置位置とする電子機器としてもよい。この態様の一例である
図18(C)に示す構成では、車載機器801Bが、固定部802に代えて、取付部材807を用いてフロントガラスに固定される。取付部材807は、例えば金属製の板状部材を用いて形成されている。また、電子機器は、複数の設置位置の候補の中からユーザが選択したいずれかの設置位置に固定できるように構成されていてもよい。
【0302】
<10-4.車載機器連携機能>
システム1Cの撮影機器100は、車載機器連携機能を有する。車載機器連携機能は、撮影機器100が、車両400に搭載された他の機器と連携する機能を備える。以下の説明において、動作の主体を「車載機器800」としているところは、適宜、車載機器80の制御を司る「制御部811」と読み替えてよい。
【0303】
<10-4-1>撮影機器100から車載機器800へ情報を送る機能
車載機器連携機能は、撮影機器100が車載機器800へ情報を送る機能を備えるとよい。システム1Cにおいて、撮影機器100は、その撮影機器100の状態を車載機器800へ送信する機能を有する。撮影機器100の状態は、その動作の状態(動作状態)とするとよく、例えば、撮影機器100は、駐車監視機能が動作した(駐車監視モードになった、入った、移行したといってもよい。)ことを、車載機器800(例えば、レーダー探知機(RD))に伝達する機能を備えるとよい。このとき、制御部11は、端子部19を介して、撮影機器100の状態を、車載機器800に出力するとよい。車載機器800において制御部811が端子部823を介してその状態を取得する。このようにして、撮影機器100から車載機器800へ、状態、その他のデータの伝達が行われるようにするとよい。
【0304】
このようにして車載機器800は、駐車監視モードになったことが撮影機器100から伝達される。状態伝達機能は、「駐車監視モードに入った」旨の通知する情報に限らず、どういう方法で駐車監視モードに入ったのか(例えば、「1秒間に1回だけ記録するモード」で入った等)の付随する情報を車載機器800に送信するとよい。
【0305】
また、駐車監視モードに入ったか否かの判定は、例えば、電源の供給状態に基づいて車載機器800側で行ってもよい。
【0306】
車載機器800は、撮影機器100から伝達された撮影機器100の状態に応じて動作する機能を有するとよい。駐車監視になったと車載機器800が判断したとき、設定情報に基づく処理を車載機器800が行うとよい。
【0307】
設定情報は、駐車監視モードに入ったタイミングに送信されてもよいが、予め撮影機器100から送っておくとよい。設定情報を予め車載機器800に送信しておくと、撮影機器100の状態に対応した動作を素早く実行することができる。
【0308】
車載機器800が、撮影機器100から伝達された撮影機器100の状態に応じて行う動作としては、例えば以下のようにするとよい。
【0309】
(A)車載機器800は、撮影機器100の状態に基づく処理として、撮影機器100が駐車監視機能を動作させると、設定情報に基づく処理を行う。設定情報に基づく処理としては、例えば、車載機器800がセキュリティモードに遷移して、上述した撮影機器100の威嚇動作機能の1つ又は2以上の機能を主に車載機器800側で行うように構成してもよい。
【0310】
この場合の車載機器800側で行う威嚇動作は、撮影機器100とは異なる外部の機器が有する表示部への表示による威嚇動作を行うことであるとよい。状態として、例えば、車載機器800の表示部813への表示による威嚇動作を行う状態があるとよい。威嚇動作の内容は、既に説明したとおりである。制御部811は、表示部813で表示による威嚇動作を行い、音声出力部814で音の出力による威嚇動作を行うとよい。
【0311】
威嚇動作は、車載機器800の表示部813と撮影機器100の表示部13とを同期して点灯させる動作をしてもよく、例えば、同期して点滅動作するようにするとよい。同期して点灯させる場合、車載機器800及び撮影機器100の一方から他方へ同期信号を送る。例えば、撮影機器100は表示部13を白に表示させた(例えば、白画面を表示した)ことを示す同期信号を車載機器800へ送り、車載機器800は同期信号に基づいて表示部813に白を表示又は反転させて黒を表示(例えば、黒画面を表示)、又は消灯する。
【0312】
(B)制御部811は、撮影機器100の状態に基づく処理として、車載機器800の表示部813に処理内容を表示する機能を有するとよい。例えば、処理内容は、撮影機器100及び車載機器800の一方又は両方が行っている実際の処理内容の表示動作、撮影機器100及び車載機器800が行っている実際の処理とは異なる処理内容を表示するダミー動作を行うものとしてよい。このようにして、表示部813への表示により威嚇動作を行ってもよい。例えば、撮影機器100での駐車監視中にモーションディテクトの結果を示すにモーションディテクト情報を車載機器800(例えば、レーダー探知機(RD))へ送信し、車載機器800でモーションディテクト情報に基づく処理(例えば、表示部813(LCD)オン、ダミー表示など)を行う。車載機器800の表示部813には、例えば、「映像送信中」が表示されるとよい。
【0313】
(C)威嚇動作に関し、車載機器800は、撮影機器100から人の動きを検出(モーションディテクト)した旨の情報を受信すると、マイクロホン8192を用いて音声情報を取得し、取得した音声情報を含む信号を撮影機器100に送信するとよい。撮影機器100は、無線通信機能(例えば、上述の第2通信機能)により、この音声情報を情報端末600に送ってもよい。
【0314】
(D)威嚇動作に関し、車載機器800が撮影機器100に接続された別体の機器を制御して、上述の威嚇機器連携機能と同様の機能を有してもよい。別体の機器としては、例えば、上述の威嚇機器700とすることができる。車載機器800は、撮影機器100の状態に基づく処理として、撮影機器100に接続された威嚇機器700により高い威嚇強度で威嚇動作を行う。
【0315】
(E)威嚇動作機能は、
図13の変形例2で示したシステム1Bのように、それぞれ撮影機器100を有する複数の車両400が周辺に存在する場合に、他の車両400の撮影機器100と連動して威嚇動作を行ってもよい。複数の車両400が車載機器800を有する場合は、他の車両の車載機器800とも連携して威嚇動作を行ってもよい。
【0316】
<10-4-2>情報端末連携機能
車載機器連携機能は、情報端末連携機能を有するとよい。情報端末連携機能は、撮影機器100が所定の通信方式で外部の情報端末600と無線通信する機能を有するとよい。情報端末通信機能は、撮影機器100が、情報端末600に、車載機器800と情報端末600との通信状態を通知する機能を有するとよい。通信状態の表示は、上述した撮影機器100の通信状態を通知する通信状態通知機能と同様の第1通知方式、第2通知方式、及び第3通知方式により行ってもよい。
【0317】
<10-4-3>撮影機器100が車載機器800にて設定された設定情報に基づいて動作する機能
車載機器連携機能は、撮影機器100が、車載機器800にて設定された設定情報に基づいて動作する機能を有するとよい。この機能は、具体的に、車載機器連携機能は、駐車監視機能の設定変更機能、威嚇動作機能の設定変更機能、の一つ又は複数を備えるとよい。
【0318】
(A)駐車監視機能の設定変更機能
駐車監視機能の設定変更機能は、撮影機器100が、特定エリアに対する現在位置に基づいて設定を変更する機能を有するとよい。具体的に、車載機器800が、特定エリアに現在位置があるか否かの情報を撮影機器100側に送り、撮影機器100は、その情報に基づいて、車両400の駐車時にこの情報の有無や種類によって、撮影機器100の設定を変更する機能を備えるとよい。変更する設定は、例えば、駐車監視機能及び威嚇動作機能の一つ又は複数である。特定エリアについては後述するが、例えば、ユーザによる車両の利用(例えば、駐車や走行)における安全性等、ユーザの車両の利用を支援するエリアが特定されるとよい。
【0319】
駐車監視機能の設定を変更する例としては、車両400が盗難多発エリアでエンジンが切られて駐車監視モードに入ると、車載機器800は車両400(より詳細には、車載機器800)が盗難多発エリア内に位置する旨の情報を撮影機器100に送信する。撮影機器100は。その情報に基づいて、盗難多発エリアの中で設定変更を行う。設定変更は、特定エリアの種類に応じて、撮影機器100による撮影のフレームレートの変更、撮影の画質の変更等の撮影に関する設定を変更することとするとよい。フレームレートの変更は、例えば、盗難多発エリア外では1fps(1秒間に1枚記録)であり、盗難エリア内では5fps(1秒間に5枚記録)と設定変更される。また、画質の変更では、例えば、盗難多発エリア外ではHD(High Definition)画質と設定しておき、盗難多発エリア内ではFHD(Full High Definition)画質と設定変更される。このように、撮影に関する設定の変更は、盗難多発エリア内では、盗難多発エリア外よりも、駐車中の監視の機能がより高められるような設定に変更するとよい。
【0320】
また、駐車監視機能の設定変更機能は、車両400が自宅エリア内に位置するか否かによっても駐車監視機能の設定変更を行うとよい。駐車監視機能の設定変更機能は、例えば、車両400が、自宅エリア外に位置するときは撮影機器100により1fps及びFHD画質で撮影し、自宅エリア(例えば、自宅の駐車場、等)内に位置するときはHD画質で録画させる変更指示の信号を撮影機器100に送信する。このように、撮影に関する設定の変更は、自宅エリア内では、自宅エリア外よりも、駐車中の監視の機能がより高められるような設定の変更にするとよい。
【0321】
(B)威嚇動作機能の設定変更機能
威嚇動作機能の設定を変更する例として、設定変更機能は、撮影機器100が、車載機器800から通知された特定エリアに対する現在位置に基づいて威嚇動作を変える機能を有する。例えば、設定変更機能は、車両400が特定エリア内に位置する場合に、威嚇の強度を増加させた威嚇動作を行うとよい。
【0322】
また、威嚇動作機能の設定変更機能は、特定エリアが駐車禁止エリアである場合についても設定変更を行うとよく、例えば、車両400が駐車禁止エリア内に位置する場合に駐車監視機能の設定変更を行うとよい。その他、威嚇動作機能の設定変更機能は、エリアの種類によって、撮影機器100や車載機器800等の設定を変更するとよい。
【0323】
例えば、車載機器800の位置情報取得部817により現在位置を取得することで、車載機器800が車両400の現在位置を求める。車載機器800は、求めた現在位置を撮影機器100に通知する。撮影機器100は、この現在位置に基づいて車両400の位置を特定する。このようにすると、仮に撮影機器100が位置情報取得部20を備えない場合であっても、車両400の特定エリアに対する位置に応じた設定で撮影機器100の駐車監視機能や威嚇動作機能等を制御するとよい。
【0324】
なお、車載機器800は、自分の位置が予め定められた特定エリア内に位置するか否かの情報を送信することに限らず、撮影機器100に対して具体的な設定内容と記録開始指示を生成して送ってもよい。車載機器800は、撮影機器100から予め特定エリアと、変更させる設定内容とを対応させた情報を記憶しておき、特定エリア内に位置する場合に、その特定エリアの種類に応じた設定変更指示を、撮影機器100に送信して撮影機器100等を制御してもよい。
【0325】
<10-4-4>撮影機器100が車載機器800を介して情報端末600と通信する機能
車載機器連携機能のその他の機能として、車載機器連携機能は、撮影機器100が、車載機器800を介して情報端末600と通信する機能を有するとよい。具体的には、この通信する機能は、撮影機器100は、自装置側の情報を、データ更新等のための無線通信機能(例えば、無線LAN機能)を備える車載機器800に送る機能を備えるとよい。車載機器800は、撮影機器100から受信した情報を情報端末600(例えば、スマートフォンやルータ等)へ送る機能を備えるとよい。このようにすると、撮影機器100、車載機器800、情報端末600という順で流れる情報の伝達経路が構成される。
【0326】
また、車載機器連携機能は、撮影機器100と車載機器800とは第1通信方式の無線通信を行う第1通信機能を有し、撮影機器100と情報端末600とは第1通信方式よりも通信距離が長い第2通信方式の無線通信を行う第2通信機能を有するとよい。
【0327】
車載機器連携機能は、撮影機器100が、撮影機器100側の情報(例えば、設定情報、記録した映像情報、等)を無線通信機能により車載機器800に送信する。車載機器800は、通信部818(例えば、無線LANモジュール等の無線通信機能)から外部の機器(例えば、自宅のルータやテザリング機能を有するスマートフォン、等)に接続して撮影機器100の情報を車載機器800経由で外部の機器に送信する機能を有する。
【0328】
このようにすると、撮影機器100、車載機器800、及び情報端末600という方向の情報の伝達経路、又はその逆方向の情報の伝達経路を確保することができる。また、撮影機器100と情報端末600との間で行われる通信において、車載機器800の機能が介在する処理が行われるようにすることで、システム全体の機能を拡張させることができる。
【0329】
<10-4-5>映像表示連携機能
車載機器連携機能は、映像表示連携機能を有する。映像表示連携機能は、撮影機器100が、他の撮影機器が撮影した映像を車載機器800の表示部813に表示させる機能と、自分の車両400の映像は自分の撮影機器100のために表示させる機能とを有するとよい。
【0330】
また、映像表示連携機能は、他の車両400が複数ある場合は、撮影機器100が、複数の他の車両から取得した映像を自身の車両400が備える機器の大きい画面の表示部に表示させる機能を有するとよい。撮影機器100は、例えば、複数の他の車両から取得した映像は、車載機器800の表示部813に分割して又は切替可能に表示されるとよい。表示部13の画面のサイズは、他の機器(例えば、レーダー探知機等)の画面よりもサイズが小さい場合、複数の映像を撮影機器100よりも画面が大きい車載機器800の表示部813に表示すると、自身の車両400から離れた位置にある複数の車両に関する映像を見やすく表示させることができる。
【0331】
撮影機器100の制御部11がSoC(System on a chip)のマイコンを用いる場合、制御部11の方が車載機器800の制御部811よりも性能が良い場合がある。しかし、撮影機器100の制御部11の処理能力は主に映像の記録処理等に割り当てられているため、撮影機器100に新規の機能を実装できない場合がある。車載機器800が、撮影機器100よりも比較的性能が高くアプリケーションが作りやすいOS(例えば、アンドロイド(登録商標))で制御される場合、撮影機器100は車載機器800の方に様々な処理を指示し、対して撮影機器100で出力可能な情報は出力(例えば、音出力や映像表示)させるようにすると、撮影機器100の制御部11への処理負荷の増加を抑制しながら様々な機能を実行することができる。
【0332】
<10-4-6>制御機能
車載機器(例えば、レーダー探知機(RD))と撮影機器(例えば、ドライブレコーダ(DR))を連動して動かしていることを販売店の店頭で非常にアピールしているメーカがある。そのようなメーカの装置に、車載機器の方に撮影機器の全ての設定機能を設けておいて、車載機器の方で設定した設定内容を一度に全て撮影機器に送って設定変更する機能がある。しかし撮影機器のメニューの構成(例えば、設定項目、構造、等)は、撮影機器の機種によって異なる場合があり、車載機器の方で撮影機器の設定内容を設定可能とするシステム設計が難しい場合がある。これに対応するため、撮影機器100のメニュー画面の映像を車載機器800に表示させて、車載機器800はそのメニュー画面の操作を撮影機器100に送る構成が挙げられる。
【0333】
車載機器800の電源は、例えば常時電源から供給されており、撮影機器100には車載機器800からケーブルで電源供給される機能がある。また、車載機器800から撮影機器100の設定を行う機能がある。
【0334】
そこで、撮影機器100から車載機器800へ情報を送る機能を備える構成とし、さらに以下のような制御機能を構成するとよい。
【0335】
制御機能は、撮影機器100から送信された映像(例えば、メニュー画面、操作画面、等)を車載機器800の表示部813に表示させて、ユーザによる操作指示を車載機器800のタッチセンサ8191を介して受け付けて、撮影機器100を制御する機能である。車載機器800は、表示部813に表示された撮影機器100の情報に対して、車載機器800から撮影機器100の「操作キー」をコマンド送信して撮影機器100の設定や操作画面(例えば、メニュー画面)を表示したり、「上」、「下」操作するように制御する。
【0336】
車載機器800から撮影機器100の設定を操作する際に設定内容をそのまま送信する方式の場合、撮影機器100と車載機器800の仕様が異なると撮影機器100の設定項目に対応して設定内容を予め用意しておく必要がある。これに対し、撮影機器100の操作キーコマンド(例えば、「上」、「下」、等のコマンド)を車載機器800から送信するように構成ことで、撮影機器100と車載機器800の仕様が異なる場合であっても、撮影機器100を制御することができる。従って、車載機器800は、撮影機器100以外の他の様々な機器に接続して連携することもできる。
【0337】
このように車載機器800から撮影機器100へキーコマンドを送信するようにすると、撮影機器100が仮に表示部13を有していない場合であっても、車載機器800側から撮影機器100の設定や操作を行うことができ、撮影機器100の構成の一部を省略して簡易にする、撮影機器100と車載機器800の操作を車載機器800側で行うことができる、等のうちの一つ又は複数の効果が得られる。
【0338】
例えば、本実施形態のシステム1Cは、撮影機器100は、撮影機器100の設定画面の映像を生成して、端子部19を介してその映像信号を、例えばNTSC方式で車載機器800へ送る。この映像信号は、端子部823を介して、車載機器800のマイコン等の制御部811に送られる。制御部811は、その入力された映像信号に基づいて、表示部813に設定画面を表示させている。
【0339】
例えば、表示部813には、メニュー画面のメニュー項目が上下に並んで表示され、さらに決定ボタン及びカーソルボタン(例えば、「上」、「下」のボタン)が表示される。ユーザが、車載機器800に対して、タッチセンサ8191を用いた操作をすると、車載機器800は、その操作に応じた信号を、端子部823を介して、撮影機器100に送信する。撮影機器100は、その操作に応じた信号に基づいて処理を実行する。例えば、撮影機器100は、その操作が選択中のメニューを変更させるカーソル移動の操作である場合は、にその操作に応じて選択中のメニューを変更した設定画面の映像を生成するとよい。撮影機器100は、その操作が選択中のメニューに決定する決定ボタンの操作である場合は、その操作に応じて決定処理を行うとよい。例えば、ユーザがカーソルボタンや決定ボタンを選択操作すると、カーソルボタン等を選択した旨の信号が車載機器800から撮影機器100に送信される。例えば、車載機器800の「上」ボタンに相当する操作部が選択されると、撮影機器100に対してその設定画面上で「上」ボタンを押された旨の信号が車載機器800から送信されて、撮影機器100の画像生成部がメニューを一個上に上げる処理を行う。同様に、車載機器800の決定ボタンに相当する操作部が押されると、決定処理が行われる。
【0340】
<10-4-7>本実施形態の変形例
撮影機能を有する機器として、撮影機器100以外の機器としてもよく、自宅に設置されたセキュリティカメラ装置としてもよい。また、車載機器800は、レーダー探知機に限らず表示部を有するその他の機器であってもよい。
【0341】
また、撮影機器100は、撮影機器100側の情報(例えば、設定情報、記録した映像情報、等)を有線通信機能(例えば、ケーブルを介して)車載機器800に送信してもよい。
【0342】
また、撮影機器100が表示部13を備えない構成としてもよく、その場合、複数の映像を車載機器800の表示部813に表示させるとよい。このようにすると、自身の車両400から離れた位置にある複数の車両に関する映像を見やすく表示させることができる。
【0343】
なお、本実施形態の説明では、車載機器800がレーダー探知機である例について説明したが、車載機器800はカーナビゲーション装置や、ディスプレイ装置等としてもよい。
【0344】
[11.変形例4]
次に変形例4について説明する。本変形例のシステムは、
図1のシステム1の構成と同様の構成とし、以下、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略化する。
【0345】
まず、本実施形態の着想の経緯を説明する。
車両400内の撮影機器100は、第1通信方式(例えば、Wi-Fi(登録商標))、及び第2通信方式(例えば、Bluetooth(登録商標))を用いて無線通信を行うが、発明者は、それぞれの無線通信に用いるのアンテナを大きくして、電波の伝送距離を伸ばすように試みた。例えば、50坪で木造住宅、正方形の土地で、土地の隅に車があり、その反対側の2階の隅の場所に情報端末600がある場合を想定すると、約100m弱の電波の飛びとなる。しかし、住宅に鉄骨が入っていたり、冷蔵庫があったりする等、金属の物体(例えば鉄板のようなもの)があると、無線通信の電波の伝搬が妨害されるしまうことがある。そこで、デモ機の貸し出しを行い、ユーザの自宅で電波の飛びをテスト(実験)してもらうことを発明者は考えた。デモ機としては、撮影機器100自体としてもよいし、撮影機器100以外の機器、例えば電波の飛びを実験するための専用機器等としてもよいが、以下では、撮影機器100が使用される場合を説明する。撮影機器100は、店舗において販売用とは別に貸出専用に用意された撮影機器100をデモ機としてもよい。あるいは、このようなデモ機ではなく、ユーザが購入しようとしている撮影機器100が電波環境のテストに用いられてもよい。この例として、撮影機器100の購入を検討しているユーザが、事前に電波環境のテストを行うために、その撮影機器100を店舗から借りて利用する場合がある。ユーザは、そのテスト後、撮影機器100を購入する。続いて、撮影機器100のテストに関わる構成を説明する。
【0346】
<11-1>撮影機器100は、第1通信方式、及び第2通信方式の電波環境(通信環境といってもよい。)をテストする機能を有するとよい。このようにすると、ユーザは、テスト用の電波に基づくテストを行うことで、撮影機器100が行う無線通信における電波の環境を確認することができる。ユーザは、例えば、その電波環境を確認し、自身の使用環境における電波環境が良好であれば、撮影機器100を購入することができる。撮影機器100の制御部11は、第1通信部161、及び第2通信部162を用いて、第1通信方式、及び第2通信方式のそれぞれについて、所定の強度のテスト用の電波(以下「テスト用電波」という。)を送出する機能を有するとよい。制御部11は、例えば、所定の動作モードとしてテストモードで動作することが指示されると、テスト用電波を送出するとよい。制御部11は、例えば、第1通信方式、及び第2通信方式の順、あるいは第2通信方式、及び第1通信方式の順でテスト用電波を順次送出するとよい。制御部11は、撮影機器100に対する操作(例えば、操作部123の操作)により指示を受け付けてもよいし、後述するテスト用情報端末又は他の外部機器から、通信部16を用いて遠隔操作で指示を受け付ける構成されていてもよい。テストを行うユーザ等(例えば、ユーザや店舗担当者)は、ユーザの自宅にある車両に撮影機器100を取り付けた状態で、このテストを行うとよい。テスト用電波を送出する処理は、撮影機器100が、ブロードキャストで所定のパケットを無線通信により送信する処理としてもよい。撮影機器100は、例えば、Bluetooth(登録商標)である第2通信方式については、アドバタイズパケットを送信してもよい。
【0347】
テスト用情報端末は、テスト用電波を受信する機能と、受信したテスト用電波の受信状況を出力する機能とを有する受信用端末とよい。このようにすると、ユーザは、テスト用情報端末により出力されたテスト用の電波の受信状況から、電子機器と情報端末との間で行われる無線通信の電波環境を把握することができる。テスト用情報端末としては、例えば電波の飛びを実験するための専用機器等としてもよいし、後述するように情報端末600としてもよい。テスト用情報端末が、例えば、ユーザの自宅内で情報端末600をよく使うことが想定される場所、又は電波の受信環境が悪いと思う場所等に置かれた状態で、テストが行われるとよい。
【0348】
受信状況としては、例えば、第1通信方式、及び第2通信方式のそれぞれについての電波の受信強度を示す値、例えば、RSSI(Received Signal Strength Indicator)と呼ばれる受信信号強度とするとよい。ユーザ等は、この受信強度を示す値を見て、テスト用情報端末が置かれた位置において、撮影機器100との無線通信が可能かどうかを判断するとよい。これに代えて又は組み合わせて、受信状況としては、テスト用情報端末が置かれた位置で、撮影機器100との無線通信が可能かどうかを示す情報としてもよい。例えば、テスト用情報端末は、受信状況が良好であり、無線通信が安定的に利用可能であれば「〇」、受信状況があまりよくなく、無線通信の安定的な利用が困難であれば「×」を表示するとよい。このようにすると、ユーザは、テストを行った場所で、情報端末600と撮影機器100との無線通信が可能であるかどうかを容易に把握することができる。受信状況の出力としては、表示が用いられるとよいが、音声その他の方法が用いられてもよい。
【0349】
<11-2>情報端末600が、<11-1>のテスト用情報端末として機能する場合、アプリケーション651(例えばスマホアプリ)に、通常モード(第1モードの一例)と、テストモード(第2モードの一例)とが搭載されている構成とするとよい。通常モードは、上述した実施形態で説明した情報端末600の機能を実現するモードである。テストモードは、上述したテスト用情報端末としての機能を実現するモードである。情報端末600の制御部61は、アプリケーション651を実行すると、通常モードとテストモードとのどちらで実行するかを選択し、選択したモードに従った制御を行うとよい。制御部61は、例えば、ユーザのUI部64の操作に従ってモードを選択するとよいが、事前の通信環境のテストを必須とするならば、初回は必ずテストモードを選択してもよい。制御部61は、テストモードを選択すると、テストの開始を通信部63により撮影機器100に指示して、テスト用電波の送出を開始させてもよい。
【0350】
実際の運用を考えると、例えば、撮影機器100の一例であるコンシューマDVRを、無線LANやBletoothの無線環境のテストとして現品貸出する際には、スマホアプリを利用して、テスト用情報端末と無線通信により接続して、受信状況の確認を行うことが考えられる。また、実際のところ、無線環境は、どの機種の情報端末(例えばスマホ)を使うかというところにも関連、依存する。また、このようなテストをする際には、ユーザが実際に使用する情報端末600にアプリケーションを入れて、ユーザの情報端末600で利用環境を満足できるかどうかを確認できればよいから、テスト専用アプリを用いる方法もあるが、管理の煩雑さを減らすという点では、アプリケーション651によりテストの機能が実現されると特に良い、と発明者は考えた。このように情報端末600を用いてテストが行われると、テスト専用機器たるテスト用情報端末を用いなくとも、電波環境のテストを行うことができる。
【0351】
<11-3>テストにおいては、受信状況の確認の一つとして、上述した通信環境のテストのほか、撮影機器100は、撮影し、撮影した画像(映像)を、テスト用情報端末(以下、情報端末600である場合を説明する。)に送信するとよい。撮影した画像としては、撮影部15により撮影した画像としてもよいが、これに代えて又は組み合わせて、撮影機器200により撮影した画像が含まれてもよい。撮影機器100の制御部11は、第1通信方式、及び第2通信方式のどちらを用いて画像を送信してもよいが、テストを行っているほうの通信方式を選択してもよいし、第1通信方式を用いて送信してもよい。情報端末600(制御部61)は、この画像を受信すると、受信した画像をUI部64に表示させる。このようにすると、ユーザは、テストを行った際に、撮影機器100(さらには、撮影機器200)が実際に撮影した画像がどのようなものであるかを、情報端末600を用いて把握することができ、すなわち、映像再生のテストも行うことができる。映像再生テストを実行することで、情報端末600のスペックが低くて、映像再生などの動作が満足に行えないなどのトラブルを、事前にチェックすることができる。画像としては、静止画としてもよいが、動画とすると、実際の撮影画像をより把握しやすくすることができる。
【0352】
<11-4>パーソナルコンピュータ用のソフトのベンチマークのように、受信状況のテスト結果を、アプリケーション上で確認できるようにするとよい。テスト用情報端末は、A判定、B判定、C判定などのランク分けをして環境の満足度を出力するとよい。このようにすると、ユーザは、テストを行った場所で、情報端末600と撮影機器100との無線通信が可能であるかどうかを容易に把握することができる。ユーザは、位置を変えて複数回テストを実行して、その位置がどの程度の環境かを確かめることができる。
【0353】
<11-5>撮影機器100は、動作モードとして、店舗からの貸出モード(第4モードの一例)を備えるとよい。このようにすると、ユーザは、例えば貸出専用の撮影機器100を用いなくとも、電波環境のテストを行うことができる。貸出モードは、上述した通信環境のテストを行う機能を実現するモードとするモードである。この貸出モードに対して、通常時の使用においては、撮影機器100は通常モード(第3モードの一例)で動作するとよい。通常モードは、撮影機器100の通常時の使用に必要な機能を発揮する動作モードで、例えば上述した実施形態や他の変形例で説明した機能を実現する動作モードとするとよい。通常モードは、例えば、ドライブレコーダとしての機能を実現させる動作モードとするとよい。
【0354】
<11-5-1>撮影機器100は、工場出荷後(例えば製品出荷後)、最初に電源を投入したときに、貸出モードで動作するとよい。このようにすると、ユーザは、撮影機器100の初回の使用時に確実に貸出モードの機能を利用することができる。このような撮影機器100によると、ユーザに対して、より確実に通信環境のテストの実施をさせることができる。撮影機器100の制御部11は、電源が投入されたときに初回の電源投入で判断すると、貸出モードを起動して動作させるとよい。
【0355】
<11-6>撮影機器100は、貸出モードから、そのまま購入できるようにする機能を有するとよい。このようにすると、ユーザは、すぐに撮影機器100を購入することができ、その購入手続を容易にすることができる。購入できるようにする機能としては、撮影機器100の購入手続を進行させる機能を含むとよい。・
【0356】
<11-6-1>撮影機器100は、貸出モードの状態で、購入できるようにする機能により購入されたら、それまでの貸出モードでの起動から、以後は通常モードで起動する状態に切り替えるようにするとよい。例えば、撮影機器100の制御部11は、貸出モードで動作し、そこから購入されたことをトリガとして、通常モードの機能を利用可能にする処理、例えばアクティベートする処理を行うとよい。
【0357】
<11-6-2>撮影機器100は、購入できるようにする機能として、店舗にあらかじめ登録した決済手段で、決済させる機能を備えるとよい。店舗にあらかじめ登録した決済手段としては、ユーザ毎に登録された決済手段で、例えば店舗が運営するウェブサイトを介して登録された決済手段、例えば、ユーザ固有のページであるマイページに通常使用する決済手段として登録された決済手段とするとよい。決済手段としては、クレジットカードや、電子マネー等の電子決済手段を用いると、特に良い。撮影機器100は、例えば、貸出モードによる動作の終了後、特にテストの結果、通信環境が良好であることを確認した後、ユーザに対して購入確認するとよい。撮影機器100の制御部11は、例えば、UI部64(表示部)に「購入する」という文字が付されたボタンを表示させるとよい。制御部11は、UI部64に対するボタンにタッチする操作をして、ユーザが購入に同意した場合、購入を確定する旨のデータを、通信部63を介して、店舗が運営するサーバ装置等へ送信するとよい。サーバ装置は、このデータに基づいて、あらかじめ登録した決済手段で決済を行うとよい。購入の手順としては、例えば、以下のようにしてもよい。
【0358】
撮影機器100の制御部11は、ユーザに対する購入確認において、所定の情報を符号化した符号化画像をUI部64に表示させるとよい。所定の情報としては、決済を行うためのウェブサイトである決済サイトのアドレス(例えば、URL(Uniform Resource Locator))を含むとよい。符号化画像としては、例えば二次元コードとするとよく、特にQRコード(登録商標)とするとよい。ユーザは、撮影機器100を購入する場合には、例えば情報端末600のカメラ(図示略)でこの符号化画像を撮影させる。情報端末600は、符号化画像から復号したアドレスを用いて決済を行うためのサーバにアクセスして、決済サイトを介して決済を行うとよい。
【0359】
あるいは、以下のようにしてもよい。
店舗に設置された店舗端末(例えば、タブレット等)は、撮影機器100の機種、又は/及びシリアル番号等の個体識別情報(ID)の入力を受け付ける、又はID別のURLを符号化した符号化画像(例えばQRコード(登録商標)をカメラで読み取る。次に、店舗端末は、入力を受け付けた情報、又はカメラで読み取った符号化画像から復号した情報に基づいて、店舗用登録サイトを表示させる。店舗用登録サイトは、店舗名・決済方法手段(クレジットカード情報等)・金額を設定できるように構成されているとよい。次に、ユーザが、撮影機器100を介して購入確認を行うと、例えば、UI部64(表示部)に表示された「購入する」という文字が付されたボタンを押すと、情報端末600はユーザ用のサイトをUI部64に表示させる。情報端末600は、このサイトを通じて決済を行う。決済は、店舗用登録サイトに設定された情報に基づいて行われるとよい。
【0360】
<11-7>撮影機器100は、貸出モードからそのまま返品ができるようにする機能を有するとよい。このようにすると、ユーザは、貸出モードの機能によりテストを行った後、すぐに撮影機器100を返品することができ、返品手続を容易にすることができる。例えば、テストの結果、電波環境が良好でない等、撮影機器100の満足する利用が難しい場合に、この返品のための機能が利用されるとよい。返品ができるようにする機能としては、制御部11は、返品する旨の意思を示すデータを、通信部16を用いて、店舗のサーバ装置等の所定の送信先に送信するとよい。制御部11は、返品する旨の意思を示すデータを、例えば、ユーザの所定の操作に応じて送信するとよいが、テスト結果(電波環境)が望ましくないものであったことを条件に、送信するように構成されてもよい送信先の例えば店舗関係者は、送られてきたデータに基づいて、返品に係る手続きを開始する。
【0361】
撮影機器100は、返品ができるようにする機能として、例えば、宅配便の引き取りを手配する(例えば、自動手配)する機能を備えるとよい。制御部11は、例えば、所定の操作(例えば、操作部123の操作)を受け付けると、宅配便の引き取りに関する設定を受け付ける画面を表示部13に表示させる。制御部11は、入力部12を用いてユーザにより設定された情報に基づいて、宅配便の引き取りを申し込む処理を行うとよい。設定される情報としては、住所や氏名の入力、返品の理由等がある。申し込む処理としては、制御部11は、設定された情報を、通信部16を用いて、宅配便による荷物の引き取りを依頼するための所定のサーバ装置等の所定の送信先に送信する処理を行うとよい。あるいは、コンビニからそのまま返送できるようにしてもよい。返送はメーカのリファービッシュセンターに行うとよい。
【0362】
<11-8>ECサイト等を通じて撮影機器100を買ったが、自分で取り付けできなかった人のために、撮影機器100は、その取り付けが可能な業者に関する情報を表示する機能を有するとよい。制御部11は、例えば、取り付けが可能な業者に関する情報を、表示部13に表示さるとよい。取り付けが可能な業者に関する情報としては、業者の連絡先(例えば、電話番号や所在地)としてもよいが、取り付けを申し込むための専用ウェブページへアクセスするためのアドレスを符号化した符号化画像(例えば、QRコード)が含まれるとよい。ユーザは、情報端末600の図示せぬ撮影部にこの符号化画像を読み取らせる。情報端末600の制御部61は、その符号化画像から復号したアドレスに基づいて通信部63に基づいて通信を行い、UI部64に専用ウェブページを表示させる。情報端末600の制御部61は、UI部64を用いて、その専用ウェブページを介して、取り付け日時などを選べ、出張取り付け、店舗取り付けなどの入力を受け付ける。情報端末600は、さらに、その専用ウェブページを介して決済に関する情報の入力を受け付けて、取り付けに係る決済する機能を有するとよい。
【0363】
<11-9>本変形例で、情報端末600で実現していた機能は、情報端末600以外の情報端末、例えばスマートフォンやタブレット型コンピュータ、その他の情報端末で実現されてもよい。
【0364】
以上のような構成によると、例えば、ユーザが撮影機器100を購入したが、それを十分に利用できず、経済的な無駄が発生しまうことを抑えることができる。また、利用されなかった撮影機器100が廃棄されてしまうことを抑えられるので、不要な廃棄物の発生してしまうことを抑え、ひいては環境にも配慮することができる。また、テストの結果、電波環境が良好であることの確認後に、撮影機器100が利用されることで、撮影機器100の機能が適切に発揮されやすくなる。その結果、車両400の盗難やいたずらの発生を抑え、車両400及びその周辺のセキュリティ環境を整え、ひいては、安心・安全に住み続けられるまちづくりを実現することにも貢献し得るものである。このように、撮影機器100、あるいはこれを含むシステムは、SDGsの観点からも望ましい構成を有するものである。
【0365】
[12.変形例5]
次に変形例5について説明する。本変形例のシステムは、
図1のシステム1の構成と同様の構成とし、以下、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略化する。
【0366】
まず、本実施形態の着想の経緯を説明する。
ユーザは、ドライブレコーダを購入する前、そのドライブレコーダを自分の車に設置した場合に、どう撮影されるかが気になることがある。かかる課題を解決するための構成よして、以下のいずれかの構成が採用されるとよい。ドライブレコーダとしては、例えば、上述した撮影機器100が用いられるとよい。
【0367】
<12-1>ドライブレコーダとモニタを使い、設置場所にドライブレコーダを仮設置してそれをモニタで見ることができるシステムが提供されるとよい。ドライブレコーダは、両面テープで仮設置されてもよいが、仮設置に用いられる部材である仮設置部材が、接着力が強力な両面テープであると、試しというわけにはいかないので、吸盤のような吸着力を利用して取り付け又は取り外しできるものや、両面テープでも、レーダー探知機のダッシュボード固定に用いられる粘着マットとするとよい。モニタは、ドライブレコーダが有するモニタを使用してもよいがし、別途見やすいようにモニタをつけてもよい。
【0368】
<12-2>店舗(店)で販売されている製品を登録する機能と、登録された製品のカメラの画角をカバーする広角のカメラと、モバイルバッテリと、表示画面と、広角のカメラを車に仮設置する仮設置部材とを備え、選択画面で機種を選択すると、その機種の画角で撮影した画像を表示画面に表示させる機能と、を有するシステムが提供されるとよい。このようにすると、ユーザは、店舗で販売されている製品について、各製品のカメラでどのような画像が撮影されるのかを、容易に確認することができる。
【0369】
店舗(店)としては、ドライブレコーダを販売する店舗とするとよく、例えばカー用品専門店や、家電量販店等とするとよい。登録する機能は、コンピュータ装置により実現されるとよく、特に店舗に設置されたコンピュータ装置とするとよい。製品の登録は、手動又は自動のどちらで行われてもよいが、コンピュータ装置が通信により外部のサーバ装置から製品一覧のデータを取得し、取得した製品一覧のデータを登録するとよい。製品の一覧のデータとしては、ドライブレコーダの機種のほか、そのドライブレコーダの撮影条件を特定するデータが含まれるとよい。撮影条件としては、画角が含まれるよいが、さらに画素数等のそのドライブレコーダの撮影に関する能力を特定するデータが含まれるとよい。製品一覧としては、特定の事業者が製造又は販売する製品とすると、その事業者の製造又は販売する製品同士を比較して、自身に合ったドライブレコーダを選択して購入することができるので良い。コンピュータ装置は、液晶ディスプレイ等の表示画面(表示部といってもよい)を有するとよい。この表示画面を、店舗を訪れた顧客が見ることができるように、コンピュータ装置が設置されるとよい。
【0370】
本変形例のコンピュータ装置は、例えばパーソナルコンピュータとするとよいが、プロセッサ(例えばCPU)及びメモリ(例えばRAM)を有し、メモリにプログラムを読み出して実行することにより、各種の機能を実現するものとするとよい。また、コンピュータ装置は、操作部、表示部(表示画面)、通信部等、説明した各機能を実現するための必要な部品装置を適宜備えるとよい。
【0371】
カメラとしては、ドライブレコーダとするよいが、撮影し、撮影した画像を出力する機能を有する装置(撮影装置)であればよい。広角のカメラとしては、例えば半天球カメラあるいは全天球球カメラと呼ばれるものとするとよい。カメラは、車両に設置されるとよい。カメラは、ドライブレコーダで撮影した画像を再現した画像を撮影するように設置位置や設置方向が設定されるとよい。カメラは、例えば、車両の前方側の取付位置(例えば、フロントガラス)、又は車両の後方側の取付位置(例えば、リアガラス)、とするとよい。モバイルバッテリとしては、カメラが動作するための電力を供給するバッテリ装置とするとよい。仮設置部材については、<12-1>で説明したものとするとよい。表示させる機能は、コンピュータ装置により実現されるとよく、特に上記コンピュータ装置とするとよい。表示させる機能は、例えば表示画面に表示されたドライブレコーダの機種を選択する選択画面で、いずれかの機種が選択されると、カメラから取得した画像を用いて、その機種のドライブレコーダで撮影した画像を再現した画像(以下「再現画像」という。)を生成し、表示画面に表示させる。製品一覧に含まれる複数の機種のドライブレコーダの再現画像を生成できるように、カメラは、それら複数の機種のドライブレコーダの画角以上の画角を有するカメラとするとよい。表示させる機能は、一画面内に複数機種の再現画像を表示させると、ユーザは再現画像を見てドライブレコーダ同士を比較できるのでよい。
【0372】
さらに、上述したシステムは、一番広角な製品の画像(映像)を表示画面に表示するとともに、その表示画面内にそれより画角が狭い製品の撮影範囲を示す情報(例えば枠等)の表示を行う機能を有してもよい。このようにすると、ユーザは、異なる機種同士で、どの程度画角に違いがあるのかを、画像と、撮影範囲を示す情報との両方を見て、把握することができる。表示画面に表示される画像は、再現画像とするとよい。
【0373】
[13.変形例6]
次に変形例6について説明する。本変形例のシステムは、
図1のシステム1の構成と同様の構成とし、以下、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略化する。この変形例6では、撮影機器100は、記憶媒体500(例えば、SDカード)に映像(例えばドラレコ映像)が記録できているかを確認できるようにする機能(確認機能)を有する。この確認機能としては、例えば以下のようにするとよい。以下、映像は画像と読み替えられてもよい。
【0374】
<13-1>撮影機器100(制御部11)は、毎日の同じ時間に、記憶媒体500(例えば、SDカード)に記録された映像の再生を試みる機能を有するとよい。このようにすると、記憶媒体500等に正常に映像が記録されているかを、毎日きちんと確認することができる。撮影機器100は、この時間を設定する機能を有し、設定した時間に記録された映像を、別の日の同じ時間に再生を試みるようにするとよい。撮影機器100は、例えば、通勤時間で立ち寄る箇所の時刻が決まっているとき、通勤場所に到着してから車内で時間をつぶしている時刻のときなどを設定する機能を備えるとよい。例えば、事故のときに記憶媒体500等が異常で記録できていないことを防止できる。撮影機器100は、映像の再生を試みることとして、再生しようとしたときに、その再生にユーザが同意する操作をした場合に映像を再生してもよいが、ユーザの同意なしに記録された映像を再生開始してもよい。なお、ここでは毎日としているが、平日のみ、休日のみ、特定の曜日のみ等、時期的条件を制限することも考えられる。
【0375】
<13-1-1>さらに、撮影機器100(制御部11)は、上記の具体的な場面を提示し、その場面と対応づけて時刻を登録する機能を備えるとよい。撮影機器100は、例えば、場面としては映像とするとよく、例えば、各時刻に記録された映像を表示し、さらに、その時刻を映像の再生を試みる時刻とするかをユーザに問い合わせる、ボタン等のUIを提示するとよい。このようにすると、ユーザは、任意に、正常に映像が記録されているかどうかを確認するための映像の再生を試みる時刻を指定できる。
【0376】
<13-2>撮影機器100(制御部11)は、車両400(言い換えると、撮影機器100)が特定の位置にあるときに記憶媒体500に記録された映像の再生を試みる機能を有するとよい。このようにすると、車両400、言い換えるとユーザが特定の位置に来たときに、記憶媒体500に記録された映像を確認することができる。このようにすると、記憶媒体500等が正常かどうかも確認できる。撮影機器100は、この特定の位置を設定する機能を有し、設定した位置に記録された映像を、別のタイミングの同じ位置に来たときに再生を試みるようにするとよい。特定の位置としては、例えば、通勤等の途中で休憩するサービスエリアやコンビニ等を登録するとよく、映像を再生し、ユーザがこれを見るのに適した位置とすると特に良い。撮影機器100は、映像の再生を試みることとして、再生しようとしたときに、その再生にユーザが同意する操作をした場合に映像を再生してもよいが、ユーザの同意なしに記録された映像を再生開始してもよい。なお、特定の位置に来るたび毎回に映像の再生を試みるようにするとよいが、例えば所定の回数に一回等の回数条件、あるいは特定の時刻、曜日、日にち等の時期的条件と組み合わせて、映像の再生を試みてもよい。
【0377】
<13-3>撮影機器100(制御部11)は、駐車監視機能の動作を開始させるタイミング(言い換えると、駐車監視に移行するタイミング)、電源がオンするタイミング、又は電源がオフする、といった所定の動作タイミングに、映像の再生を試みる機能を有するとよい。これらの動作タイミングは、これから記憶媒体への映像の記録が開始される、又はその可能性が高いタイミングであるから、記憶媒体に正常に映像が記録されているかを確認するタイミングとして、望ましい。駐車監視のタイミングで、「駐車監視に移行します」という言葉を報知することは現行機能ではある。これに対し、撮影機器100は、上述した所定の動作タイミングで、直近に撮影・記録した映像を再生するとともに、「再生可能です」、「きちんとSDカード記録されています」、「安心してください」等のお知らせをする音声を、記憶媒体500に映像が記録できていることの確認として出力してもよい。撮影機器100は、映像の再生を試みることとして、再生しようとしたときに、その再生にユーザが同意する操作をした場合に映像を再生してもよいが、ユーザの同意なしに記録された映像を再生開始してもよい。
【0378】
<13-4>撮影機器100(制御部11)は、<13-1>で説明した映像の再生を試みるタイミングで、直近のデータの軌跡を地図上に表示する機能を有するとよい。撮影機器100の制御部11は、この地図を表示部13により表示させてもよいが、撮影機器100に接続されたナビゲーション装置や、ディスプレイ装置(例えばLCD等)の外部機器に地図表示を行わせるようにしてもよい。この場合、制御部11は、地図表示を行うためのデータを、端子部19を介して外部機器に出力するとよい。外部機器を使用するメリットとして、一般に、ドライブレコーダの表示部(LCD)は小さい、設置場所が見えにくいことがあるので、外部機器を用いて地図表示をより見やすくすることができる場合があるためである。さらに、撮影機器100は、地図表示だけでなく、地図のポイントポイントで、そのポイントで撮影した映像のサムネイル映像を表示してもよい。サムネイル映像は、地図上の撮影ポイントの近傍にするなど、撮影ポイントに関連付けて表示されると特によい。さらに、撮影機器100は、サムネイル映像を選択する操作(例えばタッチ)を受け付けると、対応する映像の再生を開始してもよい。
【0379】
<13-5>撮影機器100(制御部11)は、記憶媒体500等に記録された映像の再生の前に、歌を流す機能を備えるようにしてもよい。歌としては、映像を再生する状況に応じた歌とするとよく、特に、映像を再生する時期に応じた歌とするとよい。このようにすると、ユーザは、今の時期を感じながら、記録された映像を見ることができる。例えば、歌は、再生するのが夕方なら「夕焼け小焼け」であること、再生するのがクリスマスの日であれば、クリスマスの曲であることなど、その時期に合わせた歌であるとよい。歌としては、再生する状況として、再生するときの車両400の位置に応じた歌としてもよい。このようにすると、ユーザは、今の車両の位置を感じながら、記録された映像を見ることができる。例えば、その位置に関連する歌、例えばその位置(都道府県)を出身地とする歌手の歌としてもよい。所定の音楽は、音声出力部14を介して出力されるとよい。
なお、ここでは、歌としては、歌詞のあるものとしてもよいは、歌詞のないものとしてもよい。また、歌としていたところは、楽曲、メロディ、音楽等に置き換えられてもよい。
【0380】
<13-6>撮影機器100(制御部11)は、記憶媒体500等に記録された映像の再生中にエラーが発生した場合には、所定の音楽を流す(出力する)とよい。このようにすると、ユーザは、記憶媒体に記録された映像の再生中にエラーが発生した場合に、音楽を介してそのことを聴覚的に認識できる。所定の音楽としては、残念な雰囲気を醸し出す音楽を流すこととすると特に良い。所定の音楽は、音声出力部14を介して出力されるとよい。
【0381】
<13-7>撮影機器100(制御部11)は、記憶媒体500等に記録された映像の再生に成功した場合には、成功を示す音楽を、その再生完了後に流す流す(出力する)とよい。このようにすると、ユーザは、記憶媒体に記録された映像の再生に成功した場合に、音楽を介してそのことを聴覚的に認識できる。所定の音楽としては、成功を示す雰囲気を醸し出す音楽を流すこととすると特に良い。所定の音楽は、音声出力部14を介して出力されるとよい。
【0382】
<13-8>撮影機器100(制御部11)は、イベント記録を行うときに発する音を、イベント記録毎に違う音にして出力し、さらに、イベント記録した映像の再生開始前には、そのイベント記録時に鳴らした音を鳴らしてから再生する機能を有するとよい。このようにすると、ユーザは、いつ行われたイベント記録の映像が再生されているのかを、再生開始前に鳴った音を聞いて認識でき、ユーザにとっては分かりやすい。音としては、アクセサリ電源オンのときから順に、所定の変化を加えた音としてもよい。例えば、1回目のGセンサ記録であれば「ピロリん」という音を、2回目のGセンサ記録であれば「ピロリんピロリん」という具合に2回繰り返した音とし、3回目のGセンサ記録であれば「ピロリんピロリんピロリん」という具合に3回繰り返した音とするとよい。所定の変化としては、音を鳴らす回数を増やすことに限られず、例えば、音の高さを変化させることや、音の種類(例えばメロディ)を変化させることとしてもよい。所定の音楽は、音声出力部14を介して出力されるとよい。
【0383】
[14.変形例]
なお本発明は、上述の実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。
【0384】
<14-1>
図19は、撮影機器100の外観構成の他の例を示す図である。撮影機器100の一例である撮影機器1000は、広角カメラの一例である。
図19(A)には、撮影機器1000を背面側も右斜め上方向から見た図が示されている。
図19(B)には、撮影機器1000を背面側も右斜め上方向から見た図が示されている。撮影機器1000は、本体部1100が、ブラケット1200を用いて車両の所定の取付部位に取り付けられる。ブラケット1200は、本体部1100(言い換えると、その筐体)を所定の取付部位に取り付けた状態で撮影部の撮影方向を調整可能にする。取付部位は、撮影機器100又は200と同様とするとよい。本体部1100の側面(より具体的には、右側面)には、ユーザの操作を受け付ける操作ボタンを上下に一列に配置した操作部1110が設けられている。本体部1100の背面には、表示部1120が設けられている。本実施形態では、表示部1120を用いて威嚇動作等の各種表示が行われる。表示部1120は、車室内に居るユーザの位置する側を向く面である。
【0385】
本体部1100は、その外面側に撮像レンズ1300を備える。本体部1100が、車両400のフロントガラス等の取付部位に取り付けられた場合、撮像レンズ1300の光軸は、鉛直下方向に対して。車両400の取付部位が存在する後方側に所定の角度θだけ傾く。撮影機器1000における撮像レンズ1300の向く方向と画角との関係については、例えば特開2021-56746号公報にも記載されている。
【0386】
図20は、このような撮影機器1000の表示部1120に表示される画面の一例を示す図である。撮影機器1000において、制御部11は、画像記録機能による記録中に、表示部1120に、
図20(A)に示す画面を表示させる。この画面には、画像IMG、及びオフジェクトI41、I42、及びオブジェクトI51、I52、及びI53が表示される。画像IMGは、撮像レンズ1300を介して撮影部15により撮影され、記録される画像を示す。画像IMGは、ここでは魚眼画像であり、車両の外(この例では前方)と車室内(この例では、運転席及び助手席)が撮影範囲に含まれる。オブジェクトI41は、撮影機器200の接続状態、より具体的には接続有無を表示する。オブジェクトI42は、第1通信方式の無線通信の接続状態、より具体的には接続有無を表示する。オブジェクトI51は、イベント記録機能によるイベント記録中に表示される。オブジェクトI52は、画像の記録中において音声の記録(録音)が行われないときに表示される。オブジェクトI53は、位置情報取得部20により位置情報を取得するための測位の状態、より具体的には測位をしているか否かを表示する。オブジェクトI53は、GNSSの信号の受信状態を示すとよい。オブジェクトI53はタイムラプスモードで動作するときは非表示とするとよい。
【0387】
なお、
図20(A)において、画面下部の左側の「●00:03」という表示は、画像の記録中に現在の記録時間を表示する。ここでは、記録時間が「3秒」を意味する。
図20(A)において、画面下部の中央の「002/068」は、イベント記録のうちの加速度センサによる計測値に基づいて行われるイベント記録(例えば、Gセンサ記録)における現在のファイル数と、最大記録ファイル数を表示する。ここでは、現在のファイル数が「2」で、最大記録ファイル数が「68」であることを意味する。
図20(A)において、画面下部の右側の「002/068」は、イベント記録のうちのイベント記録ボタン122が操作された場合に行われるイベント記録(例えば、ワンタッチ記録)における現在のファイル数と、最大記録ファイル数を表示する。ここでは、現在のファイル数が「2」で、最大記録ファイル数が「68」であることを意味する。
【0388】
図20(B)、及び
図20(C)は、
図20(A)とは異なるタイミングに表示される画面のうち、画面の左側部分の領域を示す図である。第2通信方式の無線通信の停止時には、
図20(A)に示すように、第2通信方式の無線通信の通信状態に関する表示はなかったが、第2通信方式の無線通信の通信状態が「接続中」である場合は、
図20(C)に示すようにオブジェクトI43(例えば、青背景)が表示される。第2通信方式の無線通信の通信状態が「待機中」である場合は、オブジェクトI43の表示が変化する(例えば、白黒背景)。オブジェクトI44は、駐車監視機能の動作中においてタイムラプスモードで動作するときに表示される。駐車監視機能の動作中において動体検知モードで動作するときには、
図20(C)に示すように、オブジェクトI45が表示される。
【0389】
なお、ここでは、広角カメラの一例である撮影機器1000の画面として説明したが、他の撮影機器100においても同様の画面が表示されてもよい。
【0390】
<14-2>上述した実施形態では、車両400の駐車中に威嚇動作を行う威嚇動作機能を説明した。これに限られず、威嚇動作機能は、車両400がユーザによる使用中でない状態のときに威嚇動作を行う威嚇動作機能を行うようにすると、車両400がユーザによる使用中でないときに不正行為者によって車両400に対して不正行為が行われるのを抑制することができる。車両400がユーザによる使用中でないときとしては、車両400の駐車中として把握されるときのほか、例えば、ユーザが車両400の車室内に居ないとき、車両400のエンジンが掛けられていないとき、車両400が走行していないとき等のような、車両400の所定の機能を発揮させた状態にないとき等とするとよい。
【0391】
また、威嚇動作は、その態様によっては、車両400の外の人に向けた動作として把握される。車両400の外にいる人に向けた動作は、車両の外にいる人が認識できる態様で動作させることをいうとよく、例えば、すでに説明したような表示や音声その他の人間が知覚できる態様の動作とするとよい。よって、システムは、撮影機器100が、車両400の車室内のユーザに所定の部品装置を用いて所定の機能に関する報知を行い、車両400がユーザによる使用中でない状態のときには、部品装置を用いて車両400の外にいる人に向けた動作を行う機能を有するシステムとしても把握される。このようにすると、車両400の車室内にいるユーザに所定の機能に関する報知を行うための部品装置を、そのユーザが車両400を使用中でないときには、車両の外にいる人に向けた動作を行うようにして用いるので、簡便な構成で、不正行為者により不正行為が行われるのを抑制することができる。簡便な構成とできるのは、その部品装置に、不正行為を抑制するための装置としての機能を兼ねさせることができるためである。
【0392】
例えば、表示部13は、車両400がユーザによる使用中の状態のときには、撮影機器100がドライブレコーダとしての機能を発揮するために、撮影部15で撮影中・記録中の画像を表示したり、各種設定の画面を表示するために用いられるが、車両400がユーザによる使用中の状態でないときには、威嚇動作に用いられる。例えば、音声出力部14は、車両400がユーザによる使用中の状態のときには、撮影機器100がドライブレコーダとしての機能を発揮するために、ユーザに対して音声による案内を行うために用いられるが、車両400がユーザによる使用中の状態でないときには、威嚇動作に用いられる。また、このような撮影機器100とは別に威嚇する動作を行うシステムを導入する場合に比べて、例えば、セキュリティ専用のシステムを別途導入する場合に比べて、低コストでかつ簡単に、不正行為を抑制するための機能を発揮するシステムを導入することができる。
【0393】
<14-3>第1通信方式の無線通信、及び第2通信方式の無線通信として、例えば以下のようにするとよい。第1通信方式の無線通信は、2.4GHz帯域(又は5GHz)を用いた無線通信とし、第2通信方式の無線通信は、920MHz帯域を用いた無線通信とするとよい。一般に、高速で伝送できる無線手段は、長距離伝送に向かないし、逆に、長距離伝送ができる無線手段は、高速伝送に向かない。そのため、撮影機器100が、第1通信方式の無線通信を行う機能として、高速伝送向きの無線伝送手段を備え、第2通信方式の無線通信を行う機能として、長距離伝送向きの無線伝送手段とを備えることで、映像を伝送する手段と、アラートを伝える手段とを分けて運用することができる。なお、920MHz帯域は、その使用が許可されている状況において使用されるようにするとよい。
【0394】
<14-4>情報端末600のアプリケーション651に基づく機能を、以下のようにしてもよい。例えば、撮影機器100は、威嚇動作をした場合、又は異常が疑われる状況があった場合において、第1通信方式の無線通信が接続していないときに、第2通信方式の無線通信にて、通知(例えばアラート)を送信する。情報端末600は、この通知に応じて、車両400又はその周辺で何かあったことを、音や光で報知する。情報端末600において制御部61は、アプリケーション651に基づいて、ユーザの明示の指示なしに自動で所定の通知先に通知内容(例えば、メール)を送信(転送)し、又はユーザの明示の指示なしに自動で所定の通知先に電話を掛けて、さらに遠隔の人に伝わるように通知内容を再伝送してもよい。これらの通信は、第1通信方式の無線通信又は公衆通信回線を介した通信により行われるとよい。例えばBluetooth(登録商標)は伝送レートが遅いが、静止画映像程度の伝送は可能であるから、撮影機器100は、情報端末600に、撮影部15で撮影した画像の静止画を送信してもよい。
【0395】
また、ユーザが撮影機器100で撮影された動画を見たい場合、例えば、記憶媒体500に格納された過去の動画を遠隔で見たい場合がある。この場合、ユーザは、情報端末600の第1通信方式の無線通信の接続先を、現在接続している例えば家のAP等から撮影機器100に手動で切り替えて動画を確認ができるように、情報端末600が構成されるとよい。例えば、情報端末600は、UI部64に対するユーザの操作に応じて、第1通信方式の無線通信で撮影機器100に接続する。撮影機器100は、この接続があると、情報端末600にユーザの明示無しに自動で、動画を情報端末600に送信するとよい。情報端末600は、この動画をUI部64に表示する。
【0396】
撮影機器100から、第2通信方式の無線通信で威嚇動作があったことが通知された場合や、異常が疑われる状況があったことが通知された場合には、情報端末600は、ユーザの明示なしに自動で、第1通信方式の無線通信を、現在接続している家のAP等から撮影機器100に切り替えように、情報端末600が構成されるとよい。そして、撮影機器100は、情報端末600にユーザの明示無しに自動で、撮影部15で撮影中の画像を送信したり、記憶媒体500に記憶したりするとよい。又は、撮影機器100は、記憶媒体500の中の直近のイベント記録の画像(動画)を、情報端末600に送信してもよい。送信された映像は、情報端末600に記録してよいし、情報端末600からメール等で他の装置に再伝送して、遠隔のサーバやPC等の機器に伝送、記録されてもよい。このように遠隔で伝送された情報をもとに、警察等の機関に通知されてもよい。
【0397】
撮影機器100は、第1通信方式の無線通信により、家のAP等の接続先にユーザの明示無しに自動で接続して、その接続先からアクセス可能な記録媒体に、例えば同じLANにつながっているHDD等の記録媒体に、撮影した画像を記録してもよい。また、撮影機器100は、その接続先からアクセス可能な報知装置、例えば同じLANにつながっている報知装置に、何かあったことを音や光で報知するためのデータを送信してもよい。報知装置は、このデータに基づいて報知動作を行う。報知装置としては、情報端末600としてもよいし、テレビジョンや照明機器等の家電としてもよい。このようにすると、家と居る人物が車両400に何かあったことに気づくことができる。
【0398】
<14-5>報知装置として、テレビジョンや照明機器等の家電その他の施設(例えば、自宅やオフィス)の装置を用いる場合に、以下のようにしてもよい。車両に対する不正行為は、施設の車両の周辺に、防犯カメラとセンサーライトがつけられている状況でも、行われてしまう場合がある。一方で、窃盗犯その他の不正行為者は、人に気づかれるのを嫌がる傾向にある。そこで、本変形例は、施設に居る人が異変に気付いてその施設内の蛍光灯を点灯したかのように見せる等、施設内の装置が動作したことを、施設外からも分かるようにするということから着想を得たものである。
【0399】
例えば、車両400に搭載されたセキュリティシステム(カーセキュリティシステム)において異常の発生が検知された場合は、当該セキュリティシステムがユーザの携帯するリモコンへ通知することとともに(例えば同時に)、ユーザの居る施設の照明その他の家電を制御して、その家電を動作させるシステムとしてもよい。家電の動作としては、照明を点灯させることとするとよいが、テレビジョンをONしてもよく、動作したことをユーザが認識できる家電を動作させるとよい。リモコンは、例えば、車両400又は車両400に搭載されたセキュリティシステムその他の車載のシステムの遠隔操作をする機能を有するリモ-トコントローラとするとよい。このようなリモコンとしては、例えば、車両を遠隔で施錠及び開錠するための電子キーと呼ばれるもの、又はこの電子キーと無線通信を行い、電子キーと一緒に携帯される携帯機器(セキュリティーリモコンと呼ばれるものがある)。このような電子機器や携帯機器には、セキュリティシステムを動作させる(例えば、ARM状態にする)、又はセキュリティシステムを解除する(例えば、DISARM状態にする)機能を有するものがある。
【0400】
このリモコンに、家電を制御する家電制御機能が搭載されてもよい。このようなリモコンは、自装置の制御を司る制御部、セキュリティシステムと無線通信する第1通信部、及び家電を遠隔操作するための無線通信を行う第2通信部を有するとよい。制御部、第1通信部、及び第2通信部のハードウェア構成はすでに説明した構成を採用してよい。リモコンの制御部は、セキュリティシステムから通知を第1通信部により受信すると、この受信に応じて、第2通信部により所定の家電を動作させるように当該家電を遠隔操作する機能を有するとよい。家電の遠隔操作は、その家電が認識することが可能な遠隔操作のための信号(遠隔操作信号)を送信する処理を含むとよい。
【0401】
このように、リモコンが家電制御機能により直接家電等を制御してもよいが、そうなると、リモコンの本体やバッテリが大きくなる可能性もあり得る。これを回避するためには、家電制御機能を有する装置をリモコン以外の装置としてもよい。この装置は、家電制御機能により、電子キーや携帯機器等の上述したリモコンで使用される電波と同じ電波(例えば、同じ周波数の電波)を受信すると、家電の遠隔操作に使用されるリモコン(例えば、赤外線リモコン)と同じ信号を送信する機能を有するとよい。
【0402】
このような家電制御機能を有する装置は、家電のリモコン(例えば、付属のリモコン)が遠隔操作のために発したデータを受信して、そのデータをコピー登録し、以降、このコピーしたデータに基づいて遠隔操作信号を送信するとよい。このように、家電制御機能を有する装置は、いわゆる学習リモコンの機能を搭載していると尚良い。
【0403】
なお、テレビジョンや照明器具等のリモコンが付属されている家電において、そのリモコンに、電子キーや携帯機器で使用される電波と同じ電波を受信すると家電を遠隔操作するための遠隔操作信号を送信する機能を搭載してもよい。また、スマート家電に対応したシステムに組み込まれてもよく、この場合、スマートフォンやタブレット型コンピュータ、AIスピーカなどに、電子キーや携帯機器で使用される電波と同じ電波を受信すると、家電等を動作させる信号を発する機能を搭載してもよい。また、本変形例では、遠隔操作される対象は家電であったが、家電以外の装置としてもよく、例えば、室内の窓際に置いたパトライト(登録商標)を動作させてもよい(例えば、パトランプ回転させる)。このように、動作したことをユーザが認識できる装置であればよい。
【0404】
<14-6>また、上記の車載機器の他の例としては、例えば、カーナビゲーション装置等の車載機器としてもよい。さらに、上記の車載機器は、セキュリティ専用機器以外の機器(セキュリティ機能を主な機能とする機器も含む)としてよく、一定の状況下では本来とは別の用途である簡易的なセキュリティ装置として転用して使用可能とする機能を有するとよい。
【0405】
このようにすると、車両400の車室内にいるユーザに所定の機能に関する報知を行うための部品装置を、そのユーザが車両400を使用中でないとき(例えば、車室内に居ないとき、駐車中のとき)に、車両400の外にいる人が認識できる態様で動作させることにより、その部品装置に、盗難や車上荒らし等の不正行為を抑制するためのセキュリティ装置としての機能を兼ねさせて、防犯用途に転用させることができる。例えば、セキュリティ専用の装置を別途導入する場合に比べて、低コストでかつ簡単に、不正行為を抑制するための機能を発揮するシステムを導入することができる。
【0406】
<14-7>上記実施形態で説明した各システムは、複数の機能を組み合わせて構成してもよく、機能の一部を他の機能の一部と組み合わせたり置き換えたりしてもよい。
【0407】
本発明の範囲は,明細書に明示的に説明された構成や限定されるものではなく,本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも,その範囲に含むものである。本発明のうち,特許を受けようとする構成を,添付の特許請求の範囲に特定したが,現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても,本明細書に開示される構成を,将来的に特許請求の範囲とする意思を有する。
【0408】
なお、本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求の範囲とする意思を有する。
【0409】
本願発明は上述した実施の形態に記載の構成に限定されない。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素又は発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正又は分割出願等において権利取得する意思を有する。「~の場合」「~のとき」という記載があったとしてもその場合やそのときに限られる構成として記載はしているものではない。これらの場合やときでない構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。また順番を伴った記載になっている箇所もこの順番に限らない。一部の箇所を削除したり、順番を入れ替えた構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【0410】
また、意匠登録出願への変更により、全体意匠又は部分意匠について権利取得する意思を有する。図面は本装置の全体を実線で描画しているが、全体意匠のみならず当該装置の一部の部分に対して請求する部分意匠も包含した図面である。例えば当該装置の一部の部材を部分意匠とすることはもちろんのこと、部材と関係なく当該装置の一部の部分を部分意匠として包含した図面である。当該装置の一部の部分としては、装置の一部の部材としてもよいし、その部材の部分としてもよい。全体意匠はもちろんのこと、図面の実線部分のうち任意の部分を破線部分とした部分意匠を、権利化する意思を有する。また、装置の筐体の内部のモジュール・部材・部品・画像等についても、図面に表示されているものは、いずれも独立して取引の対象となるものであって、同様に、意匠登録出願への変更を行って権利化を行う意思を有するものである。
【0411】
<14-8>付記
なお、上述の実施形態は少なくとも以下の構成を開示している。
(1)車両の車室内又は外を撮影する機能と、前記車両の車室内又前記車両の外の人に向けて威嚇する所定の動作を行う機能と、を有する電子機器。
(2)駐車監視機能を有し、前記車両の駐車中に、前記駐車監視機能を動作させるとともに前記所定の動作を行う(1)の電子機器。
(3)前記所定の動作として、所定の機能を実行したことを報知する(1)又は(2)の電子機器。
(4)前記所定の動作として、所定の機能を実行したことを装うダミー動作を行う(1)から(3)のいずれか1つの電子機器。
(5)車両の車室内のユーザに所定の部品装置を用いて報知を行う機能と、前記車両が前記ユーザによる使用中でない場合に、前記部品装置を用いて前記車両の外にいる人に向けた所定の動作を行う機能と、を有する電子機器。
(6)駐車監視機能を有し、前記車両の駐車中に、前記駐車監視機能を動作させるとともに前記所定の動作を行う(5)の電子機器。
(7)前記所定の動作として、所定の機能を実行したことを報知する(5)又は(6)に記載の電子機器。
(8)前記所定の動作として、所定の機能を実行したことを装うダミー動作を行う(5)から(7)のいずれか1つの電子機器。
(9)前記所定の機能は、前記車両の車室内又は外の撮影を伴う機能である(1)から(8)のいずれか1つの電子機器。
(10)前記撮影を伴う機能は、前記車両の車室内又は外を撮影した画像の送信を伴う機能である(9)の電子機器。
(11)異常の発生が疑われる所定の条件が成立すると前記所定の動作を行う(1)から(10)のいずれか1つの電子機器。
(12)前記所定の条件として前記車両の車室内又は外の物体の動きを検知する機能に基づいて、前記動きに関する所定の条件が成立すると前記所定の動作を行う(11)の電子機器。
(13)段階的又は連続的に前記所定の動作を変化させる(1)から(12)のいずれかの電子機器。
(14)外部の情報端末と無線通信する通信機能を有し、前記外部の情報端末から前記無線通信により前記所定の動作を実行する旨の指示を受信すると、前記所定の動作を実行する(1)から(13)の電子機器。
(15)表示部への表示により前記所定の動作を行う(1)から(14)のいずれかの電子機器。
(16)表示部を有し、前記表示部への表示により前記所定の動作を行う(15)の電子機器。
(17)外部の機器が有する表示部への表示による前記動作を行う(15)又は(16)の電子機器。
(18)前記所定の動作として、前記表示部の第1の点灯と、第2の点灯又は消灯と、を繰り返す動作を行う(15)から(17)のいずれか1つの電子機器。
(19)前記所定の動作は、音を出力する動作を含む(1)から(18)のいずれか1つの電子機器。
(20)少なくとも前記所定の動作が行われている期間に、前記車両の車室内又は外を撮影した画像、又は前記車両の車室内又は外の音を記録する記録機能を有する(1)から(19)のいずれか1つの電子機器。
(21)外部の監視機器と連携して前記動作を行う機能を有する(1)から(20)のいずれか1つの電子機器。
(22)前記監視機器は、自電子機器において前記所定の動作を行うことと連動して、当該監視機器の周辺の人に向けた動作を行う機能を有する(21)の電子機器。
(23)外部の情報端末と無線通信する機能として、第1通信方式の無線通信を行う第1通信機能と、前記第1通信方式よりも通信可能距離が長い又は通信速度が遅い第2通信方式の無線通信を行う第2通信機能と、を有し、前記第1通信機能を用いた通信により第1の機能を実行し、前記第2通信機能を用いた通信により第2の機能を実行する機能を有する(1)から(22)のいずれか1つの電子機器。
(24)前記第1の機能は、自電子機器で撮影した画像を送信することを含み、前記第2の機能は、前記所定の動作の実行を報知することを含む(23)の電子機器。
(25)(23)又は(24)の前記情報端末であって、前記第1通信方式の無線通信と、前記第2通信方式の無線通信とのそれぞれについて、請求項1から8のいずれか1項に記載の電子機器との通信状態をユーザに報知する機能を有する情報端末。
(26)(1)から(24)のいずれか1つの電子機器である第1の電子機器と、前記第1の電子機器と通信可能な第2の電子機器と、有し、前記第2の電子機器は、前記第1の電子機器から伝達された前記第1の電子機器の状態に応じて動作する機能を有するシステム。
(27)前記状態として、前記第1の電子機器が駐車監視機能を動作させたことが伝達される(26)のシステム。
(28)前記状態として、表示部への表示により前記所定の動作を行う前記第1の電子機器が前記所定の動作を行った状態を含み、前記第2の電子機器は、表示部と、前記所定の動作を行った状態が伝達されたことに応じて、当該表示部を用いて前記所定の動作に応じた表示を行う機能と、を有する(26)又は(27)のシステム。
(29)前記第1の電子機器は、前記第2の電子機器にて設定された設定情報に基づいて動作する機能を有する(26)から(28)のいずれか1つのシステム。
(30)前記第1の電子機器は、前記第2の電子機器から通知された特定エリアに対する現在位置に基づいて前記所定の動作を変える機能を有する(26)から(29)のいずれか1つのシステム。
(31)前記第1の電子機器は、前記第2の電子機器を介して外部の情報端末と通信する機能を有する(26)から(30)のいずれか1つのシステム。
(32)前記第1の電子機器は、表示部を備えない又は前記第2の電子機器の表示部よりも小さいサイズの表示部を備え、他の撮影機器が撮影した画像を、前記第2の電子機器の表示部に表示させる機能を有する(26)から(31)のいずれか1つのシステム。
(33)(26)から(32)のいずれか1つのシステムにおける第2の電子機器である電子機器。
(34)(1)から(24)のいずれか1つの電子機器の機能、又は(26)から(32)ののいずれか1つのシステムにおける第1の電子機器の機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。
(35)(33)の電子機器の機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。
(36)(25)の情報端末の機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。
(37)所定の通信方式で無線通信する通信機能と、前記通信方式により電波環境のテスト用の電波を送出する機能とを有する、(1)から(24)のいずれか1つの電子機器、又は(26)から(32)のいずれか1つのシステムにおける第1の電子機器。
(38)前記テスト用の電波を受信する機能と、受信した前記テスト用の電波に基づいて、当該テスト用の電波の受信状況を出力する機能とを有する、(25)の情報端末。
(39)前記受信状況には、前記電子機器との無線通信が可能かどうかを示す情報が含まれ、(38)の情報端末。
(40)(25)の機能を実行する第1モードと、(38)又は(39)の機能を実行する第2モードとの一方を選択する機能を有する、情報端末。
(41)前記受信状況には、前記電子機器が撮影し、前記情報端末に送信した画像が含まれる、(38)から(40)のいずれか1つの情報端末。
(42)(1)から(24)のいずれか1つの電子機器、又は(26)から(32)のいずれか1つのシステムにおける第1の電子機器の機能を実行する第3モードと、前記テスト用の電波を送出する機能を実行する第4モードとの一方を選択する機能を有する、電子機器。
(43)最初に電源を投入したときに、前記第4モードで動作する、(42)の電子機器。
(44)前記第4モードから、そのまま購入できるようにする機能を有する、(42)から(43)のいずれか1つの電子機器。
(45)前記第4モードからそのまま返品ができるようにする機能を有する、(42)から(44)のいずれか1つの電子機器。
(46)前記撮影機器を取り付けが可能な業者に関する情報を表示する機能を有する(42)から(45)のいずれか1つの電子機器。
(47)店舗で販売されている製品を登録する機能と、登録された製品のカメラの画角をカバーする広角のカメラと、モバイルバッテリと、表示画面と、広角のカメラを車に仮設置する仮設置部材とを備え、選択画面で機種を選択すると、その機種の画角で撮影した画像を表示画面に表示させる機能と、を有するシステムが提供されるとよい。
(48)毎日の同じ時間に、記憶媒体に記録された映像の再生を試みる機能を有する、(1)から(24)、(37)から(46)のいずれか1つの電子機器、又は(26)から(32)のいずれか1つのシステムにおける第1の電子機器。
(49)具体的な場面を提示し、その場面と対応づけて時刻を登録する機能を備える(48)の電子機器。
(50)前記車両が特定の位置にあるときに記憶媒体に記録された映像の再生を試みる機能を有する、(1)から(24)、(37)から(46)、(48)、(49)のいずれか1つの電子機器、又は(26)から(32)のいずれか1つのシステムにおける第1の電子機器。
(51)駐車監視機能の動作を開始させるタイミング、自機の電源がオンするタイミング、又は自機の電源がオフする、といった所定の動作タイミングに、映像の再生を試みる機能を有する、(1)から(24)、(37)から(46)、(48)-(50)のいずれか1つの電子機器、又は(26)から(32)のいずれか1つのシステムにおける第1の電子機器。
(52)記憶媒体に記録された画像の再生の前に、歌を流す機能を有する、(1)から(24)、(37)から(46)、(48)-(51)のいずれか1つの電子機器、又は(26)から(32)のいずれか1つのシステムにおける第1の電子機器。
(53)記憶媒体に記録された画像の再生中にエラーが発生した場合、又は再生に成功した場合には、所定の音楽を流す、(1)から(24)、(37)から(46)、(48)-(52)のいずれか1つの電子機器、又は(26)から(32)のいずれか1つのシステムにおける第1の電子機器。
(54)イベント記録を行うときに発する音を、イベント記録毎に違う音にして出力し、さらに、イベント記録した画像の再生開始前には、そのイベント記録時に鳴らした音を鳴らしてから再生する機能を有する、(1)から(24)、(37)から(46)、(48)-(53)のいずれか1つの電子機器、又は(26)から(32)のいずれか1つのシステムにおける第1の電子機器。
【符号の説明】
【0412】
1 :システム
1A :システム
1B :システム
1C :システム
10 :電子機器
11 :制御部
12 :入力部
13 :表示部
14 :音声出力部
15 :撮影部
16 :通信部
17 :センサ部
18 :リーダライタ
19 :端子部
20 :位置情報取得部
21 :発光部
22 :電源制御部
30 :速度測定装置
41 :ダッシュボード
61 :制御部
62 :音声入出力部
63 :通信部
64 :UI部
65 :記憶部
100 :撮影機器
100A :撮影機器
100B :撮影機器
101 :筐体
102 :ジョイントレール
103 :放音孔
104 :マイク孔
111 :プロセッサ
112 :メモリ
113 :計時部
121 :マイクロホン
122 :イベント記録ボタン
123 :操作部
124 :タッチセンサ
131 :表示面
150 :ケーブル
151 :撮像レンズ
161 :第1通信部
162 :第2通信部
181 :記憶媒体挿入口
191 :カメラジャック
192 :端子
200 :撮影機器
300 :ケーブル
400 :車両
400A :他車両
400B :他車両
401 :フロントガラス
402 :ルームミラー
500 :記憶媒体
600 :情報端末
601 :制御部
631 :第1通信部
632 :第2通信部
651 :アプリケーション
700 :威嚇機器
701 :発光部
702 :音出力部
703 :通信部
800 :車載機器
801 :本体部
801A :第2の車載機器
801B :車載機器
802 :固定部
803 :第1の車載機器
804 :ケーブル
805 :放音孔
806 :発光部
807 :取付部材
811 :制御部
812 :受光部
813 :表示部
814 :音声出力部
815 :レーダー受信部
816 :無線受信部
817 :位置情報取得部
818 :通信部
819 :入力部
820 :センサ部
821 :装着部
822 :電源制御部
823 :端子部
824 :発光部
825 :記憶部
850 :記憶媒体
900 :ブラケット
910 :ベース部
911 :取付面
920 :ボールスタッド
921 :ボール部
930 :ソケット部
940 :ナット
950 :ベース部
951 :ガイドレール
952 :先端部
1000 :撮影機器
1011 :上面
1012 :第1の側面
1013 :第2の側面
1014 :第3の側面
1015 :第4の側面
1100 :本体部
1110 :操作部
1120 :表示部
1200 :ブラケット
1231 :第1のボタン
1232 :第2のボタン
1233 :第3のボタン
1234 :第4のボタン
1300 :撮像レンズ
8011 :筐体
8013 :取付部
8021 :固定部材
8022 :台座部
8023 :ソケット部
8024 :ボールスタッド
8025 :装着部材
8111 :プロセッサ
8112 :メモリ
8113 :計時部
8121 :レンズ
8191 :タッチセンサ
8192 :マイクロホン
8201 :照度センサ窓
8221 :電源スイッチ