(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111874
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】高電圧コネクタハウジング、高電圧コネクタおよび高電圧コネクタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/42 20060101AFI20230803BHJP
H01R 13/187 20060101ALI20230803BHJP
【FI】
H01R13/42 K
H01R13/187 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023009088
(22)【出願日】2023-01-25
(31)【優先権主張番号】202220244745.2
(32)【優先日】2022-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521523202
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (スーチョウ) リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】508079120
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】ドォンドォン リィー
(72)【発明者】
【氏名】カァイシュアン エヴァン ヂィアン
(72)【発明者】
【氏名】ランチャー チェン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ ウィーサー ヂァオ
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE02
5E087EE07
5E087FF08
5E087FF12
5E087GG16
5E087MM05
5E087QQ03
5E087RR25
5E087RR26
(57)【要約】 (修正有)
【課題】別個の端子ホルダを設ける必要がなく、構造を簡略化し、端子の挿入をより容易かつ簡便にする高電圧コネクタを提供する。
【解決手段】高電圧コネクタハウジング10、高電圧コネクタおよび高電圧コネクタアセンブリを開示する。高電圧コネクタハウジングは、端子チャンバが形成されている本体と、本体において一体に形成され、本体の端子チャンバに配置されている端子ホルダ110とを備える。高電圧コネクタの端子200と直接嵌合するのに好適な端子スロットが、端子をハウジングに直接挿入することを可能とするように、端子ホルダに形成される
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子チャンバが形成されている本体(100)と、
前記本体(100)において一体に形成され、前記本体(100)の前記端子チャンバに配置されている端子ホルダ(110)と
を備える高電圧コネクタハウジングであって、
高電圧コネクタの端子(200)と直接嵌合するのに好適な端子スロット(111)が、前記端子(200)を前記ハウジング(10)に直接挿入することを可能とするように、前記端子ホルダ(110)に形成されている、
高電圧コネクタハウジング。
【請求項2】
ケーブル(21)を挿入するためのケーブル挿入孔(101)が、前記本体(100)に形成され、前記ケーブル挿入孔(101)は、前記端子スロット(111)と連通し、したがって、前記端子(200)は、前記ケーブル挿入孔(101)を通して前記端子スロット(111)に挿入可能である、
請求項1に記載の高電圧コネクタハウジング。
【請求項3】
前記本体(100)は、相手側高電圧コネクタの相手側ハウジングと嵌合するのに好適な嵌合ポート(102)を有し、前記嵌合ポート(102)は、前記相手側高電圧コネクタの相手側端子が前記嵌合ポート(102)を通して前記端子スロット(111)に挿入されて前記端子(200)と適合することを可能とするように、前記端子スロット(111)と連通している、
請求項2に記載の高電圧コネクタハウジング。
【請求項4】
前記本体(100)の前記ケーブル挿入孔(101)の軸は、第1の方向に延び、前記嵌合ポート(102)の軸は、前記第1の方向に垂直な第2の方向に延び、
前記端子ホルダ(110)には、前記相手側端子を受け入れるために前記端子スロット(111)と連通している嵌合開口部(111a)が設けられている、
請求項3に記載の高電圧コネクタハウジング。
【請求項5】
凹部(112)が、前記端子スロット(111)の内壁に形成され、前記凹部(112)は、前記端子(200)を前記端子スロット(111)にロックするために前記端子(200)におけるラッチ(222)と係合するのに好適である、
請求項1に記載の高電圧コネクタハウジング。
【請求項6】
前記端子(200)の両側の前記ラッチ(222)と協働するように用いられる前記凹部(112)が、それぞれ前記端子スロット(111)の対向する内壁に形成されている、
請求項5に記載の高電圧コネクタハウジング。
【請求項7】
案内スロット(112a、112b)が、前記端子スロット(111)の内壁に形成され、前記端子(200)の挿入方向に沿って延び、前記案内スロット(112a、112b)は、前記端子スロット(111)への前記端子(200)の挿入を案内するように前記端子(200)における案内リブ(223a、223b)と協働するように構成されている、
請求項1から6のいずれか一項に記載の高電圧コネクタハウジング。
【請求項8】
前記案内スロット(112a、112b)は、
前記端子スロット(111)の2つの対向する内壁の一方に形成され、前記端子(200)の一方側における2つの第1の案内リブ(223a)と協働するように用いられる2つの第1の案内スロット(112a)と、
前記端子スロット(111)の前記2つの対向する内壁の他方に形成され、前記端子(200)の他方側における2つの第2の案内リブ(223b)と協働するように用いられる2つの第2の案内スロット(112b)と
を備える、
請求項7に記載の高電圧コネクタハウジング。
【請求項9】
前記2つの第1の案内スロット(112a)は、前記端子(200)の挿入方向に垂直な方向において第1の間隔だけ隔てられ、
前記2つの第2の案内スロット(112b)は、前記端子(200)の挿入方向に垂直な方向において第2の間隔だけ離隔し、
前記端子(200)が誤った向きで前記端子スロット(111)に挿入されることを防止するために、前記第1の間隔は前記第2の間隔に等しくない、
請求項8に記載の高電圧コネクタハウジング。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の前記高電圧コネクタハウジング(10)と、
前記高電圧コネクタハウジング(10)の前記端子スロット(111)に直接挿入されている端子(200)と
を備える高電圧コネクタ。
【請求項11】
前記端子(200)は、
端子本体(210)と、
前記端子本体(210)の外面に組み付けられているロック部材(220)と
を備え、
ラッチ(222)が、前記ロック部材(220)に形成され、前記ラッチ(222)は、前記端子(200)を前記端子スロット(111)にロックするために前記端子スロット(111)の内壁における凹部(112)と係合している、
請求項10に記載の高電圧コネクタ。
【請求項12】
前記ラッチ片(222)は、それぞれ前記ロック部材(220)の両側に形成され、前記端子スロット(111)の2つの内壁における前記凹部(112)と係合するように用いられる、
請求項11に記載の高電圧コネクタ。
【請求項13】
案内リブ(223a、223b)が、前記ロック部材(220)に形成され、前記案内リブ(223a、223b)は、前記端子(200)を前記端子スロット(111)に挿入されるように案内するために、前記端子スロット(111)の内壁における案内スロット(112a、112b)と適合している、
請求項11に記載の高電圧コネクタ。
【請求項14】
前記案内リブ(223a、223b)は、
前記端子スロット(111)の一方の内壁における2つの第1の案内スロット(112a)と嵌合するように前記ロック部材(220)の一方側に形成されている2つの第1の案内リブ(223a)と、
前記端子スロット(111)の他方の内壁における2つの第2の案内スロット(112b)と嵌合するように前記ロック部材(220)の他方側に形成されている2つの第2の案内リブ(223b)と
を備える、
請求項13に記載の高電圧コネクタ。
【請求項15】
前記2つの第1の案内リブ(223a)は、前記端子(200)の挿入方向に垂直な方向において第1の間隔だけ隔てられ、
前記2つの第2の案内リブ(223b)は、前記端子(200)の挿入方向に垂直な方向において第2の間隔だけ離隔し、
前記端子(200)が誤った向きで前記端子スロット(111)に挿入されることを防止するために、前記第1の間隔は前記第2の間隔に等しくない、
請求項14に記載の高電圧コネクタ。
【請求項16】
前記2つの第1の案内リブ(223a)の長さは異なり、前記2つの第2の案内リブ(223b)の長さも異なり、
前記端子(200)が正しい設置向きであるとき、より長い前記案内リブ(223a、223b)がより短い前記案内リブ(223a、223b)の下方または上方に配置され、したがって、前記端子(200)が正しい設置向きであるか否かが、前記案内リブ(223a、223b)に従って判定可能である、
請求項14に記載の高電圧コネクタ。
【請求項17】
前記端子本体(210)は、二層のパネル(211)を備え、
前記二層のパネル(211)の一端部は、相手側高電圧コネクタの相手側端子を挿入することを可能とする嵌合端部(211a)を形成するように所定の間隙で離隔し、
前記二層のパネル(211)の他端部は、ケーブル(21)の導体コア(21a)との電気的接続に好適な接続端部(211b)を形成するように互いに重なっている、
請求項11から16のいずれか一項に記載の高電圧コネクタ。
【請求項18】
前記ロック部材(220)は、一対のサイドプレート(221)、および前記一対のサイドプレート(221)の一端部の間に接続されているエンドプレート(224)を備え、前記ラッチ(222)および前記案内リブ(223a、223b)は、前記サイドプレート(221)に形成され、
前記ロック部材(220)は、前記端子本体(210)の前記嵌合端部(211a)の外面に組み付けられ、前記ロック部材(220)の前記一対のサイドプレート(221)は、それぞれ前記端子本体(210)の前記二層のパネル(211)の外面に固定されている、
請求項17に記載の高電圧コネクタ。
【請求項19】
前記端子(200)は、前記端子本体(210)の前記二層のパネル(211)の間の前記間隙に配置され、それぞれ前記二層のパネル(211)の内面に固定されている少なくとも一対のコンタクト(230)をさらに備え、
前記コンタクト(230)は、前記二層のパネル(211)の間の前記間隙に挿入されている前記相手側端子との弾性的な電気的接触に好適なコンタクトスプリング(231)を有する、
請求項17に記載の高電圧コネクタ。
【請求項20】
請求項10から19のいずれか一項に記載の前記高電圧コネクタと、
前記高電圧コネクタと嵌合するのに好適な相手側高電圧コネクタと
を備える高電圧コネクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、中国国家知識産権局において2022年1月29日に出願された中国特許出願第CN202220244745.2号の利益を主張し、その全開示が本明細書に参照により組み込まれる。
【0002】
本発明は、高電圧コネクタハウジング、高電圧コネクタハウジングを備える高電圧コネクタ、および高電圧コネクタを備える高電圧コネクタアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術において、高電圧コネクタは通常、ハウジング、端子、端子ホルダおよびシールドシェルを含む。ハウジングに挿入される前に、端子が端子ホルダに挿入され、次いでシールドシェルが端子ホルダに外装され、最後に、共に組み付けられた端子、端子ホルダおよびシールドシェルがハウジングに入れられる。この方法は、ハウジングとは別個の端子ホルダを設ける必要があり、これは複雑な構造、高いコストおよび煩雑な挿入プロセスを有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の難点のうちの少なくとも1つの側面を克服または軽減するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、高電圧コネクタハウジングが提供される。高電圧コネクタハウジングは、端子チャンバが形成されている本体と、本体において一体に形成され、本体の端子チャンバに配置されている端子ホルダとを備える。高電圧コネクタの端子と直接嵌合するのに好適な端子スロットが、端子をハウジングに直接挿入することを可能とするように、端子ホルダに形成されている。
【0006】
本発明の例示的実施形態によれば、ケーブルを挿入するためのケーブル挿入孔が、本体に形成され、ケーブル挿入孔は、端子スロットと連通し、したがって、端子は、ケーブル挿入孔を通して端子スロットに挿入可能である。
【0007】
本発明の別の例示的実施形態によれば、本体は、相手側高電圧コネクタの相手側ハウジングと嵌合するのに好適な嵌合ポートを有し、嵌合ポートは、相手側高電圧コネクタの相手側端子が嵌合ポートを通して端子スロットに挿入されて端子と適合することを可能とするように、端子スロットと連通する。
【0008】
本発明の別の例示的実施形態によれば、本体のケーブル挿入孔の軸は、第1の方向に延び、嵌合ポートの軸は、第1の方向に垂直な第2の方向に延び、端子ホルダには、相手側端子を受け入れるために端子スロットと連通している嵌合開口部が設けられる。
【0009】
本発明の別の例示的実施形態によれば、凹部が、端子スロットの内壁に形成され、凹部は、端子を端子スロットにロックするために端子におけるラッチと係合するのに好適である。
【0010】
本発明の別の例示的実施形態によれば、端子の両側のラッチと協働するように用いられる凹部が、それぞれ端子スロットの対向する内壁に形成される。
【0011】
本発明の別の例示的実施形態によれば、案内スロットが、端子スロットの内壁に形成され、端子の挿入方向に沿って延び、案内スロットは、端子スロットへの端子の挿入を案内するように端子における案内リブと協働するように構成される。
【0012】
本発明の別の例示的実施形態によれば、案内スロットは、端子スロットの2つの対向する内壁の一方に形成され、端子の一方側における2つの第1の案内リブと協働するように用いられる2つの第1の案内スロットと、端子スロットの2つの対向する内壁の他方に形成され、端子の他方側における2つの第2の案内リブと協働するように用いられる2つの第2の案内スロットとを備える。
【0013】
本発明の別の例示的実施形態によれば、2つの第1の案内スロットは、端子の挿入方向に垂直な方向において第1の間隔だけ隔てられ、2つの第2の案内スロットは、端子の挿入方向に垂直な方向において第2の間隔だけ離隔し、端子が誤った向きで端子スロットに挿入されることを防止するために、第1の間隔は第2の間隔に等しくない。
【0014】
本発明の別の態様によれば、高電圧コネクタが提供される。高電圧コネクタは、上記の高電圧コネクタハウジングと、高電圧コネクタハウジングの端子スロットに直接挿入されている端子とを備える。
【0015】
本発明の例示的実施形態によれば、端子は、端子本体と、端子本体の外面に組み付けられているロック部材とを備える。ラッチが、ロック部材に形成され、ラッチは、端子を端子スロットにロックするために端子スロットの内壁における凹部と係合する。
【0016】
本発明の別の例示的実施形態によれば、ラッチ片は、それぞれロック部材の両側に形成され、端子スロットの2つの内壁における凹部と係合するように用いられる。
【0017】
本発明の別の例示的実施形態によれば、案内リブが、ロック部材に形成され、案内リブは、端子を端子スロットに挿入されるように案内するために、端子スロットの内壁における案内スロットと適合する。
【0018】
本発明の別の例示的実施形態によれば、案内リブは、端子スロットの一方の内壁における2つの第1の案内スロットと嵌合するようにロック部材の一方側に形成されている2つの第1の案内リブと、端子スロットの他方の内壁における2つの第2の案内スロットと嵌合するようにロック部材の他方側に形成されている2つの第2の案内リブとを備える。
【0019】
本発明の別の例示的実施形態によれば、2つの第1の案内リブは、端子の挿入方向に垂直な方向において第1の間隔だけ隔てられ、2つの第2の案内リブは、端子の挿入方向に垂直な方向において第2の間隔だけ離隔し、端子が誤った向きで端子スロットに挿入されることを防止するために、第1の間隔は第2の間隔に等しくない。
【0020】
本発明の別の例示的実施形態によれば、2つの第1の案内リブの長さは異なり、2つの第2の案内リブの長さも異なり、端子が正しい設置向きであるとき、より長い案内リブがより短い案内リブの下方または上方に配置され、したがって、端子が正しい設置向きであるか否かが、案内リブに従って判定可能である。
【0021】
本発明の別の例示的実施形態によれば、端子本体は、二層のパネルを備え、二層のパネルの一端部は、相手側高電圧コネクタの相手側端子を挿入することを可能とする嵌合端部を形成するように所定の間隙で離隔し、二層のパネルの他端部は、ケーブルの導体コアとの電気的接続に好適な接続端部を形成するように互いに重なる。
【0022】
本発明の別の例示的実施形態によれば、ロック部材は、一対のサイドプレート、および一対のサイドプレートの一端部の間に接続されているエンドプレートを備え、ラッチおよび案内リブは、サイドプレートに形成され、ロック部材は、端子本体の嵌合端部の外面に組み付けられ、ロック部材の一対のサイドプレートは、それぞれ端子本体の二層のパネルの外面に固定される。
【0023】
本発明の別の例示的実施形態によれば、端子は、端子本体の二層のパネルの間の間隙に配置され、それぞれ二層のパネルの内面に固定されている少なくとも一対のコンタクトをさらに備え、コンタクトは、二層のパネルの間の間隙に挿入されている相手側端子との弾性的な電気的接触に好適なコンタクトスプリングを有する。
【0024】
本発明の別の態様によれば、高電圧コネクタアセンブリが提供される。高電圧コネクタアセンブリは、上記の高電圧コネクタと、高電圧コネクタと嵌合するのに好適な相手側高電圧コネクタとを備える。
【0025】
本発明に係る上述の例示的実施形態においては、端子と嵌合するのに好適な端子ホルダがハウジング内に一体に形成され、端子をハウジングに直接挿入することができる。したがって、本発明は、別個の端子ホルダを設ける必要がなく、高電圧コネクタの構造を簡略化し、端子の挿入をより容易かつ簡便にする。
【0026】
本発明の上記および他の特徴が、添付の図面を参照してその例示的実施形態を詳細に説明することによって、より明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の例示的実施形態に係る高電圧コネクタの説明斜視図を示す。
【
図2】本発明の例示的実施形態に係る高電圧コネクタの説明分解図を示す。
【
図3】本発明の例示的実施形態に係る高電圧コネクタの縦断面図を示す。
【
図4】本発明の例示的実施形態に係る高電圧コネクタの横断面図を示す。
【
図5】本発明の例示的実施形態に係る高電圧コネクタのケーブルアセンブリの説明分解図を示す。
【
図6】本発明の例示的実施形態に係る高電圧コネクタの端子の説明分解図を示す。
【
図7】本発明の例示的実施形態に係る高電圧コネクタの端子の説明斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
添付の図面を参照して、本開示の例示的実施形態を以下で詳細に説明する。図面において、同様の参照符号は同様の要素を指す。しかしながら、本開示は、多数の異なる形態で実施されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全なものとなるように提供されており、本開示の概念を当業者に十分に伝達するであろう。
【0029】
以下の詳細な説明においては、説明の目的で、多数の具体的な詳細事項が、開示の実施形態の完全な理解をもたらすために記載されている。しかしながら、1つまたは複数の実施形態がこれらの具体的な詳細事項なしで実施されてもよいことは明らかであろう。他の例において、図面を簡略化するために、周知の構造および装置は模式的に示されている。
【0030】
本発明の一般概念によれば、高電圧コネクタハウジングが提供される。高電圧コネクタハウジングは、端子チャンバが形成されている本体と、本体において一体に形成され、本体の端子チャンバに配置されている端子ホルダとを備える。高電圧コネクタの端子と直接嵌合するのに好適な端子スロットが、端子をハウジングに直接挿入することを可能とするように、端子ホルダに形成される。
【0031】
本発明の別の一般概念によれば、高電圧コネクタが提供される。高電圧コネクタは、上記の高電圧コネクタハウジングと、高電圧コネクタハウジングの端子スロットに直接挿入されている端子とを備える。
【0032】
本発明の別の一般概念によれば、高電圧コネクタアセンブリが提供される。高電圧コネクタアセンブリは、上記の高電圧コネクタと、高電圧コネクタと嵌合するのに好適な相手側高電圧コネクタとを備える。
【0033】
図1は、本発明の例示的実施形態に係る高電圧コネクタの説明斜視図を示す。
図2は、本発明の例示的実施形態に係る高電圧コネクタの説明分解図を示す。
図3は、本発明の例示的実施形態に係る高電圧コネクタの縦断面図を示す。
【0034】
図1~
図3に示すように、例示の実施形態において、高電圧コネクタは、ハウジング10および端子200を含む。ハウジング10は、本体100および端子ホルダ110を含む。本体100には、端子チャンバが形成される。端子ホルダ110は、本体100において一体に形成され、本体100の端子チャンバに配置される。高電圧コネクタの端子200と直接嵌合するのに好適な端子スロット111が、端子200をハウジング10に直接挿入することを可能とするように、端子ホルダ110に形成される。したがって、本発明においては、端子200が高電圧コネクタハウジング10の端子スロット111に直接挿入される。
【0035】
図1~
図3に示すように、例示の実施形態において、ケーブル21を挿入するためのケーブル挿入孔101が、高電圧コネクタのハウジング10に形成される。ケーブル挿入孔101は、端子スロット111と連通し、したがって、ケーブル挿入孔101を通して端子200を端子スロット111に挿入することができる。
【0036】
図1~
図3に示すように、例示の実施形態において、ハウジング10は、相手側高電圧コネクタ(不図示)の相手側ハウジング(不図示)と嵌合するのに好適な嵌合ポート102を有する。嵌合ポート102は、相手側高電圧コネクタの相手側端子(不図示)が嵌合ポート102を通して端子スロット111に挿入されて端子200と適合することを可能とするように、端子スロット111と連通する。
【0037】
図1~
図3に示すように、例示の実施形態において、ハウジング10のケーブル挿入孔101の軸は、第1の方向に延び、ハウジング10の嵌合ポート102の軸は、第1の方向に垂直な第2の方向に延びる。端子ホルダ110には、相手側端子(不図示)を受け入れるために端子スロット111と連通する嵌合開口部111aが設けられる。相手側端子は、嵌合開口部111aを通して第2の方向に沿って端子スロット111に挿入される。
【0038】
図4は、本発明の例示的実施形態に係る高電圧コネクタの横断面図を示す。
図5は、本発明の例示的実施形態に係る高電圧コネクタのケーブルアセンブリ20の説明分解図を示す。
図6は、本発明の例示的実施形態に係る高電圧コネクタの端子200の説明分解図を示す。
図7は、本発明の例示的実施形態に係る高電圧コネクタの端子200の説明斜視図を示す。
【0039】
図1~
図7に示すように、例示の実施形態において、凹部112が、端子スロット111の内壁に形成される。凹部112は、端子200を端子スロット111にロックするために端子200におけるラッチ222と係合するのに好適である。
【0040】
図1~
図7に示すように、例示の実施形態において、端子200の両側のラッチ222と協働するように用いられる凹部112が、それぞれ端子スロット111の2つの対向する内壁に形成される。
【0041】
図1~
図7に示すように、例示の実施形態において、端子200の挿入方向に沿って延びる案内スロット112aおよび112bが、端子スロット111の内壁に形成される。案内スロット112aおよび112bは、端子200を端子スロット111に挿入されるように案内するために、端子200における案内リブ223aおよび223bと嵌合するのに好適である。
【0042】
図1~
図7に示すように、例示の実施形態において、案内スロット112aおよび112bは、2つの第1の案内スロット112aおよび2つの第2の案内スロット112bを含む。2つの第1の案内スロット112aは、端子スロット111の2つの対向する内壁の一方に形成され、それぞれ端子200の一方側における2つの第1の案内リブ223aと嵌合するように用いられる。2つの第2の案内スロット112bは、端子スロット111の2つの対向する内壁の他方に形成され、端子200の他方側における2つの第2の案内リブ223bと協働するように用いられる。
【0043】
図1~
図7に示すように、例示の実施形態において、2つの第1の案内スロット112aは、端子200の挿入方向に垂直な方向において第1の間隔だけ隔てられ、2つの第2の案内スロット112bは、端子200の挿入方向に垂直な方向において第2の間隔だけ離隔している。端子200が誤った向きで端子スロット111に挿入されることを防止するために、第1の間隔は第2の間隔に等しくない。
【0044】
図1~
図7に示すように、例示の実施形態において、端子200は、端子本体210およびロック部材220を含む。ロック部材220は、端子本体210の外面に組み付けられる。端子200を端子スロット111にロックするために端子スロット111の内壁における凹部112と係合するラッチ222が、ロック部材220に形成される。
【0045】
図1~
図7に示すように、例示の実施形態において、端子スロット111の2つの内壁における凹部112と係合するように用いられるラッチ222が、それぞれロック部材220の両側に形成される。
【0046】
図1~
図7に示すように、例示の実施形態において、案内リブ223aおよび223bは、ロック部材220に形成される。案内リブ223aおよび223bは、端子200を端子スロット111へと案内するように、端子スロット111の内壁における案内スロット112aおよび112bと協働する。
【0047】
図1~
図7に示すように、例示の実施形態において、案内リブ223aおよび223bは、2つの第1の案内リブ223および2つの第2の案内リブ223bを含む。2つの第1の案内リブ223aは、ロック部材220の一方側に形成され、端子スロット111の内壁における2つの第1の案内スロット112aと嵌合するように用いられる。2つの第2の案内リブ223bは、ロック部材220の他方側に形成され、端子スロット111の他方の内壁における2つの第2の案内スロット112bと嵌合するように用いられる。
【0048】
図1~
図7に示すように、例示の実施形態において、2つの第1の案内リブ223aは、端子200の挿入方向に垂直な方向において第1の間隔だけ離隔し、2つの第2の案内リブ223bは、端子200の挿入方向に垂直な方向において第2の間隔だけ離隔している。端子200が誤った向きで端子スロット111に挿入されることを防止するために、第1の間隔は第2の間隔に等しくない。
【0049】
図1~
図7に示すように、例示の実施形態において、2つの第1の案内リブ223aの長さは異なり、2つの第2の案内リブ223bの長さも異なる。端子200が正しい設置向きであるとき、より長い案内リブ223aおよび223bが、より短い案内リブ223aおよび223bの下方または上方に配置される。したがって、端子200が正しい設置向きであるか否かを、案内リブ223aおよび223bに従って判定することができる。
【0050】
図1~
図7に示すように、例示の実施形態において、端子本体210は、二層のパネル211を含む。二層のパネル211の一端部は、相手側高電圧コネクタの相手側端子を挿入することを可能とする嵌合端部211aを形成するように、所定の間隙で離隔している。二層のパネル211の他端部は、ケーブル21の導体コア21aとの電気的接続に好適な接続端部211bを形成するように、互いに重なっている。
【0051】
図1~
図7に示すように、例示の実施形態において、ロック部材220は、一対のサイドプレート221、および一対のサイドプレート221の一端部の間に接続されるエンドプレート224を含む。ラッチ222ならびに案内リブ223aおよび223bは、ロック部材220のサイドプレート221に形成される。ロック部材220は、端子本体210の嵌合端部211aの外面に組み付けられ、ロック部材220の一対のサイドプレート221は、それぞれ端子本体210の二層のパネル211の外面に固定される。
【0052】
図1~
図7に示すように、例示の実施形態において、端子200は、少なくとも一対のコンタクト230をさらに含む。少なくとも一対のコンタクト230は、端子本体210の二層のパネル211の間の間隙に配置され、それぞれ二層のパネル211の内面に固定される。コンタクト230は、二層のパネル211の間の間隙に挿入される相手側端子との弾性的な電気的接触に好適なコンタクトスプリング231を有する。
【0053】
図1~
図7に示すように、例示の実施形態において、高電圧コネクタは、ケーブル21、ロックカバー22およびケーブルクリップ23をさらに含む。端子200は、ケーブル21の導体コア21aに接続され、例えばケーブル21の導体コア21aに溶接される。ロックカバー22は、ケーブル21に外装され、ハウジング10にロックされる。ケーブルクリップ23は、ケーブル21に外装され、ロックカバー22に組み付けられる。ロックカバー22は、ケーブル21をケーブルクリップ23により締め付けて固定するために、ケーブルクリップ23に所定の締め付け力を印加する。
【0054】
図1~
図7に示すように、例示の実施形態において、ケーブルクリップ23は、ケーブル21を締め付けるための複数の弾性爪23aを含み、複数の弾性爪23aは、ケーブル21の周囲にわたって均等に離隔している。ロックカバー22は、弾性爪23aを径方向に押し出すための円錐形内面を含む。複数の弾性爪23aは、ロックカバー22の押し出しを受けてケーブル21を締め付けるのに好適である。
【0055】
図1~
図7に示すように、例示の実施形態において、ロックカバー22には、ハウジング10へのラッチ接続に好適なラッチ機構22aが設けられる。ハウジング10の外壁には、ロックカバー22におけるラッチ機構22aと嵌合するのに好適な嵌合機構10aが、ロックカバー22をハウジング10にロックするために形成される。例示の実施形態において、ラッチ機構22aはスロットを備え、嵌合機構10aは凸部を備える。ただし、本発明は例示の実施形態に限定されず、例えば、ラッチ機構22aが凸部であってもよく、嵌合機構10aがスロットであってもよい。
【0056】
図1~
図7に示すように、例示の実施形態において、高圧コネクタは、シールリング24をさらに含む。シールリング24は、ケーブル21に外装され、ハウジング10におけるケーブル挿入孔101に挿入されて、ケーブル挿入孔101を封止する。ケーブルクリップ23は、シールリング24とロックカバー22との間に配置され、ケーブルクリップ23およびシールリング24の両方が、ハウジング10のケーブル挿入孔101に挿入される。
【0057】
図1~
図7に示すように、例示の実施形態において、ケーブル21、ロックカバー22、ケーブルクリップ23、シールリング24および端子200は、ハウジング10に挿入される前にケーブルアセンブリ20として予め組み立てられ、ケーブルアセンブリ20は、単一の構成要素の形態でハウジング10に取り外し可能に挿入される。
【0058】
図1~
図7に示すように、本発明の例示的実施形態においては、高電圧コネクタ、および高電圧コネクタと嵌合するのに好適な相手側高電圧コネクタを含む高電圧コネクタアセンブリも開示される。
【0059】
上記の実施形態は、限定ではなく例示を意図したものであることが、当業者には理解されるべきである。例えば、多数の修正が当業者により上記の実施形態に対してなされてよく、種々の実施形態において説明されている様々な特徴は、構成または原理において矛盾しない限り互いに自由に組み合わされてよい。
【0060】
いくつかの例示的実施形態を示して説明したが、本開示の原理および趣旨から逸脱しない限り、これらの実施形態において様々な変更または修正がなされてよいことが、当業者には理解されるであろう。本開示の範囲は、特許請求の範囲およびその均等物において定められる。
【0061】
本明細書において用いられる場合、単数形で記載され「a」または「an」の語に続く要素は、複数の当該要素またはステップを除外することが明示されていない限り、そのような除外をしないものとして理解されるべきである。さらに、本発明の「一実施形態」という記載は、記載されている特徴を同様に組み込むさらなる実施形態の存在を除外するものとして解釈されることを意図するものではない。加えて、そうでないことが明示されていない限り、特定の性質を有する要素または複数の要素を「備える」または「有する」実施形態は、その性質を有しないさらなるそのような要素を含み得る。
【外国語明細書】