IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社バンダイの特許一覧

<>
  • 特開-プログラム及びゲーム装置 図1
  • 特開-プログラム及びゲーム装置 図2
  • 特開-プログラム及びゲーム装置 図3
  • 特開-プログラム及びゲーム装置 図4
  • 特開-プログラム及びゲーム装置 図5
  • 特開-プログラム及びゲーム装置 図6
  • 特開-プログラム及びゲーム装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111860
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】プログラム及びゲーム装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20230803BHJP
   A63F 13/798 20140101ALI20230803BHJP
   A63F 13/95 20140101ALI20230803BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/798
A63F13/95 A
A63F13/69
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211769
(22)【出願日】2022-12-28
(62)【分割の表示】P 2022013455の分割
【原出願日】2022-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福岡 麗南
(72)【発明者】
【氏名】赤井 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】黒田 理人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 亜以子
(72)【発明者】
【氏名】衣川 航平
(57)【要約】
【課題】興趣性の高いゲーム要素の付与を実現する。
【解決手段】プログラムは、対戦ゲームのプレイ体験を提供可能なコンピュータに、プレイ体験が提供された対戦ゲームについて、プレイヤ及び対戦相手それぞれの評価値を取得する取得処理と、対戦ゲームのプレイ体験の提供に応じて、ゲーム要素をプレイヤに付与する付与処理と、実行した抽選処理の抽選結果に基づいて、付与処理におけるゲーム要素の付与を制御する制御処理と、を実行させるプログラムであって、制御処理は、プレイヤと対戦相手との評価値の差に応じて抽選処理の当選確率を異ならせる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対戦ゲームのプレイ体験を提供可能なコンピュータに、
プレイ体験が提供された前記対戦ゲームについて、プレイヤ及び対戦相手それぞれの評価値を取得する取得処理と、
前記対戦ゲームのプレイ体験の提供に応じて、ゲーム要素を前記プレイヤに付与する付与処理と、
実行した抽選処理の抽選結果に基づいて、前記付与処理におけるゲーム要素の付与を制御する制御処理と、
前記プレイヤと前記対戦相手との評価値の差に応じて前記抽選処理の当選確率を異ならせるか否かの設定を受け付ける設定処理と、
を実行させるプログラムであって、
前記制御処理は、
前記対戦ゲームにおいて前記プレイヤが前記対戦相手に勝利したことを条件として、前記抽選処理を実行し、
前記プレイヤの評価値よりも前記対戦相手の評価値の方が高い場合に、前記プレイヤと前記対戦相手との評価値の差に応じて前記抽選処理の当選確率を高くするプログラム。
【請求項2】
前記制御処理は、前記プレイヤと前記対戦相手との評価値の差が閾値より小さい場合よりも、前記プレイヤと前記対戦相手との評価値の差が前記閾値より大きい場合の方が、前記抽選処理の当選確率を高くする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記制御処理は、前記抽選結果が当選である場合に、前記付与処理において付与されるゲーム要素の数を、前記プレイヤと前記対戦相手との評価値の差が前記閾値より小さい場合よりも、前記プレイヤと前記対戦相手との評価値の差が前記閾値より大きい場合の方が多くなるよう制御する請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記制御処理は、前記プレイヤと前記対戦相手との評価値の差が大きいほど、前記抽選処理の当選確率を高くする請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記制御処理は、前記抽選結果が当選である場合に、前記付与処理において付与されるゲーム要素の数を、前記プレイヤと前記対戦相手との評価値の差が大きいほど多くする請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記制御処理は、前記対戦相手の評価値が前記プレイヤの評価値以下である場合に前記抽選処理を実行しない請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記制御処理は、前記対戦相手の評価値が前記プレイヤの評価値より低い場合に前記抽選処理を実行しない請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記コンピュータは、前記対戦ゲームのプレイ体験を提供可能な第1モードと、前記対戦ゲームのプレイ体験を提供不可能な第2モードとで動作可能であり、
前記設定処理は、前記コンピュータが前記第2モードで動作している場合に実行される
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記コンピュータが前記第2モードで動作している場合に、前記プレイヤと前記対戦相手との評価値の差に応じた当選確率を提示する第1提示処理を、前記コンピュータにさらに実行させる請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記コンピュータが前記第2モードで動作している場合に、前記プレイヤと前記対戦相手との評価値の差に応じた当選確率の変更を受け付ける変更処理を、前記コンピュータにさらに実行させる請求項8または9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記対戦ゲームのプレイ体験の提供中、対戦相手の評価値が提示されない請求項1乃至8のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項12】
前記対戦ゲームには、第1種別の対戦ゲームと、前記第1種別とは異なる第2種別の対戦ゲームとがあり、
前記制御処理は、
前記第1種別の対戦ゲームのプレイ体験の提供時は、前記抽選処理の抽選結果に基づいたゲーム要素の付与を前記付与処理において行わせない一方で、
前記第2種別の対戦ゲームのプレイ体験の提供時は、前記抽選処理の抽選結果に基づいたゲーム要素の付与を前記付与処理において行わせる
請求項1乃至11のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項13】
前記プレイヤの評価値は、前記対戦ゲームの勝利数に基づいて決定される請求項1乃至12のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項14】
前記対戦ゲームは、実物品から取得されたキャラクタ情報に基づいて進行が制御される請求項1乃至13のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項15】
対戦ゲームのプレイ体験を提供可能なゲーム装置であって、
プレイ体験が提供された前記対戦ゲームについて、プレイヤ及び対戦相手それぞれの評価値を取得する取得手段と、
前記対戦ゲームのプレイ体験の提供に応じて、ゲーム要素を前記プレイヤに付与する付与手段と、
実行した抽選処理の抽選結果に基づいて、前記付与手段によるゲーム要素の付与を制御する制御手段と、
前記プレイヤと前記対戦相手との評価値の差に応じて前記抽選処理の当選確率を異ならせるか否かの設定を受け付ける設定手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記対戦ゲームにおいて前記プレイヤが前記対戦相手に勝利したことを条件として、前記抽選処理を実行し、
前記プレイヤの評価値よりも前記対戦相手の評価値の方が高い場合に、前記プレイヤと前記対戦相手との評価値の差に応じて前記抽選処理の当選確率を高くするゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及びゲーム装置に関し、特にプレイヤへのゲーム要素の付与を含む電子ゲームに関する。
【背景技術】
【0002】
抽選処理の抽選結果に応じてゲーム要素を付与する電子ゲームがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-033864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のような抽選処理を、例えば対戦ゲームの勝利条件が達成されたことに対する報酬として実行する態様では、対戦相手となるプレイヤによって対戦ゲームの難易度が変わるため、勝利条件の達成が困難になることがある。故に、対戦相手のマッチング状況によっては、プレイヤに与えられる抽選機会が低減し得る。一方で、公平性を考慮して抽選処理の当選確率を固定とすると、格上の対戦相手に勝利した場合であっても抽選処理で落選する可能性があり、結果、マッチングと報酬の観点で、プレイヤの対戦ゲームへの関心が低減する虞があった。
【0005】
本発明は、興趣性の高いゲーム要素の付与を実現するプログラム及びゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様のプログラムは、対戦ゲームのプレイ体験を提供可能なコンピュータに、プレイ体験が提供された対戦ゲームについて、プレイヤ及び対戦相手それぞれの評価値を取得する取得処理と、対戦ゲームのプレイ体験の提供に応じて、ゲーム要素をプレイヤに付与する付与処理と、実行した抽選処理の抽選結果に基づいて、付与処理におけるゲーム要素の付与を制御する制御処理と、を実行させるプログラムであって、制御処理は、プレイヤと対戦相手との評価値の差に応じて抽選処理の当選確率を異ならせる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、興趣性の高いゲーム要素の付与を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態及び変形例に係るゲームシステムのシステム構成を例示した図
図2】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100の機能構成を例示したブロック図
図3】本発明の実施形態及び変形例に係るサーバ200の機能構成を例示したブロック図
図4】本発明の実施形態に係る当選確率の変更態様を例示した図
図5】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100において実行される付与制御処理を例示したフローチャート
図6】本発明の変形例6に係る、当選確率の変更に係る機能の利用に係る設定画面600を例示した図
図7】本発明の実施形態及び変形例に係るゲームシステムで用いられる各種情報のデータ構成を例示した図
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
以下に説明する一実施形態は、ゲーム装置の一例としての、ネットワークを介して通信接続された複数のゲーム装置を使用するプレイヤを参加させた、対戦ゲームのプレイ体験を提供可能に構成されたゲーム装置に、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、対戦ゲームのプレイ体験の提供を含むサービスを提供し、ゲーム要素をプレイヤに付与することが可能な任意の機器に適用可能である。
【0011】
《ゲームシステムの構成》
図1は、本実施形態に係るゲームシステムのシステム構成を示した図である。図示されるように、ゲームシステムは、ネットワーク300を介することで、サーバ200と1以上のゲーム装置100の各々とが通信可能に構成される。
【0012】
本実施形態では、このようなシステム構成により、サーバ200及びネットワーク300を介して、複数のゲーム装置100を利用するプレイヤ間での対戦ゲームが実現可能に構成されるものとする。また、ゲーム装置100においてプレイ体験が提供されるゲームは、プレイヤ間の対戦ゲームに限られるものではなく、1人用に構成されたゲームを含むものであってよい。
【0013】
本実施形態に係るゲーム装置100は、図示されるような外観を有する。ゲーム装置100は、利用可能にある状態において代価の支払いを検出可能に構成されており、代価の支払いが検出された場合に、利用者(プレイヤ)に、少なくとも1つのゲーム要素の提供を含む、ゲームのプレイ体験のサービスを提供する。代価の支払いは、例えば投入口141への所定額の硬貨が投入されたことに応じて検出される。
【0014】
ゲーム装置100が提供可能なゲーム要素には実物品であるゲームカードが含まれており、サービス提供中に条件が満たされたことによりゲームカードが提供される。本実施形態では1回のゲームのプレイ体験について、少なくとも1枚のゲームカードが提供されるものとして説明する。ゲーム装置100の外観には取り出し口142が設けられており、当該取り出し口142を介してプレイヤは内部に設けられた保持部143にアクセスすることが可能である。保持部143は、ゲームカードが提供される場合に、当該ゲームカードをプレイヤが任意のタイミングで取り出し可能なように保持する。
【0015】
またゲーム装置100の外観には、ゲーム装置100が提供するゲームカードを含む、所定のカードを載置可能な載置部144が設けられている。詳細は後述するが、プレイヤは、ゲーム装置100の利用中、ゲームカードを載置部144に載置することで当該ゲームカードに付された情報を反映させた状態でゲームプレイを行うことができる。また載置部144には、ゲームカードの他、プレイヤを識別するためのプレイヤカードを載置することも可能である。プレイヤは、ゲーム装置100の利用時にプレイヤカードを載置部144に載置することで、プレイヤの進行状況を反映させた状態で、ゲームプレイを行うことができる。プレイヤの進行状況は、サーバ200において管理され、ゲーム装置100の利用に際してプレイヤが識別された場合、即ち、いずれのプレイヤであるかが識別された状態でゲームのプレイ体験が提供された場合に、各プレイヤについて管理された情報が更新される。
【0016】
〈ゲーム装置の機能構成〉
図2は、本実施形態に係るゲーム装置100の機能構成を示したブロック図である。
【0017】
制御部101は、例えばCPUであり、ゲーム装置100が有する各機能ブロックの動作を制御する。具体的には制御部101は、例えば記憶装置102に記憶されている各機能ブロックに係る動作プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより各機能ブロックの動作を実現する。
【0018】
記憶装置102は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的にデータを保持可能な装置である。記憶装置102は、ゲーム装置100が有する各機能ブロックに係る動作プログラムに加え、各機能ブロックの動作において必要となるパラメータの情報や、ゲーム装置100が実行するゲームに使用される各種のグラフィックスデータ等を記憶する。メモリ103は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。メモリ103は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0019】
支払検出部104は、ゲーム装置100において代価の支払いがなされたことを検出する。代価の支払いは、例えばゲーム装置100が有する投入口141に所定の金額の硬貨や相当するコインが投入されたこと、あるいは所定の電子マネーに係るチップとの通信に基づく決済処理の完了等を検出することにより判断されるものであってよい。本実施形態のゲーム装置100は、サービス提供開始に係る代価の支払いに基づいて、対戦ゲームのプレイ体験の提供を含むサービスの提供を開始するものとして説明する。
【0020】
取得部105は、本実施形態のゲーム装置100が備える、実物品のカードからの情報取得に係るインタフェースである。具体的には取得部105は、載置部144に載置されたカードに付された情報を取得可能に構成されたリーダを具備している。ゲーム装置100で利用可能(取得部105が情報取得可能)な実物品のカードは以下の2種類に大別され、載置部144はそのいずれも載置可能なよう構成されているものとする。
【0021】
利用可能なカードの1種類は、ゲーム装置100において提供可能に構成されるゲームカードである。当該ゲームカードの各々には、ゲーム装置100においてプレイ体験が提供されるゲームに係る遊戯要素(キャラクタ、搭乗物、アイテム、効果等)が対応付けられている。本実施形態では、発明の理解を容易にすべく、ゲームカードの各々に対応付けられた遊戯要素はキャラクタであるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。各ゲームカードには、キャラクタを特定するための情報(キャラクタID:キャラクタの識別情報)が付されることで、当該キャラクタとゲームカードの対応付けがなされる。プレイヤは、載置部144にゲームカードを載置して取得部105に当該情報を取得させることで、対応するキャラクタを登録し、ゲームにおいて使用する(あるいは、ゲームに登場させる、キャラクタに対応付けられた効果をゲームにおいて発動させる等)ことができる。
【0022】
また利用可能なカードのもう一方の種類は、ゲーム装置100の利用に係りプレイヤを識別させる情報ためのプレイヤカードである。本実施形態のゲーム装置100では、プレイヤのゲームの進行状況を保存し、次回利用時に、保存した進行状況からの再開を実現できるよう構成されている。このため、プレイヤカードは、少なくともプレイヤを一意に特定可能な識別情報(プレイヤID:プレイヤの識別情報)が付されている。プレイヤは、載置部144にプレイヤカードを載置して取得部105に当該情報を取得させることで、過去の利用に係る進行状況を反映した状態でサービス提供を受けることができる。ここで、進行状況とは、例えば経験値、レベル、ランク等のゲームに係るプレイヤの評価値や、機能解放状況、ゲーム要素の提供状況等のプレイヤに対して段階的に提供される興趣要素のようにゲーム装置100の利用を重ねるにつれて増大・拡張されていく興趣要素の情報を含む。また、進行状況は、プレイヤに付与されたゲーム要素の情報も含む。詳細は後述するが、本実施形態のゲーム装置100においてプレイ体験が提供されるゲームでは、プレイヤに対して種々のゲーム要素の付与が行われる。付与されるゲーム要素は、次回以降のゲームプレイにおいて使用可能なゲーム要素(アイテムやスキル)や、このようなゲーム要素に交換するために蓄積されるゲーム要素(メダル)等を含む。
【0023】
なお、本実施形態ではプレイヤカードからの情報取得によってプレイヤを識別するものとして説明するが、プレイヤの識別方法は、これに限られるものではなく、プレイヤカード以外の物品から情報を取得するものであってもよいし、例えば他の装置を介したプレイヤの認識処理に代えられるものであってもよい。
【0024】
このように、本実施形態では取得部105により情報取得可能な実物品がカードであるものとして説明するが、カード以外の実物品であってもよいことは言うまでもない。
【0025】
キャラクタDB106は、ゲームに登場するキャラクタの各々についての情報(キャラクタ情報)を管理するデータベースである。1体のキャラクタについて管理されるキャラクタ情報は、例えば図7(a)に示されるように、当該キャラクタを一意に特定するキャラクタID701に関連付けて、当該キャラクタの名称、属性、パラメータ、当該キャラクタを使用することで発動する効果等を記述したパラメータ情報702を含む。パラメータ情報702は、キャラクタを使用するゲームにおいて参照される情報であり、当該ゲームの進行制御に関与する。
【0026】
提供制御部107は、ゲーム装置100の利用に際してプレイヤへのゲームカードの提供を制御する。ゲームカードの提供は、ゲーム装置100が具備する提供部120により実現される。提供部120は、不図示の収容部に複数枚のゲームカードを収容可能に構成されており、提供制御部107によりキャラクタカードの提供指示を受けると、収容されている1枚のゲームカードを送出するよう動作する。送出されたゲームカードは、プレイヤにより取り出し可能な態様で保持部143に保持される。
【0027】
付与部108は、ゲーム装置100においてプレイ体験が提供されるゲームについて、プレイヤへのゲーム要素の付与を制御する。詳細は後述するが、本実施形態のゲーム装置100では、プレイ体験を提供したゲームの内容に応じて、当該ゲームに係るゲーム要素の1つであるメダルの付与がなされる。付与部108は、当該メダルの付与に係る処理を実行し、プレイヤに対するメダル付与の有無及び付与数の決定を行う。
【0028】
提示制御部109は、ゲーム装置100における提示部130を介したプレイヤへの各種情報提示の制御を司る。情報提示を実現する提示部130は、本実施形態では、画像(ゲーム画面、メニュー画面等)表示を行う、例えば液晶ディスプレイ等の視覚的情報提示が可能な表示装置であるものとして説明する。しかしながら、情報提示の手段はこれに限られるものではなく、代替あるいは追加が可能であることは言うまでもない。提示部130は、例えば聴覚的情報提示を行うスピーカ等を含むものであってもよい。
【0029】
提示部130が表示装置である態様において、提示制御部109は、例えばGPU等の描画装置を含み、提示部130に表示させる画面を生成する所定の描画処理を行う。具体的には提示制御部109は、ゲーム装置100の起動中(サービス提供中やスタンバイ状態中)において、制御部101により行われた処理や命令に基づいて必要な描画用オブジェクト(グラフィックスデータ)に対して必要な演算処理を実行し、画面の描画を行う。生成した画面は、提示部130に出力され、所定の表示領域中に表示されることでプレイヤに提示される。
【0030】
操作入力部110は、例えば決定入力用の操作部材や各種センサ等の、ゲーム装置100が有するユーザインタフェースである。操作入力部110は、操作部材に対する操作入力がなされたことを検出すると、該操作入力に対応する制御信号を制御部101に出力する。本実施形態では操作入力部110は、例えば提示部130の表示画面上になされたタッチ入力、即ち、人体の一部の接触を検出するタッチ入力検出センサ等を含む。
【0031】
通信部111は、ゲーム装置100が有する外部装置との通信インタフェースである。通信部111は、インターネット等の通信網や機器間を接続するケーブルであってもよいネットワーク300(有線・無線を問わない)を介して外部装置と接続し、データの送受信を可能とすることができる。通信部111は、例えば送信対象として入力された情報を所定の形式のデータに変換し、ネットワーク300を介してサーバ200等の外部装置に送信する。また通信部111は、例えばネットワーク300を介して外部装置から情報を受信すると、該情報を復号し、メモリ103に格納する。本実施形態ではゲーム装置100は、少なくともプレイヤの進行状況を反映したサービスの提供時に、通信部110を介して情報の送受信がなされる。
【0032】
〈サーバの構成〉
次に、本実施形態に係るサーバ200の機能構成について、図3のブロック図を用いて説明する。なお、サーバ200の機能構成の説明において、ゲーム装置100が有する構成と同様の機能を実現する構成については、ゲーム装置100の構成と峻別するために、「サーバ」との接頭文字を付して示すものとする。
【0033】
サーバ制御部201は、例えばCPUであり、サーバ200が有する各機能ブロックの動作を制御する。具体的にはサーバ制御部201は、例えばサーバ記憶装置202に記録されている各機能ブロックに係る動作プログラムを読み出し、サーバメモリ203に展開して実行することにより各機能ブロックの動作を制御する。
【0034】
サーバ記憶装置202は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的にデータを保持可能な記録装置である。サーバ記憶装置202は、サーバ200が有する各機能ブロックに係る動作プログラムに加え、各機能ブロックの動作において必要となるパラメータ等の情報を記録する。サーバメモリ203は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。サーバメモリ203は、各機能ブロックに係る動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各機能ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0035】
プレイヤDB204は、本実施形態のゲームシステムのゲーム装置100においてプレイ体験が提供されるゲームについて、各利用者(プレイヤ)についての種々の情報(プレイヤ情報)を管理するデータベースである。プレイヤ情報は、ゲーム装置100においてプレイヤカードからの情報取得が行われてゲームのプレイ体験の提供がなされる場合に参照され、提供された当該プレイ体験に応じて順次変更され得る。
【0036】
プレイヤ情報は、例えば図7(b)に示されるように、プレイヤを一意に特定するプレイヤID711に関連付けて、当該プレイヤについての表示名、生年月日、アバター構成等のプレイヤ個別設定を含む設定情報712、当該プレイヤのゲームの進行状況を示す進行状況情報713、当該プレイヤが保有しているメダルの数を示す保有メダル数714、及び当該プレイヤのゲームプレイに係る評価値715を含むものであってよい。1人のプレイヤに係るプレイヤ情報は、当該プレイヤによるプレイヤカードを使用した初回のゲーム装置100の利用時に登録されるものであってよい。なお、設定情報712に含まれる情報は、当該利用時にゲーム装置100において入力されればよい。
【0037】
マッチング部205は、ゲーム装置100から対戦ゲームのプレイ要求を受信した場合に、同様に対戦ゲームのプレイ要求を受信した他のゲーム装置100を特定し、これらのゲーム装置100間での対戦ゲームを実現する。即ち、マッチング部205は、同一の時間に対戦ゲームを所望するプレイヤを検出し、このうち2人のプレイヤを1つの対戦ゲームに参加させるプレイヤとして決定する処理を行う。
【0038】
なお、以下の説明において、本実施形態のゲーム装置100にてプレイヤにプレイ体験が提供されるゲームは、ネットワーク300及びサーバ200を介して接続された所定数のゲーム装置100を利用するプレイヤ間で行われる対戦ゲームであるものとする。対戦ゲームは、ゲームカードからの情報取得により登録された1以上のキャラクタを各プレイヤの操作するキャラクタとして登場させ、ゲーム中の各プレイヤによりなされた操作入力と、各キャラクタのパラメータ情報とに基づいて、対戦ゲームの進行が制御される。
【0039】
サーバ通信部206は、サーバ200が有する外部装置との通信インタフェースである。サーバ通信部206は、インターネット等の通信網や機器間を接続するケーブルであってもよいネットワーク300(有線・無線を問わない)を介して外部装置と接続し、データの送受信を可能とすることができる。サーバ通信部206は、例えば送信対象として入力された情報を所定の形式のデータに変換し、ネットワーク300を介してゲーム装置100等の外部装置に送信する。またサーバ通信部206は、例えばネットワーク300を介して外部装置から情報を受信すると、該情報を復号し、サーバメモリ203に格納する。
【0040】
《メダル付与の概要》
以下、本実施形態のゲームシステムにおけるプレイヤへのメダルの付与について、その概要を説明する。
【0041】
本実施形態のゲームシステムでは、2人のプレイヤが対戦する対戦ゲームのプレイ体験が提供される。また、対戦ゲームにおいて対戦相手に勝利したプレイヤには、メダル付与に係る抽選処理が実行され、当該抽選処理の結果に基づいてメダルの付与がなされるよう構成される。本実施形態では抽選結果が当選であった場合に、該当のプレイヤに規定数(1枚)のメダルが付与されるよう構成されているものとする。換言すれば、プレイヤは、対戦ゲームに勝利した場合に抽選機会を得ることができ、さらに抽選処理において当選した場合にはメダルを獲得することができ、落選した場合にはメダルを獲得することはできない。
【0042】
メダルは、1回のゲーム装置100の利用期間を越えて保有することができるよう構成される。より詳しくは、プレイヤに付与されたポイントの情報は、例えばゲーム装置100の利用の終了のタイミングでサーバ200のプレイヤDB204において、当該プレイヤに係り管理されているプレイヤ情報の保有メダル数714に反映される。そして、同プレイヤがプレイヤカードの情報取得をさせてゲーム装置100を再度利用する際に、当該プレイヤ情報を引き継いだサービス提供がなされるため、メダルの蓄積が実現される。従って、メダルの付与は、プレイヤが識別された状態でゲーム装置100が利用されることを条件として行われる。
【0043】
蓄積されたメダルは、例えば所定数の消費を条件として、ゲームプレイ時に使用することでゲームの進行を有利な方向に調整する効果を発動する他のゲーム要素(アイテムやスキル)に交換可能に構成されてよい。当該他のゲーム要素は、ゲームカードに基づいて登録されるキャラクタとは異なる種別であり、また、公平性を担保すべく、使用回数に制限が設けられるものであってもよい。
【0044】
ところで、上述したように対戦相手のマッチングは、例えばプレイする時間帯や曜日、あるいはサーバ200が設置される地域によっては、同時期に対戦要求を行うプレイヤ数が増減し得るため、必ずしも好適なものにならない。即ち、対戦するプレイヤ間で、例えばプレイヤのゲームプレイスキル(技能)の差や、使用キャラクタの能力(性能)の差が生じるため、一方のプレイヤに有利な進行となり得るマッチングも発生し得る。このようなマッチングが発生した場合、不利な側のプレイヤの対戦ゲームに対するモチベーションが低減し得、ひいては、当該プレイヤのゲームに対する関心の低下を引き起こし得る。また、不利な側のプレイヤが対戦ゲームのゲームプレイを途中で放棄してしまった場合、ゲームの進行が遅延し、対戦相手(有利な側)のプレイヤのゲームに対する関心の低下も起こり得る。
【0045】
このため、本実施形態のゲームシステムでは、プレイヤ間の技能等に差がある場合には、不利な側のプレイヤが勝利できた際に実行される抽選処理を、その当選確率が高くなるよう制御する。即ち、当該プレイヤへのメダルが付与されやすくなることで、対戦ゲームに対するプレイヤのモチベーションが高まり、プレイヤのゲームに対する関心を保持しやすいようにできる。また、メダル付与の可能性が高まることで、このようなプレイヤへのゲームの進行を有利にせしめるゲーム要素の提供機会が増大され、結果、その後実施される対戦ゲームにおける公平性が実現されやすいよう誘導することができる。
【0046】
メダル付与の制御は、ゲームスキルや使用キャラクタ(対応するゲームカードを所有しているキャラクタ)の性能に応じて各プレイヤについて評価値を導出し、対戦ゲームが行われた際に、当該対戦ゲームに参加したプレイヤ間の評価値の差に基づいて抽選処理の当選確率を異ならせることにより実現される。以下、発明を簡明にすべく、プレイヤに係るゲームプレイスキル及び使用キャラクタの性能等を、単にプレイヤの「実力」として言及し、各プレイヤの評価値は、当該実力を所定の方式で数値化することで導出されるものとする。プレイヤの評価値は、例えば対戦ゲームの勝敗に応じて定まるレートであってもよいし、対戦ゲームの勝利数に応じて増減する累計スコアであってもよいし、付与されたメダルの累計数に基づいて定まるものであってもよい。即ち、プレイヤの評価値は、当該プレイヤが対戦ゲームを有利に進行させることができる度合いを絶対的な値に数値化したものである。また、このように導出された各プレイヤの評価値は、当該プレイヤに係るプレイヤ情報に、評価値715として含められて管理される。
【0047】
当選確率の変更態様は、本実施形態では、例えば図4に示されるように、プレイヤと対戦相手との評価値の差が大きいほど当選確率の増分が大きくなるよう構成されているものとする。即ち、対戦相手よりも評価値の低いプレイヤが対戦ゲームに勝利した場合、同等の評価値を有する対戦相手に勝利する場合よりも、対戦ゲーム後に実行される抽選処理における当選確率が、評価値の差の分だけ高く変更される。
【0048】
また、評価値が高いプレイヤ(格上のプレイヤ)との対戦ゲームに勝利した場合に抽選処理の当選確率が上昇する仕組みの情報は、例えばゲーム装置100のスタンバイ中、対戦ゲームの実行中、抽選処理の実行時等に提示部130を介して提示される、あるいはゲーム装置100の外観等に付されたゲーム説明パネル等に記載されることで周知されればよい。なお、対戦ゲームの好適な進行のために、当該対戦ゲームに参加する各プレイヤの評価値は、少なくとも対戦ゲームのプレイ体験の提供中には提示されないものとする。しかしながら、プレイヤのメダル付与に対する射幸心を好適に刺激すべく、例えば対戦相手が格上プレイヤであること、勝利時に実行される抽選処理の当選確率が上昇する対戦ゲームであること等、プレイヤ間の評価値の差を示唆する情報は提示されてもよい。
【0049】
《付与制御処理》
このような構成をもつ本実施形態のゲーム装置100において、メダルの付与に係り実行される付与制御処理について、図5のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記憶装置102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。
【0050】
なお、本付与制御処理は、例えば、実行された対戦ゲームに係るプレイ体験の提供が完了し、対戦結果が確定した際に開始されるものとして説明する。また本付与制御処理の実行に先立ち、ゲーム装置100を利用しているプレイヤ(以下、対象プレイヤとして言及)に係るプレイヤカードからの情報取得がなされており、ゲーム装置100は、当該プレイヤについて管理されているプレイヤ情報をサーバ200から受信し、例えばメモリ103に保持しているものとする。また実行された対戦ゲームについて、少なくとも対戦相手となったプレイヤの評価値の情報も受信され、メモリ103に保持されているものとする。
【0051】
S501で、制御部101は、実行された対戦ゲームの対戦結果が勝利であったか否かを判断する。制御部101は、対戦結果が勝利であったと判断した場合は処理をS502に移す。また制御部101は、対戦結果が勝利ではない、即ち、敗北であったと判断した場合は、メダルの付与を行わないものとして、本付与制御処理を完了する。
【0052】
S502で、制御部101は、対象プレイヤの評価値よりも対戦相手の評価値の方が高いか否かを判断する。制御部101は、対象プレイヤの評価値よりも対戦相手の評価値の方が高いと判断した場合は処理をS504に移し、高くないと判断した場合は処理をS503に移す。
【0053】
S503で、制御部101は、メダル付与に係る抽選処理の当選確率を決定する。本ステップで決定される当選確率は、抽選処理について予め定められた固定の当選確率(固定確率)である。
【0054】
一方、S502において対象プレイヤの評価値よりも対戦相手の評価値の方が高いと判断した場合、制御部101はS504で、対象プレイヤ及び対戦相手の評価値に基づいて、メダル付与に係る抽選処理の当選確率を決定する。本ステップで決定される当選確率は、固定確率よりも高い(当選の可能性が高い)確率である。具体的には制御部101は、対象プレイヤの評価値と対戦相手の評価値との差に比例した割合で固定確率から上昇させた値に、抽選処理の当選確率を決定する。換言すれば、本ステップで決定される当選確率は、対象プレイヤと対戦相手との評価値の差が大きいほど高くなるよう決定される。
【0055】
S505で、制御部101は、決定した当選確率にて抽選処理を実行する。即ち、本ステップで行われる抽選処理は、対象プレイヤの評価値よりも対戦相手の評価値の方が高い場合には固定確率よりもその評価値の差の分だけ高い当選確率で、対象プレイヤの評価値よりも対戦相手の評価値の方が高くない場合には固定確率で行われる。
【0056】
S506で、制御部101は、S505において実行した抽選処理の抽選結果が当選であったか否かを判断する。制御部101は、抽選結果が当選であった場合は処理をS507に移し、落選であった場合はメダルの付与を行わないものとして本付与制御処理を完了する。
【0057】
S507で、付与部108は制御部101の制御の下、対象プレイヤへのメダルの付与を行い、本付与制御処理を完了する。メダルの付与は、今回のゲーム装置100の利用に係りサーバ200から取得され、メモリ103に保持されている対象プレイヤに係るプレイヤ情報の保有メダル数714を1増加させた値に変更することで行われる。なお、変更後の当該プレイヤ情報は、その後、当該プレイヤ情報を更新要求とともにサーバ200に送信され、プレイヤDB204の該当プレイヤ情報の更新に用いられ(プレイヤDB204に保持される対象プレイヤに係るプレイヤ情報が、保有メダル数714変更後のものに更新される)、結果、プレイヤにメダルが付与された状態が実現される。
【0058】
以上説明したように、本実施形態のゲーム装置によれば、対戦ゲームに係るマッチングが好適な態様でなかった場合にも、不利な側の(評価値の低い)プレイヤが勝利した場合に享受する利益を増大させることができ、興趣性の高いゲーム要素の付与を実現することができる。
【0059】
[変形例1]
上述した実施形態では、抽選処理において当選した場合に付与されるメダルの数は規定数(1枚)であるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば不利な側のプレイヤが勝利した場合に享受する利益をより増大すべく、当該プレイヤと対戦相手との評価値の差に応じて、当選時に付与されるメダルの数を多くするよう構成してもよい。
【0060】
[変形例2]
上述した実施形態及び変形例では、不利な側のプレイヤが勝利した場合の抽選処理の当選確率を、対戦相手の評価値との差に応じて上昇させる変更態様について説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、当選確率を上昇させる評価値の差は、複数の閾値によって段階的に定められているものであってよく、評価値の差が分類される段階を特定することによって、当該段階について設定された当選確率が採用される構成としてもよい。当該態様において、評価値の差が所定の閾値よりも大きい段階に分類される場合に採用される当選確率は、評価値の差が所定の閾値よりも小さい段階に分類される場合に採用される当選確率よりも高くなる。
【0061】
またこのような態様においても、変形例1と同様に、評価値の差が大きい段階に分類されるほど、当選時に付与されるメダルの数を多くするよう構成してもよい。即ち、評価値の差が所定の閾値よりも大きい段階に分類される場合に付与されるメダルの数は、評価値の差が所定の閾値よりも小さい段階に分類される場合に付与されるメダルの数よりも多くなるよう構成されてよい。
【0062】
[変形例3]
上述した実施形態及び変形例では、対象プレイヤの評価値よりも対戦相手の評価値の方が高い場合に、抽選処理の当選確率を固定確率よりも高い値に決定する、即ち、対象プレイヤの評価値が対戦相手の評価値と同一またはそれよりも小さい場合には固定確率を採用する態様について説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。評価値の導出方法によっては、同等の実力を有するプレイヤ同士を同一の評価値にすることは難しく、わずかな評価値の差で当選確率が変化する仕様では、プレイヤ間の公平性が担保されないケースも想定し得る。従って、対象プレイヤと対戦相手とが同等の実力を有している場合には固定確率を採用するよう構成してもよい。例えば、対象プレイヤの評価値と対戦相手の評価値の差とが、同程度の実力と判断すべく予め定められた範囲に収まるのであれば、評価値の差に応じた当選確率の変更は行わず、固定確率を採用するよう構成すればよい。
【0063】
[変形例4]
上述した実施形態の付与制御処理では、対象プレイヤの評価値よりも対戦相手の評価値の方が高い場合には固定確率で抽選処理を実行し、当選した場合にメダルを付与する態様について説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。メダルの付与は、ゲームを有利に進行せしめるゲーム要素をプレイヤが入手する可能性を高めることにもつながるため、好適でないマッチングがなされた際に、有利な側のプレイヤにメダルを付与することは、プレイヤ間の実力差をより拡げることになり得る。このため、抽選処理は、対戦相手の評価値が対象プレイヤの評価値より低い、あるいは対象プレイヤの評価値以下である場合には実行しないよう構成してもよい。
【0064】
[変形例5]
上述した実施形態及び変形例では、対象プレイヤが対戦ゲームに勝利していることを条件として抽選処理が実行される態様を説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。抽選処理は、例えば対戦結果に依らず、対戦ゲームのプレイ体験の提供に応じて実行されるものとしてもよい。この場合、対戦結果が敗北である場合に実行された抽選処理の当選により付与されるメダルの数は、例えば、1/5枚(同じものを5つ集めることで1枚のメダルと交換できる)等、対戦ゲームに勝利した場合に実行された抽選処理の当選により付与されるメダルよりも少ない(価値が低い)よう構成してもよい。
【0065】
[変形例6]
ところで、対戦ゲーム後の抽選処理により付与されるゲーム要素は、上述した実施形態及び変形例で示したメダルのような、ゲーム内で使用可能となる仮想物品に対応するものである必要はない。例えば、ゲームカードあるいは他の用途のカード等の実物品を、当選時に付与するゲーム要素としてもよい。
【0066】
一方で、このように当選時に付与するゲーム要素を実物品とした場合、想定していた付与ペースを上回って当選が発生することで、当該実物品の在庫がなくなり、当選はするもののゲーム要素をプレイヤに付与できない状況が発生し得る。従って、対戦ゲームに参加したプレイヤ間の評価値の差に応じて抽選処理の当選確率を変更する機能は、その利用有無を任意に切り替えられるよう構成されてもよい。
【0067】
このため、本変形例のゲーム装置100は、本発明に係る第1モードとしての対戦ゲームのプレイ体験を提供可能であり、プレイヤによる利用を許容する「営業モード」と、同第2モードとしての対戦ゲームのプレイ体験を提供不可能であり、プレイヤによる利用を許容しない「メンテナンスモード」の2種類の動作モードを切り替えて動作可能に構成される。当選確率の変更に係る機能の利用有無の設定は、ゲーム装置100を設置する店舗等の運営に関わる設定であるため、プレイヤによって変更可能にすることは好ましくない。従って、当選確率の変更に係る機能の利用有無の設定は、ゲーム装置100がメンテナンスモードで動作中においてのみ行うことができるように構成される。
【0068】
メンテナンスモードへの切り替えは、例えばゲーム装置100の再起動時に、不図示の特殊スイッチに対する操作入力がなされたことを契機として実現されるものとする。設置店舗等の従業者は、ゲーム装置100をメンテナンスモードに切り替えて動作させたのちに表示される、例えば図6のような設定画面600において、当選確率の変更に係る機能の利用有無を設定することができる。図の例では、当選確率の変更に係る機能を利用することを示す設定項目601と、同機能を利用しないことを示す設定項目602とが設定画面600には含まれており、設定項目601が選択されている状態、即ち、当選確率の変更に係る機能の利用が設定されている状態を示している。
【0069】
また設定画面600には、プレイヤ間の評価値の差に応じた当選確率603の提示が含まれる。図6の例では、当選確率603には3段階の評価値の差について当選確率が提示されている。各段階に係る当選確率は、増減ボタン604により変更可能に構成され、従業員等が評価値の差ごとに当選確率を調整することが可能に構成されている。
【0070】
このように設定画面600においてなされた設定の情報は、例えば記憶装置102等に保持され、制御部101が付与制御処理を実行する場合に、当該設定を反映した内容で処理を行うことで、当選時のゲーム要素の付与を運営方針等に合わせて変更してサービス提供を行うことができる。
【0071】
[変形例7]
上述した実施形態及び変形例では、対戦ゲームのプレイ体験の提供に応じて抽選処理が実行され、ゲーム要素(メダル)の付与が行われる態様について説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。このようなゲーム要素の付与を実現する付与制御処理、ゲーム装置100においてプレイ体験を提供可能な複数種別の対戦ゲームのうちの一部の種別のものに限定して実行するものとしてもよい。例えば、ゲーム装置100の利用期間の長さ(経験時間)の差によってプレイヤの実力差は顕著となり得るため、不利な側のプレイヤがその実力差を補って勝利することが難しい。このため、付与制御処理を実行する種別の対戦ゲームは、例えば、プレイヤの使用可能なゲームカードの種類が制限される(特定の期間にゲーム装置100から提供可能であったゲームカードのみを使用可能とする)レギュレーションが設定されている種別の対戦ゲーム等に限定することで、プレイヤ間の公平性とゲーム要素付与に係る興趣性のバランスを調整することができる。従って、プレイヤがプレイするものとして選択した対戦ゲームの種別に応じて、付与制御処理の実行有無、即ち、抽選処理の実行及び抽選結果に基づいたゲーム要素の付与を行うか否かを制御可能に構成されてもよい。
【0072】
[変形例8]
上述した実施形態及び変形例では、対戦ゲームの対戦相手が他のゲーム装置100を利用している他のプレイヤであるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。対戦ゲームの対戦相手は、所定の思考プログラムの実行等により実現される仮想プレイヤ(NPC:Non Player Character)であってもよく、その思考の深さや、有効性の高い行動を採択する確率の高さ等、仮想プレイヤについて定められた能力(実力)に対応する評価値を用いて、上述の付与制御処理が実行されてもよいことは言うまでもない。
【0073】
[その他の実施形態]
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0074】
100:ゲーム装置、101:制御部、102:記憶装置、103:メモリ、104:支払検出部、105:取得部、106:キャラクタDB、107:提供制御部、108:付与部、109:提示制御部、110:操作入力部、111:通信部、120:提供部、130:提示部、200:サーバ、201:サーバ制御部、202:サーバ記憶装置、203:サーバメモリ、204:プレイヤDB、205:マッチング部、206:サーバ通信部、300:ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7