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特開2023-112133探測設備及びそのパラメータ調整方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023112133
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】探測設備及びそのパラメータ調整方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 17/931 20200101AFI20230803BHJP
   G01S 17/42 20060101ALI20230803BHJP
【FI】
G01S17/931
G01S17/42
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023102741
(22)【出願日】2023-06-22
(62)【分割の表示】P 2020539238の分割
【原出願日】2018-04-09
(31)【優先権主張番号】201810046646.1
(32)【優先日】2018-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201810046634.9
(32)【優先日】2018-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201810046635.3
(32)【優先日】2018-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201810046647.6
(32)【優先日】2018-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】519434972
【氏名又は名称】上海禾賽科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Hesai Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.2 Building,No.468 XinLai Road,Jiading District,Shanghai,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】叶良▲ちぇん▼
(72)【発明者】
【氏名】毛勝平
(72)【発明者】
【氏名】王瑞
(72)【発明者】
【氏名】朱雪洲
(72)【発明者】
【氏名】向少卿
(72)【発明者】
【氏名】李一帆
(57)【要約】
【課題】本発明は探測設備及びそのパラメータ調整方法を提供する。
【解決手段】探測設備は、環境情報をリアルタイムに採集して取得するリアルタイム採集モジュールと、位置情報をリアルタイムに取得するリアルタイム位置情報取得モジュールと、取得された前記環境情報及び前記位置情報のうちの少なくとも1つにより前記探測設備の目標パラメータ値を確定するパラメータ確定モジュールと、確定された目標パラメータ値により前記探測設備のパラメータをリアルタイムに調整するパラメータ調整モジュールとを含む。本発明は、探測設備のパラメータをリアルタイムに調整することにより、随時に変化しているいろいろな交通状況に適応させ、探測設備の探測の正確率を向上させることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
探測設備であって、
環境情報をリアルタイムに採集して取得するリアルタイム採集モジュールと、
位置情報をリアルタイムに取得するリアルタイム位置情報取得モジュールと、
取得された前記環境情報及び前記位置情報のうちの少なくとも1つにより前記探測設備の目標パラメータ値を確定するパラメータ確定モジュールと、
確定された目標パラメータ値により前記探測設備のパラメータをリアルタイムに調整するパラメータ調整モジュールと、を含むことを特徴とする探測設備。
【請求項2】
前記環境情報は、天気情報、交通情報、交通指示情報の少なくとも一つを含み、
前記位置情報は、絶対位置及びその絶対位置付近の地図情報を含み、
前記探測設備は、レーザレーダ、視覚センサ、ミリ波レーダ、レーザ測距器、赤外線暗視スコープの少なくとも一つを含み、
前記探測設備の目標パラメータは、探測設備の視野範囲、探測設備の波長、探測設備の水平レゾルーション、探測設備の垂直レゾルーション、探測設備の走査頻度、探測設備のビーム傾斜角及び探測設備のパウーの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の探測設備。
【請求項3】
前記探測設備は走査モジュールと複数のレーザ送受信モジュールを更に含み、
前記走査モジュールは、レーザパルス信号を空間に反射し、空間障害物により反射されたレーザパルスエコー信号を受信し、
各組の前記レーザ送受信モジュールは各レーザ送受信モジュールに対応するプリセット角度に前記走査モジュールに入射し、かつ少なくとも2つの前記レーザ送受信モジュールの所定の視野に重畳区域が存在することを特徴とする請求項1に記載の探測設備。
【請求項4】
前記重畳区域は、視野中心区域、視野中心の上方寄り区域又は視野中心の下方寄り区域であり、前記視野は縦方向の視野又は横方向の視野であり、
前記レーザ送受信モジュールは同軸のレーザ送受信モジュール又は非同軸のレーザ送受信モジュールであることを特徴とする請求項3に記載の探測設備。
【請求項5】
前記プリセット角度を配置することにより前記レーザ送受信モジュールに対応する視野の重畳区域を接合することを特徴とする請求項3に記載の探測設備。
【請求項6】
前記パラメータ確定モジュールは取得された現在の環境情報及び位置情報により所望の探測角度を生成する所望探測角度生成サブモジュールを含み、
前記パラメータ調整モジュールは前記所望の探測角度により前記探測設備の視野中心の指向角度を前記所望の探測角度に調整することを特徴とする請求項1に記載の探測設備。
【請求項7】
所望探測角度生成サブモジュールは、具体的に、
前記走行情報が平地走行であるか或いは前記交通情報が平地道路状況である場合、車両中心線と重合する角度を所望の探測角度とする第一の判断サブモジュールと、
前記走行情報が上り坂走行であるか或いは前記交通情報が上り坂道路状況である場合、車両中心線を下に傾けることによりプリセットの第一角度を形成しかつその角度を所望の探測角度とする第二の判断サブモジュールと、
前記走行情報が下り坂走行であるか或いは前記交通情報が下り坂道路状況である場合、車両中心線を上に傾けることによりプリセットの第二角度を形成しかつその角度を所望の探測角度とする第三の判断サブモジュールと、
前記走行情報が左折走行である場合、車両中心線を左に傾けることによりプリセットの第三角度を形成しかつその角度を所望の探測角度とする第四の判断サブモジュールと、
前記走行情報が右折走行である場合、車両中心線を右に傾けることによりプリセットの第四角度を形成しかつその角度を所望の探測角度とする第五の判断サブモジュールとを含むことを特徴とする請求項6に記載の探測設備。
【請求項8】
パラメータ確定モジュールは目標区域確定サブモジュールを含み、
前記目標区域確定サブモジュールは、取得された現在の環境情報によりレゾルーションニーズ及び視野ニーズを確定し、かつ前記レゾルーションニーズ及び前記視野ニーズにより目標区域を確定し、
前記パラメータ調整モジュールは前記レーザレーダの視野を前記目標区域に調整することを特徴とする請求項1に記載の探測設備。
【請求項9】
前記目標区域確定サブモジュールは、前記探測設備のリアルタイムポイントクラウドチャートにより第一の視野範囲の環境情報を取得した後、リアルタイムに取得した環境情報における擬似目標により第二の視野範囲の目標区域を確定し、かつ前記探測設備の視野を前記第二の視野範囲の目標区域に調整し、
前記第二の視野範囲の目標区域のレゾルーションは前記第一の視野範囲のレゾルーションより高く、第二の視野範囲の目標区域により前記擬似目標の高レゾルーション情報を取得することを特徴とする請求項8に記載の探測設備。
【請求項10】
車両周囲の環境情報をリアルタイムに採集して取得することと、
前記車両の位置情報をリアルタイムに取得することと、
取得された前記車両周囲の環境情報及び前記車両の位置情報のうちの少なくとも1つにより車載探測設備の目標パラメータ値を確定することと、
確定された目標パラメータ値により前記車載探測設備のパラメータをリアルタイムに調整することと、を含むことを特徴とする探測設備パラメータの調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本出願は、2018年1月17日に中国特許庁に提出した、出願番号が201810046646.1であり、名称が「車載探測設備及びそのパラメータの調整方法、媒体、探測システム」である出願と、出願番号が201810046634.9であり、名称が「レーザレーダ視野の重心指向の調整方法、媒体、レーザレーダシステム」である出願と、出願番号が201810046635.3であり、名称が「レーザレーダの視野の調整方法」である出願と、出願番号が201810046647.6であり、名称が「レーザレーダシステム、レーザレーダポイントクラウドデータの処理方法、読み取り可能な媒体」である出願とが含まれる4つの中国特許出願の優先権を主張し、それらの全文の内容は引用により本出願に取り込まれる。
【0002】
本出願は、自動運転の技術分野に属し、具体的には、探測設備及びそのパラメータ調整方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
車体周囲の目標の三次元座標モデルを探測し、周囲の環境を感知する目的を達成するため、レーザレーダは自動運転などの各種の分野に幅広く応用されている。無人運転技術の発展に伴って、大視野、高レゾルーション、遠測距は、レーザレーダの未来の主な発展方向になっている。
【0004】
高レゾルーションにより空間内レーザの分布はより密集し、人の目にとって安全なレーザパウー閾値は低下し、かつレーザレーダの測定可能な距離も低下してしまうので、レーザレーダの高レゾルーションと遠測距とは互いに矛盾している。また、ピクセルが同一であるレーザレーダにおいて、視野が大きくなることは画像のレゾルーションが低下することを意味するので、コストが変わらない場合、レーザレーダの大視野と高レゾルーションは互いに矛盾している。即ち視野が大きければ大きいほど、レゾルーションが低くなり、視野が小さければ小さいほど、レゾルーションが高くなる。従来のレーザレーダはその視野の大きさが一定である。例えば、Velodyne社の回転式機械レーザレーダHDL-64Eの場合、縦方向はN個の送受信モジュール対があり、一対の送受信モジュールは、縦方向のある角度の視野を1つずつ担当し、所定の視野区域に対応する。
【0005】
自動運転分野に用いられるレーザレーダにおいて、その視野の大きさは一定であるので、所定の状況において、レーザレーダの角度レゾルーションを高めるため、送受信モジュールの数量を増加させる必要があるが、それによりレーザレーダシステムの体積、電力消耗及びコストの増加を引き起こすおそれがある。また、人の目にとって安全な閾値を高め、測距を低減するおそれもある。
【発明の概要】
【0006】
従来の技術における技術課題を解決するため、本発明の実施例において、探測設備及びそのパラメータ調整方法を提供する。探測設備及びそのパラメータ調整方法の技術方案は以下のとおりである。
【0007】
第一の方面において、探測設備を提供する。その探測設備は、環境情報をリアルタイムに採集して取得するリアルタイム採集モジュールと、位置情報をリアルタイムに取得するリアルタイム位置情報取得モジュールと、取得された前記環境情報及び前記位置情報のうちの少なくとも1つにより前記探測設備の目標パラメータ値を確定するパラメータ確定モジュールと、確定された目標パラメータ値により前記探測設備のパラメータをリアルタイムに調整するパラメータ調整モジュールとを含む。
【0008】
第二の方面において、探測設備パラメータの調整方法を提供する。前記探測設備パラメータの調整方法は、車両周囲の環境情報をリアルタイムに採集して取得することと、前記車両の位置情報をリアルタイムに取得することと、取得された前記車両周囲の環境情報及び前記車両の位置情報のうちの少なくとも1つにより車載探測設備の目標パラメータ値を確定することと、確定された目標パラメータ値により前記車載探測設備のパラメータをリアルタイムに調整することと、を含む。
【0009】
本発明の技術的事項により次のような発明の効果を奏することができる。探測設備の周囲の環境情報及び車両の位置情報をリアルタイムに採集して取得した後、取得された車両周囲の環境情報及び車両の位置情報により探測設備の目標パラメータ値を確定し、確定された目標パラメータ値により探測設備のパラメータをリアルタイムに調整することにより、随時に変化しているいろいろな交通状況に適応させ、探測設備の探測の正確率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
以下、図面を参照することにより本明細書の具体的な実施形態をより詳細に説明する。
図1】本明細書の実施例が提供する探測設備パラメータの調整方法のフローチャートである。
図2】本明細書の実施例が提供する車載探測設備の構造模式図である。
図3】従来の技術におけるレーザレーダシステムの構造模式図である。
図4】本明細書の実施例が提供するレーザレーダシステムの構造模式図である。
図5】本明細書の実施例が提供するレーザレーダシステムの視野接合の模式図である。
図6】本明細書の実施例が提供するレーザレーダシステムの視野接合の模式図である。
図7】本明細書の実施例が提供するレーザレーダシステムの視野接合の模式図である。
図8】本明細書の実施例が提供するレーザレーダの視野中心指向の調整方法の詳細なフローチャートである。
図9】本明細書の実施例が提供する所望の探測角度の模式図である。
図10】本明細書の実施例が提供する走査装置の構造模式図である。
図11】本明細書の実施例が提供するレーザレーダの視野の模式図である。
図12】本明細書の実施例が提供するレーザレーダシステムの構造模式図である。
図13】本明細書の実施例が提供するレーザレーダの視野の調整方法の詳細なフローチャートである。
図14】本明細書の実施例が提供するレーザレーダの視野の大きさの模式図である。
図15】本明細書の実施例が提供するレーザレーダのポイントクラウドデータの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本分野の技術者が本明細書の方案をよりよく理解できるように、以下に、本明細書の実施例における図面を参照して、本明細書の実施例における技術方案を明瞭で、完全に説明するが、明らかに、説明する実施例は、全ての実施例ではなく、本明細書の一部の実施例に過ぎない。本明細書における実施例に基づいて、本分野の技術者が創造的な労働をしない前提で得られる全ての他の実施例は、いずれも本明細書の保護範囲に属すべきである。
【0012】
図1を参照すると、本発明の実施例において車載探測設備パラメータの調整方法を提供する。前記方法は以下のステップを含むことができる。
【0013】
ステップS101において、車両周囲の環境情報をリアルタイムに採集して取得する。
【0014】
具体的な実施例において、前記環境情報は、天気情報、交通情報、交通指示情報のうちの一種または複数種を含むことができる。前記交通情報は、路面状況に係る情報、例えば、路面の雨・雪・霧の状況、道路の平坦性の状況を含むことができ、交通状況、車両の走行状態に係る情報など、例えば、車の流れの渋滞の有無、路面の高強度の反射光の有無、車両の左折を含むこともできる。前記交通指示情報は、信号灯の指示情報、車線指示情報、道路指示板情報などを含むことができる。1つ又は複数の車載探測設備、例えばセンサ設備により車両周囲の環境情報をリアルタイムに採集して取得することができる。例えば、視覚センサにより信号灯、車線情報、道路標示板及び周囲の他の車両などの環境情報を取得することができる。前記車載探測設備は、レーザレーダ、視覚センサ、ミリ波レーダ、レーザ測距器、赤外線暗視スコープなどの環境センシング設備であるか或いは車体状態センシング設備であることができる。一つの可能な実施例において、車体状態センシング設備はINSであるか或いはGPSとINSの融合システムであることができる。
【0015】
一つの可能な実施例において、レーザレーダにより車両周囲の環境情報を取得する。レーザレーダはレーザパルス信号を発射することができ、発射されたレーザパルス信号は目標障害物に突き当たって反射されることにより探測システムに受信される。そのとき、レーザの往復時間を測定することにより所定の目標障害物の距離を計測することができる。例えば、飛行時間(Time of Flight、TOF)測定方法により所定の目標障害物の距離を計測することができる。目標区域の全体を走査して探測することにより、前記レーザレーダは最終の三次元画像を獲得することができ、その三次元画像には車両周囲の環境情報が含まれている。
【0016】
ステップS102において、前記車両の位置情報をリアルタイムに取得する。
【0017】
位置情報は車両の絶対位置及びその絶対位置の付近の地図情報を含むことができる。例えば、前記位置情報は車両の絶対位置及び前記絶対位置付近の高精度の地図情報を含むことができる。GPSナビゲーションシステム及びインターネットのリアルタイム地図により車両周囲の位置情報をリアルタイムに取得することができる。例えば、GPSナビゲーションシステムにより車両の絶対位置をリアルタイムに取得し、インターネットによりリアルタイムにダウンロードすることにより前記絶対位置付近の前記高精度の地図を取得することができる。高精度の地図は、基礎的な二次元道路データ、例えば車道標記、周辺基礎施設などを含むことができ、交通管制、道路施工、広域気象などのデータを更に含むことができ、かつ事故、渋滞状況及び周辺の車両、通行人及び信号灯などの常に変化している動的情報データを更に含むこともできる。前記動的データは、高い更新速度及び高い位置決め精度、例えば分間レベルまたは秒レベルの更新速度、センチメートルレベルの位置決め精度を有することができる。
【0018】
ステップS103において、取得された前記車両周囲の環境情報及び前記車両の位置情報により車載探測設備の目標パラメータ値を確定する。
【0019】
前記車載探測設備は、レーザレーダ、視覚センサ、ミリ波レーダ、レーザ測距器、赤外線暗視スコープのうちの一種又は複数種を含むことができる。前記車載探測設備がレーザレーダである場合、前記車載探測設備の目標パラメータは、レーザレーダの視野範囲、レーザレーダの波長、レーザレーダの水平レゾルーション、レーザレーダの垂直レゾルーション、レーザレーダの走査頻度、レーザレーダのビーム傾斜角及びレーザレーダのパウーのうちの一種又は複数種を含む。前記レーザレーダの視野範囲とは前記レーザレーダの視野の大きさを指す。前記車載探測設備がレーザレーダである場合、車両の走行過程において、環境情報及び位置情報をリアルタイムに採集して取得する。次に、リアルタイムに取得して獲得した前記環境情報及び前記位置情報により目標区域を生成し、かつ前記レーザレーダの視野が前記目標区域を向くように調整する。目標区域をリアルタイムに生成しかつレーザレーダが目標区域に向くように調整することができるので、コストを増加させず測距に影響を与えない前提下において、現在の環境情報及び位置情報に基づいて目標区域の大きさをリアルタイムに調整することができる。レーザレーダの視野の大きさをリアルタイムに調整することにより、レゾルーションが異なっているいろいろな状況に適応させることができる。
【0020】
一つの可能な実施例において、前記車載探測設備がレーザレーダである場合、車両の走行過程において、環境情報及び位置情報をリアルタイムに採集して取得する。次に、リアルタイムに取得して獲得した前記環境情報及び前記位置情報に基づいて所望の探測角度を生成し、かつ前記レーザレーダのビームの傾斜角を調整する。例えば、視野中心の指向角度を所望の探測角度とすることができる。所望の探測角度をリアルタイムに生成しかつレーザレーダが所望の探測角度に向くように調整することができるので、リアルタイムの環境情報及び位置情報によりレーザレーダのビーム傾斜角をリアルタイムに調整し、走行過程におけるいろいろな状況に適応させることができる。
【0021】
前記車載探測設備がレーザレーダである場合、現在の交通情報により所望の探測角度を生成する過程は次のとおりである。前記交通情報が平地道路の状況である場合、車両中心線と重合する角度を所望の探測角度とすることにより、より多くの周囲環境情報を取得する。前記交通情報が上り坂道路の状況である場合、車両中心線を下に傾けることによりプリセットの第一角度を形成しかつその角度を所望の探測角度とすることにより、より多くの地面環境情報を取得し、レーザレーダ視野が天空に向いてしまうことにより地面有効情報が紛失される問題を避けることができる。前記交通情報が下り坂道路の状況である場合、車両中心線を上に傾けることによりプリセットの第二角度を形成しかつ角度を所望の探測角度とすることにより、より多くの周囲環境情報を取得し、レーザレーダ視野が近い距離の環境情報しか取得できない問題を避けることができる。前記交通情報が左折走行である場合、車両中心線を左に傾けることによりプリセットの第三角度を形成しかつその角度を所望の探測角度とすることにより、より多くの左側の環境情報を取得する。前記交通情報が右折走行である場合、車両中心線を右に傾けることによりプリセットの第四角度を形成しかつその角度を所望の探測角度とすることにより、より多くの右側の環境情報を取得する。
【0022】
一つの可能な実施例において、前記車載探測設備がレーザレーダである場合、車両の走行過程において、車両周囲の環境情報、例えば路面障害物の反射率の大きさをリアルタイムに採集して取得する。次に、取得された前記環境情報により前記レーザレーダのパウーの値を確定しかつ前記レーザレーダのパウーを調整する。リアルタイムに採集する環境情報、例えば路面障害物の反射率の大きさによってレーザレーダのパウーを動的に調整することにより、障害物が漏れないことを保証し、かつレーザレーダの電力消費を低減することができる。
【0023】
一つの可能な実施例において、取得された前記車両周囲の環境情報及び前記位置情報により前記車両に対応する局部の環境地図を構築することができる。次に、前記局部の環境地図において、前記車両の周囲のプリセット区域を選択する。また、前記プリセット区域において、前記車両の局部の走行線路及び前記車載探測設備の目標パラメータ値を計算する。具体的な実施例において、前記プリセット区域において、交通規則及び安全上の要求により、前記車両が交通規則及び安全上の要求を満す局部の走行線路及び前記車載探測設備の目標パラメータ値を計算するか或いは、前記プリセット区域において、他の準則により前記車両の局部の走行線路及び前記車載探測設備の目標パラメータ値を計算することができるが、本発明の実施例はそれを制限しない。具体的な実施例において、前記車両の絶対位置情報、前記車両周囲の他の車両情報、道路環境感知情報と前記高精度の地図情報を融合させることにより前記車両に対応する局部の環境地図を作成するか或いは、他の位置情報及び環境情報により前記車両に対応する局部の環境地図を作成することができるが、本発明の実施例はそれを制限しない。
【0024】
ステップS104において、確定された目標パラメータ値により前記車載探測設備のパラメータをリアルタイムに調整する。
【0025】
前記車載探測設備に制御指令を送信することにより前記車載探測設備のパラメータをリアルタイムに調整するか或いは前記車載探測設備のパラメータを手動で調整することができるが、本発明はそれを制限しない。
【0026】
一つの可能な実施例において、車両が上り坂又は下り坂において走行する場合、リアルタイムの路面状況情報によりレーザレーダ又は視覚センサのビーム傾斜角、例えば仰俯角の値を確定する。次に、制御指令によりレーザレーダ又は視覚センサのビーム傾斜角を調整することができる。車両が高速道路において走行する時、正面の視野を多く注視し、車両が都市の街路において走行する時、視野範囲の全域を注視する必要がある。そのとき、環境情報及び位置情報をリアルタイムに採集することにより、前記車載探測設備は視野範囲をリアルタイムに調整しかつ目標障害物を見落とす確率を低減することができる。
【0027】
注意されたいことは、ステップS101及びステップS102は、異なっている2つの取得動作を区分することに用いられるものであるが、前記取得動作の具体的な順序を制限するものでない。具体的な実施例において、ステップS101を実行してからステップS102を実行するか或いは、ステップS102を実行してからステップS101を実行するか或いは、2つのステップを同時に実行することができる。車両周囲の環境情報をリアルタイムに採集して取得する車載探測設備とパラメータをリアルタイムに調整する車載探測設備とは、完全に一致するか或いは、一部分が一致するか或いは、完全に異なることができる。
【0028】
一つの可能な実施例において、車両周囲の環境情報をリアルタイムに採集して取得するための車載探測設備とパラメータをリアルタイムに調整する車載探測設備とは完全に一致することができる。例えば、レーザレーダにより車両周囲の環境情報をリアルタイムに採集して取得した後、確定された目標パラメータ値によりレーザレーダのパラメータをリアルタイムに調整するか或いは、視覚センサにより車両周囲の環境情報をリアルタイムに採集して取得した後、確定された目標パラメータ値により視覚センサのパラメータをリアルタイムに調整するか或いは、レーザレーダ、視覚センサにより車両周囲の環境情報をリアルタイムに採集して取得した後、確定された目標パラメータ値によりレーザレーダ、視覚センサのパラメータをリアルタイムに調整することができる。
【0029】
一つの可能な実施例において、車両周囲の環境情報をリアルタイムに採集して取得する車載探測設備とパラメータをリアルタイムに調整する車載探測設備とは完全に異なることができる。例えば、レーザレーダにより車両周囲の環境情報をリアルタイムに採集して取得した後、確定された目標パラメータ値により視覚センサのパラメータをリアルタイムに調整するか或いは、視覚センサ、赤外線暗視スコープにより車両周囲の環境情報をリアルタイムに採集して取得した後、確定された目標パラメータ値によりレーザレーダのパラメータをリアルタイムに調整するか或いは、車両周囲の環境情報をリアルタイムに採集して取得した後、確定された目標パラメータ値によりレーザレーダ、赤外線暗視スコープのパラメータをリアルタイムに調整することができる。
【0030】
一つの可能な実施例において、車両周囲の環境情報をリアルタイムに採集して取得する車載探測設備とパラメータをリアルタイムに調整する車載探測設備とは一部分が一致することができる。例えば、レーザレーダ、視覚センサにより車両周囲の環境情報をリアルタイムに採集して取得した後、確定された目標パラメータ値により視覚センサのパラメータをリアルタイムに調整することができる。
【0031】
以上のとおり、車両周囲の環境情報及び車両の位置情報をリアルタイムに採集して取得した後、取得された車両周囲の環境情報及び車両の位置情報により車載探測設備の目標パラメータ値を確定し、かつ確定された目標パラメータ値により車載探測設備のパラメータをリアルタイムに調整することができる。それにより随時に変化しているいろいろな交通状況に適応させ、車載探測設備の探測の正確率を向上させることにより、無人運転の正確性及び安全性を向上させることができる。
【0032】
図2に示すとおり、本分野の技術者が本発明を良く理解し実施してもらうため、本発明の実施例において、前記車載探測設備パラメータの調整方法を実施することができる車載探測設備を更に提供する。
【0033】
図2を参照すると、前記車載探測設備は、第一の取得モジュール、第二の取得モジュール、確定モジュール及び調整モジュールを含むことができる。
前記第一の取得モジュールは車両周囲の環境情報をリアルタイムに採集して取得するものである。
前記第二の取得モジュールは前記車両の位置情報をリアルタイムに取得するものである。
前記確定モジュールは、取得された前記車両周囲の環境情報及び前記車両の位置情報により載探測設備の目標パラメータ値を確定するものである。
前記調整モジュールは確定された目標パラメータ値により前記車載探測設備のパラメータをリアルタイムに調整するものである。
【0034】
具体的な実施例において、前記車載探測設備の作業の流れ及び原理として、前記実施例の方法における説明を参照することができるので、ここではそれを再び説明しない。
【0035】
図3に示すとおり、従来のレーザレーダシステムは1つの走査モジュール10及び1つのレーザ送受信モジュール11を含み、前記走査モジュール10は、前記レーザ送受信モジュール11が発射するレーザパルス信号を空間に反射し、空間の障害物に反射されてくるレーザパルスエコー信号を受信する。次に、前記レーザパルスエコー信号を前記レーザ送受信モジュール11に反射することにより空間の座標を測定する。前記レーザ送受信モジュール11が探測できかつエコー信号に対応する二次元空間はレーザレーダシステムの視野12である。従来のレーザレーダにおいて、角度レゾルーションを高めるため送受信モジュールの数量を倍増させる必要がある。送受信モジュールの数量を増加させると、コストを多く増加し、かつシステムの体積、複雑度が多く増加することによりシステムの信頼性を低下するおそれがある。また、縦方向の角度レゾルーションを高めることにより、非重要区域の無駄な情報が増加し、感知システムの処理の複雑度が高まるおそれがある。
【0036】
図4に示すとおり、本明細書の実施例においてレーザレーダシステムを提供する。前記レーザレーダシステムは走査モジュール21及び複数のレーザ送受信モジュール22を含む。前記走査モジュール21は、レーザパルス信号を空間に反射し、かつ空間障害物に反射されてくるレーザパルスエコー信号を受信する。各レーザ送受信モジュール22は、各レーザ送受信モジュールにそれぞれ対応するプリセット角度に前記走査モジュール21に入射し、かつ少なくとも2つのレーザ送受信モジュール22に対応する視野には重畳区域が存在する。具体的な実施例において、前記走査モジュール21は二次元検流計であることができる。前記二次元検流計は、複数のレーザ送受信モジュール22が発射するレーザパルス信号を空間に反射し、かつ空間障害物に反射されてくるレーザパルスエコー信号を受信する。
【0037】
具体的な実施例において、1つのレーザ送受信モジュールに対応する視野が小さく、特に、遠距離の区域の場合、レゾルーションも低いので、複数のレーザ送受信モジュールを用いることができる。各レーザ送受信モジュールは、各レーザ送受信モジュールにそれぞれ対応するプリセット角度に同一の走査モジュールに入射し、空間において複数の視野を形成する。適合なプリセット角度を設定する場合、複数の視野が空間のいろいろな区域で重畳することにより密集の視野を形成することができ、密集区域において、角度レゾルーションを倍に増加させることができる。
【0038】
複数のレーザ送受信モジュールにより空間において接合による複数の視野を形成し、それによりレーザレーダの視野の大きさを増大させることができる。
【0039】
複数のレーザ送受信モジュールはレーザレーダの視野の大きさを増大させることができるので、走査モジュールの視野の大きさに関する指標ニーズを低減し、他の性能パラメータが優れている走査モジュールを形成することができる。例えば、二次元検流計の視野の大きさに関する指標ニーズを低減し他の性能パラメータが優れている二次元検流計を形成することができる。
【0040】
一つの可能な実施例において、前記レーザ送受信モジュール22は発射光路と取込光路の光軸が重合する同軸のレーザ送受信モジュールを含む。本発明の他の実施例において、前記レーザ送受信モジュール22は発射光路と取込光路の光軸が重合しない非同軸のレーザ送受信モジュールを含むこともできる。
【0041】
具体的な実施例において、前記視野の重畳区域は視野中心の区域であるか或いは、視野中心の上方の区域であるか或いは、視野中心の下方の区域であることができる。実際のニーズに応じて適合なプリセット角度を設計することにより、重点として探測する区域を重畳区域にすることができる。
【0042】
具体的な実施例において、前記重畳区域は横方向(即ち水平方向)視野の重畳区域であるか或いは縦方向(即ち垂直方向)視野の重畳区域であることができる。
【0043】
具体的な実施例において、前記重畳区域は、二列の視野を接合させることにより形成するか或いは、三列の視野を接合させることにより形成するか或いは四列又はより多い視野を接合させることにより形成することができる。
【0044】
一つの可能な実施例において、図4のレーザレーダシステムに対応する視野接合の模式図は図5に示すとおりである。
【0045】
図5を参照すると、4つのレーザ送受信モジュール22で垂直方向に形成された基本視野31Aは、ポイントクラウドデータが少なく、角度レゾルーションが低く、視野範囲も小さいという欠点を有している。4つの視野を接合させることにより、大きい視野範囲を獲得することができ、かつ重畳区域32Aのポイントクラウドデータが多いことにより、角度レゾルーションが倍に増加する密集視野を形成することができる。
【0046】
本発明の別の実施例において、図4のレーザレーダシステムに対応する視野接合の模式図は図6に示すとおりである。
【0047】
図6を参照すると、2つのレーザ送受信モジュール22で垂直方向に形成された基本視野41Aは、ポイントクラウドデータが少なく、角度レゾルーションが低く、視野範囲も小さいという欠点を有している。2つの視野を接合させることにより、大きい視野範囲を獲得することができ、かつ重畳区域42Aのポイントクラウドデータが多いことにより、角度レゾルーションが倍に増加する密集視野を形成することができる。
【0048】
具体的な実施例において、近距離の場合、基本視野の低角度レゾルーションを用いても無人運転システムのレゾルーションニーズを満たすことができるが、遠距離の場合、大きさが同一である目標を識別するためより高い角度レゾルーションを用いる必要がある。実際の運転過程において、システムが主として注意するのは自動車の正面の区域の目標であるので、好適なプリセット角度を設計することにより、視野の重畳区域を正面の遠距離区域にすることができる。それにより、無人運転システムの近距離、遠距離でのレゾルーションが高い探測ニーズを満たすことができ、かつ非重要区域のレゾルーションの設計要求が低下することにより、レーザレーダの複雑度、コストなどを低減することができる。
【0049】
具体的な実施例において、前記重畳区域は垂直方向の視野の接合により形成されるか或いは水平方向の視野の接合により形成されることができる。
【0050】
本発明の他の実施例において、図4のレーザレーダシステムに対応する視野は図7に示すとおりである。4つのレーザ送受信モジュール22で水平方向に形成された基本視野51Aは、角度レゾルーションが低く、ポイントクラウドデータが少ないという欠点を有している。4つの視野を接合させることにより、大きい視野範囲を獲得することができ、かつ重畳区域52Aのポイントクラウドデータが多いことにより、角度レゾルーションが倍に増加する密集視野を形成することができる。
【0051】
前記レーザレーダシステムにおいて、好適なプリセット角度を設定する場合、少量のレゾルーションが低い送受信モジュールにより、空間において接合による重畳区域の複数の視野を形成することができる。重畳区域により遠距離でのレゾルーションが高い探測ニーズを満たし、かつ非重畳区域により非重要区域でのレゾルーションが低い設計要求を満たすことにより、感知システムの処理の複雑度を低減することができる。したがって、本発明の実施例において提供するレーザレーダシステムは、低いコスト及び低いシステムの処理の複雑度によりレーザレーダの角度レゾルーションを高めることができる。重畳区域において密集しているポイントクラウドデータを形成し、角度レゾルーションを倍に増加させることができるので、密集しているポイントクラウドデータに対して処理を行うことにより、レーザレーダの目標探測の正確率を向上させることができる。
【0052】
所定の実施例において、レーザレーダは視野中心の指向を調整することができないので、視野の偏移が生じることにより有効なポイントクラウドデータを採集することができない。例えば、自動車が坂を登る時、視野中心の指向を調整しなければ、レーザレーダの視野が天空に偏ってしまうので、多くの地面の有効情報が紛失されるおそれがある。
【0053】
一つの可能な実施例において、図8に示すとおり、まず現在の走行情報又は交通情報をリアルタイムに取得する。具体的な実施例において、従来のレーザレーダの視野中心は車体の座標に相対して固定しているので、それをいろいろな状況に適応させることができない。例えば、車両が坂を上る時、視野中心の指向角度が天空に偏ってしまうことにより、多くの地面の有効情報が紛失されるおそれがある。本発明の実施例において、現在の走行情報又は交通情報をリアルタイムに取得した後、リアルタイムに取得した走行情報又は交通情報によりレーザレーダの視野中心の指向角度を調整する。前記走行情報は、上り坂走行、下り坂走行、平地走行、左折走行、右折走行を含むことができる。前記交通情報は、上り坂道路状況、下り坂道路状況、平地道路状況を含むことができる。
【0054】
予めダウンロードした地図、例えば自己位置推定とマッピングの同時実行(Simultaneous Localization And Mapping、SLAM)により現在の交通情報をリアルタイムに取得するか或いは、前記レーザレーダが構築したポイントクラウドチャートにより現在の交通情報をリアルタイムに取得するか或いは、車載カメラにより撮像されたデータにより現在の交通情報をリアルタイムに取得することができる。
【0055】
自動運転システムの内部のセンサパラメータ、例えばハンドルパラメータにより現在の走行情報をリアルタイムに取得することができるが、本発明の実施例はそれを制限しない。
【0056】
取得された現在の走行情報又は交通情報により所望の探測角度を生成する。異なる走行方向又は異なる交通情報が異なる所望指向に対応するので、取得された現在の走行情報又は交通情報により所望の探測角度を生成することができる。所望の探測角度は横方向の視野に沿って変化するか或いは縦方向の視野に沿って変化することができるが、本発明の実施例はそれを制限しない。
【0057】
一つの可能な実施例において、取得された現在の走行情報又は交通情報と車両の中心線(即ち車体中央が車両の走行方向の正面に向く中心線)により以下のような所望の探測角度を生成することができる。前記走行情報が平地走行であるか或いは前記交通情報が平地道路状況である場合、車両中心線と重合する角度を所望の探測角度とすることにより多くの周囲環境情報を取得する。前記走行情報が上り坂走行であるか或いは前記交通情報が上り坂道路状況である場合、車両中心線を下に傾けることによりプリセットの第一角度を形成しかつその角度を所望の探測角度とすることにより、多くの地面環境情報を取得し、かつレーザレーダの視野が天空に向いてしまうことにより地面有効情報が紛失される問題を避けることができる。前記走行情報が下り坂走行であるか或いは前記交通情報が下り坂道路状況である場合、車両中心線を上に傾けることによりプリセットの第二角度を形成しかつその角度を所望の探測角度とすることにより、多くの周囲環境情報を取得し、かつレーザレーダ視野により近距離の環境情報しかを取得できない問題を避けることができる。前記走行情報が左折走行である場合、車両中心線を左に傾けることによりプリセットの第三角度を形成しかつその角度を所望の探測角度とすることにより、多くの左側の環境情報を取得する。前記走行情報が左折走行である場合、車両中心線を右に傾けることによりプリセットの第四角度を形成しかつその角度を所望の探測角度とすることにより、多くの右側の環境情報を取得する。
【0058】
図9に示すとおり、本分野の技術者が本発明を良く理解し実施してもらうため、本発明の実施例において所望の探測角度の模式図を提供する。
【0059】
図9を参照すると、前記所望の探測角度と車両中心線との関係は以下のとおりである。平地走行である場合、前記所望の探測角度212を車両中心線211と重合させることにより多くの周囲環境情報を取得する。上り坂走行である場合、前記所望の探測角度222が車両中心線221より低いことにより多くの地面環境情報を取得する。下り坂走行である場合、前記所望の探測角度232が車両中心線231より高いことにより多くの周囲環境情報を取得する。
【0060】
ステップS103において、生成された所望の探測角度により前記レーザレーダの視野中心の指向角度を前記所望の探測角度に調整する。
【0061】
具体的な実施例において、前記レーザレーダの走査装置のパラメータを調整することにより、前記レーザレーダシステムの視野中心の指向角度を前記所望の探測角度に制御することができる。前記走査装置は二次元検流計であることができる。その場合、二次元検流計は、前記レーザレーダのレーザパルス信号を二次元空間に発射し、かつ二次元空間から反射されてくるレーザパルスエコー信号を受信する。二次元検流計を用いる場合、レーザレーダの視野中心の指向角度を所望の探測角度に制御することにより、集成化、小型化のレーザレーダのエンジニアリングを容易に実施することができる。前記走査装置は2つの互いに垂直でありかつ独立して振動できる一次元検流計であることもできる。その場合、2つの一次元検流計により縦方向視野の走査及び横方向視野の走査をそれぞれ制御することができる。2つの検流計が走査する中心位置はそれぞれ、2つの一次元検流計により制御され、それによりレーザレーダ視野中心の指向角度の二次元を実現することができる。前記走査装置が二次元検流計である場合、前記二次元検流計の駆動電圧又は駆動電流を調節し、前記レーザレーダシステムの視野中心の指向角度を前記所望の探測角度に制御することができる。前記走査装置が2つの互いに垂直でありかつ独立して振動できる一次元検流計である場合、2つの前記一次元検流計の駆動電圧又は駆動電流を調節し、前記レーザレーダシステムの視野中心の指向角度を前記所望の探測角度に制御することができる。2つの一次元検流計を採用する方法は、簡単に制御できる利点を有しているが、システムの体積が大きくなるおそれがある。
【0062】
図10に示すとおり、本分野の技術者に本発明を良く理解し実施してもらうため、本発明の実施例において、走査装置の構造模式図を提供する。
【0063】
図10を参照すると、前記走査装置は一次元検流計31及び一次元検流計32により構成され、前記一次元検流計31と前記一次元検流計32とは互いに垂直でありかつ独立して回転することができる。
【0064】
具体的な実施例において、レーザレーダが発射するレーザパルス信号は、まず前記一次元検流計31に入射した後、前記一次元検流計32により反射される。その後、前記一次元検流計32により空間に反射され、前記一次元検流計32により空間から発射されてくるレーザパルスエコー信号を受信する。前記一次元検流計31及び前記一次元検流計32の回転方向は互いに垂直でありかつ独立して回転できるので、前記一次元検流計31及び前記一次元検流計32をそれぞれ独立して振動するように制御することができる。それにより前記レーザレーダの横方向視野の中心指向及び縦方向視野の中心指向を制御し、レーザレーダの視野中心の指向の二次元変化を実現することができる。
【0065】
具体的な実施例において、前記レーザレーダを二次元回転テーブルに配置し、前記二次元回転テーブルのパラメータ、例えば転向パラメータを調整し、前記レーザレーダシステムの視野中心の指向角度を前記所望の探測角度に制御することができる。
【0066】
図11に示すとおり、本分野の技術者が本発明を良く理解し実施してもらうため、本発明の実施例において、レーザレーダの視野範囲の模式図を提供する。
【0067】
図11を参照すると、レーザレーダ40が探測できる視野は二次元平面41であり、前記レーザレーダ40と前記二次元平面41の中心点42との間の角度は前記レーザレーダ40の視野中心の指向角度であることができる。
【0068】
前記方案を応用することにより、現在の走行情報又は交通情報をリアルタイムに取得した後、現在の走行情報又は交通情報により所望の探測角度を生成し、かつレーザレーダの視野中心の指向角度を所望の探測角度に調整することができる。リアルタイムの走行情報又は交通情報によりレーザレーダの視野中心の指向角度をリアルタイムに調整することにより、走行過程におけるいろいろな状況に適応させることができる。
【0069】
図12に示すとおり、本分野の技術者が本発明を良く理解し実施してもらうため、本発明の実施例において、前記レーザレーダ視野中心の指向の調整方法を実施できるレーザレーダシステムを更に提供する。前記レーザレーダシステムは、取得ユニット、生成ユニット及び調整ユニットを含むことができる。
前記取得ユニットは現在の走行方向又は交通情報をリアルタイムに取得するものである。
前記生成ユニットは取得された現在の走行情報又は交通情報により所望の探測角度を生成するものである。
前記調整ユニットは生成された所望の探測角度により前記レーザレーダの視野中心の指向角度を前記所望の探測角度に調整するものである。
【0070】
前記調整ユニットは、前記レーザレーダの走査装置のパラメータを調整し、前記レーザレーダシステムの視野中心の指向角度を前記所望の探測角度に制御するものであることもできる。
【0071】
具体的な実施例において、前記走査装置は二次元検流計であるか或いは互いに垂直でありかつ独立して振動できる2つの一次元検流計である。
【0072】
具体的な実施例において、前記走査装置が二次元検流計である時、前記調整ユニットは、前記二次元検流計の駆動電圧又は駆動電流を調節し、前記レーザレーダシステムの視野中心の指向角度を前記所望の探測角度に制御するものである。前記走査装置が互いに垂直でありかつ独立して振動できる2つの一次元検流計である時、前記調整ユニットは、二つの前記一次元検流計の駆動電圧又は駆動電流を調節し、前記レーザレーダシステムの視野中心の指向角度を前記所望の探測角度に調節するものである。
【0073】
本発明の実施例において、前記レーザレーダシステムは二次元回転テーブル(図示せず)を更に含み、前記調整ユニットは、前記二次元回転テーブルのパラメータを調整し、前記レーザレーダシステムの視野中心の指向角度を前記所望の探測角度に制御するものである。
【0074】
具体的な実施例において、前記取得ユニットは、予めダウンロードした地図、前記レーザレーダが構築したポイントクラウドチャート及びカメラにより撮像されたデータのうちの少なくとも一つの手段により、現在の交通情報をリアルタイムに取得するものである。
【0075】
具体的な実施例において、前記生成ユニットは、第一の生成サブユニット(図示せず)、第二の生成サブユニット(図示せず)、第三の生成サブユニット(図示せず)、第四の生成サブユニット(図示せず)、第五の生成サブユニット(図示せず)、第六の生成サブユニット(図示せず)及び第七の生成サブユニットを含む。
【0076】
第一の生成サブユニットは、前記走行情報が平地走行であるか或いは前記交通情報が平地道路状況である場合、車両中心線と重合する角度を所望の探測角度とするものである。
【0077】
前記第二の生成サブユニットは、前記走行情報が上り坂走行であるか或いは前記交通情報が上り坂道路状況である場合、車両中心線を下に傾けることによりプリセットの第一角度を形成しかつその角度を所望の探測角度とするものである。
【0078】
前記第三の生成サブユニットは、前記走行情報が下り坂走行であるか或いは前記交通情報が下り坂道路状況である時、車両中心線を上に傾けることによりプリセットの第二角度を形成しかつその角度を所望の探測角度とするものである。
【0079】
前記第四の生成サブユニットは、前記走行情報が左折走行である時、車両中心線を左に傾けることによりプリセットの第三角度を形成しかつその角度を所望の探測角度とするものである。
【0080】
前記第五の生成サブユニットは、前記走行情報が右折走行である時、車両中心線を右に傾けることによりプリセットの第四角度を形成しかつその角度を所望の探測角度とするものである。
【0081】
具体的な実施例において、前記レーザレーダシステムの作業の流れ及び原理は、前記実施例に提供した方法における説明を参照することができるので、ここではそれを再び説明しない。
【0082】
図13に示すとおり、一つの可能な実施例において、レーザレーダの視野の調整方法を提供し、その方法は以下のステップを含む。
【0083】
現在の交通情報をリアルタイムに取得する。従来のレーザレーダの視野(Field of View、FOV)の大きさが一定であるので、所定の状況において、レーザレーダの角度レゾルーションを高めるため、送受信モジュールの数量を増加させる必要がある。それによりレーザレーダシステムの体積、電力消費及びコストが向上するおそれがある。本発明は、現在の交通情報をリアルタイムに取得した後、取得された交通情報に応じてレーザレーダの視野の大きさをリアルタイムに調整することにより、いろいろな角度レゾルーションのニーズに適応させることができる。前記リアルタイムに取得した交通情報は探測された全ての目標情報であることができる。例えば、前記交通情報は前方の遠距離の場所に存在する擬似の車両目標であることができる。具体的には、予めダウンロードした地図例えば自己位置推定とマッピングの同時実行(Simultaneous Localization And Mapping、SLAM)により現在の交通情報をリアルタイムに取得するか或いは、前記レーザレーダが構築したポイントクラウドチャートにより現在の交通情報をリアルタイムに取得するか或いは、車載カメラにより撮像されたデータにより現在の交通情報をリアルタイムに取得することができる。
【0084】
取得された現在の交通情報によりレゾルーションニーズ及び視野ニーズを確定し、前記レゾルーションニーズ及び前記視野ニーズにより目標区域を確定する。前記の前記レゾルーションニーズ及び前記視野ニーズに応じて目標区域を確定することは以下の過程を含む。前記レゾルーションニーズが第一のレゾルーションでありかつ前記視野ニーズが第一の視野である場合、第一の範囲区域が目標区域であると決定する。前記レゾルーションニーズが第二のレゾルーションでありかつ前記視野ニーズが第二の視野である場合、第二の範囲区域が目標区域であると決定する。前記第一のレゾルーションは前記第二のレゾルーションより高く、前記第一の視野は前記第二の視野より小さく、前記第一の範囲区域は前記第二の範囲区域より小さい。具体的に、取得された現在の交通情報によりレゾルーションニーズ及び視野ニーズを確定した後、レゾルーションニーズ及び視野ニーズにより目標区域を確定することができる。例えば、前記交通情報が前方の遠距離の場所に存在する擬似の車両目標である時、レゾルーションが低くて目標を識別することができないので、現在のレゾルーションニーズは第一のレゾルーション、例えば高いレゾルーションであり、前記視野ニーズは第一の視野、例えば小さい視野であり、前方の遠距離の場所に存在する擬似の車両目標の周囲の第一の範囲区域、例えば小範囲区域を目標区域と決定することができる。それにより後続の前記レーザレーダが視野を縮小させて該目標区域を集中して走査し、より正確な情報を取得することができる。
【0085】
前記レーザレーダの視野を前記目標区域に調整する。具体的な実施例において、前記レーザレーダの視野を前記目標区域に調整する。即ち、前記レーザレーダを前記目標区域に向くように調整し、前記目標区域を探測する。具体的な実施例において、第一の範囲区域を目標区域として選択し、かつ前記レーザレーダの視野を前記目標区域に調整することができる。例えば、現在の交通情報により疑わしい目標点を見つけることができるが、レゾルーションに制限があることにより疑わしい目標点の完全な輪郭情報を取得できない。その場合、現在のレゾルーションのニーズは第一のレゾルーション、例えば高いレゾルーションであり、前記視野のニーズは第一の視野、例えば小さい視野であり、疑わしい目標点の周囲の第一の範囲区域、例えば小範囲区域を目標区域とし、前記レーザレーダが前記目標区域に向くように調整することができる。視野が小さくなるので、前記レーザレーダは疑わしい目標点の完全な輪郭情報を明瞭に識別することができる。完全な輪郭情報がある場合、無人運転システムの感知処理ユニットは簡単な処理によって疑わしい目標のタイプ及び他の重要な情報を判断することができ、それにより自動運転の信頼性を向上させることができる。具体的な実施例において、第二の範囲区域、例えば大範囲区域を目標区域として選択し、かつ前記レーザレーダの視野を前記目標区域に調整することができる。例えば、現在の交通情報により如何なる疑わしい目標点も見つけることができない時、現在のレゾルーションのニーズは第二のレゾルーション、例えば低いレゾルーションであり、前記視野のニーズは第二の視野、例えば大きな視野である。その場合、前記レーザレーダの視野範囲を拡大し、目標区域を確定し、かつ前記レーザレーダが前記目標区域に向くように調整することができる。それにより視野が大きくなるので、前記レーザレーダは周囲の所定の区域に対して広範囲の探測を行うことにより疑わしい目標点を見つけることができる。
【0086】
具体的な実施例において、前記レーザレーダの走査装置のパラメータを調整することにより前記レーザレーダシステムの視野を前記目標区域に制御することができる。
【0087】
本発明の実施例において、前記走査装置が二次元検流計である時、前記二次元検流計の駆動電圧を調節し、前記レーザレーダの視野を前記目標区域に制御する。
【0088】
具体的な実施例において、前記レーザレーダの光学パラメータを調整することにより前記レーザレーダシステムの視野を前記目標区域にすることもできる。
【0089】
本発明の実施例において、前記光学パラメータは発射光学システムのフォーカスパラメータ及び取込光学システムのフォーカスパラメータである。
【0090】
図14に示すとおり、本分野の技術者が本発明を良く理解し実施してもらうため、本発明の実施例においてレーザレーダの視野の大きさの模式図を提供する。
【0091】
図14を参照すると、前記レーザレーダのリアルタイムのポイントクラウドチャートにより大範囲視野の交通情報を取得する。次に、リアルタイムに取得した交通情報中の擬似車両により小範囲の目標区域を確定し、かつ前記レーザレーダの視野を前記小範囲目標区域に調整する。即ち前記レーザレーダが前記小範囲目標区域に向くように調整する。視野が小さいことにより、前記レーザレーダは擬似車両の完全な輪郭情報を明瞭に認識することができる。
【0092】
本分野の技術者が本発明を良く理解し実施してもらうため、本発明の実施例において、レーザレーダのポイントクラウドデータの模式図を提供する。図15に示すとおり、空間における目標車両に対して、大範囲視野を用いて探測されたポイントクラウドデータは…、小範囲視野を用いて探測されたポイントクラウドデータは…、明らかなように、大範囲視野で探測されたポイントクラウドデータ(図中の左側のポイントクラウドデータ)が少なく、二本しかなく、目標車両の輪郭情報を区別することができ、無人運転システムの感知処理ユニットは目標車両の具体的な情報を判断することができない。視野を縮小した後、小範囲視野により多くのポイントクラウドデータ(図中の右側のポイントクラウドデータ)を探測することができ、目標車両の輪郭情報を明瞭に区別することができ、無人運転の感知は簡単な処理によって目標車両のタイプ及び他の重要な情報を判断することができる。
【0093】
前記方案を応用することにより、現在の交通情報をリアルタイムに取得した後、取得された現在の交通情報により目標区域を確定し、かつ前記レーザレーダの視野を目標区域に調整することにより、コストを増加させず測距に影響を与えない前提下において、現在の交通情報により目標区域の大きさをリアルタイムに調整することができる。即ちレーザレーダの視野の大きさをリアルタイムに調整することにより、いろいろなレゾルーションに適応させることができる。
【0094】
本分野の技術者は、前記実施例の各種の方法における全部又は一部のステップが、プログラムによって関連するソフトウェアを命令して完成できるものであることを理解でき、該プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶することができ、記憶媒体は、ROM、RAM、ディスク又は光ディスクなどを含んでもよい。
【0095】
以上の記述は、本明細書の好ましい実施例に過ぎず、本明細書を制限するためのものではなく、本明細書の精神及び原則内に行った如何なる修正、同等の変更、改良などは、いずれも本明細書の保護範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2023-06-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
探測設備であって、
環境情報をリアルタイムに採集して取得するリアルタイム採集モジュールと、
位置情報をリアルタイムに取得するリアルタイム位置情報取得モジュールと、
取得された前記環境情報及び前記位置情報のうちの少なくとも1つにより前記探測設備の目標パラメータ値を確定するパラメータ確定モジュールと、
確定された目標パラメータ値により前記探測設備のパラメータをリアルタイムに調整するパラメータ調整モジュールと、を含むことを特徴とする探測設備。
【外国語明細書】