IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社小糸製作所の特許一覧

<>
  • 特開-車両用灯具 図1
  • 特開-車両用灯具 図2
  • 特開-車両用灯具 図3
  • 特開-車両用灯具 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023011211
(43)【公開日】2023-01-24
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 45/10 20180101AFI20230117BHJP
   F21S 45/47 20180101ALI20230117BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20230117BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230117BHJP
【FI】
F21S45/10
F21S45/47
F21W103:20
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021114937
(22)【出願日】2021-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(72)【発明者】
【氏名】小杉 一貴
(72)【発明者】
【氏名】山本 薫
(72)【発明者】
【氏名】村中 契太
(57)【要約】
【課題】光源に接続される抵抗器の発熱による光源への影響を抑制することを可能とする技術を提供する。
【解決手段】車両用灯具は、電源と接続される光源と、光源が搭載された搭載部と、電源から光源に電力が供給される際に電源から電力が供給されるように配置された抵抗器と、搭載部に接続されており、抵抗器を支持する支持部と、を備え、抵抗器は、搭載部の光源が搭載されている側と反対側の空間に配置されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源と接続される光源と、
前記光源が搭載された搭載部と、
前記電源から前記光源に電力が供給される際に前記電源から電力が供給されるように配置された抵抗器と、
前記搭載部に接続されており、前記抵抗器を支持する支持部と、
を備え、
前記抵抗器は、前記搭載部の前記光源が搭載されている側と反対側の空間に配置されている、車両用灯具。
【請求項2】
前記支持部は、前記搭載部の前記反対側の面に接続される接続部と、前記接続部と結合しており前記搭載部から離れる方向に向かって延びた突出部と、前記突出部と結合しており前記抵抗器を支持する支持面と、を有する、
請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記支持部は、前記搭載部の前記反対側の面に接続される第1接続部と、前記搭載部の前記反対側の面に接続される第2接続部と、前記第1接続部および前記第2接続部と結合しており前記搭載部から離れる方向に凹んだ凹部と、を有し、
前記抵抗器は、前記凹部の内側において支持されている、
請求項2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記凹部は、
前記抵抗器を中央に支持する矩形状の支持面と、
前記支持面が有する一辺および前記第1接続部と結合している第1突出部と、
前記支持面が有する前記一辺と対向する一辺および前記第2接続部と結合している第2突出部と、を有する、
請求項3に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記凹部は、前記支持面が有する前記第1突出部または前記第2突出部が結合していない一辺と結合しており、前記支持面から前記搭載部に向かう方向に延びた板部を、さらに有し、
前記板部の端部は、切り欠き部を有する、
請求項4に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、車両の方向指示灯に用いられる光源を白熱球からLED(Light Emitting Diode)に変更することが行われている。一般的にはLEDの消費電力は白熱球の消費電力よりも小さいため、光源を白熱球からLEDに変更すると光源の消費電力が減少する。この消費電力の減少により、光源の点灯を制御する制御ユニットが光源の断線状態を誤って検出する可能性がある。
【0003】
特許文献1には、白熱球に代えてLEDを方向指示灯に使用する場合には、方向指示灯に並列にキャンセラー抵抗を挿入し、このキャンセラー抵抗に電流を流すことによって制御ユニットに流れる電流を増加させ、誤った断線状態の検出を抑制することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-141340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本発明者らは、以下のようなキャンセラー抵抗の課題を認識するに至った。すなわち、キャンセラー抵抗に電流を流すと、キャンセラー抵抗において発熱が生じる。このとき、たとえばLEDが搭載されている空間にキャンセラー抵抗が配置されていると、キャンセラー抵抗の発熱によりLEDが影響を受ける可能性がある。
【0006】
本発明は係る状況においてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、光源に接続される抵抗器の発熱による光源への影響を抑制することを可能とする技術の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の車両用灯具は、電源と接続される光源と、光源が搭載された搭載部と、電源から光源に電力が供給される際に電源から電力が供給されるよう配置された抵抗器と、搭載部に接続されており、抵抗器を支持する支持部と、を備え、抵抗器は、搭載部の光源が搭載されている側と反対側の空間に配置されている。この態様によれば、抵抗器と光源との間の距離がとられるため、抵抗器の発熱による光源への影響が抑制される。
【0008】
支持部は、搭載部の反対側の面に接続される接続部と、接続部と結合しており搭載部から離れる方向に向かって延びた突出部と、突出部と結合しており抵抗器を支持する支持面と、を有してよい。これにより、抵抗器と光源が搭載されている部材との間の距離が大きくなるため、抵抗器の発熱による光源への影響がより確実に抑制される。
【0009】
支持部は、搭載部の反対側の面に接続される第1接続部と、搭載部の反対側の面に接続される第2接続部と、第1接続部および第2接続部と結合しており搭載部から離れる方向に凹んだ凹部と、を有し、抵抗器は、凹部の内側において支持されてよい。これにより、抵抗器の発熱による光源への影響を抑制しつつ、抵抗器が車両用灯具とは別の部材と接触することが抑制される。
【0010】
凹部は、抵抗器を中央に支持する矩形状の支持面と、支持面が有する一辺および第1接続部と結合している第1突出部と、支持面が有する一辺と対向する一辺および第2接続部と結合している第2突出部と、を有してよい。これにより、抵抗器と2つの支持部との距離をより大きくすることができるため、より確実に抵抗器の発熱による光源への影響が抑制される。
【0011】
凹部は、支持面が有する第1突出部または第2突出部が結合していない一辺と結合しており、支持面から搭載部に向かう方向に延びた板部を、さらに有し、板部の端部は、切り欠き部を有してよい。これにより、切り欠き部を通して、たとえば抵抗器あるいは光源に電力を供給するためのケーブルなどを支持部の内側に挿入することが可能となる。
【0012】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、光源に接続される抵抗器の発熱による光源への影響を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る車両用灯具の斜視図である。
図2】同実施形態に係る車両用灯具を裏側から見た図である。
図3】同実施形態に係る支持部の構成を示す図である。
図4】同実施形態に係る車両用灯具の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用灯具1を正面から斜めに見た斜視図である。車両用灯具1は、車両に搭載される各種のランプであってよく、たとえば、トラックの側面に取り付けられる方向指示器などであってよい。
【0016】
図1に示すように、本実施形態に係る車両用灯具1は、搭載部10(ボディ)、搭載部10に搭載されたLED12(光源)、およびランプカバー15を含む。搭載部10は、各種の樹脂により構成されてよい。本実施形態では、搭載部10には、ランプカバー15が設けられており、搭載部10とランプカバー15との間に灯室の空間が形成されている。LED12は、この灯室の空間に配置されている。LED12は、車体のバッテリ(電源)と接続され、バッテリから電力が供給されることにより発光する。LED12が発した光は、透明なランプカバー15を透過して、外部に照射される。
【0017】
本実施形態では、車体に取り付けられている灯具を変更するもの例を説明し、変更前の灯具の光源は白熱球であり、変更後の本実施形態に係る車両用灯具1の光源はLED12であるものとする。なお、本実施形態では、光源がLED12である例について説明するが、光源は、光を発することが可能な各種のデバイスであってよい。光源をLEDに変更することにより、光源が白熱球である場合と比べて、光源の寿命および信頼性を向上させることができる。
【0018】
図2は、本実施形態に係る車両用灯具1を裏側(搭載部10のLED12が搭載されている側と反対側)から見た図である。図2に示すように、本実施形態に係る車両用灯具1は、搭載部10の裏側の面に接続された支持部20を備えており、支持部20にはLED12に電力を供給するケーブル40が挿入されている。
【0019】
支持部20は、内側に抵抗器(図2に図示しない。)を支持する。支持部20の内側の構成については、図3を参照して後述する。支持部20が支持する抵抗器は、LED12が発光する際に、電力が供給されて発熱する。これにより、光源を変更したことによる消費電力の減少が補填される。
【0020】
支持部20は、各種の金属により構成されてよい。支持部20が金属により構成されることにより、抵抗器が発した熱を支持部20は素早く拡散できる。この結果、搭載部10あるいは搭載部10に搭載された光源への抵抗器の発熱による影響がより確実に抑制される。
【0021】
本実施形態に係る支持部20は、搭載部10に接続されている第1接続部220と、搭載部10に接続されている第2接続部230と、第1接続部220および第2接続部と結合しており搭載部10から離れる方向に凹んだ凹部21を備えている。
【0022】
本実施形態に係る凹部21は、上述の抵抗器を支持し、2つの孔212,214を有している。抵抗器は、この2つの孔212,214において、リベット固定されている。第1接続部220および第2接続部230は、それぞれ横方向に伸びた形状を有しており、左右の端部に孔が形成されている。本実施形態では、これらの孔にネジを通して搭載部10に接続することにより、第1接続部220および第2接続部230は搭載部10に接続されている。
【0023】
詳細には、第1接続部220の左側の端部および右側の端部には、ネジ500および502がそれぞれ通されており、第1接続部220が搭載部10の裏側の面に接続されている。また、第2接続部230の左側の端部および右側の端部には、ネジ504およびネジ506がそれぞれ通されており、第2接続部230が搭載部10の裏側の面に接続されている。なお、本実施形態では、4カ所にネジ500,502,504,506が通されることにおり、支持部20が搭載部10に接続される例を説明したが、これに限らず、支持部20は、1~3カ所で搭載部10に接続されてもよいし、5カ所以上の箇所で搭載部10に接続されてもよい。
【0024】
また、本実施形態では、支持部20は、車体に接続される。具体的には、支持部20に形成されている孔に通されたネジを車体に接続することにより、支持部20が車体に固定される。詳細には、第1接続部220に設けられている2つの孔に通されたネジ510および512が車体に接続されることにより、第1接続部220は車体に接続される。また、第2接続部230に設けられている孔に通されたネジ514が車体に接続されることにより、第2接続部230は車体に接続される。なお、本実施形態では、3カ所にネジ510,512,514が通されることにより支持部20が車体に接続される例を説明したが、これに限らず、支持部20は、1あるいは2カ所で車体に接続されてもよいし、4カ所以上の箇所で車体に接続されてもよい。
【0025】
本実施形態に係るケーブル40は、車体に搭載されたバッテリ41(電源)から光源に電力を供給するケーブルである。本実施形態では、ケーブル40は、凹部21の右下に設けられた切り欠き部から凹部21の内側に挿入され、凹部21の左下に設けられた切り欠き部から外側に出ている。また、ケーブル40は、固定具432(コードクランプ)によって第1接続部220に固定されており、固定具44(コードクランプ)によって搭載部10に固定されている。さらに、ケーブル40は、凹部21の右上に設けられた切り欠き部から再度凹部21の内側に挿入されている。
【0026】
図3を参照して、支持部20の構成についてより詳細に説明する。図3は、支持部20の内部構成を説明するための図である。図3に示すように、支持部20は、凹部21と、凹部21と結合した第1接続部220、第2接続部230、第1板部240および第2板部250を備える。支持部20は、抵抗器30を支持しており、ケーブル40が挿入されている。
【0027】
抵抗器30は、電熱線および筐体を備えてよい。抵抗器30は、搭載部10のLED12が搭載されている側と反対側の空間に配置されている。また、抵抗器30は、本実施形態のように、搭載部10とランプカバー15との間に形成された灯具の空間の外側の空間に配置されてよい。なお、抵抗器30は、搭載部10と接触しないように配置されていることが好ましい。これにより、抵抗器30の発熱によるLED12あるいは搭載部10への影響がより確実に抑制される。また、抵抗器30は、バッテリからLED12に電力が供給される際にバッテリから電力が供給されるように配置されている。より詳細には、抵抗器30は、ケーブル40を用いて、搭載部10に搭載されたLED12と並列に接続されるように配置されている。
【0028】
本実施形態に係る抵抗器30は、車両用灯具の光源を白熱球などからLED12に変更したことに伴う消費電力の減少を補填するための抵抗器である。白熱球から白熱球よりも消費電力の小さいLEDに光源を変更すると、光源の断線状態が誤って検出されたり、光源が通常よりも速く点滅(「ハイフラッシャー」あるいはこれを略して「ハイフラ」ともいう。)したりする。このため、光源をより消費電力の小さいものに変更する場合には、減少する消費電力を補填して、総消費電力を光源の変更前と同等にすることが求められる。
【0029】
たとえば、変更前の光源が消費電力21W(24V)の白熱球であるとする。また、変更後の光源が総消費電力7.5Wの4つのLEDであるとする。この場合、白熱球の消費電力とLEDの消費電力との差分13.5Wを消費する抵抗器を光源に接続する。これにより、車体のバッテリ41からケーブル40を介してLEDに電力が供給される際に、そのバッテリ41から抵抗器にも電力が供給され、これらの電力が白熱球の消費電力と同等となる。この結果、光源の変更前後における消費電力の変化を小さくなり、誤った断線状態の検出およびハイフラッシャーなどが抑制される。
【0030】
図3に示すように、本実施形態に係る凹部21は、抵抗器30を支持する略矩形状の支持面210、第1突出部260および第2突出部270を有する。第1突出部260は、支持面210が有する一辺および第1接続部220と結合しており、搭載部10から離れる方向に向かって延びた部材である。また、第2突出部270は、支持面210が有する第1突出部260が結合している一辺と対向する一辺および第2接続部230と結合しており、搭載部10から離れる方向に向かって延びた部材である。
【0031】
第1接続部220は、左右に伸びた形状を有し、左右の両端部に2つの孔222,224を有する。本実施形態では、これらの孔222,224は、第1接続部220を搭載部10に接続するネジを通すために用いられる。また、第1接続部220は、孔222,224よりも中央側に2つの孔226,228を有している。本実施形態では、これらの孔226,228は、第1接続部220を車体に接続するネジを通すために用いられる。さらに、第1接続部220は、孔224と孔228との間に孔229を有している。本実施形態では、この孔229は、ケーブル40を第1接続部220に固定するために用いられる。
【0032】
第2接続部230は、左右に伸びた形状を有し、左右の両端部(端部231および端部233)に2つの孔232,234を有する。本実施形態では、これらの孔232,234は、第2接続部230を搭載部10に接続するネジを通すために用いられる。また、第2接続部230は、孔232,234よりも中央側に孔236を有している。本実施形態では、この孔236は、第2接続部230を車体に接続するネジを通すために用いられる。
【0033】
本実施形態では、抵抗器30は、第1接続部220(あるいは第2接続部230)から裏側に突出した第1突出部260(あるいは第2突出部270)に結合した支持面210により支持されている。このため、第1接続部220の搭載部10に接続されている部分(具体的には、孔222,224付近)と抵抗器30との距離がとられる。あるいは、第2接続部230の搭載部10に接続される部分(具体的には、孔232,234付近)と抵抗器30との距離がとられる。この結果、抵抗器30が発した熱による搭載部10あるいはLED12への影響が、より確実に抑制される。
【0034】
また、本実施形態では、抵抗器30は、支持面210の中央に配置されている。さらに、第1接続部220および第2接続部230において、搭載部10と接続される部分は、これらの支持部の端部に形成されている。このため、抵抗器30を第1接続部220および第2接続部230の搭載部10に接触する部分から遠ざけることができる。これにより、抵抗器30の発熱による搭載部10およびLED12への影響が、より確実に抑制される。
【0035】
さらに、本実施形態では、抵抗器30は、凹部21の内側において支持されている。このため、抵抗器30が凹部21の外側に配置されている部材等と接触することが抑制される。
【0036】
なお、抵抗器30が配置される位置および支持部20の形状は、各種条件が満たされるように適宜設計されてよい。たとえば抵抗器30が発熱する際に、支持部20が搭載部10に接続される部分(具体的には、孔222,224,232,234付近)の温度が100℃(樹脂11Aの耐熱温度)以下になるように、支持部20の形状および抵抗器30の位置が設計されてよい。
【0037】
本実施形態では、支持面210は、第1接続部220および第2接続部230のいずれも結合していない辺に、搭載部10に向かうように形成されている板状の第1板部240および第2板部250が設けられている。詳細には、第1板部240は、支持面210の左側の辺と結合しており、支持面210から搭載部10に向かう方向に延びた板状の部材である。また、第2板部250は、支持面210の右側の辺と結合しており、支持面210から搭載部10に向かう方向に延びた板状の部材である。
【0038】
本実施形態に係る第1板部240の端部は、ケーブル40を挿入可能な大きさを有する切り欠き部242,244を有する。また、第2板部250の端部は、ケーブル40を挿入可能な大きさを有する切り欠き部252を備える。本実施形態では、第1板部240および第2板部250の切り欠き部にケーブル40を通過させることにより、ケーブル40を内部に納入したり外側に出したりできる。
【0039】
ケーブル40は、車両のバッテリから電力を供給する配線と、この配線を覆う部材と、コネクタ450とを含む。配線を覆う部材は、車両のバッテリ側の保護チューブ410および補強部材420,430,440を含む。
【0040】
保護チューブ410は、内部に配置されている配線を保護するチューブであり、たとえば、PVC(ポリ塩化ビニル)などのチューブであってよい。
【0041】
補強部材420は、第1板部240の切り欠き部244を通過して、凹部21の内部に挿入される部材である。補強部材420は、切り欠き部244の表面、第2突出部270および第2接続部230の端部231と当接し、支持部20に固定されている。また、補強部材430は、第2板部250の切り欠き部252を通過して、凹部21の内部から外側に取り出される部材である。補強部材430は、切り欠き部252の表面、第2突出部270および第2接続部230の端部234と当接し、支持部20に固定されている。これらの補強部材420,430は、樹脂により構成されてよく、たとえば、ポリプロピレンにより構成されたコルゲートチューブなどであってよい。これにより、切り欠き部を通過するケーブル40の強度が高められるため、切り欠き部との接触によるケーブル40の摩耗が抑制される。
【0042】
補強部材430は、固定具を用いて第1接続部220に固定されている。より具体的には、第1接続部220の孔229にネジを通して、そのネジを補強部材430に取り付けられた固定具に接続することにより、補強部材430が第1接続部220に固定される。
【0043】
補強部材440は、補強部材430よりも小さい外径を有し、補強部材430の先端の内側から伸びており、第1板部240の切り欠き部242を通過して凹部21の内部に挿入されている。補強部材440は、樹脂により構成されてよく、たとえばコルゲートチューブなどであってよい。
【0044】
固定具44は、補強部材440を搭載部10に固定する。本実施形態に係る固定具44は、補強部材440に取り付けられる取り付け部442と、取り付け部442と結合した固定部444を備える。取り付け部442は、孔を有しており、この孔に補強部材440が通されることによって、取り付け部442が補強部材440に取り付けられる。また、固定部444は、搭載部10に結合可能に構成されている。
【0045】
以上、ケーブル40の配線を覆う部材について説明した。次いで、ケーブル40の配線について説明する。
【0046】
補強部材420から取り出された配線402は、分岐点404において2方向に分岐している。一方の配線408は、抵抗器30の一端に接続されており、他方の配線405は、補強部材430に挿入されている。また、抵抗器30の他端に接続されている配線406は、分岐点404に戻って、補強部材430に挿入される。
【0047】
補強部材430に挿入された配線は、第1板部240の切り欠き部242を通過する補強部材440から取り出される。取り出された配線446は、搭載部10に接続される円形の接続部材520に挿入されている。さらに、配線446の先端には、LED12に接続されるコネクタ450が接続される。
【0048】
図4は、本実施形態に係る車両用灯具1の分解斜視図である。図4には、主として、ランプカバー15、LED12を搭載する搭載部10、搭載部10の表側に配置される各種部材、支持部20、抵抗器30およびケーブル40が示されている。なお、図2,3を参照して説明した支持部20、抵抗器30およびケーブル40の構成については図2,3と同一の符号を付し、ここでは説明を省略する。図3に示した円形の接続部材520は、搭載部10に設けられた円形の孔120に嵌め込まれることにより、搭載部10に接続される。
【0049】
本実施形態に係る車両用灯具は、搭載部10の表側に配置される構成として、主として、LEDケーブル130、搭載部材150、LED基板180、LED12およびランプカバー15を備える。
【0050】
LEDケーブル130は、LED12が形成されたLED基板180に電力を供給するケーブルである。LEDケーブル130は、LEDコネクタ132と、LEDコネクタ132に電気的に接続された端子134,136,138を備える。LEDコネクタ132は、ケーブル40が備えるコネクタ450が接続される。このように本実施形態では、LED12は、LEDコネクタ132を介して、ケーブル40と接続される。
【0051】
搭載部材150は、搭載部10の表面に配置され、LED基板180が配置される部材である。搭載部材150は、たとえばアルミニウムなどの金属により構成されてよく、これによりLED12が発する熱を素早く拡散できる。本実施形態に係る搭載部材150は、互いに交差しており、LED基板180が配置される4つの面を有している。これらの4つの面には、搭載部材150とLED基板180とを絶縁するための絶縁シート170,172,174,176が配置される。
【0052】
搭載部材150には、搭載部10に固定するための3つの孔152,155(残り1つの孔の図示は省略。)が設けられている。これらの孔にネジ162,164,166を通して搭載部10に設けられた穴122,124,126に締め付けることにより、搭載部材150が搭載部10に固定される。
【0053】
LED基板180は、4つのLED12a,12b,12c(4つ目のLEDは不図示。)が形成された基板である。絶縁シート170,172,174,176が配置された搭載部材150の表面に配置される。また、LED基板180は、8つのネジ191~198を用いて、搭載部材150に固定される。
【0054】
以上、本実施形態に係る車両用灯具の構成について説明した。
【0055】
トラック用のRCL(リアコンビネーションランプ)などの車両用灯具では、LEDなどの光源が配置される内部空間が比較的広いため、この内部空間に抵抗器を配置することは可能であった。しかしながら、車両用灯具の内部空間が広くない場合には、内部空間に抵抗器を配置すると、抵抗器の発熱により内部空間の温度が上昇してLEDが大きな負荷を受ける場合がある。また、LEDが搭載されている樹脂の部品に抵抗器自体をそのまま配置すると、抵抗器の発熱により樹脂が損傷する可能性がある。
【0056】
本実施形態に係る車両用灯具によれば、LEDが搭載されている搭載部10に接続された支持部20において、搭載部10の裏側において抵抗器30が支持される。このため、抵抗器30による発熱が、LED12および樹脂の搭載部10に影響を与えることが抑制される。
【0057】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0058】
上記実施形態では、抵抗器30を支持する支持面210の形状が略矩形状である例について説明した。これに限らず、支持面の形状は、たとえば、3角形あるいはn角形(nは、5以上の整数)であってもよい。この場合であっても、支持面の一辺に搭載部10に向かって突出した突出部が結合しており、この突出部が搭載部10に接続された接続部と結合してよい。
【符号の説明】
【0059】
1 車両用灯具、 10 搭載部、 12 LED、 20 支持部、 21 凹部、 30 抵抗器、 40 ケーブル、 41 バッテリ、 150 搭載部材、 210 支持面、 220 第1接続部、 230 第2接続部、 240 第1板部、 250 第2板部、 260 第1突出部、 270 第2突出部
図1
図2
図3
図4