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特開2023-11191情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023011191
(43)【公開日】2023-01-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230117BHJP
   G08B 27/00 20060101ALI20230117BHJP
   H04L 67/12 20220101ALI20230117BHJP
【FI】
G06Q50/10
G08B27/00 Z
H04L67/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021114888
(22)【出願日】2021-07-12
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】516329543
【氏名又は名称】株式会社バカン
(72)【発明者】
【氏名】河野 剛進
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 慎介
【テーマコード(参考)】
5C087
5L049
【Fターム(参考)】
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA09
5C087AA10
5C087AA19
5C087BB11
5C087BB20
5C087BB73
5C087BB74
5C087DD06
5C087DD31
5C087FF01
5C087FF03
5C087FF04
5C087FF23
5C087GG12
5C087GG35
5C087GG66
5C087GG70
5L049CC11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】施設の混雑情報として誤りである可能性の高い情報を配信してしまう可能性を低減する情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】トイレ空席管理システムにおいて、情報処理装置である管理サーバ10は、トイレ施設におけるトイレ個室に設置され、トイレ個室を利用する利用者の有無を検出する検出装置21-1~21-nからゲートウェイ22を介して送信された検出結果に基づいて、個室が利用中か否かを示す利用情報を記憶する記憶部316と、利用情報が検出装置21-1~21-nから所定時間以内に取得した情報であるか否かを判定する判定部314と、利用情報に基づいて、施設の混雑状況を示す混雑情報を導出する混雑度導出部313と、判定手段314による判定の結果に応じて混雑情報を出力する出力部315と、を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設における個室を利用する利用者の有無を検出する検出装置から送信された検出結果に基づいて、前記個室が利用中か否かを示す利用情報を記憶する記憶手段と、 前記利用情報が前記検出装置から所定時間以内に取得した情報であるか否かを判定する判定手段と、 前記利用情報に基づいて、前記施設の混雑状況を示す混雑情報を導出する導出手段と、 前記判定手段による判定の結果に応じて前記混雑情報を出力する出力手段とを有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記出力手段は、前記判定手段により前記利用情報が所定時間以内に取得した情報ではないと判定した場合には、前記混雑情報を出力せず、前記判定手段により前記利用情報が所定時間以内に取得した情報であると判定した場合には、前記混雑情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記施設には、複数の個室が含まれ、前記検出装置は前記複数の個室それぞれの利用者の有無を検出する装置であって、 前記判定手段は、前記施設に含まれる前記複数の個室に対応する利用情報の全てが前記所定時間以内であるか否かを判定することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記出力手段は、前記施設に含まれる複数の個室に対応する利用情報のうち少なくとも1つの利用情報が前記所定時間に取得した情報ではないと判定された場合には、前記混雑情報を出力しないことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記記憶手段は、前記施設に含まれる前記個室の数を示す個室数情報を保持し、前記出力手段は、前記判定手段による判定結果に応じて、前記混雑情報または前記個室数情報のいずれか一方を出力することを特徴とする請求項3または4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記導出手段は、前記利用情報に基づいて、施設に含まれる個室のうち利用中である個室数の割合を示す混雑度を前記混雑情報として導出し、前記出力手段は、前記施設に含まれる前記複数の個室に対応する利用情報の全てが前記所定時間以内である場合には、前記施設に対応する前記混雑度を出力し、前記施設に含まれる複数の個室に対応する利用情報のうち少なくとも1つの利用情報が前記所定時間に取得した情報ではないと判定された場合であって、かつ、前記施設に含まれる複数の個室のうち前記利用情報が前記所定時間以内であると判定された情報が1つ以上ある場合には、前記所定時間以内である前記利用情報を参照して、前記施設に空き個室があるか否かを示す空き情報を前記混雑度に代わって出力することを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
表示部を有し、施設に設置された検出装置が前記施設の混雑状況を示す混雑情報を表示する表示制御装置であって、前記施設の混雑情報を取得する取得手段と、前記混雑情報に基づいて、前記施設の混雑情報を含む表示画像を前記表示部に表示させる表示制御手段とを有し、前記表示制御手段は、前記混雑情報が、前記検出装置が所定時間以内に検出した検出結果に基づいて導出された情報である場合には、前記混雑情報を表示させ、前記混雑情報が、前記検出装置が所定時間以内に検出した検出結果に基づいて導出された情報でない場合には、前記混雑情報を表示させないことを特徴とする表示制御装置。
【請求項8】
コンピュータを、請求項1~7のいずれか1項に記載の表示制御装置として機能させるプログラム。
【請求項9】
施設における個室を利用する利用者の有無を検出する検出装置から送信された検出結果に基づいて、前記個室が利用中か否かを示す利用情報を記憶し、前記利用情報に基づいて前記施設の混雑情報を配信する情報処理方法であって、 前記利用情報が前記検出装置から所定時間以内に取得した情報であるか否かを判定し、 前記利用情報に基づいて、前記施設の混雑状況を示す混雑情報を導出し、 前記判定手段による判定の結果に応じて前記混雑情報を出力することを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トイレ個室の利用状況を検出して、トイレ施設の混雑度をユーザに提供するシステムがある。特許文献1は、トイレの使用者を検出して動作する設備機器の使用状況から検出した情報に基づいてトイレの利用状況を判断し、表示する方法について開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-171969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、トイレの利用状況を検出する検出装置が故障したり、検出装置と検出装置からの検出結果に基づいて混雑情報を管理する装置間との通信状況に不具合が生じたりすると、適切な混雑情報を配信できなくなってしまうことがある。
【0005】
そこで、本開示は、施設の混雑情報を配信するシステムにおいて、不正確な混雑情報を配信してしまう可能性を低減する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示の情報処理装置は、施設における個室を利用する利用者の有無を検出する検出装置から送信された検出結果に基づいて、前記個室が利用中か否かを示す利用情報を記憶する記憶手段と、前記利用情報が前記検出装置から所定時間以内に取得した情報であるか否かを判定する判定手段と、前記利用情報に基づいて、前記施設の混雑状況を示す混雑情報を導出する導出手段と、前記判定手段による判定の結果に応じて前記混雑情報を出力する出力手段とを有することを特徴とする。
【0007】
本開示に関連する更なる特徴は、本明細書の記述、添付図面から明らかになるものである。また、本開示の態様は、要素及び多様な要素の組み合わせ及び以降の詳細な記述と添付される特許請求の範囲の様態により達成され実現される。本明細書の記述は典型的な例示に過ぎず、本開示の特許請求の範囲又は適用例を如何なる意味に於いても限定するものではない。
【発明の効果】
【0008】
本開示の技術によれば、施設の混雑情報を配信するシステムにおいて、不正確な混雑情報を配信してしまう可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】トイレ空室管理システムの構成例を示す図である。
図2】トイレにおける設備設置例を示す図である。
図3】管理サーバのハードウェア構成例及び表示装置のハードウェア構成例を示す図である。
図4】管理サーバおよび表示装置の機能構成を示す図である。
図5】トイレ施設管理テーブル、個室管理テーブルの例を示す図である。
図6】トイレ個室の利用状況を管理するシーケンス図である。
図7】混雑度導出処理のフローチャートである。
図8】トイレ施設設備に関するエラー判定処理のフローチャートである。
図9】トイレ混雑情報配信処理のフローチャートである。
図10】表示制御処理のフローチャートである。
図11】トイレの空き情報の表示画像の一例を示す図ある。
図12】トイレ施設設備に関するエラー判定処理のフローチャートである。
図13】トイレの空き情報の表示画像の一例を示す図ある。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施形態について、図面を参照して説明する。同一の構成については、同じ符号を付して説明する。なお、以下の実施形態は本開示の技術を必ずしも限定するものではなく、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが上記課題の解決手段に必須のものとは限らない。
【0011】
[第1実施形態] 第1実施形態では、トイレ個室の利用状況を検出できる検出装置を設置し、中継器を介して管理サーバに検出結果を送信する。管理サーバは検出結果に基づいてトイレ施設の混雑情報を導出し、リクエストのあった表示装置に配信できるシステムについて説明する。ただし本実施形態において管理サーバは、検出装置による検出結果をリアルタイムに受信できていない可能性があると判断した場合には、トイレ施設の混雑情報を配信しないものとする。なお、以下では、共通の出入り口により利用可能なトイレ個室群を、1つのトイレ施設とする。
【0012】
<トイレ空席管理システムの構成例> 図1は、本実施形態に係るトイレ空席管理システムの構成例を示す図である。トイレ空室管理システム1は、管理サーバ10(情報処理装置)と、トイレ個室22-1~nそれぞれに設置された検出装置21-1~21-nを備える。なおnは1以上の整数であり、以下、総称して、あるいはいずれかを示す場合に、トイレ個室22あるいは検出装置21のように略して表現する場合がある。 管理サーバ10は、各トイレ個室の検出装置21が利用者を検出した結果に基づいて、各トイレ個室の利用者の有無及びトイレ施設の混雑度を示す混雑情報を管理する空室管理機能を有する。表示装置40は、デジタルサイネージやスマートフォン、タブレット端末など表示部を備えた装置である。管理サーバ10は、表示装置40から送信されたリクエストに応じて、表示装置40にトイレ施設の混雑情報を配信する。ネットワーク30は、有線、無線を含む通信ネットワークである。ネットワーク30は例えば、インターネット、公衆回線網、WiFi(登録商標)などを含む。
【0013】
トイレ施設内の各トイレ個室22には、検出装置21が設置されている。図2は、トイレ施設におけるトイレ個室22に設置された検出装置21の設置例を示す図である。図2に示すトイレ施設20には、5つのトイレ個室22があり、各トイレ個室22には検出装置21が設置されている。
【0014】
検出装置21は、トイレ個室ごとに設置され、利用者に利用されるトイレ個室22の利用情報を検出するための機器である。ここで利用情報とは、利用者の有無を示す情報であり、空き個室か否かを示す。検出装置21としては例えば、トイレ個室22内の利用者の人感を検出する人感センサや、トイレ個室22の扉の開閉を検出する磁気センサなどを用いることができる。本実施形態では、磁気センサを用いてトイレ個室22の空室状況を検出するものとする。トイレ個室22が常開式である場合、磁気センサを用いてトイレ個室22の扉が閉まったことを検出したときに、トイレ個室22が利用者に利用されているとみなすことができる。一方、磁気センサ22が、扉が閉まったことを検出していない(扉が開いていることを検出している)ときには、トイレ個室22に利用者はいないとみなされる。
【0015】
また、検出装置21には、BLE(Bluetooth Low Energy)などの無線通信機が内蔵されている。検出装置21は、検出した検出結果(利用情報)と検出装置21の識別情報とを含む検出情報を所定のタイミングで発信する。なお本形態では検出装置21は、5秒おきに扉の開閉状態を検出し、検出情報を送信するものとする。
【0016】
トイレ施設20には、ゲートウェイ22が設置されている。ゲートウェイ22は、ネットワーと30に接続されたルータ等の通信中継機器である。図2では不図示としたが、例えばトイレ施設20内の洗面台下などに設置されている。ゲートウェイ22は、受信した検出情報が事前に登録された識別情報を含む場合、検出情報を管理サーバ10に送信する。図2に示す例においてゲートウェイ22は、5つの検出装置21-1~5から発信された検出情報を管理サーバ10に送信する。つまり、トイレ施設20内の検出装置21が発信した検出情報は、ゲートウェイ22を介して管理サーバ10に送信されることになる。
【0017】
<管理サーバ10および表示端末23のハードウェア構成例> 図3(a)は、管理サーバ10のハードウェア構成図である。管理サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)110、ROM(Read Only Memory)120、RAM(Random Access Memory)130、記憶装置140及び通信装置150を備える。CPU110は、後述するプログラムを実行することにより、管理サーバ10が提供する機能を実現する。ROM120及びRAM130は、CPU110が用いるデータを保持する。記憶装置140は、後述するプログラム及びデータベースを格納する。通信装置150は、ネットワーク30を介してゲートウェイ22や表示装置40と通信する。
【0018】
図3(b)は、表示装置40のハードウェア構成図である。表示装置40は、CPU(Central Processing Unit)410、ROM(Read Only Memory)420、RAM(Random Access Memory)430、記憶装置440、通信装置450及びディスプレイ460を備える。CPU410は、表示装置40が備える各部の動作を制御する。ROM420及びRAM430は、CPU2410が用いるデータを保持する。記憶装置440は、後述するプログラム及びデータベースを格納する。通信装置450は、ネットワーク30を介して管理サーバ10と通信する。ディスプレイ460は、画像を表示するための表示部である。
【0019】
<管理サーバ10および表示装置40の機能構成例> 図4は、管理サーバ10の機能構成および表示装置40の機能構成を示すブロック図である。管理サーバ10は、CPU11が実行するソフトウェアモジュール(各種プログラムがCPU110の内部メモリに展開されて構成される機能)として、受信部311、管理部312、混雑度導出部313、判定部314、記憶部316を備える。以下では記載の便宜上、これらモジュールを動作主体として記載する場合があるが、実際にこれらモジュールを実行するのはCPU110であるため、CPU110を動作主体とすることもできる。
【0020】
受信部311は、検出装置21から送信された検出情報を受信したり、表示装置40からのリクエスト要求を受け付ける。記憶部316は、トイレ施設管理テーブル317、個室管理テーブル318を有している。図5は、トイレ施設管理テーブル317、個室管理テーブル318の構成例を示す図である。各テーブルは、例えばレコードの内容を記述したデータを記憶装置140内に格納することによって構成できる。なお、本実施形態では、トイレ施設管理テーブル317、個室管理テーブル318をテーブル形式としたが、この形式に限らず、各データが紐付けされていればどのような形式で構築してもよい。
【0021】
図5(a)に示すトイレ施設管理テーブル317は、各トイレ施設に関する情報を管理するデータテーブルである。トイレ施設管理テーブル317は、例えば、トイレ施設20のトイレ施設ID(トイレ施設を一意に識別可能な識別情報)、トイレ施設20が設置されている建物名、位置情報、エリアID、属性、住所、利用可能時間、トイレ個室数、混雑度、エラー判定情報などを構成項目として有している。
【0022】
ここで、位置情報とは、建物におけるトイレ施設20の位置を示す情報であり、エリアIDは、位置情報を特定する識別情報である。属性とは、トイレ施設20の属性であり、女性、男性、多目的のいずれかが登録されている。住所は、トイレ施設IDが設置された建物の住所である。利用可能時間とは、トイレ施設20が利用可能な時間であり、利用可能となる開始時間と終了時間とによって定義される時間帯である。これは例えば、トイレ施設20が入居する建物の営業が開始する時間と終了する時間とによって定義される時間帯でもよい。トイレ個室数とは、トイレ20に含まれるトイレ個室22の数である。
【0023】
また混雑情報は、トイレ施設22におけるトイレ個室の混雑状況(利用率、利用割合)示す情報である。本実施形態では、トイレ個室数に占める利用中のトイレ個室数の割合(個室数を分母、利用中のトイレ個室数を分子とする分数)によって規定される混雑度を混雑情報として用いる。混雑度は、数値が1に近いほど混雑していると言える。例えば、トイレ施設ID「001」のトイレ施設は、トイレ個室5つからなる女性用トイ
レで、今1つのトイレ個室が「空き」で、もう1つのトイレ個室が「利用中」なので、トイレ施設ID「001」の混雑度は1/5である。エラー判定情報は、後述のエラー判定処理によって判定された結果を示す情報であり、トイレ施設20に含まれるいずれかのトイレ個室の利用情報の検出にエラーが生じているか否かを示す。
【0024】
図5(b)に示す個室管理テーブル318は、各トイレ個室の利用状況を示す利用情報を管理するためのデータテーブルである。例えば、個室管理テーブル318は、個室ID、センサID、トイレ施設ID、利用状況、受信日時などを構成項目とする。 センサIDは、トイレ個室に設置された検出装置21の識別情報である。トイレ施設IDは、トイレ個室を含むトイレ施設の識別情報である。
【0025】
個室管理テーブル318における利用情報とは、そのトイレ個室に利用中か否かを示す。ここでは、利用者がいない状態を「空き」、利用者がいる状態は「利用中」とテキストで表示することとしたが、利用者がいない場合を「0」、利用者がいる場合を「1」と言うように記憶しておいてもよい。受信日時は、利用情報を含む検出情報を受信した日時である。なお、検出装置21自身が送信する日時や検出日時を含めた検出情報を発信するようにさせ、送信日時や検出日時を受信日時の代わりに記憶しておくようにしてもよい。
【0026】
管理部312は、受信部311が検出装置21から受信した検出情報に基づいて、個室管理テーブル318を更新する。検出情報には、検出装置21の識別情報(センサID)と利用者の検出結果である利用情報が含まれているので、管理部312は、センサIDを参照してトイレ個室を特定し、対応する利用情報および受信日時を更新する。混雑度導出部313は、各トイレ施設の混雑度を導出する。ここでは上述の通り、「利用中」(利用者がいる)のトイレ個室の数を分子、トイレ施設に含まれるトイレ個室の総数を分母とする分数を混雑度とする。混雑度導出部313は、トイレ施設IDごとに混雑度を導出すると、導出した混雑度を用いて、個室管理テーブル318におけるトイレ施設IDに対応する混雑情報を更新する。
【0027】
判定部314は、トイレ個室テーブル318における各利用情報の受信日時に基づいて、トイレ施設におけるエラー判定処理を実行する。トイレ施設20の混雑度を管理するためには各トイレ個室22の利用情報が必要だが、検出装置21やゲートウェイ22が故障したり、通信状態に不具合が生じたりしたことで、利用情報を含む検出情報が管理サーバ10に到達できない場合がある。このような場合には、管理サーバ10は正確に混雑度を導出することができず、誤った混雑情報を配信してしまう可能性がある。そこで本実施形態において判定部314は、トイレ施設内の各トイレ個室の利用情報が正常に受信できているか否かを判定する。エラー判定処理の詳細は、後述する。
【0028】
出力部315は、表示装置40からリクエストを受けると、トイレ施設管理テーブル317、個室管理テーブル318を参照し、エラー判定処理の結果に応じてトイレ施設に関する情報(混雑情報など)を出力する。例えば、表示装置40がある建物専用のデジタルサイネージである場合には、表示装置40は事前に照会リクエストに建物内のトイレ施設IDを含めるように設定される。これにより、表示装置40は常に特定の建物内のトイレ施設の混雑情報を要求し、表示装置40(デジタルサイネージ)には建物内のトイレ施設の混雑状況一覧を表示することができる。あるいは、表示装置40が個人が所有するスマートフォン(携帯端末)である場合、ユーザの操作や位置情報(例えばGPS機能を利用した情報など)を受け付けることにより、混雑状況を閲覧したいトイレ施設を特定できるようにしてもよい。
【0029】
次に表示装置40の機能構成を説明する。表示装置40は、CPU410が実行するソフトウェアモジュール(各種プログラムがCPU410の内部メモリに展開されて構成される機能)として、受信部411、表示制御部412、出力部413を備える。以下では記載の便宜上、これらモジュールを動作主体として記載するが、実際にこれらモジュールを実行するのはCPU410であるため、CPU410を動作主体とすることもできる。
【0030】
受信部411は、管理サーバ10が保持する混雑情報を含むトイレ施設に関する情報を管理サーバ10から取得する。表示制御部412は、管理サーバ10から取得したトイレ施設に関する情報に基づいて、ディスプレイ460に表示させる画像を生成し、表示を制御する。出力部413は、管理サーバ10に対して、トイレ施設の混雑情報を表示するための照会リクエストを送信する。なお、照会リクエストには、閲覧したいトイレ施設を特定可能な情報を含むものとする。
【0031】
<トイレ個室の利用情報を管理するシーケンス> 図6は、トイレ個室の利用情報を管理するシーケンス図を示す。なお、各工程(ステップ)を「S」と表記する。S601においてトイレ個室22に設置された検出装置21は、第1の所定時間(ここでは5秒)ごとにトイレ個室が利用されているか否かを検出する。ここでは、トイレ個室22のドアに設置された磁気センサを検出装置21として用いているので、検出装置21はトイレ個室の扉が閉じた状態であるか、開いた状態であるかを検出することになる。ここで、検出装置21は扉が閉じている状態である(つまり利用者が入室したことを示す)ことを検出したとする。S602において検出装置21は、扉が閉状態であることを示す検出結果(利用情報)と、検出装置21自身の識別情報とを、検出情報としてゲートウェイ22を介して管理サーバ10に送信する。
【0032】
S603において管理サーバ10における受信部311は検出装置21から検出情報を受信すると、S604において管理部312は、受信した検出情報に基づいて個室管理テーブル318を更新する。具体的には、検出情報に含まれる識別情報(センサID)を参照し、個室管理テーブル318の対応する個室の利用情報を「利用中」に更新する。トイレ個室の利用者が退室すると、S605において検出装置21が扉の開状態を検出し、S606において検出装置21は扉が開状態であることを示す検出結果と、検出装置21自身の識別情報とを、検出情報としてゲートウェイ22を介して管理サーバ10に送信する。なお本実施形態では、検出装置21は5秒おきに扉の開閉状態を検出するので、S602の後も検出装置21は扉が閉状態であることを示す検出結果を管理サーバ10に送信し続けているが、説明を簡単にするため省略している。
【0033】
S607において管理サーバ10における受信部311は、検出情報を受信すると、S608において管理部312は、受信した検出情報に基づいて個室管理テーブル318を更新する。ここでは個室管理テーブル318の対応する個室の利用状況が「空き」に更新される。なお、本実施形態では、検出装置21は定期的に検出情報を発信することとしたが、さらに定期的なデータ送信に加えて、検出装置21が扉が閉じた状態を検出したら扉が閉じた状態であることを示す検出情報を発信するようにしてもよい。
【0034】
<混雑度導出処理>管理サーバ10における混雑度導出部313が実行する混雑度導出処理の詳細を説明する。図7は、混雑度導出処理のフローチャートを示す。管理サーバ10のCPU110が図7に示すフローチャートを実現可能なプログラムを読み込んで実行させることで、各ステップを実現することができる。
【0035】
まずS701において混雑度導出部313は、処理対象となるトイレ施設IDを決定する。本形態では、登録されたトイレ施設IDを順に処理対象とすることとする。さらに例えば、トイレ施設IDごとに利用可能時間帯を登録しておき、利用可能時間帯であるトイレ施設IDのみを処理対象とするようにしてもよいし、管理部312によって利用情報が更新されたトイレ個室に対応するトイレ施設を処理対象とするようにしてもよい。
【0036】
S702において混雑度導出部313は、トイレ施設管理テーブル317を参照して、処理対象のトイレ施設IDのトイレ個室数を取得する。また混雑度導出部313は、処理対象のトイレ施設IDの各トイレ個室の利用情報を取得する。S703において混雑度導出部313は、S702において取得したトイレ個室数及び各トイレ個室の利用情報に基づいて、処理対象のトイレ施設IDの混雑度を導出する。まず混雑度導出部313は、処理対象のトイレ施設IDのトイレ個室のうち、利用情報が「利用中」であるトイレ個室の数をカウントし、利用中個室数とする。混雑度導出部313は、利用中個室数を分子、トイレ個室数を分母とする分数を、エリアIDに対応する混雑度として決定する。
【0037】
S704において、管理部312は、処理対象のトイレ施設IDに対応する混雑情報を、S703において導出した混雑度により更新する。S705において混雑度導出部313は、次に処理すべきトイレ施設IDがあるか否かを判定し、未処理のトイレ施設IDがある場合(YES)にはS701に戻り、未処理のトイレ施設IDがない場合(NO)には、処理を完了する。なお、本実施形態では、登録されたトイレ施設IDを処理対象とするため、S705において混雑度導出部313は、トイレ施設IDに対応づくデータセットが個室管理テーブル318にある限り、未処理のトイレ施設IDがあると判定されることになる。例えば、2つのトイレ施設IDが登録されている場合は、2つのトイレ施設IDに関して交互に混雑度が導出されることになる。ここでは管理サーバ10がトイレ施設管理テーブル317や個室管理テーブル318にアクセスできなくなったり、通信装置150を介した外部からの操作やCPU110により混雑度導出処理の終了が指示されると、S705においてNOと判定されるものとする。以上により、管理サーバ10における混雑度導出処理は完了する。
【0038】
<エラー判定処理のフローチャート>管理サーバ10が実行するエラー判定処理の詳細を説明する。図8は、エラー判定処理のフローチャートを示す。管理サーバ10のCPU110が図8に示すフローチャートを実現可能なプログラムを読み込んで実行させることで、各ステップを実現することができる。
【0039】
S801において判定部314は、処理対象となるトイレ施設IDを決定する。本形態では、混雑度導出処理と同様、登録されたトイレ施設IDを順に処理対象とすることとする。さらに例えば、トイレ施設IDごとに利用可能時間帯を登録しておき、利用可能時間帯であるトイレ施設IDのみを処理対象とするようにしてもよいし、前回エラー判定処理を実行したタイミングから所定の時間経過しているトイレ施設を処理対象とするようにしてもよい。
【0040】
S802において判定部314は、トイレ個室テーブル318から処理対象のトイレ施設IDの各トイレ個室の最新の利用情報に対応する受信日時を取得する。S803において判定部314は、S802において取得した各受信日時が、現在時刻から第2の所定時間(ここでは5分とする)以内かを判定する。ここで、全ての最新の受信日時が5分以内である場合(Yes)には、S804に進み、1つでも最新の受信日時が5分以上前のトイレ個室がある場合(No)には、S805に進む。S804において判定部314は処理対象のトイレ施設IDに対応するエラー判定結果をOKにより更新し、S805において判定部314は、処理対象のトイレ施設IDに対応するエラー判定結果をNGにより更新する。
【0041】
以上によりエラー判定処理が完了する。このようにエラー判定処理では、トイレ施設単位で少なくとも一部のトイレ個室でも正確に利用情報を検出できているか否かを判定する。検出装置21の電池が切れたり通信状況が悪かったり、あるいは検出装置21の設置位置がずれてしまったりすることで検出装置21自体が適切に検出結果を発信できなくなることもあるし、ゲートウェイ22の通信状況が悪く、管理サーバ10に検出情報が届かなくなってしまっていることも
ある。このような場合に、本来検出装置21やゲートウェイ22、管理サーバ10が正常に稼働していれば、少なくとも本実施形態では数秒間隔で更新されるため最新の受信日時が5分以上も前を示すことはない。そこで、この時、リアルタイムな利用情報を受信できているか否かを判定するための第2の所定時間は、検出装置21が検出情報を発信する間隔である第1の所定時間よりも十分長い時間を設定し、第2の所定時間を用いて判定する。このように管理サーバ10の判定部314がトイレ施設内の利用情報の受信日時に基づいて最新の利用情報を適切に取得できているかを判定することにより、利用情報のエラーの発生を検出する。
【0042】
<混雑情報配信処理> 次に、管理サーバ10が実行する混雑情報配信処理を説明する。図9は、混雑情報配信処理のフローチャートを示す。管理サーバ10のCPU110が図9に示すフローチャートを実現可能なプログラムを読み込んで実行させることで、各ステップを実現することができる。
【0043】
S901において受信部311は、表示装置40からトイレの混雑情報に関するリクエスト要求を受け付ける。ここで表示装置40から送信されるリクエストには、トイレ施設を特定するためのトイレ施設IDが含まれるものとする。S902において出力部315は、リクエストに含まれるトイレ施設IDから混雑情報を要求されているトイレ施設を特定し、トイレ施設管理テーブル317を参照する。
【0044】
S903において出力部315は、トイレ施設管理テーブル317における特定したトイレ施設のエラー判定結果に基づいて、特定したトイレ施設内のトイレ個室の利用情報にエラーが発生しているか否かを参照する。トイレ施設IDに対応するエラー判定結果がOKを示す場合(No)には、S904に進み、トイレ施設IDに対応するエラー判定結果がNGを示す場合(YES)には、S905に進む。
【0045】
S904において出力部315は、トイレ施設管理テーブル317から混雑情報(ここでは混雑度)を取得し、特定されたトイレ施設IDとともに混雑情報を表示装置40に出力する。一方S905において出力部315は、特定されたトイレ施設IDとともに、トイレ施設管理テーブル317からトイレ個室数を取得し、混雑情報の代わりにトイレ個室数を出力する。これは、トイレ施設内の各トイレ個室の利用情報が適切に取得できていない場合、トイレ施設の混雑度も正確ではない可能性があるため、管理サーバ10はエラー中のトイレ施設の混雑情報は配信しないことを意味する。 なお、上述の混雑情報配信処理において、複数のトイレ施設の混雑情報をリクエストされている場合には、各トイレ施設に対してS902~S905の処理を実行する。
【0046】
<表示制御処理> 次に、表示装置40が実行するトイレ施設の混雑情報を表示するための表示制御処理を実行する。本実施形態では、表示装置40は事前に設定されたトイレ施設の混雑情報を表示するためのデジタルサイネージであるとする。図10は、表示装置40が実行する表示制御処理のフローチャートを示す。表示装置40のCPU410が図10に示すフローチャートを実現可能なプログラムを読み込んで実行させることで、各ステップを実現することができる。なおここでは、デジタルサイネージである表示装置40は、事前に登録された混雑情報を表示するトイレ施設の利用可能時間帯のみ、図10に示すフローチャートを実行するものとする。
【0047】
まず、S1001において出力部413は、所定のタイミングで事前に設定されたトイレ施設IDを含むリクエストを管理サーバ10に送信する。このリクエストは、特定のトイレ施設の混雑情報を表示するためのリクエストである。所定のタイミングは例えば、1分おきとする。 S1002において受信部411は、管理サーバ10からリクエストしたトイレ施設に関する情報(以下、トイレ施設情報)を取得する。 S1003において表示制御部413は、S1002において取得したトイレ施設情報に基づいて、ディスプレイ460に表示するための表示画像(ユーザインターフェイス)を生成する。図11は、表示制御部413が生成するトイレ施設の混雑情報一覧を含む表示画像の一例を示す図である。
【0048】
図11に示す表示画像では、6つのトイレ施設に関する混雑状況が示されている。表示制御部413は、混雑度を取得できているトイレ施設に関しては、混雑度に応じたテキストデータとともに、混雑度を示すオブジェクトを生成している。ここでは例えば、表示制御部413は、混雑度が60%以下(つまり利用中の個室が3つ以下)である場合には「空きあり」、混雑度が60%より大きく90%以下の場合(利用中の個室が4つ)には「混雑」、混雑度が90%より大きい(全ての個室が利用中)には「満室」のテキストデータをそのトイレ施設に対応づける。一方、表示制御部413は、トイレ施設の混雑度を取得できない場合には、「個室数」というテキストデータを挿入することとする。
【0049】
以上の通り、表示制御部413は、トイレ施設ごとに、事前に設定された6つのトイレ施設IDに対応するトイレ施設情報に基づいて、混雑度と混雑度に対応するテキストデータと、トイレ施設の位置を示すテキストデータを含むようにオブジェクトを生成する。表示制御部413が取得したトイレ施設情報に基づいて表示画像を生成した結果として、図11に示す表示画像の例では、6つのうち5つのトイレ施設は、混雑度が表示されているのに対し、2階の男性化粧室は混雑度が表示されず、個室数が表示されている。これは、2階の男性化粧室に対応するトイレ施設IDのエラー判定結果がNGであったために、管理サーバ10からは混雑度ではなく個室数がトイレ施設情報として送信された結果である。S1004において表示制御部314は、ディスプレイ460に生成した表示画像を表示させて、処理を完了する。
【0050】
<第1実施形態のまとめ>以上の通り本実施形態は、トイレ施設に含まれる各トレイ個室の利用状況を検出し、トイレの混雑情報を配信するシステムにおいて、トイレ個室の利用状況をリアルタイムに検出できていない個室を含むトイレ施設に関しては、混雑情報を配信しないようにした。これにより、表示装置40に不正確な混雑情報を表示することを抑制できる。また、混雑情報を表示できないトイレ施設であっても、混雑情報の代わりに個室数を表示するようにしたことで、表示装置40を閲覧しているトイレの利用を希望する閲覧者にとって、空いている可能性の高いトイレ施設を探すための参考情報を配信することができる。
【0051】
<第1実施形態の変形例>第1実施形態では、エラー状態にあるトイレ施設に関しては混雑状況の代わりに、トイレ個室数を示すこととしたが、例えば、「調整中」などのテキストを表示するようにしてもよい。また、第1実施形態では、図11に示すように、建物内の複数のトイレ施設に関する混雑情報を表示するシステムにおいて、エラー判定結果がNGであったトイレ施設に関する表示のみ、混雑度ではなく個室数を表示することとしたが、表示する複数のトイレ施設のうち1つでもエラー判定結果がNGであった場合には、エラー判定結果がOKであったトイレ施設も含めて、全てのトイレ施設の混雑度の表示を停止して個室数の表示を切り替えるようにしてもよい。例えば、管理サーバ10は、指定されたトイレ施設のうち同じ建物に入居するトイレ施設に1つでもエラー状態のトイレ施設がある場合には、各トイレ施設の個室数を、建物内の全てのトイレ施設のエラー判定結果がOKである場合に限り、その建物に入居するトイレ施設の混雑情報を配信するようにする。これにより、同じ建物に入居するトイレ施設に関する情報の表示を統一することができる。
【0052】
[第2実施形態] 第2実施形態では、トイレ施設の混雑情報を配信するシステムにおいて、トイレ個室の利用情報がリアルタイムに受信できている場合にのみ、トイレ施設の混雑情報を配信し、トイレ施設に含まれるトイレ個室のうち正常に稼働している判定される利用情報がある場合には、正常に稼働している利用情報を用いて空き個室の有無を配信し、いずれかのトイレ個室の利用情報の受信状態もエラーと判定された場合には、トイレの個室数を表示させる方法について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、詳細な説明を省略し、異なる処理について説明する。
【0053】
第2実施形態において個室管理テーブル318にはさらに、個室ごとの「エラー状態」も格納できるようにする。管理サーバ10における判定部314は、各トイレ個室の利用情報の受信日時が第2の所定時間以内か否かを判定すると、個室管理テーブル318のエラー状態に、個室ごとの利用情報のエラー判定結果をOKまたはNGにより格納しておく。
【0054】
図12は、第2実施形態における管理サーバ10が実行する混雑情報配信処理のフローチャートを示す。管理サーバ10のCPU110が図12に示すフローチャートを実現可能なプログラムを読み込んで実行させることで、各ステップを実現することができる。第1実施形態とは、S1201~1203の処理が追加されている点で異なる。
【0055】
S1201において判定部314は、処理対象のトイレ施設IDの各トイレ個室の利用情報の受信日時に基づいて、リアルタイムに利用情報を受信できているトイレ個室があるかを判定する。具体的には、判定部314は、個室管理テーブル318から処理対象のトイレ施設IDのトイレ個室に対応する受信日時を取得し、現在時刻から第3の所定時間(本形態では例えば、30秒)内か否かを判定する。これは、処理対象のトイレ施設内に少なくとも1つのトイレ個室の利用情報はエラー状態だが、検出装置21およびゲートウェイ22が正常に稼働している(利用情報をリアルタイムに受信できている)トイレ個室があるかを判定するための処理である。処理対象のトイレ施設IDに対応するトイレ個室群のうち、正常に利用情報を受信できていると判定したトイレ個室があれば(Yes)、S1202に進み、正常に利用情報を受信できていると判定したトイレ個室がなければ(No)、S905に進む。
【0056】
S1202において判定部314は、S1201において正常に利用情報を取得できている(受信日時が第3の所定時間以内である)と判定したトイレ個室のうち、利用情報が「空きあり」の状態を示すトイレ個室があるか否かを判定する。第3の所定時間以内に受信した利用情報が空きありを示すトイレ個室がある場合(Yes)には、S1203に進む。一方、第3所定時間以内に受信した利用情報が空きありを示すトイレ個室がない(つまり、第3の所定時間以内に受信した全ての利用情報が利用中)場合(No)には、S905に進む。S1203において出力部315は、特定されたトイレ施設IDと、トイレ施設管理テーブル317から取得したトイレ個室数と、「空きあり」であることを示す情報を、表示装置40に出力する。
【0057】
なお本実施形態においては、処理対象のトイレ施設に、利用情報の受信日時が現在時刻から第3の所定時間以内で、かつ、その利用情報が空きありを示すトイレ個室がない場合には、S905において出力部315がトイレ施設のトイレ個室数のみが表示装置に出力することになる。
【0058】
本実施形態において、表示装置40における表示制御部413が実行する処理のうち、第1実施形態とはS1003の処理が異なる。取得したトイレ施設情報のうち、混雑度が含まれるトイレ施設に関する混雑表示処理及び、トイレ施設情報にトイレ個室数のみが含まれるトイレ施設に関する混雑表示処理は、第1実施形態と同様である。ただし、トイレ施設情報にトイレ個室数を示す情報および「空きあり」であることを示す情報が含まれている場合には、表示制御部413は、当該トイレ施設の混雑状況を示すオブジェクトとして、トイレ施設の位置を示すテキスト、トイレ個室数を示すテキスト、「空きあり」を示すテキストを含むオブジェクトを生成する。図13は、第2実施形態において表示制御部413が生成したトイレ施設の混雑情報一覧
を含む表示画像の一例を示す図である。男性化粧室のうち2Fのトイレ施設では、設置された総個室のうちいくつの個室が利用中であるかについては表示されていないが、空き個室があることが示されている。
【0059】
このように表示装置40における表示制御部413は、トイレ施設内の全ての個室の利用情報をリアルタイムに受信できていない場合でも、リアルタイムに受信できている利用情報がある場合にはその利用情報を有効利用し、空き個室がある旨を表示する。これにより、不正確な混雑情報を表示してしまうことを抑制するとともに、トイレ施設の混雑状況を参考に利用できるトイレを探している閲覧者に対して、空きがあるか否かを示す情報だけでも十分有効な情報を提供することができる。
【0060】
なお、今空き個室とみなせるトイレ個室があるか否かを判定するための第3の所定時間は、第2の所定時間とは異なる時間を設定する例を説明した。これによりリアルタイムな空きの有無をより正確に配信することができる。しかしながら、第3の所定時間と第2の所定時間を同じ時間に設定してもよい。この場合は、受信日時に基づく判定処理が1回で済むため処理負荷を軽減することができる。
【0061】
[その他の実施形態]なお、上述の実施形態では、管理サーバ10がトイレ施設に含まれるトイレ個室の利用情報の受信状態がエラー中であるか否かに応じて混雑情報を配信するか否を決定する構成について説明したが、表示装置40にエラー中のトイレ施設の混雑情報が表示されない形態であれば、管理サーバ10は必ず各トイレ施設の混雑情報を配信するようにしてもよい。
【0062】
例えば、以下のような形態をとることができる。管理サーバ10は、リクエストを受けたトイレ施設の混雑情報とともにエラー判定結果も表示装置40に出力するようにする。一方表示装置40は、エラー判定結果に応じて、取得した混雑情報を表示するか否かを判定し、トイレ施設のエラー判定結果がOKである場合にのみ、混雑情報を表示するようにする。なお、表示装置40は、混雑情報を表示できない場合に備えて、管理サーバ10からトイレ施設の個室数も取得しておくか、事前に設定された「現在、このトイレ施設の混雑状況は表示できません」などのテキストデータを表示する。これにより、表示装置40に正確ではない可能性のある混雑情報が表示されてしまうことを防ぐことができる。
【0063】
また、上述の実施形態では、管理サーバ10がエラー判定処理を実行し、エラー判定処理を実行し、エラー判定結果に応じて混雑情報を出力することとしたが、エラー判定処理及びエラー判定結果に応じた混雑情報の出力を表示装置40側で実行するようにすることもできる。この場合、管理サーバ10は、表示装置40からのリクエストに応じて、特定されたトイレ施設の混雑情報とともに、トイレ施設に含まれる各トイレ個室の最新の利用情報と受信日時を表示装置40に出力する。表示装置40は、取得した受信日時に基づいて、トイレ施設ごとにエラー判定処理を実行し、判定結果に応じてトイレ施設の混雑情報またはトイレ個室数のいずれかを表示させるようにする。これにより、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。このような形態においては、上述の実施形態における管理サーバ10が実行する情報処理装置としての機能は、表示装置40が実行することになる。なお、この場合、出力部315が配信する混雑情報を出力する出力先は、外部装置ではなく、表示装置40のディスプレイ460であり、出力部315は、ディズプレイ460にエラー判定結果に応じて混雑情報を出力(表示)するになる。
【0064】
また、上述の実施形態では、管理サーバ10が検出装置21からの利用情報を正常に受信できているか否かを判定する形態としたが、ゲートウェイ22が各検出装置21から正常に検出情報を取得できているかを定期的に判定し、各トイレ個室のエラー判定結果を管理サーバ10に送信することとしてもよい。ただし、この場合、ゲートウェイ22自身と管理サーバ10との通信状態が悪い場合に、管理サーバ10がゲートウェイ22の不調が原因で利用情報を検出できていないことを判定できるようにしておくことが望ましい。例えば、管理サーバ10がゲートウェイ22と定期的に通信状態をチェックする、あるいは、ゲートウェイ22によるエラー判定処理と並行して管理サーバ10も定期的(例えば10分など)にエラー判定処理を実行するようにする。これにより、検出装置21の不具合をゲートウェイ22で検出し、ゲートウェイ22による不具合のみ管理サーバ10が検出するため、管理サーバ10の処理負荷を軽減することができる。
【0065】
また、上述の実施形態では、複数のトイレ個室が設置されたトイレ施設を例に説明した。しかしながら、利用者によって利用される施設であれば、例えば授乳室、駐車場、ワーキングスペースなどを個室として適用することも可能である。
【0066】
また、混雑度を示す混雑情報として、利用中の個室数/トイレ施設内の個室数以外の情報を用いてもよい。例えば、混雑度導出部313は、トイレ施設に含まれるトイレ個室の総数における利用中の個室数の比率に応じて、混雑状況を示すテキストを混雑情報として出力するようにしてもよい。この場合、「空き」「やや混雑」「満室」のように混雑状況を示すテキストを表示装置40に送信するようにすることもできる。
【0067】
また、上述の実施形態では、利用情報の受信日時に基づいて利用情報がリアルタイムな情報であるか否かを判定する方法について説明したが、必ずしもこれに限らない。例えば、検出装置21が検出結果を出力する際に送信日時とともに検知情報として出力するようにし、管理サーバ10は送信日時を用いてリアルタイムか否かを判定するようにしてもよいし、管理サーバ10が個室管理テーブル318に格納した時点を記憶しておき、判定に用いるようにしてもよい。
【0068】
また、上述の実施形態では、複数のトイレ個室群を含むトイレ施設ごとに、混雑情報を配信するシステムについて説明したが、それぞれのトイレ個室の利用情報を配信するようにしてもよい。管理サーバ10は、表示装置40からのリクエストに応答して、指定されたトイレ個室の利用情報を表示装置40に送信し、表示装置40はトイレ個室ごとの利用状況を表示するようにする。このとき表示装置40は、利用情報が所定時間以内に受信された情報ではない場合など利用情報がエラー状態であるとみなされるトイレ個室の利用情報は表示しない。これにより、誤った利用情報を表示する可能性を低減することができる。
【0069】
以上の通り、本開示の技術は、上述の実施形態の1つ以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出し作動させる処理によって実現することができる。また、1以上の機能を実現する回路によって実現してもよい。
【0070】
本開示は、上述した実施形態に限定されるものでなく、様々な変形例を含んでいる。例えば、上述した実施形態は、本開示を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備える必要はない。また、ある実施形態の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることもできる。さらにまた、各実施形態の構成の一部について、他の実施形態の構成の一部を追加、削除又は置換することもできる。
【符号の説明】
【0071】
管理サーバ10、CPU110、表示装置40、CPU410、検出装置21、受信部311、管理部312、混雑度導出部313、判定部314、出力部315、受信部411、表示制御部412、出力部413
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13