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特開2023-111853名刺入れ装置、情報管理システム、及び情報管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111853
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】名刺入れ装置、情報管理システム、及び情報管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230803BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022202510
(22)【出願日】2022-12-19
(62)【分割の表示】P 2022013123の分割
【原出願日】2022-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】512088693
【氏名又は名称】株式会社 白橋
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【弁理士】
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】白橋 昌磨
(72)【発明者】
【氏名】白橋 明夫
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】名刺交換時における手間を省く。
【解決手段】名刺入れ装置40は、他者に提供する名刺を収容するための第1の空間41と、他者から受領した名刺を収容するための第2の空間42と、第1の空間41から取り出される名刺の読み取りと第2の空間42に収納される名刺の読み取りを行うように構成された読取部43を備える。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
他者に提供する名刺を収容するための第1の空間と、
他者から受領した名刺を収容するための第2の空間と、
前記第1の空間から取り出される名刺の読み取りと、前記第2の空間に収納される名刺の読み取りを行うように構成された読取部と、を備える
名刺入れ装置。
【請求項2】
前記第1の空間から取り出される名刺の読み取りと、前記第2の空間に収納される名刺の読み取りが、一つの共通する前記読取部によって行われる
請求項1に記載の名刺入れ装置。
【請求項3】
前記読取部で読み取った名刺に関する情報を、名刺の提供者が操作する提供者端末に送信する通信部をさらに備える
請求項1に記載の名刺入れ装置。
【請求項4】
読取りコードが付与された名刺の提供者が操作する提供者端末と、
前記名刺の受領者が操作する撮像部付きの受領者端末と、
前記提供者端末及び前記受領者端末と通信回線を介して接続された管理サーバと、
請求項3に記載の前記名刺入れ装置と、を備える情報管理システムであって、
前記読取りコードには、少なくとも当該コード固有の識別情報であるコードIDが埋め込まれており、
前記提供者が前記受領者から受け取った名刺を前記名刺入れ装置の前記第2の空間に収納すると、前記名刺入れ装置の前記読取部が当該名刺を読み取って、当該名刺に関する情報を前記通信部を介して前記提供者端末に送信し、
前記提供者端末が、前記名刺に関する情報に基づいて、前記受領者、提供日、及び提供場所の少なくとも一つに関する提供情報を前記管理サーバに送信すると、前記管理サーバは、前記提供情報を当該名刺に付与された前記読取りコードの前記コードIDと関連付けてデータベースに記録し、
前記受領者端末が前記撮像部で前記読取りコードを読み取ってそのコードIDを前記管理サーバに送信すると、前記管理サーバは、当該コードIDに関連付けられたコンテンツを当該受領者端末に提供するとともに、当該受領者端末による当該コンテンツの視聴情報を前記データベースに記録する
情報管理システム。
【請求項5】
読取りコードが付与された名刺の提供者が操作する提供者端末と、
前記名刺の受領者が操作する撮像部付きの受領者端末と、
前記提供者端末及び前記受領者端末と通信回線を介して相互に接続された管理サーバと、
請求項3に記載の前記名刺入れ装置と、を備える情報管理システムによって実行される方法であって、
前記読取りコードには、少なくとも当該コード固有の識別情報であるコードIDが埋め込まれており、
前記提供者が前記受領者から受け取った名刺を前記名刺入れ装置の前記第2の空間に収納すると、前記名刺入れ装置の前記読取部が当該名刺を読み取って、当該名刺に関する情報を前記通信部を介して前記提供者端末に送信し、
前記提供者端末が、前記名刺に関する情報に基づいて、前記受領者、提供日、及び提供場所の少なくとも一つに関する提供情報を前記管理サーバに送信すると、前記管理サーバが、前記提供情報を当該名刺に付与された前記読取りコードの前記コードIDと関連付けてデータベースに記録する工程と、
前記受領者端末が前記撮像部で前記コードを読み取ってそのコードIDを前記管理サーバに送信すると、前記管理サーバが、当該コードIDに関連付けられたコンテンツを当該受領者端末に提供するとともに、当該受領者端末による当該コンテンツの視聴情報を前記データベースに記録する工程とを含む
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、名刺入れ装置に関する。また、本発明は、顧客のニーズや動向を可視化できる営業支援用の情報管理システムと情報管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
新規顧客開拓などの営業活動においては、一般的に名刺などの印刷媒体が利用されている。顧客に名刺を配布したり顧客と名刺を交換することで、営業担当者は顧客に自身の氏名や所属を明らかにするとともに、それらの情報を記憶してもらうこともできる。
【0003】
また、従来から、営業担当者の名刺に例えばQRコード(登録商標)を印刷しておき、顧客にスマートフォン等でこのQRコードを読み取せることで、オンライン上で顧客が営業担当者の連絡先や経歴、自己紹介、あるいは動画などのコンテンツを視聴できるようしたシステムも知られている(特許文献1)。このようなシステムによれば、単純に紙媒体の名刺だけを配布した場合よりも、顧客に営業担当者のことを強く印象づけることができる。また、QRコードを読み取った顧客に対して商品紹介動画や会社PR動画などを視聴させることで、名刺そのものを宣伝ツールとして利用することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-194226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したような理由から、名刺とコンテンツの紐付けを行うことは有益であるといえる。しかしながら、既存のシステムでは、顧客が名刺のQRコードを通じてコンテンツを視聴した場合に、どの顧客が(すなわち誰が)、どのコンテンツ(すなわち何を)を視聴したのかを把握することが困難であった。コンテンツを視聴した顧客を特定するためには、例えば、コンテンツを視聴する際に顧客自身に自分の氏名等の情報を入力させたり、顧客に予め個人のアカウントを作成させコンテンツを視聴する際にこのアカウントにログインさせたりすることが考えられるが、いずれの方法も顧客自身に所定の情報を入力させる手間を強いることになる。このように顧客に負担の掛かる方法では、顧客がコンテンツを視聴することを忌避する恐れがあるため、コンテンツが紐付けられた名刺の宣伝ツールとしての価値が著しく損なわれることとなる。
【0006】
そこで、本発明は、媒体に付与された読取りコードを介して媒体の受領者にコンテンツを視聴させることのできるシステムにおいて、その受領者に負担を掛けることなくコンテンツの視聴履歴を管理できるようにすることを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の発明者らは、上記従来技術の課題を解決する手段について鋭意検討した結果、媒体の一つひとつに固有の読取りコードを付与するとともに、その媒体の提供者が媒体の受領者の情報を入力してデータベースに記録できるようにすることで、その読取りコードを介してコンテンツを視聴した受領者を、受領者に負担を掛けることなく特定できるようになるという知見を得た。そして、本発明者らは、上記知見に基づけば従来技術の課題を解決できることに想到し、本発明を完成させた。具体的に説明すると、本発明は以下の構成又は工程を有する。
【0008】
本発明の第1の側面は、営業支援ツールとして利用可能な情報管理システムに関する。本発明に係る情報管理システムは、提供者端末、受領者端末、及び管理サーバを備える。提供者端末は、読取りコードが付与された媒体の提供者(例えば営業担当者)が操作する端末である。受領者端末は、媒体の受領者(例えば顧客)が操作する端末であって、撮像部を有している。管理サーバは、提供者端末及び受領者端末とインターネット等の通信回線を介して接続されており、本システムの運営者によって運用されている。提供者端末と受領者端末は、例えばスマートフォンやタブレット型コンピュータ等の情報端末を利用できる。また、提供者から受領者に提供される「媒体」には、主に物理媒体と電子媒体が含まれる。物理媒体の例としては、名刺、チラシ、パンフレット等の印刷媒体の他、宣伝広告用の様々なノベルティグッズが挙げられる。また、電子媒体の例としては、電子化された名刺、チラシ、パンフレットが挙げられる。物理媒体の場合、提供者は受領者に対して手渡し又は郵送などでこれを提供できる。また、電子媒体の場合、提供者は受領者に対して電子メールで送付したり、あるいはタブレット型コンピュータに表示したものをその場で見せたりすることでこれを提供することができる。本発明において、読取りコードには、少なくとも当該コード固有の識別情報であるコードIDが埋め込まれている。つまり、本発明において、実質的に同じ媒体(例えば名刺)であっても、各媒体にはそれぞれ異なるコードIDが埋め込まれた固有の読取りコードが付与されていることになる。言い換えると、100枚の名刺に100通りの異なる読取りコードを付与することとなる。読取りコードには、バーコードなどの一次元コード、QRコード(登録商標)などの二次元コードの他、カラーコードなどの多次元コードが含まれる。
【0009】
本発明に係るシステムにおいて、提供者端末が媒体の受領者、提供日、提供場所の少なくとも一つに関する提供情報を管理サーバに送信すると、管理サーバは、この提供情報を当該媒体に付与された読取りコードのコードIDと関連付けてデータベースに記録する。なお、この提供情報は、提供者が提供者端末に手動で入力することとしてもよいし、後述するように、提供者が提供者端末で媒体に付与された読取りコードを読み取ることで提供者端末に自動的に入力されるものであってもよい。これにより、このコードIDに関連付けられた媒体の提供を受けた受領者、提供日、又は提供場所を特定できる。特に、この提供情報は、提供者端末から管理サーバに送信されるものであるため、受領者自身はこのような提供情報を管理サーバに対して送信する必要がない。また、受領者端末が撮像部で読取りコードを読み取ってそのコードIDを管理サーバに送信すると、管理サーバは、当該コードIDに関連付けられたコンテンツを当該受領者端末に提供するとともに、当該受領者端末による当該コンテンツの視聴情報(視聴履歴)をデータベースに記録する。ここにいう「コンテンツ」とは特にデジタルコンテンツを意味する。デジタルコンテンツの例は、動画、静止画、音楽、音声、文書、電子書籍、電子漫画、ゲーム、及びウェブページであるが、これらのものに限られない。このように、受領者は、媒体に付与された読取りコードを読み取るだけで、簡単にコンテンツを視聴できる。一方で、提供者端末から管理サーバに送られた提供情報によって媒体の提供を受けた受領者を特定又は推測することができるため、このコンテンツを誰が視聴したのかを把握できるようになる。その際に、受領者は媒体の読取りコードを読み取るだけで済むため、受領者の負担を最小限に抑えることができる。
【0010】
本発明に係る情報管理システムにおいて、提供者端末は撮像部を有することが好ましい。この提供者端末が撮像部でコードを読み取ってそのコードIDを前記提供情報として管理サーバに送信すると、管理サーバは、提供者端末がコードを読み取った日又は場所の少なくとも一方に関する情報を前記提供情報として当該コードIDと関連付けてデータベースに記録する。つまり、提供者端末は、管理サーバに対して、読取りコードのコードIDとともに、その読取りコードを読み取った日(より具体的には日時)又は読取りコードを読み取った場所を送信するが、これらの情報が媒体の提供日又は提供場所に関する情報(すなわち提供情報)としてデータベースに記録されることとなる。このようにすれば、提供者の作業は、媒体を受領者に提供する際にその媒体に付与された読取りコードを撮像部で読み取るだけで済むため、比較的簡単に媒体の提供日や提供場所に関する情報をデータベースに記録することが可能となる。
【0011】
本発明に係る情報管理システムにおいて、データベースは、複数のコードIDが同じコンテンツに関連付けられており、コードIDごとにコンテンツの視聴情報が記録されることが好ましい。前述の通り、媒体にはそれぞれ異なるコードIDが埋め込まれた読取りコードが付与されている。このため、コードIDごとに視聴情報を管理することで、各コードIDに同じコンテンツが関連付けられている場合であっても、媒体の受領者ごとにコンテンツの視聴情報を把握できるようになる。その結果、受領者のニーズを把握することが容易になる。
【0012】
本発明に係る情報管理システムにおいて、提供者端末又はこれと同じ提供者が操作するものとして紐付けられた別の端末が特定のコードIDの指定とともに受領者に関する情報(例えば氏名、所属、連絡先など)を管理サーバに送信すると、管理サーバは、指定された当該コードIDと当該受領者に関する情報を関連付けてデータベースに記録する。これにより、例えば、提供者が受領者に名刺を渡す際に、まずは簡単にその提供日又は提供場所のみをデータベースに記録しておき、その後時間があるときにその名刺を渡した受領者の氏名や所属などの詳細な情報をデータベースに追加で記録するといったような操作を行うことができるようになる。
【0013】
本発明に係る情報管理システムにおいて、管理サーバは、提供者端末又は別の端末から受領者に関する情報を受信すると、受領者固有の識別情報である受領者IDを発行し、当該受領者IDに関連付けて、当該受領者に関する情報と当該受領者によるコンテンツの視聴情報を前記データベースで管理することとしてもよい。このように、管理サーバが自動的に受領者IDを発行することで、受領者自身がID発行の手続きを行う必要がなくなるため、受領者の負担を低減できる。
【0014】
本発明に係る情報管理システムにおいて、受領者端末によるコンテンツの視聴情報が所定の条件を満たした場合に、管理サーバは、その旨の情報を当該受領者端末を操作する受領者に媒体を提供した提供者の提供者端末に送信することが好ましい。例えば、受領者が一定時間以上コンテンツを視聴していることが確認された場合、その受領者はそのコンテンツに興味があるものと推測できる。そこで、そのことを提供者端末に通知することで、提供者は受領者に対して効率的に営業活動を行うことができる。
【0015】
本発明の第2の側面は、営業支援向けの情報管理方法に関する。第2の側面に係る方法は、基本的には、前述した第1の側面に係るシステムにより実行される。すなわち、情報管理方法は、読取りコードが付与された媒体の提供者が操作する提供者端末と、媒体の受領者が操作する撮像部付きの受領者端末と、これらと通信回線を介して相互に接続された管理サーバとを備える情報管理システムによって実行される。読取りコードには、少なくとも当該コード固有の識別情報であるコードIDが埋め込まれている。情報管理方法では、まず、提供者端末が媒体の受領者、提供日、及び提供場所の少なくとも一つに関する提供情報を管理サーバに送信すると、管理サーバが、提供情報を当該媒体に付与された読取りコードのコードIDと関連付けてデータベースに記録する(第1工程)。また、情報管理方法では、受領者端末が撮像部でコードを読み取ってそのコードIDを管理サーバに送信すると、管理サーバが、当該コードIDに関連付けられたコンテンツを当該受領者端末に提供するとともに、当該受領者端末による当該コンテンツの視聴情報をデータベースに記録する工程(第2工程)。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、媒体に付与された読取りコードを介して媒体の受領者にコンテンツを視聴させることのできるシステムにおいて、その受領者に負担を掛けることなくコンテンツの視聴履歴を管理することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明に係る情報管理システムの全体構成を示している。
図2図2は、提供者が印刷媒体を受領者に提供し、受領者がコンテンツを視聴する様子を模式的に示している。
図3図3は、本発明に係る情報管理システムの一実施形態について、管理サーバ、提供者端末、及び受領者端の機能的要素を示したブロック図である。
図4図4は、データベースのデータ構造の一例を示している。(a)は提供情報テーブルの一例であり、(b)は視聴履歴テーブルの一例である。
図5図5は、図4に続き、データベースのデータ構造の一例を示している。(c)は受領者テーブルの一例であり、(d)は提供者テーブルの一例であり、(e)はコンテンツテーブルの一例である。
図6図6は、印刷媒体を提供者から受領者に受け渡す際に行われる情報管理システムの処理フローの例を示している。
図7図7は、提供者がコンテンツを視聴する際に行われる情報管理システムの処理フローの例を示している。
図8図8は、本発明の情報管理システムに任意に含めることが可能な名刺入れ装置を模式的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は、以下に説明する形態に限定されるものではなく、以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜変更したものも含む。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報管理システム100の全体構成を示している。図1に示されるように、情報管理システム100は、管理サーバ10、提供者端末20、及び受領者端末30を備える。これらの管理サーバ10、提供者端末20、及び受領者端末30は、インターネット等の通信回線を介して相互に接続されている。管理サーバ10は、本システムの運営者によって運用されるものであり、本システム全体を管理及び制御を担う。図1では、便宜上、管理サーバ10が一台のサーバ装置によって構築されているように表現しているが、この管理サーバ10は複数台のサーバ装置にその機能を分散して構築されたものであってもよい。提供者端末20は、名刺などの印刷媒体を受領者に対して提供する提供者によって操作される。また、受領者端末30は、印刷媒体を提供者から受領する受領者によって操作される。提供者端末20及び受領者装置30の例は、携帯型の情報通信端末であり、その代表例はスマートフォンやタブレット型コンピュータである。
【0020】
図2は、本発明に係る情報管理システム100において想定される印刷媒体の利用例を模試的に示している。特にここでは印刷媒体が名刺である場合を例に挙げて説明する。まず、提供者は、自分の名刺を複数枚所有している。この名刺には、自己の氏名や所属(会社名、部署)、連絡先に加えて、QRコード(登録商標)等の二次元コードが印刷されている。提供者の名刺に記載されている氏名や所属、連絡先は基本的に全て同じものであるが、二次元コードは名刺ごとに異なるものが印刷される。具体的には、各名刺に印刷されている二次元コードには、それぞれ別のコードIDの情報が埋め込まれており、その結果、各二次元コードは外観上、別のものとなる。例えば図2に示した例では、ある提供者から受領者1~3に対してそれぞれ名刺が提供されているが、受領者1~3に渡される名刺にはそれぞれ異なる二次元コード(QR1~3)が印刷されていることとなる。このように、本発明においては、受領者に提供される名刺の一つひとつに固有の二次元コードを印刷することで、誰が、誰に、どの名刺を渡したのかを管理できるように工夫している。
【0021】
名刺を受け取った受領者は、その名刺に印刷されている二次元コードを受領者端末30で読み取ると、提供者の指定した動画等のコンテンツを視聴することができる。例えば、提供者は、名刺に自身のプロフィール動画にリンクした二次元コードを印刷しておくことで、自身の顔や氏名、所属を受領者に強く印象付けることができる。特に本発明においては、受領者のそれぞれに固有の二次元コードが印刷された名刺が配布されていることから、名刺を受け取った受領者のうち、どの受領者がコンテンツを視聴したのかを把握することができる。例えば、プロフィール動画を視聴した受領者は、少なくとも提供者やその者が話した内容(商品の宣伝等)に興味があると推察できる。このため、プロフィール動画を視聴した受領者を特定することで、提供者はその受領者に商品を再度売り込みにいくといったアプローチをすることが可能となる。さらに、どの名刺(二次元コード)をどの受領者に配布したのかは、提供者が提供者端末20等を通じて管理サーバ10に記録する。このため、受領者は、二次元コードを受領者端末30で読み取るだけでよく、その他に自身の個人情報を入力する必要がない。このため、受領者に負担を掛けることなく、受領者によるコンテンツの視聴履歴を管理することが可能となる。
【0022】
図3は、本発明に係る情報管理システム100の機能構成を示したブロック図である。なお、図3は、主に本発明の情報管理システム100に求められる機能を実現するために必要とされる機能構成を示しており、その他に一般的なサーバ装置やスマートフォンが備えるものを必要に応じて適宜追加することも可能である。
【0023】
図3に示されるように、管理サーバ10は、主に管理制御部11、通信部12、コンテンツ記憶部13、管理データベース14を備える。管理制御部11は、CPUやGPUなどのプロセッサとRAMなどのメインメモリ(主に揮発性メモリ)で構成されており、システム全体の処理を統括している。管理制御部11は、メインメモリに格納されたプログラムをプロセッサにより実行することにより所定の処理を行う。管理制御部11の機能ブロックとしては、図3に示されるように、提供情報記録部11a、受領者情報記録部11b、コンテンツ提供部11c、視聴情報記録部11d、ニーズ解析部11e、及び報知部11fが含まれる。これらのブロック11a~fについての詳細は後述する。管理サーバ10の通信部12は、インターネットを介して提供者端末20及び受領者端末30と情報の送受信を行うための通信装置である。通信部12は、有線又は無線によって情報を送受信できるものであればよい。コンテンツ記憶部13は、主に受領者に視聴させる所定のコンテンツデータを記憶している。また、管理データベース14は、名刺の提供日時及び提供場所などの情報や、受領者のコンテンツの視聴履歴に関する情報、提供者に関する情報、受領者に関する情報などを関連付けて記憶した記憶装置している。コンテンツ記憶部13と管理データベース14は、例えばHDD及びSDDといったストレージ(不揮発性メモリ)によって実現できる。
【0024】
続いて、図4及び図5を参照して、管理データベース14のデータ構造例について説明する。管理データベース14は、例えば、図4及び図5に示した(a)~(e)のテーブルデータを有している。図4(a)は、主に提供者が受領者に名刺を提供したときの状況を記録するための提供情報テーブルである。提供者が受領者に固有の二次元コードが印刷された名刺を受け渡した場合に、提供情報テーブルには、名刺のそれぞれについて、提供者や、受領者、提供日時、提供場所などの情報が登録されることとなる。具体的には、提供情報テーブルは、名刺に印刷された二次元コード固有のコードIDをキー項目として、提供者を識別するための固有の提供者ID、名刺の提供日、提供時、提供場所、名刺を受け取った受領者の氏名、その受領者を識別するための固有の受領者ID、及びその他のメモ欄(備考)が関連付けて登録される。なお、提供情報テーブルのうち太枠で示した受領者名のカラムには、名刺の受渡し後又は受渡し前に提供者が手入力した受領者の氏名の情報が登録される。また、提供情報テーブルにおいて、コードIDと提供者IDは、提供者が名刺を配布するか否かによらず事前に登録しておくことが好ましい。この提供情報テーブルによれば、どの名刺が、いつ、どこで、誰から、誰に提供されたのかを把握できる。なお、メモ欄には、提供者が自由に文字情報を入力できる。
【0025】
図4(b)は、受領者が名刺に印刷された二次元コードを介してコンテンツを視聴した履歴を記録するための視聴履歴テーブルである。受領者が受領者端末30で名刺に印刷された二次元コードを読み取ってコンテンツを視聴すると、視聴履歴テーブルには、その受領者が読み取った二次元コードのコードIDに関連付けて、受領者が視聴したコンテンツや視聴日、視聴時間などに関する視聴情報が登録されることとなる。具体的には、視聴履歴テーブルは、名刺に印刷された二次元コード固有のコードIDをキー項目として、受領者を識別するための固有の受領者ID、二次元コードにリンクされた第1のコンテンツを識別するための固有のコンテンツID、第1のコンテンツの視聴の有無、視聴日、視聴時間に関する情報が登録される。また、二次元コードに複数のコンテンツがリンクされている場合、視聴履歴テーブルには、さらに、二次元コードにリンクされた第2のコンテンツを識別するための固有のコンテンツID、第2のコンテンツの視聴の有無、視聴日、視聴時間に関する情報を登録することもできる。なお、二次元コードには3以上のコンテンツをリンクさせることも当然可能である。加えて、視聴履歴テーブルには、名刺に対する受領者の興味のランクに関する情報を登録することが可能である。このランクは、後述するとおり管理サーバ10によって自動生成される。この視聴履歴テーブルによれば、受領者が名刺の二次元コードを読み取ってコンテンツを視聴したか否かに加えて、その視聴日や視聴時間、興味の度合い(ランク)を把握できる。
【0026】
図5(c)は、名刺を受け取った受領者に関する情報を記録するための受領者テーブルである。受領者テーブルは、受領者を識別するための固有の受領者IDをキー項目として、受領者の氏名、社名、役職、連絡先に関する情報を登録できる。なお、受領者テーブルのうち太枠で示した受領者名、社名、役職、連絡先のカラムには、名刺の受渡し後又は受渡し前に提供者が手入力した情報が登録される。また、受領者IDは、管理サーバ10により自動的に生成されるものである。このため、この受領者テーブルに各種情報を登録するにあたり、受領者に負担を掛けることはない。
【0027】
図5の(d)は、名刺を提供する提供者に関する情報を記録するための提供者テーブルである。提供者テーブルは、提供者を識別するための固有の提供者IDをキー項目として、提供者の氏名、社名、役職、連絡先に関する情報を登録できる。
【0028】
図5の(e)は、主に受領者に提供するコンテンツに関する情報を記録するためのコンテンツテーブルである。コンテンツテーブルは、コンテンツを識別するための固有のコンテンツIDをキー項目として、そのコンテンツを視聴するためのURL等のリンク情報を登録できる。例えば、リンク情報としては、他の外部の動画配信サービス(Youtube(登録商標)など)のURLを登録してもよい。この場合、外部の動画配信サービスが提供するデータサーバが、コンテンツ記憶部13として機能する。また、管理サーバ10自体にコンテンツデータそのものを記憶しておくこともできる。その場合、コンテンツテーブルには、この管理サーバ10内のコンテンツ記憶部13に格納されているコンテンツデータにアクセスするための情報(データの格納先を示すアドレス)などが登録されることとなる。また、コンテンツとしては、動画に限られず、提供者の会社のHPや、その他のウェブページなどを利用することも可能である。
【0029】
図2に戻り、提供者端末20と受領者端末30の機能構成について説明する。提供者端末20及び受領者端末30は、それぞれ、CPU及びメインメモリによって構成される制御部21,31と、4G、5G、あるいはWi-Fi(登録商標)などの公知の無線通信規格に則った通信装置である通信部22,32と、GPSセンサなどの位置取得部23,33と、不揮発性メモリ及び/又は揮発性メモリで構成された記憶部24,34と、カメラなどの撮像部25,35と、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示部26,36と、タッチパネルやマウス、キーボードなどの入力部27,37を有する。制御部21,31は、所定の情報の入力や送信、あるいは閲覧のためのアプリケーションプログラムをメモリから読み出して、その他の各種要素を制御する。このような提供者端末20と受領者端末30としては、公知のスマートフォンやタブレット型コンピュータを利用できる。
【0030】
続いて、図6を参照して、提供者が受領者に名刺(印刷媒体)を提供する際に実行される情報管理システム100の処理について説明する。提供者は、名刺を受領者に渡す前に、提供者端末20においてその準備を行う必要がある。まず、提供者は、提供者端末20の入力部27を介して、提供者端末20に自身のアカウント情報(提供者IDや所定のパスワード)を入力して、自身のアカウントにログインを試みる(ステップS1-1)。提供者端末20は、通信部22を介して管理サーバ10に提供者のアカウント情報を送信し、管理サーバ10は、このアカウント情報が正当なものか否かの認証を行う(ステップS1-2)。アカウント情報が正当なものであれば、管理サーバ10は提供者のログインを承認し、不当なものであればその旨の通知等を行う。ログインに成功すると、提供者端末20は、提供者に次の処理へと進むことを促すための画面を表示部26に表示する。
【0031】
次に、提供者は、受領者に受け渡す予定の名刺に付与されている二次元コードを、提供者端末20の撮像部25を利用して撮影する(ステップ1-3)。ここで撮影された二次元コードの画像は、提供者端末20の記憶部24に保存される。提供者端末20の制御部21は、所定のプログラムに従い、撮像部25によって取得された二次元コードの画像を解析し、その二次元コードに埋め込まれている情報を読み出す(ステップS1-4)。この二次元コードには、少なくとも固有のコードIDの情報が埋め込まれているため、制御部21は二次元コードからこのコードIDを少なくとも読み出すこととなる。
【0032】
また、提供者端末20の制御部21は、撮像部25によって二次元コードが撮影された場合に、位置取得部23を介してそのときの提供者端末20の位置情報を取得する(ステップS1-5)。あわせて、提供者端末20の制御部21は、撮像部25によって二次元コードが撮影された場合に、そのときの日時情報を取得する(ステップS1-6)。本実施形態では、基本的に、名刺の受渡しの直前にその名刺の二次元コードを撮影することを想定しているため、その二次元コードの撮影日時及び撮影場所が名刺の提供日時及び提供場所として管理サーバ10に記録されることとなる。ただし、二次元コードの撮影日時及び撮影場所が名刺の実際の提供日時及び提供場所と異なる場合、管理サーバ10の記録情報を後から修正することも可能である。
【0033】
次に、提供者端末20の制御部21は、提供者のアカウント情報(主に提供者ID)、二次元コードから読みだした情報(主にコードID)、位置情報、及び日時情報を、通信部22を介して管理サーバ10へ送信する(ステップS1-7)。管理サーバ10の管理制御部11は、通信部12を通じて、提供者端末20からこれらの情報を受信する(ステップS1-8)。管理サーバ10の管理制御部11の提供情報記録部11aは、ここで提供者端末20から受信した各種の情報を管理データベース14の提供情報テーブル(図4(a))に記録する(ステップS1-9)。具体的には、提供情報記録部11aは、提供者端末20から受信した二次元コードのコードIDに関連付けて、提供者ID、提供日、提供時、及び提供場所に関する情報を提供情報テーブルに登録する。これにより、提供者から受領者に名刺を提供した日時や場所を管理サーバ10にて管理することができる。
【0034】
ここまでの処理が完了した後、提供者は受領者に対して固有の二次元コードが付与された自身の名刺を受け渡す。このとき、提供者は受領者の名刺を貰い受けてもよい。受領者の名刺に記載されている情報は、この後、提供者が管理データベース14に登録することとなる。
【0035】
名刺の受渡し又は交換が終わると、提供者は、前述したステップS1-2,S1-2と同じ手順で自身のアカウントに再度ログインする(ステップS1-10,S1-11)。なお、提供者端末20がアカウントにログインしたままとなっている場合には、このログイン処理は省略することができる。また、提供者は、提供者端末20とは別の端末装置にて自身のアカウントにログインすることもできる。例えば、名刺の受渡し前の二次元コードの撮影はスマートフォンで行い、名刺の受渡し後の受領者情報の入力は別のパーソナルコンピュータで行うことも可能である。このように、提供者のアカウントに紐付けられた端末装置は複数台存在していてもよい。
【0036】
次に、提供者は、提供者端末20等の入力部27を介して、受領者に渡した名刺に関連付けて、その受領者に関する情報を提供者端末20に入力する(ステップS1-12)。このとき、提供者は、少なくとも受領者の氏名を入力する。具体的には、提供情報テーブルには、名刺の提供場所や日時に関する情報が既に登録されている。この提供情報テーブルに登録されている情報は、管理サーバ10から提供者端末20等に送信されて、提供者端末20の表示部26上に表示される。提供者は、提供情報テーブルに登録されている名刺の提供場所や日時を参照して、そのときに名刺を渡した受領者の氏名を入力すればよい。このとき、提供者の入力情報によって、名刺に付与された二次元コード固有のコードIDが指定されて、名刺とそれを受け渡した受領者が関連付けられることとなる。また、例えば受領者から貰い受けた名刺を参照して、提供者は、受領者の氏名に加えて、受領者の社名や役職、連絡先などの個人情報を入力することもできる。提供者によって入力された受領者の情報は、提供者端末20等の通信部22を通じて管理サーバ10へ送信される(ステップS1-13)。管理サーバ10の管理制御部11は、通信部12を通じて、提供者端末20からこれらの情報を受信する(ステップS1-14)。なお、提供者が提供者端末20とは別の端末にて自身のアカウントにログインしている場合、受領者情報の入力と送信の処理は、その別の端末にて行うことも可能である。
【0037】
管理サーバ10の管理制御部11の受領者情報記録部11bは、提供者端末20等から受領者に関する情報を受信すると、その受領者を識別するための受領者IDを自動生成する(ステップS1-15)。各受領者には任意の受領者IDを割り当てることができる。なお、氏名等の情報から既に受領者IDが生成済みであると判断できた受領者については、受領者IDを新規発行する必要はなく、既存の受領者IDを利用すればよい。受領者情報記録部11bは、受領者IDを新規発行した場合には、その受領者IDをキー項目として受領者テーブルに登録する。
【0038】
また、受領者情報記録部11bは、提供者端末20等から受信した受領者に関する情報を管理データベース14に登録する(ステップS1-16)。すなわち、受領者情報記録部11bは、前の処理で生成した受領者IDに関連付けて、受領者の氏名、社名、役職、連絡先などの情報を受領者テーブルに登録する。また、受領者情報記録部11bは、提供者により指定された名刺に付与された二次元コードのコードIDに関連付けて、受領者の受領者IDを提供情報テーブルに登録する。これにより、どの名刺がどの受領者に提供されたのかを特定することが可能となる。また、提供情報テーブルには、受領者IDに加えて、受領者の氏名を登録することも可能である。このようにして、提供者は、自身の名刺の二次元コードとそれを提供した受領者の情報との関連付けを行う。これらの作業は、すべて提供者によって行われるものであることから、受領者に情報入力等に関する負担を強いることはない。
【0039】
続いて、図7を参照して、受領者が提供者から貰い受けた名刺(印刷媒体)に印刷された二次元コードを利用してコンテンツを視聴した場合に実行される情報管理システム100の処理について説明する。なお、受領者は、提供者とは異なり、コンテンツの視聴を行うにあたり自身のアカウントにログインするなどの特段の作業を行う必要はない。まず、受領者は、提供者やその所属会社等に興味がある場合、提供者から受け取った名刺に付与されている二次元コードを、受領者端末30の撮像部35を利用して撮影する(ステップ2-1)。ここで撮影された二次元コードの画像は、受領者端末30の記憶部34に保存される。受領者端末30の制御部31は、所定のプログラムに従い、撮像部35によって取得された二次元コードの画像を解析し、その二次元コードに埋め込まれている情報を読み出す(ステップS2-2)。この二次元コードには、少なくとも固有のコードIDの情報が埋め込まれているため、制御部31は二次元コードからこのコードIDを少なくとも読み出すこととなる。
【0040】
次に、受領者端末30の制御部31は、二次元コードから読み出した情報(主にコードID)を通信部32を介して管理サーバ10へ送信する(ステップS2-3)。管理サーバ10の管理制御部11は、通信部12を通じて、受領者端末30からこの情報を受信する(ステップS2-4)。そして、管理サーバ10の管理制御部11のコンテンツ提供部11cは、受領者端末30から受信した二次元コードに関連付けられた一又は複数のコンテンツを、通信部12を介してその受領者端末30に提供する(ステップS2-5)。具体的に説明すると、本実施形態において、管理データベース14の視聴履歴テーブル(図4(b))には、各名刺の二次元コードのコードIDに関連付けて、一又は複数のコンテンツのコンテンツIDが登録されている。また、管理データベース14のコンテンツテーブル(図5(e))には、コンテンツのコンテンツIDに関連付けて、そのリンク情報が登録されている。このため、コンテンツ提供部11cは、これらの視聴履歴テーブルとコンテンツテーブルを参照して、受領者端末30から受信した二次元コードに関連付けられたコンテンツのリンク情報(外部の動画配信サービスのURL等)を受領者端末30に提供すればよい。なお、管理サーバ10自体のコンテンツ通信部12に動画データ等が格納されている場合には、管理サーバ10が受領者端末30に対してその動画データを送信したり、あるいは受領者端末30に対して動画データをストリーミング配信することも可能である。このように、名刺の二次元コードにはそれぞれ受領者に視聴させることを目的としたコンテンツが紐付けられている。
【0041】
受領者は、受領者端末30によって管理サーバ10からコンテンツの提供を受けると、受領者端末30の入力部37を介して、実際に視聴するコンテンツを選択する(ステップS2-6)。管理サーバ10から提供されたコンテンツが複数ある場合は、受領者はその中から一つを選択すればよい。また、管理サーバ10から提供されたコンテンツが一つである場合は、受領者はそのコンテンツを再生するか否かを選択すればよい。受領者端末30は、受領者によって選択されたコンテンツを表示部36に表示して、受領者に視聴させる(ステップS2-8)。例えば、受領者端末30は、所定のアプリケーションプログラムによって動画を再生したり、Webページを開いたりすることで、それらのコンテンツを表示部36に表示する。
【0042】
また、受領者端末30の制御部31は、各コンテンツについて受領者の視聴情報を取得して、これを管理サーバ10に送信する(ステップS2-9)。このようなコンテンツの視聴情報の例としては、受領者がコンテンツを視聴したか否かの情報や、コンテンツの視聴日、コンテンツの視聴時間に関する情報が挙げられる。また、受領者端末30の制御部31は、コンテンツの表示を開始したときに位置取得部33によってその時の位置情報を取得し、その位置情報を視聴情報に含めることもできる。このような視聴情報は、受領者がコンテンツを視聴し終えたタイミング(コンテンツの表示が終了したとき)に管理サーバ10に送信されることとしてもよいし、受領者がコンテンツを視聴している間に随時管理サーバ10に送信されることとしてもよい。管理サーバ10は、通信部12を介して受領者端末30から上記したコンテンツの視聴情報を受信する(ステップS2-9)。
【0043】
次に、管理サーバ10の管理制御部11の視聴情報記録部11cは、受領者端末30から受信した視聴情報を管理データベース14に記録する(ステップS2-10)。具体的には、視聴情報記録部11cは、管理データベース14の視聴履歴テーブルに、名刺に付与された二次元コードのコードIDと関連付けて、その二次元コードからコンテンツを閲覧した受領者の受領者IDや、その受領者によるコンテンツの視聴の有無(有りの場合は“1”のフラグを立てる)、コンテンツの視聴日、視聴時間等を登録する。これにより、視聴履歴テーブルを参照すれば、どの受領者が、どのコンテンツを、いつ、どの程度視聴したのかを容易に把握することができる。
【0044】
次に、管理サーバ10の管理制御部11のニーズ解析部11dは、視聴履歴テーブルに登録された視聴情報に基づいて、受領者のニーズ(興味)を解析し、その度合いを自動的にランク付けする(ステップS2-11)。例えば、受領者が、所定数以上のコンテンツを、所定時間以上視聴した場合、受領者の興味のランクを高く設定すればよい。ランク付けの閾値は適宜設計することができる。このようなランク情報は、例えば視聴履歴テーブルに登録すればよい。一例として、図4(b)に示した視聴履歴テーブルでは、受領者R1は、2つのコンテンツを所定時間以上視聴しているため、最も高いランクAが与えられている。一方で、受領者R2は、一つ目のコンテンツは一応視聴しているものの所定以下の視聴時間であることから、比較的低いランクCが与えられている。このように、各受領者の視聴情報を解析することにより、受領者の興味の度合いを推測することができる。なお、各受領者の視聴情報が追加された場合、ニーズ解析部11dは各受領者のランクを更新すればよい。
【0045】
また、管理サーバ10の管理制御部11の報知部11eは、ニーズ解析部11dによる解析の結果、受領者に所定以上のランクが付与された場合、通信部12を介して、その旨をその受領者に名刺を提供した提供者の提供者端末20に報知する(ステップS2-12)。例えば、図4(b)に示した例では、前述の通り受領者R1がランクAとなっていることから、この受領者R1は名刺に紐付けられたコンテンツに高い興味を示していると推測できる。その場合、この受領者R1に名刺を提供した提供者D1の提供者端末20に対して、報知部11eは、受領者R1の興味のランクがAとなったことを報知する。これにより、提供者D1は、受領者R1の興味の度合いやコンテンツの視聴情報をすぐに把握できるため、例えば再度受領者R1を訪問して営業活動を行うなど、効率的な行動を選択することが可能となる。なお、この報知するか否かの閾値は適宜設計することができる。
【0046】
図8は、本発明に係る情報管理システム100において任意に用いることのできる名刺入れ装置40を模式的に示している。すなわち、本発明に係る情報管理システム100は、前述した管理サーバ10、提供者端末20、及び受領者端末30に加え、さらに名刺入れ装置40を備えていてもよい。この名刺入れ装置40は、主に提供者によって利用される。名刺入れ装置40は、提供者が所持する提供者端末20と近距離無線通信等によって接続されている。
【0047】
具体的に説明すると、本実施形態に係る名刺入れ装置40は、提供者の名刺を収納するための提供用空間41と、受領者の名刺を収納するための受領者用空間42を有する。また、名刺入れ装置40は、名刺に印刷されている文字を読み取るための読取部43を備える。読取部43は、例えば公知の小型の光学式スキャナ等によって実現可能である。また、名刺入れ装置40は、この装置の全体制御を担うプロセッサ等の制御部44と、各種情報を記憶するための不揮発性メモリ等の記憶部45と、提供者端末20との間でBluetooth(登録商標)等の公知の規格に則って近距離無線通信を行うことのできる通信モジュール等の通信部46を備えている。
【0048】
読取部43は、まず、提供者の名刺が提供用空間41から取り出されるときに、その名刺に印刷されている二次元コードを読み取ることができるように構成されている。読取部43によって読み取られた提供者の名刺の二次元コードの画像は、制御部44に伝達されて、そこに埋め込まれている情報が読み出される。前述の通り、提供者の名刺の二次元コードには固有のコードIDが埋め込まれていることから、制御部44はこのコードIDを読み出せばよい。なお、二次元コードの画像は記憶部45に一時的に保存しておくこととしてもよい。名刺入れ装置40によって読み出されたコードIDは、通信部46を介して提供者端末20に送信される。提供者端末20は、名刺入れ装置40からコードIDを受信すると、このコードIDをその時点での日時と場所に関する情報とともに管理サーバ10へと送信する。これにより、図6に示したフローチャートにおいて、提供者端末20によって二次元コードを撮影して情報を読み出す処理(ステップS1-3,S1-4)を省略することができる。
【0049】
また、読取部43は、提供者が受領者から受け取った名刺を受領用空間42に収納するときに、その名刺を読み取ることができるように構成されている。読取部43によって読み取られた受領者の名刺の画像は、制御部44に伝達されて、その名刺に記載されている文字が公知のOCR(光学文字認識)等によって情報として認識される。すなわち、受領者の名刺には、受領者の氏名や、社名、役職、連絡先などの情報が記載されていることから、これらの文字情報を取得すればよい。なお、受領者の名刺の画像は記憶部45に一時的に保存しておくこととしてもよい。名刺入れ装置40によって認識された受領者の名刺の文字情報は、通信部46を介して提供者端末20に送信される。提供者端末20は、名刺入れ装置40から受領者の名刺の文字情報を受信すると、これらの文字情報を、先の処理で提供者の名刺の二次元コードから読み出したコードIDとともに管理サーバ10へと送信する。これにより、図6に示したフローチャートにおいて、受領者の情報を提供者端末20に入力する処理(ステップS1-12)を省略することができる。
【0050】
このようにして、提供者の名刺に印刷されている二次元コードの読取りと、受領者の名刺に印刷されている文字情報(受領者情報)の読取りを、名刺入れ装置40によって行うことにより、名刺交換時における提供者の手間を省くことができる。すなわち、提供者は、自分の名刺を名刺入れ装置40から取り出し、受領者から貰い受けた名刺を名刺入れ装置40するという、名刺交換において一般的に行われる作業を行うことで、本システムにおいて必要とされる情報が自動的に管理サーバ10へと送信されることとなる。なお、図8に示した例では、提供用空間41から取り出される名刺の読取りと、受領用空間42に収納される名刺の読取りを、共通の読取部43によって実現する構成となっているが、各空間のそれぞれに1つずつ読取部43を設けることとしてもよい。
【0051】
以上、本願明細書では、本発明の内容を表現するために、図面を参照しながら本発明の実施形態の説明を行った。ただし、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。
【符号の説明】
【0052】
10…管理サーバ 11…管理制御部
11a…提供情報記録部 11b…受領者情報記録部
11c…コンテンツ提供部 11d…視聴情報記録部
11e…ニーズ解析部 11f…報知部
20…提供者端末 21…制御部
22…通信部 23…位置取得部
24…記憶部 25…撮像部
26…表示部 27…入力部
30…受領者端末 31…制御部
32…通信部 33…位置取得部
34…記憶部 35…撮像部
36…表示部 37…入力部
40…名刺入れ装置 41…提供用空間
42…受領用空間 43…読取部
44…制御部 45…記憶部
46…通信部 100…情報管理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8