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特開2023-111895太陽光発電システムを有する道路建設機械
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111895
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】太陽光発電システムを有する道路建設機械
(51)【国際特許分類】
   E01C 19/48 20060101AFI20230803BHJP
   B60K 16/00 20200101ALI20230803BHJP
【FI】
E01C19/48 A
B60K16/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023011861
(22)【出願日】2023-01-30
(31)【優先権主張番号】22154287.1
(32)【優先日】2022-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】596068349
【氏名又は名称】ヨゼフ フェゲーレ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【弁理士】
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(74)【代理人】
【識別番号】100218604
【弁理士】
【氏名又は名称】池本 理絵
(72)【発明者】
【氏名】ニコル・アンゲルマン
【テーマコード(参考)】
2D052
3D235
【Fターム(参考)】
2D052BD03
2D052BD12
3D235AA19
3D235BB54
3D235CC12
3D235CC14
(57)【要約】
【解決手段】本発明は、道路建設機械(1)に関し、道路建設機械(1)は、道路仕上げ機(2)の形態または道路仕上げ機(2)に敷設材料(B、B’)を搬送するためのチャージャー車両(30)の形態をとり、自走式であり、走行駆動装置(3、3’)と、材料バンカー(7、7’)と、運転台(5、5’)と、を含む。道路建設機械(1)は、太陽光発電システム(12、12’)を含み、前記太陽光発電システム(12、12’)は、電流(S、S’)を生成するための少なくとも1つの太陽電池モジュール(13、13’)と、電力貯蔵システム(25、25’)と、充電コントローラ(26、26’)と、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路仕上げ機(2)の形態または道路仕上げ機(2)に敷設材料(B、B’)を搬送するためのチャージャー車両(30)の形態をとり、自走式であり、走行駆動装置(3、3’)と、材料バンカー(7、7’)と、運転台(5、5’)と、を含む道路建設機械(1)であって、
太陽光発電システム(12、12’)を含み、
前記太陽光発電システム(12、12’)は、電流(S、S’)を生成するための少なくとも1つの太陽電池モジュール(13、13’)と、電力貯蔵システム(25、25’)と、充電コントローラ(26、26’)と、を含むことを特徴とする道路建設機械。
【請求項2】
ルーフ本体(17、17’)を有する運転台ルーフ(6、6’)が前記運転台(5、5’)に配置され、前記太陽光発電システム(12、12’)の太陽電池モジュール(13e、13e’)が前記ルーフ本体(17、17’)に好ましくは着脱可能に固定されているか、または、前記ルーフ本体(17、17’)が少なくとも部分的に前記太陽光発電システム(12、12’)の太陽電池モジュール(13e、13c’)によって具体化されていることを特徴とする、請求項1に記載の道路建設機械。
【請求項3】
前記運転台ルーフ(6、6’)は、拡張モジュール(E1、E1、E1’、E2’)を含み、前記拡張モジュール(E1、E2、E1’、E2’)は、格納位置(18、18’)から拡張位置(19、19’)にシフト可能および/または回動可能に、好ましくは前記ルーフ本体(17、17’)に対してシフト可能および/または回動可能に前記ルーフ本体(17、17’)に配置されているか、または、前記拡張モジュール(13e、13e’)は、前記太陽光発電システム(12、12’)の太陽電池モジュール(13f、13g、13d’、13e’)によって少なくとも部分的に具体化されていることを特徴とする、請求項2に記載の道路建設機械。
【請求項4】
前記太陽光発電システム(12、12’)の太陽電池モジュール(13a、13a’)は、前記材料バンカ(7、7’)の外壁(14、14’)に好ましくは着脱可能に固定されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の道路建設機械。
【請求項5】
前記太陽光発電システム(12、12’)の太陽電池モジュール(13d、13b’)は、前記道路建設機械(1)のエンジンカウリング(10、10’)に好ましくは着脱可能に固定されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の道路建設機械。
【請求項6】
前記道路建設機械(1)は、前記道路仕上げ機(2)の形態で具体化されてスクリード(8)を有し、前記太陽光発電システム(12)の太陽電池モジュール(13b、13c)は、前記スクリード(8)の基本スクリード本体(16)に好ましくは着脱可能に固定されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の道路建設機械。
【請求項7】
前記太陽光発電システム(12)の太陽電池モジュール(13h、13i)は、格納位置(18)から拡張位置(19)にシフト可能に前記基本スクリード本体(16)に配置された少なくとも1つの引き出し部(21a、21b)に好ましくは着脱可能に固定されていることを特徴とする、請求項6に記載の道路建設機械。
【請求項8】
前記太陽光発電システム(12)の太陽電池モジュール(13j、13k)は、前記基本スクリード本体(16)または前記引き出し部(21a、21b)に固定される少なくとも1つのスクリード拡張体(24a、24b)に好ましくは着脱可能に固定されていることを特徴とする、請求項6または7に記載の道路建設機械。
【請求項9】
道路仕上げ機(2)の少なくとも1つの電気負荷(27)および/または電力グリッド(29)は、前記チャージャー車両(30)の形態をとる前記道路建設機械(1)によって生成された電流(S’)が供給されるように構成されていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載の道路建設機械。
【請求項10】
チャージャー車両(30)の少なくとも1つの電力グリッド(29’)および/または電気負荷(27’)は、前記道路仕上げ機(2)の形態をとる前記道路建設機械(1)によって生成された電流(S)が供給されるように構成されていることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載の道路建設機械。
【請求項11】
前記太陽光発電システム(12、12’)の太陽電池モジュール(13、13’)の少なくとも1つは、前記道路建設機械の一部(4、4’、6、6’、7、7’,8、10、10’)に対して回動可能および/またはシフト可能に配置されていることを特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載の道路建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路仕上げ機の形態または道路仕上げ機のためのチャージャー車両の形態をとる道路建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
道路仕上げ機は、土地や道や道路に、例えばコンクリート、瀝青(ビチューメン)混合敷設材またはアスファルトなどの混合敷設材の舗装を施すために使用される。このような道路仕上げ機は、通常、ある量の混合敷設材を貯蔵するための材料バンカーを有する。貯蔵量を増やしたい場合は、道路仕上げ機の作業方向前方にチャージャーが配置される。このチャージャーは、追加的な材料バンカーと、チャージャーの材料バンカーから道路仕上げ機の材料バンカーに敷設材料を搬送するためのコンベヤ手段とを含む。
【0003】
道路建設機械は、かなりのエネルギーを消費する。内燃機関を有する従来の道路建設機械における電力グリッドは、通常、高価な化石エネルギー担体で駆動される発電機によって給電される。そのため、道路建設機械の運転コストを削減することが望まれている。
【0004】
ソーラーモジュールを有する自動車は、例えば、EP1110779A1およびEP0685363A1から知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、低コストで運転可能な道路仕上げ機の形態または道路仕上げ機のためのチャージャー車両の形態をとる道路建設機械を提供することである。
【0006】
この目的は、請求項1に記載の特徴によって達成される。本発明の有利なさらなる展開は、従属請求項に記載されている。
【0007】
本発明による道路建設機械は、道路仕上げ機の形態または道路仕上げ機に敷設材料を搬送するためのチャージャー車両の形態で提供される。道路建設機械は、自走式であり、走行駆動装置と、材料バンカーと、運転台とを含む。道路建設機械は、太陽光発電システムを含み、太陽光発電システムは、電流を生成するための少なくとも一つの太陽電池モジュールと、電力貯蔵システムと、充電コントローラとを含む。
【0008】
本発明による道路建設機械の利点は、太陽光発電システムからエネルギーを得ることによってエネルギーコストが削減されることである。別の利点は、COの排出が少ないため、環境汚染が低減されることである。さらに別の利点は、道路建設機械のスイッチが切られているときに、オフグリッドで電気負荷に電力を供給できることである。
【0009】
太陽光発電システムは、太陽エネルギーを電気エネルギーまたはソーラー電力に変換するための技術システムであり得る。太陽光発電システムは、年間500kWhから2000kWhのソーラー電力を発電することができる。太陽電池モジュールの幅は、例えば100mmから1000mmとすることができる。太陽電池モジュールの長さは、例えば200mmから2000mmとすることができる。太陽光発電システムは、少なくとも1つの電圧変換器を含むことができる。太陽電池モジュールは、例えば10~100個の太陽電池を含むことができる。太陽電池モジュールは、曲げられないように剛性を有してもよい。太陽電池モジュールは、曲げることが可能で、曲げられてもよい。太陽電池モジュールは、少なくとも1つの保護層を含むことができる。太陽電池モジュールは、2つのプレートまたは保護層の間に取り付けることができる。保護層は、ガラス層、すなわち強化ガラス(ESG)、またはエチレンビニルアセテート(EVA)の透明プラスチック層であり得る。太陽電池モジュールは、フレームレスであり得る。太陽電池モジュールは、組み立てを容易にするフレームを含むことができる。太陽電池モジュールは、剛性の高いラックを含むことができる。隣接する太陽電池モジュール同士は、締結手段によって互いに連結され得る。隣接する太陽電池モジュール同士は、溝-バネ接続(groove-spring connection)を介して互いにシフトさせることができる。太陽電池モジュールは、締結手段および/または支柱システム(ピラーシステム)によって道路建設機械に係合させることができる。太陽電池モジュールは、少なくとも1つのコンセント(電気取出口)を含むことができる。太陽電池モジュールは、少なくとも1つのケーブル配線を含むことができる。充電コントローラおよびアキュムレータを太陽電池モジュールに組み込むことができる。電圧変換器を太陽電池モジュールに組み込むことができる。
【0010】
道路建設機械は、アスファルト粉砕機やローラーであってもよい。
【0011】
太陽電池モジュールは、道路建設機械の一部に、着脱可能に固定されてもよいし、着脱不能に固定されてもよい。太陽電池モジュールの着脱不能な固定は、溶接接合、はんだ接合、接着剤接合、リベット接合、プレスフィット、またはシュリンクフィットによって実現され得る。道路建設機械の一部は、部分的にまたは完全に太陽電池モジュールに置き換えることができる。
【0012】
有利な一実施形態では、ルーフ本体を有する運転台ルーフが運転台に配置され、太陽光発電システムの太陽電池モジュールが好ましくは着脱可能にルーフ本体に固定されるか、または、ルーフ本体が少なくとも部分的に太陽光発電システムの太陽電池モジュールによって具体化される。運転台ルーフは、垂直に入射する太陽光に対して最適な太陽電池モジュール面を提供することができる。太陽電池モジュールを着脱可能に取り付けることにより、太陽電池モジュールを容易に交換したり、再び完全に取り外したりすることが可能になる。太陽電池モジュールをルーフ本体に組み込むことにより、またはルーフ本体と置き換えることにより、盗難防止を図ることができる。さらに、ルーフ本体をよりタイトでコンパクトにすることができ、その結果、より良い耐候性を得ることができる。太陽光発電システムの複数の太陽電池モジュールのうちの少なくとも1つは、運転台ルーフに着脱不能に固定され得る。太陽電池モジュールの着脱不能な固定は、溶接接合、はんだ接合、接着剤接合、リベット接合、またはプレスフィットやシュリンクフィットによって実現され得る。
【0013】
有利な一実施形態では、運転台ルーフは拡張モジュールを含む。拡張モジュールは、格納位置から拡張位置にシフト可能および/または回転可能に、好ましくはルーフ本体に対してシフト可能および/または回転可能にルーフ本体に配置される。太陽光発電システムの太陽電池モジュールは、拡張モジュールに好ましくは着脱可能に固定され、または拡張モジュールは、太陽光発電システムの太陽電池モジュールによって少なくとも部分的に具体化される。これにより、運転台ルーフの幅を進行方向に対して横方向に拡張することができ、および/または、運転台ルーフの長さを進行方向に沿って拡張することができる。これにより、広い日除け・雨除け領域を道路工事作業員に提供することができる。また、メインモジュールおよび拡張モジュールがそれぞれ太陽電池モジュールを含むため、運転台ルーフを拡張することによって、より多くの電流を発生させることができる。格納位置では、太陽電池モジュールを外部条件から保護することができる。運転台ルーフの幅および/または長さは、基本的に水平に拡張され得る。運転台ルールの幅および/または長さは、例えば2倍または約5倍に拡張され得る。拡張モジュールは、ネジ、接続端子、クランプ、ナックル、多関節アーム、ベルト、ラック、またはレールを用いてメインモジュールに取り付けることができる。拡張モジュールは、ルーフ本体の下および/または上に配置され得る。拡張モジュールは、オーニング(日除け、雨除け)になり得る。太陽電池モジュールを着脱可能に取り付けることにより、太陽電池モジュールを容易に交換したり、再び完全に取り外したりすることができる。太陽電池モジュールを拡張モジュールに組み込んだり、拡張モジュールを太陽電池モジュールで置き換えたりすることで、盗難防止を図ることができる。
【0014】
有利な一実施形態では、太陽光発電システムの太陽電池モジュールは、材料バンカーの外壁に好ましくは着脱可能に固定される。これにより、電気エネルギーを得るために道路建設機械の覆い面(covering surface)を最適に利用することができる。太陽電池モジュールを着脱可能に取り付けることにより、太陽電池モジュールを容易に交換したり、再び完全に取り外したりすることが可能になる。太陽光発電システムの(複数の)太陽電池モジュールの少なくとも1つは、材料バンカーに着脱不能に固定されてもよい。太陽電池モジュールの着脱不能な固定は、溶接接合、はんだ接合、接着剤接合、リベット接合、またはプレスフィットおよびシュリンクフィットによって実現され得る。
【0015】
有利な一実施形態では、太陽光発電システムの太陽電池モジュールは、エンジンカウリングの外壁に好ましくは着脱可能に固定される。これにより、電気エネルギーを得るために道路建設機械の覆い(cover)を最適に利用することができる。太陽電池モジュールを着脱可能に取り付けることにより、太陽電池モジュールを容易に交換したり、再び完全に取り外したりすることが可能になる。太陽光発電システムの(複数の)太陽電池モジュールの少なくとも1つは、エンジンカウリングに着脱不能に固定されてもよい。太陽電池モジュールの着脱不能な固定は、溶接接合、はんだ接合、接着剤接合、リベット接合、またはプレスフィットおよびシュリンクフィットによって実現され得る。
【0016】
有利な一実施形態では、道路建設機械は、道路仕上げ機の形態で具体化されてスクリードを有し、太陽光発電システムの太陽電池モジュールは、スクリードの基本スクリード本体に好ましくは着脱可能に固定される。これにより、電気エネルギーを得るために道路建設機械の複数の覆い(covers)を最適に利用することができる。太陽電池モジュールを着脱可能に取り付けることにより、太陽電池モジュールを容易に交換したり、再び完全に取り外したりすることが可能になる。太陽光発電システムの(複数の)太陽電池モジュールの少なくとも1つは、スクリードに着脱不能に固定されてもよい。太陽電池モジュールの着脱不能な固定は、溶接接合、はんだ接合、接着剤接合、リベット接合、またはプレスフィットおよびシュリンクフィットによって実現され得る。
【0017】
有利な一実施形態では、太陽光発電システムの太陽電池モジュールは、格納位置から拡張位置へシフト可能に、基本スクリード本体に配置された少なくとも1つの引き出し部に固定される。これにより、太陽光発電システムは、拡張位置において、電流を発生させるためのより大きな領域を確保することができる。格納位置では、太陽電池モジュールを外部条件から保護することができる。
【0018】
有利な一実施形態では、太陽光発電システムの太陽電池モジュールは、基本スクリード本体または引き出し部に固定される少なくとも1つのスクリード拡張体に好ましくは取り外し可能に固定される。これにより、太陽光発電システムは、電流を発生させるためのより大きな領域を確保することができる。
【0019】
有利な一実施形態では、太陽電池モジュールは、取り外し可能なホイル(箔)である。ホイルは、道路建設作業中に接着され得る。ホイルは、道路建設作業の後、または保守や清掃作業のために取り外され得る。
【0020】
有利な一実施形態では、太陽電池モジュールは、道路建設機械に着脱不能に固定されたホイルを有する。太陽電池モジュールの着脱不能な固定は、溶接接合、はんだ接合、接着剤接合、リベット接合、またはプレスフィットおよびシュリンクフィットによって実現され得る。
【0021】
有利な一実施形態では、道路仕上げ機の少なくとも1つの電気負荷および/または電力グリッドは、チャージャー車両の形態をとる道路建設機械によって生成された電流が供給されるように構成される。電気負荷は、冷却システムであり得る。冷却システムは、バッテリまたは他の電気負荷の冷却に使用され得る。電気負荷は、バッテリであり得る。電気負荷は、加熱ユニットであり得る。加熱ユニットは、道路仕上げ機のスクリードの加熱に使用され得る。電気負荷は、操作パネルであり得る。電気負荷は、操作パネルで設定されたおよび/またはディスプレイに表示された少なくとも1つのプロセスパラメータを少なくとも1つの投影領域上に投影するように設計された、道路仕上げ機のプロジェクタであり得る。電気負荷は、GPSユニットであり得る。電気負荷は、テレマティックシステムのためのテレマティック端末であり得る。テレマティックシステムは、位置、速度、燃料消費量、エンジン効率に関する情報を24時間365日記録することができる。車載バッテリが空になった状態で道路建設機械が比較的長い時間停止していたとしても、テレマティクス端末は、ソーラー電力が供給されることによって機能することができる。電気負荷はライトであり得る。ライトは、夜間工事作業において、作業員に道路建設機械のアクセス領域を示したり、踏んではいけない場所を示したりするためのマーキングライトであり得る。電気負荷はモバイルユニットであり得る。ソーラー電力で給電することにより、追加バッテリまたは道路仕上げ機の車両バッテリや発電機からの供給なしで、電気負荷を機能させることができる。
【0022】
有利な一実施形態では、チャージャー車両の少なくとも1つの電気負荷および/または電力グリッドは、道路仕上げ機の形態をとる道路建設機械によって生成された電流が供給されるように構成される。電気負荷は、冷却システムであり得る。冷却システムは、バッテリまたは他の電気負荷の冷却に使用され得る。電気負荷は、バッテリであり得る。電気負荷は、加熱ユニットであり得る。加熱ユニットは、道路仕上げ機の材料バンカーの加熱に利用され得る。加熱ユニットは、道路建設機械の搬送システムの加熱に使用され得る。電気負荷は、GPSユニットであり得る。電気負荷は、テレマティックシステムのためのテレマティック端末であり得る。テレマティックスシステムは、位置、速度、燃料消費量、エンジン効率に関する情報を24時間365日記録することができる。車載バッテリが空になった状態で道路建設機械が比較的長い時間停止していたとしても、テレマティクス端末は、ソーラー電力が供給されることによって機能することができる。電気負荷はライトであり得る。ライトは、夜間工事作業において、作業員に道路建設機械のアクセス領域を示したり、踏んではいけない場所を示したりするためのマーキングライトであり得る。電気負荷はモバイルユニットであり得る。ソーラー電力で給電することにより、追加バッテリまたは道路仕上げ機の車両バッテリや発電機からの供給なしで、電気負荷を機能させることができる。
【0023】
有利な一実施形態では、太陽光発電システムの複数の太陽電池モジュールの少なくとも1つは、道路建設機械の一部に対して回動可能および/またはシフト可能に配置される。有利な一実施形態では、太陽光発電システムの複数の太陽電池モジュールの少なくとも1つは、道路建設機械の一部分に対して傾動可能に配置される。これにより、電気エネルギーを得るために道路建設機械の当該部分に対する太陽電池モジュールの傾きを最適に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】太陽光発電システムを有する道路仕上げ機の形態をとる道路建設機械を示す概略斜視図である。
図2】道路仕上げ機の概略斜視図である。
図3】道路仕上げ機のスクリードの概略部分平面図である。
図4】道路仕上げ機のスクリードの概略部分平面図である。
図5】太陽光発電システムを有するチャージャー車両の形態をとる道路建設機械を示す概略斜視図である。
図6】チャージャー車両の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して例示的な実施形態を説明する。
【0026】
図1は、舗装層ESを形成するための道路仕上げ機2である道路建設機械1を斜め後方から見た斜視図である。道路仕上げ機2は、自走式である。道路仕上げ機2は、走行駆動装置3と、シャーシ4と、運転台5と、運転台ルーフ6と、敷設材料Bを受け入れるための材料バンカー7等の作業ユニットと、シャーシ4に高さ調整可能に取り付けられ、進行方向Rに牽引されるスクリード8と、道路仕上げ機2の材料バンカー7からスクリード8へ敷設材料Bを供給するコンベヤユニット9とを有する。道路仕上げ機2は、エンジンルームカウリング10とさらなる構成要素とを含む。運転台ルーフ6は、運転台5を覆うように設けられて、ピラー構造体11によって支持されている。ピラー構造体11は、折り畳み可能である。
【0027】
道路仕上げ機2は、複数の太陽電池モジュール13を有する太陽光発電システム12を有する。一実施形態において、第1の太陽電池モジュール13aは、材料バンカー7の第1の外壁14に固定されている。一実施形態において、太陽電池モジュール13aは、太陽電池モジュール13aの傾斜角αを太陽に向けて調整できるように、第1の位置Pと第2の位置P’との間で回動可能に締結部材Tに取り付けられ得る。第2の外壁(図示せず)にも、太陽電池モジュール(図示せず)を固定することができる。
【0028】
第2および第3の太陽電池モジュール13b、13cは、スクリード8の基本スクリード本体16の2つのカバープレート15a、15b上に固定されている。第4の太陽電池モジュール13dは、エンジンルームカウリング10に取り付けられている。図示しない実施形態では太陽電池モジュール13b、13c、13dの傾斜角αも調整可能である。
【0029】
第5の太陽電池モジュール13eは、運転台ルーフ6のルーフ本体17に固定されている。本実施形態では、ルーフ本体17は樹脂製の板である。なお、ルーフ本体17を第5の太陽電池モジュール13eによって完全に置換して、第5の太陽電池モジュール13eをピラー構造体11に直接固定することも可能である。
【0030】
運転台ルーフ6は、第1の幅B1および/または第1の長さL1を有する。作業員のための広い日除け・雨除け領域を確保すると共に、太陽光発電システム12の第1のカバー面Aを拡張するため、運転台ルーフ6の第1の幅B1および/または第1の長さL1を拡張することができる。(カバー面Aは、外側から見える、設置された太陽光発電システム12の太陽光発電モジュールの全面に相当する)。このために、運転台ルーフ6は、横方向に拡張可能にルーフ本体17に配置された、例えばオーニングなどの2つの拡張モジュールE1、E2を有する。図1において、拡張モジュールE1、E2は、ルーフ本体17の下に格納された格納位置18にある。
【0031】
図2は、拡張位置19にある運転台ルーフ6の拡張モジュールE1、E2を示す。ここで、運転台ルーフ6は、第1の幅B1よりも大きい第2の幅B2を有する。拡張モジュールE1は、第6の太陽電池モジュール13fを有する。拡張モジュールE2は、第7の太陽電池モジュール13gを有する。太陽光発電システム12は、拡張モジュールE1、E2がその拡張位置19にあるとき、拡張カバー面A’を有する。格納位置18では、太陽電池モジュール13f,13gは外部条件から保護される。
【0032】
運転台ルーフ6の第1の長さL1は、進行方向Rに沿って拡張可能、すなわち、進行方向Rに沿って拡張可能に配置されて太陽電池モジュール13を有する拡張モジュールE3によって拡張可能である。
【0033】
図3は、スクリード8の一実施形態を示しており、そこでは、横方向に移動可能に基本スクリード本体16に配置された2つの引き出し部21a、21bが、その格納位置22にある。第2および第3の太陽電池モジュール13b、13cは、スクリード8の基本スクリード本体16の2つのカバープレート15a、15b上に固定されている。異なる敷設幅を確保できるように、道路仕上げ機2の進行方向Rに対して横方向にスクリード8の敷設幅EBを変化させることが可能である。このために、引き出し部21a、21bを、それらの格納位置22から拡張位置23に拡張することができる。
【0034】
図4は、進行方向Rに対して横方向に拡張されて拡張位置23にある引き出し部21a、21bを示す。引き出し部21a、21bは、その拡張位置23において太陽に晒されて電流Sを生成する太陽電池モジュール13h、13iを有する。格納位置22では、太陽電池モジュール13h、13iは外部条件から保護される。
【0035】
スクリード8の敷設幅EB’をさらに広げるため、引き出し部21a、21bにスクリード拡張体24a、24bを固定することができる。スクリード拡張体24a、24bもまた、太陽電池モジュール13j、13kを有することができる。
【0036】
太陽光発電システム12は、電力貯蔵(蓄電)システム25(図1参照)を含む。太陽光発電システム12は、電力貯蔵システム25を過充電から保護するための充電コントローラ26をさらに含む。太陽電池モジュール13a~kは、ケーブル配線(図示せず)を介して、電力貯蔵システム25に接続される充電コントローラ26に接続され得る。
【0037】
道路仕上げ機2は、太陽光発電システム12によって生成された電流Sが供給される複数の電気負荷27を有することができる。電気負荷27は、テレマティクスモジュール27aであり得る。電力負荷27は、GPS(Global Positioning System)ユニット27bであり得る。電気負荷EVは、車両バッテリ27dを冷却するための冷却システム27cであり得る。電気負荷27は、特に夜間の建設現場における道路仕上げ機2のアクセス領域28を照らすためのライト27eであり得る。電気負荷27は、加熱ユニット27fであり得る。加熱ユニット27fは、スクリード8の加熱に使用され得る。太陽光発電システム12から得られる電流Sは、道路仕上げ機2の電力グリッド29に供給することができる。
【0038】
図5は、道路仕上げ機2のためのチャージャー車両である道路建設機械1を斜め後ろから見た斜視図である。チャージャー車両30は、自走式であり、走行駆動装置3’と、シャーシ4’と、運転台5‘と、運転台ルーフ6’と、敷設材料B’を受け入れる材料バンカー7’などの作業ユニットと、チャージャー車両30の材料バンカー7’から道路仕上げ機2の材料バンカー7に敷設材料Bを搬送するコンベヤ装置9’とを含む。チャージャー車両30は、エンジンルームカウリング10’を含む。運転台ルーフ6’は、運転台5’を覆うように設けられて、ピラー構造体11’によって支持されている。ピラー構造体11’は、折り畳み可能である。
【0039】
チャージャー車両30は、複数の太陽電池モジュール13’を有する太陽光発電システム12’を有する。一実施形態では、第1の太陽光発電モジュール13a’は、材料バンカー7’の第1の外壁14’に固定されている。一実施形態では、太陽電池モジュール13a’は、太陽電池モジュール13a’の傾斜角α'を太陽に向けて調整できるように、第1の位置Pと第2の位置P’との間で回動可能に締結部材T’に取り付けられている。第2の外壁(図示せず)にも太陽電池モジュール(図示せず)が固定され得る。第2の太陽電池モジュール13b’は、エンジンルームカウリング10’に取り付けられている。図示しない実施形態では、太陽電池モジュール13b’の傾斜角αも調整可能である。
【0040】
第3の太陽電池モジュール13c’は、運転台ルーフ6’のルーフ本体17’に固定されている。本実施形態では、ルーフ本体17’は、樹脂製の板である。なお、ルーフ本体17’を第3の太陽電池モジュール13c’で完全に置換して、第3の太陽電池モジュール13c’をピラー構造体11’に直接固定することも可能である。
【0041】
運転台ルーフ6’は、第1の幅B1’および/または第1の長さL1’を有する。作業員のための広い日除け・雨除け領域を確保すると共に、太陽光発電システム12の第1のカバー面A’’を拡張するため、運転台ルーフ6’の第1の幅B1’および/または第1の長さL1’を拡張することができる。(カバー面A’’は、外側から見える、設置された太陽光発電システム12の太陽光発電モジュールの全面に相当する)。このために、運転台ルーフ6’は、横方向に拡張可能にルーフ本体17’に配置された、例えばオーニングなどの2つの拡張モジュールE1’、E2’を有する。図5において、拡張モジュールE1’、E2’は、ルーフ本体17’の下に格納される格納位置18’にある。
【0042】
図6は、拡張位置19’にある運転台ルーフ6’の拡張モジュールE1’、E2’を示す。拡張モジュールE1’は、第4の太陽電池モジュール13d’を有する。拡張モジュールE2’は、第5の太陽電池モジュール13e’を有する。
【0043】
ここで、運転台ルーフ6’は、第1の幅B1’よりも大きい第2の幅B2’を有する。太陽光発電システム12’は、拡張モジュールE1’、E2’がその拡張位置19’にあるとき、拡張カバー面A’’’を有する。格納位置18’では、太陽電池モジュール13d’、13e’は外部条件から保護される。
【0044】
運転台ルーフ6’の第1の長さL1’は、進行方向R’に沿って拡張可能、すなわち、進行方向R’に沿って拡張可能に配置されて太陽電池モジュールを有する拡張モジュールE3’によって拡張可能である。
【0045】
太陽光発電システム12’は、電力貯蔵(蓄電)システム25’を有する。太陽光発電システム12’は、電力貯蔵システム25’を過充電から保護するための充電コントローラ26’をさらに含む。太陽電池モジュール13a’~e’は、ケーブル配線(図示せず)を介して、電力貯蔵システム25’に接続された充電コントローラ26’に接続され得る。
【0046】
チャージャー車両30は、太陽光発電システム12’によって生成された電流S’が供給される複数の電気負荷27’を有することができる。電気負荷27’は、テレマティクスモジュール27a’であり得る。電気負荷27’は、全地球測位システム(GPS)ユニット27b’であり得る。電気負荷27’は、車両バッテリ27d’を冷却するための冷却システム27c’であり得る。電気負荷27’は、特に夜間の建設現場における道路仕上げ機2のアクセス領域28を照らすためのライト27e’であり得る。電気負荷27’は、加熱ユニット27f’であり得る。加熱ユニット27f’は、材料バンカー7’またはコンベヤユニット9’の加熱に使用することができる。太陽光発電システム12’から得られた電流S’は、チャージャー車両30の電力グリッド29’に供給することができる。
【0047】
また、道路建設作業時に、チャージャー車両30を道路仕上げ機2の進行方向R’の前方に配置して、チャージャー車両30の材料バンカー7’から道路仕上げ機2の材料バンカー7に敷設材料B’を搬送することも可能である。その際、チャージャー車両30の太陽光発電システムから得られた電流S’を道路仕上げ機2の電力グリッド29に供給したり、道路仕上げ機2の太陽光発電システム12から得られる電流Sをチャージャー車両30の電力グリッド29’に供給したりすることもできる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】