(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023112037
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】回折格子を加工する方法
(51)【国際特許分類】
G02B 5/18 20060101AFI20230803BHJP
【FI】
G02B5/18
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023100554
(22)【出願日】2023-06-20
(62)【分割の表示】P 2022502883の分割
【原出願日】2020-07-16
(31)【優先権主張番号】62/876,241
(32)【優先日】2019-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ヤン シューチャン
(72)【発明者】
【氏名】ルオ カン
(72)【発明者】
【氏名】ビクラムジト シン
(72)【発明者】
【氏名】フランク ワイ. シュー
(57)【要約】
【課題】回折格子を加工する方法の提供。
【解決手段】ブレーズド回折格子を加工する方法は、マスタテンプレート基板を提供するステップと、周期的に繰り返される線を複数のマスタテンプレート領域内においてマスタテンプレート基板上にインプリントするステップとを含む。マスタテンプレート領域の異なるもの内の周期的に繰り返される線は、異なる方向に延在する。本方法は、加えて、マスタテンプレート領域のうちの少なくとも1つをマスタテンプレートとして使用して、少なくとも1つのブレーズド回折格子パターンを格子基板上にインプリントするステップを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その内容が、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2019年7月19日に出願され、「METHOD OF FABRICATING DIFFRACTION GRATINGS」と題された、米国仮出願第62/876,241号の優先権の利益を主張する。
(参照による組み込み)
【0002】
本願は、参照することによって、以下の特許出願、すなわち、2014年11月27日に出願され、2015年7月23日に米国特許公開第2015/0205126号として公開された、米国特許出願第14/555,585号、2015年4月18日に出願され、2015年10月22日に米国特許公開第2015/0302652号として、公開された、米国特許出願第14/690,401号、2014年3月14日に出願され、2016年8月16日に発行された、現米国特許第9,417,452号である、米国特許出願第14/212,961号、および2014年7月14日に出願され、2015年10月29日に米国特許公開第2015/0309263号として公開された、米国特許出願第14/331,218号のそれぞれの全体を組み込む。
【0003】
本開示は、ディスプレイシステムに関し、より具体的には、拡張および仮想現実ディスプレイシステムに関する。
【背景技術】
【0004】
(関連技術の説明)
現代のコンピューティングおよびディスプレイ技術は、いわゆる「仮想現実」または「拡張現実」体験のためのシステムの開発を促進しており、デジタル的に再現された画像またはその一部が、現実であるように見える、またはそのように知覚され得る様式で、ユーザに提示される。仮想現実、すなわち、「VR」シナリオは、典型的には、他の実際の実世界の視覚的入力に対する透過性を伴わずに、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴い、拡張現実、すなわち、「AR」シナリオは、典型的には、ユーザの周囲の実際の世界の可視化に対する拡張としてのデジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。複合現実、すなわち、「MR」シナリオは、あるタイプのARシナリオであり、典型的には、自然世界の中に統合され、それに応答する、仮想オブジェクトを伴う。例えば、MRシナリオでは、AR画像コンテンツが、実世界内のオブジェクトによって遮断される、または別様にそれと相互作用するものとして知覚され得る。
【0005】
図1を参照すると、拡張現実場面10が、描写され、AR技術のユーザには、人々、木々、背景における建物、コンクリートプラットフォーム30を特徴とする、実世界公園状設定20が見える。これらのアイテムに加え、AR技術のユーザはまた、実世界プラットフォーム30上に立っているロボット像40と、マルハナバチの擬人化のように見える、飛んでいる漫画のようなアバタキャラクタ50等の「仮想コンテンツ」とが「見える」と知覚するが、これらの要素40、50は、実世界には存在しない。ヒトの視知覚系は、複雑であって、他の仮想または実世界画像要素の中で仮想画像要素の快適で、自然な感覚で、かつ豊かな提示を促進する、AR技術を生産することは、困難である。
【0006】
本明細書に開示されるシステムおよび方法は、ARおよびVR技術に関連する種々の課題に対処する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
ある側面では、ブレーズド回折格子を加工する方法は、マスタテンプレート基板を提供するステップと、周期的に繰り返される線を複数のマスタテンプレート領域内においてマスタテンプレート基板上にインプリントするステップとを含む。マスタテンプレート領域の異なるもの内の周期的に繰り返される線は、異なる方向に延在する。本方法は、加えて、マスタテンプレート領域のうちの少なくとも1つをマスタテンプレートとして使用して、少なくとも1つのブレーズド回折格子パターンを格子基板上にインプリントするステップを含む。
【0008】
別の側面では、ブレーズド回折格子をインプリントするためのマスタテンプレートを加工する方法は、マスタテンプレート基板を提供するステップと、一次マスタ基板上に形成される、周期的に繰り返される線を備える、一次マスタテンプレートを提供するステップとを含む。本方法は、加えて、複数のマスタテンプレート領域内において一次マスタテンプレートを使用して、周期的に繰り返される線をマスタテンプレート基板上にインプリントするステップを含む。マスタテンプレート領域の異なるもの内の周期的に繰り返される線は、異なる方向に延在する。
【0009】
別の側面では、回折格子を加工する方法は、マスタテンプレート基板を提供するステップを含む。本方法は、加えて、周期的に繰り返される線をマスタテンプレート基板上に1つ以上のマスタテンプレート領域内においてインプリントするステップであって、周期的に繰り返される線は、第1の材料から形成される、ステップを含む。本方法は、加えて、周期的に繰り返される線を、第1の材料を上回る硬度を有する、第2の材料でコーティングするステップを含む。本方法はさらに、1つ以上のマスタテンプレート領域をマスタテンプレートとして使用して、1つ以上のブレーズド回折格子パターンを格子基板上にインプリントするステップを含む。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
ブレーズド回折格子を加工する方法であって、前記方法は、
マスタテンプレート基板を提供することと、
周期的に繰り返される線を複数のマスタテンプレート領域内において前記マスタテンプレート基板上にインプリントすることであって、前記マスタテンプレート領域の異なるもの内の前記周期的に繰り返される線は、異なる方向に延在する、ことと、
前記マスタテンプレート領域のうちの少なくとも1つをマスタテンプレートとして使用して、少なくとも1つのブレーズド回折格子パターンを格子基板上にインプリントすることと
を含む、方法。
(項目2)
前記マスタテンプレート領域の異なるもの内の前記周期的に繰り返される線は、非直交方向に延在する、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記マスタテンプレート領域の隣接するもの内の前記周期的に繰り返される線は、ゼロ~90度の角度を形成する方向に延在する、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記マスタテンプレート領域の異なるもの内の前記周期的に繰り返される線は、前記マスタテンプレート基板の中心軸に対して異なる半径方向に延在する、項目1に記載の方法。
(項目5)
周期的に繰り返される線を前記マスタテンプレート基板上にインプリントすることは、少なくとも4つのマスタテンプレート領域内にインプリントすることを含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記周期的に繰り返される線をインプリントすることは、前記マスタテンプレート基板のシリコン表面にわたってインプリントすることを含む、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記周期的に繰り返される線をインプリントすることは、前記マスタテンプレート基板の酸化ケイ素表面にわたってインプリントすることを含む、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記周期的に繰り返される線を前記マスタテンプレート基板上にインプリントすることは、同一一次マスタテンプレートを使用して、前記複数のマスタテンプレート領域の異なるもの内に順次インプリントすることを含む、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記マスタテンプレート基板上に形成される前記周期的に繰り返される線は、鋸歯プロファイルを有する、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記マスタテンプレート基板上に形成される前記周期的に繰り返される線は、前記マスタテンプレート基板の平面に対して類似角度を形成する対称対向側表面を備える、項目1に記載の方法。
(項目11)
前記マスタテンプレート基板上に形成される前記周期的に繰り返される線は、前記マスタテンプレート基板の平面に対して異なる角度を形成する非対称対向側表面を備える、項目1に記載の方法。
(項目12)
前記マスタテンプレート基板上に形成される前記周期的に繰り返される線は、前記マスタテンプレート基板の主要表面平面に対して異なる傾きを有する対向側表面を備える、項目1に記載の方法。
(項目13)
前記マスタテンプレート基板上に形成される前記周期的に繰り返される線は、段状構造を有する側表面を備える、項目1に記載の方法。
(項目14)
前記マスタテンプレート基板上に形成される前記周期的に繰り返される線は、ポリマー材料を含む、項目1に記載の方法。
(項目15)
前記マスタテンプレート基板上に形成される前記周期的に繰り返される線は、誘電材料を含む、項目1に記載の方法。
(項目16)
前記マスタテンプレート基板上に形成される前記周期的に繰り返される線を誘電材料でコーティングすることをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目17)
前記マスタテンプレート基板上に形成される前記周期的に繰り返される線を金属酸化物または金属窒化物でコーティングすることをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目18)
前記マスタテンプレート基板上に形成される前記周期的に繰り返される線を金属または金属合金でコーティングすることをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目19)
前記周期的に繰り返される線に対応するパターンを前記マスタテンプレート基板の中に転写することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目20)
前記パターンを転写することは、前記周期的に繰り返される線を部分的マスクとして使用して、前記マスタテンプレート基板をドライエッチングすることを含む、項目19に記載の方法。
(項目21)
前記ドライエッチングすることは、前記マスタテンプレート領域を局所的にドライエッチングすることを含む、項目20に記載の方法。
(項目22)
前記周期的に繰り返される線をインプリントすることは、一次マスタ基板上に形成される周期的に繰り返される線を備える一次マスタテンプレートを使用して、インプリントすることを含む、項目1に記載の方法。
(項目23)
前記一次マスタ基板上に形成される前記周期的に繰り返される線は、鋸歯プロファイルを有する、項目22に記載の方法。
(項目24)
前記一次マスタ基板上に形成される前記周期的に繰り返される線は、非対称的に配向される側表面を備える、項目22に記載の方法。
(項目25)
前記一次マスタ基板は、シリコン基板を備える、項目22に記載の方法。
(項目26)
前記一次マスタ基板は、(311)結晶配向を有する主要表面を備えるシリコン基板である、項目22に記載の方法。
(項目27)
前記一次マスタ基板上に形成される前記周期的に繰り返される線は、(111)結晶配向を有するファセットを備える、項目26に記載の方法。
(項目28)
前記シリコン基板をリソグラフィ的にパターン化およびエッチングすることによって、前記一次マスタテンプレートを形成することをさらに含む、項目25に記載の方法。
(項目29)
前記シリコン基板をエッチングすることは、ウェットエッチングを含む、項目28に記載の方法。
(項目30)
前記一次マスタ基板上に形成される前記周期的に繰り返される線は、誘電材料でコーティングされたポリマー材料を含む、項目22に記載の方法。
(項目31)
前記格子基板は、透明基板である、項目1に記載の方法。
(項目32)
前記格子基板は、約1.4を上回る屈折率を有する、項目1に記載の方法。
(項目33)
前記格子基板は、導波管を備える、項目1に記載の方法。
(項目34)
前記ブレーズド回折格子は、光を前記導波管の中に内部結合するように構成される内部結合格子を備える、項目33に記載の方法。
(項目35)
前記ブレーズド回折格子は、光を前記導波管から外部結合するように構成される外部結合格子を備える、項目33に記載の方法。
(項目36)
前記ブレーズド回折格子は、光を分散させ、前記導波管内で外部結合要素に向かって伝搬するように構成される光分散要素を備える、項目33に記載の方法。
(項目37)
前記ブレーズド回折格子は、光を分散させ、前記導波管内で伝搬するように構成され、さらに、光を前記導波管から外部結合するように構成される組み合わせられた外部結合格子および光分散要素としての役割を果たす、項目33に記載の方法。
(項目38)
前記ブレーズド回折格子パターンは、光の少なくとも1つの偏光のために50%を上回る一次回折効率を有するように構成される幾何学形状を有する、項目1に記載の方法。
(項目39)
少なくとも1つのブレーズド回折格子パターンをインプリントすることは、同時に、2つ以上のブレーズド回折格子パターンをインプリントすることを含む、項目1に記載の方法。
(項目40)
前記格子基板は、1.9を上回る屈折率を有する、項目1に記載の方法。
(項目41)
前記格子基板は、ZrO
2
、TiO
2
、SiC、またはLiベースの酸化物から形成される、項目1に記載の方法。
(項目42)
前記少なくとも1つのブレーズド回折格子パターンは、複数の直線を備える、項目1に記載の方法。
(項目43)
前記少なくとも1つのブレーズド回折格子パターンは、複数の不連続的な線を備える、項目1に記載の方法。
(項目44)
前記少なくとも1つのブレーズド回折格子パターンは、前記格子基板の表面から突出する複数の柱を備える、項目1に記載の方法。
(項目45)
前記少なくとも1つのブレーズド回折格子パターンは、複数の直線を備え、前記直線のうちの少なくともいくつかは、異なる幅を有する、項目1に記載の方法。
(項目46)
前記少なくとも1つのブレーズド回折格子パターンは、1つの側方方向に周期性を有する1次元(1D)アレイとして配列される回折特徴を備える、項目1に記載の方法。
(項目47)
前記1Dアレイは、光を優先的に1つの方向に回折するように構成される1D格子としての役割を果たす、項目46に記載の方法。
(項目48)
前記少なくとも1つのブレーズド回折格子パターンは、2つの側方方向に周期性を有する2次元(2D)アレイとして配列される回折特徴を備える、項目1に記載の方法。
(項目49)
前記2Dアレイは、光を優先的に2つの方向に回折するように構成される2D格子としての役割を果たす、項目48に記載の方法。
(項目50)
前記2Dアレイは、同一数の回折特徴を2つの異なる側方方向に備える、項目48に記載の方法。
(項目51)
ブレーズド回折格子をインプリントするためのマスタテンプレートを加工する方法であって、前記方法は、
マスタテンプレート基板を提供することと、
一次マスタ基板上に形成される周期的に繰り返される線を備える一次マスタテンプレートを提供することと、
複数のマスタテンプレート領域内において前記一次マスタテンプレートを使用して、周期的に繰り返される線を前記マスタテンプレート基板上にインプリントすることであって、前記マスタテンプレート領域の異なるもの内の前記周期的に繰り返される線は、異なる方向に延在する、ことと
を含む、方法。
(項目52)
前記一次マスタ基板上に形成される前記周期的に繰り返される線は、鋸歯プロファイルを有する、項目51に記載の方法。
(項目53)
前記一次マスタ基板上に形成される前記周期的に繰り返される線は、非対称的に配向される側表面を備える、項目51に記載の方法。
(項目54)
前記一次マスタ基板は、(311)結晶配向を有する主要表面を備えるシリコン基板である、項目51に記載の方法。
(項目55)
前記一次マスタ基板上に形成される前記周期的に繰り返される線は、(111)結晶配向を有するファセットを備える、項目54に記載の方法。
(項目56)
前記一次マスタテンプレートを提供することは、前記周期的に繰り返される線をシリコン基板内にリソグラフィ的にパターン化およびエッチングすることを含む、項目51に記載の方法。
(項目57)
前記シリコン基板をエッチングすることは、ウェットエッチングを含む、項目56に記載の方法。
(項目58)
前記一次マスタテンプレートを提供することは、ポリマー材料を含む前記周期的に繰り返される線を形成することと、前記周期的に繰り返される線を誘電材料でコーティングすることとを含む、項目51に記載の方法。
(項目59)
前記マスタテンプレート領域の異なるもの内の前記周期的に繰り返される線は、非直交方向に延在する、項目51に記載の方法。
(項目60)
前記マスタテンプレート領域の異なるもの内の前記周期的に繰り返される線は、前記マスタテンプレート基板の中心軸に対して半径方向に対称方向に延在する、項目51に記載の方法。
(項目61)
周期的に繰り返される線を前記マスタテンプレート基板上にインプリントすることは、少なくとも4つのマスタテンプレート領域内にインプリントすることを含む、項目51に記載の方法。
(項目62)
前記マスタテンプレート基板上に形成される前記周期的に繰り返される線は、鋸歯プロファイルを有する、項目51に記載の方法。
(項目63)
前記マスタテンプレート基板上に形成される前記周期的に繰り返される線は、非対称側表面を備える、項目51に記載の方法。
(項目64)
前記マスタテンプレート基板上に形成される前記周期的に繰り返される線は、前記マスタテンプレート基板の主要表面平面に対して異なる傾きを有する対向側表面を備える、項目51に記載の方法。
(項目65)
前記マスタテンプレート基板上に形成される前記周期的に繰り返される線は、段状構造を有する側表面を備える、項目51に記載の方法。
(項目66)
前記マスタテンプレート基板上に形成される前記周期的に繰り返される線は、ポリマー材料を含む、項目51に記載の方法。
(項目67)
前記マスタテンプレート基板上に形成される前記周期的に繰り返される線は、誘電材料を含む、項目51に記載の方法。
(項目68)
前記マスタテンプレート基板上に形成される前記周期的に繰り返される線を誘電材料でコーティングすることをさらに含む、項目51に記載の方法。
(項目69)
前記マスタテンプレート基板上に形成される前記周期的に繰り返される線を金属酸化物または金属窒化物でコーティングすることをさらに含む、項目51に記載の方法。
(項目70)
前記マスタテンプレート基板上に形成される前記周期的に繰り返される線を金属または金属合金でコーティングすることをさらに含む、項目51に記載の方法。
(項目71)
前記周期的に繰り返される線に対応するパターンを前記マスタテンプレート基板の中に転写することをさらに含む、項目51に記載の方法。
(項目72)
前記パターンを転写することは、前記マスタテンプレート基板をドライエッチングすることを含む、項目71に記載の方法。
(項目73)
前記ドライエッチングすることは、前記マスタテンプレート領域を局所的にドライエッチングすることを含む、項目72に記載の方法。
(項目74)
回折格子を加工する方法であって、前記方法は、
マスタテンプレート基板を提供することと、
周期的に繰り返される線を前記マスタテンプレート基板上に1つ以上のマスタテンプレート領域内においてインプリントすることであって、前記周期的に繰り返される線は、第1の材料から形成される、ことと、
前記周期的に繰り返される線を、前記第1の材料を上回る硬度を有する第2の材料でコーティングすることと、
1つ以上のマスタテンプレート領域をマスタテンプレートとして使用して、1つ以上のブレーズド回折格子パターンを格子基板上にインプリントすることと
を含む、方法。
(項目75)
前記周期的に繰り返される線をインプリントすることは、複数のマスタテンプレート領域内にインプリントすることを含み、前記マスタテンプレート領域の異なるもの内の前記周期的に繰り返される線は、異なる方向に延在する、項目74に記載の方法。
(項目76)
前記マスタテンプレート領域の異なるもの内の前記周期的に繰り返される線は、前記マスタテンプレート基板の中心軸に対して異なる半径方向に延在する、項目74に記載の方法。
(項目77)
周期的に繰り返される線を前記マスタテンプレート基板上にインプリントすることは、少なくとも4つのマスタテンプレート領域内にインプリントすることを含む、項目74に記載の方法。
(項目78)
前記マスタテンプレート基板上に形成される前記周期的に繰り返される線は、非対称側表面を備える、項目74に記載の方法。
(項目79)
前記マスタテンプレート基板上に形成される前記周期的に繰り返される線は、ポリマー材料を含む、項目74に記載の方法。
(項目80)
前記マスタテンプレート基板上に形成される前記周期的に繰り返される線は、誘電材料を含む、項目74に記載の方法。
(項目81)
前記マスタテンプレート基板上に形成される前記周期的に繰り返される線を誘電材料でコーティングすることをさらに含む、項目74に記載の方法。
(項目82)
前記マスタテンプレート基板上に形成される前記周期的に繰り返される線を金属酸化物または金属窒化物でコーティングすることをさらに含む、項目74に記載の方法。
(項目83)
前記マスタテンプレート基板上に形成される前記周期的に繰り返される線を金属または金属合金でコーティングすることをさらに含む、項目74に記載の方法。
(項目84)
前記格子基板は、1.9を上回る屈折率を有する、項目74に記載の方法。
(項目85)
前記格子基板は、ZrO
2
、TiO
2
、SiC、またはLiベースの酸化物から形成される、項目74に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、ARデバイスを通した拡張現実(AR)のユーザのビューを図示する。
【0011】
【
図2】
図2は、ユーザのための3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。
【0012】
【
図3】
図3A-3Cは、曲率半径と焦点半径との間の関係を図示する。
【0013】
【
図4A】
図4Aは、ヒト視覚系の遠近調節-輻輳・開散運動応答の表現を図示する。
【0014】
【
図4B】
図4Bは、ユーザの一対の眼の異なる遠近調節状態および輻輳・開散運動状態の実施例を図示する。
【0015】
【
図4C】
図4Cは、ディスプレイシステムを介してコンテンツを視認しているユーザの上下図の表現の実施例を図示する。
【0016】
【
図4D】
図4Dは、ディスプレイシステムを介してコンテンツを視認しているユーザの上下図の表現の別の実施例を図示する。
【0017】
【
図5】
図5は、波面発散を修正することによって3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。
【0018】
【
図6】
図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの実施例を図示する。
【0019】
【
図7】
図7は、導波管によって出力された出射ビームの実施例を図示する。
【0020】
【
図8】
図8は、各深度面が、複数の異なる原色を使用して形成される画像を含む、スタックされた導波管アセンブリの実施例を図示する。
【0021】
【
図9A】
図9Aは、それぞれ、内部結合光学要素を含む、スタックされた導波管のセットの実施例の断面側面図を図示する。
【0022】
【0023】
【
図9C】
図9Cは、
図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の実施例の上下平面図を図示する。
【0024】
【
図9D】
図9Dは、ウェアラブルディスプレイシステムの実施例を図示する。
【0025】
【
図10A】
図10Aは、例示的ブレーズド透過性回折格子の断面図を図式的に図示する。
【0026】
【
図10B】
図10Bは、内部結合光学要素として構成される、その上に配置される透過性回折格子を有する、導波管の一部の断面図を図式的に図示する。
【0027】
【
図11A】
図11Aは、それぞれ、同一方向に延在する回折格子線を有する、その上に形成される複数のデバイステンプレート領域を有する、例示的デバイスマスタテンプレートの上下図を図式的に図示する。
【0028】
【
図11B】
図11Bは、異なる方向に延在する回折格子線を有する、その上に形成される複数のデバイステンプレート領域を有する、例示的デバイスマスタテンプレートの上下図を図式的に図示する。
【0029】
【
図12】
図12A-12Cは、デバイスマスタテンプレートを加工するための対称ファセットを伴う溝を有する一次マスタテンプレートを形成する、種々の段階における中間構造の断面図を図式的に図示する。
【0030】
【
図13】
図13A-13Cは、デバイスマスタテンプレートを加工するための非対称ファセットを伴う溝を有する一次マスタテンプレートを形成する、種々の段階における中間構造の断面図を図式的に図示する。
【0031】
【
図14】
図14A-14Cは、隣接する溝間に低減された平坦表面を有する一次マスタテンプレートを加工する、種々の段階における中間構造の断面図を図式的に図示する。
【0032】
【
図15】
図15A-15Cは、隣接する溝間に低減された平坦表面を有する一次マスタテンプレートを加工する、種々の段階における中間構造の断面図を図式的に図示する。
【0033】
【
図16-1】
図16A-16Eは、パターンをデバイステンプレート基板上にインプリントし、部分的マスクとしてインプリントされるパターンを使用して、デバイステンプレート基板をエッチングすることによって、デバイスマスタテンプレートを形成する、種々の段階における中間構造の上下および断面図を図式的に図示する。
【
図16-2】
図16A-16Eは、パターンをデバイステンプレート基板上にインプリントし、部分的マスクとしてインプリントされるパターンを使用して、デバイステンプレート基板をエッチングすることによって、デバイスマスタテンプレートを形成する、種々の段階における中間構造の上下および断面図を図式的に図示する。
【
図16E】
図16A-16Eは、パターンをデバイステンプレート基板上にインプリントし、部分的マスクとしてインプリントされるパターンを使用して、デバイステンプレート基板をエッチングすることによって、デバイスマスタテンプレートを形成する、種々の段階における中間構造の上下および断面図を図式的に図示する。
【0034】
【
図16F】
図16Fは、
図16A-16Eに図示される加工プロセスフローから生じるデバイスマスタテンプレートのブレーズド回折格子パターンの走査電子顕微鏡画像である。
【0035】
【
図17】
図17Aおよび17Bは、デバイスマスタテンプレートとして
図16Fに図示されるドライエッチングされたブレーズド回折格子パターンを使用して形成される、ブレーズド回折格子パターンの走査電子顕微鏡画像である。
【0036】
【
図18】
図18A-18Bは、パターンをデバイステンプレート基板上にインプリントし、基板を部分的マスクとしてインプリントされるパターンを使用して、デバイステンプレートをエッチングすることによって、デバイスマスタテンプレートを形成する、異なる段階における中間構造の断面図を図式的に図示する。
【0037】
【
図19A】
図19Aは、
図18A-18Bに関して上記に図示される加工プロセスフローから生じる、デバイスマスタテンプレートのブレーズド回折格子パターンの走査電子顕微鏡画像を図示する。
【0038】
【
図19B】
図19Bは、デバイスマスタテンプレートとして
図19Aに図示されるドライエッチングされたブレーズド回折格子パターンを使用して形成されている、ブレーズド回折格子パターンの走査電子顕微鏡画像である。
【0039】
【
図20】
図20は、デバイスマスタテンプレートを使用してインプリントすることによって加工される、実験的例示的回折格子の場所の概略完全ウエハ表現を図示する。
【0040】
【
図21】
図21A-21Bは、パターンをデバイステンプレート基板上にインプリントし、パターンをコーティングし、デバイスマスタテンプレートを使用してインプリントすることにより、ブレーズド回折格子をデバイス基板上に形成することによって、デバイスマスタテンプレートを形成する、種々の段階における中間構造の上下および断面図を図式的に図示する。
【0041】
【
図22】
図22A-22Dは、パターンをデバイステンプレート基板上にインプリントし、パターンをコーティングし、デバイスマスタテンプレートを使用してインプリントすることにより、ブレーズド回折格子をデバイス基板上に形成することによって、デバイスマスタテンプレートを形成する、種々の段階における中間構造の上下および断面図を図式的に図示する。
【0042】
図面全体を通して、参照番号は、参照される要素間の対応を示すために再使用され得る。図面は、本明細書に説明される例示的実施形態を図示するために提供され、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0043】
詳細な説明
ARシステムは、依然として、ユーザにその周囲の世界が見えることを可能にしながら、仮想コンテンツをユーザまたは視認者に表示し得る。好ましくは、本コンテンツは、例えば、画像情報をユーザの眼に投影する、アイウェアの一部としての、頭部搭載型ディスプレイ上に表示される。加えて、ディスプレイはまた、周囲環境からの光をユーザの眼に透過させ、その周囲環境のビューを可能にし得る。本明細書で使用されるように、「頭部搭載型」または「頭部搭載可能」ディスプレイは、視認者またはユーザの頭部上に搭載され得る、ディスプレイであることを理解されたい。
【0044】
本明細書に開示される種々のARシステムは、仮想/拡張/複合ディスプレイを含み、これは、ひいては、導波管上に、またはその一部として形成される、1つ以上の光学要素を含むことができる。光学要素は、例えば、光を導波管の中に結合するために採用され得る、内部結合光学要素、および/または光を導波管から外に、かつユーザの眼の中に結合するために採用され得る、外部結合光学要素を含んでもよい。導波管の中への光の内部結合および/またはそこからの光の外部結合において高効率を達成するために、光学要素は、回折格子を含んでもよい。いくつかのディスプレイシステムでは、光学要素の比較的に高回折効率は、部分的に、屈折力が、所与の回折次数のために向上または最大限にされるように、所与の回折次数のための向上された回折効率を達成するように最適化される、回折格子のタイプである、ブレーズド回折格子を含むことによって達成され得る。所与の回折次数のための向上された回折効率は、ひいては、ファセット化された特徴、例えば、ファセット化された線を有することによって、いくつかのブレーズド回折格子において達成される。線等のファセット化された特徴を有する、ブレーズド回折格子は、デバイスマスタテンプレートを使用して、ブレーズド回折格子パターンをデバイス基板、例えば、導波管上にインプリントすることによって、加工されることができる。結果として、製造スループットは、デバイスマスタテンプレートがデバイス基板上に同時にインプリントし得る、ブレーズド回折格子パターンの数によって限定され得る。有利なこととして、本明細書に説明される製造技術では、デバイスマスタテンプレートは、比較的に多数のブレーズド回折格子パターンをデバイス基板上に同時にインプリントするように構成され、それによって、ブレーズド回折格子の比較的に高製造スループットを可能にする。特に、開示される技術では、複数の方向に、例えば、半径方向に延在するブレーズド回折パターンを有する、デバイスマスタテンプレートが、製造され、これは、導波管等のデバイス基板上へのブレーズド回折パターンの高スループット並行インプリントのためのデバイスマスタテンプレートの面積の効率的使用を可能にする。
【0045】
ここで、同様の参照番号が、全体を通して同様の部分を指す、図が参照されるであろう。別様に示されない限り、図面は、概略であって、必ずしも正確な縮尺で描かれていない。
【0046】
図2は、ユーザのための3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。ユーザの眼は、離間されており、空間内の実オブジェクトを見ているとき、各眼は、オブジェクトの若干異なるビューを有し、オブジェクトの画像を各眼の網膜上の異なる場所に形成し得ることを理解されたい。これは、両眼視差と称され得、ヒト視覚系によって、深度の知覚を提供するために利用され得る。従来のディスプレイシステムは、仮想オブジェクトが所望の深度における実オブジェクトであるように各眼によって見えるであろう仮想オブジェクトのビューに対応する、眼210、220毎に1つの同一仮想オブジェクトの若干異なるビューを伴う2つの明確に異なる画像190、200を提示することによって、両眼視差をシミュレートする。これらの画像は、ユーザの視覚系が深度の知覚を導出するために解釈し得る、両眼キューを提供する。
【0047】
図2を継続して参照すると、画像190、200は、z-軸上で距離230だけ眼210、220から離間される。z-軸は、その眼が視認者の直前の光学無限遠におけるオブジェクトを固視している状態の視認者の光学軸と平行である。画像190、200は、平坦であって、眼210、220から固定距離にある。それぞれ、眼210、220に提示される画像内の仮想オブジェクトの若干異なるビューに基づいて、眼は、必然的に、オブジェクトの画像が眼のそれぞれの網膜上の対応する点に来て、単一両眼視を維持するように回転し得る。本回転は、眼210、220のそれぞれの視線を仮想オブジェクトが存在するように知覚される空間内の点上に収束させ得る。結果として、3次元画像の提供は、従来、ユーザの眼210、220の輻輳・開散運動を操作し得、ヒト視覚系が深度の知覚を提供するように解釈する、両眼キューを提供することを伴う。
【0048】
しかしながら、深度の現実的かつ快適な知覚の生成は、困難である。眼からの異なる距離におけるオブジェクトからの光が、異なる発散量を伴う波面を有することを理解されたい。
図3A-3Cは、距離と光線の発散との間の関係を図示する。オブジェクトと眼210との間の距離は、減少距離R1、R2、およびR3の順序で表される。
図3A-3Cに示されるように、光線は、オブジェクトまでの距離が減少するにつれてより発散する。逆に言えば、距離が、増加するにつれて、光線は、よりコリメートされる。換言すると、点(オブジェクトまたはオブジェクトの一部)によって生成されるライトフィールドは、点がユーザの眼から離れている距離の関数である、球状波面曲率を有すると言え得る。曲率は、オブジェクトと眼210の間との距離の減少とともに増加する。単眼210のみが、例証を明確にするために、
図3A-3Cおよび本明細書の他の図に図示されるが、眼210に関する議論は、視認者の両眼210および220に適用され得る。
【0049】
図3A-3Cを継続して参照すると、視認者の眼が固視しているオブジェクトからの光が、異なる波面発散度を有し得る。異なる波面発散量に起因して、光は、眼の水晶体によって異なるように集束され得、これは、ひいては、水晶体に、異なる形状をとり、合焦画像を眼の網膜上に形成することを要求し得る。合焦画像が、網膜上に形成されない場合、結果として生じる網膜ぼけは、合焦画像が網膜上に形成されるまで、眼の水晶体の形状に変化を生じさせる、遠近調節のためのキューとして作用する。例えば、遠近調節のためのキューは、眼の水晶体を囲繞する毛様筋の弛緩または収縮を誘起し、それによって、水晶体を保持する提靭帯に印加される力を変調させ、したがって、固視されているオブジェクトの網膜ぼけが排除される、または最小限にされるまで、眼の水晶体の形状を変化させ、それによって、固視されているオブジェクトの合焦画像を眼の網膜(例えば、中心窩)上に形成し得る。眼の水晶体が形状を変化させるプロセスは、遠近調節と称され得、固視されているオブジェクトの合焦画像を眼の網膜(例えば、中心窩)上に形成するために要求される眼の水晶体の形状は、遠近調節状態と称され得る。
【0050】
ここで
図4Aを参照すると、ヒト視覚系の遠近調節-輻輳・開散運動応答の表現が、図示される。オブジェクトを固視するための眼の移動は、眼にオブジェクトからの光を受光させ、光は、画像を眼の網膜のそれぞれの上に形成する。網膜上に形成される画像内の網膜ぼけの存在は、遠近調節のためのキューを提供し得、網膜上の画像の相対的場所は、輻輳・開散運動のキューを提供し得る。遠近調節のためのキューは、遠近調節を生じさせ、眼の水晶体に、オブジェクトの合焦画像を眼の網膜(例えば、中心窩)上に形成する特定の遠近調節状態をとらせる。一方で、輻輳・開散運動のためのキューは、各眼の各網膜上に形成される画像が、単一両眼視を維持する対応する網膜点にあるように、輻輳・開散運動移動(眼の回転)を生じさせる。これらの位置では、眼は、特定の輻輳・開散運動状態をとっていると言え得る。
図4Aを継続して参照すると、遠近調節は、眼が特定の遠近調節状態を達成するプロセスであると理解され得、輻輳・開散運動は、眼が特定の輻輳・開散運動状態を達成するプロセスであると理解され得る。
図4Aに示されるように、眼の遠近調節および輻輳・開散運動状態は、ユーザが別のオブジェクトを固視する場合、変化し得る。例えば、遠近調節された状態は、ユーザがz-軸上の異なる深度における新しいオブジェクトを固視する場合、変化し得る。
【0051】
理論によって限定されるわけではないが、オブジェクトの視認者は、輻輳・開散運動と遠近調節の組み合わせに起因して、オブジェクトを「3次元」として知覚し得ると考えられる。上記のように、相互に対する2つの眼の輻輳・開散運動(例えば、瞳孔が相互に向かって、またはそこから離れるように移動し、眼の視線を収束させ、オブジェクトを固視するような眼の回転)は、眼の水晶体の遠近調節と密接に関連付けられる。通常条件下、焦点を1つのオブジェクトから異なる距離における別のオブジェクトに変化させるための眼の水晶体の形状の変化は、自動的に、「遠近調節-輻輳・開散運動反射」として知られる関係下、同一距離への輻輳・開散運動の合致する変化を自動的に生じさせるであろう。同様に、輻輳・開散運動の変化は、通常条件下、水晶体形状における合致する変化を誘起するであろう。
【0052】
ここで
図4Bを参照すると、眼の異なる遠近調節および輻輳・開散運動状態の実施例が、図示される。一対の眼222aが、光学無限遠におけるオブジェクトを固視する一方、一対の眼222bは、光学無限遠未満におけるオブジェクト221を固視する。着目すべきこととして、各対の眼の輻輳・開散運動状態は、異なり、一対の眼222aが、まっすぐ指向される一方、一対の眼222は、オブジェクト221上に収束する。各対の眼222aおよび222bを形成する眼の遠近調節状態もまた、水晶体210a、220aの異なる形状によって表されるように異なる。
【0053】
望ましくないことに、従来の「3-D」ディスプレイシステムの多くのユーザは、これらのディスプレイにおける遠近調節と輻輳・開散運動状態との間の不一致に起因して、そのような従来のシステムを不快であると見出す、または奥行感を全く知覚しない場合がある。上記のように、多くの立体視または「3-D」ディスプレイシステムは、若干異なる画像を各眼に提供することによって、場面を表示する。そのようなシステムは、それらが、とりわけ、単に、場面の異なる提示を提供し、眼の輻輳・開散運動状態に変化を生じさせるが、それらの眼の遠近調節状態に対応する変化を伴わないため、多くの視認者にとって不快である。むしろ、画像は、眼が全ての画像情報を単一遠近調節状態において視認するように、ディスプレイによって眼から固定距離に示される。そのような配列は、遠近調節状態における合致する変化を伴わずに輻輳・開散運動状態に変化を生じさせることによって、「遠近調節-輻輳・開散運動反射」に逆らう。本不一致は、視認者の不快感を生じさせると考えられる。遠近調節と輻輳・開散運動との間のより良好な合致を提供する、ディスプレイシステムは、3次元画像のより現実的かつ快適なシミュレーションを形成し得る。
【0054】
理論によって限定されるわけではないが、ヒトの眼は、典型的には、有限数の深度面を解釈し、深度知覚を提供し得ると考えられる。その結果、知覚された深度の高度に真実味のあるシミュレーションが、眼にこれらの限定数の深度面のそれぞれに対応する画像の異なる提示を提供することによって達成され得る。いくつかの実施形態では、異なる提示は、輻輳・開散運動のためのキューおよび遠近調節のための合致するキューの両方を提供し、それによって、生理学的に正しい遠近調節-輻輳・開散運動合致を提供し得る。
【0055】
図4Bを継続して参照すると、眼210、220からの空間内の異なる距離に対応する、2つの深度面240が、図示される。所与の深度面240に関して、輻輳・開散運動キューが、眼210、220毎に適切に異なる視点の画像を表示することによって提供されてもよい。加えて、所与の深度面240に関して、各眼210、220に提供される画像を形成する光は、その深度面240の距離におけるある点によって生成されたライトフィールドに対応する波面発散を有してもよい。
【0056】
図示される実施形態では、点221を含有する、深度面240のz-軸に沿った距離は、1mである。本明細書で使用されるように、z-軸に沿った距離または深度は、ユーザの眼の射出瞳に位置するゼロ点を用いて測定されてもよい。したがって、1mの深度に位置する深度面240は、眼が光学無限遠に向かって指向された状態でそれらの眼の光学軸上のユーザの眼の射出瞳から1m離れた距離に対応する。近似値として、z-軸に沿った深度または距離は、ユーザの眼の正面のディスプレイから(例えば、導波管の表面から)測定され、デバイスとユーザの眼の射出瞳との間の距離に関する値が加えられてもよい。その値は、瞳距離と呼ばれ得、ユーザの眼の射出瞳と眼の正面のユーザによって装着されるディスプレイとの間の距離に対応する。実践では、瞳距離に関する値は、概して、全ての視認者に使用される、正規化された値であってもよい。例えば、瞳距離は、20mmであると仮定され得、1mの深度における深度面は、ディスプレイの正面の980mmの距離にあり得る。
【0057】
ここで
図4Cおよび4Dを参照すると、合致遠近調節-輻輳・開散運動距離および不一致遠近調節-輻輳・開散運動距離の実施例が、それぞれ、図示される。
図4Cに図示されるように、ディスプレイシステムは、仮想オブジェクトの画像を各眼210、220に提供してもよい。画像は、眼210、220に、眼が深度面240上の点15上に収束する、輻輳・開散運動状態をとらせ得る。加えて、画像は、その深度面240における実オブジェクトに対応する波面曲率を有する、光によって形成され得る。結果として、眼210、220は、画像がそれらの眼の網膜上で合焦する、遠近調節状態をとる。したがって、ユーザは、仮想オブジェクトを深度面240上の点15にあるものとして知覚し得る。
【0058】
眼210、220の遠近調節および輻輳・開散運動状態はそれぞれ、z-軸上の特定の距離と関連付けられることを理解されたい。例えば、眼210、220からの特定の距離におけるオブジェクトは、それらの眼に、オブジェクトの距離に基づいて、特定の遠近調節状態をとらせる。特定の遠近調節状態と関連付けられる距離は、遠近調節距離Adと称され得る。同様に、特定の輻輳・開散運動状態または相互に対する位置における眼と関連付けられる特定の輻輳・開散運動距離Vdが、存在する。遠近調節距離および輻輳・開散運動距離が合致する場合、遠近調節と輻輳・開散運動との間の関係は、生理学的に正しいと言える。これは、視認者にとって最も快適なシナリオであると見なされる。
【0059】
しかしながら、立体視ディスプレイでは、遠近調節距離および輻輳・開散運動距離は、常に合致するわけではない場合がある。例えば、
図4Dに図示されるように、眼210、220に表示される画像は、深度面240に対応する波面発散を伴って表示され得、眼210、220は、その深度面上の点15a、15bが合焦する、特定の遠近調節状態をとり得る。しかしながら、眼210、220に表示される画像は、眼210、220を深度面240上に位置しない点15上に収束させる、輻輳・開散運動のためのキューを提供し得る。結果として、遠近調節距離は、いくつかの実施形態では、眼210、220の射出瞳から深度面240への距離に対応する一方、輻輳・開散運動距離は、眼210、220の射出瞳から点15までのより大きい距離に対応する。遠近調節距離は、輻輳・開散運動距離と異なる。その結果、遠近調節-輻輳・開散運動の不一致が存在する。そのような不一致は、望ましくないと見なされ、不快感をユーザに生じさせ得る。不一致は、距離(例えば、V
d-A
d)に対応し、ジオプタを使用して特性評価され得ることを理解されたい。
【0060】
いくつかの実施形態では、眼210、220の射出瞳以外の参照点も、同一参照点が遠近調節距離および輻輳・開散運動距離のために利用される限り、遠近調節-輻輳・開散運動の不一致を決定するための距離を決定するために利用され得ることを理解されたい。例えば、距離は、角膜から深度面まで、網膜から深度面まで、接眼レンズ(例えば、ディスプレイデバイスの導波管)から深度面まで等、測定され得る。
【0061】
理論によって限定されるわけではないが、ユーザは、不一致自体が有意な不快感を生じさせることなく、依然として、最大約0.25ジオプタ、最大約0.33ジオプタ、および最大約0.5ジオプタの遠近調節-輻輳・開散運動の不一致を生理学的に正しいと知覚し得ると考えられる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるディスプレイシステム(例えば、ディスプレイシステム250、
図6)は、約0.5ジオプタまたはそれ未満の遠近調節-輻輳・開散運動の不一致を有する、画像を視認者に提示する。いくつかの他の実施形態では、ディスプレイシステムによって提供される画像の遠近調節-輻輳・開散運動の不一致は、約0.33ジオプタまたはそれ未満である。さらに他の実施形態では、ディスプレイシステムによって提供される画像の遠近調節-輻輳・開散運動の不一致は、約0.1ジオプタまたはそれ未満を含む、約0.25ジオプタまたはそれ未満である。
【0062】
図5は、波面発散を修正することによって、3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。ディスプレイシステムは、画像情報でエンコードされる光770を受光し、その光をユーザの眼210に出力するように構成される、導波管270を含む。導波管270は、所望の深度面240上のある点によって生成されるライトフィールドの波面発散に対応する、定義された波面発散量を伴って光650を出力してもよい。いくつかの実施形態では、同一量の波面発散が、その深度面上に提示される全てのオブジェクトのために提供される。加えて、ユーザの他方の眼は、類似導波管からの画像情報を提供され得ることが図示されるであろう。
【0063】
いくつかの実施形態では、単一の導波管が、単一または限定数の深度面に対応する設定された波面発散量を伴う光を出力するように構成されてもよい、および/または導波管は、限定された範囲の波長の光を出力するように構成されてもよい。その結果、いくつかの実施形態では、複数またはスタックの導波管が、異なる深度面のための異なる波面発散量を提供する、および/または異なる範囲の波長の光を出力するために利用されてもよい。本明細書で使用されるように、深度面は、平坦、または湾曲表面の輪郭に追従し得ることを理解されたい。
【0064】
図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの実施例を図示する。ディスプレイシステム250は、複数の導波管270、280、290、300、310を使用して3次元知覚を眼/脳に提供するために利用され得る、導波管のスタックまたはスタックされた導波管アセンブリ260を含む。ディスプレイシステム250は、いくつかの実施形態では、ライトフィールドディスプレイと見なされ得ることを理解されたい。加えて、導波管アセンブリ260はまた、接眼レンズとも称され得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム250は、輻輳・開散運動するための実質的に連続的なキューおよび遠近調節のための複数の離散キューを提供するように構成されてもよい。輻輳・開散運動のためのキューは、異なる画像をユーザの眼のそれぞれに表示することによって提供されてもよく、遠近調節のためのキューは、選択可能な離散量の波面発散を伴う画像を形成する光を出力することによって提供されてもよい。換言すると、ディスプレイシステム250は、可変レベルの波面発散を伴う光を出力するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、波面発散の各離散レベルが、特定の深度面に対応し、導波管270、280、290、300、310のうちの特定のものによって提供されてもよい。
【0066】
図6を継続して参照すると、導波管アセンブリ260はまた、複数の特徴320、330、340、350を導波管の間に含んでもよい。いくつかの実施形態では、特徴320、330、340、350は、1つ以上のレンズであってもよい。導波管270、280、290、300、310、および/または複数のレンズ320、330、340、350は、種々のレベルの波面曲率または光線発散を用いて、画像情報を眼に送信するように構成されてもよい。各導波管レベルは、特定の深度面と関連付けられてもよく、その深度面に対応する画像情報を出力するように構成されてもよい。画像投入デバイス360、370、380、390、400は、導波管のための光源として機能してもよく、それぞれ、本明細書に説明されるように、眼210に向かって出力するために、各個別の導波管を横断して入射光を分散させるように構成され得る、導波管270、280、290、300、310の中に画像情報を投入するために利用されてもよい。光は、画像投入デバイス360、370、380、390、400の出力表面410、420、430、440、450から出射し、導波管270、280、290、300、310の対応する入力表面460、470、480、490、500の中に投入される。いくつかの実施形態では、入力表面460、470、480、490、500はそれぞれ、対応する導波管の縁であってもよい、または対応する導波管の主要表面の一部(すなわち、世界510または視認者の眼210に直接面する導波管表面のうちの1つ)であってもよい。いくつかの実施形態では、光の単一ビーム(例えば、コリメートされたビーム)が、各導波管の中に投入され、特定の導波管と関連付けられる深度面に対応する特定の角度(および発散量)において眼210に向かって指向される、クローン化されるコリメートビームの場全体を出力してもよい。いくつかの実施形態では、画像投入デバイス360、370、380、390、400のうちの単一のものが、複数(例えば、3つ)の導波管270、280、290、300、310と関連付けられ、その中に光を投入してもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、画像投入デバイス360、370、380、390、400は、それぞれ、対応する導波管270、280、290、300、310の中への投入のための画像情報をそれぞれ生成する、離散ディスプレイである。いくつかの他の実施形態では、画像投入デバイス360、370、380、390、400は、例えば、1つ以上の光学導管(光ファイバケーブル等)を介して、画像情報を画像投入デバイス360、370、380、390、400のそれぞれに送り得る、単一の多重化されたディスプレイの出力端である。画像投入デバイス360、370、380、390、400によって提供される画像情報は、異なる波長または色(例えば、本明細書に議論されるように、異なる原色)の光を含み得ることを理解されたい。
【0068】
いくつかの実施形態では、導波管270、280、290、300、310の中に投入される光は、発光ダイオード(LED)等の光エミッタを含み得る、光モジュール530を備える、光プロジェクタシステム520によって提供される。光モジュール530からの光は、ビームスプリッタ550を介して、光変調器540、例えば、空間光変調器に指向され、それによって修正されてもよい。光変調器540は、導波管270、280、290、300、310の中に投入される光の知覚される強度を変化させ、光を画像情報でエンコードするように構成されてもよい。空間光変調器の実施例は、シリコン上液晶(LCOS)ディスプレイを含む、液晶ディスプレイ(LCD)を含む。画像投入デバイス360、370、380、390、400は、図式的に図示され、いくつかの実施形態では、これらの画像投入デバイスは、光を導波管270、280、290、300、310の関連付けられるものの中に出力するように構成される、共通投影システム内の異なる光経路および場所を表し得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、導波管アセンブリ260の導波管は、導波管の中に投入される光をユーザの眼に中継しながら、理想的レンズとして機能し得る。本概念では、オブジェクトは、空間光変調器540であってもよく、画像は、深度面上の画像であってもよい。
【0069】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム250は、光を種々のパターン(例えば、ラスタ走査、螺旋走査、リサジューパターン等)で1つ以上の導波管270、280、290、300、310の中に、最終的には、視認者の眼210に投影するように構成される、1つ以上の走査ファイバを備える、走査ファイバディスプレイであってもよい。いくつかの実施形態では、図示される画像投入デバイス360、370、380、390、400は、光を1つまたは複数の導波管270、280、290、300、310の中に投入するように構成される、単一走査ファイバまたは走査ファイバの束を図式的に表し得る。いくつかの他の実施形態では、図示される画像投入デバイス360、370、380、390、400は、それぞれ、光を導波管270、280、290、300、310のうちの関連付けられるものの中に投入するように構成される、複数の走査ファイバまたは走査ファイバの複数の束を図式的に表し得る。1つ以上の光ファイバは、光を光モジュール530から1つ以上の導波管270、280、290、300、310に透過させるように構成され得ることを理解されたい。1つ以上の介在光学構造が、走査ファイバまたは複数のファイバと、1つ以上の導波管270、280、290、300、310との間に提供され、例えば、走査ファイバから出射する光を1つ以上の導波管270、280、290、300、310の中に再指向し得ることを理解されたい。
【0070】
コントローラ560は、画像投入デバイス360、370、380、390、400、光源530、および光変調器540の動作を含む、スタックされた導波管アセンブリ260のうちの1つ以上のものの動作を制御する。いくつかの実施形態では、コントローラ560は、ローカルデータ処理モジュール140の一部である。コントローラ560は、例えば、本明細書に開示される種々のスキームのいずれかに従って、導波管270、280、290、300、310への画像情報のタイミングおよび提供を調整する、プログラミング(例えば、非一過性媒体内の命令)を含む。いくつかの実施形態では、コントローラは、単一の一体型デバイスまたは有線または無線通信チャネルによって接続される分散型システムであってもよい。コントローラ560は、いくつかの実施形態では、処理モジュール140または150(
図9D)の一部であってもよい。
【0071】
図6を継続して参照すると、導波管270、280、290、300、310は、全内部反射(TIR)によって各個別の導波管内で光を伝搬するように構成されてもよい。導波管270、280、290、300、310はそれぞれ、主要上部および底部表面およびそれらの主要上部表面と底部表面との間に延在する縁を伴う、平面である、または別の形状(例えば、湾曲)を有してもよい。図示される構成では、導波管270、280、290、300、310はそれぞれ、各個別の導波管内で伝搬する光を導波管から外に再指向させ、画像情報を眼210に出力することによって、光を導波管から抽出するように構成される、外部結合光学要素570、580、590、600、610を含んでもよい。抽出された光はまた、外部結合光と称され得、外部結合光学要素はまた、光抽出光学要素と称され得る。抽出された光のビームは、導波管によって、導波管内で伝搬する光が光抽出光学要素に衝打する場所において出力され得る。外部結合光学要素570、580、590、600、610は、例えば、本明細書にさらに議論されるような回折光学特徴を含む、格子であってもよい。説明を容易にし、図面を明確にするために、導波管270、280、290、300、310の底部主要表面に配置されて図示されるが、いくつかの実施形態では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、本明細書にさらに議論されるように、上部および/または底部主要表面に配置されてもよく、および/または導波管270、280、290、300、310の体積内に直接配置されてもよい。いくつかの実施形態では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、透明基板に取り付けられ、導波管270、280、290、300、310を形成する、材料の層内に形成されてもよい。いくつかの他の実施形態では、導波管270、280、290、300、310は、材料のモノリシック片であってもよく、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、その材料片の表面上および/または内部に形成されてもよい。
【0072】
図6を継続して参照すると、本明細書に議論されるように、各導波管270、280、290、300、310は、光を出力し、特定の深度面に対応する画像を形成するように構成される。例えば、眼の最近傍の導波管270は、眼210にコリメートされた光(そのような導波管270の中に投入された)を送達するように構成されてもよい。コリメートされた光は、光学無限遠焦点面を表し得る。次の上方の導波管280は、眼210に到達し得る前に、第1のレンズ350(例えば、負のレンズ)を通して通過する、コリメートされた光を送出するように構成されてもよい。そのような第1のレンズ350は、眼/脳が、その次の上方の導波管280から生じる光を光学無限遠から眼210に向かって内向きにより近い第1の焦点面から生じるものとして解釈するように、若干の凸面波面曲率を生成するように構成されてもよい。同様に、第3の上方の導波管290は、眼210に到達する前に、その出力光を第1のレンズ350および第2のレンズ340の両方を通して通過させる。第1のレンズ350および第2のレンズ340の組み合わせられた屈折力は、眼/脳が、第3の上方の導波管290から生じる光が次の上方の導波管280からの光であったよりも光学無限遠から人物に向かって内向きにさらに近い第2の焦点面から生じるものとして解釈するように、別の漸増量の波面曲率を生成するように構成されてもよい。
【0073】
他の導波管層300、310およびレンズ330、320も同様に構成され、スタック内の最高導波管310が、人物に最も近い焦点面を表す集約焦点力のために、その出力をそれと眼との間のレンズの全てを通して送出する。スタックされた導波管アセンブリ260の他側の世界510から生じる光を視認/解釈するとき、レンズ320、330、340、350のスタックを補償するために、補償レンズ層620が、スタックの上部に配置され、下方のレンズスタック320、330、340、350の集約力を補償してもよい。そのような構成は、利用可能な導波管/レンズ対と同じ数の知覚される焦点面を提供する。導波管の外部結合光学要素およびレンズの集束側面は両方とも、静的であってもよい(すなわち、動的または電気活性ではない)。いくつかの代替実施形態では、一方または両方とも、電気活性特徴を使用して動的であってもよい。
【0074】
いくつかの実施形態では、導波管270、280、290、300、310のうちの2つ以上のものは、同一の関連付けられる深度面を有してもよい。例えば、複数の導波管270、280、290、300、310が、同一深度面に設定される画像を出力するように構成されてもよい、または導波管270、280、290、300、310の複数のサブセットが、深度面毎に1つのセットを用いて、同一の複数の深度面に設定される画像を出力するように構成されてもよい。これは、それらの深度面において拡張された視野を提供するようにタイル化された画像を形成するための利点を提供し得る。
【0075】
図6を継続して参照すると、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、導波管と関連付けられる特定の深度面のために、光をそれらの個別の導波管から外に再指向し、かつ本光を適切な量の発散またはコリメーションを伴って出力するように構成されてもよい。その結果、異なる関連付けられる深度面を有する導波管が、関連付けられる深度面に応じて、異なる量の発散を伴う光を出力する、外部結合光学要素570、580、590、600、610の異なる構成を有してもよい。いくつかの実施形態では、光抽出光学要素570、580、590、600、610は、光を具体的角度で出力するように構成され得る、立体または表面特徴であってもよい。例えば、光抽出光学要素570、580、590、600、610は、立体ホログラム、表面ホログラム、および/または回折格子であってもよい。いくつかの実施形態では、特徴320、330、340、350は、レンズではなくてもよい。むしろ、それらは、単に、スペーサであってもよい(例えば、空隙を形成するためのクラッディング層および/または構造)。
【0076】
いくつかの実施形態では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、回折パターンを形成する回折特徴または「回折光学要素」(本明細書では、「DOE」とも称される)である。好ましくは、DOEは、ビームの光の一部のみが、DOEの各交差部で眼210に向かって偏向される一方、残りが、TIRを介して、導波管を通して移動し続けるように、十分に低回折効率を有する。画像情報を搬送する光は、したがって、複数の場所において導波管から出射する、いくつかの関連出射ビームに分割され、その結果、導波管内でバウンスする本特定のコリメートされたビームに関して、眼210に向かって非常に均一なパターンの出射放出となる。
【0077】
いくつかの実施形態では、1つ以上のDOEは、それらが能動的に回折する「オン」状態と有意に回折しない「オフ」状態との間で切替可能であり得る。例えば、切替可能なDOEは、微小液滴がホスト媒体内に回折パターンを備える、ポリマー分散液晶の層を備えてもよく、微小液滴の屈折率は、ホスト材料の屈折率に実質的に合致するように切り替えられてもよい(その場合、パターンは、入射光を著しく回折させない)、または微小液滴は、ホスト媒体のものに合致しない屈折率に切り替えられてもよい(その場合、パターンは、入射光を能動的に回折させる)。
【0078】
いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ630(例えば、可視光および赤外線光カメラを含む、デジタルカメラ)が、眼210および/または眼210の周囲の組織の画像を捕捉し、例えば、ユーザ入力を検出する、および/またはユーザの生理学的状態を監視するために提供されてもよい。本明細書で使用されるように、カメラは、任意の画像捕捉デバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ630は、画像捕捉デバイスと、光(例えば、赤外線光)を眼に投影し、次いで、眼によって反射され、画像捕捉デバイスによって検出され得る、光源とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ630は、フレーム80(
図9D)に取り付けられてもよく、カメラアセンブリ630からの画像情報を処理し得る、処理モジュール140および/または150と電気通信してもよい。いくつかの実施形態では、1つのカメラアセンブリ630が、眼毎に利用され、各眼を別個に監視してもよい。
【0079】
ここで
図7を参照すると、導波管によって出力される出射ビームの実施例が、示される。1つの導波管が図示されるが、導波管アセンブリ260(
図6)内の他の導波管も同様に機能し得、導波管アセンブリ260は、複数の導波管を含むことを理解されたい。光640が、導波管270の入力表面460において導波管270の中に投入され、TIRによって導波管270内を伝搬する。光640がDOE570上に衝突する点では、光の一部は、導波管から出射ビーム650として出射する。出射ビーム650は、略平行として図示されるが、本明細書に議論されるように、それらはまた、導波管270と関連付けられる深度面に応じて、ある角度において眼210に伝搬する(例えば、発散出射ビームを形成する)ように再指向されてもよい。略平行出射ビームは、眼210からの遠距離(例えば、光学無限遠)における深度面上に設定されるように現れる画像を形成するように光を外部結合する、外部結合光学要素を伴う導波管を示し得ることを理解されたい。他の導波管または他の外部結合光学要素のセットが、より発散する、出射ビームパターンを出力してもよく、これは、眼210がより近い距離に遠近調節し、網膜上に合焦させることを要求し、光学無限遠より眼210に近い距離からの光として脳によって解釈されるであろう。
【0080】
いくつかの実施形態では、フルカラー画像が、原色、例えば、3つ以上の原色のそれぞれに画像をオーバーレイすることによって、各深度面において形成されてもよい。
図8は、各深度面が、複数の異なる原色を使用して形成される画像を含む、スタックされた導波管アセンブリの実施例を図示する。図示される実施形態は、深度面240a-240fを示すが、より多いまたはより少ない深度もまた、検討される。各深度面は、第1の色Gの第1の画像、第2の色Rの第2の画像、および第3の色Bの第3の画像を含む、それと関連付けられる3つ以上の原色画像を有してもよい。異なる深度面が、文字G、R、およびBに続くジオプタ(dpt)に関する異なる数字によって図に示される。単なる実施例として、これらの文字のそれぞれに続く数字は、ジオプタ(1/m)、すなわち、視認者からの深度面の逆距離を示し、図中の各ボックスは、個々の原色画像を表す。いくつかの実施形態では、異なる波長の光の眼の集束における差異を考慮するために、異なる原色に関する深度面の正確な設置が、変動し得る。例えば、所与の深度面に関する異なる原色画像が、ユーザからの異なる距離に対応する深度面上に設置されてもよい。そのような配列は、視力およびユーザ快適性を増加させ得る、および/または色収差を減少させ得る。
【0081】
いくつかの実施形態では、各原色の光が、単一の専用導波管によって出力されてもよく、その結果、各深度面が、それと関連付けられる複数の導波管を有してもよい。そのような実施形態では、文字G、R、またはBを含む、図中の各ボックスが、個々の導波管を表すと理解され得、3つの導波管が、3つの原色画像が深度面毎に提供される、深度面毎に提供されてもよい。各深度面と関連付けられる導波管は、本図面では、説明を容易にするために相互に隣接して示されるが、物理的デバイスでは、導波管は全て、レベル毎に1つの導波管を伴うスタックで配列され得ることを理解されたい。いくつかの他の実施形態では、複数の原色が、例えば、単一の導波管のみが深度面毎に提供され得るように、同一導波管によって出力されてもよい。
【0082】
図8を継続して参照すると、いくつかの実施形態では、Gは、緑色であって、Rは、赤色であって、Bは、青色である。いくつかの他の実施形態では、マゼンタ色およびシアン色を含む、光の他の波長と関連付けられる他の色も、赤色、緑色、または青色のうちの1つ以上のものに加えて使用されてもよい、またはそれらに取って代わってもよい。
【0083】
本開示の全体を通した所与の光の色の言及は、視認者によってその所与の色であるものとして知覚される、光の波長の範囲内の1つ以上の波長の光を包含すると理解されるであろうことを理解されたい。例えば、赤色光は、約620~780nmの範囲内の1つ以上の波長の光を含んでもよく、緑色光は、約492~577nmの範囲内の1つ以上の波長の光を含んでもよく、青色光は、約435~493nmの範囲内の1つ以上の波長の光を含んでもよい。
【0084】
いくつかの実施形態では、光源530(
図6)は、視認者の視覚的知覚範囲外の1つ以上の波長、例えば、赤外線および/または紫外線波長の光を放出するように構成されてもよい。加えて、ディスプレイ250の導波管の内部結合、外部結合、および他の光再指向構造は、例えば、結像および/またはユーザ刺激用途のために、本光をディスプレイからユーザの眼210に向かって指向および放出するように構成されてもよい。
【0085】
ここで
図9Aを参照すると、いくつかの実施形態では、導波管に衝突する光は、その光を導波管の中に内部結合するために再指向される必要があり得る。内部結合光学要素が、光をその対応する導波管の中に再指向および内部結合するために使用されてもよい。
図9Aは、それぞれ、内部結合光学要素を含む、複数またはセット660のスタックされた導波管の実施例の断面側面図を図示する。導波管はそれぞれ、1つ以上の異なる波長または1つ以上の異なる波長範囲の光を出力するように構成されてもよい。スタック660は、スタック260(
図6)に対応し得、スタック660の図示される導波管は、画像投入デバイス360、370、380、390、400のうちの1つ以上のものからの光が、光が内部結合のために再指向されることを要求する位置から導波管の中に投入されることを除いて、複数の導波管270、280、290、300、310の一部に対応し得ることを理解されたい。
【0086】
スタックされた導波管の図示されるセット660は、導波管670、680、および690を含む。各導波管は、関連付けられる内部結合光学要素(導波管上の光入力面積とも称され得る)を含み、例えば、内部結合光学要素700は、導波管670の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素710は、導波管680の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素720は、導波管690の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置される。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素700、710、720のうちの1つ以上のものは、個別の導波管670、680、690の底部主要表面上に配置されてもよい(特に、1つ以上の内部結合光学要素が、反射性偏向光学要素である場合)。図示されるように、内部結合光学要素700、710、720は、特に、それらの内部結合光学要素が、透過性偏向光学要素である場合に、それらの個別の導波管670、680、690の上側主要表面(または次の下側導波管の上部)上に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素700、710、720は、個別の導波管670、680、690の本体内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素700、710、720は、他の光の波長を透過させながら、1つ以上の光の波長を選択的に再指向するように、波長選択的である。それらの個別の導波管670、680、690の片側または角に図示されるが、内部結合光学要素700、710、720は、いくつかの実施形態では、それらの個別の導波管670、680、690の他の面積内に配置され得ることを理解されたい。
【0087】
図示されるように、内部結合光学要素700、710、720は、相互から側方にオフセットされてもよい。いくつかの実施形態では、各内部結合光学要素は、その光が別の内部結合光学要素を通して通過することなく、光を受光するようにオフセットされてもよい。例えば、各内部結合光学要素700、710、720は、
図6に示されるように、光を異なる画像投入デバイス360、370、380、390、および400から受光するように構成されてもよく、光を内部結合光学要素700、710、720の他のものから実質的に受光しないように、他の内部結合光学要素700、710、720から分離されてもよい(例えば、側方に離間される)。
【0088】
各導波管はまた、関連付けられる光分散要素を含み、例えば、光分散要素730は、導波管670の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分散要素740は、導波管680の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分散要素750は、導波管690の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置される。いくつかの他の実施形態では、光分散要素730、740、750は、それぞれ、関連付けられる導波管670、680、690の底部主要表面上に配置されてもよい。いくつかの他の実施形態では、光分散要素730、740、750は、それぞれ、関連付けられる導波管670、680、690の上部および底部両方の主要表面上に配置されてもよい、または光分散要素730、740、750は、それぞれ、異なる関連付けられる導波管670、680、690内の上部および底部主要表面のうちの異なるものの上に配置されてもよい。
【0089】
導波管670、680、690は、例えば、材料のガス、液体、および/または固体層によって離間および分離されてもよい。例えば、図示されるように、層760aは、導波管670および680を分離してもよく、層760bは、導波管680および690を分離してもよい。いくつかの実施形態では、層760aおよび760bは、低屈折率材料(すなわち、導波管670、680、690のうちの直接隣接するものを形成する材料より低い屈折率を有する材料)から形成される。好ましくは、層760a、760bを形成する材料の屈折率は、導波管670、680、690を形成する材料の屈折率よりも0.05またはそれを上回る、または0.10またはそれを下回る。有利なこととして、より低い屈折率層760a、760bは、導波管670、680、690を通して光の全内部反射(TIR)(例えば、各導波管の上部および底部主要表面間のTIR)を促進する、クラッディング層として機能してもよい。いくつかの実施形態では、層760a、760bは、空気から形成される。図示されないが、導波管の図示されるセット660の上部および底部は、直近のクラッディング層を含み得ることを理解されたい。
【0090】
好ましくは、製造および他の考慮点を容易にするために、導波管670、680、690を形成する材料は、類似または同一であって、層760a、760bを形成する材料は、類似または同一である。いくつかの実施形態では、導波管670、680、690を形成する材料は、1つ以上の導波管間で異なり得る、および/または層760a、760bを形成する材料は、依然として、上記の種々の屈折率関係を保持しながら、異なり得る。
【0091】
図9Aを継続して参照すると、光線770、780、790が、導波管のセット660に入射する。光線770、780、790は、1つ以上の画像投入デバイス360、370、380、390、400(
図6)によって、導波管670、680、690の中に投入されてもよいことを理解されたい。
【0092】
いくつかの実施形態では、光線770、780、790は、異なる色に対応し得る、異なる性質、例えば、異なる波長または異なる波長範囲を有する。内部結合光学要素700、710、720はそれぞれ、光が、TIRによって、導波管670、680、690のうちの個別のものを通して伝搬するように、入射光を偏向させる。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素700、710、720はそれぞれ、他の波長を下層導波管および関連付けられる内部結合光学要素に透過させながら、1つ以上の特定の光の波長を選択的に偏向させる。
【0093】
例えば、内部結合光学要素700は、それぞれ、異なる第2および第3の波長または波長範囲を有する、光線780および790を透過させながら、第1の波長または波長範囲を有する、光線770を選択的に偏向させるように構成されてもよい。透過された光線780は、第2の波長または波長範囲の光を偏向させるように構成される、内部結合光学要素710に衝突し、それによって偏向される。光線790は、第3の波長または波長範囲の光を選択的に偏向させるように構成される、内部結合光学要素720によって偏向される。
【0094】
図9Aを継続して参照すると、偏向された光線770、780、790は、対応する導波管670、680、690を通して伝搬するように偏向される。すなわち、各導波管の内部結合光学要素700、710、720は、光をその対応する導波管670、680、690の中に偏向させ、光を対応する導波管の中に内部結合する。光線770、780、790は、光をTIRによって個別の導波管670、680、690を通して伝搬させる角度で偏向される。光線770、780、790は、導波管の対応する光分散要素730、740、750に衝突するまで、TIRによって個別の導波管670、680、690を通して伝搬する。
【0095】
ここで
図9Bを参照すると、
図9Aの複数のスタックされた導波管の実施例の斜視図が、図示される。上記のように、内部結合された光線770、780、790は、それぞれ、内部結合光学要素700、710、720によって偏向され、次いで、それぞれ、導波管670、680、690内でTIRによって伝搬する。光線770、780、790は、次いで、それぞれ、光分散要素730、740、750に衝突する。光分散要素730、740、750は、それぞれ、外部結合光学要素800、810、820に向かって伝搬するように、光線770、780、790を偏向させる。
【0096】
いくつかの実施形態では、光分散要素730、740、750は、直交瞳エクスパンダ(OPE)である。いくつかの実施形態では、OPEは、光を外部結合光学要素800、810、820に偏向または分散し、いくつかの実施形態では、また、外部結合光学要素に伝搬するにつれて、本光のビームまたはスポットサイズを増加させ得る。いくつかの実施形態では、光分散要素730、740、750は、省略されてもよく、内部結合光学要素700、710、720は、光を外部結合光学要素800、810、820に直接偏向させるように構成されてもよい。例えば、
図9Aを参照すると、光分散要素730、740、750は、それぞれ、外部結合光学要素800、810、820と置換されてもよい。いくつかの実施形態では、外部結合光学要素800、810、820は、視認者の眼210(
図7)内で光を指向する、射出瞳(EP)または射出瞳エクスパンダ(EPE)である。OPEは、少なくとも1つの軸においてアイボックスの寸法を増加させるように構成され得、EPEは、OPEの軸と交差する、例えば、直交する軸においてアイボックスを増加させ得ることを理解されたい。例えば、各OPEは、光の残りの部分が導波管を辿って伝搬し続けることを可能にしながら、OPEに衝打する光の一部を同一導波管のEPEに再指向するように構成されてもよい。再び、OPEへの衝突に応じて、残りの光の別の部分が、EPEに再指向され、その部分の残りの部分が、導波管等を辿ってさらに伝搬し続ける。同様に、EPEへの衝打に応じて、衝突光の一部が、ユーザに向かって導波管から外に指向され、その光の残りの部分が、EPに再び衝打するまで、導波管を通して伝搬し続け、その時点で、衝突光の別の部分が、導波管から外に指向される等となる。その結果、内部結合された光の単一ビームが、その光の一部がOPEまたはEPEによって再指向される度に、「複製」され、それによって、
図6に示されるように、クローン化された光のビーム野を形成し得る。いくつかの実施形態では、OPEおよび/またはEPEは、光のビームのサイズを修正するように構成されてもよい。
【0097】
故に、
図9Aおよび9Bを参照すると、いくつかの実施形態では、導波管のセット660は、原色毎に、導波管670、680、690と、内部結合光学要素700、710、720と、光分散要素(例えば、OPE)730、740、750と、外部結合光学要素(例えば、EP)800、810、820とを含む。導波管670、680、690は、各1つの間に空隙/クラッディング層を伴ってスタックされてもよい。内部結合光学要素700、710、720は、(異なる波長の光を受光する異なる内部結合光学要素を用いて)入射光をその導波管の中に再指向または偏向させる。光は、次いで、個別の導波管670、680、690内にTIRをもたらすであろう角度で伝搬する。示される実施例では、光線770(例えば、青色光)は、前述に説明された様式において、第1の内部結合光学要素700によって偏光され、次いで、導波管を辿ってバウンスし続け、光分散要素(例えば、OPE)730、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)800と相互作用する。光線780および790(例えば、それぞれ、緑色および赤色光)は、導波管670を通して通過し、光線780は、内部結合光学要素710上に衝突し、それによって偏向される。光線780は、次いで、TIRを介して、導波管680を辿ってバウンスし、その光分散要素(例えば、OPE)740、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)810に進む。最後に、光線790(例えば、赤色光)は、導波管690を通して通過し、導波管690の光内部結合光学要素720に衝突する。光内部結合光学要素720は、光線が、TIRによって、光分散要素(例えば、OPE)750、次いで、TIRによって、外部結合光学要素(例えば、EP)820に伝搬するように、光線790を偏向させる。外部結合光学要素820は、次いで、最後に、光線790を視認者に外部結合し、視認者はまた、他の導波管670、680から外部結合された光も受光する。
【0098】
図9Cは、
図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の実施例の上下平面図を図示する。図示されるように、導波管670、680、690は、各導波管の関連付けられる光分散要素730、740、750および関連付けられる外部結合光学要素800、810、820とともに、垂直に整合されてもよい。しかしながら、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素700、710、720は、垂直に整合されない。むしろ、内部結合光学要素は、好ましくは、非重複する(例えば、上下図に見られるように、側方に離間される)。本明細書にさらに議論されるように、本非重複空間配列は、1対1ベースで異なるリソースから異なる導波管の中への光の投入を促進し、それによって、具体的光源が具体的導波管に一意に結合されることを可能にする。いくつかの実施形態では、非重複の空間的に分離される内部結合光学要素を含む、配列は、偏移瞳システムと称され得、これらの配列内の内部結合光学要素は、サブ瞳に対応し得る。
【0099】
図9Dは、本明細書に開示される種々の導波管および関連システムが統合され得る、ウェアラブルディスプレイシステム60の実施例を図示する。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム60は、
図6のシステム250であって、
図6は、そのシステム60のいくつかの部分をより詳細に図式的に示す。例えば、
図6の導波管アセンブリ260は、ディスプレイ70の一部であってもよい。
【0100】
図9Dを継続して参照すると、ディスプレイシステム60は、ディスプレイ70と、そのディスプレイ70の機能をサポートするための種々の機械的および電子的モジュールおよびシステムとを含む。ディスプレイ70は、ディスプレイシステムユーザまたは視認者90によって装着可能であり、ユーザ90の眼の正面にディスプレイ70を位置付けるように構成される、フレーム80に結合されてもよい。ディスプレイ70は、いくつかの実施形態では、接眼レンズと見なされ得る。いくつかの実施形態では、スピーカ100が、フレーム80に結合され、ユーザ90の外耳道に隣接して位置付けられるように構成される(いくつかの実施形態では、示されない別のスピーカが、随意に、ユーザの他方の外耳道に隣接して位置付けられ、ステレオ/成形可能音制御を提供してもよい)。ディスプレイシステム60はまた、1つ以上のマイクロホン110または他のデバイスを含み、音を検出してもよい。いくつかの実施形態では、マイクロホンは、ユーザが入力またはコマンド(例えば、音声メニューコマンドの選択、自然言語質問等)をシステム60に提供することを可能にするように構成される、および/または他の人物(例えば、類似ディスプレイシステムの他のユーザ)とのオーディオ通信を可能にしてもよい。マイクロホンはさらに、オーディオデータ(例えば、ユーザおよび/または環境からの音)を収集するように、周辺センサとして構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムはまた、フレーム80と別個であって、ユーザ90の身体に(例えば、ユーザ90の頭部、胴体、四肢等の上)に取り付けられ得る、周辺センサ120aを含んでもよい。周辺センサ120aは、いくつかの実施形態では、ユーザ90の生理学的状態を特性評価するデータを入手するように構成されてもよい。例えば、センサ120aは、電極であってもよい。
【0101】
図9Dを継続して参照すると、ディスプレイ70は、有線導線または無線コネクティビティ等の通信リンク130によって、ローカルデータ処理モジュール140に動作可能に結合され、これは、フレーム80に固定して取り付けられる、ユーザによって装着されるヘルメットまたは帽子に固定して取り付けられる、ヘッドホンに内蔵される、または別様にユーザ90に除去可能に取り付けられる(例えば、リュック式構成において、ベルト結合式構成において)等、種々の構成において搭載されてもよい。同様に、センサ120aは、通信リンク120b、例えば、有線導線または無線コネクティビティによって、ローカルプロセッサおよびデータモジュール140に動作可能に結合されてもよい。ローカル処理およびデータモジュール140は、ハードウェアプロセッサおよび不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリまたはハードディスクドライブ)等のデジタルメモリを備えてもよく、その両方とも、データの処理、キャッシュ、および記憶を補助するために利用され得る。随意に、ローカルプロセッサおよびデータモジュール140は、1つ以上の中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、専用処理ハードウェア等を含んでもよい。データは、(a)画像捕捉デバイス(カメラ等)、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、ジャイロスコープ、および/または本明細書に開示される他のセンサ等の(例えば、フレーム80に動作可能に結合される、または別様にユーザ90に取り付けられ得る)センサから捕捉されるデータ、および/または(b)可能性として、処理または読出後にディスプレイ70への通過のために、遠隔処理モジュール150および/または遠隔データリポジトリ160(仮想コンテンツに関連するデータを含む)を使用して入手および/または処理されるデータを含んでもよい。ローカル処理およびデータモジュール140は、これらの遠隔モジュール150、160が、相互に動作可能に結合され、ローカル処理およびデータモジュール140へのリソースとして利用可能であるように、有線または無線通信リンク等を介して、通信リンク170、180によって、遠隔処理モジュール150および遠隔データリポジトリ160に動作可能に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、ローカル処理およびデータモジュール140は、画像捕捉デバイス、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、および/またはジャイロスコープのうちの1つ以上のものを含んでもよい。いくつかの他の実施形態では、これらのセンサのうちの1つ以上のものは、フレーム80に取り付けられてもよい、または有線または無線通信経路によってローカル処理およびデータモジュール140と通信する独立型構造であってもよい。
【0102】
図9Dを継続して参照すると、いくつかの実施形態では、遠隔処理モジュール150は、例えば、1つ以上の中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、専用処理ハードウェア等を含む、データおよび/または画像情報を分析および処理するように構成される、1つ以上のプロセッサを備えてもよい。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ160は、デジタルデータ記憶設備を備えてもよく、これは、インターネットまたは「クラウド」リソース構成における他のネットワーキング構成を通して利用可能であってもよい。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ160は、情報、例えば、拡張現実コンテンツをローカル処理およびデータモジュール140および/または遠隔処理モジュール150に生成するための情報を提供する、1つ以上の遠隔サーバを含んでもよい。いくつかの実施形態では、全てのデータが、記憶され、全ての算出が、ローカル処理およびデータモジュールにおいて実施され、遠隔モジュールからの完全に自律的な使用を可能にする。随意に、CPU、GPU等を含む、外部システム(例えば、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のコンピュータのシステム)が、処理(例えば、画像情報を生成する、データを処理する)の少なくとも一部を実施し、例えば、無線または有線接続を介して、情報をモジュール140、150、160に提供し、そこから情報を受信してもよい。
(ブレーズド格子を備える光学要素と統合された導波管)
【0103】
没入型の体験を、導波管ベースのディスプレイシステム、例えば、上記に説明される仮想/拡張/複合現実ディスプレイ用途のために構成される、種々の半透明または透明ディスプレイシステムのユーザに提供することは、とりわけ、ディスプレイシステムの導波管の中およびそこから外への光結合の種々の特性に依存する。例えば、光の1つ以上の偏光のための高光内部結合および外部結合効率を有する、仮想/拡張/複合現実ディスプレイは、比較的に高明度および/または明確性を提供することによって、視認体験を向上させ得る。
【0104】
例えば、
図6および7を参照して上記に説明されるように、本明細書に説明される種々の実施形態による、ディスプレイシステムは、光学要素、例えば、内部結合光学要素、外部結合光学要素、および/または光分散要素を含んでもよく、これは、ひいては、回折格子または回折光学要素(DOE)を備えてもよい。内部結合回折格子(ICG)等の内部結合光学要素が、光を導波管の中に結合するために採用されてもよく、射出瞳エクスパンダ(EPE)等の外部結合光学要素が、光を導波管から外にユーザの眼の中に結合するために採用されてもよい。例えば、
図6および7を参照して上記に説明されるように、導波管270の入力表面460において導波管270の中に投入される、光640は、全内部反射(TIR)によって、導波管270内を伝搬する。光640が外部結合光学要素570上に衝突する、点では、光の一部が、ビームレット650として導波管から出射する。いくつかの実装では、光学要素570、580、590、600、610のいずれかは、回折格子またはDOEを含む、またはそれとして構成されることができる。
【0105】
導波管270、280、290、300、310の中への光の内部結合(またはそこからの光の外部結合)の望ましい特性を達成するために、回折格子またはDOEとして構成される、光学要素570、580、590、600、610は、回折性質を含む、種々の光学性質を制御するための好適な材料から形成され、好適な構造を有することができる。望ましい回折性質は、性質の中でもとりわけ、スペクトル選択性、角度選択性、偏光選択性、高スペクトル帯域幅、広視野、および高回折効率を含む。
【0106】
光学要素の比較的に高回折効率を含む、これらおよび他の利点のうちの1つ以上のものを達成するために、本明細書に説明される種々の例示的光学要素は、ブレーズド回折格子を含む。ブレーズド回折格子は、屈折力が、所与の回折次数のために向上または最大限にされる一方、他の次数(例えば、ゼロ次)における残留屈折力が、低減または最小限にされるように、所与の回折次数(例えば、一次)のための向上された回折効率を達成するように構成(例えば、最適化)される、回折格子のタイプを指す。例えば、ブレーズド回折格子パターンは、光の少なくとも1つの偏光に関して、30%、40%、50%、60%、または70%を上回る一次回折効率を有するように構成される、幾何学形状を有する。格子のそのような構成または最適化は、それに関してブレーズド回折格子が、設計、構成、および/または最適化される、ブレーズ波長と称される、特定の波長に関して生じる。
【0107】
所与の回折次数のための向上された回折効率は、ファセット化された特徴、例えば、ファセット化された線を有することによって、いくつかのブレーズド回折格子において達成される。ファセット化された線を有する、ブレーズド回折格子は、インプリント金型としてデバイスマスタテンプレートを使用して、ブレーズド回折格子パターンをデバイス基板、例えば、導波管上にインプリントすることによって、加工されることができる。そのような加工プロセスでは、製造スループットは、デバイスマスタテンプレートが所与のデバイス基板上にインプリントし得る、ブレーズド回折格子パターンの数によって限定され得る。有利なこととして、本明細書に説明される製造技術では、デバイスマスタテンプレートは、比較的に多数のブレーズド回折格子パターンをデバイス基板上にインプリントするように構成され、それによって、ブレーズド回折格子の比較的に高製造スループットを可能にする。特に、開示される技術では、複数の方向に、例えば、半径方向に延在するブレーズド回折格子パターンを有するデバイスマスタテンプレートが製造され、これは、導波管等のデバイス基板上へのブレーズド回折格子パターンの高スループットの並行の、例えば、同時のインプリントのためのデバイスマスタテンプレートの面積の効率的使用を可能にする。
【0108】
図10Aは、内部結合光学要素および/または外部結合光学要素または両方等の光学要素の一部として含まれ得る、例示的ブレーズド透過性回折格子1008の断面図を図示する。ブレーズド回折格子1008は、一定ピッチdを有する。動作時、法線方向1002(例えば、z-方向)に対して角度αで入射する入射光ビーム1016は、回折光ビーム1024として、比較的に高または最大効率において、法線方向1002に対してブレーズ角度βで回折される。図示されるブレーズド透過性回折格子1008等のブレーズド回折格子は、それに関してブレーズド回折格子が設計または最適化される、ブレーズ角度β、ブレーズ波長、および回折次数によって特徴付けられることができる。透過性回折格子1008が、示されるが、他の構成では、回折格子は、そこから反射された光を回折し、例えば、光を導波管の中に全内部反射によってその中で誘導されるように結合する、または光を導波管から外に結合する、および/または他の機能を実施する、反射性回折格子としての役割を果たし得る。
【0109】
図示されるブレーズド透過性回折格子1008等のブレーズド回折格子は、例えば、三角形断面形状を有する、鋸歯形状を有する、格子特徴(例えば、線)を備えることができる。例えば、図示される実施例では、断面形状は、傾斜された段構造を形成する、三角形鋸歯形状を有する。段は、水平平面、例えば、格子法線方向1002(例えば、z-方向)に対して法線方向のx-y平面に対して、ブレーズド角度とも称される、ファセット角度δで傾斜されることができる。
【0110】
いくつかの実装では、ブレーズド透過性回折格子1008は、回折角度β、入射角α、およびファセット角度δが、同じである、幾何学形状である、リトロー構成として知られる、特定の配列を有することができる。故に、リトロー構成では、α=β=δである。
【0111】
ブレーズ角度δは、特定の波長を有する光の効率を向上または最大限にするように設計または最適化されることができる。上記に説明されるように、実施形態による、ブレーズド透過性回折格子は、導波管の中に回折される可視光が、例えば、全内部反射(TIR)によって、導波管のそれぞれ内で誘導されるように、その上に入射する可視光を個別の導波管の中に回折するように構成される。いくつかの実装では、回折格子は、可視光が、個別の角度または視野(FOV)の範囲内においてその上に入射するとき、可視光を個別の導波管の中に回折するように構成されることができる。いくつかの他の実装では、回折格子はまた、可視光を個別の導波管から外に個別の角度または視野の範囲の中に回折するように構成されることができる。いくつかの他の実装では、回折格子は、光を分散させ、導波管内で外部結合要素に向かって伝搬するように構成される、光分散要素として構成されることができる。さらにいくつかの他の実装では、回折格子は、光を分散させ、導波管内で伝搬するように構成され、さらに、光を導波管から外部結合するように構成される、組み合わせられた外部結合格子および光分散要素としての役割を果たすことができる。
【0112】
図10Aに図示される実施例では、回折格子1008は、第1の水平方向またはy-方向に伸長され、第2の水平方向またはx-方向に周期的に繰り返される、複数のブレーズド回折格子線1012を備える。回折格子線1012は、例えば、y-方向に延在する、直線的かつ連続的な線であることができる。しかしながら、実施形態は、そのように限定されない。
【0113】
いくつかの実装では、回折格子線1012は、例えば、y方向における、不連続的な線であることができる。いくつかの他の実装では、不連続的な線は、格子基板の表面から突出する、複数の柱を形成することができる。いくつかの実装では、回折格子線1012のうちの少なくともいくつかは、x-方向に異なる幅を有することができる。
【0114】
図示される実施例では、回折格子線1012は、プロファイル、例えば、基板の平面に対して異なる角度を形成する、非対称対向側表面を有する、鋸歯プロファイルを有する。しかしながら、実施形態は、そのように限定されず、他の実装では、回折格子線1012は、基板の平面に対して類似角度を形成する、対称対向側表面を有することができる。
【0115】
図示される実施例では、回折格子線1012は、1つの側方方向、例えば、x-方向に周期性を有する、1次元(1D)アレイとして配列される。これらの構成では、1Dアレイは、光を優先的に1つの方向に回折するように構成される、1D格子としての役割を果たすことができる。しかしながら、実施形態は、そのように限定されず、他の構成では、回折格子線1012、例えば、不連続的な線または突出部が、2つの側方方向に周期性を有する、2次元(2D)アレイとして配列されることができる。これらの構成では、2Dアレイは、光を優先的に2つの方向に回折するように構成される、2D格子としての役割を果たす。特定の実装では、2Dアレイは、2つの異なる側方方向に同一数の回折特徴を有し、例えば、正方形アレイを形成することができる。
【0116】
図10Bは、いくつかの実施形態による、導波管1004と、導波管1004上に形成される、ブレーズド透過性回折格子1008とを備える、ディスプレイデバイス1000の一部の断面図を図示する。ブレーズド透過性回折格子1008は、光が、TIRによって、導波管1004内で誘導されるように、可視スペクトル内の波長を有する光を回折するように構成される。導波管1004は、例えば、
図9A-9Cに関して上記に説明される、導波管670、680、690のうちの1つに対応し得る。上記に説明されるように、ブレーズド透過性回折格子1008は、例えば、本明細書では、内部結合格子(ICG)とも称される、内部結合光学要素(700、710、720、
図9A-9C)に対応し得る。ディスプレイデバイス1000は、加えて、上記に説明されるディスプレイデバイスの一部として、外部結合光学要素を含む、種々の他の光学要素を含むことができる。例えば、図示される実施形態では、ディスプレイデバイス1000は、加えて、
図9A-9Cに関して上記に説明されるものに類似する、光分散要素730、740、750を含む。ディスプレイデバイス1000は、例えば、外部結合光学要素(800、810、820、
図9A-9C)を含む、他の要素を含むことができる。
【0117】
動作時、入射光ビーム1016、例えば、可視光が、y-x平面に延在する表面1008Sに対して法線方向である、またはそれに直交する、面法線1002に対して測定される入射角αで、ブレーズド回折格子1008上に入射すると、ブレーズド回折格子1008は、少なくとも部分的に、回折光ビーム1024として、面法線1002に対して測定される回折角度θで、入射光ビーム1016を回折する一方、少なくとも部分的に、透過光ビーム1020として、入射光を透過させる。回折光ビーム1024が、導波管1004内の全内部反射の発生のために、臨界角θ
TIRを超える、回折角度θにおいて回折されると、回折光ビーム1024は、回折光ビーム1024が、例えば、光分散要素730、740、750のうちの1つ、または、例えば、外部結合光学要素(800、810、820、
図9A-9C)、のうちの1つに到達するまで、x-軸に沿って、全内部反射(TIR)を介して、導波管1004内で誘導される。
(マスタテンプレートを使用したブレーズド格子構造の加工)
【0118】
いくつかの製造技法では、ブレーズド回折格子は、ブレーズド回折格子パターンを、直接、基板、例えば、導波管等のデバイス基板上にインプリントすることによって製造される。ある他の製造技法では、ブレーズド回折格子は、パターン化層をインプリントすることによって製造され、これは、ひいては、ブレーズド回折格子パターンを基板の中にパターン化するために使用される。これらの技法では、インプリントプロセスは、マスタテンプレートを利用することができる。マスタテンプレートは、
図10Aに図示されるブレーズド透過性回折格子l008のパターン等の最終ブレーズド回折格子パターンに類似および対応する、ブレーズド回折格子構造を有することができる。したがって、種々の実施形態では、ブレーズド回折格子パターンは、最終ブレーズド回折格子を加工するためのマスタテンプレートとしての役割を果たすことができる。例えば、
図10Aに図示されるブレーズド回折格子1008等のブレーズド回折格子構造は、ブレーズド回折格子パターンを真下の基板の中にエッチングするための部分的マスクとして使用される、ブレーズド回折格子パターンまたはパターン化層として使用され得る、フォトレジストパターンをインプリントするためのマスタテンプレートとしての役割を果たすことができる。
【0119】
さらに他の製造技法では、ブレーズド回折格子構造はまた、別のマスタテンプレートを加工するためのマスタテンプレートとしての役割を果たすことができる。例えば、
図10Aに図示されるブレーズド透過性回折格子1008等のブレーズド回折格子構造は、ブレーズド回折格子パターンを真下の基板の中にパターン化するためのブレーズド回折格子パターンまたはパターン化層を備える、フォトレジストパターンをインプリントするためのマスタテンプレートとしての役割を果たすことができ、その上に形成されるブレーズド回折格子パターンを有する、結果として生じる基板は、ひいては、最終ブレーズド回折格子を加工するための別のマスタテンプレートを形成するためのマスタテンプレートとして使用されることができる。
【0120】
本明細書に説明されるように、別のマスタテンプレートを加工するために使用される構造をインプリントするために使用される、第1のマスタテンプレートは、一次マスタテンプレートと称される。本明細書に説明されるように、構造をデバイス基板、例えば、導波管上にインプリントするために使用される、最終マスタテンプレートは、デバイスマスタテンプレートと称される。ブレーズド回折格子をデバイス基板上に形成する際に関わる、付加的マスタテンプレートが存在してもよい。一次マスタテンプレートと、デバイスマスタテンプレートとを含む、2つを上回るマスタテンプレートが、デバイスの最終的にインプリントされる構造を加工するために使用されるとき、介在マスタテンプレートは、本明細書では、中間マスタテンプレート、例えば、n番目の中間マスタテンプレートと称され得、n=1、2等である。
【0121】
その上に統合されたブレーズド回折格子等の光学要素を有する、ディスプレイデバイスを加工するための種々のプロセスフローは、半導体またはディスプレイデバイス加工で使用される、または使用されるものに類似する、製造プラットフォーム、基板、およびツールを利用してもよい。例えば、ブレーズド回折格子構造をインプリントするためのいくつかのマスタテンプレートは、シリコンウエハ等の半導体基板上に形成されてもよい。シリコンウエハ等の半導体ウエハは、シリコンウエハ等の単一結晶基板が、
図10Aのブレーズド透過性回折格子1008に図示されるように、特定の角度に配列されるファセットを形成することにつながる、自然発生する結晶学的平面を有するため、
図10Aに関して上記に説明される鋸歯ブレーズド回折格子構造等のブレーズド回折格子構造を備える、マスタテンプレート、例えば、一次マスタテンプレートを形成するために有利であり得る。例えば、下記で詳細に説明されるように、シリコンウエハは、ある化学物質に暴露されると、異なるウェットエッチング率を有する、異なる結晶学的平面を含有する。シリコンの異なる結晶面の異なるエッチング率は、有利なこととして、
図10Aに図示されるブレーズド透過性回折格子1008に関して図示されるもの等のファセットを有する、ブレーズド回折格子パターンを形成するために使用されることができる。例えば、水酸化カリウム(KOH)等のある化学物質中のウェットエッチングシリコンウエハは、自然に、優先的結晶性ファセットを有する、堀、溝、または線を形成することができ、これらの堀、溝、または線は、ブレーズド回折格子を加工するためのマスタテンプレート、例えば、一次マスタテンプレートのためのブレーズド回折格子パターンとして適合されることができる。
【0122】
シリコンウエハ等の基板は、円形形状であるため、かつシリコン結晶は、立方体結晶対称性を有するため、ブレーズド回折格子パターンが、上記に説明されるように、優先的結晶性ファセットを使用して、シリコン内に形成されるとき、したがって、ブレーズド回折格子パターンの形成されるファセット化された線は、所定の方向、例えば、ある結晶学的方向によって事前に定義された方向に延在し得る。これらの方向は、その間に特定の角度関係、例えば、結晶性シリコンの立方体対称性および菱形立方体結晶構造に起因して、平行または直交または水平または垂直方向を有し得る。しかしながら、それぞれ、これらの所定の方向に延在するブレーズド回折格子パターンを有する、複数の同じマスタテンプレートを形成することは、シリコンウエハの全体的占有面積の比較的に非効率的使用をもたらし得る。これは、
図11Aを参照して図示される。
図11Aは、その上に形成される複数のデバイステンプレート領域1104を有する、{100}配向シリコンウエハ等のマスタテンプレート基板1100を含み得る、例示的マスタテンプレート1100Aの上下図を図示する。デバイステンプレート領域1104はそれぞれ、ブレーズド回折格子パターン領域1108を含む。ブレーズド回折格子パターン領域1108はそれぞれ、ひいては、同一の所定の方向、例えば、シリコン結晶内のファセット伸長の優先的方向であり得る、x-方向またはy-方向に延在する、ブレーズド回折格子線を含む。ブレーズド回折格子パターン領域1108の線が、図示されるように、異なるブレーズド回折格子パターン領域1108のために、同一方向に延在するように制限されると、デバイステンプレート領域1104を画定する際の基板占有面積の使用は、ブレーズド回折格子パターン領域1108の線が、結晶学的方向、例えば、略半径方向に限定されない、異なる方向に延在することを可能にされる、配列におけるほど効率的ではなくなり得る。その中でデバイステンプレート領域1104が、異なる方向に延在する、ブレーズド回折格子パターン領域1108のブレーズド回折格子線を有する、例示的配列は、実施形態による、
図11Bにおける例示的マスタテンプレート1100Bの上下図に図示される。マスタテンプレート1100Aと同様に、図示されるマスタテンプレート1100Bは、その上に形成される複数のデバイステンプレート領域1104を有する、マスタテンプレート基板1100を含む。デバイステンプレート領域1104はそれぞれ、ブレーズド回折格子パターン領域1108を含む。しかしながら、その中で異なるブレーズド回折格子パターン領域1108の線が、同一方向に延在する、
図11Aに図示されるマスタテンプレート1100Aのデバイステンプレート領域1104と異なり、異なるデバイステンプレート領域1104のブレーズド回折格子領域1108は、結晶学的方向に限定されない、異なる方向に延在する。特に、デバイステンプレート領域1104およびブレーズド回折格子パターン領域1108は、ブレーズド回折格子パターン領域1108の異なるものの線が、ブレーズド回折パターン領域1108内で相互に平行であるが、同一マスタテンプレート基板1100上のブレーズド回折格子パターン領域1108のその他に対して異なる半径方向に延在し得るように、マスタテンプレート基板1100の中心軸に対して半径方向(可能性として、さらに対称)様式において画定される。ブレーズド回折格子パターン領域1008の線のセットが、例えば、
図11Bに図示される「風車」配列におけるように、結晶性シリコンの結晶学的方向に限定されない、異なる方向に延在することを可能にされると、基板面積は、その中でブレーズド回折格子パターン領域1108の異なるものの線のセットが、同一方向に延在する、
図11Aに図示される配列と比較して、はるかに効率的様式において、デバイステンプレート領域1104を画定するために利用されることができる。例証的目的のためだけに、マスタテンプレート基板1100が、150mm径のシリコンウエハであるとき、かつデバイステンプレート領域1104が、40mm×50mmの寸法を有するとき、
図11Aに図示されるマスタテンプレート1100Aの配列は、最大4つのデバイステンプレート領域1104のみに適合することが可能であり得る一方、
図11Bに図示されるマスタテンプレート1100Bの風車配列は、最大6つのデバイステンプレート領域1104に適合することができ、それによって、製造スループットを50%増加させる。したがって、本および他の利点の認識において、本発明者らは、本明細書に説明されるように、異なるブレーズド回折格子パターン領域1108の線が異なる方向に延在する、以下の製造技法を発見した。
(ブレーズドパターンをマスタテンプレート基板上にインプリントするための一次マスタテンプレートの加工)
【0123】
例えば、単結晶シリコン(Si)ウエハおよび単結晶ゲルマニウム(Ge)ウエハ等の単結晶基板は、有利なこととして、ブレーズド回折格子パターンをマスタテンプレート基板上にインプリントするための一次マスタテンプレートを加工するために使用され得る、ある結晶学的属性を保有する。単結晶基板は、ある結晶学的配向を有する、主要な基板表面を有する。単結晶SiおよびGeは、単位セルの各軸に沿って、格子定数の1/4によって分離される、2つの相互貫入面中心立方体格子模様構造である、菱形立方体格子模様構造を有する。SiおよびGeの単一結晶の結晶学的平面またはファセットは、個々の平面またはファセットに関して(hkl)として、または平面またはファセットの系に関して{hkl}として示されることができ、h、k、およびlは、Miller指数として知られる。単結晶SiおよびGeの結晶学的平面または面の任意の2つの平面は、その間の角度(θ)によって画定されることができる。単一結晶SiおよびGeウエハの異なる結晶学的平面は、原子の異なる表面密度およびその間の接合角度を有する。結果として、異なる結晶学的平面は、あるエッチング液中のエッチング除去率等の異なる物理的性質を有する。SiおよびGeウエハ等の単一結晶基板における異なるエッチング率および異なる結晶学的平面間の角度関係は、種々の実施形態によると、下記に説明されるように、ブレーズド回折格子パターンをマスタテンプレート基板上にインプリントするための所望の線形状を有する、一次マスタテンプレートを加工するために使用されることができる。
【0124】
SiおよびGeウエハ等のいくつかの単結晶基板は、水性KOH溶液およびエチレンジアミン-ピロカテコールとヒドラジン水の混合物等のあるエッチング液中で異方的にエッチングされ、優先的結晶ファセットを形成することができる。エッチングプロセスは、有利なこととして、これらのエッチング中では、{111}結晶面等のいくつかの結晶面が、{100}、{110}、{211}、または{311}平面等のある他の結晶面と比較して、比較的に高原子密度および比較的に低除去率を有するという性質を活用することができる。異なる結晶面の異なるエッチング率に起因して、単結晶SiまたはGe基板の表面が、好適なエッチング液、例えば、KOHに暴露されるとき、初期エッチングプロファイルは、複数の異なる結晶ファセットを含み得るが、ある時間周期後、エッチングプロファイルは、SiおよびGeに関して、{111}結晶面である、最遅エッチング率を有する結晶面によってより左右される状態となる。好適なマスク技法と組み合わせられと、異なる結晶学的平面の差動エッチング率は、3次元構造、例えば、非対称である(例えば、
図10Aに図示されるブレーズド回折格子1008におけるものに類似する非対称ファセット等のファセットを有する)、特徴を備える、ブレーズド回折格子線を形成するために使用されることができる。
【0125】
図12A-12Cは、実施形態による、SiまたはGe単結晶基板内の異なる結晶学的平面の異なるエッチング率を利用することによって一次マスタテンプレートを加工する、例示的プロセスの異なる段階における中間構造を図示する。
図12Aを参照すると、中間構造1200Aは、単結晶基板1204、例えば、単一結晶Si基板を含む。単結晶基板1204は、特定の結晶面、例えば、結晶面の{111}、{211}、{311}、{511}、{711}、または{100}系のうちの1つに属する結晶面を有する、表面を有するように配向されることができる。図示される実施例では、単結晶基板1204は、{100}表面配向を有する、Siウエハである。基板1204は、最初に、その上に形成されるブランケットエッチングマスク層1208を有することができる。ブランケットエッチングマスク層1208は、1つ以上の誘電層、例えば、SiO
2層および/またはSi
3N
4層を含むことができる。誘電層は、例えば、化学蒸着によって堆積される、または熱的に成長されることができる。下層ブランケットエッチングマスク層1208をパターン化するために、フォトレジスト層1212は、最初に、ブランケットエッチングマスク層1208上にスピンコーティングされ、続いて、例えば、ナノインプリントまたは光学リソグラフィ技法等のリソグラフィ技法を使用して、パターン化されてもよい。
【0126】
図12Bの中間構造1200Bを参照すると、パターン化されたフォトレジスト層1212を使用して、ブランケットエッチングマスク層1208は、パターン化され、基板1204を暴露する、開口部を有する、パターン化されたエッチングマスク層1208を形成することができる。異なる結晶学的平面の異なるエッチング率を利用して、ファセット化された構造を形成するために、エッチングマスク層1208は、パターン化され、ある結晶学的方向に整合される縁を有してもよい。例えば、比較的に低速エッチング{111}平面を有する、ファセット化された構造を形成するために、エッチングマスク層1208の縁は、表面平面と4つの{111}平面のうちの1つの交差部と平行に配向されてもよい。例えば、{100}配向シリコンウエハ上では、平面の{111}系の4つの平面は、54.7°の角度で{100}ウエハ表面と交差する。したがって、エッチングマスク層1208は、その縁がこれらの交差する線のいずれかと整合されるようにパターン化され得る。
【0127】
図12Cは、{100}表面を暴露している基板1204が、エッチング液、例えば、イソプロパノール-水混合物中にKOHを含む、溶液に、好適な温度、例えば、約70℃で曝された後の結果である、中間構造1200Cを図示する。エッチングマスク層1208が、上記に説明されるように、{001}平面と{111}平面の交差部のうちの1つと平行な側を有する、ストライプ状パターンとして配列されると、基板1204の暴露された表面のエッチングは、いったんエッチングプロファイルのファセットが、律速低速エッチング{111}平面によって左右される状態になると、三角形の堀またはV溝の形成をもたらし得、三角形の堀またはV溝のファセットは、対称であって、{111}ファセットのうちの1つを含み得る。
図12Cに図示されるように、三角形の堀のファセットは、基板表面の{111}平面と{100}平面との間の角度関係のため、基板の表面またはx-y平面に対して対称角度を形成し得る。しかしながら、実施形態は、そのように限定されず、異なる表面配向を有する基板を選定することによって、堀または溝は、非対称および/または非三角形にされることができる。
図13A-13Cは、三角形の堀のファセットが非対称である、例示的実施形態を図示する。
【0128】
いくつかの単結晶シリコンまたはゲルマニウム基板は、一般に利用可能な{100}、{110}、または{111}配向ほど一般的ではない、ある結晶学的配向を有する、表面を有するように調製または切断されることができる。これらの基板は、時として、「軸外」ウエハとも称され、例えば、{211}または{311}表面等の表面を有するように配向されることができる。これらの基板が、上記に説明されるように、エッチング液を使用してエッチングされるとき、基板表面に対して異なる角度を有する、異なる結晶ファセットが、形成されることができる。そのようなエッチング特性は、非対称構造、例えば、デバイスマスタテンプレートまたは中間マスタテンプレートを加工するために使用され得る、非対称表面角度を有する、三角形線またはV溝を有する、一次マスタテンプレートを形成するために利用されることができる。
【0129】
図13A-13Cは、実施形態による、軸外ウエハ基板を使用して、一次マスタテンプレート基板を加工する、例示的プロセスの異なる段階における中間構造1300A-1300Cを図示する。
図13Aを参照すると、中間構造1300Aは、単結晶基板1304、例えば、軸外表面を有する、単一結晶Si基板を示す。図示される実施例では、単結晶基板1304は、{311}表面配向を有する、Siウエハを表し得る。エッチングマスク層1308は、パターン化され、
図12Aおよび12Bに関して同様に上記に説明されるように、基板1304を暴露する、開口部を有することができ、プロセスステップの詳細な説明は、簡潔にするために、ここでは繰り返されない。
図13Cは、{311}表面を暴露している、基板1304が、エッチング液、例えば、イソプロパノール-水混合物中にKOHを含む、溶液に、好適な温度、例えば、約70℃で曝された後の結果である、中間構造1300Cを図示する。エッチングマスク層1308が、上記に説明されるように、{311}表面平面と{111}平面のうちの1つによって形成される、いくつかの交差部と平行な側を有する、ストライプ状パターンとして配列されると、基板1304の暴露される表面のエッチングは、いったんエッチングプロファイルのファセットが、律速低速エッチング{111}平面によって左右される状態になると、三角形の堀またはV溝の形成をもたらし得る。例えば、{311}表面平面と{111}平面によって形成される、<110>系の方向に沿って延在する交差部が、使用されることができる。その中で三角形の堀またはV溝のファセットが、対称{111}ファセットである、中間構造1200C(
図12C)に図示される、三角形の堀またはV溝と異なり、中間構造1300Cでは、{111}ファセットは、相互に対して70.5
oの角度を形成する、非対称三角形の堀またはV溝を形成する。
図13Cに図示されるように、三角形の堀のファセットは、基板表面の{311}配向に対する{111}平面の角度関係のため、基板の表面に対して非対称角度を形成し得る。
【0130】
上記では、
図12A-12Cおよび
図13A-13Cに関して、2つの異なる三角形の堀またはV溝をSi基板内にもたらす、2つの例示的プロセスフローが、例証的目的のためだけに、説明されている。しかしながら、本発明者らは、他のブレーズ角度も、本発明の同一概念に基づいて達成可能であることを見出している。表1は、いくつかの実施例を提供するために異なる角度に配向されるSiウエハを使用して達成可能である、異なるファセット角度のいくつかの実施例を図示する。
【表1】
【0131】
図12Cおよび13Cに戻って参照すると、図示される実施形態では、エッチングマスク層1208、1308のx-方向における有限幅のため、隣接する三角形の堀またはV溝は、個別の基板1204、1304の上部における平坦表面によって分離される。しかしながら、実施形態は、そのように限定されず、種々の用途に関して、基板1204、1304の上部における隣接する三角形の堀またはV溝間の平坦表面を低減または排除することが望ましくあり得る。したがって、いくつかの実施形態によると、隣接する三角形の堀間の平坦表面の幅は、低減され得る。隣接する三角形の堀またはV溝間の平坦表面を低減または排除するための例示的プロセスは、
図14A-14Cおよび
図15A-15Cに関して下記に説明される。
【0132】
図14A-14Cは、隣接する三角形の堀間の平坦表面を低減させるための例示的プロセスを図示する。
図14Aを参照すると、初期エッチングマスク層1308の比較的に広区分が、最初に、基板1304上に形成される。
図14Bを参照すると、基板1304をエッチングすることに先立って、比較的に広エッチングマスク層1308は、例えば、等方性エッチングによって、望ましい幅にトリミングまたは側方に収縮され得る。
図14Cを参照すると、トリミングし、望ましい幅を有するエッチングマスク層1308を形成後、基板1304は、上記に説明されるように、エッチングされ、ファセットが、主に、{111}ファセットを含むまで、三角形の堀またはV溝を形成し得る。
【0133】
図15A-15Cは、隣接する三角形の堀間の平坦表面を低減させるための別の例示的プロセスを図示し、これは、
図14A-14Cに関して説明される例示的プロセスに加え、またはその代わりに、採用されることができる。図示される例示的プロセスでは、平坦領域幅が、
図14A-14Cに関して上記に説明されるものと同様に、
図15Aおよび15Bに図示されるように、エッチングマスク層1308を形成し、{111}ファセットを形成することによって低減され得た後、基板1304はさらに、三角形の堀またはV溝が、
図15Cに図示されるように、エッチングマスク層1308の真下を側方にエッチングするまでオーバーエッチングされ得る。いくつかの実施形態では、基板1304のエッチングは、隣接する三角形の堀間の平坦表面が、無視可能である、最小限である、または存在しないように、2つの隣接する三角形の堀または溝の縁が相互に接触するまで、進んでもよい。
(インプリントされたブレーズド回折パターンを部分的ドライエッチングマスクとして使用して、デバイスマスタテンプレート基板エッチングする、デバイスマスタテンプレートの加工)
【0134】
以下では、
図16A-16Fを参照すると、別のマスタテンプレートを加工するための最終デバイスまたは中間マスタテンプレートのブレーズド回折格子を加工するためのマスタテンプレート、例えば、デバイスマスタテンプレートを加工する方法が、
図12A-12C、13A-13C、14A-14C、および15A-15Cに関して上記に説明される方法に従って加工される、一次マスタテンプレートを使用して説明される。デバイスマスタテンプレートを加工する方法は、デバイスマスタテンプレート基板1100(
図16A)を提供するステップと、ブレーズド回折格子パターンに対応する、周期的に繰り返される線1614(
図16B)をデバイスマスタテンプレート基板1100上に複数のブレーズド回折格子領域1604(
図16B)内においてインプリントするステップとを含み、ブレーズド回折格子領域1604の異なるもの内の周期的に繰り返される線は、異なる方向に延在する。その後、ブレーズド回折格子パターンに対応する、周期的に繰り返される線1614のパターンが、例えば、インプリントされた線をエッチングテンプレートまたは部分的マスク(
図16D)として使用して、ドライエッチングすることによって、マスタテンプレート基板の中に転写される。有利なこととして、周期的に繰り返される線が、望ましい方向にプリントされ、続いて、ドライエッチングによって、マスタテンプレート基板1100に転写されるため、結果として生じるブレーズド回折格子パターンは、上記に説明されるように、一次マスタテンプレートを加工する際に結晶学的平面によって画定された方向に限定される代わりに、任意の方向に伸長される、線をブレーズド回折格子領域1604の異なるもの内に有することができる。したがって、
図11Bに関して上記に説明されるように、基板面積のより効率的使用が、実現され、それによって、ブレーズド回折格子を有する光学要素を加工するためのスループットを増加させることができる。マスタテンプレートを加工する方法の付加的詳細は、
図16A-16Fのそれぞれに関して下記に説明される。
【0135】
図16A-16Eは、実施形態による、パターンをデバイスマスタテンプレート基板上にインプリントし、インプリントされたパターンを部分的マスクとして使用して、デバイスマスタテンプレート基板をエッチングすることによって、デバイスマスタテンプレートを形成する、種々の段階における中間構造の上下および断面図を図示する。
図16Aは、デバイスマスタテンプレート基板1100を含む、デバイスマスタテンプレートを加工するための中間構造1600Aを図示する。上側図は、中間構造1600Aの上下図を図示し、下側図は、その中にブレーズド回折格子領域1604(
図16B)が画定されることになる、領域の側面図を図示する。デバイスマスタテンプレート基板1100は、任意の好適な材料から形成されることができ、その上に特徴が、インプリントされることができる。有利なこととして、デバイスマスタテンプレートのブレーズド回折格子パターンの形成のための開示される方法は、ウェットエッチングによる基板内のファセット形成に依拠しないため、デバイスマスタテンプレート基板1100は、結晶性シリコン等の結晶性基板である必要がない。すなわち、デバイスマスタテンプレート基板1100は、結晶性基板、例えば、シリコンウエハまたはゲルマニウムウエハ等の単一結晶性基板であることができるが、実施形態は、そのように限定されない。デバイスマスタテンプレート基板1100はまた、例えば、複合半導体、石英、シリカガラス(例えば、ドープされたシリカガラス)、酸化アルミニウム(例えば、サファイア))、プラスチック、ポリマー、または特徴をその上にインプリントするために好適な他の材料、例えば、下記に説明されるように、マスク特徴または部分的マスク特徴としての役割を果たし得る、フォトレジスト構造を含む、他の好適な結晶性または非結晶性材料から形成されることができる。
【0136】
図11Bに関して上記に説明されるデバイスマスタテンプレート1100Bと同様に、図示される中間構造1600Aは、その上に種々の光学要素、例えば、内部結合および/または外部結合光学要素が、形成されることになる、その上に画定された複数のデバイステンプレート領域1104を有する、デバイスマスタテンプレート基板1100を含む。デバイステンプレート領域1104の異なるものは、異なる非直交方向に、例えば、図示されるように、半径方向に配列される、または延在する。図示される実施形態では、デバイステンプレート領域1104は、本実施例では、デバイステンプレート領域1104が風車構成に配列されるように、6回対称性を伴って、中心の周りに半径方向に配列される。一例として、6つのデバイステンプレート領域1104の隣接するものは、平均して、相互に対して60
o回転される。しかしながら、実施形態は、そのように限定されず、デバイステンプレート領域1104は、デバイステンプレート領域1104の相対的サイズおよび基板1100のサイズに応じて、平均して、相互に対して360
o/n(nは、2を上回る、例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12等である)またはこれらの値の間の任意の値を有する角度だけ回転されることができる。すなわち、デバイステンプレート領域1104は、基板1100のn個のスライス内に配置されることができ、n個のスライスはそれぞれ、360
o/nによって画定された角度を形成する、側を有する、区域、区分、または区画を形成する。故に、種々の実装では、複数のデバイステンプレート領域1104は、回転対称性であって、例えば、n回対称性、例えば、2回対称性、3回対称性、4回対称性、5回対称性、6回対称性、7回対称性、8回対称性、9回対称性、10回対称性、11回対称性、12回対称性等、またはそれらの任意の組み合わせおよび他の値を有することができる。隣接するデバイステンプレート領域1104が、相互に対して90度回転されると、
図11Bに図示されるデバイスマスタテンプレート1100Bのレイアウト内のデバイステンプレート領域1104の数は、4つであり得、これは、
図11Aに図示されるデバイスマスタテンプレート1100Aのレイアウト内のデバイステンプレート領域1104の数に合致される。デバイステンプレート領域1104が、相互に対して90度未満の角度だけ回転されると、
図11Bに図示されるレイアウト内のデバイステンプレート領域1104の数は、デバイスマスタテンプレート1100A(
図11A)内のデバイステンプレート領域1104の数を上回り得る。図示される実施形態では、1つのみのデバイステンプレート領域1104が、基板1100の360
o/nの区域または区画あたり配置される(n=6)。しかしながら、実施形態は、そのように限定されず、他の実施形態では、複数のデバイステンプレート領域1104は、基板1100の360
o/nの区域または区画のそれぞれ内に半径方向に配置されることができる。したがって、区域または区分の数に応じて、基板面積が、分割され、区域あたりのデバイステンプレート領域1104の数(m)に応じて、例えば、3m、4m、5m、6m、7m、8m、9m、10m、11m、12m等の少なくとも2mの数のデバイステンプレート領域1104が存在し得る(mは、少なくとも1である)。
【0137】
図示される実施形態では、デバイステンプレート領域1104は、回転対称に配列される。しかしながら、実施形態は、そのように限定されず、他の実施形態では、デバイステンプレート領域1104は、非対称的に配列されることができる。例えば、隣接するデバイステンプレート領域1104は、不規則的角度分離によって離間される、または基板1100の中心軸から異なる半径方向距離に形成されてもよい。
【0138】
図16Bを参照すると、中間構造1600Bは、ブレーズド回折格子領域1604が、デバイステンプレート領域1104のそれぞれに対して対応する場所内またはそこに画定され、それによって、ブレーズド回折格子パターン1614をブレーズド回折格子領域1604のそれぞれ内に形成した後の、中間構造1600Aを表す。上側図は、中間構造1600Bの上下図を図示し、下側図は、ブレーズド回折格子領域1604の一部を含む、領域の側面図を図示する。上記に説明されるように、ブレーズド回折格子パターン1614は、好適なインプリント技法、例えば、ナノインプリント技法によって形成されてもよく、これは、好適なブランケットインプリントマスク層1608(
図16A)を堆積させるステップを含み、その後、一次マスタテンプレート1612をインプリント金型として使用して、パターンをインプリントするステップが続く。一次マスタテンプレート1612は、例えば、
図12A-12C、13A-13C、14A-14C、および15A-15Cに関して上記に説明されるプロセスに従って、ファセット化された線を結晶性シリコン内に形成することによって、加工されてもよい。一次マスタテンプレート1612は、ナノインプリント金型としての役割を果たし、これは、ブレーズド回折格子パターンをインプリントするために構成される、所定のトポロジパターンを有する。一次マスタテンプレート1612は、ブランケットエッチングマスク層1608と接触するようにもたらされ、その中に押圧される。ブランケットエッチングマスク層1608は、好適な変形可能材料、例えば、フォトレジスト等のポリマー材料から形成されてもよい。例えば、ブランケットエッチングマスク層1608は、熱可塑性ポリマーを含んでもよい。一次マスタテンプレート1612は、例えば、ブランケットエッチングマスク層1608のガラス遷移温度を上回る、ある温度において、ブランケットエッチングマスク層1608の中に押圧されてもよい。結果として、一次マスタテンプレート1612のパターンが、軟化されたブランケットエッチングマスク層1608の中に転写され、それによって、インプリントされたブレーズド回折格子パターン1614を形成する。例えば、ブランケットエッチングマスク層1608のガラス遷移温度を下回る温度まで、冷却された後、一次マスタテンプレート1612は、基板1100から分離される一方、インプリントされたブレーズド回折格子パターン1614は、基板1100上に残される。図示される実施形態では、一次マスタテンプレート1612は、n回、ブランケットエッチングマスク層1608の中に回転押圧され、nは、形成されるブレーズド回折格子領域1604の数を表す。周期的に繰り返される線を備える、ブレーズド回折格子パターン1614が、したがって、繰り返し、一次マスタテンプレート1612に接触し、異なる場所に押圧させることによって、順次、複数のデバイステンプレート領域1104に対応する、異なる場所にインプリントされ得る。n数のブレーズド回折格子領域1604を形成後、いくつかの技法では、ブランケットエッチングマスク層1608の中に押圧された後、インプリントされたブレーズド回折格子パターン1614は、UV光下での架橋結合によって固化されてもよい。
【0139】
依然として、
図16Bを参照すると、したがって、形成されるブレーズド回折格子領域1604は、その中にブレーズド回折格子パターン1614の線が形成される、基板面積を画定する。上記に議論されるように、有利なこととして、周期的に繰り返される線を備える、ブレーズド回折格子パターン1614が、結晶性基板の中にウェットエッチングされるのではなく、インプリントされるため、ブレーズド回折格子パターン1614の線は、
図11Aに関して上記に説明されるように、ブレーズド回折格子領域1008のそれぞれの線が同一方向に延在する、結晶性基板の結晶学的方向に限定される代わりに、
図11Bに関して上記に説明されるように、任意の好適な方向に伸長されることができる。
図11Bに関して上記に説明されるように、有利なこととして、ブレーズド回折格子パターン1614は、プリントされるため、ブレーズド回折格子領域1604の異なるものは、任意の好適に異なる方向に延在することができる。図示される実施形態では、ブレーズド回折格子領域1604の異なるものの線は、異なる半径方向に延在する。ブレーズド回折格子領域1604の線が、異なる方向に延在することを可能にされると、デバイステンプレート領域1104は、基板1104の面積が、例えば、
図11Bに関して上記に説明されるものに類似する、図示される「風車」構成におけるように、はるかに効率的に利用されるように配列されることができる。いくつかのそのような構成では、隣接するデバイステンプレート領域1104間の角度分離は、等しくてもよいが、しかしながら、他の構成では、隣接するデバイステンプレート領域1104間の角度分離は、不等であってもよい。例えば、2つ以上の(可能性として、全ての)デバイステンプレート領域1104間の角度間隔は、不等であってもよい。
【0140】
図16Cを参照すると、例えば、フォトレジスト層をスピンコーティングすることによって、実質的に基板1104の表面全体をマスキング層1618で被覆し、ブレーズド回折格子領域1604に対応する面積においてマスキング層1618を局所的に開放し、それによって、インプリントされたブレーズド回折格子パターン1614を暴露させる一方、他の領域をマスキング層1618によって被覆されないまま残した後の中間構造1600B(
図16B)を表す、中間構造1600Cが、図示される。開口部は、例えば、ブレーズド回折格子領域を局所的に暴露し、マスキング層1618をブレーズド回折格子領域1604から局所的に除去するように現像することによって、形成されてもよい。上側図は、中間構造1600Cの上下図を図示し、下側図は、ブレーズド回折格子領域1604の一部を含む、領域の側面図を図示する。
【0141】
インプリントされたブレーズド回折格子パターン1614を局所的に暴露後、中間構造1600C(
図16C)は、エッチング反応器、例えば、気相プラズマエッチングのために構成される、プラズマ反応器内に設置される。プラズマ反応器内では、インプリントされたブレーズド回折格子パターン1614は、部分的エッチングマスク層として使用され、少なくとも部分的に、インプリントされたブレーズド回折格子パターン1614の暴露された領域において、インプリントされたブレーズド回折格子パターン1614の構造を下層基板1100の中に転写する。残りの領域は、マスキング層1618によって被覆されたままであって、これは、完全エッチングマスク層としての役割を果たし、ブレーズド回折格子領域1604の外側の残りの領域を保護する。
【0142】
本明細書に説明されるように、部分的エッチングマスク層は、エッチングプロセスの持続時間全体を通して、エッチング液に対して下層基板の被覆を維持することを意図するものではない、層の少なくとも一部を有する、マスク層を指す。代わりに、部分的エッチングマスク層の少なくともいくつかの部分は、対応する下層基板が、エッチングプロセスの間、部分的に除去されるように、エッチングプロセスの間のある時点で、完全に除去されるように設計される。例えば、
図16Cでは、インプリントされたブレーズド回折格子パターン1614が、インプリントされたブレーズド回折格子パターン1614および基板1100の両方の材料が除去され得る条件下、エッチング液に暴露されると、比較的に薄い厚さを有する、インプリントされたブレーズド回折格子パターン1614の部分が、最初に、除去され、それによって、エッチングプロセス中に、対応する下層基板1100を比較的に早期に暴露させる。暴露に応じて、暴露された基板領域は、エッチングされ始める。その後、より厚い厚さを有する、インプリントされたブレーズド回折格子パターン1614の異なる部分が、異なる時間に除去され、それによって、エッチングプロセス中に、対応する下層基板を後の比較的に異なる時間に暴露させる。結果は、インプリントされる格子パターン1614のパターンが、少なくとも定質的に下層基板1100に転写されることになる。
【0143】
図16Dを参照すると、中間構造1600Dは、インプリントされる格子パターン1614を部分的マスクとして使用して、インプリントされたブレーズド回折格子パターン1614(
図16C)を下層基板1100の中に実質的に転写後の、中間構造1600C(
図16C)を表す。結果として生じる中間構造1600Dは、ドライエッチングされたブレーズド回折格子パターン1620を備える。上側図は、中間構造1600Dの上下図を図示し、下側図は、基板1100の中にパターン化されたドライエッチングされたブレーズド回折格子パターン1620を備える、ブレーズド回折格子領域1604の一部を含む、領域の側面図を図示する。
【0144】
図16Cおよび16Dに戻って参照すると、図示されるプロセスでは、インプリントされたブレーズド回折格子パターン1614は、結果として生じるドライエッチングされたブレーズド回折格子パターン1620が、インプリントされたブレーズド回折格子パターン1614と実質的に同一形状を有するように、下層基板1100に実質的に転写される。しかしながら、実施形態は、そのように限定されず、他の実施形態では、ドライエッチングされたブレーズド回折格子パターン1620は、インプリントされたブレーズド回折格子パターン1614のオリジナル形状から逸脱することができる。例えば、インプリントされたブレーズド回折格子パターン1614対基板1100の材料の相対的エッチング率を制御することによって、ドライエッチングされたブレーズド回折格子パターン1620の最終形状は、制御されることができる。例えば、エッチングの化学的性質に応じて、ブレーズ角度δ、線幅、および/またはドライエッチングされたブレーズド回折格子パターン1620内の隣接するファセット間の平坦領域の幅等のパラメータは、異なる、例えば、5%、10%、20%、30%、40%、50%、またはこれらの間の任意のパーセンテージ、またはこれらのパーセンテージ外の値だけ、インプリントされたブレーズド回折格子パターン1614内の対応する特徴より小さくなり得る。加えて、ドライエッチングされたブレーズド回折格子パターン1620の線の角は、インプリントされたブレーズド回折格子パターン1614の線の対応する角に対して平滑化され得る。
【0145】
図16Eを参照すると、中間構造1600Eは、マスキング層1618をドライエッチングされたブレーズド回折格子パターン1620の外側の残りの領域から除去後の、中間構造1600D(
図16D)を表す。上側図は、中間構造1600Eの上下図を図示し、下側図は、ドライエッチングされたブレーズド回折格子パターン1620を備える、ブレーズド回折格子領域1604の一部を含む、領域の側面図を図示する。マスキング層1618は、好適なドライおよび/またはウェットプロセスを使用して、除去されてもよい。例えば、マスキング層1618が、フォトレジストから形成されるとき、反応性酸素またはフッ素種、例えば、酸素またはフッ素フリーラジカル等の酸化反応性種が、揮発性ガスを形成するために使用され、圧送除去される、レジストストリップピングまたはアッシングプロセスによって除去されてもよい。アッシングまたはストリップピングプロセスは、比較的に高温で実施され、フォトレジストの塊を除去し、その後、堀内の残留フォトレジストを除去するために使用される、デスカム処理プロセスが続いてもよい。マスキング層1618を除去後、中間構造1600Eは、好適なウェット清掃溶液内で清浄されてもよい。
【0146】
図16Fは、
図16A-16Eに関して上記に説明される加工プロセスフローから生じる、実際のドライエッチングされたブレーズド回折格子パターンの走査電子顕微鏡(SEM)画像を図示する。
【0147】
したがって、中間構造1600Eのブレーズド回折格子領域1604の部分の個別のもの上の加工されるドライエッチングされたブレーズド回折格子パターン1620は、ひいては、マスタテンプレートとして使用され、ブレーズド回折格子パターンを最終デバイス基板、例えば、導波管上に形成することができる。最終デバイス基板上のブレーズド回折格子パターンは、好適なインプリント技法、例えば、
図16A-16Bに関して上記に説明されるものに類似する、ナノインプリントする技法を使用して、形成されてもよい。他のプロセスも、可能性として考えられる。
【0148】
本明細書に開示される種々の実施形態では、最終デバイス基板は、高屈折率材料から形成されることができる。高屈折率デバイス基板は、種々の利点を提供することができる。例えば、高屈折率基板が、比較的に高屈折率、例えば、2.0またはそれを上回る屈折率を有する、導波管としての役割を果たすとき、高屈折率基板は、利点の中でもとりわけ、比較的に高視野を提供することができる。いくつかの実施形態では、光を高屈折率導波管の中に効率的に結合するために、回折光学結合要素はまた、対応して、高屈折率を有する。本目標を達成するために、利点の中でもとりわけ、本明細書に説明される実施形態による、ARシステムのためのいくつかのディスプレイは、そのようなLiベースの酸化物等、対応して高屈折率を伴う、その上に形成される個別の回折格子を有する、比較的に高屈折率(例えば、2.0を上回るまたはそれに等しい)材料を含む導波管を含む。例えば、回折格子は、高屈折率材料から形成される導波管の表面部分をパターン化することによって、導波管上に形成されてもよい。本明細書に説明されるように、高屈折率材料は、少なくとも1.9、2.0、2.1、2.3、2.5、2.7、またはこれらの値のいずれかによって定義された範囲内の値の屈折率を有することができる。回折格子は、例えば、ブレーズド幾何学形状を伴う高屈折率材料ベースの導波管をパターン化することによって、ZrO2、TiO2、SiC、またはニオブ酸リチウムまたはタンタル酸リチウム等のLiベースの酸化物導波管等の高屈折率材料内に形成されてもよい。
【0149】
図17Aおよび17Bは、デバイスマスタテンプレートとして
図16Fに示されるものに類似するドライエッチングされたブレーズド回折格子パターンを使用してインプリントされる、デバイス基板上に形成される、実際のブレーズド回折格子パターンのSEM画像を図示する。ブレーズド回折格子パターンは、例えば、上記に議論されるように、内部結合光学格子(ICG)等の光学要素の一部であることができる。
【0150】
上記の実施例では、
図16A-16Fに関して説明されるもの等のドライエッチングされたブレーズド回折格子パターンの線は、その領域間の平坦の有無にかかわらず、2つの主要な傾きが付けられるファセットを有する、比較的に単純ブレーズド回折格子構造を有する。しかしながら、実施形態は、そのように限定されず、ブレーズド回折格子パターンは、異なる形状を有する、線を有することができる。
図18A-18Bは、実施形態による、パターンを基板上にインプリントし、部分的マスクとしてインプリントされたパターンを使用して、基板をエッチングし、交互形状を有する線を生産することによって、デバイスマスタテンプレートを形成する、異なる段階における中間構造1814、1820の断面図を図示する。
図18Aおよび18Bは、
図16Cおよび16Dに関して上記に説明される処理ステップに対応する、中間構造1814、1820を図示する。
図18Aおよび18Bに図示される中間構造では、
図16Cおよび16Dに関して図示される中間構造と異なり、インプリントされたブレーズド回折格子パターン1814(
図18A)および対応するドライエッチングされたブレーズド回折格子パターン1820(
図18B)の線は、段状構造を有する。形状は、異なるが、その加工の原理およびステップは、
図16A-16Fに関して上記に説明されるものに類似し、その詳細は、簡潔にするために、ここでは繰り返されない。
【0151】
図19Aは、その中でブレーズド回折格子パターンの線が段状構造を有する、デバイスマスタテンプレートをもたらす、
図18A-18Bに関して上記に説明されるものに類似する加工プロセスフローから生じる、実際の中間構造のSEM画像を示す。図示される線は、2つの段を有するが、実施形態は、そのように限定されず、付加的段が、形成されてもよい。図示および上記に説明されるように、インプリントされたブレーズド回折格子パターン1814対基板1100の材料の相対的エッチング率を制御することによって、ドライエッチングされたブレーズド回折格子パターン1820の最終形状は、制御されることができる。例えば、エッチングの化学的性質に応じて、段の角度および幅およびドライエッチングされたブレーズド回折格子パターン1820間の全体的線幅等のパラメータは、インプリントされたブレーズド回折格子パターン1814内の対応する特徴と異なり得る。加えて、ドライエッチングされたブレーズド回折格子パターン1820の線の角は、インプリントされたブレーズド回折格子パターン1814の線に対して平滑化されてもよい。左および右SEM画像は、同一のインプリントされたブレーズド回折格子パターンからの2つの異なるドライエッチングレシピから生じる、中間構造を表す。
【0152】
図19Bは、
図19Aに図示されるドライエッチングされたブレーズド回折格子パターンをデバイスマスタテンプレートとして使用して形成されている、内部結合光学格子(ICG)の一部であり得る、実際のブレーズド回折格子パターンのSEM画像である。
【0153】
図20は、実施形態に従って加工されるデバイスマスタテンプレートを使用してインプリントすることによって加工される、実験的例示的ブレーズド回折格子2004(「二重複製内部結合(IC)光学格子」)の場所の概略完全ウエハ表現を図示する。ブレーズド回折格子2004はそれぞれ、
図17Aおよび17Bに示されるものに類似し、
図16A-16Eに関して上記に説明されるものに類似するプロセスを使用して加工される、デバイスマスタテンプレートを使用して、1,500mmの高屈折率ガラスウエハ(n~1.8)上に加工された。比較として、対照回折格子2008(「対照内部結合(IC)光学格子」)もまた、直接インプリント技法を使用して、一次マスタテンプレートから同一ウエハ基板上に加工された。平均して、本明細書に説明されるプロセスの実施形態に従って加工される、デバイスマスタテンプレートを使用して加工される、実験的ブレーズド回折格子2004は、一次マスタテンプレートから直接加工される対照回折格子2008と比較して、合致する性能を示した。
(インプリントされたブレーズド回折パターンをコーティングすることによる、デバイスマスタテンプレートの加工)
【0154】
例えば、
図16Cおよび16Dに関して上記に説明されるように、エッチングマスク、例えば、フォトレジスト材料としての役割を果たし得る、材料から形成される、インプリントされたブレーズド回折格子パターン1614は、有利なこととして、部分的エッチングマスクとして使用され、下層基板をエッチングすることができる。結果として生じるドライエッチングされたブレーズド回折格子パターン1620は、ブレーズド回折格子パターンをデバイス基板上にインプリントするための剛性デバイスマスタテンプレートとしての役割を果たす。代替プロセスとして、ブレーズド回折格子パターンを基板の中にエッチングするために、ドライエッチングする代わりに、インプリントされたブレーズド回折格子パターン1614自体が、下記に説明されるように、例えば、コーティングによって、剛性にされ、ブレーズド回折格子パターンをデバイス基板上にインプリントするためのデバイスマスタテンプレートとして使用されることができる。
【0155】
図21Aおよび21Bは、実施形態による、ブレーズド回折格子パターンをデバイスマスタ基板上にインプリントし、パターンを硬質薄膜でコーティングし、結果として生じるデバイスマスタテンプレートを使用して、ブレーズド回折格子をデバイス基板上にインプリントすることによって、デバイスマスタテンプレートを加工するためのプロセスフローを図示する。
図21Aを参照すると、プロセスは、
図12A-12C、13A-13C、14A-14C、および15A-15Cに関して上記に説明されるものに類似するプロセスに従って、ファセット化された線を結晶性シリコン内に形成することによって加工される、ブレーズド回折格子パターンを含む、一次マスタテンプレート2104(断面図)を提供するステップを含む(その詳細は、簡潔にするために、ここでは繰り返されない)。一次マスタテンプレート2104は、ナノインプリント金型としての役割を果たし、これは、
図16Aに関して上記に説明されるように、ブレーズド回折格子パターンをインプリントするために構成される、所定のトポロジパターン(ファセット化された三角形トポロジを有する、領域として表される)を有する。図示される実施形態では、一次マスタテンプレート2104は、ファセット化された線を含む、ブレーズド回折格子パターンに加え、他のデバイスパターン(矩形トポロジを有する、領域として表される)を含む。ブレーズド回折格子パターンは、光学要素のうちの1つ、例えば、内部結合光学要素のための金型としての役割を果たし得る一方、他のデバイスパターンは、種々の他の光学要素または非光学要素を含むことができる。例えば、他の光学要素は、光分散要素(730、740、750、
図9A-9C)および/または外部結合光学要素(800、810、820、
図9A-9C)を含んでもよい。
【0156】
依然として、
図21Aを参照すると、一次マスタテンプレート2104を使用して、複数のデバイステンプレート領域1104を備える、デバイスマスタテンプレートの中間構造2108A/2108Bが、加工される。下側中間構造2108Bは、複数のデバイステンプレート領域1104を含む、デバイスマスタテンプレートの基板全体を示す、上面図を表す一方、上側中間構造2108Aは、ブレーズド回折格子パターン領域2112Aと、他の光学要素のためのパターン領域2112Bとを含む、デバイステンプレート領域1104のうちの1つの一部を示す、側面図を表す。中間構造2108A/2108Bは、インプリントされたパターン層2112を含み、これは、
図16Aおよび16Bに関して上記に説明されるものに類似するナノインプリントプロセスを通して、一次マスタテンプレート2104を使用して形成されてもよい(その詳細は、簡潔にするために、ここでは繰り返されない)。
図16Bと異なり、図示される実施形態では、中間構造2108A/2108Bのインプリントされたパターン2112は、ブレーズド回折格子パターン領域2112A(
図16Bにおける1604)に加え、他の光学要素のためのパターン領域2112Bを含む。ブレーズド回折格子パターン領域2112Aが、光学要素のうちの1つ、例えば、内部結合光学要素を形成するように構成されるとき、パターン領域2112Bは、種々の他の光学要素または非光学要素、例えば、光分散要素および/または外部結合光学要素を形成するように構成されることができる。
【0157】
図16Aに関して上記に説明されるように、一次マスタテンプレート2104は、ブレーズド回折格子領域の異なる部分において、n回、ブランケットエッチングマスク層、例えば、フォトレジスト層の中に押圧され、nは、形成されるデバイステンプレート領域1104の数を表す。デバイステンプレート領域1104が、
図16Bに関して上記に説明されるものと同様に、風車構成に配置されるとき、一次マスタテンプレート2104は、
図16Bに関して上記に説明される様式において、ブランケットエッチングマスク層の中への異なる押圧の間に、基板の周囲で回転されてもよい(その詳細は、簡潔にするために、ここでは繰り返されない)。
【0158】
図21Bを参照すると、それぞれ、ブレーズド回折格子領域2112Aと、他の光学要素のためのパターン領域2112Bとを含む、インプリントされたパターン層2112を含む、n数のデバイステンプレート領域1104を形成後、インプリントされたパターン層2112の表面は、コーティング2120でコーティングされ、デバイスマスタテンプレート2116の加工を完成させる。図示されるデバイスマスタテンプレート2116は、コーティング層2120を形成後の、
図21Aに図示される中間構造2108Aを表す。コーティング2120は、結果として生じるコーティングされたインプリントされたパターン層2112が、デバイスマスタテンプレートとしての役割を果たし得るように、好適な硬度および剛性をインプリントされたパターン層2112に提供する、任意の好適な材料から形成されてもよい。好適な材料は、例えば、SiO
2、Si
3N
4、SiC、HfO
2、Al
2O
3等を含む、誘電材料、例えば、シリコン、ゲルマニウム等を含む、半導体材料、例えば、タングステン、アルミニウム、銅、チタン、金、クロム等を含む、金属、金属窒化物、例えば、スズ、または、例えば、AuPdおよびPdAgCuを含む、金属合金であってもよい。コーティング2120を形成するための好適なプロセスは、とりわけ、化学蒸着(CVD)、プラズマ増強化学蒸着(PE-CVD)、高密度化学蒸着(HDP-CVD)、熱原子層堆積(ALD)、プラズマ増強原子層堆積(PE-ALD)、スピンオン誘電体プロセス(SOD)、および物理的蒸着(PVD)を含む。コーティング2020を形成するための好適なプロセスは、インプリントされたパターン層2112が、コーティングプロセスの間に損傷または過剰に酸化されないように、低温(例えば、<450℃)プロセスであってもよい。コーティング2120は、コーティングされたインプリントされたパターン層2112が、デバイスマスタテンプレートパターンとしての役割を果たし得るように、十分な機械的剛性および硬度を提供する。コーティング2120を形成するステップは、デバイスマスタテンプレート2116の加工を完成させる。
【0159】
依然として、
図21Bを参照すると、その上に形成されるコーティングされたインプリントされたパターン層2112を有する、デバイスマスタテンプレート2116を使用して、最終デバイスパターン層2132が、デバイス基板2124A/2124B上に形成されてもよい。下側デバイス基板2124Bは、複数のデバイス領域2128を含む、デバイス基板の上面図を表す一方、上側デバイス基板2124Aは、デバイス領域2128のうちの1つの一部を示す、デバイス基板の側面図を表す。デバイス基板2124Aは、ブレーズド回折格子領域2132Aと、他の光学要素を含む、領域2132Bとを含む、デバイスパターン層2132を示す。デバイスパターン層2132は、
図16Aおよび16Bに関して上記に説明されるものに類似するナノインプリントプロセスを通して、デバイスマスタテンプレート2116を使用して形成されてもよい(その詳細は、簡潔にするために、ここでは繰り返されない)。したがって、加工されるデバイス基板2124A/2124Bは、それぞれ、ブレーズド回折格子領域2132Aと、他の光学要素を含む、領域2132Bとを含む、デバイスパターン層2132を含む、その上に形成されるn数のデバイス領域2128を有する。例えば、ブレーズド回折格子領域2132Aは、内部結合光学要素、例えば、ICG、および外部結合光学要素、例えば、EPEのうちの一方の一部を形成することができる一方、領域2132Bは、内部結合光学要素、例えば、ICG、および外部結合光学要素、例えば、EPEの他方、および光分散要素および他の光学要素の一部を形成することができる。
【0160】
図22A-22Dは、デバイスマスタテンプレートおよびブレーズド回折格子をデバイス基板上に加工するための代替プロセスフローを図示する。
図21Aおよび21Bに関して上記に説明されるプロセスフローと同様に、プロセスフローは、ブレーズド回折格子パターンをデバイスマスタ基板上にインプリントし、パターンを硬質薄膜でコーティングし、結果として生じるデバイスマスタテンプレートを使用して、ブレーズド回折格子をデバイス基板上にインプリントするステップを含む。しかしながら、
図21Aおよび21Bのプロセスフローと異なり、
図22A-22Dに関して説明されるプロセスフローでは、ブレーズド回折格子パターン領域2112A(
図21A)および他の光学要素のためのパターン領域2112B(
図21A)は、下記に説明されるように、中間マスタテンプレートを使用して、別個のプロセスステップにおいて形成される。
【0161】
図22Aを参照すると、プロセスは、
図12A-12C、13A-13C、14A-14C、および15A-15Cに関して上記に説明されるものに類似するプロセスに従って、ファセット化された線を結晶性シリコン内に形成することによって加工される、ブレーズド回折格子パターンを含む、一次マスタテンプレート2204(断面図)を提供するステップを含む(その詳細は、簡潔にするために、ここでは繰り返されない)。一次マスタテンプレート2204は、
図21Aに関して上記に説明されるように、ブレーズド回折格子パターンをインプリントするためのナノインプリント金型としての役割を果たす。しかしながら、
図21Aに関して上記に説明されるマスタテンプレートと異なり、図示される実施形態では、一次マスタテンプレート2204は、ファセット化された線を含む、ブレーズド回折格子パターンを含む一方、他のデバイスパターンを含まない。一次マスタテンプレート2204を使用して、複数のデバイステンプレート領域を備える、中間マスタテンプレートの中間構造2208A、2208Bが、加工される。下側中間構造2208Bは、複数のデバイステンプレート領域を含む、デバイスマスタテンプレートの基板全体を示す、上面図を表す一方、上側中間構造2208Aは、ブレーズド回折格子パターン領域を含む、デバイステンプレート領域のうちの1つの一部を示す、側面図を表す。中間構造2208A/2208Bは、インプリントされたパターン層を含み、これは、
図16Aおよび16Bに関して上記に説明されるものに類似するナノインプリントプロセスを通して、一次マスタテンプレート2204を使用して形成されてもよい(その詳細は、簡潔にするために、ここでは繰り返されない)。
図16Aに関して上記に説明されるように、一次マスタテンプレート2204は、ブレーズド回折格子領域の異なる部分において、n回、ブランケットエッチングマスク層、例えば、フォトレジスト層の中に押圧され、nは、形成されるデバイステンプレート領域の数を表す。デバイステンプレート領域が、
図16Bに関して上記に説明されるものと同様に、風車構成に配置されるとき、一次マスタテンプレート2204は、
図16Bに関して上記に説明される様式において、ブランケットエッチングマスク層の中への異なる押圧の間に、基板の周囲で回転されてもよい(その詳細は、簡潔にするために、ここでは繰り返されない)。
【0162】
図22Bを参照すると、それぞれ、ブレーズド回折格子領域を含む、n数のデバイステンプレート領域を形成後、インプリントされたパターン層の表面は、
図21Bに関して上記に説明されるものに類似するプロセスおよび材料を使用して、コーティング(太黒色線によって表される)でコーティングされる(その詳細は、簡潔にするために、ここでは繰り返されない)。コーティングは、中間マスタテンプレートである、第2のマスタテンプレート2212を完成させる。第2のマスタテンプレート2212を使用して、第3のマスタテンプレートのための中間構造2216A(側面図)/2216B(上面図)が、加工される。中間構造2216A/2216Bは、他の光学要素のためのパターン領域2112B(
図21A)に類似するその上に事前に形成されるパターン領域を有する、ブレーズド回折格子パターンを基板上にインプリントすることによって、加工される。
【0163】
図22Cを参照すると、中間構造2216A/2216Bが、その上に事前に形成されたパターン領域を有する、ブレーズド回折格子パターンを基板上にインプリントすることによって加工された後、インプリントされたパターン層の表面は、
図21Bに関して上記に説明されるものに類似するプロセスを使用して、コーティング(太黒色線によって表される)でコーティングされる(その詳細は、簡潔にするために、ここでは繰り返されない)。コーティングは、中間マスタテンプレートである、第3のマスタテンプレート2220を完成させる。第3のマスタテンプレート2220を使用して、第4のマスタテンプレートのための中間構造2108A(側面図)/2108B(上面図)が、加工される。中間構造2108A/2108Bは、ブレーズド回折格子パターンおよびあるパターンをデバイスマスタ基板上にインプリントすることによって、加工される。本段階では、中間構造2108A/2108Bは、
図21Aに関して上記に説明される中間構造2108A/2108Bと同じであって、これは、ブレーズド回折格子パターン領域2112Aと、他の光学要素のためのパターン領域2112Bとを含む。
【0164】
図22Dを参照すると、コーティング2120が、
図21Aおよび21Bに関して上記に説明されるものと同様に、中間構造2108A/2108B上に形成され、デバイスマスタテンプレート2116を形成する。その後、その上に形成されるコーティングされたインプリントされたパターン層2112を有する、デバイスマスタテンプレート2116を使用して、最終デバイスパターン層2132が、
図21Aおよび21Bに関して上記に説明されるものと同様に、デバイス基板2124A/2124B上に形成され得る(その詳細は、簡潔にするために、ここでは繰り返されない)。そのように加工されると、デバイス基板2124A/2124Bは、それぞれ、ブレーズド回折格子領域2132Aと、他の光学要素を含む、領域2132Bとを含む、デバイスパターン層2132を含む、その上に形成されるn数のデバイス領域2128を有する。例えば、ブレーズド回折格子領域2132Aは、内部結合光学要素、例えば、ICG、および外部結合光学要素、例えば、EPEのうちの一方の一部を形成することができる一方、領域2132Bは、内部結合光学要素、例えば、ICG、および外部結合光学要素、例えば、EPEの他方、および光分散要素および他の光学要素の一部を形成することができる。
(インプリントすることによって加工されるデバイスマスタテンプレートを使用して加工される、ブレーズド回折格子構造)
【0165】
上記に説明されるデバイスマスタテンプレートを使用して加工される、ブレーズド回折格子は、
図10Aを参照して説明される、種々の寸法および構成を有することができる。
図10Aに戻って参照すると、ブレーズド回折格子線1012は、実施形態によると、5nm~50nm、50nm~100nm、100nm~150nm、150nm~200nm、200nm~250nm、またはこれらの値のいずれかによって定義された範囲内の高さである、高さ(H)を有することができる。ブレーズド回折格子線1012は、種々の実施形態によると、100nm~200nm、200nm~300nm、300nm~400nm、400nm~500nm、500nm~600nm、600nm~700nm、700nm~800nm、800nm~900nm、900nm~1μmのピッチd、またはこれらの値のいずれかによって定義された任意の範囲内のピッチで周期的に繰り返されることができる。
【0166】
上記に説明されるように、ブレーズド回折格子線1012は、複数のファセットのうちの1つ、例えば、図示される実施形態では、約20°、30°、40°、50°、60°、またはこれらの値によって定義された範囲内の任意の値の角度で、基板の平面に対して比較的に浅い角度δで形成される、2つのファセットを有することができる。例えば、表1に図示されるように、基板が、その中でファセットが、{211}、{311}、{511}、{711}、または{100}表面平面を有するように切断される線1012を形成するように形成される、シリコンウエハであるとき、結果として生じる角度δは、それぞれ、約22.4°、29.5°、38.9°、43.3°または54.7°であることができる。上記に示される角度外の値もまた、可能性として考えられる。
【0167】
種々の実施形態によると、内部結合光学要素または内部結合回折格子として構成されるとき、そのように形成されるブレーズド回折格子構造は、光入射を、上記に説明されるように、導波管であり得る、
図10Bに図示されるような基板1004の中に回折結合することができる。他方では、外部結合光学要素として構成されるとき、そのように形成されるブレーズド回折格子構造は、上記に説明される導波管であり得る、基板1004からの光を、ユーザの視野内に回折結合することができる。
【0168】
広範囲の変形例が、可能性として考えられる。例えば、ブレーズド回折格子が、上記に議論されるが、回折特徴は、異なってもよく、回折格子は、ブレーズされる必要はない。加えて、本明細書に説明されるプロセスのいずれかでは、形成される特徴は、ポジ型またはネガ型であってもよい。例えば、本明細書に説明されるプロセスのいずれかでは、形成される特徴は、回折格子の回折パターンに対応してもよい、またはそのネガ型であってもよい。そのようなネガ型パターンは、ポジ型パターンを中間テンプレートまたは回折格子自体内に形成するために使用されてもよい。加えて、中間マスタテンプレート等の任意の数の中間構造が、所与のプロセス内で使用されてもよい。そのような中間構造、例えば、中間マスタテンプレートは、最終デバイス内に形成される回折パターンのポジ型またはネガ型を含んでもよい。さらに他の変形例も、可能性として考えられる。
(付加的実施例)
(実施例1)
ブレーズド回折格子を加工する方法であって、
マスタテンプレート基板を提供するステップと、
周期的に繰り返される線を複数のマスタテンプレート領域内においてマスタテンプレート基板上にインプリントするステップであって、マスタテンプレート領域の異なるもの内の周期的に繰り返される線は、異なる方向に延在する、ステップと、
マスタテンプレート領域のうちの少なくとも1つをマスタテンプレートとして使用して、少なくとも1つのブレーズド回折格子パターンを格子基板上にインプリントするステップと、
を含む、方法。
(実施例2)
マスタテンプレート領域の異なるもの内の周期的に繰り返される線は、非直交方向に延在する、実施例1に記載の方法。
(実施例3)
マスタテンプレート領域の隣接するもの内の周期的に繰り返される線は、ゼロ~90度の角度を形成する、方向に延在する、先行実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例4)
マスタテンプレート領域の異なるもの内の周期的に繰り返される線は、マスタテンプレート基板の中心軸に対して異なる半径方向に延在する、先行実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例5)
周期的に繰り返される線をマスタテンプレート基板上にインプリントするステップは、少なくとも4つのマスタテンプレート領域内にインプリントするステップを含む、先行実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例6)
周期的に繰り返される線をインプリントするステップは、マスタテンプレート基板のシリコン表面にわたってインプリントするステップを含む、先行実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例7)
周期的に繰り返される線をインプリントするステップは、マスタテンプレート基板の酸化ケイ素表面にわたってインプリントするステップを含む、先行実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例8)
周期的に繰り返される線をマスタテンプレート基板上にインプリントするステップは、同一一次マスタテンプレートを使用して、複数のマスタテンプレート領域の異なるもの内に順次インプリントするステップを含む、先行実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例9)
マスタテンプレート基板上に形成される、周期的に繰り返される線は、鋸歯プロファイルを有する、先行実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例10)
マスタテンプレート基板上に形成される、周期的に繰り返される線は、マスタテンプレート基板の平面に対して類似角度を形成する、対称対向側表面を備える、先行実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例11)
マスタテンプレート基板上に形成される、周期的に繰り返される線は、マスタテンプレート基板の平面に対して異なる角度を形成する、非対称対向側表面を備える、先行実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例12)
マスタテンプレート基板上に形成される、周期的に繰り返される線は、マスタテンプレート基板の主要表面平面に対して異なる傾きを有する、対向側表面を備える、先行実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例13)
マスタテンプレート基板上に形成される、周期的に繰り返される線は、段状構造を有する、側表面を備える、先行実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例14)
マスタテンプレート基板上に形成される、周期的に繰り返される線は、ポリマー材料を含む、先行実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例15)
マスタテンプレート基板上に形成される、周期的に繰り返される線は、誘電材料を含む、先行実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例16)
マスタテンプレート基板上に形成される周期的に繰り返される線を誘電材料でコーティングするステップをさらに含む、先行実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例17)
マスタテンプレート基板上に形成される周期的に繰り返される線を金属酸化物または金属窒化物でコーティングするステップをさらに含む、実施例1-15のいずれか1項に記載の方法。
(実施例18)
マスタテンプレート基板上に形成される周期的に繰り返される線を金属または金属合金でコーティングするステップをさらに含む、実施例1-15のいずれか1項に記載の方法。
(実施例19)
周期的に繰り返される線に対応するパターンをマスタテンプレート基板の中に転写するステップをさらに含む、先行実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例20)
パターンを転写するステップは、周期的に繰り返される線を部分的マスクとして使用して、マスタテンプレート基板をドライエッチングするステップを含む、実施例19に記載の方法。
(実施例21)
ドライエッチングするステップは、マスタテンプレート領域を局所的にドライエッチングするステップを含む、実施例20に記載の方法。
(実施例22)
周期的に繰り返される線をインプリントするステップは、一次マスタ基板上に形成される、周期的に繰り返される線を備える、一次マスタテンプレートを使用して、インプリントするステップを含む、先行実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例23)
一次マスタ基板上に形成される、周期的に繰り返される線は、鋸歯プロファイルを有する、実施例22に記載の方法。
(実施例24)
一次マスタ基板上に形成される、周期的に繰り返される線は、非対称的に配向される側表面を備える、実施例22または23に記載の方法。
(実施例25)
一次マスタ基板は、シリコン基板を備える、実施例22または24に記載の方法。
(実施例26)
一次マスタ基板は、(311)結晶配向を有する、主要表面を備える、シリコン基板である、実施例22-25のいずれか1項に記載の方法。
(実施例27)
一次マスタ基板上に形成される、周期的に繰り返される線は、(111)結晶配向を有する、ファセットを備える、実施例26に記載の方法。
(実施例28)
シリコン基板をリソグラフィ的にパターン化およびエッチングすることによって、一次マスタテンプレートを形成するステップをさらに含む、実施例25-27のいずれか1項に記載の方法。
(実施例29)
シリコン基板をエッチングするステップは、ウェットエッチングを含む、実施例28に記載の方法。
(実施例30)
一次マスタ基板上に形成される、周期的に繰り返される線は、誘電材料でコーティングされたポリマー材料を含む、実施例22または23に記載の方法。
(実施例31)
格子基板は、透明基板である、先行実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例32)
格子基板は、約1.4を上回る屈折率を有する、先行実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例33)
格子基板は、導波管を備える、先行実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例34)
ブレーズド回折格子は、光を導波管の中に内部結合するように構成される、内部結合格子を備える、実施例33に記載の方法。
(実施例35)
ブレーズド回折格子は、光を導波管から外部結合するように構成される、外部結合格子を備える、実施例33に記載の方法。
(実施例36)
ブレーズド回折格子は、光を分散させ、導波管内で外部結合要素に向かって伝搬するように構成される、光分散要素を備える、実施例33に記載の方法。
(実施例37)
ブレーズド回折格子は、光を分散させ、導波管内で伝搬するように構成され、さらに、光を導波管から外部結合するように構成される、組み合わせられた外部結合格子および光分散要素としての役割を果たす、実施例33に記載の方法。
(実施例38)
ブレーズド回折格子パターンは、光の少なくとも1つの偏光のために50%を上回る一次回折効率を有するように構成される、幾何学形状を有する、先行実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例39)
少なくとも1つのブレーズド回折格子パターンをインプリントするステップは、同時に、2つ以上のブレーズド回折格子パターンをインプリントするステップを含む、先行実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例40)
少なくとも1つのブレーズド回折格子パターンは、複数の直線を備える、先行実施例のいずれか1項に記載の方法。
(実施例41)
少なくとも1つのブレーズド回折格子パターンは、複数の不連続的な線を備える、実施例1-39のいずれか1項に記載の方法。
(実施例42)
少なくとも1つのブレーズド回折格子パターンは、格子基板の表面から突出する、複数の柱を備える、実施例1-39のいずれか1項に記載の方法。
(実施例43)
少なくとも1つのブレーズド回折格子パターンは、複数の直線を備え、直線のうちの少なくともいくつかは、異なる幅を有する、実施例1-39のいずれか1項に記載の方法。(実施例44)
少なくとも1つのブレーズド回折格子パターンは、1つの側方方向に周期性を有する1次元(1D)アレイとして配列される、回折特徴を備える、実施例1-39のいずれか1項に記載の方法。
(実施例45)
1Dアレイは、光を優先的に1つの方向に回折するように構成される、1D格子としての役割を果たす、実施例44に記載の方法。
(実施例46)
少なくとも1つのブレーズド回折格子パターンは、2つの側方方向に周期性を有する2次元(2D)アレイとして配列される、回折特徴を備える、実施例1-39のいずれか1項に記載の方法。
(実施例47)
2Dアレイは、光を優先的に2つの方向に回折するように構成される、2D格子としての役割を果たす、実施例46に記載の方法。
(実施例48)
2Dアレイは、同一数の回折特徴を2つの異なる側方方向に備える、実施例46に記載の方法。
(実施例49)
ブレーズド回折格子をインプリントするためのマスタテンプレートを加工する方法であって、
マスタテンプレート基板を提供するステップと、
一次マスタ基板上に形成される、周期的に繰り返される線を備える、一次マスタテンプレートを提供するステップと、
複数のマスタテンプレート領域内において一次マスタテンプレートを使用して、周期的に繰り返される線をマスタテンプレート基板上にインプリントするステップであって、マスタテンプレート領域の異なるもの内の周期的に繰り返される線は、異なる方向に延在する、ステップと、
を含む、方法。
(実施例50)
一次マスタ基板上に形成される、周期的に繰り返される線は、鋸歯プロファイルを有する、実施例40に記載の方法。
(実施例51)
一次マスタ基板上に形成される、周期的に繰り返される線は、非対称的に配向される側表面を備える、実施例40または50に記載の方法。
(実施例52)
一次マスタ基板は、(311)結晶配向を有する、主要表面を備える、シリコン基板である、実施例40-51のいずれか1項に記載の方法。
(実施例53)
一次マスタ基板上に形成される、周期的に繰り返される線は、(111)結晶配向を有する、ファセットを備える、実施例52に記載の方法。
(実施例54)
一次マスタテンプレートを提供するステップは、周期的に繰り返される線をシリコン基板内にリソグラフィ的にパターン化およびエッチングするステップを含む、実施例40-53のいずれか1項に記載の方法。
(実施例55)
シリコン基板をエッチングするステップは、ウェットエッチングを含む、実施例54に記載の方法。
(実施例56)
一次マスタテンプレートを提供するステップは、ポリマー材料を含む、周期的に繰り返される線を形成するステップと、周期的に繰り返される線を誘電材料でコーティングするステップとを含む、実施例40-51のいずれか1項に記載の方法。
(実施例57)
マスタテンプレート領域の異なるもの内の周期的に繰り返される線は、非直交方向に延在する、実施例40-56のいずれか1項に記載の方法。
(実施例58)
マスタテンプレート領域の異なるもの内の周期的に繰り返される線は、マスタテンプレート基板の中心軸に対して半径方向に対称方向に延在する、実施例40-57のいずれか1項に記載の方法。
(実施例59)
周期的に繰り返される線をマスタテンプレート基板上にインプリントするステップは、少なくとも4つのマスタテンプレート領域内にインプリントするステップを含む、実施例40-58のいずれか1項に記載の方法。
(実施例60)
マスタテンプレート基板上に形成される、周期的に繰り返される線は、鋸歯プロファイルを有する、実施例40-59のいずれか1項に記載の方法。
(実施例61)
マスタテンプレート基板上に形成される、周期的に繰り返される線は、マスタテンプレート基板の平面に対して類似角度を形成する、対称対向側表面を備える、実施例49-60のいずれか1項に記載の方法。
(実施例62)
マスタテンプレート基板上に形成される、周期的に繰り返される線は、マスタテンプレート基板の平面に対して異なる角度を形成する、非対称対向側表面を備える、実施例40-60のいずれか1項に記載の方法。
(実施例63)
マスタテンプレート基板上に形成される、周期的に繰り返される線は、マスタテンプレート基板の主要表面平面に対して異なる傾きを有する、対向側表面を備える、実施例40-61のいずれか1項に記載の方法。
(実施例64)
マスタテンプレート基板上に形成される、周期的に繰り返される線は、段状構造を有する、側表面を備える、実施例40-63のいずれか1項に記載の方法。
(実施例65)
マスタテンプレート基板上に形成される、周期的に繰り返される線は、ポリマー材料を含む、実施例40-64のいずれか1項に記載の方法。
(実施例66)
マスタテンプレート基板上に形成される、周期的に繰り返される線は、誘電材料を含む、実施例40-65のいずれか1項に記載の方法。
(実施例67)
マスタテンプレート基板上に形成される周期的に繰り返される線を誘電材料でコーティングするステップをさらに含む、実施例40-66のいずれか1項に記載の方法。
(実施例68)
マスタテンプレート基板上に形成される周期的に繰り返される線を金属酸化物または金属窒化物でコーティングするステップをさらに含む、実施例40-66のいずれか1項に記載の方法。
(実施例69)
マスタテンプレート基板上に形成される周期的に繰り返される線を金属または金属合金でコーティングするステップをさらに含む、実施例40-66のいずれか1項に記載の方法。
(実施例70)
周期的に繰り返される線に対応するパターンをマスタテンプレート基板の中に転写するステップをさらに含む、実施例49-69のいずれか1項に記載の方法。
(実施例71)
パターンを転写するステップは、マスタテンプレート基板をドライエッチングするステップを含む、実施例70に記載の方法。
(実施例72)
ドライエッチングするステップは、マスタテンプレート領域を局所的にドライエッチングするステップを含む、実施例71に記載の方法。
(実施例73)
マスタテンプレート領域は、光を導波管の中に内部結合するように構成される、内部結合格子を備える、ブレーズド回折格子をインプリントするために構成される、実施例49-72のいずれか1項に記載の方法。
(実施例74)
マスタテンプレート領域は、光を導波管から外部結合するように構成される、外部結合格子を備える、ブレーズド回折格子をインプリントするために構成される、実施例49-72のいずれか1項に記載の方法。
(実施例75)
マスタテンプレート領域は、光を分散させ、導波管内で外部結合要素に向かって伝搬するように構成される、光分散要素を備える、ブレーズド回折格子をインプリントするために構成される、実施例49-72のいずれか1項に記載の方法。
(実施例76)
マスタテンプレート領域は、光を分散させ、導波管内で伝搬するように構成され、さらに、光を導波管から外部結合するように構成される、組み合わせられた外部結合格子および光分散要素としての役割を果たす、ブレーズド回折格子をインプリントするために構成される、実施例49-72のいずれか1項に記載の方法。
(実施例77)
マスタテンプレート領域は、複数の直線を備える、ブレーズド回折格子をインプリントするために構成される、実施例49-72のいずれか1項に記載の方法。
(実施例78)
マスタテンプレート領域は、複数の不連続的な線を備える、ブレーズド回折格子をインプリントするために構成される、実施例49-72のいずれか1項に記載の方法。
(実施例79)
マスタテンプレート領域は、格子基板の表面から突出する、複数の柱を備える、ブレーズド回折格子をインプリントするために構成される、実施例49-72のいずれか1項に記載の方法。
(実施例80)
マスタテンプレート領域は、複数の直線を備える、ブレーズド回折格子をインプリントするために構成され、直線のうちの少なくともいくつかは、異なる幅を有する、実施例49-72のいずれか1項に記載の方法。
(実施例81)
マスタテンプレート領域は、1つの側方方向に周期性を有する1次元(1D)アレイとして配列される、回折特徴を備える、ブレーズド回折格子をインプリントするために構成される、実施例49-72のいずれか1項に記載の方法。
(実施例82)
1Dアレイは、光を優先的に1つの方向に回折するように構成される、1D格子としての役割を果たす、実施例81に記載の方法。
(実施例83)
マスタテンプレート領域は、2つの側方方向に周期性を有する2次元(2D)アレイとして配列される、回折特徴を備える、ブレーズド回折格子をインプリントするために構成される、実施例49-72のいずれか1項に記載の方法。
(実施例84)
2Dアレイは、光を優先的に2つの方向に回折するように構成される、2D格子としての役割を果たす、実施例83に記載の方法。
(実施例85)
2Dアレイは、同一数の回折特徴を2つの異なる側方方向に備える、実施例83に記載の方法。
(実施例86)
回折格子を加工する方法であって、
マスタテンプレート基板を提供するステップと、
周期的に繰り返される線をマスタテンプレート基板上に1つ以上のマスタテンプレート領域内においてインプリントするステップであって、周期的に繰り返される線は、第1の材料から形成される、ステップと、
周期的に繰り返される線を、第1の材料を上回る硬度を有する、第2の材料でコーティングするステップと、
1つ以上のマスタテンプレート領域をマスタテンプレートとして使用して、1つ以上のブレーズド回折格子パターンを格子基板上にインプリントするステップと、
を含む、方法。
(実施例87)
周期的に繰り返される線をインプリントするステップは、複数のマスタテンプレート領域内にインプリントするステップであって、マスタテンプレート領域の異なるもの内の周期的に繰り返される線は、異なる方向に延在する、ステップを含む、実施例86に記載の方法。
(実施例88)
マスタテンプレート領域の異なるもの内の周期的に繰り返される線は、マスタテンプレート基板の中心軸に対して異なる半径方向に延在する、実施例86または87に記載の方法。
(実施例89)
周期的に繰り返される線をマスタテンプレート基板上にインプリントするステップは、少なくとも4つのマスタテンプレート領域内にインプリントするステップを含む、実施例86-88のいずれか1項に記載の方法。
(実施例90)
マスタテンプレート基板上に形成される、周期的に繰り返される線は、マスタテンプレート基板の平面に対して類似角度を形成する、対称対向側表面を備える、実施例86-89のいずれか1項に記載の方法。
(実施例91)
マスタテンプレート基板上に形成される、周期的に繰り返される線は、マスタテンプレート基板の平面に対して異なる角度を形成する、非対称対向側表面を備える、実施例86-89のいずれか1項に記載の方法。
(実施例92)
マスタテンプレート上に形成される、周期的に繰り返される線は、ポリマー材料を含む、実施例86-91のいずれか1項に記載の方法。
(実施例93)
マスタテンプレート基板上に形成される、周期的に繰り返される線は、誘電材料を含む、実施例86-91のいずれか1項に記載の方法。
(実施例94)
マスタテンプレート基板上に形成される周期的に繰り返される線を誘電材料でコーティングするステップをさらに含む、実施例86-91のいずれか1項に記載の方法。
(実施例95)
マスタテンプレート基板上に形成される周期的に繰り返される線を金属酸化物または金属窒化物でコーティングするステップをさらに含む、実施例86-91のいずれか1項に記載の方法。
(実施例96)
マスタテンプレート基板上に形成される周期的に繰り返される線を金属または金属合金でコーティングするステップをさらに含む、実施例86-91のいずれか1項に記載の方法。
(実施例97)
ブレーズド回折格子は、光を導波管から外部結合するように構成される、外部結合格子を備える、実施例86-96のいずれか1項に記載の方法。
(実施例98)
ブレーズド回折格子は、光を分散させ、導波管内で外部結合要素に向かって伝搬するように構成される、光分散要素を備える、実施例86-96のいずれか1項に記載の方法。(実施例99)
ブレーズド回折格子は、光を分散させ、導波管内で伝搬するように構成され、さらに、光を導波管から外部結合するように構成される、組み合わせられた外部結合格子および光分散要素としての役割を果たす、実施例86-96のいずれか1項に記載の方法。
(実施例100)
1つ以上のブレーズド回折格子パターンは、複数の直線を備える、実施例86-99のいずれか1項に記載の方法。
(実施例101)
1つ以上のブレーズド回折格子パターンは、複数の不連続的な線を備える、実施例86-99のいずれか1項に記載の方法。
(実施例102)
1つ以上のブレーズド回折格子パターンは、格子基板の表面から突出する、複数の柱を備える、実施例86-99のいずれか1項に記載の方法。
(実施例103)
1つ以上のブレーズド回折格子パターンは、複数の直線を備え、直線のうちの少なくともいくつかは、異なる幅を有する、実施例86-99のいずれか1項に記載の方法。
(実施例104)
1つ以上のブレーズド回折格子パターンは、1つの側方方向に周期性を有する1次元(1D)アレイとして配列される、回折特徴を備える、実施例86-99のいずれか1項に記載の方法。
(実施例105)
1Dアレイは、光を優先的に1つの方向に回折するように構成される、1D格子としての役割を果たす、実施例104に記載の方法。
(実施例106)
1つ以上のブレーズド回折格子パターンは、2つの側方方向に周期性を有する2次元(2D)アレイとして配列される、回折特徴を備える、実施例86-99のいずれか1項に記載の方法。
(実施例107)
2Dアレイは、光を優先的に2つの方向に回折するように構成される、2D格子としての役割を果たす、実施例106に記載の方法。
(実施例108)
2Dアレイは、同一数の回折特徴を2つの異なる側方方向に備える、実施例106に記載の方法。
(実施例109)
格子基板は、1.9を上回る屈折率を有する、実施例1-48のいずれか1項に記載の方法。
(実施例110)
格子基板は、ZrO2、TiO2、SiC、またはLiベースの酸化物から形成される、実施例1-48のいずれか1項に記載の方法。
(実施例111)
格子基板は、1.9を上回る屈折率を有する、実施例86-108のいずれか1項に記載の方法。
(実施例112)
格子基板は、ZrO2、TiO2、SiC、またはLiベースの酸化物から形成される、実施例86-108のいずれか1項に記載の方法。
(付加的考慮点)
【0169】
前述の明細書では、本発明は、その具体的実施形態を参照して説明された。しかしながら、種々の修正および変更が、本発明のより広義の精神および範囲から逸脱することなくそこに行われ得ることが明白となるであろう。明細書および図面は、故に、限定的意味ではなく、例証と見なされるべきである。
【0170】
実際、本開示のシステムおよび方法は、それぞれ、いくつかの革新的側面を有し、そのうちのいかなるものも、本明細書に開示される望ましい属性に単独で関与しない、またはそのために要求されないことを理解されたい。上記に説明される種々の特徴およびプロセスは、相互に独立して使用され得る、または種々の方法で組み合わせられ得る。全ての可能性として考えられる組み合わせおよび副次的組み合わせが、本開示の範囲内に該当することが意図される。
【0171】
別個の実施形態の文脈において本明細書に説明されるある特徴はまた、単一の実施形態における組み合わせにおいて実装されてもよい。逆に、単一の実施形態の文脈において説明される種々の特徴もまた、複数の実施形態において別個に、または任意の好適な副次的組み合わせにおいて実装されてもよい。さらに、特徴がある組み合わせにおいて作用するものとして上記に説明され、さらに、そのようなものとして最初に請求され得るが、請求される組み合わせからの1つ以上の特徴は、ある場合には、組み合わせから削除されてもよく、請求される組み合わせは、副次的組み合わせまたは副次的組み合わせの変形例を対象とし得る。いかなる単一の特徴または特徴の群も、あらゆる実施形態に必要または必須ではない。
【0172】
とりわけ、「~できる(can)」、「~し得る(could)」、「~し得る(might)」、「~し得る(may)」、「例えば、(e.g.)」、および同等物等の本明細書で使用される条件文は、別様に具体的に記載されない限り、または使用されるような文脈内で別様に理解されない限り、概して、ある実施形態が、ある特徴、要素、および/またはステップを含む一方、他の実施形態がそれらを含まないことを伝えることを意図していることを理解されたい。したがって、そのような条件文は、概して、特徴、要素、および/またはステップが、1つ以上の実施形態に対していかようにも要求されること、または1つ以上の実施形態が、著者の入力または促しの有無を問わず、これらの特徴、要素、および/またはステップが任意の特定の実施形態において含まれる、または実施されるべきかどうかを決定するための論理を必然的に含むことを含意することを意図されない。用語「~を備える(comprising)」、「~を含む(including)」、「~を有する(having)」、および同等物は、同義語であり、非限定的方式で包括的に使用され、付加的要素、特徴、行為、動作等を除外しない。また、用語「または」は、例えば、要素のリストを接続するために使用されると、用語「または」が、リスト内の要素のうちの1つ、いくつか、または全てを意味するように、その包括的意味で使用される(かつその排他的意味で使用されない)。加えて、本願および添付される請求項で使用されるような冠詞「a」、「an」、および「the」は、別様に規定されない限り、「1つ以上の」または「少なくとも1つ」を意味するように解釈されるべきである。同様に、動作は、特定の順序で図面に描写され得るが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が、示される特定の順序で、または連続的順序で実施される必要がない、または全ての図示される動作が実施される必要はないことを認識されたい。さらに、図面は、フローチャートの形態で1つ以上の例示的プロセスを図式的に描写し得る。しかしながら、描写されない他の動作も、図式的に図示される例示的方法およびプロセス内に組み込まれ得る。例えば、1つ以上の付加的動作が、図示される動作のいずれかの前に、その後に、それと同時に、またはその間に実施され得る。加えて、動作は、他の実施形態において再配列される、または再順序付けられ得る。ある状況では、マルチタスクおよび並列処理が、有利であり得る。さらに、上記に説明される実施形態における種々のシステムコンポーネントの分離は、全ての実施形態におけるそのような分離を要求するものとして理解されるべきではなく、説明されるプログラムコンポーネントおよびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品においてともに統合される、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。加えて、他の実装も、以下の請求項の範囲内である。ある場合には、請求項に列挙されるアクションは、異なる順序で実施され、依然として、望ましい結果を達成することができる。
【0173】
したがって、請求項は、本明細書に示される実施形態に限定されることを意図されず、本明細書に開示される本開示、原理、および新規の特徴と一貫する最も広い範囲を与えられるべきである。
【外国語明細書】