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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023112093
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】恒温高湿度保管庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/00 20060101AFI20230803BHJP
【FI】
F25D23/00 302D
F25D23/00 302K
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023102093
(22)【出願日】2023-06-21
(62)【分割の表示】P 2022561973の分割
【原出願日】2021-11-10
(31)【優先権主張番号】P 2020187443
(32)【優先日】2020-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】519149456
【氏名又は名称】株式会社ZERO FOOD
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】弁理士法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮谷 茂
(57)【要約】
【課題】砕氷熱交換器を含む冷気温湿度変更部と送風装置とを備える、保管庫用の蒸発器において、庫内温度の安定とその消費電力および製氷のための消費水量を低減する。
【解決手段】複数の砕氷熱交換器を含む冷気温湿度変更部と、当該冷気温湿度変更部内に冷気を送風するための送風装置と、を備える恒温高湿度保管庫用の蒸発器であって、前記複数の砕氷熱交換器を軸線方向に垂直な断面視で、前記冷気の気流方向と垂直方向において、頭部が幅広で尾部に向かうにしたがって幅が小さくなる翼状とし、前記冷気の気流方向と垂直方向において隣接する前記砕氷熱交換器間で当該砕氷熱交換器の翼頭部と翼尾部とが隣合うように配置したことを特徴とする蒸発器で、蒸発器内で砕氷が積もって翼型を形成するため氷の表面積と体積を大きくし、庫内温度安定性と蒸発量を増大させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
恒温高湿度保管庫において用いられる蒸発器であって、
前記恒温高湿度保管庫の内部空間に設けられた壁部によって画定されている第1内部空間および第2内部空間のうち、第1内部空間に配置され、砕氷供給装置から砕氷が供給される内部空間を有する複数の砕氷熱交換器によって構成されている一または複数の冷気温湿度変更部と、
前記第1内部空間および前記第2内部空間の間で冷気を循環させるための送風装置と、を備え、
前記複数の砕氷熱交換器のそれぞれの側壁には複数の孔が設けられ、前記複数の砕氷熱交換器が、前記複数の孔が設けられた側壁の少なくとも一部が、前記送風装置による気流方向に沿って均等な間隔をおいて相互に対向するように前記第1内部空間に並列して配置されていることを特徴とする蒸発器。
【請求項2】
請求項1記載の蒸発器において、
前記砕氷交換器の全てが、互いに隣接して対をなす砕氷熱交換器同士の距離のそれぞれの前記複数の孔が設けられた側壁の前記間隔が等しくなるように3つ以上の前記砕氷熱交換器が前記第1内部空間に並列して配置されている蒸発器。
【請求項3】
請求項1または2記載の蒸発器において、
前記壁部と、当該壁部に対向する前記砕氷熱交換器の前記複数の孔が設けられた側壁と、の間隔と、が、前記送風装置による気流方向に沿って均等な間隔をおいて相互に対向するように、当該砕氷熱交換器が当該壁部により画定されている前記第1内部空間に配置されている蒸発器。
【請求項4】
請求項1~3のうちいずれか1項に記載の蒸発器において、
前記複数の砕氷熱交換器が同一形状に設計されている蒸発器。
【請求項5】
請求項1~4のうちいずれか1項に記載の蒸発器において、
前記砕氷熱交換器の側面の形状が、隣接しあう前記砕氷熱交換器のそれぞれの相互に対向する、前記複数の孔が設けられた側壁の少なくとも一部のそれぞれが、平面状、または、凸曲面形状および凹曲面形状のそれぞれに形成されている蒸発器。
【請求項6】
請求項1~5のうちいずれか1項に記載の蒸発器において、
前記複数の砕氷熱交換器のそれぞれが、横断面が翼状の筒状に形成され、前記複数の砕氷熱交換器の並列方向について一の砕氷熱交換器の翼頭部および翼尾部のそれぞれが、当該一の砕氷熱交換器に隣接する他の砕氷熱交換器の翼尾部および翼頭部のそれぞれに対して隣接するように配置されている蒸発器。
【請求項7】
恒温高湿度保管庫において用いられる蒸発器であって、
前記恒温高湿度保管庫の内部空間に設けられた壁部によって画定されている第1内部空間および第2内部空間のうち、第1内部空間に配置され、砕氷供給装置から砕氷が供給される軸線方向に延在する内部空間を有する複数の砕氷熱交換器によって構成されている一または複数の冷気温湿度変更部と、
前記第1内部空間および前記第2内部空間の間で冷気を循環させるための送風装置と、を備え、
前記複数の砕氷熱交換器のそれぞれの側壁には複数の孔が設けられ、
前記複数の砕氷熱交換器のそれぞれが軸線まわりの回転対称性を有する同一形状に設計され前記複数の砕氷熱交換器が当該軸線方向について並進対称性を有するような姿勢で格子状に配置されている蒸発器。
【請求項8】
請求項1~7のうちいずれか1項に記載の蒸発器において、
全ての砕氷熱交換器中に積もった砕氷塊の高さが前記砕氷供給装置の供給口付近で砕氷供給を停止する供給停止機構を備えている蒸発器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
恒温高湿度保管庫に使用する氷および水の蒸発器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、温度管理が必要な温度管理対象物である例えば、肉、魚および野菜等の食品を新鮮な状態で保管するために恒温高湿度保管庫(以下、「保管庫」という場合がある)が用いられている。一般に食品は、酵素活性が食品温度と正の相関があるため低温で保管するほど、その鮮度を保持しやすくなるので、恒温高湿度保管庫内の温度を低温にすることで、食品の鮮度を確保している。また、カビや菌等の増殖速度も0℃付近では非常に遅い。
【0003】
しかし、保管庫を低温にすると、例えば、食肉・魚介では、その7割乃至8割、青果では8割乃至9割以上を水分が占めているため、保管庫を-3℃以下の低温にして食品を長時間冷却すると凍結する。水が氷になると体積が膨張し、先に食品の細胞外液が凍結して大きな氷の結晶ができ、これにより細胞膜が外側から破壊され、その状態のまま凍結保存される。また、食品を保存する場合、食品の含水率以上の相対湿度でないと食品から周囲の空気に水蒸気が逃げて乾燥してしまう。即ち、食品を裸で保存する場合には、保管庫内の相対湿度を最低でも80%、望ましくは90%以上とする必要がある。また、従来の保管庫に設けられた前室は保管庫内の低温を保持する目的で設けられていたものであるため、保管庫の湿度保持に用いたものはない。
【0004】
その後、保管庫から出し、解凍すると、壊れた細胞から出た細胞内液および細胞間液が流れ出し、水分と共に味覚成分や栄養も失われ、食品自体の歯ざわりも悪くなる。水が氷の結晶に変わる温度は、氷結点(以下、「氷点」という。)と呼ばれ、氷点は純粋な水であれば1気圧環境で緩慢に冷却した場合、凍結開始温度は0℃である。しかし、食品等の温度管理対象物の内部に氷結物が生じないように、保管庫内の温度を高めにすると、食品を分解する酵素の活性が高くなり畜肉等の食品の鮮度を充分維持する温度とはならないため、従来の保管庫で庫内温度を0℃付近に設定すると、庫内温度変化により食品の凍結温度以下となり、食品内等に氷結物ができてしまうという問題があった。
【0005】
そこで、特許文献1には、砕氷熱交換器を含む冷気温湿度変更部が第1送風装置と第2送風装置との間に、第1送風装置および第2送風装置に隣接して配置されてなる保管庫用の蒸発器が開示されている。この冷気温湿度変更部は、砕氷部から供給された氷を有するので、基本冷気は、この氷と接触し、0℃付近の水蒸気を含む冷気となる。
【0006】
また、氷が融解し、融解した水分が気化することで、水蒸気が保管庫内に充満し、保管庫内は、その内部温度が0℃付近で、相対湿度100%付近の高湿度環境となる。したがって、当該保管庫内に収容された食品等は、約0℃付近かつ相対湿度100%付近で管理することで、その品質を維持することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第6559305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、当該蒸発器によれば、製氷機で製造された氷点下の砕氷が0℃に温められて氷表面に融解水を纏った状態となり、落下中の砕氷や蒸発器内に積もった砕氷塊(以下、「砕氷塊」という。)に風を当てることで表面融解水が蒸発して0℃付近の水蒸気が発生して保管庫内に送風される。通常運転状態では該砕氷塊が蒸発器中で蒸発器の内形状に沿って下から上方向に形成されるため蒸発器とほぼ同形状の氷柱となっている。融解中や凍結中の氷や氷と水の混合物の温度はほぼ0℃または氷点付近となっている。氷点と同じ温度の比熱の大きな物質が大量に存在すると氷点温度付近の比熱と質量の積である熱容量が大きくなり庫内温度が氷点付近で安定する。しかし、特許文献1では、蒸発器の総内容積が小さいため該砕氷塊の総量が少ない。また、送風が該砕氷塊に当たる表面積が小さい。そのため加湿および冷却効率が悪く温度の安定性も低い。
【0009】
さらに、鉛直方向に垂直な断面視で翼状の砕氷熱交換器において、冷気温湿度変更部内の気流の気流方向に沿って、砕氷熱交換器断面の翼頭と翼頭とを隣接させ、当該方向において翼尾と翼尾とを隣接させて配置する場合は、送風装置から導入した気流は翼尾付近の砕氷熱交換器内部の隙間が小さいことに起因して内部風量が小さくなり、翼頭付近での砕氷熱交換器内部の隙間が大きいため流入する内部気流風量が大きくなる。このため砕氷熱交換器を含む冷気温湿度変更部内に於いて気流方向下流に行くにしたがって静圧が高くなるため、気流の通過流量が少なくなる。
【0010】
そこで、本発明は蒸発器の内部空間における砕氷の総体積および送風に接触する砕氷塊表面積の増大を図り、温度および湿度の安定性の向上を図りうる技術的手法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1態様の蒸発器は、
恒温高湿度保管庫において用いられる蒸発器であって、
前記恒温高湿度保管庫の内部空間に設けられた壁部によって画定されている第1内部空間および第2内部空間のうち、第1内部空間に配置され、砕氷供給装置から砕氷が供給される内部空間を有する複数の砕氷熱交換器によって構成されている一または複数の冷気温湿度変更部と、
前記第1内部空間および前記第2内部空間の間で冷気を循環させるための送風装置と、を備え、
前記複数の砕氷熱交換器のそれぞれの側壁には複数の孔が設けられ、前記複数の砕氷熱交換器が、前記複数の孔が設けられた側壁の少なくとも一部が、前記送風装置による気流方向に沿って均等な間隔をおいて相互に対向するように前記第1内部空間に並列して配置されている。
【0012】
本発明の第1態様の蒸発器によれば、複数の砕氷熱交換器のそれぞれの複数の孔が設けられた側壁の少なくとも一部が、送風装置による気流方向に沿って均等な間隔をおいて相互に対向するように、当該複数の砕氷熱交換器が第1内部空間に並列して配置されている。これにより、並列方向に隣接している砕氷熱交換器の相互に対向している側壁の当該少なくとも一部により挟まれた間隙を、気流がほぼ等速で安定に通過することができる。すなわち、並列方向に隣接している砕氷熱交換器の当該間隙を通過する空気流量の均等化が図られる。
【0013】
このため、従来技術に比較して、砕氷熱交換器のそれぞれの側壁に設けられた複数の孔を介して、当該砕氷熱交換器のそれぞれの内部空間に供給された破氷と、当該空気との接触効率の向上が図られる。その結果、砕氷熱交換器の内部空間が破氷により充満されていない状況では、当該内部空間における空気流量が確保されるので、砕氷表面の融解水と接触する空気量が増加して、より少ない量の砕氷で目標相対湿度に到達するため製氷量が減少して消費電力および消費水量を節約することができる。
【0014】
恒温高湿度保管庫とは、一定の庫内温度を保ち、かつ庫内の空気が庫内温度の飽和水蒸気量かそれに近しい水蒸気量を含み、相対湿度が80%~100%の状態で食品等が保管される保管庫である。
【0015】
第1態様の蒸発器において、前記砕氷交換器の全てが、互いに隣接して対をなす砕氷熱交換器同士の距離のそれぞれの前記複数の孔が設けられた側壁の前記間隔が等しくなるように3つ以上の前記砕氷熱交換器が前記第1内部空間に並列して配置されていることが好ましい。
【0016】
第1態様の蒸発器において、前記壁部と、当該壁部に対向する前記砕氷熱交換器の前記複数の孔が設けられた側壁と、の間隔と、が、前記送風装置による気流方向に沿って均等な間隔をおいて相互に対向するように、当該砕氷熱交換器が当該壁部により画定されている前記第1内部空間に配置されていることが好ましい。
【0017】
第1態様の蒸発器において、前記複数の砕氷熱交換器が同一形状に設計されていることが好ましい。
【0018】
第1態様の蒸発器において、前記砕氷熱交換器の側面の形状が、隣接しあう前記砕氷熱交換器のそれぞれの相互に対向する、前記複数の孔が設けられた側壁の少なくとも一部のそれぞれが、平面状、または、凸曲面形状および凹曲面形状のそれぞれに形成されていることが好ましい。
【0019】
第1態様の蒸発器において、前記複数の砕氷熱交換器のそれぞれが、横断面が翼状の筒状に形成され、前記複数の砕氷熱交換器の並列方向について一の砕氷熱交換器の翼頭部および翼尾部のそれぞれが、当該一の砕氷熱交換器に隣接する他の砕氷熱交換器の翼尾部および翼頭部のそれぞれに対して隣接するように配置されていることが好ましい。
【0020】
本発明の第2態様の蒸発器は、
恒温高湿度保管庫において用いられる蒸発器であって、
前記恒温高湿度保管庫の内部空間に設けられた壁部によって画定されている第1内部空間および第2内部空間のうち、第1内部空間に配置され、砕氷供給装置から砕氷が供給される軸線方向に延在する内部空間を有する複数の砕氷熱交換器によって構成されている一または複数の冷気温湿度変更部と、
前記第1内部空間および前記第2内部空間の間で冷気を循環させるための送風装置と、を備え、
前記複数の砕氷熱交換器のそれぞれの側壁には複数の孔が設けられ、前記複数の砕氷熱交換器のそれぞれが軸線まわりの回転対称性を有する同一形状に設計され前記複数の砕氷熱交換器が当該軸線方向について並進対称性を有するような姿勢で格子状に配置されている。
【0021】
本発明の第2態様の蒸発器によれば、軸線まわりの回転対称性を有するような同一形状に設計された複数の砕氷熱交換器が、当該軸線に垂直な方向について並進対称性を有するような姿勢で、当該複数の砕氷熱交換器が第1内部空間に格子状に配置されている。これにより、複数の砕氷熱交換器により挟まれた間隙を、気流がほぼ等速で安定に通過することができる。すなわち、格子状に配置された砕氷熱交換器の当該間隙を通過する空気流量の均等化が図られる。
【0022】
このため、従来技術に比較して、砕氷熱交換器のそれぞれの側壁に設けられた複数の孔を介して、当該砕氷熱交換器のそれぞれの内部空間に供給された破氷と、当該空気との接触効率の向上が図られる。その結果、砕氷熱交換器の内部空間が破氷により充満されていない状況では、当該内部空間における空気流量が確保されるので、砕氷表面の融解水と接触する空気量が増加して、より少ない量の砕氷で目標相対湿度に到達するため製氷量が減少して消費電力および消費水量を節約することができる。
【0023】
第1態様または第2態様の蒸発器において、全ての砕氷熱交換器中に積もった砕氷塊の高さが前記砕氷供給装置の供給口付近で砕氷供給を停止する供給停止機構を備えていることが好ましい。
【0024】
本発明の保管庫は第1態様または第2態様の蒸発器を備えた保管庫であって、前記保管庫の出入口を介して当該保管庫に連続する前室に加湿装置が設けられている。
【0025】
本発明の保管庫によれば、当該保管庫と比較して温度が高い前室に加湿装置が設けられることで保管庫の扉が開閉された際に、前室の比較的高温度の空気が保管庫の内部に進入しても低温では飽和水蒸気量が減少するために保管庫の内部の相対湿度に与える影響を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態としての保管庫の概略的な構成説明図。
図2】本発明の一実施形態としての蒸発器の概略的な構成説明図。
図3】本発明の一実施形態としての蒸発器のブロック図。
図4】本発明の他の実施形態としての蒸発器の概略的な構成説明図。
図5】本発明の他の実施形態としての蒸発器の概略的な構成説明図。
図6】本発明の他の実施形態としての蒸発器の概略的な構成説明図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1には、本発明の第1実施形態における恒温高湿度保管庫の概略構成を示されている。図2には、図1に示されている蒸発器の概略的な水平断面図または横断面図である。
【0028】
図1に示されているように、本実施形態では、恒温高湿度保管庫(以下「保管庫」という場合がある)10の内部空間(第2内部空間)に、庫内温度湿度センサ11および蒸発器20を備えている。庫内温度湿度センサ11は、保管庫10内の温度および湿度を計測するためのセンサである。
【0029】
なお、当該センサで受信した温度湿度は制御装置(コントローラ)27に送られて、当該制御装置27により、当該測定温度および当該測定湿度に基づき、以下に説明する第1送風装置および第2送風装置等の動作が制御される。図3には、上記制御装置を含むブロック図が示されている。
【0030】
保管庫10の第2内部空間には、肉、魚および野菜等の食品が保管物Sとして収容される。
【0031】
図1および図2に示されているように、蒸発器20は、第1送風装置21と、第2送風装置22と、第1送風装置21および第2送風装置22の中間に配置された冷気温湿度変更部23とを備えている。第1送風装置21および第2送風装置22のそれぞれは、例えば、電動モータ等の回転駆動装置と、当該回転駆動装置の出力軸に連結されて回転駆動される回転軸と、当該回転軸に対してその軸線方向とは垂直な方向に突出するように取り付けられている羽根と、により構成されている。冷気温湿度変更部23は、一定方向に並列して第1内部空間に配置された、複数の砕氷熱交換器(以下、「熱交換器」という場合がある)231~235により構成されている。
【0032】
第1送風装置21により第2内部空間から第1内部空間に取り込まれた空気が、砕氷熱交換器231~235を含む冷機温度変更部23を経由して第2送風装置により第1内部空間から第2内部空間に送り出される。第1送風装置21の第2送風装置22側には温度調節器24が配設されており、第1送風装置21から送られてくる第1気流CL1を冷気温湿度変更部23に送風する際の温度を制御するようになっている。
【0033】
図2に示されているように、各熱交換器231~235は、その軸線方向に垂直な断面視で、略弓形と当該弓形の弦を底辺とする略二等辺三角形とが7組み合わせられたような翼状である。略弓形の円弧または頂部が翼頭部231A~235Aを構成し、略二等辺三角形の頂部が翼尾部231B~235Bを構成している。複数の熱交換器231~235の並列方向(図2の上下方向)に隣接する熱交換器の間で一の熱交換器の翼頭部と他の熱交換機の翼尾部とが隣接するように、当該複数の熱交換器231~235が配置されている。
【0034】
図1および図2から明らかなように、熱交換器231~235のそれぞれは鉛直方向に対して軸線方向が略平行(30°以下の角度で傾斜している場合も含む。)に延在する、砕氷を導入するための内部空間を有する筒状体である。熱交換器231~235のそれぞれの上方には当該内部空間に砕氷を導入するためのスクリューコンベア(図示略)を設けた砕氷投入ガイド25および製氷機26が配設されている。また、本実施形態では、略翼筒状の熱交換器231~235が鉛直方向に対して略平行にその軸線方向が延在するような姿勢で配置されているが、略翼筒状の熱交換器231~235が水平方向に略平行にその軸線方向が延在するような姿勢で配置されていてもよい。
【0035】
また、熱交換器231~235の側壁には多数の孔が空いており、第1送風装置21から送られてきた第1気流が当該熱交換器の内部に出入りして、これら熱交換器231~235によって冷却加湿され、第2気流が形成されるようになっている。
【0036】
なお、本実施形態では、一定方向に並列して配置されている熱交換器の数が「5」であるが、2以上5未満であってもよく、6以上であってもよい。
【0037】
各熱交換器231~235は、例えばステンレス、銅等により作られており、例えば、これらの材料からなる金属板に多数の孔をパンチングで空けて折り曲げることで形成することができる。なお、第1送風装置21および第2送風装置22も、錆びにくい金属、例えばステンレスから形成することができる。
【0038】
本実施形態では、最初に、第1送風装置21によって第1冷気CL1が温8度調節器24に導入される。庫内温度が+1℃以上の場合、ここで、第1気流CL1の温度を例えば温度調節器24で-5~-10℃に制御した後、複数の熱交換器231~235からなる冷気温湿度変更部23に導入する。冷気温湿度変更部23では、各熱交換器231~235の内部に製氷機26から砕氷が砕氷投入ガイド25を介して導入される。
【0039】
すると、冷気温湿度変更部23に導入された第1気流CL1は、当該冷気温湿度変更部23を構成する各熱交換器231~235間の通気路SPを通過する間に、熱交換器231~235の内部空間に落下方式で供給される砕氷と熱交換器231~235の壁面を介して接触する。気流が熱交換器231~235の側壁に形成された孔を通じて当該熱交換器の内部空間に進入し、砕氷と直接的に接触することにより、第1気流CL1における水蒸気温度が温度調節器の冷風で表面融解水を凍結させ、凝固潜熱を放出して0℃まで昇温される。なお、0℃の水蒸気を含む冷気または気流CL2は、例えば庫内空気との混合により-1℃~+0.5℃の範囲である。
【0040】
また、砕氷投入を行うスクリューコンベアおよび製氷機のそれぞれの動作は、熱交換器235の砕氷投入口(例えば上部開口部)付近に設けた砕氷位置感知赤外線センサ(図示せず。)の出力信号に基づき、制御装置27によって制御される。具体的には、熱交換器231~235のそれぞれの内部空間に積もった砕氷塊の最上部の位置が所定の位置に到達したことを砕氷位置感知赤外線センサにより検知されるまで、スクリューコンベアおよび製氷機のそれぞれの動作が継続されることにより、当該熱交換器231~235のそれぞれの内部空間に砕氷が投入される。例えば、第一熱交換器231から順次232、233、234最終的に235が満杯となった時点で砕氷投入は停止する。投入停止後1時間でスクリューコンベアと製氷機の運転を再開して砕氷は投入される。砕氷塊形状は熱交換器の形状と同じく翼型となる。砕氷供給が続き満杯時には砕氷塊が砕氷供給口付近まで満たされる。満杯時と満杯時でない時を比較すると、満杯時に氷の体積と表面積が確保される。庫内の0℃よりも高い送風で砕氷塊が部位によって融解および気化、または昇華して砕氷塊は小さくなる。
【0041】
また、氷が融解し、融解した水分が気化して0℃の水蒸気が発生し、当該水蒸気が上記第1気流CL1と混合することにより、第2気流CL2が形成される。なお、上述のように、第1気流CL1が熱交換器231~235の側壁に形成された孔から当該熱交換器の内部空間に進入するので、第1気流CL1と水蒸気との混合効率が上昇する。
【0042】
第2気流CL2は温度が約0℃付近で、相対湿度80%~100%付近の冷気である。この第2気流CL2は第2送風装置22によって保管庫10内に導入される。したがって、保管庫10内に収容された食品等の保管物Sは、約0℃付近かつ相対湿度100%付近で管理され、その品質を維持することができる。
【0043】
なお、上述のように、保管庫10の第2内部空間の温度および湿度は、庫内温湿度センサ11で計測され、保管庫10の第2内部空間の温度が定常的に0℃付近に保持され、かつ、相対湿度が定常的に100%付近に保持されるように、制御装置27によって、第1送風装置21による第1気流CL1の風量、温度調節器24における第1気流CL1の温度調整、および冷気温湿度変更部23での導入砕氷量を調節できるようになっている。
【0044】
庫内温湿度センサ11での測定温度が+1℃より高い場合、例えば、図3に示すように、制御装置27によって、温度調節器24を運転し、例えば-10℃の冷風を冷気温湿度変更部23に送風する。庫内温湿度センサ11での測定温度が0℃より低い場合は、温度調節器24の運転を中止する。
【0045】
なお望ましくは、庫内温湿度センサ11での測定温度が+1℃未満で測定湿度が95%未満の場合、温度調節器を停止して、第1送風装置21および第2送風装置22を運転状態とし、庫内の0℃よりも高い温度の空気を蒸発器に当てて、保管庫10内の湿度を飽和湿度とする。測定湿度が100%の場合、製氷機26およびスクリューコンベヤの運転を停止する。但し、高温多湿の日本の本州以南においては庫内湿度が極端に低下することは少ない為、相対湿度による制御を省略しても良い。
【0046】
第1実施形態の蒸発器およびこれを備えている保管庫によれば、熱交換器231~235の翼頭部231A~235Aと翼尾部231B~235Bとが隣合うように配置しており、第1気流CL1の導入側の隙間と第2気流CL2の放出側の隙間、すなわち隣接する熱交換器により挟まれている通気路SPの間隔が気流方向に沿って略均等である。このため、第1気流CL1の導入側の風速と第2気流CL2の放出側の風速とがほぼ一定となる。したがって、熱交換器間の通気路SP、すなわち冷気温湿度変更部23内を冷気が安定して通過できる。このため、従来に比較して、冷気温湿度変更部内、すなわち蒸発器内の静圧が低くなり気流の通過風量が多くなる。結果として、通過風量が多くなるので、砕氷表面の融解水と接触する風量が増加してより、少ない量の砕氷で目標相対湿度に到達するため製氷量が減少して消費電力や消費水量を節約することができる。
【0047】
なお、温度調節器24が存在することによって、第1送風装置21から送風される第1気流CL1の温度を適宜調整することができ、冷気温湿度変更部23を通過する際に、その温度(約0℃)を簡易に制御できる。
【0048】
本実施形態では、蒸発器内の積もった砕氷塊断面形状が翼型となり、翼頭と翼尾を隣接させることで蒸発器内の砕氷塊体積および表面積を増大させ、しかも砕氷塊表面に当たる風量を増大させることで効率を上げることができる。
【0049】
特許文献1にしたがって、33m2のプレハブ式の0℃±1℃、相対湿度90%±5%の比較例の恒温高湿度保管庫(以下「保管庫ΛΛ」と言う。)が製造された。比較例の保管庫ΛΛが備えている蒸発器は、一の翼形筒状の熱交換器の翼頭部および翼尾部のそれぞれと、当該一の翼形筒状の熱交換器に並列された他の翼形筒状の熱交換器の翼頭部および翼尾部のそれぞれとが、当該並列方向について対向するように配置された複数の翼形筒状の熱交換器により構成されている冷気温湿度変更部を備えている。庫内が0℃、相対湿度90%付近になってから交流60Hz、単相100V、消費電力493Wの製氷機の1日の平均使用水量が計測された。
【0050】
本発明の一実施形態にしたがって実施例の保管庫(以下「保管庫ΛV」と言う。)が作製された。実施例の保管庫ΛVが備えている蒸発器は、一の翼形筒状の熱交換器の翼頭部および翼尾部のそれぞれと、当該一の翼形筒状の熱交換器に並列された他の翼形筒状の熱交換器の翼尾部および翼頭部のそれぞれとが、当該並列方向について対向するように配置された複数の翼形筒状の熱交換器により構成されている冷気温湿度変更部を備えている。比較例の計測条件と同一の条件下で製氷機の平均使用水量が計測された。
【結果】
【0051】
表1には実施例および比較例の当該計測結果が示されている。
【表1】
【0052】
表1に示されているように、実施例の保管庫によれば、比較例の保管庫と比較して使用電力量および消費水量を削減することができた。
【0053】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として掲示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置換、変更が可能である。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0054】
庫内設定温湿度が温度+10℃で相対湿度80%以上の高湿度の場合でも本方式で対応することが可能である。その場合は、砕氷供給を砕氷塊が蒸発器底面付近まで融解してから開始させることが望ましい。蒸発器内の砕氷塊の融解量を多くするためにスクリューコンベアの平均運転速度を遅くするため、砕氷供給手段中のガイド中で氷表面の融解が進み送風時の蒸発量を大きくすることができる。蒸発量が多くなれば気化熱で冷却できるため温度調節12器の負担が減り省電力となる。+10℃では魚のATPの分解速度が最も遅くなるので活かり気を求められる場合の鮮魚の鮮度保持に用いる事ができる。また、理由は不明だが、経験からワインや日本酒等の保存温度でも+10℃が適当と言われている。
【0055】
前記実施形態では壁部により画定された第1内部空間に第1送風装置21および第2送風装置22が配置されているが、第1送風装置21および/または第2送風装置22の構成要素の一部または全部が第2内部空間に配置されていてもよい。第1内部空間および第2内部空間の間で空気を循環させるため、2つではなく単一または3つ以上の送風装置が設けられていてもよい。送風装置による気流の流路に、冷気温湿度変更部が配置された別個の複数の第1内部空間が壁部により画定されていてもよい。
【0056】
各砕氷熱交換器の形状を上面視で翼状としているが、通気路SPを確保することができ、通過風量を確保することができて、砕氷表面の融解水と接触する風量が増加してより、少ない量の砕氷で目標相対湿度に到達させることができ、製氷量を減少させて消費電力や消費水量を節約することができれば、その形状は翼状でなくてもよい。
【0057】
例えば、図4に示されているように、図4の左右方向に延在する一対の壁部30、31により画定されている第1内部空間に略長方形筒状に形成された複数の砕氷熱交換器2311~2315が、図4の上下方向に並列して配置されている。砕氷熱交換器2311~2315のそれぞれは、図4の左右方向に一対の長辺側壁が延在するように(かつ図4の上下方向に一対の短辺側壁が延在するように)配置され、当該長辺側壁には複数の孔が穿設されている。略長方形筒状の砕氷熱交換器2311~2315のそれぞれの内部空間には、製氷機から砕氷が供給される。
【0058】
図4に示されている複数の砕氷熱交換器2311~2315は全て同一形状に設計されているが、並列方向に隣接する砕氷熱交換器の相互に対向する側壁の一部の間隔が通気方向に略均等である範囲で、当該隣接する砕氷熱交換器のそれぞれの形状が相違していてもよい。例えば、隣接する砕氷熱交換13器がともに長方形筒状であって当該長方形が相似の関係にあってもよい。
【0059】
一方の壁部30とこれに最も近い砕氷熱交換器2311との間隔D1と、他方の壁部31と、これに最も近い砕氷熱交換器2315との間隔D2と、が等しくなるように、砕氷熱交換器2311および2315が第1内部空間に配置されている。当該間隔D1およびD2が相違していてもよい。
【0060】
図4に示されている並列方向(図4の上下方向)に相互に隣接する砕氷熱交換器2311~2315の間隔d1、d2、d3およびd4が等しくなるように、当該熱交換器2311~2315が第1内部空間に配置されている。一の対をなす熱交換器の間隔と、他の対をなす熱交換器の間隔とが相違していてもよい。
【0061】
D1=D2=d1=d2=d2=d3=d4という等式が成り立つように当該間隔が設計されている。D1=D2≠d1=d2=d2=d3=d4という関係式が成り立つように当該間隔が設計されていてもよい。
【0062】
図4に示されているように、並列方向に隣接する砕氷熱交換器の長辺側壁の全部が相互に対向しているが、並列方向に隣接する砕氷熱交換器の長辺側壁の一部のみが相互に対向するように当該砕氷熱交換器が配置されていてもよい。例えば、砕氷熱交換器2311がX軸方向(図4の左右方向)にずれて配置されていてもよい。
【0063】
相互に対向する砕氷熱交換器の側壁が略平面状である。そのほか、一方の砕氷熱交換器の側壁の少なくとも一部が凸曲面形状(横断面における一方の砕氷熱交換器の輪郭のうち当該側壁の少なくとも一部が凸曲線)に設計され、他方の砕氷熱交換器の側壁の少なくとも一部が凹曲面形状(横断面における他方の砕氷熱交換器の輪郭のうち当該側壁の少なくとも一部が凹曲線)に設計され、当該側壁の少なくとも一部により挟まれた間隙が、曲率が略一定の曲板状または曲率の極性が変化しない曲板状であってもよい。
【0064】
図5に示されている本発明の第2実施形態としての蒸発器は、略正六角形筒状に形成され、その中心軸線が正三角形格子状に配置されている複数の砕氷熱交換器2321~2331により構成されている冷気温湿度変更部2314を備えている。
【0065】
複数の砕氷熱交換器2321~2331は、その軸線方向に垂直な方向について並進対称性を有するような姿勢で第1内部空間に配置されている。例えば、図5に示されているように、複数の砕氷熱交換器2321~2331は、相互に対向する一対の側壁が、第1内部空間を画定する一対の壁部に対して略平行に配置されている。少なくとも当該一対の側壁のそれぞれに複数の孔が穿設されている。略正六角形筒状の砕氷熱交換器2321~2331の内部空間には、製氷機から砕氷が供給される。
【0066】
図6に示されている本発明の第2実施形態としての蒸発器は、略円筒状に形成され、その中心が正四角形格子状に配置されている複数の砕氷熱交換器2341~2352により構成されている、冷気温湿度変更部23を備えている。
【0067】
一方の壁部30とこれに最も近い砕氷熱交換器2341との間隔D12と、他方の壁部31と、これに最も近い砕氷熱交換器2352との間隔D22と、が等しくなるように、砕氷熱交換器2341および2352が第1内部空間に配置されている。当該間隔D12およびD22が相違していてもよい。
【0068】
図4に示されている並列方向(図4の上下方向)に相互に隣接する砕氷熱交換器2341~2352の間隔d12、d22およびd32が等しくなるように、当該熱交換器2341~2352が第1内部空間に配置されている。一の対をなす熱交換器の間隔と、他の対をなす熱交換器の間隔とが相違していてもよい。
【0069】
D12=D22=d11=d21=d31という等式が成り立つように当該間隔が設計されている。D12=D21≠d12=d22=d32という関係式が成り立つように当該間隔が設計されていてもよい。
【0070】
図5図6の格子の方向についての砕氷熱交換器の間隔は、気流の流れやすさを勘案して適当に設計されている。
【0071】
回転対称性を有する同一形状に設計された複数の熱交換器が、正三角格子15状ではなく、斜方格子状、正方格子状、矩形格子状または平行体格子状など、他の格子状に配置されていてもよい。
【0072】
熱交換器が、略正六角筒状のほか、略円筒状、略楕円筒状、略正多角形筒状など、中心軸線まわりの回転対称性を有する形状であってもよい。熱交換器が略円筒状である場合のように、隣接する熱交換器のそれぞれの側壁により挟まれる空間または通気路が、送風装置による気流方向に沿って延在していなくてもよい。
【符号の説明】
【0073】
10‥低温高湿度保管庫
11‥庫内温度湿度センサ
20‥蒸発器
21‥第1送風装置
22‥第2送風装置
23‥冷気温湿度変更部
231、232,233,234,235、2311~2315、2321~331、341~2352‥砕氷熱交換器
231A~235A‥砕氷熱交換器の翌頭
231B~235B‥砕氷熱交換器の翌頭
24‥温度調節器
25‥砕氷投入ガイド
26‥製氷機
27‥制御装置
CL1、CL2‥気流
d1~d4、d12、d22、d32‥砕氷熱交換器の間隙
D1、D2‥砕氷熱交換器と筐体との間隙SP通気路
X‥横方向
Y‥奥行き方向
Z‥高さ方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-06-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間が壁部によって第1内部空間および第2内部空間に画定されている恒温高湿度保管庫であって、
前記第1内部空間に配置され、内部空間に氷を保持する複数の熱交換器によって構成されている一または複数の冷気温湿度変更部と、
前記第1内部空間および前記第2内部空間の間で冷気を循環させるための送風装置と、を備え、
前記複数の熱交換器のそれぞれの側壁には複数の通気口が設けられ、
隣り合う熱交換器の間隙であって、当該隣り合う熱交換器のそれぞれの前記複数の通気口が設けられた側壁の少なくとも一部が対向しあう間隙に前記冷気が流れるように、前記複数の熱交換器が前記第1内部空間に配置されている
恒温高湿度保管庫
【請求項2】
請求項1に記載の恒温高湿度保管庫において、
前記送風装置が、前記第2内部空間から前記第1内部空間に空気を取り込み、第1気流として前記複数の熱交換器に送る第1送風装置と、前記第1気流が前記複数の熱交換器により冷却かつ加湿されて生成された第2気流を前記第1内部空間から前記第2内部空間に送る第2送風装置と、を備えている
恒温高湿度保管庫
【請求項3】
請求項2に記載の恒温高湿度保管庫において、
前記第1送風装置と前記複数の熱交換機との間に設けられ、前記第1気流の温度を調節するための温度調節器を備えている
恒温高湿度保管庫
【請求項4】
請求項3に記載の恒温高湿度保管庫において、
前記温度調節器が、前記第1気流の温度を-10℃~-5℃に調節する
恒温高湿度保管庫
【請求項5】
請求項3または4に記載の恒温高湿度保管庫において、
前記第2気流の温度が-1℃~+0.5℃である
恒温高湿度保管庫
【請求項6】
請求項5に記載の恒温高湿度保管庫において、
前記第2気流の相対湿度が80%~100%である
恒温高湿度保管庫
【請求項7】
請求項3~6のうちいずれか1項に記載の恒温高湿度保管庫において、
前記第2内部空間の温度を計測する庫内温度センサと、
前記庫内温度センサにより計測された前記第2内部空間の温度が目標温度範囲に保持されるように、前記庫内湿度センサにより計測された前記第2内部空間の湿度が目標湿度に保持されるように、前記第1送風装置による前記第1気流の風量、前記温度調節器における前記第1気流の温度、および、前記複数の熱交換器のそれぞれの内部空間における氷の保持量のうち少なくとも1つを調節する制御装置と、を備えている
恒温高湿度保管庫
【請求項8】
請求項7に記載の恒温高湿度保管庫において、
前記第2内部空間の湿度を計測する庫内湿度センサを備え、
前記制御装置が、前記庫内湿度センサにより計測された前記第2内部空間の湿度が目標湿度に保持されるように、前記第1送風装置による前記第1気流の風量、前記温度調節器における前記第1気流の温度、および、前記複数の熱交換器のそれぞれの内部空間における氷の保持量のうち少なくとも1つを調節する
恒温高湿度保管庫
【請求項9】
請求項1~8のうちいずれか1項に記載の恒温高湿度保管庫において、
前記複数の熱交換器がステンレスまたは銅により構成されている
恒温高湿度保管庫
【請求項10】
請求項1~9のうちいずれか1項に記載の恒温高湿度保管庫において、
前記複数の熱交換器のそれぞれが横断面が翼状の筒状に形成され、一の熱交換器の翼頭部および翼尾部のそれぞれが、当該一の熱交換器前記間隙をおいて隣り合う他の熱交換器の翼尾部および翼頭部のそれぞれに対して隣り合うように配置されている
恒温高湿度保管庫
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、恒温高湿度保管庫に関する。