(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023011197
(43)【公開日】2023-01-24
(54)【発明の名称】機器連携システム、機器連携システム制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20230117BHJP
G06Q 50/06 20120101ALI20230117BHJP
【FI】
G06Q10/00 300
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021114895
(22)【出願日】2021-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】佐郷 里美
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】電気機器によって取得される情報を、当該電気機器に移動体通信網に基づく無線通信を行うための機能をもたせることなく遠隔から収集できること。
【解決手段】機器連携システムは、電気機器と、携帯端末とを備え、電気機器は、外部の電源から供給される電力を電源として用いて所定の情報を記録する記録部と、記録部が記録した情報を携帯端末に送信するための条件である送信条件が満たされたか否かを判定する送信時期判定部と、送信時期判定部によって送信条件が満たされたと判定された場合、記録部が記録した情報を携帯端末に送信する情報送信部と、を備え、携帯端末は、電気機器から情報を受信する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器と、
携帯端末と
を備え、
前記電気機器は、
外部の電源から供給される電力を電源として用いて所定の情報を記録する記録部と、
前記記録部が記録した前記情報を前記携帯端末に送信するための条件である送信条件が満たされたか否かを判定する送信時期判定部と、
前記送信時期判定部によって前記送信条件が満たされたと判定された場合、前記記録部が記録した前記情報を前記携帯端末に送信する情報送信部と、
を備え、
前記携帯端末は、前記電気機器から前記情報を受信する
機器連携システム。
【請求項2】
複数の前記電気機器を備え、
前記複数の前記電気機器のうち1つは第1の電気機器であり、残りは第2の電気機器であって、
前記第1の電気機器に備えられる前記情報送信部は、前記記録部が記録した前記情報を前記第2の電気機器に送信し、
前記第2の電気機器に備えられる前記情報送信部は、前記送信時期判定部によって前記送信条件が満たされたと判定された場合、前記第1の電気機器から受信した1以上の前記情報を前記携帯端末に送信する
請求項1に記載の機器連携システム。
【請求項3】
前記携帯端末は、前記電気機器から受信した前記情報を分析する分析部を備える
請求項1または請求項2に記載の機器連携システム。
【請求項4】
前記情報を分析する分析装置をさらに備え、
前記携帯端末は、前記電気機器から受信した前記情報を前記分析装置に送信する
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の機器連携システム。
【請求項5】
前記分析装置は、前記情報を分析した結果のうち所定の情報を前記携帯端末に送信する
請求項4に記載の機器連携システム。
【請求項6】
前記送信時期判定部は、前記外部の電源から前記電力の供給が停止された場合に、前記送信条件が満たされたと判定する
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の機器連携システム。
【請求項7】
電気機器と、
携帯端末と
を備える機器連携システムにおける制御方法において、
前記電気機器が、外部の電源から供給される電力を電源として用いて所定の情報を記録する記録ステップと、
前記電気機器が、前記記録ステップが記録した前記情報を前記携帯端末に送信するための条件である送信条件が満たされたか否かを判定する送信時期判定ステップと、
前記電気機器が、前記送信時期判定ステップによって前記送信条件が満たされたと判定された場合、前記記録ステップが記録した前記情報を前記携帯端末に送信する情報送信ステップと、
前記携帯端末が、前記電気機器から前記情報を受信する受信ステップと、
を有する機器連携システム制御方法。
【請求項8】
電気機器と、携帯端末とを備える機器連携システムにおいて、
前記電気機器に備えられるコンピュータに、
前記電気機器が、外部の電源から供給される電力を電源として用いて所定の情報を記録する記録ステップと、
前記電気機器が、前記記録ステップが記録した前記情報を前記携帯端末に送信するための条件である送信条件が満たされたか否かを判定する送信時期判定ステップと、
前記電気機器が、前記送信時期判定ステップによって前記送信条件が満たされたと判定された場合、前記記録ステップが記録した前記情報を前記携帯端末に送信する情報送信ステップと、
を実行させ、
前記携帯端末に備えられるコンピュータに、
前記携帯端末が、前記電気機器から前記情報を受信する受信ステップと、
実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器連携システム、機器連携システム制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
建物や店舗に設置された各電気機器によって取得される各種の情報を収集し、収集した情報を基に分析、診断を行うシステムが知られている。例えば、店舗などに配置されるPOSレジスターによって収集される情報の分析を目的として、POSレジスターから情報をセンタに送信し、センタから携帯端末へ情報を送信するシステムが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されるシステムでは、店舗に配置される各電気機器から情報がセンタに直接送信される。そのため、各電気機器はセンタとの通信に、移動体通信網に基づく無線通信などの通信手段を用いる必要がある。各電気機器は、移動体通信網に接続するための通信インターフェースを備えなければならない。
電気機器によって取得される情報を、当該電気機器に移動体通信網に基づく無線通信を行うための機能をもたせることなく遠隔から収集することが求められている。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、電気機器によって取得される情報を、当該電気機器に移動体通信網に基づく無線通信を行うための機能をもたせることなく遠隔から収集できる機器連携システム、機器連携システム制御方法、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明は、電気機器と、携帯端末とを備え、前記電気機器は、外部の電源から供給される電力を電源として用いて所定の情報を記録する記録部と、前記記録部が記録した前記情報を前記携帯端末に送信するための条件である送信条件が満たされたか否かを判定する送信時期判定部と、前記送信時期判定部によって前記送信条件が満たされたと判定された場合、前記記録部が記録した前記情報を前記携帯端末に送信する情報送信部と、を備え、前記携帯端末は、前記電気機器から前記情報を受信する機器連携システムを提供する。
【0007】
さらに本発明は、上記の機器連携システムにおいて、複数の前記電気機器を備え、前記複数の前記電気機器のうち1つは第1の電気機器であり、残りは第2の電気機器であって、前記第1の電気機器に備えられる前記情報送信部は、前記記録部が記録した前記情報を前記第2の電気機器に送信し、前記第2の電気機器に備えられる前記情報送信部は、前記送信時期判定部によって前記送信条件が満たされたと判定された場合、前記第1の電気機器から受信した1以上の前記情報を前記携帯端末に送信する。
【0008】
さらに本発明は、上記の機器連携システムにおいて、前記携帯端末は、前記電気機器から受信した前記情報を分析する分析部を備える。
【0009】
さらに本発明は、上記の機器連携システムにおいて、前記情報を分析する分析装置をさらに備え、前記携帯端末は、前記電気機器から受信した前記情報を前記分析装置に送信する。
【0010】
さらに本発明は、上記の機器連携システムにおいて、前記分析装置は、前記情報を分析した結果のうち所定の情報を前記携帯端末に送信する。
【0011】
さらに本発明は、上記の機器連携システムにおいて、前記送信時期判定部は、前記外部の電源から前記電力の供給が停止された場合に、前記送信条件が満たされたと判定する。
【0012】
本発明は、電気機器と、携帯端末とを備える機器連携システムにおける制御方法において、前記電気機器が、外部の電源から供給される電力を電源として用いて所定の情報を記録する記録ステップと、前記電気機器が、前記記録ステップが記録した前記情報を前記携帯端末に送信するための条件である送信条件が満たされたか否かを判定する送信時期判定ステップと、前記電気機器が、前記送信時期判定ステップによって前記送信条件が満たされたと判定された場合、前記記録ステップが記録した前記情報を前記携帯端末に送信する情報送信ステップと、前記携帯端末が、前記電気機器から前記情報を受信する受信ステップと、を有する制御方法を提供する。
【0013】
本発明は、電気機器と、携帯端末とを備える機器連携システムにおいて、前記電気機器に備えられるコンピュータに、前記電気機器が、外部の電源から供給される電力を電源として用いて所定の情報を記録する記録ステップと、前記電気機器が、前記記録ステップが記録した前記情報を前記携帯端末に送信するための条件である送信条件が満たされたか否かを判定する送信時期判定ステップと、前記電気機器が、前記送信時期判定ステップによって前記送信条件が満たされたと判定された場合、前記記録ステップが記録した前記情報を前記携帯端末に送信する情報送信ステップと、を実行させ、前記携帯端末に備えられるコンピュータに、前記携帯端末が、前記電気機器から前記情報を受信する受信ステップと、実行させるプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電気機器によって取得される情報を、当該電気機器に移動体通信網に基づく無線通信を行うための機能をもたせることなく遠隔から収集できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る機器連携システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る電気機器の機能構成の一例を示す図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る収集情報送信処理の一例を示す図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る分析結果通知処理の一例を示す図である。
【
図5】本発明の第2の実施形態に係る機器連携システムの構成の一例を示す図である。
【
図6】本発明の第2の実施形態に係る収集情報送信処理の一例を示す図である。
【
図7】本発明の第3の実施形態に係る機器連携システムの構成の一例を示す図である。
【
図8】本発明の第3の実施形態に係る収集情報送信処理の一例を示す図である。
【
図9】本発明の第4の実施形態に係る機器連携システムの構成の一例を示す図である。
【
図10】本発明の第4の実施形態に係る収集情報送信処理の一例を示す図である。
【
図11】本発明の第5の実施形態に係る機器連携システムの構成の一例を示す図である。
【
図12】本発明の第5の実施形態に係る収集情報送信処理の一例を示す図である。
【
図13】本発明の第6の実施形態に係る機器連携システムの構成の一例を示す図である。
【
図14】本発明の第6の実施形態に係る分析結果通知処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本実施形態に係る機器連携システムAS1の構成の一例を示す図である。機器連携システムAS1では、電気機器1によって取得される各種の情報が、携帯端末2を介してクラウドサーバ3へ送信される。機器連携システムAS1は、電気機器1と、携帯端末2と、クラウドサーバ3と、利用者サーバ4とを備える。なお、
図1では、機器連携システムAS1が、1つの電気機器1を備える場合が示されているが、これに限られない。機器連携システムAS1は、複数の電気機器1を備えてもよい。
【0017】
電気機器1は、建物に設置されて、各種の情報を取得(収集ともいう)する。以下では、電気機器1によって取得される情報を収集情報という。本実施形態では、一例として、電気機器1は、配線用差込接続器(コンセントともいう)である。電気機器1が取得する収集情報は、一例として、配線用差込接続器に接続される電化製品に供給される電力を示す情報である。
電気機器1は、取得した収集情報を携帯端末2に送信する。電気機器1と、携帯端末2とは、近距離無線によって通信を行う。近距離無線とは、例えば、Bluetooth(登録商標)である。
【0018】
携帯端末2は、電気機器1から取得した収集情報をクラウドサーバ3に送信する。携帯端末2と、クラウドサーバ3とは、無線ネットワークNWを用いる無線通信によって通信を行う。無線ネットワークNWとは、例えば、移動体通信網、または無線LAN(Local Area Network)などに基づく無線ネットワークである。移動体通信網とは、例えば、LTE(Long Term Evolution、LTEは登録商標)、第4世代移動通信システム、5世代移動通信システムなどに基づく無線通信網である。無線LANとは、例えば、Wi-Fi(登録商標)に基づく無線通信網である。
【0019】
クラウドサーバ3は、電気機器1によって取得された収集情報を、携帯端末2を介して取得する。クラウドサーバ3には、電気機器1によって取得された収集情報が蓄積する。
利用者サーバ4は、クラウドサーバ3に蓄積された収集情報を取得する。利用者サーバ4は、収集情報を利用する利用者によって使用されるサーバである。収集情報を利用する利用者とは、各種の業種の企業である。本実施形態では、当該利用者とは、電力会社である。
【0020】
利用者サーバ4は、取得した収集情報に基づいて各種の分析を行う。利用者サーバ4は、分析結果を、クラウドサーバ3を介して携帯端末2に通知する。なお、利用者サーバ4による分析は、解析、診断などともいう。利用者サーバ4は、収集情報A1を分析する分析装置の一例である。
【0021】
図2は、本実施形態に係る電気機器1の機能構成の一例を示す図である。電気機器1は、制御部10と、電源部11と、記憶部12と、通信部13とを備える。
【0022】
制御部10は、電気機器1の全体について各種の制御を行う。制御部10は、一例として、組み込み回路などのハードウェアを用いて各機能部を実現する。なお、制御部10は、CPU(Central Processing Unit)を備えて、制御部10が備える各機能部は、CPUがROM(Read Only Memory)からプログラムを読み込んで処理を実行することによりソフトウェアとして実現されてもよい。
制御部10は、情報取得部100と、記録部101と、送信時期判定部102と、情報送信部103とを備える。
【0023】
情報取得部100は、収集情報A1を取得する。収集情報A1は、収集情報生成部(不図示)によって生成される。収集情報生成部は、計測器、センサ、情報処理装置などである。収集情報A1は、収集情報生成部による計測結果や情報処理結果に基づいて生成される。情報取得部100は、収集情報生成部から収集情報A1を取得する。収集情報生成部は、電気機器1と一体として備えられてもよいし、電気機器1とは別体として備えられてもよい。
実施形態では、収集情報A1は、一例として、電気機器1が外部の電化製品に供給する電力を示す情報である。収集情報生成部は、一例として、当該電力を測定する電力量計である。
【0024】
記録部101は、情報取得部100によって取得された収集情報A1を記録する。記録部101は、収集情報A1を記憶部12に記憶させることによって記録を行う。
【0025】
送信時期判定部102は、送信条件が満たされたか否かを判定する。送信条件とは、記録部101が記録した収集情報A1を携帯端末2に送信するための条件である。本実施形態では、送信条件は、一例として、収集情報A1を携帯端末2に送信することを要求する信号である送信要求信号を携帯端末2から受信することである。
【0026】
情報送信部103は、送信時期判定部102によって送信条件が満たされたと判定された場合、記録部101が記録した収集情報A1を携帯端末2に送信する。
【0027】
電源部11は、電気機器1に電力を供給する。電源部11は、商用電源から供給される電力を電気機器1に供給する。制御部10、記憶部12、及び通信部13は、電源部11から供給される電力を電源として用いて動作する。
上述したように、制御部10は、電源部11から供給される電力を電源として用いて動作するため、記録部101は、外部の電源から供給される電力を電源として用いて収集情報A1を記録する。
【0028】
記憶部12は、各種の情報を記憶する。当該情報には、収集情報A1が含まれる。記憶部12は、例えば、フラッシュメモリ、SD(Secure Digital)カード、RAM(Random Access Memory)、レジスタ等によって実現される。
【0029】
通信部13は、近距離無線通信を用いて、各種の情報の送信及び受信を行う。電気機器1は、通信部13によって携帯端末2と近距離無線通信を行う。通信部13は、近距離無線通信を用いて通信を行うための通信インターフェース(I/F)を備える。
【0030】
次に
図3を参照し、電気機器1によって収集された収集情報を、携帯端末2を介してクラウドサーバ3に送信する処理である収集情報送信処理について説明する。
図3は、本実施形態に係る収集情報送信処理の一例を示す図である。収集情報送信処理は、電気機器1の電源がオンになると開始される。機器連携システムAS1では、例えば、電気機器1の電源がオンになっている間、収集情報送信処理が繰り返し実行される。
【0031】
ステップS10:情報取得部100は、収集情報A1を取得する。情報取得部100は、収集情報生成部が収集情報A1を生成する度に、収集情報生成部から収集情報A1を取得する。本実施形態では、電気機器1から外部の電化製品に供給される電力が電力量計によって所定のタイミングで計測される。情報取得部100は、電力量計によって電力が計測される度に、当該電力を示す収集情報A1を電力量計から取得する。
【0032】
ステップS20:記録部101は、情報取得部100によって取得された収集情報A1を記録する。記録部101は、情報取得部100が収集情報A1を取得する度に、収集情報A1を記憶部12に記憶させる。記録部101が新たな収集情報A1を記録する度に、記憶部12には、当該収集情報A1が逐次書き込まれてゆく。したがって、記憶部12に記憶される収集情報A1は、収集情報A1を記録する処理が繰り返される度に増加する。なお、既に記憶されている収集情報A1が新たな収集情報A1によって書き換えられてもよい。
【0033】
ステップS30:送信時期判定部102は、送信条件が満たされたか否かを判定する。本実施形態では、送信時期判定部102は、通信部13が携帯端末2から送信要求信号を受信した場合、送信条件が満たされと判定する。
【0034】
ここで携帯端末2のユーザは、電気機器1によって記録されている収集情報A1をクラウドサーバ3に送信させること、または電気機器1の点検などを目的として、携帯端末2を携帯した状態で電気機器1に近づく。通信部13は、電気機器1と携帯端末2との距離が所定の距離以下となった場合、携帯端末2と近距離無線通信を行うための接続処理(ペアリングともいう)を行う。携帯端末2は、携帯端末2のユーザから、電気機器1から収集情報A1を取得するための操作を受けると、送信要求信号を近距離無線通信によって電気機器1に出力する。
【0035】
送信時期判定部102が、送信条件が満たされたと判定した場合(ステップS30;YES)、制御部10は、ステップS40の処理を実行する。一方、送信時期判定部102は、送信条件が満たされていないと判定した場合(ステップS30;NO)、制御部10は、ステップS10の処理を再度実行する。つまり、制御部10は、送信条件が満たされるまで、収集情報A1を取得する処理(ステップS10)と、取得した収集情報A1を記録する処理(ステップS20)とを繰り返し実行する。
【0036】
ステップS40:情報送信部103は、記録部101が記録した収集情報A1を携帯端末2に送信する。ここで情報送信部103は、記憶部12から収集情報A1を読み出す。情報送信部103は、読み出した収集情報A1を、通信部13を介して近距離無線通信によって携帯端末2に送信する。一例として、情報送信部103は、ステップS40において、読み出した収集情報A1を1回だけ携帯端末2に送信する。携帯端末2は、近距離無線通信によって収集情報A1を電気機器1から受信する。
【0037】
ステップS50:携帯端末2は、電気機器1から受信した収集情報A1をクラウドサーバ3に送信する。携帯端末2は、収集情報A1を無線ネットワークNWによってクラウドサーバ3に送信する。携帯端末2は、無線ネットワークNWの圏内に位置している間、クラウドサーバ3と通信可能な状態にある。クラウドサーバ3には、収集情報A1が蓄積される。
なお、携帯端末2は、収集情報A1を、クラウドサーバ3を介さずに利用者サーバ4に直接送信してもよい。
以上で、機器連携システムAS1は、収集情報送信処理を終了する。
【0038】
なお、
図3に示した収集情報送信処理では、送信条件が満たされる(ステップS30)と、電気機器から収集情報A1が1回だけ携帯端末2に送信される(ステップS40)場合の一例について説明したが、これに限られない。情報送信部103は、送信時期判定部102によって送信条件が満たされたと判定されてから、所定の時間だけ継続して、収集情報A1を携帯端末2に送信してもよい。この場合、送信条件が満たされたと判定されてから所定の時間の間に、電気機器1によって新たに収集情報A1が取得された場合に、情報送信部103は、当該新たな収集情報A1を即時に携帯端末2に送信する。
【0039】
また、情報送信部103は、送信条件が満たされてから送信停止条件が満たされるまでの期間において、継続して収集情報A1を携帯端末2に送信してもよい。この場合、送信時期判定部102によって送信停止条件が満たされたと判定された場合、情報送信部103は、収集情報A1を携帯端末2に送信することを停止する。送信終了条件は、記録部101が記録した収集情報A1を携帯端末2に送信することを停止ための条件である。
例えば、携帯端末2は、携帯端末2のユーザから電気機器1から収集情報A1の取得を停止するための操作を受けると、停止要求信号を近距離無線通信によって電気機器1に出力する。送信時期判定部102は、通信部13が携帯端末2から停止要求信号を受信した場合、送信停止条件が満たされと判定する。
【0040】
次に
図4を参照し、クラウドサーバ3に蓄積された収集情報A1を分析し、分析結果を携帯端末2に通知する処理である分析結果通知処理ついて説明する。
図4は、本実施形態に係る分析結果通知処理の一例を示す図である。
【0041】
ステップS110:利用者サーバ4は、クラウドサーバ3に蓄積された収集情報A1を取得する。
ステップS120:利用者サーバ4は、クラウドサーバ3から取得した収集情報A1を分析する。収集情報A1の分析結果とは、例えば、電気機器1が電力を供給する電化製品の1日当たりの電力消費量である。また、収集情報A1の分析結果とは、例えば、当該電力消費量の基準値に対する比較結果であってもよい。
【0042】
利用者サーバ4が収集情報A1を分析する手法には、各種の分析手法が用いられてよい。当該分析は、利用者サーバ4によって自動で行われてもよいし、利用者サーバ4のユーザによる操作によって行われてもよいし、それらの両方が組み合わされてもよい。
【0043】
ステップS130:利用者サーバ4は、分析結果を、クラウドサーバ3を介して携帯端末2に通知する。利用者サーバ4は、例えば、分析が完了した直後に、または所定の時期に分析結果を携帯端末2に送信する。所定の時期とは、例えば、定期的な時期である。利用者サーバ4は、携帯端末2から分析結果の通知を要求する信号を受信した場合に、分析結果を携帯端末2に送信してもよい。
【0044】
機器連携システムAS1に複数の携帯端末2が備えられる場合、利用者サーバ4は、例えば、複数の携帯端末2それぞれに分析結果を通知する。利用者サーバ4は、複数の携帯端末2のうち一部にのみ分析結果を通知してもよい。利用者サーバ4は、グラフなどによって視覚化した様態の分析結果を携帯端末2に通知してもよい。
携帯端末2のユーザは、利用者サーバ4から通知された分析結果を、携帯端末2に表示させて確認する。
以上で、機器連携システムAS1は、分析結果通知処理を終了する。
【0045】
以上に説明したように、本実施形態に係る分散データ統合解析システムSA1は、電気機器1と、携帯端末2とを備える。
電気機器1は、記録部101と、送信時期判定部102と、情報送信部103とを備える。記録部101は、外部の電源から供給される電力を電源として用いて所定の情報(本実施形態において、収集情報A1)を記録する。送信時期判定部102は、記録部101が記録した情報(本実施形態において、収集情報A1)を携帯端末2に送信するための条件である送信条件が満たされたか否かを判定する。情報送信部103は、送信時期判定部102によって送信条件が満たされたと判定された場合、記録部101が記録した情報(本実施形態において、収集情報A1)を携帯端末2に送信する。
携帯端末2は、電気機器1から情報(本実施形態において、収集情報A1)を受信する。
【0046】
この構成により、本実施形態に係る分散データ統合解析システムSA1では、電気機器1によって取得される情報(本実施形態において、収集情報A1)を、携帯端末2を介して収集できるため、電気機器1によって取得される情報(本実施形態において、収集情報A1)を当該電気機器に移動体通信網に基づく無線通信を行うための機能をもたせることなく遠隔から収集することができる。本実施形態に係る分散データ統合解析システムSA1では、電気機器1は、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線を行う機能しか備える必要がない。
【0047】
また、本実施形態に係る分散データ統合解析システムSA1では、分析装置(本実施形態において、利用者サーバ4)をさらに備える。分析装置(本実施形態において、利用者サーバ4)は、情報(本実施形態において、収集情報A1)を分析する。
携帯端末2は、電気機器1から受信した情報(本実施形態において、収集情報A1)を分析装置(本実施形態において、利用者サーバ4)に送信する。
【0048】
この構成により、本実施形態に係る分散データ統合解析システムSA1では、電気機器1によって取得された収集情報A1を、携帯端末2を介して分析装置(本実施形態において、利用者サーバ4)に送信して分析できるため、電気機器1によって取得された収集情報A1を遠隔において分析できる。
【0049】
(第2の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第2の実施形態について詳しく説明する。
上記第1の実施形態では、電気機器1から携帯端末2に収集情報A1が直接送信される場合について説明をした。本実施形態では、複数の電気機器1から収集情報A1がゲートウェイに集約されて、ゲートウェイから携帯端末2に収集情報A1が送信される場合について説明をする。
本実施形態に係る機器連携システムを機器連携システムAS2という。
なお、上述した第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、同一の構成及び動作についてはその説明を省略する場合がある。
【0050】
図5は、本実施形態に係る機器連携システムAS2の構成の一例を示す図である。機器連携システムAS2は、複数の電気機器1と、携帯端末2と、クラウドサーバ3と、利用者サーバ4と、ゲートウェイ5とを備える。
図5に示す例では、機器連携システムAS2には、電気機器1-1、電気機器1-2、電気機器1-3の3つの電気機器1が備えられる。
【0051】
複数の電気機器1は、互いに同じ種類の電気機器であっても、異なる種類の電気機器であってもよい。本実施形態では、複数の電気機器1は互いに同じ種類の配線用差込接続器であって、それぞれが
図1に示した電気機器1と同様の機能を有するである。
【0052】
複数の電気機器1はそれぞれ、取得した収集情報A1をゲートウェイ5に送信する。複数の電気機器1それぞれと、ゲートウェイ5とは、近距離無線によって通信を行う。なお、複数の電気機器1それぞれは、ゲートウェイ5に通信線によって接続されて有線通信によって通信を行ってもよい。
【0053】
ゲートウェイ5は、複数の電気機器1それぞれから収集情報A1を取得する。換言すれば、ゲートウェイ5は、複数の電気機器1それぞれから受信する複数の収集情報A1を集約する。ゲートウェイ5は、複数の電気機器1それぞれから取得した収集情報A1を携帯端末2に送信する。ゲートウェイ5と、携帯端末2とは、近距離無線によって通信を行う。
携帯端末2、クラウドサーバ3、利用者サーバ4が行う処理は、
図1に示した機器連携システムAS1と同様である。
【0054】
図6は、本実施形態に係る収集情報送信処理の一例を示す図である。なお、ステップS210、ステップS220、ステップS250、及びステップS260の各処理は、
図3におけるステップS10、ステップS20、ステップS40、及びステップS50の各処理と同様であるため、説明を省略する。
【0055】
ステップS230:複数の電気機器1はそれぞれ、取得した収集情報A1をゲートウェイ5に送信する。複数の電気機器1それぞれが収集情報A1をゲートウェイ5に送信する時期は、複数の電気機器1相互間において異なっていてもよいし、同期されていてもよい。複数の電気機器1それぞれは、例えば、新たな収集情報A1が記録されているかによらず、定期的に収集情報A1をゲートウェイ5に送信する。なお、複数の電気機器1それぞれは、記録部101が収集情報A1を記録する度に、記録された収集情報A1をゲートウェイ5に送信してもよい。
【0056】
ステップS240:ゲートウェイ5は、送信条件が満たされたか否かを判定する。本実施形態では、ゲートウェイ5は、携帯端末2から送信要求信号を受信した場合、送信条件が満たされと判定する。
ゲートウェイ5は、送信条件が満たされたと判定した場合(ステップS240;YES)、ステップS250の処理を実行する。一方、ゲートウェイ5が、送信条件が満たされていないと判定した場合(ステップS240;NO)、制御部10は、ステップS210の処理を再度実行する。
【0057】
ステップS250:ゲートウェイ5は、複数の電気機器1それぞれから取得した複数の収集情報A1をまとめて携帯端末2に送信する。なお、ゲートウェイ5は、複数の電気機器1それぞれから取得した複数の収集情報A1を、集約された収集情報に加工してもよい。
以上で、機器連携システムAS2は、収集情報送信処理を終了する。
【0058】
(第3の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第3の実施形態について詳しく説明する。
上記第1、第2の実施形態では、収集情報A1が利用者サーバ4によって分析される場合について説明をした。本実施形態では、収集情報A1が携帯端末によって分析される場合について説明をする。
本実施形態に係る機器連携システムを機器連携システムAS3という。
なお、上述した第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、同一の構成及び動作についてはその説明を省略する場合がある。
【0059】
図7は、本実施形態に係る機器連携システムAS3の構成の一例を示す図である。機器連携システムAS3は、複数の電気機器1と、携帯端末2aとを備える。
【0060】
複数の電気機器1はそれぞれ、取得した収集情報A1を携帯端末2aに送信する。複数の電気機器1それぞれと、携帯端末2aとは、近距離無線によって通信を行う。
【0061】
携帯端末2aは、複数の電気機器1それぞれから収集情報A1を取得する。換言すれば、携帯端末2aは、複数の電気機器1それぞれから受信する収集情報A1を収集する。携帯端末2aは、分析部を備える。分析部は、複数の電気機器1それぞれから受信した収集情報A1を分析する。分析部は、携帯端末2にインストールされているアプリケーションである。
【0062】
図8は、本実施形態に係る収集情報送信処理の一例を示す図である。なお、ステップS310からステップS340の各処理は、
図3におけるステップS10からステップS40の各処理と同様であるため、説明を省略する。
【0063】
ステップS340:携帯端末2aは、複数の電気機器1それぞれから収集した収集情報A1を分析する。携帯端末2aは、例えば、複数の電気機器1それぞれから収集情報A1を取得した直後に、分析を開始する。なお、携帯端末2aは、携帯端末2aのユーザから分析を実行するための操作を受け付けた場合に、収集情報A1を分析してもよい。
携帯端末2aは、分析結果を表示する。携帯端末2aは、分析結果をグラフなどによって視覚化した様態で表示してもよい。
【0064】
なお、携帯端末2aの分析による処理負荷は、以下のように軽減されてもよい。例えば、携帯端末2aによる分析は、上述した第1の実施形態における利用者サーバ4による分析に比べて、分析手法が簡易な分析であってもよい。また、携帯端末2aによる分析では、当該利用者サーバ4による分析で用いられる収集情報A1に比べて、収集情報A1の一部のみが分析に用いられてもよい。
【0065】
以上に説明したように、本実施形態に係る分散データ統合解析システムSA3では、携帯端末2は、電気機器1から受信した情報(本実施形態において、収集情報A1)を分析する分析部を備える。
【0066】
この構成により、本実施形態に係る分散データ統合解析システムSA3では、電気機器1によって取得された収集情報A1を、分析装置を別途設けることなく携帯端末2によって分析できるため、簡便な構成によって収集情報A1を分析できる。
【0067】
(第4の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第4の実施形態について詳しく説明する。
上記第2の実施形態では、複数の電気機器1から収集情報A1がゲートウェイに集約されて、ゲートウェイから携帯端末2に収集情報A1が送信される場合について説明をした。本実施形態では、ゲートウェイから携帯端末に送信された収集情報A1が、上記第3の実施形態と同様に携帯端末によって分析される場合について説明をする。
本実施形態に係る機器連携システムを機器連携システムAS4という。
なお、上述した第2、第3の実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、同一の構成及び動作についてはその説明を省略する場合がある。
【0068】
図9は、本実施形態に係る機器連携システムAS4の構成の一例を示す図である。機器連携システムAS4は、複数の電気機器1と、携帯端末2aと、ゲートウェイ5aとを備える。
【0069】
ゲートウェイ5aは、
図5に示したゲートウェイ5とは異なり、電気機器1と同様の機能を有する電気機器である。換言すれば、機器連携システムAS4では、複数の電気機器1のうち1つが、ゲートウェイ5aとして用いられている。つまり、ゲートウェイ5aは、
図2に示した電気機器1の構成と同様の構成を有する。
【0070】
複数の電気機器1にそれぞれ備えられる情報送信部103は、記録部101が記録した収集情報A1をゲートウェイ5に送信する。
ゲートウェイ5aに備えられる情報取得部100は、複数の電気機器1それぞれから収集情報A1を取得する。ゲートウェイ5aに備えられる情報送信部103は、ゲートウェイ5aに備えられる送信時期判定部102によって送信条件が満たされたと判定された場合、複数の電気機器1それぞれから情報取得部100が受信した収集情報A1を携帯端末2aに送信する。ゲートウェイ5と、携帯端末2とは、近距離無線によって通信を行う。
【0071】
携帯端末2aは、複数の電気機器1それぞれから取得された収集情報A1をゲートウェイ5aから取得する。携帯端末2aは、取得した収集情報A1を分析する。
【0072】
図10は、本実施形態に係る収集情報送信処理の一例を示す図である。なお、ステップS410からステップS450の各処理は、
図6におけるステップS210からステップS250の各処理と同様であるため、説明を省略する。また、ステップS460の処理は、
図8におけるステップS350の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0073】
なお、本実施形態では、携帯端末2aによって収集情報A1の分析が行われる場合の一例について説明したが、これに限られない。上述した第1の実施形態の
図1、第2の実施形態の
図5でそれぞれ示したように、機器連携システムAS4は、クラウドサーバ3、利用者サーバ4をさらに備えて、利用者サーバ4によって収集情報A1の分析が行われてもよい。
【0074】
以上に説明したように、本実施形態に係る分散データ統合解析システムSA4は、複数の電気機器1を備え、複数の電気機器1のうち1つは第1の電気機器(本実施形態において、電気機器1)であり、残りは第2の電気機器(本実施形態において、ゲートウェイ5)である。
第1の電気機器(本実施形態において、電気機器1)に備えられる情報送信部103は、記録部101が記録した情報(本実施形態において、収集情報A1)を第2の電気機器(本実施形態において、ゲートウェイ5)に送信する。
第2の電気機器(本実施形態において、ゲートウェイ5)に備えられる情報送信部103は、送信時期判定部102によって送信条件が満たされたと判定された場合、第1の電気機器(本実施形態において、電気機器1)から受信した1以上の情報(本実施形態において、収集情報A1)を携帯端末2に送信する。
【0075】
この構成により、本実施形態に係る分散データ統合解析システムSA4では、複数の電気機器1のうち1つである第2の電気機器(本実施形態において、ゲートウェイ5)をゲートウェイとして用いることができるため、ゲートウェイを別途備えることなく簡便な構成によって複数の第1の電気機器(本実施形態において、電気機器1)によって取得される収集情報A1を集約して携帯端末2に送信できる。
【0076】
(第5の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第5の実施形態について詳しく説明する。
本実施形態では、1以上の電気機器1によって取得された収集情報A1それぞれが複数の携帯端末2によって集約されて、複数の携帯端末2それぞれから収集情報A1がクラウドサーバ3に送信される場合について説明をする。
本実施形態に係る機器連携システムを機器連携システムAS5という。
なお、上述した第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、同一の構成及び動作についてはその説明を省略する場合がある。
【0077】
図11は、本実施形態に係る機器連携システムAS5の構成の一例を示す図である。機器連携システムAS5は、複数の電気機器グループG1と、複数の携帯端末2と、クラウドサーバ3と、利用者サーバ4とを備える。複数の電気機器グループG1それぞれと、複数の携帯端末2それぞれとは、対応づけられている。
図11に示す例では、機器連携システムAS5には、電気機器グループG1-1、電気機器グループG1-2、電気機器グループG1-3の3つの電気機器グループG1が備えらえる。また、機器連携システムAS5には、携帯端末2-1、携帯端末2-2、携帯端末2-3の3つの携帯端末2が備えられる。
【0078】
電気機器グループG1は、1以上の電気機器1からなる。複数の電気機器グループG1はそれぞれ、例えば、建物内の複数の場所(フロア、部屋など)、または複数の建物にそれぞれ備えられる。電気機器グループG1に含まれる1以上の電気機器1はそれぞれ、取得した収集情報A1を、当該電気機器グループG1に対応づけられた携帯端末2に送信する。例えば、電気機器グループG1-2に含まれる1以上の電気機器1はそれぞれ、取得した収集情報A1を電気機器グループG1-2に対応づけられた携帯端末2-2に送信する。
【0079】
複数の携帯端末2はそれぞれ、自身に対応づけられた電気機器グループG1に含まれる1上の電気機器1それぞれから取得した収集情報A1をクラウドサーバ3に送信する。
【0080】
図12は、本実施形態に係る収集情報送信処理の一例を示す図である。なお、ステップS520からステップS550の各処理は、
図3におけるステップS10からステップS40の各処理と同様であるため、説明を省略する。
【0081】
ステップS510:機器連携システムAS5は、電気機器グループG1毎に、ステップS520の処理を開始させる。
その後、機器連携システムAS5において、ステップS520からステップS560の各処理が、電気機器グループG1毎に並行して実行される。
ステップS560:機器連携システムAS5は、電気機器グループG1毎のステップS520からステップS560の各処理を終了する。
【0082】
なお、ステップS540、及びステップS550の処理において、携帯端末2は、自身に対応づけられた電気機器グループG1に含まれる1以上の電気機器1のそれぞれに、一例として、同時に送信要求信号を送信する。なお、当該処理において、携帯端末2は、自身に対応づけられた電気機器グループG1に含まれる1以上の電気機器1のそれぞれに、個別の時期に送信要求信号を送信してもよい。いずれの携帯端末2がいずれの時期に1以上の電気機器1のそれぞれに送信要求信号を送信するかは、携帯端末2のユーザによる操作によって指定されてよい。当該時期は、予め携帯端末2に設定されていてもよい。
【0083】
なお、ステップS560の処理において、複数の携帯端末2がそれぞれ、自身に対応づけられた電気機器グループG1から受信した収集情報A1をクラウドサーバ3に送信する時期は、一例として、複数の携帯端末2それぞれが収集情報A1を受信した直後である。なお、当該時期は、複数の携帯端末2相互間において同期されていてもよい。
以上で、機器連携システムAS5は、収集情報送信処理を終了する。
【0084】
(第6の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第6の実施形態について詳しく説明する。
本実施形態では、利用者サーバによる分析結果のうち必要な分析結果のみが携帯端末に送信される場合について説明をする。
本実施形態に係る機器連携システムを機器連携システムAS5という。
なお、上述した第5の実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、同一の構成及び動作についてはその説明を省略する場合がある。
【0085】
図13は、本実施形態に係る機器連携システムAS6の構成の一例を示す図である。機器連携システムAS6は、複数の電気機器グループG1と、複数の携帯端末2と、クラウドサーバ3aと、利用者サーバ4aとを備える。
【0086】
クラウドサーバ3aは、通知情報判定部を備える。通知情報判定部は、利用者サーバ4aによる分析結果の全体うち携帯端末2に通知する部分を判定する。クラウドサーバ3aは、必要であると判定した分析結果のみを、1以上の携帯端末2に送信する。なお、通知情報判定部は、利用者サーバ4aに備えられてもよい。通知情報判定部は、クラウドサーバ3aと、利用者サーバ4aとの両方に備えられてもよい。
【0087】
図14は、本実施形態に係る分析結果通知処理の一例を示す図である。なお、ステップS610、及びステップS620の各処理は、
図4におけるステップS110、及びステップS120の各処理と同様であるため、説明を省略する。
【0088】
ステップS630:クラウドサーバ3aは、利用者サーバ4aによる分析結果の全体うち携帯端末2に通知する部分を判定する。例えば、クラウドサーバ3aは、1以上の携帯端末2から通知設定情報を予め取得する。当該通知設定情報は、当該携帯端末2に通知する分析結果の種類を示す情報である。クラウドサーバ3aは、1以上の携帯端末2から予め取得した通知設定情報に基づいて当該携帯端末2に通知する部分を判定する。
【0089】
なお、通知設定情報は、分析結果に応じて通知をするか否かを示す情報であってもよい。その場合、例えば、通知設定情報は、分析結果が示す電力消費量が所定の電力消費量以上である場合、電力消費量を通知することを示す。
なお、クラウドサーバ3aは、分析結果に内容に基づいて、当該分析結果の全体うち携帯端末2に通知する部分を判定してもよい。
【0090】
ステップS640:クラウドサーバ3aは、通知すると判定された分析結果を1以上の携帯端末2に通知する。
以上で、機器連携システムAS6は、分析結果通知処理を終了する。
【0091】
以上に説明したように、本実施形態に係る機器連携システムAS6は、通知情報判定部をさらに備える。通知情報判定部は、分析装置(本実施形態において、利用者サーバ4)によって情報(本実施形態において、収集情報A1)が分析された結果の全体のうち携帯端末2に送信する部分を判定する。
【0092】
この構成により、本実施形態に係る機器連携システムAS6では、収集情報A1の分析結果のうち携帯端末2のユーザが必要とする部分だけを携帯端末2に送信できるため、携帯端末2のユーザに必要な情報の提供ができる。
【0093】
上述した各実施形態では、電気機器1と携帯端末2とが近距離無線通信によって通信を行う場合の一例について説明したが、これに限られない。電気機器1と携帯端末2とは、有線通信によって通信を行ってもよい。例えば、電気機器1と携帯端末2とは、USB(Universal Serial Bus)接続などによって接続されて通信を行ってもよい。
【0094】
上述した各実施形態では、電気機器1が配線用差込接続器である場合の一例について説明したが、これに限られない。電気機器1は、スマートメータなどの電力量計であってもよい。また、電気機器1は、配線用差込接続器と電力量計とを備える電気機器であってもよい。電気機器1は、分電盤であってもよい。
それらの場合、上述した各実施形態に係る分散データ統合解析システムは、HEMS(Home Energy Management System)などの家電、電気設備を最適に制御するための電力管理システムに好適に利用できる。分散データ統合解析システムSA1によって、HEMSデータを携帯端末2で受信して閲覧することができる。
【0095】
また、上述した電気機器1は、高圧受電設備に備えられる計測モニターであってもよい。上述した各実施形態に係る分散データ統合解析システムによって、月次・年次の設備点検でデジタル表を携帯端末2によって受信して確認できる。
【0096】
また、上述した電気機器1は、電気自動車(Electric Vehicle:EV)の充電に用いられる充電ケーブルであってもよい。上述した各実施形態に係る分散データ統合解析システムによって、EVの充電時の充電・課金情報を携帯端末2によって受信して確認できる。なお、電気機器1が充電ケーブルである場合、送信条件は、例えば、当該充電ケーブルによってEVへの充電が完了し、当該充電ケーブルがEVから取り外されることである。
【0097】
なお、送信時期判定部102は、外部の電源から電力の供給が停止された場合に、送信条件が満たされたと判定してもよい。その場合、外部の電源から電力の供給が停止されたことをトリガーとして、収集情報A1は電気機器1から携帯端末2に送信される。これによって、分散データ統合解析システムSA1では、電気機器1に電力の供給が停止された場合に、電気機器1が取得した収集情報A1を収集できる。例えば、電気機器1がブレーカである場合、当該ブレーカが電源を遮断したタイミングにおいて、電気機器1はそれまでに取得した収集情報A1を携帯端末2に送信する。
【0098】
上述した、外部の電源から電力の供給が停止された場合には、例えば、停電の場合がある。停電時にユーザが、電気機器1が設置されている建物に不在である場合、ユーザに携帯される携帯端末2は電気機器1から離れた場所に位置することになる。その場合、電気機器1と携帯端末2とが近距離無線によって通信を行う場合には、電気機器1からの収集情報A1を携帯端末2が受信できない場合が起こり得る。電気機器1と携帯端末2とがUSB接続などによって有線接続されている場合、停電時にユーザが、電気機器1が設置されている建物に不在である場合であっても、携帯端末2は電気機器1からの収集情報A1を受信できる。
【0099】
なお、上記の実施形態における各装置が備える各部は、専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、メモリおよびマイクロプロセッサにより実現させるものであってもよい。
【0100】
なお、各装置が備える各部は、メモリおよびCPU(中央演算装置)により構成され、各装置が備える各部の機能を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
【0101】
また、各装置が備える各部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、制御部が備える各部による処理を行ってもよい。
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0102】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0103】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0104】
SA1、SA2、SA3、SA4、SA5、SA6…分散データ統合解析システム、1…電気機器、2、2a…携帯端末、101…記録部、102…送信時期判定部、103…情報送信部、A1…収集情報