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特開2023-111968表示装置、制御方法、プログラム及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111968
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】表示装置、制御方法、プログラム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/36 20060101AFI20230803BHJP
   G08G 1/0969 20060101ALI20230803BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20230803BHJP
【FI】
G01C21/36
G08G1/0969
G09B29/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093858
(22)【出願日】2023-06-07
(62)【分割の表示】P 2021201001の分割
【原出願日】2012-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 宏平
(57)【要約】
【課題】案内中のルートとは別のルートを、表示が煩雑化することなく表示することが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置は、目的地までの案内ルートを表示し、表示手段と、表示制御手段とを有する。表示制御手段は、目的地までの複数の案内ルートを表示手段へ表示させる。このとき、表示制御手段は、複数の案内ルートのうちの1つを表示手段に推奨ルートとして表示させると同時に、他の案内ルートを推奨ルートより目立たない形態で表示手段に表示させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地までの案内ルートを示す案内ルート画像を、道路に対応させて表示する表示手段と、
前記案内ルートの決定後、前記案内ルートから分岐して前記目的地に向かうルートを探索するルート探索手段と、
前記ルート探索手段が探索したルートのうちの、前記目的地までのコストが前記案内ルートと所定差以内のルートである他のルートを示す画像として、前記分岐のポイントから所定の長さだけ延びた他ルート画像を、前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、案内対象の移動体が前記他のルートに進入した場合は、当該他のルートを新たな案内ルートとして示す案内ルート画像を前記表示手段に表示させるとともに、それまでの案内ルートを示す案内ルート画像の表示をやめることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記案内ルートから信号機の存在する交差点で分岐する前記他のルートだけを示す他ルート画像を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、料金、距離、道幅、燃費、または所要時間の少なくともいずれか一つに関するリンクコストに基づき、当該リンクコストのルートごとの合算値であるトータルコストが所定の差以内となる前記他のルートを示す他ルート画像を前記表示手段へ表示させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
前方の信号機の状態を検出する信号状態検出手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記他のルートのうち前記信号機の状態に応じて進行可能なルートを示す他ルート画像を強調表示させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記案内ルート上の交差点のうち、案内対象の移動体の位置から最も近い交差点で分岐する前記他のルートだけを示す他ルート画像を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示手段は、案内対象の移動体の乗員が実際の道路に対応して視認可能な態様で、前記案内ルート画像、および前記他ルート画像を表示することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記表示手段は、地図画像中の道路に対応させて、前記案内ルート画像、および前記他ルート画像を表示することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記表示手段は、案内対象の移動体の前方風景を撮影するカメラが生成した画像に含まれる道路に対応させて、前記案内ルート画像、および前記他ルート画像を表示することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項10】
目的地までの案内ルートを示す案内ルート画像を、道路に対応させて表示する表示手段を有する表示装置が実行する制御方法であって、
前記案内ルートの決定後、前記案内ルートから分岐して前記目的地に向かうルートを探索するルート探索工程と、
前記ルート探索工程が探索したルートのうちの、前記目的地までのコストが前記案内ルートと所定差以内のルートである他のルートを示す画像として、前記分岐のポイントから所定の長さだけ延びた他ルート画像を、前記表示手段に表示させる表示制御手段工程と、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項11】
目的地までの案内ルートを示す案内ルート画像を、道路に対応させて表示する表示手段を有する表示装置が実行するプログラムであって、
前記案内ルートの決定後、前記案内ルートから分岐して前記目的地に向かうルートを探索するルート探索手段と、
前記ルート探索手段が探索したルートのうちの、前記目的地までのコストが前記案内ルートと所定差以内のルートである他のルートを示す画像として、前記分岐のポイントから所定の長さだけ延びた他ルート画像を、前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
して前記表示装置を機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のプログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ルート案内の表示技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数のルートを同時に地図画面上に表示させる技術が存在する。例えば特許文献1には、目的地までの複数のルートの全体を、地図画面上に表示するナビゲーション装置が記載されている。上記ナビゲーション装置は、複数のルートの全体を表示する場合、細街路や施設のマーク、アイコン等の情報量を減少させた概略図を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-281591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
案内中のルートの所定の交差点や道路において、信号待ちや渋滞などにより通過に時間がかかることが予想される場合に、案内中のルートと分岐する道路を通って上述の交差点等を迂回したい場合がある。この場合、ナビゲーション装置は、案内中のルートとは別のルートを、表示が煩雑化することなく表示する必要がある。一方、特許文献1に記載のナビゲーション装置では、ルート全体を表示させるため、地図の縮尺が制限され、かつ、表示が煩雑化するなどの問題が生じる。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、案内中のルートとは別のルートを、表示が煩雑化することなく表示することが可能な表示装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、
目的地までの案内ルートを示す案内ルート画像を、道路に対応させて表示する表示手段と、
前記案内ルートの決定後、前記案内ルートから分岐して前記目的地に向かうルートを探索するルート探索手段と、
前記ルート探索手段が探索したルートのうちの、前記目的地までのコストが前記案内ルートと所定差以内のルートである他のルートを示す画像として、前記分岐のポイントから所定の長さだけ延びた他ルート画像を、前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする表示装置である。
【0007】
請求項10に記載の発明は、
目的地までの案内ルートを示す案内ルート画像を、道路に対応させて表示する表示手段を有する表示装置が実行する制御方法であって、
前記案内ルートの決定後、前記案内ルートから分岐して前記目的地に向かうルートを探索するルート探索工程と、
前記ルート探索工程が探索したルートのうちの、前記目的地までのコストが前記案内ルートと所定差以内のルートである他のルートを示す画像として、前記分岐のポイントから所定の長さだけ延びた他ルート画像を、前記表示手段に表示させる表示制御手段工程と、
を有することを特徴とする。
【0008】
請求項11に記載の発明は、
目的地までの案内ルートを示す案内ルート画像を、道路に対応させて表示する表示手段を有する表示装置が実行するプログラムであって、
前記案内ルートの決定後、前記案内ルートから分岐して前記目的地に向かうルートを探索するルート探索手段と、
前記ルート探索手段が探索したルートのうちの、前記目的地までのコストが前記案内ルートと所定差以内のルートである他のルートを示す画像として、前記分岐のポイントから所定の長さだけ延びた他ルート画像を、前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
して前記表示装置を機能させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】ナビゲーション装置の概略構成を示す。
図2】ルート案内時におけるディスプレイの表示画面を示す。
図3】迂回ルートに従い車両が右折した場合のディスプレイの表示画面を示す。
図4】変形例1に係る第1の表示画面例を示す。
図5】変形例1に係る第2の表示画面例を示す。
図6】変形例3に係る表示画面例を示す。
図7】ヘッドアップディスプレイの概略構成を示す。
図8】運転席から観察した場合のヘッドアップディスプレイの表示例を示す。
図9】前方風景画像を表示したディスプレイの画面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の好適な実施形態によれば、目的地までの案内ルートを表示する表示装置であって、地図を表示する表示手段と、前記目的地までの複数の案内ルートを前記表示手段へ表示させる表示制御手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記複数の案内ルートのうちの1つを前記表示手段に推奨ルートとして表示させると同時に、他の案内ルートを前記推奨ルートより目立たない形態で前記表示手段に表示させる。
【0011】
上記の表示装置は、目的地までの案内ルートを表示し、表示手段と、表示制御手段とを有する。表示制御手段は、目的地までの複数の案内ルートを表示手段へ表示させる。このとき、表示制御手段は、複数の案内ルートのうちの1つを表示手段に推奨ルートとして表示させると同時に、他の案内ルートを推奨ルートより目立たない形態で表示手段に表示させる。この態様により、表示装置は、推奨ルートをユーザに明確に視認させると共に、推奨ルート以外のルートについてもユーザに視認させることができる。従って、ユーザは、推奨ルート上の交差点や道路が信号待ちや渋滞などにより通過に時間がかかることが予想される場合に、好適に当該交差点や道路に対する迂回ルートを選択して信号待ちや渋滞待ちを回避することができる。
【0012】
上記表示装置の一態様では、前記表示制御手段は、前記推奨ルートから分岐する他の案内ルートを、前記分岐するポイントから所定の長さだけ前記表示手段に表示させる。このようにすることで、表示装置は、表示が煩雑化するのを抑制しつつ、推奨ルートから分岐する他の案内ルートの存在を好適にユーザに認識させることができる。
【0013】
上記表示装置の他の一態様では、前記表示制御手段は、案内対象の移動体が前記他の案内ルートに進入した場合は、当該他の案内ルートを新たな推奨ルートとして前記表示手段に表示させるとともに、それまでの推奨ルートの表示をやめる。この態様により、表示装置は、表示に従い推奨ルートから他の案内ルートへ移動体が進入した場合に、当該他の案内ルートを進むべきルートとして明確に運転者に認識させることができる。
【0014】
上記表示装置の他の一態様では、前記表示制御手段は、前記他の案内ルートのうち前記推奨ルートから信号機の存在する交差点で分岐する他の案内ルートだけを前記表示手段に表示させる。この態様により、表示装置は、表示が煩雑化するのを抑制しつつ、交差点において推奨ルート沿いが通行不可で他の案内ルートが通行可能である信号状態の場合に、好適に他の案内ルートに誘導して信号待ちを回避することが可能となる。
【0015】
上記表示装置の他の一態様では、前記表示制御手段は、料金、距離、道幅、燃費、または所要時間の少なくともいずれか一つに関するリンクコストに基づき、当該リンクコストの案内ルートごとの合算値であるトータルコストが所定の差以内となる案内ルートを前記表示手段へ表示させる。この態様により、表示装置は、推奨ルートと同等な他の案内ルートのみを好適に運転者に知らせることができ、他の案内ルートに切り替えることに起因して却って到着時間が遅くなったりすること等を抑制することができる。
【0016】
上記表示装置の他の一態様では、前方の信号機の状態を検出する信号状態検出手段をさらに備え、前記表示制御手段は、前記他の案内ルートのうち前記信号機の状態に応じて進行可能な他の案内ルートを強調表示させる。この態様により、表示装置は、進行可能な案内ルートを積極的に運転者に認識させることができ、利便性を高めることができる。
【0017】
上記表示装置の他の一態様では、前記表示制御手段は、前記他の案内ルートのうち自車位置から最も近い前記推奨ルートの交差点で分岐する他の案内ルートだけを前記表示手段に表示させる。この態様により、表示装置は、直近の運転に必要ない他の案内ルートを表示するのを防ぎ、表示の煩雑化をより確実に抑制することができる。
【0018】
本発明の好適な他の実施形態によれば、ヘッドアップディスプレイは、反射させた光で利用者に虚像を認識させる光学部材と、前記虚像を形成させるための光を前記光学部材に出射する光源と、目的地までの複数の案内ルートを前方風景に重畳して表示する虚像を形成させるための光を前記光源に出射させる表示制御手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記複数の案内ルートのうちの1つを前記表示手段に推奨ルートとして表示させると同時に、他の案内ルートを前記推奨ルートより目立たない形態で前記表示手段に表示させる。この態様により、ヘッドアップディスプレイは、推奨ルートをユーザに明確に視認させると共に、推奨ルート以外のルートについてもユーザに好適に視認させ、信号待ち等を回避させることができる。
【0019】
本発明の好適な他の実施形態によれば、目的地までの案内ルートを表示する表示装置であって、移動体の前方風景を撮影するカメラが生成した画像を表示する表示手段と、前記目的地までの複数の案内ルートを前記表示手段へ前記画像に重畳表示させる表示制御手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記複数の案内ルートのうちの1つを前記表示手段に推奨ルートとして表示させると同時に、他の案内ルートを前記推奨ルートより目立たない形態で前記表示手段に表示させる。このように、表示装置は、所謂実写画像に基づくルート案内を行う場合であっても、推奨ルートをユーザに明確に視認させると共に、推奨ルート以外のルートについてもユーザに好適に視認させ、信号待ち等を回避させることができる。
【0020】
本発明の他の好適な実施形態によれば、地図を表示する表示手段を有し、目的地までの案内ルートを表示する表示装置が実行する制御方法であって、前記目的地までの複数の案内ルートを前記表示手段へ表示させる表示制御工程を有し、前記表示制御工程は、前記複数の案内ルートのうちの1つを前記表示手段に推奨ルートとして表示させると同時に、他の案内ルートを前記推奨ルートより目立たない形態で前記表示手段に表示させる。表示装置は、この制御方法を実行することで、推奨ルートをユーザに明確に視認させると共に、推奨ルート以外のルートについてもユーザに好適に視認させ、信号待ち等を回避させることができる。
本発明の他の好適な実施形態によれば、地図を表示する表示手段を有し、目的地までの案内ルートを表示する表示装置が実行するプログラムであって、前記目的地までの複数の案内ルートを前記表示手段へ表示させる表示制御手段として前記表示装置を機能させ、前記表示制御手段は、前記複数の案内ルートのうちの1つを前記表示手段に推奨ルートとして表示させると同時に、他の案内ルートを前記推奨ルートより目立たない形態で前記表示手段に表示させる。表示装置は、このプログラムを実行することで、推奨ルートをユーザに明確に視認させると共に、推奨ルート以外のルートについてもユーザに好適に視認させ、信号待ち等を回避させることができる。好適には、上述のプログラムは、記憶媒体に記憶される。
【実施例0021】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
【0022】
[概略構成]
図1は、ナビゲーション装置1の概略構成を示す。ナビゲーション装置1は、例えば据置型のナビゲーション装置やルート案内を行う携帯端末であって、図1に示すように、自立測位装置10、GPS受信機18、システムコントローラ20、ディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、通信装置38、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60を備える。
【0023】
自立測位装置10は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13を備える。加速度センサ11は、例えば圧電素子からなり、車両の加速度を検出し、加速度データを出力する。角速度センサ12は、例えば振動ジャイロからなり、車両の方向変換時における車両の角速度を検出し、角速度データ及び相対方位データを出力する。距離センサ13は、車両の車輪の回転に伴って発生されているパルス信号からなる車速パルスを計測する。
【0024】
GPS受信機18は、複数のGPS衛星から、測位用データを含む下り回線データを搬送する電波19を受信する。測位用データは、緯度及び経度情報等から車両の絶対的な位置を検出するために用いられる。
【0025】
システムコントローラ20は、インタフェース21、CPU(Central Processing Unit)22、ROM(Read Only Memory)23及びRAM(Random Access Memory)24を含んでおり、ROM23などに記憶された制御プログラムを実行することで、ナビゲーション装置1全体の制御を行う。
【0026】
例えば、システムコントローラ20は、入力装置60により目的地が設定された場合に、GPS受信機18が検出した現在地を出発地として、目的地までのルート探索を行う。このとき、システムコントローラ20は、ルート上の各道路の通過のしやすさの指標であるリンクコストを用いる。具体的には、システムコントローラ20は、ユーザが指定した条件を満たす出発地から目的地までのルートの候補のうち、当該ルート上の各道路に対応するリンクコストの合算値(「トータルコスト」とも呼ぶ。)が最小となるルートを探索する。このとき、システムコントローラ20は、対象の各道路について、当該道路を通過する時間に関するコスト、当該リンクの距離に関するコスト、有料道路などの料金に関するコスト、燃費に関するコスト、幹線道路や車幅などの道路種別に関するコストなどの各コストに対し、それぞれ定められた割合を乗じて合算したリンクコストを算出する。なお、時間優先、距離優先などのルート探索条件が定められていた場合には、システムコントローラ20は、優先する旨の指定があった項目のコストに乗じる割合を大きく設定した上で、リンクコストを算出する。
【0027】
インタフェース21は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13並びにGPS受信機18とのインタフェース動作を行う。そして、これらから、車速パルス、加速度データ、相対方位データ、角速度データ、GPS測位データ、絶対方位データ等をシステムコントローラ20に入力する。CPU22は、システムコントローラ20全体を制御する。ROM23は、システムコントローラ20を制御する制御プログラム等が格納された図示しない不揮発性メモリ等を有する。RAM24は、入力装置60を介して使用者により予め設定された経路データ等の各種データを読み出し可能に格納したり、CPU22に対してワーキングエリアを提供したりする。
【0028】
システムコントローラ20、CD-ROMドライブ又はDVD-ROMドライブなどのディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60は、バスライン30を介して相互に接続されている。
【0029】
ディスクドライブ31は、システムコントローラ20の制御の下、CD又はDVDといったディスク33から、音楽データ、映像データなどのコンテンツデータを読み出し、出力する。なお、ディスクドライブ31は、CD-ROMドライブ又はDVD-ROMドライブのうち、いずれか一方としてもよいし、CD及びDVDコンパチブルのドライブとしてもよい。
【0030】
データ記憶ユニット36は、例えば、HDDなどにより構成され、地図データなどのナビゲーション処理に用いられる各種データを記憶するユニットである。地図データは、道路に相当するリンクと、道路の接続部分(交差点)に相当するノードとにより表された道路データや、各施設に関する施設情報などを含む。また、地図データには、各信号機の位置を特定する情報が記憶されている。
【0031】
通信装置38は、例えば、FMチューナやビーコンレシーバ、携帯電話や専用の通信カードなどにより構成され、通信用インタフェース37を介して、VICS(登録商標、Vehicle Information Communication System)センタから配信される渋滞や交通情報などの道路交通情報、その他の情報を受信する。
【0032】
表示ユニット40は、システムコントローラ20の制御の下、各種表示データをディスプレイなどの表示装置に表示する。具体的には、システムコントローラ20は、データ記憶ユニット36から地図データを読み出す。表示ユニット40は、システムコントローラ20によってデータ記憶ユニット36から読み出された地図データなどを表示画面上に表示する。表示ユニット40は、バスライン30を介してCPU22から送られる制御データに基づいて表示ユニット40全体の制御を行うグラフィックコントローラ41と、VRAM(Video RAM)等のメモリからなり即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するバッファメモリ42と、グラフィックコントローラ41から出力される画像データに基づいて、液晶、CRT(Cathode Ray Tube)等のディスプレイ44を表示制御する表示制御部43と、ディスプレイ44とを備える。ディスプレイ44は、画像表示部として機能し、例えば対角5~10インチ程度の液晶表示装置等からなり、車内のフロントパネル付近に装着される。
【0033】
音声出力ユニット50は、システムコントローラ20の制御の下、CD-ROMドライブ31又はDVD-ROM32、若しくはRAM24等からバスライン30を介して送られる音声デジタルデータのD/A(Digital to Analog)変換を行うD/Aコンバータ51と、D/Aコンバータ51から出力される音声アナログ信号を増幅する増幅器(AMP)52と、増幅された音声アナログ信号を音声に変換して車内に出力するスピーカ53とを備えて構成されている。
【0034】
入力装置60は、各種コマンドやデータを入力するための、キー、スイッチ、ボタン、リモコン、音声入力装置等から構成されている。入力装置60は、車内に搭載された当該車載用電子システムの本体のフロントパネルやディスプレイ44の周囲に配置される。また、ディスプレイ44がタッチパネル方式の場合、ディスプレイ44の表示画面上に設けられたタッチパネルも入力装置60として機能する。
【0035】
[制御方法]
次に、システムコントローラ20が実行するディスプレイ44の表示制御方法について説明する。概略的には、システムコントローラ20は、ルート案内時に、案内対象のルート(「推奨ルートRR」とも呼ぶ。)を表示すると共に、推奨ルートRRと同等のトータルコストとなる目的地への他のルート(「迂回ルートRA」とも呼ぶ。)を、推奨ルートRRよりも目立たない態様で表示する。これにより、システムコントローラ20は、表示が煩雑になるのを抑制しつつ、運転者に容易に迂回ルートRAを把握させる。
【0036】
以下では、まず、上述の表示制御に基づくディスプレイ44の表示態様について説明した後、迂回ルートRAの具体的な決定方法について説明する。
【0037】
(1)表示態様
まず、本実施例に基づくディスプレイ44の表示態様について、図2及び図3を参照して具体的に説明する。なお、図2及び図3では、説明便宜上、ディスプレイ44に表示される地図の表示範囲は固定されているものとする。
【0038】
図2は、ルート案内時におけるディスプレイ44の表示画面を示す。図2において、自車位置マーク70は、ナビゲーション装置1が案内する車両の現在地を示し、信号機マーク71は、道路81と道路84との交差点に設けられた右折専用の矢印信号がある信号機を示し、目的地マーク72は、道路82沿いに存在するルート案内の目的地を示す。
【0039】
図2に示すように、システムコントローラ20は、道路81及び道路82上に、目的地までの推奨ルートRRを太線73により表示している。ここで、太線73が示す推奨ルートRRは、信号機マーク71が示す信号機がある交差点を直進後、道路81と道路82との交差点で右折するルートである。なお、太線73が示す推奨ルートRRは、現在地から目的地までの想定可能なルートのうち、システムコントローラ20が算出したトータルコストが最も小さいルートである。
【0040】
また、システムコントローラ20は、推奨ルートRRを示す太線73に加えて、2つの迂回ルートRAを、推奨ルートRRから分岐した地点から所定の長さを有する細線74A、74Bにより表示している。ここで、システムコントローラ20は、上述の所定の長さを、推奨ルートRRから迂回ルートRAが分岐した地点から、迂回ルートRA沿いに次に右左折すべき地点までの長さに設定している。ここで、細線74Aに対応する迂回ルートRAは、道路81及び道路83の交差点を右折した場合にトータルコストが最小となる目的地までのルートであり、道路81から道路83、道路85、道路82へと順に通るルートである。また、細線74Bに対応する迂回ルートRAは、道路81及び道路84の交差点を右折した場合にトータルコストが最小となる目的地までのルートであり、道路81から道路84、道路85、道路82へと順に通るルートである。そして、細線74A及び細線74Bに対応する迂回ルートRAは、太線73に対応する推奨ルートRRとトータルコストが同等となるルートである。
【0041】
そして、システムコントローラ20は、推奨ルートRRを最も見やすい太線73により表示すると共に、迂回ルートRAを推奨ルートRRより目立たない細線74A、74Bにより入口部分だけ表示する。ここでは、システムコントローラ20は、迂回ルートRAのうち、推奨ルートRRから当該迂回ルートRAが分岐した地点から次に右左折すべき地点までを細線74A、74Bにより表示している。
【0042】
このように、システムコントローラ20は、迂回ルートRAを入口部分のみ表示させ、かつ、当該迂回ルートRAを推奨ルートRRよりも細く表示することで、表示が煩雑化するのを抑制しつつ、迂回ルートRAの存在を運転者に容易に把握させる。従って、システムコントローラ20は、ユーザの利便性を高めることができる。
【0043】
ここで、図2に示す表示態様による効果について具体的に説明する。例えば、自車位置マーク70の位置を車両が走行中に信号機マーク71の信号機の赤灯火部分が点灯し、かつ矢印信号が消灯している場合、運転者は、図2に示す画面を参照し、信号機を通らない細線74Aに示す迂回ルートRAが存在することを把握する。従って、この場合、運転者は、道路81から道路83へ右折するように車両を運転することで、信号機マーク71の信号機での信号待ちを防ぎ、目的地に早期に到着することが可能となる。
【0044】
他の例では、自車位置マーク70の位置を車両が走行中に信号機マーク71の信号機の赤灯火部分が点灯し、かつ右矢印信号が点灯している場合、運転者は、図2に示す画面を参照し、信号機を右折する細線74Bに示す迂回ルートRAが存在することを把握する。従って、この場合であっても、運転者は、道路81から道路84へ右折するように車両を運転することで、信号機マーク71の信号機での信号待ちを防ぎ、目的地に早期に到着することが可能となる。
【0045】
図3は、図2の細線74Aが示す迂回ルートRAに従い車両が道路81から道路84へ右折した後のディスプレイ44の表示画面を示す。
【0046】
図3に示すように、この場合、システムコントローラ20は、図2の細線74Bが示す迂回ルートRAを推奨ルートRRとして設定し、太線73Aにより表示する。また、システムコントローラ20は、信号機マーク71の信号機を直進する図2における推奨ルートRRを示す太線73の表示を消去する。さらに、システムコントローラ20は、新たに設定した推奨ルートRRに対する迂回ルートRAを細線76により表示する。ここで、細線76に対応する迂回ルートRAは、道路84と道路85の交差点を直進した場合にトータルコストが最小となる目的地までのルートであり、道路84から道路86へ左折するルートである。
【0047】
このように、システムコントローラ20は、推奨ルートRRから迂回ルートRAへ車両が進入した場合に、当該迂回ルートRAを推奨ルートRRに設定し、目立つ態様により表示する。これにより、運転者は、車両が迂回ルートRAへ進入するように運転した場合であっても、迷うことなく目的地へ到着することができる。
【0048】
なお、図2及び図3に示す例では、目的地と現在地とが近い場合について説明し、表示された地図上に目的地を示す目的地マーク72が表示されていた。しかし、本発明が適用可能な表示態様は、これに限定されず、地図上に目的地が表示されていなくてもよい。また、地図の縮尺についても、ユーザが指定した任意の縮尺であってもよい。この場合であっても、システムコントローラ20は、迂回ルートRAの入口部分を所定の長さだけ表示させ、かつ、推奨ルートRRよりも迂回ルートRAを細く表示することで、表示が煩雑化するのを抑制しつつ、迂回ルートRAの存在を運転者に容易に把握させる。これにより、システムコントローラ20は、図2及び図3の表示例と同様、ユーザの利便性を高めることができる。
【0049】
(2)迂回ルートRAの決定方法
次に、迂回ルートRAの決定方法について具体的に説明する。
【0050】
システムコントローラ20は、推奨ルートRRと同等のトータルコストとなる目的地へのルートを迂回ルートRAに定める。具体的には、システムコントローラ20は、目的地までのルートのうち、推奨ルートRRとのトータルコストが所定差以内のトータルコストとなるルートを、迂回ルートRAとして定める。ここで、上述の所定差は、推奨ルートRRのトータルコストと実質的に同等と判断される差に設定される。例えば、所定差は、推奨ルートRRに対するトータルコストの所定割合(例えば1%~15%)に相当する値に設定される。
【0051】
ここで、迂回ルートRAを特定するタイミングについて具体的に説明する。
【0052】
第1の例では、システムコントローラ20は、地図の表示範囲内に存在する推奨ルートRRの分岐道路の各々を対象に、当該分岐道路を含むルートのトータルコストを計算する。そして、システムコントローラ20は、上述のトータルコストが最小となるルートの各々について、迂回ルートRAに該当するか否か判定する。従って、この場合、システムコントローラ20は、推奨ルートRRの分岐道路が地図の表示領域内に表示されるたびに、当該分岐道路を含むルートを対象にトータルコストを計算し、推奨ルートRRのトータルコストと所定差以内のトータルコストとなるルートを、迂回ルートRAとして定める。これにより、システムコントローラ20は、地図の表示対象外において推奨ルートRRと分岐するルートのトータルコストを不要に計算するのを抑制する。そして、システムコントローラ20は、図2及び図3の表示例と同様、特定した迂回ルートRAを推奨ルートRRより目立たない態様で表示する。
【0053】
第2の例では、システムコントローラ20は、推奨ルートRRを決定した場合に、当該推奨ルートRRの分岐道路の各々について、迂回ルートRAを構成する道路になり得るか否か判定する。この場合、システムコントローラ20は、上述の分岐道路を通過した場合にトータルコストが最小となるルートをそれぞれ算出し、推奨ルートRRのトータルコストと所定差以内のトータルコストとなるルートを、迂回ルートRAとして定める。そして、システムコントローラ20は、迂回ルートRAを構成する推奨ルートRRの分岐道路が地図上に表示された場合に、図2及び図3の表示例と同様、当該迂回ルートRAを推奨ルートRRより目立たない態様で表示する。
【0054】
[変形例]
以下、実施例の各変形例について説明する。なお、これらの各変形例は、組み合わせて上述の実施例に適用してもよい。
【0055】
(変形例1)
図2の説明では、システムコントローラ20は、地図上に存在する全ての迂回ルートRAを表示した。しかし、本発明が適用可能な迂回ルートRAの表示方法はこれに限定されない。この具体例について、図4及び図5を参照して説明する。
【0056】
図4は、本変形例に係る第1の表示画面例を示す。図4では、システムコントローラ20は、信号機がある交差点で推奨ルートRRと分岐する迂回ルートRAのみを、細線74Bにより表示する。即ち、図4に示す表示画面では、図2に示す表示画面と比較して、信号機がない交差点で推奨ルートRRと分岐する迂回ルートRAが表示されていない。
【0057】
このように、システムコントローラ20は、迂回ルートRAが推奨ルートRRと分岐する地点に信号機がある場合に限定して、迂回ルートRAを表示する。このようにすることで、システムコントローラ20は、車両の前方にある交差点で矢印信号が点灯している場合などに、当該矢印信号が示す方向に進んでよいか否かを、運転者に好適に認識させることができる。また、システムコントローラ20は、不要に多くの迂回ルートRAを地図画面上に表示することによる表示の煩雑化を回避することができる。
【0058】
図5は、本変形例に係る第2の表示画面例を示す。図5に示す表示画面では、システムコントローラ20は、自車位置から最も近い交差点で推奨ルートRRと分岐する道路を含む迂回ルートRAのみを、細線74Aにより表示している。このようにすることで、システムコントローラ20は、直近に通過する交差点のみを対象にして迂回ルートRAを表示させることができ、表示の煩雑化を回避することができる。
【0059】
さらに別の例では、システムコントローラ20は、直近に通過する交差点で分岐する迂回ルートRAに限らず、迂回ルートRAのうち、自車位置から最も近い地点で推奨ルートRRと分岐する迂回ルートRAを表示してもよい。また、さらに別の例では、システムコントローラ20は、自車位置から1番目から所定番目までに近い交差点で推奨ルートRRと分岐する道路を含む迂回ルートRAのみを地図画面に表示させてもよい。
【0060】
(変形例2)
実施例の処理に加え、システムコントローラ20は、前方の信号機の状態を検出し、検出した信号機の状態に基づき、迂回ルートRAの表示態様を変えてもよい。
【0061】
例えば、この場合、ナビゲーション装置1は、車両の前方を撮影するカメラと電気的に接続し、当該カメラが生成した画像に基づき、信号機及び各信号灯の点灯の有無を検出する。そして、システムコントローラ20は、検出した信号機の状態に基づき、推奨ルートRRの方向とは異なる方向が通行可能であり、かつ、当該通行可能な方向が迂回ルートRAの方向を示すと判断した場合、当該迂回ルートRAを強調表示する。この場合、システムコントローラ20は、該当する迂回ルートRAのみを表示して他の迂回ルートRAを非表示にしてもよく、該当する迂回ルートRAを他の迂回ルートRAよりも目立たせて表示させてもよい。
【0062】
このようにすることで、システムコントローラ20は、信号機の状態に応じて通行可能な迂回ルートRAを積極的に運転者に認識させ、不要な信号待ちを抑制することができる。
【0063】
(変形例3)
図2及び図3に示す表示画面例では、システムコントローラ20は、迂回ルートRAを、推奨ルートRRとの分岐地点から迂回ルートRAの次の右左折地点まで表示した。しかし、迂回ルートRAの表示態様はこれに限定されない。
【0064】
図6は、本変形例に係るディスプレイ44の画面表示例を示す。図6に示すように、この場合、迂回ルートRAを示す細線74Ax、74Bxは、推奨ルートRRと迂回ルートRAとの分岐点から次の交差点までの長さより短い所定の長さを有する。上述の所定の長さは、例えば、ユーザが当該地図画面を見た場合に、迂回ルートRAの存在を視認可能な長さに実験等に基づき予め定められる。
【0065】
図6に示す表示態様であっても、システムコントローラ20は、迂回ルートRAの存在を好適にユーザに認識させつつ、表示が煩雑化するのを好適に抑制することができる。
【0066】
(変形例4)
図2及び図3に示す画面表示例では、システムコントローラ20は、迂回ルートRAを、推奨ルートRRよりも細く表示していた。これに代えて、又は、これに加えて、システムコントローラ20は、例えば、推奨ルートRRを実線により表示し、迂回ルートRAを破線により表示してもよい。他の例では、システムコントローラ20は、推奨ルートRRを目立つ色により表示し、迂回ルートRAを目立たない色により表示してもよい。これらの場合であっても、好適に、システムコントローラ20は、迂回ルートRAを推奨ルートRRよりも目立たない態様により表示し、表示の煩雑化を抑制することができる。
【0067】
(変形例5)
実施例では、ナビゲーション装置1は、図2等に示すルート表示をディスプレイ44に表示させていた。これに代えて、ナビゲーション装置1は、ヘッドアップディスプレイにより実施例に係るルート表示をユーザに視認させてもよい。
【0068】
図7は、ヘッドアップディスプレイ100の概略構成である。図1に示すように、ヘッドアップディスプレイ100は、光源ユニット2と、コンバイナ3とを備える。そして、ヘッドアップディスプレイ100は、フロントガラス80と、天井部82と、ボンネット83と、ダッシュボード84とを備える車両に搭載される。
【0069】
光源ユニット2は、支持部材4a、4bを介して車室内の天井部82に設置され、実施例に係るルート表示の画像を構成する光を、コンバイナ3に向けて出射する。具体的には、光源ユニット2は、光源ユニット2内に表示像の元画像(実像)を生成し、その画像を構成する光をコンバイナ3へ出射することで、コンバイナ3を介して運転者に虚像「Iv」を視認させる。この場合、光源ユニット2は、例えば、図示しないナビゲーション装置1から、実施例に係るルート表示に相当する画像を受信することで、上述の実像を生成する。
【0070】
コンバイナ3は、光源ユニット2から出射される表示像が投影されると共に、表示像を運転者のアイポイント「Pe」へ反射することで当該表示像を虚像Ivとして表示させる。そして、コンバイナ3は、天井部82に設置された支持軸部7を有し、支持軸部7を支軸として回動する。コンバイナ3は、本発明における「光学部材」の一例である。支持軸部7は、例えば、フロントガラス80の上端近傍の天井部82、言い換えると運転者用の図示しないサンバイザが設置される位置の近傍に設置される。なお、支持軸部7は、上述のサンバイザに代えて設置されてもよい。
【0071】
この構成により、ヘッドアップディスプレイ100は、実施例に係るルート表示を、虚像Ivとして好適にユーザに視認させることができる。
【0072】
なお、ヘッドアップディスプレイ100は、ナビゲーション装置1から実施例に係るルート表示に相当する画像を受信する代わりに、光源ユニット2が実施例に係るルート表示に相当する画像を生成してもよい。この場合、光源ユニット2は、地図データ、GPS受信機、自律測位装置などを有し、実施例で述べた推奨ルートRR及び迂回ルートRAの算出等を行う。
【0073】
また、本発明が適用可能なヘッドアップディスプレイの構成は、図7に示すヘッドアップディスプレイ100に限定されない。図7に示す構成に代えて、光源ユニット2は、フロントガラス80へ光を出射し、フロントガラス80の反射光に基づき運転者に虚像Ivを視認させてもよい。この場合、ヘッドアップディスプレイは、コンバイナ3を有しない。
【0074】
ここで、変形例5に係る具体的な表示例について、図8を参照して説明する。図8は、運転席からフロントガラス80を観察した場合のヘッドアップディスプレイ100の表示例を示す。なお、図8では、車両は道路87を走行中であり、光源ユニット2の出射光はフロントガラス80の投影領域「AP」に投影されているものとする。
【0075】
図8の場合、ヘッドアップディスプレイ100は、道路87から道路89へ信号機90がある交差点で右折するルートである推奨ルートRRを線73yにより強調表示すると共に、道路87から道路88へ右折するルートである迂回ルートRAを薄く表示している。なお、ここでは、ヘッドアップディスプレイ100は、各道路に対し、推奨ルートRR及び迂回ルートRAを、投影領域AP内で上下反転させて、即ち、地表に対して斜め下方向から投影された状態で表示している。
【0076】
このように、ヘッドアップディスプレイ100は、実施例と同様、表示が煩雑になるのを抑制しつつ、運転者に迂回ルートRAを好適に把握させることができる。
【0077】
(変形例6)
ナビゲーション装置1は、車両の前方風景を撮影するカメラと接続し、当該カメラが生成した画像(「前方風景画像If」とも呼ぶ。)に対して、推奨ルートRR及び迂回ルートRAを重畳表示させてもよい。
【0078】
図9は、図8と同一位置で撮影した前方風景画像Ifを表示したディスプレイ44の画面を示す。図9では、システムコントローラ20は、前方風景画像Ifに対して、推奨ルートRR及び迂回ルートRAを表示領域「AD」内において重畳表示させている。ここで、推奨ルートRRは、道路表示領域87f及び道路表示領域89fに対して表示領域AD内で上下反転させて描かれた線73yにより表示されている。同様に、迂回ルートRAは、道路表示領域88fに対して表示領域AD内で上下反転させて描かれた線74yにより表示されている。
【0079】
このように、ナビゲーション装置1は、前方風景画像Ifを用いた表示を行う場合であっても、実施例と同様、表示が煩雑になるのを抑制しつつ、運転者に迂回ルートRAを好適に把握させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、車載用ナビゲーション装置、PND(Portable/Personal Navigation Device)、携帯型端末などのナビゲーション機能を有する装置に好適に適用される。
【符号の説明】
【0081】
1 ナビゲーション装置
10 自立測位装置
12 GPS受信機
20 システムコントローラ
22 CPU
36 データ記憶ユニット
38 通信装置
40 表示ユニット
44 ディスプレイ
60 入力装置
100 ヘッドアップディスプレイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9