(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111884
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】加熱アセンブリ、アトマイザ及び電子タバコ
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20230803BHJP
A24F 40/10 20200101ALI20230803BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/10
【審査請求】有
【請求項の数】27
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010883
(22)【出願日】2023-01-27
(31)【優先権主張番号】63/304,624
(32)【優先日】2022-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】202210296451.9
(32)【優先日】2022-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202220659265.2
(32)【優先日】2022-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210499959.9
(32)【優先日】2022-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202221099745.4
(32)【優先日】2022-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523031013
【氏名又は名称】賽爾美電子科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100125265
【弁理士】
【氏名又は名称】貝塚 亮平
(72)【発明者】
【氏名】陳家太
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB14
4B162AC16
4B162AC22
4B162AC27
4B162AC33
4B162AC41
(57)【要約】
【解決手段】アトマイザに用いられる加熱アセンブリであって、抵抗加熱素子と、霧化ブラケットとを備え、前記抵抗加熱素子は、前記霧化ブラケットに結合され、前記抵抗加熱素子は、第1の接続部、第2の接続部及び加熱フェンスを含み、ここで、前記第1の接続部及び前記第2の接続部は、前記加熱フェンスによって互いに接続されており、前記霧化ブラケットは、前記加熱フェンスと連通する霧化開口を含む。また、本発明はアトマイザと電子タバコを提供する。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アトマイザに用いられる加熱アセンブリであって、抵抗加熱素子と霧化ブラケットとを含み、前記抵抗加熱素子は、前記霧化ブラケットに結合され、前記抵抗加熱素子は、第1の接続部、第2の接続部及び加熱フェンスを含み、
前記第1の接続部及び前記第2の接続部は、前記加熱フェンスによって互いに接続されており、前記霧化ブラケットは、前記加熱フェンスと連通する霧化開口を含むことを特徴とするアトマイザに用いられる加熱アセンブリ。
【請求項2】
前記霧化ブラケットは、底板と、前記底板の周辺から上方に延びる側壁とを備え、前記霧化ブラケットには、受容キャビティが形成され、前記霧化ブラケットの前記底板は、前記霧化開口によって貫通されており、前記抵抗加熱素子の前記加熱フェンスは、前記霧化開口にまたがっていることを特徴とする請求項1に記載の加熱アセンブリ。
【請求項3】
前記抵抗加熱素子の両端は、前記霧化ブラケットから突出しており、且つそれぞれ下向きと内向きに湾曲されて2つの導電ピンを形成し、
2つの前記導電ピンは、それぞれ前記第1の接続部及び前記第2の接続部に接続され、それぞれ前記第1の接続部及び前記第2の接続部の下方に位置し、且つ前記底板の下面から露出していることを特徴とする請求項2に記載の加熱アセンブリ。
【請求項4】
前記抵抗加熱素子は、第1の表面及び第2の表面を備え、前記第1の表面は、前記抵抗加熱素子の上面であり、前記第2の表面は、前記抵抗加熱素子の下面であり、前記第1の表面と前記第2の表面は、平坦な表面であり、前記第1の表面は、前記底板の上面と同一平面内に位置し、前記抵抗加熱素子の前記第1の表面と前記底板の上面は、前記オイルガイド部材と接触するために用いられることを特徴とする請求項2に記載の加熱アセンブリ。
【請求項5】
前記加熱フェンスは、前記受容キャビティ内で露出された表面積を有し、前記表面積は、前記霧化開口内に露出された他の表面積よりも大きく、または、前記加熱フェンスの前記オイルガイド部材に接触するための表面積は、前記霧化開口に面する他の表面積よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の加熱アセンブリ。
【請求項6】
前記底板は、2つの傾斜部を含み、前記霧化開口は、前記2つの傾斜部の間に位置し、各傾斜部の厚さは、前記側壁から前記霧化開口まで徐々に減少することを特徴とする請求項2に記載の加熱アセンブリ。
【請求項7】
前記傾斜部は、前記底板の底部に傾斜面を形成し、前記傾斜面は、前記底板の下面から凹んで前記側壁から前記霧化開口まで上向きに傾斜し、前記加熱フェンスは、2つの傾斜部に対応してそれぞれ設けられ且つ2つの傾斜部に接続された2つの嵌入部を含むことを特徴とする請求項6に記載の加熱アセンブリ。
【請求項8】
前記嵌入部は、第1の部分、第3の部分及び前記第1の部分と前記第3の部分とを相互接続する第2の部分を含み、前記第1の部分は、前記霧化開口において露出する下面と、前記受容キャビティにおいて露出する上面とを有し、前記第2の部分は、前記傾斜部内に埋め込まれた下面と前記受容キャビティにおいて露出する上面とを有し、前記第3の部分は、前記傾斜部内に埋め込まれた下面と、前記傾斜部と前記側壁との間に埋め込まれた上面とを有することを特徴とする請求項7に記載の加熱アセンブリ。
【請求項9】
前記2つの傾斜部は、第1の方向に沿って前記底板の2つの対向側に位置し、前記抵抗加熱素子は、前記第1の方向と直交する第2の方向に沿って対向配置された第1の接続部と第2の接続部とをさらに含み、
また、前記抵抗加熱素子は、前記第2の方向に沿って対向配置され、且つ前記第1の接続部及び前記第2の接続部にそれぞれ接続された第1の導電ピン及び第2の導電ピンをさらに含み、
前記第1の接続部は、前記加熱フェンスと前記第1の導電ピンとの間に接続され、前記第2の接続部は、前記加熱フェンスと前記第2の導電ピンとの間に接続され、
前記加熱フェンスの上面、前記第1の接続部、前記第2の接続部、前記第1の導電ピン、前記第2の導電ピン及び前記底板は、同一平面内に位置し、
前記第1の導電ピン及び前記第2の導電ピンは、下向き及び内向きに屈曲して、前記底板の下面に接触する2つの電極セグメントを形成することを特徴とする請求項6に記載の加熱アセンブリ。
【請求項10】
前記加熱フェンスは、互いに離間した複数の嵌入脚を含み、前記嵌入脚は、前記霧化ブラケットに少なくとも部分的に埋め込まれ、2つの隣接する前記嵌入脚の間には、ノッチが形成され、前記ノッチは、少なくとも部分的に前記霧化開口の直上に位置することを特徴とする請求項2に記載の加熱アセンブリ。
【請求項11】
前記嵌入脚は、サスペンションセグメント、第4の嵌入セグメント及び第5の嵌入セグメントを含み、前記サスペンションセグメントは、前記霧化開口に対応して設けられ、前記第4の嵌入セグメントは、前記サスペンションセグメントと前記第5の嵌入セグメントとの間に接続され、前記第4の嵌入セグメントの下面は、前記底板に埋め込まれ、前記第4の嵌入セグメントの上面は、前記受容キャビティにおいて露出し、前記第5の嵌入セグメントは、前記底板と前記側壁との接続部位に埋め込まれることを特徴とする請求項10に記載の加熱アセンブリ。
【請求項12】
前記加熱フェンスの中間には、複数の貫通孔が設けられており、2つの隣接する前記貫通孔の間には、抵抗加熱ワイヤが配置され、前記抵抗加熱ワイヤは、前記嵌入脚にそれぞれ接続され、且つ前記霧化開口に対応するように配置されていることを特徴とする請求項10に記載の加熱アセンブリ。
【請求項13】
前記抵抗加熱素子は、さらに、互いに反対側に配置された前記第1の接続部と前記第2の接続部とを含み、前記加熱フェンスは、前記第1の接続部と前記第2の接続部との間に接続され、前記第1の接続部と前記第2の接続部のそれぞれは、中間セグメントと2つの第1の嵌入セグメントとを含み、
前記中間セグメントは、前記2つの第1の嵌入セグメントの間に接続され、前記中間セグメントの下面は、前記底板に埋め込まれ、前記中間セグメントの上面は、前記受容キャビティにおいて露出し、前記2つの第1の嵌入セグメントは、前記底板と前記側壁との間の接続部位に埋め込まれることを特徴とする請求項2に記載の加熱アセンブリ。
【請求項14】
前記抵抗加熱素子は、対向配置された前記第1の導電ピンと前記第2の導電ピンとをさらに含み、前記第1の導電ピン及び前記第2の導電ピンは、前記第1の接続部と前記第2の接続部とにそれぞれ接続され、前記第1の導電ピンと前記第2の導電ピンのそれぞれは、第2の嵌入セグメント、第3の嵌入セグメント、湾曲セグメント及び電極セグメントを含み、前記第2の嵌入セグメントは、前記第1の接続部または前記第2の接続部の中間セグメントに接続され、前記第3の嵌入セグメントは、前記第2の嵌入セグメントと前記湾曲セグメントとの間に接続され、前記湾曲セグメントは、前記第3の嵌入セグメントと前記電極セグメントとの間に接続され、
前記第2の嵌入セグメントの下面は、前記底板に埋め込まれ、前記第2の嵌入セグメントの上面は、前記受容キャビティにおいて露出し、前記第3の嵌入セグメントは、前記底板と前記側壁との接続部位に嵌め込まれ、前記湾曲セグメントと前記電極セグメントは、前記霧化ブラケットの外部に配置され、前記湾曲セグメントは、前記底板の外周面に配置され、前記電極セグメントは、前記底板の下面に配置されることを特徴とする請求項13に記載の加熱アセンブリ。
【請求項15】
前記抵抗加熱素子は、金属からなり、前記霧化ブラケットは、熱可塑性材料からなり、前記抵抗加熱素子は、インサート成形プロセスによって前記霧化ブラケットと結合し、また、前記抵抗加熱素子は、前記霧化ブラケットに少なくとも部分的に埋め込まれ、前記加熱フェンスは、前記霧化開口の上方に露出して位置し、前記第1の接続部、前記第2の接続部及び前記加熱フェンスは、同一平面内に位置することを特徴とする請求項1に記載の加熱アセンブリ。
【請求項16】
アトマイザであって、
霧化ブラケット、抵抗加熱素子及びオイルガイド部材を備え、前記抵抗加熱素子は、前記霧化ブラケットと結合し、且つ第1の接続部、第2の接続部及び加熱フェンスを含み、前記第1の接続部と前記第2の接続部は、前記加熱フェンスを介して互いに接続され、前記霧化ブラケットは、前記加熱フェンスと連通する霧化開口を含み、
前記抵抗加熱素子は、前記オイルガイド部材に面する第1の表面と、前記オイルガイド部材から離れる第2の表面とを含み、前記オイルガイド部材は、前記抵抗加熱素子に面する第3の表面と、前記抵抗加熱素子から離れる第4の表面とを含み、前記オイルガイド部材は、前記抵抗加熱素子に設けられ、前記オイルガイド部材の前記第3の表面は、前記抵抗加熱素子の前記第1の表面に接触していることを特徴とするアトマイザ。
【請求項17】
前記オイルガイド部材は、オイルガイド綿であり、前記オイルガイド部材の前記第3の表面と前記抵抗加熱素子の前記第1の表面は、平坦な表面であることを特徴とする請求項16に記載のアトマイザ。
【請求項18】
前記抵抗加熱素子は、前記第1の接続部及び前記第2の接続部にそれぞれ接続された2つの導電ピンをさらに含み、各導電ピンは、対応する接続部に電気的に接続され、各導電ピンは、湾曲部を介して対応する接続部に接続され、各導電ピンと対応する接続部は、前記霧化ブラケットによって互いに分離され、前記2つの導電ピンは、それぞれ前記霧化ブラケットの下面に位置し、且つ前記霧化ブラケットの外部に露出し、前記2つの導電ピンは、それぞれ前記霧化ブラケットの下面に接触していることを特徴とする請求項16に記載のアトマイザ。
【請求項19】
前記霧化ブラケットは、底板と、前記底板の周縁から上方に延びる側壁とを含み、前記霧化ブラケットには、受容キャビティが形成され、前記オイルガイド部材は、前記受容キャビティに配置され、前記霧化ブラケットの底板は、前記霧化開口によって貫通され、前記オイルガイド部材は、前記受容キャビティに完全に収容され、前記オイルガイド部材の前記第4の表面は、前記霧化ブラケットの側壁の上面よりも低く、前記霧化ブラケットには、中空チャンバが形成されており、前記中空チャンバは、前記オイルガイド部材の前記第4の表面と前記霧化ブラケットの前記側壁に囲まれていることを特徴とする請求項16に記載のアトマイザ。
【請求項20】
前記アトマイザは、前記霧化ブラケットの上方に配置されたオイルガイドブラケットをさらに備え、前記オイルガイドブラケットの下端には、環状の押圧壁が設けられ、前記押圧壁は、前記中空チャンバ内に延在し、且つ前記オイルガイド部材の前記第4の表面の周縁に当接することを特徴とする請求項19に記載のアトマイザ。
【請求項21】
前記オイルガイドブラケットの下端には、互いに反対側に位置する2つのバッフルがさらに設けられ、前記押圧壁は、前記2つのバッフルの間に位置し、前記押圧壁と前記2つのバッフルとの間には、隙間が形成され、前記霧化ブラケットの側壁は、前記隙間に挿入されることを特徴とする請求項20に記載のアトマイザ。
【請求項22】
前記オイルガイドブラケットの上端は、両側に2つの第1の液体注入孔が設けられ、前記アトマイザは、さらにオイルリザーバを備え、前記オイルリザーバは、煙油を貯蔵するための油貯留チャンバを含み、各第1の液体注入孔は、前記油貯留チャンバと前記オイルガイド部材とを連通していることを特徴とする請求項20に記載のアトマイザ。
【請求項23】
前記オイルガイドブラケットの上端の中部には、第1の排気孔が設けられ、前記オイルリザーバには、前記油貯留チャンバから隔離された排煙通路が設けられ、前記霧化ブラケットと前記オイルリザーバとの間には、排気通路が形成され、前記第1の排気孔は、前記排気通路と前記排煙通路とを連通することを特徴とする請求項22に記載のアトマイザ。
【請求項24】
前記アトマイザは、前記オイルガイドブラケットの上方に設けられるシールカバーをさらに備え、前記シールカバーは中部に第2の排気孔が設けられており、前記第2の排気孔は、前記排煙通路と前記第1の排気孔とを連通し、
前記シールカバーは、両側に前記第1の液体注入孔に対応する第2の液体注入孔がそれぞれ設けられ、各前記第2の液体注入孔は、前記油貯留チャンバを1つの対応する前記第1の液体注入孔と連通することを特徴とする請求項23に記載のアトマイザ。
【請求項25】
前記アトマイザは、前記霧化ブラケットの下方に設けられる霧化ベースをさらに備え、前記霧化ベースは、外管の底部の開口端に取り付けられ、
前記霧化ベースは、底板と、前記底板の周囲から上方に延びて形成される側壁とを含み、前記霧化ベースの前記底板には、吸気孔が設けられ、外部気流は、前記吸気孔から前記外管の内部に入り込んで、霧化によって発生した煙を伴い、前記排気通路、前記第1の排気孔、前記第2の排気孔及び前記排煙通路を経由して排出されることを特徴とする請求項23に記載のアトマイザ。
【請求項26】
前記霧化ベースの前記底板の内面には、2つの位置決めピンが上方に延設され、前記アトマイザは、2つの導電電極をさらに備え、
2つの前記導電電極は、それぞれ2つの前記位置決めピン内に挿入され、2つの前記導電電極の先端は、それぞれ前記抵抗加熱素子の2つの前記導電ピンに導電接触し、
前記アトマイザは、吸油部材をさらに含み、前記吸油部材は、前記霧化ベースの前記底板の内面に設けられ、且つ2つの前記位置決めピンに被覆されていることを特徴とする請求項25に記載のアトマイザ。
【請求項27】
請求項16~26の何れかに記載のアトマイザを含むことを特徴とする電子タバコ。
【発明の詳細な説明】
【関連出願との相互参照】
【0001】
本開示は、2022年1月30日に出願された米国仮特許出願第63/304,624号に基づき且つその優先権を主張し、さらに、2022年3月24日に出願された中国特許出願第202210296451.9号と実用新案登録第202220659265.2号の優先権、及び2022年5月9日に出願された中国特許出願第202210499959.9号と実用新案登録第202221099745.4号の優先性を主張する。上記出願のすべての内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、電子霧化技術分野に関し、特に加熱アセンブリ、アトマイザ及び当該アトマイザを有する電子タバコに関する。
【背景技術】
【0003】
アトマイザは電子アトマイズ製品のコア部分であり、アトマイザの品質の信頼性は、アトマイズ製品全体の品質を決定している。
【0004】
従来のアトマイズ構造の1つは、セラミックス多孔性材質の表面が加熱スラリーにより印刷されて被覆されるか、またはその表面に金属抵抗発熱体が埋め込まれていることである。この2つの方法はいずれも多孔性セラミックスを油伝導性材料として、煙油を抵抗発熱体の表面に吸着させて、抵抗発熱体の通電動作時に熱を発生して、煙油を霧化する。これらの方式のアトマイズ構造に関しては、セラミックスの成形プロセスは複雑であり、良品率が低く、セラミックスの一致性が悪いため、製品のコストが高くなり、かつセラミックスのオイル伝導性がやや悪く、焦げ臭い匂いや口当たりがやや劣るなどの欠点が生じ易い。
【0005】
別の従来のアトマイズ構造は、横方向綿芯の表面に螺旋状の抵抗発熱糸が巻き付けられ、横方向綿芯は抵抗発熱糸の表面に煙油を吸着し、抵抗発熱糸の通電動作時に熱を発生して、煙油を霧化する。このようなアトマイズ構造の横方向綿芯は極めて変形し易いため、組み立てが困難であり、また油伝導距離が長く、焦げ臭い匂いが発生し易い。
【0006】
もう1つの従来のアトマイズ構造は、縦方向綿芯の抵抗発熱体の外表面にオイルガイド綿が包まれ、抵抗発熱体の内側が中空状態になっている。外面に包まれたオイルガイド綿は、煙油を抵抗発熱体の表面に吸着し、抵抗発熱糸の通電動作時に熱を発生させて煙油を霧化する。この方式の縦方向綿芯は多くの部品で構成され、組み立てが複雑であるため、製品のコストが高くなる。
【0007】
以上のように、既存のアトマイズ構造はいずれも製品の品質安定性と自動化生産の要求を満たすことができない。
【発明の概要】
【0008】
上記に鑑みて、本開示の目的は、製品の品質整合性が悪く、組み立てが困難であり、コストが高いという問題を少なくとも部分的に解決するために、品質の安定性が高く、自動化生産と組み立てが可能な加熱アセンブリ及びアトマイザを提供することである。
【0009】
本発明の実施形態は、アトマイザに用いられる加熱アセンブリを提供し、前記加熱アセンブリは、抵抗加熱素子と霧化ブラケットとを含み、前記抵抗加熱素子は、前記霧化ブラケットと結合し、第1の接続部と、第2の接続部と、加熱フェンスとを含み、前記第1の接続部と前記第2の接続部は、前記加熱フェンスを介して互いに連接されており、前記霧化ブラケットは、前記加熱フェンスと連通する霧化開口を含む。
【0010】
本発明の一実施形態は、さらにアトマイザを提供し、当該アトマイザは、霧化ブラケット、抵抗加熱素子及びオイルガイド部材を含み、前記抵抗加熱素子は、前記霧化ブラケットと結合し、第1の接続部と、第2の接続部と、加熱フェンスとを含み、前記第1の接続部と前記第2の接続部は、前記加熱フェンスを介して互いに連接されており、前記霧化ブラケットは、前記加熱フェンスと連通する霧化開口を含む。前記抵抗加熱素子は、前記オイルガイド部材に面する第1の表面と前記オイルガイド部材から離れる第2の表面とを含み、前記オイルガイド部材は、前記抵抗加熱素子に面する第3の表面と、前記抵抗加熱素子から離れる第4の表面とを含み、前記オイルガイド部材は、前記抵抗加熱素子の上に設けられ、前記オイルガイド部材の前記第3の表面は、前記抵抗加熱素子の前記第1の表面に接触している。
【0011】
本発明の一実施形態は、また、上述したアトマイザを備える電子タバコを提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の実施形態によって提供される加熱アセンブリ及びアトマイザにおいて、抵抗加熱素子は霧化ブラケットと組み合わされて加熱アセンブリを形成する。このような加熱アセンブリは簡単に組み立てることができ、自動化組立と生産を実現することができ、生産効率と製品の安定性を効果的に高め、霧化構造の品質一致性を効果的に保証することができる。これと同時に、オイルガイド部材は加熱アセンブリにおける抵抗加熱素子と十分かつ密接に接触し、霧化効果を効果的に改善し、霧化過程における焦げ臭い匂いの発生が喫煙の味に影響を与えることを回避する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1の実施形態よるアトマイザの部分分解図である。
【
図3】
図1のアトマイザの異なる視点からの完全な分解図である。
【
図5】
図4のA-A線に沿ったアトマイザの断面図である。
【
図6】
図4のB-B線に沿ったアトマイザの断面図である。
【
図7】
図1におけるアトマイザの加熱アセンブリとオイルガイド部材との斜視図である。
【
図8】
図7における加熱アセンブリとオイルガイド部材との組立図である。
【
図9】
図8における加熱アセンブリとオイルガイド部材とを別の視点から見た図である。
【
図10】抵抗加熱素子と霧化ブラケットとが嵌入結合された後に抵抗加熱素子の両端が折り曲げられずに導電ピンが形成されていない場合の構造模式図である。
【
図11】
図8における加熱アセンブリとオイルガイド部材とが組み立てられた後のC-C断線に沿った断面図である。
【
図12】本発明の別の例によるアトマイザの加熱アセンブリの構造図である。
【
図13】
図12に示すアトマイザの加熱ユニットの別の視角の構成図である。
【
図14】
図12に示すアトマイザの加熱ユニットの第1方向に沿った断面図である。
【
図15】
図12に示すアトマイザの加熱ユニットの第2方向に沿った断面図である。
【
図16】
図12に示すアトマイザの加熱アセンブリの部分拡大図である。
【
図17】膨張状態にある加熱ユニットの抵抗加熱素子の構成図である。
【
図18】本開示の第2の実施形態によるアトマイザアトマイザの分解図である。
【
図20】
図19のD-D線に沿ったアトマイザの断面図である。
【
図21】
図20におけるアトマイザの内部の気流方向を示す模式図である。
【
図22】
図18におけるアトマイザの抵抗加熱素子、霧化ブラケット及び霧化ベースの組立図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施形態における技術的態様を、本開示の実施形態における図面を参照して明確かつ完全に説明する。明らかに、説明された実施形態は本開示の実施形態の一部であり、すべての実施形態ではない。本開示の実施形態に基づいて、当業者が創造的な作業なしに取得した他のすべての実施形態は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0015】
なお、本明細書では、「第1」及び「第2」などの関係用語は、1つのエンティティまたは操作を別のエンティティまたは操作と区別するためにのみ使用され、必ずしもこれらのエンティティまたは操作間にそのような実際の関係または順序が存在することを要求または暗示するものではないことに留意すべきである。
【0016】
[第1の実施形態]
図1~
図6に示すように、本発明の第1の実施形態によるアトマイザ100は、オイルリザーバ110と、霧化ブラケット120と、抵抗加熱素子130と、オイルガイド部材140とを備える。ここで、霧化ブラケット120、抵抗加熱素子130及びオイルガイド部材140は、オイルリザーバ110内に収容されている。
【0017】
図7~
図11に示すように、抵抗加熱素子130は、霧化ブラケット120と結合され、オイルガイド部材140は、抵抗加熱素子130の上に設置されている。抵抗加熱素子130は、シート状構造であり、金属シートからなる。抵抗加熱素子130は、第1接続部134Aと、第2の接続部134Bと、加熱フェンス135と、オイルガイド部材140に面する第1の表面131と、オイルガイド部材140から離れる第2の表面132とを含む。第1の表面131は、抵抗加熱素子130の上面であり、第2の表面132は、抵抗加熱素子130の下面である。霧化ブラケット120は、加熱フェンス135と連通する霧化開口126を含む。オイルガイド部材140は、抵抗加熱素子130に面する第3の表面143と、抵抗加熱素子130から離れる第4の表面144とを含む。ここで、第3の表面143はオイルガイド部材140の下面であり、第4の表面144はオイルガイド部材140の上面である。オイルガイド部材140の第3の表面143は、抵抗加熱素子130の第1の表面131に貼り合わせられて接触する。
【0018】
本実施形態では、抵抗加熱素子130は、霧化ブラケット120と結合し、その後、オイルガイド部材140は抵抗加熱素子130と直接に貼り合わせられて接触する。これにより、組み立てが簡単であり、自動化組立と生産を実現でき、生産効率と製品の安定性を効果的に高め、霧化構造の品質の一致性を効果的に確保することができる。また、抵抗加熱素子130は、オイルガイド部材140と十分かつ密接に接触しており、霧化効果を効果的に改善し、霧化時に焦げ臭い匂いが発生して喫煙の味に影響を与えないようにする。
【0019】
図7~
図11に示すように、具体的には、抵抗加熱素子130の第1の表面131と第2の表面132は、いずれも平坦な表面平坦な表面であり、且つ互いに平行である。オイルガイド部材140は、ブロック構造を有する。オイルガイド部材140の第3の表面143と第4の表面144は、いずれも平坦な表面であり、且つ互いに平行である。オイルガイド部材140は、煙油を均一に吸収させて、抵抗加熱素子130に輸送して、霧化効果をさらに高めることができる。オイルガイド部材140は、オイルガイド綿であってもよい。
【0020】
抵抗加熱素子130は、中央をくり抜いた複数の貫通孔133を備えており、加熱フェンス135を形成している。これにより、抵抗加熱素子130は、第1の接続部134A、第2の接続部134B及び加熱フェンス135を形成するようになる。第1の接続部134A、第2の接続部134B及び加熱フェンス135は、同一平面内に位置している。加熱フェンス135は、抵抗加熱素子130の中間に位置する。第1の接続部134Aと第2の接続部134Bは、抵抗加熱素子130の長手方向に沿ってそれぞれ加熱フェンス135の2つの反対側に位置する。従って、加熱フェンス135は、第1接続部134Aと第2接続部134Bとの間に位置するようになり、第1の接続部134Aと第2の接続部134Bとは、加熱フェンス135により互いに接続されている。加熱フェンス135は、隣接する貫通孔133の間に複数の抵抗加熱ワイヤ1351を形成するので、加熱フェンス135は抵抗加熱素子130の加熱部分である。霧化によって発生した煙は、これらの貫通孔133を通ってアトマイザ100内の気流通路に入り、アトマイザに入った外部気体によって取り除かれて、ユーザーが吸えるようになる。
【0021】
抵抗加熱素子130は、第1の接続部134A及び第2の接続部134Bにそれぞれ接続された第1及び第2導電ピン136A、136Bをさらに含み、各導電ピン136A、136Bは、対応する接続部134A、134Bに電気的に接続されている。本実施形態では、各導電ピン136A、136Bは細長い板状であり、各導電ピン136A、136Bは湾曲部139を介して対応する接続部134A、134Bに接続されている。各導電ピン136A、136Bと対応する接続部134A、134Bは、霧化ブラケット120によって互いに分離されている。各導電ピン136A、136Bは、それぞれ霧化ブラケット120の下面に位置し、霧化ブラケット120の外部に露出している。また、各導電ピン136A及び136Bは、それぞれ霧化ブラケット120の下面に接触している。
【0022】
本実施形態では、各導電ピン136A、136Bは、抵抗加熱素子130の2つの対向端から霧化ブラケット120の外部にそれぞれ延在し、下方及び内側に湾曲して形成されている。具体的には、各導電ピン136A、136Bは、それぞれ2つの接続部134A、134Bから下方向及び内方向に湾曲して形成されている。各導電ピン136A、136Bは霧化ブラケット120の下面に露出される。これにより、露出された導電ピン136A、136Bによる導電電極175(
図5を参照)との電気的接続を容易にすることができる。
【0023】
抵抗加熱素子130は金属製であり、例えば、抵抗加熱素子130の材料は、ニッケルクロム合金、鉄-クロム-アルミニウム、S316Lステンレスまたは他の合金材料であってもよい。霧化ブラケット120は、熱分解温度が高く、急速な温度変化に耐えることができる熱可塑性材料からなり、例えば、プラスチック、ゴム、またはシリコーン樹脂で作られる。抵抗加熱素子130は、インサート射出プロセス(insert molding)によって霧化ブラケット120と結合される。具体的には、霧化ブラケット120を作製する際に、抵抗加熱素子130を金型(図示せず)のキャビティに入れ、金型のキャビティ内に溶融プラスチック、ゴムまたはシリコーン樹脂を注入し、溶融プラスチック、ゴムまたはシリコーン樹脂を抵抗加熱素子130の外周に塗布し、冷却後に霧化ブラケット120を形成し、抵抗加熱素子130を霧化ブラケット120に少なくとも部分的に嵌め込み、第1の接続部134A及び第2の接続部134Bの底面及び外縁、並びに加熱フェンス135の外縁は霧化ブラケット120と一体化されている。
【0024】
図10及び
図11に示すように、抵抗加熱素子130がインサート射出により霧化ブラケット120内に埋め込まれた後、抵抗加熱素子130の両端は霧化ブラケット120の外側に水平に伸びている(
図10を参照)。次に、抵抗加熱素子130の両端をツール(図示せず)を用いて下向き及び内側に折り曲げて2つの導電ピン136A、136B(
図11を参照)を形成する。第1の導電ピン136A及び第2の導電ピン136Bは、湾曲部139を介して第1の接続部134A及び第2の接続部134Bとそれぞれ接続され、且つそれぞれ第1の接続部134A及び第2の接続部134Bの下方に位置している。また、2つの導電ピン136A、136Bは、霧化ブラケット120の外部に露出されている。具体的には、各導電ピン136A、136Bは、霧化ブラケット120の底板121の下面に貼り合わせられて接触する。
【0025】
抵抗加熱素子130は、霧化ブラケット120と組み合わされて、加熱アセンブリとなる。
【0026】
図7~
図11に示すように、霧化ブラケット120は、底板121と、底板121の周囲から上方に延びて形成された側壁122とを含む。霧化ブラケット120内に受容キャビティ123が形成され、受容キャビティ123は、霧化ブラケット120の底板121と側壁122とで囲まれて形成され、受容キャビティ123の上端に開口123Aが形成されている。霧化開口126は、底板121の中間に設けられ、且つ底板121の上面及び下面を貫通している。霧化開口126は、加熱フェンス135に連通している。即ち、加熱フェンス135は、霧化開口126に対応する位置に設けられ、霧化開口126と上下に位置合わせされている。霧化開口126は受容キャビティ123に連通し、加熱フェンス135は霧化開口126の上方に露出して位置し、加熱フェンス135は霧化開口126の上に跨っている。
【0027】
本実施形態では、加熱フェンス135が受容キャビティ123内に露出する表面積が霧化開口126内に露出する他の表面積よりも大きくなるように、霧化開口126のサイズは底板121よりも遥かに小さい。あるいは、加熱フェンス135のオイルガイド部材140に接触するための表面積は、加熱フェンス135の霧化開口126に面する他の表面面積よりも大きい。
【0028】
図9及び
図11に示すように、抵抗加熱素子130の第2の表面132は霧化ブラケット120の底板121の下面よりも高く、両者の間には特定の距離、好ましくは0.5mm~2.0mmの距離が形成されている。
【0029】
オイルガイド部材140の外形輪郭は受容キャビティ123の形状にマッチングしており、オイルガイド部材140は受容キャビティ123の上端の開口123Aを通って受容キャビティ123内に配置されている。オイルガイド部材140は、霧化ブラケット120の受容キャビティ123内に平らに設けられている。オイルガイド部材140は、霧化ブラケット120と抵抗加熱素子130から独立して設けられており、受容キャビティ123内に分離可能に収容されている。即ち、オイルガイド部材140は受容キャビティ123内に収容されるかまたは受容キャビティ123から取り出されることが可能である。オイルガイド部材140は油吸着能力を有するが、霧化ブラケット120は油を吸着する能力を有していない。霧化ブラケット120は、抵抗加熱素子130と結合し、オイルガイド部材140を収容して支持するために用いられる。オイルガイド部材140を受容キャビティ123内に拘束することにより、オイルガイド部材140によって受容キャビティ123内に吸収された煙油は、霧化のために抵抗加熱素子130にしか供給できず、煙油の漏れ及び霧化中の飛散を効果的に防止することができる。
【0030】
図7及び
図11に示すように、霧化ブラケット120の底板121は、オイルガイド部材140の第3の表面143に貼り合わせられて接触する支持面124を含む。具体的には、支持面124は、底板121の上面である。抵抗加熱素子130の第1の表面131は、底板121の上面と面一であり、即ち、加熱フェンス135の上面及び各接続部134A、134Bの上面は底板121の上面と同一平面内に位置している。抵抗加熱素子130の第1の表面131は、霧化ブラケット120の底板121の外に露出する。即ち、各接続部134A、134Bの上面と加熱フェンス135の上面とは、霧化ブラケット120の底板121の外に露出している。オイルガイド部材140が受容キャビティ123内に配置されると、オイルガイド部材140の第3の表面143は抵抗加熱素子130の第1の表面131及び底板121の上面(即ち、支持面124)と密着するため、オイルガイド部材140は霧化ブラケット120の受容キャビティ123内に平らに設置される。具体的には、オイルガイド部材140の第3の表面143は、加熱フェンス135の上面、抵抗加熱素子130の各接続部134A、134Bの上面、及び底板121の上面(即ち、支持面124)に接触している。
【0031】
図11に示すように、各導電ピン136A、136Bは底板121の下面にそれぞれ貼り合わせられて接触し、各接続部134A、134Bは底板121の上面にそれぞれ位置し、各接続部134A、134Bは対応する導電ピン136A、136Bの上方に位置している。各接続部134A、134Bと対応する導電ピン136A、136Bは、底板121の上面と下面に対向して配置されている。各接続部134A、134Bと対応する導電ピン136A、136Bとは、霧化ブラケット120の底板121を介して分離される。また、各接続部134A、134Bと対応する導電ピン136A、136Bとは、湾曲部139を介して接続される。接続部134A、134B、加熱フェンス135、導電ピン136A、136B及び湾曲部139は、一体構造である。
【0032】
図8及び
図11に示すように、オイルガイド部材140が受容キャビティ123内に完全に収容されると、オイルガイド部材140の第4の表面144は霧化ブラケット120の側壁122の上面よりも低い。これにより、霧化ブラケット120内には中空チャンバ(空洞)123Bが形成されている。中空チャンバ123Bは、オイルガイド部材140の第4の表面144と霧化ブラケット120の側壁122とに囲まれる。
【0033】
図2、
図3、
図5及び
図6に示すように、アトマイザ100はオイルリザーバ110内に収容されたオイルガイドブラケット150をさらに含む。オイルガイドブラケット150は、霧化ブラケット120の上方に設置される。オイルガイドブラケット150の底端には、環状の押圧壁151が設けられ、押圧壁151は中空チャンバ123B内に伸び且つオイルガイド部材140の第4の表面144の外周周縁と当接する。押圧壁151がオイルガイド部材140に下向きの押圧力を加えることにより、オイルガイド部材140が押圧壁151と霧化ブラケット120の底板121との間に挟み込まれて、オイルガイド部材140の緩み変位を防止することができ、しかも、オイルガイド部材140は、抵抗加熱素子130によりよく密着し、霧化効果をさらに改善することができる。
【0034】
オイルガイドブラケット150の底端には、2つのバッフル152が対向して設けられている。押圧壁151は、2つのバッフル152の間に位置している。押圧壁151と2つのバッフル152との間には、隙間153が形成されている。霧化ブラケット120の側壁122は、隙間153内に挿入される。霧化ブラケット120の側壁122を隙間153内に規制することにより、霧化ブラケット120をアトマイザ100内に安定して取り付けることができる。
【0035】
隙間153内には、霧化ブラケット120の側壁122の上面とオイルガイドブラケット150の下端面との間に挟み込まれるシールパッド181が設けられている。シールパッド181は、シート状構造であり、中部に押圧壁151が貫通する貫通孔(図示せず)が設けられている。シールパッド181は、受容キャビティ123内に吸着された煙油が側壁122の上面から漏れるのを防止することができる。
【0036】
オイルガイドブラケット150の先端は両側に2つの第1の液体注入孔154が設けられており、オイルリザーバ110内には油貯留チャンバ111が設けられており、各第1の液体注入孔154は油貯留チャンバ111とオイルガイド部材140とを連通することにより、油貯留チャンバ111内の煙油が第1の液体注入孔154を介してオイルガイド部材140に伝送されることができる。
【0037】
オイルガイドブラケット150の先端は中央部に第1の排気孔155が設けられ、第1の排気孔155は2つの第1の液体注入孔154の間に位置し、オイルリザーバ110内には油貯留チャンバ111から隔離された排煙通路112が設けられ、霧化ブラケット120の側壁122とオイルリザーバ110との間には排気通路113(
図6を参照)が形成されている。第1の排気孔155は排煙通路112と排気通路113とを連通させることで、アトマイザ100内の気流は排気通路113及び第1の排気孔155を経由して排煙通路112に流れる。
【0038】
アトマイザ100は、オイルリザーバ110内に収容されたシールカバー160をさらに含む。シールカバー160は、オイルガイドブラケット150の上方に設けられている。シールカバー160は、中央部に第2の排気孔161が設けられており、第2の排気孔161は、排煙通路112と第1の排気孔155とを連通させることで、アトマイザ100内の気流は、排気通路113、第1の排気孔155及び第2の排気孔161を順次に経由して排煙通路112に流れることができる。シールカバー160の両側には、2つの第1液体注入孔154にそれぞれ対応する2つの第2の液体注入孔162が設けられている。各第2の液体注入孔162が油貯留チャンバ111を対応する1つの第1の液体注入孔154に連通させることにより、油貯留チャンバ111内の煙油は第2の液体注入孔162、第1の液体注入孔154を順次に経由してオイルガイド部材140に伝送される。
【0039】
オイルリザーバ110は、外管114と、外管114内に位置する内管115とを含む。外管114の底端は開口端であり、内管115は外管114の先端に接続されている。油貯留チャンバ111は、外管114と内管115との間に形成されている。具体的には、油貯留チャンバ111は、内管115の周りに設けられた環状の溝である。排煙通路112は内管115の内部に形成され、排気通路113は霧化ブラケット120の側壁122と外管114の内壁との間に形成されている。本実施形態では、内管115は外管114の先端と一体構造であり、即ち、内管115は外管114と一体に成形される。
【0040】
シールカバー160は側壁163を有し、オイルガイドブラケット150はその先端に側壁156を有し、シールカバー160の側壁163はオイルガイドブラケット150の先端の側壁156と外管114の内壁との間に介在し、内管115の底端は第2の排気孔161内に挿入されている。これにより、内管115の底端の外壁とシールカバー160とが密着され、油貯留チャンバ111内の煙油の漏れを防止する。
【0041】
アトマイザ100は、霧化ブラケット120の下方に設けられ、且つ外管114の底部の開口端に取り付けられた霧化ベース170をさらに含む。霧化ベース170は、底板171と、底板171の周囲から上方に延びて形成された側壁172とを含む。霧化ベース170の底板171には吸気孔173が設けられ、外部気流が吸気孔173を介して外管114内に入り込み、霧化によって発生した煙を伴って順次に、排気通路113、第1の排気孔155、第2の排気孔161及び排煙通路112を介して排出されて、ユーザーが吸えるようにする。
【0042】
アトマイザ100は、オイルリザーバ110内に収容されたシールリング182をさらに備える。シールリング182は、環状構造を有する。シールリング182は、霧化ベース170の側壁172と外管114の内壁との間に挟まれて、外管114の下端の開口端から煙油が漏れるのを防止する。
【0043】
霧化ベース170の底板171の内面には、2つの位置決めピン174が上方へ延設されている。アトマイザ100は、2つの導電電極175をさらに備える。2つの導電電極175は、それぞれ2つの位置決めピン174内に挿入される。しかも、2つの導電電極175の先端は、それぞれ抵抗加熱素子130の2本の導電ピン136A、136Bと導通する。2つの導電電極175の底端がオイルリザーバ110の外部に露出しているため、2つの導電電極175は電源装置(図示せず)とさらに導電接続するのが便利になる。
【0044】
アトマイザ100は、オイルリザーバ110内に収容された吸油部材183をさらに備える。吸油部材183は、シート状構造であり、霧化ベース170の底板171の内面に設置され、且つ2つの位置決めピン174を包むように設けられる。吸油部材183は、霧化動作時に発生する凝縮液または煙油を吸収し、凝縮液や煙油の流出を防止することができる。吸油部材183は、油吸収綿または他の油吸収機能を有する材質である。
【0045】
図9~
図11に示すように、霧化ブラケット120の底板121の中央部には、霧化開口126が貫通して設けられ、抵抗加熱素子130の中央部には加熱フェンス135が形成され、加熱フェンス135は霧化開口126に対応して設けられている。霧化によって発生した煙は、加熱フェンス135及び霧化開口126を介してアトマイザ100内の気流通路に入り込み、アトマイザ100内に入り込んだ外部気流によって取り除かれて、ユーザーが吸えるようになる。
【0046】
アトマイザ100が動作する時に、
図5における液体方向の矢印で示されるように、オイルリザーバ110の油貯留チャンバ111内に貯留された煙油は、シールカバー160における第2の液体注入孔162及びオイルガイドブラケット150における第1の液体注入孔154を通過してオイルガイド部材140の第4の表面144に到着し、オイルガイド部材140によって吸収されて抵抗加熱素子130と緊密に接触する第3の表面143上に伝送される。通電動作時に、抵抗加熱素子130は熱を発生し、抵抗加熱素子130の第1の表面131に接触した煙油を霧化して煙を形成し、霧化により形成される煙は加熱フェンス135と霧化開口126を透過して霧化ベース170の空洞部に入り込む。
図6における気流方向の矢印で示すように、外部空気は霧化ベース170における吸気孔173から霧化ベース170の空洞部に入り、霧化により形成される煙を伴って排気通路113、第1の排気孔155、第2の排気孔161、及び排煙通路112を介して排出されて、ユーザーが吸えるようにする。
【0047】
本実施形態では、抵抗加熱素子は、プラスチック、ゴム又はシリコーン樹脂からなる霧化ブラケットと結合し、加熱アセンブリとなる。このような加熱アセンブリは金型を通じて自動成形と生産を実現することができ、成形後にセラミックスの要求に従って煩雑な後処理を行う必要がなく、生産効率と製品の安定性を効果的に高め、霧化構造の品質一致性を効果的に保証する。
【0048】
本実施形態では、加熱アセンブリのキャビティにシート状のオイルガイド部材を装着した後に、オイルガイドブラケットを装着する。シート状のオイルガイド部材はオイルガイドブラケットの下向きの押圧力を受けると、加熱アセンブリの抵抗加熱素子と緊密に接触する。これにより、発熱能力とオイルガイドチャンネルを有する霧化構造が形成され、霧化効果を効果的に高め、霧化時に焦げ臭い匂いが発生して喫煙の味に影響を与える問題を回避する。
【0049】
図12~
図17は、第1の実施形態における加熱アセンブリの別の例を示す。加熱アセンブリ10は、霧化ブラケット120と、霧化ブラケット120に少なくとも部分的に埋め込まれた抵抗加熱素子130とを含む。霧化ブラケット120は、底板121と、底板121の周辺から上方に延びる側壁122とを含む。受容キャビティ123は、底板121と側壁122との間に形成されている。霧化開口126は、底板121を貫通するように設けられている。抵抗加熱素子130の加熱フェンス135は、霧化開口126を跨っている。加熱フェンス135の上面と底板121の上面は、同一平面内に位置している。底板121は、2つの傾斜部1211を有する。2つの傾斜部1211は、第1の方向(例えば、霧化ブラケット120の幅方向)に沿って底板121の2つの反対する側に位置している。霧化開口126は、2つの傾斜部1211の間に位置する。各傾斜部1211の厚さは、側壁122から霧化開口126にかけて徐々に減少していく。本実施形態では、抵抗加熱素子130は、例えば、ニッケルクロム合金、鉄-クロム-アルミニウム、S316Lステンレスまたは他の金属、金属合金材料からなる金属板である。霧化ブラケット120は、熱分解温度の高い熱可塑性材料で作られ、急速な温度変化に耐えることができる。例えば、霧化ブラケット120は、プラスチック、ゴム、またはシリコーン樹脂からなる。抵抗加熱素子130は、インサート射出成形プロセスによって霧化ブラケット120と結合することができる。
【0050】
加熱アセンブリ10では、加熱フェンス135の上面と底板121の上面は、同一平面内に位置している。オイルガイド部材140が受容キャビティ123に取り付けられると、オイルガイド部材140は加熱フェンス135に接触し、霧化過程における燃焼臭の喫煙への影響を回避して、霧化効果を効果的に高める。傾斜部1211の厚さは、側壁122から霧化開口126にかけて徐々に減少していく。傾斜部1211の射出成形過程では、霧化開口126に近い側の傾斜部1211の厚さが小さいため、射出成形材料は加熱フェンス135に流れず、加熱フェンス135を汚染しない。即ち、霧化開口126に位置する傾斜部1211の縁部は射出材料の粗縁を形成せず、これにより二次加工(粗縁を除去する)を効果的に回避でき、生産効率の向上、生産コストの低減、製品の高品質と安定性の確保に有利である。
【0051】
また、
図14及び
図17に示すように、傾斜部1211は、底板121の底部に傾斜面1212を形成している。即ち、傾斜部1211は、頂部に平坦な面を有し、底部に傾斜面1212を有している。傾斜面1212は、底板121の下面から凹んでおり、且つ側壁122から霧化開口126に向かって上向きに傾斜している。傾斜部1211の頂部の平坦面は、底板121の上面の一部である。加熱フェンス135は、第1の方向(即ち、霧化ブラケット120の幅方向)に沿って対向して配置された2つの嵌入部1352を含む。2つの嵌入部1352は、それぞれ2つの傾斜部1211に対応して配置されている。嵌入部1352は、互いに離間する複数の嵌入脚1353を含む。嵌入脚1353は、少なくとも部分的に霧化ブラケット120に埋め込まれている。2つの隣接する嵌入脚1353の間には、少なくとも部分的に霧化開口126の直上に位置するノッチ1350が形成されている。
【0052】
また、
図14に示すように、嵌入脚1353は、サスペンションセグメント1354、第4の嵌入セグメント1355及び第5の嵌入セグメント1356を含む。サスペンションセグメント1354は、霧化開口126に対応して配置される。第4の嵌入セグメント1355の下面は、傾斜部1211に埋め込まれる。第4の嵌入セグメント1355の上面は、受容キャビティ123において露出している。第5の嵌入セグメント1356は、傾斜部1211と側壁122との接続部位に埋め込まれる。
【0053】
また、
図14及び
図17に示すように、加熱フェンス135の中間には複数の貫通孔133が設けられている。抵抗加熱ワイヤ1351は、2つの隣接する貫通孔133の間に配置されている。抵抗加熱ワイヤ1351は、2つの嵌入部1352の間に接続されており、且つ霧化開口126に対応して配置されている。加熱フェンス135が通電されると、抵抗加熱ワイヤ1351と嵌入部1352の両方に熱が発生するか、抵抗加熱ワイヤ1351のみに熱が発生する。
【0054】
オプションとして、加熱フェンス135は、第1の方向(即ち、霧化ブラケット120の幅方向)に沿って配置された第1の部分、2つの第2の部分、及び2つの第3の部分を含む。ここで、第1の部分は、2つの第2の部分の間に接続され、2つの第3の部分はそれぞれ2つの第2の部分に接続されている。第1の部分は、霧化開口126に対応している。2つの第2の部分の下面は傾斜部1211に埋め込まれ、2つの第2の部分の上面は受容キャビティ123において露出している。2つの第3の部分は、傾斜部1211と側壁122との間の接続部位に埋め込まれている。ここで、第1の部分には複数の貫通孔133が設けられ、2つの隣接する貫通孔133の間には抵抗加熱ワイヤ1351が設けられ、第1の部分における第2の部分に近接する両端には、複数のノッチ1350が設けられている。ノッチ1350は、少なくとも部分的に霧化開口126の上方に位置している。
【0055】
また、傾斜部1211の最小厚さは、0.1mm~2mmである。
【0056】
また、
図14、
図15及び
図17に示すように、抵抗加熱素子130は、第2の方向(霧化ブラケット120の長手方向)に沿って互いに反対側に位置する第1の接続部134A、第2の接続部134Bをさらに含む。ここで、前記第2の方向は、前記第1の方向と直交している。第1及び第2の接続部134A、134Bは、熱を発生するために通電されてもよい。加熱フェンス135は、第1の接続部134Aと第2の接続部134Bとの間に接続されている。第1及び第2の接続部134A、134Bの各々は、中間セグメント1341と、前記第1の方向(即ち、霧化ブラケット120の幅方向)に沿って配置される2つの第1の嵌入セグメント1342とを含む。中間セグメント1341は、2つの前記第1の嵌入セグメント1342の間に接続される。中間セグメント1341の下面は底板121に埋め込まれ、中間セグメント1341の上面は受容キャビティ123において露出し、2つの第1の嵌入セグメント1342は底板121と側壁122との接続部位に埋め込まれる。
【0057】
また、
図14、
図15及び
図17に示すように、抵抗加熱素子130は、第2の方向(即ち、霧化ブラケット120の長手方向)に沿って互いに反対側に位置する第1及び第2の導電ピン136A、136Bをさらに含む。第1の導電ピン136Aと第2の導電ピン136Bは、第1の接続部134A及び第2の接続部134Bとにそれぞれ接続されている。ここで、第1の接続部134Aは加熱フェンス135と第1の導電ピン136Aとの間に接続されており、第2の接続部134Bは加熱フェンス135と第2の導電ピン136Bとの間に接続されている。第1の導電ピン136A及び第2の導電ピン136Bの各々は、第2の嵌入セグメント1361、第3の嵌入セグメント1362、湾曲セグメント1363及び電極セグメント1364を含む。第2の嵌入セグメント1361は、第1の接続部134Aまたは第2の接続部134Bの中間セグメント1341に接続されている。第3の嵌入セグメント1362は、第2の嵌入セグメント1361と湾曲セグメント1363との間に接続されている。湾曲セグメント1363は、第3の嵌入セグメント1362と電極セグメント1364との間に接続され、第2の嵌入セグメント1361の下面は底板121に埋め込まれ、第2の嵌入セグメント1361の上面は受容キャビティ123において露出される。第3の嵌入セグメント1362は、底板121と側壁122との接続部位に嵌入される。湾曲セグメント1363及び電極セグメント1364は、霧化ブラケット120の外部に配置され、湾曲セグメント1363は底板121の外周面に配置され、電極セグメント1364は底板121の下面に配置される。
【0058】
また、加熱フェンス135の上面、第1の接続部134A、第2の接続部134B、第1の導電ピン136A、第2の導電ピン136B及び底板121は、同一平面内に位置している。第1の導電ピン136Aと第2の導電ピン136Bは、下向き及び内向きに折り曲げられて、底板121の下面に接触する2つの電極セグメント1364を形成する。
【0059】
本実施形態では、抵抗加熱素子130は霧化ブラケット120に結合され、オイルガイド部材140は霧化ブラケット120に収容され且つ抵抗加熱素子130と直接に接触する。これにより、組み立てが簡単であり、自動化組立と生産を実現でき、生産効率と製品の安定性を効果的に高めることができ、そしてアトマイザの品質一致性を効果的に確保する。また、抵抗加熱素子130は、オイルガイド部材140と直接かつ完全に接触し、霧化効果を効果的に改善し、霧化中の焦げ臭い匂いが喫煙の味に影響を与えることを回避する。
【0060】
[第2の実施形態]
図18~
図21に示すように、本発明の第2の実施形態によるアトマイザ100は、オイルリザーバ110と、霧化ブラケット120と、抵抗加熱素子130と、オイルガイド部材140とを備える。ここで、霧化ブラケット120、抵抗加熱素子130及びオイルガイド部材140は、オイルリザーバ110内に収容されている。
【0061】
図20~
図25に示すように、抵抗加熱素子130は霧化ブラケット120と結合され、オイルガイド部材140は抵抗加熱素子130の上に設置されている。抵抗加熱素子130は、シート状構造であり、金属シートからなる。抵抗加熱素子130は、第1の接続部134A、第2の接続部134B、加熱フェンス135、オイルガイド部材140に面する第1の表面131と、オイルガイド部材140から離れる第2の表面132とを含む。ここで、第1の接続部134Aと第2の接続部134Bは、加熱フェンス135によって互いに接続されており、第1の表面131は抵抗加熱素子130の上面であり、第2の表面132は抵抗加熱素子130の下面である。霧化ブラケット120は、加熱フェンス135と連通する霧化開口126を備える。オイルガイド部材140は、抵抗加熱素子130に面する第3の表面143と、抵抗加熱素子130から離れる第4の表面144とを含む。ここで、第3の表面143はオイルガイド部材140の下面であり、第4の表面144はオイルガイド部材140の上面である。オイルガイド部材140の第3の表面143は、抵抗加熱素子130の第1の表面131と接触している。
【0062】
本実施形態では、抵抗加熱素子130は、霧化ブラケット120と結合された後、オイルガイド部材140は抵抗加熱素子130と直接に接触する。このように、組み立てが簡単であり、自動化組立と生産を実現でき、生産効率と製品の安定性を効果的に高め、霧化アセンブリの品質の一致性を効果的に確保することができる。また、抵抗加熱素子130は、オイルガイド部材140と完全且つ緊密に接触し、霧化効果を効果的に高め、霧化時に焦げ臭い匂いが発生して喫煙の味に影響を与えないようにする。
【0063】
図26及び
図27に示すように、具体的には、抵抗加熱素子130の第1の表面131と第2の表面132は、いずれも平坦な表面であり、且つ互いに平行である。
【0064】
図18及び
図20に示すように、オイルガイド部材140は、ブロック構造を有する。オイルガイド部材140の第3の表面143と第4の表面144は、いずれも平坦な表面であり、且つ互いに平行である。オイルガイド部材140は、煙油を均一に吸収させて、抵抗加熱素子130に輸送して、霧化効果をさらに高めることができる。オイルガイド部材140は、オイルガイド綿であってもよい。
【0065】
図20、
図21、
図26及び
図27に示すように、抵抗加熱素子130の中央部に加熱フェンス135を形成するための複数の貫通孔133が設けられるため、抵抗加熱素子130は第1の接続部134A、第2の接続部134B及び加熱フェンス135を形成する。第1の接続部134A、第2の接続部134B及び加熱フェンス135は、同一平面内に位置する。加熱フェンス135は、抵抗加熱素子130の中央部に設置され、第1の接続部134A及び第2の接続部134Bは、抵抗加熱素子130の長手方向に沿って加熱フェンス135の2つの反対する側に位置される。従って、加熱フェンス135は第1の接続部134Aと第2の接続部134Bとの間に位置し、第1の接続部134Aと第2の接続部134Bとが加熱フェンス135によって互いに接続される。加熱フェンス135は、隣接する貫通孔133の間に複数の抵抗加熱ワイヤ1351を形成するので、加熱フェンス135は抵抗加熱素子130の加熱部分である。霧化によって発生した煙は、これらの貫通孔133を介してアトマイザ100内の気流通路に入り、アトマイザ100内に入った外部気流によって取り除かれて、ユーザーが吸えるようになる。
【0066】
図20~
図27に示すように、霧化ブラケット120は、天板128と、天板128の周囲から下方に延びて形成された側壁122とを含む。抵抗加熱素子130は、第1の接続部134A及び第2の接続部134Bのそれぞれに電気的に接続される2つの導電ピン136をさらに含む。本実施形態では、各導電ピン136は、細長い導線の形状をしており、水平部1365と、垂直部1366とを含む。水平部1365の一端は、対応する接続部134A、134Bに接続される。垂直部1366は、水平部1365の他端から下向きに湾曲及び延在することにより形成され、且つ天板128を貫通するように下方に延びている。霧化ブラケット120の上面には嵌合スロット127が設けられ、水平部1365が嵌合スロット127内に設けられる。これにより、抵抗加熱素子130が霧化ブラケット120の天板128内に少なくとも部分的に嵌め込まれて、抵抗加熱素子130と霧化ブラケット120との結合を実現する。下方に湾曲して延びる垂直部1366は、電源装置(図示せず)との電気的接続を容易にする。この実施形態では、垂直部1366と水平部1365とは互いに垂直であるため、90度の角度を形成している。
【0067】
抵抗加熱素子130は金属製であり、例えば、抵抗加熱素子130の材質は、ニッケルクロム合金、鉄クロムアルミニウム、S316Lステンレスなどの合金材料であってもよい。霧化ブラケット120は、熱分解温度が高く、急速な温度変化に耐えることができる熱可塑性材料からなる。例えば、霧化ブラケット120は、プラスチック、ゴム、またはシリコーン樹脂により形成されることが可能である。別の結合方式として、抵抗加熱素子130は、第1の接続部134A、第2の接続部134B及び加熱フェンス135が霧化ブラケット120内に嵌め込まれるように、インサート成形(insert molding)プロセスにより霧化ブラケット120と一体に結合される。具体的には、霧化ブラケット120を作製する際に、抵抗加熱素子130を金型(図示せず)のキャビティ内に入れた後、金型のキャビティ内に溶融したプラスチック、ゴムまたはシリコーン樹脂を注入し、溶融したプラスチック、ゴムまたはシリコーン樹脂を抵抗加熱素子130の外周に被覆し、冷却後に、霧化ブラケット120が形成される。このように、抵抗加熱素子130を霧化ブラケット120に少なくとも部分的に埋め込むようにする。
【0068】
本実施形態では、抵抗加熱素子130は、霧化ブラケット120と結合して加熱アセンブリを形成する。
【0069】
図20~
図25に示すように、霧化ブラケット120は、天板128と、天板128の周囲から下方に延びて形成された側壁122とを含む。抵抗加熱素子130は、霧化ブラケット120の天板128内に埋め込まれる。抵抗加熱素子130の第1の表面131は、霧化ブラケット120の天板128の上面と面一になっている。オイルガイド部材140の第3の表面143は、霧化ブラケット120の天板128の上面にも貼り合わせられて接触する。オイルガイド部材140は、霧化ブラケット120と抵抗加熱素子130から独立して設けられている。オイルガイド部材140は煙油を吸収する能力を有するが、霧化ブラケット120は煙油を吸収する能力を有していない。霧化ブラケット120は、抵抗加熱素子130を組み合わせ、オイルガイド部材140を支持するために使用される。
【0070】
霧化開口126は、天板128の片側に設けられ、且つ天板128の上下面を貫通している。霧化開口126は、加熱フェンス135に連通している。即ち、加熱フェンス135は、霧化開口126に対応する位置に設けられ、霧化開口126と上下に位置合わせされている。加熱フェンス135は、霧化開口126の上方に露出して配置され、霧化開口126の上に跨っている。
【0071】
図20及び
図21に示すように、抵抗加熱素子130の第2の表面132は霧化ブラケット120の底板121の下面より高く、両者の間には特定の距離、好ましくは0.5mm~2.0mmの距離が形成されている。
【0072】
図20~
図25に示すように、霧化ブラケット120の天板128は、オイルガイド部材140の第3の表面143に貼り合わせられて接触する支持面124を含む。具体的には、支持面124は天板128の上面である。抵抗加熱素子130の第1の表面131は、天板128の上面と面一である。オイルガイド部材140の第3の表面143は、抵抗加熱素子130の第1の表面131及び天板128の上面(即ち、支持面124)に貼り合わせられて接触し、オイルガイド部材140を天板128の上面に平らに設置する。
【0073】
他の実施形態では、抵抗加熱素子130の第1の表面131は天板128の上面よりもやや高くてもよく、これにより、オイルガイド部材140が油貯蔵部116の重力作用に押されて、抵抗加熱素子130の第1の表面131はオイルガイド部材140内に僅かに嵌め込んで、抵抗加熱素子130とオイルガイド部材140との接触面積及び液体伝導効果を改善することができる。
【0074】
図18、
図20及び
図21に示すように、オイルリザーバ110内には油貯留チャンバ111が設けられ、油貯留チャンバ111内には油貯蔵部116が設けられている。油貯蔵部116は、中空筒状であり、形状が油貯留チャンバ111とマッチングし、油貯留チャンバ111内に適切に収容されている。油貯留チャンバ111は、油貯蔵部116によって完全に占有されている。油貯蔵部116の底面は、オイルガイド部材140の第4の表面144に貼り合わせられて接触している。油貯蔵部116がオイルガイド部材140に重力を加えることにより、油貯蔵部116と霧化ブラケット120の天板128との間にオイルガイド部材140を挟み込ませて、オイルガイド部材140を抵抗加熱素子130によりよく密着させ、さらに霧化効果を高めることができる。油貯蔵部116は、油貯蔵綿または他の油溜り機能を有する材料であってもよい。
【0075】
霧化ブラケット120の天板128は中央部に第1の排気孔155が設けられ、オイルガイド部材140は中央部に第1の排気孔155に対応する第2の排気孔161が設けられている。オイルリザーバ110内には、油貯留チャンバ111から隔離された排煙通路112が設けられる。第2の排気孔161は、排煙通路112と第1の排気孔155とを連通する。これにより、アトマイザ100内の気流は、第1の排気孔155及び第2の排気孔161を順次に経由して排煙通路112に流れることができる。
【0076】
オイルリザーバ110は、外管114と、外管114内に位置する内管115とを含む。外管114の底端は開口端であり、内管115は外管114の先端に接続されている。油貯留チャンバ111は、外管114と内管115との間に形成されている。具体的には、油貯留チャンバ111は、内管115の周りに設けられた環状の溝である。内管115の内部には、排煙通路112が形成されている。本実施形態では、内管115は外管114の先端と一体構造であり、即ち、内管115は外管114と一体に成形される。油貯蔵部116は、中空筒状であり、中央部に貫通孔117が設けられている。油貯蔵部116は、貫通孔117を介して内管115に被せられる。
【0077】
アトマイザ100は、外管114の底部の開口端に取り付けられた霧化ベース170をさらに備える。霧化ベース170は、底板171と、底板171の周囲から上方に延びて形成された側壁172とを含む。霧化ブラケット120の側壁122は、霧化ベース170の側壁172と外管114の内壁との間に挟まれる。内管115の底端は、第2の排気孔161内に挿入され、且つ霧化ブラケット120の天板128の上面に当接する。好ましくは、本実施形態では、霧化ブラケット120は、ゴム又はシリコーン樹脂からなる。即ち、霧化ブラケット120は、軟らかくてシール機能を有する。従って、霧化ブラケット120によって、油貯留チャンバ111内の煙油が外管114の底部の開口端から外に漏れるのを防止することもでき、しかも、上述した第1の実施形態で説明したようなシールカバー160を設ける必要がなく、より簡単な構造となっている。
【0078】
図18、
図20~23に示すように、霧化ベース170の底板171の内面には2つの位置決めピン174が上方に延設されている。2つの導電ピン136の垂直部1366は、それぞれ2つの位置決めピン174を通過してオイルリザーバ110の外部に露出している。露出した導電ピン136と電源装置(図示せず)との導電接続は、容易になっている。
【0079】
霧化ベース170内で、底板171と霧化ブラケット120の天板128との間に収容室129が形成される。収容室129内には、吸油部材183が設けられている。具体的には、吸油部材183は、U字状である。吸油部材183には、第1の排気孔155に対応して切欠き184が設けられている。従って、吸油部材183は、霧化ベース170の内部キャビティの部分空間のみを占めている。吸油部材183は、霧化動作時に発生する凝縮液または煙油を吸収し、凝縮液または煙油の流出を防止することができる。吸油部材183は、油吸着綿または他の油吸着機能を有する材料であってもよい。
【0080】
図20、
図21、
図23及び
図25に示すように、霧化ベース170の底板171には吸気孔173が設けられている。外部気流は、吸気孔173から収容室129内に入り込み、霧化によって発生した煙を伴って順に第1の排気孔155、第2の排気孔161及び排煙通路112を経由して排出され、ユーザーが吸えるようにする。
【0081】
図20、
図21及び
図23に示すように、霧化ベース170の底板171の内面において、霧化ベース170の側壁172に向かってディフレクター176が傾斜して延設されている。ディフレクター176は、霧化開口126の直下に位置する。吸気孔173は、ディフレクター176と霧化ベース170の側壁172との間に設けられている。霧化動作時に発生する凝縮液または煙油は、ディフレクター176によって収容室129に導かれて収集され、且つ収容室129内に位置する吸油部材183によって吸収され、凝縮液や煙油が吸気孔173を通って漏れるのを防止する。
【0082】
図18、
図20及び
図21に示すように、霧化ブラケット120の天板128の一方側には霧化開口126が貫通して設けられる。抵抗加熱素子130の中央部には、加熱フェンス135を形成するための複数の貫通孔133が形成されている。加熱フェンス135は、霧化開口126に連通している。霧化によって発生した煙は、加熱フェンス135及び霧化開口126を介してアトマイザ100内の気流通路に入り込み、アトマイザ100内に入り込んだ外部気流によって取り除かれて、ユーザーが吸えるようになる。
【0083】
アトマイザ100が動作する時に、オイルリザーバ110内の油貯蔵部116に貯留される煙油がオイルガイド部材140に伝送される。煙油は、オイルガイド部材140により吸収された後に抵抗加熱素子130と完全に貼り合わされた第3の表面143に伝送される。通電動作時に、抵抗加熱素子130は発熱し、抵抗加熱素子130の第1の表面131に接触する煙油を霧化して、煙を形成する。霧化により形成される煙は、加熱フェンス135及び霧化開口126を透過して霧化ベース170の収容室129に入る。
図21における気流方向の矢印で示すように、外部気流は霧化ベース170における吸気孔173からアトマイザ100内に入り、霧化により形成される煙を伴い第1の排気孔155、第2の排気孔161及び排煙通路112を経由して排出され、ユーザーが吸えるようになる。
【0084】
本実施形態では、抵抗加熱素子が霧化ブラケットの上面に結合されて、加熱アセンブリを形成する。このような加熱アセンブリの組立が簡単であり、自動化組立と生産を実現することができる。組立工程は、縦方向綿芯のように抵抗発熱体の外表面にオイルガイド綿を包む煩雑な組立工程を必要としなく、生産効率と製品の安定性を効果的に高め、霧化アセンブリの品質の一致性を効果的に保証する。
【0085】
本実施形態では、オイルリザーバ内の油貯留部材と加熱アセンブリとの間にはオイルガイド部材が介在している。オイルリザーバの重力を受けると、オイルガイド部材は加熱アセンブリにおける抵抗加熱素子と密着して接触することで、加熱能力とオイルガイドチャンネルを有する霧化構造を形成し、霧化効果を効果的に高め、霧化過程における焦げ臭い匂いの発生が喫煙の味に影響を与えることを回避する。
【0086】
本発明は、さらに上述のアトマイザを含む電子タバコを提供する。
【0087】
さらに、当該電子タバコは、アトマイザに電気的に接続された電源装置(図示せず)を備える。電源装置は、電池を含み、アトマイザの動作に必要な電力を供給する。
【0088】
以上は、本発明の好適な実施形態に過ぎず、本発明を限定することを意図していない。本発明の精神及び原則内でなされたいかなる変更、等価置換、改良などは、本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0089】
10 加熱アセンブリ
100 アトマイザ
110 オイルリザーバ
111 油貯留チャンバ
112 排煙通路
113 排気通路
114 外管
115 内管
116 油貯蔵部
117 貫通孔
120 霧化ブラケット
121 底板
122 側壁
123 受容キャビティ
123A 開口
123B 中空チャンバ
124 支持面
126 霧化開口
127 嵌合スロット
128 天板
129 収容室
130 抵抗加熱素子
131 表面
132 表面
133 貫通孔
134A 接続部
134B 接続部
135 加熱フェンス
136 導電ピン
136A 導電ピン
136B 導電ピン
139 湾曲部
140 オイルガイド部材
143 表面
144 表面
150 オイルガイドブラケット
151 押圧壁
152 バッフル
153 隙間
154 液体注入孔
155 排気孔
156 側壁
160 シールカバー
161 排気孔
162 液体注入孔
163 側壁
170 霧化ベース
171 底板
172 側壁
173 吸気孔
174 ピン
175 導電電極
176 ディフレクター
181 シールパッド
182 シールリング
183 吸油部材
184 切欠き
1211 傾斜部
1212 傾斜面
1341 中間セグメント
1342 嵌入セグメント
1350 ノッチ
1351 抵抗加熱ワイヤ
1352 嵌入部
1353 嵌入脚
1354 サスペンションセグメント
1355 嵌入セグメント
1356 嵌入セグメント
1361 嵌入セグメント
1362 嵌入セグメント
1363 湾曲セグメント
1364 電極セグメント
1365 水平部
1366 垂直部