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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023011204
(43)【公開日】2023-01-24
(54)【発明の名称】建築コンペ支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20230117BHJP
【FI】
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021114912
(22)【出願日】2021-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】521307336
【氏名又は名称】株式会社Atelier5
(74)【代理人】
【識別番号】110003203
【氏名又は名称】弁理士法人大手門国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】室田 高義
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC07
(57)【要約】
【課題】 住宅等の注文者が設計依頼前の情報収集として利用することができ、更に提案された設計プランに対する専門家の評価を知ることもでき、また若手建築家がスキルアップのための実務経験を気軽に積める建築コンペ支援システムを提供すること。
【解決手段】 本発明では、参加申込をした登録建築家の識別情報およびコンペ実績情報をリスト化して依頼者端末に表示する参加者選択画面の出力手段と、前記参加者選択画面で所定人数の参加者が選択入力された後、所定のプラン提出期日後に、期日内に参加者の建築家端末からサーバに送信された設計プラン情報を依頼者端末および参加者の建築家端末に表示する提出プラン投票画面の出力手段と、前記投票が終了した後、投票数が最も多いプランを提出した登録建築家のコンペ実績情報に含まれる優勝回数情報を1回加算して書き換えるコンペ実績情報の自動更新手段と、を備えて建築コンペ支援システムを構成した。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
依頼者端末、建築家端末、運営者端末および運営用サーバがネットワークを介して接続された建築コンペ支援システムであって、
少なくとも登録建築家の識別情報およびコンペ実績情報を含む建築家情報を記憶する記憶手段と、少なくとも建築コンペの識別情報および依頼内容情報を含むコンペ情報を記憶する記憶手段と、
依頼者端末に出力されたコンペ依頼画面から依頼内容情報が入力され、運営用サーバにコンペ情報が登録されたとき、登録建築家の建築家端末に前記コンペ情報を通知して表示する参加募集画面の出力手段と、
前記建築家端末に出力された参加募集画面から入力された参加申込情報に基づき、参加申込をした登録建築家の識別情報およびコンペ実績情報をリスト化して依頼者端末に表示する参加者選択画面の出力手段と、
前記参加者選択画面で所定人数の参加者が選択入力された後、所定のプラン提出期日後に、期日内に参加者の建築家端末からサーバに送信された設計プラン情報を依頼者端末および参加者の建築家端末に表示する提出プラン投票画面の出力手段と、
前記投票が終了した後、投票数が最も多いプランを提出した登録建築家のコンペ実績情報に含まれる優勝回数情報を1回加算して書き換えるコンペ実績情報の自動更新手段と、を有する建築コンペ支援システム。
【請求項2】
前記登録建築家の建築家端末に出力される参加募集画面において、有償参加申込と無償参加申込の選択入力が可能となっており、更に当該画面で有償参加申込が選択入力されたときのみ、予め設定された残り定員情報が1人減算される、請求項1記載の建築コンペ支援システム。
【請求項3】
前記参加者選択画面に表示される登録建築家のコンペ実績情報に登録建築家が過去に提出した設計プラン情報が含まれている、請求項1または2に記載の建築コンペ支援システム。
【請求項4】
前記参加者選択画面において参加申込のあった登録建築家の優勝回数情報を比較し、優勝回数が多い順に登録建築家の識別情報を上位から下位に並べて表示する、請求項1~3の何れか一つに記載の建築コンペ支援システム。
【請求項5】
前記コンペ実績情報に優勝回数情報に応じて変化するランク情報が含まれている、請求項1~4の何れか一つに記載の建築コンペ支援システム。
【請求項6】
前記提出プラン投票画面において設計プラン情報を選択してマイナス評価情報を入力することができ、更に当該画面でマイナス評価情報が入力されたとき、マイナス評価された旨の通知が運営用サーバから運営者端末に自動的に送信される、請求項1~5の何れか一つに記載の建築コンペ支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の建築家が参加して行う建築コンペ支援システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
住宅等を購入する際には建築会社に設計を依頼するのが一般的であるが、注文者が建築の素人の場合、建築会社に対して設計プランの具体的なイメージの提案を行うことは難しく、また建築会社から提案された設計プランについてその善し悪しを判断することも難しい。そのため、注文者側の立場からは注文者の要望に応じてどのような設計プランのアイデアがあるのかを事前に情報収集できるシステムが望まれている。
【0003】
従来においては、複数の建築会社が参加する建築コンペ支援システムも提案されているが(特許文献1~2参照)、これらのシステムは、建築会社から提案された設計プランの中から注文者が何れかを選択し、その建築会社に設計依頼を出すものであるため、依頼前の情報収集に利用することはできない。また設計プランの評価も注文者に委ねられるため、専門家の視点を踏まえた客観的な評価を行うことも難しい。
【0004】
一方、建築家の立場からも建築家(特に若手建築家)がスキルアップとして設計提案の実務経験を積める場が求められている。しかしながら、上記従来の建築コンペ支援システムは、最終的に注文者から受注することを目的しているため、若手建築家が気軽に参加できるものではない。またコンペ実績のある建築家にメリットを与える工夫もないため、建築家の参加意欲やより良い設計プランの創作意欲を高めることもできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-215760号公報
【特許文献2】特許第5216482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来技術の問題を解決することを課題としており、要約すると住宅等の注文者が設計依頼前の情報収集として利用することができ、更に提案された設計プランに対する専門家の評価を知ることもでき、また若手建築家がスキルアップのための実務経験を気軽に積むことができる建築コンペ支援システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記依頼者端末、建築家端末、運営者端末および運営用サーバがネットワークを介して接続された建築コンペ支援システムにおいて、少なくとも登録建築家の識別情報およびコンペ実績情報を含む建築家情報を記憶する記憶手段と、少なくとも建築コンペの識別情報および依頼内容情報を含むコンペ情報を記憶する記憶手段と、依頼者端末に出力されたコンペ依頼画面から依頼内容情報が入力され、運営用サーバにコンペ情報が登録されたとき、登録建築家の建築家端末に前記コンペ情報を通知して表示する参加募集画面の出力手段と、前記建築家端末に出力された参加募集画面から入力された参加申込情報に基づき、参加申込をした登録建築家の識別情報およびコンペ実績情報をリスト化して依頼者端末に表示する参加者選択画面の出力手段と、前記参加者選択画面で所定人数の参加者が選択入力された後、所定のプラン提出期日後に、期日内に参加者の建築家端末からサーバに送信された設計プラン情報を依頼者端末および参加者の建築家端末に表示する提出プラン投票画面の出力手段と、前記投票が終了した後、投票数が最も多いプランを提出した登録建築家のコンペ実績情報に含まれる優勝回数情報を1回加算して書き換えるコンペ実績情報の自動更新手段と、を備えることで上記課題を解決した(効果は後述する)。
【0008】
また本発明では、上記登録建築家の建築家端末に出力される参加募集画面において、有償参加申込と無償参加申込の選択入力を可能とし、更に当該画面で有償参加申込が選択入力されたときのみ、予め設定された残り定員情報を1人減算する処理を行うことで、コンペ実績のない登録建築家であってもコンペに参加することができる。
【0009】
また本発明では、上記参加者選択画面に表示される登録建築家のコンペ実績情報に登録建築家が過去に提出した設計プラン情報を含めることで、依頼者が参加者を選択するための情報として利用することができる。
【0010】
また本発明では、上記参加者選択画面において参加申込のあった登録建築家の優勝回数情報を比較し、優勝回数が多い順に登録建築家の識別情報を上位から下位に並べて表示することで、優勝回数の多い登録建築家を上位に優先的に表示できる。
【0011】
また本発明では、上記コンペ実績情報に優勝回数情報に応じて変化するランク情報を含めることで、依頼者が優勝回数の多い登録建築家を一目で判断できる。
【0012】
また本発明では、上記提出プラン投票画面において設計プラン情報を選択してマイナス評価情報を入力することができ、更に当該画面でマイナス評価情報が入力されたとき、マイナス評価された旨の通知を運営用サーバから運営者端末に自動的に送信することで、マイナス評価された参加者に対して運営者が相応の措置を取ることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の建築コンペ支援システムは、依頼者が複数の建築家から設計プランの提案を受けることができるため、提案された設計プランのアイデアを実際に建築会社に設計依頼する前の検討材料として利用することができる。またコンペにおける設計プランの投票は依頼者だけでなく参加した建築家も行うため、提案された設計プランに対する依頼者自身の評価だけでなく専門家から見た評価の情報も得られる。
【0014】
また本発明の建築コンペ支援システムは、設計プランの提案を目的としており、依頼者からの受注を目的とするものではないため、若手建築家でも気軽に参加することができる。加えて、コンペの優勝回数等の実績情報を依頼者に提示することで、依頼者から参加者として選択され易くなるため、建築家の参加意欲と創作意欲を高めて建築家同士のスキルアップを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第一実施形態における建築コンペ支援システムの構成を示す概略図である。
図2】本発明の第一実施形態における建築コンペ支援システムの基本プロセスを示すフロー図である。
図3】本発明の第一実施形態における各プロセスの処理を示す説明図である。
図4】本発明の第一実施形態における建築家登録画面を示す参考図である。
図5】本発明の第一実施形態におけるコンペ依頼画面を示す参考図である。
図6】本発明の第一実施形態におけるコンペ依頼画面を示す参考図である。
図7】本発明の第一実施形態における参加募集画面を示す参考図である。
図8】本発明の第一実施形態における参加者選択画面を示す参考図である。
図9】本発明の第一実施形態におけるプラン提出画面を示す参考図である。
図10】本発明の第一実施形態における提出プラン投票画面を示す参考図である。
図11】本発明の第一実施形態における運営者設定画面を示す参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態を図1図11に基づいて説明する。なお図中、符号P1で指示するものは、依頼者端末であり、符号P2で指示するものは、建築家端末である。また符号P3で指示するものは、運営者端末であり、符号Sで指示するものは、運営者サーバである。また符号S1で指示するものは、ウェブサーバであり、符号S2で指示するものは、データベースサーバである。
【0017】
「建築コンペ支援システムのハードウェア構成」
本実施形態のハードウェア構成について説明する。本実施形態では、図1に示すように建築コンペ支援システムに、記憶装置(主記憶装置や一次記憶装置)、入力装置(キーボードやマウス)、出力装置(モニタ)、演算装置(CPU)を備えたコンピュータを使用する。また本実施形態では、図1に示すようにコンピュータとして依頼者端末P1(PC)、建築家端末P2(PC)、建築家端末P3(PC)、運営用サーバSを使用し、クライアントである各端末を外部に設置された運営用サーバSにインターネットを介して接続している。また運営用サーバSは、ウェブサーバS1とデータベースサーバS2から構成してこれらをネットワークを介して接続している。
【0018】
なお上記建築コンペ支援システムのハードウェア構成およびネットワーク構成に関しては、本実施形態の構成に限定されず、例えば依頼者端末P1、建築家端末P2、建築家端末P3に関しては、デスクトップ型PCやノート型PCだけでなく、タブレットやスマートフォンなどの携帯端末を使用することもできる。そして、これらのハードウェアをソフトウェアで連動させてシステムの記憶手段、入力手段および出力手段とすることができる。
【0019】
「建築コンペ支援システムのソフトウェア構成」
[1]建築家・依頼者の登録プロセスについて
[1-1]建築家登録画面の出力手段
本実施形態のソフトウェア構成について図2及び図3に示す基本プロセスに沿って説明する。本実施形態の建築コンペ支援システムでは、まず建築家端末P2と運営用サーバS間で建築家情報Aの登録を行う。具体的にはウェブサイトまたは専用アプリを使用して建築家端末P2と運営用サーバSを通信可能に接続し、建築家端末P2のモニタ(画面表示部)に図4(a)(b)に示す建築家登録画面D1を出力する。建築家登録画面D1のデザインは任意に変更できる。
【0020】
[1-2]建築家情報の登録手段
そして、上記建築家登録画面D1において、建築家の氏名、個人住所、個人メールアドレス、ニックネーム、事務所名、事務所メールアドレス、事務所登録番号、事務所電話番号、事務所住所、事務所代表者、事務所ホームページのURL等を建築家端末P2から入力し、送信ボタンB1をクリックしてこれらの識別情報A1を運営用サーバS(データベースサーバS2)に記憶させる。なお登録建築家の識別情報A1は、運営用サーバSから建築家端末P2のモニタに出力されるマイページ画面で確認・編集を行うことができる。
【0021】
また図4(b)に示す建築家登録画面D1では、建築家の資格情報A2として事務所登録通知書のイメージファイルが添付可能となっている。これにより正当な資格を保有しない無資格者が申し込みをした場合でも資格の有無を判別できるため、有資格者が参加する本システムの信頼性を向上させることができ、また本システムにおける登録建築家の無責任な行動を抑制することができる。また上記建築家登録画面D1の送信ボタンB1をクリックした際、建築家の識別情報A1及び資格情報A2を運営用サーバSから運営者端末P3に自動送信すれば、運営者が登録内容を確認してから登録完了の処理を行うことができる。
【0022】
[1-3]依頼者登録画面の出力手段、依頼者情報の登録手段
依頼者情報に関しては、依頼者端末P1と運営用サーバS間で情報の登録を行う。具体的には、ウェブサイトまたは専用アプリを使用して依頼者端末P1と運営用サーバSを通信可能に接続し、依頼者端末P1のモニタに依頼者情報入力画面(図示せず)を出力する。そして、この依頼者情報入力画面で依頼者の氏名、住所、ニックネーム、メールアドレス等を入力して、これらの依頼者情報を運営用サーバS(データベースサーバS2)の記憶装置に記憶させる。この依頼者情報に関しては、運営用サーバSから依頼者端末P1のモニタに出力されるマイページ画面で確認・編集を行うことができる。なお本システムにおいて依頼者登録画面D1からの登録は必須ではなく、決済画面で登録することもできる。
【0023】
[2]コンペ依頼プロセスについて
[2-1]コンペ依頼画面の出力手段
次に本実施形態の建築コンペ支援システムではコンペ情報Cの登録を行う。まず依頼者端末P1と運営用サーバSを接続して依頼者端末P1のモニタに図5及び図6に示すコンペ依頼画面D2を出力する。本実施形態では、依頼者情報の登録後、依頼者端末P1のモニタに表示されるマイページ画面からコンペ依頼のボタンをクリックすることで、モニタにコンペ依頼画面D2を表示させることができる。またコンペ依頼画面D2には、自動的に割り振られた識別情報C1(依頼番号等)が表示される。
【0024】
[2-2]コンペ情報の登録手段
そして、上記コンペ依頼画面D2において、依頼条件となる土地の所在地、防火地域、用途地域、特別用途地域、基準建ぺい率、基準容積率、地籍図、周辺写真、接道情報、入居家族、単・二・多世帯住宅、必要な居室、共有部分、居室の優先順位、希望する延床数、その他の必須項目、NG項目、生活スタイル、趣味、駐車台数、駐輪台数、その他の要望等を入力し、送信ボタンB1をクリックしてこれらの依頼内容情報C2を運営用サーバS(データベースサーバS2)に記憶させる。
【0025】
[3]参加者募集プロセスについて
[3-1]参加者募集画面の出力手段
次に本実施形態の建築コンペ支援システムでは、上記コンペ情報Cが運営用サーバSに登録された後、登録建築家の建築家端末P2に通知を行って建築家端末P2のモニタに図7に示す参加募集画面D3を出力する。なおコンペ情報Cの通知は、運営用サーバSによって自動的に行われ、建築家端末P2を運営用サーバに接続したときに建築家端末P2のモニタに参加募集画面D3が表示される。コンペ情報Cを通知する登録建築家の対象については、予め運営者によって設定された数や優先順位等の情報を踏まえてランダムに選択される。例えば、実績のある(参加回数や優勝回数の多い)登録建築家が優先して選択されるような設定や、同じ月内において既に上限数の通知がされた登録建築家を除く設定を運営者側で行うことができる。また参加募集画面D3には、依頼内容情報C2を表示することで登録建築家がコンペの内容を確認できる。
【0026】
[3-2]参加申込情報の入力手段
そして、上記登録建築家の建築家端末P2に出力された参加募集画面D3において、登録建築家が参加を希望する場合には参加ボタンをクリックや画面タッチすることで参加申込情報を入力できる。また本実施形態では、参加募集画面D3に有償参加申込のボタンB2と無償参加申込B3のボタンを表示することで選択入力を可能としている。これによりコンペ実績の無い、または少ない登録建築家であってもコンペに参加することができる。また参加募集画面D3で有償参加申込が選択入力されたときは、運営者側が予め設定した残り定員情報を1人減算する処理を行う。残り定員情報がゼロになった場合には、参加申込受付を終了し、建築家端末P2から新たな参加申込を行うことができなくなる。また予め設定された参加募集期間を過ぎても残り定員情報がゼロにならなかった場合には、運営用サーバSが他の登録建築家を選択して新たな参加募集の通知を行う。
【0027】
[4]参加者選択プロセスについて
[4-1]参加者選択画面の出力手段
次に本実施形態の建築コンペ支援システムでは、上記参加募集画面D3から入力された参加申込情報に基づき、運営用サーバSが参加申込をした登録建築家の識別情報A1(ニックネーム等)およびコンペ実績情報A3をリスト化して、図8に示す参加者選択画面D4を依頼者端末P1のモニタに出力する。なお参加者選択画面D4に表示される登録建築家のコンペ実績情報A3は、建築家情報Aとして登録建築家ごとに運営用サーバS(データベースサーバS2)に記憶され、コンペが終了するごとに蓄積、更新されていく情報である。コンペ実績情報A3としては、登録建築家が過去に提出した設計プラン情報(本実施形態では過去5回分)、過去の優勝回数、マイナス評価を受けた回数などが含まれる。これにより依頼者がコンペ実績情報A3を参考にして参加者を選択することができる。
【0028】
また本実施形態では、運営用サーバSにおいて、参加申込のあった登録建築家の優勝回数情報を比較し、優勝回数が多い順に登録建築家の識別情報A1を上位から下位に並べて表示している。また本実施形態では、コンペ実績情報A3に優勝回数情報に応じて変化するランク情報を含め、このランク情報に応じて建築家情報Aの表示欄の色等が変わるようにすることで、依頼者がコンペ実績の豊富な登録建築家を容易に判別できるようにしている。なおランク情報は、本実施形態ではプラチナ、ゴールド、シルバーの三段階としているが、四段階以上に設定することもでき、またランク情報の表示方法もアイコンや文字フォント等で行うこともできる。
【0029】
[4-2]参加者選択情報の入力手段
そして、上記依頼者端末P1に出力された参加者選択画面D4において、依頼者がリスト内から希望の登録建築家をチェック入力し、送信ボタンB1をクリックまたは画面タッチすることで参加者選択情報を入力できる。なお本実施形態では、依頼者が選択した登録建築家の人数と依頼条件によって料金が決定されるため、参加者選択画面D4に料金表を表示している。また依頼者が参加者選択情報を入力した後は、依頼者端末P1に決済画面が表示され(図示せず)、この決済画面において依頼者の支払い情報等を入力することで決済処理が行われる。
【0030】
[5]プラン提出プロセスについて
[5-1]プラン提出画面の出力手段
次に本実施形態の建築コンペ支援システムでは、上記参加者選択画面D4で所定人数の参加者が選択入力された後、運営者サーバSから選択された登録建築家の建築家端末P2のモニタに図9に示すプラン提出画面D5を出力する。本実施形態では、建築家端末P2のモニタに表示されるマイページ画面にコンペ情報Cの識別情報C1(依頼番号等)と一緒にプラン提出ボタンを表示し、このプラン提出ボタンをクリックまたは画面タッチすることでプラン提出画面D5が表示される。なお登録建築家のマイページ画面には、コンペ情報Cの識別情報C1(依頼番号等)の他にコンペの現状情報、提出期限情報、コンペ終了日、入金日等のコンペ経過情報Yが表示される。またこのマイページ画面には、建築家情報Aの編集ボタンも表示され、この編集ボタンをクリックして表示される建築家情報編集画面D6において建築家情報Aの確認・編集が可能となっている。
【0031】
[5-2]設計プラン情報の入力手段
【0032】
そして、上記プラン提出画面D5において、登録建築家が設計プラン情報(PDFファイル等)を添付して、送信ボタンをクリックしてこれらの設計プラン情報を運営用サーバS(データベースサーバS2)に記憶させる。なお設計プラン情報は、設計図面データとして利用されているものであれば、PDFファイル以外のCADファイルやイメージファイルであってもよい。なお予め設定されたプラン提出期日が経過した後は、運営用サーバSで提出受付を終了してプラン提出画面D5からの設計プラン情報の送信が行えなくなる。
【0033】
[6]提出プラン投票プロセスについて
[6-1]提出プラン投票画面の出力手段
次に本実施形態の建築コンペ支援システムでは、所定のプラン提出期日後に、期日内に参加者の建築家端末P2から運営用サーバSに送信された設計プラン情報Tがリスト化された図10に示す提出プラン投票画面D7を依頼者端末P1および参加者の建築家端末P2のモニタに表示する。なお本実施形態では、登録建築家から早く提出された設計プラン情報Tが提出プラン投票画面D7の上位に表示されるようにしているが、表示形式は任意に変更できる。また本実施形態では、提出プラン投票画面D7の各設計プラン情報Tの横に投票チェック欄B4を表示すると共に、マイナス評価チェック欄B5を表示している。
【0034】
[6-2]投票情報の入力手段
そして、上記提出プラン投票画面D7において、依頼者および参加している登録建築家は、依頼者端末P1および建築家端末P2から一番良い作品の投票チェック欄B4をクリックまたは画面タッチして選択し、送信ボタンB1をクリックすることで投票情報の入力送信を行うことができる。なお本実施形態では、依頼者が投票できる数(本実施形態では3票)を登録建築家が投票できる数(本実施形態では2票)よりも多くして、依頼者の評価が投票結果に強く反映されるようにしているが、投票数は全員一律とすることもできる。
【0035】
[6-3]マイナス評価情報の入力手段
また上記提出プラン投票画面D7において、依頼者および参加している登録建築家は、依頼者端末P1および建築家端末P2から粗末な作品等のマイナス評価チェック欄B5をクリックまたは画面タッチして選択し、送信ボタンB1をクリックすることでマイナス評価情報を入力できる。また本実施形態では、提出プラン投票画面D7でマイナス評価情報が入力されたとき、マイナス評価された旨の通知を運営用サーバSから運営者端末P3に自動的に送信される。これにより、マイナス評価された参加者に対して運営者が相応の措置を取ることができる。
【0036】
[7]結果発表プロセスについて
次に本実施形態の建築コンペ支援システムでは、上記投票が終了した後(コンペ終了後)、投票結果を依頼者端末P1および参加者の建築家端末P2をメールで送信(自動または手動)、またはマイページ画面に出力することができる。そして、運営用サーバSのコンペ実績情報A3の自動更新手段により、結果発表で投票数が最も多いプランを提出した登録建築家のコンペ実績情報A3に含まれる優勝回数情報を1回加算して書き換える。またコンペで提出した設計プラン情報Tは、登録建築家の過去の提出作品として建築家情報Aに蓄積される。また本システムでは、参加した登録建築家も投票を行うことにより専門家から評価される設計プランを優勝作品とすることができるため、依頼者がより客観的に提出作品の評価を行うことができる。またコンペ終了後は、有償参加の登録建築家に対して既定の報酬が支払われる。
【0037】
[8]運営者端末による設定情報の変更について
本実施形態の建築コンペ支援システムにおいては、運営者によってコンペの設定情報を適宜変更することができる。具体的には、運営用サーバSから運営者設定情報Eをリスト化した運営者設定画面D8を運営者端末P3のモニタに出力し、この運営者設定画面D8において運営者端末P3から運営者設定情報Eを変更入力して登録することで、設定情報の変更を行うことができる。本実施形態では、ランク設定情報、定数量設定情報、延べ坪数による金額設定情報(登録建築家一人当たりの料金設定情報)、参加者選択可能人数の設定情報、参加募集通知の自動配信設定情報、同時参加応募数の設定情報、各待ち時間の設定情報等を運営者設定情報Eとしているが、これ以外の設定情報を設けることもできる。
【符号の説明】
【0038】
1 依頼者端末 P2 建築家端末 P3 運営者端末 S 運営用サーバ S1 ウェブサーバ S2 データベースサーバ A 建築家情報 A1 識別情報 A2 資格情報 A3 コンペ実績情報 C コンペ情報 C1 識別情報 C2 依頼内容情報 F 依頼料金情報 Y コンペ経過情報 T 設計プラン情報 E 運営者設定情報 D1 建築家登録画面 D2 コンペ依頼画面 D3 参加募集画面 D4 参加者選択画面 D5 プラン提出画面 D6 建築家情報編集画面 D7 提出プラン投票画面 D8 運営者設定画面 B1 送信ボタン B2 有償参加ボタン B3 無償参加ボタン B4 投票チェック欄 B5 マイナス評価チェック欄
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11