(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111876
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】端子、コネクタ、およびコネクタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/187 20060101AFI20230803BHJP
【FI】
H01R13/187 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023009090
(22)【出願日】2023-01-25
(31)【優先権主張番号】202220244748.6
(32)【優先日】2022-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】508079120
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】516193944
【氏名又は名称】タイコ・エレクトロニクス・テクノロジー・(エスアイピー)・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Tyco Electronics Technology (SIP) Co.Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】ウェイドォン ヂァン
(72)【発明者】
【氏名】ウェンヂァン マァー
(72)【発明者】
【氏名】ヅァイイン パァイ
(72)【発明者】
【氏名】ヂィェン ワン
(72)【発明者】
【氏名】パァンシァン ヂィアン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】端子と相手側端子との接触領域が増加し、大電流の要求を満たす。
【解決手段】端子は、端子本体(10)と、2つの第1の弾性コンタクト(210)と、2つの第2の弾性コンタクト(220)とを備える。端子本体(10)は、第1の嵌合部を含む第1の端子板(110)と、第1の嵌合部に面した第2の嵌合部を含む第2の端子板(120)とを含む。2つの第1の弾性コンタクト(210)は、第1の嵌合部の内面に並んで装着され、各々が第1の弾性アームを含む。2つの第2の弾性コンタクト(220)は、第2の嵌合部の内面に並んで装着され、各々が第2の弾性アームを含む。第1の弾性アームと第2の弾性アームは、第1の弾性アームと第2の弾性アームの間に挿入された相手側端子をクランプして、端子と相手側端子との電気的接続を実現する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子であって、
前記端子は、
●第1の嵌合部(111)を含む第1の端子板(110)、および
前記第1の嵌合部(111)に面した第2の嵌合部(121)を含む第2の端子板(120)を含む、端子本体(10)と、
●2つの第1の弾性コンタクト(210)であって、前記第1の弾性コンタクト(210)は、前記第1の嵌合部(111)の内面に並んで装着され、各々が第1の弾性アーム(212)を含む、第1の弾性コンタクト(210)と、
●2つの第2の弾性コンタクト(220)であって、前記第2の弾性コンタクト(220)は、前記第2の嵌合部(121)の内面に並んで装着され、各々が第2の弾性アーム(222)を含む、第2の弾性コンタクト(220)と、
を備えており、
前記第1の弾性アーム(212)と前記第2の弾性アーム(222)は、前記第1の弾性アーム(212)と前記第2の弾性アーム(222)の間に挿入された相手側端子をクランプして、前記端子と前記相手側端子との電気的接続を実現するのに適している、
端子。
【請求項2】
前記第1の弾性コンタクト(210)はまた、前記端子本体(10)の長手方向(Y)に沿って延びる一対の第1の側部(211)を含み、前記第1の弾性アーム(212)は前記一対の第1の側部(211)間に接続され、かつ/または、
前記第2の弾性コンタクト(220)はまた、前記端子本体(10)の前記長手方向(Y)に沿って延びる一対の第2の側部(221)を含み、前記第2の弾性アーム(222)は前記一対の第2の側部(221)間に接続されている、請求項1に記載の端子。
【請求項3】
前記一対の第1の側部(211)のうちの一方は、前記第1の嵌合部(111)の前記内面に固定され、他方は、前記第1の嵌合部(111)の前記内面に摺動可能に支持され、かつ/または、
前記一対の第2の側部(221)のうちの一方は、前記第2の嵌合部(121)の前記内面に固定され、他方は、前記第2の嵌合部(121)の前記内面に摺動可能に支持されている、
請求項2に記載の端子。
【請求項4】
前記第1の弾性アーム(212)と前記第2の弾性アーム(222)は、前記端子本体(10)の横方向(X)に沿って延びて、前記端子本体(10)の前記横方向(X)に沿って挿入された前記相手側端子に電気的に接触する、
請求項1に記載の端子。
【請求項5】
前記第1の弾性コンタクト(210)と前記第2の弾性コンタクト(220)とが同一であり、交換可能に使用することができようになっている、
請求項1に記載の端子。
【請求項6】
第1の支持突起(11a)が前記第1の嵌合部(111)の前記内面に形成され、前記第1の支持突起(11a)を使用して、前記挿入された相手側端子を支持し、前記第1の弾性アーム(212)が前記相手側端子によって過度に圧縮されることを防ぎ、かつ/または、
第2の支持突起(12a)が前記第2の嵌合部(111)の前記内面に形成され、前記第2の支持突起(12a)を使用して、前記挿入された相手側端子を支持し、前記第2の弾性アーム(222)が前記相手側端子によって過度に圧縮されることを防ぐ、
請求項1に記載の端子。
【請求項7】
前記端子本体(10)の長手方向(Y)に沿って延びる第1の支持リブ(11b)が、前記第1の嵌合部(111)の前記内面に形成され、前記第1の支持リブ(11b)を使用して、前記第1の弾性アーム(212)を支持し、前記第1の弾性アーム(212)が過度に変形することを防ぎ、かつ/または、
前記端子本体(10)の前記長手方向(Y)に沿って延びる第2の支持リブ(12b)が、前記第2の嵌合部(121)の前記内面に形成され、前記第2の支持リブ(12b)を使用して、前記第2の弾性アーム(222)を支持し、前記第2の弾性アーム(222)が過度に変形することを防ぐ、
請求項1に記載の端子。
【請求項8】
前記端子本体(10)の前記第1の嵌合部(111)および前記第2の嵌合部(121)の端部に嵌められて、前記端子をコネクタハウジングにロックするロック部材(30)をさらに備える、
請求項1に記載の端子。
【請求項9】
前記ロック部材(30)は、
前記第1の嵌合部(111)の外側に固定された底板(311)と、
前記第2の嵌合部(121)の外側に固定された上板(312)と、
前記底板(311)と前記上板(312)との間に接続された端板(320)とを含む、
請求項8に記載の端子。
【請求項10】
内方にC字状に曲げられた第1の弾性クランプ部(331)が、前記底板(311)の側縁部に形成され、前記第1の弾性クランプ部(331)は、前記第1の嵌合部(111)の側縁部にクランプされ、かつ/または、
内方にC字状に曲げられた第2の弾性クランプ部(332)が、前記上板(312)の側縁部に形成され、前記第2の弾性クランプ部(332)は、前記第2の嵌合部(121)の側縁部にクランプされている、
請求項9に記載の端子。
【請求項11】
前記第1の弾性クランプ部(331)に嵌合するのに適した第1の凹部(101)が、前記第1の嵌合部(111)の前記側縁部に形成され、前記第1の弾性クランプ部(331)は前記第1の凹部(101)にロックされ、
前記第2の弾性クランプ部(332)に嵌合するのに適した第2の凹部(102)が、前記第2の嵌合部(121)の前記側縁部に形成され、前記第2の弾性クランプ部(332)は前記第2の凹部(102)にロックされている、
請求項10に記載の端子。
【請求項12】
弾性ロックシート(34)が、前記ロック部材(30)の前記底板(311)および/または前記上板(312)に形成され、前記弾性ロックシート(34)は、前記コネクタハウジングのくぼみに係合して、前記端子を前記コネクタハウジングにロックするのに適しており、かつ/または、
ガイドリブ(35)が、前記ロック部材(30)の前記底板(311)および/または前記上板(312)に形成され、前記ガイドリブ(35)は、前記コネクタハウジングのガイドスロットに嵌合して、前記端子を前記コネクタハウジング内に案内するのに適している、
請求項9に記載の端子。
【請求項13】
前記2つの第1の弾性コンタクト(210)は、前記端子本体(10)の横方向(X)に沿って、前記第1の嵌合部(111)の前記内面に並んで装着され、各々が、前記端子本体(10)の長手方向(Y)に沿って配置された第1の弾性アーム(212)の列を含み、
前記2つの第2の弾性コンタクト(220)は、前記端子本体(10)の前記横方向(X)に沿って、前記第2の嵌合部(121)の前記内面に並んで装着され、各々が、前記端子本体(10)の前記長手方向(Y)に沿って配置された第2の弾性アーム(222)の列を含む、
請求項1から12のいずれか一項に記載の端子。
【請求項14】
前記第1の嵌合部(111)と前記第2の嵌合部(121)とが、前記端子本体(10)の嵌合部(111、121)を構成し、前記嵌合部(111、121)は長手方向中心線(L)を有し、
前記端子本体(10)はまた、溶接部(112、122)を含み、前記溶接部(112、122)は、導体(1)に溶接するための溶接面(122a)を有し、前記溶接面(122a)は、前記嵌合部(111、121)の長手方向中心線(L)に対して、前記端子本体(10)の横方向(X)および長手方向(Y)に垂直な高さ方向(Z)において所定の距離でオフセットされ、前記溶接面(122a)に溶接された前記導体(1)の長手方向中心線(L’)と前記嵌合部(111、121)の前記長手方向中心線(L)との間の前記高さ方向(Z)のずれがゼロに等しいか、または所定の値よりも小さくなっている、
請求項1から12のいずれか一項に記載の端子。
【請求項15】
前記第1の弾性コンタクト(210)と前記第2の弾性コンタクト(220)は、前記端子本体(10)の長手方向(Y)において所定の距離で互い違いに配置され、前記第1の弾性アーム(212)と前記第2の弾性アーム(222)は、前記端子本体(10)の横方向(X)において整列していない、
請求項1から12のいずれか一項に記載の端子。
【請求項16】
前記第1の端子板(110)はまた、第1の溶接部(112)と、前記第1の溶接部(112)と前記第1の嵌合部(111)との間に接続された第1の曲がり部(113)とを含み、
前記第2の端子板(120)はまた、第2の溶接部(122)と、前記第2の溶接部(122)と前記第2の嵌合部(121)との間に接続された第2の曲がり部(123)とを含み、
前記端子本体(10)はまた、前記第1の溶接部(112)の一側と前記第2の溶接部(122)の一側との間に接続された第3の曲がり部(130)を含む、請求項14に記載の端子。
【請求項17】
ハウジングと、
前記ハウジングに挿入されている、請求項1から16のいずれか一項に記載の前記端子と、
を備えるコネクタ。
【請求項18】
請求項17に記載の前記コネクタと、
前記コネクタに嵌合するのに適した相手側コネクタと、
を備えるコネクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年1月29日に中国国家知識産権局に出願された中国特許出願第CN202220244748.6号の優先権を主張する。その開示全体が、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、端子、端子を備えるコネクタ、およびコネクタを備えるコネクタアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術において、高電圧コネクタの端子は、通常、端子本体と、一対の弾性コンタクトと、ロック片とを備える。端子本体は2つの端子板を含む。2つの端子板の嵌合部間に、相手側端子の挿入を可能にする間隙がある。一対の弾性コンタクトは、2つの端子板の嵌合部間の間隙に配置され、2つの端子板のそれぞれに固定されて、端子板間に挿入された相手側端子をクランプし、端子と相手側端子との電気的接続を実現する。ロック片は、端子本体に取り付けられて、端子をコネクタハウジングにロックする。
【0004】
しかしながら、従来技術においては、単一の弾性コンタクトのみが各端子板に装着されるため、端子と相手側端子との接点の数が少なく、大電流の要求を満たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の欠点のうちの少なくとも1つの局面を克服または軽減するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様によれば、端子が提供される。端子は、端子本体と、2つの第1の弾性コンタクトと、2つの第2の弾性コンタクトとを備える。端子本体は、第1の嵌合部を含む第1の端子板と、第1の嵌合部に面した第2の嵌合部を含む第2の端子板とを含む。2つの第1の弾性コンタクトは、第1の嵌合部の内面に並んで装着され、各々が第1の弾性アームを含む。2つの第2の弾性コンタクトは、第2の嵌合部の内面に並んで装着され、各々が第2の弾性アームを含む。第1の弾性アームと第2の弾性アームは、第1の弾性アームと第2の弾性アームの間に挿入された相手側端子をクランプして、端子と相手側端子との電気的接続を実現するのに適している。
【0007】
本発明の例示的な実施形態によれば、第1の弾性コンタクトはまた、端子本体の長手方向に沿って延びる一対の第1の側部を含み、第1の弾性アームは一対の第1の側部間に接続され、かつ/または、第2の弾性コンタクトはまた、端子本体の長手方向に沿って延びる一対の第2の側部を含み、第2の弾性アームは一対の第2の側部間に接続されている。
【0008】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、一対の第1の側部のうちの一方は、第1の嵌合部の内面に固定され、他方は、第1の嵌合部の内面に摺動可能に支持され、かつ/または、一対の第2の側部のうちの一方は、第2の嵌合部の内面に固定され、他方は、第2の嵌合部の内面に摺動可能に支持されている。
【0009】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、第1の弾性アームと第2の弾性アームは、端子本体の横方向に沿って延びて、端子本体の横方向に沿って挿入された相手側端子に電気的に接触する。
【0010】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、第1の弾性コンタクトと第2の弾性コンタクトとが同一であり、交換可能に使用することができようになっている。
【0011】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、第1の支持突起が第1の嵌合部の内面に形成され、第1の支持突起を使用して、挿入された相手側端子を支持し、第1の弾性アームが相手側端子によって過度に圧縮されることを防ぎ、かつ/または、第2の支持突起が第2の嵌合部の内面に形成され、第2の支持突起を使用して、挿入された相手側端子を支持し、第2の弾性アームが相手側端子によって過度に圧縮されることを防ぐ。
【0012】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、端子本体の長手方向に沿って延びる第1の支持リブが、第1の嵌合部の内面に形成され、第1の支持リブを使用して、第1の弾性アームを支持し、第1の弾性アームが過度に変形することを防ぎ、かつ/または、端子本体の長手方向に沿って延びる第2の支持リブが、第2の嵌合部の内面に形成され、第2の支持リブを使用して、第2の弾性アームを支持し、第2の弾性アームが過度に変形することを防ぐ。
【0013】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、端子は、端子本体の第1の嵌合部および第2の嵌合部の端部に嵌められて、端子をコネクタハウジングにロックするロック部材をさらに備える。
【0014】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、ロック部材は、第1の嵌合部の外側に固定された底板と、第2の嵌合部の外側に固定された上板と、底板と上板との間に接続された端板とを含む。
【0015】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、内方にC字状に曲げられた第1の弾性クランプ部が、底板の側縁部に形成され、第1の弾性クランプ部は、第1の嵌合部の側縁部にクランプされ、かつ/または、内方にC字状に曲げられた第2の弾性クランプ部が、上板の側縁部に形成され、第2の弾性クランプ部は、第2の嵌合部の側縁部にクランプされている。
【0016】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、第1の弾性クランプ部に嵌合するのに適した第1の凹部が、第1の嵌合部の側縁部に形成され、第1の弾性クランプ部は第1の凹部にロックされ、第2の弾性クランプ部に嵌合するのに適した第2の凹部が、第2の嵌合部の側縁部に形成され、第2の弾性クランプ部は第2の凹部にロックされている。
【0017】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、弾性ロックシート(elastic locking sheet)が、ロック部材の底板および/または上板に形成され、弾性ロックシートは、コネクタハウジングのくぼみに係合して、端子をコネクタハウジングにロックするのに適しており、かつ/または、ガイドリブが、ロック部材の底板および/または上板に形成され、ガイドリブは、コネクタハウジングのガイドスロットに嵌合して、端子をコネクタハウジング内に案内するのに適している。
【0018】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、2つの第1の弾性コンタクトは、端子本体の横方向に沿って、第1の嵌合部の内面に並んで装着され、各々が、端子本体の長手方向に沿って配置された第1の弾性アームの列を含む。2つの第2の弾性コンタクトは、端子本体の横方向に沿って、第2の嵌合部の内面に並んで装着され、各々が、端子本体の長手方向に沿って配置された第2の弾性アームの列を含む。
【0019】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、第1の嵌合部と第2の嵌合部とが、端子本体の嵌合部を構成し、嵌合部は長手方向中心線を有する。端子本体はまた、溶接部を含み、溶接部は、導体に溶接するための溶接面を有する。溶接面は、嵌合部の長手方向中心線に対して、端子本体の横方向および長手方向に垂直な高さ方向において所定の距離でオフセットされ、溶接面に溶接された導体の長手方向中心線と嵌合部の長手方向中心線との間の高さ方向のずれがゼロに等しいか、または所定の値よりも小さくなっている。
【0020】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、第1の弾性コンタクトと第2の弾性コンタクトは、端子本体の長手方向において所定の距離で互い違いに配置され(staggered)、第1の弾性アームと第2の弾性アームは、端子本体の横方向において整列していない。
【0021】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、第1の端子板はまた、第1の溶接部と、第1の溶接部と第1の嵌合部との間に接続された第1の曲がり部とを含み、第2の端子板はまた、第2の溶接部と、第2の溶接部と第2の嵌合部との間に接続された第2の曲がり部とを含み、端子本体はまた、第1の溶接部の一側と第2の溶接部の一側との間に接続された第3の曲がり部を含む。
【0022】
本発明の別の態様によれば、コネクタが提供される。コネクタは、ハウジングと、ハウジングに挿入されている上記の端子とを備える。
【0023】
本発明の別の態様によれば、コネクタアセンブリが提供される。コネクタアセンブリは、上記のコネクタと、コネクタに嵌合するのに適した相手側コネクタとを備える。
【0024】
本発明による上記の例示的な実施形態において、2つの弾性コンタクトが端子本体の2つの端子板の各々に装着され、2つの弾性コンタクトの弾性アームの2つの列が、挿入された相手側端子に接触する。したがって、端子と相手側端子との接触領域が増加するため、大電流の要求を満たすことができる。
【0025】
添付図面を参照しながら例示的な実施形態を詳細に説明することにより、本発明の上記その他の特徴がより明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の例示的な実施形態による端子の説明斜視図である。
【
図2】本発明の例示的な実施形態による端子の説明分解図である。
【
図3】本発明の例示的な実施形態による端子本体の説明斜視図である。
【
図4】本発明の例示的な実施形態による弾性コンタクトの説明斜視図である。
【
図5】本発明の例示的な実施形態によるロック部材の説明斜視図である。
【
図6】第1の端子板が示されている、本発明の例示的な実施形態による端子の部分図である。
【
図7】第1の端子板が示されている、本発明の例示的な実施形態による端子本体の部分図である。
【
図8】第2の端子板が示されている、本発明の例示的な実施形態による端子の部分図である。
【
図9】第2の端子板が示されている、本発明の例示的な実施形態による端子本体の部分図である。
【
図10】本発明の例示的な実施形態による端子に溶接された導体の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下で、添付図面を参照しながら本開示の例示的な実施形態について詳細に説明する。図中、同一の参照数字は同一の要素を指す。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書に記載される実施形態に限定されるものと解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全なものとなるように、かつ当業者に本開示の概念を十分に伝えるように提供される。
【0028】
以下の詳細な説明では、説明の目的で、開示する実施形態の徹底的な理解をもたらすために、多数の具体的な詳細を記載する。しかしながら、これらの具体的な詳細がなくても1つまたは複数の実施形態を実施することができることが明らかであろう。他の例では、図面を簡略化するために、周知の構造およびデバイスは概略的に示す。
【0029】
本発明の一般的な概念によれば、端子が提供される。端子は、端子本体と、2つの第1の弾性コンタクトと、2つの第2の弾性コンタクトとを備える。端子本体は、第1の嵌合部を含む第1の端子板と、第1の嵌合部に面した第2の嵌合部を含む第2の端子板とを含む。2つの第1の弾性コンタクトは、第1の嵌合部の内面に並んで装着され、各々が第1の弾性アームを含む。2つの第2の弾性コンタクトは、第2の嵌合部の内面に並んで装着され、各々が第2の弾性アームを含む。第1の弾性アームと第2の弾性アームは、第1の弾性アームと第2の弾性アームの間に挿入された相手側端子をクランプして、端子と相手側端子との電気的接続を実現するのに適している。
【0030】
本発明の別の一般的な概念によれば、コネクタが提供される。コネクタは、ハウジングと、ハウジングに挿入されている上記の端子とを備える。
【0031】
本発明の別の一般的な概念によれば、コネクタアセンブリが提供される。コネクタアセンブリは、上記のコネクタと、コネクタに嵌合するのに適した相手側コネクタとを備える。
【0032】
図1は、本発明の例示的な実施形態による端子の説明斜視図、
図2は、本発明の例示的な実施形態による端子の説明分解図である。
図3は、本発明の例示的な実施形態による端子本体10の説明斜視図、
図4は、本発明の例示的な実施形態による弾性コンタクト210、220の説明斜視図である。
【0033】
図1~
図4に示すように、図示の実施形態において、端子は、端子本体10と、2つの第1の弾性コンタクト210と、2つの第2の弾性コンタクト220とを備える。端子本体10は、第1の端子板110と第2の端子板120とを含む。第2の端子板120は第1の端子板110の上に置かれており(superposed)、端子本体10が二層端子板構造(double-layer terminal plate structure)を有するようになっている。
【0034】
図1~
図4に示すように、図示の実施形態において、第1の端子板110は第1の嵌合部111を含む。第2の端子板120は、第1の嵌合部111に面した第2の嵌合部121を含む。第1の嵌合部111と第2の嵌合部121との間に所定の間隙が設けられて、相手側コネクタ(図示せず)の相手側端子(図示せず)の挿入を可能にする。
【0035】
図6は、第1の端子板110が示されている、本発明の例示的な実施形態による端子の部分図である。
図7は、第1の端子板110が示されている、本発明の例示的な実施形態による端子本体の部分図である。
図8は、第2の端子板120が示されている、本発明の例示的な実施形態による端子の部分図である。
図9は、第2の端子板120が示されている、本発明の例示的な実施形態による端子本体の部分図である。
【0036】
図1~
図4および
図6~
図9に示すように、図示の実施形態において、2つの第1の弾性コンタクト210は、端子本体10の横方向Xに沿って、第1の嵌合部111の内面に並んで装着されている。2つの第1の弾性コンタクト210の各々は、端子本体10の長手方向Yに沿って配置された第1の弾性アーム212の列を含む。
【0037】
図1~
図4および
図6~
図9に示すように、図示の実施形態において、2つの第2の弾性コンタクト220は、端子本体10の横方向Xに沿って、第2の嵌合部121の内面に並んで装着されている。2つの第2の弾性コンタクト220の各々は、端子本体10の長手方向Yに沿って配置された第2の弾性アーム222の列を含む。
【0038】
図1~
図4および
図6~
図9に示すように、図示の実施形態において、第1の弾性アーム212と第2の弾性アーム222は、第1の弾性アーム212と第2の弾性アーム222の間に挿入された相手側端子をクランプして、端子と相手側端子との電気的接続を実現するのに適している。
【0039】
図1~
図4および
図6~
図9に示すように、図示の実施形態において、第1の弾性コンタクト210はまた、端子本体10の長手方向Yに沿って延びる一対の第1の側部211を含み、第1の弾性アーム212は、一対の第1の側部211間に接続されている。同様に、図示の実施形態において、第2の弾性コンタクト220はまた、端子本体10の長手方向Yに沿って延びる一対の第2の側部221を含み、第2の弾性アーム222は、一対の第2の側部221間に接続されている。
【0040】
図1~
図4および
図6~
図9に示すように、図示の実施形態において、一対の第1の側部211のうちの一方は、第1の嵌合部111の内面に固定され、他方は、第1の嵌合部111の内面に摺動可能に支持されている。同様に、図示の実施形態において、一対の第2の側部221のうちの一方は、第2の嵌合部121の内面に固定され、他方は、第2の嵌合部121の内面に摺動可能に支持されている。
【0041】
図1~
図4および
図6~
図9に示すように、図示の実施形態において、第1の弾性アーム212と第2の弾性アーム222は、端子本体10の横方向Xに沿って延びて、端子本体10の横方向Xに沿って挿入された相手側端子に電気的に接触する。
【0042】
図1~
図4および
図6~
図9に示すように、図示の実施形態において、第1の弾性コンタクト210と第2の弾性コンタクト220とが同一であり、交換可能に使用することができようになっている。これにより、製造コストを節約することができる。
【0043】
図1~
図4および
図6~
図9に示すように、図示の実施形態において、第1の弾性コンタクト210と第2の弾性コンタクト220は、端子本体10の長手方向Yにおいて所定の間隔で互い違いに配置され、第1の弾性アーム212と第2の弾性アーム222は、端子本体10の横方向Xにおいて整列していない。これにより、導電性を向上させ、相手側端子の摩耗を低減させることができる。
【0044】
図1~
図4および
図6~
図9に示すように、図示の実施形態において、第1の支持突起11aが第1の嵌合部111の内面に形成され、第1の支持突起11aを使用して、挿入された相手側端子を支持し、第1の弾性アーム212が相手側端子によって過度に圧縮されることを防ぐ。同様に、図示の実施形態において、第2の支持突起12aが第2の嵌合部111の内面に形成され、第2の支持突起12aを使用して、挿入された相手側端子を支持し、第2の弾性アーム222が相手側端子によって過度に圧縮されることを防ぐ。
【0045】
図1~
図4および
図6~
図9に示すように、図示の実施形態において、端子本体10の長手方向Yに沿って延びる第1の支持リブ11bが、第1の嵌合部111の内面に形成され、第1の支持リブ11bを使用して、第1の弾性アーム212を支持し、第1の弾性アーム212が過度に変形することを防ぐ。同様に、図示の実施形態において、端子本体10の長手方向Yに沿って延びる第2の支持リブ12bが、第2の嵌合部121の内面に形成され、第2の支持リブ12bを使用して、第2の弾性アーム222を支持し、第2の弾性アーム222が過度に変形することを防ぐ。
【0046】
図5は、本発明の例示的な実施形態によるロック部材30の説明斜視図である。
【0047】
図1~
図9に示すように、図示の実施形態において、端子はまた、端子本体10の第1の嵌合部111および第2の嵌合部121の端部に取り付けられて、端子をコネクタハウジング(図示せず)にロックするロック部材30を備える。
【0048】
図1~
図9に示すように、図示の実施形態において、ロック部材30は、底板311と、上板312と、端板320とを含む。底板311は、第1の嵌合部111の外側に固定されている。上板312は、第2の嵌合部121の外側に固定されている。端板320は、底板311と上板312との間に接続されている。
【0049】
図1~
図9に示すように、図示の実施形態において、内方にC字状に曲げられた第1の弾性クランプ部331が、底板311の側縁部に形成され、第1の弾性クランプ部331は、第1の嵌合部111の側縁部にクランプされている。同様に、図示の実施形態において、内方にC字状に曲げられた第2の弾性クランプ部332が、上板312の側縁部に形成され、第2の弾性クランプ部332は、第2の嵌合部121の側縁部にクランプされている。
【0050】
図1~
図9に示すように、図示の実施形態において、第1の弾性クランプ部331に嵌合するのに適した第1の凹部101が、第1の嵌合部111の側縁部に形成され、第1の弾性クランプ部331は第1の凹部101にロックされている。同様に、図示の実施形態において、第2の弾性クランプ部332に嵌合するのに適した第2の凹部102が、第2の嵌合部121の側縁部に形成され、第2の弾性クランプ部332は第2の凹部102にロックされている。
【0051】
図1~
図9に示すように、図示の実施形態において、弾性ロックシート34が、ロック部材30の底板311および/または上板312に形成されている。弾性ロックシート34は、コネクタハウジングのくぼみに係合して、端子をコネクタハウジングにロックするのに適している。
【0052】
図1~
図9に示すように、図示の実施形態において、外方に突出するガイドリブ35が、ロック部材30の底板311および/または上板312に形成され、ガイドリブ35は、コネクタハウジングのガイドスロットに嵌合して、端子をコネクタハウジング内に挿入するように案内するのに適している。
【0053】
図10は、本発明の例示的な実施形態による端子に溶接された導体1の側面図である。
【0054】
図1~
図10に示すように、図示の実施形態において、第1の嵌合部111と第2の嵌合部121とが、端子本体10の嵌合部111、121を構成し、嵌合部111、121は長手方向中心線Lを有する。長手方向中心線Lは、嵌合部111、121の断面の幾何学的中心を通る。
【0055】
図1~
図10に示すように、図示の実施形態において、端子本体10はまた、溶接部112、122を含む。溶接部112、122は、導体1に溶接するための溶接面122aを有する。溶接面122aは、嵌合部111、121の長手方向中心線Lに対して、端子本体10の横方向Xおよび長手方向Yに垂直な高さ方向Zにおいて所定の距離でオフセットされ、溶接面122aに溶接された導体1の長手方向中心線L’(例えば、ワイヤの導体芯線)と嵌合部111、121の長手方向中心線Lとの間の高さ方向Zのずれがゼロに等しいか、または所定の値よりも小さくなっている。このようにして、端子と導体1との間の導電性を向上させることができる。
【0056】
図1~
図10に示すように、図示の実施形態において、第1の端子板110はまた、第1の溶接部112と、第1の溶接部112と第1の嵌合部111との間に接続された第1の曲がり部113とを含む。同様に、図示の実施形態において、第2の端子板120はまた、第2の溶接部122と、第2の溶接部122と第2の嵌合部121との間に接続された第2の曲がり部123とを含む。第1の端子板110の第1の溶接部112と第2の端子板120の第2の溶接部122とが、端子本体10の溶接部112、122を構成する。
【0057】
図1~
図10に示すように、図示の実施形態において、第1の溶接部112と第2の溶接部122は、互いにリベット締めされて、密着されるようになっている。これにより、第1の溶接部112と第2の溶接部122との間の接触抵抗を低減させる。第1の溶接部112または第2の溶接部122の露出面が、溶接面122aとして使用される。図示の実施形態において、第2の溶接部122の露出面が溶接面122aとして使用されている。しかしながら、本発明は、図示した実施形態に限定されない。溶接面122aは、第1の溶接部112の露出面であってもよく、この場合、第1の曲がり部113および第2の曲がり部123の曲がり方向を変えるだけでよい。
【0058】
図1~
図10に示すように、図示の実施形態において、端子本体10はまた、第1の溶接部112の一側と第2の溶接部122の一側との間に接続された第3の曲がり部130を含む。図示の実施形態において、端子本体10全体が一体部品であり、例えば、端子本体10全体が、単一の金属板を打ち抜くことによって形成された一体打抜き部品であってよい。
【0059】
図示しないが、本発明の例示的な実施形態において、コネクタも開示されている。コネクタは、ハウジングと、上記の端子とを備える。端子は、ハウジングに挿入されている。
【0060】
図示しないが、本発明の別の例示的な実施形態において、コネクタアセンブリも開示されている。コネクタアセンブリは、コネクタと、コネクタに一致する相手側コネクタとを備える。
【0061】
上記の実施形態は例示的なものであり、限定的なものではないことを、当業者には理解されたい。例えば、当業者であれば、構成上または原理上矛盾することなく、上記の実施形態に多くの修正を加えることができ、異なる実施形態に記載する様々な特徴を互いに自由に組み合わせることができる。
【0062】
いくつかの例示的な実施形態について図示し説明したが、本開示の原理および趣旨から逸脱することなく、これらの実施形態に様々な変更または修正を加えることができることが、当業者には理解されよう。本開示の範囲は、特許請求の範囲およびその均等物により定義される。
【0063】
本明細書で使用されるとき、単数形で記載され「a」または「an」という単語が前に付く要素は、前記の要素またはステップの複数形を除外することが明示的に述べられていない限り、これらを除外しないものとして理解すべきである。さらに、本発明の「一実施形態」への言及は、記載された特徴を同じく組み込む追加の実施形態の存在を除外するものとして解釈されることを意図していない。さらに、そうではないと明示的に述べられていない限り、特定の特性を有する1つの要素もしくは複数の要素を「備える」または「有する」実施形態は、その特性を有していない追加のそのような要素を含んでよい。
【外国語明細書】