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特開2023-111912皮下のマイクロ生体チャンネルの場所の特定のための電気インピーダンス測定及びEITイメージ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111912
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】皮下のマイクロ生体チャンネルの場所の特定のための電気インピーダンス測定及びEITイメージ
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/02 20060101AFI20230803BHJP
   G01R 27/02 20060101ALI20230803BHJP
   G01N 29/04 20060101ALI20230803BHJP
   G01N 29/265 20060101ALI20230803BHJP
   A61B 5/0532 20210101ALI20230803BHJP
【FI】
G01N27/02 D
G01R27/02 A
G01N29/04
G01N29/265
A61B5/0532
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023081865
(22)【出願日】2023-05-17
(62)【分割の表示】P 2019516278の分割
【原出願日】2017-05-26
(31)【優先権主張番号】1609551.5
(32)【優先日】2016-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】518428266
【氏名又は名称】ウェイ・ワン
【氏名又は名称原語表記】WANG,Wei
【住所又は居所原語表記】54 Woodfield Road,Oadby,Leicester Leicestershire LE2 4HP Great Britain
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ・ワン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイポー・チャン
(57)【要約】
【課題】皮下のマイクロ生体チャンネルの場所の特定のための電気インピーダンス測定に関する方法を提供する。
【解決手段】対象物の1つ又は複数の電気インピーダンス特性の変化の場所を特定するための方法であって、該方法は、(i)異なる場所で対象物について電気インピーダンスデータを取得する工程;(ii)仮定される電気モデルの伝達関数を用いて取得した電気インピーダンスデータを分析し、場所による対象物に関する複数の電気インピーダンス特性の変化を決定する工程;及び(iii)複数の電気インピーダンス特性の1つ又は複数のものの変化により特定される場所を特定する工程を含む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の1つ又は複数の電気インピーダンス特性の変化の場所を特定するための方法であって、該方法は、
(i) 異なる場所で対象物について電気インピーダンスデータを取得する工程;
(ii) 仮定される電気モデルの伝達関数を用いて取得した電気インピーダンスデータを分析し、場所による対象物に関する複数の電気インピーダンス特性の変化を決定する工程;及び
(iii) 複数の電気インピーダンス特性の1つ又は複数のものの変化により特定される場所を特定する工程を含む。
【請求項2】
電気インピーダンス検出を実行するための電極アレイを用いて、対象物に対して第1電気信号を適用することにより対象物についての電気インピーダンスデータを取得し、
対象物に特有の電気応答信号を受け取り、
電気応答信号の指標である第1出力信号を提供することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
電極アレイの少なくとも一部又は全体を動かして異なる場所で電気インピーダンス検出を行うことを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ヒトの肢に亘り横方向に電極アレイの少なくとも一部又は全体を物理的に動かして異なる場所で電気インピーダンス検出を行うことを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
電極アレイの少なくとも一部又は全体を物理的に動かし、電極アレイ用のキャリヤ板の開口が特定された場所に対応する場所上に位置づけられる、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
超音波センサーが開口内に配置される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
電極アレイが、お互いに対する移動のために構成された2つの部分に分割される、請求項2乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
電極アレイの部分の一つを動かし、ユーザーに対して特定された場所を特定することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
特定された場所が、ヒトの形態及び/又は皮下のマイクロ生体チャンネル及び/又は皮下の微量の低い液圧抵抗及び/又は経絡及び/又は鍼治療点の場所を特定する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
加熱/冷却を提供することを含む、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
使用に際して、対象物の生体組織に対して動くように構成された装置の可動素子上に電極アレイが実装される、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
可動素子が窓を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
窓は、可動素子における開口である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
電極アレイの電極が、窓上に存在しない、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
可動素子と対象物の間でスペーサー部材を用いることを含む、請求項11、12、13又は14に記載の方法。
【請求項16】
スペーサー部材は、超音波に対して透明であり、非導電性である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
スペーサー部材の開口は、使用に際して、電極アレイの電極に対するアライメントのために構成される、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
スペーサー部材の開口は、構成において対称に設けられ、電極アレイの電極は、構成において、対応して対称に設けられる、請求項15、16又は17に記載の方法。
【請求項19】
超音波トランスデューサを用いて、対象物に第1超音波信号を適用することにより超音波検出を実行し、対象物に特有の超音波応答信号を受け取り、及び、超音波応答信号の指標である第2出力信号を提供することを含む、請求項1乃至18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
対象物に対して超音波プローブの少なくとも一部又は全体を動かすことを更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
電気モデルは、第3インピーダンスに対して並列接続された、第1及び第2の直列接続されたインピーダンスを仮定し、又は、電気モデルは、別の抵抗器に対して並列接続された、コンデンサとこれに直列接続された抵抗器を仮定する、請求項1乃至20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
電気モデルがフラクタルモデルであり、任意の解像度で使用可能である、請求項1、2又は3に記載の方法。
【請求項23】
電気インピーダンス特性は、
周波数下限でのインピーダンス;
周波数上限でのインピーダンス;
インピーダンスに変化がある緩和周波数fr;
その緩和周波数でのインピーダンス;及び
その緩和周波数でのインピーダンス勾配を含む群から選択される、請求項1乃至22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
異なる場所で対象物について電気インピーダンスデータを取得することが、ある周波数帯に亘って異なる場所で対象物について電気インピーダンスデータを取得することを含む、請求項1乃至23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
周波数帯が、0~100MHzである、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
対象のヒトの1つ又は複数の電気インピーダンス特性の変化の場所を特定するための装置であって、
(i) 人体の異なる場所で対象のヒトについて電気インピーダンスデータを取得する手段;
(ii) 場所による対象物に関する複数の電気インピーダンス特性の変化を決定するべく、仮定される電気モデルの伝達関数を用いて取得した電気インピーダンスデータを分析する手段;及び
(iii) 複数の電気インピーダンス特性の1つ又は複数のものの変化により特定される場所を特定する手段を含む、装置。
【請求項27】
対象物の1つ又は複数の電気インピーダンス特性の変化の場所を特定するためのシステムであって、
異なる場所で対象物について電気インピーダンスデータを取得する手段;
場所による対象物に関する複数の電気インピーダンス特性の変化を決定するべく、仮定される電気モデルの伝達関数を用いて取得した電気インピーダンスデータを分析する手段;及び
複数の電気インピーダンス特性の1つ又は複数のものの変化により特定される場所を特定する手段を含む、システム。
【請求項28】
対象物の1つ又は複数の電気インピーダンス特性の変化の場所を特定するためのコンピュータープログラムであって、プロセッサーに対して指令を提供し、
場所による対象物に関する複数の電気インピーダンス特性の変化を決定するべく、仮定される電気モデルの伝達関数を用いて電気インピーダンスデータを分析させ、
複数の電気インピーダンス特性の1つ又は複数のものの変化により特定される場所を特定させる、コンピュータープログラム。
【請求項29】
対象物の1つ又は複数の電気インピーダンス特性の変化の場所を特定するための方法であって、
(i) 異なる場所である周波数帯に亘って対象物について電気インピーダンスデータを取得する工程;
(ii) 仮定される電気モデルの伝達関数を用いて取得した電気インピーダンスデータを分析し、場所による対象物に関する複数の電気インピーダンス特性の変化を決定する工程;
(iii) 決定された複数の電気インピーダンス特性の選択されたものを建設的に組み合わせ、場所により変化する対象物に関する少なくとも1つのパラメトリックインピーダンス値を提供する工程;及び
(iv) 対象物に関する少なくとも1つのパラメトリックインピーダンス値の空間的な変化により特定される場所を特定する工程を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、皮下のマイクロ生体チャンネルの場所の特定のための電気インピーダンス測定に関する。
【背景技術】
【0002】
電気インピーダンストモグラフィー(EIT(Electrical impedance tomography))は、既知のイメージング技術であり、特に、乳がんといった下層の異常な形態の検出のために医療及び他の用途において用いられる。典型的には、イメージングの対象物に対して複数の電極が取り付けられる。入力電圧が「入力」電極のサブセットに亘り印加され、「出力」電極で出力電流が測定され、又は、入力電流が「入力」電極のサブセット間に流され、出力電圧が「出力」電極で又は出力電極ペア間で測定される。例えば、極微弱な交流電流が「入力」電極のサブセットの間に流される時、出力電極の間又は「出力」電極ペアの間の電位差が測定される。次に、電流が、「入力」電極の異なるサブセットの間に流され、出力電極間又は「出力」電極ペア間の電位差が測定される。次に、適切な画像復元技術を用いて電気インピーダンスの変化に基づく電気インピーダンス画像を構築することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の幾つかの実施形態によれば、対象物の1つ又は複数の電気インピーダンス特性の変化の場所を特定するための方法が提供され、該方法は、
(i) 異なる場所で対象物について電気インピーダンスデータを取得する工程;
(ii) 仮定される電気モデルの伝達関数を用いて取得した電気インピーダンスデータを分析し、場所による対象物に関する複数の電気インピーダンス特性の変化を決定する工程;及び
(iii) 複数の電気インピーダンス特性の1つ又は複数のものの変化により特定される場所を特定する工程を含む。
【0004】
測定された電気インピーダンスデータに関連した電気インピーダンス特性を、測定された電気インピーダンスデータから導き出すことができ、これらの電気インピーダンス特性は、例えば、皮下のマイクロ生体チャンネル及び/又は皮下の微量の低い液圧抵抗及び/又は経絡及び/又は鍼治療点といったヒトの形態(human morphology)の場所を特定するために用いることができる。
【0005】
本発明の幾つかの実施形態によれば、対象物の1つ又は複数のパラメトリックインピーダンス値の変化の場所を特定するための方法が提供され、該方法は、
(i) 異なる場所である周波数帯に亘って対象物について電気インピーダンスデータを取得する工程;
(ii) 仮定される電気モデルの伝達関数を用いて取得した電気インピーダンスデータを分析し、場所による対象物に関する複数の電気インピーダンス特性の変化を決定する工程;
(iii) 決定された複数の電気インピーダンス特性の選択されたものを建設的に組み合わせ、場所により変化する対象物に関する少なくとも1つのパラメトリックインピーダンス値を提供する工程;及び
(iv) 対象物に関する少なくとも1つのパラメトリックインピーダンス値の空間的な変化により特定される場所を特定する工程を含む。
【0006】
電気モデルは、第3インピーダンスに並列接続された第1及び第2の直列接続されたインピーダンスを仮定し得る。電気モデルは、コンデンサと直列接続された抵抗器を仮定し、これらは、別の抵抗器に並列接続される。電気モデルは、任意の解像度で使用可能であるフラクタルモデルであり得る。
【0007】
電気インピーダンス特性は、周波数下限でのインピーダンス、周波数上限でのインピーダンス、インピーダンスに変化がある緩和周波数fr、その緩和周波数でのインピーダンス、及びその緩和周波数でのインピーダンス勾配を含む群から選択され得る。
【0008】
電気モデルは、容量と直列接続された抵抗を仮定し、これらが並列抵抗に並列接続され、緩和周波数を有するモデル回路を形成し、イメージングのために用いられるパラメトリックインピーダンス値は、容量、緩和周波数、直列抵抗及び並列抵抗の2以上の組み合わせである。
【0009】
電気モデルは、「膜」容量及び直列接続された細胞内抵抗を想定し、これらが細胞外抵抗に並列接続され、パラメトリックインピーダンス値は、膜インピーダンス、膜導電率、細胞内インピーダンス積、細胞内インピーダンス差、細胞内正規化インピーダンス差、細胞内インピーダンス微分、細胞内正規化インピーダンス微分、細胞内導電率積、細胞内導電率差、細胞内正規化導電率差、細胞内導電率差、細胞内正規化導電率差、細胞内時定数、細胞内周波数定数、細胞外インピーダンス積、細胞外インピーダンス差、細胞外正規化インピーダンス差、細胞外インピーダンス微分、細胞外正規化インピーダンス微分、細胞外導電率積、細胞外導電率差、細胞外正規化導電率差、細胞外導電率差、細胞外正規化導電率差、細胞外時定数、細胞外周波数定数、内外インピーダンス積、内外インピーダンス差、内外正規化インピーダンス差、内外微分、内外正規化微分、内外導電率積、内外導電率差、内外正規化導電率差、内外導電率差、内外正規化導電率差、分散勾配αにより修正された先行のパラメーターの任意の一つを含む。
【0010】
電気モデルは、第1インピーダンスと直列接続された第2インピーダンスを仮定し、これらが、第3インピーダンスに並列接続され、緩和周波数を有するモデル回路を形成し、パラメトリックインピーダンス値は、第1インピーダンス、緩和周波数、第2インピーダンス及び第3インピーダンスの2以上のものの組み合わせである。
【0011】
電気モデルは、内包境界(inclusion boundary)インピーダンスと直列接続された包含内のインピーダンスを想定し、これらが、内包間(inter-inclusion)インピーダンスに並列接続され、パラメトリックインピーダンス値は、内包境界インピーダンス、内包境界導電率、包含内のインピーダンス積、包含内のインピーダンス差、包含内の正規化インピーダンス差、包含内のインピーダンス微分、包含内の正規化インピーダンス微分、包含内の導電率積、包含内の導電率差、包含内の正規化導電率差、包含内の導電率差、包含内の正規化導電率差、包含内の時定数、包含内の周波数定数、包含間のインピーダンス積、包含間のインピーダンス差、包含間の正規化インピーダンス差、包含間のインピーダンス微分、包含間の正規化インピーダンス微分、包含間の導電率積、包含間の導電率差、包含間の正規化導電率差、包含間の導電率差、包含間の正規化導電率差、包含間の時定数、包含間の周波数定数、間と内部の(Inter-intra)インピーダンス積、間と内部のインピーダンス差、間と内部の正規化インピーダンス差、間と内部の微分、間と内部の正規化微分、間と内部の導電率積、間と内部の導電率差、間と内部の正規化導電率差、間と内部の導電率差、間と内部の正規化導電率微分、分散勾配αにより修正された先行のパラメーターの任意のものの一つを含む。
【0012】
周波数帯は、0~20MHzであり得る。周波数帯は、0~100MHzであり得る。
【0013】
本発明の幾つかの実施形態によれば、対象物のパラメトリックインピーダンス値の変化の場所を特定するための方法が提供され、該方法は、
(i) 異なる場所で対象物について電気インピーダンスデータを取得する工程;
(ii) 取得した電気インピーダンスデータを分析し、場所による対象物に関する複数の電気インピーダンス特性の変化を決定する工程;
(iii) 複数の電気インピーダンス特性から選択された電気インピーダンス特性を建設的に組み合わせ、場所により変化する対象物に関するパラメトリックインピーダンス値を提供する工程;及び
(iv) 対象物に関するパラメトリックインピーダンス値の1つ又は複数のものの空間的な変化により特定される場所を特定する工程を含む。
【0014】
対象物の電気インピーダンスデータが、生物材料について0MHzと20MHz~100MHzの間の周波数帯で収集され得る。
【0015】
工程(iii)は、インピーダンス強調アルゴリズムにより所定の電気インピーダンス特性を結合することを含み得る。
【0016】
工程(i)は、複数の周波数で対象物に関する電気インピーダンスデータを取得することを含み得る。生物材料について、伝達関数が、0~100MHzの周波数帯においてコール-コールの式[コール,1920;コール,1924]により与えられ得る。
【0017】
方法は、細胞構造又は細胞状の構造を有する電気的に導電性の対象物を分析するために用いられ得、工程(ii)は、コール-コール・モデル[コール,1920;コール,1924]といったものに構造をモデル化するために等価の電気インピーダンス回路の使用を含み得る。
【0018】
等価電気インピーダンス回路は、限られた場合、細胞膜容量(C)、細胞内抵抗(Ri)、及び細胞外抵抗(Re)を含み得る。等価電気インピーダンス回路は、細胞内抵抗(Ri)に直列接続された細胞膜容量(C)、細胞外抵抗(Re)に対して並列に接続された細胞膜容量(C)と細胞内抵抗(Ri)、又は等価の電気回路を含む。
【0019】
電気インピーダンス特性は、Ri(セル/グループ内抵抗)、Re(セル/グループ外抵抗)、C(セル/グループ容量)、fr(セル/グループ緩和周波数)及びα(セル/グループ緩和因子)から成る群から選択され得る。
【0020】
工程(iii)は、掛け算によりfr(緩和周波数)とC(セル/グループ容量)を結合することを含み得、これがパラメトリックインピーダンス値を提供する。
【0021】
超音波トランスデューサは、生体組織に第1超音波信号を適用し、生体組織に特有の超音波応答信号を受け取り、超音波応答信号の指標である第2の出力信号を提供することにより超音波検出を実行し得る。
【0022】
超音波トランスデューサと電気インピーダンスデータを取得するための電極アレイが装置の可動素子に実装され得る。
【0023】
スペーサー部材は、可動素子と対象物の間に介在し得る。スペーサー部材は、1つ又は複数の開口を備え得る。スペーサー部材の開口は、使用に際して、電極アレイの電極にアライメントされるように構成される。スペーサー部材は、超音波に透明であり得る。スペーサー部材は、非導電性であり得る。
【0024】
回転素子が、超音波トランスデューサのための窓(例えば、回転素子における開口)を有し得る。電極アレイの電極が窓上で支持され、又は、窓上に存在しない。
【0025】
本発明の幾つかの実施形態によれば、上述のように特定された方法のいずれかを実行するべくプロセッサーに指令を提供するコンピュータープログラムが提供される。
【0026】
本発明の幾つかの実施形態によれば、上述のように特定された方法のいずれかを実行するための手段を備えるシステム又は装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
ここで、本発明のより良い理解のため、ただの例として添付図面が参照される。
図1図1は、電気インピーダンス測定装置の概略図である。
図2A図2Aは、単一又は多数の分散(バラツキ(dispersion))を有する周波数の関数としての測定された電気インピーダンスのグラフを示す。
図2B図2Bは、単一又は多数の分散(バラツキ(dispersion))を有する周波数の関数としての測定された電気インピーダンスのグラフを示す。
図3図3は、「マイクロスケール」で細胞又は細胞状構造を有する対象物の一例の電気インピーダンス回路モデルを示す。
図4図4は、「マクロスケール」で細胞又は細胞状構造を有する対象物の包括的な電気インピーダンス回路モデルを示す。
図5図5は、図1に図示されたものと同様の電気インピーダンス測定装置の概略図であるが、超音波検出器を備える。
図6図6A,6B,6C,6Dは、電極アレイの異なる例を示す。
図7図7は、皮下のマイクロ生体チャンネル、経絡(meridian)又は鍼治療点(acupuncture point)の位置を特定するための電気インピーダンス測定装置の例である。
図8図8は、皮下のマイクロ生体チャンネル、経絡又は鍼治療点の位置を特定するための電気インピーダンス測定装置の例である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、負荷12に関するインピーダンスデータを測定するための電気インピーダンス測定又は電気インピーダンストモグラフィー(EIT)装置10を模式的に示す。負荷12は、複数の電極が取り付けられる電気的に導電性の対象物を備える。「導電性」は、対象物に電流を流すことができることを意味するが、必ずしも非常に円滑に電流が流れる必要はない。対象物は、対象物として参照される生きた動物であり、例えば、ヒト対象物として参照されるヒトであり得る。
【0029】
装置10は、更に、信号源14と信号検出器16を備える信号収集部112と、コンピューター18を更に備える。一つの実施形態においては、信号源が、入力信号として、電流を提供し、信号検出器が、出力信号として、電圧を検出する。別の実施形態においては、信号源が、入力信号として電圧を提供し、信号検出器が、出力信号として電流を検出する。
【0030】
コンピューター18は、典型的には、少なくとも、プロセッサーとメモリーを備える。メモリーがコンピュータープログラムを記憶し、プロセッサーにロードされる時、コンピューターを制御する。
【0031】
信号源14を用いて電極を介して対象物に入力信号が付与され、同一又は他の電極に生じる出力信号が、信号検出器16を用いて測定される。このプロセスが、異なる周波数の入力信号で繰り返される。例えば、0Hz(直流)と20MHz又は100MHzの間の多数の周波数で信号源14により電気信号が適用され、周波数依存の電気インピーダンスデータが対象物について取得されることを可能とする。
【0032】
インピーダンス測定のために用いられる電極の分離により対象物が分析される分解能又はスケールが決定される。電気インピーダンス測定は、対象物の予期されるスケール(例えば、マイクロメートル又はミリメートル域)で取得され得る。対象物のスケールの例としては、生物について、単一の細胞又はグループの細胞レベル又は組織又は組織学レベルに関心を持ち得る。続いて、取得した電気インピーダンスデータが、仮定される電気モデルの伝達関数を用いて分析され、対象物について複数の電気インピーダンス特性を決定する。用いられる電気モデルは、インピーダンス測定の分解能/スケールに依存し得る。
【0033】
装置10は、コントローラー112により用いられる電極を負荷12に関して異なる場所に動かすためのシステム13も含む。この動きは、異なる物理的な場所に電極を物理的に平行移動する物理的な動きであり、又は、電極アレイが有効に動くように電極アレイにより用いられる電極を再構成することを含み得る。
【0034】
対象物に関する複数の電気インピーダンス特性が、ある場所で決定され、次に、場所が変更され、再び、対象物に関する複数の電気インピーダンス特性が決定される。従って、対象物に関する複数の電気インピーダンス特性が、多数の異なる場所のそれぞれで自動的に決定され得る。装置10は、次に、複数の電気インピーダンス特性の1つ又は複数の空間的変化から場所を特定する。例えば、皮下のマイクロ生体チャンネル、経絡又は鍼治療点が、複数の電気インピーダンス特性の1つ又は複数の所定の空間的変化(spatial variation)により特定される。
【0035】
図2A及び2Bを参照すると、上述の方法を用いて取得された電気インピーダンスデータが、周波数の関数としてプロットされる。このプロット22は、対象物について、周波数又は伝達関数に対するインピーダンス変化を表す。コンピューター18は、適切なアルゴリズムを実行するように動作可能であり、取得したインピーダンス伝達関数又は周波数に依存のインピーダンス特性を分析し、異なる場所で対象物に関する複数の電気インピーダンス特性を決定する。
【0036】
電気インピーダンス特性は、典型的には、次のものの1つ又は複数を含む。
a)極限ω->0(下限)でのインピーダンス;
b)極限ω->∞(上限)でのインピーダンス;及び
C) (i)インピーダンスに変化が生じる緩和周波数;
(ii)その周波数変化でのインピーダンス;及び
(iii)インピーダンス変化の勾配、特に緩和周波数におけるもの。
【0037】
例えば、N>1として、用いられる周波数内で生物材料についてアルファ、ベータ、及びガンマ分散を含むN個の分散(dispersions)があるならば(コール・ケーエス(Cole K S)による「イオンに対する細胞膜の浸透と不浸透」、コールドスプリングハーバー・シンポジウム、量子生物学(Quant.Biol.)8,110~22頁,1940年)、分散周波数ω1,ω2・・・ωN-1,ωNが特定され、特定の分散mに関する電気インピーダンス特性が、典型的には、次のものの1つ又は複数を含む。
a) m=1について、(全域)下限ω->0でのインピーダンス;
m>1について、(局所)下限ω->ωm-aでのインピーダンス、ここで、a<(ωmm-1)であり、可能性として、1/2(ωmm-1);
b) m=Nについて、上限(全域)ω->∞でのインピーダンス;
m<Nについて、(局所)上限ω->ωm+bでのインピーダンス、ここで、b<(ωm+1m)であり、可能性として、b~1/2(ωm+1m);
c) (i)インピーダンスに変化が生じる緩和周波数ωm(frm);
(ii)その周波数変化でのインピーダンス;及び
(iii)その変化の勾配。
【0038】
これらのインピーダンス特性の一つ又は複数の変化量を、内外の細胞又は内外の細胞類に関連した変化に起因した対象物の構造を分析するために用いることができる。
【0039】
幾つかの実施形態においては、分析される対象物が、等価電気インピーダンス回路を用いてモデル化される。図3に図示された等価電気インピーダンス回路20を用いて対象物をモデル化しても良い。等価電気インピーダンス回路20を用いてモデル化される対象物は、ヒト又は動物組織を含み得る。
【0040】
図示の実施形態においては、等価電気インピーダンス回路20は、細胞外部分23に並列である細胞部分21を含む。細胞部分21は、直列の静電容量Cと抵抗Riを有する。静電容量Cが、細胞膜/境界に関連し、抵抗Riが、細胞の内部に関連する。細胞外部分23が抵抗Reを有する。抵抗Reは、細胞外の構造に関連する。抵抗Reは、静電容量Cと抵抗Riの直列接続に対して並列に接続される。
【0041】
この回路のための単一分散インピーダンス伝達関数の非限定の例は、次のものである。
極限ω->0では、Z->Reであり、
極限ω->∞では、Z->Ri//Reであり、すなわち、RiRe/(Ri+Re)である。
【0042】
周波数fr及びインピーダンスZrで勾配αを有する変化(分散)がある。
【0043】
生体組織における多数の分散のための伝達モデルは、次のようにコール-コール式によりモデル化することができる(コール・ケーエス1940,コール・ケーエス1941,マクアダムス・イーティー他1995)。
Z=R+(R0-R)/(1+(jf/fr))(1-α)
【0044】
単純モデル化細胞懸濁液(フリッケとモース1925)又は組織のために3要素電気等価回路が用いられるならば、この式は、通常、以下の式に書き換えることができる。
Z=Re・Ri/(Re+Ri)+(Re-Re・Ri/(Re+Ri))/(1+(jf/fr))(1-α)
ここで、Rは、ReとRiの並列の結果である。
【0045】
周波数fri及びインピーダンスZriで勾配αiを有する変化(分散)がある。
【0046】
上述のように、コンピューター18は、適切なアルゴリズムを実行するように動作可能であり、測定されたインピーダンスデータを分析し、各場所で分析中の対象物に関する複数の電気インピーダンス特性を抽出する。例えば、測定されたインピーダンスデータに基づいて、アルゴリズムは、周波数の関数としてインピーダンスデータ・ポイントをプロットし、モデルを用いて最適なフィッティング・ライン22を生成して図2に図示された伝達関数を生成するように動作し得る。この伝達関数から、コンピューター18は、対象物に関する複数の個別のインピーダンス特性を決定することができる。これらのインピーダンス特性は、
a)Reを与える、極限ω->0でのインピーダンス;
b)RiRe/(Ri+Re)を与える、極限ω->∞でのインピーダンス;及び
C) (i)インピーダンスに変化が生じる緩和周波数fr;
(ii)その周波数変化での伝達関数のインピーダンスZr;及び
(iii)緩和因子を与える、その変化の勾配α
を含み得る。
【0047】
モデルを用いて更なるインピーダンス特性を決定するためにインピーダンス特性を用いても良い。
【0048】
例えば、ReとRiRe/(Ri+Re)の両方が既知であれば、Riを決定することができる。
【0049】
変化(分散)周波数frでのインピーダンスZrについて、周波数における各々の小さな増加に応じてコンデンサが伝達特性を支配し、よりよく導電してインピーダンスを低減する。変化(分散)周波数frでのインピーダンスZrは、1/(j.2π fr.C)としてモデル化することができる。従って、Cは、1/(j.2π fr.Zr)として決定することができる。
【0050】
場所での個別のインピーダンス特性(ReRifr、Zr、α、C)の変化は、皮下のマイクロ生体チャンネル、経絡ライン又は鍼治療点といった形態の場所を特定するために用いられ得る。
【0051】
しかしながら、個別のインピーダンス特性の変化量は、場所による構造の正確な微分解析(differential analysis)を可能にするのに不十分であり得る。例えば、細胞膜容量(C)又は緩和周波数(fr)の変化量は、例えば、これらの個別のインピーダンス特性に基づいて容易に検出可能であるには不十分であり得る。
【0052】
本発明の実施形態においては、選択された所定のインピーダンス特性が「建設的に」組み合わされ、対象物に関するパラメトリックインピーダンス値を提供する。パラメトリックインピーダンス値を提供するこの方法におけるインピーダンス特性の建設的な組み合わせが、個別の電気インピーダンス特性の変化を強調する。これにより対象物の構造がより正確に分析することが可能になる。
【0053】
単純な例を挙げると、細胞膜容量(C)といった電気インピーダンス特性の一つに10%の増加があり、例えば、初期値C1が1.1C1になると、緩和周波数(fr)といった別の電気インピーダンス特性が10%、例えば、初期値fr1から1.1fr1に増加し、これらの個別の10%増加が、これらの個別の電気インピーダンス特性の測定値において容易に検出可能、例えば、識別可能であるには不十分であり得る。しかしながら、パラメトリックインピーダンス値を提供する掛け算によるこれらの個別の電気インピーダンス特性の組み合わせが、21%の大きな増加に帰結し得(1.21fr1C1)、より容易に検出可能である。
【0054】
インピーダンス特性は、特定の形態と正、中立、又は負の相関を有し得る。正の相関は、おそらく顕著ではないものの、形態が存在する時、増加することを意味する。負の相関は、おそらく顕著ではないものの、形態が存在する時、減少することを意味する。中立の相関は、形態が存在する時、変化しないことを意味する。反転させることにより正の相関の特性は、負の相関のものに変換可能である(逆も然り)。
【0055】
特定の形態を検出するためのインピーダンス特性の建設的な組み合わせは、その形態について同一の向き/方向(sense)で相関したインピーダンス特性が、掛け算(又は重み付け加算)により組み合わされ、パラメトリックインピーダンス値を生成し、その形態のために逆の向き/方向(sense)意味で相関されたインピーダンス特性が割り算(又は重み付け減算)により組み合わされることを意味する。
【0056】
決定されたインピーダンス特性のいずれかが、任意の所望の態様で建設的に組み合わされ、構成要素のインピーダンス特性のいずれかの形態変化により大きな感度を有するパラメトリックインピーダンス値を提供する。
【0057】
図3に記述の限られたレベルでのインピーダンス特性の組み合わせの非限定の例。
【0058】
組み合わせパラメトリック測定値(組み合わされた内/外/膜インピーダンス/導電率)
a)膜インピーダンス/導電率及び関連の量(Related quantities):
膜インピーダンス:Zm=1/2π*fr*C
膜導電率: σm=2π*fr*C
b)組み合わされた細胞内インピーダンス/導電率
積又は商: Ri*Zm又はRi/Zm又はRi/C又はRiC
又は: σi*σm
差/正規化された差:
a*Ri-b*Zm
又は: C*σi-d*σm
式中、係数a,b,c及びdは、用いられる量に合わせるために用いられる定数(-∞-+∞)である。
【0059】
微分/正規化された微分:
(a*Ri-b*Zm)/Zm
又は: (a*Ri-b*Zm)/Ri
代替的に: (C*σi-d*σm)/σm
又は: (C*σi-d*σm)/σi
式中、係数a,b,c及びdは、用いられる量に合わせるために用いられる定数(-∞-+∞)である。
【0060】
細胞内時定数: Ri*C
又は: 細胞内周波数定数 1/Ri*C
【0061】
C)組み合わされた細胞外インピーダンス/導電率:
積又は商: Re*Zm又は Re/Zm又はRe/C又はReC
又は: σx*σm
差/正規化差:
a*Re-b*Zm
又は: C*σx-d*σm
式中、係数a,b,c及びdは、用いられる量に合わせるために用いられる定数(-∞-+∞)である。
【0062】
微分/正規化微分:
(a*Re-b*Zm)/Zm
又は: (a*Re-b*Zm)/Re
代替として: (C*σx-d*σm)/σm
又は: (C*σx-d*σm)/σx
式中、係数a,b,c及びdは、用いられる量に合わせるために用いられる定数(-∞-+∞)である。
【0063】
細胞外時定数: Re*C
又は: 細胞外周波数定数 1/Re*C
【0064】
d)組み合わされた細胞内外インピーダンス/導電率:
積: Re*Ri
又は: σx*σi
商: Re/Ri又は Ri/Re
差/正規化差:
a*Re-b*Ri
又は: C*σx-d*σi
式中、係数a,b,c及びdは、用いられる量に合わせるために用いられる定数(-∞-+∞)である。
【0065】
微分/正規化微分:
(a*Re-b*Ri)/Ri
又は: (a*Re-b*Ri)/Re
代替的に: (C*σx-d*σi)/σi
又は: (C*σx-d*σi)/σx
式中、係数a,b,c及びdは、用いられる量に合わせるために用いられる定数(-∞-+∞)である。
【0066】
e)3つの組み合わせ
ReRiC 又はReRi/C 又は
(Ri/Re)C 又は(Ri/Re)/C 又は
(Ri*Re)Zm 又は(Ri*Re)/Zm 又は…
【0067】
逸脱した分散特性(α)を有する、組み合わせ統合細胞パラメトリック測定値(combinational integrated cellular parametric measurements)
a)「逸脱(deviant)」膜インピーダンス/導電率及び関連の量(related quantities):
「逸脱」膜インピーダンス:
α*Zm
又は: α/Zm
「逸脱」膜導電率:
α*σm
又は: α/σm
【0068】
b)組み合わせ「逸脱」細胞内インピーダンス/導電率:
積: α*Ri*Zm
又は: σi*σm
差/正規化差:
α*(a*Ri-b*Zm)
又は: α*(C*σi-d*σm)
式中、係数a,b,c及びdは、用いられる量に合わせるために用いられる定数(-∞-+∞)である。
【0069】
微分/正規化微分:
α*(a*Ri-b*Zm)/Zm
又は: α*(a*Ri-b*Zm)/Ri
代替的に:α*(C*σi-d*σm)/σm
又は: α*(C*σi-d*σm)/σi
式中、係数a,b,c及びdは、用いられる量に合わせるために用いられる定数(-∞-+∞)である。
【0070】
細胞内時定数: α*(Ri*C)
又は:細胞内周波数定数 α*(1/Ri*C)
【0071】
C)組み合わせ細胞外インピーダンス/導電率:
積: α*Re*Zm
又は: α*σx*σm
差/正規化差
α*(a*Re-b*Zm)
又は:: α*(C*σx-d*σm)
式中、係数a,b,c及びdは、用いられる量に合わせるために用いられる定数(-∞-+∞)である。
【0072】
微分/正規化微分:
α*(a*Re-b*Zm)/Zm
又は: α*(a*Re-b*Zm)/Re
代替的に:α*(C*σx-d*σm)/σm
又は: α*(C*σx-d*σm)/σx
式中、係数a,b,c及びdは、用いられる量に合わせるために用いられる定数(-∞-+∞)である。
【0073】
細胞外時定数:α*Re*C
又は:細胞外周波数定数 α*(1/Re*C)
【0074】
d)組み合わせ細胞内外インピーダンス/導電率:
積: α*Re*Ri
又は: α*σx*σi
差/正規化差:
α*(a*Re-b*Ri)
又は: α*(C*σx-d*σi)
式中、係数a,b,c及びdは、用いられる量に合わせるために用いられる定数(-∞-+∞)である。
【0075】
微分/正規化微分:
α*(a*Re-b*Ri)/Ri
又は: α*(a*Re-b*Ri)/Re
代替的に: α*(C*σx-d*σi)/σi
又は: α*(C*σx-d*σi)/σx
式中、係数a,b,c及びdは、用いられる量に合わせるために用いられる定数(-∞-+∞)である。
【0076】
e)3つの組み合わせ
α*ReRiC 又は α*ReRi/C 又は
α*(Ri/Re)C 又は α*(Ri/Re)/C 又は
α*(Ri*Re)Zm 又は α*(Ri*Re)/Zm 又は…
【0077】
分散周波数Frを有する組み合わせ統合細胞パラメトリック測定値(combinational integrated cellular parametric measurements with dispersion frequency Fr.)。直上のa)~e)のαをFrで置換せよ。
【0078】
分散周波数Fr及び分散特性(α)を有する組み合わせ統合細胞パラメトリック測定値(combinational integrated cellular parametric measurements with dispersion frequency Fr and dispersion characteristic (α))。直上のa)~e)のαをα*Frで置換せよ。
【0079】
適切なインピーダンス強調アルゴリズムがコンピューター18により実施され、組み合わせのため及び組み合わせの態様について最適な電気インピーダンス特性を選択し、結果として生じるパラメトリックインピーダンス値の変化を最大化する。パラメトリックインピーダンス値が一つの場所で対象物のために取得された後、別の場所で取得される。次に、方法は、対象物について少なくとも1つのパラメトリックインピーダンス値の変化により場所を特定する。例えば、皮下のマイクロ生体チャンネル、経絡又は鍼治療点が、対象物について1つ又は複数のパラメトリックインピーダンス値の所定の空間変化により特定される。
【0080】
図4は、分析中の対象物のより一般的なモデルを示す。この図示の実施形態においては、等価電気インピーダンス回路30は、内包間部分(inter-inclusion portion)33に並列の内包部分(inclusion portion)31を含む。内包部分31は、直列のインピーダンスZ1とインピーダンスZ2を有する。インピーダンスZ1は、内包境界に関し(細胞のグループの膜関連成分の指標であり得)、また、インピーダンスZ2は、内包の内部に関する(細胞のグループの細胞内関連の成分の指標であり得る)。内包間部分33は、インピーダンスZ3を有する。インピーダンスZ3は、内包外の構造に関連する(細胞のグループの細胞外成分の指標であり得る)。インピーダンスZ3は、直列に接続されたインピーダンスZ1及びZ2に並列に接続される。
【0081】
この回路のインピーダンス伝達関数は、次のとおりである:
【0082】
図4に記述のレベルでのインピーダンス特性の組み合わせの非限定の例。
【0083】
組み合わせパラメトリック測定値
a)内包境界インピーダンス/導電率及び関連の量:
内包境界インピーダンス: Zm=1/2π*fr*Z2
内包境界導電率: σm=2π*Fr*Z2
【0084】
b)組み合わせ内包内インピーダンス/導電率
積:: Z1*Zm
又は: σ1*σm
差/正規化差:
a*Z1-b*Zm
又は: C*σ1-d*σm
式中、係数a,b,c及びdは、用いられる量に合わせるために用いられる定数(-∞-+∞)である。
微分/正規化微分:
(a*Z1-b*Zm)/Zm
又は: (a*Z1-b*Zm)/Z1
代替的に:(C*σ1-d*σm)/σm
又は: (C*σ1-d*σm)/σ1
式中、係数a,b,c及びdは、用いられる量に合わせるために用いられる定数(-∞-+∞)である。
包含内の時定数: Z1*Z2
又は: 包含内の周波数定数 1/Z1*Z2
【0085】
c)組み合わせ包含間インピーダンス/導電率:
積: Z3*Zm
又は: σ3*σm
差/正規化差:
a*Z3-b*Zm
又は: C*σ3-d*σm
式中、係数a,b,c及びdは、用いられる量に合わせるために用いられる定数(-∞-+∞)である。
【0086】
d)組み合わせ内包間から内部への(inter-to-intra inclusion)インピーダンス/導電率:
積: Re*Ri
又は: σx*σi
差/正規化差:
a*Re-b*Ri
又は: C*σx-d*σi
式中、係数a,b,c及びdは、用いられる量に合わせるために用いられる定数(-∞-+∞)である。
微分/正規化微分:
(a*Re-b*Ri/Ri
又は: (a*Re-b*Ri)/Re
代替的に:(C*σx-d*σi)/σi
又は: (C*σx-d*σi)/σx
式中、係数a,b,c及びdは、用いられる量に合わせるために用いられる定数(-∞-+∞)である。
微分/正規化微分:
(a*Z3-b*Zm)/Zm
又は: (a*Z3-b*Zm)/Z3
代替的に: (C*σ3-d*σm)/σm
又は: (C*σ3-d*σm)/σ3
式中、係数a,b,c及びdは、用いられる量に合わせるために用いられる定数(-∞-+∞)である。
包含間の時定数: Z3*Z2
又は: 包含間の周波数定数 1/Z3*Z2
【0087】
逸脱分散特性(α)を有する組み合わせ統合パラメトリック測定値
a)「逸脱」内包境界インピーダンス/導電率及び関連の量:
「逸脱」内包境界インピーダンス:
α*Zm
又は: α/Zm
「逸脱」内包境界導電率:
α*σm
又は: α/σm
b)組み合わせ「逸脱」包含内のインピーダンス/導電率:
積: α*Z1*Zm
又は: σ1*σm
差/正規化差:
α*(a*Z1-b*Zm)
又は: α*(C*σ1-d*σm)
式中、係数a,b,c及びdは、用いられる量に合わせるために用いられる定数(-∞-+∞)である。
【0088】
微分/正規化微分:
α*(a*Z1-b*Zm)/Zm
又は: α*(a*Z1-b*Zm)/Z1
代替的に: α*(C*σ1-d*σm)/σm
又は: α*(C*σ1-d*σm)/σ1
式中、係数a,b,c及びdは、用いられる量に合わせるために用いられる定数(-∞-+∞)である。
【0089】
包含内の時定数: α*(Z1*Z2)
又は: 包含内の周波数定数 α*(1/Z1*Z2)
【0090】
c)組み合わされた包含間インピーダンス/導電率
積: α*Z3*Zm
又は: σ3*σm
差/正規化差
α*(a*Z3-b*Zm)
又は: α*(C*σ3-d*σm)
式中、係数a,b,c及びdは、用いられる量に合わせるために用いられる定数(-∞-+∞)である。
微分/正規化微分:
α*(a*Z3-b*Zm)/Zm
又は: α*(a*Z3-b*Zm)/Z3
代替的に: α*(C*σ3-d*σm)/σm
又は: α*(C*σ3-d*σm)/σ3
式中、係数a,b,c及びdは、用いられる量に合わせるために用いられる定数(-∞-+∞)である。
包含間の時定数: α*Z3*Z2
又は:包含間の周波数定数 α*(1/Z3*Z2)
d)組み合わされた包含間から内部へのインピーダンス/導電率
積: α*Re*Ri
又は: α*σx*σi
差/正規化差:
α*(a*Re-b*Ri)
又は: α*(C*σx-d*σi)
式中、係数a,b,c及びdは、用いられる量に合わせるために用いられる定数(-∞-+∞)である。
微分/正規化微分:
α*(a*Re-b*Ri)/Ri
又は: α*(a*Re-b*Ri)/Re
代替的に: α*(C*σx-d*σi)/σi
又は: α*(C*σx-d*σi)/σx
式中、係数a,b,c及びdは、用いられる量に合わせるために用いられる定数(-∞-+∞)である。
【0091】
このモデルは、米国特許第6856824号に先に記載のフラクタルモデルである。インピーダンスZ1,Z2,Z3のそれぞれが、いずれかの回路30を用いて、Z1がRiに等しく、Z2がCに等しく、Z3がReに等しい限定レベルで表される。「フラクタル」という用語は、構造を見るどの寸法レベルでもモデルが同一である事実を表現するために用いられる。
【0092】
図5を参照すると、生体組織の特有の信号を検出するための装置10が示され、電極アレイ101と超音波プローブ102を備える。
【0093】
電気アレイ101は、電極板105の面104上に配置された複数の電極103を備える。使用において、生体組織(不図示)が電極板105に隣接し、電極板105の面104に隣接し、面104に接触し、又は離間する。電極103は、生体組織の電気インピーダンス測定の間、生体組織への第1電気信号を適用することができる。電極103は、生体組織に適用するために電極103に第1電気信号を送信するため、及び電極103から第1出力信号を受け取るため、第1コントローラー111に電気的に結合される。第1出力信号は、電極103で受け取られる、生体組織に特有の電気応答信号に依存する。
【0094】
超音波プローブ102は、超音波プローブ102の面106に配置される複数の超音波トランスデューサ107を備える。超音波トランスデューサ107は、生体組織への超音波試験の間、生体組織への第1超音波信号を適用することができる。超音波トランスデューサ107は、生体組織に第1超音波信号を超音波トランスデューサ107に適用させる一般的に電気パルスの形態の第2入力信号を超音波トランスデューサに提供するため、及び、超音波トランスデューサ107で受け取られる、生体組織に特有の超音波応答信号に依存する第2出力信号を超音波トランスデューサ107から受け取るため、第2コントローラー112に電気的に結合される。
【0095】
超音波トランスデューサ107が配置される超音波プローブ102の面106が、電極板105に隣接して、また、電極103が配置される電極板105の面104に対する電極板105の反対面上に配置される。従って、電極板105が水平に配置され、電極103が配置された電極板105の面104が上向きに配置されるならば、超音波プローブ102が電極板105の下方にあり、超音波トランスデューサ107が配置された超音波プローブ102の面106も上向きに配置される。従って、超音波トランスデューサ107は、電極板105に対して実質的に平行な面に配置される。これにより電気信号と超音波信号がお互いに実質的に平行な方向で生体組織に適用されることを可能にする。
【0096】
電極板105の動きにより第1電気信号が適用され、電極103が配置された電極板105の面積よりも広い生体組織の領域上の異なる場所で電気応答信号が検出される。システム13は、図1を参照して先に記述のように対象物に関して電極板105と超音波プローブ102を平行移動させ得る。
【0097】
この例では、対象物に関して超音波プローブ102も回転する。超音波プローブ102と電極板105が機械的に結合し、超音波プローブ102は、電極板105に実質的に垂直の軸108周りに回転可能である。あるサイズの生体組織の領域について、小数の電極103が配置され、これは、電気接続の複雑さを低減する。電極板105の回転は、また、電極103の物理的な間隔よりもより密な間隔の電極の増分位置(incremental positions)を用いて、より精密な解像度での電気的測定を可能にする。
【0098】
電極103が第1ポート109に結合され、超音波トランスデューサ107が第2ポート110に結合される。第1ポート109が双方向であり、電極103へ及び電極103から信号を搬送する。第2ポート110も双方向であり、超音波トランスデューサ107へ及び超音波トランスデューサ107から信号を搬送する。明確さのため、第1ポート109と電極103の間の接続と、第2ポート110と超音波トランスデューサ107の間の接続が、図1に図示されない。これらの接続は、例えば、面104の反対の電極板105の面上に配置され、又は、電極板105の内部にあり得る。
【0099】
第1ポート109に結合した第1コントローラー111がある。第1コントローラー111は、第1ポート109を介して1つ又は複数の電極103に伝達される第1入力信号を生成し、第1入力信号に応答して第1電気信号が生体組織に伝達される。第1電気信号が生体組織を通過し、電極103の他のもので受け取られる。これらの受け取られた信号が本明細書及び添付請求項において電気応答信号として名付けられる。電気応答信号に依存する第1出力信号が第1ポート109を介して第1コントローラー111に伝送される。
【0100】
第2ポート110に結合した第2コントローラー112がある。第2コントローラー112は、超音波トランスデューサ107に第2ポート110を介して伝送される第2入力信号を生成する。第2入力信号は、例えば、電気信号又は光信号であり得る。超音波トランスデューサ107は、第2入力信号を第1超音波信号に変換し、これが、生体組織に伝送される。第1超音波信号が生体組織で反射される。これらの反射は、本明細書及び添付請求項において超音波応答信号と名付けられる。超音波応答信号は、超音波トランスデューサ107により検出され、これにより超音波応答信号が第2出力信号に変換され、第2ポート110を介して第2コントローラー112に伝送される。
【0101】
第1及び第2コントローラー111,112がコンピューター18に結合される。コンピューター18が、第1出力信号に基づいて電気インピーダンスデータを生成し、第2出力信号に基づいて超音波データを生成する。超音波データと電気インピーダンスデータが生体組織に特有のものである。
【0102】
代替的に、コンピューター18は、超音波データと電気インピーダンスデータを組み合わせ、ディスプレイ114(オプション)が、組み合わされた超音波データと電気インピーダンスデータを表すイメージを表示し得る。この手段により、電気インピーダンスデータと超音波データが、高められたイメージを提供するように組み合わされ、皮下のマイクロ生体チャンネル、経絡ライン、及び鍼治療点といった生体組織の特徴の検出と場所の特定を補助することができる。電気インピーダンスデータ又は超音波データ単体からでは明らかではない生体組織の特徴は、電気インピーダンスデータと超音波データの組み合わせ後、明らかになり得る。イメージは、2又は3次元であり得る。
【0103】
図5に図示された電極板105が平坦であるが、これは、本発明の本質的な特徴ではなく、電極板105又は少なくとも面104が非平坦であり得る。例えば、面104は、生体組織に同類の形状に形状付けられ得る。これは、生体組織の形状の歪が低減又は回避されることを可能にする。超音波プローブ102の面106、及び超音波トランスデューサ107の配列は、隣接する電極板105の形状に相補的に形状付けられ得る。
【0104】
生体組織の形状とは相補的である形状を採用することにより、電極板105と生体組織の間、及び超音波トランスデューサ107と生体組織の間の信号経路の長さが低減され、応答信号を検出する装置の感応性が改善する。
【0105】
図4に図示の実施形態において、電極板105が円形である。これは、本発明の本質的な特徴ではなく、他の形状が用いられ得る。
【0106】
第1ポート109と第2ポート110を介して電送される信号は、電流又は電圧であり、又は光信号であり得る。また、これらはアナログ又はデジタル信号であり得る。光信号が用いられる場合、光信号と電気信号の変換が、超音波トランスデューサ107により、電極103により、また、第1及び第2コントローラー111,112により実行され得る。デジタルからアナログへの変換と、アナログからデジタルへの変換が、超音波トランスデューサ107により、電極103により、また、第1及び第2コントローラー111,112により実行され得る。超音波トランスデューサ107、電極103、及び第1及び第2コントローラー111,112は、信号処理、例えば、増幅及びフィルタリングを含み得る。第1コントローラー111が電極板105に一体化され、第2コントローラー112が超音波プローブ102に一体化され得る。この場合、第1及び第2ポート109,110のいずれか又は両方が、各々、電極板105又は超音波プローブ102に一体化され得る。代替的に、第1コントローラー111が、ケーブルにより電極板105から離間して配置され、及び/又は、第2コントローラー112が、ケーブルにより超音波プローブ102から離間して配置され得る。
【0107】
第1コントローラー111及び第2コントローラー112が結合され、実に、共通のコントローラーであり得る。これにより第1及び第2信号の生成が同期されることが可能になる。例えば、第1及び第2信号の相対的なタイミング及び/又は大きさが制御され得る。
【0108】
装置10は、電極キャリヤ板105から評価中の対象物を離間するためのスペーサー部材を備え得る。電極キャリヤ板105が回転する時、スペーサー部材と対象物が回転しない。このようにして、対象物が、回転キャリヤ板105からの回転力から保護され、患者への不快感が低減又は除去可能である。回転可能なキャリヤ板105は、取り付けられる超音波プローブ102のための超音波窓を有し得る。窓は、板105を通じる開口であり得る。スペーサー膜800は、超音波に対して透明な膜、例えば、ポリマー、例えば、高電気インピーダンスポリマーから成り得る。この例では、各電極が、スペーサー部材を通じた開口を有し得る。
【0109】
図6A,6B,6C,6Dは、電極103の電極アレイ101の例を開示する。これらの電極アレイ101は、回転可能であり、回転対称性を持つ。スペーサー部材は、評価中の対象物を回転電極アレイ101から離間するために用いられる。キャリヤ板105は、電気的に非導電性であり、例えば、プラスチック材料から成る。電極103が、電極キャリヤ板105の平坦面に亘り配置され、好ましくは、電極キャリヤ板105に凹設され、電極キャリヤ板105上に配置される対象物と物理的に接触しない。各電極は、ドットにより表わされる。
【0110】
電極キャリヤ板105上において繰り返し、90°下の回転対称角度を有する繰り返し単位を備える構成において、電極が、電極キャリヤ板105上に配置される。90°未満の回転変位により連続の位置を通じて回転される電極のパターンを用いて形成されるべき電気インピーダンスの測定を可能にする態様で電極が配置される。
【0111】
図6Aにおいて、電極103は、正方形マトリクスにおいて等距離に配置され、電極が、連続(continuum)に配置された正方形のコーナーに配置される。電極は、正方形の配列(tessellation)の各正方形の1つ又は複数のコーナーに配置される。そのような配置により回転対称になり、これは、90°の倍数である。そのような配置において、配置の境界の近くにあるものを除いて、各電極は、正方形に配置された4つの最寄りの隣接電極を有する。各正方形を4つの小さな正方形に細分化することにより、より密なマトリクスを代替として提供することができる。
【0112】
電極103は、X列N行のアレイであり、ここで、X=1,2,3,...N;Y=1,2,...Mであり、例えば、3*16アレイ、3*24アレイ、5*16アレイ、5*24アレイであり、電極間のギャップが、任意の可能な値であり、例えば、0.01mm,0.02mm,0.05mm,0.1mm,0.5mm,1mm等である。
【0113】
図6Bにおいて、電極103が、三角形マトリクスにおいて等距離に配置され、電極が、連続(continuum)に配置された正三角形のコーナーに配置される。電極は、三角形の配列(tessellation)の各三角形の1つ又は複数のコーナーに配置される。三角形は、正三角形であり得る。更には、三角形が等しいサイズであり得る。そのような配列により回転対称になり、これは、60°の倍数である。そのような配置において、配置の境界の近くにあるものを除いて、各電極は、六角形に配置された6つの最寄りの隣接電極を有する。
【0114】
各正三角形を4つの小さな正正方形に細分化することにより、より密な三角形のマトリクスを代替として提供することができる。
【0115】
電極103は、半分占有された(half-occupied)X列N行のアレイであり、ここで、X=1,2,3,...N;Y=1,2,...Mであり、例えば、3*16アレイ、3*24アレイ、5*16アレイ、5*24アレイであり、電極間のギャップが、任意の可能な値であり、例えば、0.01mm,0.02mm,0.05mm,0.1mm,0.5mm,1mm等である。
【0116】
図6C及び6Dにおいて、電極103は、共通点Oを通過する5以上の径方向に延びる線上に配置される。2次元において、N個の径方向線が、360°/Nの角度間隔を有し、また、径方向線沿いの電極103間のギャップが、任意の可能な値であり、例えば、0.01mm,0.02mm,0.05mm,0.1mm,0.5mm,1mm等である。
【0117】
各電極の直径が1~5μmであり得るが、この範囲に限定されない。最も近い電極間の中心距離が、例えば、0.01~1mmの間であり得る。
【0118】
電極103は、皮下5~10mmまで、通常、1~2mmの解像度で2~4mmまで測定するように構成され得る。
【0119】
図7は、電気インピーダンス測定に加えて超音波測定を用いる又は用いない装置10の例を示す。電極キャリヤ板105は、対象物(主体)に関して横方向200に動かされ得る。その動きが、システム13(不図示)により生じさせられ、これは、例えば、サーボモーターを備え得る。装置10は、電極103のアレイを動かし、各場所で測定を行う。
【0120】
装置は、
(i)異なる場所で対象物に関する電気インピーダンスデータを取得し;
(ii)仮定される電気モデルの伝達関数を用いて、取得した電気インピーダンスデータを分析し、場所での対象物に関する複数の電気インピーダンス特性の変化を決定し;及び
(iii)複数の電気インピーダンス特性の1つ又は複数のものの変化により特定される場所を特定する。
【0121】
複数の電気インピーダンス特性の1つ又は複数のものの変化の場所を特定することで、装置10は、電極103のキャリヤ板105を動かし、キャリヤ板105の中央の開口が、皮下のマイクロ生体チャンネル、経絡又は鍼治療点に対応する場所の上に位置づけられる。これにより、鍼師は、開口202内の鍼治療点を特定することができる。
【0122】
装置10は、肢に沿って動かされるストラップ又はバンドとして構成され得る。横方向の動きは、肢を亘るものである。
【0123】
対象物に関する電気インピーダンスデータは、多数の異なる場所のそれぞれ一つである周波数帯に亘って取得され得る。
【0124】
場所で変化する対象物に関するパラメトリックインピーダンス値は、決定された複数の電気インピーダンス特性の選択されたものを建設的に組み合わせることにより形成され得、また、関心物の場所が、対象物に関する少なくとも1つのパラメトリックインピーダンス値の変化により特定され得る。
【0125】
超音波センサーが、開口202内に配置され得る。
【0126】
図8は、電気インピーダンス測定に加えて超音波測定を使用し、又は使用しない装置10の例を示す。電極キャリヤ板105は、2つの部分105A及び105Bに分割される。
【0127】
部分105Aは、電極103のアレイ101である。このアレイは、固定され、又は動くことができ得る。例えば、対象物(主体)に対して横方向200に動かされ得る。動きが、例えば、サーボモーターを備え得るシステム13(不図示)により生じ得る。
【0128】
部分105Bは、電極103のアレイ101である。このアレイは、動くことができ得、読み出しヘッド210を作動させる。図示例では、2つの読み出しヘッド210がある。例えば、対象物(主体)に対して横方向及び/又は長手方向に動かされ得る。動きが、例えば、サーボモーターを備え得るシステム13(不図示)により生じ得る。
【0129】
装置10は、電極103のアレイを動かし、各場所で測定を行う。
【0130】
装置10は、
(i)異なる場所で対象物に関する電気インピーダンスデータを取得し;
(ii)仮定される電気モデルの伝達関数を用いて、取得した電気インピーダンスデータを分析し、場所での対象物に関する複数の電気インピーダンス特性の変化を決定し;及び
(iii)複数の電気インピーダンス特性の1つ又は複数のものの変化により特定される場所を特定する。
【0131】
複数の電気インピーダンス特性の1つ又は複数のものの変化の場所を特定することで、装置10は、読み出しヘッド(群)210を動かして場所を特定する。
【0132】
対象物についての電気インピーダンス特性は、多数の異なる場所のそれぞれ一つで、ある周波数帯に亘って取得され得る。
【0133】
場所で変化する対象物に関するパラメトリックインピーダンス値は、決定された複数の電気インピーダンス特性の選択されたものを建設的に組み合わせることにより形成され得、また、関心物の場所が、対象物に関する少なくとも1つのパラメトリックインピーダンス値の変化により特定され得る。
【0134】
上述の例において、温度制御サブシステムが用いられ、例えば、電極板105を介して又は独立して、対象物の一定又は微分の加熱/冷却を提供する。異なる場所での測定は、従って、一定又は可変の制御された温度条件下で行われ得る。
【0135】
上述の例において、異なる場所での測定が、鍼治療なしで行われ、又は、鍼治療の過程で行われる。
【0136】
温度が変化し、また鍼治療の有無といった時間変化パラメーターを適用することにより、電気インピーダンス特性の時間変化を決定することができる。これにより、鍼治療刺激の過程における経絡ラインに沿う透過率の速度、透過方向、及び検出といったパラメーターの決定が許容され得る。動的測定は、鍼治療が与えられる時、データの変化からチャンネルにおける細胞間組織の流体の流れを検出する。装置は、また、赤血球について1~3MHzの特性周波数に従って、経絡チャンネルと血管の差も言い分けることができる。
【0137】
異なる性、年齢、正常及び非正常集団のデータと、対象物の測定された電気インピーダンス特性を比較するためにデータベースが用いられ得る。
【0138】
本発明の実施形態が、様々な非限定の例を参照して先行の段落で記述したが、それらの例に対する変更が、請求された発明の範囲から逸脱することなく可能であるものと理解されるべきである。
【0139】
特に重要であるものと見込まれる発明の特徴に注意を引くべく上述の明細書において努めたが、出願人は、先に言及した及び/又は添付図面に示された任意の特許可能な特徴又は特徴の組み合わせに関して保護を要求するものと理解されるべきである。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-06-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトの肢の1つ又は複数の電気インピーダンス特性の変化を決定することにより針治療点を特定して使用する方法であって、当該方法は、
(i)サーボモーターを用いて横及び/又は長手方向にヒトの肢に亘って電極アレイを支持するキャリヤ板を物理的に動かして前記ヒトの肢の電気インピーダンスデータを異なる場所で取得するステップにして、前記電極アレイを支持する前記キャリヤ板が、前記キャリヤ板を貫通する開口を備え、前記電極アレイの電極が前記開口上に存在しないステップ;
(ii)仮定される電気モデルの伝達関数を用いて、取得した前記電気インピーダンスデータを分析し、前記ヒトの肢に亘る場所での前記ヒトの肢の電気インピーダンス特性の変化を決定するステップ;及び
(iii)サーボモーターを用いて前記ヒトの肢に亘って前記電極アレイを支持する前記キャリヤ板を物理的に動かし、前記キャリヤ板の前記開口が、前記ヒトの肢に亘る場所での前記ヒトの肢の電気インピーダンス特性の決定された前記変化により特定された場所上に位置付けられるステップを含み、
前記開口は、前記ヒトの肢の所有者ではない鍼師が前記開口内の針治療点を特定して使用することを可能にするように位置付けられる、方法。
【請求項2】
前記ヒトの肢に第1電気信号を適用し、適用した前記第1電気信号に応答して前記ヒトの肢の電気応答信号を受信し、及び、分析のために取得した前記電気インピーダンスデータとして前記電気応答信号を含む第1出力信号を提供することにより、電気インピーダンス検出の実行のための前記電極アレイを使用して前記ヒトの肢の前記電気インピーダンスデータを取得することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
異なる場所での前記ヒトの肢の電気インピーダンスデータの取得が、制御された一定の温度条件で行われるように加熱又は冷却を提供することを更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記ヒトの肢に第1超音波信号を適用し、前記ヒトの肢に適用された前記第1超音波信号に応答して前記ヒトの肢の超音波応答信号を受信し、及び、分析のために前記超音波応答信号を含む第2出力信号を提供することにより、超音波検出を実行するように構成された超音波トランスデューサを用いることを含み、
前記超音波トランスデューサが前記開口内に配置される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記電気モデルは、第1インピーダンスと第2インピーダンスが直列に接続された直列回路が、第3インピーダンスに並列に接続された回路、又は、コンデンサと抵抗器が直列に接続された直列回路が、別の抵抗器に並列に接続された回路を仮定する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記電気インピーダンス特性は、周波数下限でのインピーダンス、周波数上限でのインピーダンス、インピーダンスに変化がある緩和周波数fr、その緩和周波数でのインピーダンス、及びその緩和周波数でのインピーダンス勾配を含む群から選択される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ヒトの肢の電気インピーダンスデータを異なる場所で取得することは、周波数の範囲において異なる場所で前記ヒトの肢の電気インピーダンスデータを取得することを含み、前記周波数の範囲が0MHzと100MHzの間である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記仮定される電気モデルの伝達関数を用いて、取得した前記電気インピーダンスデータを分析し、前記ヒトの肢に亘る場所での前記ヒトの肢の電気インピーダンス特性の変化を決定するステップは、決定した複数の前記電気インピーダンス特性から選択した前記電気インピーダンス特性を組み合わせて、場所によって変化する前記ヒトの肢の前記仮定した電気モデルのインピーダンス・パラメータの少なくとも一つの値を生成することを含み、
前記複数の電気インピーダンス特性の1以上の電気インピーダンス特性の変化により特定される場所は、前記ヒトの肢の前記仮定した電気モデルのインピーダンス・パラメータの少なくとも一つの値の空間的な変化により特定される、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
ヒトの肢の一つ又は複数の電気インピーダンス特性の変化の場所を特定するための方法であって、当該方法は、
(i)サーボモーターを用いてヒトの肢に亘って電極アレイを物理的に動かし、周波数の範囲において異なる場所で前記ヒトの肢の電気インピーダンスデータを取得するステップにして、前記周波数の範囲が、0MHzと100MHzの間であり、かつ1~3MHzを含むステップ;
(ii)仮定される電気モデルの伝達関数を用いて、取得した前記電気インピーダンスデータを分析し、前記ヒトの肢に亘る場所での前記ヒトの肢の複数の電気インピーダンス特性の変化を決定するステップ;及び
(iii)サーボモーターを用いてヒトの肢に亘って前記電極アレイを物理的に動かし、前記電極アレイを支持するキャリヤ板の開口が、前記複数の電気インピーダンス特性の1以上の電気インピーダンス特性の変化により特定される場所上に配置されるステップにして、前記電極アレイの電極が前記開口上に存在せず、前記開口は、前記ヒトの肢の所有者ではない鍼師が前記開口内の針治療点を特定することを可能にするステップを含み、
前記電気モデルは、第1インピーダンスと第2インピーダンスが組合せとして直列に接続されたインピーダンスであり、この組合せが第3インピーダンスに並列に接続されることを仮定し、又は、コンデンサと抵抗器が組合せとして直列に接続され、この組合せが別の抵抗器に並列に接続されることを仮定するモデルであり、
前記電気インピーダンス特性は、周波数下限でのインピーダンス、周波数上限でのインピーダンス、インピーダンスに変化がある緩和周波数fr、その緩和周波数でのインピーダンス、及びその緩和周波数でのインピーダンス勾配を含む群から選択される、方法。
【請求項10】
対象のヒトの肢の一つ又は複数の電気インピーダンス特性の変化の場所を特定するための装置であって、当該装置は、
(i)サーボモーターを用いてヒトの肢に亘って電極アレイを物理的に動かし、異なる場所で前記ヒトの肢の電気インピーダンスデータを取得する手段;
(ii)仮定される電気モデルの伝達関数を用いて、取得した前記電気インピーダンスデータを分析し、場所での前記ヒトの肢の複数の電気インピーダンス特性の変化を決定する手段;及び
(iii)サーボモーターを用いてヒトの肢に亘って前記電極アレイを物理的に動かし、前記電極アレイを支持するキャリヤ板の開口が、前記複数の電気インピーダンス特性の1以上の電気インピーダンス特性の変化により特定される場所上に配置される手段を備え、
前記電極アレイの電極が前記開口上に存在せず、前記開口は、前記ヒトの肢の所有者ではない鍼師が前記開口内の針治療点を特定することを可能にする、装置。
【外国語明細書】